(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135526
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】発泡樹脂廃棄物の圧縮減容処理方法
(51)【国際特許分類】
C08J 11/06 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
C08J11/06 ZAB
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023046251
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000003159
【氏名又は名称】東レ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】余郷 英男
【テーマコード(参考)】
4F401
【Fターム(参考)】
4F401AA09
4F401AA10
4F401AA40
4F401AD06
4F401CA06
(57)【要約】
【課題】
発泡樹脂廃棄物を発生現場付近や廃棄物置場等において、安価に大量に減容化処理し運搬費用が低減でき、リサイクル最終利用形態への再生処理費用が極力低減できる発泡樹脂廃棄物からなる圧縮減容処理方法を提供する。
【解決手段】
筒状ケーシング内に、軸方向に被圧縮物を送るフィードスクリューを備えてなるスクリュ-押出機を設け、前記ケーシングの軸方向端部の出口部に、被圧縮物送り方向(A)に向かうにしたがって漸次径小となる筒状体を連通させた構造を有する装置により、
前記筒状ケーシング内の壁面抵抗を利用した圧縮押出しによって、見掛け容積が1/2~1/50となるように発泡樹脂廃棄物を圧縮減容する、発泡樹脂廃棄物の圧縮減容処理方法。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状ケーシング内に、軸方向に被圧縮物を送るフィードスクリューを備えてなるスクリュ-押出機を設け、前記ケーシングの軸方向端部の出口部に、被圧縮物送り方向(A)に向かうにしたがって漸次径小となる筒状体を連通させた構造を有する装置により、
前記筒状ケーシング内の壁面抵抗を利用した圧縮押出しによって、見掛け容積が1/2~1/50となるように発泡樹脂廃棄物を圧縮減容する、発泡樹脂廃棄物の圧縮減容処理方法。
【請求項2】
発泡体樹脂製造中に発生する発泡樹脂廃棄物を圧縮減容する、請求項1に記載の発泡樹脂廃棄物の圧縮減容処理方法。
【請求項3】
発泡体樹脂製造中に連続して発生する発泡樹脂廃棄物を連続的に圧縮減容する、請求項2に記載の発泡樹脂廃棄物の圧縮減容処理方法。
【請求項4】
前記発泡樹脂廃棄物が、発泡樹脂廃棄物である、請求項1~3のいずれかに記載の発泡樹脂廃棄物の圧縮減容処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡樹脂廃棄物の圧縮減容処理方法に関し、特に高発泡成形品で嵩密度が小さいために容積が大きく運搬費用が掛かる発泡体樹脂廃棄物の圧縮減容処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に発泡樹脂製品は各種電荷製品、各種電化製品、精密機械製品等の梱包材、緩衝材、断熱材等に使用されている。またその中で、ポリオレフィン系樹脂発泡体としてはパイプカバーや粘着テープ、ハードディスク緩衝材、コンパクトディスク緩衝材、防音床の緩衝材、断熱折板屋根等多方面に使用されている。一方、各種成形物は、大量のポリオレフィン系樹脂が含まれたままの状態で廃棄されており、廃棄物としての量は年々増大している。
【0003】
使用後の発泡樹脂廃棄物は、一時産廃処理場等に集めて、埋立て処理や焼却処理、また固形燃料として再処理が行なわれる。しかし廃棄物が発生した箇所から埋立て処理設備、焼却処理整備、固形燃料化設備にそのままの状態で運搬した場合、軽量品ではあるが、見掛け容積が大きく運送コスト面で取り扱い難い廃棄物である。運送するにしても特別な車輌と荷役機器を必要とし、全処理費用の内、産廃処理場までの運送コストが60~70%を占めているのが現状である。
【0004】
これを解消する手段の一つとして、発泡樹脂廃棄物を一旦加熱溶融した後、再固化(俗にインゴット化)して減容化することが考えられるが、加熱溶融装置を装備した押出機が必要であるため高価で大型設備とならざるを得ず、産廃処理場や再処理工場に設置せざるを得ない。従ってかかる高価な設備を発泡樹脂廃棄物の発生現場毎には置けないことから、再処理工場等への運送費用の低減にはつながり難い。また、リサイクル最終利用形態の一つとして、熱エネルギー源を必要とする炉用原燃料として再利用する場合には、どういう燃焼形態にしろ、大型強力粉砕機による再粉砕が不可欠であり、その分コストアップになる。
【0005】
そこで、発泡樹脂廃棄物を圧縮摩擦熱によって溶融し、小粒子状にして減容化し、移動可能にコンパクト化した樹脂再生装置が特許文献1に提案されている。また、上記樹脂再生装置を利用して溶融した小粒子表面にセメント粉等の水硬性粉材を溶着させたコンクリート用骨材が特許文献2に提案されている。しかし、上記の特許文献1の樹脂再生装置は、発泡樹脂廃棄物を予め破砕してから、圧縮と摩擦熱によって溶融しつつ造粒することから、処理生産性が極めて低く、特にフロートの如き大型発泡樹脂廃棄物の処理には実用化が困難であり、しかも特殊な回転体摩擦部における発熱を利用することから発熱量が過大となって所定の造粒品も得難い等の課題を有している。
また、上記特許文献2によるコンクリート用骨材の場合も、上記と同様に生産性が低いだけでなく、溶融状態の造粒表面は発泡状態でなくなり表面の凹凸が消えているので、セメント粉等が一部溶着することはあっても、セメント粉等が凹凸に入りこむ余地がなく、セメントとの結合状態の良い軽量コンクリート骨材が得られ難い等の課題を有している。従って、発泡樹脂廃棄物を発生現場や廃棄物置場等において、処理生産性が高く容易に減容化できる廃棄物処理方法、及び、再利用価値の高いリサイクル加工品の開発が強く望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特公昭54-12512号公報
【特許文献2】実用新案登録第3068597号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
かかる現状から、本発明は、発泡樹脂廃棄物を発生現場付近や廃棄物置場等において、安価に大量に減容化処理し運搬費用が低減でき、リサイクル最終利用形態への再生処理費用が極力低減できる発泡樹脂廃棄物の圧縮減容処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために種々検討の結果、下記記載の樹脂発泡製品廃棄物からなる圧縮減容物および処理方法により上記課題を解決できることを見出した。すなわち、本発明は以下の構成を有する。
(1)筒状ケーシング内に、軸方向に被圧縮物を送るフィードスクリューを備えてなるスクリュ-押出機を設け、前記ケーシングの軸方向端部の出口部に、被圧縮物送り方向(A)に向かうにしたがって漸次径小となる筒状体を連通させた構造を有する装置により、
前記筒状ケーシング内の壁面抵抗を利用した圧縮押出しによって、見掛け容積が1/2~1/50となるように発泡樹脂廃棄物を圧縮減容する、発泡樹脂廃棄物の圧縮減容処理方法。
(2)発泡体樹脂製造中に発生する発泡樹脂廃棄物を圧縮減容する、上記(1)に記載の発泡樹脂廃棄物の圧縮減容処理方法。
(3)発泡体樹脂製造中に連続して発生する発泡樹脂廃棄物を連続的に圧縮減容する、上記(2)に記載の発泡樹脂廃棄物の圧縮減容処理方法。
(4)前記発泡樹脂廃棄物が、発泡樹脂廃棄物である、上記(1)~(3)のいずれかに記載の発泡樹脂廃棄物の圧縮減容処理方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、発泡樹脂廃棄物を発生現場付近や廃棄物置場等において、安価に大量に減容化処理し運搬費用が低減でき、リサイクル最終利用形態への再生処理費用が極力低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0012】
本発明の発泡樹脂廃棄物の圧縮減容処理方法は、筒状ケーシング内に、軸方向に被圧縮物を送るフィードスクリューを備えてなるスクリュ-押出機を設け、前記ケーシングの軸方向端部の出口部に、被圧縮物送り方向(A)に向かうにしたがって漸次径小となる筒状体を連通させた構造を有する装置により、前記筒状ケーシング内の壁面抵抗を利用した圧縮押出しによって、見掛け容積が1/2~1/50となるように発泡樹脂廃棄物を圧縮減容する。
【0013】
本発明で取り扱う発泡樹脂廃棄物は、各種電化製品、精密機械製品等の梱包材、緩衝材、断熱材等を上げることができる。具体的にはパイプカバーや粘着テープ、ハードディスク緩衝材、コンパクトディスク緩衝材、防音床の緩衝材、断熱折板屋根材、があげられ、いずれも対象品として処理できる。発泡樹脂廃棄物としては、発泡体以外に外皮やテープなどが付着してもよい。特に発泡樹脂組成物と外皮やテープなどが同種の樹脂組成物であることがリサイクル性を考慮すると好ましい。
【0014】
また、発泡体樹脂製造中に発生する発泡樹脂廃棄物を圧縮減容処理することに用いることができる。通常、発泡体樹脂製造では、所定幅に切りそろえ、端部を切り落とすことを実施することがあり、不要な端部について圧縮減容処理することもできる。
【0015】
発泡体の製造方法としては樹脂混合物に気体を生ずることができる発泡剤を混合して製造するものであり、その製造方法としては、樹脂混合物に、発泡剤として、熱分解型化学発泡剤を加えて溶融混錬し、常圧加熱にて発泡する常圧発泡法、押出機内で熱分解型化学発泡剤を加熱分解し、高圧下で押し出しながら発泡する押出発泡法、プレス金型内で熱分解型化学発泡剤を加熱分解し、減圧しながら発泡するプレス発泡法、および押出機内で気体あるいは気化する溶剤を溶融混合し、高圧下で押し出しながら発泡する押出発泡法がある。常圧発泡法の例としては、押出機にて樹脂混合物に、発泡剤として、熱分解型化学発泡剤を加えて溶融混錬し作成した発泡シートを加熱発泡させる際に、縦型及び横型の熱風発泡炉、溶融塩等の薬液浴などに連続的に発泡させる方法がある。
【0016】
連続的に圧縮減容処理を実施する場合には、連続的に発泡させる発泡工程の速度から減容物の圧縮処理速度を1~30m/minで処理できることが好ましい。
【0017】
圧縮減容処理を実施する発泡樹脂廃棄物としては、種々の樹脂組成物において使用することができる。例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリイミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂組成物などがあげられる。特にポリオレフィン系樹脂組成物に好適に用いられる。
【0018】
ポリオレフィン系樹脂組成物としてはとくに限定されないが、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレンなどに代表されるポリエチレン系樹脂(ここでいう密度の定義は以下の通り。超低密度:910kg/m3未満、低密度:910kg/m3以上940kg/m3以下、高密度:940kg/m3より大きく965kg/m3以下)や、エチレンを主成分とする共重合体、もしくはホモポリプロピレン、エチレン-プロピレンランダム共重合体、エチレン-プロピレンブロック共重合体などに代表されるポリプロピレン系樹脂などが挙げられ、またこれらの混合物のいずれでもよい。
【0019】
また、ポリオレフィン系樹脂としてポリエチレン系樹脂を用いる場合には、ホモポリエチレンの他、エチレン系共重合体を用いることができる。エチレン系共重合体とは、エチレンと他の単量体との共重合体および多元共重合体を指す。エチレン系共重合体としては、例えば、エチレンと炭素数4以上のα-オレフィン(例えば、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘプテン、1-オクテン等が挙げられる)とを重合して得られるエチレン-α-オレフィン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体等を挙げることができる。
【0020】
本発明のポリオレフィン系樹脂発泡シートには、架橋された樹脂発泡体(以下、架橋発泡体という)、架橋されていない樹脂発泡体(以下、非架橋発泡体という)のいずれも用いることができ、用途に応じて適切な樹脂発泡体を選択すればよい。
【0021】
発泡樹脂廃棄物を処理する場所としては、運搬費用を低減するためには、その発生現場付近が最も好ましいが、近接した産業廃棄物処分場等の廃棄物置場であってもよい。また本発明に使用される、発泡樹脂廃棄物の減容装置としては、その底部内へ延びた回転軸に複数の粉砕用回転刃からなる粉砕手段と螺旋状スクリューによる移送手段とその先端の略同一線上に位置する筒状押出口とを装備した押出し機であって、特に加熱手段も不用であることから移動自在にコンパクト化された簡単な構造からなる。その一例を添付した
図1に従って詳細に説明する。
【0022】
図1は、本願発明を実施するにあたる、装置構成の概念図である。投入口1は減容装置の発泡樹脂廃棄物の投入口となる。投入口の形状には制約はないが、開口部が投入する廃棄物がスムーズに投入できるため、投入する廃棄物に対し入口の面積として1.5倍以上あることが好ましい。また、発泡樹脂廃棄物が、発泡体樹脂製造中に連続して発生する発泡樹脂廃棄物である場合、シート状の発泡体を連続的に投入口から投入する必要があり、連続的に投入することをスムーズに行うためにガイド等を取り付けてもよい。
【0023】
引取部2は装置内へ発泡樹脂廃棄物搬送する引取部となる。引取する方法については特に制約はないが、ニップロールを用いてもよい。また、発砲樹脂製品廃棄物の形状から投入口や後述する裁断部3の入口より十分に小さく、裁断部に自重で落下する場合は引き取り装置を用いなくてもよい。
【0024】
裁断部3では投入口側からには投入された発泡樹脂廃棄物が裁断部中にある切断装置へ落下供給されるように構成されている。切断装置の切断方法については、特に制約はないが、回転軸によって回転駆動される回転式のカッターが備えられており、そのカッターにより、切断されることが好ましい。ここで上方から落下供給された発泡樹脂廃棄物が裁断され、この裁断されて形成された裁断屑は下方に落下するようになっている。裁断部は上下開口状に構成されるが、下端開口が切断装置で裁断した裁断屑を下方に落下排出する。
【0025】
裁断部3で裁断された発泡樹脂廃棄物は被圧縮物通過部4を通過し、搬送部5の搬送装置により圧縮部6へ搬送する。
【0026】
搬送部5に使用する搬送装置については特に制約はないが、軸方向に被圧縮物を送るフィードスクリューを備えてなるスクリュー押出機にて搬送するのが好ましい。詳細に説明すると、スクリュー押出機は、筒状のケーシング内にフィードスクリュ-を軸心回りに回転自在に支持すると共に、ケーシングの後端側に駆動手段(ギヤードモータ等)を備えて構成されている。ケーシングは、円筒状に形成され、前方に向かうにしたがって上方に移行する傾斜状となるように、床上に設置し架台8に固定される。このフィードスクリューによりケーシング内に供給された裁断屑が圧縮部6側に向けて搬送される。
【0027】
圧縮部6では被圧縮物を排出口7側に、向かうにしたがって漸次径小となる筒状体を連通させることにより圧縮させ裁断屑を筒の壁面抵抗を利用して圧縮させるものである。ここで裁断屑の見掛け容積を発泡樹脂廃棄物の1/2~1/50、好ましくは1/5~1/30の範囲に圧縮減容させながら排出口7より排出する。得られる圧縮減容物の見掛け容積が発泡樹脂廃棄物の1/2より大きい状態では、ほとんど圧縮減容した事にならず運送コストの低減ができない点で好ましくない。一方見掛け容積が1/50より更に小さくなる状態では、押出される圧縮減容物の表面が壁面抵抗による過剰な摩擦熱で溶融して再固化し、再利用する場合には二次粉砕する必要が生じて好ましくない。圧縮減容率を所望のものに調整するためには、廃棄物の処理量や搬送速度、或いは筒状押出口の断面積を増減させる等の調整手段が利用できる。特に筒状押出口の断面積を増減させる調整手段としては、筒状押出口のノズル交換の他に、ノズル交換せずに筒状押出口自体を押出し方向に分割(好ましくは2分割)して装備しておき、必要に応じてその分割ラインの隙間の幅をボルト等の調整手段で調整することが好ましい。かかる減容装置には、加熱溶融装置は装備しないが、押出されてくる圧縮減容物の表面が摩擦熱で溶融再固化することを防止するために、適宜、温度センサーを装備して、過昇温時には自動停止したり、再起動させる対策をとることが好ましい。
【0028】
上記した本発明の処理方法に使用される減容装置は、加熱溶融装置を必要としないので安価であり、コンパクトな構成の簡易減容機で済むことから、多くの発泡樹脂廃棄物の発生場所毎に設置することができる。さらに処理された発泡樹脂廃棄物の圧縮減容物は、発泡樹脂廃棄物の1/2~1/50の範囲に圧縮減容されて体積が部分的に復元増加することがないため、その減容率に応じて再利用工場等への運送コストが低減可能である。
【0029】
本発明では、その発生現場付近で上記の処理方法で処理して得た圧縮減容物を再利用工場まで運送し、適宜リサイクル最終利用形態に再処理する。特に、熱エネルギー源を必要とするセメントキルン炉や廃棄物処理用の燃焼炉等の原燃料には、圧縮減容物が溶融再固化していないことから、二次粉砕することなくそのままの形態で燃焼炉用燃料として再利用するのに好適である。
【0030】
また、圧縮減容物が溶融再固化させないで得られていることから、各粉砕粒子群の表面に発泡状態が維持されているので、再利用加工場まで運送し、二次粉砕し、該2次粉砕物の表面の凹凸部にセメント粉や石膏粉のような水硬性粉体を付着させた場合に、その付着量が増加すると共に付着物の分離がないために、優れた軽量化コンクリート骨材として再利用するのに好適である。
【実施例0031】
以下、本発明の具体的な実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0032】
実施例1
発泡工程にて生産時に連続的に発生している発泡ポリエチレン廃棄物(発泡倍率が約15倍、厚み3mm 幅100mmのシート状製品)を、
図1に示した装置構成の減容装置へ連続的に投入し、圧縮減容処理をした。具体的には減容装置は開口部が幅方向400mm、高さ方向200mmである投入口1から、発泡ポリエチレン廃棄部を連続的に投入し、ニップロール構造をもつ引取部2にて発泡工程の生産速度と同じ速度で引取りを実施した。その後、裁断部4設置しているロータリーカッターにて、廃棄物を長さ方向に100mmの長さに連続して裁断した。その後、4を通過し軸方向に被圧縮物を送るフィードスクリュウおよび筒状ケーシング構造を有するスクリュー押出機にて、圧縮部5へ搬送する。その際、フィードスクリュウ直径は380mmであり、回転数は44rpmで実施した。その後、圧縮部5では、被圧縮物は排出口7に向かうにしたがって漸次径小となる筒状体を連通させ、その際、圧縮部の入口側の筒状体の断面積に対し、出口側の断面積が最終的に7/10になるように漸次径小となるように筒状体を狭くした。圧縮減容された発泡ポリエチレン発泡体は排出口7より排出された。この結果、見掛け容積が1/15となった。見かけ容積が1/15になった結果、押出後に部分的に崩壊したが包装袋での包装時に体積が増加する現象は全く認められず、減容状態で支障なく運送可能であった。また圧縮減容物は簡単な撹拌衝撃によって容易に粉砕粒子群に分離することから、二次粉砕することなく原燃料として好適に処理されることが確認された。
【0033】
実施例2
発泡工程にて生産時に連続的に発生している発泡ポリプロピレン廃棄物(発泡倍率が約20倍、厚み2mm 幅100mmのシート状製品)を、実施例1に記載な同様な装置構成である減容装置へ連続的に投入し、圧縮減容処理を実施した。減容処理を実施した結果、見掛け容積が1/4となった。見かけ容積が1/4となった結果、実施例1同様に押出後に部分的に崩壊したが包装袋での包装時に体積が増加する現象は全く認められず、減容状態で支障なく運送可能であった。また圧縮減容物は簡単な撹拌衝撃によって容易に粉砕粒子群に分離することから、二次粉砕することなく原燃料として好適に処理されることが確認された。
以上説明した本発明方法によれば、発泡樹脂廃棄物の発生現場や廃棄物置場等において、安価でコンパクトな構成の簡易減容機を持ち込み減容化処理できることから、その後の再利用工場等への運搬費用が低減できるだけでなく、リサイクル最終利用形態への再生処理費用も極力低減できるなど産業廃棄物の処理方法として極めて意義のある発明である。