(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135576
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】給湯装置
(51)【国際特許分類】
F24H 1/18 20220101AFI20240927BHJP
F24H 15/20 20220101ALI20240927BHJP
F24H 15/315 20220101ALI20240927BHJP
F24H 15/45 20220101ALI20240927BHJP
F24H 15/429 20220101ALI20240927BHJP
F24H 15/375 20220101ALI20240927BHJP
F24H 15/184 20220101ALN20240927BHJP
【FI】
F24H1/18 G
F24H15/20
F24H15/315
F24H15/45 101
F24H15/429
F24H15/375
F24H15/184
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023046341
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】内谷 和雄
(72)【発明者】
【氏名】山内 勇人
(72)【発明者】
【氏名】後藤田 将和
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 翔吾
(72)【発明者】
【氏名】谷本 和也
【テーマコード(参考)】
3L122
【Fターム(参考)】
3L122AA02
3L122AA23
3L122AA63
3L122AA64
3L122AA65
3L122AB24
3L122AB26
3L122BA42
3L122BB02
3L122DA01
3L122DA13
3L122EA09
3L122EA23
3L122GA09
(57)【要約】
【課題】リモコンと接続されていない状態でも、給湯が可能な給湯装置を提供する。
【解決手段】本開示における給湯装置は、貯湯タンクと、貯湯タンク内の湯水を加熱する加熱装置と、加熱装置を制御する制御装置と、を備え、加熱装置の動作を設定するリモコンと接続可能であり、リモコンとの接続時に加熱装置を動作させる第1沸き上げモードと、リモコンとの非接続時に加熱装置を動作させる第2沸き上げモードと、を有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯湯タンクと、
前記貯湯タンク内の湯水を加熱する加熱装置と、
前記加熱装置を制御する制御装置と、を備え、
前記加熱装置の動作を設定するリモコンと接続可能であり、
前記リモコンとの接続時に前記加熱装置を動作させる第1沸き上げモードと、前記リモコンとの非接続時に前記加熱装置を動作させる第2沸き上げモードと、を有する、
給湯装置。
【請求項2】
前記加熱装置は、前記第1沸き上げモード時には、前記リモコンの操作によって、沸き上げ下限温度以上且つ沸き上げ上限温度以下の範囲内で変化する第1温度まで前記貯湯タンク内の前記湯水を加熱し、前記第2沸き上げモード時には、前記貯湯タンク内の前記湯水を前記沸き上げ上限温度よりも低温の非接続時沸き上げ温度まで加熱する、
請求項1に記載の給湯装置。
【請求項3】
前記貯湯タンクより高温水を流す出湯管と、
前記高温水よりも低温の冷水を供給する給水管と、
前記高温水と前記冷水とを混合させて給湯端末に供給される混合水とする湯水混合装置と、を有し、
前記制御装置は、前記第2沸き上げモード時に、前記湯水混合装置における前記高温水と前記冷水との混合比率を規制する、
請求項1に記載の給湯装置。
【請求項4】
前記第1沸き上げモードと、前記第2沸き上げモードと、は切り替え可能である、
請求項1から3のいずれかに記載の給湯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、給湯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、リモコンの操作によって運転モードを実行する給湯システムを開示する。この給湯システムは、台所リモコンおよび遠隔通信手段の操作によって運転モードを実行するとき、リモコンが音声でその旨を報知するため、浴室での入浴者の使用性と安全性を高めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、リモコンと接続されていない状態でも、給湯が可能な給湯装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示における給湯装置は、貯湯タンクと、前記貯湯タンク内の湯水を加熱する加熱装置と、前記加熱装置を制御する制御装置と、を備え、前記加熱装置の動作を設定するリモコンと接続可能であり、前記リモコンとの接続時に前記加熱装置を動作させる第1沸き上げモードと、前記リモコンとの非接続時に前記加熱装置を動作させる第2沸き上げモードと、を有する。
【発明の効果】
【0006】
本開示における給湯装置は、リモコンとの非接続時においても、第2沸き上げモードで動作することにより、貯湯タンク内の水を加熱できる。このため、リモコンと接続されていない状態でも、給湯が可能な給湯装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【発明を実施するための形態】
【0008】
発明者らが本開示に想到するに至った当時、浴室や台所などに設置されたリモコンから操作される給湯装置が知られていた。そのため、当該業界では、使用者が意図していない給湯を防ぐため、リモコンと接続されていない場合には、給湯装置は水を加熱して沸き上げる運転を行わない、という製品設計をするのが一般的であった。そうした状況下において、発明者らは、従来の給湯装置では、リモコンの供給が給湯装置に追いつかない場合等において、リモコンが使用者のもとに届くまで、使用者は給湯装置からお湯の供給を受けることができない、という課題があることを発見し、本開示の主題を構成するに至った。
そこで本開示は、リモコンと接続されていない状態でも、給湯が可能な給湯装置を提供する。
【0009】
以下、図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が必要以上に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0010】
(実施の形態1)
[1-1.構成]
図1は、給湯装置1の構成を示す図である。
図1に示すように給湯装置1は、筐体を有する装置であるヒートポンプユニット2、筐体を有する装置である貯湯ユニット3を備える。また、給湯装置1は、浴室に設置されるリモコン4と接続可能である。
【0011】
[1-1-1.ヒートポンプユニット、及び貯湯ユニットの構成]
まず、ヒートポンプユニット2、及び貯湯ユニット3の構成について説明する。
【0012】
ヒートポンプユニット2は、ヒートポンプ回路20を備える。
ヒートポンプ回路20は、冷媒を圧縮して高温冷媒を吐出する圧縮機21、水と高温冷媒とを熱交換して温水を生成する第1熱交換器22、冷媒を減圧する減圧装置23、空気と冷媒とで熱交換を行う蒸発器24とを備える。圧縮機21、第1熱交換器22、減圧装置23、及び蒸発器24は、冷媒配管25により連結される。なお、第1熱交換器22には、プレート式の熱交換器や二重管方式の熱交換器を用いることができる。
【0013】
貯湯ユニット3は、湯水を貯留する貯湯タンク30と、貯湯タンク30が貯留する湯水を沸き上げる沸上回路40の一部と、貯湯タンク30が貯留する湯水を給湯する給湯回路50と、貯湯タンク30が貯留する湯水を用いて浴槽8の浴槽水を追い焚きする追焚回路60と、貯湯タンク30に給水を行う給水回路70と、を備える。
【0014】
貯湯タンク30は、積層沸上タイプのタンクである。貯湯タンク30においては、湯水を沸き上げる沸上運転中には、上部に高温の湯水である高温水、下部に高温水よりも低温の湯水である低温水、中間部に高温水と低温水との中間の温度の湯水である中温水が積層される。貯湯タンク30の上部には、高温水流出配管(出湯管)31が接続され、貯湯タンク30の下部には給水配管32と、低温水流入出継手33とが接続される。また、貯湯タンク30内には、高温水の温度を測るタンク内温度センサ30aが配置される。
高温水流出配管31には、開放弁80が設けられる。
低温水流入出継手33には、低温水排水パイプ90が接続される。低温水排水パイプ90には逃し弁91が設けられる。
逃し弁91は、貯湯タンク30内が過圧状態になると開状態となって排水させることで貯湯タンク30内の圧力を低下させる。また、逃し弁91は、貯湯タンク30が貯留する湯水を排出する排出弁としても機能する。
【0015】
沸上回路40は、低温水流入出継手33、沸上ポンプ41、第1熱交換器22、及び貯湯タンク30により構成される。低温水流入出継手33、沸上ポンプ41、第1熱交換器22、及び貯湯タンク30は、沸上水配管42により連結される。
【0016】
沸上回路40においては、沸上ポンプ41が駆動することによって、低温水流入出継手33から低温水が第1熱交換器22へ送られる。第1熱交換器22においては、低温水が冷媒から吸熱して高温水になる。第1熱交換器22で生成された高温水は、貯湯タンク30に戻される。すなわち、給湯装置1は、ヒートポンプユニット2および沸上回路40を動作させることにより、貯湯タンク30内の湯水を加熱する。以下では、ヒートポンプユニット2および沸上回路40を合わせて、「加熱装置10」と呼称する。
【0017】
沸上水配管42には、三方弁43を設けられる。第1熱交換器22で生成された高温水は、三方弁43の切り替えによって、貯湯タンク30の上部、又は貯湯タンク30の下部に戻される。三方弁43より下流側の沸上水配管42は、低温水流入出継手33に接続され、貯湯タンク30の下部には、高温水が低温水流入出継手33から流入する。なお、貯湯タンク30内に高温水がほとんど存在しない沸上初期運転、又は凍結防止運転では、高温水を低温水流入出継手33に導き、通常の沸上運転では、高温水を貯湯タンク30の上部に導くように、三方弁43の切り替えが行われる。
沸上水配管42には、缶体保護弁44が設けられる。貯湯タンク30内が過圧状態になると缶体保護弁44は、開状態となって排水を行い貯湯タンク30内の圧力を低下させる。
【0018】
給湯回路50は、高温水流出配管31と給湯栓(給湯端末)9とを接続する給湯配管(出湯管)51、第1混合弁52、及び第2混合弁(湯水混合装置)53により構成される。給湯栓9は、例えば、浴室内に位置し、シャワーヘッド等に接続される。
第1混合弁52は、給湯配管51に設けられる。第1混合弁52は、高温水流出配管31からの高温水と、中温水流出配管34からの中温水とを混合し、給湯配管51を流れる高温水の温度を調整可能である。なお、中温水流出配管34は、貯湯タンク30の高さ方向の中間部に接続されている。
第2混合弁53は、給湯配管51に設けられる。第2混合弁53は、貯湯タンク30からの高温水と、給水管71から供給される、高温水よりも低温の冷水と、を混合して混合水とする。第2混合弁53はサーボモータ等のアクチュエータを有するミキシングバルブであり、アクチュエータの動作位置によって高温水と冷水との混合比率を変化させ、混合水の温度を調整可能である。また、第2混合弁53には、混合水の温度を測る混合弁温度センサ53aが内蔵されている。第2混合弁53において混合された混合水は、給湯配管51を介して給湯栓9から外部に供給される。
【0019】
追焚回路60は、高温水流出配管31、第2熱交換器61、追焚ポンプ62、及び貯湯タンク30により構成される。高温水流出配管31、第2熱交換器61、追焚ポンプ62、及び貯湯タンク30の中間部は、追焚水配管63により連結される。
【0020】
追焚回路60においては、追焚ポンプ62が駆動することによって、高温水流出配管31からの高温水が第2熱交換器61へ送られる。第2熱交換器61においては、高温水が放熱して中温水となる。この中温水は、貯湯タンク30の中間部に戻される。
【0021】
第2熱交換器61には、循環ポンプ64を設けた浴槽水循環配管65によって浴槽水が導かれる。第2熱交換器61で吸熱した浴槽水は、浴槽水循環配管65によって浴槽8に戻される。
【0022】
給水回路70は、給水源より伸びる水道管7と給水配管32とを接続する給水管71により構成される。また、給水管71は、分岐して第2混合弁53に接続する。
給水管71は、貯湯タンク30が貯留する湯水が減少すると、給水する。また、給水管71は、第2混合弁53に対して必要とされる冷水を給水する。
【0023】
第1混合弁52より下流で第2混合弁53より上流で給湯配管51から分岐させた浴槽給湯用高温水分岐配管66と、第2混合弁53より上流で給水管71から分岐させた浴槽給湯用低温水分岐配管67とが、第3混合弁68に接続され、第3混合弁68から流出する混合水は、浴槽給湯用配管69によって浴槽8に導かれる。
浴槽給湯用配管69には、浴槽給湯弁69Aを設けている。浴槽給湯弁69Aが開状態になることで、設定された浴槽温度に第3混合弁68で混合された混合水が、浴槽給湯用配管69によって浴槽8に導かれる。
【0024】
また、貯湯ユニット3には、制御基板(制御装置)100が設けられている。制御基板100は、給湯装置1の各部を制御する基板である。制御基板100についての詳細は、後述する。
【0025】
[1-1-2.リモコンの構成]
次に、リモコン4の構成について説明する。
図1に示すように、リモコン4は、リモコンコード4aを介して、貯湯ユニット3の漏電遮断器6に接続される。リモコンコード4aは、リモコン4の電源線である。漏電遮断器6のスイッチが「入」のとき、リモコンコード4aに電力が供給され、漏電遮断器6のスイッチが「切」のときは、リモコンコード4aに対する電力の供給が遮断される。
【0026】
図2は、リモコン4、及び制御基板100の構成を示す図である。
リモコン4は、リモコン制御装置400、リモコン通信部430、リモコンディスプレイ440、及びリモコン操作部450を備える。
【0027】
リモコン制御装置400は、CPU(Central Processing Unit)などの第1プロセッサ410と、第1メモリ420と、他の装置やセンサ類を接続するためのインターフェース回路とを備え、リモコン4の各部を制御する。
【0028】
第1メモリ420は、プログラムやデータを記憶する記憶装置である。第1メモリ420は、第1制御プログラム421、その他の第1プロセッサ410に処理されるデータを記憶する。第1メモリ420は、不揮発性の記憶領域を有する。また、第1メモリ420は、揮発性の記憶領域を備え、第1プロセッサ410のワークエリアを構成してもよい。第1メモリ420は、例えばROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)によって構成される。
【0029】
第1制御プログラム421は、第1プロセッサ410を後述する機能部として機能させるためのプログラムである。
【0030】
リモコン通信部430は、通信回路などのハードウェアを備え、リモコン制御装置400の制御に従って、制御基板100と通信する。なお、リモコン通信部430の通信規格は、有線規格でもよいし無線規格でもよい。
【0031】
リモコンディスプレイ440は、液晶やLED(Light Emitting Diode)などにより構成されるディスプレイであり、リモコン制御装置400の制御に従って、各種の情報を表示する。
【0032】
リモコン操作部450は、給湯装置1を操作するための操作スイッチを複数備える。操作スイッチの各々は、リモコン4の筐体に配置される。リモコン操作部450が具備する操作スイッチの各々は、操作されると操作信号をリモコン制御装置400に出力する。
【0033】
第1プロセッサ410は、第1メモリ420が記憶する第1制御プログラム421を読み出して実行することにより、第1設定部411として機能する。
【0034】
第1設定部411は、リモコン通信部430を介して制御基板100と通信する。第1設定部411は、リモコンディスプレイ440に設定画面を表示させ、ユーザによるリモコン操作部450の操作を受け付けることにより、給湯装置1の動作の各種設定を行う。
【0035】
[1-1-3.制御基板の構成]
次に、制御基板100の構成について説明する。
制御基板100は、CPUなどの第2プロセッサ110と、第2メモリ120と、他の装置やセンサ類を接続するためのインターフェース回路とを備え、給湯装置1の各部を制御する。制御基板100には、圧縮機21、沸上ポンプ41、追焚ポンプ62、循環ポンプ64、三方弁43、第1混合弁52、第2混合弁53、第3混合弁68、浴槽給湯弁69A、混合弁温度センサ53a、タンク内温度センサ30a、および、リモコン4が接続される。なお、制御基板100が接続する機器は、これら機器に限定されず、さらに多くの機器が接続してもよい。
【0036】
第2メモリ120は、プログラムやデータを記憶する記憶装置である。第2メモリ120は、第2制御プログラム121、第2設定データ123、非接続時設定データ125、および、その他の第2プロセッサ110に処理されるデータを記憶する。第2メモリ120は、不揮発性の記憶領域を有する。また、第2メモリ120は、揮発性の記憶領域を備え、第2プロセッサ110のワークエリアを構成してもよい。第2メモリ120は、例えばROMやRAMによって構成される。
【0037】
第2制御プログラム121は、第2プロセッサ110を後述する機能部として機能させるプログラムである。
第2設定データ123は、給湯装置1の各種動作の設定値のデータである。例えば、第2設定データ123は、第2混合弁53から給湯栓9に供給される混合水の設定温度である給湯設定温度、浴槽8の浴槽水の設定温度等の、リモコン4によって設定可能な設定値を含む。また、第2設定データは、後述する第1沸き上げモード時における、貯湯タンク30内の湯水の沸き上げ時の設定温度である第1温度123aを含む。第1温度123aは、ユーザがリモコン4によって直接的に設定可能であってもよく、ユーザが浴槽8の浴槽水の設定温度等の他の設定値を設定した際に、自動で設定されてもよい。
【0038】
また、第2設定データ123は、リモコン4によって設定されず、第2メモリ120にあらかじめ記憶される設定値のデータを含む。例えば、第2設定データ123は、第1温度123aの上限値である沸き上げ上限温度123b、および、第1温度123aの下限値である沸き上げ下限温度123cを含んでいる。本実施の形態では、沸き上げ下限温度123cは65℃であり、沸き上げ上限温度123bは90℃である。すなわち、第1温度123aは、65℃以上、且つ、90℃以下に設定される。
【0039】
非接続時設定データ125は、リモコン4によって設定されず、給湯装置1の製造時にあらかじめ第2メモリ120に記憶されるデータである。非接続時設定データ125は、後述する第2沸き上げモード時における貯湯タンク30内の湯水の沸き上げ時の設定温度である非接続時沸き上げ温度125aを含む。非接続時沸き上げ温度125aは、沸き上げ上限温度123bよりも低い温度に設定され、本実施の形態では、沸き上げ下限温度123cと同じ65℃である。
【0040】
さらに、非接続時設定データ125は、非接続時動作範囲125bを含む。非接続時動作範囲125bは、後述する第2沸き上げモード時における、第2混合弁53のアクチュエータの動作位置の範囲である。すなわち、第2沸き上げモード時には、第2混合弁53のアクチュエータの動作位置は非接続時動作範囲125b内に規制され、第2混合弁53における高温水と冷水との混合比率は規制される。このとき、高温水と冷水との混合比率は、高温水の混合比率に上限を設け、混合水の温度が非接続時給湯温度を超過しないように規制される。本実施の形態では、非接続時給湯温度は、47℃である。また、本実施の形態では、非接続時動作範囲125bは、幅を持たない点である。すなわち、本実施の形態では、第2沸き上げモード時には、第2混合弁53における高温水と冷水との混合比率は、混合水が非接続時給湯温度である47℃になる比率に固定される。
【0041】
第2プロセッサ110は、第2メモリ120が記憶する第2制御プログラム121を読み出して実行することにより、判定部111、及び運転制御部112として機能する。
【0042】
判定部111は、給湯装置1に対してリモコン4が接続されているか否かを判定し、判定結果に応じて、給湯装置1の運転モードを後述する第1沸き上げモードと第2沸き上げモードとの間で切り替える。
【0043】
運転制御部112は、制御基板100に接続する圧縮機21や、各種ポンプ、各種弁などを制御することで、給湯装置1を制御する。
【0044】
[1-2.動作]
次に、給湯装置1の動作について説明する。
図3は、給湯装置1の動作を示すフローチャートである。
図3のフローチャートは、リモコン4との接続判定(ステップSA1)、第1沸き上げモード時の動作(ステップSA2からSA4)、および、第2沸き上げモード時の動作(ステップSA5からSA7)に分類できる。以下では、それぞれの動作について詳細に説明する。
【0045】
[1-2-1.リモコンとの接続判定]
給湯装置1は、リモコン4と接続(具体的には通信接続)されていない状態であっても、単独で動作が可能に構成されている。これは、例えば、部品供給の制約などにより、リモコン4の製造が給湯装置1の供給に追いつかず、給湯装置1のみが先に設置される場合等に対応するためである。ただし、リモコン4との非接続時における給湯装置1の動作は、リモコン4との接続時の動作と異なる。このように、給湯装置1は、リモコン4との接続中か否かにより、その挙動が変化するため、リモコン4との接続中か否かを判定することができる構成とされている。以下、給湯装置1によるリモコンとの接続判定の動作(ステップSA1)について、説明する。
【0046】
ステップSA1において、判定部111は、給湯装置1がリモコン4と接続されているか否かを判定する。具体的には、本実施の形態では、判定部111は、漏電遮断器6のスイッチが「入」のとき、給湯装置1は、制御基板100とリモコン4と接続されていると判定する(ステップSA1:YES)。また、漏電遮断器6のスイッチが「入」のとき、判定部111は、制御基板100とリモコン4が非接続とされた場合、給湯装置1は、リモコンと非接続と判定する。
【0047】
リモコン4なしで給湯装置1が設置される場合、漏電遮断器6に対してリモコンコード4aは接続されず、制御基板100はリモコン非接続と判定する。また、リモコン4が給湯装置1と接続される際、漏電遮断器6に対してリモコンコード4aおよびリモコン4が接続され、リモコン4の電源供給のために、制御基板100はリモコン接続状態と判定する。このように、本実施の形態の給湯装置1において、制御基板100がリモコン4との接続中か否かを判定する。このため、本実施の形態の判定部111は、制御基板100の判定によって、間接的にリモコンとの接続状態を判定する。
【0048】
判定部111が、給湯装置1はリモコン4と接続されていると判定した場合(ステップSA1:YES)、ステップSA2に移行する。判定部111が、給湯装置1はリモコン4と接続されていないと判定した場合(ステップSA1:NO)、ステップSA5に移行する。
【0049】
[1-2-2.リモコンとの接続時の動作]
ステップSA2からステップSA4までの動作は、上述の通り、給湯装置1とリモコン4とが接続中であることを前提としている。
ステップSA2において、給湯装置1は、第1沸き上げモードに移行する。第1沸き上げモードは、給湯装置1において、ユーザによるリモコン4の操作に基づいて動作する運転モードである。第1沸き上げモード時には、リモコン4による任意のタイミングでの各種設定の変更が可能である。例えば、第1沸き上げモード時には、リモコン4の操作により、第2設定データ123に含まれる、上述の給湯設定温度および第1温度123a等が設定される。
【0050】
ステップSA3において、運転制御部112は、加熱装置10を動作させて貯湯タンク30内の湯水を加熱し、湯水の温度がリモコン4の操作によって設定された第1温度123aになるまで沸き上げる動作を行う。詳細には、運転制御部112は、ヒートポンプユニット2の圧縮機21および沸上回路40の沸上ポンプ41を動作させることにより、沸上回路40内を循環させながら、貯湯タンク30内の湯水を加熱する。また、運転制御部112は、第2メモリ120から第1温度123aを読み出す。運転制御部112は、タンク内温度センサ30aによる湯水の温度の測定値が第1温度123aに達した時点で、圧縮機21および沸上ポンプ41の動作を停止させる。これにより、貯湯タンク30内の湯水は、第1温度123aまで沸き上げられる。
【0051】
ステップSA4において、運転制御部112は、第2混合弁53を動作させて冷水と高温水との混合割合を調整し、混合水の温度を、リモコン4の操作によって設定された給湯設定温度に一致させる。詳細には、運転制御部112は、第2メモリ120から給湯設定温度を読み出す。運転制御部112は、混合弁温度センサ53aによる混合水の温度の測定値を参照し、測定値が読み出した給湯設定温度よりも低ければ、第2混合弁53のアクチュエータを動作させ、高温水の混合比率を増加させる。逆に、混合弁温度センサ53aによる測定値が読み出した給湯設定温度よりも高ければ、運転制御部112は第2混合弁53のアクチュエータを動作させ、冷水の混合比率を増加させる。これにより、給湯栓9に供給される混合水の温度が給湯設定温度に一致し、給湯設定温度での給湯が可能となる。
【0052】
ステップSA4の後は、再びステップSA1に戻る。なお、リモコン4との接続時の動作において、ステップSA3とステップSA4は順不同に実行される。
【0053】
[1-2-3.リモコンとの非接続時の動作]
ステップSA5からステップSA7までの動作は、上述の通り、給湯装置1とリモコン4とが接続されていないことを前提としている。このため、ステップSA5からステップSA7では、例えば、給湯装置1の各種装置の故障などの異常が発生した場合、リモコン4のリモコンディスプレイ440にエラーメッセージ等を表示させることができず、ユーザに異常を知らせることが難しい。これに対し、本実施の形態の給湯装置1は、各種装置が故障などした場合にもユーザに不利益とならないように、リモコン4との接続時よりも各種機能を安全側に制限したうえで、ステップSA5からステップSA7までの動作を実行する。
【0054】
ステップSA5において、給湯装置1は、第2沸き上げモードに移行する。第2沸き上げモードは、給湯装置1において、リモコン4の操作に基づかず、非接続時設定データ125に含まれる各種設定値に基づいて動作する運転モードである。
【0055】
ステップSA6において、運転制御部112は、加熱装置10を動作させて貯湯タンク30内の湯水を加熱し、湯水の温度が非接続時沸き上げ温度125aになるまで沸き上げる動作を行う。詳細には、運転制御部112は、ヒートポンプユニット2の圧縮機21および沸上回路40の沸上ポンプ41を動作させることにより、沸上回路40内を循環させながら、貯湯タンク30内の湯水を加熱する。また、運転制御部112は、第2メモリ120から非接続時設定データ125の非接続時沸き上げ温度125aを読み出す。運転制御部112は、タンク内温度センサ30aによる湯水の温度の測定値が読み出した非接続時沸き上げ温度125aに達した時点で、圧縮機21および沸上ポンプ41の動作を停止させる。これにより、貯湯タンク30内の湯水は、非接続時沸き上げ温度125aまで沸き上げられる。
【0056】
上述のように、非接続時沸き上げ温度125aは、沸き上げ上限温度123bよりも低い温度であり、本実施の形態では沸き上げ下限温度123cと同等の65℃である。このため、仮に貯湯タンク30内の湯水が第2混合弁53で十分に冷水と混合されないままに給湯栓9に供給された場合であっても、過度な高温での給湯を抑制でき、安全性を高めることができる。
【0057】
ステップSA7において、運転制御部112は、第2混合弁53を動作させて冷水と高温水との混合割合を調整し、混合水の温度を、非接続時給湯温度以下にする。詳細には、運転制御部112は、第2メモリ120から非接続時設定データ125の非接続時動作範囲125bを読み出し、第2混合弁53のアクチュエータの動作位置を非接続時動作範囲125b内に制御する。これにより、第2混合弁53における高温水と冷水との混合比率が調整され、混合水の温度が非接続時給湯温度以下になる。なお、上述のように、本実施の形態では、非接続時動作範囲125bは幅を持たない点であるため、給湯栓9に供給される混合水の温度は非接続時給湯温度である47℃に固定される。
【0058】
上述のように、第2混合弁53のアクチュエータの動作位置が非接続時動作範囲125b内の場合、高温水と冷水との混合比率の範囲は、高温水の混合比率に上限が設けられるように規制される。このため、非接続時給湯温度は、非接続時沸き上げ温度125aよりも低い温度となり、安全性が高まる。また、仮にステップSA7の後で第2混合弁53が故障し、アクチュエータの動作位置が変更できなくなった場合でも、給湯栓9に供給される混合水の温度が過度に高温になることがなく、安全性を高めることができる。
【0059】
ステップSA7の後は、再びステップSA1に戻る。なお、リモコン4との非接続時の動作において、ステップSA6とステップSA7は順不同に実行される。
【0060】
上述したように、本実施の形態の給湯装置1は、ステップSA4またはステップSA7の実行後には、再びステップSA1の判定を実行する。すなわち、漏電遮断器6のスイッチを操作で制御基板100がリモコン非接続状態と判定した場合、給湯装置1の運転モードを、第1沸き上げモードと第2沸き上げモードとの間で切り替えることができる。例えば、給湯装置1が第2沸き上げモードで運転しているときに、漏電遮断器6に対してリモコンコード4aを介してリモコン4を取り付け、制御基板100がリモコン接続状態と判定した場合、給湯装置1の運転モードは、第1沸き上げモードに切り替わる。このため、本実施の形態では、リモコン4なしで給湯装置1が先に設置された場合には、給湯装置1を暫定的に第2沸き上げモードで運転させ、リモコン4が供給された後にリモコン4と給湯装置1とを接続させ、給湯装置1を通常通りに第1沸き上げモードで運転させる、といったことができる。
【0061】
[1-3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、給湯装置1は、貯湯タンク30と、貯湯タンク30内の湯水を加熱するヒートポンプユニット2および沸上回路40を有する加熱装置10と、加熱装置10を制御する制御基板100と、を備え、加熱装置10の動作を設定するリモコン4と接続可能であり、リモコン4との接続時に加熱装置10を動作させる第1沸き上げモードと、リモコン4との非接続時に加熱装置10を動作させる第2沸き上げモードと、を有する。
これにより、給湯装置1は、リモコン4と接続されていない状態であっても、第2沸き上げモードで運転することができる。従って、リモコン4と接続されていない状態においても給湯することが可能になる。
【0062】
また、加熱装置10は、第1沸き上げモード時には、リモコン4の操作によって、沸き上げ下限温度123c以上且つ沸き上げ上限温度123b以下の範囲内で変化する第1温度123aまで貯湯タンク30内の湯水を加熱し、第2沸き上げモード時には、貯湯タンク30内の湯水を沸き上げ上限温度123bよりも低温の非接続時沸き上げ温度125aまで加熱する。
これにより、給湯装置1による給湯の温度は、沸き上げ上限温度123bよりも低温の非接続時沸き上げ温度125a以下に抑制される。このため、過度な高温での給湯を抑制でき、安全性を高めることができる。
【0063】
また、給湯装置1は、貯湯タンク30より高温水を流す高温水流出配管31、給湯配管51と、高温水よりも低温の冷水を供給する給水管71と、高温水と前記冷水とを混合させて給湯栓9に供給される混合水とする第2混合弁53と、を有し、制御基板100は、第2沸き上げモード時に、第2混合弁53における高温水と冷水との混合比率を規制する。
これにより、第2沸き上げモード時において、給湯栓9に供給される混合水の温度の範囲を規制することができる。このため、想定外の温度での給湯を抑制できる。また、リモコン4に対してエラー通知等を表示できない第2沸き上げモード時において、第2混合弁53が故障して高温水と冷水との混合比率を変化させられなくなった場合であっても、想定外の温度での給湯を抑制できる。特に、本実施の形態では、第2混合弁53における高温水と冷水との混合比率は、高温水の混合比率に上限を設けるように規制されるため、混合水の温度上限である非接続時給湯温度は、非接続時沸き上げ温度125aよりも低温になる。このため、意図しない高温での給湯を抑制でき、安全性を高めることができる。
【0064】
また、給湯装置1において、第1沸き上げモードと、第2沸き上げモードと、は切り替え可能である。
これにより、リモコン4なしで給湯装置1が先に設置された場合には、給湯装置1を暫定的に第2沸き上げモードで運転させ、その後、リモコン4と給湯装置1とを接続させ、給湯装置1を第1沸き上げモードで運転させることができる。このため、給湯装置1の利便性を高めることができる。特に、本実施の形態では、漏電遮断器6のスイッチを「入」操作時に制御基板100にて第1沸き上げモードと第2沸き上げモードとを切り替え可能なため、容易に切り替えることができる。
【0065】
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
【0066】
実施の形態1では、給湯装置1の加熱装置10は、ヒートポンプユニット2を有すると説明したが、加熱装置10は貯湯タンク30内の湯水を加熱することができればよく、ヒートポンプユニット2を有するものに限られない。例えば、加熱装置10の加熱方式は、ガスまたは石油の燃焼によるものや、電熱線等を有するヒータの発熱によるものであってもよい。
【0067】
実施の形態1では、給湯装置1は、浴室に設置されるリモコン4と接続可能であり、給湯栓9は、浴室に設置されると説明したが、これは一例である。例えば、リモコン4は、台所に設置され、給湯栓9は、台所の流し台に設置される構成としてもよい。また、給湯装置1には、複数のリモコン4が接続可能であり、浴室および台所など、複数の箇所にリモコン4および給湯栓9が配置されていてもよい。また、第2混合弁53から混合水の供給を受ける給湯端末の一例として給湯栓9を説明したが、給湯端末は給湯栓9に限定されず、混合水を給湯装置1の外部に供給可能なものであれば任意の装置であってもよい。
【0068】
実施の形態1では、給湯装置1の運転モードは、漏電遮断器6のスイッチの「入」と「切」との切り替わりによって、第1沸き上げモードと第2沸き上げモードとの間で切り替わると説明したが、これは一例である。例えば、給湯装置1は、リモコン4に対して任意の信号の返信を要求し、リモコン4からの返信があった場合に第1沸き上げモードで運転し、リモコン4からの返信が無かった場合に、第2沸き上げモードで運転する構成としてもよい。すなわち、給湯装置1は、実際にリモコン4との通信を試み、通信の成否によって、リモコン4との接続がされているか否かを判定する構成としてもよい。
【0069】
第1プロセッサ410、および第2プロセッサ110は、単一のプロセッサにより構成されてもよいし、複数のプロセッサにより構成されていてもよい。これらプロセッサは、対応する機能部を実現するようプログラムされたハードウェアでもよい。すなわち、これらプロセッサは、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)で構成されてもよい。
【0070】
図2に示した制御基板100とリモコン4との構成は一例であって、具体的な実装形態は特に限定されない。つまり、必ずしも各部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサがプログラムを実行することで各部の機能を実現する構成とすることも可能である。また、上述した実施の形態においてソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアとしてもよく、或いは、ハードウェアで実現される機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。
【0071】
図3に示す動作のステップ単位は、動作の理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって、動作が限定されることはない。処理内容に応じて、さらに多くのステップ単位に分割してもよい。また、1つのステップ単位がさらに多くの処理を含むように分割してもよい。また、そのステップの順番は、本開示の趣旨に支障のない範囲で適宜に入れ替えてもよい。
【0072】
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【0073】
(付記)
以上の実施の形態の記載により、下記の技術が開示される。
【0074】
(技術1)貯湯タンクと、前記貯湯タンク内の湯水を加熱する加熱装置と、前記加熱装置を制御する制御装置と、を備え、前記加熱装置の動作を設定するリモコンと接続可能であり、前記リモコンとの接続時に前記加熱装置を動作させる第1沸き上げモードと、前記リモコンとの非接続時に前記加熱装置を動作させる第2沸き上げモードと、を有する、給湯装置。
これにより、給湯装置は、リモコンと接続されていない状態であっても、第2沸き上げモードで運転することができる。従って、リモコンと接続されていない状態においても給湯が可能な給湯装置を提供できる。
【0075】
(技術2)前記加熱装置は、前記第1沸き上げモード時には、前記リモコンの操作によって、沸き上げ下限温度以上且つ沸き上げ上限温度以下の範囲内で変化する第1温度まで前記貯湯タンク内の前記湯水を加熱し、前記第2沸き上げモード時には、前記貯湯タンク内の前記湯水を前記沸き上げ上限温度よりも低温の非接続時沸き上げ温度まで加熱する、技術1に記載の給湯装置。
これにより、給湯装置による給湯の温度は、沸き上げ上限温度よりも低温の非接続時沸き上げ温度以下に抑制される。このため、過度な高温での給湯を抑制でき、安全性を高めることができる。
【0076】
(技術3)前記貯湯タンクより高温水を流す出湯管と、前記高温水よりも低温の冷水を供給する給水管と、前記高温水と前記冷水とを混合させて給湯端末に供給される混合水とする湯水混合装置と、を有し、前記制御装置は、前記第2沸き上げモード時に、前記湯水混合装置における前記高温水と前記冷水との混合比率を規制する、技術1または2に記載の給湯装置。
これにより、第2沸き上げモード時において、給湯端末に供給される混合水の温度の範囲を規制することができる。このため、想定外の温度での給湯を抑制できる。また、リモコンに対してエラー通知等を表示できない第2沸き上げモード時において、湯水混合装置が故障して高温水と冷水との混合比率を変化させられなくなった場合であっても、想定外の温度での給湯を抑制できる。
【0077】
(技術4)前記第1沸き上げモードと、前記第2沸き上げモードと、は切り替え可能である、技術1から3のいずれかに記載の給湯装置。
これにより、リモコンなしで給湯装置が先に設置された場合には、給湯装置を暫定的に第2沸き上げモードで運転させ、その後、リモコンと給湯装置とを接続させ、給湯装置を第1沸き上げモードで運転させることができる。このため、給湯装置の利便性を高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本開示は、給湯装置に適用可能である。具体的には、ヒートポンプ式の給湯装置、ガス式の給湯装置、石油式の給湯装置、および、ヒータ式の給湯装置などに、本開示は適用可能である。
【符号の説明】
【0079】
1 給湯装置
2 ヒートポンプユニット
3 貯湯ユニット
4 リモコン
4a リモコンコード
6 漏電遮断器
7 水道管
8 浴槽
9 給湯栓(給湯端末)
10 加熱装置
20 ヒートポンプ回路
21 圧縮機
22 第1熱交換器
23 減圧装置
24 蒸発器
25 冷媒配管
30 貯湯タンク
30a タンク内温度センサ
31 高温水流出配管(出湯管)
32 給水配管
33 低温水流入出継手
34 中温水流出配管
40 沸上回路
41 沸上ポンプ
42 沸上水配管
43 三方弁
44 缶体保護弁
50 給湯回路
51 給湯配管(出湯管)
52 第1混合弁
53 第2混合弁(湯水混合装置)
53a 混合弁温度センサ
60 追焚回路
61 第2熱交換器
62 追焚ポンプ
63 追焚水配管
64 循環ポンプ
65 浴槽水循環配管
66 浴槽給湯用高温水分岐配管
67 浴槽給湯用低温水分岐配管
68 第3混合弁
69 浴槽給湯用配管
69A 浴槽給湯弁
70 給水回路
71 給水管
80 開放弁
90 温水排水パイプ
91 逃し弁
100 制御基板(制御装置)
110 第2プロセッサ
111 判定部
112 運転制御部
120 第2メモリ
121 第2制御プログラム
123 第2設定データ
123a 第1温度
123b 沸き上げ上限温度
123c 沸き上げ下限温度
125 非接続時設定データ
125a 非接続時沸き上げ温度
125b 非接続時動作範囲
400 リモコン制御装置
410 第1プロセッサ
411 第1設定部
420 第1メモリ
421 第1制御プログラム
430 リモコン通信部
440 リモコンディスプレイ
450 リモコン操作部