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特開2024-135419MACアドレスの下位アドレスを記憶する下位アドレスメモリをリングノード装置を使用したリングネットワークの特徴を活かした移動端末のハンドオーバー
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  • 特開-MACアドレスの下位アドレスを記憶する下位アドレスメモリをリングノード装置を使用したリングネットワークの特徴を活かした移動端末のハンドオーバー 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135419
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】MACアドレスの下位アドレスを記憶する下位アドレスメモリをリングノード装置を使用したリングネットワークの特徴を活かした移動端末のハンドオーバー
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/427 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
H04L12/427
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023046088
(22)【出願日】2023-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】512243225
【氏名又は名称】龍野 秀雄
(72)【発明者】
【氏名】龍野 秀雄
【テーマコード(参考)】
5K031
【Fターム(参考)】
5K031AA06
5K031CB11
5K031CB16
(57)【要約】      (修正有)
【課題】無線システムのハンドオーバーを低コストで高速に実現すること。
【解決手段】右回りリングからのパケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスが重複使用下位アドレスメモリに記憶されていない場合で、かつ、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されている場合には、前記パケットをリング外に送出し、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスが重複使用下位アドレスメモリに記憶されていない場合で、かつ、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されていない場合には、前記パケットを右回りリングに送出する。上記動作は右回りリングを転送される1パケット時間内に主に行われる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
右回りリングの光伝送路と左回りリングの光伝送路のリングネットワークに複数のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置を挿入し、前記パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に基地局を接続し、前記基地局配下の移動端末が、前記リングネットワークの右回りリングから到着する、自装置に接続するルータのインタフェースのMACアドレスを送信元MACアドレスとして持つパケットの通過を遮断する機能を持つ頂点装置に、ルータを介して宛先サーバまたは通信相手と通信するため、TCPまたはUDPのイーサーネット(登録商標)フレームまたはIPv6アドレスのMACアドレス部分をMACパケットのMACアドレスとして用いて転送するパケット(以下、MACパケットと言う)を前記ルータまで転送するパケット転送システムであって、
前記端末または移動端末からのパケットが基地局経由で前記リングネットワークのパケッ
トのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合に、
前記パケットが前記端末または
移動端末の、移動先基地局に移動直後のパケットである場合、移動直後のパケットでない場合にかかわらず、
前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをリング外へのパケット送出を指定する移動下位アドレスメモリに記憶して、前記パケットを左回りリングの光伝送路で頂点装置に向けて転送し、
前記左回りリングの光伝送路で転送されるパケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合に、
前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されている場合には、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスを重複使用下位アドレスメモリに記憶して、上記以外は、そのまま、前記パケットを左回りリングの光伝送路で頂点装置に向けて転送する手段と、
サーバ側からのパケットがルータを介して頂点装置に到着した場合、前記パケットを右回りリングの光伝送路を転送させ、前記パケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスが重複使用下位アドレスメモリに記憶されている場合には、前記パケットをコピーして、コピーパケットをリング外に送出し、コピーパケットの元のパケットを右回りリング前方に送出し、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスが重複使用下位アドレスメモリに記憶されていない場合で、かつ、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されている場合には、前記パケットをリング外に送出し、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスが重複使用下位アドレスメモリに記憶されていない場合で、かつ、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されていない場合には、前記パケットを右回りリング前方に送出する手段とを備えたことを特徴とするパケット転送システム。
【請求項2】
前記基地局は、リングネットワークからコピーパケットでないパケットが到着した場合、前記パケットの宛先MACアドレスがMACアドレステーブルに記憶されておらず、かつ、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスと同じ下位アドレスのMACアドレスがMACアドレステーブルに記憶されている場合、前記パケットを自基地局の接続するパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に戻して、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスを重複使用下位アドレスメモリに記憶して、前記パケットを右回りリング前方に送出させる手段を備えたことを特徴とするパケット転送システム。
【請求項3】
前記基地局は、リングネットワークからパケットが到着した場合、前記パケットの宛先MACアドレスがMACアドレステーブルに記憶されておらず、かつ、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスと同じ下位アドレスのMACアドレスがMACアドレステーブルに記憶されている場合、前記パケットを自基地局の接続するパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に戻して、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスを重複使用下位アドレスメモリに記憶して、前記パケットを右回りリング前方に送出させる手段を備えたことを特徴とするパケット転送システム。
【請求項4】
前記基地局は、通信中の移動端末のMACアドレスを持つ片経路設定パケットを周期的にリングネットワークの自基地局の接続するパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に送出し、前記パケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合、前記パケットの宛先MACアドレスがリングポートアドレステーブルに記憶されていない場合に、前記パケットを左回りリング前方に送出し、前記パケットの宛先MACアドレスがリングポートアドレステーブルに記憶されている場合に、前記パケットを右回りリングに送出し、前記パケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されている場合には、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスを重複使用下位アドレスメモリに記憶して、前記パケットを頂点装置に向かわせる手段を備えたことを特徴とするパケット転送システム。
【請求項5】
前記移動端末は、移動先基地局に移動直前に、移動元基地局に自移動端末のMACアドレス認証パケット送出依頼パケットを送出し、前記移動元基地局は前記パケットの受信により、前記移動端末のMACアドレスをMACアドレステーブルで確認し、前記MACアドレステーブルの前記MACアドレス記憶位置に消去準備ビットを記憶して、前記移動端末の移動先基地局に前記移動端末のMACアドレス認証パケットをリング経由で送出し、前記パケットが移動先基地局に到着した場合、前記移動端末のMACアドレスをMACアドレステーブルに記憶させる手段を備える請求項1に記載のパケット転送システム。
【請求項6】
前記移動端末の移動元基地局は、MACアドレステーブルに消去準備ビットが記憶されたMACアドレスがある場合には、前記消去準備ビットが記憶されてから一定時間後に、前記MACアドレスを消去し、かつ、前記MACアドレスの下位アドレスを前記基地局の接続するパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置のリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリから消去させ、かつ、重複使用下位アドレスメモリから消去させる手段を備える請求項5に記載のパケット転送システム。
【請求項7】
前記移動端末の移動先基地局決定の判断は、基地局から受信するパイロット信号電波強度が他より大きくなった基地局である請求項2に記載のパケット転送システム。
【請求項8】
前記リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリからパケットの宛先MACアドレスの下位アドレス読み出しは、前記宛先MACアドレスの下位アドレスの上部でアクセスされるメモリから読みだされた並列データをCPUのレジスタAに取り込み、前記宛先MACアドレスの下位アドレスの下部のビット列の下位からビット1である毎に、1,2,4,8,16、ビット0の位置に1が記憶されているシフトレジスタをシフトさせるデコードシフトレジスタの全シフト後のビット1の位置の前記レジスタAのビットがビット1の場合に下位アドレスが記憶されているとし、ビット0の場合に下位アドレスが記憶されていないとすることである請求項1に記載のパケット転送システム。
【請求項9】
前記リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリにパケットの送信元MACアドレスの下位アドレス記憶は、前記送信元MACアドレスの下位アドレスの上部でアクセスされるメモリから読みだされた並列データをCPUのレジスタAに取り込み、前記MACアドレスの下位アドレスの下部でアドレス指定されるデコードメモリ出力をCPUのレジスタBに取り込み、前記レジスタAの内容と前記レジスタBの内容のORを前記MACアドレスの下位アドレスの上部でアクセスされるメモリから読みだされた並列データ記憶領域に戻すことである請求項1に記載のパケット転送システム。
【請求項10】
前記パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置は、左回りリングから到着するパケットのヘッダおよび基地局から到着するパケットのヘッダによる装置メモリへのアクセスは、前記パケットの通過と無関係に行う請求項1に記載のパケット転送システム。
【請求項11】
前記移動端末が移動先基地局にアクセスする直前に、前記移動端末の移動元基地局にMACアドレス認証パケット送出依頼パケットを送出し、前記送信元基地局は、前記移動端末のMACアドレスをMACアドレステーブルで確認し、前記移動端末のMACアドレス認証パケットを前記移動先基地局に送出し、途中の前記移動元基地局に接続するパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置のリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリから前記移動端末のMACアドレスの下位アドレスを削除する手段を備える請求項1に記載のパケット転送システム。
【請求項12】
右回りリングの光伝送路と左回りリングの光伝送路のリングネットワークに複数のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置を挿入し、前記パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に基地局を接続し、前記基地局配下の端末または移動端末が、前記リングネットワークの右回りリングまたは左回りリングから到着する、自装置に接続するルータのインタフェースのMACアドレスを送信元MACアドレスとして持つパケットの通過を前記パケットの前記送信元MACアドレスがMACアドレステーブルに記憶されている場合に、遮断する機能を持つ頂点装置に、前記接続されたルータを介して宛先サーバと通信するため、TCPまたはUDPのイーサーネットフレームを前記ルータまで転送する方法であって、
前記端末または移動端末からのパケットが前記リングネットワークのパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合に、
前記パケットが移動端末の移動先基地局変更直後のパケットの場合、または前記端末の通信開始パケットの場合、
前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶して、前記パケットの宛先MACアドレスが右回りリング下流向きのリングポートに記憶されている場合は、前記パケットを右回りリングに送出し、一方、前記パケットの宛先MACアドレスがリングポートに記憶されていない場合には、前記パケットを左回りリングに送出し、
一方、前記パケットが携帯端末の移動先基地局変更直後のパケットでない場合、または端末の通信開始パケットでない場合、
前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶して、前記パケットの宛先MACアドレスが右回りリング下流向きのリングポートに記憶されている場合は、前記パケットを右回りリングに送出し、一方、前記パケットの宛先MACアドレスがリングポートに記憶されていない場合には、前記パケットを左回りリングに送出し、
前記転送されるパケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合に、
前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されている場合には、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスを重複使用下位アドレスメモリに記憶して、上記以外は、そのまま、前記パケットを前方に光伝送路でサーバが接続されたルータに向けて転送する手段と、
前記パケットの宛先MACアドレスが頂点装置のリング外への出口ポートのアドレステーブルに記憶されている場合には、
前記パケットが左回りリング1から到着した場合に、そのままリング外のルータに向けて送出し、前記パケットが右回りリング2から到着した場合は、到着ポートの下位アドレスメモリに前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスを記憶して、前記パケットをルータに送出するステップと、
サーバ側からのパケットがルータを介してリングネットワークの頂点装置に到着した場合、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスが下位アドレスメモリに記憶されている場合には、前記パケットを左回りリングに送出し、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスが下位アドレスメモリに記憶されていない場合には、前記パケットを右回りリングに送出し、前記パケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスが重複使用下位アドレスメモリに記憶されている場合には、前記パケットをコピーして、コピーパケットをリング外に送出し、コピーパケットの元のパケットをリング前方に送出し、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスが重複使用下位アドレスメモリに記憶されていない場合で、かつ、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されている場合には、前記パケットをリング外に送出し、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスが重複使用下位アドレスメモリに記憶されていない場合で、かつ、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されていない場合には、前記パケットをリング前方に送出するステップとを有し、
前記基地局が、リングネットワークからパケットが到着した場合、前記パケットの宛先MACアドレスがMACアドレステーブルに記憶されておらず、かつ、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスと同じ下位アドレスのMACアドレスがMACアドレステーブルに記憶されている場合、前記パケットを自基地局の接続するパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に戻して、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスを重複使用下位アドレスメモリに記憶させ、前記パケットの送信元MACアドレスがリングポートアドレステーブルに記憶されている場合には、前記パケットを左回りリング前方に送出させ、一方、前記パケットの送信元MACアドレスがリングポートアドレステーブルに記憶されていない場合には、前記パケットを右回りリング前方に送出させるステップを有し、
前記リングネットワークの障害時には、伝送路障害点に向かう左回りリング伝送路を、または左回りリングの前方へ向かう伝送路のパケットを右回りリングにループバックし、宛先MACアドレスがルータのリングインタフェースNICMACアドレスのパケットが右回りリングからパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合、
前記パケットがステアリングしたパケットでない場合で、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されている場合には、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスが重複使用下位アドレスメモリに記憶されている場合に、前記下位アドレスを消去して、一方、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスが重複使用下位アドレスメモリに記憶されていない場合に、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスを重複使用下位アドレスメモリに記憶して、前記パケットの宛先MACアドレスを前記パケットの下流出口のリングポートアドレステーブルに記憶し、前記パケットを右回りリング前方に送出し、
一方、前記パケットが宛先MACアドレスがリングポートアドレステーブルに記憶されている場合のステアリングパケットの場合、前記パケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合に、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されている場合には、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスを重複使用下位アドレスメモリに記憶して、かつ、前記パケットの宛先MACアドレスを前記パケットの下流出口のリングポートアドレステーブルに記憶するステップを
さらに有することを特徴とする方法。










【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MACアドレスの下位アドレスを記憶する下位アドレスメモリをリングノード装置に用いたリングネットワークの特徴を活かした移動端末のハンドオーバーに関する。本発明では、イーサーネット(登録商標)フレームまたはIPv6パケットのIPv6アドレスのMACアドレス部分をMACパケットのMACアドレスとして用いてパケット転送するパケットを本発明ではMACパケットと言う。
【0002】
アドレス記憶方法の従来例としては、特許文献1の特開2000-151617「テーブ
ル作成検索装置」がある。この従来例は、MACアドレスの記憶回路に関するもので、行
列アドレスとMACアドレスデータエリアとインデックスエリアを持つRAM等で構成される第1のテーブルと行列アドレスとMACアドレスデータエリアとインデックスエリアを持つRAM等で構成される第2のテーブルからなる。この従来例は、下位ビット列(例えば16ビット)で第1のテーブルのメモリを指定した位置AにMACアドレス48ビット全体を記憶する。その位置Aに既に他のMACアドレスが記憶されている場合には、、第2のテーブルのメモリの空きアドレス位置Bに記録し、その記録したアドレス位置Bを前記第1テーブルのアドレス位置Aのインデックスエリアに記憶する。これは記録エリアをネスティングで指定する方法である。
【0003】
また、アドレス記憶方法の従来技術としては、特許文献2の特開2004-15592
「MACアドレスポインタ構造、MACアドレスの並べ替え方法」がある。この従来例は、下位ビット列で指定されるエントリーテーブルの同じアドレス位置に複数のMACアドレスを記憶する方法である。もし、空きエリアが無ければ、MACアドレスの前記下位ビット列と違う下位ビット列で指定されるエントリーテーブルにMACアドレスを記憶する。
【0004】
リング形ネットワークの従来例としては特許文献3のようにマスタスイッチとスレーブス
イッチを用いたリングネットワークが一般的である。このリングネットワークはマスタス
イッチの一方のリングポートがフレームを通過させないブロックポートになっていて、フ
ラッディングによる輻輳を防止している。リングネットワークに障害が発生した場合には、マスタスイッチから出てマスタスイッチに戻る監視フレームが届かなくなり、代わりに
障害点のスレーブスイッチから障害通知フレームがマスタスイッチに届くので、マスタス
イッチは、マスタスイッチのブロックポートのブロックを解除してフレームを通過させる。また、障害点の一方のスレーブスイッチの障害伝送路側にブロックポートを設定し、リ
ングネットワークの障害回復後もリングネットワークの動作を維持する。
【0005】
ハンドオーバー方法の例として、特許文献4がある。この先行技術は、移動端末とアクセスルータ間にある基地局、ゲートウェイ経由の切り換え前の基地局経由のIPv6コネクションと切り換え先基地局経由のIPv6コネクションを持ち、コネクション経由のパケットがコネクション切り換え時に断時間を少なくする方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000-151617 号公報
【特許文献2】特開2004-15592 号公報
【特許文献3】再表2008-068813 号公報
【特許文献4】再表2017-195497 号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のアドレス記憶法としての従来例特開2000-151617はネスティングでMACアドレスを記憶しているため、記憶アドレス先をたどるのに場合間がかかる問題がある。
【0008】
また、従来アドレス記憶方法としての従来例特開2004-15592は、下位ビット
列で指定されるMACアドレスのエントリーテーブル位置に空きが無ければ違う下位ビット列のエントリーテーブル位置にMACアドレスを記憶すると記載されているが、その場合には、MACアドレスを記憶する位置を選択する場合に、2つの下位ビット列で指定されるエントリーテーブル位置を検索しなければならないこと、および、同じエントリーテーブルの同じアドレス位置に、複数の記憶アドレスがあるので、それら複数のアドレス比較をする必要があり、検索に場合間がかかる問題がある。
従来のリングネットワークである特許文献3は、左回りリングに向かうパケットの宛先MACアドレスと右回りリングに向かうパケットの宛先MACアドレスとリング外に送出するパケットの宛先MACアドレスをMACアドレスとポート番号で記憶するため、記憶するMACアドレス数が多くなり、MACアドレステーブルをMACアドレスの下位アドレスでメモリをアクセスしたアドレス位置にMACアドレスの全体の48ビットを記憶した場合、または上位アドレスを記憶した場合、MACアドレスが記憶できない場合に、転送されるパケットの宛先MACアドレスがMACアドレステーブルに記憶されていない時に前記パケットのフラッディングにより対応している欠点がある。
【0009】
また、従来のハンドオーバーの特許文献4は、アクセスルータと移動端末間に2つのIP6コネクションを設けて切り換えているので、2つのIPv6コネクションの識別が必要になり、ハンドオーバー制御が複雑になる欠点がある。
【0010】
本発明の目的は、MACアドレスの下位アドレスを記憶する下位アドレスメモリをリングノード装置に使用したリングネットワークにより、従来のMACアドレステーブルを用いないで、簡単なハンドオーバーを実現する方法を示すことにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記従来技術の問題点を鑑みて成されたもので、その解決手段は以下に示す
本発明の第1の観点から第8の観点である。
本発明の第1の観点は、右回りリングの光伝送路と左回りリングの光伝送路のリングネットワークに複数のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置を挿入し、前記パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に基地局を接続し、前記基地局配下の移動端末が、前記リングネットワークの右回りリングから到着する、自装置に接続するルータのインタフェースのMACアドレスを送信元MACアドレスとして持つパケットの通過を遮断する機能を持つ頂点装置に、ルータを介して宛先サーバまたは通信相手と通信するため、TCPまたはUDPのイーサーネット(登録商標)フレームまたはIPv6アドレスのMACアドレス部分をMACパケットのMACアドレスとして用いて転送するパケット(以下、MACパケットと言う)を前記ルータまで転送するパケット転送システムであって、
前記端末または移動端末からのパケットが基地局経由で前記リングネットワークのパケッ
トのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合に、
前記パケットが前記端末または
移動端末の、移動先基地局に移動直後のパケットである場合、移動直後のパケットでない場合にかかわらず、
前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをリング外へのパケット送出を指定する移動下位アドレスメモリに記憶して、前記パケットを左回りリングの光伝送路で頂点装置に向けて転送し、
前記左回りリングの光伝送路で転送されるパケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合に、
前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されている場合には、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスを重複使用下位アドレスメモリに記憶して、上記以外は、そのまま、前記パケットを左回りリングの光伝送路で頂点装置に向けて転送する手段と、
サーバ側からのパケットがルータを介して頂点装置に到着した場合、前記パケットを右回りリングの光伝送路を転送させ、前記パケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスが重複使用下位アドレスメモリに記憶されている場合には、前記パケットをコピーして、コピーパケットをリング外に送出し、コピーパケットの元のパケットを右回りリング前方に送出し、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスが重複使用下位アドレスメモリに記憶されていない場合で、かつ、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されている場合には、前記パケットをリング外に送出し、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスが重複使用下位アドレスメモリに記憶されていない場合で、かつ、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されていない場合には、前記パケットを右回りリング前方に送出する手段とを備えたことを特徴とするパケット転送システムである。
【0012】
本発明の第2の観点は、本発明の第1の観点に記載のパケット転送システムの基地局であって、
リングネットワークからコピーパケットでないパケットが到着した場合、前記パケットの宛先MACアドレスがMACアドレステーブルに記憶されておらず、かつ、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスと同じ下位アドレスのMACアドレスがMACアドレステーブルに記憶されている場合、前記パケットを自基地局の接続するパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に戻して、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスを重複使用下位アドレスメモリに記憶して、前記パケットを右回りリング前方に送出させる手段を備えたことを特徴とする。
または、
リングネットワークからパケットが到着した場合、前記パケットの宛先MACアドレスがMACアドレステーブルに記憶されておらず、かつ、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスと同じ下位アドレスのMACアドレスがMACアドレステーブルに記憶されている場合、前記パケットを自基地局の接続するパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に戻して、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスを重複使用下位アドレスメモリに記憶して、前記パケットを右回りリング前方に送出させる手段を備えたことを特徴とする。
または、
通信中の移動端末のMACアドレスを持つ片経路設定パケットを周期的にリングネットワークの自基地局の接続するパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に送出し、前記パケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合、前記パケットの宛先MACアドレスがリングポートアドレステーブルに記憶されていない場合に、前記パケットを左回りリング前方に送出し、前記パケットの宛先MACアドレスがリングポートアドレステーブルに記憶されている場合に、前記パケットを右回りリングに送出し、前記パケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されている場合には、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスを重複使用下位アドレスメモリに記憶して、前記パケットを頂点装置に向かわせる手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
本発明の第3の観点は、本発明の第1の観点に記載のパケット転送システムの移動端末であって、移動先基地局に移動直前に、移動元基地局に自移動端末のMACアドレス認証パケット送出依頼パケットを送出し、前記移動元基地局は前記パケットの受信により、前記移動端末のMACアドレスをMACアドレステーブルで確認し、前記MACアドレステーブルの前記MACアドレス記憶位置に消去準備ビットを記憶して、前記移動端末の移動先基地局に前記移動端末のMACアドレス認証パケットをリング経由で送出し、前記パケットが移動先基地局に到着した場合、前記移動端末のMACアドレスをMACアドレステーブルに記憶させる手段を備える。
さらに、前記移動端末の移動元基地局は、MACアドレステーブルに消去準備ビットが記憶されたMACアドレスがある場合には、前記消去準備ビットが記憶されてから一定時間後に、前記MACアドレスを消去し、かつ、前記MACアドレスの下位アドレスを前記基地局の接続するパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置のリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリから消去させ、かつ、重複使用下位アドレスメモリから消去させる手段を備える。
また、さらに、
前記移動端末の移動先基地局決定の判断は、基地局から受信するパイロット信号電波強度が他より大きくなった基地局である。
【0014】
本発明の第4の観点は、本発明の第1の観点に記載のパケット転送システムであって、
前記リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリからパケットの宛先MACアドレスの下位アドレス読み出しは、前記宛先MACアドレスの下位アドレスの上部でアクセスされるメモリから読みだされた並列データをCPUのレジスタAに取り込み、前記宛先MACアドレスの下位アドレスの下部のビット列の下位からビット1である毎に、1,2,4,8,16、ビット0の位置に1が記憶されているシフトレジスタをシフトさせるデコードシフトレジスタの全シフト後のビット1の位置の前記レジスタAのビットがビット1の場合に下位アドレスが記憶されているとし、ビット0の場合に下位アドレスが記憶されていないとすることであるパケット転送システムである。
【0015】
本発明の第5の観点は、本発明の第1の観点に記載のパケット転送システムであって、
前記リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリにパケットの送信元MACアドレスの下位アドレス記憶は、前記送信元MACアドレスの下位アドレスの上部でアクセスされるメモリから読みだされた並列データをCPUのレジスタAに取り込み、前記MACアドレスの下位アドレスの下部でアドレス指定されるデコードメモリ出力をCPUのレジスタBに取り込み、前記レジスタAの内容と前記レジスタBの内容のORを前記MACアドレスの下位アドレスの上部でアクセスされるメモリから読みだされた並列データ記憶領域に戻すことであるパケット転送システムである。
【0016】
本発明の第6の観点は、本発明の第1の観点に記載のパケット転送システムのパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置であって、左回りリングから到着するパケットのヘッダおよび基地局から到着するパケットのヘッダによる装置メモリへのアクセスは、前記パケットの通過と無関係に行う。
【0017】
本発明の第7の観点は、本発明の第1の観点に記載のパケット転送システムであって、
前記移動端末が移動先基地局にアクセスする直前に、前記移動端末の移動元基地局にMACアドレス認証パケット送出依頼パケットを送出し、前記送信元基地局は、前記移動端末のMACアドレスをMACアドレステーブルで確認し、前記移動端末のMACアドレス認証パケットを前記移動先基地局に送出し、途中の前記移動元基地局に接続するパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置のリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリから前記移動端末のMACアドレスの下位アドレスを削除する手段を備えるパケット転送システムである。
【0018】
本発明の第8の観点は、右回りリングの光伝送路と左回りリングの光伝送路のリングネットワークに複数のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置を挿入し、前記パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に基地局を接続し、前記基地局配下の端末または移動端末が、前記リングネットワークの右回りリングまたは左回りリングから到着する、自装置に接続するルータのインタフェースのMACアドレスを送信元MACアドレスとして持つパケットの通過を前記パケットの前記送信元MACアドレスがMACアドレステーブルに記憶されている場合に、遮断する機能を持つ頂点装置に、前記接続されたルータを介して宛先サーバと通信するため、TCPまたはUDPのイーサーネットフレームを前記ルータまで転送する方法であって、
前記端末または移動端末からのパケットが前記リングネットワークのパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合に、
前記パケットが移動端末の移動先基地局変更直後のパケットの場合、または前記端末の通信開始パケットの場合、
前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶して、前記パケットの宛先MACアドレスが右回りリング下流向きのリングポートに記憶されている場合は、前記パケットを右回りリングに送出し、一方、前記パケットの宛先MACアドレスがリングポートに記憶されていない場合には、前記パケットを左回りリングに送出し、
一方、前記パケットが携帯端末の移動先基地局変更直後のパケットでない場合、または端末の通信開始パケットでない場合、
前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶して、前記パケットの宛先MACアドレスが右回りリング下流向きのリングポートに記憶されている場合は、前記パケットを右回りリングに送出し、一方、前記パケットの宛先MACアドレスがリングポートに記憶されていない場合には、前記パケットを左回りリングに送出し、
前記転送されるパケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合に、
前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されている場合には、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスを重複使用下位アドレスメモリに記憶して、上記以外は、そのまま、前記パケットを前方に光伝送路でサーバが接続されたルータに向けて転送する手段と、
前記パケットの宛先MACアドレスが頂点装置のリング外への出口ポートのアドレステーブルに記憶されている場合には、
前記パケットが左回りリング1から到着した場合に、そのままリング外のルータに向けて送出し、前記パケットが右回りリング2から到着した場合は、到着ポートの下位アドレスメモリに前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスを記憶して、前記パケットをルータに送出するステップと、
サーバ側からのパケットがルータを介してリングネットワークの頂点装置に到着した場合、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスが下位アドレスメモリに記憶されている場合には、前記パケットを左回りリングに送出し、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスが下位アドレスメモリに記憶されていない場合には、前記パケットを右回りリングに送出し、前記パケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスが重複使用下位アドレスメモリに記憶されている場合には、前記パケットをコピーして、コピーパケットをリング外に送出し、コピーパケットの元のパケットをリング前方に送出し、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスが重複使用下位アドレスメモリに記憶されていない場合で、かつ、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されている場合には、前記パケットをリング外に送出し、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスが重複使用下位アドレスメモリに記憶されていない場合で、かつ、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されていない場合には、前記パケットをリング前方に送出するステップとを有し、
前記基地局が、リングネットワークからパケットが到着した場合、前記パケットの宛先MACアドレスがMACアドレステーブルに記憶されておらず、かつ、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスと同じ下位アドレスのMACアドレスがMACアドレステーブルに記憶されている場合、前記パケットを自基地局の接続するパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に戻して、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスを重複使用下位アドレスメモリに記憶させ、前記パケットの送信元MACアドレスがリングポートアドレステーブルに記憶されている場合には、前記パケットを左回りリング前方に送出させ、一方、前記パケットの送信元MACアドレスがリングポートアドレステーブルに記憶されていない場合には、前記パケットを右回りリング前方に送出させるステップを有し、
前記リングネットワークの障害時には、伝送路障害点に向かう左回りリング伝送路を、または左回りリングの前方へ向かう伝送路のパケットを右回りリングにループバックし、宛先MACアドレスがルータのリングインタフェースNICMACアドレスのパケットが右回りリングからパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合、
前記パケットがステアリングしたパケットでない場合で、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されている場合には、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスが重複使用下位アドレスメモリに記憶されている場合に、前記下位アドレスを消去して、一方、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスが重複使用下位アドレスメモリに記憶されていない場合に、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスを重複使用下位アドレスメモリに記憶して、前記パケットの宛先MACアドレスを前記パケットの下流出口のリングポートアドレステーブルに記憶し、前記パケットを右回りリング前方に送出し、
一方、前記パケットが宛先MACアドレスがリングポートアドレステーブルに記憶されている場合のステアリングパケットの場合、前記パケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合に、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されている場合には、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスを重複使用下位アドレスメモリに記憶して、かつ、前記パケットの宛先MACアドレスを前記パケットの下流出口のリングポートアドレステーブルに記憶するステップを
さらに有することを特徴とする方法である。
【発明の効果】
【0019】
以上、説明したように、本発明は、リングネットワークのパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置が従来のMACアドレステーブルに代えて、リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7と重複使用下位アドレスメモリ8のみを使用するので、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置の動作が簡単になり、システムコストを下げられる効果がある。また、本発明は、上記メモリを使用したリングネットワークにより携帯端末のハンドオーバーを1ドメイン内で実現する方法で、消費電力およびシステムコストが抑えられ、かつ、高速に通信できる効果がある。また、本発明は、リング伝送路障害時にもフラッディングを必要としないので、イーサーネットのドメインが大きくても輻輳が発生しない利点がある。また、リング伝送路障害時にループバック復旧からステアリングモードに即座に移行できるので、輻輳になりにくい利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施例1のリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリと重複使用下位アドレスメモリとリングポートアドレステーブルを持つパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置、複数を光リングで接続した2重リングネットワークの前記パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に接続された基地局に収容された移動端末が前記基地局、前記リングネットワークを介してMACパケットをルータまで転送する、前記移動端末と前記ルータを介して前記リングネットワークに接続されたサーバとの間のパケット転送システムのハンドオーバ―のリング伝送路障害復旧動作例を説明するための図
図2】本発明の実施例1のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に用いられるリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリの下位アドレス記憶原理を示す図
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施例1を図1により説明する。本実施例は、リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリと重複使用下位アドレスメモリとリングポートアドレステーブルを持つパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置を、複数、光伝送路で接続した2重リングネットワークの前記パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に接続された基地局に収容された移動端末が前記リングネットワークに接続されたルータまでMACパケットとして情報を転送し、前記ルータを介して前記リングネットワークに接続されたサーバとの間のパケット転送システムにおけるリングネットワークを利用した移動端末のTCPパケットおよびUDP片方向パケット受信も可能なハンドオーバ―のリング伝送路障害復旧方法の動作例である。前記サーバはインターネット接続サーバまたはコンテンツサーバである。ルータ22のリングネットワークインタフェースのNICからリングネットワークを介して、基地局の無線インタフェースのNICまで、一つの基地局のようなものである。コンテンツサーバはクラウドセンターの場合もある。
【0022】
図1において、1は左回りリングの光伝送路、2は右回りリングの光伝送路、5は頂点装置、6-1、6-2,6-3はパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置、7はリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ、8は重複使用下位アドレスメモリ、9はリングポートアドレステーブル、13-1,13-2,13-3はTCP移動端末またはUDP移動端末、14-1,14-2,14-3は基地局、20はコンテンツサーバまたはサービスプロバイダーのインターネット接続サーバ、22はルータである。また、(1)~(40)は点線の引き出し線で示したリングを転送されるMACアドレスを文字記号で略記したパケットの転送順番を示し、I0,I1,I2,I3,I4は、端末にダイナミックIPアドレス設定されるグローバルIPv4アドレス、またはサービスプロバイダーの国内IPv4アドレスである。またはIPv6アドレスである。
OE変換回路、EO変換回路等と、入力バッファ、出力バッファは図には記してない。
【0023】
以下に、図1の動作を説明する。ゲームデータ通信のUDP移動端末13-2がパケット(1)Mn1a3a2(I0)(Mはイーサネットパケットを示し、n1は基地局14-1のインタフェースの無線MACアドレスを示し、a3a2はUDP端末13-2のMACアドレスである上位MACアドレスa3と下位MACアドレスa2を示し、I0は宛先であるサーバ20のIPアドレスを示す)を基地局14-1に送出した例を示す。基地局14-1は(2)Mr1r2a3a2(I0)(r1r2はルータ22のリングネットワークインタフェースのNICアドレスを示す)を有線でイーサーネットパケットとしてパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に送出する。UDP移動端末13-2からの前記パケットがアッド、ドロップおよび通過の装置6-1に到達した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2をリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶して、前記パケットを左回りリングの現用光伝送路1により頂点装置5に向けて送出し、前記パケットは、(3)Mr1r2a3a2(I0)により図に示すように、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2がリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶されていないので、そのまま、前記パケットは、左回りリング1を転送されて、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3に(4)Mr1r2a3a2(I0)として到着した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2がリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶されていないので、そのまま、前記パケットは、左回りリング1を転送されて、頂点装置5に到着した場合、前記パケットの宛先MACアドレスr1r2がMACアドレステーブル25-1に記憶されているので、前記パケットの転送されてきた左回りリング名1を送信元MACアドレスa3a2と共にアドレステーブル25-1に記憶して、または、前記パケットの送信元MACアドレスa3a2の下位アドレスa2を下位アドレスメモリに、左回りリング名1と共に記憶して、前記パケット(5)Mr1r2a3a2(I0)はリング外に(6)Mr1r2a3a2(I0)として送出され、ルータ22に向かう。なお、前記下位アドレスメモリの同じ下位アドレス位置に違うリング名が記憶されている場合には、2つのリング名を記憶する。
【0024】
前記パケット(6)Mr1r2a3a2(I0)がルータ22に到着した場合、そのパケットの送信元MACアドレスa3a2および送信元IPアドレスI3をARPテーブルに記憶して、そのパケットの宛先IPアドレスI0の宛先に対応する出力ポートを求め、そのポートに送出する。そのパケットは(7)IPI3I0(IPはIPアドレスであることを示し、I3は移動端末13-2の送信元IPアドレス、I0は宛先であるサーバ20のIPアドレスを示す。)により図に示されるように転送されてサーバ20に到達する。
【0025】
次に、サーバからのダウンロードパケットサービスを受けるUDP移動端末13-1がパケット(8)Mn1a1a2(I0)(Mはイーサネットパケットを示し、n1は基地局14-1の無線MACアドレスを示し、a1a2はUDP移動端末13-1のMACアドレスである上位MACアドレスa1と下位MACアドレスa2を示し、I0は宛先であるサーバ20のIPアドレスを示す)を基地局14-1に送出した例を示す。基地局14-1は(9)Mr1r2a1a2(I0)を有線のイーサーパケットとしてパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-1に送出する。UDP移動端末13-1からの前記パケットがアッド、ドロップおよび通過の装置6-1に到達した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2をリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶して、前記パケットを左回りリングの現用光伝送路1により頂点装置5に向けて送出し、前記パケットは、(10)Mr1r2a1a2(I0)により図に示すように転送され、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着する。
【0026】
前記パケット(10)Mr1r2a1a2(I0)が左回りリングの現用光伝送路1でパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶されていないので、そのまま、前記パケットを左回りリングの光伝送路1により(11)Mr1r2a1a2(I0)として頂点装置5に向けて送出する。前記パケットは左回りリングの光伝送路1でパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3を介して頂点装置5に到着した場合、前記パケットの宛先MACアドレスr1r2がMACアドレステーブル25-1に記憶されているので、前記パケットが転送されてきた左回りリング名1と送信元MACアドレスa1a2をアドレステーブル25-1に記憶して、または、前記パケットの送信元MACアドレスa1a2の下位アドレスa2を下位アドレスメモリに、左回りリング名1と共に記憶して、前記パケットはリング外に送出され、ルータ22に向かう。なお、前記下位アドレスメモリの同じ下位アドレス位置に違うリング名が記憶されている場合には、2つのリング名を記憶する。
【0027】
前記パケット(13)Mr1r2a1a2(I0)がルータ22に到着した場合、前記パケットが通信開始パケットの場合、そのパケットの送信元MACアドレスa1a2および送信元IPアドレスI2をARPテーブルに記憶して、そのパケットの宛先IPアドレスI0の宛先に対応する出力ポートを求め、そのポートに送出する。そのパケットは(14)IPI2I0(IPはIPアドレスであることを示し、I2は移動端末13-1の送信元IPアドレス、I0は宛先であるサーバ20のIPアドレスを示す。)により図に示されるように転送されてサーバ20に到達する。
【0028】
次に、UDP移動端末13-2がLTE(IEEE802.16e)の基地局14-1から、近隣移動端末宛てに基地局信号を広告している移動先基地局14-2に接近を基地局14-2からの受信電波強度から判断時に、移動端末13-2の移動元基地局14-1に、MACアドレス認証パケット送出の依頼パケット(15)Mn1a3a2(I0)を送出する。前記移動元基地局14-1は、前記移動端末のMACアドレスが自基地局の図に記してないMACアドレステーブルに記憶されているので、前記移動端末13-2のMACアドレスを確認し、前記MACアドレステーブルの前記移動端末のMACアドレス記憶位置に消去準備ビットを記憶し、MACアドレス確認元信号を持つ認証用パケットを自基地局の接続するパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-1と前記移動端末13-2の移動先基地局の接続するパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2とを経由して前記移動端末13-2の移動先基地局14-2に送る。
前記認証用パケットが前記移動端末13-2の移動先基地局14-2に到着した場合、前記基地局14-2は、前記移動端末13-2から到着した前記移動端末への無線チャンネル設定依頼パケットのMACアドレスの認証を行い、前記移動端末13-2への無線チャンネルを設定し、自基地局14-2のIPv6アドレスを着付けアドレスとし、前記移動端末13-2のMACアドレスa3a2を図に記してないMACアドレステーブルに記憶して、前記気付けアドレスを認証信号と共に、前記移動端末13-2に送る。前記移動先基地局14-2より前記パケットを受信した移動端末13-2からの気付けIPv6アドレスのパケット(16)Mn2a3a2(B2)(I0)(n2は基地局14-2の無線NICMACアドレスを示し、B2はIPv6気付けアドレスのMACアドレス部分である基地局14-2のMACアドレスに相当する)が基地局14-2に到着した場合、前記移動先基地局の接続されるパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2が左回りリング1上で、サーバ20に近づく方向の基地局に接続する装置である場合の移動先基地局変更直後のパケットあり、その移動直後のパケットの旨の信号mを前記パケットに挿入し、そのパケットをパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に(17)Mr1r2a3a2(B2)m(I0)として送出する。UDP移動端末13-2からの前記パケット(17)Mr1r2a3a2(B2)m(I0)がアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到達した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2をリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶し、前記パケットを左回りリングの光伝送路1により頂点装置に向けて送出し、前記パケット(18)Mr1r2a3a2(I0)がパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3に到着した場合、そのまま、前記パケットを左回りリングの光伝送路1により(19)Mr1r2a3a2(I0)により図に示すように転送されて頂点装置5に向けて送出する。前記パケット(19)Mr1r2a3a2(I0)が頂点装置5の受信回路25-1に到着した場合、前記パケットの宛先MACアドレスr1r2がMACアドレステーブル25-1に記憶されているので、前記パケットが転送されてきた左回りリング名1と送信元MACアドレスa3a2をアドレステーブル25-1に記憶して、または、前記パケットの送信元MACアドレスa3a2の下位アドレスa2を下位アドレスメモリに、左回りリング名1と共に記憶して、前記パケットはリング外に送出され、ルータ22に向かう。なお、前記下位アドレスメモリの同じ下位アドレス位置に違うリング名が記憶されている場合には、2つのリング名を記憶する。前記パケットは(20)Mr1r2a3a2(I0)としてリング外に送出され、ルータ22に向かう。
【0029】
前記パケット(20)Mr1r2a3a2(I0)がルータ22に到着した場合、前記パケットは通信開始パケットまたは通信開始パケットの応答パケットでは無いので、そのパケットの送信元MACアドレスa3a2および送信元IPアドレスI3がARPテーブルに記憶されているので、前記パケットをルータ22内に取り込み、そのパケットの宛先IPアドレスI0の宛先に対応する出力ポートを求め、そのポートに送出する。前記パケットのIPパケットをサーバ20に送出する。そのパケットはIPI3I0(IPはIPアドレスであることを示し、I3は移動端末13-2の送信元IPアドレス、I0は宛先であるゲームパケットのコンテンツサーバ20のIPアドレスを示す。)により図に示されるように転送されてサーバ20に到達する。
【0030】
次に、コンテンツサーバ20から通信開始パケットでないパケット(21)IPI0I2(IPはIPアドレスであることを示し、I2は端末13-1のIPv6アドレス、またはIPv4アドレス、I0はゲーム通信のサーバ20のIPアドレスを示す)がルータ22に到着した場合に、前記パケットがIPv6アドレスの場合には、前記パケットの宛先IPv6アドレスI2の対の宛先MACアドレスa1a2を宛先IPv6アドレスのMACアドレス部分からコピーして、MACパケットのMACヘッダーアドレスとして用いたMACパケット(22)Ma1a2r1r2(I2)をリングネットワークの頂点装置5に送出する。前記パケットがIPv4アドレスの場合には、前記パケットの宛先IPアドレスI2の対の宛先MACアドレスa1a2を図に記してないARPテーブルから求め、MACパケットのMACヘッダーアドレスとして用いたMACパケット(22)Ma1a2r1r2(I2)をリングネットワークの頂点装置5に送出する。前記パケットがリングノード装置5に到着した場合、前記パケットの宛先MACアドレスがMACアドレステーブル25-1に記憶されており、そのMACアドレス記憶位置に左回りリング名1が記憶されているので、または、前記パケットの宛先MACアドレスa1a2の下位アドレスa2が下位アドレスメモリに、左回りリング名1と共に記憶されているので、前記パケットを左リング名1の対向リングである右回りリングの光伝送路2に送出する。
【0031】
前記パケット(23)Ma1a2r1r2(I2)は右回りリング2上を転送されて、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3に到着した場合、前記パケット(23)Ma1a2r1r2(I2)の宛先MACアドレスの下位アドレスa2がリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶されていないので、前記パケットは右回りリング2に送出される。
前記パケット(24)Ma1a2r1r2(I2)がパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着した場合、この時点で前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスa2は重複使用下位アドレスメモリ8には記憶されておらず、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶されているので、前記パケットをリング外に(25)Ma1a2r1r2(I2)として、送出する。リング外に送出されたパケット(25)Ma1a2r1r2(I2)の宛先MACアドレスa1a2が図に記してないMACアドレステーブルに記憶されておらず、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスと同じ下位アドレスのMACアドレスa3a2が前記MACアドレステーブルに記憶されているので、前記パケットをパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に戻し、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスa2をパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2の重複使用下位アドレスメモリ8に記憶し、前記パケットの送信元MACアドレスr1r2がリングポートアドレステーブル9にこの時点で記憶されていないので、前記パケットを右回りリング2に(26)Ma1a2r1r2(I2)として送出する。
ちなみに、基地局にパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置の重複使用下位アドレスメモリに右回りリングから到着したパケットの宛先MACアドレスの下位アドレスが記憶されていることで、リング外に送出されたコピーパケットの宛先MACアドレスが図に記してないMACアドレステーブルに記憶されておらず、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスと同じ下位アドレスのMACアドレスが前記MACアドレステーブルに記憶されている場合には、そのパケットをパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に戻さない。
【0032】
前記パケット(26)Ma1a2r1r2(I2)がパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-1に到着した場合、前記パケット(26)Ma1a2r1r2(I2) の前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶されているので、前記パケットをリング外に送出する。前記パケットが基地局14-1に到着した場合、前記パケット(27)Ma1a2r1r2(I2)は移動端末13-1に(28)Ma1a2n1(I2)として送出される。
【0033】
次に、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2と6-3の間の記号30で伝送路障害が起こり、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2の左回りリング出口で右回りリングにループバック(40)された場合の動作を示す。ループバックは光信号レベルでも電気信号レベルでもよい。
前記リングネットワークの障害時には、伝送路障害点の両側のリングノード装置でループバックし、または、伝送路障害点に接する左回りリング伝送路のパケットをループバックし、ループバックしたパケット(31)Mr1r2a1a2(I0)が 右回りリングからパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着した場合、
前記パケットがステアリングしたパケットのビットを保持しておらず、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスが重複使用下位アドレスメモリ8に記憶されているので、前記重複使用下位アドレスメモリ8の前記下位アドレスa2を消去して、前記パケットの宛先MACアドレスr1r2を前記パケットの下流出口のリングポートアドレステーブル9に記憶して、前記パケットを(32)Mr1r2a1a2(I0)としてパケットのアッドドロップおよび通過の装置6-1に向かわせる。前記下位アドレスa2の消去は図では横線をひいて示している。
前記ループバックしたパケットがパケットのアッドドロップおよび通過の装置6-1に到着した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されているので、前記パケットの宛先MACアドレスr1r2を前記パケットの下流出口のリングポートアドレステーブル9に記憶して、前記パケットの送信元MAアドレスの下位アドレスが重複使用下位アドレスメモリ8に記憶されていたパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2を通過後のパケットの場合であるビットを保持していれば、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスを重複使用下位アドレスメモリに記憶するが、前記ビットを保持しておらず、ステアリングビットを保持していない場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスを重複使用下位アドレスメモリに記憶しない。図では前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2を重複使用下位アドレスメモリ8に記憶している。前記パケットは(33)Mr1r2a1a2(I0)として、頂点装置5に到着した場合、前記パケットの宛先MACアドレスr1r2がMACアドレステーブル25-1に記憶されているので、前記パケットの送信元MACアドレスa1a2と前記パケットが転送されてきた右回りリング名2を対でMACアドレステーブル25-1に記憶する。図ではMACアドレスa1a2のリング名1が横線で消されてポート番号2が記憶されている。
【0034】
次に、移動端末13-2からのパケット(34)Mn2a3a2(I0)が基地局14-2に送出され、パケットMr1r2a3a2(I0)がパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着した場合、前記パケットの宛先MACアドレスr1r2がリングポートアドレステーブル9に記憶されているので、前記パケットにステアリングパケットのビットを付与して、前記パケットを右回りリング2に送出する。前記パケットは(35)Mr1r2a3a2(I0)として、頂点装置5に到着した場合、前記パケットの宛先MACアドレスr1r2がMACアドレステーブル25-1に記憶されているので、前記パケットの送信元MACアドレスa3a2と前記パケットが転送されてきた右回りリング名2を対でMACアドレステーブル25-1に記憶する。図ではMACアドレスa3a2のリング名1が横線で消されてリング名2が記憶されている。
ルータから頂点装置5に到着する宛先MACアドレスがa1a2またはa3a2のパケットのリング名はMACアドレステーブル25-1から読み取ると2なので、前記パケットは左回りリング1に送出される。図ではサーバ20からのIPパケット(38)IPI0I3(I0はサーバのIPアドレス、I3は移動端末13-2のIPアドレス)がルータ20でMACパケット(39)Ma3a2r1r2に変換され、頂点装置5に到着した場合、前記パケットの宛先MACアドレスa3a2がリング名2と共に記憶されているので、前記パケットをリング名2の対向リングである左回りリング1に送出する。前記パケット(39)Ma3a2r1r2(I3)は左回りリングを転送され、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-1に到着した場合、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスa2が重複使用下位アドレスメモリ8に記憶されているので、前記パケットをコピーして、コピーパケットをリング外に送出し、コピーパケットの元のパケットを左回りリング1に送出する。前記パケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着した場合、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスa2がリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶されているので、前記パケットをリング外に送出する。前記パケットはMACパケット(40)Ma3a2n2として移動端末13-2に到達する。
【0035】
伝送路障害復旧後の切り戻し時は、頂点装置からのOAMパケットでリングの全パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置の重複使用下位アドレスメモリ8とリングポートアドレステーブル9の記憶アドレスをクリアし、かつ、頂点装置のMACアドレステーブルの全移動端末のMACアドレスの使用リング名を左回りリング名1にする。
【0036】
実施例1で転送されるMACパケットの最大パケット長1500バイトは2進数で101,1101,1100であり、2バイトのパケット長フィールドの上5ビットが空きビットエリアとなるが、パケットタイプフィールドの先頭4ビットの内、2,3,4ビット目の3ビットが空きビットとなる。この3ビットは、IPv4、IPv6、arp等のパケットタイプビットでも使われない。この空きビットをMACパケットの制御ビットとして用いる。
【0037】
上記実施例1のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置のリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリの構成方法は、電子情報通信学会技術報告(IEICE Technical Report CS2013-28-CS2013-40)の通信方式 vol 113 No,207,Septenber 12-13,2013の「発信端末アドレスのみを持つパケットを双方向に転送するMAC動作形ツリー状リングネットワークの提案」の44ページの3章「データ記憶領域をアドレスとして用いるアドレス記憶法」に開示されている。また、特開2019-097045(アドレス記憶法)にも開示されている。この方法は原理図として図2に示すように構成することもできる。図2はSRAM出力データ32ビット70の出力をラッチ回路55でラッチし、そのラッチ出力信号とビット0書き込み信号59と下位MACアドレスの下位部分5ビット58をデコーダ53でデコードした出力60と入力するロジック回路54の出力として、外部に送出され、CPUからSRAMへの書き込まれる。
【符号の説明】
【0038】
1 左回りリングの光伝送路
2 右回りリングの光伝送路
5 頂点装置
6-1,6-2,6-3 パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置
7 リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ
8 重複使用下位アドレスメモリ
9 リングポートアドレステーブル
13-1,13-2,13-3 移動端末
14-1,14-2,14-3 基地局
15 移動端末の移動
20 サーバ
22 ルータ
25-1 頂点装置のMACアドレステーブル
















図1
図2