(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135465
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】安全飛行判定装置、安全飛行判定方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 5/00 20060101AFI20240927BHJP
B64U 20/40 20230101ALI20240927BHJP
【FI】
G08G5/00 A
B64U20/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023046160
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000141060
【氏名又は名称】株式会社関電工
(71)【出願人】
【識別番号】502303957
【氏名又は名称】岡崎 秀晃
(74)【代理人】
【識別番号】110002044
【氏名又は名称】弁理士法人ブライタス
(72)【発明者】
【氏名】磯貝 海斗
(72)【発明者】
【氏名】廣井 英幸
(72)【発明者】
【氏名】武本 純平
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 秀晃
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA26
5H181BB04
5H181FF32
(57)【要約】
【課題】 マルチドローンシステムを安全に飛行させることにある。
【解決手段】 安全飛行判定装置は、あらかじめ作成された複数のドローンと運搬物とで構成されたマルチドローンシステムの飛行経路を、複数の部分飛行経路を用いて表した部分飛行経路情報と、部分飛行経路ごとに、あらかじめ設定されたマルチドローンシステムの飛行動作状態を表す飛行動作状態情報とを取得する取得部と、部分飛行経路ごとに、飛行動作状態における、マルチドローンシステムに設けられたロータそれぞれのロータ回転数を算出する算出部と、ロータ回転数それぞれが、あらかじめ設定されたロータの最大回転数以下である場合、マルチドローンシステムは、部分飛行経路において、飛行動作状態で安全に飛行できると判定する判定部と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
あらかじめ作成された複数のドローンと運搬物とで構成されたマルチドローンシステムの飛行経路を、複数の部分飛行経路を用いて表した部分飛行経路情報と、前記部分飛行経路ごとに、あらかじめ設定された前記マルチドローンシステムの飛行動作状態を表す飛行動作状態情報とを取得する取得部と、
前記部分飛行経路ごとに、前記飛行動作状態における、前記マルチドローンシステムに設けられたロータそれぞれのロータ回転数を算出する算出部と、
前記ロータ回転数それぞれが、あらかじめ設定された前記ロータの最大回転数以下である場合、前記マルチドローンシステムは、前記部分飛行経路において、前記飛行動作状態で安全に飛行できると判定する判定部と、
を有する安全飛行判定装置。
【請求項2】
前記算出部は、
前記マルチドローンシステムの構成を表すマルチドローンシステム情報に基づいて、前記マルチドローンシステムに作用するモーメントを算出するためのモーメント行列と、前記マルチドローンの並進と前記並進時の高度を維持するために必要な並進力を算出する並進力行列とを算出し、
前記飛行動作状態情報を用いて、変換処理により、ヨー回転の角、ピッチ回転の角、ロール回転の角、ヨー回転の角加速度、ピッチ回転の角加速度、ロール回転の角加速度、高度方向の並進加速度と重力加速度とを加算した値、飛行状態設定値ベクトル、定数行列を有する飛行動作状態変換情報を算出し、
前記モーメント行列と、前記並進力行列と、前記飛行動作状態変換情報とを、前記マルチドローンシステムに設けられた前記ロータそれぞれの前記ロータ回転数を算出するロータ回転数算出関数に入力し、前記ロータそれぞれのロータ回転数を算出する、
請求項1に記載の安全飛行判定装置。
【請求項3】
前記マルチドローンシステム情報は、前記マルチドローンシステムで用いるドローンの種類を識別するためのドローン識別情報と、前記マルチドローンシステムで用いるドローンの数量を表すドローン数量情報と、前記運搬物の種類を識別するための運搬物識別情報と、前記マルチドローンシステムで用いる前記運搬物の数量を表す運搬物数量情報と、前記マルチドローンシステムで用いる前記ドローンと前記運搬物との接続を表すマルチドローンシステム形状情報とが関連付けられた情報である、
請求項2に記載の安全飛行判定装置。
【請求項4】
前記判定部は、前記部分飛行経路において、前記飛行動作状態で安全に飛行できると判定した場合、表示部に表示させるための、前記マルチドローンシステムが、前記部分飛行経路において、前記飛行動作状態で安全に飛行できることを表す判定結果情報を生成する、
請求項1に記載の安全飛行判定装置。
【請求項5】
前記判定部は、前記部分飛行経路において、前記飛行動作状態で安全に飛行できないと判定した場合、前記表示部に表示させるための、前記マルチドローンシステムが、前記部分飛行経路において、前記飛行動作状態で安全に飛行できないことを表す判定結果情報を生成する、
請求項4に記載の安全飛行判定装置。
【請求項6】
情報処理装置が、
あらかじめ作成された複数のドローンと運搬物とで構成されたマルチドローンシステムの飛行経路を、複数の部分飛行経路を用いて表した部分飛行経路情報と、前記部分飛行経路ごとに、あらかじめ設定された前記マルチドローンシステムの飛行動作状態を表す飛行動作状態情報とを取得する取得ステップと、
前記部分飛行経路ごとに、前記飛行動作状態における、前記マルチドローンシステムに設けられたロータそれぞれのロータ回転数を算出する算出ステップと、
前記ロータ回転数それぞれが、あらかじめ設定された前記ロータの最大回転数以下である場合、前記マルチドローンシステムは、前記部分飛行経路において、前記飛行動作状態で安全に飛行できると判定する判定ステップと、
を実行する安全飛行判定方法。
【請求項7】
前記算出ステップは、
前記マルチドローンシステムの構成を表すマルチドローンシステム情報に基づいて、前記マルチドローンシステムに作用するモーメントを算出するためのモーメント行列と、前記マルチドローンの並進と前記並進時の高度を維持するために必要な並進力を算出する並進力行列とを算出し、
前記飛行動作状態情報を用いて、変換処理により、ヨー回転の角、ピッチ回転の角、ロール回転の角、ヨー回転の角加速度、ピッチ回転の角加速度、ロール回転の角加速度、高度方向の並進加速度と重力加速度とを加算した値、飛行状態設定値ベクトル、定数行列を有する飛行動作状態変換情報を算出し、
前記モーメント行列と、前記並進力行列と、前記飛行動作状態変換情報とを、前記マルチドローンシステムに設けられた前記ロータそれぞれの前記ロータ回転数を算出するロータ回転数算出関数に入力し、前記ロータそれぞれのロータ回転数を算出する、
請求項6に記載の安全飛行判定方法。
【請求項8】
前記マルチドローンシステム情報は、前記マルチドローンシステムで用いるドローンの種類を識別するためのドローン識別情報と、前記マルチドローンシステムで用いるドローンの数量を表すドローン数量情報と、前記運搬物の種類を識別するための運搬物識別情報と、前記マルチドローンシステムで用いる前記運搬物の数量を表す運搬物数量情報と、前記マルチドローンシステムで用いる前記ドローンと前記運搬物との接続を表すマルチドローンシステム形状情報とが関連付けられた情報である、
請求項7に記載の安全飛行判定方法。
【請求項9】
前記判定ステップは、前記部分飛行経路において、前記飛行動作状態で安全に飛行できると判定した場合、表示部に表示させるための、前記マルチドローンシステムが、前記部分飛行経路において、前記飛行動作状態で安全に飛行できることを表す判定結果情報を生成する、
請求項6に記載の安全飛行判定方法。
【請求項10】
前記判定ステップは、前記部分飛行経路において、前記飛行動作状態で安全に飛行できないと判定した場合、前記表示部に表示させるための、前記マルチドローンシステムが、前記部分飛行経路において、前記飛行動作状態で安全に飛行できないことを表す判定結果情報を生成する、
請求項9に記載の安全飛行判定方法。
【請求項11】
コンピュータに、
あらかじめ作成された複数のドローンと運搬物とで構成されたマルチドローンシステムの飛行経路を、複数の部分飛行経路を用いて表した部分飛行経路情報と、前記部分飛行経路ごとに、あらかじめ設定された前記マルチドローンシステムの飛行動作状態を表す飛行動作状態情報とを取得する取得ステップと、
前記部分飛行経路ごとに、前記飛行動作状態における、前記マルチドローンシステムに設けられたロータそれぞれのロータ回転数を算出する算出ステップと、
前記ロータ回転数それぞれが、あらかじめ設定された前記ロータの最大回転数以下である場合、前記マルチドローンシステムは、前記部分飛行経路において、前記飛行動作状態で安全に飛行できると判定する判定ステップと、
を実行させる命令を含むプログラム。
【請求項12】
前記算出ステップは、
前記マルチドローンシステムの構成を表すマルチドローンシステム情報に基づいて、前記マルチドローンシステムに作用するモーメントを算出するためのモーメント行列と、前記マルチドローンの並進と前記並進時の高度を維持するために必要な並進力を算出する並進力行列とを算出し、
前記飛行動作状態情報を用いて、変換処理により、ヨー回転の角、ピッチ回転の角、ロール回転の角、ヨー回転の角加速度、ピッチ回転の角加速度、ロール回転の角加速度、高度方向の並進加速度と重力加速度とを加算した値、飛行状態設定値ベクトル、定数行列を有する飛行動作状態変換情報を算出し、
前記モーメント行列と、前記並進力行列と、前記飛行動作状態変換情報とを、前記マルチドローンシステムに設けられた前記ロータそれぞれの前記ロータ回転数を算出するロータ回転数算出関数に入力し、前記ロータそれぞれのロータ回転数を算出する、
請求項11に記載のプログラム。
【請求項13】
前記マルチドローンシステム情報は、前記マルチドローンシステムで用いるドローンの種類を識別するためのドローン識別情報と、前記マルチドローンシステムで用いるドローンの数量を表すドローン数量情報と、前記運搬物の種類を識別するための運搬物識別情報と、前記マルチドローンシステムで用いる前記運搬物の数量を表す運搬物数量情報と、前記マルチドローンシステムで用いる前記ドローンと前記運搬物との接続を表すマルチドローンシステム形状情報とが関連付けられた情報である、
請求項12に記載のプログラム。
【請求項14】
前記判定ステップは、前記部分飛行経路において、前記飛行動作状態で安全に飛行できると判定した場合、表示部に表示させるための、前記マルチドローンシステムが、前記部分飛行経路において、前記飛行動作状態で安全に飛行できることを表す判定結果情報を生成する、
請求項11に記載のプログラム。
【請求項15】
前記判定ステップは、前記部分飛行経路において、前記飛行動作状態で安全に飛行できないと判定した場合、前記表示部に表示させるための、前記マルチドローンシステムが、前記部分飛行経路において、前記飛行動作状態で安全に飛行できないことを表す判定結果情報を生成する、
請求項14に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無人航空機の安全飛行を判定する安全飛行判定装置、安全飛行判定方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
運搬物を、複数の回転翼を有する無人航空機(以降ドローンと呼ぶ)と、運搬物(剛体)とを連結したマルチドローンシステムで運搬する技術が知られている。関連する技術して、非特許文献1、2には、マルチドローンシステムで運搬物を運搬する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Vijay Kumar’s lab at UPenn,“Microdrones That Cooperate to Transport Objects Could Be Future of Warehouse Automation”,[online],2018年01月15日,IEEE Spectrum,[2022年10月04日検索],インターネット<URL:https://spectrum.ieee.org/microdrones-future-of-warehouse-automation>
【0004】
【非特許文献2】Jonathan Rogers,“Control System Helps Several Drones Team Up to Deliver Heavy Packages”,[online],2021年03月22日,Research News,[2022年10月04日検索],インターネット<URL:https://www.research.gatech.edu/control-system-helps-several-drones-team-deliver-heavy-packages>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、運搬物の寸法、重量などは常に同じではないので、非特許文献1、2のマルチドローンシステムを用いて運搬物を運搬する場合、利用者は、運搬物ごとに、マルチドローンシステムが対象の運搬物を安全に運搬できるかを確認しなければならない。
【0006】
逆に、運搬物が同じでも、異なるマルチドローンシステムを用いることもある。そのような場合にも、利用者は、マルチドローンシステムごとに、対象の運搬物を安全に運搬できるかを確認しなければならない。
【0007】
本開示の目的の一例は、マルチドローンシステムを安全に飛行させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本開示の一側面における安全飛行判定装置は、
あらかじめ作成された複数のドローンと運搬物とで構成されたマルチドローンシステムの飛行経路を、複数の部分飛行経路を用いて表した部分飛行経路情報と、前記部分飛行経路ごとに、あらかじめ設定された前記マルチドローンシステムの飛行動作状態を表す飛行動作状態情報とを取得する取得部と、
前記部分飛行経路ごとに、前記飛行動作状態における、前記マルチドローンシステムに設けられたロータそれぞれのロータ回転数を算出する算出部と、
前記ロータ回転数それぞれが、あらかじめ設定された前記ロータの最大回転数以下である場合、前記マルチドローンシステムは、前記部分飛行経路において、前記飛行動作状態で安全に飛行できると判定する判定部と、
を有することを特徴とする。
【0009】
また、上記目的を達成するため、本開示の一側面における安全飛行判定方法は、
情報処理装置が、
あらかじめ作成された複数のドローンと運搬物とで構成されたマルチドローンシステムの飛行経路を、複数の部分飛行経路を用いて表した部分飛行経路情報と、前記部分飛行経路ごとに、あらかじめ設定された前記マルチドローンシステムの飛行動作状態を表す飛行動作状態情報とを取得する取得ステップと、
前記部分飛行経路ごとに、前記飛行動作状態における、前記マルチドローンシステムに設けられたロータそれぞれのロータ回転数を算出する算出ステップと、
前記ロータ回転数それぞれが、あらかじめ設定された前記ロータの最大回転数以下である場合、前記マルチドローンシステムは、前記部分飛行経路において、前記飛行動作状態で安全に飛行できると判定する判定ステップと、
を実行することを特徴とする。
【0010】
さらに、上記目的を達成するため、本開示の一側面におけるプログラムは、
コンピュータに、
あらかじめ作成された複数のドローンと運搬物とで構成されたマルチドローンシステムの飛行経路を、複数の部分飛行経路を用いて表した部分飛行経路情報と、前記部分飛行経路ごとに、あらかじめ設定された前記マルチドローンシステムの飛行動作状態を表す飛行動作状態情報とを取得する取得ステップと、
前記部分飛行経路ごとに、前記飛行動作状態における、前記マルチドローンシステムに設けられたロータそれぞれのロータ回転数を算出する算出ステップと、
前記ロータ回転数それぞれが、あらかじめ設定された前記ロータの最大回転数以下である場合、前記マルチドローンシステムは、前記部分飛行経路において、前記飛行動作状態で安全に飛行できると判定する判定ステップと、
を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
以上のように本開示によれば、マルチドローンシステムを安全に飛行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、安全飛行判定装置の構成の一例を説明するための図である。
【
図2】
図2は、安全飛行判定装置を有するシステムの一例を説明するための図である。
【
図3】
図3は、マルチドローンシステムの構成の一例を説明するための図である。
【
図4】
図4は、マルチドローンシステム情報のデータ構造の一例を説明するための図である。
【
図5】
図5は、部分飛行経路と動作状態の一例を説明するための図である。
【
図6】
図6は、飛行計画情報のデータ構造の一例を説明するための図である。
【
図7】
図7は、マルチドローンシステムを幾何学的に表した図である。
【
図8】
図8は、安全飛行判定装置の動作の一例を説明するための図である。
【
図9】
図9は、実施形態における安全飛行判定装置を実現するコンピュータの一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。なお、以下で説明する図面において、同一の機能又は対応する機能を有する要素には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略することもある。
【0014】
(実施形態)
図1を用いて、実施形態における安全飛行判定装置10の構成について説明する。
図1は、安全飛行判定装置の構成の一例を説明するための図である。
【0015】
[装置構成]
図1に示す安全飛行判定装置10は、物体をマルチドローンで安全に運搬することにある。また、
図1に示すように、安全飛行判定装置10は、取得部11と、算出部12と、判定部13とを有する。
【0016】
取得部11は、あらかじめ作成された複数のドローンと運搬物とで構成されたマルチドローンシステムの飛行経路を、複数の部分飛行経路を用いて表した部分飛行経路情報と、部分飛行経路ごとに、あらかじめ設定されたマルチドローンシステムの飛行動作状態を表す飛行動作状態情報とを取得する。
【0017】
算出部12は、部分飛行経路ごとに、飛行動作状態における、マルチドローンシステムに設けられたロータそれぞれのロータ回転数を算出する。
【0018】
判定部13は、算出したロータそれぞれのロータ回転数が、あらかじめ設定されたロータの最大回転数以下である場合(揚力が十分である場合)、部分飛行経路において、マルチドローンシステムは安全飛行できると判定する。
【0019】
実施形態においては、対象のマルチドローンシステムが、飛行計画通りに(利用者の作成した飛行経路を利用者が設定した飛行動作状態で)、安全に飛行できるか否かを判定できるので、利用者は、事前に、運搬物を安全に運搬できることを知ることができる。
【0020】
[システム構成]
図2を用いて、実施形態における安全飛行判定装置10の構成をより具体的に説明する。
図2は、安全飛行判定装置を有するシステムの一例を説明するための図である。
【0021】
安全飛行判定装置10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、又はFPGA(Field-Programmable Gate Array)などのプログラマブルなデバイス、又はGPU(Graphics Processing Unit)、又はそれらのうちのいずれか一つ以上を搭載した回路、サーバコンピュータ、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置である。
【0022】
端末装置20は、例えば、CPU、又はFPGAなどのプログラマブルなデバイス、又はGPU、又はそれらのうちのいずれか一つ以上を搭載した回路、パーソナルコンピュータ、モバイル端末などの情報処理装置である。
【0023】
端末装置20は、
図2に示すように入力部21と、表示部22とを備えた装置でもよいし、端末装置20に、入力部21、又は表示部22、又は両方が電気的に接続されていてもよい。さらに、端末装置20には、スピーカなどの音声出力装置を電気的に接続してもよい。
【0024】
入力部21は、例えば、タッチパネル、マウス、キーボードなどの装置である。表示部22は、表示可能な形式に変換された、後述する表示情報を取得し、その表示情報に基づいて、生成した画像などを表示する。表示部22は、例えば、液晶、有機EL(Electro Luminescence)、CRT(Cathode Ray Tube)を用いた装置などである。
【0025】
ネットワーク30は、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、専用回線、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(Wireless Fidelity)などの通信回線を用いて構築された一般的な通信ネットワークである。
【0026】
安全飛行判定装置について詳細に説明する。
安全飛行判定装置10は、取得部11と、算出部12と、判定部13とを有する。
【0027】
取得部11は、まず、端末装置20から、ネットワーク30を介して、利用者が設定した、マルチドローンシステムの構成を表すマルチドローンシステム情報を取得する。
【0028】
マルチドローンシステム情報は、マルチドローンシステムで用いるドローンの種類を識別するためのドローン識別情報と、マルチドローンシステムで用いるドローンの数量を表すドローン数量情報と、運搬物の種類を識別するための運搬物識別情報と、マルチドローンシステムで用いる運搬物の数量を表す運搬物数量情報と、マルチドローンシステムで用いるドローンと運搬物との接続(マルチドローンシステムの形状)を表すマルチドローンシステム形状情報とが関連付けられた情報である。
【0029】
マルチドローンシステムの形状とは、例えば、線分の始点と終点、又は線分の始点と終点とその間の線上にドローンを配置した形状である。又は、正多角形の頂点上にドローンを配置した形状である。
【0030】
マルチドローンシステム情報は、例えば、利用者が、
図2に示す構成決定用ユーザインタフェース(UI)23を利用して、マルチドローンシステムで用いるドローンの種類と、ドローンの数量と、運搬物の種類と、運搬物の数量と、マルチドローンシステムの形状とを決定し、決定内容に基づいて生成される。
【0031】
構成決定用UI23は、表示部22に表示され、入力部21を用いて、利用者が対象のマルチドローンシステムの構成を決定するためのユーザインタフェースである。構成決定用UI23を用いて、例えば、
図3のA、Bに示すようなマルチドローンシステム300、301の構成を決定する。
【0032】
図3は、マルチドローンシステムの構成の一例を説明するための図である。
図3のAに示すマルチドローンシステム300は、二個のドローン31a、31bと、一個の運搬物32aと、を用いて構成されている。
図3のAのドローン31a、31bは、X(エックス)型・クワッドロータの、同じ種類(同じ製品)のドローンである。また、マルチドローンシステム300は8個のロータ33を有している。
【0033】
また、
図3のBに示すマルチドローンシステム301は、二個のドローン31c、31dと、一個の運搬物32bとから構成されている。また、
図3のBの同じ種類のドローン31c、31dは、+(プラス)型・クワッドロータの、同じ種類(同じ製品)ドローンを表している。また、マルチドローンシステム301は8個のロータ33を有する。
【0034】
ただし、マルチドローンシステムの構成は上述した300、301に限定されるものではない。すなわち、ドローンの種類、数量、運搬物の種類、数量、ドローンと運搬物の接続(形状)は、上述したマルチドローンシステム300、301に限定されるものではない。さらに、マルチドローンシステムにおいて、異なる種類のドローンを用いてもよい。
【0035】
図4は、マルチドローンシステム情報のデータ構造の一例を説明するための図である。
図4の例では、利用者が選択したドローンを識別するためのドローン識別情報(「D1」)と、利用者が選択したドローンの数量を表すドローン数量情報(「Dnum」)と、利用者が選択した運搬物の運搬物識別情報(「PL1」)と、利用者が選択した運搬物の数量を表す運搬物数量情報(「PLnum」)と、利用者が選択したマルチドローンシステムの構成を表すマルチドローンシステム形状情報(「MDSs1」)とが関連付けられている。
【0036】
また、構成決定用UI23を用いて生成されたマルチドローンシステム情報は、端末装置20からネットワーク30を介して安全飛行判定装置10へ送信される。その後、取得部11は、端末装置20からネットワーク30を介して送信されたマルチドローンシステム情報を取得する。
【0037】
なお、構成決定用UI23が、安全飛行判定装置10が提供する仮想ディスクトップに表示されている場合、マルチドローンシステム情報は安全飛行判定装置10で生成される。
【0038】
また、取得部11は、端末装置20から、ネットワーク30を介して、利用者が作成した、マルチドローンシステムの飛行計画情報を取得する。
【0039】
飛行計画情報は、全飛行経路の構成を、全飛行経路を分割した複数の部分飛行経路を表す部分飛行経路情報と、部分飛行経路でのマルチドローンシステムの飛行動作を表す飛行動作状態情報とが関連付けられた情報である。
【0040】
飛行計画情報は、例えば、利用者が、
図2に示す飛行計画作成用ユーザインタフェース(UI)24を利用して、全飛行経路を構成する部分飛行経路、部分飛行経路ごとの飛行動作状態(上昇、下降、ホバリング、並進、回転(正方向ヨー、負方向ヨー、正方向ピッチ、負方向ピッチ、正方向ロール、負方向ロール、速度))を決定し、決定内容に基づいて生成される。
【0041】
飛行計画作成用UI24は、表示部22に表示され、入力部21を用いて、利用者が対象のマルチドローンシステムの飛行計画を決定するためのユーザインタフェースである。飛行計画作成用UI24を用いて、例えば、
図5に示すような飛行経路を決定する。
【0042】
図5は、部分飛行経路と動作状態の一例を説明するための図である。
図5には、マルチドローンシステムが、出発地点P0から地点P1まで上昇し、地点P1から地点P2まで並進し、地点P2において回転をし、回転した後地点P2から地点P3まで並進をし、地点P3から到着地点P4に下降する飛行経路が示されている。
【0043】
また、
図5に示す飛行経路は、複数の部分経路を表す、部分飛行経路P0-P1、部分飛行経路P1-P2、部分飛行経路P2-P3、部分経路P3-P4から構成されている。部分飛行経路は、例えば、二つの地点(三次元座標)を用いて表される。例えば、始点と終点とを用いて表される。三次元座標は、例えば、緯度、経度、標高などを用いて表してもよい。
【0044】
図6は、飛行計画情報のデータ構造の一例を説明するための図である。
図6の例は、
図5に示した部分飛行経路を表す部分飛行経路情報61と、飛行動作状態を表す飛行動作状態情報62とが関連付けられている。
図6の部分飛行経路情報61は、始点(「P0」「P1」「P2」「P2」「P3」)と終点(「P1」「P2」「P2」「P3」「P4」)とが関連付けられている。
図6の飛行動作状態情報62には、飛行動作として、「上昇」「並進」「回転」「並進」「下降」が示されている。ただし、飛行動作状態情報62には速度を含めてもよい。
【0045】
また、飛行計画作成用UI24を用いて生成されたマルチドローンシステム情報は、端末装置20からネットワーク30を介して安全飛行判定装置10へ送信される。その後、取得部11は、端末装置20からネットワーク30を介して送信されたマルチドローンシステム情報を取得する。
【0046】
なお、飛行計画作成用UI24が、安全飛行判定装置10が提供する仮想ディスクトップに表示されている場合、マルチドローンシステム情報は安全飛行判定装置10で生成される。
【0047】
算出部12は、まず、取得したマルチドローンシステム情報に基づいて、対象のマルチドローンシステムのモーメントを算出するためのモーメント行列Srotと、対象のマルチドローンシステムの並進力を算出するための並進力行列Straとを算出する。
【0048】
具体的には、モーメント行列Srotと並進力行列Straは、ドローンの幾何学的中心点と、ロータそれぞれの幾何学的中心点と、ドローンの幾何学的中心点からロータそれぞれの幾何学的中心点までの距離と、ドローンに設けられているロータそれぞれの垂直な力を算出する際に用いる係数(垂直力係数)と、ロータそれぞれによるモーメントを算出する際に用いる係数(モーメント係数)とを用いて求めることができる。
【0049】
例えば、マルチドローンシステム情報が、
図3のA、Bに示したマルチドローンシステム300、301に対応している場合、マルチドローンシステム300、301は、
図7のA、Bのように幾何学的に表すことができる。
【0050】
図7は、マルチドローンシステムを幾何学的に表した図である。
図7の700は、
図3のマルチドローンシステム300に対応する図である。また、
図7の701は、
図3のマルチドローンシステム301に対応する図である。
【0051】
図7のA、Bの例では、ドローン31a、31b、31c、31dの幾何学的中心点はPc1、Pc2となる。また、ロータ33それぞれの幾何学的中心点はPrとなる。また、
図7のAの例では、ドローンの幾何学的中心点からロータそれぞれの幾何学的中心点までの距離L[m](メートル)は、ドローン31a、31bの幾何学的中心点Pc1、Pc2からロータ33それぞれの幾何学的中心点Prまでの距離となる。また、
図7のBの例では、距離Lは、ドローン31c、31dの幾何学的中心点Pc1、Pc2からロータ33それぞれの幾何学的中心点Prまでの距離となる。
【0052】
また、
図7のA、Bの例では、垂直な力をF1からF8(矢印)で表している。垂直な力F1からF8は、ロータ回転数ω
Mi[rpm](回転毎分)と垂直力係数K
Fi(>0)とを乗算して算出される(F
i=K
Fi×ω
Mi:i=1,2・・・8)。
【0053】
また、
図7のA、Bの例では、モーメントをM1からM8(矢印)で表している。モーメントM1からM8は、ロータ回転数ω
Mi[rpm]とモーメント係数K
Mi(>0)とを乗算して算出される(M
i=K
Mi×ω
Mi:i=1,2・・・8)。
【0054】
したがって、
図7の例であれば、モーメント行列S
rotと並進力行列S
traは、数1、数2のように表すことができる。数1はマルチドローンシステム300に対応し、数2はマルチドローンシステム301に対応する。
【0055】
【0056】
【0057】
なお、モーメント行列S
rotと並進力行列S
traは、
図3、7の例に限定されるものではなく、利用者が決定したマルチドローンシステムの構成に応じてモーメント行列S
rotと並進力行列S
traは生成される。
【0058】
また、算出部12は、取得した飛行動作状態情報を用いて、変換処理により、飛行動作状態変換情報を算出する。飛行動作状態変換情報は、飛行動作状態を表す、オイラー角x(ヨー回転の角、ピッチ回転の角、ロール回転の角)と、飛行状態設定値ベクトルb(ヨー回転の角加速度、ピッチ回転の角加速度、ロール回転の角加速度、高度方向の並進加速度と重力加速度とを加算した値)と、定数行列Qとを有する情報である。
【0059】
変換処理は、利用者が入力した飛行計画の部分飛行経路と動作状態に基づいて、その飛行計画を達成する飛行動作状態を決定する処理である。
【0060】
なお、変換処理については参考文献1の4.マルチロータの飛行状態と飛行操作と、飛行の動作点を参照されたい。
(参照文献1)岡崎 秀晃, 磯貝 海斗, “飛行形ドローンのモータ故障問題”, 2020年07月,電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review 14 巻 1号 pp. 44-59,[2022年10月04日検索],インターネット<URL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/essfr/14/1/14_44/_article/-char/ja/>
【0061】
定数行列Qは、劣決定方程式であるロータ回転数算出関数に、後述する数5を満たすために用いる定数行列である。例えば、ロータ間に回転数が同じになるように拘束を与えるなどして定数行列Qを決定する方法がある。
【0062】
定数行列Qは、数3、数4のように表すことができる。数3は、例えば、マルチドローンシステム300の定数行列Qを表している。数4は、例えば、マルチドローンシステム301の定数行列Qを表している。
【0063】
【0064】
【0065】
次に、算出部12は、オイラー角xと、飛行状態設定値ベクトルbと、定数行列Qと、モーメント行列Srotと、並進力行列Straとを入力して、対象のマルチドローンシステムに設けられたロータそれぞれのロータ回転数を算出するロータ回転数算出関数にロータそれぞれのロータ回転数uを算出する。ロータ回転数算出関数は、例えば、数5に示すような関数である。
【0066】
【0067】
判定部13は、まず、算出部12で算出したロータそれぞれのロータ回転数uが、あらかじめ設定されたロータの最大回転数以下で、かつ最低回転数以上である場合、マルチドローンシステムは、対象とする部分飛行経路において、設定した飛行動作状態で安全に飛行できると判定する(十分な揚力があると判定する)。最大回転数は、ドローンの仕様に基づいて設定する。また、最低回転数は、ドローンの仕様に基づいて設定する。
【0068】
次に、判定部13は、対象とする部分飛行経路において、設定した飛行動作状態で安全に飛行できると判定した場合(揚力が不十分なであると判定した場合)、対象とする部分飛行経路において、設定した飛行動作状態で安全に飛行できることを表す判定結果情報を生成する。
【0069】
対して、対象とする部分飛行経路において、設定した飛行動作状態で安全に飛行できないと判定した場合、対象とする部分飛行経路において、設定した飛行動作状態で安全に飛行できないことを表す判定結果情報を生成する。
【0070】
次に、判定部13は、判定結果情報を、ネットワーク30を介して端末装置20に送信する。その後、端末装置20は、判定結果を受信し、判定結果通知用ユーザインタフェース(UI)25を利用して判定結果を表示する。
【0071】
判定結果通知用UI25は、表示部22に表示され、対象のマルチドローンシステムが、利用者が作成した飛行計画通りに飛行可能か否かを示す判定結果と、飛行計画通りに飛行不可能と判定された場合に、マルチドローンシステムの構成を変更するように利用者に促すための通知とを利用者に提示するためのユーザインタフェースである。
【0072】
飛行計画通りに飛行可能と判定された場合、例えば、判定結果通知用UI25は、飛行計画が実行可能であることを提示する。
【0073】
飛行計画通りに飛行不可能と判定された場合、飛行計画を見直すことを提示する。例えば、判定結果通知用UI25は、飛行状態を変更する通知、又は、運搬物を変更する通知を表示する。また、運搬物を変更する際に、運搬可能な運搬物を表示してもよい。
【0074】
[装置動作]
次に、実施形態における安全飛行判定装置の動作について
図8を用いて説明する。
図8は、安全飛行判定装置の動作の一例を説明するための図である。以下の説明においては、適宜図を参照する。また、実施形態では、安全飛行判定装置を動作させることによって、安全飛行判定方法が実施される。よって、実施形態における安全飛行判定方法の説明は、以下の安全飛行判定装置の動作説明に代える。
【0075】
図8に示すように、まず、取得部11は、端末装置20から、ネットワーク30を介して、利用者が設定した、マルチドローンシステムの構成を表すマルチドローンシステム情報を取得する(ステップA1)。次に、取得部11は、端末装置20から、ネットワーク30を介して、利用者が作成した、マルチドローンシステムの飛行計画情報を取得する(ステップA2)。ただし、ステップA1、A2の順でなく、ステップA2、A1の順序に処理をしてもよい。
【0076】
次に、算出部12は、部分飛行経路ごとに、飛行動作状態における、マルチドローンシステムに設けられたロータそれぞれのロータ回転数を算出する(ステップA3)。具体的には、ステップA3において、まず、算出部12は、取得したマルチドローンシステム情報を用いて、対象のマルチドローンシステムに対応するモーメント行列Srotと並進力行列Straとを算出する。
【0077】
また、ステップA3において、算出部12は、取得した飛行動作状態情報を、変換処理により、飛行動作状態を表す、オイラー角x(ヨー回転の角、ピッチ回転の角、ロール回転の角)と、飛行状態設定値ベクトルb(ヨー回転の角加速度、ピッチ回転の角加速度、ロール回転の角加速度、高度方向の並進加速度と重力加速度とを加算した値、定数ベクトル)と、任意の定数行列Qとに変換する。
【0078】
次に、ステップA3において、算出部12は、オイラー角xと、飛行状態設定値ベクトルbと、任意の定数行列Qと、モーメント行列Srotと、並進力行列Straとを入力して、対象のマルチドローンシステムに設けられたロータそれぞれのロータ回転数を算出するロータ回転数算出関数にロータそれぞれのロータ回転数uを算出する。
【0079】
判定部13は、算出したロータそれぞれのロータ回転数が、あらかじめ設定されたロータの最大回転数以下で、かつ最低回転数以上である場合(ステップA4:Yes)、部分飛行経路において、マルチドローンシステムは安全飛行できると判定する。その後、判定部13は、対象とする部分飛行経路において、設定した飛行動作状態で安全に飛行できることを表す判定結果情報を生成する(ステップA5)。
【0080】
対して、判定部13は、算出したロータそれぞれのロータ回転数が、あらかじめ設定されたロータの最大回転数を超える場合(ステップA4:No)、部分飛行経路において、マルチドローンシステムは安全飛行できないと判定する。その後、判定部13は、対象とする部分飛行経路において、設定した飛行動作状態で安全に飛行できないことを表す判定結果情報を生成する(ステップA6)。なお、最低回転数未満である場合も、揚力が不十分であると判定する。
【0081】
次に、判定部13は、判定結果情報を、ネットワーク30を介して端末装置20に送信する(ステップA7)。その後、端末装置20は、判定結果を受信し、判定結果通知用UI25を利用して判定結果を表示する。
【0082】
なお、安全飛行判定装置10は、上述したステップA1からA7の処理を全ての部分飛行経路について実行する。
【0083】
さらに、全ての部分飛行経路において安全飛行ができると判定された場合には、判定結果通知用UI25は、全飛行経路を安全に飛行できることを利用者に通知する。
【0084】
[実施形態の効果]
以上のように実施形態によれば、実施形態においては、対象のマルチドローンシステムが、飛行計画通りに(利用者の作成した飛行経路を利用者が設定した飛行動作状態で)、安全に飛行できるか否かを判定できるので、利用者は、事前に、運搬物を安全に運搬できることを知ることができる。
【0085】
また、安全飛行判定装置を用いることで、マルチドローンシステムを利用して、従来よりも重い運搬物を安全に運搬できることを利用者が事前に知ること(重量制限が予想)ができるので、車両を用いないでもよくなるため、交通に支障を与えないようにできる。
【0086】
また、安全飛行判定装置を用いることで、マルチドローンシステムを利用して、運搬物を安全に運搬できることを利用者が事前に知ることができるので、運搬物を目的地に早く運搬できる。
【0087】
また、安全飛行判定装置を用いることで、マルチドローンシステムを利用して、運搬物を安全に運搬できることを利用者が事前に知ることができるので、運送業の人手不足を補える。さらに、運搬時のコストが抑えられる。
【0088】
また、安全飛行判定装置を用いることで、マルチドローンシステムを利用して、運搬物を安全に運搬できることを利用者が事前に知ることができるので、過疎地、被災地、建設中の建物などの目的地へ運搬ができる。さらに、その都度、目的地に運搬物を運搬することできるので、大量の運搬物の置き場を削減できる。したがってスペースの有効活用ができる。
【0089】
[プログラム]
実施形態におけるプログラムは、コンピュータに、
図8に示すステップA1からA7を実行させるプログラムであればよい。このプログラムをコンピュータにインストールし、実行することによって、実施形態における安全飛行判定装置と安全飛行判定方法とを実現することができる。この場合、コンピュータのプロセッサは、取得部11、算出部12、判定部13として機能し、処理を行なう。
【0090】
また、実施形態におけるプログラムは、複数のコンピュータによって構築されたコンピュータシステムによって実行されてもよい。この場合は、例えば、各コンピュータが、それぞれ、取得部11、算出部12、判定部13のいずれかとして機能してもよい。
【0091】
[物理構成]
ここで、実施形態におけるプログラムを実行することによって、安全飛行判定装置を実現するコンピュータについて
図9を用いて説明する。
図9は、実施形態における安全飛行判定装置を実現するコンピュータの一例を示すブロック図である。
【0092】
図9に示すように、コンピュータ110は、CPU111と、メインメモリ112と、記憶装置113と、入力インターフェイス114と、表示コントローラ115と、データリーダ/ライタ116と、通信インターフェイス117とを備える。これらの各部は、バス121を介して、互いにデータ通信可能に接続される。なお、コンピュータ110は、CPU111に加えて、又はCPU111に代えて、GPU又はFPGAを備えていてもよい。
【0093】
CPU111は、記憶装置113に格納された、実施形態におけるプログラム(コード)をメインメモリ112に展開し、これらを所定順序で実行することにより、各種の演算を実施する。メインメモリ112は、典型的には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性の記憶装置である。また、実施形態におけるプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体120に格納された状態で提供される。なお、実施形態におけるプログラムは、通信インターフェイス117を介して接続されたインターネット上で流通するものであってもよい。なお、記録媒体120は、不揮発性記録媒体である。
【0094】
また、記憶装置113の具体例としては、ハードディスクドライブの他、フラッシュメモリなどの半導体記憶装置があげられる。入力インターフェイス114は、CPU111と、キーボード及びマウスといった入力機器118との間のデータ伝送を仲介する。表示コントローラ115は、ディスプレイ装置119と接続され、ディスプレイ装置119での表示を制御する。
【0095】
データリーダ/ライタ116は、CPU111と記録媒体120との間のデータ伝送を仲介し、記録媒体120からのプログラムの読み出し、及びコンピュータ110における処理結果の記録媒体120への書き込みを実行する。通信インターフェイス117は、CPU111と、他のコンピュータとの間のデータ伝送を仲介する。
【0096】
また、記録媒体120の具体例としては、CF(Compact Flash(登録商標))及びSD(Secure Digital)などの汎用的な半導体記憶デバイス、フレキシブルディスク(Flexible Disk)などの磁気記録媒体、又はCD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)などの光学記録媒体があげられる。
【0097】
なお、実施形態における安全飛行判定装置は、プログラムがインストールされたコンピュータではなく、各部に対応したハードウェアを用いることによっても実現可能である。さらに、安全飛行判定装置は、一部がプログラムで実現され、残りの部分がハードウェアで実現されていてもよい。
【0098】
以上、実施形態を参照して発明を説明したが、発明は上述した実施形態に限定されるものではない。発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0099】
上述した記載によれば、マルチドローンシステムを安全に飛行させることにある。また、マルチドローンシステムの安全飛行が必要な分野において有用である。
【符号の説明】
【0100】
10 安全飛行判定装置
11 取得部
12 算出部
13 判定部
20 端末装置
21 入力部
22 表示部
23 構成決定用ユーザインタフェース
24 飛行計画作成用ユーザインタフェース
25 判定結果通知用ユーザインタフェース
110 コンピュータ
111 CPU
112 メインメモリ
113 記憶装置
114 入力インターフェイス
115 表示コントローラ
116 データリーダ/ライタ
117 通信インターフェイス
118 入力機器
119 ディスプレイ装置
120 記録媒体
121 バス