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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013531
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】作業用容器支持装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/08 20060101AFI20240125BHJP
   B65G 1/137 20060101ALI20240125BHJP
   B65G 47/52 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
B65G1/08 E
B65G1/137 E
B65G47/52 B
B65G47/52 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022115690
(22)【出願日】2022-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】清川 渉
【テーマコード(参考)】
3F022
3F044
3F522
【Fターム(参考)】
3F022FF12
3F022HH01
3F022MM13
3F022MM36
3F022QQ01
3F044AA11
3F044BA01
3F044CA01
3F044CA08
3F044CD09
3F522BB27
3F522CC03
3F522HH02
3F522HH13
3F522HH31
3F522LL54
(57)【要約】
【課題】容器の入替を容易に行うことができる作業用容器支持装置を実現する。
【解決手段】作業用支持面22aを備えた作業用支持部22と、搬入用支持面21aを備えた搬入用支持部21と、搬出用支持面23aを備えた搬出用支持部23と、搬入用支持部21から作業用支持部22へ容器12を移動させる第1移動装置30と、作業用支持部22から搬出用支持部23へ容器12を移動させる第2移動装置40と、作業用支持部22の姿勢を変更する姿勢変更装置60と、を備え、姿勢変更装置60は、作業用支持面22aと搬入用支持面21aとが連続する第1姿勢と、容器12の上面を作業エリア側D1に傾けるように作業用支持面22aを傾斜させた第2姿勢と、第1姿勢よりも下側に作業用支持面22aが位置し、作業用支持面22aと搬出用支持面23aとが連続する第3姿勢と、に姿勢変更可能に構成されている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業主体による容器からの物品の取出作業、又は、作業主体による容器への物品の投入作業が行われる作業エリアに隣接して配置される作業用容器支持装置であって、
作業対象の前記容器を支持する作業用支持面を備えた作業用支持部と、
前記作業用支持部へ搬入される前記容器を支持する搬入用支持面を備えた搬入用支持部と、
前記作業用支持部から搬出された前記容器を支持する搬出用支持面を備えた搬出用支持部と、
前記搬入用支持部から前記作業用支持部へ前記容器を移動させる第1移動装置と、
前記作業用支持部から前記搬出用支持部へ前記容器を移動させる第2移動装置と、
前記作業用支持部の姿勢を変更する姿勢変更装置と、
を備え、
水平方向における前記作業用支持部に対して前記作業エリアの側を作業エリア側とし、その反対側を反作業エリア側として、
前記搬入用支持部及び前記搬出用支持部は、前記作業用支持部に対して前記反作業エリア側に隣接して配置され、
前記搬入用支持部は、前記搬出用支持部よりも上側であって、上下方向視で前記搬出用支持部と重複する位置に配置され、
前記姿勢変更装置は、前記作業用支持面と前記搬入用支持面とが連続する第1姿勢と、前記容器の上面を前記作業エリア側に傾けるように前記作業用支持面を傾斜させた第2姿勢と、前記第1姿勢よりも下側に前記作業用支持面が位置し、前記作業用支持面と前記搬出用支持面とが連続する第3姿勢と、に姿勢変更可能に構成されている、作業用容器支持装置。
【請求項2】
前記搬入用支持部から前記作業用支持部への前記容器の移動の規制及び規制解除を選択的に行うストッパ機構を更に備え、
前記作業用支持面、前記搬入用支持面、及び、前記搬出用支持面に、前記容器を傾斜方向の下側へ向けて滑らせるスライダ機構が設けられ、
前記第1移動装置は、前記作業用支持面の前記スライダ機構と前記搬入用支持面の前記スライダ機構とを含み、
前記第2移動装置は、前記作業用支持面の前記スライダ機構と前記搬出用支持面の前記スライダ機構とを含み、
前記搬入用支持面は、前記作業エリア側へ向かうに従って下側となるように傾斜し、
前記搬出用支持面は、前記反作業エリア側へ向かうに従って下側となるように傾斜し、
前記第1姿勢の前記作業用支持面は、前記作業エリア側へ向かうに従って下側となるように傾斜し、
前記第3姿勢の前記作業用支持面は、前記反作業エリア側へ向かうに従って下側となるように傾斜している、請求項1に記載の作業用容器支持装置。
【請求項3】
前記第2姿勢における前記作業用支持面の高さ及び水平面に対する傾斜角度の少なくとも一方を、前記作業エリアで作業する前記作業主体に応じて連続的又は段階的に変更可能である、請求項1又は2に記載の作業用容器支持装置。
【請求項4】
前記姿勢変更装置は、第1伸縮駆動機構と、第2伸縮駆動機構と、前記第1伸縮駆動機構及び前記第2伸縮駆動機構を支持する支持体と、を備え、
前記第1伸縮駆動機構は、前記支持体に支持された第1基部に対して第1被駆動部を接近及び離間させる方向に駆動可能であり、
前記第2伸縮駆動機構は、前記支持体に支持された第2基部に対して第2被駆動部を接近及び離間させる方向に駆動可能であり、
前記第1伸縮駆動機構は、前記第1被駆動部が少なくとも上下方向に移動するように前記第1基部が前記支持体に固定されていると共に、前記第1被駆動部が前記作業用支持部に対して揺動自在に連結され、
前記第2伸縮駆動機構は、前記第2被駆動部が少なくとも上下方向に移動するように、前記第2基部が前記支持体に対して揺動自在に連結されていると共に、前記第2被駆動部が前記作業用支持部に対して揺動自在に連結されている、請求項1又は2に記載の作業用容器支持装置。
【請求項5】
前記搬入用支持部及び前記搬出用支持部に対して上側又は下側であって、上下方向視で前記搬入用支持部及び前記搬出用支持部と重複する位置に、複数の前記容器を支持する待機容器支持部を備え、
前記搬入用支持部及び前記搬出用支持部に対して前記反作業エリア側に隣接して、前記搬入用支持部への前記容器の搬入、前記搬出用支持部からの前記容器の搬出、並びに、前記待機容器支持部への前記容器の搬入及び搬出、を行うスタッカクレーンが配置されている、請求項1又は2に記載の作業用容器支持装置。
【請求項6】
前記作業用支持部に対して前記作業エリア側に隣接して、前記容器から取り出した物品又は前記容器に投入する物品を載置する載置部が配置されていると共に、前記作業用支持部よりも上側に、前記作業エリア側に向けて前記作業主体に対する作業指示を表示する表示装置が配置されている、請求項1又は2に記載の作業用容器支持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業用容器支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ピッキング作業や仕分け作業等における、容器からの物品の取出作業、又は、容器への物品の投入作業のために、当該容器を支持する作業用容器支持装置が知られている。以下、背景技術の説明において括弧内に示す符号は特許文献1のものである。特許文献1には、作業者(M)によるピッキング作業のために、複数の容器(25)を支持する作業用支持部(23)を備えた作業用容器支持装置(21)が開示されている。
【0003】
しかし、特許文献1の作業用容器支持装置では、作業用支持部(23)の容器(25)を入れ替える場合に、作業者(M)が作業用支持部(23)から容器(25)を取り出して別の場所まで運ぶ必要があった。そのため、作業者(M)によるピッキング作業又は仕分け作業の効率が低下する要因となっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-017318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、容器の入替を容易に行うことができる作業用容器支持装置の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る作業用容器支持装置は、
作業主体による容器からの物品の取出作業、又は、作業主体による容器への物品の投入作業が行われる作業エリアに隣接して配置される作業用容器支持装置であって、
作業対象の前記容器を支持する作業用支持面を備えた作業用支持部と、
前記作業用支持部へ搬入される前記容器を支持する搬入用支持面を備えた搬入用支持部と、
前記作業用支持部から搬出された前記容器を支持する搬出用支持面を備えた搬出用支持部と、
前記搬入用支持部から前記作業用支持部へ前記容器を移動させる第1移動装置と、
前記作業用支持部から前記搬出用支持部へ前記容器を移動させる第2移動装置と、
前記作業用支持部の姿勢を変更する姿勢変更装置と、
を備え、
水平方向における前記作業用支持部に対して前記作業エリアの側を作業エリア側とし、その反対側を反作業エリア側として、
前記搬入用支持部及び前記搬出用支持部は、前記作業用支持部に対して前記反作業エリア側に隣接して配置され、
前記搬入用支持部は、前記搬出用支持部よりも上側であって、上下方向視で前記搬出用支持部と重複する位置に配置され、
前記姿勢変更装置は、前記作業用支持面と前記搬入用支持面とが連続する第1姿勢と、前記容器の上面を前記作業エリア側に傾けるように前記作業用支持面を傾斜させた第2姿勢と、前記第1姿勢よりも下側に前記作業用支持面が位置し、前記作業用支持面と前記搬出用支持面とが連続する第3姿勢と、に姿勢変更可能に構成されている。
【0007】
本構成によれば、取出作業、又は、投入作業中の容器の上面を、作業用支持部において作業エリアの作業主体の側へ向けて支持することができると共に、当該作業用支持部への容器の搬入及び当該作業用支持部から容器の搬出を円滑に行うことができる。従って、作業主体による取出作業又は投入作業と、容器の入れ替えと、を容易に行うことができる。また、上下方向視で搬入用支持部と搬出用支持部とが重複する位置に配置されているので作業用容器支持装置の設置面積を小さくできる。
【0008】
本開示に係る技術のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】作業用容器支持装置の上面図
図2】作業用容器支持装置の正面図
図3】搬入用支持部に容器がある状態を示す図
図4】作業用支持部が第1姿勢の状態を示す図
図5】作業用支持部が第2姿勢の状態を示す図
図6】作業用支持部が第2姿勢から第3姿勢へ変更される途中の状態を示す図
図7】作業用支持部が第3姿勢の状態を示す図
図8】搬出用支持部に容器がある状態を示す図
図9】係脱機構周りを拡大して説明する図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下では、本実施形態に係る作業用容器支持装置(以下、容器支持装置)10について、図面を参照して説明する。図1は、倉庫11に備えられた容器支持装置10の上面図である。図2は、倉庫11に備えられた容器支持装置10の正面図である。図3は、容器支持装置10の側面図である。本実施形態では、容器支持装置10は、例えば自動倉庫である倉庫11に備えられている。ここで、自動倉庫とは収納対象物の入庫や出庫が自動化された倉庫である。物品Wは容器12から取り出されてケース14に投入される、又は、物品Wはケース14から取り出されて容器12に投入される。本実施形態では、倉庫11への容器12の入庫及び出庫が自動化されている。容器12は、好適には上面から物品Wが目視できる箱であり、更に好適には蓋12aを有する上開きの箱である。
【0011】
図3に示すように、容器支持装置10は、作業対象の容器12を支持する作業用支持面22aを備えた作業用支持部22と、作業用支持部22へ搬入される容器12を支持する搬入用支持面21aを備えた搬入用支持部21と、作業用支持部22から搬出された容器12を支持する搬出用支持面23aを備えた搬出用支持部23と、を備えている。搬入用支持部21は、搬出用支持部23よりも上側であって、上下方向視で搬出用支持部23と重複する位置に配置されている。なお、本明細書において「重複する」とは、少なくとも一部で重複することを意味する。本実施形態では、容器支持装置10は、搬入用支持部21及び搬出用支持部23に対して上側又は下側であって、上下方向視で搬入用支持部21及び搬出用支持部23と重複する位置に、複数の容器12を支持する待機容器支持部24を備えている。図示の例では、容器支持装置10は、待機容器支持部24を搬入用支持部21及び搬出用支持部23に対して上側に備えている。なお、図1では待機容器支持部24等が省略されている。
【0012】
容器支持装置10は、作業エリアE1に隣接して配置される。この作業エリアE1で、作業主体M1による容器12からの物品Wの取出作業、又は、作業主体M1による容器12への物品Wの投入作業が行われる。取出作業又は投入作業を行う作業主体M1の例としては、作業者や自律制御式のロボット等が挙げられる。ここで、水平方向における容器支持装置10が備える作業用支持部22に対して作業エリアE1の側を作業エリア側D1とし、その反対側を反作業エリア側D2とする。また、作業エリア側D1を前、反作業エリア側D2を後とする前後方向を第1方向Dとし、水平方向において第1方向Dと直交する方向を第2方向Lとし、鉛直方向に沿う方向を上下方向Zとする。
【0013】
本実施形態では、スタッカクレーン16が搬入用支持部21及び搬出用支持部23に対して反作業エリア側D2に隣接して配置されている。また、スタッカクレーン16は、搬入用支持部21への容器12の搬入、搬出用支持部23からの容器12の搬出、並びに、待機容器支持部24への容器12の搬入及び搬出を行う。ここで、スタッカクレーンとは、水平方向の走行機能、上下方向Zの昇降機能をもったクレーンである。図1に示す例では、スタッカクレーン16は、レール15に沿って第2方向Lに走行する。また、スタッカクレーン16は、搬入用支持部21に容器12を搬入、及び、搬出用支持部23から容器12を搬出する移載装置16aを有する。スタッカクレーン16の運転は図示しない制御装置により自動化されている。
【0014】
図3に示すように、搬入用支持部21は、作業用支持部22に対して反作業エリア側D2に隣接して配置されている。本実施形態では、搬入用支持面21aに、容器12を傾斜方向の下側へ向けて滑らせる第1スライダ機構31が設けられている。また、搬入用支持面21aは、作業エリア側D1へ向かうに従って下側となるように傾斜している。好適には、搬入用支持面21aの傾斜は固定されている。
【0015】
搬出用支持部23は、作業用支持部22に対して反作業エリア側D2に隣接して配置されている。本実施形態では、搬出用支持面23aに、容器12を傾斜方向の下側へ向けて滑らせる第3スライダ機構41が設けられている。また、搬出用支持面23aは、反作業エリア側D2へ向かうに従って下側となるように傾斜している。好適には、搬出用支持面23aの傾斜は固定されている。
【0016】
本実施形態では、作業用支持面22aに、容器12を傾斜方向の下側へ向けて滑らせる第2スライダ機構35が設けられている。第1スライダ機構31、第2スライダ機構35、及び、第3スライダ機構41は、好適にはローラを備えたスライダであり、更に好適にはローラを動かす駆動装置を備えないローラコンベヤである。第1スライダ機構31、第2スライダ機構35、及び、第3スライダ機構41は、スライダ機構に相当する。
【0017】
本実施形態では、容器支持装置10は、搬入用支持部21から作業用支持部22へ容器12を移動させる第1移動装置30を備えている。図3に示すように、第1移動装置30は、作業用支持面22aの第2スライダ機構35と搬入用支持面21aの第1スライダ機構31とを含んでいる。また、容器支持装置10は、搬入用支持部21から作業用支持部22への容器12の移動の規制及び規制解除を選択的に行うストッパ機構34を備えている。第1移動装置30はストッパ機構34を含んでいる。
【0018】
本実施形態では、容器支持装置10は、作業用支持部22から搬出用支持部23へ容器12を移動させる第2移動装置40を備えている。後述の図7に示すように、第2移動装置40は、作業用支持面22aの第2スライダ機構35と搬出用支持面23aの第3スライダ機構41とを含んでいる。また、容器支持装置10は、作業用支持部22から搬出用支持部23への容器12の移動の規制及び規制解除を選択的に行う(後述の)係脱機構80を更に備えている。第2移動装置40は係脱機構80を含んでいる。
【0019】
容器支持装置10は、作業用支持部22の姿勢を変更する姿勢変更装置60を備えている。本実施形態では、姿勢変更装置60は、第1伸縮駆動機構61と、第2伸縮駆動機構62と、第1伸縮駆動機構61及び第2伸縮駆動機構62を支持する支持体65と、を備えている。
【0020】
本実施形態では、第1伸縮駆動機構61は、支持体65に支持された第1基部61aに対して第1被駆動部61bを接近及び離間させる方向に駆動可能である。また、第1伸縮駆動機構61は、第1被駆動部61bが少なくとも上下方向Zに移動するように第1基部61aが支持体65に固定されていると共に、第1被駆動部61bが作業用支持部22に対して揺動自在に連結されている。第1被駆動部61bは、第2方向Lに沿う軸心回りに揺動自在に作業用支持部22に連結されている。図示の例では、第1伸縮駆動機構61は、作業用支持部22における第1方向Dの中央部よりも反作業エリア側D2に設けられたエアシリンダである。また、本実施形態では、第1伸縮駆動機構61は、作業用支持部22の第1方向Dの一方の端部の上方向への移動を制限する上限規定部66を有している。図示の例では、上限規定部66は搬入用支持部21に対し上下移動不能に設けられ、第1被駆動部61bの上方向への移動を制限することで、作業用支持部22における反作業エリア側D2の端部の上方向への移動を制限する(後述の図9を参照)。
【0021】
本実施形態では、第2伸縮駆動機構62は、支持体65に支持された第2基部62aに対して第2被駆動部62bを接近及び離間させる方向に駆動可能である。第2伸縮駆動機構62は、第2被駆動部62bが少なくとも上下方向Zに移動するように、第2基部62aが支持体65に対して揺動自在に連結されていると共に、第2被駆動部62bが作業用支持部22に対して揺動自在に連結されている。第2基部62aは、第2方向Lに沿う軸心回りに揺動自在に支持体65に連結され、第2被駆動部62bは、第2方向Lに沿う軸心回りに揺動自在に作業用支持部22に連結されている。図示の例では、第2伸縮駆動機構62は、作業用支持部22における第1方向Dの中央部よりも作業エリア側D1に設けられたエアシリンダである。第1被駆動部61b及び第2被駆動部62bは、第1方向Dの互いに異なる位置において作業用支持部22に連結されている。図示の例では、第1被駆動部61bは、作業用支持部22における第1方向Dの中央部よりも反作業エリア側D2の部分(ここでは、反作業エリア側D2の端部)に連結され、第2被駆動部62bは、作業用支持部22における第1方向Dの中央部よりも作業エリア側D1の部分(ここでは、作業エリア側D1の端部)に連結されている。
【0022】
図4は作業用支持部22が第1姿勢P1の状態を示す図である。図5は作業用支持部22が第2姿勢P2の状態を示す図である。図7は作業用支持部22が第3姿勢P3の状態を示す図である。また、図6は、作業用支持部22が第2姿勢P2から第3姿勢P3へ変更される途中の状態を示す図である。
【0023】
姿勢変更装置60は、作業用支持面22aと搬入用支持面21aとが連続する第1姿勢P1と、容器12の上面を作業エリア側D1に傾けるように作業用支持面22aを傾斜させた第2姿勢P2と、第1姿勢P1よりも下側に作業用支持面22aが位置し、作業用支持面22aと搬出用支持面23aとが連続する第3姿勢P3と、に姿勢変更可能に構成されている。このように、それぞれの支持面が連続することで、円滑に容器12を移動させることができる。なお、「2つの支持面が連続する」とは、これら2つの支持面の位置関係が、容器12を移動させる移動装置によってこれら2つの支持面の間で容器12を移動させることができる位置関係にあることを意味する。よって、連続する2つの支持面の間に隙間が形成されていてもよい。具体的には、「作業用支持面22aと搬入用支持面21aとが連続する」とは、作業用支持面22aと搬入用支持面21aとの位置関係が、第1移動装置30によって搬入用支持面21aから作業用支持面22aに容器12を移動させることができる位置関係にあることを意味する。また、「作業用支持面22aと搬出用支持面23aとが連続する」とは、作業用支持面22aと搬出用支持面23aとの位置関係が、第2移動装置40によって作業用支持面22aから搬出用支持面23aに容器12を移動させることができる位置関係にあることを意味する。好適には、作業用支持面22aは、第1姿勢P1で搬入用支持面21aと同一平面上に配置され、第3姿勢P3で搬出用支持面23aと同一平面上に配置されるように姿勢変更される。なお、第1姿勢P1と第2姿勢P2とが同じ姿勢であってもよい。
【0024】
図4に示す例では、第1姿勢P1における作業用支持面22aは、作業エリア側D1へ向かうに従って下側となるように傾斜している。好適には、作業用支持面22aの作業エリア側D1の先端は、第1姿勢P1において第2姿勢P2よりも上側である。
【0025】
図5に示す例では、第2姿勢P2における作業用支持面22aは、作業エリア側D1へ向かうに従って下側となるように傾斜している。本実施形態では、第2姿勢P2における作業用支持部22の姿勢を、作業エリアE1で作業する作業主体M1に応じて連続的又は段階的に変更可能である。ここで、第2姿勢P2における作業用支持部22の姿勢とは、第2姿勢P2における作業用支持面22aの高さ及び水平面に対する傾斜角度の少なくとも一方である。このようにすれば、例えば作業者が複数いる場合にそれぞれの作業者に応じた第2姿勢P2で容器12を保持することができる。第2姿勢P2における作業用支持部22の姿勢は、例えば、第1被駆動部61bの上下方向Z及び第2被駆動部62bの上下方向Zの移動距離が調整されることにより変更される。また、例えば、第1伸縮駆動機構61及び第2伸縮駆動機構62にそれぞれ設けられたボールねじ及びモータにより調整されてもよい。作業主体M1に応じて変更された第2姿勢P2における作業用支持部22の姿勢は、好適には、図示しない記憶装置に記憶されて以降の姿勢変更における第2姿勢P2として用いられる。
【0026】
図7に示す例では、第3姿勢P3における作業用支持面22aは、反作業エリア側D2へ向かうに従って下側となるように傾斜している。好適には、作業用支持面22aの反作業エリア側D2の先端は、第3姿勢P3において第2姿勢P2よりも下側である。
【0027】
図5に戻り、本実施形態では、作業用支持部22よりも上側に、作業エリア側D1に向けて作業主体M1に対する作業指示を表示する表示装置72が配置されている。このようにすれば、作業エリアE1にいる作業者が表示装置72に表示された作業指示を参照できるので、より正確、且つ、効率的に取出作業或いは投入作業を行うことが可能となる。
【0028】
本実施形態では、作業用支持部22への容器12の搬入及び当該作業用支持部22から容器12の搬出を作業主体M1が操作できる操作部74を備えている。このようにすれば、作業主体M1による操作により、作業用支持部22への容器12の搬入及び作業用支持部22から容器12の搬出を自動的に行うことができる。本実施形態では、操作部74は表示装置72に備えられている。また、操作部74は更に第2姿勢P2における作業用支持部22の姿勢を、作業エリアE1で作業する作業主体M1に応じて連続的又は段階的に変更する操作を行うことができる。また、操作部74はスタッカクレーン16による搬入用支持部21への搬入及び搬出用支持部23からの搬出を操作できる。また、操作部74はスタッカクレーン16による待機容器支持部24への容器12の搬入及び搬出を操作できる。図示の例では、操作部74は操作ボタンである。なお、操作部74はタッチディスプレイであってもよく、第2姿勢P2における作業用支持部22の姿勢を変更可能な調整つまみ、スタッカクレーン16を操作可能なキーボード、非常停止ボタン等を備えていてもよい。
【0029】
本実施形態では、作業用支持部22に対して作業エリア側D1に隣接して、容器12から取り出した物品W又は容器12に投入する物品Wを載置する載置部76が配置されている。本実施形態では、容器支持装置10が第2方向Lに複数並べられることで、第2姿勢P2の作業用支持部22に支持された容器12が第2方向Lに複数並べられている。載置部76は長手状であり、第2方向Lに複数並べられた容器12の作業エリア側D1に隣接して長手方向が第2方向Lとなるように配置される。載置部76はケース移動部77を有し、載置部76に載置されたケース14を少なくとも第2方向Lに移動可能に構成されている。図示の例では、載置部76は長手状のテーブルであり、その上面にケース移動部77として機能する滑り部が設けられている。ケース14は、好適には出荷用の入れ物であるが、入出荷用トレイや入出荷用段ボール箱等であってもよい。或いは、ケース移動部77をコンベヤ等とし、ケース14を用いず、容器12から取り出した物品Wをそのままコンベヤ等で搬送するようしても良い。
【0030】
図3から図8は、容器支持装置10を用いて複数の容器12から物品Wが取出されて1つのケース14に投入される投入作業の様子を示している。以下において、作業エリアE1で行われる投入作業の一例を説明する。図3は、搬入用支持部21に容器12がある状態を示す図である。本実施形態では、スタッカクレーン16により容器12が搬入用支持部21に搬入されると、搬入用支持面21aが作業エリア側D1へ向かうに従って下側となるように傾斜しているため、第1スライダ機構31により容器12が下側に滑って作業エリア側D1に移動し、規制状態とされたストッパ機構34により停止させられる。
【0031】
図4は、搬入用支持部21から第1姿勢P1の作業用支持部22に容器12が移動した状態を示す図である。本実施形態では、作業用支持部22の作業エリア側D1の端部に、前面ストッパ27が設けられている。図4に示すように、ストッパ機構34が解除状態とされた場合に、本実施形態では、第1姿勢P1の作業用支持面22aが作業エリア側D1へ向かうに従って下側となるように傾斜しているため、第2スライダ機構35により容器12が下側に滑って前面ストッパ27と接触して停止する。
【0032】
ストッパ機構34は、例えば、図8に示すように作業用支持部22から搬出用支持部23への容器12の移動が完了した場合に、解除状態とされてもよい。作業用支持部22から搬出用支持部23への容器12の移動完了は、例えば容器12と後面ストッパ28との接触により判定されてもよい。また、ストッパ機構34は、作業主体M1により操作部74である操作ボタンが押された場合に解除状態とされてもよい。また、ストッパ機構34は、例えば、図4に示すように搬入用支持部21から作業用支持部22への容器12の移動が完了した場合に、規制状態とされてもよい。搬入用支持部21から作業用支持部22への容器12の移動完了は、例えば容器12と前面ストッパ27との接触により判定されてもよい。
【0033】
図5は作業用支持部22が第2姿勢P2の状態を示す図であって、作業主体M1により第2姿勢P2における作業用支持面22a上の容器12から載置部76上のケース14への物品Wの取出作業が行われる様子を示している。本実施形態では、搬入用支持部21から作業用支持部22への容器12の移動が完了すると、姿勢変更装置60は作業用支持部22を第2姿勢P2とする。好適には、第1伸縮駆動機構61及び第2伸縮駆動機構62のうち、作業エリア側D1の一方における上下方向Zの伸縮が行われることにより作業用支持部22が第1姿勢P1から第2姿勢P2に変更される。図5に示す例では、上記作業エリア側D1の一方である第2伸縮駆動機構62の第2被駆動部62bを第2基部62aに対して接近させる方向に駆動することにより作業用支持部22が第1姿勢P1から第2姿勢P2に変更される。
【0034】
本実施形態では、第2姿勢P2における作業用支持面22aの水平面に対する傾斜角度が、作業エリアE1で作業する作業主体M1に応じて連続的に調整可能である。この調整は、好適には、第1伸縮駆動機構61及び第2伸縮駆動機構62のうち、作業エリア側D1の一方における上下方向Zの伸縮が行われることにより上記傾斜角度が調整される。図5に示す例では、上記作業エリア側D1の一方である第2被駆動部62bを第2基部62aに対して接近及び離間させる方向に駆動することにより上記傾斜角度が調整される。
【0035】
本実施形態では、第2姿勢P2において作業主体M1が容器12の蓋12aの開閉を行う。また、本実施形態では、取出作業において作業用支持面22a上の容器12が空になり、又は当該容器12からの物品Wの取り出しが完了して、容器12を交換する場合に、作業主体M1により操作部74である操作ボタンが押される。作業主体M1により操作ボタンが押されると、姿勢変更装置60が作業用支持部22を第3姿勢P3とする。図6は、作業用支持部22が第2姿勢P2から第3姿勢P3へ変更される途中の状態を示すであって、後述の係脱機構80が、容器12の移動を規制している状態を示す図である。
【0036】
図7は作業用支持部22が第3姿勢P3の状態を示す図である。本実施形態では、第3姿勢P3の作業用支持面22aが反作業エリア側D2へ向かうに従って下側となるように傾斜しているため、第2スライダ機構35により容器12が下側に滑って搬出用支持部23に移動する。好適には、第1伸縮駆動機構61及び第2伸縮駆動機構62のうち、反作業エリア側D2の一方における上下方向Zの伸縮が行われることにより作業用支持部22が第2姿勢P2から第3姿勢P3に変更される。図7に示す例では、上記作業エリア側D1の一方である第1伸縮駆動機構61の第1被駆動部61bを第1基部61aに対して接近させる方向に駆動することにより作業用支持部22が第2姿勢P2から第3姿勢P3に変更される。
【0037】
図8は、第3姿勢P3の作業用支持部22から搬出用支持部23に容器12が移動した状態を示す図である。本実施形態では、搬出用支持部23の反作業エリア側D2の端部に、後面ストッパ28が設けられている。また、搬出用支持面23aは、反作業エリア側D2へ向かうに従って下側となるように傾斜しているため。第3スライダ機構41により容器12が下側に滑り、後面ストッパ28と接触して停止する。
【0038】
本実施形態では、作業用支持部22から搬出用支持部23への容器12の移動が完了すると、上述のようにストッパ機構34が解除状態とされて、スタッカクレーン16により搬入用支持部21に搬入されている次の容器12が作業用支持部22に移動し前面ストッパ27と接触して停止する。例えば、容器12が作業用支持部22に移動し前面ストッパ27と接触により、搬入用支持部21から作業用支持部22への容器12の移動完了が判定されると、姿勢変更装置60が再び作業用支持部22を第2姿勢P2とする。このようにすれば、容器支持装置10を比較的簡易な構成とすることができる。また、作業用支持部22が第2姿勢P2の場合に作業主体M1が操作部74である操作ボタンを1回押すだけで容器12を交換可能とできる。
【0039】
本実施形態では、作業用支持部22から搬出用支持部23への容器12の移動が完了すると、スタッカクレーン16が搬入用支持部21に次の容器12を搬入し、移動が完了した搬出用支持部23の容器12を搬出する。スタッカクレーン16による搬入は、待機容器支持部24からの搬入でもよく、倉庫11の図示しない入庫部からの搬入でもよい。また、スタッカクレーン16による搬出は、待機容器支持部24への搬出でもよく、倉庫11の図示しない出庫部への搬出でもよい。作業用支持部22から搬出用支持部23への容器12の移動完了は、例えば、容器12と後面ストッパ28との接触により判定されてもよく、更に、ストッパ機構34が規制状態とされたことにより判定されてもよい。
【0040】
図9は、図8の係脱機構80周りを拡大して説明する図である。本実施形態では、容器支持装置10は係脱機構80を備えている。係脱機構80は、作業用支持面22aが反作業エリア側D2へ向かうに従って下側となるように傾斜し、且つ、作業用支持面22aと搬出用支持面23aとが連続していない場合に(図6を参照)、作業用支持部22から搬出用支持部23への容器12の移動を規制する。また、係脱機構80は、作業用支持部22が第1姿勢P1の場合に搬入用支持部21から作業用支持部22への容器12の移動を許容する。また、係脱機構80は、作業用支持部22が第3姿勢P3の場合に作業用支持部22から搬出用支持部23への容器12の移動を許容する。このようにすれば、作業用支持面22aと搬出用支持面23aとが連続していない場合に容器12が移動することによる衝撃を抑制できる。
【0041】
本実施形態では、係脱機構80は、爪部82aを有する規制部材82と、作業用支持部22が第1姿勢P1の場合に爪部82aを搬入用支持部21から作業用支持部22への容器12の移動(以下、前進移動という)を許容し作業用支持部22に支持される容器12の反作業エリア側D2への移動(以下、後進移動という)を規制する規制状態に保つ規制保持部83と、作業用支持部22が第3姿勢P3の場合に爪部82aを容器12の後進移動を許容する許容状態に保つ許容保持部84と、を備えている。好適には、係脱機構80は、作業用支持部22が第2姿勢P2でも容器12の後進を規制する。
【0042】
本実施形態では、規制部材82は回転軸X1周りに作業用支持部22に対し回転可能に設けられ、回転軸X1に対し一端側よりも他端側が重くされ、爪部82aが一端側に設けられている。規制部材82は作業用支持部22の反作業エリア側D2の端部に設けられている。
【0043】
本実施形態では、規制保持部83は作業用支持部22に設けられ、規制部材82に接触して回転軸X1周りの一方向C1の回転を規制することで容器12の後進移動を規制し、他方向C2の回転を許容することで容器12の前進移動を許容する。図示の例では、規制保持部83は作業用支持部22の反作業エリア側D2の端部に固定されている。作業用支持部22が第1姿勢P1の場合には、規制部材82は一端側より重い多端側が重力により下がり規制保持部83に接触することにより爪部82aが上昇した状態で保持されて規制状態に保たれる。
【0044】
本実施形態では、許容保持部84は搬出用支持部23又は支持体65に設けられ、作業用支持部22の反作業エリア側D2の端部が下がることで規制部材82に接触してその他端側を持ち上げることにより、一端側の爪部82aが下降した状態で保持されて許容状態に保たれる。図示の例では、許容保持部84は第1基部61aを介して支持体65に固定されている。このようにすれば、簡易な構造で規制部材82の爪部82aを規制状態と許容状態とに切り替えられる。
【0045】
〔その他の実施形態〕
次に、容器支持装置のその他の実施形態について説明する。
【0046】
(1)上記の実施形態では、容器支持装置10がスタッカクレーン16を備えた自動倉庫である倉庫11に備えられる構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、例えば、スタッカクレーン16の代わりに遠隔操作式や自律制御式の無人搬送車、マルチコプター、ロボット、作業者等が容器12の搬入又は搬出を行うことができるように容器支持装置10が構成されていてもよい。また、載置部76が無人搬送車の上部やコンベヤであってもよい。また、容器支持装置10がスタッカクレーン16、待機容器支持部24、表示装置72、又は、載置部76を備えなくてもよく、倉庫11が自動倉庫でなくてもよい。
【0047】
(2)上記の実施形態では、容器12が蓋12aを有する上開きの箱である構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、例えば容器12が蓋12aを有していない有底の円筒であってもよい。また、例えば容器12の上面が透明な板であって、容器12の側面等から物品Wの取出、又は、容器12への物品Wの投入が可能であってもよい。
【0048】
(3)上記の実施形態では、作業エリアE1に隣接して容器支持装置10が第2方向Lに複数並べられて配置され、複数の容器12から物品Wが取出されて1つのケース14に投入される取出作業が行われる配置を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、例えば、容器支持装置10が隣接する作業エリアE1において、作業主体M1が第2方向Lに載置部76上のケース14とともに移動しながらケース14から物品Wが取出されて複数の容器12に物品Wが投入される投入作業が行われるものであってもよい。また、容器支持装置10が1つだけであって、複数のケース14から取り出された物品Wが容器12に投入される投入作業が行われるものであってもよい。
【0049】
(4)上記の実施形態では、第1移動装置30がローラを備えた第1スライダ機構31及び第2スライダ機構35とストッパ機構34とを備え、第2移動装置40がローラを備えた第2スライダ機構35及び第3スライダ機構41と係脱機構80とを備える構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、例えば、第1移動装置30及び第2移動装置40がスライダ機構として平滑面のシュートと容器12が押し出すプッシャとを備える構成であってもよい。また、ストッパ機構34や係脱機構80を備えず、ローラを動かす駆動装置を備えるローラコンベヤ、ベルトコンベヤ等を備える構成であってもよい。また、搬入用支持面21a及び搬出用支持面23aが水平に設けられていてもよい。
【0050】
(5)上記の実施形態では、第1姿勢P1の作業用支持面22aは、作業エリア側D1へ向かうに従って下側となるように傾斜し、第3姿勢P3の作業用支持面22aは、反作業エリア側D2へ向かうに従って下側となるように傾斜する構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、例えば、第1姿勢P1及び第3姿勢P3における作業用支持面22aが水平となる構成や、第1姿勢P1における作業用支持面22aが反作業エリア側D2へ向かうに従って下側となるように傾斜し、第3姿勢P3における作業用支持面22aが作業エリア側D1へ向かうに従って下側となるように傾斜する構成であってもよい。
【0051】
(6)上記の実施形態では、姿勢変更装置60が第1姿勢P1から第2姿勢P2では第2伸縮駆動機構62のみを、第2姿勢P2から第3姿勢P3では第1伸縮駆動機構61のみを伸縮させる構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、例えば、姿勢変更装置60が第1伸縮駆動機構61及び第2伸縮駆動機構62の両方を同時に用いて作業用支持部22の姿勢を変更する構成であってもよい。また、第2姿勢P2における作業用支持部22の姿勢を、作業エリアE1で作業する作業主体M1に応じて連続的又は段階的に変更できなくてもよい。
【0052】
(7)上記の実施形態では、姿勢変更装置60が揺動可能に支持されたエアシリンダである構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、例えば、姿勢変更装置60が昇降装置及び揺動駆動モータを備えた揺動装置であっていてもよい。また、第1姿勢P1と第2姿勢P2とが同じ姿勢であってもよく、第1姿勢P1が作業主体M1に応じてボールねじやモータが用いられて姿勢を調整可能であってもよい。また、油圧シリンダ、ボールねじ、リンクアーム、リニアモータ等が用いられてもよい。
【0053】
(8)上記の実施形態では、作業用支持面22a上の容器12を交換する場合に、操作部74である操作ボタンが作業主体M1により押される構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、表示装置72や操作部74が作業エリア側D1に向けて配置されていなくてもよい。例えば、作業主体M1でない管理者や制御装置が作業用支持部22への容器12の搬入及び当該作業用支持部22から容器12の搬出を操作する構成であってもよい。
【0054】
(9)なお、上述した実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0055】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明した作業用容器支持装置について説明する。
【0056】
本開示に係る作業用容器支持装置は、
作業主体による容器からの物品の取出作業、又は、作業主体による容器への物品の投入作業が行われる作業エリアに隣接して配置される作業用容器支持装置であって、
作業対象の前記容器を支持する作業用支持面を備えた作業用支持部と、
前記作業用支持部へ搬入される前記容器を支持する搬入用支持面を備えた搬入用支持部と、
前記作業用支持部から搬出された前記容器を支持する搬出用支持面を備えた搬出用支持部と、
前記搬入用支持部から前記作業用支持部へ前記容器を移動させる第1移動装置と、
前記作業用支持部から前記搬出用支持部へ前記容器を移動させる第2移動装置と、
前記作業用支持部の姿勢を変更する姿勢変更装置と、
を備え、
水平方向における前記作業用支持部に対して前記作業エリアの側を作業エリア側とし、その反対側を反作業エリア側として、
前記搬入用支持部及び前記搬出用支持部は、前記作業用支持部に対して前記反作業エリア側に隣接して配置され、
前記搬入用支持部は、前記搬出用支持部よりも上側であって、上下方向視で前記搬出用支持部と重複する位置に配置され、
前記姿勢変更装置は、前記作業用支持面と前記搬入用支持面とが連続する第1姿勢と、前記容器の上面を前記作業エリア側に傾けるように前記作業用支持面を傾斜させた第2姿勢と、前記第1姿勢よりも下側に前記作業用支持面が位置し、前記作業用支持面と前記搬出用支持面とが連続する第3姿勢と、に姿勢変更可能に構成されている。
【0057】
本構成によれば、取出作業、又は、投入作業中の容器の上面を、作業用支持部において作業エリアの作業主体の側へ向けて支持することができると共に、当該作業用支持部への容器の搬入及び当該作業用支持部から容器の搬出を円滑に行うことができる。従って、作業主体による取出作業又は投入作業と、容器の入れ替えと、を容易に行うことができる。また、上下方向視で搬入用支持部と搬出用支持部とが重複する位置に配置されているので作業用容器支持装置の設置面積を小さくできる。
【0058】
また、作業用容器支持装置は、
前記搬入用支持部から前記作業用支持部への前記容器の移動の規制及び規制解除を選択的に行うストッパ機構を更に備え、
前記作業用支持面、前記搬入用支持面、及び、前記搬出用支持面に、前記容器を傾斜方向の下側へ向けて滑らせるスライダ機構が設けられ、
前記第1移動装置は、前記作業用支持面の前記スライダ機構と前記搬入用支持面の前記スライダ機構とを含み、
前記第2移動装置は、前記作業用支持面の前記スライダ機構と前記搬出用支持面の前記スライダ機構とを含み、
前記搬入用支持面は、前記作業エリア側へ向かうに従って下側となるように傾斜し、
前記搬出用支持面は、前記反作業エリア側へ向かうに従って下側となるように傾斜し、
前記第1姿勢の前記作業用支持面は、前記作業エリア側へ向かうに従って下側となるように傾斜し、
前記第3姿勢の前記作業用支持面は、前記反作業エリア側へ向かうに従って下側となるように傾斜している。
【0059】
本構成によれば、第1移動装置及び第2移動装置が駆動源を備えていない場合であっても、姿勢変更装置による作業用支持部の姿勢変更動作と、ストッパ機構の動作と、により、搬入用支持部から作業用支持部への容器の移動と、作業用支持部から搬出用支持部への容器の移動とを行うことができる。従って、作業用容器支持装置の駆動源を少なく抑えることができ、作業用容器支持装置の低コスト化を図り易い。また、スライダ機構を用いることにより、コンベヤ機構を用いた場合よりも作業用容器支持装置の小型化を図りやすい。
【0060】
また、作業用容器支持装置において、
前記第2姿勢における前記作業用支持面の高さ及び水平面に対する傾斜角度の少なくとも一方を、作業エリアで作業する前記作業主体に応じて連続的又は段階的に変更可能である。
【0061】
本構成によれば、様々な作業主体がいる場合にそれぞれの作業主体に応じた高さ又は傾斜角度に第2姿勢を調整することができる。
【0062】
また、作業用容器支持装置において、
前記姿勢変更装置は、第1伸縮駆動機構と、第2伸縮駆動機構と、前記第1伸縮駆動機構及び前記第2伸縮駆動機構を支持する支持体と、を備え、
前記第1伸縮駆動機構は、前記支持体に支持された第1基部に対して第1被駆動部を接近及び離間させる方向に駆動可能であり、
前記第2伸縮駆動機構は、前記支持体に支持された第2基部に対して第2被駆動部を接近及び離間させる方向に駆動可能であり、
前記第1伸縮駆動機構は、前記第1被駆動部が少なくとも上下方向に移動するように前記第1基部が前記支持体に固定されていると共に、前記第1被駆動部が前記作業用支持部に対して揺動自在に連結され、
前記第2伸縮駆動機構は、前記第2被駆動部が少なくとも上下方向に移動するように、前記第2基部が前記支持体に対して揺動自在に連結されていると共に、前記第2被駆動部が前記作業用支持部に対して揺動自在に連結されている。
【0063】
本構成によれば、姿勢変更装置により作業支持部の姿勢を変更し、第1姿勢と第2姿勢と第3姿勢とで作業用支持面の角度を異ならせたり、第1姿勢と第2姿勢と第3姿勢とで作業用支持面の高さを異ならせたりすることができる。また、比較的簡素な構成により、このような姿勢変更装置を実現することができる。
【0064】
また、作業用容器支持装置は、
前記搬入用支持部及び前記搬出用支持部に対して上側又は下側であって、上下方向視で前記搬入用支持部及び前記搬出用支持部と重複する位置に、複数の前記容器を支持する待機容器支持部を備え、
前記搬入用支持部及び前記搬出用支持部に対して前記反作業エリア側に隣接して、前記搬入用支持部への前記容器の搬入、前記搬出用支持部からの前記容器の搬出、並びに、前記待機容器支持部への前記容器の搬入及び搬出、を行うスタッカクレーンが配置されている。
【0065】
本構成によれば、搬入用支持部への容器の搬入、及び、搬出用支持部からの容器の搬出を、スタッカクレーンを用いて自動的に行うことが可能となる。また、待機容器支持部を備えることにより作業対象となりうる複数の容器を保管することができる。
【0066】
また、作業用容器支持装置は、
前記作業用支持部に対して前記作業エリア側に隣接して、前記容器から取り出した物品又は前記容器に投入する物品を載置する載置部が配置されていると共に、前記作業用支持部よりも上側に、前記作業エリア側に向けて作業主体に対する作業指示を表示する表示装置が配置されている。
【0067】
本構成によれば、例えば、作業エリアにいる作業主体が表示装置に表示された作業指示を参照できるので、より正確な作業を行うことが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本開示に係る技術は、物品の取出作業又は物品の投入作業に用いられる作業用容器支持装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0069】
10 :容器支持装置
12 :容器
16 :スタッカクレーン
21 :搬入用支持部
21a :搬入用支持面
22 :作業用支持部
22a :作業用支持面
23 :搬出用支持部
23a :搬出用支持面
24 :待機容器支持部
30 :第1移動装置
31 :第1スライダ機構(スライダ機構)
34 :ストッパ機構
35 :第2スライダ機構(スライダ機構)
40 :第2移動装置
41 :第3スライダ機構(スライダ機構)
60 :姿勢変更装置
61 :第1伸縮駆動機構
61a :第1基部
61b :第1被駆動部
62 :第2伸縮駆動機構
62a :第2基部
62b :第2被駆動部
65 :支持体
72 :表示装置
76 :載置部
D1 :作業エリア側
D2 :反作業エリア側
E1 :作業エリア
M1 :作業主体
P1 :第1姿勢
P2 :第2姿勢
P3 :第3姿勢
W :物品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9