(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135536
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】画像形成システム
(51)【国際特許分類】
B41J 3/42 20060101AFI20240927BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240927BHJP
B41J 29/377 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
B41J3/42
G03G21/00 386
G03G21/00 530
B41J29/377
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023046280
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】磯原 英夫
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
【Fターム(参考)】
2C061AP10
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AR03
2C061BB08
2C061BB26
2C061BB27
2C061BB28
2C061CF08
2C061CK08
2C061CN02
2C061CN07
2C061CN16
2C061CN17
2C061CQ38
2C061HJ02
2C061HK15
2C061HK19
2C061HV07
2C061HV08
2C061HV19
2H270KA51
2H270LA24
2H270LA70
2H270LA80
2H270QA44
2H270SA13
2H270SC15
2H270ZC03
2H270ZC04
(57)【要約】
【課題】生産性の低下を抑えつつ、結露による画像不良の発生を抑制することが可能な画像形成システムを提供する。
【解決手段】複数の画像形成装置のうち少なくとも最も上流側に配置された最上流画像形成装置(第1画像形成装置10)は、画像形成部11により片面印刷が実施された用紙の表裏を反転させた状態で画像形成部11に搬送する循環経路14を有し、自装置単体での両面印刷を実施可能であり、制御部110は、システム起動後最初の印刷開始時に、最上流画像形成装置に自装置単体での両面印刷動作を行わせるとともに、他の画像形成装置(第2画像形成装置40)に印刷を伴わない搬送動作を行わせる結露抑制制御を実施し、所定の条件を満たしたタイミングで、結露抑制制御から、複数の画像形成装置の各々がそれぞれ片面ずつ印刷を行う通常制御へと、切り替える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙に画像を形成する画像形成部を備える複数の画像形成装置と、前記複数の画像形成装置における印刷動作を制御する制御部と、を備え、前記複数の画像形成装置の各々がそれぞれ片面ずつ印刷することで両面印刷を実施可能な直列タンデム方式の画像形成システムであって、
前記複数の画像形成装置のうち少なくとも最も上流側に配置された最上流画像形成装置は、
前記画像形成部により片面印刷が実施された用紙の表裏を反転させた状態で前記画像形成部に搬送する循環経路を有し、自装置単体での両面印刷を実施可能であり、
前記制御部は、
システム起動後最初の印刷開始時に、前記最上流画像形成装置に前記自装置単体での両面印刷動作を行わせるとともに、他の前記画像形成装置に印刷を伴わない搬送動作を行わせる結露抑制制御を実施し、
所定の条件を満たしたタイミングで、前記結露抑制制御から、前記複数の画像形成装置の各々がそれぞれ片面ずつ印刷を行う通常制御へと、切り替えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記制御部は、所定の印刷枚数に到達したタイミングで、前記結露抑制制御から前記通常制御へと切り替えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記制御部は、所定の時間が経過したタイミングで、前記結露抑制制御から前記通常制御へと切り替えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記最上流画像形成装置の定着部の下流側に設けられた搬送ガイド板の温度を検出する第1温度検出部を備え、
前記制御部は、
システム起動時、前記第1温度検出部により検出された前記搬送ガイド板の温度が所定の温度に満たない場合、前記結露抑制制御を実施し、
前記第1温度検出部により検出された前記搬送ガイド板の温度が前記所定の温度に到達したタイミングで、前記結露抑制制御から前記通常制御へと切り替えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項5】
雰囲気温度を検出する第2温度検出部を備え、
前記制御部は、システム起動時、前記第2温度検出部により検出された雰囲気温度に基づいて低温環境であると判断した場合に、前記結露抑制制御を実施することを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記第2温度検出部により検出された雰囲気温度が20℃未満である場合に、前記低温環境であると判断することを特徴とする請求項5に記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記所定の印刷枚数は、300枚以下であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項8】
前記所定の時間は、5分以下であることを特徴とする請求項3に記載の画像形成システム。
【請求項9】
前記所定の温度は、20℃以上であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成システム。
【請求項10】
前記制御部は、前記結露抑制制御を実施する際、実際に指示された印刷内容とは異なるパターンを印刷させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項11】
前記制御部は、前記結露抑制制御を実施するにあたり、前記結露抑制制御の実施の要否をユーザーに選択させるための画面を表示部に表示させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項12】
ユーザーが任意のタイミングで前記結露抑制制御の実施を指示することが可能な操作部を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項13】
印刷後の用紙を排出するための複数の排出先を備え、
前記制御部は、前記結露抑制制御を実施した場合、前記通常制御を実施した場合の前記排出先である第1の排出先とは異なる前記排出先である第2の排出先に前記用紙を排出させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項14】
前記第2の排出先は、前記最上流画像形成装置と他の前記画像形成装置との間に設けられた搬送経路から分岐した先に配置されることを特徴とする請求項13に記載の画像形成システム。
【請求項15】
前記複数の画像形成装置の後段に配置され、前記複数の画像形成装置による印刷後の用紙を読み取る画像読取装置を備え、
前記制御部は、さらに、前記画像読取装置により読み取られた画像を解析し、前記複数の画像形成装置における印刷動作に係る情報を補正する機能を有し、
前記結露抑制制御を実施した場合と前記通常制御を実施した場合とで、前記補正の反映先を切り替えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷(画像形成)のために給紙された用紙は、画像が転写された後、定着部にて、主に熱、圧力により画像が定着されるプロセスを経る。用紙が定着部を通過する際、用紙が含有している水分は蒸発して機内に飛散する。機内に飛散した水分は、相対的に温度が低い箇所と接触することで、当該箇所に結露として付着することがある。この現象は、定着部の下流側に構成された搬送ガイド板において発生しやすく、特に低温低湿環境における機械動作初期に顕著な現象である。
【0003】
搬送ガイド板のガイド面に付着した結露は、機内がある程度暖まるまでの間に印刷を継続することで、徐々に大きな水滴に成長する。水滴がある程度の大きさになると、滴って印刷中の用紙に付着することがある。水滴が付着した用紙がそのまま搬送され、画像形成部に到達すると、現像・転写が正しく行えずに画像不良を起こすことが知られている。
【0004】
そこで、搬送ガイド板近傍に蒸気が滞留しないようにエアフローを強化する構成や、搬送ガイド板を加熱して結露の付着を抑える構成が知られている。
また、指示された出力以外の通紙を行い、用紙先端を搬送ガイド板に擦り付けながら用紙を搬送して搬送ガイド板に付着した結露を吸い取る構成が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0005】
ところで、近年、画像形成装置には、より高い生産性や、省人化が求められるようになっている。そのため、両面出力(両面印刷)の分野においては、複数の画像形成装置を直列に配置し、各画像形成装置で片面ずつ印刷を行う直列タンデム方式が考案されている。
【0006】
画像形成装置単体での片面印刷の場合、トレイから給紙された用紙に連続的に印刷されるため、水蒸気が発生しやすい。しかしながら、定着後に水分が付着した用紙は、作像部(画像形成部)に向かわずに機外に排出されるため、結露による画像不良は発生しない。
画像形成装置単体での両面印刷の場合、トレイから給紙された用紙と直前に定着部を通過して水分を放出した用紙とを交互に印刷するため、片面印刷時と比べると単位時間当たりに発生する水蒸気がほぼ半減する。定着後に水分が付着した用紙に対しては、両面印刷済みの用紙を機外に排出する動作と片面印刷のみの用紙を作像部に搬送する動作とを交互に繰り返す。すなわち、結露の発生量は比較的少なく、かつ、結露が付着した用紙の半分は作像部に向かわずに機外に排出されるため、作像部に向かう水分量は少量である。したがって、結露による画像不良は発生しにくいため、必要に応じて結露対策を機内に施せばよい。
直列タンデム方式の両面印刷の場合、トレイから給紙された用紙に連続的に印刷されるため、画像形成装置単体での両面印刷に比べて結露の発生量が多い。また、定着後に水分が付着した用紙は全て下流側画像形成装置の作像部に向かう。したがって、下流側画像形成装置の作像部には水分が付着しやすく、画像不良が発生しやすい。
以上より、直列タンデム方式の両面印刷は、他の印刷モードに比べ、結露による画像不良が発生しやすい構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007-199330号公報
【特許文献2】特開2008-241774号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、加熱手段の追加により結露対策をする場合、画像形成装置単体では、両面通紙時の結露発生量に基づいて構成すればよい。直列タンデム方式の場合、必要な対応を大幅に強化する必要があるため、不要な大型化やコストアップ等の問題が生じる。また、実際の販売では、画像形成装置単体に対して直列タンデムシステムの販売比率が大幅に少ない。そのため、タンデム化を前提に、より強力な対策を構成することは、相対的に多くのユーザーにとって不利益になる。
定着部の暖気時に必要なウォームアップのための待機時間を延長し、徐々に機内の温度を上昇させることで、結露対策を行うこともできる。しかしながら、特別な構成を追加しない場合、実際には待機時間が1時間を超える長い時間になることが分かっている。したがって、待機時間を延長する方法では、印刷生産性が大きく低下するため、ユーザーにとって許容できない不利益となる。
また、特許文献1、2記載の構成は、指示された出力以外の通紙を行って、搬送ガイド板に付着した結露を除去する構成である。しかしながら、特許文献1、2記載の構成は、待機時間を延長する方法により機内の温度が上昇して結露が発生しなくなるまで、指示された出力以外の通紙を継続する必要があるため、やはり生産性を大幅に悪化させるという課題がある。
【0009】
本発明は、生産性の低下を抑えつつ、結露による画像不良の発生を抑制することが可能な画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、
用紙に画像を形成する画像形成部を備える複数の画像形成装置と、前記複数の画像形成装置における印刷動作を制御する制御部と、を備え、前記複数の画像形成装置の各々がそれぞれ片面ずつ印刷することで両面印刷を実施可能な直列タンデム方式の画像形成システムであって、
前記複数の画像形成装置のうち少なくとも最も上流側に配置された最上流画像形成装置は、
前記画像形成部により片面印刷が実施された用紙の表裏を反転させた状態で前記画像形成部に搬送する循環経路を有し、自装置単体での両面印刷を実施可能であり、
前記制御部は、
システム起動後最初の印刷開始時に、前記最上流画像形成装置に前記自装置単体での両面印刷動作を行わせるとともに、他の前記画像形成装置に印刷を伴わない搬送動作を行わせる結露抑制制御を実施し、
所定の条件を満たしたタイミングで、前記結露抑制制御から、前記複数の画像形成装置の各々がそれぞれ片面ずつ印刷を行う通常制御へと、切り替えることを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成システムにおいて、
前記制御部は、所定の印刷枚数に到達したタイミングで、前記結露抑制制御から前記通常制御へと切り替えることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成システムにおいて、
前記制御部は、所定の時間が経過したタイミングで、前記結露抑制制御から前記通常制御へと切り替えることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成システムにおいて、
前記最上流画像形成装置の定着部の下流側に設けられた搬送ガイド板の温度を検出する第1温度検出部を備え、
前記制御部は、
システム起動時、前記第1温度検出部により検出された前記搬送ガイド板の温度が所定の温度に満たない場合、前記結露抑制制御を実施し、
前記第1温度検出部により検出された前記搬送ガイド板の温度が前記所定の温度に到達したタイミングで、前記結露抑制制御から前記通常制御へと切り替えることを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成システムにおいて、
雰囲気温度を検出する第2温度検出部を備え、
前記制御部は、システム起動時、前記第2温度検出部により検出された雰囲気温度に基づいて低温環境であると判断した場合に、前記結露抑制制御を実施することを特徴とする。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の画像形成システムにおいて、
前記制御部は、前記第2温度検出部により検出された雰囲気温度が20℃未満である場合に、前記低温環境であると判断することを特徴とする。
【0016】
請求項7に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成システムにおいて、
前記所定の印刷枚数は、300枚以下であることを特徴とする。
【0017】
請求項8に記載の発明は、請求項3に記載の画像形成システムにおいて、
前記所定の時間は、5分以下であることを特徴とする。
【0018】
請求項9に記載の発明は、請求項4に記載の画像形成システムにおいて、
前記所定の温度は、20℃以上であることを特徴とする。
【0019】
請求項10に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成システムにおいて、
前記制御部は、前記結露抑制制御を実施する際、実際に指示された印刷内容とは異なるパターンを印刷させることを特徴とする。
【0020】
請求項11に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成システムにおいて、
前記制御部は、前記結露抑制制御を実施するにあたり、前記結露抑制制御の実施の要否をユーザーに選択させるための画面を表示部に表示させることを特徴とする。
【0021】
請求項12に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成システムにおいて、
ユーザーが任意のタイミングで前記結露抑制制御の実施を指示することが可能な操作部を備えることを特徴とする。
【0022】
請求項13に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成システムにおいて、
印刷後の用紙を排出するための複数の排出先を備え、
前記制御部は、前記結露抑制制御を実施した場合、前記通常制御を実施した場合の前記排出先である第1の排出先とは異なる前記排出先である第2の排出先に前記用紙を排出させることを特徴とする。
【0023】
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の画像形成システムにおいて、
前記第2の排出先は、前記最上流画像形成装置と他の前記画像形成装置との間に設けられた搬送経路から分岐した先に配置されることを特徴とする。
【0024】
請求項15に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成システムにおいて、
前記複数の画像形成装置の後段に配置され、前記複数の画像形成装置による印刷後の用紙を読み取る画像読取装置を備え、
前記制御部は、さらに、前記画像読取装置により読み取られた画像を解析し、前記複数の画像形成装置における印刷動作に係る情報を補正する機能を有し、
前記結露抑制制御を実施した場合と前記通常制御を実施した場合とで、前記補正の反映先を切り替えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、生産性の低下を抑えつつ、結露による画像不良の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本実施形態に係る画像形成システムの概略構成を示す図である。
【
図2】本実施形態に係る画像形成システムの制御構造を示す機能ブロック図である。
【
図3】本実施形態に係る画像形成装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図4】変形例1に係る画像形成装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図5】変形例2に係る画像形成装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図6】結露抑制制御選択画面の一例を示す図である。
【
図7】画像読取装置を備えた画像形成システムの概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0028】
本実施形態に係る画像形成システム1は、
図1及び
図2に示すように、印刷データに基づいて用紙に画像を形成する第1画像形成装置(最上流画像形成装置)10と、第1画像形成装置10の後段に接続された用紙反転装置20と、用紙反転装置20の後段に接続されたリレーユニット30と、リレーユニット30の後段に接続され、印刷データに基づいて用紙に画像を形成する第2画像形成装置40と、制御部110と、記憶部120と、操作パネル130と、第1温度検出部140と、第2温度検出部150と、を備える。画像形成システム1は、複数の画像形成装置(第1画像形成装置10、第2画像形成装置40)の各々がそれぞれ片面ずつ印刷することで両面印刷を実施可能な直列タンデム方式の画像形成システムである。
【0029】
第1画像形成装置10は、画像形成部11と、定着部12と、を備える。
画像形成部11は、無端で環状に掛け渡された中間転写ベルト111と、この中間転写ベルト111に沿って配置されたC(シアン)、M(マジェンタ)、Y(イエロー)及びK(黒)各色のトナー像を形成する像形成ユニット112と、用紙にトナー像(画像)を転写する転写部113と、を備える。
画像形成部11は、像形成ユニット112により中間転写ベルト111上にCMYK各色のトナー像を重畳してフルカラーのトナー像を形成する。画像形成部11は、転写部113により、中間転写ベルト111上に形成されたトナー像を内蔵する給紙トレイT10から搬送されてきた用紙に転写する。
【0030】
定着部12は、転写されたトナー像(画像)を用紙に熱定着させる。
定着部12の下流側には、搬送ガイド板13が設けられている。搬送ガイド板13は、トナー像が熱定着された用紙の用紙反転装置20又は循環経路14への搬送をガイドする。
【0031】
第1画像形成装置10は、画像形成部11により片面印刷が実施された用紙の表裏を反転させた状態で画像形成部11に搬送する循環経路14を有する。すなわち、第1画像形成装置10は、自装置単体での両面印刷を実施可能である。
第1画像形成装置10は、用紙の片面印刷のみを実施する場合、トナー像が熱定着された用紙を、用紙反転装置20に向けて出力する。
第1画像形成装置10は、自装置単体での両面印刷を実施する場合、循環経路14に用紙を搬送して用紙の表裏を反転させた後、画像形成部11(転写部113)に向けて出力する。
【0032】
用紙反転装置20は、第1画像形成装置10により用紙の片面印刷のみが実施された場合、用紙の表裏を反転させた後、リレーユニット30に搬送する。
用紙反転装置20は、第1画像形成装置10により自装置単体での両面印刷が実施された場合、用紙の表裏を反転させずに、そのままリレーユニット30に搬送する。
用紙反転装置20には、リレーユニット30に向かう搬送経路R1から分岐した先に配置されたパージトレイT20が設けられている。パージトレイT20には、第1画像形成装置10による印刷後の用紙を排出することができる。
【0033】
リレーユニット30は、用紙反転装置20から出力された用紙を第2画像形成装置40に中継搬送する。リレーユニット30は、第1画像形成装置10から用紙反転装置20を介して搬送されてくる用紙と第2画像形成装置40の搬送動作の同期をとる機能を備える。
【0034】
第2画像形成装置40は、画像形成部41と、定着部42と、を備える。
画像形成部41は、無端で環状に掛け渡された中間転写ベルト411と、この中間転写ベルト411に沿って配置されたC(シアン)、M(マジェンタ)、Y(イエロー)及びK(黒)各色のトナー像を形成する像形成ユニット412と、用紙にトナー像(画像)を転写する転写部413と、を備える。
画像形成部41は、像形成ユニット412により中間転写ベルト411上にCMYK各色のトナー像を重畳してフルカラーのトナー像を形成する。画像形成部41は、転写部413により、中間転写ベルト411上に形成されたトナー像をリレーユニット30又は内蔵する給紙トレイT40から搬送されてきた用紙に転写する。
【0035】
定着部42は、転写されたトナー像(画像)を用紙に熱定着させる。トナー像が熱定着された用紙は、排紙トレイT1に排出される。
【0036】
制御部110は、CPU、ROM、メモリーを備える。
CPUは、ROMに記憶されている各種処理プログラムを読み出し、当該プログラムに従って、画像形成システム1の各部(第1画像形成装置10、用紙反転装置20、リレーユニット30及び第2画像形成装置40)の動作を集中制御する。
ROMは、不揮発性の半導体メモリー等により構成され、各種処理プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメーターやファイル等を記憶している。
メモリーは、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等により構成され、プログラムや各種画像処理に係る画像データ等の各種データを一時的に記憶する。
制御部110は、複数の画像形成装置(第1画像形成装置10及び第2画像形成装置40)における印刷(画像形成)動作を制御する。
【0037】
記憶部120は、プログラムや画像データ等の各種データを記憶するHDD(Hard Disk Drive)、半導体メモリー等の不揮発性の記憶装置である。記憶部120には、プログラムデータや各種設定データ等のデータを制御部110から読み書き可能に記憶する。
【0038】
操作パネル130は、ユーザーに対して各種情報を表示する表示部131と、ユーザーによる操作入力を受け付ける操作部132と、を備える。
表示部131は、カラー液晶ディスプレイなどで構成され、制御部110から入力される表示制御信号に従って、操作画面等(各種設定画面、各種ボタン、各機能の動作状況等)を表示する。
操作部132は、表示部131の画面上に設けられるタッチパネルと、表示部131の画面周囲に配置される各種ハードキーと、を備える。操作部132は、画面上に表示されたボタンが手指やタッチペン等で押下された場合、押下された位置の座標を電圧値で検出し、検出された位置に対応付けられた操作信号を制御部110に出力する。なお、タッチパネルは感圧式に限らず、例えば静電式や光式等であってもよい。また、操作部132は、ハードキーが押下された場合、押下されたキーに対応付けられた操作信号を制御部110に出力する。
【0039】
第1温度検出部140は、第1画像形成装置10の定着部12の下流側に設けられた搬送ガイド板13の温度を検出する。
第2温度検出部150は、雰囲気温度を検出する。雰囲気温度は、画像形成システム1を構成する各装置が配置されている場所の温度(気温)のことである。
【0040】
次に、本実施形態に係る画像形成システム1の動作について、
図3のフローチャートを参照して説明する。
図3の処理は、画像形成システム1において、両面印刷が指示されたときの処理である。なお、
図3の処理は、画像形成システム1が起動されたことを契機として開始される。
【0041】
まず、制御部110は、システム起動後、受け付けた印刷指示が起動後最初の指示であるか否かを判定する(ステップS101)。
制御部110は、受け付けた印刷指示が起動後最初の指示であると判定した場合(ステップS101:YES)、次のステップS102へと移行する。
一方、制御部110は、受け付けた印刷指示が起動後最初の指示でないと判定した場合(ステップS101:NO)、ステップS106へと移行する。
【0042】
次に、第2温度検出部150により検出された雰囲気温度に基づいて低温環境であるか否かを判定する(ステップS102)。具体的には、制御部110は、第2温度検出部150により検出された雰囲気温度が20℃未満である場合に、低温環境であると判定する。
制御部110は、第2温度検出部150により検出された雰囲気温度に基づいて低温環境であると判定した場合(ステップS102:YES)、次のステップS103へと移行する。
一方、制御部110は、第2温度検出部150により検出された雰囲気温度に基づいて低温環境でないと判定した場合(ステップS102:NO)、ステップS106へと移行する。
【0043】
次に、制御部110は、結露抑制制御を実施する(ステップS103)。結露抑制制御は、最上流画像形成装置(第1画像形成装置10)に自装置単体での両面印刷動作を行わせるとともに、他の画像形成装置(第2画像形成装置40)に印刷を伴わない搬送動作を行わせる制御である。最上流画像形成装置は、複数の画像形成装置のうち最も上流側に配置された画像形成装置である。他の画像形成装置は、最上流画像形成装置よりも下流側に配置された画像形成装置である。印刷を伴わない搬送動作は、印刷せずにそのまま用紙を通過させる動作である。制御部110は、結露抑制制御を実施する際、第1画像形成装置10に、実際に指示された印刷内容に応じた両面印刷を行わせる。
【0044】
次に、制御部110は、所定の印刷枚数に到達したか否かを判定する(ステップS104)。所定の印刷枚数は、例えば、300枚以下である。
制御部110は、所定の印刷枚数に到達したと判定した場合(ステップS104:YES)、次のステップS105へと移行する。
一方、制御部110は、所定の印刷枚数に到達していないと判定した場合(ステップS104:NO)、所定の印刷枚数に到達するまで待機する。
【0045】
次に、制御部110は、結露抑制制御から通常制御への切り替えを実施する(ステップS105)。通常制御は、複数の画像形成装置(第1画像形成装置10、第2画像形成装置40)の各々がそれぞれ片面ずつ印刷を行う制御である。
【0046】
次に、制御部110は、通常制御を実施する(ステップS106)。
【0047】
次に、制御部110は、全ての印刷が終了したか否かを判定する(ステップS107)。
制御部110は、全ての印刷が終了したと判定した場合(ステップS107:YES)、処理を終了する。
一方、制御部110は、全ての印刷が終了していないと判定した場合(ステップS107:NO)、印刷が終了するまで待機する。
【0048】
上記のように、本実施形態に係る画像形成システム1において、制御部110は、まず、システム起動後最初の印刷開始時に、結露抑制制御を実施する。具体的には、制御部110は、システム起動時、第2温度検出部150により検出された雰囲気温度に基づいて低温環境であると判断した場合に、結露抑制制御を実施する。次に、制御部110は、所定の条件を満たしたタイミングで、結露抑制制御から通常制御へと切り替える。具体的には、制御部110は、所定の印刷枚数に到達したタイミングで、結露抑制制御から通常制御へと切り替える。
【0049】
以上のように、本実施形態に係る画像形成システム1は、複数の画像形成装置のうち少なくとも最も上流側に配置された最上流画像形成装置(第1画像形成装置10)は、画像形成部11により片面印刷が実施された用紙の表裏を反転させた状態で画像形成部11に搬送する循環経路14を有し、自装置単体での両面印刷を実施可能であり、制御部110は、システム起動後最初の印刷開始時に、最上流画像形成装置に自装置単体での両面印刷動作を行わせるとともに、他の画像形成装置(第2画像形成装置40)に印刷を伴わない搬送動作を行わせる結露抑制制御を実施し、所定の条件を満たしたタイミングで、結露抑制制御から、複数の画像形成装置の各々がそれぞれ片面ずつ印刷を行う通常制御へと、切り替える。
したがって、本実施形態に係る画像形成システム1によれば、定着部12で加熱した直後の用紙との接触で結露発生の対象箇所(定着部12下流の搬送ガイド板13等)を加熱することができるので、対象箇所の加熱を短時間で効率的に行うことができる。また、その間も単体両面印刷による出力を得ることができるため、加熱手段及び安全性確保に必要な構成の追加や機内温度の暖気のための待機時間の確保を不要とすることができる。よって、生産性の低下を抑えつつ、結露による画像不良の発生を抑制することができる。
【0050】
また、本実施形態に係る画像形成システム1によれば、制御部110は、所定の印刷枚数に到達したタイミングで、結露抑制制御から通常制御へと切り替える。所定の印刷枚数は、300枚以下である。
したがって、本実施形態に係る画像形成システム1によれば、定着部12で加熱後の用紙を所定枚数接触させることで結露発生の対象箇所の暖気を効率的に行うことができるので、早期に通常印刷モードに遷移させることができる。よって、特別な構成を設けることなく、生産性の低下を抑えつつ、結露による画像不良の発生を抑制することができる。
【0051】
また、本実施形態に係る画像形成システム1によれば、雰囲気温度を検出する第2温度検出部150を備え、制御部110は、システム起動時、第2温度検出部150により検出された雰囲気温度に基づいて低温環境であると判断した場合に、結露抑制制御を実施する。制御部110は、第2温度検出部150により検出された雰囲気温度が20℃未満である場合に、低温環境であると判断する。
したがって、本実施形態に係る画像形成システム1によれば、結露が発生しやすい低温環境において定着部12で加熱後の用紙を接触させることで結露発生の対象箇所の暖気を効率的に行うことができるので、特別な構成を設けることなく、生産性の低下を抑えつつ、結露による画像不良の発生を抑制することができる。一方、低温環境でない場合には、結露抑制制御を実施することなく、通常制御を実施することができるので、さらに生産性を向上させることができる。
【0052】
以上、本発明に係る実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0053】
(変形例1)
例えば、上記実施形態では、所定の印刷枚数に到達したタイミングで、結露抑制制御から通常制御へと切り替えるようにしているが、これに限定されるものではない。
以下、変形例1に係る画像形成システム1の動作について、
図4のフローチャートを参照して説明する。
【0054】
ステップS201~ステップS203の処理は、
図3のステップS101~ステップS103の処理と同様であるので、説明を省略する。
【0055】
次に、制御部110は、所定の時間が経過したか否かを判定する(ステップS204)。所定の時間は、例えば、5分以下である。
制御部110は、所定の時間が経過したと判定した場合(ステップS204:YES)、次のステップS205へと移行する。
一方、制御部110は、所定の時間が経過していないと判定した場合(ステップS204:NO)、所定の時間が経過するまで待機する。
【0056】
次に、制御部110は、結露抑制制御から通常制御への切り替えを実施する(ステップS205)。
【0057】
ステップS206~ステップS207の処理は、
図3のステップS106~ステップS107の処理と同様であるので、説明を省略する。
【0058】
以上のように、変形例1に係る画像形成システム1によれば、制御部110は、所定の時間が経過したタイミングで、結露抑制制御から通常制御へと切り替える。所定の時間は、5分以下である。
したがって、変形例1に係る画像形成システム1によれば、定着部12で加熱後の用紙を所定の時間接触させることで結露発生の対象箇所の暖気を効率的に行うことができるので、早期に通常印刷モードに遷移させることができる。よって、特別な構成を設けることなく、生産性の低下を抑えつつ、結露による画像不良の発生を抑制することができる。
【0059】
(変形例2)
また、上記実施形態では、第2温度検出部150により検出された雰囲気温度に基づいて低温環境であると判定した場合に、結露抑制制御を実施するようにしているが、これに限定されるものではない。
以下、変形例2に係る画像形成システム1の動作について、
図5のフローチャートを参照して説明する。
【0060】
ステップS301の処理は、
図3のステップS101の処理と同様であるので、説明を省略する。
【0061】
次に、制御部110は、第1温度検出部140により検出された搬送ガイド板13の温度が所定の温度に満たないか否かを判定する(ステップS302)。所定の温度は、例えば、20℃以上である。
制御部110は、第1温度検出部140により検出された搬送ガイド板13の温度が所定の温度に満たないと判定した場合(ステップS302:YES)、次のステップS303へと移行する。
一方、制御部110は、第1温度検出部140により検出された搬送ガイド板13の温度が所定の温度以上であると判定した場合(ステップS302:NO)、ステップS306へと移行する。
【0062】
ステップS303の処理は、
図3のステップS103の処理と同様であるので、説明を省略する。
【0063】
次に、制御部110は、第1温度検出部140により検出された搬送ガイド板13の温度が所定の温度に到達したか否かを判定する(ステップS304)。
制御部110は、第1温度検出部140により検出された搬送ガイド板13の温度が所定の温度に到達したと判定した場合(ステップS304:YES)、次のステップS305へと移行する。
一方、制御部110は、第1温度検出部140により検出された搬送ガイド板13の温度が所定の温度に到達していないと判定した場合(ステップS304:NO)、所定の温度に到達するまで待機する。
【0064】
次に、制御部110は、結露抑制制御から通常制御への切り替えを実施する(ステップS305)。
【0065】
ステップS306~ステップS307の処理は、
図3のステップS106~ステップS107の処理と同様であるので、説明を省略する。
【0066】
以上のように、変形例2に係る画像形成システム1によれば、最上流画像形成装置(第1画像形成装置10)の定着部12の下流側に設けられた搬送ガイド板13の温度を検出する第1温度検出部140を備え、制御部110は、システム起動時、第1温度検出部140により検出された搬送ガイド板13の温度が所定の温度に満たない場合、結露抑制制御を実施し、第1温度検出部140により検出された搬送ガイド板13の温度が所定の温度に到達したタイミングで、結露抑制制御から通常制御へと切り替える。
したがって、変形例2に係る画像形成システム1によれば、搬送ガイド板13の温度が所定の温度よりも低くて結露が発生しやすい環境において定着部12で加熱後の用紙を搬送ガイド板13の温度が所定の温度に到達するまで接触させることで結露発生の対象箇所の暖気を効率的に行うことができるので、特別な構成を設けることなく、生産性の低下を抑えつつ、結露による画像不良の発生を抑制することができる。一方、搬送ガイド板13の温度が所定の温度よりも高い場合は、結露抑制制御を実施することなく、通常制御を実施することができるので、さらに生産性を向上させることができる。
【0067】
なお、変形例2に係る画像形成システム1において、結露抑制制御から通常制御への切り替えタイミングは、搬送ガイド板13の温度が所定の温度に到達したタイミングに限定されない。例えば、所定の印刷枚数に到達したタイミングであってもよいし、所定の時間が経過したタイミングであってもよい。また、第2温度検出部150により検出された雰囲気温度に基づいて低温環境でないと判定したタイミングであってもよい。
【0068】
(その他の変形例)
また、上記実施形態では、結露抑制制御を実施する際、第1画像形成装置10に、実際に指示された印刷内容に応じた両面印刷を行わせるようにしているが、これに限定されるものではない。例えば、第1画像形成装置10に、実際に指示された印刷内容とは異なるパターン(例えばベタ画像など)を印刷させるようにしてもよい。実際に指示された印刷内容とは異なるパターンには、白紙も含まれる。例えば、ベタ画像を印刷させた場合、定着部12による加熱後の用紙温度を高くすることができるので、結露発生の対象箇所の暖気を効率的に行うことができる。また、白紙の場合、水分を吸収しやすいので、結露の拭き取りを効率的に行うことができる。
上記のように、制御部110が、結露抑制制御を実施する際、実際に指示された印刷内容とは異なるパターンを印刷させることで、結露発生の対象箇所の暖気や結露の拭き取りを効率的に行うことができるので、特別な構成を設けることなく、生産性の低下を抑えつつ、結露による画像不良の発生を抑制することができる。
【0069】
また、上記実施形態では、結露抑制制御を実施する際、第1画像形成装置10に自装置単体での両面印刷動作を行わせた後、第2画像形成装置40に印刷を伴わない搬送動作を行わせるようにしているが、これに限定されるものではない。例えば、結露抑制制御を実施した場合、通常制御を実施した場合の排出先である第1の排出先(排紙トレイT1)とは異なる排出先である第2の排出先に用紙を排出させるようにしてもよい。第2の排出先は、例えば、最上流画像形成装置(第1画像形成装置10)と他の画像形成装置(第2画像形成装置40)との間に設けられた搬送経路R1から分岐した先に配置されたパージトレイT20である。
特に、実際に指示された印刷内容とは異なるパターンを印刷させる場合、通常印刷時の出力物との混在を防ぐため、第2の排出先に用紙を排出させることがより好ましい。
上記のように、印刷後の用紙を排出するための複数の排出先を備え、制御部110は、結露抑制制御を実施した場合、通常制御を実施した場合の排出先である第1の排出先(排紙トレイT1)とは異なる排出先である第2の排出先(パージトレイT20)に用紙を排出させることで、結露抑制制御時と通常印刷時とで出力物を自動的に仕分けることができるので、結露抑制制御時の出力物と通常印刷時の出力物との混在を防ぐことができる。
【0070】
また、結露抑制制御を実施するにあたり、結露抑制制御の実施の要否をユーザーに選択させるための画面を表示部131に表示させるようにしてもよい。例えば、システム起動時に低温環境であると判定した場合、対応として結露抑制動作を実施するか、機内温度の暖気のためにそのまま待機するか、をユーザーに選択させる画面(結露抑制制御選択画面G1)を表示部131に表示させるようにしてもよい。
図6に、結露抑制制御選択画面G1の一例を示す。
図6に示す例では、低温環境である旨を示す文言の他、結露抑制制御の実施を選択するためのOKボタンB1と、結露抑制制御の実施をキャンセルするためのキャンセルボタンB2と、が表示されている。制御部110は、ユーザーによりキャンセルボタンB2が選択された場合、機内温度の暖気のためにそのまま待機する制御を行う。
上記のように、制御部110が、結露抑制制御を実施するにあたり、結露抑制制御の実施の要否をユーザーに選択させるための画面を表示部131に表示させることで、結露抑制制御を実施して画像不良の発生を抑制するか、又は結露抑制制御を実施せずに生産性をより重視するかを選択させることができるので、ユーザーの要望に応じて臨機応変に対応することができる。
【0071】
また、操作部132を介して、ユーザーが任意のタイミングで結露抑制制御の実施を指示することができるようにしてもよい。
上記のように、ユーザーが任意のタイミングで結露抑制制御の実施を指示することが可能な操作部132を備えることで、次紙の印刷までに長時間空く場合など、装置が冷えてしまうケースにおいて、結露抑制制御の実施を指示することができるので、より確実に生産性の低下を抑えつつ、より確実に結露による画像不良の発生を抑制することができる。
【0072】
また、
図7に示すように、第2画像形成装置40の後段に、複数の画像形成装置(第1画像形成装置10、第2画像形成装置40)による印刷後の用紙を読み取る画像読取装置50を備えるようしてもよい。
画像読取装置50は、印刷後の用紙を読み取って得られた画像を制御部110に出力する。
制御部110は、画像読取装置50により読み取られた画像を解析し、複数の画像形成装置における印刷動作に係る情報を補正する機能を有する。具体的には、制御部110は、まず、画像読取装置50により読み取られた画像を解析し、印刷動作に係る情報を補正するための補正情報を生成する。印刷動作に係る情報は、例えば、画像位置情報、色情報などである。次に、制御部110は、生成した補正情報を複数の画像形成装置にフィードバックして反映させる。
制御部110は、結露抑制制御を実施した場合と通常制御を実施した場合とで、補正の反映先を切り替える。具体的には、結露抑制制御を実施した場合は、最上流画像形成装置(第1画像形成装置10)に自装置単体での両面印刷動作を行わせるので、最上流画像形成装置に補正情報をフィードバックする。一方、通常制御を実施した場合は、複数の画像形成装置(第1画像形成装置10、第2画像形成装置40)の各々にそれぞれ片面ずつ印刷を行わせるので、複数の画像形成装置に補正情報をフィードバックする。
上記のように、複数の画像形成装置の後段に配置され、複数の画像形成装置による印刷後の用紙を読み取る画像読取装置50を備え、制御部110が、さらに、画像読取装置50により読み取られた画像を解析し、複数の画像形成装置における印刷動作に係る情報を補正する機能を有し、結露抑制制御を実施した場合と通常制御を実施した場合とで、補正の反映先を切り替えることで、各制御時に印刷動作を行う画像形成装置に対してのみ補正を反映させることができるので、各制御において不適切な条件で印刷されることを防止することができる。
【0073】
また、上記実施形態では、カラー機(多色機)を2台並べる構成を例示して説明しているが、これに限定されるものではない。例えば、モノクロ機(単色機)を2台並べる構成であってもよいし、カラー機とモノクロ機を並べる構成であってもよい。
また、上記実施形態では、2台の画像形成装置(第1画像形成装置10、第2画像形成装置40)を並べる構成を例示して説明しているが、これに限定されるものではない。例えば、3台以上の画像形成装置を並べる構成であってもよい。この場合、結露抑制制御を実施する際は、最上流画像形成装置に自装置単体での両面印刷動作を行わせるとともに、最上流画像形成装置よりも下流側に配置された他の複数の画像形成装置に印刷を伴わない搬送動作を行わせる。
【0074】
その他、画像形成システムを構成する各装置の細部構成及び各装置の細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0075】
1 画像形成システム
10 第1画像形成装置(最上流画像形成装置)
11 画像形成部
111 中間転写ベルト
112 像形成ユニット
113 転写部
12 定着部
13 搬送ガイド板
14 循環経路
T10 給紙トレイ
T20 パージトレイ(第2の排出先)
20 用紙反転装置
30 リレーユニット
40 第2画像形成装置
41 画像形成部
411 中間転写ベルト
412 像形成ユニット
413 転写部
42 定着部
T40 給紙トレイ
50 画像読取装置
T1 排紙トレイ(第1の排出先)
110 制御部
120 記憶部
130 操作パネル
131 表示部
132 操作部
140 第1温度検出部
150 第2温度検出部
R1 搬送経路