(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135329
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】加熱処理装置
(51)【国際特許分類】
F27B 9/06 20060101AFI20240927BHJP
F27D 11/02 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
F27B9/06 E
F27D11/02 A
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045956
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000002428
【氏名又は名称】芝浦メカトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(72)【発明者】
【氏名】磯 明典
(72)【発明者】
【氏名】増田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】高橋 崇史
(72)【発明者】
【氏名】黒澤 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】福田 丈二
【テーマコード(参考)】
4K050
4K063
【Fターム(参考)】
4K050AA02
4K050AA05
4K050BA16
4K050CC02
4K050CD06
4K063AA05
4K063AA09
4K063AA15
4K063BA12
4K063CA03
4K063FA07
4K063FA18
(57)【要約】
【課題】ワークの面内における温度のばらつきを小さくすることができる加熱処理装置を提供することである。
【解決手段】実施形態に係る加熱処理装置は、内部に、ワークを加熱処理する加熱領域を有するチャンバと、前記チャンバの内部において、前記加熱領域の上方、および下方の少なくともいずれかに設けられ、第1の方向に延びる少なくとも1つの第1のヒータと、前記チャンバの内部において、前記第1のヒータの、前記第1の方向と交差する第2の方向に位置し、前記第1のヒータよりも短い少なくとも1つの第2のヒータと、を備えている。前記第1のヒータは、単一または一対の組によって構成されるとともに、前記第1の方向において、前記加熱領域の中央領域、および前記加熱領域の周縁領域を加熱するように配置されている。前記第2のヒータは、前記第1の方向において、前記加熱領域の前記周縁領域を加熱するように配置される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に、ワークを加熱処理する加熱領域を有するチャンバと、
前記チャンバの内部において、前記加熱領域の上方、および下方の少なくともいずれかに設けられ、第1の方向に延びる少なくとも1つの第1のヒータと、
前記チャンバの内部において、前記第1のヒータの、前記第1の方向と交差する第2の方向に位置し、前記第1のヒータよりも短い少なくとも1つの第2のヒータと、
を備え、
前記第1のヒータは、単一または一対の組によって構成されるとともに、前記第1の方向において、前記加熱領域の中央領域、および前記加熱領域の周縁領域を加熱するように配置され、
前記第2のヒータは、前記第1の方向において、前記加熱領域の前記周縁領域を加熱するように配置される加熱処理装置。
【請求項2】
前記第2のヒータの、前記加熱領域の側の端部は、前記加熱領域の周縁の近傍に設けられている請求項1記載の加熱処理装置。
【請求項3】
前記第1のヒータは、前記第2の方向に並べて複数設けられ、
前記第2のヒータは、前記第2の方向において、前記第1のヒータと、前記第1のヒータと、の間に少なくとも1つ設けられている請求項1または2に記載の加熱処理装置。
【請求項4】
前記第2のヒータは、前記第2の方向に並べて複数設けられ、
前記第2の方向に並ぶ前記第2のヒータの列において、前記列の端側に設けられた前記第2のヒータの、前記加熱領域の側の端部の位置は、前記列の中央側に設けられた前記第2のヒータの、前記加熱領域の側の端部の位置よりも、前記加熱領域の内側に設けられている請求項1または2に記載の加熱処理装置。
【請求項5】
前記チャンバの内部に設けられ、前記加熱領域を画するカセットをさらに備えた請求項1または2に記載の加熱処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、加熱処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ワークを加熱して、ワークの表面に膜などを形成したり、ワークの表面を処理したりする加熱処理装置がある。
例えば、内部にワークが保持されるチャンバと、チャンバの内部に設けられた複数のヒータと、を有する加熱処理装置が提案されている。複数のヒータは、棒状を呈し、ワークの上方、およびワークの下方を一方向に延びている。複数のヒータが、ワークの上方、およびワークの下方に設けられていれば、ワークを上下方向から加熱することができる。そのため、ワークを効率良く加熱することができる。
【0003】
ところが、ワークの熱は、ワークの周縁側から外部に逃げやすく、ワークの中央側から外部に逃げ難い。そのため、単に、ワークを上下方向から加熱すると、ワークの周縁領域の温度が、ワークの中央領域の温度よりも低くなる。ワークの周縁領域の温度と、ワークの中央領域の温度との差が大きくなると、ワークの表面に形成された膜や処理層の品質が低下するおそれがある。
【0004】
そのため、ワークの面内における温度のばらつきを小さくすることができる加熱処理装置の開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、ワークの面内における温度のばらつきを小さくすることができる加熱処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係る加熱処理装置は、内部に、ワークを加熱処理する加熱領域を有するチャンバと、前記チャンバの内部において、前記加熱領域の上方、および下方の少なくともいずれかに設けられ、第1の方向に延びる少なくとも1つの第1のヒータと、前記チャンバの内部において、前記第1のヒータの、前記第1の方向と交差する第2の方向に位置し、前記第1のヒータよりも短い少なくとも1つの第2のヒータと、を備えている。前記第1のヒータは、単一または一対の組によって構成されるとともに、前記第1の方向において、前記加熱領域の中央領域、および前記加熱領域の周縁領域を加熱するように配置されている。前記第2のヒータは、前記第1の方向において、前記加熱領域の前記周縁領域を加熱するように配置される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態によれば、ワークの面内における温度のばらつきを小さくすることができる加熱処理装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施の形態に係る加熱処理装置を例示するための模式正面図である。
【
図2】
図1における加熱処理装置のA-A線方向の模式断面図である。
【
図3】チャンバ、およびカセットラックの模式斜視図である。
【
図5】支持部の作用を例示するための模式図である。
【
図7】Z方向におけるヒータの配置を例示するための模式図である。
【
図8】ヒータの先端位置を例示するための模式図である。
【
図9】支持部によるヒータの支持を例示するための模式図である。
【
図10】支持部によるヒータの支持を例示するための模式図である。
【
図11】カセットを例示するための模式斜視図である。
【
図12】他の実施形態に係るヒータを例示するための模式断面図である。
【
図13】他の実施形態に係る支持部によるヒータの支持を例示するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。また、各図面中のX方向(第1の方向の一例に相当する)、Y方向(第2の方向の一例に相当する)、およびZ方向は、互いに直交する三方向を表している。例えば、X方向、およびY方向は、水平方向である。例えば、Z方向は、上下方向(鉛直方向)である。
【0011】
以下においては、一例として、大気圧よりも減圧された雰囲気においてワークを加熱して、ワークの表面に有機膜を形成する加熱処理装置を説明する。しかしながら、本発明は、これに限定されるわけではない。例えば、本発明は、ワークを加熱して、ワークの表面に無機膜などを形成したり、ワークの表面を処理したりする加熱処理装置にも適用することができる。
【0012】
また、加熱前のワークは、例えば、基板と、基板の表面に塗布された溶液とを有するものであってもよいし、基板のみであってもよい。以下においては、一例として、加熱前のワークが、基板と、基板の表面に塗布された溶液とを有する場合を説明する。
【0013】
本実施の形態に係る加熱処理装置1により加熱処理される前のワーク100は、基板と、基板の表面に塗布された溶液とを有する。基板は、例えば、ガラス基板や半導体ウェーハなどである。ただし、基板は、例示をしたものに限定されるわけではない。溶液は、例えば、有機材料と溶剤を含んでいる。有機材料は、溶剤により溶解が可能なものであれば特に限定はない。溶液は、例えば、ポリアミド酸を含むワニスなどとすることができる。ただし、溶液は、例示をしたものに限定されるわけではない。また、溶液は、液体が仮焼成されて半硬化状態(流れない状態)となっているものであってもよい。
【0014】
図1は、本実施の形態に係る加熱処理装置1を例示するための模式正面図である。
なお、
図1においては、煩雑となるのを避けるために、カセット50を1つのみ描いている。
図2は、
図1における加熱処理装置1のA-A線方向の模式断面図である。
なお、
図2においては、煩雑となるのを避けるために、カセット50を省いて描いている。
図3は、チャンバ10、およびカセットラック60の模式斜視図である。
【0015】
図1、および
図2に示すように、加熱処理装置1には、例えば、チャンバ10、排気部20、加熱部30、冷却部40、カセット50、カセットラック60、およびコントローラ70が設けられている。
【0016】
コントローラ70は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などの演算部と、メモリなどの記憶部とを備えている。コントローラ70は、例えば、コンピュータなどである。コントローラ70は、例えば、記憶部に格納されている制御プログラムに基づいて、加熱処理装置1に設けられた各要素の動作を制御する。
【0017】
図1~
図3に示すように、チャンバ10は、箱状を呈している。チャンバ10は、大気圧よりも減圧された雰囲気を維持可能な気密構造を有している。チャンバ10の外観形状には特に限定はない。チャンバ10の外観形状は、例えば、直方体や円筒とすることができる。チャンバ10は、例えば、ステンレスなどの金属から形成される。
【0018】
例えば、Y方向におけるチャンバ10の両端には開口が設けられている。Y方向におけるチャンバ10の一方の端部には、フランジ11が設けられている。フランジ11には、Oリングなどのシール材12が設けられている。チャンバ10の、フランジ11が設けられた側には開閉扉13が設けられている。開閉扉13を閉めた際には、シール材12により、チャンバ10の開口が気密になるように閉鎖される。開閉扉13を開けた際には、チャンバ10の開口を介した、カセット50の内部へのワーク100の搬入または搬出を行うことができる。
すなわち、チャンバ10は、内部に、ワーク100を加熱処理する加熱領域を有している。チャンバ10の内部に設けられたカセット50は、ワーク100を加熱する加熱領域を画している。カセット50の内部にはワーク100が収納される。
【0019】
Y方向におけるチャンバ10の他方の端部には、フランジ14が設けられている。フランジ14には、シール材12が設けられている。チャンバ10の、フランジ14が設けられた側には蓋15が設けられている。例えば、蓋15は、ネジなどの締結部材を用いて、フランジ14に着脱可能に取り付けられる。蓋15を取り付けた際には、シール材12により、チャンバ10の開口が気密になるように閉鎖される。着脱可能な蓋15が設けられていれば、加熱処理装置1の、フランジ14が設けられた側からのメンテナンスが容易となる。また、メンテナンスのために蓋15を開けた際には、カセット50を、チャンバ10の開口を介して、チャンバ10の内部に搬入することができる。または、カセット50を、チャンバ10の開口を介して、チャンバ10の外部に搬出することができる。
【0020】
また、チャンバ10の外壁には図示しない冷却装置を設けることができる。冷却装置は、例えば、ウォータージャケット(Water Jacket)とすることができる。冷却装置が設けられていれば、チャンバ10の外壁温度が所定の温度よりも高くなるのを抑制することができる。
【0021】
排気部20は、チャンバ10の内部を排気する。
図1に示すように、排気部20は、第1の排気部21、および第2の排気部22を有する。第1の排気部21、および第2の排気部22は、チャンバ10の底面に設けられた排気口16に接続されている。
【0022】
第1の排気部21は、排気ポンプ21aと、圧力制御部21bを有する。
排気ポンプ21aは、大気圧から所定の圧力まで粗引き排気を行う排気ポンプとすることができる。そのため、排気ポンプ21aは、後述する排気ポンプ22aよりも排気量が多い。排気ポンプ21aは、例えば、ドライ真空ポンプなどとすることができる。
【0023】
圧力制御部21bは、排気口16と排気ポンプ21aとの間に設けられている。圧力制御部21bは、チャンバ10の内圧を検出する図示しない真空計などの出力に基づいて、チャンバ10の内圧が所定の圧力となるように制御する。圧力制御部21bは、例えば、APC(Auto Pressure Controller)などとすることができる。
【0024】
第2の排気部22は、排気ポンプ22aと、圧力制御部22bを有する。
排気ポンプ22aは、排気ポンプ21aによる粗引き排気の後、さらに低い所定の圧力まで排気を行う。排気ポンプ22aは、例えば、高真空の分子流領域まで排気可能な排気能力を有する。例えば、排気ポンプ22aは、ターボ分子ポンプ(TMP:Turbo Molecular Pump)などとすることができる。
【0025】
圧力制御部22bは、排気口16と排気ポンプ22aとの間に設けられている。圧力制御部22bは、チャンバ10の内圧を検出する図示しない真空計などの出力に基づいて、チャンバ10の内圧が所定の圧力となるように制御する。圧力制御部22bは、例えば、APCなどとすることができる。
【0026】
チャンバ10の内部空間の圧力が減圧されれば、チャンバ10の外部に放出される熱を少なくすることができる。そのため、加熱効率と蓄熱効率を向上させることができるので、後述するヒータ33(第1のヒータの一例に相当する)、および、ヒータ36(第2のヒータの一例に相当する)に印加する電力を低減できる。ヒータ33、36に印加する電力を低減できれば、ヒータ33、36の負荷が高くなるのを抑制できる。そのため、ヒータ33、36の寿命を長くすることができる。
【0027】
加熱部30は、例えば、第1の加熱部31、および第2の加熱部32を有する。第1の加熱部31、および第2の加熱部32は、チャンバ10の内部に設けられている。
第1の加熱部31は、カセット50の上方に設けられている。
第2の加熱部32は、カセット50の下方に設けられている。第2の加熱部32は、第1の加熱部31と対向している。
【0028】
前述した様に、カセット50の内部にはワーク100が収納される。そのため、第1の加熱部31は、カセット50の内部に収納されたワーク100の表面(上面)を加熱する。第2の加熱部32は、カセット50の内部に収納されたワーク100の裏面(下面)を加熱する。
【0029】
図1に示すように、チャンバ10の内部において、複数のカセット50が、Z方向(鉛直方向)に並べて設けられている場合には、上側のカセット50の下方に設けられた第2の加熱部32を、下側のカセット50の上方に設けられた第1の加熱部31とすることができる。すなわち、カセット50とカセット50との間に設けられた第1の加熱部31または第2の加熱部32は、兼用することができる。
【0030】
なお、便宜上、一つのカセット50に着目したときに、そのカセット50から見て上側を第1の加熱部31、下側を第2の加熱部32としているが、全てのカセット50の上下のそれぞれに加熱部30を設けることができる。
【0031】
この場合、上側のカセット50の内部に収納されたワーク100の裏面は、兼用される第1の加熱部31または第2の加熱部32により加熱される。下側のカセット50の内部に収納されたワーク100の表面は、兼用される第1の加熱部31または第2の加熱部32により加熱される。
この様にすれば、第1の加熱部31または第2の加熱部32の数を減らすことができる。そのため、消費電力の低減、製造コストの低減、省スペース化などを図ることができる。
【0032】
第1の加熱部31、および第2の加熱部32のそれぞれは、例えば、ヒータ33、支持部34、保持部35、ヒータ36、および支持部37を有する。
【0033】
ヒータ33は、少なくとも1つ設けられている。
図1、および
図2に示すように、複数のヒータ33を設ける場合には、例えば、X方向に延び、Y方向に並ぶ複数のヒータ33を設けることができる。なお、複数のヒータ33は、Y方向に延び、X方向に並んでいてもよい。すなわち、複数のヒータ33は、ヒータ33の中心軸と交差する方向に並んでいる。ただし、チャンバ10のY方向の端部には、開閉可能な開閉扉13および蓋15が設けられている。そのため、複数のヒータ33は、X方向に延び、Y方向に並ぶ様にすることが好ましい。この様にすれば、閉扉13および蓋15の開閉が容易となったり、複数のヒータ33の取り付けや取り外しが容易となったりする。
【0034】
複数のヒータ33は、等間隔に並べてもよいし、ワーク100の面内の温度のばらつきなどに応じて間隔を変化させてもよい。例えば、ワーク100の熱は、ワーク100の端側から外部に逃げやすく、ワーク100の中央側から外部に逃げ難い。そのため、ワーク100の端側に設けられるヒータ33の間隔は、ワーク100の中央側に設けられるヒータ33の間隔よりも狭くすることができる。
【0035】
また、第2の加熱部32に設けられるヒータ33の仕様、数、間隔などは、第1の加熱部31に設けられるヒータ33の仕様、数、間隔などと同じであってもよいし、異なっていてもよい。ヒータ33の仕様、数、間隔などは、加熱する溶液の組成(溶液の加熱温度)、Z方向から見た場合のワーク100の寸法(平面寸法)などに応じて適宜変更することができる。ヒータ33の仕様、数、間隔などは、シミュレーションや実験などを行うことで適宜決定することができる。
【0036】
ヒータ33は、棒状を呈し、一方向に延びている。ヒータ33は、棒状のヒータであれば特に限定はない。ヒータ33は、例えば、シーズヒータ、セラミックヒータ、カートリッジヒータなどとすることができる。ヒータ33は、例えば、石英カバーを有するものであってもよい。
なお、本明細書においては、石英カバーで覆われたヒータをも含めて「棒状のヒータ」と称する。また、「棒状」の外観形状には限定がなく、例えば、円柱状や角柱状などとすることができる。
【0037】
また、ヒータ33は、大気圧よりも減圧された雰囲気においてワーク100を加熱できれば、前述したものに限定されない。すなわち、ヒータ33は、一方向に延び、放射により熱エネルギーを放出可能なものであればよい。
【0038】
図1、および
図2に示すように、支持部34は、チャンバ10の内部に設けられている。支持部34は、チャンバ10の内部において、ヒータ33の一方の端部の近傍を支持する。支持部34は、例えば、1つのヒータ33に対して1つ、または、複数のヒータ33に対して1つ設けることができる。
【0039】
図4は、支持部34を例示するための模式斜視図である。
図4に示すように、支持部34は、ガイド部34a、および回動部34bを有する。
ガイド部34aは、ヒータ33の下方に設けられている。ガイド部34aは、例えば、取付プレート34a1、プレート34a2、およびガイドプレート34a3を有する。取付プレート34a1、プレート34a2、およびガイドプレート34a3は、例えば、板材を折り曲げることで一体に形成することができる。
【0040】
取付プレート34a1は、例えば、カセットラック60のフレーム61に設けられている。
プレート34a2は、X方向において、取付プレート34a1とガイドプレート34a3との間に設けられている。X方向におけるプレート34a1の一方の端部は、Z方向における取付プレート34a1の上側の端部に接続されている。X方向におけるプレート34a2の他方の端部は、Z方向におけるガイドプレート34a3の下側の端部に接続されている。また、プレート34a2は、ヒータ33の下方に所定の間隔を空けて設けられている。例えば、プレート34a2は、ヒータ33と対向し、ヒータ33と平行となるように設けることができる。
【0041】
ガイドプレート34a3は、X方向およびZ方向において、取付プレート34a1とは異なる位置に設けられている。例えば、ガイドプレート34a3は、取付プレート34a1よりも上側に設けられている。ガイドプレート34a3は、Y方向において、取付プレート34a1と同じ位置に設けられている。ガイドプレート34a3は、取付プレート34a1と平行となるように設けられている。
【0042】
ガイドプレート34a3は、厚み方向を貫通し、ヒータ33を挿入可能な切欠き34a3aを有する。切欠き34a3aは、Z方向におけるガイドプレート34a3の上側の端部に開口している。切欠き34a3aは、U字状の切欠きとすることができる。
【0043】
図4に示すように、ヒータ33を切欠き34a3aの内部に挿入した際には、切欠き34a3aの内壁と、ヒータ33との間に隙間が設けられる。ガイド部34a(ガイドプレート34a3)は、Y方向におけるヒータ33の位置がズレるのを抑制するが、ヒータ33を支持しているわけではない。
【0044】
回動部34bは、例えば、円柱状(中実)、または円筒状(中空)を呈し、ヒータ33の中心軸と交差する方向に延びている。回動部34bは、ガイド部34aのプレート34a2と、ヒータ33との間に設けられている。回動部34bは、ヒータ33とプレート34a2と接触する。回動部34bがヒータ33と接触した状態では、Z方向における切欠き34a3aの下側の内壁と、ヒータ33とは接触しない。Y方向における切欠き34a3aの一方の側壁と、ヒータ33とが接触する場合はある。しかしながら、ヒータ33は、重力により、切欠き34a3aの側壁に押し付けられるわけではない。
【0045】
回動部34bは、ヒータ33と接触するので、耐熱性を有する材料から形成される。また。後述する
図5に示すように、回動部34bは、ヒータ33が伸縮する方向に移動可能となっている。そのため、移動に伴う擦れが生じても、パーティクルが発生しにくい材料から形成することが好ましい。回動部34bは、例えば、ステンレスなどの金属から形成することができる。
【0046】
図5は、支持部34の作用を例示するための模式図である。
図5において実線で示すように、ヒータ33への電力の印加時(ON時)には、発生した熱によりヒータ33が加熱されるので、ヒータ33が中心軸に沿った方向に伸びる。
【0047】
図5において一点鎖線で示すように、ヒータ33への電力の印加の停止時(OFF時)には、加熱されたヒータ33が冷却されるので、ヒータ33が中心軸に沿った方向に縮む。回動部34bは、ヒータ33と接触しているので、ヒータ33の中心軸に沿った方向の伸縮に応じて移動する。この場合、回動部34bは、回転移動するので、回動部34bとヒータ33との間、回動部34bとプレート34a2との間に擦れが生じるのを抑制することができる。
【0048】
また、前述した様に、ガイドプレート34a3の切欠き34a3aの下側の内壁と、ヒータ33とは接触しない。そのため、ヒータ33が中心軸に沿った方向の伸縮した際に、切欠き34a3aの下側の内壁と、ヒータ33との間に擦れが生じることがない。
【0049】
回動部34bとヒータ33との間、回動部34bとプレート34a2との間、および、切欠き34a3aの下側の内壁と、ヒータ33との間に擦れが生じ無ければ、パーティクルが発生するのを抑制することができる。
【0050】
また、
図4に示すように、後述するカセットフレーム61と取付プレート34a1との間に遮熱板65を設けることができる。遮熱板65は、ヒータ33の熱がチャンバ10の外部に伝わるのを抑制するために設けられている。遮熱板65が設けられていれば、加熱効率と蓄熱効率を向上させることができる。
【0051】
図1、および
図2に示すように、保持部35は、チャンバ10の外側において、ヒータ33の端部の近傍を保持する。
図6は、保持部35を例示するための模式斜視図である。
【0052】
図6に示すように、保持部35は、例えば、ネジなどの締結部材を用いて、チャンバ10の外側面に取り付けることができる。保持部35は、ヒータ33の、端子33a側の端部(チャンバ10の内部において支持部34に支持されるヒータ33の一方の端部とは反対側の、他方の端部)の近傍を、着脱自在に保持する。保持部35は、例えば、挿入されたヒータ33を締め付ける割締め機構を有する。保持部35により、ヒータ33の、端子33a側の端部の近傍を保持した際には、ヒータ33の端子33aがチャンバ10の外側に露出する。すなわち、ヒータ33の他方の端部は、チャンバ10の側面を貫通してチャンバ10の外側に設けられる。
【0053】
ヒータ33の端子33aがチャンバ10の外側に露出していれば、ヒータ33のメンテナンスが容易となる。また、ヒータ33に電力を印加する際に、ヒータ33の端子33aにおいて、真空放電が生じるのを抑制することができる。
【0054】
ここで、ヒータ33は、ワーク100が収納されたカセット50の全領域を加熱するために設けられている。すなわち、ヒータ33は、ワーク100を加熱処理する加熱領域の中央領域、および周縁領域を加熱する。例えば、
図1、および
図2に示すように、ヒータ33の先端(支持部34側の端部)は、カセット50の先端(支持部34側の端部)よりも外側に位置している。この様なヒータ33が設けられていれば、ワーク100の全領域を加熱することができる。ところが、ワーク100の熱は、ワーク100の周縁側から外部に逃げやすく、ワーク100の中央側から外部に逃げ難い。そのため、ヒータ33によりワーク100の全領域を加熱したとしても、ワーク100の周縁領域の温度が、ワーク100の中央領域の温度よりも低くなる。ワーク100の周縁領域の温度と、ワーク100の中央領域の温度との差が大きくなると、ワーク100の表面に形成された膜や処理層の品質が低下するおそれがある。
【0055】
そこで、加熱処理装置1には、ワーク100を加熱処理する加熱領域の周縁領域を加熱するヒータ36が設けられている。例えば、ヒータ36は、ワーク100が収納されたカセット50の周縁近傍(例えば、周縁領域のみ)を加熱する。すなわち、ヒータ36の、先端(加熱領域の側の端部)は、加熱領域の周縁の近傍に設けられている。ヒータ36は、少なくとも1つ設けることができる。ヒータ36は、第1の加熱部31、および第2の加熱部32の少なくともいずれかに設けることができる。
【0056】
なお、「加熱領域の中央領域」とは、加熱されたワーク100の熱が外部へ逃げ難く、加熱処理中に熱が逃げることによって温度の低下が起きづらい領域である。
また、「加熱領域の周縁領域」とは、加熱されたワーク100の熱が外部へ逃げ易く、加熱処理中に熱が逃げることによって温度の低下が起きやすい領域である。例えば、「加熱領域の周縁領域」は、加熱領域の全域から「加熱領域の中央領域」を省いた領域である。例えば、「加熱領域の周縁領域」は、「加熱領域の中央領域」を囲む領域(外側の領域)である。
ヒータ33は、「加熱領域の中央領域」と「加熱領域の周縁領域」、すなわち、加熱領域の全域を加熱する。
ヒータ36は、「加熱領域の周縁領域」を加熱する。
なお、「加熱領域の周縁領域」と「加熱領域の中央領域」とは、加熱処理時のワーク100の面内温度の分布を実際に測定することで求めたり、加熱処理時のワーク100の面内温度の分布をシミュレーションにより求めたりすることで設定することができる。
【0057】
図2に示すように、ヒータ36は、チャンバ10の内部において、ヒータ33と、Y方向に沿って並ぶように設けられている。ヒータ36は、棒状を呈し、一方向に延びている。ヒータ36は、棒状のヒータであれば特に限定はない。前述した様に、ヒータ33は、加熱領域の中央領域、および周縁領域を加熱する。ヒータ36は、加熱領域の周縁領域を加熱する。そのため、ヒータ36の長さは、ヒータ33の長さよりも短い。なお、ヒータの長さは、ヒータが延びる方向におけるヒータの棒状体部分(配線を除いた部分)の長さである。この場合、ヒータ36の電力密度を、ヒータ33の電力密度と同じにすれば、ヒータ33、36の表面温度を同程度としたり、ヒータ33、36の寿命を同程度にしたりするのが容易となる。ヒータ36は、その長さ以外は、例えば、ヒータ33と同様とすることができる。
【0058】
例えば、ヒータ33が、Y方向に並べて複数設けられている場合には、ヒータ36は、Y方向において、ヒータ33と、ヒータ33との間に少なくとも1つ設けることができる。この場合、ヒータ36はヒータ33と平行であってもよいし、ヒータ33に対して傾いていてもよい。また、Z方向におけるヒータ36の位置は、ヒータ33の位置と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0059】
また、
図2に示すように、ヒータ36が延びる方向において、互いに対向する一対のヒータ36を設けることができる。
【0060】
ここで、ワーク100の周縁領域の熱は、ワーク100の周縁の端側から外部に逃げやすく、ワーク100の周縁の中央側から外部に逃げ難い。そのため、ワーク100の周縁の端の領域の温度が、ワーク100の周縁の中央領域の温度よりも低くなり易い。すなわち、ヒータ36を設けて、ワーク100の周縁領域の温度と、ワーク100の中央領域の温度との差を小さくしても、ワーク100の周縁領域の面内において、温度のばらつきが生じる場合がある。
【0061】
ワーク100の周縁領域の面内において、温度のばらつきが生じた場合には、ヒータ36の配置、数、および先端の位置の少なくともいずれかを変えることができる。例えば、複数の、ヒータ33とヒータ33との間のいずれかに、少なくとも1つのヒータ36を設けることができる。すなわち、ヒータ33とヒータ33との間にヒータ36が設けられない場合もある。例えば、ワーク100の周縁の中央領域の上方、および下方の少なくともいずれかには、ヒータ36が設けられない部分を設けたり、ヒータ36の数が少ない部分を設けたりすることができる。あるいは、Y方向の両端部分に、ヒータ36の数が多い部分を設けることができる。
【0062】
また、ヒータ33とヒータ33との間において、ヒータ33が延びる方向の、一方の側にヒータ36を設け、他方の側にヒータ36を設けないようにすることもできる。例えば、Z方向から見た場合に、複数のヒータ36を千鳥状に配置することができる。
【0063】
図7は、ヒータ36の配置を例示するための模式図である。
図7に示すように、Z方向において、ヒータ36は、ヒータ33と同じ位置に設けることもできるし、異なる位置に設けることもできる。例えば、Z方向において、ヒータ36は、カセット50と同じ位置に設けることができる。また、例えば、Z方向において、ヒータ33と同じ位置に設けられたヒータ36と、カセット50と同じ位置に設けられたヒータ36を併せて設けることもできる。また、Z方向において、カセット50と同じ位置に設けるヒータ36は、ヒータ33が延びる方向(例えば、X方向)と交差する方向(例えば、Y方向)に延びることもできる。
【0064】
また、
図7に示すように、ヒータ36の先端(加熱領域の側の端部)は、カセット50の周縁の近傍に設けられる。
例えば、Z方向から見た場合に、ヒータ36の先端の位置は、カセット50の周縁よりも外側の位置であってもよいし、カセット50の周縁と重なる位置であってもよいし、カセット50の周縁よりも内側の位置であってもよい。この場合、ヒータ36は、加熱領域の周縁領域(カセット50の周縁近傍)を加熱する。そのため、Z方向から見た場合に、ヒータ36の先端の位置は、カセット50の周縁と重なる位置、または、カセット50の周縁よりも内側の位置となるようにすることが好ましい。この様にすれば、カセット50に収納されたワーク100の周縁近傍を効率良く加熱することができる。
【0065】
図8は、ヒータ36の先端位置を例示するための模式図である。
なお、
図8においては、煩雑となるのを避けるために、ヒータ33を省き、ヒータ36のみを描いている。
例えば、ヒータ36が、Y方向に並べて複数設けられる場合には、
図8に示すように、ヒータ36が延びる方向(例えば、X方向)において、複数のヒータ36の先端位置は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。この場合、複数のヒータ36の先端位置は、ワーク100の周縁領域における温度のばらつきが小さくなる様に、適宜変更することができる。
【0066】
例えば、前述した様に、ワーク100の熱は、ワーク100の端側から外部に逃げやすく、ワーク100の中央側から外部に逃げ難い。そのため、カセット50(ワーク100)の端側になるに従いヒータ36の先端位置が、カセット50の内側となるようにすることができる。すなわち、Y方向に並ぶヒータ36の列において、列の端側に設けられたヒータ32の、先端(加熱領域の側の端部)の位置は、列の中央側に設けられたヒータ36の、先端(加熱領域の側の端部)の位置よりも、加熱領域の内側に設けることができる。この様にすれば、ワーク100の周縁領域の端側における加熱範囲を大きくすることができる。あるいは、ワーク100の周縁領域の中央側における加熱範囲を小さくすることができる。そのため、ワーク100の周縁領域における温度のばらつきを小さくすることができる。
【0067】
ワーク100の面内における温度のばらつきは、Z方向から見た場合のワーク100の寸法(平面寸法)や、ワーク100の加熱温度などの影響を受ける。そのため、ヒータ36の配置、数、および先端の位置は、ワーク100の面内における温度のばらつきが小さくなる様に、実験やシミュレーションを行うことで適宜決定することが好ましい。
【0068】
ここで、前述した様に、ヒータ33の先端の近傍は、カセットラック60のフレーム61に設けられた支持部34により支持されている。しかしながら、ヒータ36の先端は、カセット50の周縁の近傍に設けられる。そのため、ヒータ36の先端の近傍は、カセットラック60のフレーム61に設けられた支持部34により支持することができない。
【0069】
そこで、ヒータ36の先端側を支持する支持部37が設けられている。なお、前述した
図6に示すように、ヒータ36の端子36a側(ヒータ36の先端側とは反対側)の端部の近傍は、ヒータ33の場合と同様に保持部35により保持することができる。保持部35により、ヒータ36の、端子36a側の端部の近傍を保持した際には、ヒータ36の端子36aがチャンバ10の外側に露出する。
【0070】
図9、および
図10は、支持部37によるヒータ36の支持を例示するための模式図である。
図9、および
図10に示すように、支持部37は、取付プレート37a、プレート37b、および保持部37cを有する。
【0071】
取付プレート37aは、板状を呈している。取付プレート37aは、ネジなどの締結部材を用いて、例えば、カセットラック60に設けられた梁64などに取り付けられる。
【0072】
プレート37bは、板状を呈し、ヒータ36側に延びている。プレート37bの一方の端部は、取付プレート37aと接続されている。取付プレート37a、およびプレート37bは、例えば、板材を折り曲げることで一体に形成することができる。
【0073】
保持部37cは、バンド状を呈し、ネジなどの締結部材を用いて、ヒータ36を保持する。プレート37bの、取付プレート37a側とは反対側の端部は、例えば、ネジなどの締結部材を用いて、保持部37cと接続されている。
【0074】
支持部37(取付プレート37a、プレート37b、および保持部37c)は、耐熱性を有し、パーティクルが発生しにくく、且つ、弾性変形する材料から形成される。支持部37は、例えば、厚みが0.5mm程度のステンレスの板材から形成することができる。
【0075】
ヒータ36のON/OFF時に、ヒータ36が中心軸に沿った方向に伸縮した場合には、保持部37cを介して、プレート37bに曲げ応力が働く。プレート37bは、弾性変形する材料から形成されているので、板バネとして機能する。すなわち、プレート37bは、保持部37cに接続され、ヒータ36の伸縮に応じて、ヒータ36の中心軸に沿った方向に弾性変形する。
【0076】
プレート37bがヒータ36の中心軸に沿った方向に弾性変形すれば、ヒータ36が伸縮したとしても、支持部37(保持部37c)と、ヒータ36との間に擦れが生じるのを抑制することができる。そのため、パーティクルが発生するのを抑制することができる。
【0077】
なお、以上においては、ヒータ36を支持する支持部37を例示したが、支持部37は、前述したヒータ33を支持することもできる。すなわち、ヒータ33は、前述した支持部34により支持することもできるし、支持部34と支持部37により支持することもできるし、支持部37により支持することもできる。
【0078】
冷却部40は、後述するカセット50に設けられた冷却部57と協働してカセット50に冷却ガスを供給する。カセット50に供給された冷却ガスは、カセット50の内部に収納されているワーク100に供給される。また、カセット50に供給された冷却ガスは、カセット50の均熱板(上部均熱板52、下部均熱板53、側部均熱板54、側部均熱板55)にも供給される。
【0079】
冷却ガスがワーク100に供給されることで、高温状態にあるワーク100が直接冷却される。また、ワーク100に供給された冷却ガスがカセット50の均熱板に供給されることで、カセット50も冷却される。カセット50が冷却されることで、カセット50の熱がワーク100に伝わるのを抑制することができる。そのため、ワーク100は、カセット50によっても間接的に冷却される。
【0080】
図1、および
図2に示すように、冷却部40は、例えば、ジョイント41、ガス源42、およびガス制御部43を有する。ジョイント41、ガス源42、およびガス制御部43は、配管44により接続されている。
【0081】
ジョイント41は、例えば、カセット50に設けられた冷却部57の、図示しないジョイントに、着脱自在に接続される。
ガス源42は、ガス制御部43およびジョイント41を介して、カセット50の冷却部57に冷却ガスを供給する。ガス源42は、例えば、高圧ガスボンベ、工場配管などとすることができる。
冷却ガスは、加熱されたワーク100と反応し難いガスであれば特に限定がない。冷却ガスは、例えば、窒素ガス、希ガスなどである。冷却ガスの温度は、例えば、室温(例えば、25℃)以下とすることができる。
【0082】
ガス制御部43は、ジョイント41とガス源42との間に設けられている。ガス制御部43は、例えば、冷却ガスの供給と、供給の停止と、冷却ガスの流速および流量の少なくともいずれかの制御と、を行うことができる。
【0083】
図1に示すように、カセット50は、チャンバ10の内部に設けられたカセットラック60の、一対の受け部材62に着脱自在に設けられる。カセット50は、第1の加熱部31と第2の加熱部32との間に着脱自在に設けられる。
【0084】
図11は、カセット50を例示するための模式斜視図である。
図11に示すように、カセット50は、箱状を呈し、内部にワーク100が加熱される加熱領域を有している。すなわち、カセット50は、加熱領域を画している。カセット50の外観形状には特に限定はない。カセット50の外観形状は、例えば、直方体とすることができる。
【0085】
カセット50は、例えば、カセットフレーム51、上部均熱板52、下部均熱板53、側部均熱板54、側部均熱板55、ワーク支持部56、冷却部57、および、カセット支持部58を有する。なお、
図11においては、煩雑となるのを避けるために、冷却部57を省いて描いている(冷却部57は、
図1を参照)。
【0086】
カセットフレーム51は、ワーク100を加熱する加熱領域を画する。カセットフレーム51の外観形状には特に限定はない。カセットフレーム51の外観形状は、例えば、直方体である。
上部均熱板52は、板状を呈し、カセットフレーム51の上部に設けられる。上部均熱板52は、少なくとも1つ設けることができる。
図11に例示をしたカセット50には7個の上部均熱板52が設けられている。
【0087】
下部均熱板53は、板状を呈し、カセットフレーム51の下部に設けられる。下部均熱板53は、上部均熱板52と対向している。下部均熱板53は、少なくとも1つ設けることができる。下部均熱板53の数と平面形状は、上部均熱板52の数と平面形状と同じとすることもできるし、異なるものとすることもできる。
【0088】
側部均熱板54は、板状を呈している。側部均熱板54は、一対設けることができる。一方の側部均熱板54は、例えば、カセットフレーム51の、互いに対向する一方の側部に設けられる。
【0089】
ワーク100は、カセットフレーム51の側部に設けられた開口を介して、カセット50の内部に搬入される。また、ワーク100は、カセットフレーム51の側部に設けられた開口を介して、カセット50の内部から搬出される。そのため、カセットフレーム51の、側部均熱板54が設けられる側部とは反対側の側部は、開口している。
【0090】
カセットフレーム51の開口は、他方の側部均熱板54により開閉される。例えば、前述したチャンバ10の開閉扉13に側部均熱板54を設け、開閉扉13が閉じた際にカセットフレーム51の開口が側部均熱板54により閉鎖される様にすることができる。また、カセットフレーム51の側部に開閉自在な側部均熱板54を設け、開閉自在な側部均熱板54により、カセットフレーム51の開口が閉鎖される様にすることもできる。
【0091】
側部均熱板55は、板状を呈しカセットフレーム51の内部に一対設けられる。一対の側部均熱板55は、互いに対向し、一対の側部均熱板54の間(側部均熱板54が一枚しかない場合には、蓋15側の側部均熱板54と開閉扉13側の開口との間)を延びている。一対の側部均熱板55の一方は、カセットフレーム51の、一方の側部の近傍に設けられる。一対の側部均熱板55の他方は、カセットフレーム51の、他方の側部の近傍に設けられる。
【0092】
上部均熱板52、下部均熱板53、側部均熱板54、および側部均熱板55により囲まれた空間が、ワーク100を加熱する加熱領域となる。カセット50の内部の加熱領域と、チャンバ10の内部空間とは、例えば、均熱板同士の間の隙間(均熱板間に存在するカセットの梁と均熱板との隙間)などを介して繋がっている。そのため、チャンバ10の内部空間の圧力が減圧されると、カセット50の内部の空間の圧力も減圧される。
【0093】
また、ヒータ33、36から放射された熱は、上部均熱板52および下部均熱板53に入射する。上部均熱板52および下部均熱板53に入射した熱は、これらの内部を面方向に伝搬しながらワーク100に向けて放射される。そのため、ワーク100の面内において温度のばらつきが生じるのをさらに抑制することができる。
【0094】
ワーク支持部56は、カセット50の内部に複数設けられている。複数のワーク支持部56は、ワーク100を加熱する加熱領域においてワーク100の裏面を支持する。ワーク支持部56は、棒状体とすることができる。
【0095】
冷却部57は、前述した冷却部40から供給される冷却ガスをカセット50内のワーク100に供給する。冷却部57は、例えば、カセットフレーム51の側面に設けることができる。
【0096】
カセット支持部58は、カセットフレーム51の、側部均熱板54が設けられる側面と交差する側面に設けられている。カセット支持部58は、一対設けられている。カセット支持部58は、カセットフレーム51の側面から外部に向けて突出し、側部均熱板54が設けられる側面と直交する方向に延びている。
【0097】
カセット支持部58は、カセット50の、互いに対向する一対の側面のそれぞれに設けられる。カセット支持部58は、後述するカセットラック60の受け部材62に支持される。
【0098】
図3に示すように、カセットラック60は、チャンバ10の内部に設けられている。カセットラック60は、ヒータ33、ヒータ36、およびカセット50をチャンバ10の内部において、所定の位置に保持する。
【0099】
カセットラック60は、例えば、フレーム61、受け部材62、および反射板63を有する。
フレーム61は、例えば、骨組み構造を有している。フレーム61の外観形状には特に限定はない。フレーム61の外観形状は、例えば、直方体や円筒とすることができる。
【0100】
フレーム61の内部には、少なくとも一対の受け部材62が設けられている。一対の受け部材62は、チャンバ10の内部において、カセット50のカセット支持部58を支持する。Z方向において、一対の受け部材62は、第1の加熱部31と第2の加熱部32との間に設けられる。一対の受け部材62の上には、1つのカセット50が載置される。そのため、一対の受け部材62は、カセット50毎に設けられる。例えば、フレーム61の内部に14個のカセット50を収納可能とする場合には、一対の受け部材62がフレーム61の内部に14組設けられる。
【0101】
反射板63は、入射した熱を、カセット50側に反射する。反射板63が設けられていれば、カセット50の内部空間(加熱領域)における蓄熱性を向上させることができる。反射板63は、板状を呈し、フレーム61の外周に設けられる。なお、煩雑となるのを避けるため、
図1、および
図2においては反射板63を描いていない。また、
図3においては、フレーム61の、受け部材62が取り付けられた側面に取り付けられる反射板63のみを描いている。
【0102】
ここで、前述した様に、ワーク100の周縁領域の熱は、ワーク100の周縁の端側から外部に逃げやすく、ワーク100の周縁の中央側から外部に逃げ難い。この場合、前述した様に、ヒータ33の間隔や、ヒータ36の配置、数、および先端の位置などにより、ワーク100の面内における温度のばらつきが小さくなる様にすることができる。しかしながら、この様な物理的な構成は一度設定すると変更が困難である。そのため、前述した加熱部30(第1の加熱部31、第2の加熱部32)において、複数のヒータ33、36を、複数の領域に分けて制御するようにしてもよい。
【0103】
例えば、ワーク100の両端部近傍の2つの領域と、ワーク100の中央の1つの領域の、3つの領域に分けてヒータ33、36の制御を行うことができる。この場合、熱が外部に逃げやすい両端部近傍の2つの領域の設定温度は、中央の1つの領域の設定温度よりも高くすることができる。
この様にすれば、ワーク100の面内における温度のばらつきをさらに小さくすることができる。
【0104】
ここで、ヒータ33、36が故障した場合には、ヒータ33、36の交換が行われる。ヒータ33、36の交換を行う場合には、ヒータ33、36をチャンバ10から引き抜き、別のヒータ33、36をチャンバ10に挿入する。そのため、ヒータ33、36が延びる方向において、加熱処理装置1(チャンバ10)の側方に、ヒータ33、36の長さよりも長いメンテナンススペースが必要となる。メンテナンススペースには、メンテナンスの邪魔になる物品や装置を配置することができない。
【0105】
この場合、
図2に示すように、ヒータ33の、端子33a側の端部は、チャンバ10の一方の側面側に設けられ、ヒータ33の先端(端子33a側とは反対側の端部)は、チャンバ10の反対の側面側に設けられている。そのため、ヒータ33の長さが長くなる。ヒータ33の長さが長くなると、メンテナンススペースが大きくなるので、加熱処理装置1の実質的な占有スペースが大きくなる。また、複数の加熱処理装置1を並べて配置する場合には、加熱処理装置1と加熱処理装置1との間の距離が大きくなるので、配置することができる加熱処理装置1の台数が少なくなるおそれがある。
なお、
図2に示すように、ヒータ36の長さは、ヒータ33の長さに比べて短いので、ヒータ36の長さが、メンテナンススペースの大きさに及ぼす影響はほとんどない。
【0106】
図12は、他の実施形態に係るヒータ133を例示するための模式断面図である。
ヒータ133は、棒状を呈し、一方向に延びている。ヒータ133の構成や配置は、前述したヒータ33と同様とすることができる。ただし、
図12に示すように、ヒータ133の、チャンバ10に挿入される長さLは、ヒータ133が延びる方向(例えば、X方向)におけるチャンバ100の側面10aと、側面10aと対向する側面10bとの間の距離Wの半分以下とすることができる。この様にすれば、ヒータ133をチャンバ10から引き抜くのに必要となる長さを短くすることができるので、メンテナンススペースを小さくすることができる。また、互いに対向する一対のヒータ133を設けることで、カセット50の上方または下方を連続して延びるヒータ33と同様の加熱効果を得ることができる。なお、ヒータ133のON/OFF時に、ヒータ133は中心軸に沿った方向に伸縮する。そのため、互いに対向する一対のヒータ133を設ける場合には、ヒータ133の先端同士の間に所定の隙間を設けることができる。例えば、ヒータ133が伸びた際に、ヒータ133の先端同士が接触しない程度の寸法を有する隙間を設けることができる。この様にすれば、ヒータ133が伸びた際に、ヒータ133の先端同士が接触してパーティクルが発生するのを抑制することができる。
なお、この実施形態においても、ヒータ36を設けることができる。この場合、ヒータ36の長さは、ヒータ133の長さよりも短い。
【0107】
また、
図12においては、互いに対向する一対のヒータ133を例示したが、ヒータ133が並ぶ方向(例えば、Y方向)において、チャンバ10の一方の側面10aに設けられるヒータ133の位置と、チャンバ10の反対側の側面10bに設けられるヒータ133の位置とが異なっていてもよい。例えば、複数のヒータ133を千鳥状に配置することができる。また、チャンバ10の一方の側面10aに設けられるヒータ133の長さは、チャンバ10の反対側の側面10bに設けられるヒータ133の長さと同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0108】
なお、この実施形態においては、分割された一対のヒータ133が第1のヒータに相当する。ヒータ133は、加熱領域の周縁領域、および加熱領域の中央領域が加熱されるように配置される。ヒータ133の先端同士の間に隙間が生じることがあるが、この隙間が、加熱領域の中央領域の全域に亘ることはなく、隙間が生じたとしても一対のヒータ133によって、加熱領域の周縁領域と、加熱領域の中央領域の両方の領域が加熱される。
【0109】
前述した様に、ワーク100の面内における温度のばらつきは、Z方向から見た場合のワーク100の寸法(平面寸法)や、ワーク100の加熱温度などの影響を受ける。そのため、ヒータ133の長さ、配置、数、および先端の位置は、ワーク100の面内における温度のばらつきが小さくなる様に、実験やシミュレーションを行うことで適宜決定することが好ましい。
【0110】
図13は、他の実施形態に係る支持部137によるヒータ36の支持を例示するための模式図である。
図13に示すように、支持部137は、一対のブラケット137a、およびローラピン137bを有する。
【0111】
一対のブラケット137aは、所定の間隔を空けて、互いに対向させて設けることができる。一対のブラケット137aは、ネジなどの締結部材を用いて、例えば、カセットラック60に設けられた梁64などに取り付けられる。一対のブラケット137aのそれぞれには、ヒータ36が延びる方向(例えば、X方向)に延びる孔137a1が設けられている。
ローラピン137bは、一対のブラケット137aの孔137a1に回動自在に設けられている。ローラピン137bの上には、ヒータ36が設けられる。すなわち、ヒータ36は、ローラピン137bに支持されている。
【0112】
ローラピン137bを有する支持部137は、前述した支持部34と同様の作用効果を奏する。すなわち、ヒータ36が中心軸に沿った方向に伸縮した際には、ローラピン137bがブラケット137aの孔137a1の内部を回転移動する。そのため、ローラピン137bとヒータ36との間、およびローラピン137bと孔137a1の内壁との間に擦れが生じるのを抑制することができる。これらの間に擦れが発生しなければ、パーティクルが発生するのを抑制することができる。
【0113】
なお、ヒータ36を支持する支持部137を例示したが、支持部137はヒータ33、133を支持することもできる。また、支持部34、支持部37、および支持部137を適宜組み合わせて用いることもできる。
【0114】
以上、実施の形態について例示をした。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。
前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
例えば、加熱処理装置1の形状、寸法、配置などは、例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施の形態が備える各要素は、可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0115】
1 加熱処理装置、10 チャンバ、20 排気部、30 加熱部、33 ヒータ、34 支持部、35 保持部、36 ヒータ、37 支持部、50 カセット、60 カセットラック、100 ワーク、133 ヒータ、137 支持部
【手続補正書】
【提出日】2024-08-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に、ワークを加熱処理する加熱領域を有するチャンバと、
前記チャンバの内部において、前記加熱領域の上方、および下方の少なくともいずれかに設けられ、第1の方向に延びる少なくとも1つの第1のヒータと、
前記チャンバの内部において、前記第1の方向と交差する第2の方向に前記第1のヒータと並ぶように位置し、前記第1のヒータよりも短い少なくとも1つの第2のヒータと、
を備え、
前記第1のヒータは、単一または一対の組によって構成されるとともに、前記第1の方向において、前記加熱領域の中央領域、および前記加熱領域の周縁領域を加熱するように配置され、
前記第2のヒータは、前記第1の方向において、前記加熱領域の前記周縁領域を加熱するように配置される加熱処理装置。
【請求項2】
前記第2のヒータの、前記加熱領域の側の端部は、前記加熱領域の周縁の近傍に設けられている請求項1記載の加熱処理装置。
【請求項3】
前記第1のヒータは、前記第2の方向に並べて複数設けられ、
前記第2のヒータは、前記第2の方向において、前記第1のヒータと、前記第1のヒータと、の間に少なくとも1つ設けられている請求項1または2に記載の加熱処理装置。
【請求項4】
前記第2のヒータは、前記第2の方向に並べて複数設けられ、
前記第2の方向に並ぶ前記第2のヒータの列において、前記列の端側に設けられた前記第2のヒータの、前記加熱領域の側の端部の位置は、前記列の中央側に設けられた前記第2のヒータの、前記加熱領域の側の端部の位置よりも、前記加熱領域の内側に設けられている請求項1または2に記載の加熱処理装置。
【請求項5】
前記チャンバの内部に設けられ、前記加熱領域を画するカセットをさらに備えた請求項1または2に記載の加熱処理装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
実施形態に係る加熱処理装置は、内部に、ワークを加熱処理する加熱領域を有するチャンバと、前記チャンバの内部において、前記加熱領域の上方、および下方の少なくともいずれかに設けられ、第1の方向に延びる少なくとも1つの第1のヒータと、前記チャンバの内部において、前記第1の方向と交差する第2の方向に前記第1のヒータと並ぶように位置し、前記第1のヒータよりも短い少なくとも1つの第2のヒータと、を備え、前記第1のヒータは、単一または一対の組によって構成されるとともに、前記第1の方向において、前記加熱領域の中央領域、および前記加熱領域の周縁領域を加熱するように配置され、前記第2のヒータは、前記第1の方向において、前記加熱領域の前記周縁領域を加熱するように配置される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】
ヒータ33は、少なくとも1つ設けられている。
図1、および
図2に示すように、複数のヒータ33を設ける場合には、例えば、X方向に延び、Y方向に並ぶ複数のヒータ33を設けることができる。なお、複数のヒータ33は、Y方向に延び、X方向に並んでいてもよい。すなわち、複数のヒータ33は、ヒータ33の中心軸と交差する方向に並んでいる。ただし、チャンバ10のY方向の端部には、開閉可能な開閉扉13および蓋15が設けられている。そのため、複数のヒータ33は、X方向に延び、Y方向に並ぶ様にすることが好ましい。この様にすれば、
開閉扉13および蓋15の開閉が容易となったり、複数のヒータ33の取り付けや取り外しが容易となったりする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0040】
取付プレート34a1は、例えば、カセットラック60のフレーム61に設けられている。
プレート34a2は、X方向において、取付プレート34a1とガイドプレート34a3との間に設けられている。X方向におけるプレート34a2の一方の端部は、Z方向における取付プレート34a1の上側の端部に接続されている。X方向におけるプレート34a2の他方の端部は、Z方向におけるガイドプレート34a3の下側の端部に接続されている。また、プレート34a2は、ヒータ33の下方に所定の間隔を空けて設けられている。例えば、プレート34a2は、ヒータ33と対向する水平面を有し、Y方向に延びるように設けることができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0050】
また、
図4に示すように、後述す
るフレーム61と取付プレート34a1との間に遮熱板65を設けることができる。遮熱板65は、ヒータ33の熱がチャンバ10の外部に伝わるのを抑制するために設けられている。遮熱板65が設けられていれば、加熱効率と蓄熱効率を向上させることができる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0089
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0089】
ワーク100は、カセットフレーム51の側部に設けられた開口を介して、カセット50の内部に搬入される。また、ワーク100は、カセットフレーム51の側部に設けられた開口を介して、カセット50の内部から搬出される。そのため、カセットフレーム51の、一対の側部均熱板54の一方の側部は、開口している。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0090
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0090】
カセットフレーム51の開口は、例えば開口を有する一方の側部均熱板54を開閉自在とし、これにより開閉される。例えば、前述したチャンバ10の開閉扉13に側部均熱板54を設け、開閉扉13が閉じた際にカセットフレーム51の開口が側部均熱板54により閉鎖される様にすることもできる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0106
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0106】
図12は、他の実施形態に係るヒータ133を例示するための模式断面図である。
ヒータ133は、棒状を呈し、一方向に延びている。ヒータ133の構成や配置は、前述したヒータ33と同様とすることができる。ただし、
図12に示すように、ヒータ133の、チャンバ10に挿入される長さLは、ヒータ133が延びる方向(例えば、X方向)におけるチャンバ1
0の側面10aと、側面10aと対向する側面10bとの間の距離Wの半分以下とすることができる。この様にすれば、ヒータ133をチャンバ10から引き抜くのに必要となる長さを短くすることができるので、メンテナンススペースを小さくすることができる。また、互いに対向する一対のヒータ133を設けることで、カセット50の上方または下方を連続して延びるヒータ33と同様の加熱効果を得ることができる。なお、ヒータ133のON/OFF時に、ヒータ133は中心軸に沿った方向に伸縮する。そのため、互いに対向する一対のヒータ133を設ける場合には、ヒータ133の先端同士の間に所定の隙間を設けることができる。例えば、ヒータ133が伸びた際に、ヒータ133の先端同士が接触しない程度の寸法を有する隙間を設けることができる。この様にすれば、ヒータ133が伸びた際に、ヒータ133の先端同士が接触してパーティクルが発生するのを抑制することができる。
なお、この実施形態においても、ヒータ36を設けることができる。この場合、ヒータ36の長さは、ヒータ133の長さよりも短い。