(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135459
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】収容箱
(51)【国際特許分類】
H02G 3/14 20060101AFI20240927BHJP
H02G 3/16 20060101ALI20240927BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20240927BHJP
H05K 5/06 20060101ALI20240927BHJP
B65D 53/02 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
H02G3/14
H02G3/16
B60R16/02 610B
H05K5/06 D
B65D53/02
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023046150
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】栗園 歩
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 司
(72)【発明者】
【氏名】八木 寿久
(72)【発明者】
【氏名】村越 元貴
【テーマコード(参考)】
3E084
4E360
5G361
【Fターム(参考)】
3E084AA05
3E084AA14
3E084AB10
3E084BA02
3E084CA03
3E084DA03
3E084DB17
3E084FA09
3E084HA05
3E084HB01
3E084HB04
3E084HC03
3E084HD01
4E360AB33
4E360BB22
4E360BC04
4E360BD03
4E360EA03
4E360GA29
5G361AA06
5G361AB09
5G361AC04
5G361BC01
5G361BC02
(57)【要約】
【課題】止水性能を調整可能な収容箱を提供する。
【解決手段】収容箱1は、開口部23を形成する本体部2と、開口部23を覆って本体部に取り付けられるアッパカバー3と、を備え、本体部2は、取付方向Zに沿って形成される内壁25及び外壁26を有し、内壁25と外壁26の間に進入した水Wを外部に排水する排水部27を形成し、アッパカバー3は、取付方向Zに沿って形成される内壁34、中壁35及び外壁36を有し、中壁35と内壁34の間の基端部分に収容空間33を形成し、アッパカバー3が本体部2に取り付けられた状態において、内壁25を内壁34と中壁35の間に挿入し、外壁26を中壁35と外壁36の間に挿入したラビリンス構造6を形成し、ラビリンス構造6により本体部2とアッパカバー3との間の止水を行うように構成されている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に収容物を収容可能とし、内外を連通する開口部を形成する本体部と、
前記開口部を覆って前記本体部に取り付けられるカバー部と、を備え、
前記本体部は、前記カバー部が取り付けられる端部において前記カバー部の取付方向に沿って形成される本体部側内壁及び本体部側外壁を有し、前記本体部側内壁と前記本体部側外壁の間に進入した水を外部に排水する排水部を形成し、
前記カバー部は、前記本体部に取り付けられる端部において前記取付方向に沿って形成されるカバー部側内壁、中壁及びカバー部側外壁を有し、前記中壁と前記カバー部側内壁の間の基端部分にパッキン部材を収容可能な収容空間を形成し、
前記カバー部が前記本体部に取り付けられた状態において、前記本体部側内壁を前記カバー部側内壁と前記中壁の間に挿入し、前記本体部側外壁を前記中壁と前記カバー部側外壁の間に挿入したラビリンス構造を形成し、前記ラビリンス構造により前記本体部と前記カバー部との間の止水を行う、
収容箱。
【請求項2】
前記収容空間に対する前記パッキン部材の設置の有無により、前記本体部と前記カバー部との間の止水性能を調整可能とした、
請求項1に記載の収容箱。
【請求項3】
前記収容空間に設置され、前記本体部及び前記カバー部と接触して前記本体部と前記カバー部との間の止水を行う前記パッキン部材を備える、
請求項1又は2に記載の収容箱。
【請求項4】
前記収容空間は、前記カバー部が前記本体部に取り付けられた状態において前記本体部と前記カバー部との間に空洞を形成している、
請求項1又は2に記載の収容箱。
【請求項5】
車両に搭載され、前記収容物として電子部品を収容する電気接続箱である、
請求項1又は2に記載の収容箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収容箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、収容箱として、例えば、特許文献1に記載されるように、筐体に対し開閉可能な蓋体を備えた収容箱が知られている。この収容箱は、蓋体において筐体と突き当たる位置にパッキンが配置され、このパッキンにより筐体と蓋体の間の止水を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この種の収容箱は、設置する場所や環境などによって、要求される止水性能が異なる場合がある。この場合、要求される止水性能に応じて収容箱の構造を設計変更することも考えられるが、製造コストが高くなってしまう。そこで、必要に応じて止水性能を調整することができる収容箱の開発が望まれている。
【0005】
そこで、本発明は、止水性能を調整可能な収容箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明に係る収容箱は、内部に収容物を収容可能とし、内外を連通する開口部を形成する本体部と、前記開口部を覆って前記本体部に取り付けられるカバー部と、を備え、前記本体部は、前記カバー部が取り付けられる端部において前記カバー部の取付方向に沿って形成される本体部側内壁及び本体部側外壁を有し、前記本体部側内壁と前記本体部側外壁の間に進入した水を外部に排水する排水部を形成し、前記カバー部は、前記本体部に取り付けられる端部において前記取付方向に沿って形成されるカバー部側内壁、中壁及びカバー部側外壁を有し、前記中壁と前記カバー部側内壁の間の基端部分にパッキン部材を収容可能な収容空間を形成し、前記カバー部が前記本体部に取り付けられた状態において、前記本体部側内壁を前記カバー部側内壁と前記中壁の間に挿入し、前記本体部側外壁を前記中壁と前記カバー部側外壁の間に挿入したラビリンス構造を形成し、前記ラビリンス構造により前記本体部と前記カバー部との間の止水を行うように構成されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る収容箱によれば、止水性能を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る収容箱の分解斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る収容箱の斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2のIII-IIIにおける収容箱の断面図である。
【
図4】
図4は、収容箱の断面図であってパッキン部材を設置しない場合を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0010】
[実施形態]
本実施形態は、収容箱に関する。以下の説明では、互いに交差する第1方向、第2方向、及び、第3方向のうち、第1方向を「奥行方向X」といい、第2方向を「幅方向Y」といい、第3方向を「取付方向Z」という。ここでは、奥行方向Xと幅方向Yと取付方向Zとは、相互に直交する。取付方向Zは、本体部に対するカバー部の取付方向であり、本体部及びカバー部の高さ方向に相当する。奥行方向Xと幅方向Yとは、取付方向Zと交差する交差方向に相当する。また、以下の説明で用いる各方向は、特に断りのない限り、各部が相互に組み付けられた状態での方向を表すものとする。なお、ここでいう直交は、ほぼ直交を含む。
【0011】
図1に示すように、本実施形態に係る収容箱1は、収容物を収容する箱体であり、例えば、車両に搭載され、フューズ及びリレーを含む電子部品を収容する電気接続箱として用いられる。収容箱1は、本体部2、アッパカバー3、ロアカバー4及びパッキン部材5を備えている。本体部2は、上面及び下面を開放した箱部材又は枠部材であり、例えば、直方体を呈している。ここでいう直方体は、ほぼ直方体を含む。本体部2は、例えば、四つの側壁22を有し、アッパカバー3が取り付けられる取付方向Zに沿って側壁22を配置し、奥行方向X及び幅方向Yに対し連ねることにより構成される。本体部2は、内部に電子部品を収容するための内部空間21を形成している。
【0012】
本体部2は、上面に内外を連通する開口部23を形成し、下面に内外を連通する開口部24を形成している。例えば、開口部23は本体部2の上面全体を開放した開口とされ、開口部24は本体部2の下面全体を開放した開口とされる。本体部2の開口部23は、アッパカバー3が取り付けられることにより塞がれる。本体部2の開口部24は、ロアカバー4が取り付けられることにより塞がれる。
【0013】
アッパカバー3は、本体部2の開口部23を覆うカバー部であり、本体部2に対し着脱可能となっている。アッパカバー3は、天面部31及び垂下部32を有する。天面部31は、アッパカバー3の上面部分であり、本体部2の形状に合わせた形状とされ、例えば矩形又はほぼ矩形の形状とされる。垂下部32は、天面部31の外縁から取付方向Zに沿って下方へ向けて延びる壁部であり、天面部31の外縁全周に渡って形成されている。
【0014】
ロアカバー4は、本体部2の開口部24を覆うカバー部であり、本体部2に対し着脱可能となっている。ロアカバー4は、底面部41及び側壁部42を有する。底面部41は、ロアカバー4の下面部分であり、本体部2の形状に合わせた形状とされ、例えば矩形又はほぼ矩形の形状とされる。側壁部42は、底面部41の外縁から取付方向Zに沿って上方へ向けて延びる板状の部位であり、底面部41の外縁全周に渡って形成されている。なお、
図1において、本体部2は、下部にロアカバー4が取り付けられているが、ロアカバー4と一体に構成して底部を有する構造としてもよい。また、収容箱1は、本体部2とアッパカバー3を取り付けた状態で係止するロック機構を設けてもよいし、本体部2とロアカバー4を取り付けた状態で係止するロック機構を設けてもよい。
【0015】
パッキン部材5は、本体部2とアッパカバー3の間の止水を行う止水部材である。パッキン部材5は、アッパカバー3と比べて剛性の低い材料により形成され、例えば、エラストマなどの弾性樹脂やゴムなどの弾性部材により形成される。パッキン部材5は、アッパカバー3の垂下部32の下部に沿って設けられ、垂下部32の下部の形状に合わせて矩形のリング形状に形成される。パッキン部材5は、例えば、アッパカバー3との二色成形によって設けられてもよいし、アッパカバー3と別個に構成されアッパカバー3に嵌め付けられて設けられてもよい。このパッキン部材5は、収容箱1に要求される止水性能又は収容箱1の仕様に応じて、設置されない場合もある。
【0016】
図2に示すように、パッキン部材5は、アッパカバー3に設けられ、本体部2とアッパカバー3の間に配置され、本体部2とアッパカバー3の間の止水を行う。
図2は、本体部2に対しアッパカバー3及びロアカバー4を取り付けた状態の収容箱1の斜視図であり、収容箱1のほぼ半分を切り欠いた状態で示している。パッキン部材5は、例えば、アッパカバー3の垂下部32の下部に形成される収容空間33に設けられている。収容空間33は、下方を開放した溝状の空間であり、垂下部32の下部に沿って奥行方向X及び幅方向Yへ連続的に形成されている。
【0017】
図3に示すように、パッキン部材5は、アッパカバー3に形成される収容空間33内に設けられて用いられる。すなわち、パッキン部材5は、収容空間33に設置される場合、本体部2及びアッパカバー3と接触して本体部2とアッパカバー3との間の止水を行う。
図3は、収容箱1の拡大断面図であり、本体部2に対しアッパカバー3が取り付けられた状態であって、アッパカバー3にパッキン部材5を設けた場合を示している。アッパカバー3は、垂下部32の下部において、取付方向Zに沿って形成される内壁34、中壁35及び外壁36を有し、内壁34と中壁35の間の基端部分にパッキン部材5を収容可能な収容空間33を形成している。内壁34の外側に離間して中壁35が形成され、中壁35の外側に離間して外壁36が形成されている。
【0018】
内壁34は、垂下部32の下部において下方へ延びる壁部であり、カバー部側内壁として機能する。中壁35は、突出部37を介し内壁34から外側に分岐する壁部である。突出部37は、内壁34の基端部分から外側に向けて突出して設けられ、突出した先端から中壁35を垂下させている。外壁36は、突出部38を介し中壁35から外側に分岐する壁部であり、カバー部側外壁として機能する。突出部38は、中壁35から外側に向けて突出して設けられ、突出した先端から外壁36を垂下させている。外壁36の下端は、側壁22に形成される凸部29に当接しており、凸部29により支持されている。凸部29は、側壁22から突出する部位であり、例えば、奥行方向X及び幅方向Yへ連続して延びている。
【0019】
図4に示すように、収容空間33は、内壁34と中壁35の間の基端部分に形成されている。
図4は、収容箱1の拡大断面図であり、本体部2に対しアッパカバー3が取り付けられた状態であって、アッパカバー3にパッキン部材5を設けていない場合を示している。収容空間33は、パッキン部材5を収容可能な空間であり、例えば、垂下部32の厚さと比べ、幅方向Yの幅が広く、取付方向Zの高さが高く形成される。また、収容空間33は、例えば、内壁25の厚さと比べ、幅方向Yの幅が広く、取付方向Zの高さが高く形成される。収容空間33は、パッキン部材5が設置されない場合、アッパカバー3が本体部2に取り付けられた状態において本体部2とアッパカバー3の間に空洞を形成している。本体部2の側壁22は、内壁25及び外壁26を有している。例えば、側壁22は、内壁25と外壁26による内外二重の壁構造となっており、内壁25と外壁26を離間して形成している。内壁25は、取付方向Zに沿って形成される壁部であり、本体部側内壁として機能する。外壁26は、取付方向Zに沿って形成される壁部であり、本体部側外壁として機能する。
【0020】
本体部2及びアッパカバー3は、アッパカバー3が本体部2に取り付けられた状態において、ラビリンス構造6を形成している。すなわち、本体部2の内壁25は、アッパカバー3の内壁34と中壁35の間に挿入され、外壁26は、中壁35と外壁36の間に挿入されている。これにより、水Wの進入経路を上方向と下方向に折り返すラビリンス構造6が形成される。例えば、外壁36と外壁26の間から水Wが進入する場合、水Wは、外壁36と外壁26の間を上方へ向かう経路、外壁26と中壁35の間を下方へ向かう経路、中壁35と内壁25の間を上方へ向かう経路、内壁25と内壁34の間を下方へ向かう経路を通らなければ、収容箱1の上部において内部空間21へ進入することができない。このため、水Wがアッパカバー3及び本体部2の間を通じて内部空間21へ進入することが抑制される。
【0021】
本体部2には、外壁26と内壁25の間に進入した水Wを外部に排水するための排水部27が形成されている。排水部27は、外壁26と内壁25の間に形成される排水路であり、側壁22の上部から下部に渡って形成されている。
図2に示すように、水Wが外部から外壁26と内壁25の間まで到達したとしても、排水部27を通じて収容箱1の外部へ排水される。例えば、排水部27で下方へ流れる水Wは、側壁部42と外壁26の間から外部へ排水され、又は、ロアカバー4の底面部41上へ落ち底面部41に形成される排水口43から外部へ排水される。
【0022】
図5に示すように、内壁25と外壁26は、奥行方向X及び幅方向Yにおいて所定の間隔で複数のリブ28によって連結され支持されている。内壁25と外壁26の間において、リブ28が形成されていない領域が排水部27として機能する。
【0023】
次に、本実施形態に係る収容箱1における止水性能の調整について説明する。
【0024】
収容箱1は、パッキン部材5の設置の有無により、止水性能を調整可能となっている。
図4に示すように、パッキン部材5を収容空間33に設置しない場合、本体部2とアッパカバー3のラビリンス構造6により、本体部2とアッパカバー3の間の止水が行われる。例えば、外壁36と外壁26の間から水Wが進入する場合、水Wは、上下方向に折り返して形成される隙間を通って進入する必要があり、その進入は容易には行われず、所定の止水性能が発揮される。また、水Wは、外壁26を乗り越えて進入したとしても、排水部27により下方へ落されるため、内壁25を乗り越えて内部空間21へ到達することは非常に難しい。このように、収容箱1は、パッキン部材5を設置しない場合であっても所定の止水性能が確保することができ、部品の削減により低コスト化を図ることができる。なお、水Wは排水部27からロアカバー4の底面部41上に落ちる場合があるが、収容箱1において内部空間21の上部又は中間の位置が止水すべき領域となっている場合、収容箱1の止水機能として支障はない。
【0025】
図3に示すように、パッキン部材5を収容空間33に設置する場合、本体部2とアッパカバー3のラビリンス構造6及びパッキン部材5の設置により、本体部2とアッパカバー3の間の止水が行われる。この場合、収容箱1は、パッキン部材5を収容空間33に設置しない場合と比べて、高い止水性能を発揮することができる。例えば、外壁36と外壁26の間から水Wが進入する場合、水Wは、上下方向に折り返して形成される隙間を通って進入する必要があり、その進入は容易には行われない。また、水Wは、外壁26を乗り越えて進入したとしても、排水部27により下方へ落されるため、内壁25を乗り越えて内部空間21へ到達することは非常に難しい。さらに、収容空間33には、パッキン部材5が設置され、パッキン部材5に対し内壁25が下方から突き当てられている。このため、水Wが内壁25を乗り越えて内部空間21へ進入することは抑制される。例えば、収容箱1の下方から水圧を加えて水Wが噴き付けられる場合、水Wが排水部27を逆流して上昇してくることも考えられる。しかしながら、収容空間33にパッキン部材5が設置されることにより、水Wが内壁25を乗り越えて内部空間21へ進入することは抑制される。
【0026】
このように、本実施形態に係る収容箱1は、本体部2及びアッパカバー3として同一構造のものを用いつつ、異なる止水性能のものして用いることができる。このため、収容箱1において、異なる設置環境又は仕様などにより、異なる止水性能が要求される場合であっても、本体部2及びアッパカバー3を設計変更することなく、パッキン部材5の設置の有無を変えることで、要求に応じた止水性能の収容箱1を提供することができる。
【0027】
以上説明したように、本実施形態に係る収容箱1は、本体部2及びアッパカバー3においてパッキン部材5の収容空間33、ラビリンス構造6及び排水部27を形成することにより、要求される止水性能に応じ、止水性能を調整することができる。
【0028】
また、本実施形態に係る収容箱1は、収容空間33に対するパッキン部材5の設置の有無を設定することにより、本体部2とアッパカバー3との間の止水性能を調整することができる。このため、収容箱1は、要求される止水性能又は仕様などに応じた止水性能とすることができる。
【0029】
また、本実施形態に係る収容箱1は、収容空間33にパッキン部材5を設置することにより、本体部2とアッパカバー3との間の止水性能を高めることができる。
【0030】
また、本実施形態に係る収容箱1は、収容空間33にパッキン部材5を設置せず空洞状態とすることにより、ラビリンス構造6及び排水部27により所定の止水性能を確保しつつ、製造コストを削減することができる。
【0031】
また、本実施形態に係る収容箱1は、車両に搭載され電子部品を収容する電気接続箱として用いる場合、要求される止水性能に応じて適切な止水性能に調整することができる。
【0032】
なお、以上のように実施形態に係る収容箱1を説明したが、本発明に係る収容箱は、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。また、本実施形態に係る収容箱1は、以上で説明した実施形態、変形例の構成要素を適宜組み合わせることで構成してもよい。
【0033】
例えば、上述した実施形態では、アッパカバー3の内壁34、中壁35及び外壁36の三つの壁部に対し本体部2の内壁25及び外壁26の二つの壁部を挿入してラビリンス構造6を構成する収容箱1について説明したが、アッパカバー3の四つ以上の壁部に対し本体部2の三つ以上の壁部を挿入してラビリンス構造を構成してもよい。このような収容箱であっても、上述した実施形態に係る収容箱1と同様に、要求される止水性能に応じて止水性能を調整することができる。
【0034】
また、上述した実施形態では、収容箱1として、車両に搭載され電子部品を収容する電気接続箱に適用する場合について説明したが、本発明に係る収容箱は、車両に搭載されない収容箱に適用してもよい。また、本発明に係る収容箱は、電子部品以外の収容物を収容する収容箱に適用してもよい。
【符号の説明】
【0035】
1:収容箱
2:本体部
3:アッパカバー(カバー部)
5:パッキン部材
6:ラビリンス構造
23:開口部
25:内壁(本体部側内壁)
26:外壁(本体部側外壁)
27:排水部
33:収容空間
34:内壁(カバー部側内壁)
35:中壁
36:外壁(カバー部側外壁)
W:水
Z:取付方向