(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135608
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】遠隔医療システム及び遠隔医療プログラム、並びに、サーバ
(51)【国際特許分類】
G16H 10/20 20180101AFI20240927BHJP
G16H 80/00 20180101ALI20240927BHJP
【FI】
G16H10/20
G16H80/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】36
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023046388
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】523106425
【氏名又は名称】EvoCare Japan株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179970
【弁理士】
【氏名又は名称】桐山 大
(74)【代理人】
【識別番号】100071205
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100183128
【弁理士】
【氏名又は名称】宮下 洋明
(72)【発明者】
【氏名】アキム・ハイン
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA04
(57)【要約】
【課題】 遠隔医療を効率化することである。
【解決手段】 医療者が確認すべきは、患者の動作の要点である。遠隔医療システム1を構成するのは、医療者端末10、患者端末20、及び、サーバ30である。患者端末20で撮影されるのは、患者画像である。当該患者画像で示すのは、患者の反復動作である。医療者端末10で出力されるのは、点検画像である。当該点検画像に対応するのは、患者画像の指定動作及び指定箇所である。当該指定動作及び指定箇所を決めるのは、動作指定である。サーバ30で受信されるのは、患者画像又は点検画像である。これらの画像の源泉は、患者端末20である。サーバ30で送信されるのは、点検画像であり、その送信先は、医療者端末10である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔医療システムであって、それを構成するのは、以下である:
患者端末:撮影されるのは、患者画像であり、及び、
医療者端末:出力されるのは、点検画像であり、当該点検画像に対応するのは、前記患者画像の一部であり、かつ、当該一部を決めるのは、動作指定であり、
サーバ:受信されるのは、前記患者画像又は前記点検画像であり、その源泉は、前記患者端末であり、かつ、送信されるのは、前記点検画像であり、その送信先は、前記医療者端末である。
【請求項2】
請求項1のシステムであって、それを構成するのは、更に、以下である:
前記サーバで演算し得られるのは、前記点検画像であり、その際に用いられるのは、前記患者画像及び前記動作指定である。
【請求項3】
請求項2のシステムであって、
前記医療者端末で送信されるのは、前記動作指定であり、その送信先は、前記サーバである。
【請求項4】
請求項1のシステムであって、
前記患者端末で演算し得られるのは、前記点検画像であり、その際に用いられるのは、前記患者画像及び前記動作指定である。
【請求項5】
請求項4のシステムであって、
前記患者端末で受信されるのは、前記動作指定であり、その源泉は、前記医療者端末である。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れかのシステムであって、
前記患者画像で示すのは、患者の反復動作であり、かつ、
前記動作指定に対応するのは、前記反復動作のうち第N回目の動作である。
【請求項7】
請求項1乃至5の何れかのシステムであって、
前記患者端末で表示されるのは、入力画面であって、ここで入力されるのは、患者の自己評価であり、かつ、送信されるのは、前記自己評価であり、かつ、
前記医療者端末で受信されるのは、前記自己評価であり、かつ、送信されるのは、設定値であり、この設定値で設定されるのは、前記入力画面の表示要否である。
【請求項8】
請求項1乃至5の何れかのシステムであって、
前記患者端末で出力されるのは、見本画像及び休憩画像であり、当該見本画像で示されるのは、見本動作であり、かつ、
前記医療者端末で送信されるのは、負荷指定であり、当該負荷指定で指定されるのは、見本画像及び休憩画像の出力回数である。
【請求項9】
請求項1乃至5の何れかのシステムであって、
前記患者端末で出力されるのは、見本画像及び休憩画像であり、当該見本画像で示されるのは、見本動作であり、かつ、
前記医療者端末で送信されるのは、負荷指定であり、当該負荷指定で指定されるのは、見本画像及び休憩画像の出力回数であり、かつ、
前記休憩画像に含まれるのは、宣伝広告である。
【請求項10】
サーバであって、それを構成するのは、以下である:
通信装置:受信されるのは、患者画像及び動作指定であり、かつ、送信されるのは、点検画像であり、当該点検画像に対応するのは、前記患者画像の一部であり、及び、
処理装置:演算し得られるのは、前記点検画像であり、その際に用いられるのは、前記患者画像及び前記動作指定である。
【請求項11】
請求項10のサーバであって、
前記処理装置で実行されるのは、画像認識処理であり、それで特定されるのは、前記患者画像の一部である。
【請求項12】
請求項10又は11のサーバであって、
前記患者画像で示すのは、患者の反復動作であり、かつ、
前記動作指定に対応するのは、前記反復動作のうち第K回目の動作である(Kは、整数であり、1≦K≦Nである。)。
【請求項13】
患者端末であって、それを構成するのは、以下である:
撮影装置:撮影されるのは、患者画像であり、
通信装置:受信されるのは、動作指定であり、かつ、送信されるのは、点検画像であり、当該点検画像に対応するのは、前記患者画像の一部であり、かつ、当該一部を決めるのは、前記動作指定であり、及び、
処理装置:演算し得られるのは、前記点検画像であり、その際に用いられるのは、前記患者画像及び前記動作指定である。
【請求項14】
請求項13の端末であって、
前記処理装置で実行されるのは、画像認識処理であり、それで特定されるのは、前記患者画像の一部である。
【請求項15】
請求項13又は14の端末であって、
前記患者画像で示すのは、患者の反復動作であり、かつ、
前記動作指定に対応するのは、前記反復動作のうち第K回目の動作である(Kは、整数であり、1≦K≦Nである。)。
【請求項16】
遠隔医療プログラムであって、それによってコンピュータが実行するのは、以下の処理である:
演算:演算し得られるのは、点検画像であり、その際に用いられるのは、患者画像及び動作指定であり、かつ、
前記点検画像に対応するのは、前記患者画像の一部であり、かつ、
前記一部を決めるのは、前記動作指定である。
【請求項17】
請求項16のプログラムであって、
前記演算で用いられるのは、画像認識であり、それで特定されるのは、前記患者画像の一部である。
【請求項18】
請求項16のプログラムであって、
前記患者画像で示すのは、患者の反復動作であり、かつ、
前記動作指定に対応するのは、前記反復動作のうち第K回目の動作である(Kは、整数であり、1≦K≦Nである。)。
【請求項19】
遠隔医療システムであって、それを構成するのは、以下である:
撮影装置:撮影されるのは、患者画像であり、
出力装置:出力されるのは、点検画像であり、当該点検画像に対応するのは、前記患者画像の一部であり、及び、
処理装置:演算し得られるのは、前記点検画像であり、その際に用いられるのは、前記患者画像及び動作指定である。
【請求項20】
請求項19のシステムであって、
前記処理装置で実行されるのは、画像認識処理であり、それで特定されるのは、前記患者画像の一部である。
【請求項21】
請求項19又は20のシステムであって、
前記患者画像で示すのは、患者の反復動作であり、かつ、
前記動作指定に対応するのは、前記反復動作のうち第K回目の動作である(Kは、整数であり、1≦K≦Nである。)。
【請求項22】
請求項21のシステムであって、それを更に構成するのは、以下である:
入力装置:受け付けるのは、前記動作指定である。
【請求項23】
遠隔医療システムであって、それを構成するのは、以下である:
患者端末:収拾されるのは、患者音声であり、及び、
医療者端末:出力されるのは、点検音声であり、当該点検音声に対応するのは、前記患者音声の一部であり、かつ、当該一部を決めるのは、音声指定であり、
サーバ:受信されるのは、前記患者音声又は前記点検音声であり、その源泉は、前記患者端末であり、かつ、送信されるのは、前記点検音声であり、その送信先は、前記医療者端末である。
【請求項24】
請求項23のシステムであって、それを構成するのは、更に、以下である:
前記サーバで演算し得られるのは、前記点検音声であり、その際に用いられるのは、前記患者音声及び前記音声指定である。
【請求項25】
請求項24のシステムであって、
前記医療者端末で送信されるのは、前記音声指定であり、その送信先は、前記サーバである。
【請求項26】
請求項23のシステムであって、
前記患者端末で演算し得られるのは、前記点検音声であり、その際に用いられるのは、前記患者音声及び前記音声指定である。
【請求項27】
請求項26のシステムであって、
前記患者端末で受信されるのは、前記音声指定であり、その源泉は、前記医療者端末である。
【請求項28】
請求項23乃至27の何れかのシステムであって、
前記患者端末で表示されるのは、入力画面であって、ここで入力されるのは、患者の自己評価であり、かつ、送信されるのは、前記自己評価であり、かつ、
前記医療者端末で受信されるのは、前記自己評価であり、かつ、送信されるのは、設定値であり、この設定値で設定されるのは、前記入力画面の表示要否である。
【請求項29】
サーバであって、それを構成するのは、以下である:
通信装置:受信されるのは、患者音声及び音声指定であり、かつ、送信されるのは、点検音声であり、当該点検音声に対応するのは、前記患者音声の一部であり、かつ、前記患者音声の一部を決めるのは、前記音声指定であり、及び、
処理装置:演算し得られるのは、前記点検音声であり、その際に用いられるのは、前記患者音声及び前記音声指定である。
【請求項30】
請求項29のサーバであって、
前記処理装置で実行されるのは、音声認識処理であり、それで特定されるのは、前記患者音声の一部である。
【請求項31】
患者端末であって、それを構成するのは、以下である:
収音装置:収拾されるのは、患者音声であり、
通信装置:受信されるのは、音声指定であり、かつ、送信されるのは、点検音声であり、当該点検音声に対応するのは、前記患者音声の一部であり、かつ、当該一部を決めるのは、前記音声指定であり、及び、
処理装置:演算し得られるのは、前記点検音声であり、その際に用いられるのは、前記患者音声及び音声指定である。
【請求項32】
請求項31の端末であって、
前記処理装置で実行されるのは、音声認識処理であり、それで特定されるのは、前記患者音声の一部である。
【請求項33】
遠隔医療プログラムであって、それによってコンピュータが実行するのは、以下の処理である:
演算:演算し得られるのは、点検音声であり、その際に用いられるのは、患者音声及び音声指定であり、かつ、
前記点検音声に対応するのは、前記患者音声の一部であり、かつ、
前記一部を決めるのは、前記音声指定である。
【請求項34】
請求項33のプログラムであって、
前記演算で用いられるのは、音声認識であり、それで特定されるのは、前記患者音声の一部である。
【請求項35】
遠隔医療システムであって、それを構成するのは、以下である:
収音装置:収拾されるのは、患者音声であり、
出力装置:出力されるのは、点検音声であり、当該点検音声に対応するのは、前記患者音声の一部であり、及び、
処理装置:演算し得られるのは、前記点検音声であり、その際に用いられるのは、前記患者音声及び音声指定であり、かつ、当該音声指定で決めるのは、前記患者音声の一部である。
【請求項36】
請求項35のシステムであって、
前記処理装置で実行されるのは、音声認識処理であり、それで特定されるのは、前記患者音声の一部である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明が関係するのは、遠隔医療システム及び遠隔医療プログラム、並びに、サーバである。
【背景技術】
【0002】
日本が直面している課題は、医療費の低減である。医療費増大の要因の一つは、日本社会の高齢化である。非特許文献1で報告されるとおり、日本の総人口に占める65歳以上人口の割合(高齢化率)は、28.9%である。65歳以上人口は、3621万人である。社会の高齢化が認められるのは、日本のみならず、世界的なものである。
【0003】
医療費の低減策の一つは、リハビリテーションの負担軽減である。入院型のリハビリテーションの課題は、コストの高さである。通院型のリハビリテーションの課題は、患者又はその家族の負担の大きさである。とりわけ、その傾向が顕著なのは、通院が不便な場合である。訪問型のリハビリテーションの課題は、要員の不足及びスケジュールの組み難さである。例えば、終業後、夜間のリハビリテーションは、事実上、不可能である。
【0004】
患者への負担が影響するのは、リハビリテーションの継続率である。リハビリテーションの継続率が下がると、退院患者の再入院率が上がる。退院患者の再入院率の上昇で増加するのは、医療費や介護費である。
【0005】
リハビリテーションの負担を軽減するため、医療機関で採用されつつあるのは、遠隔リハビリテーションである。遠隔リハビリテーションを実現するのは、コンピュータシステムである。当該システムを例示すると、以下のとおりである。
【0006】
特許文献1で開示されるのは、患者の非侵襲性動作追跡システムであって、その用途が理学療法であるものである。このシステムを構成するのは、動作追跡装置、ディスプレイ、及び、コンピューティングプラットフォームである。前記動作追跡装置で監視されるのは、患者の動作である。前記ディスプレイで表示されるのは、メニュー駆動型インターフェース、患者への命令、及び、フィードバックである。前記コンピューティングプラットフォームを構成するのは、プロセッサ及びメモリである。当該プラットフォームで比較されるのは、前記動作及び前記命令であり、それによって得られるのは、前記フィードバックである。
【0007】
特許文献2で開示されるのは、リハビリテーション支援システムである。このシステムを構成するのは、ユーザ機器及び医療関係者用の情報端末装置である。これらが接続されているのは、ネットワークである。前記ユーザ機器で提供されるのは、運動負荷であり、かつ、表示されるのは、ユーザの状況である。前記情報端末で表示されるのは、ユーザの状況である。この状況に含まれるのは、心電図波形、心拍数、運動負荷の大きさ、ユーザの客観的な運動量、及び、ユーザの主観的な負荷である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2018‐122110号公報
【特許文献2】特開2020‐57082号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】内閣府、「令和4年版高齢社会白書(概要版)」、<https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2022/gaiyou/pdf/1s1s.pdf>(検索日:令和4年12月2日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、遠隔医療の効率化である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本課題を解決するため、本発明者が着目したのは、医療者の確認点である。すなわち、医療者が確認すべきは、患者の全ての動作(発声を含む。)ではなく、患者の動作の要点である。そのような観点から、本発明を概説すると、以下のとおりである。
【0012】
<遠隔医療システム>遠隔医療システムを構成するのは、患者端末、医療者端末、及び、サーバである。前記患者端末で撮影されるのは、患者画像である。前記医療者端末で出力されるのは、点検画像である。当該点検画像に対応するのは、前記患者画像の一部である。当該一部を決めるのは、動作指定である。前記サーバで受信されるのは、前記患者画像又は前記点検画像である。前記患者画像又は前記点検画像の源泉は、前記患者端末である。前記サーバで送信されるのは、前記点検画像であり、その送信先は、前記医療者端末である。
【0013】
観点を変えると、遠隔医療システムを構成するのは、撮影装置、出力装置、及び、処理装置である。前記撮影装置で撮影されるのは、患者画像である。前記出力装置で出力されるのは、点検画像である。当該点検画像に対応するのは、前記患者画像の一部である。前記処理装置で演算し得られるのは、前記点検画像であり、その際に用いられるのは、前記患者画像及び動作指定である。
【0014】
<サーバ>サーバを構成するのは、通信装置、及び、処理装置である。前記通信装置で受信されるのは、患者画像及び動作指定であり、かつ、送信されるのは、点検画像である。当該点検画像に対応するのは、前記患者画像の一部である。前記処理装置で演算し得られるのは、前記点検画像であり、その際に用いられるのは、前記患者画像及び前記動作指定である。
【0015】
<患者端末>患者端末を構成するのは、撮影装置、通信装置、及び、処理装置である。前記撮影装置で撮影されるのは、患者画像である。前記通信装置で受信されるのは、動作指定であり、かつ、送信されるのは、点検画像である。当該点検画像に対応するのは、前記患者画像の一部である。当該一部を決めるのは、前記動作指定である。前記処理装置で演算し得られるのは、前記点検画像であり、その際に用いられるのは、前記患者画像及び前記動作指定である。
【0016】
<遠隔医療プログラム>遠隔医療プログラムによってコンピュータが実行するのは、演算処理である。すなわち、コンピュータで演算し得られるのは、点検画像であり、その際に用いられるのは、患者画像及び動作指定である。前記点検画像に対応するのは、前記患者画像の一部である。前記一部を決めるのは、前記動作指定である。
【0017】
<遠隔医療システム>前述で着目したのは、画像であるが、ここから着目するのは、音声である。遠隔医療システムを構成するのは、患者端末、医療者端末、及び、サーバである。前記患者端末で収拾されるのは、患者音声である。前記医療者端末で出力されるのは、点検音声である。当該点検音声に対応するのは、前記患者音声の一部である。当該一部を決めるのは、音声指定である。前記サーバで受信されるのは、前記患者音声又は前記点検音声である。前記患者音声又は前記点検音声の源泉は、前記患者端末である。前記サーバで送信されるのは、前記点検音声であり、その送信先は、前記医療者端末である。
【0018】
観点を変えると、遠隔医療システムを構成するのは、収音装置、出力装置、及び処理装置である。前記収音装置で収拾されるのは、患者音声である。前記出力装置で出力されるのは、点検音声である。当該点検音声に対応するのは、前記患者音声の一部である。前記処理装置で演算し得られるのは、前記点検音声であり、その際に用いられるのは、前記患者音声及び音声指定である。当該音声指定で決めるのは、前記患者音声の一部である。
【0019】
<サーバ>サーバを構成するのは、通信装置、及び、処理装置である。前記通信装置で受信されるのは、患者音声及び音声指定であり、かつ、送信されるのは、点検音声である。当該点検音声に対応するのは、前記患者音声の一部である。前記処理装置で演算し得られるのは、前記点検音声であり、その際に用いられるのは、前記患者音声及び前記音声指定である。前記患者音声の一部を決めるのは、前記音声指定である。
【0020】
<患者端末>患者端末を構成するのは、収音装置、通信装置、及び、処理装置である。前記収音装置で収拾されるのは、患者音声である。前記通信装置で受信されるのは、音声指定であり、かつ、送信されるのは、点検音声である。当該点検音声に対応するのは、前記患者音声の一部である。当該一部を決めるのは、前記音声指定である。前記処理装置で演算し得られるのは、前記点検音声であり、その際に用いられるのは、前記患者音声及び前記音声指定である。
【0021】
<遠隔医療プログラム>遠隔医療プログラムによってコンピュータが実行するのは、演算処理である。コンピュータで演算し得られるのは、点検音声であり、その際に用いられるのは、患者音声及び音声指定である。前記点検音声に対応するのは、前記患者音声の一部である。前記一部を決めるのは、前記音声指定である。
【発明の効果】
【0022】
本発明で可能にするのは、遠隔医療の効率化である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】遠隔医療システムの第1のユースケースである。
【
図2】遠隔医療システムの一実施の形態の概略構成である。
【
図11】動作画像における動作箇所及び再生時刻の関係である。
【
図12】動作画像の各フレームF及び認識用フレームFrの比較の一例である。
【
図14】画面遷移の一例であり、(a)入力用画面の一例、(b)出力用画面の一例である。
【
図17】画面の一例であり、(a)医療者用画面の一例、(b)患者用画面の一例である。
【
図18】処理集中型のイベントフローの一例である。
【
図19】処理分散型のイベントフローの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
<遠隔医療システム>遠隔医療システムとは、複数の装置の組合せであって、その用途が遠隔医療であるものをいう(以下、「本システム」ともいう。)。遠隔医療とは、医療であって、その医療者及び患者を繋ぐ手段が通信回線であるものをいう。これによって、医療者及び患者の所在が時間的或いは空間的に異なっても、医療が実現される。医療に含まれるのは、治療、施術、訓練、及び、リハビリテーションである。医療者に含まれるのは、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、及び、柔道整復師、並びに、医師、及び看護師である。とりわけ、本システムが想定しているのは、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、及び、柔道整復師であるが、これらに限られない。医療者は、言い換えると、医療従事者又はセラピストである。
【0025】
<ユースケース>本システムが想定するのは、2つのユースケースである。第1のユースケースが主に対象とするのは、理学療法訓練又は作業療法訓練である。第2のユースケースが主に対象とするのは、言語聴覚訓練である。これらの詳細は、以下のとおりである。
【0026】
<第1のユースケース>
図1で示すのは、本システムの第1のユースケースである。本システムを利用するのは、医療者及び患者である。医療者が使用するのは、医療者端末である。患者が使用するのは、患者端末である。
【0027】
医療者が指定するのは、見本画像である。見本画像の表現形式は、動画像又は静止画像である。見本画像が任意的に伴うのは、音声である。見本画像で示されるのは、見本動作である。この動作に含まれるのは、反復動作である。反復動作とは、動作の繰り返しであり、その繰返し回数は、N回(Nは、2以上の整数である。以下、同じ。)である。反復動作を例示すると、屈伸の繰り返し、片足立ちの繰り返し、前屈の繰り返し等である。見本画像が指定される際、医療者が併せて指示するのは、患者の自己評価である。そのような指示に含まれるのは、主観的評価の項目であり、例示すると、痛みの有無や負荷の適否などである。
【0028】
患者が確認するのは、指定された見本画像である。見本画像を視聴しながら、患者が撮影し記録するのは、患者画像である。患者画像で示されるのは、患者の撮影された動作である。この動作に含まれるのは、患者の反復動作である。反復動作を例示すると、屈伸の繰り返し、片足立ちの繰り返し、前屈の繰り返し等である。
【0029】
患者画像が記録される際、患者が併せて報告するのは、自己評価である。この自己評価に含まれるのは、患者の主観的な評価であり、例示すると、痛みの有無や負荷の適否などである。前述のとおり、当該主観的な評価の項目を指示するのは、医療者である。
【0030】
医療者が視るのは、点検画像である。点検画像に対応するのは、患者画像の一部である。当該一部を指定するのは、医療者である。つまり、点検画像は、患者画像の部分であって、医療者が点検すべき、或いは、点検したい点である。言い換えると、点検画像は、患者画像の要点である。
【0031】
点検画像を視聴しながら、医療者が記録するのは、指導内容である。指導内容を例示すると、患者の動作の適否、動作改善への助言などである。その際、医療者が参照するのは、報告された自己評価である。
【0032】
患者が確認するのは、記録された指導内容である。この指導内容を踏まえて、患者が目指すのは、自己の動作の改善である。自己の動作が改善されることで、機能の回復確度が向上する。
【0033】
<本システムの概略構成>
図2で示すのは、本システムの一実施の形態の概略構成である。遠隔医療システム1(以下、「システム1」という。)で電子的に実現されるのは、遠隔医療である。システム1を構成するのは、医療者端末10、患者端末20、及び、サーバ30である。これらの装置を接続するのは、通信回線40である。本実施の形態で採用するのは、クライアントサーバシステムであるが、本発明で排除されないのは、他の形式(例えば、ピア・ツー・ピア(P2P)等)のシステムである。
【0034】
<医療者端末>医療者端末10とは、情報処理装置(所謂、「コンピュータ
」であり、以下同じ。)であって、その使用者が医療者であるものをいう。医療者端末10を例示すると、スマートフォンやタブレット端末などである。
【0035】
<医療者端末のハードウエア構成>
図3で示すのは、本実施の形態のハードウエア構成である。医療者端末10を構成するのは、コンピュータの基本要素であり、具体的には、入力装置11、出力装置12、通信装置13、主記憶装置14、補助記憶装置15、処理装置16、及び、入出力装置17である。これらの装置を接続するのは、システムバスである。
【0036】
<患者端末>患者端末20とは、情報処理装置であって、その使用者が患者であるものをいう。患者端末20を例示すると、スマートフォンやタブレット端末などである。
【0037】
<患者端末のハードウエア構成>
図3で示すとおり、患者端末20を構成するのは、コンピュータの基本要素であり、具体的には、入力装置21、出力装置22、通信装置23、主記憶装置24、補助記憶装置25、処理装置26、及び、入出力装置27である。これらの装置を接続するのは、システムバスである。入力装置21に含まれるのは、撮影装置21a及び収音装置21bである。すなわち、患者端末20が内蔵し、或いは、それに外部接続されるのは、撮影装置21a及び収音装置21bである。
【0038】
<サーバ>サーバ30とは、情報処理装置であって、それを使用するのが管理者(例えば、サービス提供者など)であるものをいう。サーバ30で管理されるのは、データベースである。当該データベースが更新されるのは、各種値が受信されたときである。当該値の源泉は、医療者端末10及び患者端末20である。
【0039】
<サーバのハードウエア構成>
図3で示すとおり、サーバ30を構成するのは、コンピュータの基本要素であり、具体的には、入力装置31、出力装置32、通信装置33、主記憶装置34、補助記憶装置35、処理装置36、及び、入出力装置37である。これらの装置を接続するのは、システムバスである。
【0040】
<入力装置>入力装置11、21、31の用途は、各種値(データ)の入力である。入力装置11、21、31は、汎用されており、例示すると、キーボード、ポインティングデバイス、コードリーダ、ICリーダ、OCR、ビデオカメラ、スチルカメラやマイクロホン等である。入力装置11、21、31で受け付けるのは、各種データの入力である。
【0041】
<出力装置>出力装置12、22、32の用途は、各種値(データ)の出力である。出力に含まれるのは、表示、投影、印刷、その他これらに類する態様である。出力装置12、22、32は、汎用されており、例示すると、ディスプレイモニタ、プリンタ、プロジェクタ、スピーカ等である。出力装置12、22、32で出力されるのは、各種データである。
【0042】
<通信装置>通信装置13、23、33の用途は、各種値(データ)の送受信(「通信」ともいう。)である。通信に含まれるのは、公衆回線通信及び専用回線通信である。通信装置13、23、33は、汎用されており、例示すると、Wi-Fi(登録商標)モデム、Bluetooth(登録商標)モデム等である。通信装置13、23、33で授受されるのは、各種データである。
【0043】
<主記憶装置>主記憶装置14、24、34で一時的に記憶されるのは、各種値(データ)である。主記憶装置14、24、34を言い換えると、メインメモリである。主記憶装置14、24、34を例示すると、RAM等である。各種値を例示すると、コンピュータ読み取り可能なプログラム(以下、「コンピュータプログラム」という。)、演算テーブル、データベース、入出力値等である。
【0044】
<補助記憶装置>補助記憶装置15、25、35で恒常的に記憶されるのは、各種値(データ)である。補助記憶装置15、25、35を言い換えると、ストレージ又はプログラムメモリである。補助記憶装置15、25、35を例示すると、SSD、HDD、ROM等である。各種値を例示すると、コンピュータプログラム、ルックアップテーブル、データベース、入出力値等である。
【0045】
<処理装置>処理装置16、26、36の用途は、制御及び演算である。処理装置16、26、36を言い換えると、プロセッサである。処理装置16、26、36を具現化するのは、MPUやCPU等である。処理装置16、26、36で読み出されるのは、コンピュータプログラムであり、それによって実行されるのは、各種処理である。
【0046】
<入出力装置>入出力装置17、27、37の用途は、データの入出力である。入出力装置17、27、37を言い換えると、I/Oポートである。入出力装置17、27、37にそれぞれ接続されるのは、入力装置11、21、31、出力装置12、22、32、及び、処理装置16、26、36である。
【0047】
<撮影装置>撮影装置21aの用途は、撮影である。撮影装置21aが使用されるのは、主に、理学療法訓練、作業療法訓練、言語聴覚訓練である。撮影装置21aを具現化するのは、ビデオカメラやスチルカメラ等である。撮影装置21aで撮影されるのは、患者の動作であり、それによって得られるのは、患者画像である。患者の動作に含まれるのは、患者の反復動作である。画像の形式は、静止画又は動画であり、好ましくは、動画である。
【0048】
<収音装置>収音装置21bの用途は、患者の音声の収拾である。収音装置21bが使用されるのは、主に、言語聴覚訓練である。収音装置21bは、いわゆる、マイクロホンである。
【0049】
<遠隔医療プログラム>遠隔医療プログラムとは、コンピュータプログラムであって、その用途が遠隔医療であるものをいう。遠隔医療プログラムは、集中的に、或いは、分散的に実行される。すなわち、遠隔医療プログラムで実現されるのは、複数の処理であり、これらを実行するのは、単一の又は複数の情報処理装置である。これらの処理を詳説すると、以下のとおりである。
【0050】
<遠隔医療のコンテキスト>
図4で示すのは、遠隔医療のコンテキストである。システム1が受け付けるのは、各種値(以下、「入力値」ともいう。)である。入力値に含まれるのは、見本指定、動作指定及び患者画像、並びに、評価指示、自己評価、指導である。見本指定、動作指定、評価指示、及び指導の源泉は、医療者である。患者画像及び自己評価の源泉は、患者である。他方、システム1で出力されるのは、各種値(以下、「出力値」ともいう。)である。出力値に含まれるのは、見本画像、点検画像、評価指示、及び、指導である。見本画像、指導、評価指示の収容先は、患者である。点検画像の収容先は、医療者である。
【0051】
<遠隔医療の概略データフロー>
図5で示すのは、遠隔医療の概略データフローである。遠隔医療を構成するのは、大きく分けて、見本出力P1、指示出力P2、点検出力P3、評価出力P4、及び、指導出力P5である。これらの説明は、以下のとおりである。
【0052】
<見本出力P1>見本出力P1の目的は、見本画像の出力である。見本画像を視て、かつ、真似るのは、患者である。見本画像の形式は、静止画又は動画である。前述のとおり、見本画像に任意に付随するのは、音声である。
【0053】
<データフロー>
図6で示すのは、見本出力のデータフローである。見本指定が入力されると、見本画像が出力される。見本指定に含まれるのは、患者ID及び訓練日(例えば、日付や曜日など)、並びに、見本画像ID及び負荷指定(例えば、動作の反復回数、反復速度、休憩時間、セット数など)である。見本出力P1を構成するのは、大まかには、3つの処理であり、具体的には、見本読出P1.1、見本記憶P1.2、及び、見本出力P1.3である。
【0054】
<見本読出P1.1>見本画像IDが入力されると、単位見本画像が読み出される。すなわち、単位見本画像を決定するのは、医療者である。入力された見本画像IDを一時的に記憶するのは、主記憶装置である。
【0055】
見本画像IDに対応付けられるのは、単位見本画像である。見本画像ID及び単位見本画像の対を定義するのは、見本画像データベースである。このデータベースを恒常的に記憶するのは、補助記憶装置である。前記データベースが展開され、或いは、一時的に記憶されるのは、主記憶装置である。
【0056】
単位見本画像で示されるのは、所定単位当たりの見本動作である。所定単位を例示すると、回数や時間である。例えば、見本動作が屈伸である場合、単位見本画像で示されるのは、1回分の屈伸(1回の屈む動作と1回の伸ばす動作との組合せ)である。他方、見本動作がクランチである場合、単位見本画像で示されるのは、N(Nは自然数)秒間のクランチである。
【0057】
<見本記憶P1.2>見本画像が読み出され、かつ、患者ID、訓練日、及び、負荷指定が入力されると、これらのデータが記憶される。見本画像及び負荷指定並びに患者ID及び訓練日を管理するのは、医療データベースである。このデータベースを恒常的に記憶するのは、補助記憶装置である。前記データベースが展開され、或いは、一時的に記憶されるのは、主記憶装置である。
【0058】
<見本出力P1.3>患者ID及び訓練日が入力されると、見本画像が出力される。患者によって入力されるのは、患者ID及び訓練日であり、その結果、患者が視聴するのは、見本画像である。入力された患者ID及び訓練日、並びに、出力される見本画像を一時的に記憶するのは、主記憶装置である。
【0059】
見本画像を構成する際に用いられるのは、単位見本画像及び負荷指定である。前述のとおり、単位見本画像で示されるのは、所定単位当たりの見本動作である。また、負荷指定に含まれるのは、見本動作の反復回数(又は反復時間)、休憩時間、及び、セット数である。負荷指定の入力画面は、任意に設計される。
【0060】
図7で示すのは、見本画像の構成例である。単位見本画像で示されるのが1回当たりの見本動作であり、かつ、負荷指定に含まれるのが見本動作の反復回数「5回」及び休憩時間「1分」である場合、見本画像IMを構成するのは、単位見本画像IMPの5回分である。換言すると、見本画像IMが出力される場合、単位見本画像IMPの5回分が出力される。
【0061】
負荷指定に更に含まれるのがセット数である場合、当該セット数で決められるのは、見本画像IMの出力回数である。例えば、見本画像IMを構成するのが単位見本画像IMPの5回分である場合、そのような単位見本画像IMPが1セット分の見本画像である。負荷指定に含まれるセット数が2回であれば、見本画像IMが繰り返し出力される数は、2回である。上述において、反復回数に代えて使用されるのは、反復時間である。
【0062】
セット数が2回以上である場合、休憩画像IMBが挿入される。すなわち、最初に、第1セット目の見本画像IM1が出力される。その後、休憩時間分(例えば、1分間)の休憩画像IMBが出力される。次いで、見本画像IM2が出力される。前述において、休憩画像IMBを恒常的に記憶するのは、補助記憶装置である。休憩画像IMBに含まれるのは、休憩指示の他、宣伝広告である。宣伝広告が挿入されることで、医療者の収益が増加し、或いは、患者の負担が減少する。
【0063】
前述において、見本画像に反映されるのは、負荷指定であるが、本実施の形態で採用するのは、これに限らない。例えば、見本IDが入力されると、負荷指定が入力されなくても、見本画像が出力される。この場合、見本画像は、予め構成されている。また、見本画像が対応づけられるのは、見本IDである。
【0064】
<指示出力P2>指示出力P2の目的は、評価指示の出力である。評価指示を視るのは、患者である。指示内容の表現形式は、不問であるが、好ましくは、テキストである。
【0065】
<データフロー>
図8で示すのは、指示出力のデータフローである。評価指示は、入力され、記憶された後、出力される。評価指示に含まれるのは、指示内容、患者ID、及び、訓練日である。指示出力P2を構成するのは、大まかには、2つの処理であり、具体的には、指示記憶P2.1、及び、指示出力P2.2である。
【0066】
<指示記憶P2.1>指示内容、患者ID、及び、訓練日が入力されると、これらのデータが記憶される。指示内容及び患者IDを管理するのは、前述の医療データベースである。このデータベースを恒常的に記憶するのは、補助記憶装置である。前記データベースが展開され、或いは、一時的に記憶されるのは、主記憶装置である。
【0067】
<指示出力P2.2>患者ID及び訓練日が入力されると、指示内容が出力される。入力された患者ID及び訓練日、並びに、出力される指示内容を一時的に記憶するのは、主記憶装置である。患者によって入力されるのは、患者ID及び訓練日であり、その結果、患者が確認するのは、指示内容である。指示内容に含まれるのは、主観的評価の指示である。主観的評価の項目に含まれるのは、痛みの有無及び負荷の適否である。例えば、見本動作が屈伸の繰り返し(繰り返し回数N回。Nは、自然数である。)である場合、主観的評価に含まれるのは、第K回目(K≦N)の屈曲における痛みの有無及び負荷の適否である。
【0068】
<点検出力P3>点検出力P3の目的は、点検画像の出力である。点検画像を視るのは、医療者である。点検画像の形式は、静止画又は動画であり、好ましくは、動画である。当該画像に付随するのは、音声である。
【0069】
<データフロー>
図9で示すのは、点検出力のデータフローである。患者画像及び動作指定が入力されると、点検画像が出力される。患者画像を入力する際に付随するのは、患者IDである。動作指定に含まれるのは、指定動作及び指定箇所である。例えば、特定の動作(例えば、屈伸。)が反復され、その反復回数がN回である場合、指定動作で示されるのは、特定の動作の一部(例えば、屈曲。)である。指定箇所で示されるのは、当該一部(例えば、屈曲。)の実施が第K回目である旨(K≦N。Nは、自然数である。)である。指定箇所で示されるのは、当該一部(例えば、屈曲。)の実施が第K回目である旨(K≦N。Nは、自然数である。)である。動作指定を入力する際に付随するのは、患者IDである。点検出力P3を構成するのは、大まかには、4つの処理であり、具体的には、画像記憶P3.1、指定記憶P3.2、画像編集P3.3、及び、画像出力3.4である。
【0070】
<画像記憶P3.1>患者画像及び患者IDが入力されると、これらのデータが記憶される。患者画像及び患者IDを管理するのは、前述の医療データベースである。このデータベースを恒常的に記憶するのは、補助記憶装置である。前記データベースが展開され、或いは、一時的に記憶されるのは、主記憶装置である。
【0071】
<指定記憶P3.2>指定動作及び指定箇所、並びに、患者IDが入力されると、これらのデータが記憶される。指定動作及び指定箇所、並びに、患者IDを管理するのは、前述の医療データベースである。このデータベースを恒常的に記憶するのは、補助記憶装置である。前記データベースが展開され、或いは、一時的に記憶されるのは、主記憶装置である。
【0072】
<画像編集P3.3>患者画像及び患者ID(これらを入力するのは、患者端末20である。)、並びに、指定動作、指定箇所及び患者ID(これらを入力するのは、医療者端末10である。)が入力されると、点検画像が得られる。患者ID及び得られた点検画像は、記憶される。患者画像に含まれるのは、訓練(リハビリテーション)動作のみならず、準備や休憩等である。そこで、本システム1で提供するのは、点検の効率化である。すなわち、医療者が点検するのは、点検画像の一部だけであり、それによって、患者の状態が把握される。反復動作の初期では、患者が上手く動作できていても、後半になると、筋力が足りず、ふらつきが生じうる。そのような点を点検し、反復回数を調整する。
【0073】
<指定動作及び指定箇所の特定方法>本実施の形態で採用するのは、時刻推定又は画像認識である。これらの方法の説明は、以下のとおりである。
【0074】
<時刻推定>指定動作及び指定箇所の特定に用いるのは、時刻推定である。
図10で示すのは、推定時刻テーブルの一例である。推定時刻テーブル50で定義されるのは、各動作51における、指定動作52、指定箇所53及び推定時刻54の関係である。例えば、屈伸用の推定時刻テーブルで定義されるのは、屈曲の第K回目及びその推定時刻の関係である。また、片足立ち用の推定時刻テーブルで定義されるのは、片足立ちの第K回目及びその推定時刻の関係である。
【0075】
推定時刻54とは、患者画像の再生時刻(タイムコード)であって、そこで指定動作52及び指定箇所53が推定上表現されているものをいう。推定時刻54を構成するのは、時(h)、分(m)及び秒(s)である。動作51が屈伸である場合、指定動作52が屈曲であり、かつ、指定箇所53が第K回目であれば、推定時刻54の例は、「00:01:20」である。
【0076】
指定動作52、指定箇所53及び推定時刻54の関係が予め定まるのは、以下の理由である。患者が視るのは、見本画像である。この見本画像で示されるのは、見本動作である。それと並行して、患者が撮影するのは、患者画像である。この患者画像で示されるのは、患者の動作である。そのような事実の下、推定されるのは、見本画像の再生時刻に略一致するのが患者画像の撮影時刻である、という点である。言い換えると、見本動作の時間経過に略一致するのは、患者の動作の時間経過である。
【0077】
前述のとおり、指定動作52、指定箇所53及び推定時刻54の関係が定義されるのは、動作51ごとである。なぜなら、動作51が異なれば、指定動作52、指定箇所53及び推定時刻54の関係も異なるからである。例えば、屈伸での指定動作、指定箇所及び推定時刻の関係と異なるのは、片足立ちでの指定箇所及び推定時刻の関係である。
【0078】
時刻推定を用いる際に必要なのは、患者画像の時間経過及び見本画像の時間経過が一致していることである。そのために、医療者の指示の下、患者が要するのは、自己の動作開始時期及び見本画像の出力開始時期を一致させることである。
【0079】
<画像認識>指定箇所の特定に用いるのは、画像認識である。画像認識を用いる目的は、編集精度の向上である。推定時刻テーブル50が前提とするのは、見本動作の速度及び患者の動作速度が一致することである。それ故、両動作速度が大きく異なる場合(例えば、高齢者や重度障碍者などの場合)、推定時刻テーブル50に内在するのは、編集精度の低下である。つまり、指定動作及び指定箇所が入力されても、意図する点検画像が必ずしも出力されない。
【0080】
図11で示すのは、患者画像における動作及びその箇所並びに再生時刻の関係である。患者画像が動画である場合、患者画像を構成するのは、複数のフレームFである。各フレームFは、それ自体、静止画である。フレームFが連続的に再生されることで、被写体の動作が再現される。フレームFに関連付けられているのは、再生時刻(タイムコード)である。
【0081】
フレームF、動作、その箇所、及び再生時刻の関係を説明すると、以下のとおりである。例えば、所定の動作(例えば、片足立ちなど)が反復され、その反復回数がN回である場合、フレームF1で示されるのは、動作「片足立ち」の箇所「第1回目」であり、フレームF1に関連付けられているのは、再生時刻「h1:m1:s1」である。フレームF2で示されるのは、動作「片足立ち」の箇所「第K回目」であり、フレームF2に関連付けられているのは、再生時刻「hk:mk:sk」である。フレームF3で示されるのは、動作「片足立ち」の箇所「第N回目」であり、フレームF3に関連付けられているのは、再生時刻「hn:mn:sn」である。ここで、文字「h」で示すのは、「時」である。文字「m」で示すのは、「分」である。文字「s」で示すのは、「秒」である。本実施の形態で排除しないのは、これら以外に、フレーム数が定義されることである。
【0082】
画像認識で比較されるのは、患者画像の各フレームF及び認識用フレームFrである。画像認識の実行順序が従うのは、フレームFの並び順である。すなわち、フレームFの時刻が先であるほど、画像認識は先になされ、フレームFの時刻が後であるほど、画像認識は後になされる。画像認識用のアルゴリズムは、公知であり、例示すると、"Amazon Rekognition"(提供元:AWS)等である。
【0083】
認識用フレームFrで示されるのは、認識すべき動作である。認識すべき動作に対応するのは、動作全体のうち医療者が視るべき動作である。すなわち、認識すべき動作に対応するのは、指定動作である。
【0084】
図12で示すのは、患者画像の各フレームF及び認識用フレームFrの比較の一例である。患者画像のフレームF及び認識用フレームFrが一致すれば、比較結果は、「真」である。この場合、患者画像のフレームFの時刻が記憶される。他方、患者画像のフレームF及び認識用フレームFrが一致しなければ、比較結果は、「偽」である。この場合、患者画像のフレームFの時刻は、記憶されない。
【0085】
反復動作の順番(第K回目)が従うのは、比較結果「真」の検出順である。前述のとおり、画像認識の実行順序が従うのは、フレームFの並び順である。フレームF及び認識用フレームFrが順番に比較され、比較結果「真」が最初に検出されると、このフレームで示されるのは、「反復動作(例えば、片足立ち。本段落において、以下同じ。)の第1回目」である。同様に、比較結果「真」の検出が第K回目であれば、フレームFで示されるのは、「反復動作の第K回目」である。最後に、比較結果「真」の検出が第N回目であれば、フレームFで示されるのは、「反復動作の第N回目」である。
【0086】
以上のとおり、画像認識で新たに得られるのは、認識時刻テーブルである。
図13で示すのは、認識時刻テーブルの一例である。認識時刻テーブル60で定義されるのは、認識動作(例えば、片足立ち)61及び認識箇所(例えば、第K回目など)62及びその認識時刻63の関係である。
【0087】
<点検画像の抽出>点検画像の抽出元は、患者画像である。すなわち、患者画像の一部が特定され、得られるのが点検画像である。その際、比較されるのは、入力された指定動作及び指定箇所、並びに、推定時刻テーブル又は認識時刻テーブルであり、それによって得られるのは、特定の推定時刻又は認識時刻である。この推定時刻又は認定時刻に対応するのは、入力された指定動作及び指定箇所である。これらの時刻が参照されて特定されるのは、患者画像のうち指定動作の指定箇所である。当該特定された画像に対応するのは、点検画像である。例えば、反復動作の一部動作の第K回目が指定された場合、点検画像で示されるのは、反復動作の一部動作の第K回目である。
【0088】
<画像出力P3.4>患者IDが入力されると、点検画像が出力される。入力された患者ID及び出力される点検画像を一時的に記憶するのは、主記憶装置である。医療者によって入力されるのは、患者IDであり、その結果、医療者が視聴するのは、点検画像である。
【0089】
<画面遷移>
図14で示すのは、画面遷移の一例であり、(a)入力用画面の一例、(b)出力用画面の一例である。入力用画面70を構成するのは、医療者ID(又は氏名)71、患者ID(又は氏名)72、医療メニュー73、入力部74、及び表示部75である。入力部74で入力されるのは、動作指定である。その際、入力枠74aで提示されるのは、指定動作の候補である。入力枠74bで提示されるのは、指定箇所の候補である。当該候補の一つが選択され、決定釦74cが操作されると、表示部75で表示されるのは、単数又は複数の入力された動作指定である。この状態で、決定釦76が操作されると、画面が遷移し、出力用画面80が表示される。
【0090】
出力用画面80を構成するのは、医療者ID(又は氏名)81、患者ID(又は氏名)82、医療メニュー83、及び、点検画像84である。本実施の形態で採用するのは、点検画像のサムネイル画像84a、84b、84cである。サムネイル画像84a、84b、84cの何れかが操作されると、それに対応する点検画像が全画面表示される。
【0091】
<評価出力P4>評価出力P4の目的は、自己評価の出力である。自己評価を視るのは、医療者である。自己評価の表現形式は、不問であるが、好ましくは、テキストである。
【0092】
<データフロー>
図15で示すのは、評価出力のデータフローである。自己評価は、入力され、記憶された後、出力される。自己評価に含まれるのは、評価内容、患者ID、及び、訓練日である。評価出力P4を構成するのは、大まかには、2つの処理であり、具体的には、評価記憶P4.1、及び、評価出力P4.2である。
【0093】
<評価記憶P4.1>評価内容、患者ID、及び、訓練日が入力されると、これらのデータが記憶される。評価内容、患者ID、及び、訓練日を管理するのは、前述の医療データベースである。このデータベースを恒常的に記憶するのは、補助記憶装置である。前記データベースが展開され、或いは、一時的に記憶されるのは、主記憶装置である。
【0094】
<評価出力P4.2>患者ID及び訓練日が入力されると、評価内容が出力される。入力された患者ID及び訓練日、並びに、出力される評価内容を一時的に記憶するのは、主記憶装置である。医療者によって入力されるのは、患者ID及び訓練日であり、その結果、医療者が視聴するのは、評価内容である。評価内容が従うのは、前述の主観的評価(例えば、痛みの有無や負荷の適否など)である(指示出力P2を参照。)。
【0095】
<指導出力P5>指導出力P5の目的は、指導内容の出力である。指導内容を視るのは、患者である。指導内容の表現形式は、不問であるが、好ましくは、テキストである。
【0096】
<データフロー>
図16で示すのは、指導出力のデータフローである。指導は、入力され、記憶された後、出力される。指導内容を大別すると、患者単位の指導と見本動作単位の指導とがある。前者の指導が着目するのは、特定の患者の訓練全般であるのに対して、後者が着目するのは、特定の患者の特定の訓練である。指導出力P5を構成するのは、大まかには、2つの処理であり、具体的には、指導記憶P5.1、及び、指導出力P5.2である。
【0097】
<指導記憶P5.1>指導内容及び患者ID、並びに、見本画像ID及び負荷指定が入力されると、これらのデータが記憶される。これらの値を入力するのは、医療者である。指導内容及び患者ID、並びに、見本画像ID及び負荷指定を管理するのは、前述の医療データベースである。このデータベースを恒常的に記憶するのは、補助記憶装置である。前記データベースが展開され、或いは、一時的に記憶されるのは、主記憶装置である。
【0098】
<指導出力P5.2>患者IDが入力されると、指導内容及び見本画像が出力される。入力された患者ID、並びに、出力される指導内容及び見本画像を一時的に記憶するのは、主記憶装置である。患者によって入力されるのは、患者IDであり、その結果、患者が視聴するのは、指導内容及び見本画像である。見本画像を構成する方法は、前述のとおりである(見本出力P1を参照。)。
【0099】
<画面例>
図17で示すのは、画面の一例であり、(a)医療者用画面の一例、(b)患者用画面の一例である。医療者用画面90を構成するのは、医療者ID(又は氏名)91、患者ID(又は氏名)92、医療メニュー93、及び、入力部94である。入力部94で入力されるのは、指導内容、見本画像ID、及び、負荷指定である。その際、入力枠94aで表示されるのは、入力中の指導内容である。入力枠94bで表示されるのは、見本画像IDの候補である。入力枠94cで表示されるのは、負荷指定の候補である。決定釦95が操作されると、入力された値が記憶される。
【0100】
患者用画面100を構成するのは、医療者ID(又は氏名)101、患者ID(又は氏名)102、医療メニュー103、表示部104、及び、開始釦105である。表示部104で表示されるのは、入力された指導内容である。開始釦105が操作されると、見本画像が出力される。
【0101】
以上で説明したのは、見本動作単位の指導である。患者単位の指導の場合、前述において、見本画像ID及び負荷指定の入力は、省略される。
【0102】
<処理の割当て>前述の各処理が割り当てられる先は、医療者端末10、患者端末20及びサーバ30の1つ以上である。すなわち、本発明が許容するのは、全ての処理の割り当て先が単一の装置であること、及び、一部の処理の割り当て先が一の装置であり、残りの処理の割り当て先が他の装置であることである。本実施の形態で採用するのは、以下の2つの場合であるが、勿論、これらの場合に限定されない。
【0103】
<処理集中型>
図18で示すのは、処理集中型のイベントフローの一例である。本実施の形態において、処理集中型で低減されるのは、端末の処理負荷である。見本出力P1、指示出力P2、点検出力P3、評価出力P4、及び、指導出力P5を実行するのは、唯一、サーバ30である。すなわち、処理装置36で読み出されるのは、遠隔医療プログラムであり、それにより順次或いは並列に実行されるのは、見本出力P1、指示出力P2、点検出力P3、評価出力P4、及び、指導出力P5である。遠隔医療プログラムを恒常的に記憶するのは、補助記憶装置35であり、かつ、一時的に記憶するのは、主記憶装置34である。医療者端末10及び患者端末20が担うのは、各種値(データ)の入出力及び当該値の送受信のみである。具体的には、以下のとおりである。
【0104】
<見本出力P1の実現手段>見本画像を出力するのは、患者端末20である。そのために、見本指定を入力するのは、医療者端末10である。また、患者ID及び訓練日(読出用)を入力するのは、患者端末20である。さらに、サーバ30で処理されるのは、これらの入力値であり、それによって出力されるのが見本画像である。具体的には、以下のとおりである。
【0105】
見本指定を入力するのは、医療者端末10である。すなわち、見本指定を入力する手段は、入力装置11である。入力された見本指定を送信するのは、通信装置13である。見本指定に含まれるのは、患者ID及び訓練日、並びに、見本画像ID及び負荷指定である。
【0106】
患者ID及び訓練日(読出用)を入力するのは、患者端末20である。すなわち、患者ID及び訓練日を入力するのは、入力装置21である。入力された患者ID及び訓練日を送信するのは、通信装置23である。
【0107】
サーバ30で処理されるのは、患者ID及び訓練日、並びに、見本画像ID及び負荷指定である。すなわち、患者ID及び訓練日、並びに、見本画像ID及び負荷指定を受信するのは、通信装置33である。補助記憶装置35に記憶されているのは、見本画像データベースである。このデータベースで定義されるのは、見本画像ID及び単位見本画像の対である。当該データベースが展開され、或いは、一時的に記憶されるのは、主記憶装置34である。処理装置36で読み出されるのは、単位見本画像であり、その際に用いられるのは、受信された見本画像IDである。また、処理装置36で構成されるのは、見本画像であり、その際に用いられるのは、単位見本画像及び負荷指定である。得られた見本画像並びに患者ID及び訓練日の対を管理するのは、医療データベースである。このデータベースを恒常的に記憶するのは、補助記憶装置35である。
【0108】
サーバ30で送信されるのは、見本画像である。そのために、サーバ30で読み出されるのは、見本画像である。この見本画像に対応づけられているのは、受信された患者ID及び訓練日(その送信元が患者端末20であるもの)である。患者ID及び訓練日を受信するのは、通信装置33である。読み出された見本画像を送信するのは、通信装置33である。
【0109】
見本画像を出力するのは、患者端末20である。すなわち、見本画像を出力する手段は、出力装置22である。そのために、見本画像を受信するのは、通信装置23である。
【0110】
<指示出力P2の実現手段>指示内容を出力するのは、患者端末20である。そのために、評価指示を入力するのは、医療者端末10である。また、サーバ30で処理されるのは、これらの入力値であり、それによって出力されるのが見本画像である。具体的には、以下のとおりである。
【0111】
評価指示を入力するのは、医療者端末10である。すなわち、評価指示を入力するのは、入力装置11である。評価指示を送信するのは、通信装置13である。評価指示に含まれるのは、指示内容、患者ID、及び、訓練日である。さらに、評価指示に含まれるのは、設定値である。この設定値で決めるのは、入力画面の表示要否である。この値を使うのは、後述の評価出力P4である。
【0112】
サーバ30で処理されるのは、指示内容、患者ID、及び、訓練日である。指示内容、患者ID、及び、訓練日を受信するのは、通信装置33である。受信された指示内容、患者ID、及び、訓練日の対を管理するのは、医療データベースである。このデータベースを恒常的に記憶するのは、補助記憶装置35である。
【0113】
サーバ30で送信されるのは、指示内容である。そのために、サーバ30で読み出されるのは、指示内容である。この指示内容に対応づけられているのは、受信された患者ID及び訓練日(見本出力P1で受信されたものでよい。)である。
【0114】
指示内容を出力するのは、患者端末20である。すなわち、指示内容を出力する手段は、出力装置22である。そのために、指示内容を受信するのは、通信装置23である。指示内容を出力する時期は、見本画像の出力中又はその前である。
【0115】
<点検出力P3の実現手段>点検画像を出力するのは、医療者端末10である。そのために、動作指定を入力するのは、医療者端末10である。また、患者ID及び患者画像を入力するのは、患者端末20である。さらに、サーバ30で処理されるのは、これらの入力値であり、それによって出力されるのが点検画像である。
【0116】
動作指定を入力するのは、医療者端末10である。すなわち、動作指定を入力する手段は、入力装置11である。入力された動作指定を送信するのは、通信装置13である。動作指定に含まれるのは、患者ID、並びに、指定動作及び指定箇所である。
【0117】
患者ID及び患者画像を入力するのは、患者端末20である。すなわち、患者ID及び患者画像を入力するのは、入力装置21である。とりわけ、患者画像を入力するのは、撮影装置21aである。入力された患者ID及び患者画像を送信するのは、通信装置23である。
【0118】
サーバ30で処理されるのは、患者ID(その源泉が医療者端末10又は患者端末20であるもの)、指定動作及び指定箇所、並びに、患者画像である。これらの値を受信するのは、通信装置33である。受信された患者ID、指定動作及び指定箇所、並びに、患者画像の対を管理するのは、医療データベースである。このデータベースを恒常的に記憶するのは、補助記憶装置35である。処理装置36で編集されるのは、患者画像であり、その際に用いられるのは、指定動作及び指定箇所である。患者画像が編集されて得られるのは、点検画像である。点検画像及び患者IDの対を管理するのは、医療データベースである。このデータベースを恒常的に記憶するのは、補助記憶装置35である。
【0119】
サーバ30で送信されるのは、点検画像である。そのために、サーバ30で読み出されるのは、点検画像である。この点検画像に対応づけられているのは、受信された患者IDである。患者IDを受信するのは、通信装置33である。読み出された点検画像を送信するのは、通信装置33である。
【0120】
点検画像を出力するのは、患者端末20である。すなわち、点検画像を出力する手段は、出力装置22である。そのために、点検画像を受信するのは、通信装置23である。
【0121】
<評価出力P4の実現手段>評価内容を出力するのは、医療者端末10である。そのために、評価内容並びに患者ID及び訓練日を入力するのは、患者端末20である。また、患者ID及び訓練日(読出用)を入力するのは、医療者端末10である。さらに、サーバ30で処理されるのは、これらの入力値であり、それによって出力されるのが評価内容である。具体的には、以下のとおりである。
【0122】
評価内容を入力するのは、患者端末20である。すなわち、評価内容を入力するのは、入力装置21である。評価内容を送信するのは、通信装置23である。評価内容を送信する際に付随するのは、患者ID及び訓練日である。このとき、患者端末20で表示されるのは、入力画面である。すなわち、処理装置26で制御され出力装置22が出力するのは、入力画面である。入力画面を出力する条件は、表示要否が「要」であることである。表示要否を定めるのは、設定値である。この設定値を受信するのは、通信装置23である。
【0123】
サーバ30で処理されるのは、評価内容、患者ID、及び、訓練日である。評価内容、患者ID、及び、訓練日を受信するのは、通信装置33である。受信された評価内容、患者ID、及び、訓練日の対を管理するのは、医療データベースである。このデータベースを恒常的に記憶するのは、補助記憶装置35である。
【0124】
サーバ30で送信されるのは、評価内容である。そのために、サーバ30で読み出されるのは、評価内容である。この評価内容に対応づけられているのは、受信された患者ID及び訓練日(医療者端末10が送信したもの)である。
【0125】
評価内容を出力するのは、医療者端末10である。すなわち、評価内容を出力する手段は、出力装置12である。そのために、指示内容を受信するのは、通信装置13である。評価内容を出力する時期は、点検画像の出力中又はその前である。
【0126】
<指導出力P5の実現手段>指導内容を出力するのは、患者端末20である。そのために、指導内容及び患者ID並びに見本画像ID及び負荷指定を入力するのは、医療者端末10である。また、患者IDを入力するのは、患者端末20である。さらに、サーバ30で処理されるのは、これらの入力値であり、それによって出力されるのが指導内容及び見本画像である。具体的には、以下のとおりである。
【0127】
指導内容及び患者ID並びに見本画像ID及び負荷指定を入力するのは、医療者端末10である。すなわち、これらの値を入力するのは、入力装置11である。当該入力値を送信するのは、通信装置13である。
【0128】
サーバ30で処理されるのは、指導内容及び患者IDである。これらの値を受信するのは、通信装置33である。受信された値の対を管理するのは、医療データベースである。このデータベースを恒常的に記憶するのは、補助記憶装置35である。
【0129】
さらに、サーバ30で処理されるのは、見本画像ID及び負荷指定である。これらの値を受信するのは、通信装置33である。見本画像ID及び負荷指定を処理するのは、処理装置36である。その結果得られるのは、見本画像である。処理の詳細は、前述した「見本出力P1」のとおりである。
【0130】
サーバ30で送信されるのは、指導内容及び見本画像である。そのために、サーバ30で読み出されるのは、指導内容及び見本画像である。これらの値に対応づけられているのは、受信された患者ID(患者端末20が送信したもの)である。
【0131】
指導内容及び見本画像を出力するのは、患者端末20である。すなわち、指導内容及び見本画像を出力する手段は、出力装置22である。そのために、指導内容及び見本画像を受信するのは、通信装置23である。
【0132】
<処理分散型>
図19で示すのは、処理分散型のイベントフローの一例である。本実施の形態において、処理分散型の主な利点は、2つである。第1に、サーバの処理負荷の低減である。第2に、サーバ及び端末間の通信量の低減である。見本出力P1及び指示出力P2、並びに、評価出力P4及び指導出力P5を実行するのは、サーバ30である。他方、点検出力P3を実行するのは、サーバ30のみならず、患者端末20である。具体的には、画像記憶P3.1及び画像編集P3.3を実行するのは、患者端末20である。他方、指定記憶P3.2及び画像出力P3.4を実行するのは、サーバ30である。本分散型処理の特徴部分は、点検出力P3であり、以下の説明で省略するのは、点検出力P3以外の部分の説明である。
【0133】
<点検出力P3の実現手段>患者画像が記憶されるのは、患者画像の入力後である。患者画像を撮影し入力する手段は、撮影装置21aである。入力された患者画像を一時的に記憶する手段は、主記憶装置24である。
【0134】
動作指定が記憶されるのは、動作指定及び患者IDの入力後である。動作指定及び患者IDを入力する手段は、入力装置11である。入力された動作指定及び患者IDを送信する手段は、通信装置13である。送信された動作指定及び患者IDを受信する手段は、通信装置33である。受信された動作指定及び患者IDの対を管理するのは、医療データベースである。このデータベースを恒常的に記憶するのは、補助記憶装置35である。
【0135】
患者画像が編集されるのは、患者画像及び動作指定の記憶後である。処理装置26で編集されるのは、患者画像であり、その際に用いられるのは、動作指定である。前述のとおり、この動作指定を記憶するのは、補助記憶装置35である。そこで、処理装置26で周期的に監視されるのは、動作指定が記憶されているか否かであり、その際に用いられるのは、患者IDである。動作指定が記憶されていれば、この動作指定が送受信される。以上のとおり、患者画像が編集されて得られるのは、点検画像である。
【0136】
点検画像が出力されるのは、患者IDの入力後である。患者IDを入力する手段は、入力装置11である。入力された患者IDを送信する手段は、通信装置13である。送信された患者IDを受信する手段は、通信装置33である。処理装置36で読み出されるのは、点検画像であり、この点検画像に対応付けられているのは、受信された患者IDである。読み出された点検画像を送信するのは、通信装置33である。送信された点検画像を受信するのは、通信装置13である。受信された点検画像を出力するのは、出力装置12である。
【0137】
<第2のユースケース>
図20で示すのは、本システムの第2のユースケースである。本システムを利用するのは、医療者及び患者である。医療者が使用するのは、医療者端末である。患者が使用するのは、患者端末である。本ユースケースが対象とするのは、言語聴覚訓練(例えば、失語症のリハビリテーション等)である。言語聴覚訓練に含まれるのは、表出訓練及び理解訓練である。
【0138】
図21で示すのは、表出訓練の一例である。患者に示されるのは、画像指示又は音声指示である。患者に求められるのは、画像の内容を発声することである。つまり、画像指示又は音声指示に応答して、患者が発するのは、音声である。
【0139】
図22で示すのは、理解訓練の一例である。患者に示されるのは、質問及び回答の選択肢である。患者に求められるのは、選択動作(例えば、正しい選択肢を指すこと等)である。つまり、画像指示又は音声指示に応答して、患者が動かすのは、自らの身体部位である。
【0140】
以下の説明において省略するのは、第1のユースケース及び第2のユースケースの共通事項である。他方、両者の相違事項は、主に、以下である:
(1)「見本画像」の代わりに使用するのが「質問画像又は音声」(以下、「質問画音」という。)であること、
(2)「患者画像」の代わりに使用するのが「患者画像又は音声」(以下、「患者画音」という。)であること、
(3)「動作指定」の代わりに使用し或いは併用されるのが「音声指定」であること、
(4)「点検画像」の代わりに使用するのが「点検画像又は音声」(以下、「点検画音」という。)であること、及び、
(5)「画像認識処理」の代わりに使用するのが「音声認識処理」であること。
【0141】
図20で示すとおり、医療者が指定するのは、質問画音である。質問画音で示されるのは、質問である。質問内容が関連するのは、表出訓練又は理解訓練である。
【0142】
質問画音が指定される際、医療者が併せて指示するのは、患者の自己評価である。そのような指示に含まれるのは、主観的評価の項目であり、例示すると、負荷の適否などである。
【0143】
患者が確認するのは、指定された質問画音である。質問画音を視聴しながら、患者が撮影又は録音するのは、患者画像又は音声(以下、「患者画音」という。)である。患者画音で示されるのは、撮影された患者の動作又は録音された患者の音声である。前述の表出訓練の場合、患者の音声が録音される。患者音声を収拾するのは、収音装置21bである。他方、理解訓練の場合、患者の画像(好ましくは、動画像である。)が撮影される。患者画像を撮影するのは、撮影装置21aである。
【0144】
患者画音が記録される際、患者が併せて報告するのは、自己評価である。この自己評価に含まれるのは、患者の主観的な評価であり、例示すると、負荷の適否などである。前述のとおり、当該主観的な評価の項目を指示するのは、医療者である。
【0145】
医療者が視るのは、点検画像又は音声(以下、「点検画音」という。)である。点検画音に対応するのは、患者画音の一部である。当該一部を指定するのは、医療者である。つまり、点検画音は、患者画音の部分であって、医療者が点検すべき、或いは、点検したい点である。言い換えると、点検画音は、患者画音の要点である。この要点を決めるのは、画像指定又は音声指定である。
【0146】
点検音声の作成に用いられるのは、音声認識処理又は時刻経過テーブルである。音声認識処理を使用する場合、点検音声に対応するのは、患者音声の一部であり、そこに含まれるのは、認識された音声である。前述の表出訓練の場合、認識用音声パターンで示すのは、想定される回答音声である。例えば、「さかな」が必ずしも正しく発声されないので、認識用音声パターンに含まれるのは、「さかな」のみならず、「さな」、「かな」、「さか」や「な」等である。
【0147】
他方、時刻経過テーブルを使用する場合、点検音声に対応するのは、患者音声の一部であり、その録音時間を定義するのが時刻経過テーブルである。前述の表出訓練の場合、時刻経過テーブルで示すのは、質問時刻からの経過時間(例えば、質問後1秒経過後から5秒経過前まで等)である。
【0148】
点検画像の作成に用いられるのは、時刻経過テーブルである。場合、点検画像に対応するのは、患者画像の一部であり、その録画時間を定義するのが時刻経過テーブルである。前述の理解訓練の場合、時刻経過テーブルで示すのは、質問時刻からの経過時間(例えば、質問後1秒経過後から5秒経過前まで等)である。
【0149】
点検画音を視聴しながら、医療者が記録するのは、指導内容である。指導内容を例示すると、改善への助言などである。その際、医療者が参照するのは、報告された自己評価である。
【0150】
患者が確認するのは、記録された指導内容である。この指導内容を踏まえて、患者が目指すのは、自己の発声又は理解の改善である。これらが改善されることで、機能の回復確度が向上する。
【0151】
<本システムの効果>本システムが奏するのは、2つの効果である。第1に、医療者が確認するのは、患者画像又は音声ではなく、点検画像又は音声である。よって、医療者の観点から、点検時間が短縮される。第2に、1人の医療者が対応するのは、複数の患者である。よって、患者の観点から、医療者の予約が取り易い。
【産業上の利用可能性】
【0152】
本発明が有用な分野は、医療サービスである。
【符号の説明】
【0153】
1 遠隔医療システム
10 医療者端末
11 入力装置
12 出力装置
20 患者端末
21a 撮影装置
21b 収音装置
23 通信装置
26 処理装置
30 サーバ
33 通信装置
36 処理装置