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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135454
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
   H10B 43/27 20230101AFI20240927BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20240927BHJP
   H01L 25/07 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
H10B43/27
H01L29/78 371
H01L25/08 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023046145
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山崎 博之
(72)【発明者】
【氏名】田上 政由
(72)【発明者】
【氏名】磯部 克明
【テーマコード(参考)】
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F083EP18
5F083EP22
5F083EP33
5F083EP34
5F083EP42
5F083EP47
5F083EP48
5F083EP76
5F083ER03
5F083ER09
5F083ER14
5F083ER19
5F083ER22
5F083GA10
5F083GA30
5F083JA03
5F083JA04
5F083JA19
5F083JA32
5F083KA01
5F083KA05
5F083KA11
5F083LA12
5F083LA16
5F083LA20
5F083MA06
5F083MA16
5F083PR40
5F101BA46
5F101BB04
5F101BC02
5F101BD16
5F101BD22
5F101BD30
5F101BD34
5F101BE07
(57)【要約】
【課題】チップ内の構成要素を適切に配置する。
【解決手段】一つの実施形態によれば、半導体記憶装置の第1のチップにおいて、第1の積層体では、複数の第1の導電層が第1の絶縁層を介して積層される。第1の半導体膜は、第1の積層体内を第3の方向に延びる。第2の積層体は、第1の積層体に対して第2の方向に隣接する。第2の積層体は、複数の第2の導電層が第2の絶縁層を介して積層される。第2の半導体膜は、第2の積層体内を第3の方向に延びる。コンタクトプラグは、第1の積層体と第2の積層体との間を第3の方向に延びる。第1の平面配線は、第1の積層体、コンタクトプラグ及び第2の積層体に対して第2のチップと反対側に配される。第1の平面配線は、第1の方向及び第2の方向に延びる。第1の平面配線は、第1の積層体、コンタクトプラグ及び第2の積層体を覆う。第1の平面配線は、コンタクトプラグに接続される。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向と前記第1の方向に交差する第2の方向とに延びる第1のチップと、
前記第1の方向及び前記第2の方向に延び、前記第1のチップに対して前記第1の方向及び前記第2の方向に交差する第3の方向に接合される第2のチップと、
を備え、
前記第1のチップは、
複数の第1の導電層が第1の絶縁層を介して積層された第1の積層体と、
前記第1の積層体内を前記第3の方向に延びる第1の半導体膜と、
前記第1の積層体に対して前記第2の方向に隣接し、複数の第2の導電層が第2の絶縁層を介して積層された第2の積層体と、
前記第2の積層体内を前記第3の方向に延びる第2の半導体膜と、
前記第1の積層体と前記第2の積層体との間を前記第3の方向に延びるコンタクトプラグと、
前記第1の積層体、前記コンタクトプラグ及び前記第2の積層体に対して前記第2のチップと反対側に配され、前記第1の方向及び前記第2の方向に延び、少なくとも前記コンタクトプラグを覆い、前記コンタクトプラグに接続される第1の平面配線と、
を有する
半導体記憶装置。
【請求項2】
前記第1のチップは、
前記第1の積層体及び前記第2の積層体を前記第2のチップと反対側から覆い、前記第1の積層体及び前記第2の積層体の間に分断パターンを有する第3の導電層をさらに有し、
前記分断パターンは、前記第3の方向から透視した場合に、前記第1の平面配線に交差し、前記第1の平面配線に重なる位置で前記コンタクトプラグを内側に含み、
前記分断パターンは、前記第1の平面配線に重ならない部分の前記第2の方向における最大幅が前記コンタクトプラグに対応する部分の前記第2の方向における最大幅より狭い
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記第1のチップは、
前記第1の積層体及び前記第2の積層体に対して前記第2のチップと反対側に配され、前記第1の平面配線に対して前記第1の方向に離間し、前記第1の方向及び前記第2の方向に延び、前記第1の積層体及び前記第2の積層体を覆う第2の平面配線をさらに有し、
前記分断パターンは、前記第1の平面配線及び前記第2の平面配線の間に位置する部分の前記第2の方向における最大幅が前記第1の平面配線で覆われる部分の前記第2の方向における最大幅より狭い
請求項2に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記第1の積層体、前記第2の積層体及び前記第3の導電層を前記第2のチップと反対側から覆い、前記第3の方向から透視した場合に前記分断パターンの内側に含まれ且つ前記コンタクトプラグを内側に含む開口パターンを有する絶縁膜をさらに備え、
前記分断パターンは、前記第1の平面配線に重ならない部分の前記第2の方向における最大幅が前記開口パターンの前記第2の方向における最大幅より狭い
請求項2に記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記第1の積層体、前記第2の積層体及び前記第3の導電層を前記第2のチップと反対側から覆い、前記第3の方向から透視した場合に前記分断パターンの内側に含まれ且つ前記コンタクトプラグを内側に含む開口パターンを有する絶縁膜をさらに備え、
前記分断パターンは、前記第3の方向から透視した場合に前記第1の平面配線に重ならない部分に前記絶縁膜の開口パターンを含まない
請求項2に記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
前記分断パターンは、
前記第3の方向から透視した場合に前記コンタクトプラグを内側に含み、前記第2の方向に第1の最大幅を有する第1の開口パターンと、
前記第3の方向から透視した場合に前記コンタクトプラグを含まず、前記第1の開口パターンに前記第1の方向で隣接し、前記第2の方向に前記第1の最大幅より狭い第2の最大幅を有する第1の溝パターンと、
を含む
請求項2に記載の半導体記憶装置。
【請求項7】
前記分断パターンは、
前記コンタクトプラグを含まず、前記第1の開口パターンに前記第1の方向における前記第1の溝パターンの反対側で隣接し、前記第2の方向に前記第1の最大幅より狭い第3の最大幅を有する第2の溝パターンをさらに含む
請求項6に記載の半導体記憶装置。
【請求項8】
前記第1の積層体、前記第2の積層体及び前記第3の導電層を前記第2のチップと反対側から覆い、前記第3の方向から透視した場合に前記第1の開口パターンに重なり且つ前記コンタクトプラグを内側に含む第2の開口パターンを有する絶縁膜をさらに備え、
前記第2の方向における前記第1の溝パターンの前記第2の方向における最大幅は、前記第2の方向における前記第2の開口パターンの前記第2の方向における最大幅より狭い
請求項6に記載の半導体記憶装置。
【請求項9】
前記第1の平面配線における前記第2のチップと反対側の主面は、前記第3の導電層の膜厚より大きい段差を有する
請求項2に記載の半導体記憶装置。
【請求項10】
前記絶縁膜における前記第2のチップと反対側の主面は、前記第3の方向から透視した場合に前記第1の平面配線に重ならない位置において、平坦であるか前記第3の導電層の膜厚より小さい段差を有する
請求項4に記載の半導体記憶装置。
【請求項11】
前記絶縁膜における前記第2のチップと反対側の主面は、前記第3の方向から透視した場合に前記第1の平面配線に重ならない位置において、平坦であるか前記第3の導電層の膜厚より小さい段差を有する
請求項5に記載の半導体記憶装置。
【請求項12】
前記コンタクトプラグは、前記第1の平面配線内まで達する
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項13】
前記第1の平面配線の前記第1の方向の幅は、前記コンタクトプラグの前記第1の方向の幅より広い
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体記憶装置は、複数のチップが接合されて構成されることがある。半導体記憶装置では、最も上部に位置するチップ内のレイアウトを適切に構成することが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6571208号公報
【特許文献2】米国特許第11335696号明細書
【特許文献3】米国特許第10727215号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一つの実施形態は、最も上部に位置するチップ内のレイアウトを適切に構成できる半導体記憶装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一つの実施形態によれば、第1のチップと第2のチップとを有する半導体記憶装置が提供される。第1のチップは、第1の方向と第2の方向とに延びる。第2の方向は、第1の方向に交差する。第2のチップは、第1の方向及び第2の方向に延びる。第2のチップは、第1のチップに対して第3の方向に接合される。第3の方向は、第1の方向及び第2の方向に交差する。第1のチップは、第1の積層体と第1の半導体膜と第2の積層体と第2の半導体膜とコンタクトプラグと第1の平面配線とを有する。第1の積層体では、複数の第1の導電層が第1の絶縁層を介して積層される。第1の半導体膜は、第1の積層体内を第3の方向に延びる。第2の積層体は、第1の積層体に対して第2の方向に隣接する。第2の積層体は、複数の第2の導電層が第2の絶縁層を介して積層される。第2の半導体膜は、第2の積層体内を第3の方向に延びる。コンタクトプラグは、第1の積層体と第2の積層体との間を第3の方向に延びる。第1の平面配線は、第1の積層体、コンタクトプラグ及び第2の積層体に対して第2のチップと反対側に配される。第1の平面配線は、第1の方向及び第2の方向に延びる。第1の平面配線は、第1の積層体、コンタクトプラグ及び第2の積層体を覆う。第1の平面配線は、コンタクトプラグに接続される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1の実施形態にかかる半導体記憶装置の構成を示すブロック図。
図2】第1の実施形態におけるブロックの構成を示す回路図。
図3】第1の実施形態にかかる半導体記憶装置の概略構成を示す平面図。
図4】第1の実施形態にかかる半導体記憶装置の構成を示す断面図。
図5】第1の実施形態におけるメモリセルの構成を示す断面図。
図6】第1の実施形態にかかる半導体記憶装置の構成を示す平面図。
図7】第1の実施形態における分断パターンの構成を示す断面図。
図8】第1の実施形態における分断パターンの構成を示す断面図。
図9】第1の実施形態における分断パターンの構成を示す断面図。
図10】第1の実施形態における平面配線のセルソース部への接続部の構成を示す断面図。
図11】第2の実施形態にかかる半導体記憶装置の構成を示す平面図。
図12】第3の実施形態にかかる半導体記憶装置の構成を示す平面図。
図13】第4の実施形態にかかる半導体記憶装置の構成を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に添付図面を参照して、実施形態にかかる半導体記憶装置を詳細に説明する。なお、これらの実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0008】
(第1の実施形態)
第1の実施形態にかかる半導体記憶装置は、複数のチップが接合されて構成されるが、最も上部に位置するチップ内のレイアウトを適切に構成するための工夫が施される。
【0009】
例えば、半導体記憶装置1は、図1に示すように構成され得る。図1は、半導体記憶装置1の構成を示すブロック図である。
【0010】
半導体記憶装置1は、複数のチップ10,20を有する。チップ20は、メモリセルアレイ21を含み、アレイチップとも呼ばれる。チップ10は、メモリセルアレイ21を制御するための周辺回路を含み、回路チップとも呼ばれる。
【0011】
なお、図1では、半導体記憶装置1が2個のチップ(アレイチップ)20を含む構成が例示されるが、半導体記憶装置1は、2個以上のアレイチップを含んでもよく、2個以上のアレイチップが積層されてもよい。
【0012】
半導体記憶装置1は、データを不揮発に記憶する不揮発性メモリであってもよく、メモリカード、SSD(Solid State Drive)等のメモリシステム1003に適用され得る。メモリシステム1003は、半導体記憶装置1及びメモリコントローラ1002を有する。
【0013】
半導体記憶装置1は、メモリコントローラ1002から電源Vss、電源Vcc、コマンドラッチイネーブル信号CLE、アドレスラッチイネーブル信号ALE、ライトイネーブル信号WEn、リードイネーブル信号REn、レディビジー信号RBn、および入出力信号I/O等を受ける。これらの信号等を介して、半導体記憶装置1は、メモリコントローラ1002により制御される。
【0014】
入出力信号I/Oは、コマンドCMD、アドレス情報ADD、データ信号DATを含み得る。電源Vssは、基準電位(例えば、グランド電位)を有する。電源Vccは、所定電位(例えば、電源電位)を有する。コマンドラッチイネーブル信号CLEは、入出力信号I/OがコマンドCMDであることを示す。アドレスラッチイネーブル信号ALEは、出力信号I/Oがアドレス情報ADDであることを示す。ライトイネーブル信号WEnは、ライト動作をイネーブルする際に用いられ得る。リードイネーブル信号REnは、リード動作をイネーブルする際に用いられ得る。レディビジー信号RBnは、半導体記憶装置1がレディー状態・ビジー状態にあることを示す。
【0015】
チップ20は、電源線22,23を有する。電源Vssは、電源線22経由でチップ10へ伝達される。電源Vccは、電源線23経由でチップ10へ伝達される。
【0016】
チップ10は、メモリセルアレイ21をさらに含む。メモリセルアレイ21では、メモリセルが3次元的に複数配列される。各メモリセルアレイ21は、複数のブロックBKを含む。
【0017】
各ブロックBKは、ワード線WLが共通接続される複数のメモリセルトランジスタの集合に相当し、図2に示すように構成され得る。図2は、ブロックBKの構成を示す回路図である。
【0018】
ブロックBKは、例えば4つのストリングユニットSU0~SU3を含む。各ストリングユニットSUは、複数のメモリストリングMSを含む。複数のメモリストリングMSは、複数のビット線BL0~BL(m-1)に対応する(mは、任意の2以上の整数)。各メモリストリングMSは、対応するビット線BLに接続される。各メモリストリングMSは、メモリセルトランジスタ(以下、メモリセルとする)MT0~MT3及び選択トランジスタST1,ST2を含む。
【0019】
各メモリストリングMSにおいて、選択トランジスタST1のドレインは、ビット線BLに接続される。選択トランジスタST1のソースと、選択トランジスタST2のドレインとの間に、メモリセルトランジスタMT0~MT3が直列接続される。選択トランジスタST2のソースは、ソース線SLに接続される。
【0020】
ストリングユニットSUに含まれる各メモリストリングMSの選択トランジスタST1のゲートは、セレクトゲート線SGDに共通して接続される。ブロックBKに含まれる各メモリストリングMSの選択トランジスタST2のゲートは、セレクトゲート線SGSに共通して接続される。ブロックBKに含まれる各メモリストリングMSのメモリセルトランジスタMTのゲートは、ワード線WLに共通して接続される。
【0021】
1つのストリングユニットSU内で、1つのワード線WLに接続される複数のメモリセルMCの集合は、セルユニットCUと称される。例えば、メモリセルMCがpビットデータ(pは1以上の整数)を記憶する場合、セルユニットCUの記憶容量はpページデータとして定義される。
【0022】
各ビット線BLは、ブロックBKの各ストリングユニットSUの対応するメモリストリングMSの選択トランジスタST1のドレインに接続される。ソース線SLは、ブロックBKに含まれる各メモリストリングMSの選択トランジスタST2のソースに共通して接続され、ブロックBKのストリングユニットSU間で共有される。ソース線SLは、ブロックBK間で共有されてもよい。
【0023】
図1に示すチップ10(回路チップ)は、ロウデコーダ1012、センスアンプ1013、シーケンサ1014、電圧発生回路1015及び電源回路1016を有する。
【0024】
電源回路1016は、電源線22,23を介して受ける電源Vss,Vccを各部へ供給する。例えば、電源回路1016は、電源Vss,Vccを電圧発生回路1015へ供給する。
【0025】
シーケンサ1014は、コマンドCMDに応じて、各部を統括的に制御する。例えば、シーケンサ1014は、ライトコマンドCMDに応じて、ライト動作を制御する。シーケンサ1014は、ライト動作の制御において、メモリセルアレイ21におけるアドレス指定されたメモリセルMCにデータDATをライトし、ライト完了通知をメモリコントローラ1002へ返す。シーケンサ1014は、リードコマンドCMDに応じて、リード動作を制御する。シーケンサ1014は、リード動作の制御において、メモリセルアレイ21におけるアドレス指定されたメモリセルMCからデータDATをリードし、リードデータDATをメモリコントローラ1002へ返す。
【0026】
電圧発生回路1015は、電源Vss,Vccを用いて、シーケンサ1014の制御に応じた電圧を発生させロウデコーダ1012及びセンスアンプ1013へ供給する。
【0027】
ロウデコーダ1012は、アドレス情報ADDをデコードし、デコード結果に応じてメモリセルアレイ21におけるライト・リードすべき選択メモリセルに対応するワード線WLを選択し、選択ワード線WLに電圧を供給する。ロウデコーダ1012は、デコード結果に応じて選択メモリセルに対応する選択ゲート線SGS,SGDを選択し、選択された選択ゲート線SGS,SGDに電圧を供給する。
【0028】
ロウデコーダ1012は、ソースドライバ1012aを有する。ロウデコーダ1012は、デコード結果に応じて選択メモリセルに対応するソース線SLを選択し、ソースドライバ1012aを制御し、ソースドライバ1012aからソース線SLに電圧を供給させる。
【0029】
センスアンプ1013は、アドレス情報ADDをデコードし、デコード結果に応じてメモリセルアレイ21におけるライト・リードすべきメモリセルに対応するビット線BLを選択する。センスアンプ1013は、ライト処理において、選択ビット線BLに電圧を供給する。センスアンプ1013は、リード処理において、選択ビット線BLの電圧を供給し、選択ビット線BLの電位をセンスする。
【0030】
図1に示す電源線22,23、ソース線SLは、例えば図3及び図4に示すような平面配線MAにより実現され得る。以下では、基板2の表面に垂直な方向をZ方向とし、Z方向に垂直な面内で互いに直交する2方向をX方向及びY方向とする。図3は、半導体記憶装置1の構成を示すXY平面図である。図4は、半導体記憶装置1の構成を示すXZ断面図である。図4は、図3をA-A線で切った場合の断面を例示する。
【0031】
半導体記憶装置1は、XY平面視で略矩形状を有し、例えばX方向を長手方向とする。半導体記憶装置1は、複数のチップ10,20の積層で構成され得る。
【0032】
図3では、各チップ10,20の概略的なレイアウト構成が例示される。チップ20において、複数の積層体SST1~SST4が配される。複数の積層体SST1~SST4は、XY方向に2次元的に配列されてもよい。各積層体SSTは、XY平面視で略矩形状を有し、例えばX方向を長手方向とする。各積層体SSTは、メモリセルアレイ21の一部として機能する。
【0033】
複数の積層体SST1~SST4のうちY方向に並ぶ積層体SST1及び積層体SST2の間(又は積層体SST3及び積層体SST4の間)には、コンタクトプラグCCが配される。コンタクトプラグCCは、積層体SST1及び積層体SST2の間(又は積層体SST3及び積層体SST4の間)をZ方向に延び平面配線MAに達する。コンタクトプラグCCは、チップ20の電極PD2、チップ10の電極PD1を介して、チップ10の回路素子に電気的に接続される。
【0034】
チップ10,20に共有される構造として、エッジシールESが設けられる。エッジシールESは、Z方向から透視した場合、複数の積層体SST1,SST2をXY方向外側から囲む。これにより、エッジシールESは、メモリセルアレイ21及びそれらを制御するための回路(ロウデコーダ1012、センスアンプ1013、シーケンサ1014、電圧発生回路1015及び電源回路1016など)を外来静電ノイズ等から保護する。
【0035】
なお、簡略化のため、チップ10におけるエッジシールESの内側の構成の図示は省略される。
【0036】
図4に示すように、チップ10の+Z側に、チップ20が配される。すなわち、チップ10の+Z側に、チップ20が積層される。チップ20は、メモリセルアレイ用のチップであり、チップ10は、周辺回路用のチップである。
【0037】
チップ10の+Z側の主面に、チップ20が接合される。チップ20は、直接接合でチップ10に接合されてもよい。チップ10は、+Z側に絶縁膜(例えば、酸化膜)DL1と電極PD1とを有する。チップ20は、-Z側に絶縁膜(例えば、酸化膜)DL2と電極PD2とを有する。チップ10,20の接合面BF1では、チップ10の絶縁膜DL1とチップ20の絶縁膜DL2とが接合され、チップ10の電極PD1とチップ20の電極PD2とが接合される。
【0038】
なお、周辺回路用のチップ10の+Z側にメモリセルアレイ用のチップ20が接合される構造は、CBA(CMOS directly Bonded to Array)構造とも呼ばれる。CBA構造において、周辺回路用のチップ10の+Z側に接合されるメモリセルアレイ用のチップ20の個数は、1個に限定されず、2個以上であってもよい。
【0039】
チップ10は、基板2、トランジスタTr、電極PD1、配線構造WS、絶縁膜DL1を有する。基板2は、チップ10における-Z側に配され、XY方向に板状に延びる。基板2は、半導体基板であってもよく、半導体(例えば、シリコン)を主成分とする材料で形成され得る。基板2は、+Z側の表面2aを有する。トランジスタTrは、メモリセルアレイ21を制御するための回路(ロウデコーダ1012、センスアンプ1013、シーケンサ1014、電圧発生回路1015及び電源回路1016など)の回路素子として機能する。トランジスタTrは、基板2の表面2aに導電膜として配されるゲート電極、基板2内の表面2a近傍に半導体領域として配されるソース電極・ドレイン電極などを含む。電極PD1は、前述のように、チップ10,20の接合面BF1にその表面が露出するように配される。配線構造WSは、主としてZ方向に延びて、トランジスタTrのゲート電極、ソース電極・ドレイン電極などを電極PD1へ接続する。
【0040】
チップ20は、積層体SST1、導電層5、複数の柱状体CL、複数のプラグCP1、複数のプラグCP2、複数の導電膜BL、複数の平面配線MA、電極PD2、電極PD3、絶縁膜DL2を有する。積層体SST1では、複数の導電層3が絶縁層4を介してZ方向に積層される。複数の導電層3は、-Z側から+Z側へ順に、選択ゲート線SGD、ワード線WL3、ワード線WL2、ワード線WL1、ワード線WL0、選択ゲート線SGSとして機能する。導電層5は、セルソース部BSLとして機能する。セルソース部BSLは、ソース線SLの一部であり、ソース線SLにおける積層体SST1に接触する電極部分として機能する。
【0041】
各導電層3は、XY方向に板状に延びる。各柱状体CLは、複数の導電層3を通ってZ方向に延びる。各柱状体CLは、積層体SST1をZ方向に貫通してもよい。各柱状体CLは、Z方向に柱状に延びる。各柱状体CLは、チャネル領域として機能する半導体膜CH(図5参照)を含む。半導体膜CHは、Z方向に沿った軸を有する柱状に(例えば、柱形状又は筒形状で)延びる。複数の導電層3と複数の柱状体CLとが交差する複数の交差位置、すなわち複数の導電層3と複数の半導体膜CHとが交差する複数の交差位置に、複数のメモリセルMCが形成される。
【0042】
各柱状体CLは、図5(a)、図5(b)に示すように、絶縁膜CR、半導体膜CH、絶縁膜TNL、電荷蓄積膜CT、絶縁膜BLK1を含む。図5(a)は、メモリセルMTの構成を示すXZ断面図であり、図4のC部分の拡大断面図である。図5(b)は、メモリセルMTの構成を示すXY断面図であり、図5(a)をC-C線に沿って切った場合の断面を示す。絶縁膜CRは、Z方向に延び、Z方向に沿った軸を有する柱形状を構成する。絶縁膜CRは、シリコン酸化物等の絶縁物で形成され得る。半導体膜CHは、絶縁膜CRをXY方向外側から覆うようにZ方向に延び、Z方向に沿った軸を有する筒形状を構成する。半導体膜CHは、ポリシリコン等の半導体で形成され得る。絶縁膜TNLは、半導体膜CHをXY方向外側から覆うようにZ方向に延び、Z方向に沿った軸を有する筒形状を構成する。絶縁膜TNLは、シリコン酸化物等の絶縁物で形成され得る。電荷蓄積膜CTは、絶縁膜TNLをXY方向外側から覆うようにZ方向に延び、Z方向に沿った軸を有する筒形状を構成する。電荷蓄積膜CTは、シリコン窒化物等の絶縁物で形成され得る。絶縁膜BLK1は、電荷蓄積膜CTをXY方向外側から覆うようにZ方向に延び、Z方向に沿った軸を有する筒形状を構成する。絶縁膜BLK1は、シリコン酸化物等の絶縁物で形成され得る。絶縁膜BLK2は、絶縁膜BLK1をXY方向外側から覆うとともに導電層3における+Z側の主面、柱状体CL側の主面、-Z側の主面を覆うように延び、Z方向に沿った軸を有する略中空円盤形状を構成する。絶縁膜BLK2は、アルミニウム酸化物等の絶縁物で形成され得る。図5(a)、図5(b)に点線で囲って示す部分がメモリセルMTとして機能する。
【0043】
柱状体CLにおける半導体膜CHは、図4に示すように、先端が導電層5に達する。半導体膜CHは、+Z側端で導電層5に接続され、-Z側端でプラグを介して導電膜BLに接続される。導電膜BLは、ビット線BL(図2参照)として機能する。導電層5は、導電性を付与された半導体(例えば、ポリシリコン)で形成され得る。導電層5は、ソース線SL(図2参照)におけるセルソース部BSLとして機能する。半導体膜CHは、メモリストリングMS(図2参照)におけるチャネル領域として機能する。
【0044】
また、各導電層3は、Y方向幅が互いに均等であってもよい。複数の導電層3は、-Z側から+Z側にかけて、X方向幅が段階的に大きくなっている。複数の導電層3は、-Z側から+Z側にかけて、X方向端が徐々に外側に位置するように構成される。これにより、メモリセルアレイ11_1におけるプラグ接続部に、-Z側から+Z側へ順に、選択ゲート線SGD、複数のワード線WL、選択ゲート線SGSが階段状に引き出された階段構造が構成される。
【0045】
複数のプラグCP1は、複数の導電層3に対応する。各プラグCP1は、Z方向における電極PD2及び対応する導電層3の間に配され、-Z側端が電極PD2に電気的に接続され、Z方向に延び、+Z側端が対応する導電層3に電気的に接続される。これにより、プラグCP1は、電極PD2及び対応する導電層3を電気的に接続する。
【0046】
複数のプラグCP2は、複数の電極PD2に対応し、複数の電極PD3に対応する。各プラグCP2は、Z方向における対応する電極PD2及び対応する電極PD3の間に配され、-Z側端が電極PD2に電気的に接続され、Z方向に延び、+Z側端が対応する電極PD3に電気的に接続される。これにより、プラグCP2は、対応する電極PD2及び対応する電極PD3を電気的に接続する。
【0047】
複数の導電膜BLは、積層体SST1の-Z側に配される。複数の導電膜BLは、互いにX方向に配列される。各導電膜BLは、Y方向に延びる。複数の導電膜BLは、複数の柱状体CLに対応する。各導電膜BLは、対応する柱状体CLの-Z側端に電気的に接続され、ビット線BLとして機能する。導電膜BLは、電極PD2に電気的に接続される。これにより、ビット線BLが電極PD2、電極PD1、配線構造WS経由でチップ10のトランジスタTrに接続され得る。
【0048】
電極PD2は、その表面がチップ10,20の接合面BF1に露出するように配される。電極PD3は、その表面がチップ20の接合面BF2に露出するように配される。
【0049】
図3及び図4に示すように、複数の平面配線MAは、X方向に配列される。各平面配線MAは、X方向及びY方向に延び、XY平面視においてY方向を長手方向とする略矩形状である。複数の平面配線MAは、規則的に配列され得る。配列の単位となる2以上の平面配線MAの集まりを配線群MGと呼ぶことにする。
【0050】
複数の配線群MG1~MGnは、X方向に配列される。nは、任意の2以上の整数である。各配線群MGは、Z方向から透視した場合、Y方向に並ぶ複数の積層体SST1,SST2(又はSST3,SST4)に重なる。
【0051】
各配線群MGは、複数の平面配線MA1~MA4を含む。各平面配線MAは、X方向に配列される。各平面配線MAは、Z方向から透視した場合、Y方向に並ぶ複数の積層体SST1,SST2(又はSST3,SST4)に重なる。図4に示すように、配線群MGに含まれる各平面配線MA1~MA4は、積層体SST1、コンタクトプラグCC及び積層体SST2に対して+Z側に配される。
【0052】
図4に示すように、各平面配線MAは、層間絶縁膜DL3及び導電層5を介して積層体SST1,SST2(又は積層体SST3,SST4)を覆う。導電層5は、積層体SST1,SST2を+Z側から覆う。層間絶縁膜DL3は、導電層5を+Z側から覆う。配線群MGに含まれる各平面配線MA1~MA4は、層間絶縁膜DL3の+Z側の主面に配される。
【0053】
次に、配線群MGに含まれる各平面配線MA1~MA4に関するレイアウト構成について、図6を用いてより詳細に説明する。図6は、半導体記憶装置1の構成を示す平面図である。図6は、平面配線MA1~MA4に関するレイアウト構成を例示する。図6は、図3のB部分の拡大平面図である。図6では、図3に対して、X方向の拡大率がY方向の拡大率より大きくなっている。
【0054】
図6では、複数のチップ10,20が積層された構造における最も上部に位置するチップ20内のレイアウト構成が例示される。チップ20における配線群MGに含まれる各平面配線MA1~MA4が太い実線で示され、導電層5が点線で示され、層間絶縁膜DL3が一点鎖線で示される。
【0055】
導電層5は、セルソース部BSL1、セルソース部BSL2及び分断パターンBAを有する。層間絶縁膜DL3は、開口パターンVA1~VA3を有する。
【0056】
セルソース部BSL1は、積層体SST1に対するソース線SLの一部として機能する。セルソース部BSL1は、X方向及びY方向に伸び、XY平面視においてX方向を長手方向とする略矩形状である。
【0057】
セルソース部BSL2は、積層体SST2に対するソース線SLの一部として機能する。セルソース部BSL2は、セルソース部BSL1に対して+Y側に配される。セルソース部BSL2は、X方向及びY方向に伸び、XY平面視においてX方向を長手方向とする略矩形状である。
【0058】
分断パターンBAは、セルソース部BSL1及びセルソース部BSL2の間をX方向に延びる。Z方向から透視した場合に、配線群MGに含まれる各平面配線MA1~MA4に順に交差する。分断パターンBAは、セルソース部BSL1及びセルソース部BSL2を分断し電気的に絶縁する。これにより、分断パターンBAは、積層体SST1のソース線SLと積層体SST2のソース線SLとを電気的に絶縁させる。
【0059】
各平面配線MAは、X方向及びY方向に伸び、XY平面視においてY方向を長手方向とする略矩形状である。
【0060】
分断パターンBAは、複数の平面配線MAの配列方向(すなわち、X方向)に延び、Z方向から透視した場合に、複数の平面配線MAにそれぞれ交差する。分断パターンBAは、Z方向から透視した場合に、平面配線MAに重なるXY位置で開口パターンVAを内側に含み、開口パターンVAの内側となる位置でコンタクトプラグCCを内側に含む。
【0061】
分断パターンBAは、平面配線MA1~MA4に重ならない部分のY方向における最大幅が平面配線MA1,3,4に重なりコンタクトプラグCC1~CC3に対応する部分のY方向における最大幅より狭い。
【0062】
分断パターンBAは、-X側から+X側に順に、溝パターンBA11、開口パターンBA1、溝パターンBA12、開口パターンBA2、溝パターンBA13、開口パターンBA3、溝パターンBA14を含む。
【0063】
溝パターンBA11は、XY平面視においてX方向にライン状に延び、+X側端部が開口パターンBA1に接続される。溝パターンBA11のY位置は、開口パターンBA1のY方向中央近傍に対応する。溝パターンBA11は、Z方向から透視した場合に、その主要部が平面配線MA1に重ならないが、+X側端部が平面配線MA1に重なる。
【0064】
開口パターンBA1は、XY平面視において略矩形状である。開口パターンBA1は、X方向を長手方向とする略矩形状であってもよい。開口パターンBA1は、Z方向から透視した場合に、平面配線MA1に重なる。開口パターンBA1は、Z方向から透視した場合に、開口パターンVA1を内側に含み、複数のコンタクトプラグCC1-1~CC1-3をさらに内側に含む。
【0065】
開口パターンVA1は、XY平面視において略矩形状である。開口パターンVA1は、X方向を長手方向とする略矩形状であってもよい。開口パターンVA1は、Z方向から透視した場合に、平面配線MA1に重なる。開口パターンVA1は、Z方向から透視した場合に、複数のコンタクトプラグCC1-1~CC1-3を内側に含む。溝パターンBA11のY位置は、開口パターンVA1のY方向中央近傍に対応し、コンタクトプラグCC1のY位置に対応する。
【0066】
複数のコンタクトプラグCC1-1~CC1-3は、XY平面視において略円状又は略矩形状である。複数のコンタクトプラグCC1-1~CC1-3は、X方向に配列される。図6では、各コンタクトプラグCC1がXY平面視において略円状であり、Z方向から透視した場合に開口パターンBA1及び開口パターンVA1の内側に含まれるコンタクトプラグCC1が3個である構成が例示される、コンタクトプラグCC1の個数は2個以下でもよいし、4個以上でもよい。
【0067】
溝パターンBA11における少なくとも主要部のY方向最大幅W1は、開口パターンBA1のY方向最大幅W2より狭い。さらに、開口パターンVA1は、Z方向から透視した場合に、開口パターンBA1に重なるXY位置に配され、溝パターンBA11に重なるXY位置に配されない。
【0068】
ここで、複数のチップ10,20が積層された構造における最も上部に位置するチップ20では、層間絶縁膜DL3、平面配線MAが形成される際に、工程簡略化のため平坦化が行われない。そのため、層間絶縁膜DL3の+Z側の主面における複数の平面配線MA間に対応するXY位置に大きな段差があると、平面配線MA形成時に複数の平面配線MA間で導電膜がエッチングしきれずに残りパターン不良が発生する可能性がある。
【0069】
それに対して、図6に示すレイアウト構成により、図7図9に示すように、平面配線MA1及び平面配線MA2間のXY位置における層間絶縁膜DL3の+Z側の主面の段差を抑制でき、平面配線MA形成時における平面配線MA1及び平面配線MA2間の導電膜残りなどのパターン不良の発生を抑制できる。
【0070】
図7図9は、それぞれ、分断パターンBA(開口パターンBA1、溝パターンBA12)の構成を示すYZ断面図である。図7は、図6をD-D線で切った場合の断面を示し、開口パターンBA1、平面配線MA1に重なるXY位置における開口パターンVA1のYZ断面を示す。図8は、図6をE-E線で切った場合の断面を示し、平面配線MA1に重なるXY位置における溝パターンBA12のYZ断面を示す。図9は、図6をF-F線で切った場合のYZ断面を示し、平面配線MA1に重ならないXY位置における溝パターンBA12のYZ断面を示す。
【0071】
例えば、開口パターンBA1のXY位置おける層間絶縁膜DL3の+Z側の主面は、図7に示す比較的大きな段差ST0を有するが、開口パターンBA1の+X側のXY位置における層間絶縁膜DL3の+Z側の主面は、図8に示すように、ほとんど段差を有しないか、セルソース部BSL2の膜厚TH0未満の段差を有する。段差ST0は、層間絶縁膜DL3の開口パターンVA1のZ深さに対応する。段差ST0の大きさは、セルソース部BSL2の膜厚TH0より大きい。さらに+X側のXY位置における層間絶縁膜DL3の+Z側の主面は、図9に示すように、ほとんど段差を有しないか、セルソース部BSL2の膜厚TH0未満の段差を有する。
【0072】
これに応じて、開口パターンBA1のXY位置における平面配線MA1の+Z側の主面は、図7に示す比較的大きな段差ST1を有するが、開口パターンBA1の+X側のXY位置における平面配線MA1の+Z側の主面は、図8に示すように、ほとんど段差を有さないか、膜厚TH0未満の段差を有する。段差ST1は、段差ST0に対応する。段差ST1は、セルソース部BSL2の膜厚TH0より大きい。さらに+X側のXY位置には、図9に示すように、平面配線MA1に対応する導電膜が配されておらず、導電膜の残骸も存在しない。
【0073】
すなわち、図6に示すレイアウト構成により、平面配線MA1形成時に導電膜が平面配線MA1及び平面配線MA2間のXY位置に残らないようにすることが容易であり、平面配線MA1及び平面配線MA2間のショートが回避可能である。
【0074】
なお、溝パターンBA11における+X側端部のY方向最大幅W1は、開口パターンVA1のY方向最大幅W4より狭くてもよい。コンタクトプラグCC1のY方向最大幅W3は、開口パターンBA1のY方向最大幅W2より狭くてもよい。コンタクトプラグCC1のY方向最大幅W3は、開口パターンVA1のY方向最大幅W4より狭くてもよい。平面配線MA1のX方向最大幅D2は、コンタクトプラグCC1のX方向最大幅D3より広くてもよい。
【0075】
溝パターンBA12は、XY平面視においてX方向にライン状に延び、-X側の端部が開口パターンBA1に接続され、+X側の端部が開口パターンBA2に接続される。溝パターンBA12のY位置は、開口パターンBA1のY方向中央近傍に対応し、開口パターンBA2のY方向中央近傍に対応する。溝パターンBA12は、Z方向から透視した場合に、その主要部が平面配線MA2に重なり、-X側端部が平面配線MA1に重なり、+X側端部が平面配線MA3に重なるが、-X側端部及び主要部間の部分が平面配線MAに重ならず、主要部及び+X側端部間の部分が平面配線MAに重ならない。
【0076】
開口パターンBA2は、XY平面視において略矩形状である。開口パターンBA2は、X方向を長手方向とする略矩形状であってもよい。開口パターンBA2は、Z方向から透視した場合に、平面配線MA3に重なる。開口パターンBA2は、Z方向から透視した場合に、開口パターンVA2を内側に含み、複数のコンタクトプラグCC2-1~CC2-3をさらに内側に含む。
【0077】
開口パターンVA2は、XY平面視において略矩形状である。開口パターンVA2は、X方向を長手方向とする略矩形状であってもよい。開口パターンVA2は、Z方向から透視した場合に、平面配線MA3に重なる。開口パターンVA2は、Z方向から透視した場合に、複数のコンタクトプラグCC2-1~CC2-3を内側に含む。溝パターンBA12のY位置は、開口パターンVA1,VA2のY方向中央近傍に対応し、コンタクトプラグCC1,CC2のY位置に対応する。
【0078】
複数のコンタクトプラグCC2-1~CC2-3は、XY平面視において略円状又は略矩形状である。複数のコンタクトプラグCC2-1~CC2-3は、X方向に配列される。図6では、Z方向から透視した場合に開口パターンBA2及び開口パターンVA2の内側に含まれるコンタクトプラグCC1が3個である構成が例示される、コンタクトプラグCC2の個数は2個以下でもよいし、4個以上でもよい。
【0079】
溝パターンBA12における少なくとも-X側端部及び主要部間の部分のY方向最大幅は、開口パターンBA1,BA2のY方向最大幅よりそれぞれ狭い。溝パターンBA12における少なくとも主要部及び+X側端部間の部分のY方向最大幅は、開口パターンBA1,BA2のY方向最大幅よりそれぞれ狭い。さらに、開口パターンVA1,VA2は、それぞれ、Z方向から透視した場合に、開口パターンBA1,BA2に重なるXY位置に配され、溝パターンBA12に重なるXY位置に配されない。
【0080】
このレイアウト構成により、平面配線MA1及び平面配線MA2間のXY位置における、又は平面配線MA2及び平面配線MA3間のXY位置における層間絶縁膜DL3の+Z側の主面の段差を抑制でき、平面配線MA1及び平面配線MA2間の、又は平面配線MA2及び平面配線MA3間の導電膜残りなどのパターン不良の発生を抑制できる(図7図9参照)。
【0081】
なお、溝パターンBA12における+X側端部のY方向最大幅は、開口パターンVA2のY方向最大幅より狭くてもよい。コンタクトプラグCC2のY方向最大幅は、開口パターンBA1のY方向最大幅より狭くてもよい。コンタクトプラグCC1のY方向最大幅は、開口パターンVA1のY方向最大幅より狭くてもよい。平面配線MA1のX方向最大幅は、コンタクトプラグCC1のX方向最大幅より広くてもよい。
【0082】
溝パターンBA13は、XY平面視においてX方向にライン状に延び、-X側端部が開口パターンBA2に接続され、+X側端部が開口パターンBA3に接続される。溝パターンBA12のY位置は、開口パターンBA2のY方向中央近傍に対応し、開口パターンBA3のY方向中央近傍に対応する。溝パターンBA13は、Z方向から透視した場合に、その主要部が平面配線MA3,MA4に重ならないが、-X側端部が平面配線MA3に重なり、+X側端部が平面配線MA4に重なる。
【0083】
開口パターンBA3は、XY平面視において略矩形状である。開口パターンBA3は、X方向を長手方向とする略矩形状であってもよい。開口パターンBA3は、Z方向から透視した場合に、平面配線MA4に重なる。開口パターンBA3は、Z方向から透視した場合に、開口パターンVA3を内側に含み、複数のコンタクトプラグCC3-1~CC3-3をさらに内側に含む。
【0084】
開口パターンVA3は、XY平面視において略矩形状である。開口パターンVA3は、X方向を長手方向とする略矩形状であってもよい。開口パターンVA3は、Z方向から透視した場合に、平面配線MA1に重なる。開口パターンVA3は、Z方向から透視した場合に、複数のコンタクトプラグCC3-1~CC3-3を内側に含む。溝パターンBA13のY位置は、開口パターンVA2,VA3のY方向中央近傍に対応し、コンタクトプラグCC2,CC3のY位置に対応する。
【0085】
複数のコンタクトプラグCC3-1~CC3-3は、XY平面視において略円状又は略矩形状である。複数のコンタクトプラグCC3-1~CC3-3は、X方向に配列される。図6では、各コンタクトプラグCC3がXY平面視において略円状であり、Z方向から透視した場合に開口パターンBA3及び開口パターンVA3の内側に含まれるコンタクトプラグCC3が3個である構成が例示される、コンタクトプラグCC3の個数は2個以下でもよいし、4個以上でもよい。
【0086】
溝パターンBA14は、XY平面視においてX方向にライン状に延び、-X側端部が開口パターンBA3に接続される。溝パターンBA14のY位置は、開口パターンBA3のY方向中央近傍に対応し、開口パターンBA1のY方向中央近傍に対応する。溝パターンBA14は、Z方向から透視した場合に、その主要部が平面配線MA4に重ならないが、-X側端部が平面配線MA4に重なる。溝パターンBA14のY位置は、開口パターンVA3のY方向中央近傍に対応し、コンタクトプラグCC3のY位置に対応する。
【0087】
溝パターンBA13における少なくとも主要部のY方向最大幅は、開口パターンBA2,BA3のY方向最大幅よりそれぞれ狭い。さらに、開口パターンVA2,VA3は、それぞれ、Z方向から透視した場合に、開口パターンBA2,BA3に重なるXY位置に配され、溝パターンBA13に重なるXY位置に配されない。
【0088】
このレイアウト構成により、平面配線MA3及び平面配線MA4間のXY位置における層間絶縁膜DL3の+Z側の主面の段差を抑制でき、平面配線MA3及び平面配線MA4間の導電膜残りなどのパターン不良の発生を抑制できる(図7図9参照)。
【0089】
なお、溝パターンBA13における+X側端部のY方向最大幅は、開口パターンVA2,VA3のY方向最大幅より狭くてもよい。コンタクトプラグCC2,CC3のY方向最大幅は、開口パターンBA2,BA3のY方向最大幅より狭くてもよい。コンタクトプラグCC2,CC3のY方向最大幅は、開口パターンVA2,VA3のY方向最大幅より狭くてもよい。平面配線MA3,MA4のX方向最大幅は、コンタクトプラグCC2,CC3のX方向最大幅より広くてもよい。
【0090】
溝パターンBA14における少なくとも主要部のY方向最大幅は、開口パターンBA3のY方向最大幅より狭い。さらに、溝パターンBA14における-X側端部のY方向最大幅が開口パターンBA3のY方向最大幅より狭くてもよい。
【0091】
このレイアウト構成により、平面配線MA4及び平面配線MA1間のXY位置(図3参照)における層間絶縁膜DL3の+Z側の主面の段差を抑制でき、平面配線MA4及び平面配線MA1間の導電膜残りなどのパターン不良の発生を抑制できる(図7図9参照)。
【0092】
なお、溝パターンBA14における主要部のY方向最大幅は、開口パターンVA3のY方向最大幅より狭くてもよい。
【0093】
また、平面配線MA1は、図6図7図10に示すように、積層体SST1に対するソース線SLの一部として機能してもよい。図10は、平面配線MA1のセルソース部BSLへの接続部の構成を示すYZ断面図である。図10は、図6をG-G線で切った場合の断面を示す。
【0094】
図7に示すチップ20の電極PD1とチップ10の電極PD11とが接合面において直接接合で接合されている。チップ20内のセルソース部BSL1とセルソース部BSL2との間にXY位置において、平面配線MA1はコンタクトプラグCC1に電気的に接続され、コンタクトプラグCC1は電極PD1に電気的に接続される。電極PD1は、接合面において電極PD11に電気的に接続される。チップ10において、電極PD11はコンタクトプラグCC11を介してソースドライバ1012aの回路素子TRに電気的に接続される。図10に示す平面配線MA1は、導電プラグBC1を介してセルソース部BSL1に接続される。
【0095】
これにより、ソースドライバ1012aで発生された電圧がコンタクトプラグCC11、電極PD11、電極PD1、コンタクトプラグCC1、平面配線MA1、導電プラグBC1(図6参照)経由でセルソース部BSL1へ供給され得る。このとき、コンタクトプラグCC11、電極PD11、電極PD1、コンタクトプラグCC1、平面配線MA1、導電プラグBC1、セルソース部BSL1がソース線SL(図1図2参照)として機能する。平面配線MA1は、ソース線SLの一部として機能する。
【0096】
同様に、平面配線MA3は、図6に示すように、積層体SST2に対するソース線SLの一部として機能してもよい。平面配線MA3は、導電プラグBC2を介してセルソース部BSL2に接続されてもよい。
【0097】
以上のように、第1の実施形態では、半導体記憶装置1において、積層体SST1のセルソース部BSL1及び積層体SST2のセルソース部BSL2を分断する分断パターンBAは、複数の平面配線MAの配列方向に延び、Z方向から透視した場合に複数の平面配線MAにそれぞれ交差する。分断パターンBAは、平面配線MA1~MA4に重ならない部分のY方向における最大幅が平面配線MA1,MA3,MA4に重なりコンタクトプラグCCに対応する部分のY方向における最大幅より狭い。これにより、複数の平面配線MA間のXY位置における層間絶縁膜DL3の+Z側の主面の段差を抑制でき、平面配線MA形成時における複数の平面配線MA間の導電膜残りなどのパターン不良の発生を抑制可能なレイアウト構成を実現できる。すなわち、複数のチップ10,20が積層された構造における最も上部に位置するチップ20内のレイアウト構成を適切化できる。
【0098】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態にかかる半導体記憶装置101について説明する。以下では、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0099】
第1の実施形態では、分断パターンBAにおける溝パターンBA11~BA14のY位置が開口パターンBA1~BA3のY方向中央近傍にあるレイアウト構成が例示されるが、第2の実施形態では、分断パターンBAにおける溝パターンBA11~BA14のY位置が開口パターンBA1~BA3のY方向中央近傍からシフトしたレイアウト構成が例示される。
【0100】
配線群MGに含まれる各平面配線MA1~MA4に関するレイアウトは、図11に示すように構成されてもよい。図11は、第2の実施形態にかかる半導体記憶装置101の構成を示す平面図である。図11は、図6に対応する、平面配線MA1~MA4に関するレイアウト構成を例示する。
【0101】
図11では、複数のチップ10,20が積層された構造における最も上部に位置するチップ20内のレイアウト構成が例示される。チップ20における配線群MGに含まれる各平面配線MA1~MA4が太い実線で示され、導電層105が点線で示され、層間絶縁膜DL103が一点鎖線で示される。
【0102】
導電層105は、分断パターンBA(図6参照)に代えて、分断パターンBA100を有する。層間絶縁膜DL103は、開口パターンVA1~VA3(図6参照)に代えて、開口パターンVA101~VA103を有する。
【0103】
分断パターンBA100は、-X側から+X側に順に、溝パターンBA111、開口パターンBA101、溝パターンBA112、開口パターンBA102、溝パターンBA113、開口パターンBA103、溝パターンBA114を含む。
【0104】
溝パターンBA111のY位置は、開口パターンBA101のY方向中央近傍から+Y側にシフトしており、開口パターンVA101のY方向中央近傍から+Y側にシフトしており、コンタクトプラグCC101のY位置から+Y側にシフトしている。
【0105】
溝パターンBA112のY位置は、開口パターンBA101,BA102のY方向中央近傍から+Y側にシフトしており、開口パターンVA101,VA102のY方向中央近傍から+Y側にシフトしており、コンタクトプラグCC101,CC102のY位置から+Y側にシフトしている。
【0106】
溝パターンBA113のY位置は、開口パターンBA102,BA103のY方向中央近傍から+Y側にシフトしており、開口パターンVA102,VA103のY方向中央近傍から+Y側にシフトしており、コンタクトプラグCC102,CC103のY位置から+Y側にシフトしている。
【0107】
溝パターンBA114のY位置は、開口パターンBA103のY方向中央近傍から+Y側にシフトしており、開口パターンVA103のY方向中央近傍から+Y側にシフトしており、コンタクトプラグCC103のY位置から+Y側にシフトしている。
【0108】
分断パターンBA100は、平面配線MA1~MA4に重ならない部分のY方向における最大幅が平面配線MA1,MA3,MA4に重なりコンタクトプラグCCに対応する部分のY方向における最大幅より狭い点は、第1の実施形態と同様である。
【0109】
以上のように、第2の実施形態では、半導体記憶装置101において、分断パターンBA100は、平面配線MA1~MA4に重ならない部分のY方向における最大幅が平面配線MA1,MA3,MA4に重なりコンタクトプラグCCに対応する部分のY方向における最大幅より狭い。これにより、複数の平面配線MA間のXY位置における層間絶縁膜DL3の+Z側の主面の段差を抑制でき、平面配線MA形成時における複数の平面配線MA間の導電膜残りなどのパターン不良の発生を抑制可能なレイアウト構成を実現できる。すなわち、複数のチップ10,20が積層された構造における最も上部に位置するチップ20内のレイアウト構成を適切化できる。
【0110】
なお、各溝パターンBA111~BA114のY位置は、開口パターンBA101~BA103のY方向中央近傍から-Y側にシフトしていてもよい。
【0111】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態にかかる半導体記憶装置201について説明する。以下では、第1の実施形態及び第2の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0112】
第1の実施形態及び第2の実施形態では、溝パターンと開口パターンとがX方向に繰り返される分断パターンのレイアウト構成が例示されるが、第3の実施形態では、溝パターンが開口パターンからY方向に離間しながらX方向に延びる分断パターンのレイアウト構成が例示される。
【0113】
配線群MGに含まれる各平面配線MA1~MA4に関するレイアウトは、図12に示すように構成されてもよい。図12は、第3の実施形態にかかる半導体記憶装置201の構成を示す平面図である。図12は、図6に対応する、平面配線MA1~MA4に関するレイアウト構成を例示する。
【0114】
図12では、複数のチップ10,20が積層された構造における最も上部に位置するチップ20内のレイアウト構成が例示される。チップ20における配線群MGに含まれる各平面配線MA1~MA4が太い実線で示され、導電層205が点線で示され、層間絶縁膜DL203が一点鎖線で示される。
【0115】
導電層205は、セルソース部BSL1、セルソース部BSL2及び分断パターンBA(図6参照)に代えて、セルソース部BSL201、セルソース部BSL202及び分断パターンBA200を有する。層間絶縁膜DL203は、開口パターンVA1~VA3(図6参照)に代えて、開口パターンVA201~VA203を有する。
【0116】
分断パターンBA200は、その一部がセルソース部BSL201及びセルソース部BSL202の間をX方向に延びるとともに、他の一部がZ方向から透視した場合にセルソース部BSL201又はセルソース部BSL202の内側となる位置に配される。
【0117】
分断パターンBA200は、溝パターンBA211、開口パターンBA201、開口パターンBA202、開口パターンBA203を含む。
【0118】
溝パターンBA211は、セルソース部BSL201及びセルソース部BSL202の間をX方向に延びる。溝パターンBA211は、開口パターンBA201、開口パターンBA202、開口パターンBA203のそれぞれに対して+Y側に離間して配される。
【0119】
開口パターンBA201、開口パターンBA202、開口パターンBA203は、それぞれ、Z方向から透視した場合にセルソース部BSL201の内側となる位置に配される。開口パターンBA201、開口パターンBA202、開口パターンBA203は、-X側から+X側に順に並ぶ。開口パターンBA201、開口パターンBA202、開口パターンBA203は、互いにX方向に離間する。
【0120】
ここで、溝パターンBA211のY方向における最大幅は、各開口パターンBA201、開口パターンBA202、開口パターンBA203のY方向における最大幅より狭い。溝パターンBA211のY方向における最大幅は、分断パターンBA200における平面配線MA1~MA4に重ならない部分のY方向における最大幅に相当する。各開口パターンBA201、開口パターンBA202、開口パターンBA203のY方向における最大幅は、平面配線MA1,MA3,MA4に重なりコンタクトプラグCCに対応する部分のY方向における最大幅に相当する。すなわち、分断パターンBA200は、平面配線MAに重ならない部分のY方向における最大幅が平面配線MAに重なりコンタクトプラグCCに対応する部分のY方向における最大幅より狭い。
【0121】
以上のように、第3の実施形態では、半導体記憶装置201において、分断パターンBA200は、平面配線MA1~MA4に重ならない部分のY方向における最大幅が平面配線MA1,MA3,MA4に重なりコンタクトプラグCCに対応する部分のY方向における最大幅より狭い。これにより、複数の平面配線MA間のXY位置における層間絶縁膜DL203の+Z側の主面の段差を抑制でき、平面配線MA形成時における複数の平面配線MA間の導電膜残りなどのパターン不良の発生を抑制可能なレイアウト構成を実現できる。すなわち、複数のチップ10,20が積層された構造における最も上部に位置するチップ20内のレイアウト構成を適切化できる。
【0122】
なお、溝パターンBA211は、開口パターンBA201、開口パターンBA202、開口パターンBA203のそれぞれに対して-Y側に離間して配されてもよい。この場合、開口パターンBA201、開口パターンBA202、開口パターンBA203は、それぞれ、Z方向から透視した場合にセルソース部BSL202の内側となる位置に配されてもよい。
【0123】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態にかかる半導体記憶装置301について説明する。以下では、第1の実施形態から第3の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0124】
第3の実施形態では、溝パターンが開口パターンからY方向に離間しながらX方向に延びる分断パターンのレイアウト構成が例示されるが、第4の実施形態では、2つの溝パターンが開口パターンのY方向両側に離間しながらX方向に延びる分断パターンのレイアウト構成が例示される。
【0125】
配線群MGに含まれる各平面配線MA1~MA4に関するレイアウトは、図13に示すように構成されてもよい。図13は、第4の実施形態にかかる半導体記憶装置301の構成を示す平面図である。図13は、図6に対応する、平面配線MA1~MA4に関するレイアウト構成を例示する。
【0126】
図13では、複数のチップ10,20が積層された構造における最も上部に位置するチップ20内のレイアウト構成が例示される。チップ20における配線群MGに含まれる各平面配線MA1~MA4が太い実線で示され、導電層305が点線で示され、層間絶縁膜DL303が一点鎖線で示される。
【0127】
導電層305は、セルソース部BSL201、セルソース部BSL202及び分断パターンBA200(図12参照)に代えて、セルソース部BSL301、セルソース部BSL302、ダミーセルソース部BSL303及び分断パターンBA300を有する。層間絶縁膜DL303は、開口パターンVA201~VA203(図12参照)に代えて、開口パターンVA301~VA303を有する。
【0128】
ダミーセルソース部BSL303は、ダミーのセルソース部であり、ソース線SLの一部として機能しない。ダミーセルソース部BSL303は、Y方向におけるセルソース部BSL301及びセルソース部BSL302の間に配される。ダミーセルソース部BSL303は、X方向及びY方向に伸び、XY平面視においてX方向を長手方向とする略矩形状である。
【0129】
分断パターンBA300は、その一部がセルソース部BSL301及びダミーセルソース部BSL303の間をX方向に延び、他の一部がダミーセルソース部BSL303及びセルソース部BSL302の間をX方向に延び、さらに他の一部がZ方向から透視した場合にダミーセルソース部BSL303の内側となる位置に配される。
【0130】
分断パターンBA300は、溝パターンBA311、溝パターンBA312、開口パターンBA301、開口パターンBA302、開口パターンBA303を含む。
【0131】
溝パターンBA311は、セルソース部BSL301及びダミーセルソース部BSL303の間をX方向に延びる。溝パターンBA311は、開口パターンBA301、開口パターンBA302、開口パターンBA303のそれぞれに対して-Y側に離間して配される。
【0132】
溝パターンBA312は、ダミーセルソース部BSL303及びセルソース部BSL302の間をX方向に延びる。溝パターンBA312は、開口パターンBA301、開口パターンBA302、開口パターンBA303のそれぞれに対して+Y側に離間して配される。
【0133】
開口パターンBA301、開口パターンBA302、開口パターンBA303は、それぞれ、Z方向から透視した場合にダミーセルソース部BSL303の内側となる位置に配される。開口パターンBA301、開口パターンBA302、開口パターンBA303は、-X側から+X側に順に並ぶ。開口パターンBA301、開口パターンBA302、開口パターンBA303は、互いにX方向に離間する。
【0134】
ここで、溝パターンBA311のY方向における最大幅は、各開口パターンBA301、開口パターンBA302、開口パターンBA303のY方向における最大幅より狭い。溝パターンBA311のY方向における最大幅は、分断パターンBA300における平面配線MA1~MA4に各開口パターンBA301~BA303の-Y側で重ならない部分のY方向における最大幅に相当する。各開口パターンBA301、開口パターンBA302、開口パターンBA303のY方向における最大幅は、平面配線MA1,MA3,MA4に各開口パターンBA301~BA303の+Y側で重なりコンタクトプラグCCに対応する部分のY方向における最大幅に相当する。すなわち、分断パターンBA300は、平面配線MAに各開口パターンBA301~BA303の-Y側で重ならない部分のY方向における最大幅が平面配線MAに各開口パターンBA301~BA303の-Y側で重なりコンタクトプラグCCに対応する部分のY方向における最大幅より狭い。
【0135】
同様に、溝パターンBA312のY方向における最大幅は、各開口パターンBA301、開口パターンBA302、開口パターンBA303のY方向における最大幅より狭い。溝パターンBA312のY方向における最大幅は、分断パターンBA300における平面配線MA1~MA4に各開口パターンBA301~BA303の+Y側で重ならない部分のY方向における最大幅に相当する。各開口パターンBA301、開口パターンBA302、開口パターンBA303のY方向における最大幅は、平面配線MA1,MA3,MA4に各開口パターンBA301~BA303の+Y側で重なりコンタクトプラグCCに対応する部分のY方向における最大幅に相当する。すなわち、分断パターンBA300は、平面配線MAに各開口パターンBA301~BA303の+Y側で重ならない部分のY方向における最大幅が平面配線MAに各開口パターンBA301~BA303の+Y側で重なりコンタクトプラグCCに対応する部分のY方向における最大幅より狭い。
【0136】
以上のように、第4の実施形態では、半導体記憶装置301において、分断パターンBA300は、平面配線MA1~MA4に重ならない部分のY方向における最大幅が平面配線MA1,MA3,MA4に重なりコンタクトプラグCCに対応する部分のY方向における最大幅より狭い。これにより、複数の平面配線MA間のXY位置における層間絶縁膜DL303の+Z側の主面の段差を抑制でき、平面配線MA形成時における複数の平面配線MA間の導電膜残りなどのパターン不良の発生を抑制可能なレイアウト構成を実現できる。すなわち、複数のチップ10,20が積層された構造における最も上部に位置するチップ20内のレイアウト構成を適切化できる。
【0137】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0138】
1,101,201,301 半導体記憶装置、3 導電層、4 絶縁層、5,105,205,305 導電層、10,20 チップ、BA,BA100,BA200,BA300 分断パターン、BA1~BA3,BA101~BA103,BA201~BA203,BA301~BA303 開口パターン、BA11~BA13,BA111~BA113,BA211~BA213,BA311~BA313 溝パターン、CC,CC1~CC3,CC101~CC103,CC201~CC203,CC301~CC303 コンタクトプラグ、CH 半導体膜、MA,MA1~MA4 平面配線、SST1~SST4 積層体、VA1~VA3,VA101~VA103,VA201~VA203,VA301~VA303 開口パターン。
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
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図9
図10
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図13