(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135438
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G01B 11/00 20060101AFI20240927BHJP
G01B 11/14 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
G01B11/00 H
G01B11/14 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023046117
(22)【出願日】2023-03-23
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り https://www.ecomott.co.jp/topics/4401/(ウェブサイトの掲載日 令和5年1月4日) https://knowledge.ecomott.co.jp/knowledge/oldupdateinformation(ウェブサイトの掲載日 令和5年1月4日) https://www.facebook.com/ecomott/posts/pfbid025dTGgv8zwJ8N9zrFvyVezmF16Ld5rAWhsb5f1fbMXN9fdMX3Yyq29YTyC6ajwSufl?__cft__[0]=AZWF7iTkaZTwQd1LavTxQWvc2I3kVc4EWEq8VC2DIDRr_njaZOWImOgzG3l98TfavFeyFJnwR2AaflU9DeCcUfiyk5GeGeINqT-xpus3N95tTJDPa3bYYw-jLnQOpNzf_7La59xONKH5WpGdX0m6reLrKaGz4-jM_soVhU_Xs7p9Nm7jmT4_BFVcDDQWE_nZAG7J0KMl8iOM6MHkFQc4Q_ZM&__tn__=%2CO%2CP-R(ウェブサイトの掲載日 令和5年1月4日) https://twitter.com/IoT_ecomott/status/1610442082707177473?cxt=HHwWgoDQ8dWiuNksAAAA(ウェブサイトの掲載日 令和5年1月4日) https://www.gembaroid.jp/news/20230105.html(ウェブサイトの掲載日 令和5年1月5日) https://www2.jpx.co.jp/disc/39870/140120230104585267.pdf(ウェブサイトの掲載日 令和5年1月4日) https://www.dreamnews.jp/press/0000273239/(ウェブサイトの掲載日:令和5年1月4日) https://developer.apple.com/jp/testflight/(配信日 令和5年1月4日)
(71)【出願人】
【識別番号】509042518
【氏名又は名称】エコモット株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】細川 博之
(72)【発明者】
【氏名】大山 一勢
(72)【発明者】
【氏名】板谷 紀史子
(72)【発明者】
【氏名】逸見 亜紀
(72)【発明者】
【氏名】勝田 剛
【テーマコード(参考)】
2F065
【Fターム(参考)】
2F065AA04
2F065AA22
2F065BB06
2F065CC14
2F065FF05
2F065FF11
2F065JJ03
2F065JJ26
2F065QQ01
2F065QQ31
2F065SS01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】円形状又はアーチ形状等の特殊な配置がされている複数の鉄筋の位置を特定できるようにする。
【解決手段】情報処理装置1は、被写体の撮像画像と、撮像画像を撮像した情報端末が測定した被写体の3次元空間の位置を示す位置データと、を取得する取得部121と、撮像画像上で、位置データが示す3次元空間の位置のうち、基準鉄筋上の基準位置の指定を受け付ける第1受付部123と、基準位置を示すマーカと、基準位置を含む平面状領域であって、3次元空間において鉄筋の長手方向に対して垂直な平面状領域と、を撮像画像に重畳して情報端末に表示させる表示制御部122と、撮像画像上で、位置データが示す3次元空間の位置のうち、平面状領域上の指定位置の指定を受け付ける第2受付部124と、基準位置を基準鉄筋の位置として特定するとともに、指定位置を複数の鉄筋のうち基準鉄筋の隣にある鉄筋の位置として特定する特定部125と、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の鉄筋を含む被写体を撮像することによって生成された撮像画像と、前記撮像画像を撮像した情報端末が測定した前記被写体の3次元空間の位置を示す位置データと、を取得する取得部と、
前記撮像画像上で、前記位置データが示す前記3次元空間の位置のうち、前記複数の鉄筋のうち基準とする鉄筋である基準鉄筋上の基準位置の指定を受け付ける第1受付部と、
前記基準位置を示すマーカと、前記基準位置を含む平面状領域であって、前記3次元空間において前記鉄筋の長手方向に対して垂直な平面状領域と、を前記撮像画像に重畳して前記情報端末に表示させる表示制御部と、
前記撮像画像上で、前記位置データが示す前記3次元空間の位置のうち、前記平面状領域上の指定位置の指定を受け付ける第2受付部と、
前記基準位置を前記基準鉄筋の位置として特定するとともに、前記指定位置を前記複数の鉄筋のうち前記基準鉄筋の隣にある鉄筋の位置として特定する特定部と、
を有する、情報処理装置。
【請求項2】
前記第2受付部は、前記特定部が前記複数の鉄筋のうち第1鉄筋の位置を特定した後に、前記撮像画像上で、前記平面状領域上の前記指定位置の指定を受け付け、
前記特定部は、前記特定部が前記第1鉄筋の位置を特定した後に指定された前記指定位置を、前記複数の鉄筋のうち前記第1鉄筋の隣にある第2鉄筋の位置として特定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記取得部は、前記情報端末において指定された前記複数の鉄筋の設計本数を取得し、
前記第2受付部は、位置が特定された鉄筋の本数が前記設計本数に達するまで前記指定位置の受け付けを繰り返し、
前記特定部は、位置が特定された鉄筋の本数が前記設計本数に達するまで前記第2鉄筋の位置の特定を繰り返す、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記特定部が前記第2鉄筋の位置を特定した後に、前記第2受付部は、前記第1鉄筋と前記第2鉄筋との間において前記指定位置の指定を受け付け、
前記特定部は、前記特定部が前記第2鉄筋の位置を特定した後に指定された前記指定位置を、前記複数の鉄筋のうち前記第1鉄筋と前記第2鉄筋との間にある第3鉄筋の位置として特定する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記取得部は、前記情報端末において指定された角度を取得し、
前記表示制御部は、前記3次元空間において所定の基準面を基準として前記角度に配置された前記マーカ及び前記平面状領域を、前記撮像画像に重畳して前記情報端末に表示させる、
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記3次元空間において前記基準位置に固定された前記マーカ及び前記平面状領域を、前記撮像画像に重畳して前記情報端末に表示させる、
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記特定部が特定した前記複数の鉄筋それぞれの位置に基づいて、前記複数の鉄筋のうち隣り合う2つの鉄筋の間隔を算出する算出部をさらに有し、
前記表示制御部は、前記間隔を示す情報を前記情報端末に表示させる、
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記取得部は、前記情報端末において指定された前記複数の鉄筋の設計本数を取得し、
前記表示制御部は、位置が特定された鉄筋の本数が前記設計本数に達したことを条件として、前記間隔を示す情報を前記情報端末に表示させる、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記取得部は、前記情報端末において指定された前記複数の鉄筋の設計間隔を取得し、
前記表示制御部は、前記設計間隔との差が閾値以上である前記間隔を示す情報を、前記設計間隔との差が前記閾値未満である前記間隔を示す情報とは異なる表示態様で、前記情報端末に表示させる、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記取得部は、前記情報端末において指定された前記複数の鉄筋が配置される形状を取得し、
前記表示制御部は、前記形状に応じて決定された前記マーカ及び前記平面状領域を、前記撮像画像に重畳して前記情報端末に表示させる、
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記取得部は、前記情報端末において指定された前記複数の鉄筋の設計サイズを取得し、
前記表示制御部は、前記設計サイズに応じた大きさの前記マーカを、前記撮像画像に重畳して前記情報端末に表示させる、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記第1受付部は、前記撮像画像上で、前記3次元空間における前記基準位置及び前記平面状領域の位置又は角度の少なくとも一方の調整を受け付け、
前記第2受付部は、前記第1受付部が前記調整を受け付けた後に、前記指定位置の指定を受け付ける、
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記表示制御部は、前記第2受付部が前記指定位置の指定を受け付ける際に、前記撮像画像上の前記指定位置に対応する領域に、前記指定位置が前記平面状領域に含まれるか否かで異なるマークを表示させる、
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項14】
プロセッサが実行する、
複数の鉄筋を含む被写体を撮像することによって生成された撮像画像と、前記撮像画像を撮像した情報端末が測定した前記被写体の3次元空間の位置を示す位置データと、を取得するステップと、
前記撮像画像上で、前記位置データが示す前記3次元空間の位置のうち、前記複数の鉄筋のうち基準とする鉄筋である基準鉄筋上の基準位置の指定を受け付けるステップと、
前記基準位置を示すマーカと、前記基準位置を含む平面状領域であって、前記3次元空間において前記鉄筋の長手方向に対して垂直な平面状領域と、を前記撮像画像に重畳して前記情報端末に表示させるステップと、
前記撮像画像上で、前記位置データが示す前記3次元空間の位置のうち、前記平面状領域上の指定位置の指定を受け付けるステップと、
前記基準位置を前記基準鉄筋の位置として特定するとともに、前記指定位置を前記複数の鉄筋のうち前記基準鉄筋の隣にある鉄筋の位置として特定するステップと、
を有する、情報処理方法。
【請求項15】
プロセッサに、
複数の鉄筋を含む被写体を撮像することによって生成された撮像画像と、前記撮像画像を撮像した情報端末が測定した前記被写体の3次元空間の位置を示す位置データと、を取得するステップと、
前記撮像画像上で、前記位置データが示す前記3次元空間の位置のうち、前記複数の鉄筋のうち基準とする鉄筋である基準鉄筋上の基準位置の指定を受け付けるステップと、
前記基準位置を示すマーカと、前記基準位置を含む平面状領域であって、前記3次元空間において前記鉄筋の長手方向に対して垂直な平面状領域と、を前記撮像画像に重畳して前記情報端末に表示させるステップと、
前記撮像画像上で、前記位置データが示す前記3次元空間の位置のうち、前記平面状領域上の指定位置の指定を受け付けるステップと、
前記基準位置を前記基準鉄筋の位置として特定するとともに、前記指定位置を前記複数の鉄筋のうち前記基準鉄筋の隣にある鉄筋の位置として特定するステップと、
を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像画像に基づいて複数の鉄筋に関する情報を処理するための情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、カメラを用いて撮像したステレオ画像に基づいて3次元の点群を取得し、取得した点群に基づいて複数の鉄筋で形成される平面を特定し、特定した平面に配置された鉄筋に関する情報を計測するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のシステムは、複数の鉄筋それぞれの長手方向に対して平行な平面を特定することにより、特定した平面に沿って配置された複数の鉄筋に関する情報を計測する。そのため、特許文献1に記載のシステムは、円形状又はアーチ形状に配置された複数の鉄筋等、1つの平面に沿って配置されていない複数の鉄筋の位置を特定することができないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、円形状又はアーチ形状等の特殊な配置がされている複数の鉄筋の位置を特定できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の情報処理装置は、複数の鉄筋を含む被写体を撮像することによって生成された撮像画像と、前記撮像画像を撮像した情報端末が測定した前記被写体の3次元空間の位置を示す位置データと、を取得する取得部と、前記撮像画像上で、前記位置データが示す前記3次元空間の位置のうち、前記複数の鉄筋のうち基準とする鉄筋である基準鉄筋上の基準位置の指定を受け付ける第1受付部と、前記基準位置を示すマーカと、前記基準位置を含む平面状領域であって、前記3次元空間において前記鉄筋の長手方向に対して垂直な平面状領域と、を前記撮像画像に重畳して前記情報端末に表示させる表示制御部と、前記撮像画像上で、前記位置データが示す前記3次元空間の位置のうち、前記平面状領域上の指定位置の指定を受け付ける第2受付部と、前記基準位置を前記基準鉄筋の位置として特定するとともに、前記指定位置を前記複数の鉄筋のうち前記基準鉄筋の隣にある鉄筋の位置として特定する特定部と、を有する。
【0007】
前記第2受付部は、前記特定部が前記複数の鉄筋のうち第1鉄筋の位置を特定した後に、前記撮像画像上で、前記平面状領域上の前記指定位置の指定を受け付け、前記特定部は、前記特定部が前記第1鉄筋の位置を特定した後に指定された前記指定位置を、前記複数の鉄筋のうち前記第1鉄筋の隣にある第2鉄筋の位置として特定してもよい。
【0008】
前記取得部は、前記情報端末において指定された前記複数の鉄筋の設計本数を取得し、前記第2受付部は、位置が特定された鉄筋の本数が前記設計本数に達するまで前記指定位置の受け付けを繰り返し、前記特定部は、位置が特定された鉄筋の本数が前記設計本数に達するまで前記第2鉄筋の位置の特定を繰り返してもよい。
【0009】
前記特定部が前記第2鉄筋の位置を特定した後に、前記第2受付部は、前記第1鉄筋と前記第2鉄筋との間において前記指定位置の指定を受け付け、前記特定部は、前記特定部が前記第2鉄筋の位置を特定した後に指定された前記指定位置を、前記複数の鉄筋のうち前記第1鉄筋と前記第2鉄筋との間にある第3鉄筋の位置として特定してもよい。
【0010】
前記取得部は、前記情報端末において指定された角度を取得し、前記表示制御部は、前記3次元空間において所定の基準面を基準として前記角度に配置された前記マーカ及び前記平面状領域を、前記撮像画像に重畳して前記情報端末に表示させてもよい。
【0011】
前記表示制御部は、前記3次元空間において前記基準位置に固定された前記マーカ及び前記平面状領域を、前記撮像画像に重畳して前記情報端末に表示させてもよい。
【0012】
前記情報処理装置は、前記特定部が特定した前記複数の鉄筋それぞれの位置に基づいて、前記複数の鉄筋のうち隣り合う2つの鉄筋の間隔を算出する算出部をさらに有し、前記表示制御部は、前記間隔を示す情報を前記情報端末に表示させてもよい。
【0013】
前記取得部は、前記情報端末において指定された前記複数の鉄筋の設計本数を取得し、前記表示制御部は、位置が特定された鉄筋の本数が前記設計本数に達したことを条件として、前記間隔を示す情報を前記情報端末に表示させてもよい。
【0014】
前記取得部は、前記情報端末において指定された前記複数の鉄筋の設計間隔を取得し、前記表示制御部は、前記設計間隔との差が閾値以上である前記間隔を示す情報を、前記設計間隔との差が前記閾値未満である前記間隔を示す情報とは異なる表示態様で、前記情報端末に表示させてもよい。
【0015】
前記取得部は、前記情報端末において指定された前記複数の鉄筋が配置される形状を取得し、前記表示制御部は、前記形状に応じて決定された前記マーカ及び前記平面状領域を、前記撮像画像に重畳して前記情報端末に表示させてもよい。
【0016】
前記取得部は、前記情報端末において指定された前記複数の鉄筋の設計サイズを取得し、前記表示制御部は、前記設計サイズに応じた大きさの前記マーカを、前記撮像画像に重畳して前記情報端末に表示させてもよい。
【0017】
前記第1受付部は、前記撮像画像上で、前記3次元空間における前記基準位置及び前記平面状領域の位置又は角度の少なくとも一方の調整を受け付け、前記第2受付部は、前記第1受付部が前記調整を受け付けた後に、前記指定位置の指定を受け付けてもよい。
【0018】
前記表示制御部は、前記第2受付部が前記指定位置の指定を受け付ける際に、前記撮像画像上の前記指定位置に対応する領域に、前記指定位置が前記平面状領域に含まれるか否かで異なるマークを表示させてもよい。
【0019】
本発明の第2の態様の情報処理方法は、プロセッサが実行する、複数の鉄筋を含む被写体を撮像することによって生成された撮像画像と、前記撮像画像を撮像した情報端末が測定した前記被写体の3次元空間の位置を示す位置データと、を取得するステップと、前記撮像画像上で、前記位置データが示す前記3次元空間の位置のうち、前記複数の鉄筋のうち基準とする鉄筋である基準鉄筋上の基準位置の指定を受け付けるステップと、前記基準位置を示すマーカと、前記基準位置を含む平面状領域であって、前記3次元空間において前記鉄筋の長手方向に対して垂直な平面状領域と、を前記撮像画像に重畳して前記情報端末に表示させるステップと、前記撮像画像上で、前記位置データが示す前記3次元空間の位置のうち、前記平面状領域上の指定位置の指定を受け付けるステップと、前記基準位置を前記基準鉄筋の位置として特定するとともに、前記指定位置を前記複数の鉄筋のうち前記基準鉄筋の隣にある鉄筋の位置として特定するステップと、を有する。
【0020】
本発明の第3の態様のプログラムは、プロセッサに、複数の鉄筋を含む被写体を撮像することによって生成された撮像画像と、前記撮像画像を撮像した情報端末が測定した前記被写体の3次元空間の位置を示す位置データと、を取得するステップと、前記撮像画像上で、前記位置データが示す前記3次元空間の位置のうち、前記複数の鉄筋のうち基準とする鉄筋である基準鉄筋上の基準位置の指定を受け付けるステップと、前記基準位置を示すマーカと、前記基準位置を含む平面状領域であって、前記3次元空間において前記鉄筋の長手方向に対して垂直な平面状領域と、を前記撮像画像に重畳して前記情報端末に表示させるステップと、前記撮像画像上で、前記位置データが示す前記3次元空間の位置のうち、前記平面状領域上の指定位置の指定を受け付けるステップと、前記基準位置を前記基準鉄筋の位置として特定するとともに、前記指定位置を前記複数の鉄筋のうち前記基準鉄筋の隣にある鉄筋の位置として特定するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、円形状又はアーチ形状等の特殊な配置がされている複数の鉄筋の位置を特定できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】実施形態に係る情報処理システムの模式図である。
【
図2】実施形態に係る情報処理システムのブロック図である。
【
図3】例示的な条件指定画面を表示している情報端末の模式図である。
【
図4】例示的な基準指定画面を表示している情報端末の模式図である。
【
図5】例示的な調整画面を表示している情報端末の模式図である。
【
図6】基準位置及び仮想鉄筋領域の位置又は角度の少なくとも一方を変更する方法を説明するための模式図である。
【
図7】基準位置及び仮想鉄筋領域の位置又は角度の少なくとも一方を変更する方法を説明するための模式図である。
【
図8】例示的な計測画面を表示している情報端末の模式図である。
【
図9】計測画面において2つの鉄筋の間の鉄筋の指定を受け付ける方法を説明するための模式図である。
【
図10】例示的な計測結果画面を表示している情報端末の模式図である。
【
図11】形状欄においてアーチ形状が指定された場合の条件指定画面を表示している情報端末の模式図である。
【
図12】計測条件が示す配置形状がアーチ形状である場合の計測画面を表示している情報端末2の模式図である。
【
図13】計測条件が示す配置形状がアーチ形状である場合の計測結果画面を表示している情報端末2の模式図である。
【
図14】実施形態に係る情報処理装置が実行する情報処理方法のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、本実施形態に係る情報処理システムSの模式図である。情報処理システムSは、情報処理装置1と、情報端末2と、を含む。情報処理システムSは、その他の端末、装置等を含んでもよい。
【0024】
情報処理装置1は、複数の鉄筋を含む構造物に対して測定したデータに基づいて、複数の鉄筋の位置及び間隔を算出して出力するコンピュータである。情報処理装置1は、単一の装置、又は複数の装置である。また、情報処理装置1は、コンピュータ資源の集合であるクラウド上で動作する一又は複数の仮想的なサーバであってもよい。
【0025】
情報端末2は、ユーザが使用するコンピュータである。情報端末2は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等の情報端末である。ユーザは、例えば、複数の鉄筋を含む構造物に関する情報を計測する人間である。情報端末2は、情報を表示するための液晶ディスプレイ等の表示装置と、ユーザによる操作を受け付けるためのタッチパネル等の操作装置と、撮像をして撮像画像を生成する撮像装置と、情報端末2を向けた向きにある物体の3次元空間における位置を測定する測定装置と、を有する。
【0026】
撮像装置は、例えば、カメラである。測定装置は、例えば、レーザ光を物体に照射し、反射光を検出することによって、物体の3次元空間における位置を測定するLIDAR(Light Detection and Ranging)である。測定装置は、ここに示した具体的な構成に限定されない。測定装置は、例えば、超音波等を物体に照射することによって物体の位置を測定するセンサ、又は2つのカメラの視差によって物体の位置を測定するステレオカメラであってもよい。情報端末2は、無線通信又は有線通信によって情報処理装置1との間で情報を送受信する。
【0027】
また、情報端末2は、本実施形態に係る情報処理装置1が実行する処理のうち少なくとも一部を実行してもよい。この場合に、情報端末2は、本実施形態に係る情報処理装置1として機能する。
【0028】
本実施形態に係る情報処理システムSが実行する処理の概要を以下に説明する。ユーザは、情報端末2の撮像装置を用いて、計測対象の構造物を含む被写体を撮像する。計測対象の構造物は、複数の鉄筋を含む構造物の少なくとも一部であり、例えば、建築中の橋脚、トンネルの壁又は天井、場所打ち杭のようなかご状の鉄筋等である。複数の鉄筋は、互いに平行に配置されている。構造物は、計測対象とする複数の鉄筋以外の鉄筋(例えば、互いに平行でない鉄筋)をさらに含んでもよい。
図1に例示した構造物において、長手方向に沿って延在する複数の鉄筋は互いに平行であり、当該複数の鉄筋は円形状又はアーチ形状に配置されている。また、
図1に例示した構造物は、計測対象とする互いに平行な複数の鉄筋に対して垂直な円形状又はアーチ形状の鉄筋を含んでいる。情報処理装置1は、情報端末2が被写体を撮像することによって生成された撮像画像を取得する。
【0029】
また、ユーザは、情報端末2の測定装置を用いて、被写体の3次元空間における位置を測定する。3次元空間の位置は、例えば、被写体の表面における複数の点それぞれの3次元の位置を示す点群データとして表される。情報処理装置1は、情報端末2が被写体を測定することによって得られた点群データを、被写体の3次元空間の位置を示す位置データとして取得する。
【0030】
情報処理装置1は、被写体の撮像画像上で、位置データが示す3次元空間の位置のうち、複数の鉄筋のうち基準とする鉄筋である基準鉄筋上の基準位置の指定を受け付ける。基準鉄筋は、複数の鉄筋のうちいずれかの鉄筋である。基準位置は、撮像画像上で、基準鉄筋上に位置するようにユーザによって指定される。
【0031】
情報処理装置1は、基準位置を示すマーカと、3次元空間において鉄筋の長手方向に対して垂直な平面状領域である仮想鉄筋領域と、を撮像画像に重畳して情報端末2に表示させる。マーカは、基準位置に配置された画像である。仮想鉄筋領域は、3次元空間において基準位置を含むように配置された所定の形状の領域である。仮想鉄筋領域の位置及び角度は、ユーザによる操作に基づいて3次元空間上で調整される。
【0032】
情報処理装置1は、撮像画像上で、位置データが示す3次元空間の位置のうち、仮想鉄筋領域上の指定位置の指定を受け付ける。指定位置は、撮像画像上で、仮想鉄筋領域に含まれており、かつ基準鉄筋の隣の鉄筋上に位置するように、ユーザによって指定される。
【0033】
情報処理装置1は、基準位置を基準鉄筋の位置として特定するとともに、指定位置を複数の鉄筋のうち基準鉄筋の隣にある鉄筋の位置として特定する。情報処理装置1は、位置を特定した鉄筋の隣にある鉄筋に対して、同様に位置の特定を繰り返す。情報処理装置1は、複数の鉄筋に対して特定した位置に基づいて、複数の鉄筋のうち隣り合う2つの鉄筋の間隔を算出する。情報処理装置1は、特定した鉄筋の位置及び隣り合う2つの鉄筋の間隔を示す情報を出力する。
【0034】
このような構成により、情報処理システムSは、3次元空間において鉄筋の長手方向に対して垂直な仮想鉄筋領域を情報端末2に表示させ、仮想鉄筋領域上でユーザによる鉄筋の位置の指定を受け付けることにより、複数の鉄筋それぞれの位置を特定する。これにより、情報処理装置1は、平面に沿って配置されていない複数の鉄筋、例えば円形状又はアーチ形状等の特殊な配置がされている複数の鉄筋の位置を特定できる。
【0035】
[情報処理システムSの構成]
図2は、本実施形態に係る情報処理システムSのブロック図である。
図2において、矢印は主なデータの流れを示しており、
図2に示したもの以外のデータの流れがあってもよい。
図2において、各ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、
図2に示すブロックは単一の装置内に実装されてもよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてもよい。ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてもよい。
【0036】
情報処理装置1は、記憶部11と、制御部12とを有する。記憶部11は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部11は、制御部12が実行するプログラムを予め記憶している。記憶部11は、情報処理装置1の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部12との間でデータの授受を行ってもよい。
【0037】
制御部12は、取得部121と、表示制御部122と、第1受付部123と、第2受付部124と、特定部125と、算出部126と、を有する。制御部12は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部11に記憶されたプログラムを実行することにより、取得部121、表示制御部122、第1受付部123、第2受付部124、特定部125及び算出部126として機能する。制御部12の機能の少なくとも一部は、電気回路によって実行されてもよい。また、制御部12の機能の少なくとも一部は、ネットワーク経由で実行されるプログラムによって実行されてもよい。
【0038】
情報処理システムSが本実施形態に係る処理を実行するための構成を以下に説明する。情報端末2は、計測条件の指定を受け付けるための条件指定画面Aを表示装置上に表示する。
【0039】
図3は、例示的な条件指定画面Aを表示している情報端末2の模式図である。条件指定画面Aは、例えば、複数の鉄筋が配置される配置形状を指定するための形状欄A1を含む。配置形状は、例えば、円形状又はアーチ形状(曲線形状)である。円形状は、複数の鉄筋の長手方向に垂直な断面が円の円周上に並ぶように複数の鉄筋が配置されていることをいう。アーチ形状は、複数の鉄筋の長手方向に垂直な断面が曲線上に並ぶように複数の鉄筋が配置されていることをいう。
【0040】
第1に、
図3の形状欄A1において円形状が指定された場合の処理を説明する。
図3のように形状欄A1において円形状が指定された場合に、条件指定画面Aは、例えば、角度を指定するための角度欄A2と、円の直径を指定するための直径欄A3と、円の周長を指定するための周長欄A4と、複数の鉄筋のサイズ(鉄筋径)の設計値である設計サイズを指定するための鉄筋径欄A5と、構造物が含む複数の鉄筋の本数の設計値である設計本数を指定するための鉄筋本数欄A6と、を含む。また、条件指定画面Aは、後述の表示制御部122が計測条件に基づいて決定したマーカM及び仮想鉄筋領域Rを含んでもよい。
【0041】
直径欄A3は、縦(例えば、鉛直方向)の直径と横(例えば、水平方向)の直径との指定を受け付けてもよい。ユーザは、直径欄A3において縦の直径及び横の直径を異なる値に指定することにより、複数の鉄筋が楕円形状に位置されることを示すことができる。
【0042】
ユーザは、情報端末2の操作装置を操作することによって、形状欄A1、角度欄A2、直径欄A3、周長欄A4、鉄筋径欄A5及び鉄筋本数欄A6において計測条件を指定した後、決定ボタンA7を選択する。情報端末2は、決定ボタンA7が選択されたことに応じて、ユーザが指定した各種の情報を含む計測条件を情報処理装置1に送信する。
【0043】
情報処理装置1において、取得部121は、情報端末2が送信した計測条件を取得する。計測条件は、例えば、情報端末2において指定された、配置形状、角度、直径、周長、設計サイズ及び設計本数を含む。また、取得部121は、周長を設計本数で除算することにより、複数の鉄筋の間隔の設計値である設計間隔を取得してもよい。取得部121は、取得した計測条件を、情報端末2のユーザを識別するためのユーザ識別情報(以下、ユーザID(Identification))と関連付けて記憶部11に記憶させる。
【0044】
取得部121は、計測条件を取得した後に、情報端末2が複数の鉄筋を含む被写体を撮像することによって生成された撮像画像を取得する。ユーザは、情報端末2の撮像装置を被写体に向けて撮像を行う。被写体は、例えば、計測対象の構造物である。情報端末2は、例えば、所定の時間間隔(0.1秒毎等)で撮像した撮像画像を、情報処理装置1に繰り返し送信する。情報処理装置1において、取得部121は、情報端末2が送信した撮像画像を取得する。
【0045】
取得部121は、撮像画像を取得することと並行して、撮像画像を撮像した情報端末2が測定した被写体の3次元空間の位置を示す位置データを取得する。情報端末2は、測定装置を用いて、被写体の表面における複数の点それぞれの3次元の位置を測定する。情報端末2は、所定の時間間隔(0.1秒毎等)で測定した3次元空間の位置を示す点群データを、情報処理装置1に繰り返し送信する。情報処理装置1において、取得部121は、情報端末2が送信した点群データを、被写体の3次元空間の位置を示す位置データとして取得する。情報端末2において撮像装置及び測定装置の位置関係は固定されているため、撮像画像中の各位置は被写体の3次元空間のいずれかの位置に対応している。
【0046】
次に表示制御部122は、撮像画像上で基準位置の指定を受け付けるための基準指定画面Bを情報端末2に表示させるための表示情報を、情報端末2に送信する。基準位置は、複数の鉄筋のうち基準とする鉄筋(例えば、最初に計測する鉄筋)である基準鉄筋上のいずれかの位置である。情報端末2は、情報処理装置1から受信した表示情報に従って、基準指定画面Bを表示装置上に表示する。
【0047】
図4は、例示的な基準指定画面Bを表示している情報端末2の模式図である。基準指定画面Bは、例えば、撮像画像B1と、基準位置を指定するためのポインタP1と、を含む。撮像画像B1は、情報端末2の撮像装置によって撮像された撮像画像である。撮像画像B1は、情報端末2から情報処理装置1に送信された後、情報処理装置1から情報端末2に送信された撮像画像であってもよい。撮像画像B1は、所定の時間間隔で最新の撮像画像に更新される。
【0048】
ポインタP1は、例えば、基準指定画面B内において中心等の所定位置に表示されたマーク(十字形状の画像等)である。ユーザは、情報端末2の撮像装置の向きを調整することによって、撮像画像に写っている複数の鉄筋のうち基準鉄筋上にポインタP1を位置させた後、確定ボタンB2を選択する。撮像画像中の各位置は3次元空間のいずれかの位置に対応しているため、撮像画像中のポインタP1の位置に対応する3次元空間の位置は、基準鉄筋上の基準位置に対応する。情報端末2は、確定ボタンB2が選択されたことに応じて、基準位置を特定するための基準情報(例えば、撮像装置の向き)を、情報処理装置1に送信する。
【0049】
ポインタP1は、当該ポインタP1に対応する基準位置と情報端末2の撮像装置との距離に応じた大きさで表示されてもよい。この場合に、表示制御部122は、取得部121が取得した位置データに基づいてポインタP1に対応する基準位置を特定し、特定した基準位置が情報端末2の撮像装置に近いほど大きく、遠いほど小さいように、ポインタP1を表示する。これにより、情報処理システムSは、ポインタP1が示している鉄筋の位置をユーザが直感的に把握しやすくすることができる。
【0050】
情報処理装置1において、第1受付部123は、情報端末2が送信した基準情報に基づいて、撮像画像上で指定された基準鉄筋上の基準位置を受け付ける。第1受付部123は、例えば、取得部121が取得した位置データ(例えば、点群データ)が示す3次元空間の位置のうち、基準情報が示す撮像装置の向き(例えば、撮像装置のレンズの光軸方向)にある一又は複数の点の位置を、基準位置として受け付ける。第1受付部123は、ここに示した具体的な方法に限られず、その他の方法で基準位置を受け付けてもよい。第1受付部123は、受け付けた基準位置を記憶部11に記憶させる。
【0051】
表示制御部122は、第1受付部123が受け付けた基準位置を示すマーカMと、基準位置を含む平面状領域である仮想鉄筋領域Rと、を撮像画像に重畳して情報端末2に表示させる。
【0052】
表示制御部122は、取得部121が取得した計測条件に基づいて、マーカM及び仮想鉄筋領域Rを決定する。マーカMは、3次元空間の基準位置に対応する撮像画像中の位置に表示される画像(円柱形状の画像等)である。表示制御部122は、計測条件が示す設計サイズ(鉄筋径)に応じた大きさのマーカMを決定する。表示制御部122は、例えば、鉄筋径が大きいほど大きく、鉄筋径が小さいほど小さい大きさのマーカMを決定する。
【0053】
表示制御部122は、計測条件が示す配置形状に応じた形状の仮想鉄筋領域Rを決定する。計測条件が示す配置形状が円形状である場合に、表示制御部122は、例えば、計測条件が示す直径に対応する2つの同心円に囲まれた円環形状の仮想鉄筋領域Rを決定する。円環形状を構成する2つの同心円は、例えば、計測条件が示す直径から鉄筋径を減算した直径の円、及び計測条件が示す直径に鉄筋径を加算した直径の円である。計測条件が互いに異なる値の縦の直径及び横の直径を示す場合に、表示制御部122は、2つの同心楕円に囲まれた環形状の仮想鉄筋領域Rを決定してもよい。
【0054】
また、表示制御部122は、3次元空間において、所定の基準面を基準として計測条件が示す角度にマーカM及び仮想鉄筋領域Rを配置する。基準面は、例えば、取得部121が計測条件を取得した時点における情報端末2の撮像装置の向き(例えば、撮像装置のレンズの光軸方向)を含む鉛直な平面である。表示制御部122は、例えば、3次元空間において、所定の基準面から計測条件が示す角度だけ、マーカM及び仮想鉄筋領域Rを回転させる。例えば計測条件が示す角度が0度の場合に、仮想鉄筋領域Rは基準面と平行に配置され、マーカMは基準面に対して垂直に配置される。マーカM及び仮想鉄筋領域Rの角度及び基準面は、ここに示した具体的な方法に限られず、その他の方法で定義されてもよい。
【0055】
第1受付部123が基準位置の指定を受け付けた後に、表示制御部122は、撮像画像上で基準位置及び仮想鉄筋領域Rの調整を受け付けるための調整画面Cを情報端末2に表示させるための表示情報を、情報端末2に送信する。情報端末2は、情報処理装置1から受信した表示情報に従って、調整画面Cを表示装置上に表示する。
【0056】
図5は、例示的な調整画面Cを表示している情報端末2の模式図である。調整画面Cは、例えば、撮像画像C1と、撮像画像C1に重畳されたマーカM及び仮想鉄筋領域Rと、を含む。撮像画像C1は、情報端末2の撮像装置によって撮像された撮像画像である。撮像画像C1は、情報端末2から情報処理装置1に送信された後、情報処理装置1から情報端末2に送信された撮像画像であってもよい。撮像画像C1は、所定の時間間隔で最新の撮像画像に更新される。
【0057】
表示制御部122は、3次元空間において基準位置に固定されたマーカM及び仮想鉄筋領域Rを、撮像画像C1に重畳して情報端末2に表示させる。表示制御部122は、マーカM中の所定の点及び仮想鉄筋領域R中の所定の点をそれぞれ基準位置に固定する。表示制御部122は、例えば、既知のAR(Augmented Reality)技術を用いることにより、マーカM及び仮想鉄筋領域Rを3次元空間上の基準位置に固定して表示する。
【0058】
3次元空間においてマーカM及び仮想鉄筋領域Rが固定されているため、情報端末2の撮像装置が被写体を異なる位置から撮像しても、マーカM及び仮想鉄筋領域Rは3次元空間上の同じ位置に表示される。これにより、計測対象の鉄筋が被写体の背面側(情報端末2の撮像装置から遠い側)に隠れている場合であっても、ユーザは情報端末2の撮像装置の位置を変えて被写体を撮像することにより、撮像画像上で計測対象の鉄筋の位置を容易に指定することができる。
【0059】
第1受付部123は、情報端末2に表示された撮像画像C1上で、3次元空間における基準位置(マーカM)及び仮想鉄筋領域Rの位置又は角度の少なくとも一方の調整を受け付ける。ユーザは、基準位置及び仮想鉄筋領域Rの位置又は角度を変更することにより、仮想鉄筋領域Rが3次元空間において基準鉄筋の長手方向に対して垂直になるように調整する。調整画面Cが表示された時点で仮想鉄筋領域Rが3次元空間において基準鉄筋の長手方向に対して既に垂直になっている場合には、基準位置及び仮想鉄筋領域Rの位置又は角度は変更されなくてもよい。
【0060】
ユーザは、基準位置及び仮想鉄筋領域Rの位置又は角度の変更を行う場合に、情報端末2の操作装置を操作することによって調整ボタンC2を選択する。調整ボタンC2は、例えば、角度を変更するためのボタン(
図5の横回転ボタン、縦回転ボタン及び角度ボタン)と、位置を変更するためのボタン(
図5の位置ボタン)と、を含む。
【0061】
図6(a)、
図6(b)、
図7(a)及び
図7(b)は、基準位置及び仮想鉄筋領域Rの位置又は角度の少なくとも一方を変更する方法を説明するための模式図である。
図6(a)は、
図5に例示した横回転ボタンが選択された場合を表している。横回転ボタンが選択された場合に、第1受付部123は、情報端末2の操作装置に対するユーザによる操作に応じて、基準位置(マーカM)及び仮想鉄筋領域Rを、鉛直方向に平行な所定の軸を中心として回転させる。
【0062】
図6(b)は、
図5に例示した縦回転ボタンが選択された場合を表している。縦回転ボタンが選択された場合に、第1受付部123は、情報端末2の操作装置に対するユーザによる操作に応じて、基準位置(マーカM)及び仮想鉄筋領域Rを、水平方向に平行な軸であって、仮想鉄筋領域Rに対して垂直な所定の軸を中心として回転させる。
【0063】
図7(a)は、
図5に例示した角度ボタンが選択された場合を表している。角度ボタンが選択された場合に、第1受付部123は、情報端末2の操作装置に対するユーザによる操作に応じて、基準位置(マーカM)及び仮想鉄筋領域Rを、水平方向に平行な所定の軸であって、仮想鉄筋領域Rに対して平行な軸を中心として回転させる。
【0064】
図7(b)は、
図5に例示した位置ボタンが選択された場合を表している。位置ボタンが選択された場合に、第1受付部123は、情報端末2の操作装置に対するユーザによる操作に応じて、基準位置(マーカM)及び仮想鉄筋領域Rを、3次元空間上で平行移動させる。
【0065】
第1受付部123は、
図6(a)、
図6(b)、
図7(a)及び
図7(b)に示した具体的な方法に限られず、その他の方法で基準位置及び仮想鉄筋領域Rの位置又は角度の少なくとも一方の変更を受け付けてもよい。
【0066】
ユーザは、基準位置及び仮想鉄筋領域Rの位置及び角度を調整した後、確定ボタンC3を選択する。情報端末2は、確定ボタンC3が選択されたことに応じて、調整された基準位置及び仮想鉄筋領域Rの位置及び角度を示す調整情報を、情報処理装置1に送信する。
【0067】
情報処理装置1において、第1受付部123は、情報端末2が送信した調整情報に基づいて、ユーザによって調整された基準位置及び仮想鉄筋領域Rの位置及び角度を受け付け、受け付けた位置及び角度をユーザIDと関連付けて記憶部11に記憶させる。以降の処理では、表示制御部122は、ユーザによって調整された基準位置及び仮想鉄筋領域Rの位置及び角度を用いて、3次元空間において基準位置に固定されたマーカM及び仮想鉄筋領域Rを、情報端末2に表示させる。
【0068】
第1受付部123が基準位置及び仮想鉄筋領域Rの位置及び角度の調整を受け付けた後に、表示制御部122は、複数の鉄筋のうち2本目以降の鉄筋(基準鉄筋とは異なる鉄筋)の指定を受け付けるための計測画面Dを情報端末2に表示させるための表示情報を、情報端末2に送信する。情報端末2は、情報処理装置1から受信した表示情報に従って、計測画面Dを表示装置上に表示する。
【0069】
図8は、例示的な計測画面Dを表示している情報端末2の模式図である。計測画面Dは、例えば、撮像画像D1と、指定位置を指定するためのポインタP2と、を含む。指定位置は、複数の鉄筋のうち次に計測する鉄筋上のいずれかの位置であって、仮想鉄筋領域R上の位置である。撮像画像D1は、情報端末2の撮像装置によって撮像された撮像画像である。撮像画像D1は、情報端末2から情報処理装置1に送信された後、情報処理装置1から情報端末2に送信された撮像画像であってもよい。撮像画像D1は、所定の時間間隔で最新の撮像画像に更新される。
【0070】
ポインタP2は、例えば、計測画面D内において中心等の所定位置に表示されたマーク(円形状の画像等)である。ユーザは、情報端末2の撮像装置の向きを調整することによって、撮像画像に写っている複数の鉄筋のうち次に計測する鉄筋上にポインタP2を位置させた後、確定ボタンD3を選択する。1つ前の計測において基準鉄筋が計測された場合に、次に計測する鉄筋は複数の鉄筋のうち基準鉄筋の隣にある鉄筋である。1つ前の計測において複数の鉄筋のうち基準鉄筋ではない第1鉄筋が計測された場合に、次に計測する鉄筋は複数の鉄筋のうち第1鉄筋の隣にある第2鉄筋である。
【0071】
表示制御部122は、計測画面Dにおいて、撮像画像上の指定位置に対応する領域に、当該指定位置が仮想鉄筋領域Rに含まれるか否かで異なるポインタP2(マーク)を表示させてもよい。表示制御部122は、例えば、指定位置が仮想鉄筋領域Rに含まれている場合に円形状のポインタP2を表示させ、指定位置が仮想鉄筋領域Rに含まれていない場合に円形ではない形状のポインタP2を表示させ又はポインタP2を表示させない。これにより、情報処理システムSは、ユーザが仮想鉄筋領域R上で指定位置を指定しやすくすることができる。
【0072】
表示制御部122は、ポインタP2を、計測画面Dの中心等の所定位置から最も近い仮想鉄筋領域R上の位置に表示させてもよい。また、表示制御部122は、ポインタP2が仮想鉄筋領域R上にあることを条件として確定ボタンD3を選択可能にしてもよい。
【0073】
撮像画像中の各位置は3次元空間のいずれかの位置に対応しているため、撮像画像中のポインタP2の位置に対応する3次元空間の位置は、次に計測する鉄筋上の指定位置に対応する。また、ポインタP2が複数の鉄筋の長手方向に対して垂直な仮想鉄筋領域R上に位置するため、隣り合う2本の鉄筋における、基準位置と指定位置との間の距離又は指定位置と指定位置との間の距離は、当該2本の鉄筋の間の間隔を示す。情報端末2は、確定ボタンD3が選択されたことに応じて、指定位置を特定するための指定情報(例えば、撮像装置の向き)を、情報処理装置1に送信する。
【0074】
情報処理装置1において、第2受付部124は、情報端末2が送信した指定情報に基づいて、撮像画像上で指定された鉄筋上の指定位置を受け付ける。第2受付部124は、例えば、取得部121が取得した位置データ(例えば、点群データ)が示す3次元空間の位置のうち、指定情報が示す撮像装置の向き(例えば、撮像装置のレンズの光軸方向)にある一又は複数の点の位置を、指定位置として受け付ける。第2受付部124は、ここに示した具体的な方法に限られず、その他の方法で指定位置を受け付けてもよい。第2受付部124は、受け付けた指定位置を記憶部11に記憶させる。
【0075】
特定部125は、第1受付部123が受け付けた基準位置を基準鉄筋の位置として特定するとともに、第2受付部124が受け付けた指定位置を複数の鉄筋のうち基準鉄筋の隣にある鉄筋の位置として特定する。位置が特定された基準鉄筋の隣にある鉄筋は、次の計測において第1鉄筋として扱われる。
【0076】
第2受付部124は、特定部125が複数の鉄筋のうち基準鉄筋ではない第1鉄筋の位置を特定した後に、撮像画像上で、仮想鉄筋領域R上の指定位置の指定を再び受け付ける。特定部125は、特定部125が第1鉄筋の位置を特定した後に指定された指定位置を、複数の鉄筋のうち第1鉄筋の隣にある第2鉄筋の位置として特定する。位置が特定された第2鉄筋は、次の計測において第1鉄筋として扱われる。
【0077】
第2受付部124は、位置が特定された鉄筋の本数が設計本数に達するまで指定位置の受け付けを繰り返し、特定部125は、位置が特定された鉄筋の本数が設計本数に達するまで鉄筋の位置の特定を繰り返す。
【0078】
算出部126は、特定部125が特定した複数の鉄筋それぞれの位置に基づいて、複数の鉄筋のうち隣り合う2つの鉄筋の間隔を算出する。算出部126は、例えば、3次元空間における2つの鉄筋の位置(基準位置又は指定位置)の間のユークリッド距離を、2つの鉄筋の間隔として算出する。算出部126は、その他の方法で2つの鉄筋の間隔を算出してもよい。
【0079】
表示制御部122は、情報端末2に算出部126が算出した間隔を示す情報を表示させるための表示情報を、情報端末2に送信する。情報端末2は、情報処理装置1から受信した表示情報に従って、間隔を表示装置上に表示する。
【0080】
図8の例では、情報端末2は、計測画面Dにおいて、算出部126が算出した間隔を示す間隔情報D2を表示する。間隔情報D2は、算出部126が算出した全ての間隔と、算出部126が計測した最新の間隔と、のうち少なくとも一方を含む。
【0081】
表示制御部122は、間隔情報D2が示す間隔と取得部121が取得した設計間隔との差(間隔と設計間隔との差の値又は比率)が所定の閾値以上である場合に、当該差が当該閾値以上であることを示す情報を情報端末2に表示させてもよい。この場合に、表示制御部122は、例えば、計測された間隔と設計間隔との差が大きいことを表す所定のメッセージを情報端末2に表示させる。また、表示制御部122は、例えば、取得部121が取得した設計間隔との差が所定の閾値以上である間隔情報D2を、当該差が当該閾値未満である間隔情報D2とは異なる表示態様(色、大きさ等)で、情報端末2に表示させてもよい。これにより、情報処理システムSは、設計間隔から乖離した間隔をユーザが認識しやすくすることができる。
【0082】
ユーザは、特定部125が第2鉄筋の位置を特定した後に、第1鉄筋と第2鉄筋の間の鉄筋(第3鉄筋)を計測したい場合がある。この場合に、ユーザは、情報端末2の操作装置を操作することによって
図8に例示した追加ボタンD4を選択する。情報端末2は、追加ボタンD4が選択されたことに応じて、計測画面Dにおいて2つの鉄筋の間の鉄筋の指定を受け付ける。
【0083】
図9は、計測画面Dにおいて2つの鉄筋の間の鉄筋の指定を受け付ける方法を説明するための模式図である。ユーザは、情報端末2の撮像装置の向きを調整することによって、撮像画像に写っている複数の鉄筋のうち第1鉄筋と第2鉄筋との間の鉄筋上にポインタP2を位置させた後、確定ボタンD5を選択する。情報端末2は、確定ボタンD5が選択されたことに応じて、指定位置を特定するための指定情報(例えば、撮像装置の向き)を、情報処理装置1に送信する。
【0084】
情報処理装置1において、第2受付部124は、情報端末2が送信した指定情報に基づいて、撮像画像上で第1鉄筋と第2鉄筋との間において指定された鉄筋上の指定位置を受け付ける。第2受付部124は、例えば、取得部121が取得した位置データ(例えば、点群データ)が示す3次元空間の位置のうち、指定情報が示す撮像装置の向き(例えば、撮像装置のレンズの光軸方向)にある一又は複数の点の位置を、指定位置として受け付ける。第2受付部124は、ここに示した具体的な方法に限られず、その他の方法で指定位置を受け付けてもよい。第2受付部124は、受け付けた指定位置を記憶部11に記憶させる。
【0085】
特定部125は、特定部125が第2鉄筋の位置を特定した後に第1鉄筋と第2鉄筋との間において指定された指定位置を、複数の鉄筋のうち第1鉄筋と第2鉄筋との間にある第3鉄筋の位置として特定する。これにより、情報処理システムSは、ユーザが途中の鉄筋を飛ばして計測した場合であっても、後から途中の鉄筋の計測を行うことができる。
【0086】
表示制御部122は、特定部125が位置を特定した鉄筋の本数が、取得部121が取得した設計本数に達したことを条件として、計測対象の構造物が含む複数の鉄筋に関する計測結果を情報端末2に表示させるための表示情報を、情報端末2に送信する。情報端末2は、情報処理装置1から受信した表示情報に従って、計測対象の構造物が含む複数の鉄筋の間隔を含む計測結果画面Eを表示装置上に表示する。
【0087】
図10は、例示的な計測結果画面Eを表示している情報端末2の模式図である。計測結果画面Eは、例えば、撮像画像E1と、計測結果E2と、を含む。また、計測結果画面Eは、マーカM及び仮想鉄筋領域Rを含んでもよい。撮像画像E1は、情報端末2の撮像装置によって撮像された撮像画像である。撮像画像E1は、情報端末2から情報処理装置1に送信された後、情報処理装置1から情報端末2に送信された撮像画像であってもよい。撮像画像E1は、所定の時間間隔で最新の撮像画像に更新される。
【0088】
計測結果E2は、例えば、算出部126が算出した、計測対象の構造物が含む複数の鉄筋のうち隣り合う2つの鉄筋それぞれの間の間隔を含む。また、計測結果E2は、計測結果E2は、例えば、算出部126が算出した、計測対象の構造物が含む複数の鉄筋のうち隣り合う2つの鉄筋それぞれの間の間隔の平均値を含んでもよい。計測結果E2は、計測した鉄筋に関するその他の情報を含んでもよい。
【0089】
表示制御部122は、計測結果E2が示す間隔を、3次元空間において2つの鉄筋の間の領域に固定して、撮像画像E1に重畳して情報端末2に表示させてもよい。この場合に、表示制御部122は、2つの鉄筋の間の間隔を、当該2つの鉄筋の位置(基準位置又は指定位置)の間に固定する。表示制御部122は、例えば、既知のAR技術を用いることにより、2つの鉄筋の間の間隔を3次元空間上の基準位置に固定して表示する。これにより、情報処理システムSは、2つの鉄筋と間隔との関係をユーザが視認しやすくすることができる。
【0090】
第2に、
図3の形状欄A1においてアーチ形状(曲線形状)が指定された場合の処理を説明する。
図11は、形状欄A1においてアーチ形状が指定された場合の条件指定画面Aを表示している情報端末2の模式図である。
【0091】
図11のように形状欄A1においてアーチ形状が指定された場合に、条件指定画面Aは、例えば、
図3の角度欄A2、鉄筋径欄A5及び鉄筋本数欄A6に加えて、辺の長さを指定するための辺長欄A8と、設計間隔(平均間隔)を指定するための平均間隔欄A9を含む。また、条件指定画面Aは、表示制御部122が計測条件に基づいて決定したマーカM及び仮想鉄筋領域Rを含んでもよい。複数の鉄筋がアーチ形状に配置される場合に、仮想鉄筋領域Rは、例えば正方形の領域である。
【0092】
ユーザは、情報端末2の操作装置を操作することによって、角度欄A2、鉄筋径欄A5、鉄筋本数欄A6、辺長欄A8及び平均間隔欄A9において計測条件を指定した後、決定ボタンA7を選択する。情報端末2は、決定ボタンA7が選択されたことに応じて、ユーザが指定した各種の情報を含む計測条件を情報処理装置1に送信する。
【0093】
情報処理装置1において、取得部121は、情報端末2が送信した計測条件を取得する。計測条件は、例えば、情報端末2において指定された、形状、角度、設計サイズ、設計本数、辺の長さ及び設計間隔を含む。取得部121は、取得した計測条件を、情報端末2のユーザを識別するためのユーザIDと関連付けて記憶部11に記憶させる。
【0094】
表示制御部122は、計測条件が示す配置形状が円形状である場合と同様に、
図4に例示した基準指定画面Bを情報端末2に表示させる。第1受付部123は、情報端末2が送信した基準情報に基づいて、撮像画像上で指定された基準鉄筋上の基準位置を受け付ける。
【0095】
表示制御部122は、取得部121が取得した計測条件に基づいて、マーカM及び仮想鉄筋領域Rを決定する。計測条件が示す配置形状がアーチ形状である場合に、表示制御部122は、例えば、計測条件が示す辺の長さを有する正方形状の仮想鉄筋領域Rを決定する。また、仮想鉄筋領域Rは、無限平面状であってもよい。表示制御部122は、計測条件が示す配置形状が円形状である場合と同様に、3次元空間においてマーカM及び仮想鉄筋領域Rを配置する。
【0096】
表示制御部122は、計測条件が示す配置形状が円形状である場合と同様に、
図5に例示した調整画面Cを情報端末2に表示させる。ユーザは、基準位置及び仮想鉄筋領域Rの位置又は角度を変更することにより、仮想鉄筋領域Rが3次元空間において基準鉄筋の長手方向に対して垂直になるように調整する。第1受付部123は、第1受付部123は、情報端末2が送信した調整情報に基づいて、ユーザによって調整された基準位置及び仮想鉄筋領域Rの位置及び角度を受け付け、受け付けた位置及び角度をユーザIDと関連付けて記憶部11に記憶させる。
【0097】
第1受付部123が基準位置及び仮想鉄筋領域Rの位置及び角度の調整を受け付けた後に、表示制御部122は、複数の鉄筋のうち2本目以降の鉄筋の指定を受け付けるための計測画面Dを情報端末2に表示させるための表示情報を、情報端末2に送信する。情報端末2は、情報処理装置1から受信した表示情報に従って、計測画面Dを表示装置上に表示する。
【0098】
図12は、計測条件が示す配置形状がアーチ形状である場合の計測画面Dを表示している情報端末2の模式図である。
図12の例では、仮想鉄筋領域Rは、正方形状(矩形状)の領域である。計測条件が示す配置形状が円形状である場合と同様に、ユーザは、情報端末2の撮像装置の向きを調整することによって、撮像画像に写っている複数の鉄筋のうち次に計測する鉄筋上にポインタP2を位置させた後、確定ボタンD3を選択する。情報端末2は、確定ボタンD3が選択されたことに応じて、指定位置を特定するための指定情報(例えば、撮像装置の向き)を、情報処理装置1に送信する。
【0099】
情報処理装置1において、第2受付部124は、情報端末2が送信した指定情報に基づいて、撮像画像上で指定された鉄筋上の指定位置を受け付ける。第2受付部124は、位置が特定された鉄筋の本数が設計本数に達するまで指定位置の受け付けを繰り返し、特定部125は、位置が特定された鉄筋の本数が設計本数に達するまで鉄筋の位置の特定を繰り返す。
【0100】
第2受付部124は、
図9と同様に、情報端末2が送信した指定情報に基づいて、撮像画像上で第1鉄筋と第2鉄筋との間において指定された鉄筋上の指定位置を受け付けてもよい。
【0101】
算出部126は、特定部125が特定した複数の鉄筋それぞれの位置に基づいて、複数の鉄筋のうち隣り合う2つの鉄筋の間隔を算出する。表示制御部122は、特定部125が位置を特定した鉄筋の本数が、取得部121が取得した設計本数に達したことを条件として、計測対象の構造物が含む複数の鉄筋に関する計測結果を情報端末2に表示させるための表示情報を、情報端末2に送信する。情報端末2は、情報処理装置1から受信した表示情報に従って、計測対象の構造物が含む複数の鉄筋の間隔を含む計測結果画面Eを表示装置上に表示する。
【0102】
図13は、計測条件が示す配置形状がアーチ形状である場合の計測結果画面Eを表示している情報端末2の模式図である。計測結果画面Eは、
図10と同様に、撮像画像E1と、計測結果E2と、を含む。また、計測結果画面Eは、マーカM及び仮想鉄筋領域Rを含んでもよい。
【0103】
このように、情報処理システムSは、複数の鉄筋が円形状又はアーチ形状(曲線形状)に配置されている場合であっても、3次元空間において複数の鉄筋の長手方向に対して垂直な仮想鉄筋領域R上でユーザから鉄筋の位置の指定を受け付けることにより、複数の鉄筋それぞれの位置を特定し、複数の鉄筋の間の間隔を算出することができる。
【0104】
[情報処理方法のフロー]
図14は、本実施形態に係る情報処理装置1が実行する情報処理方法のフローチャートを示す図である。情報端末2は、計測条件の指定を受け付けるための画面を表示装置上に表示する。情報端末2は、ユーザにより指定された各種の情報を含む計測条件を情報処理装置1に送信する。情報処理装置1において、取得部121は、情報端末2が送信した計測条件を取得する(S11)。
【0105】
取得部121は、計測条件を取得した後に、情報端末2が複数の鉄筋を含む被写体を撮像することによって生成された撮像画像を取得するとともに、撮像画像を撮像した情報端末2が測定した被写体の3次元空間の位置を示す位置データ(例えば、点群データ)を取得する(S12)。
【0106】
表示制御部122は、撮像画像上で基準位置の指定を受け付けるための画面を情報端末2に表示させる。基準位置は、複数の鉄筋のうち基準とする鉄筋である基準鉄筋上のいずれかの位置である。情報端末2は、ユーザが指定した基準位置を特定するための基準情報(例えば、撮像装置の向き)を、情報処理装置1に送信する。情報処理装置1において、第1受付部123は、情報端末2が送信した基準情報に基づいて、ユーザによって撮像画像上で指定された基準鉄筋上の基準位置を受け付ける(S13)。
【0107】
表示制御部122は、取得部121が取得した計測条件に基づいて、マーカM及び仮想鉄筋領域Rを決定する(S14)。表示制御部122は、例えば、計測条件が示す設計サイズ(鉄筋径)に応じた大きさのマーカMを決定する。計測条件が示す配置形状が円形状である場合に、表示制御部122は、例えば、計測条件が示す直径に対応する2つの同心円に囲まれた円環形状の仮想鉄筋領域Rを決定する。計測条件が示す配置形状がアーチ形状である場合に、表示制御部122は、例えば、計測条件が示す辺の長さを有する正方形状の仮想鉄筋領域Rを決定する。
【0108】
第1受付部123が基準位置の指定を受け付けた後に、表示制御部122は、撮像画像上で基準位置及び仮想鉄筋領域Rの調整を受け付けるための画面を情報端末2に表示させる。情報端末2は、ユーザが調整した基準位置及び仮想鉄筋領域Rの位置及び角度を示す調整情報を、情報処理装置1に送信する。情報処理装置1において、第1受付部123は、情報端末2が送信した調整情報に基づいて、ユーザによって調整された基準位置及び仮想鉄筋領域Rの位置及び角度を受け付ける(S15)。以降の処理では、表示制御部122は、ユーザによって調整された基準位置及び仮想鉄筋領域Rの位置及び角度を用いて、3次元空間において基準位置に固定されたマーカM及び仮想鉄筋領域Rを、情報端末2に表示させる。
【0109】
第1受付部123が基準位置及び仮想鉄筋領域Rの位置及び角度の調整を受け付けた後に、表示制御部122は、撮像画像上で指定位置の指定を受け付けるための画面を情報端末2に表示させる。指定位置は、複数の鉄筋のうち次に計測する鉄筋上のいずれかの位置であって、仮想鉄筋領域R上の位置である。情報端末2は、ユーザによって指定された指定位置を特定するための指定情報(例えば、撮像装置の向き)を、情報処理装置1に送信する。情報処理装置1において、第2受付部124は、情報端末2が送信した指定情報に基づいて、ユーザによって撮像画像上で指定された鉄筋上の指定位置を受け付ける(S16)。
【0110】
特定部125は、第1受付部123が受け付けた基準位置を基準鉄筋の位置として特定するとともに、第2受付部124が受け付けた指定位置を次に計測する鉄筋の位置として特定する(S17)。算出部126は、特定部125が特定した複数の鉄筋それぞれの位置に基づいて、複数の鉄筋のうち隣り合う2つの鉄筋の間隔を算出する(S18)。
【0111】
特定部125が位置を特定した鉄筋の本数が、取得部121が取得した設計本数に達していない場合に(S19のNO)、情報処理装置1はステップS16からステップS18を繰り返す。
【0112】
特定部125が位置を特定した鉄筋の本数が、取得部121が取得した設計本数に達した場合に(S19のYES)、表示制御部122は、計測対象の構造物が含む複数の鉄筋に関する計測結果を情報端末2に表示させる(S20)。
【0113】
[実施形態の効果]
本実施形態に係る情報処理システムSによれば、情報処理装置1は、3次元空間において鉄筋の長手方向に対して垂直な仮想鉄筋領域Rを情報端末2に表示させ、仮想鉄筋領域R上でユーザによる鉄筋の位置の指定を受け付けることにより、複数の鉄筋それぞれの位置を特定する。これにより、情報処理装置1は、平面に沿って配置されていない複数の鉄筋、例えば円形状又はアーチ形状等の特殊な配置がされている複数の鉄筋の位置を特定できる。
【0114】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【0115】
情報処理装置1のプロセッサは、
図14に示す情報処理方法に含まれる各ステップ(工程)の主体となる。すなわち、情報処理装置1のプロセッサは、
図14に示す情報処理方法を実行するためのプログラムを実行することによって、
図14に示す情報処理方法を実行する。
図14に示す情報処理方法に含まれるステップは一部省略されてもよく、ステップ間の順番が変更されてもよく、複数のステップが並行して行われてもよい。
【符号の説明】
【0116】
S 情報処理システム
1 情報処理装置
11 記憶部
12 制御部
121 取得部
122 表示制御部
123 第1受付部
124 第2受付部
125 特定部
126 算出部
2 情報端末