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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135353
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】カード誤使用防止装置
(51)【国際特許分類】
   B42D 25/22 20140101AFI20240927BHJP
【FI】
B42D25/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045986
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】509274407
【氏名又は名称】中日本ハイウェイ・メンテナンス名古屋株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076473
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100112900
【弁理士】
【氏名又は名称】江間 路子
(74)【代理人】
【識別番号】100163164
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 敏之
(72)【発明者】
【氏名】武石 眞博
【テーマコード(参考)】
2C005
【Fターム(参考)】
2C005HA02
2C005HB20
2C005JB40
2C005KB05
2C005KB14
2C005LC01
(57)【要約】
【課題】カードの正誤を判別するとともに、カードケースから取り出し可能とするカード誤使用防止装置を提供する。
【解決手段】カード誤使用防止装置10は、カード20が収納されるカードケース40と、カードケース40が差し込まれる差込体60と、を備える。差込体60には凸部72が形成され、カードケース40には、差し込み抜き出し方向に沿って切り欠かれ凸部72が進退可能な切欠部42が形成される。カード20を収納した状態で、カードケース40を差込体60に差し込んだときに、凸部72と切欠部42とが合致する場合に、凸部72とカード20が当接し、カード20がカードケース40から押し出され、凸部72と切欠部42とが合致しない場合に、カード20がカードケース40から押し出されない。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードが収納されるカードケースと、前記カードケースが差し込まれる差込体と、を備え、
前記差込体には凸部が形成され、
前記カードケースには、差し込み抜き出し方向に沿って切り欠かれ前記凸部が進退可能な切欠部が形成され、
前記カードを収納した状態で、前記カードケースを前記差込体に差し込んだときに、
前記凸部と前記切欠部とが合致する場合に、前記凸部と前記カードが当接し、前記カードが前記カードケースから押し出され、
前記凸部と前記切欠部とが合致しない場合に、前記カードが前記カードケースから押し出されないことを特徴とするカード誤使用防止装置。
【請求項2】
前記差込体の前記凸部の位置は、
前記カードケースの差し込み抜き出し方向における位置と、
前記カードケースの差し込み抜き出し方向に直交する方向における位置と、
を組み合わせて設定され、
前記差込体には、前記カードケースを前記カードケースの差し込み方向側で受け止める受止部が配設され、
前記切欠部は、前記カードケースが前記受止部に受け止められた状態において、前記凸部の設定された位置に対応するように形成されていることを特徴とする請求項1記載のカード誤使用防止装置。
【請求項3】
前記凸部は、前記差込体に配設される複数の凸部配置予定部に、凸部形成部材が配置されて形成され、
前記凸部配置予定部は、前記カードケースの差し込み抜き出し方向において重ならないように複数設定され、前記カードケースの差し込み抜き出し方向に直交する方向において複数設定され、
隣接する所定の数の前記凸部配置予定部で一つのグループが形成され、
前記グループごとに一つの前記凸部が配されることを特徴とする請求項2記載のカード誤使用防止装置。
【請求項4】
前記カード、前記カードケース、前記差込体には、互いに対応することを表示する表示部がそれぞれ配設され、
使用時に前記表示部が、使用者に視認可能に配されている場合に、前記カードケースから前記カードを取り出し可能とされていることを特徴とする請求項1、2又は3記載のカード誤使用防止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カード誤使用防止装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のカードの正当性を判別できるカードケースとして、特許文献1に記載されるものがあった。これによれば、カード側にモアレパターン形成領域を設け、カードケース側にモアレパターン形成領域と干渉するパターンを有する判別領域に設け、カードをカードケースに差し込むと、モアレが発生して、カードの正当性が判別可能とされていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-280664号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記のカードケースでは、カードの正当性は判別できるが、カードをカードリーダ等で使用するときは、カードを手で取り出さなければならなかった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑み、カードの正誤を判別するとともに、カードケースから取り出し可能とするカード誤使用防止装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明では、カードが収納されるカードケースと、前記カードケースが差し込まれる差込体と、を備え、
前記差込体には凸部が形成され、
前記カードケースには、差し込み抜き出し方向に沿って切り欠かれ前記凸部が進退可能な切欠部が形成され、
前記カードを収納した状態で、前記カードケースを前記差込体に差し込んだときに、
前記凸部と前記切欠部とが合致する場合に、前記凸部と前記カードが当接し、前記カードが前記カードケースから押し出され、
前記凸部と前記切欠部とが合致しない場合に、前記カードが前記カードケースから押し出されない。
【0007】
これによれば、対応したカードケースと、差込体でなければカードを取り出せないこととなる。よって、カードの正誤を判別するとともに、カードケースから取り出し可能とすることができる。
【0008】
また、前記差込体の前記凸部の位置は、
前記カードケースの差し込み抜き出し方向における位置と、
前記カードケースの差し込み抜き出し方向に直交する方向における位置と、
を組み合わせて設定され、
前記差込体には、前記カードケースを前記カードケースの差し込み方向側で受け止める受止部が配設され、
前記切欠部は、前記カードケースが前記受止部に受け止められた状態において、前記凸部の設定された位置に対応するように形成されている。
【0009】
これによれば、凸部の位置を設定することで、カードケースから押し出される、カードの突出長さ、態様を調節することが可能となる。
【0010】
また、前記凸部は、前記差込体に配設される複数の凸部配置予定部に、凸部形成部材が配置されて形成され、
前記凸部配置予定部は、前記カードケースの差し込み抜き出し方向において重ならないように複数設定され、前記カードケースの差し込み抜き出し方向に直交する方向において複数設定され、
隣接する所定の数の前記凸部配置予定部で一つのグループが形成され、
前記グループごとに一つの前記凸部が配される。
【0011】
これによれば、グループの数を設定することで、必要に応じてカードケースと差込体の組み合わせの数を設定することが可能となる。
【0012】
また、前記カード、前記カードケース、前記差込体には、互いに対応することを表示する表示部がそれぞれ配設され、
使用時に前記表示部が、使用者に視認可能に配されている場合に、前記カードケースから前記カードを取り出し可能とされている。
【0013】
これによれば、カードケースを差込体に差し込む面を間違えて、カードが取り出せなくなることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明における一実施形態のカード誤使用防止装置のカードケースが差込体に差し込まれる前の状態の正面図である。
図2】差込体の(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は右側面図である。
図3】同実施形態のカードケースが差込体に差し込まれた状態の正面図である。図である。
図4】同実施形態のカード、カードケース、差込体の表示部を揃えた状態の正面図である。
図5】数字の設定の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明におけるカード誤使用防止装置の一実施形態を図面に基づいて説明する。以下の説明では、各図面に付される矢印の、Fを前、Bを後ろ、Rを右、Lを左、Uを上、Dを下、とする。
【0016】
カード誤使用防止装置10は、図1~4に示すように、カード20が収納されるカードケース40と、カードケース40が差し込まれる差込体60と、を備えている。
【0017】
カード20は、図1、3、4に示すように、カードリーダ等で読み取り可能な既存のものが用いられる。カード20には、カードケース40と、差込体60と、互いに対応することを表示する表示部としてのコード21が配設されている。コード21は、色、模様等で数字が割り当てられている。
【0018】
カードケース40は、合成樹脂製で、図1、3、4に示すように、左右と下の端部が接着され、上の端部が開放され、カード20を上側から出し入れ可能に形成されている。カードケース40には、上下方向(カードケース40の差し込み抜き出し方向)に沿って、下端から上端に向かう切欠部42が三か所形成されている。切欠部42の形成については、後で詳説する。
【0019】
カードケース40には、カード20と、差込体60と、互いに対応することを表示する表示部としてのコード41が配設されている。コード41は、色、模様等で数字が割り当てられている。
【0020】
また、カードケース40には、差込体60と、互いに対応することを表示する数字表示43が配設されている。
【0021】
差込体60は、金属製で、図1~4に示すように、本体部62と、受止部68と、ガイド片部70と、凸部72と、を備えている。
【0022】
本体部62は、矩形平板状で、複数の凸部配置予定部64が配設されている。本実施形態では、凸部配置予定部64は、前後方向に貫通する複数の貫通孔で形成されている。
【0023】
凸部配置予定部64は、上下方向(カードケース40の差し込み抜き出し方向)において、重ならないように複数設定され、左右方向(カードケース40の差し込み抜き出し方向に直交する方向)において、複数設定されている。
【0024】
詳説すると、凸部配置予定部64は、上下三段で、最下段が2個、二段目が11個、最上段が9個、の貫通孔で形成されている。
【0025】
本実施形態では、凸部72は、差込体60に配設される複数の凸部配置予定部64に、円柱状の凸部形成部材74が配置されて形成されている。
【0026】
受止部68は、本体部62の下端から前側に、直角に折り曲げられて形成され、カードケース40が、下方向に移動することが規制される。
【0027】
ガイド片部70は、本体部62の左右の端部から前側に、直角に折り曲げられ、さらに、それぞれ左右方向に沿って内側に折り曲げられ、略L字状に形成されている。
【0028】
ガイド片部70と本体部62とで囲まれる部分で、カードケース40が、左右方向、前方向に移動することが規制される。
【0029】
差込体60には、カード20と、カードケース40と、互いに対応することを表示する表示部としてのコード61が配設されている。コード61は、色、模様等で数字が割り当てられている。
【0030】
また、差込体60には、カードケース40と、互いに対応することを表示する数字表示63が配設されている。
【0031】
凸部配置予定部64、切欠部42の設定について説明する。
【0032】
凸部配置予定部64は、本実施形態では、図5に参照するように、一の位のグループ1、十の位のグループ2、百の位のグループ3、に分けられる。グループ1は、10個、グループ2は10個、グループ3は、2個の凸部配置予定部64で構成され、200通りの組み合わせが得られる。
【0033】
各凸部配置予定部64には、それぞれ数字が割り当てられ、図5(a)では、001という数字が設定され、図5(b)では、002という数字が設定され、図5(c)では、102という数字が設定される。図1、3、4に示す場合では、015という数字が示されることになる。
【0034】
切欠部42は、カードケース40が受止部68に受け止められた状態において、凸部72の設定された位置に対応するように、下端から上端に向かって上下方向に沿って切り欠かれて形成されている。
【0035】
なお、カードケース40と、カード20の左右方向における幅が異なるが、百の位のグループ3の凸部配置予定部64が、カード20がカードケース40の一番右寄り、一番左寄りとなっても、カード20と凸部72とが当接可能とされているので、カード20がカードケース40から押し出されないという状態が生じない。
【0036】
カード誤使用防止装置10の使用態様について説明する。本実施形態では、カード誤使用防止装置10は、カード20、カードケース40、差込体60には、互いに対応することを表示する表示部としてのコード61、数字表示63がそれぞれ配設され、使用時にコード61、数字表示63が、使用者に視認可能に配されている場合に、カードケース40からカード20を取り出し可能とされる。よって、図4に示すように、コード61、数字表示63が、使用者に視認可能に、カード20、カードケース40、差込体60の向きを揃える。
【0037】
図1の状態から、カードケース40を上側から、差込体60に差し込む。凸部72と切欠部42とが合致すると、図2に示すように、凸部72とカード20が当接し、カード20がカードケース40から押し出される。
【0038】
なお、カード20、カードケース40、差込体60の向きが揃えられていないと、凸部72と切欠部42とが合致しないので、カード20がカードケース40から押し出されない。
【0039】
カード20がカードケース40から押し出されたら、手でカード20を持ち、カードリーダ等に、差し込む等して使用する。
【0040】
上記構成のカード誤使用防止装置10では、カード20が収納されるカードケース40と、カードケース40が差し込まれる差込体60と、を備え、
差込体60には凸部72が形成され、
カードケース40には、差し込み抜き出し方向に沿って切り欠かれ凸部72が進退可能な切欠部42が形成され、
カード20を収納した状態で、カードケース40を差込体60に差し込んだときに、
凸部72と切欠部42とが合致する場合に、凸部72とカード20が当接し、カード20がカードケース40から押し出され、
凸部72と切欠部42とが合致しない場合に、カード20がカードケース40から押し出されない。
【0041】
これによれば、対応したカードケース40と、差込体60でなければカード20を取り出せないこととなる。よって、カード20の正誤を判別するとともに、カードケース40から取り出し可能とすることができる。
【0042】
また、差込体60の凸部72の位置は、
カードケース40の差し込み抜き出し方向における位置と、
カードケース40の差し込み抜き出し方向に直交する方向における位置と、
を組み合わせて設定され、
差込体60には、カードケース40をカードケース40の差し込み方向側で受け止める受止部68が配設され、
切欠部42は、カードケース40が受止部68に受け止められた状態において、凸部72の設定された位置に対応するように形成されている。
【0043】
これによれば、凸部72の位置を設定することで、カードケース40から押し出される、カード20の突出長さ、態様を調節することが可能となる。
【0044】
また、凸部72は、差込体60に配設される複数の凸部配置予定部64に、凸部形成部材74が配置されて形成され、
凸部配置予定部64は、カードケース40の差し込み抜き出し方向において重ならないように複数設定され、カードケース40の差し込み抜き出し方向に直交する方向において複数設定され、
隣接する所定の数の凸部配置予定部64で一つのグループが形成され、
グループごとに一つの凸部72が配される。
【0045】
これによれば、グループの数を設定することで、必要に応じてカードケース40と差込体60の組み合わせの数を設定することが可能となる。
【0046】
また、カード20、カードケース40、差込体60には、互いに対応することを表示する表示部としてのコード21、コード41、コード61がそれぞれ配設され、
使用時にコード21、コード41、コード61が、使用者に視認可能に配されている場合に、カードケース40からカード20を取り出し可能とされている。
【0047】
これによれば、カードケース40を差込体60に差し込む面を間違えて、カード20が取り出せなくなることを防止することができる。
【0048】
本発明のカード誤使用防止装置は上記構成に限定されるものではない。即ち、本発明の要旨を逸脱しない限り各種の設計変更等が可能である。
【0049】
例えば、上記実施形態において、凸部配置予定部64を4個でグループ分けすると、4×4×4×4×4×2で2048通り、凸部配置予定部64を6個でグループ分けすると、6×6×6×4で864通り、の組み合わせとすることができる。
【0050】
また、4つの凸部72を任意に選んだ場合、7315通り、3つの凸部72を任意に選んだ場合、1540通りの組み合わせとすることができる。
【0051】
また、凸部72は、一体形成することも可能であり、形状も円筒、角筒、角柱状等適宜変更することができる。
【0052】
また、凸部配置予定部64の数、配置態様は、使用態様に応じて適宜変更することができる。
【0053】
また、カードケース40、差込体60の素材は、使用態様に応じて適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0054】
10 カード誤使用防止装置
20 カード
21 コード
40 カードケース
41 コード
42 切欠部
60 差込体
61 コード
64 凸部配置予定部
68 受止部
72 凸部
74 凸部形成部材
図1
図2
図3
図4
図5