(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135358
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】照明演出システム
(51)【国際特許分類】
H05B 47/115 20200101AFI20240927BHJP
H05B 47/16 20200101ALI20240927BHJP
【FI】
H05B47/115
H05B47/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045995
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】成瀬 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】向 健二
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA04
3K273PA08
3K273QA37
3K273RA04
3K273SA21
3K273SA39
3K273SA57
3K273TA03
3K273TA05
3K273TA15
3K273TA17
3K273TA18
3K273TA27
3K273TA32
3K273UA21
3K273UA22
3K273UA23
(57)【要約】
【課題】目に留まる位置に照明演出を行うことで、関心を引くことができる照明演出システムを提供する。
【解決手段】照明演出システム1は、施設内における部屋の外(室外)の床、壁、及び、天井のうちの少なくとも一部である照射面に、光を照射する照明照射部11と、部屋(店舗)の入口19の近辺に存在する部屋の外(室外)の動体(人)を検知することができる動体検知装置12とを備える。そして、照明照射部11は、動体検知装置12の検知状況に応じて、動的な光を照射面に照射する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設内における部屋の外の床、壁、及び、天井のうちの少なくとも一部である照射面に、光を照射する照明照射部と、
前記部屋の入口近辺に存在する前記部屋の外の動体を検知することができる動体検知装置とを備え、
前記照明照射部は、前記動体検知装置の検知状況に応じて、動的な光を前記照射面に照射する
照明演出システム。
【請求項2】
施設内における部屋の外の床、壁、及び、天井のうちの少なくとも一部と、前記部屋の中の床、壁、及び、天井のうちの少なくとも一部とを含む照射面に、光を照射する照明照射部と、
前記部屋の入口近辺に存在する前記部屋の外の動体を検知することができる動体検知装置とを備え、
前記照明照射部は、前記動体検知装置の検知状況に応じて、静的又は動的な光を前記照射面に照射する
照明演出システム。
【請求項3】
前記照明照射部が前記照射面に照射する前記光は、前記部屋の中と前記部屋の外とで関連性を有する
請求項2に記載の照明演出システム。
【請求項4】
前記照明照射部が前記照射面に照射する前記光は、前記部屋の外から前記部屋の中、または、前記部屋の外から前記部屋の入口に向かって移動する
請求項2又は3に記載の照明演出システム。
【請求項5】
前記照明照射部が前記照射面に照射する前記光には、文字情報、及び、画像情報のうちの少なくとも一方が含まれ、
前記照明照射部は、前記部屋の前に存在している人が前記文字情報、及び、前記画像情報のうちの少なくとも一方を正対して見えるように、前記光を前記照射面に照射する
請求項1~3のいずれか1項に記載の照明演出システム。
【請求項6】
前記照明照射部が前記照射面に照射する前記光には、自然要素を模した画像情報が含まれる
請求項1~3のいずれか1項に記載の照明演出システム。
【請求項7】
前記照明照射部が前記照射面に照射する前記光には、前記動体の動きに対応するような画像情報が含まれ、
前記照明照射部は、前記照明照射部近傍に存在している前記動体の動きに対応して、前記照射面に照射する前記画像情報を変化させる
請求項1~3のいずれか1項に記載の照明演出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明演出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、従来の店舗用照明演出システムが開示されている。店舗用照明演出システムは、店舗入口の店舗外側近傍の人の数に応じて、店舗入口近傍に光を照射することができる照明器具を点灯制御する。これにより、この店舗用照明演出システムでは、店舗入口(及びその付近)を通過する通行人に対する誘導効果を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の店舗用照明演出システムでは、店舗情報を提供することはできるが、元々、興味がない人に対しては店舗情報が視界に入り難い場合がある。このため、人の目を引きづらいという課題がある。
【0005】
そこで、本開示は、目に留まる位置に照明演出を行うことで、関心を引くことができる照明演出システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る照明演出システムは、施設内における部屋の外の床、壁、及び、天井のうちの少なくとも一部である照射面に、光を照射する照明照射部と、前記部屋の入口近辺に存在する前記部屋の外の動体を検知することができる動体検知装置とを備え、前記照明照射部は、前記動体検知装置の検知状況に応じて、動的な光を前記照射面に照射する。
【発明の効果】
【0007】
本開示の照明演出システム等によれば、目に留まる位置に照明演出を行うことで、関心を引くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る照明演出システムを店舗に用いた場合を示す図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る照明演出システムを示すブロック図である。
【
図4】
図4は、照明演出システムが通路を歩く人の視界に入る領域に光を照射した場合を示す図である。
【
図5】
図5は、実施の形態の変形例に係る照明演出システムの照明照射部を示す図である。
【
図6】
図6は、実施の形態の変形例に係る照明演出システムの複数の照明照射部が光を照射した場合の光の動きを示す図である。
【
図7】
図7は、室内の照射面と室外の照射面とに照射された光の像が連続性を有している場合を示す図である。
【
図8】
図8は、室内の照射面と室外の照射面とに照射された光の像が連続性を有している場合を示す別の図である。
【
図9】
図9は、室内の照射面と室外の照射面とに照射された光の像が連続性を有している場合を示すさらに別の図である。
【
図10】
図10は、室内の照射面と室外の照射面とに照射された光の像が連続性を有している場合を示すさらに別の図である。
【
図11】
図11は、室内の照射面と室外の照射面とに照射された幾何学模様の光の像が連続性を有している場合を示す図である。
【
図12】
図12は、室内の照射面と室外の照射面とに照射された幾何学模様の光の像が連続性を有している場合を示す別の図である。
【
図13】
図13は、室内の照射面と室外の照射面とに照射された幾何学模様の光の像が連続性を有している場合を示すさらに別の図である。
【
図14】
図14は、室内の照射面と室外の照射面とに照射された幾何学模様の光の像が連続性を有している場合を示すさらに別の図である。
【
図15】
図15は、照射面に照射された光の像が室外の照射面から室内の照射面へ動く場合を示す図である。
【
図16】
図16は、照射面に照射された光の像が室外の照射面から室内の照射面へ動く場合を示す別の図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、並びに、ステップ、ステップの順序等は、一例であって本開示を限定する主旨ではない。
【0010】
各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されてはいない。したがって、例えば、各図において縮尺等は必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0011】
(実施の形態)
<構成及び機能:照明演出システム1>
以下の実施の形態に係る照明演出システム1について、
図1~
図3を用いて説明する。
【0012】
図1は、実施の形態に係る照明演出システム1を店舗に用いた場合を示す図である。
図2は、実施の形態に係る照明演出システム1を示すブロック図である。
図3は、制御信号を示す図である。
【0013】
図1に示すように、照明演出システム1は、店舗又は店舗近辺の構造体に設けられている。店舗は、不特定多数の人が訪問することで、人が直接的に物品を購入したり、人がサービスの提供を受けたり、人が設備を利用したりするための施設である。本実施の形態では、主に、施設内に設けられている店舗を例示している。施設は、ビル、駅、ショッピングセンター等の建築物である。また、店舗近辺の構造体は、店舗外つまり室外(部屋の外)に設けられている、照明演出システム1を設置するための台、支柱、壁、床及び天井等である。店舗は、部屋の一例である。
【0014】
照明演出システム1では、施設内における室外の床、壁、及び、天井のうちの少なくとも一部(照射面)に、光を照射する。これにより、例えば、照明演出システム1では、照明照射部11から出射する光の照明態様を調整することによって、人を所定方向に誘導して店舗の入り口に人を誘引したりすることができる。例えば、人は暗いところよりも明るいところに誘導されやすいという特性を有していることが知られている。このため、照明演出システム1では、明るい光を遷移させることで、人の感情に働きかけて人を誘導する
ことが期待できる。なお、本実施の形態では、室外の床、壁、及び、天井を総称して照射面と呼ぶことがある。
【0015】
また、照明演出システム1では、照明照射部11が照射面に照射する光には、文字情報、及び、画像情報のうちの少なくとも一方が含まれていてもよい。この場合、照明演出システム1は、照明照射部11が照射面に照射した光によって、文字情報、及び、画像情報のうちの少なくとも一方を表示させることができる。
【0016】
また、照明照射部11が照射面に照射する光には、自然要素を模した画像情報が含まれていてもよい。この場合、照明演出システム1は、照明照射部11が照射面に照射した光によって、自然要素を模した画像情報を表示させることができる。自然要素を模した画像とは、自然に存在している植物、生き物、鉱物、山、川、海、湖等を示す画像である。
【0017】
図1及び
図2に示すように、照明演出システム1は、動体検知装置12と、照明制御部13と、照明照射部11と、電源部14とを備えている。
【0018】
動体検知装置12は、店舗の入口19の近辺に存在する室外の動体を検知することができる。動体は、主に店舗の入口19の近辺に存在している室外の人であるが、人以外の動物であってもよい。動体検知装置12は、例えば、カメラセンサ等の撮像部、人感センサ等である。動体検知装置12は、店舗の入口19の近辺に存在する室外の人を検知した検知信号を、照明制御部13へ出力する。検知信号には、人の身体の動き、人の身体部位の位置、人の進行方向、人の進行速度、人の頭部の向き、人の視線の方向等が含まれていてもよい。
【0019】
照明制御部13は、検知信号に基づいて、照明照射部11の照明態様を制御することができる。照明演出システム1が複数の照明照射部11を備えている場合、照明制御部13は、複数の照明照射部11を個別に又は一括して制御することができる。
【0020】
また、照明制御部13は、複数の照明照射部11を制御することで、所定の照明態様となるように演出することができる。所定の照明態様は、予め設定した照明態様である。例えば、照明制御部13は、検知信号を取得すると、複数の照明照射部11のそれぞれを所定の照明態様で照明させるための制御信号を、複数の照明照射部11のそれぞれへ出力することで、複数の照明照射部11に動的な光を照射させることができる。
【0021】
例えば、照明制御部13は、文字情報、及び、画像情報のうちの少なくとも一方が変化する制御信号を、複数の照明照射部11のそれぞれへ出力することで、文字情報、及び、画像情報のうちの少なくとも一方を含む動的な光を複数の照明照射部11に照射させることができる。
【0022】
ここで、動的な光は、経時的に出力(光度又は照度)が変化する光、経時的に色合い(色温度)が変化する光、経時的に照射位置が変化する光である。また、動的な光が文字情報及び/又は画像情報である場合、動的な光は、文字情報及び/又は画像情報の向きが変化する光、文字情報及び/又は画像情報の内容が変化する光、自然要素を模した画像情報の内容が変化する光、人の動きに対応するように画像情報の内容が変化する光である。
【0023】
動的な光が、経時的に出力が変化する光である場合、制御信号は、
図2及び
図3に示すように、複数の照明照射部11の出力が変化するように、増減を周期的に繰り返す動的な出力信号(調光制御信号)となる。具体的には、制御信号は、複数の照明照射部11のそれぞれが発する光の光度、又は、複数の照明照射部11のそれぞれが発する光の照度が時間の経過とともに増減を繰り返すことができる動的な信号である。
【0024】
なお、動的な光が、経時的に出力が変化する光である場合、1周期あたりの制御信号は、1回だけ増加する波形の信号と、1回だけ減少する波形の信号とからなる動的な出力信号であってもよい。また、1周期あたりの制御信号は、2回以上増加する波形の信号と、2回以上減少する波形の信号とからなる動的な出力信号であってもよい。これより、複数の照明照射部11のそれぞれが発する1周期あたりの光は、1回以上出力が増加する光と、1回以上出力が減少する光とからなる動的な光となる。なお、制御信号には、照明照射部11の出力をOFFにしたり、ONにしたりするものも含まれていてもよい。
【0025】
動的な光が、経時的に色合いが変化する光である場合、制御信号は、色合いが変化するように、色合いを周期的に繰り返す動的な出力信号(調色制御信号)となる。具体的には、制御信号は、複数の照明照射部11のそれぞれが発する光の色合いが時間の経過とともに色温度の低い光から高い光へと次第に変化し、色温度の高い光から低い光へと次第に変化することを繰り返すことができる動的な信号である。
【0026】
動的な光が、経時的に照射位置が変化する光である場合、制御信号は、照射面に照射される光の照射位置の変化が周期的に繰り返される動的な出力信号(点消灯信号)となる。具体的には、制御信号は、整列した複数の照明照射部11のそれぞれが時間の経過とともに並び順で点灯した後に、それぞれが時間の経過とともに並び順で消灯するということを繰り返すことができる動的な信号である。
【0027】
動的な光が、文字情報及び/又は画像情報の向きが変化する光である場合、制御信号は、文字情報及び/又は画像情報の向きの変化が検知情報に応じて、店舗前に存在している人が文字情報、及び、画像情報のうちの少なくとも一方を正対して見えるように、照射面に照射する光の向きを変化させる動的な出力信号(文字信号及び/又は画像信号)となる。これにより、
図4に示すように、照明照射部11は、この制御信号によって、店舗前に存在している人が文字情報、及び、画像情報のうちの少なくとも一方を正対して見えるように、光を照射面に照射する。
【0028】
動的な光が、文字情報及び/又は画像情報の内容が変化する光である場合、制御信号は、文字情報及び/又は画像情報の内容の変化が周期的に繰り返される動的な出力信号(文字信号及び/又は画像信号)となる。具体的には、制御信号は、複数の照明照射部11のそれぞれが第1文字及び/又は第1画像を表示し、時間の経過とともに別の第2文字及び/又は第2画像に変化した後に、再び第1文字及び/又は第1画像を表示するということを繰り返すような動的な信号である。また、動的な光が自然要素を模した画像情報の内容が変化する光である場合も同様である。
【0029】
動的な光が、人の動きに対応するように画像情報の内容が変化する光である場合、制御信号は、検知情報に示される人の動きに対応して、画像情報の内容を変化させるための、動的な出力信号となる。これにより、照明照射部11は、この制御信号によって、人の動きに対応するように画像情報を変化させた光を照射面に照射する。例えば、照明照射部11が光を照射した光照射領域に、人が近づいた場合、照明制御部13は、動体検知装置12が人の動きを検知した検知信号に基づいて、人から離れた位置に光照射領域を形成させる制御信号を生成する。照明照射部11は、制御信号に基づいて、人から離れた位置に光照射領域を形成させる。
【0030】
また、光照射領域は、人から0.5m、1m、2m、又は、5m以上離れていることが好ましい。より好ましくは、光照射領域は、人から1m以上離れていることが好ましい。また、光照射領域の横幅は0.5、1、2、5m程度であることが好ましい。横幅は、人が光照射領域を見た場合の左右方向の幅である。より好ましくは、人から1m以上離れた
照射面に光を照射した場合、光照射領域の横幅は0.5~1m程度が見えやすいと評価されたため、光照射領域の横幅は0.5~1mであることが好ましい。
【0031】
このように、照明制御部13は、複数の照明照射部11によって動的な光を照射させることができる。
【0032】
また、照明制御部13は、複数の照明照射部11のそれぞれに対して、位相の異なる制御信号を送信してもよい。それぞれの制御信号における位相は、一部が同一の位相であってもよい。これにより、複数の照明照射部11のそれぞれが出射する光の出力波形の位相が異なる。この場合、通路の一方側から他方側に向かって次第に明るくなったりする。このような、光の遷移速度は、人が歩く時の速度と同様の速度(時速数Km程度の速度)であってもよい。
【0033】
また、照明制御部13は、複数の照明照射部11のそれぞれに対して、周期の異なる制御信号を送信してもよい。それぞれの制御信号における周期は、一部が同一の周期であってもよい。
【0034】
また、照明照射部11は、室外の床、壁、及び、天井のうちの少なくとも一部(照射面)に、光を照射面に照射する。照明照射部11がこれら照射面に照射する光は、例えば、白色光である。
【0035】
また、照明照射部11は、調光機能、及び、調色機能を備えている。照明照射部11は、制御信号に基づいて、照射面に照射する光を調光、及び、調色することができる。
【0036】
具体的には、照明照射部11は、取得した制御信号に応じた照明態様で点灯する。例えば、照明照射部11は、調光機能として、照明照射部11の発光モジュールが出射する光の明るさを複数の段階に分けて調節することで、出射する光の明るさを暗くしたり、明るくしたりすることができる。このため、照明照射部11は、出射する光の明暗を周期的に揺らがせることができる。
【0037】
また、照明照射部11は、調色機能として、電球色等の低い色温度から温白色、昼白色又は昼光色等の高い色温度までの白色光を発することができる。つまり、照明照射部11は、出射する光の色合いを周期的に揺らがせることができる。例えば、照明照射部11は、出射する光の赤みを増したり赤みを減らしたりすることを繰り返すように、周期的に色温度を変更する。このため、照明照射部11は、出射する光の色合いを周期的に変更することができる。
【0038】
また、照明照射部11は、動体検知装置12の検知状況に応じて、動的な光を照射面に照射する。具体的には、照明照射部11は、動体検知装置12の検知信号に応じて照明制御部13が制御信号を生成することで、動的な光を照射面に照射する。照明照射部11が照射する動的な光については後述する。
【0039】
また、照明照射部11は、例えば施設内に設置される屋内照明装置等である。照明照射部11は、店舗又は店舗近辺の構造体に配置されている。複数の照明照射部11のそれぞれは、直線状に並んだ状態で配置されている。
図1では、2台の照明照射部11が天井に取付けられている場合を例示している。なお、照明照射部11の台数は、2台に限定されず、3台以上を用いてもよい。
【0040】
また、複数の照明照射部11のそれぞれは、出力した光を照射面の異なる個所に光を照射することができるように配置されている。この場合、直線状に並んだ複数の照明照射部
11のうちの2以上の照明照射部11は、光を出力する方向が異なるように配置されている。ここで、光を出力する方向とは、照明照射部11が出射する光の光軸に沿った方向、つまり主たる光の方向である。
【0041】
また、照明照射部11は、発光モジュール、及び、発光制御回路等で構成される。発光モジュールは、複数のLED(Light Emitting Diode)素子が実装されたLEDモジュールである。複数のLED素子のそれぞれは、赤色LEDチップ、青色LEDチップ、及び、緑色LEDチップを含んでいる。なお、照明照射部11は、半導体レーザ、有機EL(Electro-Luminescence)、又は、無機EL等の他の発光素子によって実現されてもよい。
【0042】
電源部14は、複数の照明照射部11、動体検知装置12、及び、照明制御部13等に電力を供給する機能を有する。電源部14は、例えば、プリント基板に複数の電子部品が実装された電源回路である。電源部14は、例えば、複数の照明照射部11のそれぞれを発光させるための駆動電力を生成する。具体的には、電源部14は、照明照射部11を発光させるための駆動電力を生成し、この駆動電力をそれぞれの照明照射部11に供給する。これにより、照明照射部11が光を照射できる。
【0043】
このような、照明演出システム1が光を照射した場合、以下のように動的な光を照射面に照射する。
【0044】
<実施例1>
次に、本実施の形態における照明演出システム1が照射する動的な光の実施例1について、
図4を用いて説明する。
【0045】
図4は、照明演出システム1が通路を歩く人の視界に入る領域に光を照射した場合を示す図である。
【0046】
照明演出システム1は、室外の床、壁、及び、天井のうちの少なくとも一部に光を照射する。
図4では、室外の通路に光を照射している場合を例示している。本実施例では、動的な光として文字情報及び/又は画像情報の向きが変化する光を例示している。
【0047】
図2及び
図4に示すように、動体検知装置12が室外である店舗の入口19の近辺に存在する人を検知すると、照明制御部13は、動体検知装置12から検知信号を取得する。照明制御部13は、検知信号に基づいた制御信号を生成する。具体的には、照明制御部13は、検知信号に示される、人の身体の動き、人の身体部位の位置、人の進行方向、人の進行速度、人の頭部の向き、及び、人の視線の方向等に基づいて、照射面に照射する光が人の視界に入るように複数の照明照射部11を制御するための制御信号を生成する。より具体的には、照明制御部13は、人の視界に入る領域を推定し、視界に入る領域に対して光を照射可能な照明照射部11を選択する。照明制御部13は、光を照射した照射領域から店舗の入口19までの経路へ進むことを促すような文字情報及び/又は画像情報を示す制御信号を生成する。また、動体検知装置12が照明照射部11近傍に存在する人を検知すると、照明制御部13は、動体検知装置12から検知信号を取得してもよい。この場合も、上述と同様に、照明制御部13は、制御信号を生成する。
【0048】
複数の照明照射部11は、照明制御部13から当該制御信号を取得すると、制御信号に応じて光を照射することで、人の視界に入る領域に文字情報及び/又は画像情報を表示させる。
【0049】
また、制御信号は動的な出力信号であるため、複数の照明照射部11は、制御信号に応
じて、店舗前に存在している人が文字情報、及び、画像情報のうちの少なくとも一方を正対して見えるように、照射面に照射する光が示す文字情報、及び、画像情報のうちの少なくとも一方の向きを変化させる。つまり、照明照射部11は、店舗前に存在している人が文字情報、及び、画像情報のうちの少なくとも一方を正対して見えるように、文字情報、及び、画像情報のうちの少なくとも一方が示された光を照射面に照射する。
【0050】
例えば、
図4の(a)に示すように、通路に沿った方向に人が歩くことを考えると、通路に沿った方向で人が正対して見えるように文字情報、及び、画像情報のうちの少なくとも一方の光を照射してもよい。また、人の動きを基準に考えると、
図4の(a)、(b)に示すように、例えば人が
図4の(a)の向きから
図4の(b)の向きに変化した場合、人の動きに正対して見えるように文字情報、及び、画像情報のうちの少なくとも一方の光を照射してもよい。
【0051】
<実施例2>
次に、本実施の形態における照明演出システム1が照射面に照射する動的な光について説明する。本実施例では、動的な光として経時的に出力と経時的に照射位置とが変化する光の照明態様を例示している。
【0052】
本実施例では、動的な光として文字情報及び/又は画像情報の内容が変化する光を例示している。
【0053】
照明演出システム1は、施設内における室外の床、壁、及び、天井のうちの少なくとも一部に光を照射面に照射する。
【0054】
動体検知装置12が室外に存在する人を検知すると、照明制御部13は、動体検知装置12から検知信号を取得する。照明制御部13は、検知信号に基づいた制御信号を生成する。具体的には、照明制御部13は、検知信号に示される、人の身体の動き、人の身体部位の位置、人の進行方向、人の進行速度、人の頭部の向き、人の視線の方向等に基づいて、照射面に照射する光が人の視界に入るように複数の照明照射部11を制御するための制御信号を生成する。より具体的には、照明制御部13は、人の視界に入る領域を推定し、視界に入る領域に対して光を照射可能な照明照射部11を選択する。照明制御部13は、光を照射した照射領域から店舗の入口19までの経路へ進むことを促すような文字情報及び/又は画像情報を示す制御信号を生成する。
【0055】
複数の照明照射部11は、照明制御部13から当該制御信号を取得すると、制御信号に応じて光を照射面に照射することで、人の視界に入る領域に文字情報及び/又は画像情報を表示させる。
【0056】
また、制御信号は動的な出力信号であるため、複数の照明照射部11は、制御信号に応じて照射面に照射する光、つまり文字情報及び/又は画像情報の内容を変化させるように、照射面に照射する光を変化させる。具体的には、複数の照明照射部11は、制御信号に応じて、第1文字及び/又は第1画像を表示させ、時間の経過とともに別の第2文字及び/又は第2画像に変化させた後に、再び第1文字及び/又は第1画像を表示させるということを繰り返すように光を照射面に照射する。文字情報の場合を例に挙げると、照明照射部11が照射面に照射した「〇〇店☆☆☆」という文字情報を、「〇〇店◇◇◇」というように、照明照射部11が照射面に照射する光を変化させることで、時間の経過とともに文字情報の内容を変化させる。
【0057】
また、画像情報の場合を例に挙げると、照明照射部11が照射面に水の中の魚が泳いでいる画像(光)を照射している場合、魚に人の身体が触れると、魚が泳いで逃げてしまう
ように、照明照射部11が照射面に照射する光を変化させてもよい。この例では、魚に人の身体が触れるという身体の動きを、動体検知装置12が検知した検知信号に基づいて、照明制御部13が制御信号を生成して照明照射部11を制御することで実現できる。
【0058】
なお、動的な光が自然要素を模した画像情報の内容が変化する光である場合、人の動きに対応するように画像情報の内容が変化する光である場合も同様であるため、説明を省略する。
【0059】
<作用効果>
次に、本実施の形態における照明演出システム1の作用効果について説明する。
【0060】
上述したように、本実施の形態の照明演出システム1は、施設内における部屋の外(室外)の床、壁、及び、天井のうちの少なくとも一部(照射面)である照射面に、光を照射する照明照射部11と、部屋(店舗)の入口19の近辺に存在する部屋の外(室外)の動体(人)を検知することができる動体検知装置12とを備える。そして、照明照射部11は、動体検知装置12の検知状況に応じて、動的な光を照射面に照射する。
【0061】
これによれば、動体検知装置12が人を検知することで、照明照射部11は、その人の検知状況に応じて、動的な光を照射面に照射することができる。例えば、人の動き、姿勢、進行方向の向き、歩く速度等を検知することで、人の目に留まる位置に照明演出を行うことができる。人の目に留まる照明演出を店舗の前で行うことができるため、人がその店舗に興味を持つことが期待できる。
【0062】
したがって、本開示の照明演出システム1によれば、目に留まる位置に照明演出を行うことで、人の関心を引くことができる。
【0063】
また、本実施の形態の照明演出システム1において、照明照射部11が照射面に照射する光には、文字情報、及び、画像情報のうちの少なくとも一方が含まれる。そして、照明照射部11は、部屋(店舗)の前に存在している人が文字情報、及び、画像情報のうちの少なくとも一方を正対して見えるように、光を照射する。
【0064】
これによれば、動体検知装置12が検知した人の動きに基づいて、人が正対して情報が見えるように、照明照射部11が文字情報、及び、画像情報のうちの少なくとも一方を示す光を店舗の前で照射することができる。
【0065】
これにより、人の目に留まるとともに、照射された光の文字情報及び/又は画像情報を人が容易に認識することができるようになる。つまり、本開示によれば、人に対して効果的に文字情報及び/又は画像情報を提示することができる。その結果、人の関心をより引くことができるため、人がその店舗に興味を持つことが期待できる。
【0066】
また、本実施の形態の照明演出システム1において、照明照射部11が照射面に照射する光には、自然要素を模した画像情報が含まれる。
【0067】
これによれば、照明照射部11が自然要素を模した画像情報を示す光を照射面に照射することで、人に安らぎと安心感を与えることができる。これにより、室外の床、壁、及び、天井のうちの少なくとも一部にこのような光を照射することで、人の目に留まりやすくなる。その結果、人に対して興味を持たせることができるため、人がその店舗に興味を持つことが期待できる。
【0068】
また、本実施の形態の照明演出システム1において、照明照射部11が照射面に照射す
る光には、動体(人)の動きに対応するような画像情報が含まれる。そして、照明照射部11は、照明照射部11近傍に存在している動体(人)の動きに対応して、照射面に照射する画像情報を変化させる。
【0069】
これによれば、人の動きに応じて画像情報を変化させることができるため、人はその光の像に興味を持ちやすい。例えば、人が光に触れようとするとその光が移動したり色等が変化したりすることで、人はその光の像に興味を持つ。人が興味を持つ照明演出を店舗の前で行うことができるため、人がその店舗に興味を持つことが期待できる。
【0070】
(実施の形態の変形例)
本変形例では、照明演出システム1が、室外と店舗内である室内(部屋の中)とに光を照射する点で実施の形態と相違する。本変形例における他の構成は、特に明記しない場合は、実施の形態と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
【0071】
<構成>
本変形例における照明演出システム1の構成について説明する。
【0072】
本変形例において、照明演出システム1では、室外の床、壁、及び、天井のうちの少なくとも一部(照射面)と、室内の床、壁、及び、天井のうちの少なくとも一部(照射面)とに、光を照射する。つまり、照明照射部11は、室外の床、壁、及び、天井のうちの少なくとも一部と、室内の床、壁、及び、天井のうちの少なくとも一部とに、光を照射する。
【0073】
また、照明照射部11は、動体検知装置12の検知状況に応じて、静的又は動的な光を照射面に照射する。静的な光は、実質的に変化しない光である。また、動的な光は、上述した通りである。
【0074】
照明照射部11が照射面に照射する光は、室内と室外とで関連性を有する。関連性を有する光とは、人に何らかの関連性を想起させたり、人に何らかの繋がりを連想させたりすることが期待できる光である。例えば、複数の照明照射部11が室内と室外との両方に亘って光を照射した場合、室内に照射された光と室外に照射された光とを人が見たとき、これらの光において何らかの関連性を人に想起させることが期待できる。
【0075】
複数の照明照射部11が照射面に照射する光は、室外から室内、又は、室外から店舗の入口19に向かって移動する。上述したように、人が店舗の入口19の近辺に存在する場合、動体検知装置12が人を検知した検知信号を照明制御部13に送信する。照明制御部13は、検知信号に基づいて、人が存在している位置から店舗の入口19に向かって移動することを促す照明演出を行うことが可能な制御信号を生成する。これにより、複数の照明照射部11は、人が存在している位置から店舗の入口19へ誘引するように、当該位置から入口19へ向けて移動する光を照射する。
【0076】
また、室外の照射面に照射された照度と、室内の照射面に照射された照度との差(照度差)は、約10%以内であることが好ましい。また、室外の照射面に照射される光の輝度と、室内の照射面に照射される光の輝度との差(輝度差)も、約10%以内であることが好ましい。また、室外の照射面に照射される光の相関色温度と、室内の照射面に照射される光の相関色温度との差も、約10%以内であることが好ましい。
【0077】
<実施例1>
次に、本実施の形態における照明演出システム1が照射面に照射する動的な光について
、
図5及び
図6を用いて説明する。本実施例では、動的な光として経時的に出力と経時的に照射位置とが変化する光の照明態様を例示している。
【0078】
図5は、実施の形態の変形例に係る照明演出システム1の照明照射部11を示す図である。
図6は、実施の形態の変形例に係る照明演出システム1の複数の照明照射部11が光を照射した場合の光の動きを示す図である。
【0079】
動体検知装置12が店舗の入口19の近辺に存在する人を検知すると、照明制御部13は、動体検知装置12から検知信号を取得する。照明制御部13は、検知信号に基づいた制御信号を生成する。具体的には、照明制御部13は、検知信号に示される、人の身体の動き、人の身体部位の位置、人の進行方向、人の進行速度、人の頭部の向き、人の視線の方向等に基づいて、照射面に照射する光が人の視界に入るように複数の照明照射部11を制御するための制御信号を生成する。より具体的には、照明制御部13は、人の視界に入る領域を推定し、視界に入る領域に対して光を照射可能な照明照射部11を選択する。照明制御部13は、光を照射した照射領域から店舗の入口19までの経路へ進むことを促すような文字情報及び/又は画像情報を示す制御信号を生成する。
【0080】
複数の照明照射部11は、照明制御部13から当該制御信号を取得すると、制御信号に応じて人の視界に入る領域に光を照射面に照射する。
【0081】
図5及び
図6では、複数の照明照射部11の一例として、照明照射部a1、照明照射部a2、照明照射部a3を例示している。
【0082】
照明照射部a1は、光を発することで通路の照射面Rに光照射領域R1を形成する。照明照射部a2は、光を発することで照射面Rに光照射領域R2を形成する。照明照射部a3は、光を発することで照射面Rに光照射領域R3を形成する。
【0083】
光照射領域R1、光照射領域R2及び光照射領域R3は、照射面Rにおいてそれぞれ異なる個所である。光照射領域R1、光照射領域R2及び光照射領域R3がこの順で並んで形成されている。また、光照射領域R1、光照射領域R2及び光照射領域R3は、隣り合う2つの光照射領域の一部が重なるように形成されているが、隣り合う2つの光照射領域が重ならなくてもよい。
【0084】
また、照明演出システム1では、複数の照明照射部11のそれぞれが光を出力することで、照射面Rに照射された光が直線状又は曲線状で連続的に移動するように演出することができる。
【0085】
具体的には、照明演出システム1は、光照射領域R1、光照射領域R2及び光照射領域R3を照明することで、照射面Rに照射された光を遷移させる。
【0086】
例えば、
図6に示すように、第1段階では、光照射領域R1が3番目に明るい第1照度となる。
【0087】
次に、第2段階では、光照射領域R1が2番目に明るい第2照度となり、光照射領域R2が3番目に明るい第1照度となる。
【0088】
次に、第3段階では、光照射領域R1が最も明るい第3照度となり、光照射領域R2が第2照度となり、光照射領域R3が第1照度となる。
【0089】
次に、第4段階では、光照射領域R1が第2照度となり、光照射領域R2が第3照度と
なり、光照射領域R3が第2照度となる。
【0090】
次に、第5段階では、光照射領域R1が第1照度となり、光照射領域R2が第2照度となり、光照射領域R3が第3照度となる。
【0091】
次に、第6段階では、光照射領域R2が第1照度となり、光照射領域R3が第2照度となる。
【0092】
このように、照射面Rに照射された光は、左側から右側に向かって遷移するように見える。こうして、動的な光を実現することができる。なお、光が遷移する速度は、人が歩く時の速度と同様の速度(時速数Km程度の速度)で遷移してもよい。
【0093】
なお、複数の照明照射部11のそれぞれが出力した光が照射面Rに照射された場合、照射面Rに照射された光は、広がるように面状に遷移してもよい。つまり、照明演出システム1は、照射面Rに照射された光が面状に移動するように演出してもよい。
【0094】
なお、照明演出システム1を中心として照明演出システム1から放射状に遷移するように演出してもよく、照明演出システム1へ収束するように演出してもよい。また、照明演出システム1は、照射面Rに照射された光を自由自在に遷移させるように演出してもよい。
【0095】
なお、経時的に色合いが変化する光についても同様であるため、説明を省略する。
【0096】
<実施例2>
次に、本実施の形態における照明演出システム1が照射面に照射する動的な光について、
図7~
図16を用いて説明する。本実施例では、静的又は動的な光として、室外と室内とで関連性を有する光が照射された場合を例示している。
【0097】
図7は、室内の照射面と室外の照射面とに照射された光の像が連続性を有している場合を示す図である。
図7では、形状が同じ又は類似する光の像が同様の方向に沿って室外と室内とで並んで照射されている。
【0098】
図8は、室内の照射面と室外の照射面とに照射された光の像が連続性を有している場合を示す別の図である。
図8では、形状が同じ又は類似する光の像の数に規則性がある場合を例示している。
図8では、形状が同じ又は類似する光の像の数が次第に増えるように室外から室内に跨って照射されている。
【0099】
図9は、室内の照射面と室外の照射面とに照射された光の像が連続性を有している場合を示すさらに別の図である。
図9では、1つの光の像が室外から室内を跨いで形成されている場合を例示している。
図9では、1つの光の像が室外の照射面と室内の照射面とに跨って照射されている。
【0100】
図10は、室内の照射面と室外の照射面とに照射された光の像が連続性を有している場合を示すさらに別の図である。
図10では、室外と室内との境界を挟んで、光の像の系統が同じ場合を例示している。
図10では、同じ種類の樹木を示した光の像が室外の照射面と室内の照射面とに照射されている。
【0101】
図11は、室内の照射面と室外の照射面とに照射された幾何学模様の光の像が連続性を有している場合を示す図である。
図11では、幾何学模様の複数の波線状を示した光の像が室外の照射面と室内の照射面とに跨って照射されている。
【0102】
図12は、室内の照射面と室外の照射面とに照射された幾何学模様の光の像が連続性を有している場合を示す別の図である。
図12では、形状が同じ又は類似する幾何学模様の光の像であって、室内の照射面と室外の照射面とで大きさが異なるように照射されている。
【0103】
図13は、室内の照射面と室外の照射面とに照射された幾何学模様の光の像が連続性を有している場合を示すさらに別の図である。
図13では、形状が同じ又は類似する幾何学模様の光の像が、室内と室外との境界を挟んで線対称又は点対称となるように照射されている。
【0104】
図14は、室内の照射面と室外の照射面とに照射された幾何学模様の光の像が連続性を有している場合を示すさらに別の図である。
図14では、形状が同じ又は類似する幾何学模様の光の像の数が室内の照射面と室外の照射面とで異なるように、室内の照射面と室外の照射面とに跨って照射されている。
【0105】
図15は、照射面に照射された光の像が室外の照射面から室内の照射面へ動く場合を示す図である。
図15では、実施例1を用いて室外から室内に向かって光の像が連続して動く場合を例示している。
図15では、光の像が室外の照射面から室内の照射面に連続的に動くような、動的な光が照射されている。
【0106】
図16は、照射面に照射された光の像が室外の照射面から室内の照射面へ動く場合を示す別の図である。
図16でも、実施例1を用いて室外から室内に向かって光の像が連続して動く場合を例示している。
図16では、室外の照射面から室内の照射面に連続的に動くように、木漏れ日等の自然要素を模した画像を示す動的な光が照射されている。
【0107】
<作用効果>
このような、本変形例における照明演出システム1の作用効果について説明する。
【0108】
上述したように、本変形例の照明演出システム1は、施設内における部屋の外(室外)の床、壁、及び、天井のうちの少なくとも一部と、部屋の中(室内)の床、壁、及び、天井のうちの少なくとも一部とを含む照射面に、光を照射面に照射する照明照射部11と、部屋(店舗)の入口19近辺に存在する部屋の外(室外)の動体を検知することができる動体検知装置12とを備える。そして、照明照射部11は、動体検知装置12の検知状況に応じて、静的又は動的な光を照射面に照射する。
【0109】
これによれば、動体検知装置12が人を検知することで、照明照射部11は、その人の検知状況に応じて、静的又は動的な光を照射することができる。例えば、人の動き、姿勢、進行方向の向き、歩く速度等を検知することで、人の目に留まる位置に照明演出を行うことができる。
【0110】
また、室外と室内とに光を照射面に照射することで、室外から室内へ人を誘引するように光を照射面に照射することもできる。
【0111】
したがって、本開示の照明演出システム1によれば、目に留まる位置に照明演出を行うことで、人の関心を引くことができる。
【0112】
また、本変形例の照明演出システム1において、照明照射部11が照射面(室内と室外)に照射する光は、部屋の中(室内)と部屋の外(室外)とで関連性を有する。
【0113】
これによれば、室外と室内とに関連性ある光を照射することで、室外から室内へ人を誘引するように光を照射することができる。このため、人の目を引きやすくなる。その結果、人がその光の像に興味を持つことが期待できるため、室外から室内へ人を誘引することが期待できる。
【0114】
また、本変形例の照明演出システム1において、照明照射部11が照射面に照射する光は、部屋の外(室外)から部屋の中(室内)、又は、部屋の外(室外)から店舗の入口19に向かって移動する。
【0115】
これによれば、人は、動く光が目に留まることで、その光の動きにつられて、店舗の入口19に目が移る。これにより、人は、その店舗の入口19に進んでみたいという意識が働きやすくなる。その結果、店舗に人を誘引することが期待できる。
【0116】
(その他変形例等)
以上、本開示について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これら実施の形態等に限定されるものではない。
【0117】
例えば、本実施の形態における照明演出システムにおいて、照明照射部が複数の光源を備えていてもよい。この場合、照明照射部は1つであってもよく、複数であってもよい。照明照射部が複数の光源を備えている場合、照明制御部は、複数の光源を個別に又は一括して制御することができる。また、照明制御部は、複数の光源を制御することで、所定の照明態様となる演出をすることができる。例えば、照明制御部は、検知信号を取得すると、複数の光源のそれぞれを所定の照明態様で照明させるための制御信号を、複数の光源のそれぞれへ出力することで、複数の光源によって動的な光を照射させることができる。
【0118】
また、本実施の形態における照明演出システムにおいて、人が店舗の入口に所定距離近づくと、照明制御部は、動体検知装置12が人を検知した検知信号に基づいた制御信号を生成してもよい。所定距離は、例えば、2、5、10m程度である。所定距離は、店舗の大きさ(通路に接する店舗の大きさ)、近隣店舗間の距離に応じて適宜変更されてもよい。
【0119】
また、本実施の形態における照明演出システムでは、プロジェクター等の映像投影装置を用いてもよい。この場合、照明演出システムでは、1以上の照明照射部と1以上の映像投影装置とを組み合わせることで、本開示の照明演出を実現してもよい。
【0120】
また、本実施の形態における照明演出システムにおいて、照明照射部が室外に配置されている場合、室外の照射面及び室内の照射面の少なくとも一方に光を照射することができてもよい。また、照明照射部が室内に配置されている場合、室外の照射面及び室内の照射面の少なくとも一方に光を照射することができてもよい。
【0121】
また、本実施の形態における照明演出システムは、屋外に用いられてもよい。この場合、照明照射部は、屋外照明装置として用いてもよい。
【0122】
また、本実施の形態における照明演出システムにおいて、照明照射部には、照明制御部が搭載されていてもよい。
【0123】
また、本実施の形態における照明演出システムには、記憶部が備えられていてもよい。記憶部には、画像情報及び/又は文字情報が記憶されていてもよい。また、検知信号に、人の身体の動き、人の身体部位の位置、人の進行方向、人の進行速度、人の頭部の向き、人の視線の方向等が含まれている場合、記憶部には、これらに対応する画像情報及び/又
は文字情報が紐付けられて記憶されていてもよい。この場合、照明制御部は、動体検知装置12が検知した検知信号に応じた画像情報及び/又は文字情報を記憶部から取得することで、取得した画像情報及び/又は文字情報に基づいて照明照射部を制御してもよい。
【0124】
また、本実施の形態における照明演出システムにおいて、動的な光には、経時的に大きさが変化する光、経時的に形状が変化する光がさらに含まれていてもよい。動的な光が経時的に大きさが変化する光である場合、制御信号は、複数の照明照射部の配光角が変化するように、第1配光角と第1配光角と異なる第2配光角との間を周期的に繰り返す動的な出力信号(調光制御信号)であってもよい。また、動的な光が経時的に形状が変化する光である場合、制御信号は、複数の照明照射部が出射する光の輪郭が変化するように、照明照射部から出射される光の開口部の第1形状と第1形状と異なる第2形状との間を周期的に繰り返す動的な出力信号(調光制御信号)であってもよい。
【0125】
また、本実施の形態における照明演出システム等に含まれる制御部は、典型的に集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。
【0126】
また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0127】
なお、上記実施の形態において、それぞれの構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、それぞれの構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。それぞれの構成要素は、CPU又はプロセッサ等のプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリ等の記憶媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0128】
また、上記で用いた数字は、全て本開示を具体的に説明するために例示するものであり、本開示の実施の形態は例示された数字に制限されない。
【0129】
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックとして実現したり、一つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
【0130】
また、フローチャートにおけるそれぞれのステップが実行される順序は、本開示を具体的に説明するために例示するためであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が、他のステップと同時(並列)に実行されてもよい。
【0131】
その他、実施の形態に対して当業者が思いつくそれぞれの種変形を施して得られる形態、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【0132】
以下に、上記実施の形態に基づいて説明した照明演出システムの特徴を示す。
【0133】
<技術1>
施設内における部屋の外の床、壁、及び、天井のうちの少なくとも一部である照射面に、光を照射する照明照射部と、
前記部屋の入口近辺に存在する前記部屋の外の動体を検知することができる動体検知装
置とを備え、
前記照明照射部は、前記動体検知装置の検知状況に応じて、動的な光を前記照射面に照射する
照明演出システム。
【0134】
<技術2>
施設内における部屋の外の床、壁、及び、天井のうちの少なくとも一部と、前記部屋の中の床、壁、及び、天井のうちの少なくとも一部とを含む照射面に、光を照射する照明照射部と、
前記部屋の入口近辺に存在する前記部屋の外の動体を検知することができる動体検知装置とを備え、
前記照明照射部は、前記動体検知装置の検知状況に応じて、静的又は動的な光を前記照射面に照射する
照明演出システム。
【0135】
<技術3>
前記照明照射部が前記照射面に照射する前記光は、前記部屋の中と前記部屋の外とで関連性を有する
技術2に記載の照明演出システム。
【0136】
<技術4>
前記照明照射部が前記照射面に照射する前記光は、前記部屋の外から前記部屋の中、または、前記部屋の外から前記部屋の入口に向かって移動する
技術2又は3に記載の照明演出システム。
【0137】
<技術5>
前記照明照射部が前記照射面に照射する前記光には、文字情報、及び、画像情報のうちの少なくとも一方が含まれ、
前記照明照射部は、前記部屋の前に存在している人が前記文字情報、及び、前記画像情報のうちの少なくとも一方を正対して見えるように、前記光を前記照射面に照射する
技術1~4のいずれか1つに記載の照明演出システム。
【0138】
<技術6>
前記照明照射部が前記照射面に照射する前記光には、自然要素を模した画像情報が含まれる
技術1~5のいずれか1つに記載の照明演出システム。
【0139】
<技術7>
前記照明照射部が前記照射面に照射する前記光には、前記動体の動きに対応するような画像情報が含まれ、
前記照明照射部は、前記照明照射部近傍に存在している前記動体の動きに対応して、前記照射面に照射する前記画像情報を変化させる
技術1~6のいずれか1つに記載の照明演出システム。
【符号の説明】
【0140】
1 照明演出システム
11 照明照射部
12 動体検知装置
19 入口