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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135432
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】天板構造および家具
(51)【国際特許分類】
   A47B 96/18 20060101AFI20240927BHJP
   A47B 67/02 20060101ALI20240927BHJP
   A47B 77/00 20060101ALI20240927BHJP
   A47K 1/00 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
A47B96/18 H
A47B96/18 F
A47B67/02 502M
A47B77/00
A47K1/00 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023046110
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 卓司
(72)【発明者】
【氏名】森 創
(72)【発明者】
【氏名】平間 啓佑
(72)【発明者】
【氏名】高久 秀之
【テーマコード(参考)】
3B260
【Fターム(参考)】
3B260CA00
(57)【要約】
【課題】外観意匠性を損なうことなく天板を補強可能な支持構造および家具を提供する。
【解決手段】支持構造は、板状の天板3と、前記天板の下方に設けられる支持材101,102と、前記天板の端部の裏側および前記支持材の外側に配置される框材4と、を備え、前記框材は、前記天板の前記裏面に対向配置され、少なくとも下面が略水平方向に延びる横平面部421を有する横片42と、前記支持材の前記外側面に沿って配置され、下部が前記横平面部に略直交する平板状に形成された縦平板部412を有する縦片41と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の天板と、
前記天板の下方に設けられる支持材と、
前記天板の端部の裏側および前記支持材の外側に配置される框材と、を備え、
前記框材は、前記天板の裏面に対向配置され、少なくとも下面が略水平方向に延びる横平面部を有する横片と、前記支持材の外側面に沿って配置され、下部が前記横平面部に略直交する平板状に形成された縦平板部を有する縦片と、を備える、天板構造。
【請求項2】
前記框材の表側の面には、前記横平面部と前記縦平板部との間に傾斜面が形成されている請求項1に記載の天板構造。
【請求項3】
前記横片の前端部に下方に突出する突出片を備える請求項1に記載の天板構造。
【請求項4】
前記突出片は、前記横平面部よりも下側に延びて突出している請求項3に記載の天板構造。
【請求項5】
前記框材がアルミニウム形材からなる請求項1に記載の天板構造。
【請求項6】
キャビネット本体と、
前記キャビネット本体上に設置される請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の天板構造と、を備え、
前記キャビネット本体の側面に設けられた化粧材によって前記縦片の下端部が覆われる、家具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、天板構造および家具に関する。
【背景技術】
【0002】
キッチンカウンターや洗面台等の家具において、板状の人造大理石やセラミック、天然石等の天板が使用される場合がある。このような家具には、天板の耐荷重性や耐衝撃性を向上させるために補強材が設けられる場合がある。補強材は、天板の周縁部の下方に設けられ、天板の周縁部を支持する。例えば、特許文献1に記載されている天板構造が知られている。補強材は、天板の周縁部に設けられるため、キャビネット等の外部から視認可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-171281号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、外観意匠性に優れたキャビネットや洗面台へのニーズが高まっている。
【0005】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、外観意匠性を損なうことなくキャビネットの天板を補強可能な天板構造および家具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る天板構造は、板状の天板と、前記天板の下方に設けられる支持材と、前記天板の端部の裏側および前記支持材の外側に配置される框材と、を備え、前記框材は、前記天板の裏面に対向配置され、少なくとも下面が略水平方向に延びる横平面部を有する横片と、前記支持材の外側面に沿って配置され、下部が前記横平面部に略直交する平板状に形成された縦平板部を有する縦片と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係る家具の斜視図。
図2図1にIIで示す部分の斜視図。
図3図1にIIで示す部分を矢印III方向から見た図。
図4図3のIX-IX線断面図。
図5】框材の斜視図。
図6図1にIIで示す部分を矢印XI方向から見た図。
図7】天板支持構造の斜視図。
図8】天板支持構造の分解斜視図。
図9図3のIV-IV線断面図。
図10】コーナーキャップの斜視図。
図11】コーナーキャップの上面図。
図12】一実施形態に係る家具の上端部の側面図。
図13】一実施形態に係る家具の上端部の正面図。
図14図13のXIV-XIV線断面図。
図15】コーナーキャップの斜視図。
図16】天板支持構造の変形例の縦断面図。
図17】天板支持構造の変形例の縦断面図。
図18】天板支持構造の変形例の縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照し、天板構造および家具の一実施形態を説明する。図1に示すように、家具は例えば、キッチンカウンター1である。本実施形態では、アイランド型のキッチンカウンターを例に説明する。以下、キッチンカウンター1を単に「カウンター1」と記載する。カウンター1は、図1に示すX方向に長い略直方体形状を有する。図1および図2に示すように、カウンター1は、キャビネット本体2と、天板支持部10と、天板3と、を備える。カウンター1の上部にコンロ201やシンク202が設けられる。以下の説明において、コンロ201やシンク202に向かって使用者が立った時の左右方向をX方向、前後方向をY方向、上下方向をZ方向と記載する。天板3はキャビネット本体2上に設置される板状の部材である。図2および図3に示すように、天板支持部10は、キャビネット本体2の上部に設けられる。天板3が天板支持部10上に固定されることによって、天板3がキャビネット本体2上に支持される。
【0009】
キャビネット本体2は、床上に設置される略直方体形状の構造体である。以下の説明において、キャビネット本体2の4つの側面のうち、コンロ201やシンク202が設けられる側の側面を第1側面20Aと称する。Y方向における第1側面20Aと反対側の側面を第2側面20Bと称する。X方向の両側面のうち、第1側面20AからY2方向に見て右側の側面を第3側面20Cと称し、左側の側面を第4側面20Dと称する。
【0010】
キャビネット本体2は、内部に収納部を備える。収納部は、コンロ201、シンク202、水栓203、食器洗い機等の台所設備や、鍋、調理器具、食器等の台所用品等の物品を収納可能である。収納部は、例えば、台所設備が収納される部分を除く領域に棚や引出し等が設けられる。キャビネット本体2は、図1図3に示す化粧板23や、扉29、図13に示す化粧板21等により各側面20A~20Dが覆われる。図示例では、第2側面20Bに複数の扉29が設けられ、扉29の内部に不図示の収納棚が設けられている。第3側面20Cおよび第4側面20Dには化粧板23が取り付けられている。化粧板23の上端231や扉29の上端291が天板支持部10の近傍に配置されるように、化粧板23や扉29が設けられている。
【0011】
天板3は、セラミック製の一枚の板材である。天板3は平面視略矩形を有する。図示例の天板3は、例えば、厚さ6mmの薄型の板材である。薄型の天板3を採用することによって、外観がすっきりした意匠を得られる。天板3の厚さは6mmに限定されず、適宜設定可能である。図3に示すように、天板3の周端部には、平面視外側に向かって厚さが薄くなるように傾斜面が形成されていてもよい。図4に示すように、天板3の裏面33は略平面に形成されている。天板3には、コンロ201およびシンク202が設けられる部分が開口している。天板3の開口部分にコンロ201およびシンク202が配置されて固定される。
【0012】
図4および図14は、カウンター1の異なる部位の断面を示している。図4および図14に示すように、天板支持部10は、支持材101,102と、框材4,4Aとを備える。支持材102は略平板状の裏板である。支持材102は、天板3の裏面33と対向配置される。支持材101は、例えば、支持材102の外周端部の下面に取り付けられる角材である。図4および図14に示すように框材4、4Aは、キャビネット本体2の第1側面20Aおよび第2側面20Bの上端部に設けられる部材である。框材4,4Aは、天板3の端部の裏側およびキャビネット本体2の支持材102の外側に配置される。框材4,4Aは、天板3の端部の裏面33および支持材102の外側面に近接配置される。カウンター1の第1側面20Aに設けられる框材4Aと、第2側面20Bに設けられる框材4とは、各框材4,4Aの各部の構成は同様であるが、設置場所の寸法に対応して寸法が異なる部分がある。第1側面20Aに設けられる框材4Aは、図13に示すように、Y方向の寸法が短い。
【0013】
図4に示すように、框材4が設置された状態で支持材101,102に取り付けられる側を框材4の内側と称し、キャビネット本体2の外方側に配置される側を框材4の外側と称する。図4では、Y1方向に内側の端部が配置され、Y2方向に前側の端部が配置される。図5に示すように、框材4は長尺部材である。框材4の長手方向の長さは天板3の長手方向の寸法よりやや短い。框材4は、例えば、アルミニウム製の金属形材である。
【0014】
図4および図5に示すように、框材4は、横片42と、縦片41とを備える。図4に示すように、框材4は、長手方向に直交する縦断面形状が略L字形状を有する。框材4は、横片42と縦片41とが接続されている。横片42は、框材4の前端45からY1方向に略水平に延びる。横片42の後部と縦片41の上部とが接続されている。縦片41は、框材4の下端414から上方に延びる。横片42の後部と縦片41の上部との間に傾斜部43が形成されている。傾斜部43は曲面形状を有する。傾斜部43は、框材4,4Aの少なくとも表側面において、横平面部421と縦平板部412との間に傾斜面431が形成されていればよい。
【0015】
横片42は、略平板形状を有する。横片42は、横平面部421を有する。横平面部421は、少なくとも下面424が略水平方向に延びる部位を含む。横片42の上面425は略水平である。横片42は、横平面部421の少なくとも下面424が略水平面であればよい。横片42の上面425は、天板3を安定支持する目的において、天板3の裏面33の形状に沿っていればよい。図示例では、天板3の裏面33が水平面であるため、横片42の上面425も略水平面である。框材4は、横片42の横平面部421と縦片41の縦平板部412の前面411とが略直交する。
【0016】
横片42の上面425の前端部には、下方に窪む溝422が形成されている。図5に示すように、溝422は、横片42の長手方向の全長にわたって形成されている。溝422は、横片42の上面425と天板3の裏面33との間を固定する不図示の接着剤の逃げ溝として機能する。
【0017】
横片42の前端45には、下方に突出する突出片44が設けられている。突出片44は、前端45から略鉛直下方に突出している。突出片44は、横片42の下面424よりも下側に突出している。
【0018】
縦片41の裏面415には、第1係止部46および第2係止部47が設けられている。第1係止部46は、縦片41の上部に裏面415から後方に向かってY1方向に突出して設けられている。第1係止部46は、略C字形の縦断面形状を有する。第1係止部46は、後述するネジが挿入される。第1係止部46は、ネジ等の固定具が挿入可能に構成されていればよい。第1係止部46は、図示例の他、環状の断面形状を有する例や、ネジ孔を有する突部、縦片41の裏面415側において縦片41の長手方向に貫通するネジ孔であってもよい。第2係止部47は、縦片41の下端414において、裏面415にから後方に向かってY1方向に突出して設けられている。第2係止部47は略C字形の縦断面形状を有する。第1係止部46は、後述する係止突起が挿入可能に構成されている。図5に示すように、第1係止部46および第2係止部47は、框材4の長手方向の全長にわたって形成されている。
【0019】
框材4の上部の後端部には凸部48が設けられている。凸部48は、横片42から後方に向かってY1方向に突出している。凸部48には、横片42の上面425から連続して略水平面が形成されている。凸部48と傾斜部43の裏面との間に凹部481が形成されている。框材4,4Aの裏面415は、支持材101,102のY方向の外側面と離間している。第1係止部46の後端および凸部48の後端482と支持材101,102のY方向の外側面とは離間している。
【0020】
天板支持部10は、さらに、横框材6およびコーナーキャップ7を備える。框材4,4Aおよび一対の横框材6は、天板3の四周の裏面に枠状に配置される。コーナーキャップ7は、框材4,4Aと横框材6とが連結される角部に配置される。
【0021】
横框材6は、カウンター1の第3側面20Cおよび第4側面20Dの上部に設けられる。横框材6の長手方向の端部が、各框材4,4Aの長手方向の各端部に接続される。横框材6は、支持材101,102および天板3のX方向の両端部の裏面33を覆う。框材4,4Aと同様に、横框材6の裏面は、支持材101,102のX方向の外側面と離間している。横框材6は、例えば、アルミニウム製の金属形材である。図8に示すように、横框材6は、水平部61と、側壁部62とを備える。側壁部62は水平部61の下面から下方に延びている。側壁部62の長手方向の端部には、ネジ孔65,66が貫通して形成されている。
【0022】
水平部61の上面612は、略水平な略平板形状を有する。水平部61の上面612は、天板3の裏面33の形状に沿っていればよい。図示例では、天板3の裏面33が水平面であるため、水平部61の上面612も略水平面である。図7は、天板3の記載を省略して天板支持部10の角部を示している。図7に示すように、水平部61の長手方向の端部には切欠63が形成されている。切欠63は、框材4,4Aの長手方向の端部が当接して配置可能な形状の切り欠きである。
【0023】
図8に示すように、水平部61の前端64には、下方に突出する突出片67が設けられている。突出片67は、水平部61の前端64から略鉛直下方に突出している。突出片67は、側壁部62よりも外方に位置する。
【0024】
水平部61の上面612の前端部には、下方に窪む溝611が形成されている。溝611は、水平部61の長手方向の全長にわたって形成されている。溝611は、水平部61の上面612と天板3の裏面33との間を固定する不図示の接着剤の逃げ溝として機能する。
【0025】
コーナーキャップ7は、天板支持部10の角部において框材4,4Aおよび横框材6の端部を覆う部材である。コーナーキャップ7は、キャップ71と、上板72と、縦固定部73と、係止突起75と係止片74とを備える。コーナーキャップ7は例えば、樹脂製の一体成型部品である。コーナーキャップ7は、框材4,4Aおよび横框材6の端部が外部から視認不能となるように設けられる。
【0026】
図10に示すように、上板72は、略平板形状の水平方向に延びている。上板72は、天板3の裏面33に沿って配置される。上板72の前端にキャップ71が設けられている。図7図8および図10に示すようにキャップ71は、上板72よりも上方に突出する部分711は略直方体形状を有する。キャップ71の外面は、框材4,4Aおよび横框材6の少なくとも一方の外側面形状に沿う形状を有する。外側面形状に沿う形状とは、框材4,4Aの外面と同一形状および同一寸法を有して框材4,4Aと連続面を形成する形状の他、相似形で寸法が若干異なり、僅かな段差が形成される構成も含む。例えば、キャップ71の前端面712は、框材4,4Aの前端部の形状と相似形状を有する。框材4,4Aの前端部とキャップの前端面712とが相似形状である場合、框材4,4Aの前端部とキャップの前端面712とが連続面を形成する。あるいは、両者に段差が生じる寸法の場合に近似面を形成できる。キャップ71の前端面712の下端部713は上板72よりも下方に突出している。キャップ71は、第1突き当て面714および第2突き当て面715を有する。第1突き当て面714は、框材4,4Aの長手方向の端部と当接する面である。第2突き当て面715は、横框材6の長手方向の端部と当接する面である。第1突き当て面714および第2突き当て面715は、鉛直方向に延びる面である。第1突き当て面714および第2突き当て面715は上板72に対して直交する。
【0027】
縦固定部73は、略鉛直方向に延びる板形状を有する。縦固定部73は、上板72と略直交する。縦固定部73には、複数のネジ孔76,77,78が貫通して形成されている。複数のネジ孔76,77,78のうち、第1ネジ孔76は、框材4,4Aの第1係止部46と連結される。第2ネジ孔77および第3ネジ孔78は、横框材6のネジ孔65,66に対応する位置に形成されている。第2ネジ孔77および第3ネジ孔78は、Y方向に長い長孔である。
【0028】
係止突起75は、縦固定部73の下端734の近傍に設けられている。係止突起75は、縦固定部73の内側面からX方向に突出して設けられている。係止突起75は、例えば、略円柱形状を有する。係止突起75は、縦固定部73に対して直交する方向に突出している。
【0029】
係止片74は、キャップ71の第1突き当て面714からX方向に水平に突出している。係止片74は、上板72と同じ高さに設けられている。係止片74のY1方向の端部741は湾曲面を有する。係止片74の端部741は、框材4,4Aの傾斜部43の傾斜面形状に沿うように湾曲している。
【0030】
係止突起75および係止片74は、係止部の一例である。係止部は、コーナーキャップ7の位置ずれを防止し、所定位置に保持するために設けられている。図11に示すように、係止突起75と係止片74とは、縦固定部73に対してX方向に突出し、平行に延びている。図示例では、コーナーキャップ7には、係止部として係止突起75および係止片74の両方を備える例を示しているが、係止部はいずれか一方のみ備える構成であってもよい。
【0031】
図11に示すように、コーナーキャップ7において、キャップ71は、上板72および縦固定部73よりも外方に位置する。キャップ71の前端面712は、上板72の前端725よりも外側に位置する。キャップ71の前端面712は、係止片74の前端742よりも外側に位置する。
【0032】
上述した通り、第1側面20A側の框材4Aは、第2側面20B側の框材4と、Y方向の寸法が異なる。カウンター1の第1側面20A側は、天板3の端部32とキャビネット本体2の側面との間の長さが短い。したがって、図14に示すように、横片42のY方向の寸法が短い。傾斜部43は、平面状の傾斜面431を有する。框材4に比べて傾斜部43の傾斜角度が大きい。第1側面20A側は、台所の作業時に立つ場合が多く、第2側面20B側に比べて、ユーザーが天板3の端部32の近傍に立つことが多い。そのため、第2側面20B側に比べて、横片42の寸法が短くても、縦片41が外観上目立ち難い。框材4Aの縦片41には、外装材28が設けられている。外装材28は、化粧板21と外観上の統一感が得られる意匠を有する。外装材28は必須の構成ではなく、框材4Aの縦片41が露出する構成であってもよい。
【0033】
第1側面20A側の框材4Aも、第1側面20A側の框材4と同様に、突出片44が設けられているため、天板3から水等の液体が流れ落ちた場合に、突出片44が水切として機能する。框材4と同様に、突出片44と傾斜部43との間に横平面部421を備えるため、傾斜部43が外観上目立たない意匠が得られる。
【0034】
コーナーキャップ7の変形例として、第1側面20A側のコーナーキャップ7Aを例示する。図15に示すように、第1側面20A側のコーナーキャップ7Aは、框材4Aの形状に対応している。係止片74のY方向の寸法が、コーナーキャップ7に比べて短い。切欠63は、コーナーキャップ7の必須の構成ではない。コーナーキャップ7Aのように、コーナーキャップ7の切欠63を備えなくてもよい。
【0035】
以下、天板支持構造および天板3の取付方法を説明する。図4に示すように、天板3の下方に支持材101,102が設けられる。支持材101,102は、天板3の周端よりも内側に側面が位置するように設けられる。天板3の下方、かつ支持材101,102の外方に天板支持部10が取り付けられる。図7および図8に示すように、框材4の長手方向が第2側面20Bにおける支持材101,102の側面に対向して配置される。框材4は、第2側面20Bにおける支持材101,102および天板3の裏面33を覆う。框材4の裏面415および凸部48の後端482は、支持材101,102の外側面から離間配置されている。横框材6は、支持材101,102の第3側面20Cおよび第4側面20Dに設けられる。
【0036】
コーナーキャップ7の縦固定部73を横框材6の側壁部62に当接させ、第2突き当て面715を横框材6の端面に突き当てると、コーナーキャップ7が横框材6に対して位置合わせできる。この結果、縦固定部73の第2ネジ孔77および第3ネジ孔78が側壁部62の各ネジ孔65,66と連通する。第2ネジ孔77および第3ネジ孔78およびネジ孔65,66にネジ91,92を挿入する。この状態で横框材6をキャビネット本体2に近付ける。横框材6の水平部61の後端部を支持材102の側面に当接させる。図示例では、コーナーキャップ7は、支持材101の上面が支持材102の外側に一部露出した段部を有するため、水平部61を段部に載せる。この状態で、横框材6およびコーナーキャップ7を支持材101,102に対してネジ91,92で仮止めする。
【0037】
次に、框材4を支持材101,102に近付ける。框材4をX方向に移動させ、コーナーキャップ7の係止突起75に框材4の第2係止部47を挿入し、係止片74が框材4の突出片44と傾斜部43との間に挿入する。これによって框材4がコーナーキャップ7に対して係止される。第1突き当て面714に框材4の長手方向の端部を突き当てる。框材4の長手方向の端部は、第1突き当て面714に当接するとともに、後端部423が切欠き63に当接する。この結果、框材4と横框材6とがコーナーキャップ7を介して仮係合される。
【0038】
第2ネジ孔77および第3ネジ孔78は、Y方向に長い長孔であるため、仮係合状態では、コーナーキャップ7と横框材6との相対位置を調整可能である。仮係合状態では、コーナーキャップ7と框材4とのX方向の相対位置を調整可能である。係止突起75は略円柱形状であり、第2係止部47は断面C字形状であるため、係止突起75は第2係止部47内を相対回転し得る。しかし、係止片74が横片42の下部に係止されているため、仮係合状態時、框材4がコーナーキャップ7に対して回転方向にずれることを防止できる。
【0039】
仮係合状態で、框材4および横框材6を支持材101,102に対して位置決めする。不図示の治具を用いて位置決めされた框材4、横框材6およびコーナーキャップ7を保持してもよい。
【0040】
框材4の上面425および横框材6の水平部61と、天板3の裏面33とを接着剤で固定する。具体例としては、天板3の裏面33を上方に向けて配置し、仮係合状態の框材4および横框材6を上面425および水平部61が裏面33に対向するように仮置きする。その後、框材4、横框材6、およびコーナーキャップ7の天板3に対して位置決めする。その後、不図示の治具を用いて第2ネジ孔77および第3ネジ孔78を利用して仮固定する。続いて、接着剤を塗布し、框材4、横框材6、およびコーナーキャップ7と天板3とを固定する。例えば、治具等を用いて、框材4および横框材6を天板3に対して押し当てる。このとき、天板3の裏面33と框材4の上面425および横框材6の水平部61との間の接着剤の余剰分はそれぞれ溝422、611に流れ込む。第2ネジ孔77および第3ネジ孔78が長孔であるため、コーナーキャップ7のY方向の位置を微調整できる。この結果、框材4、横框材6およびコーナーキャップ7と天板3との位置を微調整される。次に、第1ネジ孔76にネジ93を挿入すると、ネジ93は框材4の第1係止部46内に挿入される。この結果、框材4と横框材6とがコーナーキャップ7を介して連結される。框材4および横框材6は接着剤によって天板3の裏面に固定される。横框材6が支持材102に対してネジ91,92で固定されることによって、横框材6およびコーナーキャップ7を介して框材4も支持される。
【0041】
框材4および横框材6がコーナーキャップ7を介してキャビネット本体2に固定されると、図2図3図6図7に示すように、框材4とキャップ71とが隙間なく固定され、横框材6とキャップ71とが隙間なく固定される。框材4の前端45と、キャップ71の前端面712とが同一面上に配置される。横框材6の前端64とキャップ71の前端面712とが同一面上に配置される。この結果、キャップ71と框材4および横框材6とが一体的な外観を呈する。
【0042】
コーナーキャップ7は、キャップ71に第1突き当て面714および第2突き当て面715を備える。この結果、框材4、4Aおよび横框材6の長手方向の端部をキャップ71に当接させることによって、キャップ71の前端面712と、框材4、4Aの前端45および横框材6の前端64との間に段差が生じない。したがって、框材4,4Aおよび横框材6とキャップ71とが連続した外観を呈する。
【0043】
コーナーキャップ7、7Aは、係止片74および係止突起75によって、框材4,4Aの相対回転が防止され、框材4,4Aとキャップ71とがねじれて配置されることを防ぐことができる。
【0044】
図8および図9に示すように、框材4は、突出片44が設けられているため、天板3から水等の液体が流れ落ちた場合に、突出片44が水切として機能する。框材4は、突出片44と傾斜部43との間に横平面部421を備えるため、傾斜部43が後側に離れて配置され、外観上目立たない意匠が得られる。框材4は、前端45以外の部分の露出が少ないため、天板3の端部32に沿って、細長い前端45が露出し、統一感のある外観が得られる。特に、薄型の天板3が設けられる場合、天板3と框材4の前端45とが統一感のある外観が得られる。
【0045】
キャビネット本体2の4つの側面20A~20Dには、扉29や化粧板23が配置される。図2,3,12等に示すように、扉29や化粧板23と天板3との隙間は例えば約5mmである。扉29や化粧板23と天板3との隙間が小さいため、天板3、框材4、横框材6、キャップ71、扉29や化粧板23の周囲に支持構造物が露出することを抑え、ノイズの少ないすっきりした外観意匠が得られる。
【0046】
コーナーキャップ7において、キャップ71の前端面712が上板72よりも外方に突出した位置に配置されているため、コーナーキャップ7と横框材6とを連結後は、上板72は横框材6に隠れ、外観上視認し難い。キャップ71の前端725が縦固定部73よりも外方に突出した位置に設けられているため、横框材6の前端64およびキャップ71の前端面712の近傍に縦固定部73が配置されない。その結果、図2に示すように、カウンター1の外観上、キャップ71のみが見える。縦固定部73は、横框材6の前端64およびキャップ71の前端面712よりも後側にオフセットされた位置に配置されるため、図12に示すように、外観上目立たないように設けることができる。
【0047】
実施形態に係る支持構造によれば、天板3の端部の裏側および支持材102の外側に配置される框材4,4Aを備える。框材4,4Aは、天板3の裏面33に対向配置される横片42の少なくとも下面が略水平方向に延びる横平面部421を有する。框材4,4Aの縦片41は、支持材102の外側面に沿って配置され、下部が横平面部421に略直交する平板状に形成された縦平板部412を有する。この結果、縦平板部412が、框材4,4Aの前端45よりも後側に離間した位置に配置されるため、外観上、縦片41が目立たない。実施形態に係るカウンター1によれば、外観意匠性を損なうことなくキャビネットの天板を補強可能な天板構造を提供できる。
【0048】
実施形態に係る支持構造によれば、框材4,4Aの表側の面における横平面部421と縦平板部412との間に傾斜面431が形成されている。この結果、横平面部421と縦平板部412との境界部分が目立たず、外観意匠性に優れる。
【0049】
実施形態に係る支持構造によれば、突出片44が横片42の前端45に下方に突出して設けられているため、ユーザーの斜め上方からの目線に縦片41が入り難い。突出片44によって天板3から流れた液体の水切ができる。
【0050】
実施形態に係る支持構造によれば、突出片44が横平面部421よりも下側に延びて突出しているため、横平面部421が突出片44に隠れる。この結果、横片42が視認されず、外観意匠性に優れる。
【0051】
実施形態に係る支持構造によれば、框材4,4Aがアルミニウム形材からなるため、強度が高く、大型の天板3の端部を安定的に支持できる。
【0052】
実施形態に係る天板構造によれば、框材4,4Aがアルミニウム形材からなることによって、框材4の強度を確保できる。框材4,4Aがアルミニウム形材からなることによって、框材4が天板3を支持する構造体として機能する。
【0053】
実施形態に係るカウンター1は、上述の支持構造を用いて天板3を支持しているため、外観意匠性を損なうことなく天板3を補強可能である。
【0054】
框材は上記実施形態の框材4,4Aの構成に限定されない。例えば、框材は、図16から図18に示す例であってもよい。図16に示す例では、天板3には、端部32を挟んでZ方向に上傾斜面322と下傾斜面321とが形成されてもよい。框材4Cの前端45は、天板3の端部32の下方に位置する。框材4Cの前端部451は、下傾斜面321に沿う傾斜面453を備えてもよい。この例の場合、天板3の端部32の下方が金属製の框材4Cに覆われるため、端部32に対する下方からの衝撃に対する保護性能を高めることができる。この例の場合、Y1方向を見たとき、天板3の端部32と框材4Cの前端部451の上端452とが略等しい位置に配置されるため統一感のある外観が得られる。
【0055】
図17に示す例は、図16に示す例と同様に、天板3の端部32に上傾斜面322と下傾斜面321とが形成されている。図17に示す框材4Dでは、前端部451の上端452が天板3の端部32よりも外側に位置する。天板3の端部32は、框材4Cの上端452で覆われる。框材4Cの上端452は、天板3の上傾斜面322と連続する傾斜面を備えてもよい。この構成を備える結果、天板3の端部32が、金属製の框材4Cで覆われるため、端部32に対する下方および前方からの衝撃に対する保護性能を高めることができる。この例の場合、Y1方向を見たとき、天板3の厚さがより薄く見えるためよりノイズの少ない外観が得られる。
【0056】
図18に示す例は、天板3の端部32を框材4Dで覆う例である。天板3の端部32は、Z方向に延びる平面形状を有する。框材4Dの前端部451は、略鉛直上方に突出する。框材4Dの前端45は、突出片44から上端452までZ方向に延びている。前端部451の裏面に天板3の端部32が当接した状態で天板3が配置される。この構成を備える結果、天板3の端部32が、金属製の框材4Cで覆われるため、端部32に対する下方および前方からの衝撃に対する保護性能を高めることができる。この例の場合、Y1方向を見たとき、天板3が視認されず、框材4Dの前端45が露出するため、側面視でシンプルな外観が得られる。
【0057】
上記実施形態では、天板支持部10として、框材4、横框材6およびコーナーキャップ7を備える例を示したが、天板構造はこの例に限定されない。天板構造は、框材4を天板3および支持材101,102に取り付ける構成を備えればよい。
【0058】
上記実施形態では、第2側面20Bに複数の扉29を設ける例を示したが、扉29は必須の構成ではない。第3側面20Cおよび第4側面20Dと同様に、化粧板を固定する構成であってもよい。
【0059】
上記実施形態では、家具の一例としてアイランド型のキッチンカウンターを例示したが、本開示の家具は図示例に限定されない。例えば、壁付型、ペニンシュラ型のキッチンカウンター、洗面台、作業台等、キャビネット上に天板が設けられる各種家具に適用できる。
【0060】
(1) 板状の天板と、
前記天板の下方に設けられる支持材と、
前記天板の端部の裏側および前記支持材の外側に配置される框材と、を備え、
前記框材は、前記天板の裏面に対向配置され、少なくとも下面が略水平方向に延びる横平面部を有する横片と、前記支持材の外側面に沿って配置され、下部が前記横平面部に略直交する平板状に形成された縦平板部を有する縦片と、を備える、天板構造。
【0061】
(2) 前記框材の表側の面には、前記横平面部と前記縦平板部との間に傾斜面が形成されている(1)に記載の天板構造。
【0062】
(3) 前記横片の前端部に下方に突出する突出片を備える(1)または(2)に記載の天板構造。
【0063】
(4) 前記突出片は、前記横平面部よりも下側に延びて突出している(3)に記載の天板構造。
【0064】
(5) 前記框材がアルミニウム形材からなる(1)から(4)のいずれかに記載の天板構造。
【0065】
(6) キャビネット本体と、
前記キャビネット本体上に設置される(1)から(5)のいずれかに記載の天板構造と、を備え、
前記キャビネット本体の側面に設けられた化粧材によって前記縦片の下端部が覆われる、家具。
【0066】
以上、本開示の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。上述の各実施形態において示した構成要素は適宜に組み合わせて構成することが可能である。
【符号の説明】
【0067】
1 キッチンカウンター(家具)、2 キャビネット本体、3 天板、4 框材、45 前端、42 横片、41 縦片、44 突出片、421 横平面部、412 縦平板部、431 傾斜面、101,102 支持材
図1
図2
図3
図4
図5
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