(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135413
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】端末装置、情報処理システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20240101AFI20240927BHJP
【FI】
G06Q50/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023046073
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】523105428
【氏名又は名称】海本 宜士
(71)【出願人】
【識別番号】523105417
【氏名又は名称】中嶋 康知
(74)【代理人】
【識別番号】100128886
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 裕弘
(72)【発明者】
【氏名】海本 宜士
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 康知
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC35
5L050CC35
(57)【要約】
【課題】撮影画像を用いた申請における不正を抑制する。
【解決手段】端末装置は、申請に必要な証拠を撮影する撮影手段と、前記撮影手段によって前記証拠を撮影したときの時間情報および前記証拠を撮影した場所の位置情報を取得する情報取得手段と、前記証拠の撮影画像、前記時間情報および前記位置情報の変更を制限する制限手段と、変更が制限された前記撮影画像、前記時間情報および前記位置情報を関連付けて、申請に関する情報を処理する情報処理装置に送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
申請に必要な証拠を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段によって前記証拠を撮影したときの時間情報および前記証拠を撮影した場所の位置情報を取得する情報取得手段と、
前記証拠の撮影画像、前記時間情報および前記位置情報の変更を制限する制限手段と、
変更が制限された前記撮影画像、前記時間情報および前記位置情報を関連付けて、申請に関する情報を処理する情報処理装置に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする、端末装置。
【請求項2】
前記情報処理装置にて変更が制限された状態で保存される前記撮影画像を閲覧するための閲覧情報を作成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記撮影手段は、前記情報取得手段による前記位置情報の取得に基づいて撮影が可能になる、
ことを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項4】
前記情報取得手段が前記位置情報を取得しているときに、前記撮影手段による撮影が可能になる、
ことを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項5】
前記情報取得手段が前記位置情報を取得することで前記撮影手段による撮影が可能になった後であって前記位置情報が取得されなくなった場合に、予め定められた時間以内における撮影が可能になる、
ことを特徴とする請求項4に記載の端末装置。
【請求項6】
前記情報取得手段により取得される前記位置情報が予め定められた位置に対応する場合に撮影が可能になる、
ことを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項7】
前記送信手段は、前記撮影手段により撮影が行われたときから一定時間前までの前記位置情報、および前記撮影手段により撮影が行われたときから一定時間後までの前記位置情報を前記情報処理装置に送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項8】
前記撮影手段は、前記情報取得手段による前記時間情報の取得に基づいて撮影が可能になる、
ことを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項9】
前記情報取得手段により取得される前記時間情報が予め定められた時間に対応する場合に、前記撮影手段による撮影が可能になる、
ことを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項10】
前記情報取得手段は、前記情報処理装置が管理する時刻情報を用いて特定される時間情報を取得する、
ことを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項11】
申請に関する情報を処理する情報処理装置と、
前記情報処理装置に前記申請に関する情報を送信する端末装置と、
を備え、
前記端末装置は、
申請に必要な証拠を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段によって前記証拠を撮影したときの時間情報および前記証拠を撮影した場所の位置情報を取得する情報取得手段と、
前記証拠の撮影画像、前記時間情報および前記位置情報の変更を制限する制限手段と、
変更が制限された前記撮影画像、前記時間情報および前記位置情報を関連付けて、前記情報処理装置に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする、情報処理システム。
【請求項12】
コンピュータに、
申請に必要な証拠を撮影する機能と、
前記証拠を撮影したときの時間情報および前記証拠を撮影した場所の位置情報を取得する機能と、
前記証拠の撮影画像、前記時間情報および前記位置情報の変更を制限する機能と、
変更が制限された前記撮影画像、前記時間情報および前記位置情報を関連付けて、申請に関する情報を処理する情報処理装置に送信する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置、情報処理システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、補助金申請を支援するために用いられる補助金支援システムであって、申請側装置では、承認装置がデータベースにアップロードした承認側情報を用いて申請処理を行い、常に最新の正しい承認側情報を基に申請を行うことから、申請情報のエラーを低減させ、承認装置では、申請側装置がデータベースにアップロードした第1の申請側情報を用いて承認処理を行い、常に最新の正しい申請側情報を基に申請情報のエラーチェックを行うことから、承認側の誤判定を低減させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば補助金などの申請において証拠を提出する必要がある。このような場合に、証拠を撮影した撮影画像を用いて申請を行うことができれば、申請を行う申請者にとっても、申請の内容を確認する確認者にとっても、それぞれ労力を省くことが可能になる。しかしながら、撮影画像を用いた申請では、例えば撮影画像の改ざんや本来とは異なる対象物が撮影されるなどの不正が行われる可能性もある。
本発明は、撮影画像を用いた申請における不正を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的のもと、本明細書に開示される技術は、申請に必要な証拠を撮影する撮影手段と、前記撮影手段によって前記証拠を撮影したときの時間情報および前記証拠を撮影した場所の位置情報を取得する情報取得手段と、前記証拠の撮影画像、前記時間情報および前記位置情報の変更を制限する制限手段と、変更が制限された前記撮影画像、前記時間情報および前記位置情報を関連付けて、申請に関する情報を処理する情報処理装置に送信する送信手段と、を備えることを特徴とする、端末装置である。
【0006】
ここで、前記情報処理装置にて変更が制限された状態で保存される前記撮影画像を閲覧するための閲覧情報を作成すると良い。
また、前記撮影手段は、前記情報取得手段による前記位置情報の取得に基づいて撮影が可能になると良い。
また、前記情報取得手段が前記位置情報を取得しているときに、前記撮影手段による撮影が可能になると良い。
また、前記情報取得手段が前記位置情報を取得することで前記撮影手段による撮影が可能になった後であって前記位置情報が取得されなくなった場合に、予め定められた時間以内における撮影が可能になると良い。
また、前記情報取得手段により取得される前記位置情報が予め定められた位置に対応する場合に撮影が可能になると良い。
また、前記送信手段は、前記撮影手段により撮影が行われたときから一定時間前までの前記位置情報、および前記撮影手段により撮影が行われたときから一定時間後までの前記位置情報を前記情報処理装置に送信すると良い。
また、前記撮影手段は、前記情報取得手段による前記時間情報の取得に基づいて撮影が可能になると良い。
また、前記情報取得手段により取得される前記時間情報が予め定められた時間に対応する場合に、前記撮影手段による撮影が可能になると良い。
また、前記情報取得手段は、前記情報処理装置が管理する時刻情報を用いて特定される時間情報を取得すると良い。
【0007】
かかる目的のもと、本明細書に開示される技術は、申請に関する情報を処理する情報処理装置と、前記情報処理装置に前記申請に関する情報を送信する端末装置と、を備え、前記端末装置は、申請に必要な証拠を撮影する撮影手段と、前記撮影手段によって前記証拠を撮影したときの時間情報および前記証拠を撮影した場所の位置情報を取得する情報取得手段と、前記証拠の撮影画像、前記時間情報および前記位置情報の変更を制限する制限手段と、変更が制限された前記撮影画像、前記時間情報および前記位置情報を関連付けて、前記情報処理装置に送信する送信手段と、を備えることを特徴とする、情報処理システムである。
【0008】
かかる目的のもと、本明細書に開示される技術は、コンピュータに、申請に必要な証拠を撮影する機能と、前記証拠を撮影したときの時間情報および前記証拠を撮影した場所の位置情報を取得する機能と、前記証拠の撮影画像、前記時間情報および前記位置情報の変更を制限する機能と、変更が制限された前記撮影画像、前記時間情報および前記位置情報を関連付けて、申請に関する情報を処理する情報処理装置に送信する機能と、
を実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、撮影画像を用いた申請における不正を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態の申請管理システムの全体構成図である。
【
図2】本実施形態の申請者端末装置および受付者端末装置のハードウェア構成図である。
【
図3】本実施形態の事業者端末装置のハードウェア構成図である。
【
図4】本実施形態のサーバ装置のハードウェア構成図である。
【
図5】本実施形態の申請者端末装置の機能ブロック図である。
【
図6】本実施形態の事業者端末装置の機能ブロック図である。
【
図7】本実施形態の受付者端末装置の機能ブロック図である。
【
図8】本実施形態のサーバ装置の機能ブロック図である。
【
図9】本実施形態の申請種管理テーブルの一例である。
【
図10】本実施形態の申請情報管理テーブルの一例である。
【
図11】本実施形態の申請者管理テーブルの一例である。
【
図12】本実施形態の事業者管理テーブルの一例である。
【
図13】本実施形態の事業者端末装置による偽装防止のフロー図である。
【
図14】本実施形態の事業者端末装置に表示される画面の説明図である。
【
図15】本実施形態の事業者端末装置に表示される撮影画像の検索画面である。
【
図16】本実施形態の抽出情報についての説明図である。
【
図17】本実施形態のサーバ装置が出力する出力ファイルの説明図である。
【
図18】申請に関する書類の画像に設けられるタグ情報の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本実施形態について説明する。
<申請管理システム1>
図1は、本実施形態の申請管理システム1の全体構成図である。
【0012】
本実施形態の申請管理システム1は、例えば補助金などの申請に関する手続きの一連の情報処理を行うシステムである。本実施形態の申請管理システム1の説明では、補助金の申請に関する例を用いる。また、本実施形態では、個人や事業者が自宅や事業所等に設備を設置する際に、その設備や設置に係わる費用の少なくとも一部を国が補助する例を用いる。そして、本実施形態では、例えば補助金申請の対象である設備が実際に設置されたことの証拠となる撮影画像など、申請に必要な情報など予め定められた申請先に提出する例を用いる。
【0013】
ここで、補助金とは、例えば国や自治体が個人や企業に対して、原則返済不要で交付する金銭的給付である。また、申請を行う個人や企業のことは、申請者と呼ぶ。申請に係わる設備は、申請者の自宅や社屋に設置されることが原則である。申請に伴って設備を設置する工事等を行う者は、事業者と呼ぶ。なお、事業者は、申請者に代わり補助金の申請のうち施工に関する証拠提出の役割の一部を担うことがある。また、補助金の補助対象者は、申請者である。補助金の給付は、原則として補助対象者である申請者に行うが、施工を行った事業者に対して行う場合もある。そして、申請者が行う申請を受け付ける者は、受付者と呼ぶ。なお、受付者は、例えば国や自治体の担当者や、国や自治体から補助金の執行業務の委託を受けた執行団体を例示することができる。
【0014】
そして、本実施形態の説明では、以下のような申請の手続きのケース例を用いる。このケースでは、申請者が、家屋に設置されていた古い設備(以下、旧設備)を、新しい設備(以下、新設備)に替えるものである。この際に、例えば新設備は省エネルギーの効果が期待できるものであり、国や自治体から新設備の代金および設備の設置工事費に対して補助金が給付される。そして、申請者は、この補助金に関する申請を行う。また、申請者は、一の事業者に設備の設置工事を依頼する。事業者は、申請に係わる設備の設置を行うとともに、申請に関して設備を設置したことを証明するなど申請に関する一部の手続きを担う。具体的には、事業者は、申請者の家屋において旧設備から新設備への取り替えが行われたことの証拠を示す撮影画像を撮影し、申請の証拠として提出する。特に、本実施形態の申請において、例えば設備などの証拠は、時間に応じて状態が変化するものである。この場合に、撮影画像は、例えば証拠の少なくとも第1時点および第2時点の状態など、時間に応じて状態が変化する証拠を撮影したものになる。
【0015】
なお、本実施形態の申請管理システム1では、電子データを取り扱う。本実施形態の説明において、例えば申請書、本人確認書類、写真、スキャンデータなどは、全て電子データ化されたものである。電子データは、例えばHTML形式などのマークアップ言語で記述されたもの、文書作成アプリケーションにより生成されたもの、JPEGやPDFなどの画像や文書ファイルの形式で作成されたものを例示できる。なお、本実施形態の説明では、説明の便宜上、書類や書面と表現するが、これらの情報は、電子データ化(デジタル化)されたものである。
【0016】
一方、受付者は、申請が正しく行われているということを、証拠の撮影画像を用いて確認する。受付者は、申請が行われたときに、設備が設置されるという設置日に対して、その前後で旧設備の取り外しおよび新設備の設置工事が行われていることを確認する。受付者は、例えば、申請された新設備の申請内容に対応する新設備が設置されたこと、申請の期日に従って証拠が提出されているなどの確認を行う。
なお、受付者は、申請に関する確認を行うために、申請に関するスケジュールに従って、設備の設置や設備の設置工事の確認を現地で行うことは大きな負担である。そこで、本実施形態の申請管理システム1では、申請に関する不正や誤りなどの不具合を抑制しながら、受付者のみならず申請者や事業者の申請に係わる負担を軽減する。
【0017】
そして、
図1に示すように、申請管理システム1は、申請をする申請者が利用する端末である申請者端末装置10と、申請に係る設備の設置工事を行う事業者が利用する端末である事業者端末装置30と、申請を受け付ける受付者が利用する端末である受付者端末装置50と、申請に関する情報を処理するサーバ装置70とを備えている。
【0018】
そして、本実施形態の申請管理システム1において、申請に必要な情報を申請者や事業者がサーバ装置70に登録することができる。また、受付者は、サーバ装置70に登録された設備の撮影画像などの各種の情報を確認することができる。そして、申請管理システム1では、登録される情報が、「いつ」の情報で、「どこ」の情報で、「なに」の情報であるかということを保証できるようになっている。これによって、本実施形態の申請管理システム1は、申請に必要な証拠などの情報が改ざんされないような仕組みを実現している。以下、本実施形態の申請管理システム1について詳細に説明する。
【0019】
申請者端末装置10、事業者端末装置30、受付者端末装置50およびサーバ装置70は、ネットワークを介して互いに接続されている。ネットワークは、各装置の間のデータ通信に用いられる通信ネットワークであれば特に限定されない。
【0020】
なお、本実施形態の説明の便宜上、申請者端末装置10、事業者端末装置30および受付者端末装置50をそれぞれ1台ずつ表示しているが、この態様に限定されない。例えば、本サービスにおいて申請をする申請者および施工する事業者の数に応じてそれぞれ複数台の端末装置によって申請管理システム1が構成されていてもよい。
【0021】
(申請者端末装置10)
申請者端末装置10は、申請管理システム1において相談の依頼をする依頼人が利用する端末装置である。申請者端末装置10には、例えば設置型のパーソナルコンピュータ(PC)を用いることができる。申請者端末装置10は、画面などの画像を表示するディスプレイ100を備えている。
なお、申請者端末装置10は、スマートフォンなどの携帯電話、タブレット型端末などの携帯端末機器など、ユーザが携行することが可能な装置でもよい。この場合、申請者端末装置10には、タッチパネルが設けられている。申請者端末装置10は、ユーザがタッチパネルにタッチすることでタッチパネルに表示される画像に対する操作および指示を行う。
【0022】
(事業者端末装置30)
事業者端末装置30は、設備の設置工事を行う事業者が主に操作する端末装置である。事業者端末装置30は、タブレット型端末やスマートフォンなどの携帯電話などの携帯端末機器等、事業者が携行することが可能な装置を用いることができる。本実施形態の事業者端末装置30は、タッチパネル式のディスプレイ300が設けられており、ディスプレイ300をユーザがタッチ操作することでディスプレイ300に表示される画像に対する操作や指示を行う。
また、本実施形態の事業者端末装置30は、対象の設備を撮影可能なカメラ308(後述)およびGPSシステムを利用して事業者端末装置30の位置情報(緯度・経度(座標))を取得可能なGPSセンサ309(後述)を搭載している。
【0023】
(受付者端末装置50)
受付者端末装置50は、申請管理システム1において相談の依頼をする依頼人が利用する端末装置である。受付者端末装置50には、例えば設置型のパーソナルコンピュータ(PC)を用いることができる。受付者端末装置50は、画面などの画像を表示するディスプレイ500を備えている。
なお、受付者端末装置50は、スマートフォンなどの携帯電話、タブレット型端末などの携帯端末機器など、ユーザが携行することが可能な装置でもよい。
【0024】
(サーバ装置70)
サーバ装置70は、クライアントである申請者端末装置10、事業者端末装置30および受付者端末装置50からの要求に応じて、管理している情報や作成した情報を提供する。なお、本実施形態のサーバ装置70は、単一の装置であることに限定されず、役割や機能が異なる複数の装置の集合体でもよい。
【0025】
続いて、各々の装置のハードウェア構成について具体的に説明する。
【0026】
図2は、本実施形態の申請者端末装置10および受付者端末装置50のハードウェア構成図である。
【0027】
図2に示すように、本実施形態の申請者端末装置10および受付者端末装置50は、プロセッサ101と、RAM(Random Access Memory)102と、HDD(Hard Disk Drive)103と、通信インターフェイス(以下、「通信I/F」と表記する)104と、表示デバイス105と、入力デバイス106とを備える。
【0028】
プロセッサ101は、OS(Operating System)やアプリケーション等の各種ソフトウェアを実行し、後述する各機能を実現する。
RAM102は、プロセッサ101の作業用メモリ等として用いられるメモリである。HDD103は、各種ソフトウェアに対する入力データや各種ソフトウェアからの出力データ等を記憶する例えば磁気ディスク装置である。
通信I/F104は、ネットワーク通信回線を介して、各種端末装置やサーバ装置との間で各種情報の送受信を行う。
【0029】
表示デバイス105は、各種情報を表示する例えばディスプレイである。入力デバイス106は、ユーザが情報を入力するために用いる例えばキーボードやマウスである。
【0030】
図3は、本実施形態の事業者端末装置30のハードウェア構成図である。
【0031】
図3に示すように、本実施形態の事業者端末装置30は、プロセッサ301と、RAM302と、ROM303と、記憶部304と、操作パネル305と、スピーカ306と、マイク307と、カメラ308と、GPSセンサ309と、通信インターフェイスI/F310とを備える。さらに、事業者端末装置30は、計時デバイス311と、モーションセンサ312とを備える。
【0032】
プロセッサ301は、ROM303などに記憶された各種プログラムをRAM302にロードして実行することにより、端末装置の上記各機能を実現する。
RAM302は、プロセッサ301の作業用メモリなどとして用いられるメモリである。
ROM303は、プロセッサ301が実行する各種プログラムなどを記憶するメモリである。
記憶部304は、各種アプリケーションソフトウェアのプログラム、および当該プログラムによって使用される各種データなどを記憶する例えばフラッシュメモリである。
操作パネル305は、各種情報の表示やユーザからの操作入力の受付を行う例えばタッチパネルである。
【0033】
スピーカ306は、通話先から受信された受話音声を含む種々の音声を出力する。
マイク307は、ユーザの発話音声を含む種々の音声を取得する。
カメラ308は、レンズと、CMOS(Complementary metal-oxide semiconductor)などの撮像素子(画像センサ)とを含み、被写体を撮影する。
【0034】
GPSセンサ309は、GPS(Global Positioning System)信号を取得し、端末装置の位置情報を取得する。
通信I/F310は、ネットワークなどを介して他の通信機器との間でデータを送受信する。
計時デバイス311は、リアルタイムクロック(real-time clock)を用いることができる。計時デバイス311は、例えば外部との通信状態にかかわらず、時刻を刻み続けることができる。
モーションセンサ312は、事業者端末装置30本体の動きを特定する。モーションセンサ312は、事業者端末装置30の角速度(回転速度)を検出する3軸ジャイロセンサ、事業者端末装置30の加速度を検出する3軸加速度センサ、および地磁気を検出して事業者端末装置30の絶対方向を検出する3軸地磁気センサを有している。
【0035】
ここで、プロセッサ301によって実行されるプログラムは、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で、端末装置へ提供し得る。また、プロセッサ301によって実行されるプログラムは、ネットワークを介して端末装置へダウンロードしてもよい。例えば、端末装置の上記各機能を実現するプログラムを、アプリケーションソフトウェアとして端末装置へダウンロードしてもよい。そして、ユーザは、端末装置にダウンロードしたアプリケーションソフトウェアをインストールして、上記サービスを利用する。
【0036】
図4は、本実施形態のサーバ装置70のハードウェア構成図である。
【0037】
図4に示すように、サーバ装置70は、プロセッサ701と、RAM702と、ROM703と、HDD704と、通信I/F705とを備える。
【0038】
プロセッサ701は、ROM703などに記憶された各種プログラムをRAM702にロードして実行することにより、サーバ装置70の上記各機能を実現する。
RAM702は、プロセッサ701の作業用メモリなどとして用いられるメモリである。
ROM703は、プロセッサ701が実行する各種プログラムなどを記憶するメモリである。
HDD704は、ユーザ情報などを記憶する例えば磁気ディスク装置である。
通信I/F705は、ネットワークを介して他の装置との間で各種情報の送受信を行う。
【0039】
ここで、プロセッサ701によって実行されるプログラムは、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で、サーバ装置70へ提供し得る。また、プロセッサ701によって実行されるプログラムは、サーバ装置70を介して事業者端末装置30などへダウンロードしてもよい。例えば、サーバ装置70の上記各機能を実現するプログラムを、アプリケーションソフトウェアとして端末装置などへダウンロードしてもよい。
【0040】
なお、本実施形態のサーバ装置70のプロセッサ701等によって実行されるプログラム(アプリケーションソフトウェア)は、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で各種のデバイスなどに提供することができる。
【0041】
続いて、各々の装置が実現する機能について説明する。
【0042】
図5は、本実施形態の申請者端末装置10の機能ブロック図である。
【0043】
図5に示すように、申請者端末装置10は、申請者が行う申請の手続を補助する申請手続補助部11と、補助金の種類などを提案する申請提案部12と、事業者を紹介する事業者紹介部13と、申請書類を記載内容に印を付けるタグ設定部14とを備えている。
【0044】
申請手続補助部11は、各種の補助金など種類の異なる複数の申請の情報をサーバ装置70から取得可能である。そして、申請手続補助部11は、申請者が行う申請に必要な書類の情報を申請者端末装置10のディスプレイ100に表示する。例えば、申請手続補助部11は、申請者が申請を申し込むための申請書や、申請者の本人確認書類など、申請で必要となる書類のリストを表示する。
【0045】
また、申請手続補助部11は、申請者が申請書の入力を行う際や、本人確認書類を添付する際に、申請者による情報の入力の補助を行う。申請手続補助部11は、申請書の入力フォームをディスプレイ100に表示させる。そして、申請手続補助部11は、申請者による入力フォームへの各種情報の入力を受け付ける。また、申請手続補助部11は、申請書をスキャンなどした画像のアップロードによっても、申請書に関する情報の入力を受け付けることが可能である。さらに、申請手続補助部11は、申請者の本人確認書類の撮影画像のアップロードなどを受け付ける。このように、申請手続補助部11は、申請に必要な情報のうち申請者による入力や指定が必要な情報を取得する。なお、申請者による入力が必要な情報としては、申請者の名前、住所、連絡先、申請する申請の種類や申請内容、申請者が発注する事業者の情報などを例示できる。
【0046】
そして、申請手続補助部11は、申請者から受け付けた申請書に関する申請情報や本人確認書類の情報をサーバ装置70に送信する。この場合に、申請手続補助部11は、送信すべき情報に対して、申請者の申請を一意に特定可能な申請IDを関連付けてサーバ装置70に送信する。
【0047】
申請提案部12は、上述のとおり、各種の補助金など種類の異なる複数の申請の情報をサーバ装置70から取得可能である。申請提案部12は、申請者に対して、申請者が利用することができる申請の情報を提案する。具体的には、本実施形態の申請提案部12は、申請者から申請の対象に関する対象情報を取得する。申請提案部12は、申請者から取得した対象情報に基づいて、申請者が利用することが可能な申請を提案する。例えば、申請提案部12は、申請者が撮影した設備の撮影画像を申請者から取得する。そして、申請提案部12は、旧設備から新設備に交換することで補助金の給付が受けられるような申請がある場合に、その申請の情報を申請者に提示する。このように、申請提案部12は、申請者が用いる端末装置などを用いて撮影された設備などの対象物の撮影画像に基づいて申請可能な申請の種類を通知することができる。
【0048】
事業者紹介部13は、複数の事業者に関する情報をサーバ装置70から取得可能である。そして、事業者紹介部13は、申請者から申請に関する情報を取得する。事業者紹介部13は、申請者から取得した申請に関する情報に基づいて、申請者が工事などの発注が可能な事業者を提示する。例えば事業者紹介部13は、申請情報における設備の設置工事を行うことが可能な事業者を、後述する事業者管理テーブル270を参照することで選択する。この場合に、事業者紹介部13は、例えば申請者の住所や事業者の住所の情報を用いることができる。これによって、事業者紹介部13は、申請者に複数の事業者の候補を提示する。
【0049】
タグ設定部14は、申請において提出される複数の証拠の撮影画像において共通する内容の部分画像を関連付ける。そして、タグ設定部14は、関連づけた情報をサーバ装置70に送信することができる。
タグ設定部14は、スキャンやカメラ撮影によって画像で取得した申請書や本人確認書類に対する枠画像の設定を受け付ける。本実施形態の申請管理システム1では、各種の情報が含まれる画像に対して、該当する画像部分に項目が紐づけられた枠画像(タグ)を設定可能になっている。例えば、「氏名」が記載されている本人確認書において、「氏名」の画像部分に対して氏名の項目の枠画像を指定できる。そして、この枠画像が設定された画像部分は、その後検索を行えるようになっている。
【0050】
タグ設定部14は、例えば「氏名」、「住所」、「識別番号」、「顔写真」などの項目にそれぞれ対応する枠画像の情報を備えている。そして、タグ設定部14は、対象の画像において特定の項目に対応する内容が表示されている画像部分に対して、申請者による枠画像の配置を受け付ける。そして、タグ設定部14は、申請書や本人確認書類などの画像部分に対する枠画像の指定をそれぞれ受け付けることが可能になっている。タグ設定部14は、枠画像が指定された情報をサーバ装置70に送信し、サーバ装置70により管理させる。
【0051】
図6は、本実施形態の事業者端末装置30の機能ブロック図である。
【0052】
図6に示すように、本実施形態の事業者端末装置30は、各種の情報を取得する情報取得部31と、撮影画像の改ざんを防止する偽装抑制部32と、情報が格納されるファイルを管理するファイル管理部33と、事業者による対象物の撮影を補助する事業者補助部34と、撮影した画像に関する処理を行う画像処理部35とを有する。
【0053】
また、本実施形態の事業者端末装置30では、事業者が申請に関する撮影画像などを登録するための専用のアプリケーションソフトウェア(以下、申請情報登録アプリと呼ぶ)によって上記の機能が実現される。
【0054】
本実施形態の事業者端末装置30は、申請に必要な設備などの証拠を撮影するカメラ308によって証拠を撮影したときの時間情報および証拠を撮影した場所の位置情報を取得し、証拠の撮影画像、時間情報および位置情報の変更を制限し、変更が制限された撮影画像、時間情報および位置情報を関連付けてサーバ装置70に送信する。これによって、例えば事業者による撮影画像の改ざんを抑制している。以下、事業者端末装置30が実現する構成について詳細に説明する。
【0055】
情報取得部31は、本実施形態の申請に必要な各種の情報を取得する。情報取得部31は、事業者の操作によって撮影された撮影画像と、事業者端末装置30の現在位置に応じて取得される位置情報と、事業者の操作の時間に関する時間情報とを取得する。また、情報取得部31は、撮影画像を画像解析することにより得られる抽出情報と、事業者端末装置30を一意に特定可能な端末情報と、事業者を一意に特定可能なアカウント情報とを取得する。
【0056】
情報取得部31は、事業者がカメラ308を用いて撮影した対象物を含む撮影画像を取得する。撮影画像は、例えば補助金申請における補助金の補助対象である設備の画像などを例示できる。
情報取得部31は、事業者が撮影を行った際に、そのときの位置情報をGPSセンサ309から取得する。
情報取得部31は、事業者が撮影を行った際に、計時デバイス311に基づいて特定される計時情報を取得する。
【0057】
情報取得部31は、画像処理部35が撮影画像を解析することで得られる抽出画像を取得する。抽出情報は、例えば撮影画像に含まれる文字情報や、撮影画像に含まれる設備の面積などの数値情報を例示できる。
情報取得部31は、事業者端末装置30を一意に特定する端末情報を取得する。端末情報は、例えば事業者端末装置30に含まれるUUID(Universally Unique Identifier)を例示できる。
【0058】
情報取得部31は、事業者を一意に特定可能なアカウント情報を取得する。アカウント情報は、事業者が本サービスを利用する際に、申請情報登録アプリにログインするときのログイン情報に基づいて作成する。
また、本実施形態の情報取得部31は、上述のとおり取得した各種の情報に対して、相互に関連付けて管理する。情報取得部31は、例えば撮影画像に対して、位置情報、時間情報、抽出情報、端末情報およびアカウント情報を関連付ける。そして、情報取得部31は、相互に関連付けた情報をファイル管理部33に送る。
【0059】
偽装抑制部32は、撮影画像が虚偽の内容になることを抑制する。例えば、偽装抑制部32は、申請された住所とは異なる地点で撮影画像が撮影されたり、申請されたタイミングとは異なる時点で撮影画像が撮影されたりすることを防止する。具体的には、偽装抑制部32は、撮影に制限をかけたり、虚偽の内容にしたりすることができないよう事前に抑制する。
【0060】
偽装抑制部32は、撮影地点の偽装を防止する位置偽装防止機能と、撮影時点の偽装を防止する時間偽装防止機能とを有している。例えば偽装抑制部32は、事業者端末装置30の位置情報の取得に基づきカメラ308を用いた撮影を可能にする。また、例えば偽装抑制部32は、時間情報の取得に基づきカメラ308を用いた撮影を可能にする。以下、これらの機能について詳細に説明する。
【0061】
「位置偽装防止機能」
偽装抑制部32は、位置偽装防止機能として、(1)信号受信の条件、(2)位置情報の受信履歴、(3)撮影地点の制限、(4)撮影時点の制限、(5)通信関連情報の特定などの各種の機能を有している。なお、偽装抑制部32は、これらの複数の機能について、全ての機能を搭載してもよく、一部の機能のみを搭載してもよい。
【0062】
(1)信号受信の条件
偽装抑制部32は、事業者端末装置30が位置情報を取得している場合に、カメラ308を用いた撮影を可能にする。本実施形態の偽装抑制部32は、事業者端末装置30がGPS信号の受信を条件として、事業者端末装置30のカメラ308を用いた対象の撮影を可能にする。偽装抑制部32は、事業者端末装置30がGPS信号を受信している場合に、カメラ308による撮影を可能にする。一方で、偽装抑制部32は、事業者端末装置30がGPS信号を受信できていない場合に、カメラ308による撮影を制限する。
【0063】
また、偽装抑制部32は、事業者端末装置30が位置情報を取得することでカメラ308を用いた撮影が可能になった後であって位置情報が取得されなくなった場合に、予め定められた時間以内における撮影を可能にする。本実施形態の偽装抑制部32は、事業者端末装置30がGPS信号を受信していることでカメラ308による撮影を可能にした状態から、事業者端末装置30がGPS信号を受信しなくなった場合であっても、GPS信号を受信できた最後の時点から一定時間内であれば撮影を可能にする。本実施形態の偽装抑制部32は、GPS信号の受信ができなくなってから例えば15分以内であれば、カメラ308を用いた撮影を可能にする。そして、偽装抑制部32は、GPS信号が受信できずに撮影している状態から一定時間が経過すると、撮影を制限する。この場合に、偽装抑制部32は、撮影を可能にするには、GPS信号の受信を条件にしている。
このように本実施形態の偽装抑制部32は、基本的には、GPS信号の受信を条件として撮影を許可しながら、例えばGPS信号を受信することができない地下や屋内における対象の撮影も可能にしている。
【0064】
(2)位置情報の受信履歴
偽装抑制部32は、カメラ308により撮影が行われたときから一定時間前までの事業者端末装置30の位置情報、およびカメラ308により撮影が行われたときから一定時間後までの事業者端末装置30の位置情報をサーバ装置70に送信する。本実施形態の偽装抑制部32は、事業者端末装置30にて撮影が行われた時点を基準として、前後の予め定められた期間の位置情報を記憶する。本実施形態の偽装抑制部32は、撮影が行われた時点以前の30分間の位置情報、および撮影が行われた時点以後の30分の位置情報を取得する。そして、偽装抑制部32は、事業者端末装置30にて撮影が行われた時点を基準として、前後の予め定められた期間の位置情報を撮影情報に関連づけてサーバ装置70に送る。
【0065】
(3)撮影地点の制限
偽装抑制部32は、事業者端末装置30の位置情報が予め定められた位置に対応する場合に撮影が可能になる。本実施形態の偽装抑制部32は、事業者端末装置30が予め定められた場所にいることを条件として対象物の撮影を可能にする。偽装抑制部32は、例えば申請者が申請した設備の設置場所の住所の情報を取得する。そして、偽装抑制部32は、撮影を行う際に、取得した住所に基づいてカメラ308を用いた撮影の制御を行う。本実施形態の偽装抑制部32は、事業者が設備等の撮影を行うときに、GPS信号に基づく撮影地点の位置情報と、申請において登録されている住所とを比較する。例えば、偽装抑制部32は、撮影が行われるときの事業者端末装置30の位置情報が、申請において登録されている住所と一致または一定の距離の範囲内である場合に、カメラ308による撮影を可能にする。一方で、偽装抑制部32は、撮影が行われるときの事業者端末装置30の位置情報が、申請において登録されている住所と一致しない、または一定の距離よりも離れている場合に、カメラ308による撮影を制限する。
【0066】
(4)撮影時点の制限
偽装抑制部32は、事業者端末装置30の時間情報が予め定められた時間に対応する場合に撮影が可能になる。本実施形態の偽装抑制部32は、予め定められた時間であることを条件として対象物の撮影を可能にする。偽装抑制部32は、例えば申請者が申請した設備の施工日時に関する情報を取得する。そして、偽装抑制部32は、撮影を行う際に、施工日時に基づいてカメラ308を用いた撮影の制御を行う。本実施形態の偽装抑制部32は、事業者が設備等の撮影を行うときに、時間情報と、申請において登録されている施工日時とを比較する。例えば、偽装抑制部32は、撮影が行われるときの時間情報が、申請において登録されている施工日時と一致または一定期間の範囲内である場合に、カメラ308による撮影を可能にする。一方で、偽装抑制部32は、撮影が行われるときの時間情報が、申請において登録されている施工日時と一致しない、または一定期間外である場合に、カメラ308による撮影を制限する。
【0067】
(5)通信関連情報の特定
偽装抑制部32は、事業者端末装置30のカメラ308を用いて撮影が行われる際に、GPS信号に基づく位置情報の特定とは別に、通信に関して特定される位置情報を取得する。本実施形態の偽装抑制部32は、例えば事業者端末装置30が通信を行う際に用いる携帯電話の基地局アンテナの情報を取得する。また、本実施形態の偽装抑制部32は、事業者端末装置30が無線LANを用いて通信を行う際に用いるアクセスポイントに関わる機器の情報を取得する。そして、偽装抑制部32は、通信に関して特定される位置情報を撮影情報に関連づけてサーバ装置70に送る。
このように、本実施形態の偽装抑制部32は、GPS信号による位置情報の特定とは別の位置情報も取得することで、撮影場所の位置の偽装を生じにくくしている。
【0068】
「時間偽装防止機能」
偽装抑制部32は、サーバ装置70が管理する時刻情報を用いて時間情報を特定する。本実施形態の偽装抑制部32は、時間偽装防止機能として、サーバ装置70から取得した時間情報に基づいて、撮影情報に関連付ける時間情報を特定する機能を有する。本実施形態の偽装抑制部32は、事業者が撮影を行う際に、サーバ装置70からその時点での日時の情報を取得する。そして、偽装抑制部32は、その時点で取得した日時を、申請情報登録アプリ上で時間を進める処理を行う。なお、本実施形態において事業者端末装置30のOS(Operation System)として設定される時間情報は用いないようにしている。
このように、本実施形態の偽装抑制部32は、端末装置のユーザが時刻設定など操作をすることが可能な時間情報を用いるのではなく、ユーザが操作することができない時間情報を用いる。
【0069】
偽装抑制部32は、事業者端末装置30における申請情報登録アプリに事業者がログインした際のアカウント情報を管理する。そして、偽装抑制部32は、アカウント情報に加えて、どの事業者端末装置30に用いて撮影が行われたかという情報を取得する。本実施形態では、事業者端末装置30にいて申請情報登録アプリに最後のログインした日時で管理を行う。
これによって、本実施形態では、事業者が複数の異なる事業者端末装置30を用いて撮影などを行った場合であっても、その端末装置を特定可能になっている。例えば、事業者が一の事業者端末装置30を申請に係わる場所に位置させ、他の事業者端末装置30を用いて一の事業者端末装置30とは異なる場所にて撮影を行うなどの偽装が抑制される。
【0070】
ファイル管理部33は、設備などの対象を撮影した一の撮影画像に、撮影した地点を特定可能な撮影位置情報、撮影した時点を特定可能な時間情報、事業者端末装置30を一意に特定可能な端末情報、および撮影者である事業者を特定可能なアカウント情報を関連付けて管理する。本実施形態のファイル管理部33は、申請情報登録アプリを起動した状態で申請情報登録アプリを介して撮影した全ての撮影画像に対して、それぞれ、位置情報、時間情報、端末情報、アカウント情報および抽出情報を関連付ける。
【0071】
ファイル管理部33は、単一または複数の画像ファイルを秘密フォルダに格納して管理する。ファイル管理部33は、秘密フォルダにパスワードをかける。これにより、ファイル管理部33は、本実施形態の申請情報登録アプリを介さずに証拠情報が含まれる秘密フォルダにアクセスした場合には、秘密フォルダ内の撮影画像を閲覧したり、ファイル名を編集したりすることを制限する。また、ファイル管理部33は、後述するようにサーバ装置70に保存されない撮影画像の削除も制限する。
なお、ファイル管理部33は、申請情報登録アプリを介して秘密フォルダにアクセスする場合には、秘密フォルダ内の撮影画像の閲覧やファイル名の編集を許可する。
【0072】
また、ファイル管理部33は、証拠情報のうち撮影画像に対して、例えばjpgなどの画像に関する拡張子を付さないようにしている。ファイル管理部33は、申請情報登録アプリでのみ認識可能な拡張子を撮影画像に付している。そして、ファイル管理部33は、申請情報登録アプリを介さずに事業者端末装置30の記憶部304に格納された撮影画像を閲覧しようとした際に、画像として認識されないようにしている。
【0073】
ファイル管理部33は、申請情報登録アプリを起動してから終了するまでに撮影された単一または複数の撮影画像を一つの秘密フォルダに格納する。一の申請において、事業者は、申請に係わる設備が設置される家屋にて、撮影対象である設備を撮影する。すなわち、撮影は、一の申請ごとにまとめて行われる。そのため、申請情報登録アプリの起動から終了までに撮影された撮影画像を一の秘密フォルダにまとめて、一の申請の単位で撮影画像がまとまるようにしている。
なお、以下の説明において、一つの撮影画像と、複数の撮影画像がまとめられた秘密フォルダを区別する必要がない場合には、撮影画像として説明を行う。例えば、ある機能の対象が撮影画像の単位である場合、その機能は、秘密フォルダ単位である場合にも同様に適用される。
【0074】
また、ファイル管理部33は、最後の撮影からGPS信号に基づいて特定される事業者端末装置30の位置が一定距離(例えば200m)を移動すると、新しい秘密フォルダを作成する。そして、ファイル管理部33は、一定距離の移動があった時点から申請情報登録アプリの終了または、再び一定距離の移動が発生するまでに撮影された撮影画像を、新しい秘密フォルダに保存する。上述のとおり、一の申請は、例えば一の家屋の単位で行われる。そのため、事業者端末装置30の位置が移動する場合には、他の家屋にて他の申請に関する撮影が行われていると考えられる。そこで、ファイル管理部33は、事業者端末装置30の移動に基づいて秘密フォルダを作成し、撮影された撮影画像をその秘密フォルダごとに格納するようにしている。
【0075】
ファイル管理部33は、自動または事業者による事業者端末装置30の操作を介した手動の操作に応じて、撮影画像をサーバ装置70に送信し、サーバ装置70に保存させる(所謂、アップロード)。なお、ファイル管理部33は、個々の撮影画像の単位でのサーバ装置70への保存が可能になっている。この場合に、ファイル管理部33は、事業者端末装置30において指定されている撮影画像のファイル名をそのままにサーバ装置70に保存する。
【0076】
そして、ファイル管理部33は、サーバ装置70に保存された撮影画像を事業者端末装置30から削除する。本実施形態のファイル管理部33は、サーバ装置70に撮影画像の保存が完了してから一定期間(例えば30日)の経過後に、その撮影画像を事業者端末装置30から削除する。
【0077】
ファイル管理部33は、事業者端末装置30に保存されている撮影画像と、サーバ装置70に保存されている撮影画像を、事業者端末装置30のディスプレイ300に表示する。このように、ファイル管理部33は、申請情報登録アプリを介して、事業者が撮影画像を閲覧できるようにしている。この閲覧の際に、ファイル管理部33は、撮影画像に関連付けられている、位置情報、時間情報、端末情報およびアカウント情報の参照を可能にする。
【0078】
ファイル管理部33は、例えば受付者など事業者端末装置30を操作する事業者以外の者が撮影画像を閲覧可能にする共有機能を実現する。ファイル管理部33は、事業者端末装置30を介して、共有の対象となる撮影画像の指定を受け付ける。そして、ファイル管理部33は、サーバ装置70にて変更が制限された状態で保存された当該撮影画像にアクセスするためのURLの作成をサーバ装置70に指示する。なお、ファイル管理部33は、秘密フォルダの単位でのアクセスのためのURLの発行を指示することも可能である。
【0079】
サーバ装置70が発行したURLは、例えば事業者端末装置30を介して、任意の者に通知することができる。例えば受付者は、URLを受け付けることで、受付者端末装置50を介してサーバ装置70に保存される撮影画像を閲覧可能である。なお、受付者は、撮影画像を閲覧する際に、撮影画像に関連付けられた位置情報、時間情報、端末情報およびアカウント情報を確認できる。
【0080】
ファイル管理部33は、サーバ装置70を介した撮影画像像の共有を事業者が停止させたい場合に、事業者から撮影画像の共有の停止の指示を受け付ける。
そして、ファイル管理部33は、サーバ装置70に対して、撮影画像に対応付けられたURLを変更する指示を送信する。このように、撮影画像に対応するURLが変更されることで、変更前に発行されたURLからは撮影画像にアクセスすることができなくなる。
また、ファイル管理部33は、サーバ装置70に対して、URLが作成されている撮影画像を削除する指示を送信する。これによって、URLから撮影画像にアクセスした場合であっても、URLに対応する撮影画像が削除されているため、撮影画像の共有がされなくなる。
【0081】
なお、ファイル管理部33は、サーバ装置70に対して、一度削除された撮影画像を再び元に戻す指示を受け付けることができる。この場合、サーバ装置70にて元に戻された撮影画像は、共有が再び可能な状態になる。
【0082】
ファイル管理部33は、撮影画像の検索を受け付ける。ファイル管理部33は、事業者から検索対象の撮影画像の条件を受け付ける。そして、ファイル管理部33は、受け付けた条件の指定に従って、事業者端末装置30およびサーバ装置70に保存されている撮影画像をディスプレイ300に表示する。
ファイル管理部33は、例えば撮影画像が撮影された地点や、撮影画像が撮影された時点などの検索の条件を受け付ける。ファイル管理部33は、例えば撮影場所ごとに分類された撮影画像のリストや例えば撮影日ごとに分類された撮影画像のリストをディスプレイ300に表示する。
【0083】
事業者補助部34は、事業者が行う撮影作業の管理を行う撮影管理機能と、事業者が撮影する際に補助を行う撮影補助機能とを備える。以下、これらの機能について具体的に説明する。
【0084】
(撮影管理機能)
事業者補助部34は、事業者が申請において提出する必要がある撮影画像の撮影スケジュールの表示を行う。例えば、事業者は、申請において設備の施工前、施工中および施工後の撮影画像が必要な場合が想定される。一方で、申請の申請条件には、申請において提出すべき証拠として撮影画像を提出すべき日時が含まれている。このような場合に事業者補助部34は、予め取得している申請のスケジュールに合わせて、施工前、施工中および施工後の撮影画像を取得すべき日時を事業者端末装置30のディスプレイ300に表示させる。つまり、事業者補助部34は、申請条件に応じて、証拠である例えば設備を撮影するタイミングを、事業者端末装置30を用いる事業者に対して通知する。これによって、本実施形態の事業者補助部34は、事業者が設備の撮影を忘れずに行えるようにしている。
【0085】
本実施形態の補助金の申請の例において、申請に係わる証拠書類として設備を撮影した撮影画像の提出が求められている。このような場合に、事業者補助部34は、申請において要求される形で撮影画像が提出されるように、撮影を行う事業者を補助する。
【0086】
事業者補助部34は、サーバ装置70から事業者が担当する申請に関する情報を取得する。事業者補助部34は、例えば設備を設置する施工日や申請における証拠の提出日の情報を取得する。また、事業者補助部34は、申請に必要な証拠の内容に関する情報を取得する。そして、事業者補助部34は、いつまでにどのような撮影画像を事業者が用意する必要があるかというスケジュールを事業者に伝える。
【0087】
本実施形態の事業者補助部34は、事業者が行うべき作業のスケジュール情報を事業者端末装置30のディスプレイ300に表示する。具体的には、事業者補助部34は、申請において証拠を提出する期日を事業者に示す。さらに、事業者補助部34は、例えば新しい設備の施工前における古い設備の撮影画像、設備の施工中の撮影画像、設備の施工後の撮影画像など証拠を撮影すべき期日を事業者に示す。
また、事業者補助部34は、例えば作業の期日の前に、事業者端末装置30において音声を用いてスケジュールに関する通知を行う。さらに、事業者補助部34は、予め登録されている事業者のメールアドレスを用いて、例えば期日の前に、スケジュールをメールで通知することができる。
【0088】
(撮影補助機能)
また、事業者補助部34は、撮影の対象物に応じた撮影内容となるように、撮影を行う際に撮影に関する情報を事業者に伝える。申請では、申請に係わる設備ごとに要求される撮影の内容がある。ある申請において要求される撮影条件として、以下の内容を例示できる。例えば撮影条件には、新しい設備を設置する際に、古い設備の全体が含まれるような全体の撮影画像、新しい設備の全体が含まれるような全体の撮影画像、新しい設備における設備の詳細を示す文字情報が含まれる撮影画像などを例示できる。
【0089】
本実施形態の事業者補助部34は、上記のように申請に必要な撮影内容となる撮影画像が得られるように、事業者端末装置30において撮影に関する指示を表示したり、撮影画面においてガイドを示したりする。すなわち、事業者補助部34は、設備などの証拠に応じた撮影条件を事業者に対して示す。
【0090】
事業者補助部34は、事業者が設備の撮影を行う際に、「〇〇の全てが含まれるように、全体を撮影してください。」といったテキストによる指示メッセージを表示する。
さらに、事業者補助部34は、事業者が設備の撮影を行う際に、撮影画像において設備を撮影すべき領域を示す枠画像をガイドとして表示する。また、事業者補助部34は、例えば施工の前後の設備を撮影する際に、以前に撮影した撮影画像を用いて、同様な画角などの撮影条件で設備を撮ることができるように補助する。
【0091】
また、事業者補助部34は、事業者が設備の撮影をした際に、撮影画像から設備の詳細を特定する。例えば事業者補助部34は、撮影した設備の画像と、予め定められたデータベースに記憶されている設備の画像とを比較することで、事業者が撮影した設備の名称や型番を特定する。また、事業者補助部34は、事業者が設備の撮影をした際に、後述する画像処理部35による設備の型番などの情報を取得する。そして、事業者補助部34は、申請の情報における設備の情報と、設備の撮影画像から特定される設備の情報とが対応するか否かを判定する。事業者補助部34は、申請の情報と、設備の撮影情報とが一致していない場合には、事業者端末装置30のディスプレイ300を介して、事業者にその旨を通知する。これによって、例えば事業者が誤って本来設置すべき設備とは異なる設備を設置しようとした際に、事業者に通知することが可能になる。
【0092】
画像処理部35は、撮影した撮影画像に対する解析を行い、撮影画像から予め定められた抽出情報を抽出する。本実施形態の画像処理部35は、証拠である設備を撮影した撮影画像から、その設備の仕様に関する情報を抽出情報として特定する。そして、画像処理部35は、抽出した抽出情報を撮影画像に関連付ける。
画像処理部35は、設備を撮影した撮影画像からテキスト情報を抽出する。具体的には、画像処理部35は、設備本体に付された例えば名板からOCR(Optical Character Reader)機能を用いて、設備に関するテキスト情報を抽出する。名板には、設備の名称や型番など設備に関する情報が記載されている。そして、画像処理部35は、設備を撮影した撮影画像から設備のテキスト情報を抽出する。
【0093】
また、画像処理部35は、設備を撮影した撮影画像からコード情報を抽出する。具体的には、画像処理部35は、設備本体に付された例えば名板からバーコードやQRコード(登録商標)などの二次元コードを抽出する。そして、画像処理部35は、二次コードから設備の名称や型番など設備に関する情報を抽出する。
【0094】
さらに、画像処理部35は、設備を撮影した撮影画像から設備のサイズに関する情報を抽出する。画像処理部35は、事業者端末装置30に設けられたモーションセンサ312を用いて、撮影画像および事業者端末装置30の動作に基づいて、撮影画像からサイズなどの距離の測定を行う。
本実施形態の画像処理部35は、例えば設備が窓である場合に、撮影画像から窓枠のサイズ(距離)および窓枠の面積を特定する。また、画像処理部35は、例えば設備が熱設備などの装置である場合に、その装置の筐体のサイズを特定する。
【0095】
そして、画像処理部35は、例えば位置情報などと同様に、撮影画像から抽出した抽出情報を撮影画像に関連付ける。すなわち、画像処理部35は、画像ファイルが保持する一の情報として抽出情報を関連付ける。
【0096】
図7は、本実施形態の受付者端末装置50の機能ブロック図である。
【0097】
図7に示すように、本実施形態の受付者端末装置50は、サーバ装置70に管理されている情報を閲覧する情報閲覧部51と、管理されている情報を検索する情報検索部52とを備えている。
【0098】
情報閲覧部51は、サーバ装置70に接続することで、サーバ装置70が管理する各種の情報を閲覧可能にする。情報閲覧部51は、受付者が希望する申請に関する書類の指定を受け付ける。そして、情報閲覧部51は、指定された申請に関する情報をサーバ装置70から取得し、受付者端末装置50のディスプレイ500に表示する。
【0099】
情報閲覧部51は、タグ付けされた情報に対してもアクセスすることが可能になっている。情報閲覧部51は、ある申請について関連付けられた項目に対して、一の項目の指定を受け付ける。情報閲覧部51は、一の項目に関する画像部分が並べられた画像を閲覧することできる。
【0100】
情報閲覧部51は、受付者端末装置50のディスプレイ500に、申請の情報のリストを表示することが可能である。そして、情報閲覧部51は、例えばリストに表示される一の申請が受付者により選択された場合に、その申請における申請書などの詳細な情報を表示する。
また、情報閲覧部51は、地図画像上に申請の情報を表示可能である。情報閲覧部51は、例えば、例えば申請者の住所や撮影画像に付加された位置情報など、申請の位置に関する情報に基づいて、地図上に複数の申請の情報を表示する。例えば、情報閲覧部51は、申請が行われている場所や、撮影が行われた場所などを受付者が地図上で確認できるようにしている。
【0101】
情報検索部52は、申請に関する情報の検索を受け付ける。情報検索部52は、申請者から検索対象の申請の情報の条件を受け付ける。そして、情報検索部52は、受け付けた条件の指定に従って、サーバ装置70に保存されている申請の情報をディスプレイ500に表示する。
【0102】
図8は、本実施形態のサーバ装置70の機能ブロック図である。
図9は、本実施形態の申請種管理テーブル210の一例である。
図10は、本実施形態の申請情報管理テーブル230の一例である。
図11は、本実施形態の申請者管理テーブル250の一例である。
図12は、本実施形態の事業者管理テーブル270の一例である。
【0103】
図8に示すように、本実施形態のサーバ装置70は、補助金などの各種の申請を管理する申請管理部71と、申請者に関する情報を管理する申請者管理部72と、事業者に関する情報を管理する事業者管理部73と、を備える。また、サーバ装置70は、撮影情報を管理する端末情報管理部74と、時刻を管理する時刻管理部75と、タグを付けた情報を管理するタグ情報管理部76と、を備える。さらに、サーバ装置70は、情報に関する要求に対応する情報アクセス管理部77と、PDFなどの書類を出力する出力処理部78と、申請の適否に関する警告を出力するアラート部79と、を備える。
【0104】
申請管理部71は、本実施形態の申請管理システム1で管理する複数の種類の申請を管理する。また、申請管理部71は、各々の申請ごとの詳細な情報を管理する。そして、申請管理部71は、
図9に示す申請種管理テーブル210を用いて各々の申請を管理している。
【0105】
図9に示すように、申請種管理テーブル210には、申請種ID、申請名、条件、給付額、必要書類および指定事業者などの項目が含まれる。
【0106】
申請種IDは、一の申請を一意の特定可能な情報である。申請種IDには、申請ごとに個別に作成された英数字などを用いることができる。
申請名は、一の申請を示す名称である。申請名は、申請ごとに特定される。
条件は、一の申請を利用する際の条件に関する情報である。例えば条件には、対象者、申請期間など申請に関する各種の情報が含まれる。
給付額は、申請により給付される給付の金額に関する情報である。
【0107】
必要書類は、申請において求められる書類に関する情報を示す。必要書類は、例えば申請者が申請の意思を示す申請書、本人確認のための本人確認書類、施工写真や特許出願の受領書など申請に関する事実を証明するための証拠書類などを例示できる。
指定事業者は、申請の対象となる商品やサービスを具体的に取り扱うことが可能な事業者を示す情報である。指定事業者は、例えば申請の対象が設備の販売や設置である場合に、設備や設置工事を行うことが可能な事業者が該当する。また、指定事業者は、例えば申請の対象が特許出願である場合、特許出願手続の代理を行うことが可能な事業者が該当する。
【0108】
申請管理部71は、申請に関わる各種の情報を上述した申請種管理テーブル210を用いて更新などの管理を行う。また、申請管理部71は、例えば事業者端末装置30などからの要求に応じて、申請種管理テーブル210に格納される各種の情報を送信する。
【0109】
また、申請管理部71は、本実施形態の申請管理システム1を用いて申請が行われた申請を管理する。申請管理部71は、申請が行われた申請ごとの詳細な情報を管理する。そして、申請管理部71は、
図10に示す申請情報管理テーブル230を用いて申請が行われた申請を管理する。
【0110】
図10に示すように、申請情報管理テーブル230には、申請ID、申請種ID、申請者ID、事業者ID、申請書、添付書類URL、確認フラグ、ステータスなどの項目が含まれる。
【0111】
申請IDは、申請された申請を一意に特定可能な情報である。申請IDには、申請ごとに個別に割り当てられた英数字などが用いられる。
申請種IDは、申請された一の申請を特定可能な情報である。申請種IDは、上述した申請種管理テーブル210にて管理されているものが用いられる。
申請者IDは、申請を行った申請者を特定可能な情報である。申請者IDは、後述する申請者管理テーブル250により管理されるものが用いられる。
【0112】
事業者IDは、申請における設備の工事などを請け負う事業者を特定可能な情報である。事業者IDは、後述する事業者管理テーブル270により管理されるものが用いられる。
申請書は、申請者が作成した申請の意思を示す書面である。申請書には、申請者名や申請内容などの各種の情報が記載される。
添付書類URLは、申請書に添付する各種の書類を参照する際に用いるURL情報である。本実施形態では、申請書に添付する各種の書面は、サーバ装置70に保存される。添付書類URLは、サーバ装置70に保存された各種の書面にアクセスするためのULR情報である。例えば、添付書類URLには、サーバ装置70が発行したURLであって、申請の証拠に用いられる撮影画像にアクセスするためのURL情報が登録される。
【0113】
確認フラグは、後述するサーバ装置70によって申請の内容に確認の必要があると判定された場合に、その判定結果を示すための情報である。確認フラグは、申請の内容に例えば不具合があると判定された場合には「ON」が設定される。一方で、確認フラグは、申請の内容に不具合の判定がない場合には「OFF」が設定される。このように、確認フラグは、予め設定された条件を満たす場合に設定されるものである。なお、確認フラグは、申請における不具合の有無を決定するものではなく、例えば受付者による確認を促すためのものである。
【0114】
ステータスは、各々の申請の進捗状況を示す情報である。ステータスには、申請の進行に状態を示す「申請中」、「確認済」および「給付済」などの情報が登録される。例えば「申請中」は、申請が開始された状態を示す。「確認済」は、受付者による申請内容の確認が完了した状態を示す。「給付済」は、申請による補助金の給付が完了した状態を示す。
【0115】
申請者管理部72は、申請管理システム1を用いて申請を行う申請者を管理する。申請者管理部72は、申請を行う申請者ごとの詳細な情報を管理する。そして、申請者管理部72は、
図11に示す申請者管理テーブル250を用いて申請を行う申請者を管理する。
【0116】
図11に示すように、申請者管理テーブル250には、申請者ID、申請者名、住所、連絡先、申請IDおよび事業者IDなどの項目が含まれる。
【0117】
申請者IDは、申請を行う申請者を一意に特定可能な情報である。申請者IDには、申請者ごとに個別に作成された英数字などを用いることができる。
申請者名は、申請を行う申請者の名前である。
住所は、申請を行う申請者の住所である。
【0118】
連絡先は、申請者に連絡をする際に用いられる情報である。連絡先には、申請者の電話番号や申請者のメールアドレスなどの情報が用いられる。
申請IDは、申請者が申請した申請を特定可能な情報である。申請IDは、申請種管理テーブル210により管理されるものが用いられる。
事業者IDは、申請者が申請に関わる作業の発注先である事業者を特定可能な情報である。事業者IDは、事業者管理テーブル270により管理されるものが用いられる。
【0119】
事業者管理部73は、本実施形態の申請管理システム1を使う事業者を管理する。事業者管理部73は、請負事業を行う事業者ごとの詳細な情報を管理する。そして、事業者管理部73は、
図12に示す事業者管理テーブル270を用いて事業者を管理する。
【0120】
図12に示すように、事業者管理テーブル270には、事業者ID、事業者名、住所、連絡先および対応情報などの項目が含まれる。
【0121】
事業者IDは、事業者を一意に特定可能な情報である。事業者IDには、事業者ごとに個別に作成された英数字などを用いることができる。
事業者名は、事業者の名称に関する情報である。
住所は、事業者の住所に関する情報である。住所は、例えば事業者の事務所の住所を例示することができる。
連絡先は、事業者に連絡をする際に用いられる情報である。連絡先には、事業者の事務所の電話番号や、事業者のメールアドレスなどの情報が用いられる。
【0122】
対応情報は、事業者が対応することが可能な申請が登録される。対応情報には、事業者ごとに対応可能な申請の申請IDが登録される。
【0123】
端末情報管理部74は、事業者端末装置30から取得した各種の情報を管理する。本実施形態の端末情報管理部74は、事業者端末装置30から撮影画像を取得する。本実施形態の撮影画像には、撮影した場所の位置情報、撮影した日時の時間情報、撮影した事業者のアカウント情報、および撮影した端末装置の端末情報が含まれる。また、端末情報管理部74は、事業者端末装置30から取得した撮影画像からの抽出情報も管理する。
そして、端末情報管理部74は、事業者端末装置30から取得した指示に従って、撮影画像を記憶する。また、端末情報管理部74は、事業者端末装置30から取得した指示に応じて、記憶していた撮影画像を削除する場合もある。
【0124】
端末情報管理部74は、事業者端末装置30から取得した各種の情報を用いて、情報を共有するための共有情報を作成する。具体的には、端末情報管理部74は、撮影画像、位置情報、時間情報、アカウント情報、端末情報および抽出情報をまとめた共有情報を作成する。端末情報管理部74は、後述する情報アクセス管理部77による情報の共有が行われた際には、作成した共有情報を要求に応じて送信する。
【0125】
端末情報管理部74は、申請者端末装置10から取得した申請の申請情報を管理する。本実施形態の端末情報管理部74は、電子データ化された申請書に関する情報を管理する。また、端末情報管理部74は、申請書に添付される証拠などの添付書類についもて管理する。
【0126】
そして、本実施形態の端末情報管理部74は、申請者端末装置10、事業者端末装置30および受付者端末装置50などの端末装置からの要求に応じて、情報の新規の登録や更新、さらに情報の送信などを行う。
【0127】
時刻管理部75は、事業者端末装置30にて用いられる時刻の管理を行う。時刻管理部75は、例えば事業者端末装置30とは独立して、現在時刻などの時間を管理する。そして、時刻管理部75は、事業者端末装置30にて対象の撮影が行われる際に、独自に管理している時間情報を事業者端末装置30に送信する。
【0128】
タグ情報管理部76は、申請者が申請する際にサーバ装置70に対して送信する申請書や本人確認書類などの各種書類に設定されるタグ情報を管理する。タグ情報管理部76は、項目と枠画像の種類とを管理する。タグ情報管理部76は、「氏名」、「住所」、「識別番号」、「顔写真」などの項目を設けている。また、タグ情報管理部76は、各々の項目に、それぞれ異なる色の枠画像が指定する。例えばタグ情報管理部76は、「氏名」のタグの項目に赤色の画像枠を設定し、「住所」の項目に青色の画像枠を設定する。
【0129】
さらに、タグ情報管理部76は、要求に応じて、複数の書類において、指定された項目の枠画像が示す画像部分を表示可能になっている。タグ情報管理部76は、例えば氏名の項目が指定された場合に、申請書や本人確認書類など各種の書類において氏名に対応する枠画像が設定された画像部分を表示する。この場合、タグ情報管理部76は、申請書において氏名が記載される画像部分と、本人確認書類において氏名が記載される画像部分とを抽出して表示する。これによって、タグ情報管理部76は、複数の書類において指定された項目が記載されている画像部分を、書類ごとに画像で表示させる。
【0130】
情報アクセス管理部77は、事業者端末装置30からの指示に応じて、指示された撮影画像の共有を行う。本実施形態の情報アクセス管理部77は、端末情報管理部74が管理する撮影画像にアクセスするためのURLを発行する。そして、情報アクセス管理部77は、発行したURLを事業者端末装置30に通知する。
【0131】
情報アクセス管理部77は、撮影画像について既に発行したURLを変更する指示を受け付けると、当該撮影画像にアクセスするためのURLを新規に発行する。そして、情報アクセス管理部77は、新規に発行したURLを事業者端末装置30に通知する。
【0132】
なお、情報アクセス管理部77は、撮影画像のURLを発行することで、URLを用いたアクセスにより、撮影画像の情報を閲覧させる。ただし、情報アクセス管理部77は、閲覧のみを許可するものである。このように、本実施形態では、撮影画像の閲覧のみを可能にする一方で、撮影画像に対する内容の編集などを受けえ付けない。そして、本実施形態の申請管理システム1では、サーバ装置70上で撮影画像に対する改ざんなどが不可能または極めて困難にしている。
【0133】
出力処理部78は、要求に応じて、撮影画像の情報をダウンロード可能にする。本実施形態の出力処理部78は、URLが発行されることで共有されている撮影画像をダウンロード可能なデータ形式の出力ファイルとして出力する。本実施形態の出力処理部78は、撮影画像を例えばPDF(Portable Document Format)にして出力する。
出力処理部78は、出力ファイルに、撮影画像、撮影したときの撮影時間、撮影した場所の位置情報、撮影者であるアカウント情報および撮影した端末装置の端末情報などを含めている。
【0134】
アラート部79は、取得した設備などの証拠の撮影画像に基づいて、申請の適否に関する通知を行う。本実施形態のアラート部79は、各種の条件に基づいて警告に関する通知を行う。アラート部79は、申請の作業が完了前には、申請者や事業者に対して、申請者端末装置10や事業者端末装置30を介してアラートを通知する。また、アラート部79は、申請の作業が完了後には、受付者に対して受付者端末装置50を介してアラートを通知する。
本実施形態のアラート部79は、(1)申請要件の不足、(2)申請条件に関する不整合、および(3)撮影画像の不具合、の各観点に基づいてアラートを出力する。
【0135】
(1)申請要件の不足
アラート部79は、申請において必要な情報が不足している場合に、警告などの予め定められた通知を出力する。例えば、アラート部79は、例えば申請に関する書類における記載項目に不足がある場合や、申請において提出する資料に不足がある場合に、不足の内容を申請者や事業者に通知する。
【0136】
(2)申請条件に関する不整合
アラート部79は、申請の内容と提出される撮影画像などの証拠書類の内容とを比較する。そして、アラート部79は、内容の整合が無いと判定した場合には、その旨を申請者や事業者に通知する。例えば、アラート部79は、撮影画像から、撮影画像に付加された位置情報、時間情報、抽出情報などの各種情報を参照する。一方で、アラート部79は、申請の情報を参照し、例えば設備の設置場所、設備の設置時期、設備自体の内容などを特定する。そして、アラート部79は、申請の内容と撮影画像から特定される情報との整合が取れない場合には通知をする。このように、アラート部79は、申請条件と、設備などの証拠を撮影したときの時間情報および設備などの証拠を撮影した場所の位置情報との比較によって、申請の適否に関する通知を行う。
なお、アラート部79は、例えば申請の証拠書類として位置情報、時間情報、抽出情報などの情報を取得できない場合においても、同様に警告を通知する。
【0137】
(3)撮影画像の不具合
本実施形態のアラート部79は、一の申請において、設備などの証拠を撮影した複数の撮影画像の比較によって、申請の適否に関する通知を行う。アラート部79は、例えば設備の施工前、施工中および施工後の各々の撮影画像を比較する。これらの複数の撮影画像において、例えば設備が設置される背後の画像が対応しないなどの不具合を検出する。アラート部79は、このように一の申請において提出される複数の撮影画像の整合が確認できない場合に警告を通知する。
【0138】
アラート部79は、複数の異なる申請において各々撮影された一の証拠の複数の撮影画像の比較によって、申請の適否に関する通知を行う。アラート部79は、対象となる申請において申請された設備と同じ設備を申請している他の申請で提出された撮影画像を収集する。そして、アラート部79は、同じ設備を撮影したとされる一の撮影画像と、他の撮影画像とを比較する。アラート部79は、設備を撮影した撮影画像の中に、他の撮影画像とは対応しない撮影画像があった場合に、その撮影画像の申請に不具合があるとして警告を行う。
【0139】
そして、本実施形態のアラート部79は、撮影画像が申請の要件に適している場合には、申請情報管理テーブル230における確認フラグをOFFに設定する。一方で、本実施形態のアラート部79は、撮影画像が申請の要件を満たしていない場合には、申請情報管理テーブル230における確認フラグをONに設定する。
【0140】
続いて、本実施形態の申請管理システム1において、事業者端末装置30に実装される偽装防止に関する動作の具体例を説明する。
図13は、本実施形態の事業者端末装置30による偽装防止のフロー図である。
【0141】
図13に示すように、事業者端末装置30は、申請情報登録アプリが起動されると、サーバ装置70から時間情報を取得する(S1301)。そして、事業者端末装置30は、GPS信号を受信できているかを判断する(S1302)。GPS信号を受信できている場合に(S1302にてYES)、秘密フォルダが未作成か判断する(S1303)。秘密フォルダが未作成である場合(S1303にてYES)、秘密フォルダを作成する(S1304)。
【0142】
その後、撮影の実行を判断する(S1305)。撮影が実行された場合(S1305にてYES)、事業者端末装置30は、撮影が実行されたときの時間情報を取得する(S1306)。さらに、事業者端末装置30は、撮影が実行されたときの位置情報を取得する(S1307)。そして、事業者端末装置30は、撮影された画像に時間情報および位置情報を少なくとも関連付けた撮影画像を作成する(S1308)。事業者端末装置30は、秘密フォルダに作成した撮影画像を保存する(S1309)。
その後、事業者端末装置30は、申請情報登録アプリが終了したかを判断する(S1310)。申請情報登録アプリが終了している場合(S1310にてYES)、処理を終了する。
【0143】
一方、S1305にて撮影が実行されていないと判断された場合(S1305にてNO)、または、S1310にて申請情報登録アプリが終了していない場合(S1310にてNO)、再びS1302に戻って、GPS信号を受信しているか判断する(S1302)。そして、S1302にてGPS信号を受信してない場合(S1302にてNO)、GPS信号を最後に受信してから一定時間が経過しているか判断する(S1311)。
GPS信号を最後に受信してから一定時間以内である場合(S1311にてNO)、S1303の秘密フォルダ未作成の判断、S1305の撮影実行の判断のステップに進む。
一方、GPS信号を最後に受信してから一定時間経過した場合(S1311にてYES)、撮影に関する処理を終了する。
【0144】
また、S1303にて秘密フォルダが作成済の場合(S1303にてNO)、事業者端末装置30に一定距離以上の移動があるかを判断する(S1312)。一定距離以上の移動がなければ(S1312にてNO)、S1305の撮影実行の判断のステップに進む。一方、一定距離以上の移動がある場合には(S1312にてYES)、新規の秘密フォルダを作成する(S1304)。この場合、この後に作成された撮影画像は、新規に作成された秘密フォルダに保存される。
【0145】
以上のように、本実施形態の事業者端末装置30による対象の撮影画像の一連の処理が実行される。上述のとおり、撮影画像には、撮影画像を撮影した位置情報および時間情報等が関連付けられて保存される。さらに作成された撮影画像は、秘密フォルダに保存される。これによって、撮影画像の撮影場所や撮影日時が改ざんされることなくサーバ装置70に保存される。なお、サーバ装置70においても、撮影画像、位置情報および時間情報等に対する編集などの変更が制限されている。このため、事業者端末装置30のみならず、サーバ装置70にて管理される撮影画像等の改ざんが極めて困難になっている。
【0146】
次に、本実施形態の事業者端末装置30による事業者が撮影する際の補助について説明する。
図14は、本実施形態の事業者端末装置30に表示される画面の説明図である。
【0147】
図14(A)に示すように、施工前において、事業者端末装置30のディスプレイ300には、第1補助画面410が表示される。第1補助画面410には、カメラが映す撮影画面411と、撮影ガイド412と、撮影実行ボタン413と、指示メッセージ414とが表示される。
【0148】
そして、撮影ガイド412は、撮影画面411において旧設備460における外形を合わせる位置を示す。指示メッセージ414は、新設備を設置するための施工前であって、旧設備が設置されている状態を撮影することを指示するテキストである。また、指示メッセージ414は、撮影ガイド412に設備を合わせて撮影することも指示する。そして、この例では、施工前に、事業者によって旧設備450が撮影される。
【0149】
図14(B)に示すように、施工中において、事業者端末装置30のディスプレイ300には、第2補助画面420が表示される。第2補助画面420には、撮影画面411と、撮影実行ボタン413と、透かし画像421と、指示メッセージ422とが表示される。透かし画像421は、施工前において撮影した設備を含む撮影画像の透明度を高めた画像である。透かし画像421は、施工中において設備が取り外された証拠の状態を撮影するための案内をする。また、指示メッセージ422は、旧設備の取外し後であって新設備を設置する前の施工中の状態を撮影することを指示するテキストである。また、指示メッセージ422は、透かし画像421に合わせて撮影することを指示する。
【0150】
図14(C)に示すように、施工後において、事業者端末装置30のディスプレイ300には、第3補助画面430が表示される。第3補助画面430には、撮影画面411と、撮影実行ボタン413と、指示メッセージ431とが表示される。指示メッセージ431は、新設備の設置後である施工後の状態を撮影することを指示するテキストである。また、指示メッセージ431は、透かし画像421(
図14(B)参照)に合わせて、新設備を撮影することを指示する。そして、この例では、施工前に、事業者によって旧設備460が撮影される。
【0151】
図15は、本実施形態の事業者端末装置30に表示される撮影画像の検索画面である。
【0152】
図15(A)および
図15(B)に示すように、事業者端末装置30のディスプレイ300には、地図画像610と、端末保存リスト620と、サーバ保存リスト630と、検索部640とが設けられる。
地図画像610には、事業者端末装置30を用いて撮影が行われた地点611が表示される。そして、事業者が任意の地図画像610における任意の地点612を指定すると、指定した地点から予め定められた範囲内で撮影された撮影画像のリストが端末保存リスト620およびサーバ保存リスト630として表示される。
【0153】
端末保存リスト620は、事業者端末装置30に保存されている秘密フォルダ621のリストを示す。秘密フォルダ621には、複数の撮影画像がまとめられている。なお、秘密フォルダ621を選択することで、秘密フォルダに含まれる撮影画像を閲覧することができる。
秘密フォルダ621には、撮影画像のサムネイル写真622と、撮影日時情報623と、ファイル名624と、アップロードボタン625とが設けられる。
サムネイル写真622は、秘密フォルダに含まれる複数の撮影画像のうち代表の一枚の撮影画像が選択される。
撮影日時情報623は、サムネイル写真622に表示される撮影画像の撮影日時が表示される。
【0154】
ファイル名624は、例えば日付などが自動的に付けられる。ファイル名624は、例えば事業者が任意の名称を付けることができる。
アップロードボタン625は、ユーザによって選択されることで、選択されたアップロードボタン625が設けられた秘密フォルダ621がサーバ装置70に送信される。なお、秘密フォルダ621に含まれる個別の撮影画像の単位でサーバ装置70に送信することも可能である。
【0155】
サーバ保存リスト630は、サーバ装置70に保存されている撮影画像のフォルダ(以下、サーバフォルダ631)のリストを示す。サーバフォルダ631には、複数の撮影画像がまとめられている。なお、サーバフォルダ631を選択することで、サーバフォルダ631に含まれる撮影画像を閲覧することができる。
サーバフォルダ631には、撮影画像のサムネイル写真622と、撮影日時情報623と、ファイル名624と、共有ボタン635とが設けられる。
共有ボタン635は、ユーザによって選択されることで、選択された共有ボタン635が設けられたサーバフォルダ631が共有される。具体的には、
図15(C)に示すように、サーバ装置70に保存されるサーバフォルダ631にアクセスするためのURLが発行され、そのURL情報636が表示される。
【0156】
図16は、本実施形態の抽出情報についての説明図である。
【0157】
本実施形態の事業者端末装置30のディスプレイ300には、撮影画像から設備のサイズなどを抽出するためのサイズ抽出画面800が表示される。
図16(A)に示すように、サイズ抽出画面800には、撮影画面810と、サイズ抽出実行ボタン820とが設けられる。
撮影画面810は、カメラによって撮影された設備などの被写体が表示される。また、撮影画面810には、抽出対象となる領域を指定するための領域指定表示811と、指示メッセージ812とが表示される。領域指定表示811は、設備などの被写体に重畳して表示され、事業者からサイズの抽出対象の領域の指定を受け付ける。指示メッセージ812は、サイズを抽出する対象の範囲をユーザから受け付けることを指示する。
【0158】
また、撮影画面810には、抽出された長さ情報813や面積情報814が表示される。長さ情報813は、例え撮影画像から抽出された設備の長さを数値で表示する。面積情報814は、例えば撮影画像から抽出された長さに基づいて特定された面積を数値で表示する。
サイズ抽出実行ボタン820は、タッチ操作されることで、上述の長さや面積を抽出するための指示を受け付ける。
【0159】
本実施形態の事業者端末装置30のディスプレイには、撮影画像から設備に表示される名板などの文字情報を抽出するための文字情報抽出画面850が表示される。
図16(B)に示すように、文字情報抽出画面850には、撮影画面860と、文字抽出実行ボタン870とが設けられる。
撮影画面860は、カメラによって撮影された設備などの被写体が表示される。また、撮影画面860には、抽出範囲を示す抽出範囲861と、指示メッセージ862とが表示される。抽出範囲861は、撮影画面860において、設備の名板やシールなどの被写体を合わせて表示する範囲を示す。指示メッセージ862は、抽出範囲861に被写体を表示させることを指示する。
【0160】
検索部640には、例えば事業者が住所や地名などの任意のキーワードを入力することができる。そして、検索部640では、入力されたキーワードに対応する秘密フォルダ621やサーバフォルダ631を事業者が検索可能である。検索部640にて検索された結果は、端末保存リスト620やサーバ保存リスト630により画面に表示される。また、検索部640で検索されたフォルダに対応するものは、撮影が行われた地点611として地図画像610にも表示される。
文字抽出実行ボタン870は、タッチ操作されることで、撮影画像から設備の仕様などを抽出するための指示を受け付ける。
【0161】
そして、
図16(C)に示すように、ディスプレイ300には、抽出結果を示す抽出結果画面880が表示される。
抽出結果画面880には、設備が映る撮影画像881と、設備に設けられる名板やシールが映る設備情報画像882と、サイズの抽出結果を示すサイズ抽出結果883と、設備の仕様を含む情報の抽出結果を示す設備情報抽出結果884とが表示される。
これらのサイズ抽出結果883および設備情報抽出結果884は、撮影画像に関連付けられて保存される。
【0162】
続いて、サーバ装置70の出力処理部78が出力する出力ファイル750の一例について説明する。
図17は、本実施形態のサーバ装置70が出力する出力ファイル750の説明図である。
【0163】
図17に示すように、出力ファイル750には、撮影画像751、画像ファイル情報752、時間情報753、位置情報754、撮影者情報755および端末情報756が表示される。さらに、出力ファイル750には、拡大操作ボタン757および地図情報758が設けられる。なお、
図17の例では、出力ファイル750は、撮影画像751の単位で、撮影画像751ごとに個別に作成される。
【0164】
撮影画像751は、設備などの証拠を撮影した画像である。撮影画像751は、事業者端末装置30にて撮影された画像が編集など変更されることなく用いられる。
画像ファイル情報752は、撮影画像751のファイル名やファイルIDなど撮影画像751を特定可能な情報である。
【0165】
時間情報753は、撮影画像751を撮影したときを示す情報である。この例では、時間情報753は、年月日および時分秒の詳細な撮影日時の情報を表示する。
位置情報754は、撮影画像751が撮影された場所を示す情報である。この例では、位置情報754は、GPS信号に基づいて特定される緯度経度の座標値を表示する。
撮影者情報755は、撮影画像751を撮影した者を示す情報である。この例では、撮影者情報755は、事業者端末装置30を用いて撮影する際に申請情報登録アプリにログインを行った事業者のアカウント情報である。
端末情報756は、撮影画像751を撮影した端末装置の情報である。この例では、端末情報756は、事業者端末装置30のUUIDを表示する。
【0166】
そして、上記の時間情報753、位置情報754、撮影者情報755および端末情報756は、事業者端末装置30を用いて撮影画像751を撮影したときに撮影画像751に関連付けられたものが編集など変更されることなく用いられる。
【0167】
拡大操作ボタン757は、撮影画像751を拡大表示させる指示を受け付けるボタン画像である。拡大操作ボタン757を押下することで、撮影画像751を拡大させることができる。このとき、例えば撮影画像751として表示される設備に型番などの画像が含まれている場合には、その型番を確認することが可能になる。このように、出力ファイル750は、紙ではなく電子データであるため撮影画像751を拡大するなど受付者による申請の確認作業を容易にしている。
【0168】
地図情報758は、撮影画像751が撮影された場所を地図画像上で表示する。上述した本実施形態の位置情報754は、緯度経度を示す数値情報である。これに対して、地図情報758は、地図画像上で撮影画像751が撮影された場所を示す。このように地図情報758は、撮影画像751が撮影された場所を可視化している。
【0169】
次に、タグ情報を用いた書類の関連付けについて説明する。
図18は、申請に関する書類の画像に設けられるタグ情報の説明図である。
【0170】
図18に示すように、例えば申請において、申請するための申請書900、免許証などの本人確認書類920、事業者に対する発注書930などが必要な場合がある。本実施形態では、申請者は、これらの各々の書類をPDFなどの電子データにしてサーバ装置70に送信する。この場合に、本実施形態のでは、サーバ装置70に送信する書類の画像に対して、項目を指定することができる。
【0171】
図18(A)に示すように、申請書900には、申請者の氏名が記入される氏名欄911と、申請者の住所が記載される住所欄912と、申請事業者を示す事業者名称欄913、申請内容を示す申請内容欄914とが設けられる。
図18(B)に示すように、本人確認書類920には、氏名が記載される氏名欄921と、住所が記載される住所欄922と、本人の顔写真923と、生年月日924とが設けられる。
図18(C)に示すように、発注書930には、発注者の氏名が記載される氏名欄931と、発注者の住所が記載される住所欄932と、受注する事業者の名称が表示される事業者名欄933とが設けられる。
【0172】
そして、本実施形態では、予め定められた項目ごとに枠画像が設定されている。枠画像は、項目ごとに表示色が設定されている。例えば、「氏名」は、赤色の枠画像951が設定されている。また、「住所」は、青色の枠画像952が設定される。「顔写真」には、緑色の枠画像953が設定される。「事業者名」には、黄色の枠画像954が設定される。
【0173】
そして、本実施形態では、事業者の操作により各申請書類において該当する画像部分に、上述の枠画像を指定される。例えば、「氏名」を示す赤色の枠画像951は、申請書900の氏名欄911、本人確認書類920の氏名欄921、発注書930の氏名欄931にそれぞれ設定される。同様に、他の色の枠画像が、各々の申請書類において対応する記入欄に設定される。
【0174】
このように異なる書類の画像に対して、共通する項目ごとに枠画像を設定することができる。これによって、例えば項目を指定することで、異なる書類において対向する項目の画像部分を検索することが可能になる。例えば受付者は、共通する項目の一覧画像を参照することで、異なる複数の書類間の項目の整合性などを確認したりすることができる。
【0175】
次に、変形例の申請管理システム1について説明する。
<変形例>
本実施形態の申請管理システム1では、例えば証拠の撮影画像を対象とし、撮影画像の編集などの変更を制限したうえでサーバ装置70に送信する例を用いているが、この態様に限定されない。例えば、申請管理システム1では、申請者が作成する申請書、申請者の本人確認書類、事業者に対する申請者の発注書、事業者が申請者に対して発行する請求書や納品書など他の書類を対象とし、その書類の変更を制限したうえでサーバ装置70に送信しても良い。この場合であっても、対象となる書類の改ざんを抑制することが可能になる。
【0176】
<変形例>
本実施形態の申請管理システム1では、例えば設備の取替えに伴う補助金の申請を例に用いているが、この態様に限定されない。申請管理システム1の対象となる申請は、申請者が許可や承認を得るために、例えば国または公共団体の機関などの申請先に願い出るものであれば、各種の申請が含まれる。また、申請者に支払われるものは、例えば、補助金、助成金、給付金などの金銭に限らず、ポイントや仮想通貨などであっても良い。
【0177】
<変形例>
さらに、本実施形態の申請管理システム1は、国や自治体が行う補助金に限らず、一の者が他の者に対して、「いつ」、「どこ」で、「なに」をということについての証明を求める事象に活用することが可能であり、その手続を合理化することができる。
【0178】
ここで、申請管理システム1は、情報処理システムの一例である。サーバ装置70は、情報処理装置の一例である。事業者端末装置30は、端末装置または情報処理手段の一例である。カメラ308は、撮影手段の一例である。URLは、閲覧情報の一例である。偽装抑制部32またはファイル管理部33は、制限手段の一例である。
【0179】
また、上記では種々の実施形態および変形例を説明したが、これらの実施形態や変形例同士を組み合わせて構成してもよい。
さらに、本開示は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。
【符号の説明】
【0180】
1…申請管理システム、10…申請者端末装置、11…申請手続補助部、12…申請提案部、13…事業者紹介部、14…タグ設定部、30…事業者端末装置、31…情報取得部、32…偽装抑制部、33…ファイル管理部、34…事業者補助部、35…画像処理部、50…受付者端末装置、51…情報閲覧部、52…情報検索部、70…サーバ装置、71…申請管理部、72…申請者管理部、73…事業者管理部、74…端末情報管理部、75…時刻管理部、76…タグ情報管理部、77…情報アクセス管理部、78…出力処理部、79…アラート部