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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135589
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】吸引ノズル
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/00 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
A61M1/00 130
A61M1/00 100
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023046361
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】394001087
【氏名又は名称】株式会社京都プラテック
(74)【代理人】
【識別番号】100076406
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 勝徳
(74)【代理人】
【識別番号】100171941
【弁理士】
【氏名又は名称】辻 忠行
(72)【発明者】
【氏名】井手 敏明
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077AA17
4C077CC02
4C077CC04
4C077DD01
4C077DD12
4C077DD22
4C077EE06
(57)【要約】
【課題】傾けて使用しても、鼻汁等の吸引される流体が吸気管側に流れ込みにくい吸引ノズルを提供する。
【解決手段】ノズル本体1とこのノズル本体1に装着されて貯溜空間を形成する流体貯溜容器2を備え、ノズル本体1に設けられた吸気管13を介して前記貯溜空間内を減圧してノズル本体1の流体吸引口12aおよび流体吸引筒11b,12cを介して流体貯溜容器2内に流体を吸引するようにした吸引ノズルAにおいて、流体吸引筒11b,12cが内部を貫通するように設けられた流体漏洩防止筒部材4aを備えるとともに、この流体漏洩防止筒材4aが、流体吸引筒11b,12cを囲み、流体貯溜容器2と吸気管13が形成された部分を仕切る仕切り筒部32と、この仕切り筒部32から流体貯溜容器2側に延出し、流体吸引筒11b,12cと間に通気路S1を形成する通気路形成筒部31を有することを特徴としている。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体吸引口と、前記流体吸引口に一端が連結されるとともに、前記流体吸引口の流体流れ方向に延びる流体吸引筒を備えるノズル本体と、このノズル本体に着脱可能で、装着時に、前記流体吸引筒の他端が内部に臨み前記流体吸引筒を介して吸引される流体を貯溜可能な流体貯溜容器を有し、前記ノズル本体の壁面から吸気管が突設された吸引ノズルであって、
前記流体吸引筒が内部を貫通するように設けられた流体漏洩防止筒部を備えるとともに、この流体漏洩防止筒部が、前記流体吸引筒を囲み、前記流体貯溜容器と前記吸気管が形成された部分を仕切る仕切り筒部と、
この仕切り筒部から前記流体貯溜容器側に延出し、前記流体吸引筒と間に通気路を形成する通気路形成筒部を有することを特徴とする吸引ノズル。
【請求項2】
前記仕切り筒部および通気路形成筒部の少なくともいずれかと、前記流体吸引筒の間を仕切り、前記流体貯溜容器内に流入する流体の表面張力により、前記流体の前記吸引管側への漏出を抑止する流体漏出抑止細孔部材を備える請求項1に記載の吸引ノズル。
【請求項3】
前記流体吸引筒が貫通するとともに、前記通気路形成筒部の外周方向に傘状に張り出した状態で、前記通気路形成筒部の先端を覆うように設けられた邪魔板部を備える請求項1または請求項2に記載の吸引ノズル。
【請求項4】
前記邪魔板部が、前記通気路形成筒部の先端に一体化されていて、前記通気路形成筒部が、前記邪魔板部に沿う位置あるいは邪魔板部近傍に前記通気路形成筒部内外を連通状態にする通気孔を備える請求項3に記載の吸引ノズル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体を吸引する吸引ノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、自分で鼻汁をかむことができない赤ちゃんや老人等の被介護人の鼻汁を吸引する手動あるいは電動の鼻吸い器が各種販売されている(特許文献1~3参照)。
図7に示すように、鼻吸い器100は、シリコーンゴムなどで形成されたチューブ300を介して吸引ノズル200が接続される。
【0003】
吸引ノズル200は、図7図8に示すように、ノズル本体210と、このノズル本体210に着脱可能に螺着された鼻汁貯溜容器220を備えている。
ノズル本体210は、半紡錘形をしていて、先端に設けられた吸引口211と、この吸引口211から鼻汁貯溜容器220内に延びる鼻汁吸引筒212と、チューブ300が接続される吸気管213を備えている。
【0004】
そして、チューブ300を介して鼻吸い器100に接続された吸引ノズル200は、図示していないが、被介護人の鼻の孔にノズル本体210を挿入した状態で、鼻吸い器100を操作して、吸引ノズル200内を減圧状態にすることによって吸引口211および鼻汁吸引筒212を介して鼻汁貯溜容器220内に鼻汁を吸引できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許6831542号公報
【特許文献2】特許6959843号公報
【特許文献3】特開2022-13264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記吸引ノズル200は、被介護人の姿勢によっては、吸引ノズル200を図8に示すように、傾けて使用しなければならないことがある。
上記使用方法の場合、上記吸引ノズル200では、鼻汁貯溜容器220内に入った鼻汁Wがその吸い込み量が多くなると、吸気管213を介してチューブ300側に入り込み、鼻汁Wで鼻吸い器100が汚染され、鼻吸い器100およびチューブ300のメンテが面倒になるという問題がある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みて、傾けて使用しても、鼻汁等の吸引される流体が吸気管側に流れ込みにくい吸引ノズルを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の吸引ノズルは、上記目的を達成するために、流体吸引口と、前記流体吸引口に一端が連結されるとともに、前記流体吸引口の流体流れ方向に延びる流体吸引筒を備えるノズル本体と、このノズル本体に着脱可能で、装着時に、前記流体吸引筒の他端が内部に臨み前記流体吸引筒を介して吸引される流体を貯溜可能な流体貯溜容器を有し、前記ノズル本体の壁面から吸気管が突設された吸引ノズルであって、前記流体吸引筒が内部を貫通するように設けられた流体漏洩防止筒部を備えるとともに、この流体漏洩防止筒部が、前記流体吸引筒を囲み、前記流体貯溜容器と前記吸気管が形成された部分を仕切る仕切り筒部と、この仕切り筒部から前記流体貯溜容器側に延出し、前記流体吸引筒と間に通気路を形成する通気路形成筒部を有することを特徴としている。
【0009】
本発明の吸引ノズルは、特に限定されないが、前記仕切り筒部および通気路形成筒部の少なくともいずれかと、前記流体吸引筒の間を仕切り、前記流体貯溜容器内に流入する流体の表面張力により、前記流体の前記吸引管側への漏出を抑止する流体漏出抑止細孔部材を備えることが好ましい。
上記流体漏出抑止細孔部材としては、表面張力によって流体の漏出を抑止することができれば、特に限定されないが、たとえば、ステンレス鋼の薄板にエッチングにより多数のメッシュ孔(細孔)を形成したもの、樹脂成形により形成された細孔を備えた樹脂製板材、金属や樹脂の細線から形成された網、化学繊維や天然繊維の布などが挙げられる。
【0010】
すなわち、上記のような構成にすれば、流体漏出抑止細孔部材を備えているので、たとえば、流体が流体貯溜容器内に溜まった状態で吸引ノズルをバッグなどの収納容器に収納した状態で持ち歩き、通気路内に流体が流れ込んだとしても、吸気管側からの吸引が無ければ、流体がその表面張力で流体漏出抑止細孔部材の細孔からの透過をほぼ抑止することができる。
したがって、収容容器内を流体によって汚染することをほぼ無くすことができる。
【0011】
本発明の吸引ノズルは、特に限定されないが、前記前記流体吸引筒が貫通するとともに、前記通気路形成筒部の外周方向に傘状に張り出した状態で、前記通気路形成筒部の先端を覆うように設けられた邪魔板部を備えることが好ましい。
すなわち、上記のような構成にすれば、吸引ノズルを、流体吸引筒の流体貯溜容器側端が通路形成筒部より高い位置になった状態に傾けて吸引を行うようにしても、流体吸引筒から流体貯溜容器内に流入した流体から流体吸引筒の開口端が邪魔板部によって隠れた状態となり、流体貯溜容器内に溜まった流体のレベルが、流体吸引筒の開口端より高い位置にならない限り、吸気管側への流体の漏出を防止できる。
【0012】
本発明の吸引ノズルは、特に限定されないが、前記邪魔板部が、前記通気路形成筒部の先端に一体化されていて、前記通気路形成筒部が、前記邪魔板部に沿う位置あるいは邪魔板部近傍に前記通気路形成筒部内外を連通状態にする通気孔を備えることが好ましい。
すなわち、上記のような構成にすれば。邪魔板部の効果の確実性を増すことができる。
【0013】
本発明の吸引ノズルは、鼻吸い器に主に用いられるが、他の用途に用いられても構わない。
【発明の効果】
【0014】
本発明の吸引ノズルは、上記のように、流体吸引口と、前記流体吸引口に一端が連結されるとともに、前記流体吸引口の流体流れ方向に延びる流体吸引筒を備えるノズル本体と、このノズル本体に着脱可能で、装着時に、前記流体吸引筒の他端が内部に臨み前記流体吸引筒を介して吸引される流体を貯溜可能な流体貯溜容器を有し、前記ノズル本体の壁面から吸気管が突設された吸引ノズルであって、前記流体吸引筒が内部を貫通するように設けられた流体漏洩防止筒部を備えるとともに、この流体漏洩防止筒部が、前記流体吸引筒を囲み、前記流体貯溜容器と前記吸気管が形成された部分を仕切る仕切り筒部と、この仕切り筒部から前記流体貯溜容器側に延出し、前記流体吸引筒と間に通気路を形成する通気路形成筒部を有するので、吸引ノズルを傾けて使用した場合に、流体吸引筒から流体貯溜容器内に流入した流体が仕切り筒部で遮られ、流体貯溜容器内の流体のレベルが通気路形成筒部の上に達するまで吸気管側に漏れ出ることがない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の吸引ノズルの第1の実施の形態の正面図である。
図2図1の吸引ノズルの縦断面図である。
図3図1の吸引ノズルの分解斜視図である。
図4】本発明の吸引ノズルの第2の実施の形態の縦断面図である。
図5図4の吸引ノズルの縦断面斜視図である。
図6図4の吸引ノズルの分解斜視図である。
図7】従来の吸引ノズルが鼻吸い器に連結された状態を示す断面図である。
図8図7の吸引ノズルを傾けて使用する状態を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明を、その実施の形態をあらわす図面を参照しつつ詳しく説明する。
図1図3は、本発明の吸引ノズルの第1の実施の形態をあらわしている。
【0017】
図1あるいは図2に示すように、この吸引ノズルAは、合成樹脂製のノズル本体1と、合成樹脂製の流体貯溜容器2と、合成樹脂製の流体漏洩防止筒部となる流体漏洩防止筒部材3aと、流体漏出抑止細孔部材4aを備えている。
ノズル本体1は、図2および図3に示すように、ノズル先端部12と、ノズル基底部11を備えている。
なお、上記合成樹脂としては、たとえば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリスチレン、結晶性ポリエチレンテレフタレート、非晶質ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、および、ポリプロピレンなどが挙げられる。
【0018】
ノズル先端部12は、流体吸引口12aを有する半紡錘形をした先端部本体12bと、流体吸引口12aに連通し、流体吸引筒の一部を形成する第1筒部12cを備えている。
ノズル基底部11は、先端部本体12bに連続して半紡錘形を形成するスカート部11aと、第1筒部12cが着脱可能に嵌合される嵌合部11cを上部に備えるとともに、流体吸引筒の残部を形成する第2筒部11bと、スカート部11aに連結されたスカート部11aの内外を連通させる吸気管13を備えている。
スカート部11aの下端部には、雌ねじ筒部11dが形成されている。
【0019】
流体貯溜容器2は、有底円筒状をしていて上端部に雌ねじ筒部11dが螺合する容器本体21と、雄ねじ筒部22を備えている。
流体漏洩防止筒部材3aは、図2および図3に示すように、仕切り筒部32と、通気路形成筒部31を備えている。
【0020】
仕切り筒部32は、大径部32aと、大径部32aの下端からほぼ第2筒部11bの径と一致するまで縮径する縮径部32bと、大径部32aの上端に連設されたフランジ32cを備えている。
【0021】
また、仕切り筒部32は、大径部32aの壁面に沿い、縮径部32bに下端が支持された状態の6本の支持柱35を備えている。
6本の支持柱35は、それぞれ上端が大径部32の上端面と同じ高さ位置になる柱本体35aと、柱本体35aの上端から上方に突出する嵌合突起35bを備えている。
【0022】
流体漏出抑止細孔部材4aは、ステンレス鋼の薄板で形成されていて、内縁部43と、外縁部42と、この内縁部43と外縁部42に挟まれたリング状の細孔形成部41を備えている。
細孔形成部41は、ステンレス鋼の薄板をエッチング加工して得られた直径0.5mm以下の多数のメッシュ孔から形成されている。
【0023】
また、流体漏出抑止細孔部材4aは、外縁部42には、その嵌合突起35bに対応する位置に嵌合孔42aが穿設されている。
そして、流体漏出抑止細孔部材4aは、周縁部が仕切り筒部32の上端面32cに支持されるとともに、各嵌合孔42aに嵌合突起35bが嵌合している。
嵌合突起35bは、孔に嵌合させたのち、加熱圧縮により押しつぶされて拡径し流体漏出抑止細孔部材4aを抜け止め状態に保持できるようにしても構わない。
【0024】
流体漏出抑止細孔部材4aは、吸引される流体によって適宜設定できるが、たとえば、鼻吸い器の吸引ノズルとして用いられる場合、どろ洟と称される粘度の高いものだけでなく水洟と称されるに粘度の低いものも漏水抑止できる網構造や網目のものを選択することが好ましい。
そして、フランジ32cおよび流体漏出抑止細孔部材4aは、流体貯溜容器2の雄ねじ筒部22とノズル本体の雌ねじ筒部11dの螺合によって、ノズル本体1と、流体貯溜容器2の間に挟着されるようになっている。
【0025】
通気路形成筒部31は、第2筒部11bの下端部が貫通するようになっていて、この貫通によって、第2筒部11bとの間に筒状の通気路S1が形成されるようになっている。
通気路S1は、通気可能であれば、流体貯溜容器2内の流体が漏れ出ることを極力防止できるように、できるだけ狭小であることが好ましい。
【0026】
この吸引ノズルAは、上記のように構成されているので、以下のような利点を備えている。
(1)流体貯溜容器2と、吸気管13との間が仕切り筒部32によって仕切られているので、吸引ノズルAを傾けて吸引を行っても、流体貯溜容器2内に溜まった流体が、仕切り筒部32に邪魔されて直ちに吸気管13側に流れ出ることがない。
したがって、吸気管13に接続された鼻吸い器(図示せず)等の手動あるいは自動の吸引装置側を吸引した流体で汚染することを低減できる。
(2)通気路形成筒部31を備え、上記仕切り筒部32に加えて第2筒部11bとの間に狭小の通気路S1が形成されているので、流体貯溜容器2内に溜まった流体が、吸気管13側により流入しにくい状態になっている。
(3)流体漏出抑止細孔部材4aを備えているので、たとえば、流体が流体貯溜容器2内に溜まった状態で吸引ノズルAをバッグなどの収納容器に収納した状態で持ち歩き、流体貯溜容器2内の流体が通気路S1内に流れ込んだとしても、吸気管側からの吸引が無ければ、流体がその表面張力で流体漏出抑止細孔部材4aのメッシュ孔を透過することをほぼ抑止することができる。
したがって、収容容器内を流体によって汚染することをほぼ無くすことができる
(4)ノズル本体1が、ノズル先端部12が、ノズル基底部11に着脱自在になっているので、ノズル先端部12のみを交換することができる。
すなわち、複数のノズル先端部12を用意することで、鼻汁等の流体を吸引する際に直接流体に接触するノズル先端部12のみを交換すれば、吸引ノズル全体を洗浄しなくても繰り返し吸引作業を行うことができる。
(5)流体吸引筒が、第1筒部12cと、第2筒部11bを連結することによって形成されるようになっているので、流体吸引筒を長くしても、分解して洗浄できるので、洗浄が容易になる。
【0027】
図4図6は、本発明の吸引ノズルの第2の実施の形態をあらわしている。
この吸引ノズルBは、図4図6に示すように、この吸引ノズルBは、流体漏洩防止筒部材3bが、仕切り筒部38と、通気路形成筒部36と、邪魔板部37と、流体漏出抑止細孔部材4bおよび流体漏出抑止細孔部材4bの抑えリング5を備えている。
仕切り筒部38は、大径部38aと、大径部38aの下端からほぼ第2筒部11bの径と一致するまで縮径する縮径部38bと、大径部38aの上端に連設されたフランジ38cを備えている。
【0028】
通気路形成筒部36は、第2筒部11bが挿通され、第2筒部11bとの間に通気路S2を形成するようになっている。
邪魔板部37は、通気路形成筒部36の外周方向に傘状に張り出した状態で通気路形成筒部36の先端を覆うように設けられ、通気孔36a部分を残して通気路形成筒部36の先端一体化されているとともに、第2筒部11bがほぼ水密状態で貫通している。
【0029】
通気孔36aは、通気路形成筒部36の先端の一部が切り欠かれた状態になっていて、通気路S2と連通するように形成されている。
流体漏出抑止細孔部材4bは、外縁部42に嵌合孔42aが形成されていない以外は、上記流体漏出抑止細孔部材4aと同様になっている。
【0030】
内側シールリング43は、その内径が、第2筒部11bの外径とほぼ同じか少し小径になっていて、第2筒部11bが挿通された状態で、内周面が第2筒部11bの外周面に水密に密着状態となるように設定されている。
そして、この流体漏出抑止細孔部材4bは、ノズル本体1の雌ねじ筒部11dと、流体貯溜容器2の雄ねじ筒部22を螺合することによって、外縁部42部分が抑えリング5を介して、ノズル本体1と流体貯溜容器2との間で挟着固定されるようになっている。
【0031】
そして、上記した以外は、第1の実施の形態の吸引ノズルAと同様になっている。
したがって、第1の実施の形態の吸引ノズルAと同様の構成部分は、同じ符号を付している。
【0032】
この吸引ノズルBは、上記のようになっており、第1の実施の形態の吸引ノズルAと同様の効果を備えているとともに、上記のように邪魔板部37を備えているので、傾けて使用した場合においても、第2筒部11bの先端から流体貯溜容器2内に流入した流体が邪魔板部37によって邪魔されて通気路形成筒部36の先端の通気孔36aに直接かかることがない。
したがって、通気路S2内に入り、吸気孔13側に流れ込むことをより確実に抑止することができる。
【0033】
本発明は、上記の実施の形態に限定されない。たとえば、上記の第2の実施の形態では、邪魔板部が通気路形成筒部の先端に一体化されていたが、邪魔板部を別部材で形成するようにしても構わない。
上記の実施の形態では、吸気孔がノズル本体側に設けられていたが、本発明の目的が達成できるのであれば、流体貯溜容器の上端部に設けるようにしても構わない。
【0034】
上記の実施の形態では、ノズル本体が、ノズル先端部とノズル基端部から形成されて分離できるようになっていたが、本発明の目的が達成できるのであれば、一体ものでも構わない。
上記の実施の形態では、流体漏出抑止細孔部材がステンレス鋼製であったが、本発明の目的が達成できるのであれば、合成樹脂や他の金属材料で形成しても構わないし、それらの複合材料であっても構わない。たとえば、ステンレス鋼製細孔部材の内縁部の内周に沿って部分に樹脂エラストマなどの弾性部材からなるシール部を設け、この弾性部材が第2筒部の外周面に密着してシール性を確保するようにしても構わない。
上記の実施の形態では、流体漏出抑止細孔部材以外の部分が合成樹脂で形成されていたが、本発明の目的が達成できるのであれば、金属材料や複合材料でも構わない。
【符号の説明】
【0035】
A、B 吸引ノズル
1 ノズル本体
11 ノズル基底部
11a スカート部
11b 第2筒部(流体吸引筒)
11c 嵌合部
11d 雌ねじ筒部
12 ノズル先端部
12a 流体吸引口
12b 先端部本体
12c 第1筒部(流体吸引筒)
13 吸気管
2 流体貯溜容器
21 容器本体
22 雄ねじ筒部
3a、3b 流体漏洩防止筒部材
31 通気路形成筒部
32 仕切り筒部
32a 大径部
32b 縮径部
32c フランジ
35 支持柱
35a 柱本体
35b 嵌合突起
36 通気路形成筒部
36a 通気孔
37 邪魔板部
38 仕切り筒部
38a 大径部
38b 縮径部
38c フランジ
4a 流体漏出抑止細孔部材
4b 流体漏出抑止細孔部材
41 細孔形成部
42 外縁部
42a 嵌合孔
43 内縁部
5 抑えリング
S1、S2 通気路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8