(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135619
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
F24C 7/04 20210101AFI20240927BHJP
F24C 7/02 20060101ALI20240927BHJP
F24C 15/22 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
F24C7/04 A
F24C7/02 531A
F24C15/22 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023046402
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】西嶋 礼
(72)【発明者】
【氏名】吉川 政志
(72)【発明者】
【氏名】上野 真司
【テーマコード(参考)】
3L086
3L087
【Fターム(参考)】
3L086AA02
3L086BB02
3L086DA08
3L087AA01
3L087AA04
3L087AC01
3L087CA11
3L087CA13
3L087CC02
3L087DA08
(57)【要約】
【課題】加熱室内の清掃性に優れた構造の加熱調理器を提供することを目的とする。
【解決手段】本体内部に食品を収納する加熱室と、開口部を有する加熱室の壁面と、開口部を加熱室の外側から覆うように設けられた透明板と、加熱室を透明板を介して照射する加熱源と、加熱源を覆い透明板の外側に設けられた反射箱とからなる構成としたことを特徴とする加熱調理器。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体内部に食品を収納する加熱室と、開口部を有する前記加熱室の壁面と、前記開口部を前記加熱室の外側から覆うように設けられた透明板と、前記加熱室を前記透明板を介して照射する加熱源と、前記加熱源を覆い前記透明板の外側に設けられた反射箱とからなる構成としたことを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
請求項1に記載の加熱調理器であって、
前記透明板と前記加熱源の間にパンチングメタルを設けたことを特徴とする加熱調理器。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の加熱調理であって、
前記透明板の位置を定めるための位置決め部を前記壁面に有することを特徴する加熱調理器。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の加熱調理器であって、
前記透明板をねじ止めにより前記壁面に固定することを特徴とする加熱調理器。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載の加熱調理器であって、
前記透明板を前記壁面に接着固定することを特徴とする加熱調理器。
【請求項6】
請求項1または請求項2に記載の加熱調理器であって、
前記透明板を前記壁面の開口部にはめ込むとともに、前記透明板を前記壁面に接着固定することを特徴とする加熱調理器。
【請求項7】
請求項1または請求項2に記載の加熱調理器であって、
前記透明板を前記壁面の凹部にはめ込み、ねじ止めにより固定、または接着固定することを特徴とする加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱室内が清掃しやすい構造とされた加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
加熱調理器に関して、例えば特許文献1では、加熱室が明るく、かつ、ハロゲンランプの寿命が長くなる構成とした加熱調理器を提供することを目的として、「本体内部に食品を収納する加熱室と、この加熱室内の食品を加熱する加熱源と、前記加熱室の壁面の一部に設けられた照明用のパンチングメタルと、このパンチングメタルを前記加熱室の外側から覆うように断熱性のスペーサーを介して設けられた透明板と、前記加熱室を前記パンチングメタルを介して照射する管状ランプと、この管状ランプを覆い前記透明板の外側に設けられた反射箱とからなり、前記パンチングメタルの開孔の配列は前記管状ランプのフィラメントの長さ方向に対して平行な方向に未開孔部分が直線上に形成されないようにした構成とした加熱調理装置。」のように構成することが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の加熱調理器によれば、加熱室が明るく、かつ、ハロゲンランプの寿命が長くなる構成とした加熱調理器を提供することができる。しかしその反面において加熱室内での食品の水分や油または調味料等が管状ランプを汚染しないよう透明板があっても、透明板が汚染されれば、加熱室への照射量の減少や、加熱室が見えにくくなる。また加熱室内にパンチングメタルがあり、凹凸で清掃し難く、管状ランプの照射量が減少し、加熱室が見えにくくなるという問題がある。
【0005】
以上のことから本発明においては、加熱室内の清掃性に優れた構造の加熱調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本体内部に食品を収納する加熱室と、開口部を有する加熱室の壁面と、開口部を加熱室の外側から覆うように設けられた透明板と、加熱室を透明板を介して照射する加熱源と、加熱源を覆い透明板の外側に設けられた反射箱とからなる構成としたことを特徴とする加熱調理器。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、加熱室内の清掃性に優れた構造の加熱調理器とすることができる。さらに本発明の実施例によれば、清掃し易く、加熱室への照射量の減少、加熱室が見えにくくなることを抑えることが可能な加熱調理器とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】本発明の実施例1に係る加熱部取り付けの立体組立図。
【
図5a】パンチングメタルを設置した、ねじ止めの例を示す図。
【
図5b】パンチングメタルを設置した、接着固定の例を示す図。
【
図5c】パンチングメタルを設置した、はめ込み接着固定の例を示す図。
【
図6a】位置決め部を設置した、ねじ止めの例を示す図。
【
図6b】位置決め部を設置した、接着固定の例を示す図。
【
図6c】位置決め部を設置した、はめ込み接着固定の例を示す図。
【
図7a】パンチングメタルと位置決め部を設置した、ねじ止めの例を示す図。
【
図7b】パンチングメタルと位置決め部を設置した、接着固定の例を示す図。
【
図7c】パンチングメタルと位置決め部を設置した、はめ込み接着固定の例を示す図。
【
図8】壁面の凹部により位置決めを行うことを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施例について、図面を用いて説明する。
【実施例0010】
図1は加熱調理器本体を前面側から見た斜視図である。
図1において、加熱調理器の本体1は、加熱室28の中に加熱する食品を入れ、マイクロ波やヒータの熱、さらには加熱水蒸気を使用して食品を加熱調理する。
【0011】
外枠7は、加熱調理器の本体1の上面と左右側面を覆うキャビネットである。ドア2は、加熱室28の内部に食品を出し入れするために開閉するもので、ドア2を閉めることで加熱室28を密閉状態にし、食品を加熱する時に使用するマイクロ波の漏洩を防止し、ヒータの熱や加熱水蒸気を封じ込め、効率良く加熱することを可能とする。
【0012】
取っ手9は、ドア2に取り付けられ、ドア2の開閉を容易にするもので、手で握りやすい形状になっている。ガラス窓3は、調理中の食品の状態が確認できるようにドア2に取り付けられており、ヒータ等の発熱による高温に耐えるガラスを使用している。
【0013】
入力部71は、ドア2の前面下側の操作パネル4に設けられ、マイクロ波加熱やヒータ加熱等の加熱部や加熱する時間等と加熱温度の入力するための操作部6と、操作部6から入力された内容や調理の進行状態を表示する表示部5とで構成されている。
【0014】
図2は
図1のA-A断面図である。
図2において、機械室20は、加熱室底面28aと本体1の底板21との間の空間部に設けられ、底板21上には食品を加熱するためのマグネトロン33、マグネトロン33に接続された導波管47等を実装した制御基板、その他後述する各種部品、これらの各種部品を冷却するファン装置等が取り付けられている。
【0015】
加熱室底面28aは、略中央部が凹状に窪んでおり、その中に回転アンテナ26が設置され、マグネトロン33より放射されるマイクロ波エネルギーが導波管47、回転アンテナ26の出力軸46aが貫通する開孔部47aを通して回転アンテナ26の下面に流入し、該回転アンテナ26で拡散されて加熱室28内に放射される。回転アンテナ26の出力軸46aは回転アンテナ駆動部46に連結されている。
【0016】
加熱室28の加熱室天面28cの裏側には、ヒータよりなる加熱部12が取り付けられている。加熱部12は、例えばマイカ板にヒータ線を巻き付けて平面状に形成し、加熱室28の天面裏側に押し付けて固定し、加熱室28の天面を加熱して加熱室28内の食品を輻射熱によって焼くものである。
【0017】
加熱室28の加熱室天面28cの左奥側には、加熱室28の庫内温度Tiを検出する温度センサ80を設けている。また加熱室28の加熱室天面28cの左奥側には、食材の表面温度を検知する赤外線センサ50が設けられている。
【0018】
また、加熱室底面28aには、複数個の重量センサ25、例えば前側左右に左側重量センサ25b、右側重量センサ(図示せず)、後側中央に奥側重量センサ25cが設けられ、その上にテーブルプレート24が載置されている。
【0019】
テーブルプレート24は、食品を載置するためのもので、ヒータ加熱とマイクロ波加熱の両方に使用できるように耐熱性を有し、かつ、マイクロ波の透過性が良い材料で成形されている。
【0020】
基本的には
図1、
図2のように構成される加熱調理器において、本発明は加熱室28の加熱室天面28cにヒータよりなる加熱部12を取り付ける構造に関する。
【0021】
図3は、本発明の実施例1に係る加熱調理器の加熱部取り付けの立体組立図を示している。
図3の下側には加熱調理器1の加熱室28を形成する加熱室上側壁面28c(加熱室天面:以下単に壁面という)が示されており、壁面28cには開口部28c1が形成されている。開口部28c1の位置に対して、これを覆う上側に透明板12aが位置付けられる。また開口部28c1の周辺には取付穴28C2、28C3が設けられている。
【0022】
透明板12aの図示左右位置の上面には2組の留め具12bが配置され、壁面28cと留め具12bで透明板12aを挟み、留め具12b1の穴と開口部28c1の周辺の取付穴28c2を利用して透明板12aは壁面28cに固定される。また、ヒータ12cを収納する反射箱12dが透明板1aの上部に位置付けられるとともに、反射箱12dの取り付け部12d1に形成された反射箱12dの穴12d2と開口部28c1の周辺の他の取付穴28c3を利用して反射箱12dは壁面28cに固定される。
【0023】
なお、
図3の例では取付穴を設けておいてボルト、ナットによる締結を行う事例を示したが、この間を直接ねじ止めするものであってもよい。ここではこれらを総称して、ねじ止めとしている。
【0024】
係る構成により、加熱室28の壁面28cの加熱室外に透明板12a、ヒータ12c、反射箱12dの順に配置されたことになる。
図3は、取り付けの一例を示したものであって、透明板12aや反射板12dの取り付け手法は、
図3に限られるものではない。要はこの順に配置できればよく、例えば
図4a、
図4b、
図4cのようにすることができる。
【0025】
図4aは、
図3のようなねじ止めの例を示しており、留め具12bの穴12b1と開口部28c1の周辺の取付穴28c2を利用して透明板12aを壁面28cにボルトとナットによるねじ止めにより固定し、反射箱12dの穴12d2と開口部28c2の周辺の他の取付穴28c3を利用して反射箱12dを壁面28cにボルトとナットによるねじ止めにより固定したものである。なお、反射板12dはヒータ12cを内蔵するユニット(反射箱)としてあらかじめ形成しておくのがよい。
【0026】
図4b、
図4cは、壁面28cと透明板12dの間の固定部12fをシリコンで接着固定するものであるが、
図4cでは開口部28cに透明板12aを嵌めこむ形にしたうえで、固定部12fをシリコンで接着固定したものである。
【0027】
本発明の実施例1によれば、透明板12aを加熱室28の壁面28cの一部に設け、食品の水分や油または調味料等がヒータを汚染することを防ぎ、透明板12aが汚染されても、加熱室28内から布巾等で清掃できる。また、凹凸が少ないため、清掃し易いといったように、加熱室内部側から透明版を清掃することが可能であり、清掃性に優れている。
実施例1では、パンチングメタルを設置しない方式について説明した。これに対し、ヒータ12cによってはパンチングメタルの機能を備えた方がよい場合もある。加熱調理器では、加熱室下面側にマイクロ波電源(マグネトロン33)設置しているが、ヒータ12によってはマイクロ波により発熱するものもあるため、この場合にはパンチングメタルの機能を備えておくのがよい。具体的には、カーボンヒータ、ハロゲンヒータ、グラファイトヒータ、石英管ヒータの場合にはパンチングメタルの機能を備えておくのがよい。