(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135583
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】上下関係推定支援装置、上下関係推定支援方法、プログラム及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0631 20230101AFI20240927BHJP
【FI】
G06Q10/0631
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023046351
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【弁理士】
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201732
【弁理士】
【氏名又は名称】松縄 正登
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【弁理士】
【氏名又は名称】伊佐治 創
(74)【代理人】
【識別番号】100227019
【弁理士】
【氏名又は名称】安 修央
(72)【発明者】
【氏名】浅沼 爽汰
(72)【発明者】
【氏名】菅原 収吾
(72)【発明者】
【氏名】渡部(丸山) 佳織
(72)【発明者】
【氏名】山本 純一
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA20
5L049AA20
(57)【要約】
【課題】 会話参加者の上下関係を推定できる上下関係推定支援装置を提供する。
【解決手段】 本発明の上下関係推定支援装置は、発言情報取得部、及び権威ベクトル算出部を含み、
前記発言情報取得部は、発言情報を取得し、
前記発言情報は、発言者から対象者への発言内容を含み、
前記権威ベクトル算出部は、前記発言情報に基づいて、前記発言者の前記対象者に対する権威発言ベクトルを算出する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発言情報取得部、及び権威ベクトル算出部を含み、
前記発言情報取得部は、発言情報を取得し、
前記発言情報は、発言者から対象者への発言内容を含み、
前記権威ベクトル算出部は、前記発言情報に基づいて、前記発言者の前記対象者に対する権威発言ベクトルを算出する、上下関係推定支援装置。
【請求項2】
前記権威ベクトル算出部は、
前記発言情報に基づいて、前記発言者から前記対象者への発言内容における発言の方向性カテゴリと、方向性カテゴリごとの強度とを算出し、
前記方向性カテゴリと前記方向性カテゴリごとの強度とに基づいて前記権威ベクトルを算出する、請求項1記載の上下関係推定支援装置。
【請求項3】
分析部を含み、
前記分析部は、権威ネットワーク生成部を含み、
前記発言情報取得部は、グループの構成員の発言情報を取得し、
前記権威ベクトル算出部は、前記発言情報に基づいて、前記グループの構成員間における権威発言ベクトルを算出し、
前記権威ネットワーク生成部は、前記権威発言ベクトルに基づいて、前記グループの構成員間の権威ネットワークを生成する、請求項1または2に記載の上下関係推定支援装置。
【請求項4】
前記分析部は、権威スコア算出部を含み、
前記権威スコア算出部は、前記権威ネットワークに基づいて、前記グループにおける各構成員の権威スコアを算出する、請求項3に記載の上下関係推定支援装置。
【請求項5】
前記分析部は、権威勾配分析部を含み、
前記権威勾配分析部は、前記権威スコアに基づいて前記グループの権威勾配を分析する、請求項4に記載の上下関係推定支援装置。
【請求項6】
助言情報生成部を含み、
前記助言情報生成部は、前記権威ベクトル、前記権威ネットワーク、前記権威スコア、前記権威勾配からなる群から選択された少なくとも一つに基づいて、助言情報を生成する、請求項5記載の上下関係推定支援装置。
【請求項7】
発言情報取得工程、及び権威ベクトル算出工程を含み、
前記発言情報取得工程は、発言情報を取得し、
前記発言情報は、発言者から対象者への発言内容を含み、
前記権威ベクトル算出工程は、前記発言情報に基づいて、前記発言者の前記対象者に対する権威発言ベクトルを算出する、上下関係推定支援方法。
【請求項8】
前記権威ベクトル算出工程は、
前記発言情報に基づいて、前記発言者から前記対象者への発言内容における発言の方向性カテゴリと、方向性カテゴリごとの強度とを算出し、
前記方向性カテゴリと前記方向性カテゴリごとの強度とに基づいて前記権威ベクトルを算出する、請求項7記載の上下関係推定支援方法。
【請求項9】
発言情報取得手順、及び権威ベクトル算出手順を含み、
前記発言情報取得手順は、発言情報を取得し、
前記発言情報は、発言者から対象者への発言内容を含み、
前記権威ベクトル算出手順は、前記発言情報に基づいて、前記発言者の前記対象者に対する権威発言ベクトルを算出し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項10】
発言情報取得手順、及び権威ベクトル算出手順を含み、
前記発言情報取得手順は、発言情報を取得し、
前記発言情報は、発言者から対象者への発言内容を含み、
前記権威ベクトル算出手順は、前記発言情報に基づいて、前記発言者の前記対象者に対する権威発言ベクトルを算出し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上下関係推定支援装置、上下関係推定支援方法、プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の構成員を含む組織で作業を行う場合、コミュニケーションが重要となる。また、昨今、働き方改革やCovid-19感染症対策の観点から、テレワーク等により、対面以外のコミュニケーションをする機会が増えている。これに伴い、遠隔において構成員間のコミュニケーションを支援する装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、組織におけるコミュニケーションにおいては、発言者と発言対象者の間に権威勾配が発生することを抑制し、各構成員の心理的安全性を確保することが重要になる。
【0005】
そこで本発明は、会話参加者の上下関係を推定できる上下関係推定支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の上下関係推定支援装置は、
発言情報取得部、及び権威ベクトル算出部を含み、
前記発言情報取得部は、発言情報を取得し、
前記発言情報は、発言者から対象者への発言内容を含み、
前記権威ベクトル算出部は、前記発言情報に基づいて、前記発言者の前記対象者に対する権威発言ベクトルを算出する。
【0007】
本発明の上下関係推定支援方法は、
発言情報取得工程、及び権威ベクトル算出工程を含み、
前記発言情報取得工程は、発言情報を取得し、
前記発言情報は、発言者から対象者への発言内容を含み、
前記権威ベクトル算出工程は、前記発言情報に基づいて、前記発言者の前記対象者に対する権威発言ベクトルを算出する。
【0008】
本発明のプログラムは、
発言情報取得手順、及び権威ベクトル算出手順を含み、
前記発言情報取得手順は、発言情報を取得し、
前記発言情報は、発言者から対象者への発言内容を含み、
前記権威ベクトル算出手順は、前記発言情報に基づいて、前記発言者の前記対象者に対する権威発言ベクトルを算出し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0009】
本発明の記録媒体は、
発言情報取得手順、及び権威ベクトル算出手順を含み、
前記発言情報取得手順は、発言情報を取得し、
前記発言情報は、発言者から対象者への発言内容を含み、
前記権威ベクトル算出手順は、前記発言情報に基づいて、前記発言者の前記対象者に対する権威発言ベクトルを算出し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、会話参加者の上下関係を推定できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施形態1の上下関係推定支援装置の一例の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態1の上下関係推定支援装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態1の上下関係推定支援装置における処理の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、実施形態1の上下関係推定支援装置において利用する権威発言判定器の生成を説明するための模式図である。
【
図5】
図5は、実施形態2の上下関係推定支援装置の一例の構成を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、実施形態2の上下関係推定支援装置における処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、実施形態2の上下関係推定支援装置における、権威ネットワークの生成および権威スコアの算出を説明するための模式図である。
【
図8】
図8は、実施形態3の上下関係推定支援装置の一例の構成を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、実施形態3の上下関係推定支援装置における、助言情報の生成について説明するための模式図である。
【
図10】
図10は、実施形態3の上下関係推定支援装置により出力される画面例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明の実施形態について図を用いて説明する。本発明は、以下の実施形態には限定されない。以下の各図において、同一部分には、同一符号を付している。また、各実施形態の説明は、特に言及がない限り、互いの説明を援用でき、各実施形態の構成は、特に言及がない限り、組合せ可能である。
【0013】
[実施形態1]
本実施形態の上下関係推定支援装置について、
図1を用いて説明する。
図1は、本実施形態の上下関係推定支援装置10の一例の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、上下関係推定支援装置10(以下、「本装置10」ともいう)は、発言情報取得部11、及び権威ベクトル算出部12を含む。また、図示していないが、本装置10は、例えば、記憶部、入力部、及び出力部を含んでもよい。
【0014】
本装置10は、例えば、前記各部を含む1つの装置でもよいし、前記各部が、通信回線網を介して接続可能な装置でもよい。また、本装置10は、通信回線網を介して、後述する外部装置と接続可能である。通信回線網は、特に制限されず、公知のネットワークを使用でき、例えば、有線でも無線でもよい。通信回線網は、例えば、インターネット回線、WWW(World Wide Web)、電話回線、LAN(Local Area Network)、SAN(Storage Area Network)、DTN(Delay Tolerant Networking)、LPWA(Low Power Wide Area)、L5G(ローカル5G)、等があげられる。無線通信としては、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ローカル5G、LPWA等が挙げられる。前記無線通信としては、各装置が直接通信する形態(Ad Hoc通信)、インフラストラクチャ(infrastructure通信)、アクセスポイントを介した間接通信等であってもよい。本装置10は、例えば、システムとしてサーバに組み込まれていてもよい。また、本装置10は、例えば、本発明のプログラムがインストールされたパーソナルコンピュータ(PC、例えば、デスクトップ型、ノート型)、スマートフォン、タブレット端末等であってもよい。本装置10は、対象物を撮像可能な撮像端末(例えば、カメラ付きのスマートフォン、タブレット端末等)であってもよいし、前記撮像端末と通信可能な装置であってもよい。さらに、本装置10は、例えば、前記各部のうち少なくとも一つがサーバ上にあり、その他の前記各部が端末上にあるような、クラウドコンピューティングやエッジコンピューティング等の形態であってもよい。
【0015】
図2に、本装置10のハードウェア構成のブロック図を例示する。本装置10は、例えば、中央処理装置(CPU、GPU等)101、メモリ102、バス103、記憶装置104、入力装置105、出力装置106、通信デバイス107等を含む。本装置10の各部は、それぞれのインタフェース(I/F)により、バス103を介して相互に接続されている。
【0016】
中央処理装置101は、コントローラ(システムコントローラ、I/Oコントローラ等)等により、他の構成と連携動作し、本装置10の全体の制御を担う。本装置10において、中央処理装置101により、例えば、本発明のプログラムやその他のプログラムが実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。具体的には、例えば、中央処理装置101が、発言情報取得部11、及び権威ベクトル算出部12として機能する。本装置10は、演算装置として、CPU、GPU(Graphics Processing Unit)、APU(Accelerated Processing Unit)等の他の演算装置を備えてもよいし、これらの組合せを備えてもよい。
【0017】
バス103は、例えば、外部装置とも接続できる。前記外部装置は、例えば、外部記憶装置(外部データベース等)、プリンタ、外部入力装置、外部表示装置、スピーカ等の音声出力装置、カメラ等の外部撮像装置、および加速度センサ、地磁気センサ、方向センサ等の各種センサ等があげられる。本装置10は、例えば、バス103に接続された通信デバイス107により、外部ネットワーク(前記通信回線網)に接続でき、外部ネットワークを介して、ユーザの端末等の他の装置と接続することもできる。
【0018】
メモリ102は、例えば、メインメモリ(主記憶装置)が挙げられる。中央処理装置101が処理を行う際には、例えば、後述する記憶装置104に記憶されている本発明のプログラム等の種々の動作プログラムを、メモリ102が読み込み、中央処理装置101は、メモリ102からデータを受け取って、プログラムを実行する。前記メインメモリは、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)である。また、メモリ102は、例えば、ROM(読み出し専用メモリ)であってもよい。
【0019】
記憶装置104は、例えば、前記メインメモリ(主記憶装置)に対して、いわゆる補助記憶装置ともいう。前述のように、記憶装置104には、本発明のプログラムを含む動作プログラムが格納されている。記憶装置104は、例えば、記録媒体と、記録媒体に読み書きするドライブとの組合せであってもよい。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、内蔵型でも外付け型でもよく、HD(ハードディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-RW、MO、DVD、フラッシュメモリー、メモリーカード等が挙げられる。記憶装置104は、例えば、記録媒体とドライブとが一体化されたハードディスクドライブ(HDD)、及びソリッドステートドライブ(SSD)であってもよい。本装置10が、例えば、前記記憶部を含む場合、記憶装置104が前記記憶部として機能する。記憶装置104は、例えば、後述する発言情報、権威発言ベクトル、権威ネットワーク、権威スコア、権威勾配、助言情報の少なくとも一つを記憶していてもよい。
【0020】
本装置10において、メモリ102及び記憶装置104は、ログ情報、外部データベース(図示せず)や外部の装置から取得した情報、本装置10によって生成した情報、本装置10が処理を実行する際に用いる情報等の種々の情報を記憶することも可能である。なお、少なくとも一部の情報は、例えば、メモリ102及び記憶装置104以外の外部サーバに記憶されていてもよいし、複数の端末にブロックチェーン技術等を用いて分散して記憶されていてもよい。
【0021】
本装置10は、例えば、さらに、入力装置105、出力装置106を備える。入力装置105は、例えば、タッチパネル、トラックパッド、マウス等のポインティングデバイス;キーボード;カメラ、スキャナ等の撮像手段;ICカードリーダ、磁気カードリーダ等のカードリーダ;マイク等の音声入力手段;等があげられる。出力装置106は、例えば、LEDディスプレイ、液晶ディスプレイ等の表示装置;スピーカ等の音声出力装置;プリンタ;等があげられる。本実施形態1において、入力装置105と出力装置106とは、別個に構成されているが、入力装置105と出力装置106とは、タッチパネルディスプレイのように、一体として構成されてもよい。
【0022】
つぎに、本実施形態の上下関係推定支援方法の一例を、
図3のフローチャートに基づき説明する。本実施形態の上下関係推定支援方法は、例えば、
図1から
図2に示す上下関係推定支援装置10を用いて、次のように実施する。なお、本実施形態の上下関係推定支援方法は、
図1から
図2の上下関係推定支援装置10の使用には限定されない。
【0023】
まず、発言情報取得部11は、発言情報を取得する(S1、発言情報取得工程)。前記発言情報は、例えば、発言者から対象者への発言内容を含む。前記発言情報は、例えば、発言者、前記発言者の発言内容、及び前記発言者が前記発言内容を発した対象となる対象者の情報が紐づけられた情報であり、その形式は特に制限されない。前記発言情報において、例えば、前記発言者は一人でもよいし複数でもよく、前記対象者は、一人でもよいし複数でもよく、複数人を含むグループを対象者としてもよい。前記発言情報の形式は、例えば、テキスト情報でもよいし、音声情報でもよく、前記音声情報は、動画情報から抽出された音声情報でもよい。また、前記テキスト情報は、例えば、画像情報(いわゆるSNSにおける「スタンプ」や、テキストを含む画像情報等)を含んでいてもよい。前記発言情報がテキスト情報以外の形式である場合、発言情報取得部11は、例えば、前記テキスト情報以外の形式の情報を、テキスト情報に変換することが好ましい。発言情報取得部11は、例えば、前記発言者と前記対象者とがそれぞれ有する端末(例えば、スマートフォン、タブレット端末、PC等)から前記発言情報を取得してもよいし、前記発言者と前記対象者とに、会話の場を提供した装置(例えば、SNSを提供するサーバ装置)から前記発言情報を取得してもよいし、前記発言者と前記対象者との会話内容の記録(例えば、会議の議事録、送受信されたメール、チャットログ、SNSのログ、個人間のダイレクトメッセージの内容、会議等の議事録等)から前記発言情報を取得してもよい。発言情報取得部11は、例えば、取得した前記発言情報を記憶装置104またはメモリ102に記憶してもよい。下記表1に、発言情報の具体例を示すが、前記発言情報は、下記表1に示すものにはなんら限定されない。
【0024】
【0025】
つぎに、権威ベクトル算出部12は、前記発言情報に基づいて、前記発言者の前記対象者に対する権威発言ベクトルを算出する(S2、権威ベクトル算出工程)。前記権威ベクトルは、例えば、前記発言者から前記対象者に対する発言内容について、権威の方向性と方向性毎の強度を示す指標である。具体的に、権威ベクトル算出部12は、例えば、前記発言内容における発言の方向性カテゴリと、方向性カテゴリごとの強度を算出し、前記方向性カテゴリと前記方向性カテゴリごとの強度とに基づいて前記権威ベクトルを算出できる。前記方向性カテゴリは、例えば、前記発言内容が含む権威発言の権威の方向性を示すカテゴリであり、具体例として、例えば、却下、拒絶、否定、評論、押しつけ、贔屓等があげられる。なお、前記方向性カテゴリの種類は、前述の例示には制限されない。権威ベクトル算出部12は、例えば、ルールベースで前記権威ベクトルを算出してもよいし、予め機械学習済みの権威発言判定器を用いて前記権威ベクトルを算出してもよい。前者の場合、例えば、予め発言内容に含まれる要素ごとに、前記方向性カテゴリと、その強度とを紐づけた権威発言算出基準情報を作成しておく。そして、権威ベクトル算出部12は、例えば、前記発言内容を形態素解析等の自然言語処理により、単語の要素に分類し、前記権威発言算出基準情報に基づいて、発言内容に含まれる要素の前記方向性カテゴリとその強度を算出することで、前記権威発言ベクトルを算出できる。後者の場合、まず、例えば、
図4に示すような、前記方向性カテゴリと、発言内容とを紐づけた権威発言教師データを用意し、前記権威発言教師データを機械学習することにより、前記権威発言判定器を生成できる。この場合、権威ベクトル算出部12は、例えば、前記権威発言判定器に前記発言情報を入力することで、前記発言者から対象者に対する発言内容の権威ベクトルを算出できる。なお、権威発言判定器は、教師あり学習で学習させてもよいし、教師なし学習で学習させてもよい。権威ベクトル算出部12は、例えば、算出した前記権威ベクトルを記憶装置104またはメモリ102に記憶してもよい。この場合、例えば、権威ベクトル算出部12は、前記権威ベクトルと、前記権威ベクトルの算出元となった前記発言情報とを紐づけて記憶できる。
【0026】
本装置10は、例えば、前記出力部により、算出した前記権威発言ベクトルを出力してもよい。この場合、本装置10は、例えば、前記権威ベクトルを数値データとして出力してもよいし、可視化可能なグラフデータや画像データとして出力してもよい。
【0027】
本実施形態の上下関係推定支援装置10によれば、発言情報に基づいて、発言者の対象者に対する権威発言ベクトルを算出できる。このため、本実施形態の上下関係推定支援装置10によれば、例えば、前記権威発言ベクトルに基づいて前記発言者と対象者との間の上下関係を推定できる。
【0028】
[実施形態2]
実施形態2は、本発明の上下関係推定支援装置の他の例である。
【0029】
本実施形態の上下関係推定支援装置は、実施形態1の上下関係推定支援装置10の構成に加えて、分析部を含むこと以外は前記実施形態1の上下関係推定支援装置10と同様であり、その説明を援用できる。本実施形態の上下関係推定支援装置10Aは、例えば、分析部13を含む。分析部13は、例えば、権威ネットワーク生成部131、権威スコア算出部132、及び権威勾配分析部133の少なくとも一つを含む。分析部13のうち、例えば、権威スコア算出部132および権威勾配分析部133は、任意の構成であり、あってもよいし、なくてもよい。
【0030】
図5は、本実施形態の上下関係推定支援装置10Aの一例の構成を示すブロック図である。
図5に示すように、上下関係推定支援装置10Aは、実施形態1の上下関係推定支援装置10の構成に加えて、分析部13を含み、分析部13は、例えば、権威ネットワーク生成部131、権威スコア算出部132、及び権威勾配分析部133の少なくとも一つを含む。上下関係推定支援装置10Aのハードウェア構成は、
図2の上下関係推定支援装置10のハードウェア構成において、中央処理装置101が、
図1の上下関係推定支援装置10の構成に代えて、
図5の上下関係推定支援装置10Aの構成を備える以外は同様である。以下、分析部13の処理を説明する。分析部13の処理(分析工程、分析手順)は、例えば、前記実施形態1で説明した
図3のフローチャートにおける任意の位置に適宜挿入できるが、
図6のフローチャートに示すように、権威ベクトル算出工程の後に挿入されることが好ましい。
【0031】
まず、発言情報取得部11は、例えば、グループの構成員の発言情報を取得する(S11、発言情報取得工程)。前記グループは、例えば、2以上の複数人が集まった集団を意味する。前記グループの具体例としては、例えば、企業;官公庁;学校組織;各種団体;医療機関;教育事業者;スポーツチーム;会社組織等における部署;SNS等におけるいわゆる「グループ」;友人知人の集団;共通する趣味により団結した集団;等があげられるが、これには限定されない。発言情報取得部11は、例えば、前記発言情報において、前記発言者と前記対象者との所属に基づいて、前記発言者と前記対象者を前記所属に基づくグループの構成員と判定し、前記発言者と前記対象者との間の発言情報を、前記グループの構成員の発言情報として取得してもよい。
【0032】
つぎに、権威ベクトル算出部12は、前記発言情報に基づいて、前記グループの構成員間における権威発言ベクトルを算出する(S12、権威ベクトル算出工程)。S12における権威発言ベクトルの算出は、例えば、前記実施形態1のS2と同様である。
【0033】
つぎに、分析部13の権威ネットワーク生成部131は、例えば、前記権威発言ベクトルに基づいて、前記グループの構成員間の権威ネットワークを生成する(S13、権威ネットワーク生成工程)。権威ネットワーク生成部131は、例えば、前記権威発言ベクトルを用いて前記グループにおける、各構成員から他の構成員に対するエッジを生成することにより、前記グループの構成員間の権威ネットワークを生成できる。前記構成員間におけるエッジの生成手法は、例えば、権威発言ベクトルに応じた構成員間を接続するエッジが生成できる手法であれば特に制限されない。前記エッジの生成手法の具体例としては、例えば、前記権威発言ベクトルのベクトル成分の和に基づいて算出した重みを前記エッジとして生成する手法があげられるが、これには限定されない。具体的に、
図7に示すように、権威ネットワーク生成部131は、例えば、前記グループの構成員間において、権威発言ベクトルのベクトル成分(方向性カテゴリとカテゴリごとの強度)の和を、発言者Aから対象者Bへの重み(W
AB)として算出し、前記重み(W
AB)を持つ発言者Aから対象者Bへのエッジ(E
AB)を生成する。そして、権威ネットワーク生成部131は、前記グループの構成員の発言情報について同様の処理を繰り返し、各構成員から他の構成員に対するエッジを生成することにより、前記権威ネットワークを生成できる。
【0034】
つぎに、分析部13の権威スコア算出部132は、例えば、前記権威ネットワークに基づいて、前記グループにおける各構成員の権威スコアを算出する(S14、権威スコア算出工程)。前記権威スコアは、例えば、前記グループにおける、各構成員の立場の高低を示す指標である。権威スコア算出部132は、例えば、前記権威スコアネットワークを構成する要素から前記権威スコアを算出できる。具体的に、権威スコア算出部132は、例えば、前記権威ネットワークにおいて、各構成員を示すノードから他のノードへのアウトプットされるエッジの重み合計と、他のノードからインプットされるエッジの重み合計の差を、前記権威スコアとして算出できる。なお、権威スコアの算出方法は、これには限定されない。具体例として、
図7に示す権威ネットワークにおいて、構成員Bの権威スコアを算出する場合、ノードBから他のノードにアウトプットしているエッジは、E
BCのみであり、ノードBに対し他のノードからインプットしているエッジは、E
ABおよびE
EBがある。このため、構成員Bの権威スコア(AS
B)は、例えば、各エッジの重み(W)から「AS
B=W
BC-(W
AB+W
EB)」として算出できる。
【0035】
そして、権威勾配分析部133は、前記権威スコアに基づいて前記グループの権威勾配を分析する(S15、権威勾配分析工程)。前記権威勾配は、例えば、前記グループにおける構成員間の権威の格差を示す指標である。権威勾配分析部133は、例えば、前記グループの各構成員の権威スコアを取得し、その範囲、分散度、標準偏差等を算出することにより、前記グループの権威勾配を分析することができる。
【0036】
本装置10Aは、例えば、前記出力部により、前記権威ネットワーク、前記権威スコア、および前記権威勾配からなる群から選択された少なくとも一つを出力可能であってもよい。前記出力は、例えば、ディスプレイ等の出力装置106に出力してもよいし、バス103を介して接続された通信デバイス107により、外部装置への出力でもよい。前記外部装置は、例えば、プリンタ等の出力装置、前記グループの構成員の端末、前記グループの構成員の管理者の端末、本装置10Aの管理者の端末等があげられるが、特に制限されない。
【0037】
本実施形態の上下関係分析支援装置10Aによれば、分析部13により、グループの権威ネットワークを生成し、構成員の権威スコアを算出し、グループの権威勾配を分析できる。このため、本実施形態の上下関係分析支援装置10Aによれば、グループの上下関係を分析、可視化することが可能になる。
【0038】
[実施形態3]
実施形態3は、本発明の上下関係推定支援装置の他の例である。
【0039】
本実施形態の上下関係推定支援装置は、実施形態2の上下関係推定支援装置10Aの構成に加えて、助言情報生成部を含むこと以外は前記実施形態2の上下関係推定支援装置10Aと同様であり、その説明を援用できる。本実施形態の上下関係推定支援装置10Bは、例えば、助言情報生成部14を含む。助言情報生成部14は、前記権威ベクトル、前記権威ネットワーク、前記権威スコア、前記権威勾配からなる群から選択された少なくとも一つに基づいて、助言情報を生成する。
【0040】
図8は、本実施形態の上下関係推定支援装置10Bの一例の構成を示すブロック図である。
図8に示すように、上下関係推定支援装置10Bは、実施形態2の上下関係推定支援装置10Aの構成に加えて、助言情報生成部14を含む。上下関係推定支援装置10Bのハードウェア構成は、
図2の上下関係推定支援装置10のハードウェア構成において、中央処理装置101が、
図1の上下関係推定支援装置10の構成に代えて、
図8の上下関係推定支援装置10Bの構成を備える以外は同様である。以下、助言情報生成部14の処理を説明する。助言情報生成部14の処理は、例えば、前記実施形態2で説明した
図6のフローチャートにおける任意の位置に適宜挿入できる。
【0041】
助言情報生成部14は、例えば、前記権威ベクトル、前記権威ネットワーク、前記権威スコア、前記権威勾配からなる群から選択された少なくとも一つに基づいて、助言情報を生成する(助言情報生成工程)。具体的に、助言情報生成部14は、例えば、予め作成された助言データを参照して、前記権威ベクトル、前記権威ネットワーク、前記権威スコア、前記権威勾配からなる群から選択された少なくとも一つに基づく助言情報の生成ができる。前記助言データは、例えば、前記権威ベクトル、前記権威ネットワーク、前記権威スコア、および前記権威勾配の少なくとも一つに関する条件と、前記条件に対応した助言の情報とが紐づけられた情報である。前記条件は、特に制限されず、助言の目的等に応じて適宜設定できる。前記条件の具体例としては、例えば、「グループにおける権威スコアのばらつきの幅が閾値以上/閾値未満」、「グループの構成員の権威スコアがグループの標準偏差を超えている」、「グループの構成員であるのにも関わらず権威ネットワークにノードがない構成員が存在し、かつ、グループの権威スコアの標準偏差が閾値を超えている」等があげられる。条件ごとの助言の情報は、特に制限されず、例えば、「メンバー間の上限関係の差が大きい傾向にあります。……といった対策をお勧めします。」「nさんの発言がメンバーを委縮させている可能性があるので、……をお勧めします。」等といった、グループの上下関係についての現状分析と、その対策を提示するコメントであることが好ましいが、これには限定されない。
【0042】
図9を用い、助言情報生成部14の処理の具体例について説明するが、本発明は以下の例示にはなんら制限されない。まず、助言情報生成部14の処理に先立って、本装置10Bの記憶部に、
図9(A)に示すような助言データを記憶させる。つぎに、助言情報生成部14は、例えば、
図9(B)に示すような、グループの権威スコアに関するデータと、その分析データとを取得する。そして、助言情報生成部14は、前記権威スコアおよび前記権威スコアの分析データに基づいて、前記グループに対して適切な助言情報を生成する。
図9に示す例では、例えば、条件として、「各メンバーの権威スコアが標準偏差を超える場合」が規定されているため、助言情報生成部14は、自身の権威スコアが、グループの権威スコアの標準偏差1.657を超えるメンバーAおよびメンバーEについて、「メンバーAまたはメンバーEの発言が他のメンバーを委縮させている可能性があるので……」といった上限情報を生成する。
【0043】
本装置10Bは、前記出力部により、前記助言情報について出力してもよい。この場合、前記出力部は、例えば、
図10に示すように、前記助言情報と併せて、前記権威勾配を示すグラフや、権威ネットワーク、権威スコア等の各種情報を閲覧可能に出力してもよい。前記出力先は、例えば、前述と同様である。
【0044】
本実施形態の上下関係推定支援装置10Bによれば、例えば、分析したグループの上下関係に基づいて助言情報を生成・出力できる。このため、本実施形態の上下関係推定支援装置10Bによれば、例えば、グループにおける上下関係を推定できるだけでなく、上下関係ができてしまった場合においても、改善するためのアドバイスが可能となり、より有意義な議論等を可能とすることができる。
【0045】
[実施形態4]
本実施形態のプログラムは、前述の上下関係推定支援方法の各工程を、コンピュータに実行させるためのプログラムである。具体的に、本実施形態のプログラムは、コンピュータに、発言情報取得手順、権威ベクトル算出手順、評価値算出手順、及び画像選択手順を実行させるためのプログラムである。
【0046】
前記発言情報取得手順は、文字列認識対象画像を取得し、
前記権威ベクトル算出手順は、前記文字列認識対象画像に対し、文字列候補領域を設定し、
前記評価値算出手順は、前記文字列候補領域が設定された文字列認識対象画像の評価値を算出し、
前記画像選択手順は、前記評価値が閾値以上の文字列認識対象画像を文字列認識用画像として選択する。
【0047】
また、本実施形態のプログラムは、コンピュータを、発言情報取得手順、権威ベクトル算出手順、評価値算出手順、及び画像選択手順として機能させるプログラムということもできる。
【0048】
本実施形態のプログラムは、前記本発明の上下関係推定支援装置および上下関係推定支援方法における記載を援用できる。前記各手順は、例えば、「手順」を「処理」と読み替え可能である。また、本実施形態のプログラムは、例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。前記記録媒体は、例えば、非一時的なコンピュータ可読記録媒体(non-transitory computer-readable storage medium)である。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク(HD)、フラッシュメモリー(例えば、SSD(Solid State Drive)、USBフラッシュメモリー、SD/SDHCカード等)、光ディスク(例えば、CD‐R/CD‐RW、DVD‐R/DVD‐RW、BD‐R/BD‐RE等)、光磁気ディスク(MO)、フロッピー(登録商標)ディスク(FD)等があげられる。また、本実施形態のプログラム(例えば、プログラミング製品、又はプログラム製品ともいう)は、例えば、外部のコンピュータから配信される形態であってもよい。前記「配信」は、例えば、通信回線網を介した配信でもよいし、有線で接続された装置を介した配信であってもよい。本実施形態のプログラムは、配信された装置にインストールされて実行されてもよいし、インストールされずに実行されてもよい。
【0049】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をできる。
【0050】
<付記>
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のように記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
発言情報取得部、及び権威ベクトル算出部を含み、
前記発言情報取得部は、発言情報を取得し、
前記発言情報は、発言者から対象者への発言内容を含み、
前記権威ベクトル算出部は、前記発言情報に基づいて、前記発言者の前記対象者に対する権威発言ベクトルを算出する、上下関係推定支援装置。
(付記2)
前記権威ベクトル算出部は、
前記発言情報に基づいて、前記発言者から前記対象者への発言内容における発言の方向性カテゴリと、方向性カテゴリごとの強度とを算出し、
前記方向性カテゴリと前記方向性カテゴリごとの強度とに基づいて前記権威ベクトルを算出する、付記1記載の上下関係推定支援装置。
(付記3)
分析部を含み、
前記分析部は、権威ネットワーク生成部を含み、
前記発言情報取得部は、グループの構成員の発言情報を取得し、
前記権威ベクトル算出部は、前記発言情報に基づいて、前記グループの構成員間における権威発言ベクトルを算出し、
前記権威ネットワーク生成部は、前記権威発言ベクトルに基づいて、前記グループの構成員間の権威ネットワークを生成する、付記1または2に記載の上下関係推定支援装置。
(付記4)
前記分析部は、権威スコア算出部を含み、
前記権威スコア算出部は、前記権威ネットワークに基づいて、前記グループにおける各構成員の権威スコアを算出する、付記3に記載の上下関係推定支援装置。
(付記5)
前記分析部は、権威勾配分析部を含み、
前記権威勾配分析部は、前記権威スコアに基づいて前記グループの権威勾配を分析する、付記4に記載の上下関係推定支援装置。
(付記6)
助言情報生成部を含み、
前記助言情報生成部は、前記権威ベクトル、前記権威ネットワーク、前記権威スコア、前記権威勾配からなる群から選択された少なくとも一つに基づいて、助言情報を生成する、付記5記載の上下関係推定支援装置。
(付記7)
発言情報取得工程、及び権威ベクトル算出工程を含み、
前記発言情報取得工程は、発言情報を取得し、
前記発言情報は、発言者から対象者への発言内容を含み、
前記権威ベクトル算出工程は、前記発言情報に基づいて、前記発言者の前記対象者に対する権威発言ベクトルを算出する、上下関係推定支援方法。
(付記8)
前記権威ベクトル算出工程は、
前記発言情報に基づいて、前記発言者から前記対象者への発言内容における発言の方向性カテゴリと、方向性カテゴリごとの強度とを算出し、
前記方向性カテゴリと前記方向性カテゴリごとの強度とに基づいて前記権威ベクトルを算出する、付記7記載の上下関係推定支援方法。
(付記9)
分析工程を含み、
前記分析工程は、権威ネットワーク生成工程を含み、
前記発言情報取得工程は、グループの構成員の発言情報を取得し、
前記権威ベクトル算出工程は、前記発言情報に基づいて、前記グループの構成員間における権威発言ベクトルを算出し、
前記権威ネットワーク生成工程は、前記権威発言ベクトルに基づいて、前記グループの構成員間の権威ネットワークを生成する、付記7または8に記載の上下関係推定支援方法。
(付記10)
前記分析工程は、権威スコア算出工程を含み、
前記権威スコア算出工程は、前記権威ネットワークに基づいて、前記グループにおける各構成員の権威スコアを算出する、付記9に記載の上下関係推定支援方法。
(付記11)
前記分析工程は、権威勾配分析工程を含み、
前記権威勾配分析工程は、前記権威スコアに基づいて前記グループの権威勾配を分析する、付記10に記載の上下関係推定支援方法。
(付記12)
助言情報生成工程を含み、
前記助言情報生成工程は、前記権威ベクトル、前記権威ネットワーク、前記権威スコア、前記権威勾配からなる群から選択された少なくとも一つに基づいて、助言情報を生成する、付記11記載の上下関係推定支援方法。
(付記13)
発言情報取得手順、及び権威ベクトル算出手順を含み、
前記発言情報取得手順は、発言情報を取得し、
前記発言情報は、発言者から対象者への発言内容を含み、
前記権威ベクトル算出手順は、前記発言情報に基づいて、前記発言者の前記対象者に対する権威発言ベクトルを算出し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
(付記14)
前記権威ベクトル算出手順は、
前記発言情報に基づいて、前記発言者から前記対象者への発言内容における発言の方向性カテゴリと、方向性カテゴリごとの強度とを算出し、
前記方向性カテゴリと前記方向性カテゴリごとの強度とに基づいて前記権威ベクトルを算出する、付記13記載のプログラム。
(付記15)
分析手順を含み、
前記分析手順は、権威ネットワーク生成手順を含み、
前記発言情報取得手順は、グループの構成員の発言情報を取得し、
前記権威ベクトル算出手順は、前記発言情報に基づいて、前記グループの構成員間における権威発言ベクトルを算出し、
前記権威ネットワーク生成手順は、前記権威発言ベクトルに基づいて、前記グループの構成員間の権威ネットワークを生成する、付記13または14に記載のプログラム。
(付記16)
前記分析手順は、権威スコア算出手順を含み、
前記権威スコア算出手順は、前記権威ネットワークに基づいて、前記グループにおける各構成員の権威スコアを算出する、付記15に記載のプログラム。
(付記17)
前記分析手順は、権威勾配分析手順を含み、
前記権威勾配分析手順は、前記権威スコアに基づいて前記グループの権威勾配を分析する、付記16に記載のプログラム。
(付記18)
助言情報生成手順を含み、
前記助言情報生成手順は、前記権威ベクトル、前記権威ネットワーク、前記権威スコア、前記権威勾配からなる群から選択された少なくとも一つに基づいて、助言情報を生成する、付記17記載のプログラム。
(付記19)
発言情報取得手順、及び権威ベクトル算出手順を含み、
前記発言情報取得手順は、発言情報を取得し、
前記発言情報は、発言者から対象者への発言内容を含み、
前記権威ベクトル算出手順は、前記発言情報に基づいて、前記発言者の前記対象者に対する権威発言ベクトルを算出し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
(付記20)
前記権威ベクトル算出手順は、
前記発言情報に基づいて、前記発言者から前記対象者への発言内容における発言の方向性カテゴリと、方向性カテゴリごとの強度とを算出し、
前記方向性カテゴリと前記方向性カテゴリごとの強度とに基づいて前記権威ベクトルを算出する、付記19記載の記録媒体。
(付記21)
分析手順を含み、
前記分析手順は、権威ネットワーク生成手順を含み、
前記発言情報取得手順は、グループの構成員の発言情報を取得し、
前記権威ベクトル算出手順は、前記発言情報に基づいて、前記グループの構成員間における権威発言ベクトルを算出し、
前記権威ネットワーク生成手順は、前記権威発言ベクトルに基づいて、前記グループの構成員間の権威ネットワークを生成する、付記19または20に記載の記録媒体。
(付記22)
前記分析手順は、権威スコア算出手順を含み、
前記権威スコア算出手順は、前記権威ネットワークに基づいて、前記グループにおける各構成員の権威スコアを算出する、付記21に記載の記録媒体。
(付記23)
前記分析手順は、権威勾配分析手順を含み、
前記権威勾配分析手順は、前記権威スコアに基づいて前記グループの権威勾配を分析する、付記22に記載の記録媒体。
(付記24)
助言情報生成手順を含み、
前記助言情報生成手順は、前記権威ベクトル、前記権威ネットワーク、前記権威スコア、前記権威勾配からなる群から選択された少なくとも一つに基づいて、助言情報を生成する、付記23記載の記録媒体。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明によれば、会話参加者の上下関係を推定できる。このため、本発明によれば、人間関係において自然発生した上下関係を推定・可視化することができ、議論の健全さを保つことが可能になる。したがって、本発明は、複数人によるコミュニケーションが必要な分野において広く有用であり、特に、組織における人事や労務管理等の分野において有用である。
【符号の説明】
【0052】
10 上下関係推定支援装置
11 発言情報取得部
12 権威ベクトル算出部
13 分析部
131 権威ネットワーク生成部
132 権威スコア算出部
133 権威勾配分析部
14 助言情報生成部
101 中央処理装置
102 メモリ
103 バス
104 記憶装置
105 入力装置
106 出力装置
107 通信デバイス