(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135548
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】シリンダ、押出機及び射出成形機
(51)【国際特許分類】
B29C 48/92 20190101AFI20240927BHJP
B29C 48/80 20190101ALI20240927BHJP
B29B 7/72 20060101ALI20240927BHJP
B29C 45/17 20060101ALI20240927BHJP
B29C 48/68 20190101ALI20240927BHJP
【FI】
B29C48/92
B29C48/80
B29B7/72
B29C45/17
B29C48/68
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023046297
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000004215
【氏名又は名称】株式会社日本製鋼所
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】馬場 貴之
(72)【発明者】
【氏名】上田 能貴
【テーマコード(参考)】
4F201
4F206
4F207
【Fターム(参考)】
4F201AK08
4F201AM04
4F201AM19
4F201AR16
4F201AR20
4F201BA01
4F201BC02
4F201BD05
4F201BK02
4F201BK13
4F201BK26
4F201BK74
4F206AM04
4F206AP15
4F206AP20
4F206JA07
4F206JD01
4F206JE06
4F206JL02
4F206JL07
4F206JM01
4F206JN03
4F206JP13
4F206JP14
4F206JP15
4F206JQ11
4F206JQ90
4F206JT31
4F207AK08
4F207AM04
4F207AM19
4F207AP15
4F207AR16
4F207AR20
4F207KA01
4F207KA17
4F207KK43
4F207KL31
4F207KM04
4F207KM14
(57)【要約】
【課題】保全、エネルギー管理機能を向上させることができるシリンダ及び押出機を提供する。
【解決手段】一実施の形態に係るシリンダ200は、複数のヒータ120と、一端141に電源PSが接続され、他端142に複数のヒータ120が並列に接続された主配線140と、他端142と各ヒータ120との間に配置され、各ヒータ120の通電をオン及びオフする複数のスイッチ170と、主配線140の通電のオン及びオフを含む通電状態を検出する検出部180と、複数のスイッチ170のオン及びオフを制御するとともに、検出部180の通電状態の検出を制御する制御部190と、を備え、制御部190は、複数のスイッチ170のうち、1つのスイッチ170をオンさせ、1つのスイッチ170以外の複数のスイッチ170をオフさせた状態で、検出部180に主配線140の通電状態を検出させる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のヒータと、
一端及び他端を有する主配線であって、前記一端に電源が接続され、前記他端に複数の前記ヒータが並列に接続された前記主配線と、
前記他端と各ヒータとの間に配置された複数のスイッチであって、各ヒータの通電をオン及びオフする複数の前記スイッチと、
前記主配線の前記通電のオン及びオフを含む通電状態を検出する検出部と、
複数の前記スイッチのオン及びオフを制御するとともに、前記検出部の前記通電状態の検出を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、複数の前記スイッチのうち、1つのスイッチをオンさせ、前記1つのスイッチ以外の前記他端に接続された複数の前記スイッチをオフさせた状態で、前記検出部に前記主配線の前記通電状態を検出させる、
シリンダ。
【請求項2】
前記制御部は、前記他端に接続された複数の前記スイッチをオフさせた後で、前記1つのスイッチをオンさせ、前記1つのスイッチ以外の前記他端に接続された複数の前記スイッチをオフさせた状態で、前記検出部に前記主配線の前記通電状態を検出させる、
請求項1に記載のシリンダ。
【請求項3】
前記制御部は、前記他端に接続された複数の前記スイッチをオフさせた状態で、前記検出部に前記主配線の前記通電状態を検出させる、
請求項1に記載のシリンダ。
【請求項4】
前記制御部は、検出された前記主配線の前記通電状態から、前記ヒータの断線および故障状況を検出する、
請求項1に記載のシリンダ。
【請求項5】
前記制御部は、検出された前記主配線の前記通電状態から、各ヒータの抵抗値、実測電流、実測電力、定格電流、定格電力、消費電力、各ヒータの寿命予測及び各ヒータの二酸化炭素発生量の少なくともいずれかを算出する、
請求項1に記載のシリンダ。
【請求項6】
一方向に並んで接続された複数のシリンダブロックの内部に形成された空洞内に配置されたスクリュをさらに備え、
前記制御部は、前記スクリュを回転させた状態で、各スイッチのオン及びオフを制御するとともに、前記検出部による前記通電状態の検出を制御する、
請求項1に記載のシリンダ。
【請求項7】
前記スクリュは、前記空洞内で材料を溶融及び混練により状態を変化させ、
前記制御部は、前記空洞内における前記材料の位置に基づいて、各スイッチのオン及びオフを制御するとともに、前記検出部による前記通電状態の検出を制御する、
請求項6に記載のシリンダ。
【請求項8】
前記スクリュは、前記空洞内で材料を溶融及び混練により状態を変化させ、
前記制御部は、前記空洞内における前記材料の量に基づいて、各スイッチのオン及びオフを制御するとともに、前記検出部による前記通電状態の検出を制御する、
請求項6に記載のシリンダ。
【請求項9】
複数の前記ヒータは、少なくとも第1ヒータ及び第2ヒータを含み、
複数の前記スイッチは、前記他端と前記第1ヒータとの間の前記通電をオン及びオフする第1スイッチ、並びに、前記他端と前記第2ヒータとの間の前記通電をオン及びオフする第2スイッチを含み、
前記制御部は、
前記第1スイッチをオンさせ、第1スイッチ以外の前記他端に接続された複数の前記スイッチをオフさせた状態で、前記検出部に前記主配線の前記通電状態を検出させた後で、
前記第2スイッチをオンさせ、第2スイッチ以外の前記他端に接続された複数の前記スイッチをオフさせた状態で、前記検出部に前記主配線の前記通電状態を検出させる、
請求項1に記載のシリンダ。
【請求項10】
一方向に並んで接続された複数のシリンダブロックの内部に形成された空洞内に配置されたスクリュをさらに備え、
前記第1ヒータ及び前記第2ヒータは、同じ前記シリンダブロックに配置された、
請求項9に記載のシリンダ。
【請求項11】
一方向に並んで接続された複数のシリンダブロックの内部に形成された空洞内に配置されたスクリュをさらに備え、
複数の前記シリンダブロックは、少なくとも第1シリンダブロック及び第2シリンダブロックを含み、
前記第1ヒータは、前記第1シリンダブロックに配置され、
前記第2ヒータは、前記第2シリンダブロックに配置された、
請求項9に記載のシリンダ。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載のシリンダを備えた、
押出機。
【請求項13】
請求項1~11のいずれか1項に記載のシリンダを備えた、
射出成形機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、シリンダ、押出機及び射出成形機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、シリンダを備えた押出機が記載されている。特許文献1の押出機は、複数のゾーンに分かれたシリンダにおける各ゾーンに設けられたヒータを用いて、各ゾーンの温度を個別に制御している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
押出機は、各シリンダにおけるヒータの通電状態を検出するために、例えば、断線警報器付きのソリッドステートリレー(Solid State Relay、以下、SSRと呼ぶ。)を用いる場合がある。押出機のコントローラは、各ヒータに接続されたSSRから信号を受信することにより、各ヒータが断線したか否かを診断する。ヒータの断線以外の状態を検出することにより、保全、エネルギー管理機能を向上させることが所望されている。
【0005】
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施の形態に係るシリンダは、複数のヒータと、一端及び他端を有する主配線であって、前記一端に電源が接続され、前記他端に複数の前記ヒータが並列に接続された前記主配線と、前記他端と各ヒータとの間に配置された複数のスイッチであって、各ヒータの通電をオン及びオフする複数の前記スイッチと、前記主配線の前記通電のオン及びオフを含む通電状態を検出する検出部と、複数の前記スイッチのオン及びオフを制御するとともに、前記検出部の前記通電状態の検出を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、複数の前記スイッチのうち、1つのスイッチをオンさせ、前記1つのスイッチ以外の前記他端に接続された複数の前記スイッチをオフさせた状態で、前記検出部に前記主配線の前記通電状態を検出させる。
【0007】
一実施の形態に係る押出機は、上記シリンダを備える。
【0008】
一実施の形態に係る射出成形機は、上記シリンダを備える。
【発明の効果】
【0009】
前記一実施の形態によれば、保全、エネルギー管理機能を向上させることができるシリンダ、押出機及び射出成形機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】比較例に係る押出機を例示した全体外形図である。
【
図2】比較例に係る押出機において、シリンダブロックの断面図であり、
図1のII-II線の断面を示す。
【
図3】比較例に係るシリンダにおいて、複数のヒータ、主配線、複数の検出部及び制御部を例示した構成図である。
【
図4】実施形態1に係るシリンダにおいて、複数のヒータ、主配線、複数のスイッチ、検出部及び制御部を例示した構成図である。
【
図5】実施形態1に係るシリンダの制御方法を例示したフローチャート図である。
【
図6】実施形態1の別の例に係るシリンダの制御方法を例示したフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。また、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0012】
実施形態に係るシリンダ及び押出機を説明する前に、比較例に係るシリンダ及び押出機を説明する。これにより、実施形態に係るシリンダ及び押出機の特徴を明確にする。
【0013】
(比較例)
図1は、比較例に係る押出機を例示した全体外形図である。
図2は、比較例に係る押出機において、シリンダブロックの断面図であり、
図1のII-II線の断面を示す。以下、二軸押出機を例に説明するが、押出機は、単軸押出機であってもよいし、射出成形機であっても同等な効果が得られる。
【0014】
図1及び
図2に示すように、押出機1は、シリンダ100を備えている。シリンダ100は、複数のシリンダブロック111~117、及び、複数のヒータ121~124を備えている。複数のシリンダブロック111~117を総称してシリンダブロック110と呼ぶ。複数のヒータ121~124を総称してヒータ120と呼ぶ。
【0015】
なお、
図1には、7個のシリンダブロック111~117が示されているが、シリンダブロック110の個数は、7個に限らない。シリンダ100は、例えば、上流側より供給・輸送ゾーン、溶融・混練ゾーン及び押出ゾーンを含んでもよい。各シリンダブロック110は、供給・輸送ゾーン、溶融・混練ゾーン及び押出ゾーンのいずれかに属してもよい。1つのゾーンに複数のシリンダブロック110が属してもよい。
【0016】
図2には、シリンダブロック112に配置された4個のヒータ121~124が示されているが、1個のシリンダブロック110に配置されるヒータ120の個数は、4個に限らない。ヒータ121~124は、同じシリンダブロック112に配置されてもよい。また、ヒータ121は、シリンダブロック111に配置され、ヒータ122は、シリンダブロック112に配置されるように、各ヒータ120は、それぞれ異なるシリンダブロック110に配置されてもよい。
【0017】
シリンダ100は、スクリュ130、駆動機131及びフィーダ132をさらに備えてもよい。なお、図面において、フィーダ132は簡略させて示している。スクリュ130は、一方向に並んで接続された複数のシリンダブロック110の内部に形成された空洞内に配置されている。つまり、シリンダ100は、複数のシリンダブロック110をフランジ及びタイバー等により接続して形成された円筒状の内部にスクリュ130を組み込んだ構成となっている。シリンダブロック110は、2本のスクリュ130を収納可能なように、2つの円弧が連通した断面形状のスクリュ収納部を有している。
【0018】
2本のスクリュ130は、互いに噛合うように収納されており、駆動機131にて同方向に回転駆動がなされる。スクリュ130は、二軸押出機1の上流側より供給・輸送ゾーン、溶融・混練ゾーン、押出ゾーンからなり、各目的によりゾーン毎にスクリュ構成が異なってもよい。
【0019】
フィーダ132は、シリンダ100の空洞内に材料133を供給する。材料133は、例えば、樹脂を含む。なお、材料133は、シリンダ100の空洞内で溶融及び混練等により状態が変化され、シリンダ100から押し出されるものであれば、樹脂を含むものに限らない。フィーダ132から供給された材料133は、スクリュ130の回転により、押出機1の上流側から下流側へ移動する。スクリュ130は、シリンダ100の空洞内で材料133を溶融及び混練等により状態が変化する。
【0020】
図3は、比較例に係るシリンダ100において、複数のヒータ120、主配線140、複数の検出部151~154及び制御部160を例示した構成図である。
図3に示すように、シリンダ100は、主配線140、複数の検出部151~154及び制御部160をさらに備えてもよい。
【0021】
主配線140は、一端141及び他端142を有する。主配線140の一端は、電源PSに接続されている。主配線140の他端は、複数のヒータ121~124に並列に接続されている。すなわち、各ヒータ121~124は、主配線140の他端に接続されている。
図3では、主配線140の他端142に4個のヒータ121~124が接続されているが、主配線140の他端142に複数のヒータ120が接続されれば、主配線140の他端142に接続されるヒータ120の個数は4個に限らない。
【0022】
複数の検出部151~154は、主配線140の他端142と、各ヒータ121~124と、の間に配置されている。複数の検出部151~154を総称して検出部150と呼ぶ。
図3では、4個の検出部151~154が示されているが、検出部150の個数は、4個に限らず、ヒータ120の個数に対応して決定されてもよい。
【0023】
各検出部151~154は、それぞれ、各ヒータ121~124の通電を検出する。例えば、各検出部151~154は、各ヒータ121~124の通電のオンまたはオフを検出することにより、各ヒータ121~124の断線を検出する。検出部150は、断線警報付きSSRでもよい。検出部150は、断線警報付きSSRを使用して、断線情報をビット信号で取り込んでもよい。
【0024】
制御部160は、検出された各ヒータ121~124の通電のオンまたはオフを各検出部151~154から受信する。
【0025】
比較例の押出機1において、制御部160は、シリンダ100における各ヒータ121~124の断線情報のみ取り込む。よって、制御部160は、ヒータ120の断線以外の状態を検出することができないので、保全、エネルギー管理機能を向上させることができない。また、比較例の押出機1は、各ヒータ121~124の通電のオンまたはオフを検出するために、各ヒータ121~124の個数に対応した複数の検出部150を必要とする。よって、製造コストを低減することができない。
【0026】
(実施形態1)
次に、実施形態1に係る押出機を説明する。
図1及び
図2に示したように、本実施形態の押出機2は、シリンダ200を備えている。すなわち、押出機2は、比較例の押出機1のシリンダ100の代わりに、シリンダ200を備えていること以外は、比較例と同様である。シリンダ200は、複数のシリンダブロック111~117、及び、複数のヒータ121~124に加えて、スクリュ130、駆動機131及びフィーダ132を備えてもよいことは、シリンダ100と同様である。
【0027】
図4は、実施形態1に係るシリンダ200において、複数のヒータ120、主配線140、複数のスイッチ171~174、検出部180及び制御部190を例示した構成図である。
図4に示すように、本実施形態のシリンダ200は、複数のヒータ120、主配線140、複数のスイッチ171~174、検出部180及び制御部190を備えている。
【0028】
主配線140の構成及び複数のヒータ120の構成は、比較例と同様である。すなわち、複数のヒータ120の通電経路は、主配線140を通過する。シリンダ200は、少なくともヒータ121及びヒータ122を含む複数のヒータ120を備えている。ヒータ121を第1ヒータと呼び、ヒータ122を第2ヒータと呼ぶ場合がある。また、シリンダ200のヒータ回路は、一端141及び他端142を有する主配線140であって、一端141に電源PSが接続され、他端142に複数のヒータ120が並列に接続された主配線140を備えている。
【0029】
本実施形態のシリンダ200では、比較例の複数の検出部151~154の代わりに、複数のスイッチ171~174が配置されている。複数のスイッチ171~174は、主配線140の他端142と、各ヒータ121~124と、の間に配置されている。複数のスイッチ171~174を総称してスイッチ170と呼ぶ。
図4では、4個のスイッチ171~174が示されているが、スイッチ170の個数は、4個に限らず、ヒータ120の個数に対応して決定されてもよい。スイッチ171を第1スイッチと呼び、スイッチ172を第2スイッチと呼ぶ場合がある。
【0030】
複数のスイッチ170は、例えば、スイッチ171~174を含んでいる。スイッチ171は、主配線140の他端142とヒータ121との間の通電をオン及びオフする。スイッチ172は、主配線140の他端142とヒータ122との間の通電をオン及びオフする。スイッチ173は、主配線140の他端142とヒータ123との間の通電をオン及びオフする。スイッチ174は、主配線140の他端142とヒータ124との間の通電をオン及びオフする。このように、複数のスイッチ170は、主配線140の他端142と各ヒータ120との間の通電をオン及びオフする。スイッチ170は、SSRをスイッチとして用いてもよい。また、スイッチ170は、電力調整器、SCR(Silicon Controlled Rectifier)及びサイリスタ等をスイッチとして用いてもよい。具体的には、スイッチ170は、通電をオン及びオフするものであって、位相や周波数サイクルによってオン及びオフするものでもよい。
【0031】
検出部180は、主配線140に配置されている。検出部180は、主配線140の通電のオン及びオフを含む通電状態を検出する。具体的には、検出部180は、主配線140の通電のオン及びオフを検出するだけでなく、主配線140を流れる電流値、電圧値及び電力値の少なくともいずれかを検出してもよい。検出部180は、電流計、電圧計及び電力計のいずれかでもよい。複数の検出部180が設けられてもよい。例えば、電源の方式を三相電源等にした場合に、複数の検出部180を設置してもよい。具体的には、単相の場合には、1個の検出部180を設置してもよい。3相の場合には、2個の検出部180を設置してもよい。
【0032】
制御部190は、スイッチ171~174のオン及びオフを含む各スイッチ170のオン及びオフを制御する。それとともに、制御部190は、検出部180の通電状態の検出を制御する。制御部190は、例えば、マイクロコンピュータ、PC(Personal Computer)、サーバ等の情報処理装置である。なお、制御部190は、各スイッチ170のオン及びオフを制御するとともに、検出部180の通電状態の検出を制御することができれば、PC等の情報処理装置に限らず、スマートフォン、タブレット等の携帯機器でもよい。
【0033】
制御部190は、複数のスイッチ171~174のうち、1つのスイッチ170をオンさせ、1つのスイッチ170以外の他端142に接続された複数のスイッチ170をオフさせた状態で、検出部180に主配線140の通電状態を検出させる。具体的には、制御部190は、ヒータ121の通電状態を検出するために、スイッチ171をオンさせ、スイッチ171以外の他端142に接続された複数のスイッチ170をオフさせた状態で、検出部180に主配線140の通電状態を検出させる。つまり、スイッチ171をオンさせ、スイッチ171以外のスイッチ172~174をオフさせることにより、主配線140からヒータ121に流れる電流等を検出する。
【0034】
また、制御部190は、ヒータ122の通電状態を検出するために、スイッチ172をオンさせ、スイッチ172以外の他端142に接続された複数のスイッチ170をオフさせた状態で、検出部180に主配線140の通電状態を検出させる。つまり、スイッチ172をオンさせ、スイッチ172以外のスイッチ171、173~174をオフさせることにより、主配線140からヒータ122に流れる電流等を検出する。
【0035】
このように、制御部190は、測定したいヒータ120に接続されたスイッチ170をオンさせる。そして、それ以外のヒータ120に接続されたスイッチ170をオフさせることにより、測定したいヒータ120の通電状態を検出することができる。制御部190は、ヒータ121の通電状態を検出させた後で、ヒータ122の通電状態を検出させる。また、制御部190は、ヒータ122の通電状態を検出させた後で、ヒータ123の通電状態を検出させる。このように、制御部190は、順次、各ヒータ120の通電状態を検出させてもよい。
【0036】
また、制御部190は、検出された主配線140の通電状態から、各ヒータ120の抵抗値、実測電流、実測電力、定格電流、定格電力、消費電力、各ヒータ120の寿命予測及び各ヒータ120の二酸化炭素発生量の少なくともいずれかを算出してもよい。
【0037】
制御部190は、主配線140の他端142に接続された複数のスイッチ171~174をオフさせた後で、1つのスイッチ171をオンさせ、スイッチ171以外の他端142に接続された複数のスイッチ170をオフさせた状態で、検出部180に主配線140の通電状態を検出させてもよい。
【0038】
また、制御部190は、主配線140の他端142に接続された複数のスイッチ171~174をオフさせた状態で、検出部180に主配線140の通電状態を検出させてもよい。この場合には、本来、電流値は0となるはずである。しかしながら、0以外の電流値を検出した場合には、制御部190は、シリンダ200における短絡故障の発生を検出することができる。このように、制御部190は、検出された主配線140の通電状態から、ヒータ120の断線および故障状況を検出してもよい。
【0039】
制御部190は、スクリュ130を回転させた状態で、各スイッチ170のオン及びオフを制御する。それとともに、制御部190は、検出部180による主配線140の通電状態の検出を制御する。各スイッチ170のオン及びオフにより、数秒間ほど全体のヒータ120の制御が止まってしまうが、300秒に1ゾーンずつなど、順繰りで停止及び計測を行うことで、押出機2の運転中もオンラインで計測を可能とする。
【0040】
制御部190は、シリンダ200の空洞内における材料133の位置に基づいて、各スイッチ170のオン及びオフを制御するとともに、検出部180による主配線140の通電状態の検出を制御してもよい。例えば、空洞内に材料133が位置するシリンダブロック110のヒータ120のスイッチ170をオンすることにより、主配線140の通電状態を検出してもよい。これにより、シリンダ200内の材料133に与える影響を抑制することができる。
【0041】
また、逆に、空洞内に材料133が位置しないシリンダブロック110のヒータ120のスイッチ170をオンすることにより、主配線140の通電状態を検出してもよい。これによっても、シリンダ200内の材料133に与える影響を抑制することができる。
【0042】
また、制御部190は、シリンダ200の空洞内における材料133の量に基づいて、各スイッチ170のオン及びオフを制御するとともに、検出部180による主配線140の通電状態の検出を制御する。例えば、空洞内における材料133の量が所定の閾値よりも大きい場合に、各スイッチ170のオン及びオフを制御するとともに、検出部180による主配線140の通電状態の検出を制御してもよい。これにより、シリンダ200内の材料133に与える影響を抑制することができる。
【0043】
また、逆に、空洞内における材料133の量が所定の閾値以下の場合に、各スイッチ170のオン及びオフを制御するとともに、検出部180による主配線140の通電状態の検出を制御してもよい。これによっても、シリンダ200内の材料133に与える影響を抑制することができる。
【0044】
さらに、材料133が位置するシリンダブロック110における材料133の量に基づいて、シリンダブロック110のヒータ120のスイッチ170をオンすることにより、主配線140の通電状態を検出してもよい。これによっても、シリンダ200内の材料133に与える影響を抑制することができる。
【0045】
次に、押出機2及びシリンダ200の制御方法を説明する。
図5は、実施形態1に係るシリンダ200の制御方法を例示したフローチャート図である。
図5のステップS11aに示すように、複数のスイッチ170のうち、選択された1つのスイッチ170をオンさせ、それ以外の他端142に接続された複数のスイッチ170をオフさせる。ステップS11aを、スイッチオンステップと呼ぶ。例えば、スイッチ171をオンさせ、スイッチ171以外の複数のスイッチ172~174をオフさせる。
【0046】
次に、ステップS11bに示すように、ステップS11aの状態で、検出部180に主配線140の通電状態を検出させる。ステップS11bを検出ステップと呼ぶ。
【0047】
次に、ステップS11cに示すように、他のヒータ120に接続されたスイッチ170についてもスイッチオンステップ及び検出ステップを行うか判断する。ステップS11cにおいて、他のヒータ120についても行う場合(ステップS11cのYes)には、ステップS11aに戻り、ステップS11a~S11cを繰り返す。
【0048】
例えば、上記のように、スイッチ171についてのスイッチオンステップ及び検出ステップを行った場合には、スイッチ172についてのスイッチオンステップ及び検出ステップを行う。スイッチ171をオンさせ、スイッチ171以外のスイッチ172~174をオフさせるスイッチオンステップを第1スイッチオンステップと呼び、第1スイッチオンステップの後で、検出部180に主配線140の通電状態を検出させる検出ステップを第1検出ステップと呼ぶ。スイッチ172をオンさせ、スイッチ172以外のスイッチ171、173及び174をオフさせるスイッチオンステップを第2スイッチオンステップと呼び、第2スイッチオンステップの後で、検出部180に主配線140の通電状態を検出させる検出ステップを第2検出ステップと呼ぶ。このように、各スイッチ170についてのスイッチオンステップ及び検出ステップを繰り返してもよい。
【0049】
一方、ステップS11cにおいて、他のヒータ120について、スイッチオンステップ及び検出ステップを行わない場合(ステップS11cのNo)には、処理を終了する。
【0050】
このように、本実施形態のシリンダ200の制御方法は、シリンダブロック110のゾーン数に関わらずに、主配線140の所定の1箇所に配置された電流計等で通電状態の取り込みを行う。ただし、そのままでは、主配線140に接続された全てのヒータ120の電流等を測定してしまうので、制御部190の制御により、1つのヒータ120のみ電流を流し、それ以外のヒータ120をオフにする。よって、各ヒータ120の通電状態を取得することができるので、各ヒータ120の断線を検出することができる。また、断線以外の電流、電圧及び電力等の通電状態を検出することができるので、保全、エネルギー管理機能を向上させることができる。また、主配線140の電流等のみを測定すればよいので、検出機能を構成するための部品コストを低減させることができる。
【0051】
ステップS11a~ステップS11c等の後で、ステップS11bにおいて検出された各ヒータ120の通電状態から、各ヒータ120の消費電力、各ヒータ120の寿命予測及び各ヒータ120の二酸化炭素発生量の少なくともいずれかを算出するステップを備えてもよい。これにより、各ヒータ120の消費電力、寿命予測及び二酸化炭素発生量を算出することができる。制御部190は、これらを自動算出することができる。例えば、消費電力は、制御出力(%)×電力(定格または測定値)から算出することができる。
【0052】
さらに、主配線140から検出された電流から電力量(kW)を推定して、消費電力などのエネルギー管理及び電気代管理にも活用できる。このことは、SDGs等に対応し、今後の需要を増加させることができる。押出機2におけるシリンダブロック110の組み換え等により、各ゾーンの電力量は変化する。本実施形態の制御方法は、このようなシリンダブロック110の組み換え等にも低コストで対応させることができる。
【0053】
また、同じシリンダブロック110に配置された各ヒータ120の通電状態を検出することにより、シリンダブロック110毎のエネルギー管理及び電気代管理等を行うことができる。一方、異なるシリンダブロック110に配置された各ヒータ120の通電状態を比較することにより、シリンダブロック110間のエネルギー及び電気代等の相違を検出することができる。
【0054】
また、本実施形態の制御方法は、材料133をスクリュ130で回転させ、材料133を溶融及び混練等により状態を変化させる運転中に行われてもよい。すなわち、スクリュ130を回転させた状態で、各スイッチ170のオン及びオフを制御してもよい。例えば、300秒以下、または、300~600秒等の周期で1ゾーンずつ順繰りに測定してもよい。各スイッチ170のオフ期間を短時間とすることができるので、押出機2の運転に対する影響を抑制することができる。
【0055】
図6は、実施形態1の別の例に係るシリンダ200の制御方法を例示したフローチャート図である。
図6のステップS10aに示すように、まず、主配線140の他端142に接続された全てのスイッチ170をオフさせる。ステップS10aをスイッチオフステップと呼ぶ。
【0056】
次に、ステップS10bに示すように、ステップS10aの状態で、検出部180に主配線140の通電状態を検出させる。ステップS10bを検出ステップと呼ぶ。
【0057】
本実施形態では、全てのスイッチ170をオフさせた状態で、検出部180に主配線140の通電状態を検出させるので、押出機2の故障診断を実施することができる。具体的には、全てのヒータ120を停止させて電流を測定すると、本来、0アンペアとなる。しかし、検出部180が数アンペアでも検出した場合には、ヒータ120等を含む押出機2に短絡故障が発生していることを検出することができる。
【0058】
ステップS10a及びステップS10bの後に、
図5で示したステップS11a~ステップS11cを実行してもよい。これにより、他端142に接続された複数のヒータ120が正常であることを確認した後、各ヒータ120の通電状態を検出することができる。また、ステップS10aのスイッチオフステップの後に、
図5で示したステップS11a~ステップS11cを実行してもよい。これにより、他端142に接続された複数のヒータ120を全てオフさせ、リセットさせた後に、各ヒータ120の通電状態を検出することができる。
【0059】
以上説明したように、本実施形態のシリンダ200及び押出機2は、少なくとも以下の効果を有している。(1)少ない設備で安価に、各ヒータ120電流値を測定することができる。(2)各ヒータ120の断線故障の検出を行うことができる。(3)短絡故障の検出を行うことができる。(4)各ヒータ120の制御出力、測定値及び定格値の少なくともいずれかから各ヒータ120の消費電力を計算することができる。よって、各ゾーンそれぞれの消費電力を計算することができる。(5)電気代を計算することができる。(6)二酸化炭素発生量を計算することができる。
【0060】
また、本実施形態のシリンダは、検出部180を主配線140にのみ配置させる。したがって、比較例のような断線警報機付きSSR等の検出部150を各ヒータ120に配置しなくてもよいので、製造コストを低減することができる。
【0061】
なお、本開示は、上記実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0062】
実施形態1及び比較例の各構成を組み合わせたものも、本実施形態の技術的思想の範囲に含まれる。また、シリンダ200の制御方法をコンピュータに実行させる制御プログラムも、本実施形態の技術的思想の範囲に含まれる。
【0063】
本実施形態の制御部190は、上述したように、PC、サーバ等の情報処理装置でもよい。情報処理装置は、プロセッサ、メモリ及び記憶装置を備えてもよい。記憶装置は、制御部190の各構成が行う処理をプログラムにして記憶してもよい。また、プロセッサは、記憶装置からプログラムをメモリへ読み込ませ、当該プログラムを実行してもよい。これにより、プロセッサは、制御部190における各機能を実現する。情報処理装置は、制御方法に対応するプログラムを、メモリ及び記憶装置を参照しながらプロセッサが実行することによって、制御部190の機能を実現してもよい。
【0064】
制御部190が有する各構成は、それぞれが専用のハードウェアで実現されてもよい。また、各構成要素の一部又は全部は、汎用または専用の回路(Circuitry)、プロセッサ等やこれらの組合せによって実現されてもよい。これらは、単一のチップによって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。各構成要素の一部又は全部は、上述した回路等とプログラムとの組合せによって実現されてもよい。また、プロセッサPRCとして、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field-programmable Gate Array)、量子プロセッサ(量子コンピュータ制御チップ)等を用いることができる。
【0065】
また、制御部190の各構成要素の一部または全部が複数の情報処理装置や回路等により実現される場合には、複数の情報処理装置や回路等は、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。例えば、情報処理装置や回路等は、クライアントサーバシステム、クラウドコンピューティングシステム等により、各々が通信ネットワークを介して接続される形態として実現されてもよい。また、制御部190の機能がSaaS(Software as a Service)形式で提供されてもよい。
【0066】
プログラムは、コンピュータを含む制御部190等に読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0067】
以下に示すシリンダの制御方法、押出機の制御方法、射出成形機の制御方法、シリンダの制御プログラム、押出機の制御プログラム及び射出成形機の制御プログラムも本実施形態の技術的思想の範囲に含まれる。
【0068】
(付記1)
複数のヒータと、
一端及び他端を有する主配線であって、前記一端に電源が接続され、前記他端に複数の前記ヒータが並列に接続された前記主配線と、
前記他端と各ヒータとの間に配置された複数のスイッチであって、各ヒータの通電をオン及びオフする複数の前記スイッチと、
前記主配線の前記通電のオン及びオフを含む通電状態を検出する検出部と、
複数の前記スイッチのオン及びオフを制御するとともに、前記検出部の前記通電状態の検出を制御する制御部と、
を備えたシリンダの制御方法であって、
複数の前記スイッチのうち、1つのスイッチをオンさせ、前記1つのスイッチ以外の前記他端に接続された複数の前記スイッチをオフさせるスイッチオンステップと、
前記1つのスイッチ以外の前記他端に接続された複数の前記スイッチをオフさせた状態で、前記検出部に前記主配線の前記通電状態を検出させる検出ステップと、
を備えたシリンダの制御方法。
(付記2)
前記他端に接続された複数の前記スイッチをオフさせるスイッチオフステップと、
をさらに備え、
前記スイッチオフステップの後に、前記スイッチオンステップを実行させる、
付記1に記載のシリンダの制御方法。
(付記3)
前記他端に接続された複数の前記スイッチをオフさせるスイッチオフステップと、
前記他端に接続された複数の前記スイッチをオフさせた状態で、前記検出部に前記主配線の前記通電状態を検出させる検出ステップと、
をさらに備えた、
付記1に記載のシリンダの制御方法。
(付記4)
検出された前記主配線の前記通電状態から、前記ヒータの断線および故障状況を検出するステップをさらに備えた、
付記1に記載のシリンダの制御方法。
(付記5)
検出された前記主配線の前記通電状態から、各ヒータの消費電力、各ヒータの抵抗値、実測電流、実測電力、定格電流、定格電力、寿命予測及び各ヒータの二酸化炭素発生量の少なくともいずれかを算出する算出ステップをさらに備えた、
付記1に記載のシリンダの制御方法。
(付記6)
前記シリンダは、一方向に並んだ接続された複数のシリンダブロックの内部に形成された空洞内に配置されたスクリュをさらに備え、
前記スクリュを回転させた状態で、前記スイッチオンステップ、及び、前記検出ステップを実行させる、
付記1に記載のシリンダの制御方法。
(付記7)
前記スクリュは、前記空洞内で材料を溶融及び混練により状態を変化させ、
前記空洞内における前記材料の位置に基づいて、前記スイッチオンステップ、及び、前記検出ステップを実行させる、
付記6に記載のシリンダの制御方法。
(付記8)
前記スクリュは、前記空洞内で材料を溶融及び混練により状態を変化させ、
前記空洞内における前記材料の量に基づいて、前記スイッチオンステップ、及び、前記検出ステップを実行させる、
付記6に記載のシリンダの制御方法。
(付記9)
複数の前記ヒータは、少なくとも第1ヒータ及び第2ヒータを含み、
複数の前記スイッチは、前記他端と前記第1ヒータとの間の前記通電をオン及びオフする第1スイッチ、並びに、前記他端と前記第2ヒータとの間の前記通電をオン及びオフする第2スイッチを含み、
前記スイッチオンステップは、
前記第1スイッチをオンさせ、第1スイッチ以外の前記他端に接続された複数の前記スイッチをオフさせる第1スイッチオンステップと、
前記第2スイッチをオンさせ、第2スイッチ以外の前記他端に接続された複数の前記スイッチをオフさせる第2スイッチオンステップと、
を含み、
前記検出ステップは、
前記第1スイッチオンステップの後で、前記検出部に前記主配線の前記通電状態を検出させる第1検出ステップと、
前記第2スイッチオンステップの後で、前記検出部に前記主配線の前記通電状態を検出させる第2検出ステップと、
を含む、
付記1に記載のシリンダの制御方法。
(付記10)
前記シリンダは、一方向に並んだ接続された複数のシリンダブロックの内部に形成された空洞内に配置されたスクリュをさらに備え、
前記第1ヒータ及び前記第2ヒータは、同じ前記シリンダブロックに配置された、
付記9に記載のシリンダの制御方法。
(付記11)
前記シリンダは、一方向に並んだ接続された複数のシリンダブロックの内部に形成された空洞内に配置されたスクリュをさらに備え、
複数の前記シリンダブロックは、少なくとも第1シリンダブロック及び第2シリンダブロックを含み、
前記第1ヒータは、前記第1シリンダブロックに配置され、
前記第2ヒータは、前記第2シリンダブロックに配置された、
付記9に記載のシリンダの制御方法。
(付記12)
付記1~11のいずれか1項に記載のシリンダの制御方法を備えた押出機の制御方法。
(付記13)
付記1~11のいずれか1項に記載のシリンダの制御方法を備えた射出成形機の制御方法。
(付記14)
複数のヒータと、
一端及び他端を有する主配線であって、前記一端に電源が接続され、前記他端に複数の前記ヒータが並列に接続された前記主配線と、
前記他端と各ヒータとの間に配置された複数のスイッチであって、各ヒータの通電をオン及びオフする複数の前記スイッチと、
前記主配線の前記通電のオン及びオフを含む通電状態を検出する検出部と、
複数の前記スイッチのオン及びオフを制御するとともに、前記検出部の前記通電状態の検出を制御する制御部と、
を備えたシリンダの制御方法であって、
複数の前記スイッチのうち、1つのスイッチをオンさせ、前記1つのスイッチ以外の前記他端に接続された複数の前記スイッチをオフさせるスイッチオンステップと、
前記1つのスイッチ以外の前記他端に接続された複数の前記スイッチをオフさせた状態で、前記検出部に前記主配線の前記通電状態を検出させる検出ステップと、
をコンピュータに実行させるシリンダの制御プログラム。
(付記15)
前記他端に接続された複数の前記スイッチをオフさせるスイッチオフステップと、
をさらに備え、
前記スイッチオフステップの後に、前記スイッチオンステップを実行させる、
ことをコンピュータに実行させる付記14に記載のシリンダの制御プログラム。
(付記16)
前記他端に接続された複数の前記スイッチをオフさせるスイッチオフステップと、
前記他端に接続された複数の前記スイッチをオフさせた状態で、前記検出部に前記主配線の前記通電状態を検出させる検出ステップと、
をさらにコンピュータに実行させる付記14に記載のシリンダの制御プログラム。
(付記17)
検出された前記主配線の前記通電状態から、前記ヒータの断線および故障状況を検出するステップをさらに備えた、
付記14に記載のシリンダの制御プログラム。
(付記18)
検出された前記主配線の前記通電状態から、各ヒータの消費電力、各ヒータの寿命予測及び各ヒータの二酸化炭素発生量の少なくともいずれかを算出する算出ステップをさらにコンピュータに実行させる付記14に記載のシリンダの制御プログラム。
(付記19)
前記シリンダは、一方向に並んだ接続された複数のシリンダブロックの内部に形成された空洞内に配置されたスクリュをさらに備え、
前記スクリュを回転させた状態で、前記スイッチオンステップ、及び、前記検出ステップを実行させる、
コンピュータに実行させる付記14に記載のシリンダの制御プログラム。
(付記20)
前記スクリュは、前記空洞内で材料を溶融及び混練により状態を変化させ、
前記空洞内における前記材料の位置に基づいて、前記スイッチオンステップ、及び、前記検出ステップを実行させる、
コンピュータに実行させる付記19に記載のシリンダの制御プログラム。
(付記21)
前記スクリュは、前記空洞内で材料を溶融及び混練により状態を変化させ、
前記空洞内における前記材料の量に基づいて、前記スイッチオンステップ、及び、前記検出ステップを実行させる、
コンピュータに実行させる付記19に記載のシリンダの制御プログラム。
(付記22)
複数の前記ヒータは、少なくとも第1ヒータ及び第2ヒータを含み、
複数の前記スイッチは、前記他端と前記第1ヒータとの間の前記通電をオン及びオフする第1スイッチ、並びに、前記他端と前記第2ヒータとの間の前記通電をオン及びオフする第2スイッチを含み、
前記スイッチオンステップは、
前記第1スイッチをオンさせ、第1スイッチ以外の前記他端に接続された複数の前記スイッチをオフさせる第1スイッチオンステップと、
前記第2スイッチをオンさせ、第2スイッチ以外の前記他端に接続された複数の前記スイッチをオフさせる第2スイッチオンステップと、
を含み、
前記検出ステップは、
前記第1スイッチオンステップの後で、前記検出部に前記主配線の前記通電状態を検出させる第1検出ステップと、
前記第2スイッチオンステップの後で、前記検出部に前記主配線の前記通電状態を検出させる第2検出ステップと、
を含む、
付記14に記載のシリンダの制御プログラム。
(付記23)
前記シリンダは、一方向に並んだ接続された複数のシリンダブロックの内部に形成された空洞内に配置されたスクリュをさらに備え、
前記第1ヒータ及び前記第2ヒータは、同じ前記シリンダブロックに配置された、
付記22に記載のシリンダの制御プログラム。
(付記24)
前記シリンダは、一方向に並んだ接続された複数のシリンダブロックの内部に形成された空洞内に配置されたスクリュをさらに備え、
複数の前記シリンダブロックは、少なくとも第1シリンダブロック及び第2シリンダブロックを含み、
前記第1ヒータは、前記第1シリンダブロックに配置され、
前記第2ヒータは、前記第2シリンダブロックに配置された、
付記22に記載のシリンダの制御プログラム。
(付記25)
付記14~24のいずれか1項に記載のシリンダの制御プログラムを備えた押出機の制御プログラム。
(付記26)
付記14~24のいずれか1項に記載のシリンダの制御プログラムを備えた射出成形機の制御プログラム。
【符号の説明】
【0069】
1、2 押出機
100、200 シリンダ
110、111、112、113、114、115、116、117 シリンダブロック
120、121、122、123、124 ヒータ
130 スクリュ
131 駆動機
132 フィーダ
133 材料
140 主配線
141 一端
142 他端
150、151、152、153、154 検出部
160 制御部
170、171、172、173、174 スイッチ
180 検出部
190 制御部
PS 電源