(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135352
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】蓄電電池
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20240927BHJP
B60L 53/14 20190101ALI20240927BHJP
B60L 53/30 20190101ALI20240927BHJP
B60L 53/53 20190101ALI20240927BHJP
【FI】
H02J7/00 A
B60L53/14
B60L53/30
B60L53/53
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045985
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】511294073
【氏名又は名称】株式会社発明ラボックス
(72)【発明者】
【氏名】川口 辰彦
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503AA04
5G503BA01
5G503BB01
5G503CA10
5G503DA04
5G503FA06
5G503GB03
5G503GB06
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125DD02
5H125FF14
(57)【要約】
【課題】グリッドに接続しない移動可能な独立型の蓄電電池であってもEVの種類によらずに蓄電バッテリーに充電することができる蓄電電池を提供する。
【解決手段】電力を蓄電するために電力の入力を受け付ける電力入力部と、受け付けた電力を蓄電するバッテリー部と、バッテリー部への電力の蓄電、及びバッテリー部に蓄電された電力の外部負荷への出力を制御する制御部と、バッテリー部の電力を交流電流に変換するインバーター部と、インバーター部によって変換された交流電流を外部負荷へ出力するための出力部と、インバーター部と出力部とを結ぶ2つの端子であるグランド端子とN端子の間に配線された電子部品部とを備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力を蓄電し、蓄電された電力を出力する蓄電電池であって、
電力を蓄電するために電力の入力を受け付ける電力入力部と、
受け付けた前記電力を蓄電するバッテリー部と、
前記バッテリー部への電力の蓄電、及び前記バッテリー部に蓄電された電力の外部負荷への出力を制御する制御部と、
前記バッテリー部の電力を交流電流に変換するインバーター部と、
前記インバーター部によって変換された交流電流を前記外部負荷へ出力するための出力部と、
前記インバーター部と前記出力部とを結ぶ2つの端子であるグランド端子とN端子の間に配線された電子部品部とを、
備えることを特徴とする蓄電電池。
【請求項2】
前記電子部品部は、抵抗又はコンデンサーであることを特徴とする請求項1に記載の蓄電電池。
【請求項3】
前記電力入力部は、交流電流を受け付けるためのコンバーター部と、直流電流を受け付けるためのDC入力部のうち、少なくとも一方を備える請求項1又は2に記載の蓄電電池。
【請求項4】
前記蓄電電池は持ち運びが可能であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の蓄電電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気を蓄電し、蓄電した電気を供給する蓄電電池に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、多くの自動車がガソリンを使用して走行するガソリン車であるが、ガソリン車に取って代わって次世代の車となるのは電気を使用して走行する電気自動車、すなわちEV(Electric Vehicle)であるということは世界の共通認識になっている。EVは電気を蓄電するための蓄電バッテリーを搭載しており、蓄電された電気を使用して走行するため、二酸化炭素の排出を防ぐことができ、地球の環境問題を改善させることができるという期待がある。そのため、多くの自動車メーカーなどはEVの開発、製造に多くの力を注いでいる。
【0003】
EVが走行するには蓄電バッテリーに電気を蓄電する必要があり、蓄電された電気がなくなった場合には電気を充電する充電器を備えた充電ステーション(特許文献1を参照)などで充電しなければならない。このことから、EVの普及には充電ステーションの普及が重要になってくる。しかし、現状では充電ステーションが十分に普及されていない。EVの市場を拡大するためには充電ステーションを増やすことが必要となる。
【0004】
充電ステーションが不足している理由としていくつか挙げられる。例えば、急速充電設備の設置場所の不足、急速充電設備の生産技術の複雑な仕様、高度な難解さ、プロモーションの難易度などが挙げられる。また、急速充電設備の高いコストや設置工事の高額な費用、急速充電設備の規格認証費用や系統連系適合に関する費用や消防法の適合費用など費用面におけるハードルの高さもある。このように、充電ステーションが不足しているためEVが普及しない、そしてEVが普及しないから充電ステーションの設置が拡大しないという悪循環のスパイラルに陥っている。
【0005】
充電ステーションの不足を解決するための方法として、電力線送電網(グリッド)に接続しないバッテリー電源型急速充電ステーションが考えられる。グリッドに接続しない独立型のバッテリー電源のため、系統連系の規格認証が不要であり、消防法の適用を受けない。また、施設、設置工事費用が少なく、設置場所を選ばないロケーションフリーである。また、移動できるためフレキシブルな分散型システムの構築が可能である。また、ソーラーパネル、バイオマス発電などの自然再生系電力システムとのコラボレーションが容易である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、グリッドに接続しない移動可能な独立型のバッテリー(蓄電電池)であっても、EVの種類によってはEVの蓄電バッテリーに充電できない。EVの種類によっては、蓄電バッテリーに外部から電気を充電する際、グリッドに接続した充電設備から供給される電気でなければ充電できない仕様になっている。すなわち、充電設備がアース(接地)していない場合には充電できないようになっている。
【0008】
本発明は、上記従来の問題を解消するためのものであって、グリッドに接続しない移動可能な独立型の蓄電電池であってもEVの種類によらずに蓄電バッテリーに充電することができる蓄電電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、請求項1記載の発明にあっては、電力を蓄電し、蓄電された電力を出力する蓄電電池であって、電力を蓄電するために電力の入力を受け付ける電力入力部と、受け付けた前記電力を蓄電するバッテリー部と、前記バッテリー部への電力の蓄電、及び前記バッテリー部に蓄電された電力の外部負荷への出力を制御する制御部と、前記バッテリー部の電力を交流電流に変換するインバーター部と、前記インバーター部によって変換された交流電流を前記外部負荷へ出力するための出力部と、前記インバーター部と前記出力部とを結ぶ2つの端子であるグランド端子とN端子の間に配線された電子部品部とを、備えることを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明にあっては、前記電子部品部が抵抗又はコンデンサーであることは好ましい態様である。
【0011】
請求項3記載の発明にあっては、前記電力入力部が、交流電流を受け付けるためのコンバーター部と、直流電流を受け付けるためのDC入力部のうち、少なくとも一方を備えることは好ましい態様である。
【0012】
請求項4記載の発明にあっては、前記蓄電電池が持ち運び可能であることは好ましい態様である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の蓄電電池にあっては、電力を蓄電し、蓄電された電力を出力する蓄電電池であって、電力を蓄電するために電力の入力を受け付ける電力入力部と、受け付けた前記電力を蓄電するバッテリー部と、前記バッテリー部への電力の蓄電、及び前記バッテリー部に蓄電された電力の外部負荷への出力を制御する制御部と、前記バッテリー部の電力を交流電流に変換するインバーター部と、前記インバーター部によって変換された交流電流を前記外部負荷へ出力するための出力部と、前記インバーター部と前記出力部とを結ぶ2つの端子であるグランド端子とN端子の間に配線された電子部品部とを、備えることにより、グリッドに接続しない移動可能な独立型の蓄電電池であってもEVの種類によらずに蓄電バッテリーに充電することができる。
【0014】
請求項2記載の蓄電電池にあっては、前記電子部品部が抵抗又はコンデンサーであることにより、疑似的な接地を実現することができる。
【0015】
請求項3記載の蓄電電池にあっては、前記電力入力部が、交流電流を受け付けるためのコンバーター部と、直流電流を受け付けるためのDC入力部のうち、少なくとも一方を備えることにより、様々な電源供給を受け付けることができる。
【0016】
請求項4記載の蓄電電池にあっては、前記蓄電電池が持ち運び可能であることにより、充電設備の設置場所の確保がいらず、充電設備のコストを抑え、また法律などの様々な規制を受けず、迅速に充電をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明に係る蓄電電池を含む蓄電電池システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】本発明に係る蓄電電池の抵抗器の配線について説明するための図である。
【
図3】本発明に係る蓄電電池の構成の一例を示す図である。
【
図4】本発明に係る蓄電電池が用いられる据え置き型の一例を示す図である。
【
図5】本発明に係る蓄電電池が用いられるロードサービス型の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る蓄電電池について図面を参照して説明する。
【0019】
まず、一実施形態の蓄電電池1を含む蓄電電池システム10について
図1を用いて説明する。
図1に示すように、蓄電電池システム10は、蓄電電池1と、グリッド電源リソース2と、EV(EV車とも言う)3から構成されている。蓄電電池1は所定の場所に固定されるものではなく、持ち運びが可能な移動可能型の蓄電装置である。つまり、蓄電電池1はグリッド(商用電源網)に接続しない独立型のバッテリー電源のため、系統連系の規格認証が不要であり、消防法の適用を受けない。また、施設、設置工事費用が少なく、設置場所を選ばないロケーションフリーである。また、移動できるためフレキシブルな分散型システムの構築が可能である。また、ソーラーパネル、バイオマス発電などの自然再生系電力システムとのコラボレーションが容易である。
【0020】
蓄電電池1は、ACDC電源回路11、DC入力12、バッテリー13、メインコントロール基板14、DCACインバーター15、AC出力16、DC/DC17、充電回路BMS18から構成されている。ACDC電源回路11は、グリッド電源リソース2のACコンセントから供給されるAC(交流)電力をDC(直流)電力に変換するものである。DC入力12は、ACDC電源アダプタを介してグリッド電源リソース2から供給されるDC電力を受け付けるものである。
【0021】
DC/DC17は、必要な電圧に変更したり、電圧を安定化させたりするためのコンバーターである。充電回路BMS18は、ACDC電源回路11やDC入力12を介してグリッド電源リソース2から入力された電力をバッテリー13に充電するものである。バッテリー13は電力を蓄電するものであり、蓄電電池1に接続されるEV車3などの負荷機器へ供給する電力を蓄えるものである。例えば、リチウムイオン電池などである。DCACインバーター15は、DC電力をAC電力に変換するものである。AC出力16は、接続されたEV車3などの負荷機器に変換されたAC電力を供給するためものである。メインコントロール基板14は、上述した蓄電電池1の動作を制御、管理するための基板である。
【0022】
グリッド電源リソース2は、商用配電網のインフラ設備からの電力を供給するものであり、蓄電電池1などがACコンセント(AC100V、AC200V)に接続されたり、ACDC電源アダプタを介して接続されたりすることによって、蓄電電池1などに電力を供給する。
【0023】
EV車3は、電力を動力源として走行する車両であるため、電力を蓄えるバッテリーを備えている。バッテリーに電力を蓄えるために蓄電電池1のAC出力16に充電アダプタケーブル19を接続し、充電回路を通じてバッテリーに電力が充電される仕組みである。
【0024】
蓄電電池1は、内蔵するDCACインバーター15によりAC電力に変換してAC出力16を介して出力する。EV車3は、内蔵するバッテリーに電力を蓄える(充電)時にはDC(直流)の電力を必要とする。EV車3のバッテリーは、DCで充電してDCを放電する。この放電電力が不図示のモーターを回して車両を動かす。蓄電電池1からのAC電力をEV車3の充電に必要なDC電力に変換するのが充電アダプタケーブル19である。つまり、充電アダプタケーブル19は単なる接続装置としてのケーブルという役目だけではなく、蓄電電池1からのAC電力をEV車3の充電に必要なDC電力に変換するという重要なシステムの機器である。
【0025】
このAC電力をDC電力に変換する時に充電アダプタケーブル19の変換回路そのものが負荷として電力を消費する。つまり、充電アダプタケーブル19は接続装置であり、変換機器という負荷機器である。EV車3は、充電アダプタケーブル19から貰ったDC電力を車両の内部の充電回路において、搭載しているバッテリーに最適なDC電圧に変換して充電をする。このときDC電圧に変換するものが、EV車3に搭載されているDCDCコンバーター回路(DC/DC)である。このDCDC変換の時にも電力を消費するので、EV車3も負荷機器ということになる。
【0026】
蓄電電池1によるEV車3への充電というシステムは、蓄電電池1に車という負荷機器を接続して使用しているという2点間の構図ではなく、その間に充電アダプタケーブル19という負荷機器が入る3点間の構図になっている。ACをDCに変換する充電アダプタケーブル19の負荷特性は突入電流が発生する。一方、EV車3のDCDC変換は、さほど突入電流が発生しない負荷特性である。
【0027】
つまり、蓄電電池1からEV車3に充電するシステムの場合、負荷機器となるのはEV車3だけでなく、充電アダプタケーブル19も負荷機器でとなる。EV車3は充電時の負荷機器としての突入電流は少ないが、充電アダプタケーブル19はシステムのレギュレーションを考える際には、突入電流を考慮しなければならない。
【0028】
このような蓄電電池システム10によれば、小資本、小設備で容易にEC車の充電システムを構築でき、どんな場所でもサービスを開始できる。また、グリッドに依存しないインフラを構築できるので、地震、台風などの自然災害や戦争などの大惨事などでも運用でき、EDSG、BCPの観点からもフレキシブルなシステムを構築できる。
【0029】
ここで、従来のポータブル蓄電池を用いてEV車に充電しようとした場合に起こる問題点について説明する。従来のポータブル蓄電池の場合、EV車によっては接続して充電しようとしても充電が開始されないことがある。そのようなEV車の場合、供給電源の安全性を非常に厳密に判定し、アース接続を厳格に守っている電源であるかどうかの判定をしていることがある。
【0030】
この判定条件により、従来のポータブル蓄電池は、アース接続仕様で設計されていないために不適合な電力の入力と判定され、保護機能によりブロックされ、警告アラート音を発し、充電入力を遮断することになる。なお、アースという言葉よりも電気的に定義されているグランドという用語を用いる場合もある。
【0031】
そこで、本発明の蓄電電池1は、本来はグランド配線という機能を持たない、ポータブル蓄電池に疑似的にグランド接続したのと同じ機能を持たせた。これにより、あらゆるEV車に充電することができる。
【0032】
ここで、従来のポータブル蓄電池と、グランド配線した本発明の蓄電電池1との違いについて
図2を用いて説明する。従来のポータブル蓄電池と本発明の蓄電電池1との違いは、
図2に示すように、grоundの端子とAC出力Nの端子との間に抵抗器20を設置配線しているか否かの点である。本発明の蓄電電池1では抵抗器20を入れたG配線をするため、AC出力コンセント16に接続されたEV車のgrоund結線判定回路のセンサーは、G配線された電源からの電力供給と判定して充電電力の供給を受け入れる。つまり、充電されるようになる。抵抗器20は、例えば1kΩであって、蓄電電池1の筐体内部に空中での設置をしてもよく、DCACインバーター15の基板上に設置してもよい。
【0033】
なお、上記では、grоundの端子とAC出力Nの端子との間に抵抗器20を設置配線しているが、抵抗器20の代わりにコンデンサーを設置するようにしてもよい。蓄電電池1の出力は交流である。そのため、固定の抵抗器20でなくてもコンデンサー(103=0.11μF)によるインピーダンス(交流抵抗)を付加するとことでも同じ役割を実現することができる。コンデンサーの場合、リーク電流がほとんど流れないインピーダンス(交流抵抗)となるためスマートな疑似的接地を実現することができる。
【0034】
次に、蓄電電池1の機能構成の一例について
図3を用いて説明する。
図3に示すように、蓄電電池1は、電力入力部30、バッテリー部31、制御部32、インバーター部33、電子部品部35、出力部34から構成されている。電力入力部30は、グリッド電源リソース2からの電力を蓄電するために電力の入力を受け付けるものであり、上述したACDC電源回路11やDC入力12に相当する。すなわち、電力入力部30は、交流電流(AC)を受け付けるためのコンバーター部(ACDC電源回路11)と、直流電流(DC)を受け付けるためのDC入力部(DC入力12)のうち、少なくとも一方を備える。
【0035】
バッテリー部31は、受け付けた電力を蓄電するものであり、上述したバッテリー13に相当する。制御部32は、バッテリー部31への電力の蓄電、及びバッテリー部31に蓄電された電力の外部負荷(EV車3や充電アダプタケーブル19など)への出力を制御すものであり、上述したメインコントロール基板14に相当する。インバーター部33は、バッテリー部31の電力を交流電流(AC)に変換するものであり、上述したDCACインバーター15に相当する。
【0036】
出力部34は、インバーター部33によって変換された交流電流を外部負荷へ出力するためのものであり、上述したAC出力16に相当する。電子部品部35は、インバーター部33と出力部34とを結ぶ2つの端子であるグランド(grоund)端子とN(AC出力N)端子の間に配線された抵抗又はコンデンサーであり、上述した抵抗器20又はコンデンサーに相当する。ここで説明した蓄電電池1は筐体などに搭載されており、持ち運びが可能である。
【0037】
本発明の蓄電電池1は様々なケースにおいて利用することができる。例えば、
図4に示すように、据え置き型で利用するケースである。据え置き型は据え付けのような個体型ではない。据え置き型では、蓄電電池1を組み込んだBTU40(電池ユニット)は不図示のBTU充電センター(施設)で集中的に充電され、入れ替えが可能な交換方式にする。入れ替え交換方式は一見すると面倒で手間がかかる様に思える。しかし、この入れ替え交換方式には、従来の充電スタンド施設を建設し、サービスを運用する方式にかかる初期コストや、消防法や危険設備などの認証コストを抑えることができるメリットがある。BTU40は、キュービクル型筐体に蓄電電池1を搭載したモデルであり、
図4に示すように、BTU40とEV車41を充電アダプタケーブル42で接続して充電することができ、ガソリンスタンドやコインパーキングに設置することも可能である。
【0038】
また、他の利用ケースでは、
図5に示すように、ポータブルバッテリ電源の交換方式(ロードサービス型)とするものである。これは、蓄電電池1を筐体50に収納し、蓄電電池1を入れ替え可能な交換方式にしたモデルである。メリットとしては、ロードサービスなどのようなデリバリー型のビジネスモデルを構築できる。
【0039】
上述した蓄電電池1にグリッド電源リソース2から電力を充電する場合、例えばAC100V、AC200Vの商用配電網(ACコンセント)からの充電ケーブルによる充電方式となる。このときの電流は10A~30A程度であり、電力は1KW~6KW程度となる。なお、充電時間は4時間~16時間程度であるが、EV車3が搭載している電池容量による。また、 充電によるEV車3の走行距離は、EV車3の仕様によるが、おおよそ7KM~40KMである。
【0040】
また、上述した充電方式以外に急速充電をすることも可能である。その場合、商用配電網(AC200V)からの引き込み電力をACDC変換装置によりDC300V~450VのDC電源装置を独立で持ち、DCの充電ケーブルによる充電方式となる。このとき、電圧はDC300V~450Vとなり、将来的にはDC600V以上も可能である。また、電流は30A~400A程度であり、電力は9KW~60KW程度である。充電時間は3時間~12時間程度であるが、EV車3が搭載している電池容量による。また、充電によるEV車3の走行距離はEV車3の仕様によるが、おおよそ100KM~400KMである。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明に係る蓄電電池は、グリッドに接続しない移動可能な独立型の蓄電電池であってもEVの種類によらずに蓄電バッテリーに充電することができるため、産業上の利用可能性を有している。
【符号の説明】
【0042】
1 蓄電電池
2 グリッド電源リソース
3、41 EV車
10 蓄電電池システム
11 ACDC電源回路
12 DC入力
13 バッテリー
14 メインコントロール基板
15 DCACインバーター
16 AC出力
17 DC/DC
18 充電回路BMS
19、42 充電アダプタケーブル
20 抵抗器(コンデンサー)
30 電力入力部
31 バッテリー部
32 制御部
33 インバーター部
34 出力部
35 電子部品部
40 BTU
50 筐体