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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135567
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/32 20060101AFI20240927BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240927BHJP
   H04N 1/21 20060101ALI20240927BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
H04N1/32 358
H04N1/00 127A
H04N1/21
H04N1/32 005
G06F3/12 303
G06F3/12 360
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023046325
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100107216
【弁理士】
【氏名又は名称】伊與田 幸穂
(72)【発明者】
【氏名】海原 浩平
【テーマコード(参考)】
5C062
【Fターム(参考)】
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA25
5C062AA32
5C062AA35
5C062AB20
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB41
5C062AB42
5C062AB43
5C062AB44
5C062AB46
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC22
5C062AC35
5C062AC43
5C062AC60
5C062AF01
5C062AF02
5C062AF06
5C062AF07
5C062AF13
5C062BC03
5C062BC06
5C062BD09
(57)【要約】
【課題】取得日に処理されなかった画像データが翌日以降に見落とされて処理されない事態の発生を低減する。
【解決手段】画像データの受信日付及び受信時間を示す受信情報を取得し、格納先200に画像データを転送する場合の格納場所200Bを示す情報として、受信時間が予め定められる時間を経過していない場合に受信情報の受信日付を含む第1情報を格納先200に送信し、経過している場合に受信日付の翌日以降のいずれかの日付を含む第2情報を格納先200に送信し、予め定められる時間を経過している場合であって受信の際の通信状況を示す通信状況情報を取得した場合、通信状況情報を基に設定される予め定められている時間条件を満たすときに第2情報の送信に代え、第1情報の送信を行う。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
送信された画像データの受信日付及び受信時間を示す情報である受信情報を取得し、
前記画像データを格納する格納先に当該画像データを転送する場合の当該格納先における格納場所を示す情報として、取得した前記受信情報の前記受信時間が予め定められる時間を経過していない場合に当該受信情報の前記受信日付を含む情報である第1情報を当該格納先に送信し、当該受信時間が当該予め定められる時間を経過している場合に当該受信日付の翌日以降のいずれかの日付を含む情報である第2情報を当該格納先に送信し、
前記受信時間が前記予め定められる時間を経過している場合であって前記画像データの受信の際の通信状況を示す通信状況情報を取得した場合、当該画像データを転送する際、当該通信状況情報を基に設定される予め定められている時間条件を満たすときに前記第2情報の送信に代え、前記第1情報の送信を行う、
情報処理装置。
【請求項2】
前記通信状況情報は、前記画像データの受信の際の通信の混雑状況を示す通信混雑情報である、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記通信混雑情報は、混雑度を示す情報が含まれ、
前記混雑度を示す情報が高い混雑度である場合、当該混雑度を示す情報が低い混雑度である場合に比べて前記予め定められている時間条件は緩い、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記通信状況情報は、前記画像データを受信する予定の数である予定数を示す受信予定数情報である、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記予め定められる時間が経過する際、取得した前記受信情報により特定される画像データの数が前記受信予定数情報による予定数を下回っている場合、当該受信予定数情報を基に前記予め定められている時間条件が設定される、
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記予め定められている時間条件の設定は、前記特定される画像データの数が前記予定数に達した場合に解除される、
ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記受信情報よりも信頼度が低い前記画像データの送信時間を取得した場合、前記第2情報の送信に代えた前記第1情報の送信は、当該送信時間を用いて判断される、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記第2情報の送信に代えた前記第1情報の送信は、さらに前記画像データの送信時間に関する条件を満たすときに行われる、
ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記第2情報の送信に代えた前記第1情報の送信は、前記画像データの送信時間が前記予め定められる時間を経過していないことである、
ことを特徴とする請求項7又は8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
情報処理装置に、
送信された画像データの受信日付及び受信時間を示す情報である受信情報を取得する機能と、
前記画像データを格納する格納先に当該画像データを転送する場合の当該格納先における格納場所を示す情報として、取得した前記受信情報の前記受信時間が予め定められる時間を経過していない場合に当該受信情報の前記受信日付を含む情報である第1情報を当該格納先に送信し、当該受信時間が当該予め定められる時間を経過している場合に当該受信日付の翌日以降のいずれかの日付を含む情報である第2情報を当該格納先に送信する機能と、
前記受信時間が前記予め定められる時間を経過している場合であって前記画像データの受信の際の通信状況を示す通信状況情報を取得した場合、当該画像データを転送する際、当該通信状況情報を基に設定される予め定められている時間条件を満たすときに前記第2情報の送信に代え、前記第1情報の送信を行う機能と、
を実現させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、FAX受信部が受信した画像データを予め設定されている条件に従って転送する際、画像データの情報を参照することで転送先のフォルダを決定し、そのフォルダ名を例えば日付の階層を含む3つの階層とする構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-135561号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、取得した画像データが画像データを格納する格納先に転送され、取得の日付に対応する格納場所に格納されると、格納された画像データについて担当者が当日中に処理を終わらせるように業務を行う場合を考える。もし、担当者の業務終了時間等の予め定められた時間が経過した後に取得した画像データをその日付に対応する格納場所に転送する場合には、当日に処理が行われず未処理のままである。そのため、翌日の処理業務において担当者が翌日の日付に対応する格納場所のみを参照した場合、取得日に処理されなかった画像データが見落とされて処理されないおそれがある。
本発明の目的は、取得日に処理されなかった画像データが翌日以降に見落とされて処理されない事態の発生を低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、送信された画像データの受信日付及び受信時間を示す情報である受信情報を取得し、前記画像データを格納する格納先に当該画像データを転送する場合の当該格納先における格納場所を示す情報として、取得した前記受信情報の前記受信時間が予め定められる時間を経過していない場合に当該受信情報の前記受信日付を含む情報である第1情報を当該格納先に送信し、当該受信時間が当該予め定められる時間を経過している場合に当該受信日付の翌日以降のいずれかの日付を含む情報である第2情報を当該格納先に送信し、前記受信時間が前記予め定められる時間を経過している場合であって前記画像データの受信の際の通信状況を示す通信状況情報を取得した場合、当該画像データを転送する際、当該通信状況情報を基に設定される予め定められている時間条件を満たすときに前記第2情報の送信に代え、前記第1情報の送信を行う、情報処理装置である。
請求項2に記載の発明は、前記通信状況情報は、前記画像データの受信の際の通信の混雑状況を示す通信混雑情報である、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項3に記載の発明は、前記通信混雑情報は、混雑度を示す情報が含まれ、前記混雑度を示す情報が高い混雑度である場合、当該混雑度を示す情報が低い混雑度である場合に比べて前記予め定められている時間条件は緩い、ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置である。
請求項4に記載の発明は、前記通信状況情報は、前記画像データを受信する予定の数である予定数を示す受信予定数情報である、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項5に記載の発明は、前記予め定められる時間が経過する際、取得した前記受信情報により特定される画像データの数が前記受信予定数情報による予定数を下回っている場合、当該受信予定数情報を基に前記予め定められている時間条件が設定される、ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置である。
請求項6に記載の発明は、前記予め定められている時間条件の設定は、前記特定される画像データの数が前記予定数に達した場合に解除される、ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置である。
請求項7に記載の発明は、前記受信情報よりも信頼度が低い前記画像データの送信時間を取得した場合、前記第2情報の送信に代えた前記第1情報の送信は、当該送信時間を用いて判断される、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項8に記載の発明は、前記第2情報の送信に代えた前記第1情報の送信は、さらに前記画像データの送信時間に関する条件を満たすときに行われる、ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置である。
請求項9に記載の発明は、前記第2情報の送信に代えた前記第1情報の送信は、前記画像データの送信時間が前記予め定められる時間を経過していないことである、ことを特徴とする請求項7又は8に記載の情報処理装置である。
請求項10に記載の発明は、情報処理装置に、送信された画像データの受信日付及び受信時間を示す情報である受信情報を取得する機能と、前記画像データを格納する格納先に当該画像データを転送する場合の当該格納先における格納場所を示す情報として、取得した前記受信情報の前記受信時間が予め定められる時間を経過していない場合に当該受信情報の前記受信日付を含む情報である第1情報を当該格納先に送信し、当該受信時間が当該予め定められる時間を経過している場合に当該受信日付の翌日以降のいずれかの日付を含む情報である第2情報を当該格納先に送信する機能と、前記受信時間が前記予め定められる時間を経過している場合であって前記画像データの受信の際の通信状況を示す通信状況情報を取得した場合、当該画像データを転送する際、当該通信状況情報を基に設定される予め定められている時間条件を満たすときに前記第2情報の送信に代え、前記第1情報の送信を行う機能と、を実現させるプログラムである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、取得日に処理されなかった画像データが翌日以降に見落とされて処理されない事態の発生を低減することができる。
請求項2の発明によれば、通信状況情報は、画像データの受信の際の通信の混雑状況を示す通信混雑情報ではない場合に比べて、送信者が受ける不利益を低減することができる。
請求項3の発明によれば、通信混雑情報は、混雑度を示す情報が含まれ、混雑度を示す情報が高い混雑度である場合、混雑度を示す情報が低い混雑度である場合に比べて予め定められている時間条件は緩いという構成を採用しない場合に比べて、状況に応じた時間条件を設定することができる。
請求項4の発明によれば、通信状況情報は、画像データを受信する予定の数である予定数を示す受信予定数情報ではない場合に比べて、予め定められている時間条件を短い時間に設定することができる。
請求項5の発明によれば、予め定められる時間が経過する際、取得した受信情報により特定される画像データの数が受信予定数情報による予定数を下回っている場合、受信予定数情報を基に予め定められている時間条件が設定される構成を採用しない場合に比べて、予め定められている時間条件が設定される頻度を下げることができる。
請求項6の発明によれば、受信する予定のない画像データの受信を防止することができる。
請求項7の発明によれば、受信情報よりも信頼度が低い画像データの送信時間を取得した場合、第2情報の送信に代えた第1情報の送信は、送信時間を用いて判断されるという構成を採用しない場合に比べて、送信者間で扱いの違いを抑制することができる。
請求項8の発明によれば、第2情報の送信に代えた第1情報の送信は、さらに画像データの送信時間に関する条件を満たすときに行われるという構成を採用しない場合に比べて、送信者間で扱いの違いを抑制することができる。
請求項9の発明によれば、第2情報の送信に代えた第1情報の送信は、画像データの送信時間が予め定められる時間を経過していないことであるという構成を採用しない場合に比べて、送信者間で扱いの違いを抑制することができる。
請求項10の発明によれば、取得日に処理されなかった画像データが翌日以降に見落とされて処理されない事態の発生を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】画像管理システムの一例を示した図である。
図2】画像形成装置に設けられた情報処理部及びサーバ装置に設けられた情報処理部のハードウェアの構成例を示した図である。
図3】画像形成装置及びサーバ装置の機能構成を説明するブロック図である。
図4】第1の実施の形態に係る画像形成装置における情報処理部のCPUでの処理例を説明するフローチャートである。
図5】第1の実施の形態に係る具体例を説明する図であり、(a)は、ファクス受信が業務時間内である場合の具体例1、(b)は、ファクス受信がマージン期間内である場合の具体例2を示す。
図6】第1の実施の形態に係る具体例を説明する図であり、ファクス受信がマージン期間経過後である場合の具体例3を示す。
図7】第2の実施の形態に係る画像形成装置における情報処理部のCPUでの処理例を説明するフローチャートである。
図8】第2の実施の形態に係る具体例を説明する図であり、(a)はその具体例1、(b)はその具体例2、(c)はその具体例3を示す。
図9】第3の実施の形態に係る画像形成装置における情報処理部のCPUでの処理例を説明するフローチャートである。
図10】第3の実施の形態に係る具体例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、画像管理システム1の一例を示した図である。
本実施形態の画像管理システム1では、コピー、プリンタ、ファクス、スキャナ等の各種機能を備える画像形成装置100と、画像形成装置100に対して通信回線190を介して接続されるサーバ装置200とが設けられている。本実施形態では、情報処理装置の一例としての画像形成装置100が、ファクス受信した画像の管理を行う。かかる画像は、画像形成装置100が備える親展ボックスに保存され、または、サーバ装置200に転送されて対応する格納場所に格納されて管理される。画像データについて、転送元は画像形成装置100であり、転送先がサーバ装置200である。
【0009】
さらに、本実施形態の画像管理システム1には、サーバ装置200と接続可能であり、ユーザから操作を受け付けるユーザ端末300が設けられている。
なお、図1では、ユーザ端末300として1台を表示しているが、ユーザ端末300が複数台であってもよい。
【0010】
画像形成装置100には、情報処理部100Aが設けられている。情報処理部100Aは、画像形成装置100について行われる各種の処理を実行する。画像形成装置100は、例えば、ファクス装置400からの画像データを受信すると、予め定められている処理を行う。
画像形成装置100には、さらに、データを格納する格納装置100Bが設けられている。格納装置100Bは、ファクス受信した受信画像データや印刷する印刷データ等のデータを格納するものであり、ソフトウェアで作成され親展ボックス等のボックスとして用いることができる。格納装置100Bは、例えばHDD(Hard Disk Drive)により実現される。受信画像データは、画像データの一例である。
画像形成装置100には、例えば、インクジェット方式や電子写真方式を用いて記録媒体の一例である用紙への画像の形成を行う画像形成部が設けられている。
【0011】
サーバ装置200には、各種の処理を実行する情報処理部200Aが設けられている。情報処理部200Aは、サーバ装置200について行われる各種の処理を実行する。
サーバ装置200には、データを格納する格納装置200Bが設けられている。格納装置200Bは、画像形成装置100から転送されたデータを格納するための複数フォルダを備えることができる。かかるフォルダは、ユーザ端末300からの指示に基づき作成されたり情報処理部200Aからの作成依頼に基づき作成されたりして、管理される。
格納装置200Bは、例えばHDDにより実現される。
【0012】
ユーザ端末300には、表示装置310が設けられている。表示装置310には、サーバ装置200の格納装置200Bに格納されたデータが表示可能である。
ユーザ端末300は、コンピュータにより実現される。ユーザ端末300の形態としては、例えば、PC(Personal Computer)や、スマートフォンや、タブレット端末が挙げられる。
【0013】
図2は、画像形成装置100に設けられた情報処理部100A及びサーバ装置200に設けられた情報処理部200Aのハードウェアの構成例を示した図である。情報処理部100A、200Aは、コンピュータにより実現される。
画像形成装置100とサーバ装置200の各々は、プログラムに従ってデジタル演算処理を実行する演算処理部11と、情報を記憶する2次記憶部12とを有する。
2次記憶部12は、例えばHDD、半導体メモリ、磁気テープ等、既存の情報記憶装置により実現される。
【0014】
演算処理部11には、プロセッサの一例としてのCPU11aが設けられている。
また、演算処理部11には、CPU11aの作業用メモリ等として用いられるRAM11b、CPU11aにより実行されるプログラム等が格納されるROM11cが設けられている。
また、演算処理部11には、書き換え可能に構成され電源供給が途絶えた場合にもデータを保持できる不揮発性メモリ11d、演算処理部11に接続される通信部等の各部を制御するインターフェース部11eが設けられている。
【0015】
不揮発性メモリ11dは、例えば、電池によりバックアップされたSRAMやフラッシュメモリ等で構成される。2次記憶部12には、ファイル等が記憶される他、演算処理部11により実行されるプログラムが記憶される。
本実施形態では、演算処理部11が、ROM11cや2次記憶部12に記憶されたプログラムを読み込むことによって、各処理が実行される。
【0016】
CPU11aによって実行されるプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で、情報処理部100A、200Aへ提供しうる。また、CPU11aによって実行されるプログラムは、インターネットなどの通信手段を用いて、情報処理部100A、200Aへ提供してもよい。
【0017】
本明細書において、プロセッサとは、広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
また、プロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は、本実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、変更してもよい。
【0018】
以下で説明する処理のうち、画像形成装置100が行う処理は、画像形成装置100に設けられたプロセッサの一例としてのCPU11aが行う。
また、以下で説明する処理のうち、サーバ装置200が行う処理は、サーバ装置200に設けられたプロセッサの一例としてのCPU11aが行う。
画像形成装置100により行う情報処理システムは、1台の画像形成装置100などの一台の装置により実現してもよいし、複数台の装置により実現してもよい。
【0019】
図3は、画像形成装置100及びサーバ装置200の機能構成を説明するブロック図である。
図3に示すように、画像形成装置100の情報処理部100Aは、情報取得部101、送信制御部102及び表示制御部103を有する。
【0020】
情報取得部101は、受信画像データや受信日時の情報等の各種の情報を取得する。また、情報取得部101は、取得した情報を用いて受信画像データに関する各種の処理を行う。さらに、情報取得部101は、通信回線の混雑状況を取得し、かかる混雑状況に応じたマージン時間を取得する。
なお、情報取得部101は、サーバ装置200及びユーザ端末300からの情報を取得する。
【0021】
送信制御部102は、情報取得部101により取得された各種の情報や上述した処理の結果をサーバ装置200に送信する制御を行う。
【0022】
表示制御部103は、サーバ装置200に対し、ユーザ端末300の表示装置310における表示制御を行う。表示制御の内容は、送信制御部102によりサーバ装置200に送信される。
【0023】
また、図3に示すように、画像形成装置100の格納装置100Bは、上述した親展ボックス等を含むボックス100Cを備えている。ボックス100Cには、例えば、受信画像データが格納される。
【0024】
サーバ装置200の格納装置200Bは、複数のフォルダを有する。かかる複数のフォルダは、画像形成装置100からの要求に応じ、情報処理部200Aにより作成される。例えば、複数のフォルダを、例えば日付ごとのフォルダとしたり、ユーザ端末300のユーザである担当者ごとのフォルダとしたりすることができる。
【0025】
格納装置200Bには、情報処理部200Aにより作成される複数のフォルダを有する。かかる複数のフォルダは、担当者ごとに作成される担当者別のフォルダである担当者フォルダや、日付ごとに作成される日付別のフォルダである日付フォルダが含まれてもよい。
例えば、受信画像データ(図1参照)を、予め定められている条件に従って割り振られた担当者の担当者フォルダに格納する。かかる場合に、担当者フォルダ内に日付フォルダを作成し、ファクス受信した日付である受信日付ごとの日付フォルダとして用いるようにしてもよい。日付フォルダのフォルダ名として、受信日付を含ませることが考えられる。
【0026】
本実施の形態では、図3に示すように、格納装置200Bは、複数のフォルダとして、当日フォルダ4及び翌日フォルダ5を有する。
当日フォルダ4は、上述した日付フォルダのうち、ある日を基準とする場合の当日の受信日付をフォルダ名に含むフォルダである当日の日付フォルダである。また、翌日フォルダ5は、翌日の受信日付をフォルダ名に含むフォルダである翌日の日付フォルダである。
なお、ある日を基準とする場合の前日の受信日付をフォルダ名に含むフォルダを、前日の日付フォルダということがある。
【0027】
ここで、ファクス受信について当日受け付けの締め切り時間が設定されている場合を考える。かかる締め切り時間は、例えば、ファクスによる注文書受信があった場合に担当者が予め定められている処理を受信当日の業務時間内で終えるようにするために会社により設定されたり、実験レポート等のファクスによる提出物の期限を設けるために指導教官等により設定されたりする。
そして、締め切り時間を境にして、当日受け付けか翌日受け付けかで受信画像データの仕分けを行うシステムにおいて、当日受け付けとされた受信画像データをサーバ装置200の当日フォルダ4(図3参照)に格納し、翌日受付とされた受信画像データは、別の翌日フォルダ5(同図参照)に格納することで、担当者による受信画像データの円滑な処理を確保する。
【0028】
かかるシステムにおいて締め切り時間として設定された締め時刻の前に、ファクス装置400(図1参照)からファクス送信されたものの、画像形成装置100において例えば他のファクス装置からのファクス受信中のための不達や再送信、ないし、回線の一時的な通信障害等の原因による回線の混雑状況によっては、画像形成装置100のファクス受信が締め時刻の後となってしまう事態が発生することが想定される。
送信時刻は締め時刻前であることから、ファクス送信者は当日受け付けされたという認識を持つ場合、画像形成装置100における受け付け日による仕分け結果とファクス送信者の認識との間に齟齬が生じ、好ましくない。さらには、このような事態が生じる原因は、ファクス送信者側の事情によるものではないことから、一律な仕分けを行う制御を採用すると、ファクス送信者の不利益が増大する懸念がある。
【0029】
そこで、本実施の形態では、締め時刻後にファクス受信した場合であっても、回線の混雑状況に応じ、翌日受け付けではなく、当日受け付けとする制御を採用することで、ファクス送信者が受ける不利益を低減している。
なお、サーバ装置200は格納先の一例であり、また、サーバ装置200の格納装置200Bにおける当日フォルダ4及び翌日フォルダ5は、格納場所の一例であり、そのファイル名は、格納場所を示す情報の一例である。
【0030】
以下、第1の実施の形態、第2の実施の形態及び第3の実施の形態について説明する。まず、第1の実施の形態について説明する。なお、第2の実施の形態及び第3の実施の形態については、第1の実施の形態と共通する説明を省略することがある。
【0031】
〔第1の実施の形態〕
図4は、第1の実施の形態に係る画像形成装置100における情報処理部100AのCPU11a(図2参照)での処理例を説明するフローチャートである。
図4に示す処理例では、画像形成装置100がファクス装置400(図1参照)からファクス受信した場合(ステップ101)、CPU11aの情報取得部101(図3参照)は、取得した受信画像データを格納装置100Bに格納する。そして、情報取得部101は、ファクス受信した日付及び時刻を示す情報である当日の日時情報すなわちファクス受信日時の情報を取得し(ステップ102)、また、締め時刻の情報を取得する(ステップ103)。
ここにいうファクス受信日時の情報は、送信された画像データの受信日付及び受信時間を示す情報である受信情報の一例である。
【0032】
ここにいう締め時刻の情報は、画像形成装置100に対して行われた入力の情報であり、受信画像データの格納場所として当日フォルダ4か翌日フォルダ5かの仕分けを行うための情報であり、情報処理部100AのRAM11b(図2参照)に予め格納されているものである。
かかる締め時刻の情報入力は、画像形成装置100の操作受付部132(図1参照)にて行う場合のほか、通信回線190を介して画像形成装置100に行う場合でもよい。締め時刻は、予め定められる時間の一例である。
【0033】
情報取得部101は、取得したファクス受信日時及び締め時刻の情報を用い、ファクス受信日時による受信時刻は、締め時刻以前であるかどうかを判別する(ステップ104)。
受信時刻が締め時刻以前である場合(ステップ104でYes)、送信制御部102(図3参照)は、転送する受信画像データの格納場所を当日フォルダ4(図3参照)とするために、当日の日時情報を含む情報をサーバ装置200に送信する(ステップ105)。
当日の日時情報を含む情報は、受信情報の受信日付を含む情報である第1情報の一例である。
【0034】
その一方で、受信時刻が締め時刻より後である場合(ステップ104でNo)、情報取得部101は、通信回線の混雑状況を取得し(ステップ106)、さらに、混雑状況に応じたマージン時間を示す情報を取得する(ステップ107)。
混雑状況に応じたマージン時間を示す情報は、通信状況情報を基に設定される予め定められている時間条件の一例である。
【0035】
通信回線の混雑状況は、混雑度を示す情報として、例えば締め時刻付近のファクス受信の数を確認することで取得できる。また、インタネットファクスの場合には、通信回線の混雑状況は、ping等のコマンドを用いたネット回線速度により取得できる。
通信回線の混雑状況は、画像データの受信の際の通信状況を示す通信状況情報の一例であり、画像データの受信の際の通信の混雑状況を示す通信混雑情報の一例である。
【0036】
ここにいうマージン時間は、締め時刻を経過してからファクス受信した受信画像データのうち、当日受け付けとするものを定めるのに用いられる情報であり、締め時刻に後続する期間が設定される。すなわち、締め時刻を経過してからマージン時間が経過するまでの期間をマージン期間ということができる。マージン期間内にファクス受信した受信画像データは、締め時刻経過後であっても、当日受け付けとして扱われる。
【0037】
マージン時間は、通信回線の混雑状況に応じて動的に定めることができる。例えば、回線混雑時の時間から、マージン時間を算出する。その一例を示すと、回線が混雑していない場合には、マージン時間が0分、回線が混雑している場合にはマージン時間が5分、回線がかなり混雑している場合にはマージン時間は15分である。このように、混雑度を示す情報が高い混雑度である場合、混雑度を示す情報が低い混雑度である場合に比べてマージン時間を長くしている。
例えば電話回線の場合、ファクス装置400(図1参照)が、画像形成装置100へのファクス送信の際につながらないときに、予め定められている回数のリダイヤルないし再送信を行う機能を有する場合がある。再送信によりファクス送信できた時刻が、本実施の形態におけるマージン期間内であれば、後述するように、当日受信扱いとされる。このように、受信側の事情により、マージン時間が設定される。
【0038】
情報取得部101は、取得したマージン時間の情報を用い、ファクス受信日時による受信時刻は、締め時刻にマージン時間を加えたマージン期間内であるかどうかを判別する(ステップ108)。
受信時刻がマージン期間内である場合(ステップ108でYes)、上述のステップ105に進む。すなわち、送信制御部102(図3参照)は、当日の日時情報を含む情報をサーバ装置200に送信する。
【0039】
受信時刻がマージン期間内でない場合(ステップ108でNo)、送信制御部102は、転送する受信画像データの格納場所を翌日フォルダ5(図3参照)とするために、翌日の日時情報を含む情報をサーバ装置200に送信する(ステップ109)。すなわち、ファクス送信が締め時刻よりも前であっても、マージン期間内にファクス受信していない場合には、翌日受け付け扱いとされる。
なお、上述したステップ105、109で送信される情報には、表示制御部103(図3参照)による表示制御の内容を含ませることができる。
翌日の日時情報を含む情報は、受信日付の翌日以降のいずれかの日付を含む情報である第2情報の一例である。
【0040】
図5及び図6は、第1の実施の形態に係る具体例を説明する図であり、図5(a)は、ファクス受信が業務時間内である場合の具体例1、図5(b)は、ファクス受信がマージン期間内である場合の具体例2、図6は、ファクス受信がマージン期間経過後である場合の具体例3を示す。なお、業務時間は、24時間表示で8時30分から17時10分までであり、締め時刻を業務終了時刻と同じ17時10分であるとし、それ以降の予め定められる時間をマージン時間とする。
付言すると、第1の実施の形態では、業務終了時刻と締め時刻を同じ時刻としているが、これに限られず、締め時刻を、例えば業務終了時刻である17時10分よりも前の17時00分としてもよい。
【0041】
なお、図5及び図6では、画像形成装置100及びサーバ装置200を説明する図であるが、別の見方をすると、サーバ装置200の格納装置200B内のファイル構成を示す部分は、ユーザ端末300の表示装置310(図1参照)に表示する画面表示の態様を示す図であるとも言える。後述する図6及び図8も同様である。
【0042】
図5(a)に示す具体例1の場合、画像形成装置100におけるファクス受信の日時が、XXXX年7月19日12時00分であり、受信時刻は締め時刻以前である。このため、送信制御部102(図3参照)は、当日の日時情報を含む情報をサーバ装置200に送信する(図4のステップ105参照)。このサーバ装置200に送信される日時情報を含む情報は、例えば日付のフォルダ名と受信画像データの受信時刻を示すファイル名とからなるファイルパス情報であり、この日時情報の例として、「~/XXXX_07_19/XXXX_07_19_12_00.pdf」というファイルパス情報が送信される。
なお、当日の日時情報には、上述したように、ファクス受信した当日の日付を示す情報とその時刻を示す情報が含まれる。また、当日の日時情報を含む情報には、上述したように、表示制御部103による表示制御の内容が含まれる。
【0043】
サーバ装置200が当日の日時情報を含む情報を受信すると、情報処理部200Aは、格納装置200Bに、当日フォルダ4である第1フォルダ41があるかどうかを確認する。かかる第1フォルダ41のフォルダ名は、当日の日付を示す情報によるものであり、「XXXX_07_19」である。
第1フォルダ41がない場合、情報処理部200Aは、当日フォルダ4としての第1フォルダ41を格納装置200Bに新たに作成する。なお、本実施の形態では、サーバ装置200に存在するフォルダを、受信画像データの送信タイミングで確認しているが(都度確認)、これに限られず、予め定められる時間が経過する度に確認してもよい(事前確認)。
【0044】
また、情報処理部200Aは、画像形成装置100から今回受信した受信画像データを、予め定められているファイル形式のファイル名で格納装置200Bの第1フォルダ41に格納する。すなわち、新たに取得した受信画像データについてファイル形式変換及びファイル名変更を行い、ファイル名「XXXX_07_19_12_00.pdf」として「XXXX_07_19」フォルダに格納する。
【0045】
なお、図5(a)に示す第1フォルダ41に格納されているファイル名は、太字フォントで示されている。かかる太字フォントを用いる画面表示の態様は、そのファイルが未処理であること乃至処理が開始されていないことを示すものである。
付言すると、破線で示す矩形形状は、説明の便宜のために付したものであるが、ユーザ端末300の表示装置310における画面表示の態様としてもよい。後述する図6及び図8の場合も同様である。
【0046】
図5(b)に示す具体例2の場合、画像形成装置100におけるファクス受信の日時が、XXXX年7月19日YY時YY分であり、受信時刻は締め時刻経過後であるが、マージン期間内である(図4のステップ108でYes参照)。このため、送信制御部102(図3参照)は、当日の日時情報を含む情報をサーバ装置200に送信する(図4のステップ105参照)。
【0047】
サーバ装置200が当日の日時情報を含む情報を受信した場合、情報処理部200Aは、格納装置200Bに、フォルダ名「XXXX_07_19」の第1フォルダ41があれば、第1フォルダ41に、転送された受信画像データをファイル名「XXXX_07_19_YY_YY.pdf」として格納する。かかるファイル名は、図5(a)の場合と同じく、太字フォントで示されている。
第1フォルダ41がなければ、新たに作成し、受信画像データをファイル名「XXXX_07_19_YY_YY.pdf」として格納する。
【0048】
図6に示す具体例3の場合、ファクス受信の日時は、XXXX年7月19日ZZ時ZZ分であり、受信時刻は締め時刻を経過しており、また、マージン期間内ではない(図4のステップ108でNo参照)。このため、送信制御部102(図3参照)は、翌日の日時情報を含む情報をサーバ装置200に送信する(図4のステップ109参照)。
【0049】
情報処理部200Aは、転送された受信画像データを、フォルダ名「XXXX_07_20」の第2フォルダ51にファイル名「XXXX_07_19_ZZ_ZZ.pdf」として格納する。第2フォルダ51は、翌日フォルダ5の一つである。
【0050】
なお、図6に示す場合において、第1フォルダ41に格納されているファイルは、すでに処理されていることから、そのファイル名の表示は太字フォントではないものの、第2フォルダ51に格納されているファイル名は、未処理であることから、太字フォントで示されている。
【0051】
〔第2の実施の形態〕
図7は、第2の実施の形態に係る画像形成装置100における情報処理部100AのCPU11a(図2参照)での処理例を説明するフローチャートである。なお、図7は、第1の実施の形態を説明する上述の図4に対応するものである。そして、図7のステップ201~209は、図4のステップ101~109に相当するものであることから、その説明を省略することがある。
【0052】
図7に示す処理例では、受信時刻がマージン期間内である場合(ステップ208でYes)、次に、送信時刻が締め時刻以前であるかどうかを判別する(ステップ210)。すなわち、第2の実施の形態では、締め時刻を経過してファクス受信した場合、受信時間のみならず、送信時間を含んで、当日受け付け扱いとするかどうかを判別する。
【0053】
かかる送信時間は、例えば、受信画像データに、印字された送信時刻が含まれている場合には、その送信時刻を用いて判断してもよく、また、ファクス装置400からの送信情報に送信時刻の情報が含まれている場合には、その情報を用いて判断してもよい。
さらに説明すると、送信時刻の情報は、送信された画像データの受信日付及び受信時間を示す情報よりも信頼度が低いものの、送信時刻の情報を取得した場合には、ステップ210に示すように、当日受信扱いできるかどうかを判断する。
送信時刻の情報は、画像データの送信時間の一例である。
【0054】
送信時刻が締め時刻以前の場合(ステップ210でYes)、ステップ205に進み、その受信画像データは当日受け付けの扱いとされる。その一方で送信時刻が締め時刻が経過した後の場合(ステップ210でNo)、ステップ209に進み、その受信画像データは翌日受付の扱いとされる。
送信時刻が締め時刻以前であるかどうかを示す情報は、画像データの送信時間に関する条件の一例である。画像データの送信時間に関する条件については、送信時間が締め時刻前であることのほか、送信時間にマージン時間を設けて送信時間に対する条件を緩くしてもよく、送信時間に逆マージン時間すなわち送信時間に対する条件を厳しくしてもよい。
【0055】
図8は、第2の実施の形態に係る具体例を説明する図であり、(a)はその具体例1、(b)はその具体例2、(c)はその具体例3を示す。
図8(a)に示す具体例1の場合、ファクス受信時刻はマージン期間内であり、また、ファクス送信時刻は締め時刻の17時10分前である(図7のステップ208でYes、ステップ210でYesを参照)。したがって、その受信画像データは、当日フォルダ4である第1フォルダ41にファイル名「XXXX_07_19_YY_YY.pdf」として格納される(図7のステップ205参照)。
【0056】
図8(b)に示す具体例2の場合、ファクス受信時刻はマージン期間内であるが、ファクス送信時刻は17時10分経過後である(図7のステップ208でYes、ステップ210でNoを参照)。したがって、その受信画像データは、締め時刻経過後にファクス送信されたとして、翌日フォルダ5である第2フォルダ51に格納される(図7のステップ209参照)。
【0057】
図8(c)に示す具体例3の場合、ファクス受信時刻はマージン期間経過後である(図7のステップ208でNo)。したがって、その受信画像データは、翌日フォルダ5である第2フォルダ51に格納される(図7のステップ209参照)。
なお、ファクス送信は締め時刻前であるが、ファクス受信がマージン期間を超えているため、受信側の回線都合ではなく、送信側の回線都合であるか送信側の時刻表示が間違っていると判断し、翌日受け付けの扱いとされる。
【0058】
〔第3の実施の形態〕
第3の実施の形態では、例えば学校においてクラス全生徒の実験レポートが画像形成装置100にファクス送信される場合の受信画像データの管理を説明する。かかるファクス受信は、生徒各々が行うものである。そして、実験レポートの提出期限が締め時刻として設定され、また、ファクス受信する予定の文書の数も事前に設定される。
第3の実施の形態では、受信予定の文書数が予め把握できる場合であり、かかる点で、マージン時間の設定の仕方が第1の実施の形態及び第2の実施の形態とは異なる。
以下、第3の実施の形態について図9及び図10を用いて説明する。
【0059】
図9は、第3の実施の形態に係る画像形成装置100における情報処理部100AのCPU11a(図2参照)での処理例を説明するフローチャートである。なお、図9は、第2の実施の形態を説明する上述の図7に対応するものである。そして、図9のステップ301~307、310、311は、図4のステップ101~109に相当するものであることから、その説明を省略することがある。
【0060】
図9に示す処理例において、受信時刻が締め時刻経過後である場合(ステップ304でNo)であって回線の混雑状況に応じたマージン時間を取得した場合(ステップ306、307)、まず、予定数の文書を受信済みかどうかの判別を行う(ステップ308)。予定数の文書を受信した場合(ステップ308でYes)、ステップ311に進む。すなわち、今回受信した受信画像データは、当日の受け付け扱いとされず、翌日受付の扱いとされる。
ここにいう予定数は、通信状況情報の一例であり、画像データを受信する予定の数である予定数を示す受信予定数情報の一例である。
【0061】
締め時刻が経過した後に予定数の文書を受信していない場合(ステップ308でNo)、いずれかの生徒の実験レポートをまだファクス受信していないことが分かる。例えばその生徒がファクス送信しようとしても、受信側の事情ないし送信側の事情でファクス受信できていなかったのかもしれない。そこで、画像形成装置100では、マージン時間を設定した上で(ステップ309)、受信時刻がマージン期間内であるかどうかを判別する(ステップ310)。マージン期間内であれば(ステップ310でYes)、その生徒の救済のために、ステップ305に進み、マージン時間内でなければ(ステップ310でNo)、ステップ311に進む。
マージン時間は、後述するように、受信予定数を基に設定されるものであり、予め定められている時間条件の一例である。
【0062】
第3の実施の形態では、締め時刻が経過した後に予定数の文書を受信している場合には、通信が混雑していたとしても、マージン時間は設定されない(図9のステップ308でYes)。
また、マージン時間が設定される場合(同図のステップ309参照)、不特定者からのファクス受信を対象とする第1の実施の形態及び第2の実施の形態に比べて、マージン時間として短い時間を設定することが可能になる。かかるマージン時間の短縮化は、第3の実施の形態の場合には、第1の実施の形態及び第2の実施の形態に比べてファクス受信のデータ量のばらつきが少ないことから、実現容易である。
【0063】
より詳細に説明すると、ファクス受信に要する時間は、文書の枚数に応じて把握できる。そして、実験レポートの枚数が事前にわかれば、生徒一人当たりからの文書の受信に要する時間である受信所要時間を算出できる。また、受信予定数がわかっていることから、まだファクス受信していない生徒の数である未受信数もわかる。そこで、マージン時間の設定は、混雑状況に応じて行うとともに、受信所要時間と未受信数をかけた値の例えば1.5倍の値をマージン時間とすることができる。
【0064】
図10は、第3の実施の形態に係る具体例を説明する図である。図10において、矢印で示すように、上から下に向かう方向に時系列で示され、矢印の左側が画像形成装置100を示す領域であり、右側がサーバ装置200を示す領域である。
図10に示す具体例の場合、画像形成装置100の情報処理部100Aは、画像管理を行うための情報として、ルール名が実験レポート、サーバ装置200への転送先フォルダはAAA、ファクス受信予定数は30、締め時刻はBB時BB分であるとの情報61を保持する。
なお、画像形成装置100の情報処理部100Aにて、ファクス受信した文書についての情報を管理し、文書の数やそのファイル名を示す情報を保有する。
【0065】
図10において、矢印と交差する左右方向に延びる点線の位置が、締め時刻のBB時BB分であり、上側が締め時刻の前で業務時間内であり、下側が締め時刻の後であり業務時間外である。
業務時間内の時点71でのファクス受信により、格納装置200Bにおける当日フォルダ4である第1フォルダ41に、新たな受信画像データである「student29xxx.pdf」が格納されている。これによって、第1フォルダ41には、「student01xxx.pdf」から「student29xxx.pdf」の受信画像データが格納されている。画像形成装置100がファクス受信した文書の数は29であるところ、予定数は30であることから、予定数には達していない。
【0066】
その後、締め時刻BB時BB分が経過した後の時点72にファクス受信した場合(図9のステップ304でNoを参照)、予定数の文書を受信済みでないとしてマージン時間が設定される(同図のステップ308でNo、ステップ309参照)。そして、受信時刻である時点72は、マージン期間内であることから、第1フォルダ41に「student30xxx.pdf」として格納される。
【0067】
受信した文書が予定数の30に達すると(図9のステップ308参照)、マージン時間の設定がされなくなり、当日フォルダ4には格納されない。このように、受信予定の文書数を下回っている場合のみ、マージン期間が設けられる。
【0068】
<付記>
(((1)))
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
送信された画像データの受信日付及び受信時間を示す情報である受信情報を取得し、
前記画像データを格納する格納先に当該画像データを転送する場合の当該格納先における格納場所を示す情報として、取得した前記受信情報の前記受信時間が予め定められる時間を経過していない場合に当該受信情報の前記受信日付を含む情報である第1情報を当該格納先に送信し、当該受信時間が当該予め定められる時間を経過している場合に当該受信日付の翌日以降のいずれかの日付を含む情報である第2情報を当該格納先に送信し、
前記受信時間が前記予め定められる時間を経過している場合であって前記画像データの受信の際の通信状況を示す通信状況情報を取得した場合、当該画像データを転送する際、当該通信状況情報を基に設定される予め定められている時間条件を満たすときに前記第2情報の送信に代え、前記第1情報の送信を行う 、
情報処理装置。
(((2)))
前記通信状況情報は、前記画像データの受信の際の通信の混雑状況を示す通信混雑情報である、
ことを特徴とする(((1)))に記載の情報処理装置。
(((3)))
前記通信混雑情報は、混雑度を示す情報が含まれ、
前記混雑度を示す情報が高い混雑度である場合、当該混雑度を示す情報が低い混雑度である場合に比べて前記予め定められている時間条件は緩い、
ことを特徴とする(((2)))に記載の情報処理装置。
(((4)))
前記通信状況情報は、前記画像データを受信する予定の数である予定数を示す受信予定数情報である、
ことを特徴とする(((1)))に記載の情報処理装置。
(((5)))
前記予め定められる時間が経過する際、取得した前記受信情報により特定される画像データの数が前記受信予定数情報による予定数を下回っている場合、当該受信予定数情報を基に前記予め定められている時間条件が設定される、
ことを特徴とする(((4)))に記載の情報処理装置。
(((6)))
前記予め定められている時間条件の設定は、前記特定される画像データの数が前記予定数に達した場合に解除される、
ことを特徴とする(((5)))に記載の情報処理装置。
(((7)))
前記受信情報よりも信頼度が低い前記画像データの送信時間を取得した場合、前記第2情報の送信に代えた前記第1情報の送信は、当該送信時間を用いて判断される、
ことを特徴とする(((1)))乃至(((6)))のいずれか1つに記載の情報処理装置。
(((8)))
前記第2情報の送信に代えた前記第1情報の送信は、さらに前記画像データの送信時間に関する条件を満たすときに行われる、
ことを特徴とする(((7)))に記載の情報処理装置。
(((9)))
前記第2情報の送信に代えた前記第1情報の送信は、前記画像データの送信時間が前記予め定められる時間を経過していないことである、
ことを特徴とする(((7)))又は(((8)))に記載の情報処理装置。
(((10)))
情報処理装置に、
送信された画像データの受信日付及び受信時間を示す情報である受信情報を取得する機能と、
前記画像データを格納する格納先に当該画像データを転送する場合の当該格納先における格納場所を示す情報として、取得した前記受信情報の前記受信時間が予め定められる時間を経過していない場合に当該受信情報の前記受信日付を含む情報である第1情報を当該格納先に送信し、当該受信時間が当該予め定められる時間を経過している場合に当該受信日付の翌日以降のいずれかの日付を含む情報である第2情報を当該格納先に送信する機能と、
前記受信時間が前記予め定められる時間を経過している場合であって前記画像データの受信の際の通信状況を示す通信状況情報を取得した場合、当該画像データを転送する際、当該通信状況情報を基に設定される予め定められている時間条件を満たすときに前記第2情報の送信に代え、前記第1情報の送信を行う機能と、
を実現させるプログラム。
【0069】
(((1)))の発明によれば、取得日に処理されなかった画像データが翌日以降に見落とされて処理されない事態の発生を低減することができる。
(((2)))の発明によれば、通信状況情報は、画像データの受信の際の通信の混雑状況を示す通信混雑情報ではない場合に比べて、送信者が受ける不利益を低減することができる。
(((3)))の発明によれば、通信混雑情報は、混雑度を示す情報が含まれ、混雑度を示す情報が高い混雑度である場合、混雑度を示す情報が低い混雑度である場合に比べて予め定められている時間条件は緩いという構成を採用しない場合に比べて、状況に応じた時間条件を設定することができる。
(((4)))の発明によれば、通信状況情報は、画像データを受信する予定の数である予定数を示す受信予定数情報ではない場合に比べて、予め定められている時間条件を短い時間に設定することができる。
(((5)))の発明によれば、予め定められる時間が経過する際、取得した受信情報により特定される画像データの数が受信予定数情報による予定数を下回っている場合、受信予定数情報を基に予め定められている時間条件が設定される構成を採用しない場合に比べて、予め定められている時間条件が設定される頻度を下げることができる。
(((6)))の発明によれば、受信する予定のない画像データの受信を防止することができる。
(((7)))の発明によれば、受信情報よりも信頼度が低い画像データの送信時間を取得した場合、第2情報の送信に代えた第1情報の送信は、送信時間を用いて判断されるという構成を採用しない場合に比べて、送信者間で扱いの違いを抑制することができる。
(((8)))の発明によれば、第2情報の送信に代えた第1情報の送信は、さらに画像データの送信時間に関する条件を満たすときに行われるという構成を採用しない場合に比べて、送信者間で扱いの違いを抑制することができる。
(((9)))の発明によれば、第2情報の送信に代えた第1情報の送信は、画像データの送信時間が予め定められる時間を経過していないことであるという構成を採用しない場合に比べて、送信者間で扱いの違いを抑制することができる。
(((10)))の発明によれば、取得日に処理されなかった画像データが翌日以降に見落とされて処理されない事態の発生を低減することができる。
【符号の説明】
【0070】
4…当日フォルダ、5…翌日フォルダ、11a…CPU、41…第1フォルダ、51…第2フォルダ、100…画像形成装置、100A…情報処理部、101…情報取得部、102…送信制御部、103…表示制御部、200…サーバ装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10