(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135375
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】電池種判別装置、電池利用システム、電池種判別方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G01R 31/378 20190101AFI20240927BHJP
G01R 31/389 20190101ALI20240927BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
G01R31/378
G01R31/389
H02J7/00 A
H02J7/00 301B
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023046013
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】福屋 準
【テーマコード(参考)】
2G216
5G503
【Fターム(参考)】
2G216BA51
2G216CB01
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503FA03
(57)【要約】
【課題】電池の内部抵抗を測定するだけでは判別することが難しい電池の種別を判別する。
【解決手段】Ni-MH電池NH1を、外装缶の側面の一部に負極端子Bbに導通する金属面を露出させた側面露出部Bcを設けて構成する。電池収容部11には、挿入される電池cell1の正極端子Baに接触する正極導出端子11a、負極端子Bbに接触する負極導出端子11bおよび側面露出部Bcに接触する露出部導出端子11c1を設け、露出部導出端子11c1を、制御部12の第1電池検出端子Cell1_Detに接続すると共に、プルアップ抵抗Rupを介して定電圧電源VDDに接続する。制御部12は、第1電池検出端子Cell1_Detに入力される電圧が、HiレベルにプルアップされずにLowレベル(EL=0.3[V]未満)であることを検出することで、電池収容部11に挿入された電池cell1がアルカリ乾電池AL1ではないNi-MH電池NH1であると判別できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電池が挿入された状態で、
前記第1電池の正極端子と接触する第1端子と、
前記第1電池の負極端子と接触する第2端子と、
前記第1電池の前記正極端子および前記負極端子を除く第1部位と接触する第3端子と、
前記第1端子の電位または前記第2端子の電位との関係として検出される前記第3端子の電圧に応じて前記第1電池の種別を判別する制御部と、
を備える電池種判別装置。
【請求項2】
前記第1部位が電池内部の負極と接続されている第1種別の電池と、前記第1部位が電池内部の正極と接続されている第2種別の電池と、前記第1部位が電池内部の正極および負極と絶縁されている第3種別の電池のうちの少なくとも2つの種別の電池が挿入可能であり、
前記制御部は、検出される前記第3端子の電圧を第1閾値と比較することにより前記2つの種別を判別する、
請求項1に記載の電池種判別装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第1電池が前記第1種別の電池である場合は前記第1閾値よりも低い電圧を検出し、前記第1電池が前記第2種別の電池である場合は前記第1閾値よりも高い電圧を検出することで、前記第1種別の電池と前記第2種別の電池とを判別する第1判別処理と、
前記第1電池が前記第1種別の電池である場合は前記第1閾値よりも低い電圧を検出し、前記第1電池が前記第3種別の電池である場合は前記第1閾値よりも高い電圧を検出することで、前記第1種別の電池と前記第3種別の電池とを判別する第2判別処理と、
前記第1電池が前記第2種別の電池である場合は前記第1閾値よりも高い電圧を検出し、前記第1電池が前記第3種別の電池である場合は前記第1閾値よりも低い電圧を検出することで、前記第2種別の電池と前記第3種別の電池とを判別する第3判別処理と、
のうちのいずれかの判別処理を実行する、
請求項2に記載の電池種判別装置。
【請求項4】
前記制御部は、挿入可能な電池の種別と、判別すべき電池の種別に応じて、前記第1判別処理と前記第2判別処理と前記第3判別処理のうちのいずれか1つまたは複数の判別処理を実行するかが決められている、
請求項3に記載の電池種判別装置。
【請求項5】
前記第3端子は、前記第1閾値よりも高い電圧でプルアップされており、
前記制御部は、前記第2判別処理を実行する、
請求項4に記載の電池種判別装置。
【請求項6】
前記第3端子は、前記第1閾値よりも低い電圧でプルダウンされており、
前記制御部は、前記第3判別処理を実行する、
請求項4に記載の電池種判別装置。
【請求項7】
第1形状の電池を前記第1電池として挿入可能である、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電池種判別装置。
【請求項8】
前記制御部は、
更に、挿入された前記第1電池の内部抵抗を測定し、
前記第3端子から検出される電圧の検出結果と、前記内部抵抗の測定結果とに応じて、前記第1部位が負極と接続されているNi-MH二次電池と、前記第1部位が正極と接続されているアルカリ乾電池と、前記第1部位が負極と接続されているマンガン乾電池と、の何れが挿入されたかを判別する、
請求項1に記載の電池種判別装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記第3端子から検出される電圧が第1閾値よりも低い電圧である場合に、前記測定される第1電池の内部抵抗が第1抵抗値から第2抵抗値の範囲内である場合は前記Ni-MH二次電池が挿入されたと判別し、
前記第3端子から検出される電圧が前記第1閾値よりも低い電圧である場合に、前記測定される第1電池の内部抵抗が前記第2抵抗値より大きい第3抵抗値以上である場合は前記マンガン乾電池が挿入されたと判別し、
前記第3端子から検出される電圧が前記第1閾値よりも高い場合は、前記アルカリ乾電池が挿入されたと判別する、
請求項8に記載の電池種判別装置。
【請求項10】
前記第1電池が複数段直列に挿入された状態で、
前記第3端子は、前記第2端子に近い側の1段目の第1電池の前記第1部位と接触するとともに、抵抗を介して電源の電位にプルアップされ、
前記1段目の第1電池よりも前記第1端子に近い側の2段目の第1電池の前記第1部位と接触するとともに、抵抗を介して負極の電位にプルダウンされる第4端子を備え、
前記制御部は、
前記第3端子および前記第4端子から検出される電圧に応じて挿入された複数の第1電池の種別を判別する、
請求項1に記載の電池種判別装置。
【請求項11】
前記制御部は、
前記第3端子から第1閾値よりも低い電圧を検出することにより、前記1段目の第1電池が、前記第3端子と接触する前記第1部位が負極となっている第1種別の電池であると判別し、
前記第3端子から第1閾値よりも高い電圧を検出することにより、前記1段目の第1電池が、前記第3端子と接触する前記第1部位が正極となっている第2種別の電池であると判別し、
前記第4端子から前記1段目の第1電池の正極端子に対応する電圧を検出することにより、前記2段目の第1電池が、前記第4端子と接触する前記第1部位が負極となっている第1種別の電池であると判別し、
前記第4端子から前記2段目の第1電池の正極端子に対応する電圧を検出することにより、前記2段目の第1電池が、前記第4端子と接触する前記第1部位が正極となっている第2種別の電池であると判別する、
請求項10に記載の電池種判別装置。
【請求項12】
前記制御部は、
前記第1電池の種別を判別した判別結果を出力する、
請求項1または請求項10に記載の電池種判別装置。
【請求項13】
前記制御部は、
挿入された前記第1電池の種別を、充電が可能な種別の電池であると判別した場合に、
前記挿入された第1電池に対する充電を開始させるための信号を出力する、
請求項1または請求項10に記載の電池種判別装置。
【請求項14】
前記制御部は、
前記第3端子から第1閾値よりも低い電圧を検出し、前記第4端子から第1閾値以上第2閾値以下の電圧を検出した場合に、挿入された複数段の第1電池の種別を充電が可能な種別の電池であると判別し、前記挿入された複数段の第1電池に対する充電を開始させるための信号を出力する、
請求項10に記載の電池種判別装置。
【請求項15】
請求項1に記載の電池種判別装置と、第1種別の電池と、第2種別の電池と、を含み、
前記第1種別の電池は、
前記正極端子および前記負極端子を除く電池内部の負極と接続されている部分が絶縁性の外装で覆われており、
前記電池種判別装置の前記第3端子と接触する前記第1部位は、前記絶縁性の外装で覆われずに電池内部の負極と接続されている部分が前記第3端子と接触可能に構成されており、
前記第2種別の電池は、
前記正極端子および前記負極端子を除く電池内部の正極と接続されている部分が絶縁性の外装で覆われており、
前記電池種判別装置の前記第3端子と接触する前記第1部位は、前記絶縁性の外装で覆われずに電池内部の正極と接続されている部分が前記第3端子と接触可能に構成されている、
電池利用システム。
【請求項16】
前記制御部は、
前記第3端子から第1閾値よりも低い電圧を検出することにより挿入された前記第1電池が、前記第1種別の電池であると判別し、
前記第3端子から第1閾値よりも高い電圧を検出することにより挿入された前記第1電池が、前記第2種別の電池であると判別する、
請求項15に記載の電池利用システム。
【請求項17】
請求項1に記載の電池種判別装置に挿入可能な第1電池であって、
前記正極端子および前記負極端子を除く部分が絶縁性の外装で覆われており、
前記電池種判別装置に挿入した状態で、
前記第1端子と接触する正極端子と、
前記第2端子と接触する負極端子と、
を有し、
前記第3端子と接触する前記第1部位は、前記絶縁性の外装で覆われずに電池内部の負極と接続されている部分が前記第3端子と接触可能に構成されている、
電池。
【請求項18】
第1電池が挿入された状態で、
前記第1電池の正極端子と接触する第1端子と、
前記第1電池の負極端子と接触する第2端子と、
前記第1電池の前記正極端子および前記負極端子を除く第1部位と接触する第3端子と、
を備える電池種判別装置の制御部が、
前記第1端子の電位または前記第2端子の電位との関係として検出される前記第3端子の電圧に応じて前記第1電池の種別を判別する、
処理を実行するようにした電池種判別方法。
【請求項19】
第1電池が挿入された状態で、
前記第1電池の正極端子と接触する第1端子と、
前記第1電池の負極端子と接触する第2端子と、
前記第1電池の前記正極端子および前記負極端子を除く第1部位と接触する第3端子と、
を備える電池種判別装置の制御部が、
前記第1端子の電位または前記第2端子の電位との関係として検出される前記第3端子の電圧に応じて前記第1電池の種別を判別する、
処理を実行するように機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電池種判別装置、電池利用システム、電池、電池種判別方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電池には、規格によって、円筒形、9V形(006P形)などの予め決められた形状がある。これらの形状の電池には、充電可能な種別の電池(二次電池)や充電不可な種別の電池(一次電池)がある。
【0003】
従来の充電器において、挿入された電池の内部抵抗を測定することで、充電可能な二次電池であるか充電不可な一次電池であるかの電池の種別を判別した後に、電池の充電を開始する誤充電防止機能付きの充電器が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
充電可能なNi-MH(ニッケル水素)電池の内部抵抗(50~150[mΩ](未使用状態))に対して、充電不可のマンガン乾電池の内部抵抗(500[mΩ]以上)はかなり大きいため、充電可能なNi-MH電池と充電不可のマンガン乾電池との違いは、電池の内部抵抗を測定することで正確に判別することができる。
【0006】
しかしながら、充電可能なNi-MH(ニッケル水素)電池の内部抵抗(50~150[mΩ])に対して、充電不可のアルカリ乾電池の内部抵抗(120~200[mΩ])は近似することがあるため、例えば、充電可能なNi-MH電池と充電不可のアルカリ乾電池との違いなどは、電池の内部抵抗を測定しても正確に判別することが難しい。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、電池の内部抵抗を測定するだけでは判別することが難しい電池の種別を判別することが可能になる電池種判別装置、電池利用システム、電池、電池種判別方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る電池種判別装置は、
第1電池が挿入された状態で、
前記第1電池の正極端子と接触する第1端子と、
前記第1電池の負極端子と接触する第2端子と、
前記第1電池の前記正極端子および前記負極端子を除く第1部位と接触する第3端子と、
前記第1端子の電位または前記第2端子の電位との関係として検出される前記第3端子の電圧に応じて前記第電池の種別を判別する制御部と、を備えている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電池の内部抵抗を測定するだけでは判別することが難しい電池の種別を判別することが可能になる電池種判別装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の電池種判別装置、電池利用システム、電池、電池種判別方法およびプログラムの第1実施形態に係る電池利用システム1の構成<Ni-MH電池(側面露出部あり)使用時>を示す図。
【
図2】第1実施形態に係る電池利用システム1の構成<アルカリ乾電池(側面露出部無し)使用時>を示す図。
【
図3】第1実施形態に係る電池利用システム1の構成<アルカリ乾電池(側面露出部あり)使用時>を示す図。
【
図4】本発明の第2実施形態に係る電池利用システム1の構成<Ni-MH電池(側面露出部あり)2本直列時>を示す図。
【
図5】第2実施形態に係る電池利用システム1の構成<アルカリ乾電池(側面露出部無し)2本直列時>を示す図。
【
図6】第2実施形態に係る電池利用システム1の構成<アルカリ乾電池(側面露出部あり)2本直列時>を示す図。
【
図7】電池cellの内部抵抗Rinを簡易的にDC-IR測定する方法を説明する図。
【
図8】本発明の第3実施形態に係る電池利用システム1の構成<Ni-MH電池(側面露出部あり)n本直列時>を示す図。
【
図9】第3実施形態の電池利用システム1の電池利用制御プログラムに含まれる電池種別判別処理を示すフローチャート。
【
図10】第3実施形態に係る電池利用システム1の電池3本直列時<3段目Ni-MH電池(側面露出部あり)>における3段目の電池種別判別と電池電圧判定とを説明する図。
【
図11】第3実施形態に係る電池利用システム1の電池3本直列時<3段目アルカリ乾電池(側面露出部無し)>における3段目の電池種別判別と電池電圧判定とを説明する図。
【
図12】第3実施形態に係る電池利用システム1の電池3本直列時<3段目アルカリ乾電池(側面露出部あり)>における3段目の電池種別判定と電池電圧判定とを説明する図。
【
図13】
図9の電池種別判別処理に組み合わせて実行される内部抵抗測定処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0012】
(第1実施形態の構成)
図1は、本発明の電池種判別装置、電池利用システム、電池、電池種判別方法およびプログラムの第1実施形態に係る電池利用システム1の構成<Ni-MH電池(側面露出部あり)使用時>を示す図である。
【0013】
実施形態の電池利用システム1は、電池種判別装置10と充電IC(CHG_IC)20とを組み合わせた充電器30を備える。
【0014】
電池利用システム1は、外部電圧(例えばUSB電圧)VBUSを電源として動作する充電器30であってよいし、また、電池収容部(電池ボックス)11に挿入された電池(ここではcell1)の電池電圧VBATをシステム電源として動作する電子機器(電子辞書、電卓、タブレット端末、携帯電話、携帯ゲーム機、PC(Personal Computer)、カメラ、プレーヤ、レコーダなど)であってよい。
【0015】
電池種判別装置10は、予め決められた形状の電池cell1が挿入される電池収容部11と、制御部(CPU: Central Processing Unit)12と、記憶部13と、を備える。
【0016】
制御部12は、記憶部12に記憶されたプログラムに従って回路各部の動作を制御し各種の機能を実行する。
【0017】
制御部12は、電池種判別装置10および充電IC20を含む充電器30を制御するものであってよいし、充電器30を含む電池利用システム1を制御するものであってもよい。
【0018】
制御部12のCPUは、1つに限らず、複数組み合わせて設けてよい。
【0019】
また、制御部12は、CPUに限らず、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)や他の集積回路により構成してよい。
【0020】
記憶部13は、制御部12に電池利用システム1の各種の機能を実行させるための電池利用制御プログラムのデータと各種の機能の実行に伴い制御部12により生成または制御部12に入出力されるデータを必要に応じて記憶する。電池利用制御プログラムのデータは、記憶部13に予め記憶されたもの、メモリカードなどの外部の記録媒体から電池利用システム1に読み込まれて記憶部13に記憶されたもの、通信ネットワーク上のプログラムサーバ(サーバ装置)から電池利用システム1の通信部(図示せず)を介して記憶部13に記憶されたもの、の何れであってもよい。
【0021】
実施形態の電池収容部11は、円筒形の電池(例えば、単3形電池:定格電圧1.5[V])cell1を収容するものであって、Ni-MH電池NH1(二次電池)、アルカリ乾電池AL1(一次電池)(
図2参照)、マンガン乾電池(一次電池)(図示せず)、の何れかを挿入できる。
【0022】
なお、Ni-MH電池NH1(二次電池)に充電開始可能な電圧の範囲(充電可電圧範囲)は、EL(0.3[V])(第1閾値)~EH(1.33[V])(第2閾値)と仮定する。
【0023】
実施形態のNi-MH電池NH1は、外装缶の側面を被覆する絶縁性の外装(例えば、樹脂チューブや塗膜)を一部無くすことで外装缶の金属面を露出させた側面露出部Bc(第1部位)を設けて構成する。
図1に示すNi-MH電池NH1では、下端部(負極端子Bb側の端部)から所定の長さ(例えば、7mm)の側面露出部Bcを設けている。
【0024】
なお、Ni-MH電池NH1の側面露出部Bcは、電気的に負極端子Bb(-)と導通しており同電位になる。
【0025】
電池収容部11は、挿入された電池cell1の正極端子Ba(+)に接触する正極導出端子11a(第1端子)と、負極端子Bb(-)に接触する負極導出端子11b(第2端子)と、側面露出部Bcに接触する露出部導出端子11c1(第3端子)とを備える。
【0026】
正極導出端子11a(第1端子)は、電池電圧VBATを供給する電池利用システム1の電源線(VBAT:電源電位)に接続され、負極導出端子11b(第2端子)はグランドGに接続され、露出部導出端子11c1(第3端子)は、制御部12の第1電池検出端子Cell1_Detに接続されると共に、プルアップ抵抗Rupを介して定電圧電源VDD(例えば1.8[V])(電源電位)に接続される。
【0027】
制御部12は、第1電池検出端子Cell1_Detのほかに、少なくとも、電池電圧VBATを入力する電池電圧入力端子BATT_LEVEL、充電可信号(Lowレベル)を出力する充電可出力端子NIMHCHG_ENを備える。
【0028】
充電IC20は、外部電圧VBUSを入力する外部電圧入力端子IN、充電用の電圧を出力する充電電圧出力端子OUT、制御部12の充電可出力端子NIMHCHG_ENから出力される充電可信号(Lowレベル)を入力する充電可入力端子CEおよびグランド端子GNDを備える。
【0029】
充電IC20は、充電可入力端子CEに制御部12から充電可信号(Lowレベル)が入力されると、外部電圧入力端子INに入力されている外部電圧VBUSに基づいて充電電圧出力端子OUTから充電電圧を出力し、電池収容部11の正極導出端子11aに供給する。
【0030】
図2は、第1実施形態に係る電池利用システム1の構成<アルカリ乾電池(側面露出部無し)使用時>を示す図である。
【0031】
図3は、第1実施形態に係る電池利用システム1の構成<アルカリ乾電池(側面露出部あり)使用時>を示す図である。
【0032】
実施形態の電池利用システム1において、アルカリ乾電池AL1は、通常、
図2に示すように、側面露出部の無いものを使用するが、仮に、
図1で示したNi-MH電池NH1と同様に、
図3に示すように、側面露出部Bc(第1部位)を設けた場合、アルカリ乾電池AL1の側面露出部Bcは、電気的に正極端子Ba(+)と導通しており同電位になる。
【0033】
なお、実施形態のNi-MH電池NH(側面露出部あり)を第1種別の電池、アルカリ乾電池AL(側面露出部あり)を第2種別の電池、アルカリ乾電池AL(側面露出部無し)を第3種別の電池と定義する。
【0034】
このように構成された電池利用システム1は、制御部12が電池利用制御プログラムに記述された命令に従い回路各部の動作を制御し、ソフトウエアとハードウエアとが協働して動作することにより、後述の動作説明で述べるような各種の機能を実現する。
【0035】
(第1実施形態の動作)
第1実施形態の電池利用システム1において、
図1に示すように、電池種判別装置10の電池収容部11の電池cell1として、Ni-MH電池NH1を挿入している場合、Ni-MH電池NH1の側面露出部Bcに接触する露出部導出端子11c1(第3端子)の電圧レベルは、負極端子Bbと同電位のLowレベル(EL=0.3[V]未満)になり、制御部12の第1電池検出端子Cell1_Detには、Lowレベル(EL=0.3[V]未満)の電圧が検出される。
【0036】
また、
図2に示すように、電池種判別装置10の電池収容部11の電池cell1として、通常のアルカリ乾電池AL1(側面露出部無し)を挿入している場合、露出部導出端子11c1(第3端子)は開放された状態になり、制御部12の第1電池検出端子Cell1_Detには、プルアップ抵抗Rupを介してプルアップ(定電圧電源VDD)されたHiレベルの電圧が検出される。
【0037】
また、
図3に示すように、電池種判別装置10の電池収容部11の電池cell1として、仮にアルカリ乾電池AL1(側面露出部Bcあり)を挿入している場合、露出部導出端子11c1(第3端子)は正極端子Baと同電位になり、制御部12の第1電池検出端子Cell1_Detには、電池cell1(アルカリ乾電池AL1)の電圧Vcell1(VBAT)が検出される。
【0038】
従って、電池種判別装置10の制御部12は、
図1で示したように、第1電池検出端子Cell1_DetにLowレベル(EL=0.3[V]未満)の電圧が検出されることで、電池Cell1の種別がNi-MH電池NH1(二次電池)であると判別できる。
【0039】
制御部12は、電池電圧入力端子BATT_LEVELに入力されている電池電圧VBATを検出し、Ni-MH電池NH1(二次電池)であると判別した電池cell1の電圧Vcell1が、充電可電圧範囲(EL~EH:0.3~1.33[V])であるか判定する。
【0040】
電池cell1(Ni-MH電池NH1)の電圧Vcell1が、充電可電圧範囲(EL~EH:0.3~1.33[V])であると判定されると、制御部12は、充電可出力端子NIMHCHG_ENから充電可信号(Lowレベル)を充電IC20の充電可入力端子CEへ出力し、充電IC20に電池cell1(Ni-MH電池NH1)に対する充電を開始させる。
【0041】
(第1実施形態のまとめ)
第1実施形態の電池利用システム1によれば、Ni-MH電池NH1を、その外装缶の側面の一部に負極端子Bbに導通する金属面を露出させた側面露出部Bcを設けて構成する。また、電池収容部11には、挿入される電池cell1の正極端子Baに接触する正極導出端子11a(第1端子)、負極端子Bbに接触する負極導出端子11b(第2端子)および側面露出部Bcに接触する露出部導出端子11c1(第3端子)を設け、露出部導出端子11c1を、制御部12の第1電池検出端子Cell1_Detに接続すると共に、プルアップ抵抗Rupを介して定電圧電源VDDに接続する。
【0042】
制御部12は、第1電池検出端子Cell1_Detに入力される電圧が、HiレベルにプルアップされずにLowレベル(EL=0.3[V]未満)であることを検出することで、電池収容部11に挿入された電池cell1がアルカリ乾電池AL1ではないNi-MH電池NH1であると判別できる。
【0043】
さらに制御部12は、電池電圧入力端子BATT_LEVELに入力される電池電圧VBAT(ここではVcell1)が、EL~EH(0.3~1.33[V])であることを検出することで、Ni-MH電池NH1が充電可電圧範囲(EL~EH:0.3~1.33[V])であると判定する。
【0044】
制御部12は、充電IC20に充電可信号(Lowレベル)を出力し、Ni-MH電池NH1に対する充電を開始させることができる。
【0045】
よって、充電可能なNi-MH電池と充電不可のアルカリ乾電池やマンガン乾電池との違いを、仮に側面露出部Bcのあるアルカリ乾電池が挿入された場合も含めて、正確に判別して誤充電を防止し、電池利用システム1を正しく動作せることが可能になる。
【0046】
(第2実施形態の構成)
図4は、本発明の第2実施形態に係る電池利用システム1の構成<Ni-MH電池(側面露出部あり)2本直列時>を示す図である。
【0047】
第2実施形態の電池利用システム1(
図4)において、第1実施形態の電池利用システム1(
図1)と同じ構成部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0048】
第2実施形態の電池利用システム1では、電池収容部11は2本の電池cell1(1段目),cell2(2段目)を直列に収容し、1段目の電池cell1の側面露出部Bcに接触する露出部導出端子11c1と同様に、2段目の電池cell2の側面露出部Bcに接触する露出部導出端子11c2(第4端子)を備える。
【0049】
2段目の露出部導出端子11c2は、制御部12の第2電池検出端子Cell2_Detに接続されると共に、プルダウン抵抗Rdnを介してグランドGに接続される。
【0050】
図5は、第2実施形態に係る電池利用システム1の構成<アルカリ乾電池(側面露出部無し)2本直列時>を示す図である。
【0051】
図6は、第2実施形態に係る電池利用システム1の構成<アルカリ乾電池(側面露出部あり)2本直列時>を示す図である。
【0052】
(第2実施形態の動作)
第2実施形態の電池利用システム1において、
図4に示すように、電池種判別装置10の電池収容部11の2段目の電池cell2として、Ni-MH電池NH2を挿入している場合、Ni-MH電池NH2の側面露出部Bcに接触する露出部導出端子11c2の電圧レベルは、同電池cell2の負極端子Bbと同電位、すなわち1段目の電池cell1の正極端子Baと略同電位になる。
【0053】
第1実施形態で前述したように、1段目の電池cell1がNi-MH電池NH1で充電可電圧範囲(EL~EH:0.3~1.33[V])であると判定されている場合、2段目の露出部導出端子11c2の電圧レベルもEL~EH[V]になり、制御部12の第2電池検出端子Cell2_Detには、1段目の電池cell1(Ni-MH電池NH1)の電圧Vcell1(EL~EH:0.3~1.33[V])が検出される。
【0054】
また、
図5に示すように、電池種判別装置10の電池収容部11の2段目の電池cell2として、通常のアルカリ乾電池AL2(側面露出部無し)を挿入している場合、2段目の露出部導出端子11c2は開放された状態になり、制御部12の第2電池検出端子Cell2_Detには、プルダウン抵抗Rdnを介してプルダウン(グランドG)されたLoレベルの電圧(0[V])が検出される。
【0055】
また、
図6に示すように、電池種判別装置10の電池収容部11の2段目の電池cell2として、仮にアルカリ乾電池AL2(側面露出部Bcあり)を挿入している場合、2段目の露出部導出端子11c2は2段目の電池cell2の正極端子Baと同電位になり、制御部12の第2電池検出端子Cell2_Detには、1段目の電池cell1(AL1)の電圧Vcell1に2段目の電池cell2(AL2)の電圧Vcell2を加えた電圧(Vcell1+Vcell2)が検出される。
【0056】
従って、電池種判別装置10の制御部12は、
図4で示したように、第2電池検出端子Cell2_Detに1段目の電池cell1(Ni-MH電池NH1)の電圧Vcell1(EL~EH:0.3~1.33[V])が検出されることで、2段目の電池Cell2の種別もNi-MH電池NH2(二次電池)であると判別できると共に、1段目の電池Cell1の電圧Vcell1が、充電可電圧範囲(EL~EH:0.3~1.33[V])であると判定できる。
【0057】
制御部12は、電池電圧入力端子BATT_LEVELに入力されている電池電圧VBATから第2電池検出端子Cell2_Detに検出されている1段目の電池cell1(Ni-MH電池NH1)の電圧Vcell1を減算(VBAT-Vcell1)することで、2段目の電池Cell2の電圧Vcell2も充電可電圧範囲(EL~EH:0.3~1.33[V])であるかを判定する。
【0058】
2段目の電池cell2(Ni-MH電池NH2)の電圧Vcell2も、充電可電圧範囲(EL~EH:0.3~1.33[V])であると判定されると、制御部12は、充電可出力端子NIMHCHG_ENから充電可信号(Lowレベル)を充電IC20の充電可入力端子CEへ出力し、充電IC20に電池cell1,cell2(Ni-MH電池NH1,NH2)に対する充電を開始させる。
【0059】
(第2実施形態のまとめ)
第2実施形態の電池利用システム1によれば、電池収容部11には、挿入される1段目の電池cell1の側面露出部Bcに接触する露出部導出端子11c1(第3端子)と同様に、2段目の電池cell2の側面露出部Bcに接触する露出部導出端子11c2(第4端子)を設ける。2段目の露出部導出端子11c2(第4端子)は、制御部12の第2電池検出端子Cell2_Detに接続すると共に、プルダウン抵抗Rdnを介してグランドGに接続する。
【0060】
制御部12は、第2電池検出端子Cell2_Detに入力される電圧が、1段目の電池Cell1の電圧Vcell1(充電可電圧範囲(EL~EH:0.3~1.33[V]))であることを検出することで、電池収容部11に挿入された2段目の電池cell2もアルカリ乾電池AL2ではないNi-MH電池NH2であると判別できると共に、1段目のNi-MH電池NH1が充電可電圧範囲(EL~EH:0.3~1.33[V])であると判定する。
【0061】
さらに制御部12は、電池電圧入力端子BATT_LEVELに入力される電池電圧VBAT(ここではVcell1+Vcell2)から第2電池検出端子Cell2_Detに検出される1段目の電池Cell1の電圧Vcell1を減算する(VBAT-Vcell1)ことで、2段目のNi-MH電池NH2も充電可電圧範囲(EL~EH:0.3~1.33[V])であると判定する。
【0062】
制御部12は、充電IC20に充電可信号(Lowレベル)を出力し、2本直列のNi-MH電池NH1,NH2に対する充電を開始させることができる。
【0063】
よって、2段直列接続した電池を挿入可能な電池収容部11を備えた電池利用システム1においても、充電可能なNi-MH電池と充電不可のアルカリ乾電池やマンガン乾電池との違いを、仮に側面露出部Bcのあるアルカリ乾電池が挿入された場合も含めて、正確に判別して誤充電を防止し、電池利用システム1を正しく動作せることが可能になる。
【0064】
<マンガン乾電池(側面露出部あり)の使用を仮定した場合>
電池収容部11は、前述したように、マンガン乾電池(一次電池)(図示せず)を挿入できる。
【0065】
通常のマンガン乾電池(側面露出部無し)を挿入した場合、外装缶の外装は金属製であるもののその下層の絶縁チューブにより絶縁されているため、1段目の露出部導出端子11c1(第3端子)、2段目の露出部導出端子11c2(第4端子)は、何れも開放された状態になり、例えば
図5で示したアルカリ乾電池AL1,AL2(側面露出部無し)と同様に、制御部12の第1電池検出端子Cell1_Detには、プルアップ抵抗Rupを介してプルアップ(定電圧電源VDD)されたHiレベルの電圧が検出され、第2電池検出端子Cell2_Detには、プルダウン抵抗Rdnを介してプルダウン(グランドG)されたLoレベルの電圧(0[V])が検出される。
【0066】
従って、制御部12は、挿入された1段目の電池Cell1、2段目の電池Cell2が、何れも実施形態のNi-NH電池NH1,NH2ではないことを判別できる。
【0067】
一方で、マンガン乾電池の金属製の外装と絶縁チューブの更に下層には、負極端子Bbと同電位になる負極材が配置されている。仮に、同負極材を露出させた側面露出部Bc(第1部位)を設けたマンガン乾電池(側面露出部あり)が挿入された場合、例えば
図4で示したNi-NH電池NH1,NH2(側面露出部あり)と同様に、制御部12の第1電池検出端子Cell1_Detには、Lowレベル(EL=0.3[V]未満)の電圧が検出され、第2電池検出端子Cell2_Detには、1段目の電池cell1(マンガン乾電池)の電圧Vcell1(EL~EH:0.3~1.33[V])が検出されるので、Ni-NH電池NH1,NH2との判別ができない。
【0068】
従って、電池収容部11に、マンガン乾電池(側面露出部あり)が挿入されることを仮定した場合、以下の
図7を参照して説明するように、1段目の電池cell1、2段目の電池cell2の何れについても、電池cellnの内部抵抗Rinを測定する機能を組み合わせて構成することで、Ni-NH電池NHかマンガン乾電池かの判別を行なえばよい。
【0069】
図7は、電池cellの内部抵抗Rinを簡易的にDC-IR測定する方法を説明する図である。
【0070】
すなわち、制御部12の第1電池検出端子Cell1_Detに、Lowレベル(EL=0.3[V]未満)の電圧が検出された場合、また、第2電池検出端子Cell2_Detに、1段目の電池cell1の電圧Vcell1(EL~EH:0.3~1.33[V])が検出された場合には、
図7(B)に示すように、制御部12により充電可出力端子NIMHCHG_ENからの充電可信号(Lowレベル)の出力を制御し、充電IC20を一定時間(例えば250ms)間隔でON(ton)/OFF(toff)動作させると共に、電池電圧入力端子BATT_LEVELに入力される電池電圧VBATの電位差[V]と充電電流[A]とを検出する。
【0071】
そして、
図7(C)に示すように、内部抵抗Rin[Ω]を計算(充電ON/OFF電位差[V]÷充電電流[A])して測定することで、内部抵抗Rin[Ω]が、例えば30[mΩ](第1抵抗値)~200[mΩ](第2抵抗値)である場合には、電池cellnはNi-NH電池NHnであると判別でき、また、内部抵抗Rin[Ω]が、例えば500[mΩ](第3抵抗値)以上である場合には、電池cellnはマンガン乾電池であると判別できる。
【0072】
(第3実施形態の構成)
図8は、本発明の第3実施形態に係る電池利用システム1の構成<Ni-MH電池(側面露出部あり)n本直列時>を示す図である。
【0073】
第3実施形態の電池利用システム1(
図8)において、第2実施形態の電池利用システム1(
図4)と同じ構成部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0074】
第3実施形態の電池利用システム1では、電池収容部11はn本の電池cell1(1段目)~celln(n段目)を直列に収容し、第2実施形態の電池利用システム1(
図4)と同様に、3段目以降の電池cell3~celln各々の側面露出部Bc(第1部位)に接触する露出部導出端子11c3(第4端子)~11cn(第4端子)を備える。
【0075】
そして、2段目の露出部導出端子11c2と同様に、3段目以降の露出部導出端子11c3~11cnも、各々、制御部12の第3電池検出端子Cell3_Det~第n電池検出端子Celln_Detに接続されると共に、プルダウン抵抗Rdnを介してグランドGに接続される。
【0076】
(第3実施形態の動作)
図9は、第3実施形態の電池利用システム1の電池利用制御プログラムに含まれる電池種別判別処理を示すフローチャートである。
【0077】
なお、
図9に示す電池種別判別処理のうち、ステップS1とステップSEとを抜き出した処理が、第1実施形態の動作において説明した電池利用システム1(
図1)の制御部12により実行される電池種別判別処理に対応し、また、ステップS1,S2とステップSEとを抜き出した処理が、第2実施形態の動作において説明した電池利用システム1(
図4)の制御部12により実行される電池種別判別処理に対応する。
【0078】
例えば、電池利用システム1に対する外部電圧(USB電圧)VBUSの入力に応じて制御部12により電池種別判別処理(
図9)が開始されると、制御部12は、第1電池検出端子Cell1_DetにLowレベル(EL=0.3[V]未満)の電圧が検出されるか否かに応じて、1段目の電池Cell1がNi-MH電池NH1であるか否かを判別する(ステップS1)。
【0079】
1段目の電池Cell1がNi-MH電池NH1であると判別されると(ステップS1(OK))、制御部12は、第2電池検出端子Cell2_Detに1段目の電池Cell1の電圧Vcell1(充電可電圧範囲(EL~EH:0.3~1.33[V]))が検出されるか否かに応じて、2段目の電池cell2もNi-MH電池NH2であるか否かを判別すると共に、1段目の電池cell1(Ni-MH電池NH1)が充電可電圧範囲(EL~EH)であるか否かを判定する(ステップS2)。
【0080】
2段目の電池cell2もNi-MH電池NH2であると判別されると共に、1段目の電池cell1(Ni-MH電池NH1)が充電可電圧範囲(EL~EH)であると判定されると(ステップS2(OK))、制御部12は、第3電池検出端子Cell3_Detに検出される1段目および2段目の電池Cell1,Cell2の電圧(Vcell1+Vcell2)から第2電池検出端子Cell2_Detに検出された1段目の電池Cell1の電圧Vcell1を引いた2段目の電池Cell2の電圧Vcell2(充電可電圧範囲(EL~EH:0.3~1.33[V]))が検出されるか否かに応じて、3段目の電池cell3もNi-MH電池NH3であるか否かを判別すると共に、2段目の電池cell2(Ni-MH電池NH2)が充電可電圧範囲(EL~EH)であるか否かを判定する(ステップS3)。
【0081】
3段目の電池cell3もNi-MH電池NH3であると判別されると共に、2段目の電池cell2(Ni-MH電池NH2)が充電可電圧範囲(EL~EH)であると判定されると(ステップS3(OK))、制御部12は、ステップS3と同様の処理を繰返し、第n電池検出端子Celln_Detに検出される1段目からn-1段目までの電池Cell1~Celln-1の電圧(Vcell1+…+Vcelln-1)から第n-1電池検出端子Celln-1_Detに検出されたn-2段目の電池Celln-2までの電圧(Vcell1+…+Vcelln-2)を引いたn-1段目の電池Celln-1の電圧Vcelln-1(充電可電圧範囲(EL~EH:0.3~1.33[V]))が検出されるか否かに応じて、n段目の電池cellnもNi-MH電池NHnであるか否かを判別すると共に、n-1段目の電池celln-1(Ni-MH電池NHn-1)が充電可電圧範囲(EL~EH)であるか否かを判定する(ステップSn)。
【0082】
n段目の電池cellnもNi-MH電池NHnであると判別されると共に、n-1段目の電池celln-1(Ni-MH電池NHn-1)が充電可電圧範囲(EL~EH)であると判定されると(ステップSn(OK))、制御部12は、電池電圧入力端子BATT_LEVELに入力される電池電圧VBAT(Vcell1+…+Vcelln)から第n電池検出端子Celln_Detに検出されるn-1段目の電池Celln-1までの電圧(Vcell1+…+Vcelln-1)を減算する(VBAT-Vcelln)ことで、n段目のNi-MH電池NHnも充電可電圧範囲(EL~EH:0.3~1.33[V])であるか否かを判定する(ステップSE)。
【0083】
こうして、n段目のNi-MH電池NHnも充電可電圧範囲(EL~EH)であると判定されると(ステップSE(OK))、電池収容部11に挿入されているn本の電池Cell1~Cellnは全てNi-MH電池NHであって充電可電圧範囲(EL~EH)であると判定されたことになり、制御部12は、充電可出力端子NIMHCHG_ENから充電可信号(Lowレベル)を充電IC20の充電可入力端子CEへ出力し、充電IC20に電池cell1~celln(Ni-MH電池NH1~NHn)に対する充電を開始させる。
【0084】
一方、ステップS1~SEの何れかにおいて、電池Cellnの種別がNi-MH電池NHではないと判別されるか、電池Cellnの電圧Vcellnが充電可電圧範囲(EL~EH)ではないと判定された場合(ステップS1(NG)~SE(NG))、制御部12は、例えば充電器30あるいは電池利用システム1である電子機器に設けた電池警告ランプを点滅させたり電池警告ブザーを鳴動させたりすることで、ユーザに対して、電池収容部11にNi-MH電池NH(二次電池)ではないアルカリ乾電池AL(一次電池)などの他の種別の電池が挿入されている状態であるか、あるいは充電可能な電圧範囲にない状態であることについて出力(通知)する(ステップSW)。
【0085】
制御部12は、充電可出力端子NIMHCHG_ENから充電IC20の充電可入力端子CEに対する充電可信号(Lowレベル)の出力を行なうことなく、誤充電を防止する。
【0086】
図10は、第3実施形態に係る電池利用システム1の電池3本直列時<3段目Ni-MH電池(側面露出部あり)>における3段目の電池種別判別と電池電圧判定とを説明する図である。
【0087】
図11は、第3実施形態に係る電池利用システム1の電池3本直列時<3段目アルカリ乾電池(側面露出部無し)>における3段目の電池種別判別と電池電圧判定とを説明する図である。
【0088】
図12は、第3実施形態に係る電池利用システム1の電池3本直列時<3段目アルカリ乾電池(側面露出部あり)>における3段目の電池種別判定と電池電圧判定とを説明する図である。
【0089】
なお、
図10~
図12に示す電池種判別装置10において、3段目の電池種別判定と電池電圧判定とに直接関わらない部分の図示は省略している。
【0090】
図10に示すように、3段目の電池Cell3がNi-MH電池NH3(側面露出部あり)である場合、
図10(A)に示すように、第3電池検出端子Cell3_Detに検出される1段目および2段目の電池Cell1,Cell2の電圧(Vcell1+Vcell2)から第2電池検出端子Cell2_Detに検出された1段目の電池Cell1の電圧Vcell1を引いた2段目の電池Cell2の電圧Vcell2は、充電可電圧範囲(EL~EH:0.3~1.33[V])になるので、制御部12は、3段目の電池cell3もNi-MH電池NH3であると判別できる(ステップS3(OK))。
【0091】
また、
図10(B)に示すように、電池電圧入力端子BATT_LEVELに入力される電池電圧VBAT(Vcell1+…+Vcell3)から第3電池検出端子Cell3_Detに検出される2段目の電池Cell2までの電圧(Vcell1+Vcell2)を引いた3段目の電池Cell3の電圧Vcell3は、充電可電圧範囲(EL~EH:0.3~1.33[V])になるので、制御部12は、3段目のNi-MH電池NH3も充電可電圧範囲(EL~EH)であると判定できる(ステップSE(OK))。
【0092】
これに対し、
図11に示すように、3段目の電池Cell3がアルカリ乾電池AL3(側面露出部無し)である場合、
図11(A)に示すように、第3電池検出端子Cell3_Detに検出される電圧0[V]から第2電池検出端子Cell2_Detに検出された1段目の電池Cell1の電圧Vcell1を引いた電圧は、充電可電圧範囲(EL~EH:0.3~1.33[V])にならず“-Vcell1[V]”になるので、制御部12は、3段目の電池cellはNi-MH電池NH3ではなく側面露出部の無い通常のアルカリ乾電池AL3(またはマンガン乾電池)であると判別できる(ステップS3(NG))。
【0093】
また、
図11(B)に示すように、電池電圧入力端子BATT_LEVELに入力される電池電圧VBAT(Vcell1+…+Vcell3)から第3電池検出端子Cell3_Detに検出される電圧0[V]を引いた電圧は、充電可電圧範囲(EL~EH:0.3~1.33[V])にならず“Vcell1+…+Vcell3”になるので、制御部12は、3段目のアルカリ乾電池AL3は充電可電圧範囲(EL~EH)でないと判定できる(ステップSE(NG))。
【0094】
さらに、
図12に示すように、3段目の電池Cell3がアルカリ乾電池AL3(側面露出部あり)である場合、
図12(A)に示すように、第3電池検出端子Cell3_Detに検出される1段目~3段目の電池Cell1~Cell3の電圧(Vcell1+Vcell2+Vcell3)から第2電池検出端子Cell2_Detに検出された1段目の電池Cell1の電圧Vcell1を引いた電圧は、“Vcell2+Vcell3”となって充電可電圧範囲(EL~EH:0.3~1.33[V])になる可能性は低いので、制御部12は、3段目の電池cellはNi-MH電池NH3ではなく側面露出部のあるアルカリ乾電池AL3であると略(高確率で)判別できる(ステップS3(NG))。
【0095】
なおここで、第3電池検出端子Cell3_Detに検出される1段目~3段目の電池Cell1~Cell3の電圧(Vcell1+Vcell2+Vcell3)から第2電池検出端子Cell2_Detに検出された1段目の電池Cell1の電圧Vcell1を引いた電圧(Vcell2+Vcell3)が、可能性は低いものの充電可電圧範囲(EL~EH:0.3~1.33[V])となって、制御部12により、3段目の電池cellがNi-MH電池NH3であると誤判定された場合でも(ステップS3(OK))、
図12(B)に示すように、電池電圧入力端子BATT_LEVELに入力される電池電圧VBAT(Vcell1+…+Vcell3)から第3電池検出端子Cell3_Detに検出される電圧(Vcell1+…+Vcell3)を引いた電圧は、充電可電圧範囲(EL~EH:0.3~1.33[V])にならず“0[V]”になるので、制御部12は、3段目の電池Cell3は充電可電圧範囲(EL~EH)でないと判定でき(ステップSE(NG))、誤充電を確実に防止できる。
【0096】
なお、前述の
図7を参照して説明したように、マンガン乾電池(側面露出部あり)の使用を仮定した場合、以下の
図13を参照して説明するように、
図9で示した電池種別判別処理での電池Celln毎の種別判別ステップS1,S2,…,Snにおいて、電池Cellnの内部抵抗Rinを測定する処理を組み合わせることで、Ni-NH電池NHかマンガン乾電池かの判別を行なえばよい。
【0097】
図13は、
図9の電池種別判別処理に組み合わせて実行される内部抵抗測定処理を示すフローチャートである。
【0098】
すなわち、
図9で示した電池種別判別処理での電池Celln毎の種別判別ステップS1,S2,…,Snにおいて、電池Cellnの種別がNi-MH電池NHnであると判別される(ステップSn(OK))毎に、制御部12は、
図7を参照して説明したように、電池Cellnの内部抵抗Rinを測定する(ステップS10)。
【0099】
そして、測定された電池Cellnの内部抵抗Rinが、30~200[mΩ]であるか否かを判定し(ステップS11)、内部抵抗Rin=30~200[mΩ]である場合(ステップS11(Yes))、制御部12は、電池cellnはマンガン乾電池(側面露出部あり)ではなくNi-NH電池NHnであると判別できる。制御部12は、n+1段目の電池Celln+1
の種別判別ステップSn+1に進む。
【0100】
一方、測定された電池Cellnの内部抵抗Rinが、30~200[mΩ]ではない場合(ステップS11(No))、制御部12は、電池cellnはNi-NH電池NHnではなくマンガン乾電池(側面露出部あり)であると判別できる。
【0101】
制御部12は、例えば充電器30あるいは電池利用システム1である電子機器に設けた電池警告ランプを点滅させたり電池警告ブザーを鳴動させたりすることで、ユーザに対して、電池収容部11にNi-MH電池NH(二次電池)ではないマンガン乾電池(一次電池)が挿入されている状態であることを出力(通知)する(ステップS12)。
【0102】
制御部12は、充電可出力端子NIMHCHG_ENから充電IC20の充電可入力端子CEに対する充電可信号(Lowレベル)の出力を行なうことなく、誤充電を防止できる。
【0103】
(第3実施形態のまとめ)
第3実施形態の電池利用システム1によれば、第2実施形態の構成に加えて、電池収容部11には、2段目の電池cell2の側面露出部Bcに接触する露出部導出端子11c2(第4端子)と同様に、3段目以降の電池cell3~cellnに対しても、それぞれその側面露出部Bcに接触する露出部導出端子11c3~11cn(第4端子)を設け、各々、制御部12の第3~第n電池検出端子Cell3_Det~Celln_Detに接続すると共に、プルダウン抵抗Rdnを介してグランドGに接続する。
【0104】
制御部12は、第n電池検出端子Celln_Det(ここでは、n=3~n)に入力される電圧(Vcell1+…+Vcelln-1)から第n-1電池検出端子Celln-1_Detに入力される電圧(Vcell1+…+Vcelln-2)を引いた電圧が、n-1段目の電池Celln-1の電圧Vcelln-1(充電可電圧範囲(EL~EH:0.3~1.33[V]))であることを、各段毎に順番に検出することで、電池収容部11に挿入された3段目以降の電池cell3~cellnもアルカリ乾電池ALではないNi-MH電池NH3~NHnであると判別できると共に、2段目~n-1段目のNi-MH電池NH2~NHn-1が各々充電可電圧範囲(EL~EH:0.3~1.33[V])であると判定する。
【0105】
さらに制御部12は、電池電圧入力端子BATT_LEVELに入力される電池電圧VBAT(ここではVcell1+…+Vcelln)から第n電池検出端子Celln_Detに検出される1段目~n-1段目までの電池Cell1~Celln-1の電圧(Vcell1+…+Vcelln-1)を減算することで、n段目のNi-MH電池NHnも充電可電圧範囲(EL~EH:0.3~1.33[V])であると判定する。
【0106】
制御部12は、充電IC20に充電可信号(Lowレベル)を出力し、n本直列のNi-MH電池NH1~NHnに対する充電を開始させることができる。
【0107】
よって、3段以上n段直列接続した電池を挿入可能な電池収容部11を備えた電池利用システム1においても、充電可能なNi-MH電池と充電不可のアルカリ乾電池やマンガン乾電池との違いを、仮に側面露出部Bc(第1部位)のあるアルカリ乾電池が挿入された場合も含めて、正確に判別して誤充電を防止し、電池利用システム1を正しく動作せることが可能になる。
【0108】
また、各実施形態の電池利用システム1によれば、制御部12の充電可出力端子NIMHCHG_ENから充電IC20の充電可入力端子CEに対する充電可信号(Lowレベル)の出力を制御して、電池収容部11に挿入された電池Cellnに供給する充電電圧を一定時間間隔でON/OFF動作させると共に、電池電圧入力端子BATT_LEVELと電池検出端子Celln_Detとを介して、電池Cellnに対する電池電圧VBATの電位差[V]と充電電流[A]とを検出し、電池Cellnの内部抵抗Rin[Ω]を測定する。電池Cellnの内部抵抗Rin[Ω]が、例えば30~200[mΩ]である場合には、電池cellnはNi-NH電池NHnであると判別でき、内部抵抗Rin[Ω]が、例えば500[mΩ]以上である場合には、電池cellnはマンガン乾電池(側面露出部あり)であると判別できる。
【0109】
従って、電池利用システム1の電池種判別装置10は、電池収容部11に対して、Ni-MH電池NHと、アルカリ乾電池ALと、マンガン乾電池と、の何れの種別の電池Cellnが挿入されているかを判別できる。
【0110】
よって、充電可能なNi-MH電池と充電不可のアルカリ乾電池やマンガン乾電池との違いを、仮に側面露出部Bc(第1部位)のあるマンガン乾電池が挿入された場合も含めて、正確に判別して誤充電を防止し、電池利用システム1を正しく動作せることが可能になる。
【0111】
なお、前記各実施形態の電池種判別装置10が判別対象とする電池Cellnは、円筒形の電池である場合について説明したが、これに限らず、電池の種別としてNi-MH電池(二次電池)のある形の電池であって、そのNi-MH電池の側面に負極端子Bbと同電位になる側面露出部Bc(第1部位)を設けることが可能な電池であればよい。
【0112】
また、Ni-MH電池(二次電池)の側面露出部Bc(第1部位)は、電池Cellnの下端部(負極端子Bb側の端部)から所定の長さで設ける構成に限らず、円形や矩形など、電池Cellnの側面の一部を露出させて設けてよい。
【0113】
すなわち、電池Cellnの外装缶の表面に設ける露出部Bc(第1部位)は、外装缶の側面に限らず、例えば、電力を外部に供給するために設けられている電極(正極端子Baまたは負極Bb)がある面とは異なる面などであって、電池Cellnの角部などであってもよい。
【0114】
また、前記各実施形態の電池種判別装置10では、制御部12に電池Cellnの内部抵抗を測定する機能を加えることで、Ni-MH電池NHと、アルカリ乾電池ALと、マンガン乾電池と、の何れの種別の電池Cellnが挿入されているかを判別できるが、Ni-MH電池NH(二次電池)ではない充電不可のアルカリ乾電池やマンガン乾電池が挿入されと判別した場合に、その判別結果として警告を出力(通知)する(
図9のステップSW/
図13のステップS12)だけでなく、あるいは警告の出力に代えて、判別した電池Cellnの種別を例えば異なる色のランプを点灯させて出力(通知)する構成としてもよい。
【0115】
また、前記各実施形態の電池種判別装置10では、Ni-MH電池NHと、アルカリ乾電池ALと、マンガン乾電池とを判別できるようにしたが、電池種別判別処理と内部抵抗測定処理とで判別可能な電池であれば、これらの電池の種別以外の電池の種別を判別するようにしてもよい。
【0116】
また、前記各実施形態の電池種判別装置10は、電池収容部(電池ボックス)11に対しユーザが充電不可の電池を誤挿入してしまうことによる誤充電を防止するものであるが、誤挿入が想定される電池の種別に応じて判別すべき電池の種別や判別のための処理を変えるようにしてもよい。例えば、特定種別の電池が挿入できない構造であったり、特定種別の電池が一般ユーザでは入手できなくなった等の理由により、特定種別の電池が誤挿入される可能性が低い場合には、特定種別の電池を判別するためだけに必要な回路や処理を省略するようにしてもよい。
【0117】
また、誤挿入であるか否かは、電池の利用目的に応じて決めるようにしてもよく、電池を充電して利用する場合には、充電不可の電池の挿入は誤挿入と見做されるが、充電はしないが特定の電池特性が必要な用途で利用する電池を挿入するような場合であれば、充電可能か否かとは別の基準で誤挿入か否かを判断したり、判別すべき電池の種別を選ぶようにしてもよい。
【0118】
また、電池種別判別処理においては、外側面が負極端子Bbと接続されている第1種別の電池(Ni-MH電池NH(側面露出部あり))と、外側面が正極端子Baと接続されている第2種別の電池(アルカリ乾電池AL(側面露出部あり))と、外側面が正極端子Baおよび負極端子Bcと絶縁されている第3種別の電池(アルカリ乾電池AL(側面露出部無し))のうちの少なくとも2つの種別の電池を判別するようにしてもよい。
【0119】
また、電池種別判別処理において、前記第1種別の電池(Ni-MH電池NH(側面露出部あり))と前記第3種別の電池(アルカリ乾電池AL(側面露出部無し))とを判別すべきであり、前記第2種別の電池(アルカリ乾電池AL(側面露出部あり))を判別する必要がなければ、第3端子11c1をプルアップ抵抗Rupを介して電源電位(VDD)に接続するが、前記第2種別の電池(アルカリ乾電池AL(側面露出部あり))と前記第3種別の電池(アルカリ乾電池AL(側面露出部無し))とを判別すべきであり、前記第1種別の電池(Ni-MH電池NH(側面露出部あり))を判別する必要がなければ、第3端子11c1をプルダウン抵抗Rdnを介してグランド電位(G)に接続するようにしてもよい。
【0120】
また、Ni-MH電池NHについて、電池の外側面の絶縁被覆を剥いだ仕様(側面露出部Bcあり)としたが、電池の内部抵抗Rinを測定するだけでは判別することが難しい他の電池がある場合に、Ni-MH電池NH以外の電池を、外側面の絶縁被覆を剥いだ仕様(側面露出部Bcあり)とするようにしてもよい。
【0121】
以上の各実施形態において記載した電池利用システム1による各処理の手法、すなわち、
図9のフローチャートに示す電池種判別処理、
図13のフローチャートに示す電池種別判別処理(
図9)に組み合わせて実行される内部抵抗測定処理などの各手法は、何れもコンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリカード(ROMカード、RAMカードなど)、磁気ディスク(フロッピ(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD-ROM、DVDなど)、半導体メモリなどの外部記録装置の媒体に格納して配布することができる。そして、電子機器の制御部(CPU)は、この外部記録装置の媒体に記録されたプログラムを記憶装置に読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されることにより、各実施形態において説明した各種の機能を実現し、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
【0122】
また、各手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態として通信ネットワーク上を伝送させることができ、この通信ネットワークに接続されたコンピュータ装置(プログラムサーバ)から、前記プログラムのデータを電子機器に取り込んで記憶装置に記憶させ、前述した各種の機能を実現することもできる。
【0123】
なお、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0124】
1 …電池利用システム
10 …電池種判別装置
11 …電池収容部
Celln…電池
NHn…Ni-MH電池
Ba …正極端子
Bb …負極端子
Bc …側面露出部
11a…正極導出端子(第1端子)
11b…負極導出端子(第2端子)
11c1…露出部導出端子(第3端子)
11c2~11cn…露出部導出端子(第4端子)
VBAT…電池電圧
G …グランド
Rup …プルアップ抵抗
Rdn …プルダウン抵抗
12 …制御部(CPU)
13 …記憶部
BATT_LEVEL…電池電圧入力端子
celln_Det…第n電池検出端子
NIMHCHG_EN…充電可出力端子
20 …充電IC
VBUS…外部電圧(USB電圧)
CE …充電可入力端子
30 …充電器
【手続補正書】
【提出日】2023-06-05
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明の実施形態は、電池種判別装置、電池利用システム、電池種判別方法およびプログラムに関する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、電池の内部抵抗を測定するだけでは判別することが難しい電池の種別を判別することが可能になる電池種判別装置、電池利用システム、電池種判別方法およびプログラムを提供することにある。
【手続補正4】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電池が挿入された状態で、
前記第1電池の正極端子と接触する第1端子と、
前記第1電池の負極端子と接触する第2端子と、
前記第1電池の前記正極端子および前記負極端子を除く第1部位と接触する第3端子と、
前記第1端子の電位または前記第2端子の電位との関係として検出される前記第3端子の電圧に応じて前記第1電池の種別を判別する制御部と、
を備える電池種判別装置。
【請求項2】
前記第1部位が電池内部の負極と接続されている第1種別の電池と、前記第1部位が電池内部の正極と接続されている第2種別の電池と、前記第1部位が電池内部の正極および負極と絶縁されている第3種別の電池のうちの少なくとも2つの種別の電池が挿入可能であり、
前記制御部は、検出される前記第3端子の電圧を第1閾値と比較することにより前記2つの種別を判別する、
請求項1に記載の電池種判別装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第1電池が前記第1種別の電池である場合は前記第1閾値よりも低い電圧を検出し、前記第1電池が前記第2種別の電池である場合は前記第1閾値よりも高い電圧を検出することで、前記第1種別の電池と前記第2種別の電池とを判別する第1判別処理と、
前記第1電池が前記第1種別の電池である場合は前記第1閾値よりも低い電圧を検出し、前記第1電池が前記第3種別の電池である場合は前記第1閾値よりも高い電圧を検出することで、前記第1種別の電池と前記第3種別の電池とを判別する第2判別処理と、
前記第1電池が前記第2種別の電池である場合は前記第1閾値よりも高い電圧を検出し、前記第1電池が前記第3種別の電池である場合は前記第1閾値よりも低い電圧を検出することで、前記第2種別の電池と前記第3種別の電池とを判別する第3判別処理と、
のうちのいずれかの判別処理を実行する、
請求項2に記載の電池種判別装置。
【請求項4】
前記制御部は、挿入可能な電池の種別と、判別すべき電池の種別に応じて、前記第1判別処理と前記第2判別処理と前記第3判別処理のうちのいずれか1つまたは複数の判別処理を実行するかが決められている、
請求項3に記載の電池種判別装置。
【請求項5】
前記第3端子は、前記第1閾値よりも高い電圧でプルアップされており、
前記制御部は、前記第2判別処理を実行する、
請求項4に記載の電池種判別装置。
【請求項6】
前記第3端子は、前記第1閾値よりも低い電圧でプルダウンされており、
前記制御部は、前記第3判別処理を実行する、
請求項4に記載の電池種判別装置。
【請求項7】
第1形状の電池を前記第1電池として挿入可能である、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電池種判別装置。
【請求項8】
前記制御部は、
更に、挿入された前記第1電池の内部抵抗を測定し、
前記第3端子から検出される電圧の検出結果と、前記内部抵抗の測定結果とに応じて、
前記第1部位が負極と接続されているNi-MH二次電池と、前記第1部位が正極と接続されているアルカリ乾電池と、前記第1部位が負極と接続されているマンガン乾電池と、の何れが挿入されたかを判別する、
請求項1に記載の電池種判別装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記第3端子から検出される電圧が第1閾値よりも低い電圧である場合に、前記測定される第1電池の内部抵抗が第1抵抗値から第2抵抗値の範囲内である場合は前記Ni-MH二次電池が挿入されたと判別し、
前記第3端子から検出される電圧が前記第1閾値よりも低い電圧である場合に、前記測定される第1電池の内部抵抗が前記第2抵抗値より大きい第3抵抗値以上である場合は前記マンガン乾電池が挿入されたと判別し、
前記第3端子から検出される電圧が前記第1閾値よりも高い場合は、前記アルカリ乾電池が挿入されたと判別する、
請求項8に記載の電池種判別装置。
【請求項10】
前記第1電池が複数段直列に挿入された状態で、
前記第3端子は、前記第2端子に近い側の1段目の第1電池の前記第1部位と接触するとともに、抵抗を介して電源の電位にプルアップされ、
前記1段目の第1電池よりも前記第1端子に近い側の2段目の第1電池の前記第1部位と接触するとともに、抵抗を介して負極の電位にプルダウンされる第4端子を備え、
前記制御部は、
前記第3端子および前記第4端子から検出される電圧に応じて挿入された複数の第1電池の種別を判別する、
請求項1に記載の電池種判別装置。
【請求項11】
前記制御部は、
前記第3端子から第1閾値よりも低い電圧を検出することにより、前記1段目の第1電池が、前記第3端子と接触する前記第1部位が負極となっている第1種別の電池であると判別し、
前記第3端子から第1閾値よりも高い電圧を検出することにより、前記1段目の第1電池が、前記第3端子と接触する前記第1部位が正極となっている第2種別の電池であると判別し、
前記第4端子から前記1段目の第1電池の正極端子に対応する電圧を検出することにより、前記2段目の第1電池が、前記第4端子と接触する前記第1部位が負極となっている第1種別の電池であると判別し、
前記第4端子から前記2段目の第1電池の正極端子に対応する電圧を検出することにより、前記2段目の第1電池が、前記第4端子と接触する前記第1部位が正極となっている第2種別の電池であると判別する、
請求項10に記載の電池種判別装置。
【請求項12】
前記制御部は、
前記第1電池の種別を判別した判別結果を出力する、
請求項1または請求項10に記載の電池種判別装置。
【請求項13】
前記制御部は、
挿入された前記第1電池の種別を、充電が可能な種別の電池であると判別した場合に、
前記挿入された第1電池に対する充電を開始させるための信号を出力する、
請求項1または請求項10に記載の電池種判別装置。
【請求項14】
前記制御部は、
前記第3端子から第1閾値よりも低い電圧を検出し、前記第4端子から第1閾値以上第2閾値以下の電圧を検出した場合に、挿入された複数段の第1電池の種別を充電が可能な種別の電池であると判別し、前記挿入された複数段の第1電池に対する充電を開始させるための信号を出力する、
請求項10に記載の電池種判別装置。
【請求項15】
請求項1に記載の電池種判別装置と、第1種別の電池と、第2種別の電池と、を含み、
前記第1種別の電池は、
前記正極端子および前記負極端子を除く電池内部の負極と接続されている部分が絶縁性の外装で覆われており、
前記電池種判別装置の前記第3端子と接触する前記第1部位は、前記絶縁性の外装で覆われずに電池内部の負極と接続されている部分が前記第3端子と接触可能に構成されており、
前記第2種別の電池は、
前記正極端子および前記負極端子を除く電池内部の正極と接続されている部分が絶縁性の外装で覆われており、
前記電池種判別装置の前記第3端子と接触する前記第1部位は、前記絶縁性の外装で覆われずに電池内部の正極と接続されている部分が前記第3端子と接触可能に構成されている、
電池利用システム。
【請求項16】
前記制御部は、
前記第3端子から第1閾値よりも低い電圧を検出することにより挿入された前記第1電池が、前記第1種別の電池であると判別し、
前記第3端子から第1閾値よりも高い電圧を検出することにより挿入された前記第1電池が、前記第2種別の電池であると判別する、
請求項15に記載の電池利用システム。
【請求項17】
挿入された前記第1電池を充電する充電部を有し、
前記第1種別の電池は、充電が可能な種別の電池であり、
前記第2種別の電池は、充電できない種別の電池であり、
前記制御部は、
前記第1種別の電池であると判別した場合には、前記充電部による充電を開始させ、
前記第2種別の電池であると判別した場合には、前記充電部による充電を開始せずに、ユーザに対して警告を行う、
請求項16に記載の電池利用システム。
【請求項18】
第1電池が挿入された状態で、
前記第1電池の正極端子と接触する第1端子と、
前記第1電池の負極端子と接触する第2端子と、
前記第1電池の前記正極端子および前記負極端子を除く第1部位と接触する第3端子と、
を備える電池種判別装置の制御部が、
前記第1端子の電位または前記第2端子の電位との関係として検出される前記第3端子の電圧に応じて前記第1電池の種別を判別する、
処理を実行するようにした電池種判別方法。
【請求項19】
第1電池が挿入された状態で、
前記第1電池の正極端子と接触する第1端子と、
前記第1電池の負極端子と接触する第2端子と、
前記第1電池の前記正極端子および前記負極端子を除く第1部位と接触する第3端子と、
を備える電池種判別装置の制御部が、
前記第1端子の電位または前記第2端子の電位との関係として検出される前記第3端子の電圧に応じて前記第1電池の種別を判別する、
処理を実行するように機能させるためのプログラム。