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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135549
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21V 31/00 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
F21V31/00 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023046298
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】石井 慎二
(72)【発明者】
【氏名】鶴留 和幸
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014NA01
(57)【要約】
【課題】器具本体の内部に水が浸入する事態を抑制することができる、照明器具を提供する。
【解決手段】照明器具は、外殻を形成する器具本体と、器具本体の内部に格納された機能部品と、を備えている。器具本体には、機能部品の一部を外部に露出させる孔部が形成され、孔部に取り付けられて孔部の開口を塞ぐ密閉部材が設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外殻を形成する器具本体と、
前記器具本体の内部に格納された機能部品と、を備え、
前記器具本体には、
前記機能部品の一部を外部に露出させる孔部が形成され、
前記孔部に取り付けられて前記孔部の開口を塞ぐ密閉部材が設けられている、照明器具。
【請求項2】
前記孔部は、開口縁に沿って外部へ突き出す突出部を有しており、
前記密閉部材は、前記突出部に取り付けられて前記孔部の開口を塞ぐものである、請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記密閉部材は、外周面に前記孔部の開口縁及び前記突出部が嵌め込まれる嵌込部が形成されている、請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記密閉部材は、凹形状とされており、外周面に前記嵌込部が形成されている、請求項3に記載の照明器具。
【請求項5】
前記密閉部材は、
凹形状の溝部を形成すると共に、前記孔部に挿入される挿入部と、
前記溝部の開口縁である前記挿入部の一端側から径方向に向かって外方に突き出し、前記器具本体の内側から前記孔部の開口縁と対向する内側片と、
前記溝部の底面である前記挿入部の他端側から径方向に向かって外方に突き出し、前記器具本体の外側から前記突出部の先端面と対向する外側片と、
前記外側片の先端部から屈曲して前記内側片へ向かって突き出し、前記器具本体の外側から前記突出部及び前記孔部の開口縁と対向する折曲部と、を有しており、
前記嵌込部は、前記挿入部、前記内側片、前記外側片及び前記折曲部で囲まれた空間である、請求項3又は4に記載の照明器具。
【請求項6】
前記内側片は、前記器具本体の一部である前記孔部の開口縁と面接触し、
前記外側片は、前記突出部の先端面と線接触している、請求項5に記載の照明器具。
【請求項7】
前記孔部は、複数形成されており、
前記密閉部材は、前記孔部の個数に合わせて、前記挿入部、前記内側片、前記外側片及び前記折曲部を複数有している、請求項5に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、天井などの被取付部に取り付けられる照明器具が知られている。例えば、特許文献1に開示された照明器具は、円筒形状から成る器具本体の内部に回路ユニットが収容された構成である。回路ユニットは、モニタランプと点検スイッチを有している。器具本体は、円筒形状の一端側が開口しており、該開口を閉塞する枠部が取り付けられている。枠部には、モニタランプと点検スイッチを露出させるためのモニタランプ窓及び点検スイッチ窓が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-2916号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された照明器具を湿度の高い空間、又は雨などの水が浸入する懸念のある屋外若しくは軒下に設置する場合、例えば枠部に形成されたモニタランプ窓及び点検スイッチ窓から水が浸入するおそれがある。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、器具本体の内部に水が浸入する事態を抑制することができる、照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る照明器具は、外殻を形成する器具本体と、前記器具本体の内部に格納された機能部品と、を備え、前記器具本体には、前記機能部品の一部を外部に露出させる孔部が形成され、前記孔部に取り付けられて前記孔部の開口を塞ぐ密閉部材が設けられているものである。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、器具本体には、機能部品の一部を外部に露出させる孔部が形成され、孔部に取り付けられて孔部の開口を塞ぐ密閉部材が設けられている。よって、器具本体の内部に水が浸入する事態を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態に係る照明器具を照射側から示した斜視図である。
図2】実施の形態に係る照明器具を分解して示した斜視図である。
図3】実施の形態に係る照明器具の照射側を示した拡大図である。
図4】実施の形態に係る照明器具を示した正面図である。
図5】実施の形態に係る照明器具の回路ユニットを示した斜視図である。
図6】実施の形態に係る照明器具の蓄電池ユニットを示した説明図である。
図7】実施の形態に係る照明器具の光源ユニットを示した斜視図である。
図8】実施の形態に係る照明器具の光源ユニットの光源を示した斜視図である。
図9】実施の形態に係る照明器具の密閉部材を示した説明図である。
図10】実施の形態に係る照明器具であって、孔部に密閉部材を嵌め込んだ状態を模式的に示した説明図である。
図11】実施の形態に係る照明器具の変形例1であって、孔部に密閉部材を嵌め込んだ状態を模式的に示した説明図である。
図12】実施の形態に係る照明器具の変形例2であって、器具本体を示した斜視図である。
図13図12に示した変形例2の照明器具に用いられる密閉部材を示した平面図である。
図14】実施の形態に係る照明器具の変形例3であって、器具本体を示した斜視図である。
図15図14に示した変形例3の照明器具に用いられる密閉部材を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本開示の実施の形態について説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付して、その説明を適宜省略又は簡略化する。また、各図に記載の構成について、その形状、大きさ、及び配置等は、適宜変更することができる。また、明細書の全文において、天井側を「上側」とし、床面側を「下側」としている。また、図面において、上下方向をZ、上方向をZ1、下方をZ2としている。
【0010】
実施の形態.
図1は、実施の形態に係る照明器具100を照射側から示した斜視図である。図2は、実施の形態に係る照明器具100を分解して示した斜視図である。図3は、実施の形態に係る照明器具100の照射側を示した拡大図である。図4は、実施の形態に係る照明器具100を示した正面図である。図5は、実施の形態に係る照明器具100の回路ユニット2を示した斜視図である。図6は、実施の形態に係る照明器具100の蓄電池ユニット3を示した説明図である。図6(A)は正面図、図6(B)は左側面図、図6(C)は右側面図、図6(D)は平面図、図6(E)は底面図である。図7は、実施の形態に係る照明器具100の光源ユニット4を示した斜視図である。図8は、実施の形態に係る照明器具100の光源ユニット4の光源40を示した斜視図である。図9は、実施の形態に係る照明器具100の密閉部材5を示した説明図である。図9(A)は斜視図、図9(B)は平面図、図9(C)は(B)に示したC-C矢視断面図である。図10は、実施の形態に係る照明器具100であって、孔部111に密閉部材5を嵌め込んだ状態を模式的に示した説明図である。
【0011】
本実施の形態に係る照明器具100は、図1に示すように、例えば、天井などの被取付部にねじなどの締結具で取り付けられ、照明空間に光を照射する非常用照明器具である。ここで、照明器具100は、被取付部に締結具で取り付けられると説明したが、被取付部に取り付けられればよく、被取付部に設けられた埋込穴に挿入され、ばねなどの固定具で固定されていてもよい。
【0012】
(照明器具100)
本実施の形態に係る照明器具100は、図1及び図2に示すように、器具本体1と、回路ユニット2と、蓄電池ユニット3と、光源ユニット4と、を有するものである。
【0013】
(器具本体1)
器具本体1は、図1図4に示すように、本体部10と、枠部11と、を有する。器具本体1は、外郭を形成するものであり、図2に示すように、内部に回路ユニット2と、蓄電池ユニット3と、が格納されるものである。本体部10は、円筒状とされ、両端面に開口を有している。本体部10の内部には、回路ユニット2と、蓄電池ユニット3とが格納される。なお、本体部10は、図示した円筒状に限定されず、角筒状でもよいし、その他の形状でもよい。
【0014】
枠部11は、板状とされ、本体部10の一端側(図示例では下側)の開口を塞ぐように設けられている。枠部11には、光源ユニット4の一部を露出させる光源孔110と、機能部品である回路ユニット2の一部を外部に露出させる孔部111と、が形成されている。孔部111は、一例として3つのモニタランプ孔112と、1つの信号受信孔113で構成されている。3つのモニタランプ孔112と、1つの信号受信孔113は、それぞれ独立して形成されている。なお、モニタランプ孔112及び信号受信孔113は、図示した個数、大きさ及び形状に限定されず、その他の構成でもよい。また、孔部111は、モニタランプ孔112と信号受信孔113を露出させる構成に限定されず、その他の機能を露出させるものであってもよい。
【0015】
回路ユニット2は、器具本体1の内部に蓄電池ユニット3と並んで配置される。回路ユニット2は、図2及び図5に示すように、ケース20の内部に、図示省略の電流変換部と、充電回路部と、点灯回路部と、を有している。電流変換部は、図示省略の外部電源から供給される交流電流を直流電流に変換して光源ユニット4に提供するものである。充電回路部は、電流変換部から供給された電力によって供給される直流電流によって動作し、接続された蓄電池ユニット3を充電させるものである。点灯回路部は、蓄電池ユニット3から供給された電力を光源ユニット4に供給するものである。また、回路ユニット2は、ケース20の外面に、点検スイッチ21と、モニタランプ22と、信号受信部23と、を有している。
【0016】
点検スイッチ21は、回路ユニット2が器具本体1に格納された状態において、器具本体1の枠部11側へ突出するように設けられた押しボタンである。点検スイッチ21を押すことで、蓄電池ユニット3の状態の点検が開始される。
【0017】
モニタランプ22は、回路ユニット2が器具本体1に格納された状態において、器具本体1の枠部11に対向させて設けられたランプである。モニタランプ22は、色が異なる3種類のランプが設けられており、点検によって得られた蓄電池ユニット3の状態に応じて点灯するランプが変化するものである。モニタランプ22は、枠部11のモニタランプ孔112と対向するように配置される。なお、モニタランプ22は、図示した3つに限定されず、1つ以上あればよい。
【0018】
信号受信部23は、回路ユニット2が器具本体1に格納された状態において、器具本体1の枠部11に対向させて設けられたセンサーである。信号受信部23は、図示しないリモートコントローラなどによって送信される蓄電池ユニット3の点検を実施させる信号を受信する。信号受信部23は、枠部11の信号受信孔113と対向するように配置される。
【0019】
蓄電池ユニット3は、外部電源から供給された電力を充電し、外部電源が停電などで回路ユニット2に供給されない場合に、光源ユニット4に電力を供給するものである。蓄電池ユニット3は、図2及び図6に示すように、蓄電池30と、蓄電池ケース31と、を有している。蓄電池ユニット3は、照明器具100の内部に回路ユニット2と並ぶように格納され、回路ユニット2に取り付けられる。
【0020】
蓄電池30は、ニッケル水素電池である。蓄電池30は、円筒状に形成された蓄電池セルが複数個接続されたものである。蓄電池30は、ニッケル水素電池に限らず、二次電池であればよく、ニッケルカドニウム電池またはリチウムイオン電池でもよい。
【0021】
蓄電池ケース31は、箱状に形成されており、内部に蓄電池30を格納するものである。蓄電池ケース31は、プラスチックで形成されており、例えば、ポリカーボネート、ポリカーボネート+ABS樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンが用いられる。
【0022】
光源ユニット4は、回路ユニット2から電力を供給され光を出射するものである。光源ユニット4は、図2図7及び図8に示すように、光源40と、光学制御部材41と、放熱板42と、熱伝導シート(図示省略)と、ホルダ43と、を有するものである。
【0023】
光源40は、図8に示すように、1個または複数個のLED40aと、LED40aが実装される光源基板40bと、を有している。なお、光源40は、LED40aを有する構成に限定されず、他の発光素子を有する構成でもよい。
【0024】
光学制御部材41は、光源40から出射される光を所望の方向に制御するものである。光学制御部材41は、光源40を覆うように設けられ、器具本体1の内部から枠部11の光源孔110を介して器具本体1の外側へ突出するように配置される。照明器具100を非常用照明器具とする場合は、外郭を不燃材料とする必要がある。そのため、光学制御部材41は、ガラスなどの不燃材料で形成されることが望ましい。光学制御部材41は、アクリル樹脂またはポリカーボネートといった樹脂材料で形成される場合に、光学制御部材41の外側にガラスカバーなどの不燃材を設ける必要がある。
【0025】
放熱板42は、光源40から発生する熱を放熱するものである。放熱板42は、光源基板40bのLED40aが実装されている面と反対側の面に接する。放熱板42は、アルミニウム合金のように熱伝導率の高い金属によって形成されることが望ましい。
【0026】
熱伝導シートは、光源40より発生する熱を放熱板42に伝えるために使用されるものである。熱伝導シートは、シリコン系材料又はアクリル形成材料によって形成され、光源基板40bと放熱板42の間に挟まれる。熱伝導シートは、互いに金属性である光源基板40bと放熱板42とが直接接触して熱的に接続することによる接触面における熱接触抵抗を抑制する。
【0027】
ホルダ43は、LED40aを露出させる開口を有し、光学制御部材41がLED40aを覆うように光学制御部材41を取り付けるものである。
【0028】
ところで、照明器具100は、湿度の高い空間、又は雨などの水が浸入する懸念のある屋外若しくは軒下に設置する場合、例えば枠部11に形成されたモニタランプ孔112及び信号受信孔113から器具本体1の内部に水が浸入して故障の原因となるおそれがある。そこで、図3図9及び図10に示すように、本実施の形態に係る照明器具100の枠部11には、孔部111である各モニタランプ孔112の開口縁に沿って器具本体1の外部へ向かって突き出す突出部112aがそれぞれ設けられている。また、枠部11には、孔部111である信号受信孔113の開口縁に沿って器具本体1の外部へ突き出す突出部113aが設けられている。突出部112a及び突出部113aは、図示のように枠部11に対して直交する方向に設けてもよいし、直交する方向以外の角度に傾斜させて設けてもよい。そして、枠部11には、突出部112a及び113aに取り付けられてモニタランプ孔112及び信号受信孔113の開口を塞ぐ密閉部材5が設けられている。
【0029】
密閉部材5は、モニタランプ孔112及び信号受信孔113をそれぞれ密封して、枠部11から器具本体1の内部への水の浸入を抑制するために設けられている。モニタランプ孔112を密閉する密閉部材5と、信号受信孔113を密閉する密閉部材5とは、同一の構造であるため、図10においてモニタランプ孔112に取り付けた状態について説明し、信号受信孔113に取り付けた状態については適宜説明を省略する。なお、モニタランプ孔112と信号受信孔113の大きさが異なる場合には、密閉部材5の大きさも異なるものである。
【0030】
密閉部材5は、図9及び図10に示すように、凹形状とされている。密閉部材5は、透光性を有しており、弾性を有する材料で形成されている。密閉部材5は、凹形状とすることで薄肉にすることが可能となり、透光性を向上させることができる。密閉部材5の外周面には、枠部11の一部であるモニタランプ孔112の開口縁と共に突出部112aが嵌め込まれる溝状の嵌込部50が形成されている。嵌込部50は、嵌め込まれるモニタランプ孔112の開口縁と突出部112aの形状に合わせて、断面L字状とされている。密閉部材5は、モニタランプ孔112の開口縁と共に突出部112aを嵌込部50に嵌め込むことで枠部11に取り付けられる。なお、密閉部材5は、モニタランプ孔112の形状に合わせて円筒形状であるが、当該形状は一例であって、例えばモニタランプ孔112が矩形状であれば角筒形状となる。
【0031】
密閉部材5は、挿入部5aと、内側片5bと、外側片5cと、折曲部5dと、を有している。密閉部材5は、挿入部5aの内面によって凹状の溝部51が形成されている。密閉部材5は、挿入部5a、内側片5b、外側片5c及び折曲部5dで、断面L字状の嵌込部50が形成されている。
【0032】
挿入部5aは、溝部51の内面を形成する部分であると共に、モニタランプ孔112の挿入される部分である。挿入部5aは、嵌込部50を形成する外周面において突出部112aの内周面と対向する。内側片5bは、溝部51の開口縁である挿入部5aの一端側から径方向に向かって外方に突き出し、器具本体1の内側からモニタランプ孔112の開口縁と対向する部分である。図10に示すように、内側片5bは、枠部11の一部であるモニタランプ孔112の開口縁と面接触している。外側片5cは、溝部51の底面である挿入部5aの他端側から径方向に向かって外方に突き出し、器具本体1の外側から突出部112aの先端面と対向する部分である。図10に示すように、外側片5cは、突出部112aの先端面と線接触している。折曲部5dは、外側片5cの先端部から内側片5bへ向かって突き出し、器具本体1の外側から突出部112aの外周面及びモニタランプ孔112の開口縁と対向する部分である。嵌込部50は、挿入部5a、内側片5b、外側片5c及び折曲部5dで囲まれた空間によって形成されている。
【0033】
なお、信号受信孔113の場合においても同様に、密閉部材5の外周面には、枠部11の一部である信号受信孔113の開口縁と共に、突出部113aが嵌め込まれる溝状の嵌込部50が形成されている。密閉部材5は、信号受信孔113の開口縁と共に突出部113aを嵌込部50に嵌め込むことで枠部11に取り付けられる。
【0034】
次に、図10に基づいて、モニタランプ孔112を通じて器具本体1の内部に水が浸入しようとする場合の浸入経路について説明する。先ず、水は、矢印(a)に示すように、枠部11の外面に沿って移動し、枠部11の外面と密閉部材5の折曲部5dとの間の隙間に浸入する。次に、水は、矢印(b)に示すように、突出部112aの外周面と密閉部材5の折曲部5dとの間の隙間に浸入する。次に、水は、矢印(c)に示すように、突出部112aの先端面と密閉部材5の外側片5cとの間の隙間に浸入する。次に、水は、矢印(d)に示すように、突出部112aの内周面と、密閉部材5の挿入部5aとの間の隙間に浸入する。そして、水は、矢印(e)に示すように、枠部11の内面と密閉部材5の内側片5bとの間の隙間に浸入した後、枠部11の内面に沿って移動し、器具本体1の内部に浸入する。
【0035】
なお、信号受信孔113を通じて器具本体1の内部に水が浸入しようとする場合の浸入経路についても、モニタランプ孔112を通じて器具本体1の内部に水が浸入しようとする場合の浸入経路と同じである。
【0036】
本実施の形態に係る照明器具100は、上述の水の浸入経路に対して、以下のような効果を奏することができる。器具本体1には、機能部品である回路ユニット2の一部を外部に露出させる孔部111が形成され、孔部111に取り付けられて孔部111の開口を塞ぐ密閉部材5が設けられている。よって、器具本体1の内部に水が浸入する事態を抑制することができる。
【0037】
また、突出部112aが設けられているので、枠部11の外面に沿って浸入しようとする水を、突出部112aに突き当てて下方(Y2方向)に誘導させることができる。つまり、突出部112aを有することで、水の浸入経路の距離を確保できると共に、密閉部材5の嵌込部50に浸入した水を、器具本体1の内部から遠ざけることができるので、器具本体1の内部に水が浸入する事態を抑制することができる。
【0038】
また、本実施の形態に係る照明器具100は、密閉部材5の内側片5bと外側片5cとで、突出部112aを挟み込んでおり、外側片5cが突出部112aの先端面を押圧している。つまり、内側片5bが枠部11に面接触するのに対して、外側片5cが突出部112aの先端面に線接触するため、外側片5cと突出部112aとの密着度が向上する。よって、外側片5cと突出部112aとの間から水が浸入し難くなり、器具本体1の内部に水が浸入する事態を抑制することができる。
【0039】
また、本実施の形態に係る照明器具100は、突出部112aの内周面に密閉部材5の挿入部5aが対向させて配置されている。つまり、図10の矢印(d)に示すように、突出部112aの内周面と、密閉部材5の挿入部5aとの間の隙間に水が浸入しても、水に下側である重力方向の力が作用するので、上方に水が流れ難くなり、これ以上先に水が浸入し難い。しかも、突出部112aの内周面と密閉部材5の挿入部5aとの間によって、水の浸入経路の距離を確保できるので、器具本体1の内部に水が浸入する事態を効果的に抑制することができる。
【0040】
また、本実施の形態に係る照明器具100は、孔部111の開口縁に沿って外部へ突き出す突出部112aが形成され、突出部112aに取り付けられて孔部111の開口を塞ぐ密閉部材5が設けられただけの簡易な構成なので、製造が容易であり、製造コストを抑えることができる。
【0041】
なお、図11は、実施の形態に係る照明器具100の変形例1であって、孔部111に密閉部材5を嵌め込んだ状態を模式的に示した説明図である。図11に示すように、外側片5cが突出部112aの先端面を押圧せずに、突出部112aの先端面と線接触していない構成としてもよい。
【0042】
図12は、実施の形態に係る照明器具100の変形例2であって、器具本体1を示した斜視図である。図13は、図12に示した変形例2の照明器具100に用いられる密閉部材5を示した平面図である。照明器具100は、図12に示すように、モニタランプ孔112と信号受信孔113を繋げて一つの孔部111として形成した構成としてもよい。孔部111には、開口縁に沿って外部へ突き出す突出部111aが設けられている。また、図13に示すように、密閉部材5は、モニタランプ孔112と信号受信孔113とを繋げた一つの孔部111の形状に適用する形状及び大きさで形成される。なお、図13に示した密閉部材5の具体的な構成については、図9及び図10で示した通りである。
【0043】
図14は、実施の形態に係る照明器具100の変形例3であって、器具本体1を示した斜視図である。図15は、図14に示した変形例3の照明器具100に用いられる密閉部材5を示した説明図である。図15(A)は平面図、図15(B)は正面図、図15(C)は底面図である。
【0044】
照明器具100は、図14に示すように、器具本体1の孔部111をモニタランプ孔112と信号受信孔113とに別々に独立させて形成し、図15に示すように、密閉部材5を一つで構成してもよい。この密閉部材5では、モニタランプ孔112と信号受信孔113に挿入させる部分を別々に構成している。つまり、図15に示した変形例3の密閉部材5は、モニタランプ孔112と信号受信孔113とに対応させるため、挿入部5a、内側片5b、外側片5c及び折曲部5dをそれぞれ2つずつ有している。なお、密閉部材5は、器具本体1の孔部111が3つ以上ある場合には、孔部111の個数に合わせて、挿入部5a、内側片5b、外側片5c及び折曲部5dを複数設けるものとする。このように、密閉部材5を、孔部111の個数に合わせて、孔部111に挿入させる部分を別々に構成することにより、止水性能を向上させつつ、部材として一体とすることで作業性を向上させることができ、且つ構造が簡素され製造コストを軽減させることができる。
【0045】
以上のように、本実施の形態に係る照明器具100は、外殻を形成する器具本体1と、器具本体1の内部に格納された機能部品である回路ユニット2と、を備えている。器具本体1には、回路ユニット2の一部を外部に露出させる孔部111が形成され、孔部111の開口縁に沿って外部へ突き出す突出部112a及び113aが設けられ、突出部112a及び113aに取り付けられて孔部111の開口を塞ぐ密閉部材5が設けられている。よって、本実施の形態に係る照明器具100は、器具本体1の内部に水が浸入する事態を抑制することができる。
【0046】
以上、実施の形態に基づいて照明器具100を説明したが、照明器具100は上述した実施の形態の構成に限定されるものではない。上記した照明器具100の構成は、一例であって、他の構成要素を含んでもよいし、構成要素を一部省略してもよい。例えば、孔部111は、突出部(111a、112a、113a)を有さない構成でもよい。この場合、密閉部材5の嵌込部50は、孔部111の開口縁のみが嵌め込まれる形状とされる。また、機能部品として回路ユニット2を例に説明したが、その他の部材を機能部品としてもよい。要するに、照明器具100は、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更及び応用のバリエーションの範囲を含むものである。
【0047】
上記に説明した照明器具100は、以下の付記1~7に示す各特徴の組み合わせも含み得るものである。その組み合わせについて下記に示す。
【0048】
(付記1)
外殻を形成する器具本体と、
前記器具本体の内部に格納された機能部品と、を備え、
前記器具本体には、
前記機能部品の一部を外部に露出させる孔部が形成され、
前記孔部に取り付けられて前記孔部の開口を塞ぐ密閉部材が設けられている、照明器具。
(付記2)
前記孔部は、開口縁に沿って外部へ突き出す突出部を有しており、
前記密閉部材は、前記突出部に取り付けられて前記孔部の開口を塞ぐものである、付記1に記載の照明器具。
(付記3)
前記密閉部材は、外周面に前記孔部の開口縁及び前記突出部が嵌め込まれる嵌込部が形成されている、付記2に記載の照明器具。
(付記4)
前記密閉部材は、凹形状とされており、外周面に前記嵌込部が形成されている、付記3に記載の照明器具。
(付記5)
前記密閉部材は、
凹形状の溝部を形成すると共に、前記孔部に挿入される挿入部と、
前記溝部の開口縁である前記挿入部の一端側から径方向に向かって外方に突き出し、前記器具本体の内側から前記孔部の開口縁と対向する内側片と、
前記溝部の底面である前記挿入部の他端側から径方向に向かって外方に突き出し、前記器具本体の外側から前記突出部の先端面と対向する外側片と、
前記外側片の先端部から屈曲して前記内側片へ向かって突き出し、前記器具本体の外側から前記突出部及び前記孔部の開口縁と対向する折曲部と、を有しており、
前記嵌込部は、前記挿入部、前記内側片、前記外側片及び前記折曲部で囲まれた空間である、付記3又は4に記載の照明器具。
(付記6)
前記内側片は、前記器具本体の一部である前記孔部の開口縁と面接触し、
前記外側片は、前記突出部の先端面と線接触している、付記5に記載の照明器具。
(付記7)
前記孔部は、複数形成されており、
前記密閉部材は、前記孔部の個数に合わせて、前記挿入部、前記内側片、前記外側片及び前記折曲部を複数有している、付記5又は6に記載の照明器具。
【符号の説明】
【0049】
1 器具本体、2 回路ユニット、3 蓄電池ユニット、4 光源ユニット、5 密閉部材、5a 挿入部、5b 内側片、5c 外側片、5d 折曲部、10 本体部、11 枠部、20 ケース、21 点検スイッチ、22 モニタランプ、23 信号受信部、30 蓄電池、31 蓄電池ケース、40 光源、40a LED、40b 光源基板、41 光学制御部材、42 放熱板、43 ホルダ、50 嵌込部、51 溝部、100 照明器具、110 光源孔、111 孔部、111a 突出部、112 モニタランプ孔、112a 突出部、113 信号受信孔、113a 突出部。
図1
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