(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135331
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 21/62 20130101AFI20240927BHJP
G06F 16/21 20190101ALI20240927BHJP
【FI】
G06F21/62 318
G06F16/21
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045958
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100169823
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 雄郎
(74)【代理人】
【識別番号】100202326
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 大佑
(72)【発明者】
【氏名】中島 伸子
(72)【発明者】
【氏名】細田 淳代
(72)【発明者】
【氏名】小山 越太郎
(72)【発明者】
【氏名】柴村 純平
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175BA01
(57)【要約】
【課題】より容易に継続利用できる譲渡先データベースの構築を可能にする情報処理装置を提供する。
【解決手段】本開示に係る情報処理装置10は、譲渡元から譲渡先に譲渡された製品の識別情報及び譲渡先の譲渡先情報を譲渡先から取得し、取得された識別情報及び譲渡先情報を用いた判定処理に基づいて、識別情報ごとに譲渡先情報を関連付けた譲渡先データベースを構築する制御部13、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
譲渡元から譲渡先に譲渡された製品の識別情報及び前記譲渡先の譲渡先情報を前記譲渡先から取得し、取得された前記識別情報及び前記譲渡先情報を用いた判定処理に基づいて、前記識別情報ごとに前記譲渡先情報を関連付けた譲渡先データベースを構築する制御部、
を備える、
情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記制御部が実行する前記判定処理は、前記譲渡元が管理する、前記製品の譲渡実績データベースに含まれる情報に、新たに取得された前記識別情報が一致するか否かを判定する第1判定処理を含む、
情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記制御部が実行する前記判定処理は、前記第1判定処理において一致すると判定された場合に実行される第2判定処理であって、新たに取得された前記譲渡先情報が前記譲渡先データベースに既に登録されているか否かを判定する前記第2判定処理を含む、
情報処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理装置であって、
前記第2判定処理は、前記譲渡先情報の第1情報に基づく第1処理と、前記第1情報が所定の前記識別情報に対して前記譲渡先データベースに既に登録されていると判定された場合に実行される、前記譲渡先情報の第2情報に基づく第2処理とを含む、
情報処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記第2処理において前記第2情報が前記譲渡先データベースに既に登録されていると判定すると、前記第1情報及び前記第2情報に加えて第3情報も含む前記譲渡先情報を前記識別情報に関連付けて前記譲渡先データベースに登録する、
情報処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の情報処理装置であって、
前記第1情報は、前記譲渡先のホームページのアドレスを含み、
前記第2情報は、前記譲渡先のユーザのメールアドレスに含まれるドメインを含み、
前記第3情報は、前記メールアドレスを含む、
情報処理装置。
【請求項7】
請求項3乃至6のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記譲渡先情報は、前記譲渡先のユーザのメールアドレスを含み、
前記制御部が実行する前記判定処理は、前記第2判定処理において未だ登録されていないと判定された場合に実行される第3判定処理であって、取得された前記メールアドレスが会社ドメインを含むか否かを判定する前記第3判定処理を含む、
情報処理装置。
【請求項8】
請求項7に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記第3判定処理において会社ドメインを含むと判定すると、前記識別情報及び前記譲渡先情報を前記譲渡先データベースに登録する、
情報処理装置。
【請求項9】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記譲渡先データベースに登録されている前記譲渡先情報の変更の有無を定期的に確認する監視部をさらに備える、
情報処理装置。
【請求項10】
請求項9に記載の情報処理装置であって、
前記監視部は、前記譲渡先情報の第1情報に定期的にアクセスし、前記第1情報にアクセス不可能であったと判定すると前記譲渡先のユーザへ確認メールを送信し、前記確認メールへの回答に応じて前記譲渡先データベースの前記第1情報を更新する、
情報処理装置。
【請求項11】
請求項9に記載の情報処理装置であって、
前記監視部は、前記譲渡先情報の第3情報宛に定期的にメールを送信し、送信不可能であったと判定すると、判定された前記第3情報に関連する前記譲渡先情報を前記譲渡先データベースから削除する、
情報処理装置。
【請求項12】
譲渡元から譲渡先に譲渡された製品の識別情報及び前記譲渡先の譲渡先情報を前記譲渡先から取得し、取得された前記識別情報及び前記譲渡先情報を用いた判定処理に基づいて、前記識別情報ごとに前記譲渡先情報を関連付けた譲渡先データベースを構築するステップ、
を含む、
情報処理方法。
【請求項13】
情報処理装置に、
譲渡元から譲渡先に譲渡された製品の識別情報及び前記譲渡先の譲渡先情報を前記譲渡先から取得し、取得された前記識別情報及び前記譲渡先情報を用いた判定処理に基づいて、前記識別情報ごとに前記譲渡先情報を関連付けた譲渡先データベースを構築するステップ、
を含む動作を実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、製品の譲渡先の譲渡先情報を含む譲渡先データベースの管理に関する技術が知られている。例えば、特許文献1には、顧客データを管理する顧客管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、譲渡先データベースへのアクセスは、法人などの譲渡先におけるユーザ個人ごとに登録されていた。譲渡先ごとに譲渡先データベースを長く管理したい場合、譲渡先で管理者としてのユーザが必要となっていた。これにより、譲渡先データベースを管理するための譲渡先の負担が大きくなっていた。譲渡先データベースに登録した管理者としてのユーザは、登録により得られた、製品情報などを含む製品データベースへのアクセス情報を他のユーザに共有する必要があった。共有がなされないと、他のユーザが製品データベースにアクセスすることが困難であった。
【0005】
管理者と他のユーザとの間に何らかの接点があり、引き継ぎ及び情報共有などが行われていないと、譲渡先データベースを継続的に利用することが困難であった。しかしながら、大規模な会社の場合、工場などの譲渡先の製品設置場所及びユーザの部署が異なることで、同一譲渡先内であっても、ユーザ同士に接点がないことも想定される。譲渡先の人事及び組織情報が複雑で、ユーザ同士を把握することが困難であった。
【0006】
さらに、異動、転職、及び退職などにより譲渡先の管理者が業務から外れると、新たな管理者への引き継ぎが必要となっていた。引き継がれない場合、譲渡先データベースにおけるデータが陳腐化することになる。さらに、製品情報などを含む製品データベースへのアクセス情報も引き継がれず、当該製品データベースへのアクセスも困難となる。また、譲渡先に対し製品を販売などする販売元が譲渡先データベースを管理するときにも、当該販売元の担当者が引き継がれないことも想定される。
【0007】
本開示は、より容易に継続利用できる譲渡先データベースの構築を可能にする情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
幾つかの実施形態に係る情報処理装置は、譲渡元から譲渡先に譲渡された製品の識別情報及び前記譲渡先の譲渡先情報を前記譲渡先から取得し、取得された前記識別情報及び前記譲渡先情報を用いた判定処理に基づいて、前記識別情報ごとに前記譲渡先情報を関連付けた譲渡先データベースを構築する制御部、を備える。
【0009】
これにより、情報処理装置は、より容易に継続利用できる譲渡先データベースの構築を可能にする。情報処理装置は、取得された識別情報及び譲渡先情報を用いた判定処理に基づいて、識別情報ごとに譲渡先情報を関連付けた譲渡先データベースを構築する。したがって、情報処理装置は、譲渡先で管理者としてのユーザを必要とせず、譲渡先データベースを継続して長く管理することが可能である。管理者が不要になることで、譲渡先の負担も軽減される。
【0010】
一実施形態における情報処理装置では、前記制御部が実行する前記判定処理は、前記譲渡元が管理する、前記製品の譲渡実績データベースに含まれる情報に、新たに取得された前記識別情報が一致するか否かを判定する第1判定処理を含んでもよい。
【0011】
これにより、情報処理装置は、製品の譲渡実績データベースに含まれない識別情報について、識別情報及び対応する譲渡先情報の譲渡先データベースへの登録処理を実行せずに回避することが可能となる。情報処理装置は、製品の譲渡実績データベースに含まれない識別情報を入力したユーザに対して、製品データベースへのアクセスを制限することが可能となる。
【0012】
一実施形態における情報処理装置では、前記制御部が実行する前記判定処理は、前記第1判定処理において一致すると判定された場合に実行される第2判定処理であって、新たに取得された前記譲渡先情報が前記譲渡先データベースに既に登録されているか否かを判定する前記第2判定処理を含んでもよい。
【0013】
これにより、情報処理装置は、譲渡先データベースに既に登録された譲渡先情報を、2回目以降の登録及び認証に利用することを可能にする。したがって、譲渡先における異なるユーザが譲渡先データベースにアクセスすることも可能となり、管理者の配置が不要となる。後述するとおり、情報共有及び引き継ぎも不要となり、譲渡先データベースを継続的に利用することが可能となる。したがって、ユーザに対する情報処理システムの利便性が向上する。
【0014】
一実施形態における情報処理装置では、前記第2判定処理は、前記譲渡先情報の第1情報に基づく第1処理と、前記第1情報が所定の前記識別情報に対して前記譲渡先データベースに既に登録されていると判定された場合に実行される、前記譲渡先情報の第2情報に基づく第2処理とを含んでもよい。
【0015】
これにより、情報処理装置は、譲渡先情報に含まれる第1情報及び第2情報を用いて複数のステップで判定処理を実行可能である。情報処理装置は、例えば、第1情報に適合しない第2情報を含む譲渡先情報の譲渡先データベースへの登録処理を実行せずに回避することが可能となる。情報処理装置は、例えば、譲渡先のホームページのアドレスに適合しないドメインを含む譲渡先情報を入力したユーザに対して、製品データベースへのアクセスを制限することが可能となる。
【0016】
一実施形態における情報処理装置では、前記制御部は、前記第2処理において前記第2情報が前記譲渡先データベースに既に登録されていると判定すると、前記第1情報及び前記第2情報に加えて第3情報も含む前記譲渡先情報を前記識別情報に関連付けて前記譲渡先データベースに登録してもよい。
【0017】
これにより、情報処理装置は、識別情報が譲渡実績データベースに含まる情報に一致し、かつ当該識別情報に対して第1情報及び第2情報のいずれも譲渡先データベースに既に登録されている場合に、新たな第3情報を含む譲渡先情報を譲渡先データベースに登録することが可能となる。すなわち、情報処理装置は、一のユーザにより譲渡先データベースに既に登録された識別情報に対して、同一譲渡先の他のユーザのメールアドレスを含む譲渡先情報を譲渡先データベースに新たに登録することが可能となる。
【0018】
一実施形態における情報処理装置では、前記第1情報は、前記譲渡先のホームページのアドレスを含み、前記第2情報は、前記譲渡先のユーザのメールアドレスに含まれるドメインを含み、前記第3情報は、前記メールアドレスを含んでもよい。
【0019】
これにより、情報処理装置は、特別な情報を必要とすることなくユーザの製品データベースへのアクセスを可能にする。譲渡先のユーザは、製品データベースへアクセスするために、識別情報に加えてホームページのアドレス及びメールアドレスを端末装置に入力して譲渡先データベースへ送信するだけでよい。
【0020】
一実施形態における情報処理装置では、前記譲渡先情報は、前記譲渡先のユーザのメールアドレスを含み、前記制御部が実行する前記判定処理は、前記第2判定処理において未だ登録されていないと判定された場合に実行される第3判定処理であって、取得された前記メールアドレスが会社ドメインを含むか否かを判定する前記第3判定処理を含んでもよい。
【0021】
これにより、情報処理装置は、譲渡先のユーザのメールアドレスが会社ドメインを含まないような譲渡先情報について、譲渡先情報及び対応する識別情報の譲渡先データベースへの登録処理を実行せずに回避することが可能となる。情報処理装置は、会社ドメインを含まないメールアドレスを譲渡先情報として入力したユーザに対して、製品データベースへのアクセスを制限することが可能となる。
【0022】
一実施形態における情報処理装置では、前記制御部は、前記第3判定処理において会社ドメインを含むと判定すると、前記識別情報及び前記譲渡先情報を前記譲渡先データベースに登録してもよい。
【0023】
これにより、情報処理装置は、識別情報が譲渡実績データベースに含まる情報に一致し、かつ当該識別情報に対して初めてとなる譲渡先情報を譲渡先データベースに登録することが可能となる。例えば、情報処理装置は、譲渡先のユーザにより譲渡先データベースに未だ登録されていない識別情報に対して、会社ドメインを含む正式なメールアドレスを含む譲渡先情報を譲渡先データベースに初回登録することが可能となる。
【0024】
一実施形態における情報処理装置は、前記譲渡先データベースに登録されている前記譲渡先情報の変更の有無を定期的に確認する監視部をさらに備えてもよい。これにより、情報処理装置は、譲渡先情報の変更に合わせて、譲渡先データベースを適切に更新することができる。
【0025】
一実施形態における情報処理装置では、前記監視部は、前記譲渡先情報の第1情報に定期的にアクセスし、前記第1情報にアクセス不可能であったと判定すると前記譲渡先のユーザへ確認メールを送信し、前記確認メールへの回答に応じて前記譲渡先データベースの前記第1情報を更新してもよい。これにより、情報処理装置は、譲渡先のホームページのアドレスが変更されている場合に、譲渡先データベースに登録されている旧アドレスを新しいアドレスに適切に更新することができる。
【0026】
一実施形態における情報処理装置では、前記監視部は、前記譲渡先情報の第3情報宛に定期的にメールを送信し、送信不可能であったと判定すると、判定された前記第3情報に関連する前記譲渡先情報を前記譲渡先データベースから削除してもよい。これにより、情報処理装置は、譲渡先のユーザのメールアドレスが使用されていない場合に、譲渡先データベースに登録されている、当該メールアドレスに関連する不要な譲渡先情報を削除して譲渡先データベースを適切に更新することができる。
【0027】
幾つかの実施形態に係る情報処理方法は、譲渡元から譲渡先に譲渡された製品の識別情報及び前記譲渡先の譲渡先情報を前記譲渡先から取得し、取得された前記識別情報及び前記譲渡先情報を用いた判定処理に基づいて、前記識別情報ごとに前記譲渡先情報を関連付けた譲渡先データベースを構築するステップ、を含む。
【0028】
これにより、より容易に継続利用できる譲渡先データベースの構築が可能になる。情報処理方法を実行する情報処理装置は、取得された識別情報及び譲渡先情報を用いた判定処理に基づいて、識別情報ごとに譲渡先情報を関連付けた譲渡先データベースを構築する。したがって、情報処理装置は、譲渡先で管理者としてのユーザを必要とせず、譲渡先データベースを継続して長く管理することが可能である。管理者が不要になることで、譲渡先の負担も軽減される。
【0029】
幾つかの実施形態に係るプログラムは、情報処理装置に、譲渡元から譲渡先に譲渡された製品の識別情報及び前記譲渡先の譲渡先情報を前記譲渡先から取得し、取得された前記識別情報及び前記譲渡先情報を用いた判定処理に基づいて、前記識別情報ごとに前記譲渡先情報を関連付けた譲渡先データベースを構築するステップ、を含む動作を実行させる。
【0030】
これにより、情報処理装置は、より容易に継続利用できる譲渡先データベースの構築を可能にする。情報処理装置は、取得された識別情報及び譲渡先情報を用いた判定処理に基づいて、識別情報ごとに譲渡先情報を関連付けた譲渡先データベースを構築する。したがって、情報処理装置は、譲渡先で管理者としてのユーザを必要とせず、譲渡先データベースを継続して長く管理することが可能である。管理者が不要になることで、譲渡先の負担も軽減される。
【発明の効果】
【0031】
本開示によれば、より容易に継続利用できる譲渡先データベースの構築を可能にする情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本開示の一実施形態に係る情報処理装置を含む情報処理システムの構成の一例を示す構成図である。
【
図2】
図1の情報処理装置、第1端末装置、及び第2端末装置のそれぞれの構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図2の情報処理装置の記憶部に記憶されている情報の内容を説明するためのブロック図である。
【
図4】
図2の情報処理装置の制御部の構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図5】
図1の情報処理装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図1の情報処理装置が実行する処理の一例を説明するための模式図である。
【
図7】本開示の変形例に係る情報処理装置の制御部の構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図8】
図7の制御部を有する情報処理装置が実行する処理の第1例を示すフローチャートである。
【
図9】
図7の制御部を有する情報処理装置が実行する処理の第2例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下では、添付図面を参照しながら本開示の一実施形態について主に説明する。
【0034】
図1は、本開示の一実施形態に係る情報処理装置10を含む情報処理システム1の構成の一例を示す構成図である。
図1を参照しながら、本開示の一実施形態に係る情報処理装置10を含む情報処理システム1の概要について主に説明する。情報処理システム1は、情報処理装置10に加えて、第1端末装置20と、第2端末装置30とを有する。
【0035】
図1では説明の簡便のため、端末装置について第1端末装置20及び第2端末装置30の2つのみを図示しているが、情報処理システム1が有する端末装置の数は1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
図1では説明の簡便のため、情報処理装置10について1つのみ図示しているが、情報処理システム1が有する情報処理装置10の数は2つ以上であってもよい。情報処理装置10、第1端末装置20、及び第2端末装置30のそれぞれは、移動体通信網及びインターネットなどを含むネットワーク40と通信可能に接続されている。
【0036】
一実施形態の概要として、情報処理装置10は、譲渡元から譲渡先に譲渡された製品の識別情報及び譲渡先の譲渡先情報を譲渡先から取得し、取得された識別情報及び譲渡先情報に基づいて譲渡先データベースを構築する。本開示において、「製品」は、フィールド機器を含む測定装置、分析装置、及び他の任意の電子機器などを含む。「譲渡」は、販売、無償での提供、及び貸出などを含む。「譲渡先」は、譲渡された製品を工場などの現場で実際に使用するエンドユーザが所属する会社などの法人、当該エンドユーザに対して製品を販売する販売代理店、エンドユーザが使用している製品のメンテナンスを行う保守代理店、及び製品の譲渡を受けて当該製品を一時的に取り扱う任意の他の請負会社などを含む。「譲渡元」は、譲渡先に対して製品を譲渡する会社などの法人を含む。
【0037】
本開示において、「識別情報」は、製品を一個体として特定可能な、製品に付属する任意の情報を含む。識別情報は、シリアル番号、製品管理番号、及びライセンス番号などを含む。「譲渡先情報」は、URL(Uniform Resource Locator)などの譲渡先のホームページのアドレス、譲渡先のユーザのメールアドレス、及び当該メールアドレスに含まれるドメインなどを含む。「譲渡先データベース」は、譲渡元から製品が譲渡された譲渡先の情報を譲渡元自体が管理するデータベースであり、識別情報ごとに譲渡先情報を関連付けたものを含む。
【0038】
情報処理装置10は、例えば、1つ又は互いに通信可能な複数のサーバ装置を含む。情報処理装置10は、これらに限定されず、PC(Personal Computer)又はスマートフォンなどの任意の汎用の電子機器であってもよいし、情報処理システム1に専用の他の電子機器であってもよい。
【0039】
第1端末装置20は、例えば、PC、タブレットPC、又はスマートフォンなどの汎用の電子機器を含む。第1端末装置20は、第1ユーザが使用する電子機器である。第1端末装置20は、これらに限定されず、第1ユーザが使用する1つ又は互いに通信可能な複数のサーバ装置であってもよいし、情報処理システム1に専用の他の電子機器であってもよい。
【0040】
第2端末装置30は、例えば、PC、タブレットPC、又はスマートフォンなどの汎用の電子機器を含む。第2端末装置30は、第2ユーザが使用する電子機器である。第2端末装置30は、これらに限定されず、第2ユーザが使用する1つ又は互いに通信可能な複数のサーバ装置であってもよいし、情報処理システム1に専用の他の電子機器であってもよい。
【0041】
第1ユーザ及び第2ユーザは、いずれも譲渡先における互いに異なるユーザである。第1ユーザ及び第2ユーザは、互いに同一の譲渡先におけるユーザであってもよいし、互いに異なる譲渡先におけるユーザであってもよい。
【0042】
図2は、
図1の情報処理装置10、第1端末装置20、及び第2端末装置30のそれぞれの構成の一例を示すブロック図である。
図2を参照しながら、情報処理システム1に含まれる情報処理装置10、第1端末装置20、及び第2端末装置30のそれぞれの構成の一例について主に説明する。
【0043】
図2に示すとおり、情報処理装置10は、通信部11、記憶部12、及び制御部13を有する。
【0044】
通信部11は、ネットワーク40に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば、4G(4th Generation)及び5G(5th Generation)などの移動体通信規格、有線LAN(Local Area Network)規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限定されず任意の通信規格に対応してもよい。一実施形態において、情報処理装置10は、通信部11を介してネットワーク40に接続されている。通信部11は、ネットワーク40を介して多様な情報を送信及び受信する。
【0045】
記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、ROM(Read-Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)などの記憶装置を含む。記憶部12は、情報処理装置10の動作を実現するために必要な情報を記憶する。記憶部12は、情報処理装置10の動作によって得られた情報を記憶する。例えば、記憶部12は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び通信などの任意の手段で取得される各種データなどを記憶する。
【0046】
記憶部12は、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部12は、情報処理装置10に内蔵されているものに限定されず、USB(Universal Serial Bus)などのデジタル入出力ポートなどによって接続されている外付け型の記憶装置であってもよい。
【0047】
制御部13は、1つ以上のプロセッサを含む。本開示において、「プロセッサ」は、汎用のプロセッサ、又は特定の処理に特化した専用のプロセッサであるが、これらに限定されない。制御部13は、情報処理装置10を構成する各構成部と通信可能に接続され、情報処理装置10全体の動作を制御する。
【0048】
情報処理システム1に含まれる第1端末装置20の構成について主に説明する。
図2に示されるように、第1端末装置20は、通信部21、記憶部22、入力部23、出力部24、及び制御部25を有する。
【0049】
通信部21は、ネットワーク40に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば、4G及び5Gなどの移動体通信規格、有線LAN規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限定されず任意の通信規格に対応してもよい。一実施形態において、第1端末装置20は、通信部21を介してネットワーク40に接続されている。通信部21は、ネットワーク40を介して多様な情報を送信及び受信する。
【0050】
記憶部22は、HDD、SSD、EEPROM、ROM、及びRAMなどの記憶装置を含む。記憶部22は、第1端末装置20の動作を実現するために必要な情報を記憶する。記憶部22は、第1端末装置20の動作によって得られた情報を記憶する。例えば、記憶部22は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び通信などの任意の手段で取得される各種データなどを記憶する。
【0051】
記憶部22は、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部22は、第1端末装置20に内蔵されているものに限定されず、USB(Universal Serial Bus)などのデジタル入出力ポートなどによって接続されている外付け型の記憶装置であってもよい。
【0052】
入力部23は、ユーザ入力を検出して、ユーザの操作に基づく入力情報を取得する1つ以上の入力インタフェースを含む。当該入力インタフェースは、物理キー、静電容量キー、出力部24のディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、カメラなどの撮像モジュール、及び音声入力を受け付けるマイクロフォンなどを含む。
【0053】
出力部24は、情報を出力してユーザに通知する1つ以上の出力インタフェースを含む。当該出力インタフェースは、情報を映像で出力するディスプレイ、及び情報を音声で出力するスピーカなどを含む。
【0054】
制御部25は、1つ以上のプロセッサを含む。制御部25は、第1端末装置20を構成する各構成部と通信可能に接続され、第1端末装置20全体の動作を制御する。
【0055】
情報処理システム1に含まれる第2端末装置30の構成について主に説明する。
図2に示されるように、第2端末装置30は、通信部31、記憶部32、入力部33、出力部34、及び制御部35を有する。
【0056】
通信部31は、ネットワーク40に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば、4G及び5Gなどの移動体通信規格、有線LAN規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限定されず任意の通信規格に対応してもよい。一実施形態において、第2端末装置30は、通信部31を介してネットワーク40に接続されている。通信部31は、ネットワーク40を介して多様な情報を送信及び受信する。
【0057】
記憶部32は、HDD、SSD、EEPROM、ROM、及びRAMなどの記憶装置を含む。記憶部32は、第2端末装置30の動作を実現するために必要な情報を記憶する。記憶部32は、第2端末装置30の動作によって得られた情報を記憶する。例えば、記憶部32は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び通信などの任意の手段で取得される各種データなどを記憶する。
【0058】
記憶部32は、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部32は、第2端末装置30に内蔵されているものに限定されず、USB(Universal Serial Bus)などのデジタル入出力ポートなどによって接続されている外付け型の記憶装置であってもよい。
【0059】
入力部33は、ユーザ入力を検出して、ユーザの操作に基づく入力情報を取得する1つ以上の入力インタフェースを含む。当該入力インタフェースは、物理キー、静電容量キー、出力部34のディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、カメラなどの撮像モジュール、及び音声入力を受け付けるマイクロフォンなどを含む。
【0060】
出力部34は、情報を出力してユーザに通知する1つ以上の出力インタフェースを含む。当該出力インタフェースは、情報を映像で出力するディスプレイ、及び情報を音声で出力するスピーカなどを含む。
【0061】
制御部35は、1つ以上のプロセッサを含む。制御部35は、第2端末装置30を構成する各構成部と通信可能に接続され、第2端末装置30全体の動作を制御する。
【0062】
図3は、
図2の記憶部12に記憶されている情報の内容を説明するためのブロック図である。
図3に示されるように、情報処理装置10の記憶部12は、識別情報ごとに譲渡先情報を関連付けた譲渡先データベースを記憶する。譲渡先情報は、第1情報、第2情報、及び第3情報を含む。本開示において、「第1情報」は、URLなどの譲渡先のホームページのアドレスを含む。「第2情報」は、譲渡先のユーザのメールアドレスに含まれるドメインを含む。「第3情報」は、譲渡先のユーザのメールアドレスを含む。
【0063】
記憶部12は、譲渡先データベースに加えて、製品の譲渡実績データベースを記憶する。本開示において、「譲渡実績データベース」は、譲渡元から譲渡先に譲渡された製品の譲渡実績を含むデータベースであり、譲渡された製品の識別情報、譲渡日、及び譲渡先の名称などの情報を互いに関連付けたものを含む。譲渡実績データベースは、譲渡元が譲渡先に対し製品を譲渡するごとに情報処理装置10を用いて更新し構築されたデータベースであり、譲渡元により管理される。
【0064】
図4は、
図2の制御部13の構成の一例を示す機能ブロック図である。
図4は、情報処理装置10の制御部13によって実現される機能をブロックごとに分けて示したものである。
図4に示されるように、制御部13は、照合部131と、処理部132とを有する。
【0065】
照合部131は、第1端末装置20及び第2端末装置30などの端末装置からネットワーク40及び通信部11を介して取得した識別情報及び譲渡先情報を、記憶部12に格納されているデータベースと照合する。例えば、照合部131は、取得した識別情報を譲渡実績データベースと照合する。例えば、照合部131は、取得した譲渡先情報を譲渡先データベースと照合する。
【0066】
処理部132は、照合部131による照合の結果を用いて判定処理及び譲渡先データベースの構築処理などを実行する。例えば、処理部132は、譲渡先から取得した識別情報及び譲渡先情報を用いた判定処理を実行する。例えば、処理部132は、当該判定処理に基づいて、識別情報ごとに譲渡先情報を関連付けた譲渡先データベースを構築する。
【0067】
制御部13の処理部132が実行する判定処理は、譲渡元が管理する、製品の譲渡実績データベースに含まれる情報に、新たに取得された識別情報が一致するか否かを判定する第1判定処理を含む。処理部132が実行する判定処理は、新たに取得された識別情報が譲渡実績データベースに含まれる情報に一致すると第1判定処理において判定された場合に実行される第2判定処理であって、新たに取得された譲渡先情報が譲渡先データベースに既に登録されているか否かを判定する第2判定処理を含む。
【0068】
第2判定処理は、譲渡先情報の第1情報に基づく第1処理と、第1情報が所定の識別情報に対して譲渡先データベースに既に登録されていると判定された場合に実行される、譲渡先情報の第2情報に基づく第2処理とを含む。処理部132は、第2処理において譲渡先情報の第2情報が譲渡先データベースに既に登録されていると判定すると、第1情報及び第2情報に加えて第3情報も含む譲渡先情報を識別情報に関連付けて譲渡先データベースに登録する。
【0069】
制御部13の処理部132が実行する判定処理は、第2判定処理において譲渡先情報の第1情報が譲渡先データベースに未だ登録されていないと判定された場合に実行される第3判定処理であって、取得された譲渡先情報の第3情報が会社ドメインを含むか否かを判定する第3判定処理を含む。本開示において、「会社ドメイン」は、例えば「**.co.jp」などにより特徴付けられるものであり、フリーメール及び携帯キャリアメールに使用されるものとは異なるものを含む。制御部13の処理部132は、第3判定処理において第3情報が会社ドメインを含むと判定すると、識別情報及び譲渡先情報を譲渡先データベースに登録する。
【0070】
図5は、
図1の情報処理装置10が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図5に示されるフローチャートは、例えば、譲渡先が譲渡元から譲渡を受けた製品のサポートなどを受けるために、当該製品の製品情報などを含む製品データベースへのアクセス情報を取得しようとするときに情報処理装置10の制御部13により実行される。当該フローチャートにおいて所定のフローに従うときに、譲渡先は、アクセス情報を取得できる。それと同時に、情報処理装置10の制御部13は、譲渡先データベースを構築する。
【0071】
本開示において、「製品情報」は、製品のマニュアル、交換部品などの部品情報、その他の製品の保守情報、製品への質疑応答情報、及びCAD(Computer-Aided Design)データなどの図面情報などを含む。「製品データベース」は、譲渡元から譲渡先に譲渡された製品の製品情報を譲渡先に提供するために譲渡元自体が管理するデータベースを含む。当該製品データベースは、情報処理装置10の記憶部12に格納されずに、譲渡先データベース及び譲渡実績データベースとは別に管理されていてもよいし、譲渡先データベース及び譲渡実績データベースと共に記憶部12に格納されていてもよい。「アクセス情報」は、譲渡先のユーザが自身の端末装置を用いて製品データベースにアクセスを試みるときに必要となる認証情報などを含む。認証情報は、アクセスキーなどを含む。
【0072】
ステップS100では、制御部13は、譲渡元から新たに製品を譲渡された譲渡先のユーザの端末装置から、ネットワーク40及び通信部11を介して識別情報を新たに取得する。
【0073】
例えば、制御部13の処理部132は、第1ユーザが使用する第1端末装置20の入力部23により新たに入力された識別情報を、ネットワーク40及び通信部11を介して第1端末装置20から受信する。第1ユーザは、例えば、入力部23の物理キーなどを用いて文字入力により識別情報を入力してもよい。第1ユーザは、製品に貼り付けられている、バーコード及びQRコード(登録商標)などを含む二次元コードを入力部23の撮像モジュールに読み取らせることで識別情報を入力してもよい。第1端末装置20の制御部25は、入力部23により得られた識別情報を、通信部21及びネットワーク40を介して情報処理装置10に送信する。
【0074】
例えば、制御部13の処理部132は、第2ユーザが使用する第2端末装置30の入力部33により新たに入力された識別情報を、ネットワーク40及び通信部11を介して第2端末装置30から受信する。第2ユーザは、例えば、入力部33の物理キーなどを用いて文字入力により識別情報を入力してもよい。第2ユーザは、製品に貼り付けられている、バーコード及びQRコード(登録商標)などを含む二次元コードを入力部33の撮像モジュールに読み取らせることで識別情報を入力してもよい。第2端末装置30の制御部35は、入力部33により得られた識別情報を、通信部31及びネットワーク40を介して情報処理装置10に送信する。
【0075】
ステップS101では、制御部13は、ステップS100と同様に、譲渡先のユーザの端末装置から、ネットワーク40及び通信部11を介して譲渡先情報を新たに取得する。
【0076】
例えば、制御部13の処理部132は、第1ユーザが使用する第1端末装置20の入力部23により新たに入力された譲渡先情報を、ネットワーク40及び通信部11を介して第1端末装置20から受信する。このとき、第1端末装置20の制御部25は、入力部23により得られた譲渡先情報を、通信部21及びネットワーク40を介して情報処理装置10に送信する。例えば、制御部13の処理部132は、第2ユーザが使用する第2端末装置30の入力部33により新たに入力された譲渡先情報を、ネットワーク40及び通信部11を介して第2端末装置30から受信する。このとき、第2端末装置30の制御部35は、入力部33により得られた譲渡先情報を、通信部31及びネットワーク40を介して情報処理装置10に送信する。
【0077】
ステップS102では、制御部13は、ステップS100において取得された識別情報が譲渡実績データベースに含まれる情報に一致するか否かを判定する。例えば、制御部13の照合部131が、ステップS100において取得された識別情報を譲渡実績データベースと照合し、処理部132が第1判定処理を実行する。制御部13は、識別情報が一致すると判定すると、ステップS103の処理を実行する。制御部13は、識別情報が一致しないと判定すると、ステップS107の処理を実行する。
【0078】
ステップS103では、制御部13は、ステップS102において識別情報が一致すると判定すると、ステップS101において取得された譲渡先情報の第1情報が所定の識別情報に対して譲渡先データベースに既に登録されているか否かを判定する。例えば、制御部13の照合部131が、ステップS101において取得された第1情報を譲渡先データベースと照合し、処理部132が第2判定処理の第1処理を実行する。制御部13は、第1情報が既に登録されていると判定すると、ステップS108の処理を実行する。制御部13は、第1情報が未だ登録されていないと判定すると、ステップS104の処理を実行する。
【0079】
ステップS104では、制御部13は、ステップS103において第1情報が未だ登録されていないと判定すると、ステップS101において譲渡先情報の第3情報として取得された譲渡先のメールドレスが会社ドメインを含むか否かを判定する。例えば、制御部13の処理部132が、ステップS101において取得されたメールアドレスを参照し、第3判定処理を実行する。制御部13は、会社ドメインを含むと判定すると、ステップS105の処理を実行する。制御部13は、会社ドメインを含まないと判定すると、ステップS111の処理を実行する。
【0080】
ステップS105では、制御部13の処理部132は、ステップS104において会社ドメインを含むと判定すると、ステップS100において取得された識別情報及びステップS101において取得された譲渡先情報を譲渡先データベースに登録する。
【0081】
ステップS106では、制御部13は、ステップS105において譲渡先データベースに登録された情報に基づいて、製品データベースへのアクセス情報としてのアクセスキーを送信する。例えば、制御部13の処理部132は、ステップS105において譲渡先データベースに登録されたメールアドレス宛に、通信部11及びネットワーク40を介して当該アクセスキーを送信する。
【0082】
ステップS107では、制御部13は、ステップS102において識別情報が一致しないと判定すると、製品データベースへのアクセスが不可であることを通知する。例えば、制御部13の処理部132は、ステップS101において取得されたメールアドレス宛に、通信部11及びネットワーク40を介してアクセス不可のメッセージを送信する。
【0083】
ステップS108では、制御部13は、ステップS103において第1情報が既に登録されていると判定すると、ステップS101において取得された譲渡先情報の第2情報が譲渡先データベースに既に登録されているか否かを判定する。例えば、制御部13の照合部131が、ステップS101において取得された第2情報を譲渡先データベースと照合し、処理部132が第2判定処理の第2処理を実行する。制御部13は、第2情報が既に登録されていると判定すると、ステップS109の処理を実行する。制御部13は、第2情報が登録されていないと判定すると、ステップS107の処理を実行する。
【0084】
ステップS109では、制御部13の処理部132は、ステップS108において第2情報が既に登録されていると判定すると、ステップS100において取得された識別情報に、ステップS101において取得された、第1情報及び第2情報に加えて第3情報も含む譲渡先情報を関連付けて譲渡先データベースに登録する。
【0085】
ステップS110では、制御部13は、ステップS109において譲渡先データベースに登録された情報に基づいて、製品データベースへのアクセス情報としてのアクセスキーを送信する。例えば、制御部13の処理部132は、ステップS109において譲渡先データベースに登録されたメールアドレス宛に、通信部11及びネットワーク40を介して当該アクセスキーを送信する。
【0086】
ステップS111では、制御部13は、ステップS104において会社ドメインを含まないと判定すると、製品データベースへのアクセスが不可であることを通知する。例えば、制御部13の処理部132は、ステップS101において取得されたメールアドレス宛に、通信部11及びネットワーク40を介してアクセス不可のメッセージを送信する。
【0087】
図6は、
図1の情報処理装置10が実行する処理の一例を説明するための模式図である。
図6は、
図5に示されるフローチャートのフローに従って構築された譲渡先データベースの概要を示す。
【0088】
図6に示される譲渡先データベースでは、識別情報ごとに譲渡先情報が関連付けられている。識別情報には、譲渡先情報に加えて、譲渡先名も情報として関連付けられている。譲渡先名は、情報処理装置10を管理する譲渡元のユーザによって適宜登録されてもよいし、譲渡先データベースに登録された第1情報に基づいて情報処理装置10の制御部13により自動的に抽出されてもよい。
【0089】
図6において、番号No.1~No.23の情報を例示しているが、譲渡先データベースの情報に関連する件数はこれに限定されない。
図6の「認証」の項目において、番号ごとに「Yes」又は「No」が関連付けられている。
【0090】
「Yes」は、
図5のフローチャートのステップS105又はステップS109に従って譲渡先のユーザごとに情報が譲渡先データベースに登録され、かつ続くステップS106又はステップS110に従ってアクセスキーが発行されたことを意味する。すなわち、「Yes」は、譲渡先による製品データベースへのアクセスが承認され、譲渡先データベースに登録された所定の登録番号の情報に対応するユーザごとに、アクセスキーが発行されたことを意味する。
【0091】
「No」は、譲渡先のユーザごとに情報が譲渡先データベースに登録されず、
図5のフローチャートのステップS107又はステップS111に従ってアクセス不可が通知されたことを意味する。すなわち、「No」は、譲渡先による製品データベースへのアクセスが承認されず、譲渡先データベースに登録を試みた所定の番号の情報に対応するユーザごとに、アクセスキーが発行されなかったことを意味する。
【0092】
登録番号No.1のシリアル番号SN00001に対する初回の登録では、情報処理装置10の制御部13は、
図5のフローチャートのステップS100からステップS106までの処理を順に実行する。制御部13は、シリアル番号SN00001が譲渡実績データベースに含まれる情報に一致すると判定する。制御部13は、「https://www.yy.co.jp」という第1情報がシリアル番号SN00001に対して譲渡先データベースに未登録であり、かつ「T.Sx@yy.co.jp」という第3情報に「yy.co.jp」という会社ドメインが含まれていると判定する。制御部13は、譲渡先データベースに各情報を登録してアクセスキーを送信する。
【0093】
登録番号No.2~No.4、No.10~No.12、及びNo.14~16のシリアル番号SN00002~SN00010に対するそれぞれの初回の登録についても同様である。
【0094】
制御部13は、所定の識別情報に対して初回登録された、譲渡先のホームページのアドレス及び譲渡先のユーザのメールアドレスに含まれるドメインを、所定の識別情報に対する2回目以降の登録及び認証に利用する。「登録」は、譲渡先データベースへの各情報の登録を意味する。「認証」は、製品データベースへのアクセスの認証を意味する。
【0095】
登録番号No.6のシリアル番号SN00001に対する2回目の登録では、情報処理装置10の制御部13は、
図5のフローチャートの異なるフローに従って処理を実行する。制御部13は、ステップS100からステップS103、及びステップS108からステップS110までの処理を順に実行する。
【0096】
制御部13は、シリアル番号SN00001が譲渡実績データベースに含まれる情報に一致すると判定する。制御部13は、「https://www.yy.co.jp」という第1情報がシリアル番号SN00001に対して譲渡先データベースに既に登録されており、かつ「T.Tx@yy.co.jp」という第3情報に含まれる「yy.co.jp」という第2情報が譲渡先データベースに同様に既に登録されていると判定する。制御部13は、譲渡先データベースに各情報を登録してアクセスキーを送信する。
【0097】
登録番号No.7及びNo.8のシリアル番号SN00002及びSN00003に対するそれぞれの2回目の登録についても同様である。
【0098】
株式会社yyと異なる譲渡先である株式会社zzについても同様の説明が当てはまる。
【0099】
登録番号No.17のシリアル番号SN00001に対する初回の登録では、情報処理装置10の制御部13は、
図5のフローチャートのステップS100からステップS106までの処理を順に実行する。制御部13は、シリアル番号SN00001が譲渡実績データベースに含まれる情報に一致すると判定する。制御部13は、「https://zz.co.jp」という第1情報がシリアル番号SN00001に対して譲渡先データベースに未登録であり、かつ「N.Nx@zz.co.jp」という第3情報に「zz.co.jp」という会社ドメインが含まれていると判定する。制御部13は、譲渡先データベースに各情報を登録してアクセスキーを送信する。
【0100】
登録番号No.18~No.23のシリアル番号SN00002, SN00003, SN00010~SN00013に対するそれぞれの初回の登録についても同様である。
【0101】
一方で、番号No.5のシリアル番号SN00001に対する登録を試みるときに、情報処理装置10の制御部13は、
図5のフローチャートの異なるフローに従って処理を実行する。制御部13は、ステップS100からステップS103、ステップS108、及びステップS107までの処理を順に実行する。
【0102】
制御部13は、シリアル番号SN00001が譲渡実績データベースに含まれる情報に一致すると判定する。制御部13は、「https://www.yy.co.jp」という第1情報がシリアル番号SN00001に対して譲渡先データベースに既に登録されていると判定する。しかしながら、「T.Sx@gg.com」という第3情報には、会社ドメインと異なる「gg.com」という第2情報が含まれている。したがって、仮にシリアル番号SN00001に対し、「T.Sx@gg.com」という第3情報を用いて初回の登録を試みても、情報が譲渡先データベースに登録されず、
図5のフローチャートのステップS104及びステップS111に従ってアクセス不可が通知される。結果として、制御部13は、ステップS108において「T.Sx@gg.com」という第3情報に含まれる「gg.com」という第2情報が譲渡先データベースに未登録であると判定する。制御部13は、最終的にアクセス不可を通知する。
【0103】
番号No.13のシリアル番号SN00007に対する登録を試みるときも同様である。
【0104】
さらに、番号No.9のシリアル番号NNg0003に対する登録を試みるときに、情報処理装置10の制御部13は、
図5のフローチャートの異なるフローに従って処理を実行する。制御部13は、ステップS100からステップS102、及びステップS107までの処理を順に実行する。
【0105】
制御部13は、シリアル番号NNg0003が譲渡実績データベースに含まれる情報に一致しないと判定する。制御部13は、その後、アクセス不可を通知する。
【0106】
以上のような一実施形態に係る情報処理装置10によれば、より容易に継続利用できる譲渡先データベースの構築を可能にする。情報処理装置10は、取得された識別情報及び譲渡先情報を用いた判定処理に基づいて、識別情報ごとに譲渡先情報を関連付けた譲渡先データベースを構築する。これにより、情報処理装置10は、譲渡先で管理者としてのユーザを必要とせず、譲渡先データベースを継続して長く管理することが可能である。管理者が不要になることで、譲渡先の負担も軽減される。
【0107】
譲渡先は、製品データベースにアクセスするために特別な情報を準備する必要がない。譲渡先は、製品データベースへアクセスするために、譲渡先データベースへ識別情報及び譲渡先情報を提供するだけでよい。譲渡先のユーザは、譲渡先データベースにアクセスするたびに製品データベースへのアクセスキーの発行を受けることができるので、パスワードなどの管理を行う必要がない。以上のように、複雑な情報管理の必要はなく、製品データベースへのアクセス情報をユーザ同士で共有したり引き継いだりする必要もない。
【0108】
以上のように、管理者が不要となり、情報共有及び引き継ぎが不要となることで、譲渡先データベースを継続的に利用することが可能となる。例えば、同一譲渡先内であっても、ユーザ同士に接点がなかったり、譲渡先の人事及び組織情報が複雑で、ユーザ同士を把握することが困難であったりする場合であっても、ユーザごとに譲渡先データベースを継続的に利用することが可能となる。さらに、異動、転職、及び退職などにより譲渡先のユーザが業務から外れても、他のユーザは、譲渡先データベースを継続的に利用することが可能である。以上により、譲渡先データベースの陳腐化も抑制可能である。
【0109】
加えて、譲渡先データベース及び製品データベースなどのデータベースを管理する譲渡元でも管理者を配置することが不要となる。したがって、譲渡先だけでなく譲渡元でも情報処理システム1の利便性が向上する。
【0110】
情報処理装置10は、判定処理が第1判定処理を含むことで、製品の譲渡実績データベースに含まれない識別情報について、識別情報及び対応する譲渡先情報の譲渡先データベースへの登録処理を実行せずに回避することが可能となる。情報処理装置10は、製品の譲渡実績データベースに含まれない識別情報を入力したユーザに対して、製品データベースへのアクセスを制限することが可能となる。
【0111】
情報処理装置10は、判定処理が第2判定処理を含むことで、譲渡先データベースに既に登録された譲渡先情報を、2回目以降の登録及び認証に利用することを可能にする。これにより、譲渡先における異なるユーザが譲渡先データベースにアクセスすることも可能となり、管理者の配置が不要となる。上述したとおり、情報共有及び引き継ぎも不要となり、譲渡先データベースを継続的に利用することが可能となる。したがって、ユーザに対する情報処理システム1の利便性が向上する。
【0112】
情報処理装置10は、第2判定処理が第1処理と第2処理とを含むことで、譲渡先情報に含まれる第1情報及び第2情報を用いて複数のステップで判定処理を実行可能である。情報処理装置10は、例えば、第1情報に適合しない第2情報を含む譲渡先情報の譲渡先データベースへの登録処理を実行せずに回避することが可能となる。情報処理装置10は、例えば、譲渡先のホームページのアドレスに適合しないドメインを含む譲渡先情報を入力したユーザに対して、製品データベースへのアクセスを制限することが可能となる。
【0113】
情報処理装置10は、第2処理において第2情報が譲渡先データベースに既に登録されていると判定すると、第1情報及び第2情報に加えて第3情報も含む譲渡先情報を識別情報に関連付けて譲渡先データベースに登録する。これにより、情報処理装置10は、識別情報が譲渡実績データベースに含まる情報に一致し、かつ当該識別情報に対して第1情報及び第2情報のいずれも譲渡先データベースに既に登録されている場合に、新たな第3情報を含む譲渡先情報を譲渡先データベースに登録することが可能となる。すなわち、情報処理装置10は、一のユーザにより譲渡先データベースに既に登録された識別情報に対して、同一譲渡先の他のユーザのメールアドレスを含む譲渡先情報を譲渡先データベースに新たに登録することが可能となる。
【0114】
情報処理装置10は、第1情報が譲渡先のホームページのアドレスを含み、第2情報が譲渡先のユーザのドメインを含み、第3情報が当該ユーザのメールアドレスを含むことで、特別な情報を必要とすることなくユーザの製品データベースへのアクセスを可能にする。譲渡先のユーザは、製品データベースへアクセスするために、識別情報に加えてホームページのアドレス及びメールアドレスを端末装置に入力して譲渡先データベースへ送信するだけでよい。
【0115】
情報処理装置10は、判定処理が第3判定処理を含むことで、譲渡先のユーザのメールアドレスが会社ドメインを含まないような譲渡先情報について、譲渡先情報及び対応する識別情報の譲渡先データベースへの登録処理を実行せずに回避することが可能となる。情報処理装置10は、会社ドメインを含まないメールアドレスを譲渡先情報として入力したユーザに対して、製品データベースへのアクセスを制限することが可能となる。
【0116】
情報処理装置10は、第3判定処理において会社ドメインを含むと判定すると、識別情報及び譲渡先情報を譲渡先データベースに登録する。これにより、情報処理装置10は、識別情報が譲渡実績データベースに含まる情報に一致し、かつ当該識別情報に対して初めてとなる譲渡先情報を譲渡先データベースに登録することが可能となる。例えば、情報処理装置10は、譲渡先のユーザにより譲渡先データベースに未だ登録されていない識別情報に対して、会社ドメインを含む正式なメールアドレスを含む譲渡先情報を譲渡先データベースに初回登録することが可能となる。
【0117】
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行うことが可能であることに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成又は各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成又はステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0118】
例えば、スマートフォン又はコンピュータなどの汎用の電子機器を、上述した一実施形態に係る情報処理装置10として機能させることも可能である。具体的には、一実施形態に係る情報処理装置10の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、電子機器のメモリに格納し、電子機器のプロセッサにより当該プログラムを読み出して実行させる。したがって、本開示は、プロセッサが実行可能なプログラムとしても実現可能である。
【0119】
又は、本開示は、一実施形態に係る情報処理装置10などに各機能を実行させるために1つ又は複数のプロセッサにより実行可能なプログラムを記憶した非一時的なコンピュータ読取可能な媒体としても実現し得る。本開示の範囲には、これらも包含されると理解されたい。
【0120】
上記実施形態では、判定処理は、第1判定処理、第2判定処理、及び第3判定処理を順に含むと説明したが、これに限定されない。情報処理装置10は、第1判定処理、第2判定処理、及び第3判定処理を上記実施形態と異なる順番で実行してもよい。情報処理装置10は、より容易に継続利用できる譲渡先データベースの構築が可能であれば、第1判定処理、第2判定処理、及び第3判定処理の一部を実行しなくてもよい。
【0121】
上記実施形態では、第2判定処理は、第1処理と第2処理とを含むと説明したが、これに限定されない。情報処理装置10は、第1処理及び第2処理の順序を入れ替えて第2判定処理を実行してもよい。情報処理装置10は、より容易に継続利用できる譲渡先データベースの構築が可能であれば、第1処理及び第2処理のいずれか一方を実行しなくてもよいし、逆に3つ以上の処理を含めて第2判定処理を実行してもよい。
【0122】
上記実施形態では、第1情報は、譲渡先のホームページのアドレスを含むと説明したが、これに限定されない。第1情報は、会社の代表電話番号、法人番号、企業コード、証券コード(登録商標)、及び金融庁が発行するEDINET(Electronic Disclosure for Investors’ NETwork)コードなどの譲渡先を識別可能な任意の他の固有情報を含んでもよい。
【0123】
上記実施形態では、第2情報は、譲渡先のユーザのメールアドレスに含まれるドメインを含むと説明したが、これに限定されない。第2情報は、譲渡先のユーザの社員番号における定型部分などを含んでもよい。
【0124】
上記実施形態では、第3情報は、譲渡先のユーザのメールアドレスを含むと説明したが、これに限定されない。第3情報は、譲渡先のユーザの社員番号などを含んでもよい。
【0125】
上記実施形態では、譲渡先データベース及び譲渡実績データベースは、共に情報処理装置10の記憶部12に格納されていると説明したが、1つのサーバ装置にまとめて格納されていてもよいし、互いに異なる複数のサーバ装置にわたって別々に格納されていてもよい。譲渡実績データベースは、情報処理装置10の記憶部12に格納されずに、譲渡先データベースとは別に管理されていてもよい。
【0126】
上記実施形態では、譲渡先データベースは、
図6に示されるように、複数の異なる譲渡先の譲渡先情報をまとめて含むと説明したが、これに限定されない。譲渡先データベースは、譲渡先ごとに分けて構築されてもよいし、エンドユーザが所属する会社などの法人、販売代理店、及び保守代理店などの譲渡先のカテゴリごとに分けて構築されてもよい。
【0127】
図7は、本開示の変形例に係る情報処理装置10の制御部13の構成の一例を示す機能ブロック図である。上記実施形態では、
図4に示されるように、制御部13は、照合部131及び処理部132のみを有すると説明したが、これに限定されない。制御部13は、照合部131及び処理部132に加えて監視部133をさらに有してもよい。
【0128】
監視部133は、譲渡先データベースに登録されている譲渡先情報の変更の有無を定期的に確認する。例えば、監視部133は、通信部11及びネットワーク40を介して、譲渡先のホームページのアドレス及び譲渡先のユーザのメールアドレスの変更の有無を定期的かつ自動的に確認する。これにより、情報処理装置10は、社名変更及びホームページのアドレス変更に追随して譲渡先データベースを適切に更新することもできる。情報処理装置10は、ユーザのメールアドレスの変更に追随して変更前のメールアドレスに関連する譲渡先情報を譲渡先データベースから適切に削除することもできる。
【0129】
図8は、
図7の制御部13を有する情報処理装置10が実行する処理の第1例を示すフローチャートである。
図9は、
図7の制御部13を有する情報処理装置10が実行する処理の第2例を示すフローチャートである。
図8及び
図9を参照しながら、
図7の制御部13が有する監視部133の機能について主に説明する。
【0130】
図8に示されるように、ステップS200では、制御部13の監視部133は、譲渡先データベースに登録されている第1情報に、通信部11及びネットワーク40を介して定期的かつ自動的にアクセスする。すなわち、監視部133は、譲渡先データベースに登録されている譲渡先のホームページのアドレスに、通信部11及びネットワーク40を介して定期的かつ自動的にアクセスする。
【0131】
ステップS201では、制御部13の監視部133は、ステップS200において第1情報にアクセス可能であったか否かを判定する。監視部133は、第1情報にアクセス可能であったと判定すると、処理を終了する。監視部133は、第1情報にアクセス不可能であったと判定すると、ステップS202の処理を実行する。
【0132】
ステップS202では、制御部13の監視部133は、ステップS201においてアクセス不可能であったと判定すると、通信部11及びネットワーク40を介して確認メールを送信する。例えば、監視部133は、ステップS200において第1情報にアクセス不可能であった譲渡先の所定のユーザのメールアドレスに対し、第1情報の変更の有無を確認するための確認メールを送信する。
【0133】
ステップS203では、制御部13の監視部133は、ステップS202において送信された確認メールへの譲渡先からの回答に応じて、譲渡先データベースを更新する。例えば、監視部133は、譲渡先データベースに登録されている譲渡先のホームページのアドレスを変更後のものに更新する。
【0134】
図9に示されるように、ステップS300では、制御部13の監視部133は、譲渡先データベースに登録されている第3情報宛に、通信部11及びネットワーク40を介して定期的かつ自動的にメールを送信する。例えば、監視部133は、譲渡先データベースに登録されている譲渡先のユーザのメールアドレスが現在も使用されているかを確認するためのメールを、通信部11及びネットワーク40を介して当該メールアドレス宛に送信する。
【0135】
ステップS301では、制御部13の監視部133は、ステップS300においてメールを送信可能であったか否かを判定する。監視部133は、送信可能であったと判定すると、処理を終了する。監視部133は、送信不可能であったと判定すると、ステップS302の処理を実行する。例えば、監視部133は、ステップS300において送信したメールが複数回エラーで戻ってきたような場合に、メールアドレスが現在使用されておらず送信不可能であったと判定する。
【0136】
ステップS302では、制御部13の監視部133は、ステップS301において送信不可能であったと判定すると、判定されたメールアドレスに関連する譲渡先情報を譲渡先データベースから削除する。
【0137】
以上のような変形例に係る情報処理装置10は、譲渡先データベースに登録されている譲渡先情報の変更の有無を定期的に確認する監視部133をさらに有することで、譲渡先情報の変更に合わせて、譲渡先データベースを適切に更新することができる。
【0138】
例えば、監視部133は、譲渡先情報の第1情報に定期的にアクセスし、第1情報にアクセス不可能であったと判定すると譲渡先のユーザへ確認メールを送信し、確認メールへの回答に応じて譲渡先データベースの第1情報を更新する。これにより、情報処理装置10は、譲渡先のホームページのアドレスが変更されている場合に、譲渡先データベースに登録されている旧アドレスを新しいアドレスに適切に更新することができる。
【0139】
例えば、監視部133は、譲渡先情報の第3情報宛に定期的にメールを送信し、送信不可能であったと判定すると、判定された第3情報に関連する譲渡先情報を譲渡先データベースから削除する。これにより、情報処理装置10は、譲渡先のユーザのメールアドレスが使用されていない場合に、譲渡先データベースに登録されている、当該メールアドレスに関連する不要な譲渡先情報を削除して譲渡先データベースを適切に更新することができる。
【0140】
以上のような情報処理システム1は、譲渡先管理システム又は譲渡先認証システムとして応用可能である。
【0141】
以上の説明に加えて、情報処理装置10は、譲渡先から入力された部署コードを譲渡先データベースに新たに追加登録してもよい。これにより、情報処理装置10は、譲渡先の部署、事業所、及び組織名ごとに、ユーザをグループ化することも可能になる。
【0142】
以下に本開示の実施形態の一部について例示する。しかしながら、本開示の実施形態はこれらに限定されない点に留意されたい。
[付記1]
譲渡元から譲渡先に譲渡された製品の識別情報及び前記譲渡先の譲渡先情報を前記譲渡先から取得し、取得された前記識別情報及び前記譲渡先情報を用いた判定処理に基づいて、前記識別情報ごとに前記譲渡先情報を関連付けた譲渡先データベースを構築する制御部、
を備える、
情報処理装置。
[付記2]
付記1に記載の情報処理装置であって、
前記制御部が実行する前記判定処理は、前記譲渡元が管理する、前記製品の譲渡実績データベースに含まれる情報に、新たに取得された前記識別情報が一致するか否かを判定する第1判定処理を含む、
情報処理装置。
[付記3]
付記2に記載の情報処理装置であって、
前記制御部が実行する前記判定処理は、前記第1判定処理において一致すると判定された場合に実行される第2判定処理であって、新たに取得された前記譲渡先情報が前記譲渡先データベースに既に登録されているか否かを判定する前記第2判定処理を含む、
情報処理装置。
[付記4]
付記3に記載の情報処理装置であって、
前記第2判定処理は、前記譲渡先情報の第1情報に基づく第1処理と、前記第1情報が所定の前記識別情報に対して前記譲渡先データベースに既に登録されていると判定された場合に実行される、前記譲渡先情報の第2情報に基づく第2処理とを含む、
情報処理装置。
[付記5]
付記4に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記第2処理において前記第2情報が前記譲渡先データベースに既に登録されていると判定すると、前記第1情報及び前記第2情報に加えて第3情報も含む前記譲渡先情報を前記識別情報に関連付けて前記譲渡先データベースに登録する、
情報処理装置。
[付記6]
付記5に記載の情報処理装置であって、
前記第1情報は、前記譲渡先のホームページのアドレスを含み、
前記第2情報は、前記譲渡先のユーザのメールアドレスに含まれるドメインを含み、
前記第3情報は、前記メールアドレスを含む、
情報処理装置。
[付記7]
付記3乃至6のいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
前記譲渡先情報は、前記譲渡先のユーザのメールアドレスを含み、
前記制御部が実行する前記判定処理は、前記第2判定処理において未だ登録されていないと判定された場合に実行される第3判定処理であって、取得された前記メールアドレスが会社ドメインを含むか否かを判定する前記第3判定処理を含む、
情報処理装置。
[付記8]
付記7に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記第3判定処理において会社ドメインを含むと判定すると、前記識別情報及び前記譲渡先情報を前記譲渡先データベースに登録する、
情報処理装置。
[付記9]
付記1乃至8のいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
前記譲渡先データベースに登録されている前記譲渡先情報の変更の有無を定期的に確認する監視部をさらに備える、
情報処理装置。
[付記10]
付記9に記載の情報処理装置であって、
前記監視部は、前記譲渡先情報の第1情報に定期的にアクセスし、前記第1情報にアクセス不可能であったと判定すると前記譲渡先のユーザへ確認メールを送信し、前記確認メールへの回答に応じて前記譲渡先データベースの前記第1情報を更新する、
情報処理装置。
[付記11]
付記9又は10に記載の情報処理装置であって、
前記監視部は、前記譲渡先情報の第3情報宛に定期的にメールを送信し、送信不可能であったと判定すると、判定された前記第3情報に関連する前記譲渡先情報を前記譲渡先データベースから削除する、
情報処理装置。
[付記12]
譲渡元から譲渡先に譲渡された製品の識別情報及び前記譲渡先の譲渡先情報を前記譲渡先から取得し、取得された前記識別情報及び前記譲渡先情報を用いた判定処理に基づいて、前記識別情報ごとに前記譲渡先情報を関連付けた譲渡先データベースを構築するステップ、
を含む、
情報処理方法。
[付記13]
情報処理装置に、
譲渡元から譲渡先に譲渡された製品の識別情報及び前記譲渡先の譲渡先情報を前記譲渡先から取得し、取得された前記識別情報及び前記譲渡先情報を用いた判定処理に基づいて、前記識別情報ごとに前記譲渡先情報を関連付けた譲渡先データベースを構築するステップ、
を含む動作を実行させる、
プログラム。
【符号の説明】
【0143】
1 情報処理システム
10 情報処理装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 照合部
132 処理部
133 監視部
20 第1端末装置
21 通信部
22 記憶部
23 入力部
24 出力部
25 制御部
30 第2端末装置
31 通信部
32 記憶部
33 入力部
34 出力部
35 制御部
40 ネットワーク