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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135607
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】金銭処理機
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/235 20190101AFI20240927BHJP
   G07D 11/26 20190101ALI20240927BHJP
【FI】
G07D11/235
G07D11/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023046387
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】新妻 信行
【テーマコード(参考)】
3E141
【Fターム(参考)】
3E141AA01
3E141AA08
3E141BA06
3E141CA07
3E141DA08
3E141FB17
3E141GA04
3E141GA07
3E141JA14
3E141KC18
(57)【要約】
【課題】金銭返却作業を容易なものとすること。
【解決手段】投入された硬貨を金種毎に鑑別して計数した後に金種毎に硬貨収納庫24a~24fに収納する一方、硬貨出金指令が与えられた場合に、硬貨出金指令に応じた硬貨を機外に払い出す硬貨収納ユニット20と、投入された紙幣を金種毎に鑑別して計数した後に金種毎に紙幣収納庫34に収納する一方、紙幣出金指令が与えられた場合に、紙幣出金指令に応じた紙幣を機外に払い出す紙幣収納ユニット30とを備えた金銭処理機10であって、硬貨及び紙幣が投入される入金時において、硬貨収納ユニット20及び紙幣収納ユニット30の一方で異常が発生した場合に、硬貨収納ユニット20及び紙幣収納ユニット30の他方に投入された金銭を返却する自動返却動作を行う制御部60を備えている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入された硬貨を金種毎に鑑別して計数した後に金種毎に硬貨収納庫に収納する一方、硬貨出金指令が与えられた場合に、該硬貨出金指令に応じた硬貨を機外に払い出す硬貨収納ユニットと、
投入された紙幣を金種毎に鑑別して計数した後に金種毎に紙幣収納庫に収納する一方、紙幣出金指令が与えられた場合に、該紙幣出金指令に応じた紙幣を機外に払い出す紙幣収納ユニットと
を備えた金銭処理機であって、
前記硬貨及び前記紙幣が投入される入金時において、前記硬貨収納ユニット及び前記紙幣収納ユニットの一方で異常が発生した場合に、前記硬貨収納ユニット及び前記紙幣収納ユニットの他方に投入された金銭を返却する自動返却動作を行う制御部を備えたことを特徴とする金銭処理機。
【請求項2】
前記制御部は、前記入金時において、入金確定指示が与えられた後に前記硬貨収納ユニット及び前記紙幣収納ユニットの一方で異常が発生した場合、前記自動返却動作を行わないことを特徴とする請求項1に記載の金銭処理機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金銭処理機に関し、より詳細には、自動釣銭機としての金銭処理機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
昨今のスーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗には、客さばきや現金管理の厳正化のため、自動釣銭機として金銭処理機が設置されている。この金銭処理機は、通常、大型店舗などでは、POS(Point Of Sales)レジスタ装置等の上位装置に接続されており、上位装置からの指令に応じて紙幣や硬貨等の金銭の入出金処理を行うようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-162121号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記金銭処理機では、硬貨及び紙幣の入金時において、硬貨及び紙幣の一方で金銭詰まり等の異常が発生した場合、硬貨及び紙幣の返却を規制していた。そのため、金銭詰まりが発生していない処理部、すなわち硬貨及び紙幣の他方を取り扱う処理部においても、硬貨及び紙幣の一方を取り扱う処理部と同様に、管理者等の作業者が金銭の返却作業を行う必要があり、金銭返却作業が煩雑なものとなっていた。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、金銭返却作業を容易なものとすることができる金銭処理機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決して目的を達成するために、本発明に係る金銭処理機は、投入された硬貨を金種毎に鑑別して計数した後に金種毎に硬貨収納庫に収納する一方、硬貨出金指令が与えられた場合に、該硬貨出金指令に応じた硬貨を機外に払い出す硬貨収納ユニットと、投入された紙幣を金種毎に鑑別して計数した後に金種毎に紙幣収納庫に収納する一方、紙幣出金指令が与えられた場合に、該紙幣出金指令に応じた紙幣を機外に払い出す紙幣収納ユニットとを備えた金銭処理機であって、前記硬貨及び前記紙幣が投入される入金時において、前記硬貨収納ユニット及び前記紙幣収納ユニットの一方で異常が発生した場合に、前記硬貨収納ユニット及び前記紙幣収納ユニットの他方に投入された金銭を返却する自動返却動作を行う制御部を備えたことを特徴とする。
【0007】
また本発明は、上記金銭処理機において、前記制御部は、前記入金時において、入金確定指示が与えられた後に前記硬貨収納ユニット及び前記紙幣収納ユニットの一方で異常が発生した場合、前記自動返却動作を行わないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、制御部は、硬貨及び紙幣の少なくとも一方が投入される入金時において、硬貨収納ユニット及び紙幣収納ユニットの一方で異常が発生した場合に、硬貨収納ユニット及び紙幣収納ユニットの他方に投入された金銭を返却する自動返却動作を行うので、作業者は、異常が発生したユニットのみに対して金銭返却作業を行えばよく、金銭返却作業を容易なものとすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の実施の形態である金銭処理機を示すもので、(a)は、金銭処理機の平面図であり、(b)は、金銭処理機の正面図である。
図2図2は、本発明の実施の形態である金銭処理機の特徴的な制御系を模式的に示すブロック図である。
図3図3は、図1及び図2に示した硬貨収納ユニットの概要構成及び動作を説明するための模式図である。
図4図4は、図1及び図2に示した紙幣収納ユニットの概要構成及び動作を説明するための模式図である。
図5図5は、図1及び図2に示した操作表示部を拡大して示す拡大平面図である。
図6図6は、図2に示した制御部の入出金制御部が実施する入金制御処理の処理内容を示すフローチャートである。
図7図7は、図5に示した操作表示部の表示例を示すもので、(a)はエラーコード表示を示す図、(b)は金額表示を示す図、(c)は金銭内訳表示を示す図である。
図8図8は、図5に示した操作表示部の表示例を示すもので、(a)はエラーコード表示を示す図、(b)は金額表示を示す図、(c)は金銭内訳表示を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る金銭処理機の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0011】
図1及び図2は、それぞれ本発明の実施の形態である金銭処理機を示すもので、図1の(a)は、金銭処理機の平面図であり、図1の(b)は、金銭処理機の正面図であり、図2は、特徴的な制御系を模式的に示すブロック図である。
【0012】
ここで例示する金銭処理機10は、例えばスーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗において釣銭機として用いられるものであり、上位機器であるレジスタ装置1に通信可能に接続されて金銭の入出金を行うものである。
【0013】
金銭処理機10は、直方体状を成す装置本体11の前端部に硬貨投入口12、硬貨出金口13、硬貨返却口14、紙幣投入口15、紙幣出金口16を備えており、硬貨収納ユニット20と紙幣収納ユニット30とを有している。
【0014】
硬貨投入口12は、投入された硬貨を装置本体11の内部に受け入れるための開口であり、装置本体11の前端上面に形成されている。硬貨投入口12は、顧客からの預り金を一時保持する一時保持部として機能する。硬貨投入口12に投入された硬貨は、レジスタ装置1からの入金許可指令を受け、投入検出センサ21によって検出された後、図3に示すように、硬貨収納ユニット20の取り込み搬送部として機能する入金搬送機構22aによって搬送される。入金搬送機構22a内に設けられた硬貨鑑別センサ23は、硬貨の真贋及び金種及び枚数を判定する。搬送された硬貨が正貨である場合、一時保留庫24gに保留される。一方、搬送された硬貨が正貨でない場合、硬貨出金口13を介して出金トレイ17に返却される。尚、レジスタ装置1側から返却指示があった場合、一時保留庫24gに保留された硬貨は、硬貨返却口14に返却される。
【0015】
その後、一時保留庫24gに保留された硬貨は、振り分け部である振分搬送機構22bによって搬送される。振分搬送機構22bによって搬送される硬貨は、金種に応じて硬貨収納庫24a~24fに収納される。本実施の形態では、装置本体11の内部に1円硬貨収納庫24a、50円硬貨収納庫24b、5円硬貨収納庫24c、100円硬貨収納庫24d、10円硬貨収納庫24e、500円硬貨収納庫24fが設けられており、投入された硬貨を金種毎に個別に収納するようにしている。尚、一時保留庫24gは、各硬貨収納庫24a~24fに収納された硬貨を一旦空にして各硬貨収納庫24a~24fの収納個数を再計数するための精査庫としても機能する。硬貨出金口13は、レジスタ装置1側からの出金指令に応じてそれぞれの硬貨収納庫24a~24fから出金搬送機構22cを介して搬出された硬貨を装置本体11の外部に払い出すための開口であり、装置本体11の前面に形成されている。
【0016】
紙幣投入口15は、投入された紙幣を装置本体11の内部に受け入れるための開口であり、装置本体11の前面上部に設けてある。紙幣投入口15は、顧客から預り金を一時保持する一時保持部として機能する。紙幣投入口15に投入された紙幣は、レジスタ装置1側からの入金許可の指示を受け、投入検出センサ31によって検出された後、図4に示すように、紙幣収納ユニット30の紙幣搬送機構32によって搬送される。搬送された紙幣は、紙幣鑑別センサ33によって、紙幣の真贋及び金種が判定される。搬送された紙幣が正券である場合、金種に応じて紙幣収納庫34内の1000円紙幣収納庫34b又は混合紙幣収納庫34cの上流側部分に分割構成された一時保留庫35に保留される。一方、搬送された紙幣が正券でない場合、あるいはレジスタ装置1側からの返却指示があった場合、紙幣は紙幣出金口16に返却される。
【0017】
その後、一時保留庫35に保留された紙幣は、1000円紙幣収納庫34b又は混合紙幣収納庫34cに収納される。尚、混合紙幣収納庫34cは、1000円紙幣以外の紙幣を収納する。例えば、10000円紙幣や5000円紙幣を混合して収納する。また精査庫34aは、1000円紙幣収納庫34b、混合紙幣収納庫34cに収納された紙幣を一旦空にして各紙幣収納庫34の収納枚数を再計数する際に一時収納する収納庫である。紙幣出金口16は、レジスタ装置1側からの出金指令に応じて、紙幣収納庫34から搬出された紙幣を装置本体11の外部に払い出すための開口であり、装置本体11の前面に設けてある。
【0018】
図2に示したように、金銭処理機10は、上述した硬貨収納ユニット20及び紙幣収納ユニット30の他、操作表示部40及び制御部60を備えている。
【0019】
図5は、図1及び図2に示した操作表示部40を拡大して示す拡大平面図である。この図5に示すように、操作表示部40は、表示部40aと操作部40bとを有している。
【0020】
表示部40aは、LED表示器41とLCD表示器42とを備えている。LED表示器41は、9桁の数字表示分だけ設けられていて、各桁で金種毎の貨幣が「満杯」、「適量」、「空」等のようにその収納状況を表示するものである。LCD表示器42は、入出金に関する履歴情報の集合体であるログ情報及びその他の必要な情報を表示するためのものである。
【0021】
操作部40bは、3行×4列の計12個の操作ボタン群により構成されている。操作ボタン群の第1列には、それぞれ紙幣ボタン、ヘルプボタン、在高ボタンとして、「7」、「8」、「9」の置数ボタンを兼ねる3つの機能ボタン43,44,45が配置されている。操作ボタン群の第2列には、それぞれ硬貨ボタン、回収ボタン、補充ボタンとして、「4」、「5」、「6」の置数ボタンを兼ねる3つの機能ボタン46,47,48が配置されている。操作ボタン群の第3列には、それぞれスクロールボタン(逆歴ボタン)、履歴ボタン、設定ボタンとして、「1」、「2」、「3」の置数ボタンを兼ねる3つの機能ボタン49,50,51が配置されている。操作ボタン群の第4列には、「0」の置数を兼ねるスクロールボタン(順歴ボタン)52、取消復旧ボタン53、実行ボタン54の3つの機能ボタンが配置されている。
【0022】
制御部60は、操作表示部40を通じて指令が与えられた場合、硬貨鑑別センサ23、紙幣鑑別センサ33から検出信号が与えられた場合、更には上位装置であるレジスタ装置1から各種指令が与えられた場合、メモリ61に格納したプログラムや初期データに基づいて操作表示部40の表示制御、硬貨搬送機構(入金搬送機構22a,振分搬送機構22b,出金搬送機構22c)の駆動制御、紙幣搬送機構32の駆動制御を行うものである。この制御部60は、入出金制御部60aを有する。
【0023】
入出金制御部60aは、レジスタ装置1から入金許可指令が与えられた後に金銭が投入された場合に、入金許可指令に従って金銭の入金処理を行い、またレジスタ装置1から出金指令が与えられた場合に、出金指令に従って金銭の出金処理を行うものである。また入出金制御部60aは、これらの入金処理及び出金処理を実行している間、実施した入金処理及び出金処理の内容を入出金情報として逐次、メモリ61に格納する処理も行う。
【0024】
図6は、図2に示した制御部60の入出金制御部60aが実施する入金制御処理の処理内容を示すフローチャートである。
【0025】
この入金制御処理において制御部60の入出金制御部60aは、レジスタ装置1からの入金許可指令が与えられたか否かを判断する(ステップS101)。入金許可指令がない場合(ステップS101:No)、入出金制御部60aは、かかる処理を繰り返す。
【0026】
入金許可指令が与えられた場合(ステップS101:Yes)、入出金制御部60aは、硬貨収納ユニット20及び紙幣収納ユニット30において、上述した入金動作を行う(ステップS102)。かかる入金動作では、例えば3030円(1000円紙幣が3枚、10円硬貨が3枚)の金銭が投入されたものとする。
【0027】
このように入金動作を行った入出金制御部60aは、店舗の顧客等の利用者がレジスタ装置1における「入金確定ボタン」を操作することにより発せられる入金確定指示待ちとなる(ステップS103)。
【0028】
入金確定指示が与えられる前に異常が発生した場合(ステップS103:No,ステップS104:Yes)、例えば、3枚目として投入した10円硬貨により硬貨詰まり等が発生した場合、入出金制御部60aは、図7の(a)に示すように、操作表示部40にエラーコードを表示するとともに(ステップS105)、異常が発生していない紙幣収納ユニット30に取り込まれた紙幣(3枚の1000円紙幣)を紙幣出金口16に返却させる紙幣返却動作(自動返却動作)を行う(ステップS106)。この紙幣返却動作を行った入出金制御部60aは、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
【0029】
これによれば、その後に作業者により硬貨詰まりを発生させた10円硬貨を取り出す作業が行われることになる。
【0030】
ところで、ステップS105のエラーコードの表示であるが、利用者や作業者等の操作者がスクロールボタン52を押下操作した場合、操作表示部40では、図7の(b)に示すように現在取り込んでいる金額(20円)を表示する。そして、操作表示部40では、操作者がスクロールボタン52を押下操作した場合、図7の(c)に示すように、現在取り込んでいる金銭(硬貨)の内訳を表示する。また、操作表示部40では、スクロールボタン52が押下操作されると、図7の(a)に示したエラーコードを表示する。つまり、操作表示部40では、スクロールボタン52が押下操作される度に、エラーコード表示→金額表示→金銭内訳表示の順に表示している。
【0031】
一方、異常が発生せずに入金確定指示が与えられ(ステップS103:Yes,ステップS104:No)、しかもその後も異常が発生していない場合(ステップS107:No)、入出金制御部60aは、レジスタ装置1に対して入金完了通知を行い(ステップS108)、その後に手順をリターンして今回の処理を終了する。
【0032】
これによれば、その後に必要に応じて釣銭を出金する処理が行われたのち、投入された金銭が所定の収納庫(硬貨収納庫24a~24f及び紙幣収納庫34)に収納される。
【0033】
異常が発生せずに入金確定指示が与えられるとともに(ステップS103:Yes,ステップS104:No)、その後に異常が発生した場合(ステップS107:Yes)、例えば、3枚目として投入した10円硬貨により硬貨詰まり等が発生した場合、入出金制御部60aは、図8の(a)に示すように、操作表示部40にエラーコードを表示し(ステップS109)、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
【0034】
これによれば、その後に作業者により硬貨詰まりを発生させた10円硬貨を取り出す作業が行われることになる。
【0035】
ところで、ステップS109のエラーコードの表示であるが、利用者や作業者等の操作者がスクロールボタン52を押下操作した場合、操作表示部40では、図8の(b)に示すように現在取り込んでいる金額(3020円)を表示する。そして、操作表示部40では、操作者がスクロールボタン52を押下操作した場合、図8の(c)に示すように、現在取り込んでいる金銭(硬貨)の内訳を表示する。また、操作表示部40では、スクロールボタン52が押下操作されると、図8の(a)に示したエラーコードを表示する。つまり、操作表示部40では、スクロールボタン52が押下操作される度に、エラーコード表示→金額表示→金銭内訳表示の順に表示している。
【0036】
尚、図6の例では、硬貨詰まりを異常発生として説明したが、紙幣詰まり等の異常が発生した場合には、入金確定指示前であれば硬貨収納ユニット20に取り込まれた硬貨を硬貨出金口13に返却させる硬貨返却動作を行うことになる。
【0037】
以上説明したように、本発明の実施の形態である金銭処理機10によれば、制御部60は、硬貨及び紙幣の少なくとも一方が投入される入金時において、硬貨収納ユニット20及び紙幣収納ユニット30の一方で入金確定指示が与えられる前に異常が発生した場合に、硬貨収納ユニット20及び紙幣収納ユニット30の他方に投入された金銭を返却する自動返却動作を行うので、作業者は、異常が発生したユニットのみに対して金銭返却作業を行えばよく、金銭返却作業を容易なものとすることができる。
【0038】
また、制御部60は、上記入金時において、入金確定指示が与えられた後に硬貨収納ユニット20及び紙幣収納ユニット30の一方で異常が発生した場合、上記自動返却動作を行わないので、主に金銭処理機10がセルフレジやセミセルフレジとして適用される場合に、悪意のある者がレジスタ装置1の入金確定ボタンを操作した後に例えば紙幣投入口15や硬貨出金口13等に異物等を進入させて自動返却された金銭を受け取ることを抑制することができる。
【0039】
上記金銭処理機10によれば、操作表示部40では、スクロールボタン52が押下操作される度に、エラーコード表示→金額表示→内訳表示の順に表示しているので、作業者がスクロールボタン52を操作することで、硬貨及び紙幣のどちらで異常発生しているのかについてや、取り込み済みの金銭を認識することができ、これによっても金銭返却作業を容易なものとすることができる。
【0040】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
【0041】
上述した実施の形態では、入金確定指示後に硬貨収納ユニット20及び紙幣収納ユニット30の一方に異常が発生した場合には、硬貨収納ユニット20及び紙幣収納ユニット30の他方に取り込まれた金銭の返却を行わないようにしていたが、本発明においては、レジスタ装置1等の上位機器からの指令により、あるいは操作表示部40を通じての操作により、硬貨収納ユニット20及び紙幣収納ユニット30の他方に取り込まれた金銭を強制的に返却させるようにしてもよい。
【0042】
尚、上記の実施の形態で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置及び構成要素の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【符号の説明】
【0043】
1…レジスタ装置、10…金銭処理機、11…装置本体、12…硬貨投入口、13…硬貨出金口、14…硬貨返却口、15…紙幣投入口、16…紙幣出金口、17…出金トレイ、20…硬貨収納ユニット、21…投入検出センサ、22a…入金搬送機構、22b…振分搬送機構、22c…出金搬送機構、23…硬貨鑑別センサ、24a~24f…硬貨収納庫、24g…一時保留庫、30…紙幣収納ユニット、31…投入検出センサ、32…紙幣搬送機構、33…紙幣鑑別センサ、34…紙幣収納庫、40…操作表示部、40a…表示部、40b…操作部、60…制御部、60a…入出金制御部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8