特開 2024-135649 風向調整装置

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024135649

(43)【公開日】2024-10-04

(54)【発明の名称】風向調整装置

(51)【国際特許分類】

   F24F 13/15 20060101AFI20240927BHJP

   B60H 1/34 20060101ALI20240927BHJP

【ＦＩ】

F24F13/15 B

B60H1/34 611A

【審査請求】未請求

【請求項の数】4

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2023046437

(22)【出願日】2023-03-23

(71)【出願人】

【識別番号】000229955

【氏名又は名称】日本プラスト株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100092565

【弁理士】

【氏名又は名称】樺澤 聡

(74)【代理人】

【識別番号】100112449

【弁理士】

【氏名又は名称】山田 哲也

(72)【発明者】

【氏名】榎園 貴史

【テーマコード（参考）】

3L081

3L211

【Ｆターム（参考）】

3L081AA02

3L081AB02

3L081FA04

3L081FB04

3L081FC01

3L081HA08

3L211DA82

(57)【要約】

【課題】操作感を安定化できる風向調整装置を提供する。
【解決手段】風向調整装置１は、通気路５に配置されたルーバ１０と、ルーバ１０の端部を回動可能に支持する保持体１８と、ルーバ１０の端部に対し保持体１８を押圧することでルーバ１０に対し軸方向に付与される荷重を調整する調整部２２と、を備える。
【選択図】図１

【特許請求の範囲】

【請求項1】

通気路に配置されたルーバと、
このルーバの端部を回動可能に支持する保持体と、
前記ルーバの端部に対し前記保持体を押圧することで前記ルーバに対し軸方向に付与される荷重を調整する調整部と、
を備えることを特徴とする風向調整装置。

【請求項2】

調整部は、ルーバの回動軸線上でルーバの端部に対し保持体を押圧し、その押圧量を調整可能な調整部材を有する
ことを特徴とする請求項１記載の風向調整装置。

【請求項3】

ルーバが配置される通気路を内部に区画するケース体を備え、
前記ケース体は、前記通気路と連通する貫通穴を有し、
調整部材は、前記通気路の外部に設定され、前記貫通穴を介して前記通気路内の前記ルーバの端部に対して保持体を押圧する
ことを特徴とする請求項２記載の風向調整装置。

【請求項4】

ルーバは、
調整部により荷重が調整される一のルーバと、
この一のルーバに連動して回動する他のルーバと、を有する
ことを特徴とする請求項１ないし３いずれか一記載の風向調整装置。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、通気路に配置されたルーバを回動可能に支持する保持体を備える風向調整装置に関する。

【背景技術】

【0002】

従来、自動車などの車両に用いられる空調装置において、吹き出す風向を調整する風向調整装置がある。風向調整装置は、空調風吹出装置、エアアウトレット、ベンチレータ、レジスタなどとも呼ばれ、例えばインストルメントパネルやセンタコンソール部などの車両の各部に設置されて、冷暖房による快適性能の向上に寄与している。

【0003】

このような風向調整装置において、回動により風向を調整するルーバの回動軸を支持する支持片を、ルーバの回動軸線方向とその反対方向とに弾性変形可能な弾性片とすることで、製造誤差や温度条件による材料変形に起因する寸法ばらつきを吸収し、操作荷重（回動トルク）を安定させるものが知られている（例えば、特許文献１参照。）。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0004】

【特許文献1】特開２０１０－１３２２０４号公報 （第３－７頁、図４）

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0005】

しかしながら、上述の構成の場合、ルーバの操作荷重の調整に限界があるため、例えば製品組み立て後でも操作荷重の調整を可能にすることが望まれる。

【0006】

本発明は、このような点に鑑みなされたもので、ルーバの操作感を安定化できる風向調整装置を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0007】

請求項１記載の風向調整装置は、通気路に配置されたルーバと、このルーバの端部を回動可能に支持する保持体と、前記ルーバの端部に対し前記保持体を押圧することで前記ルーバに対し軸方向に付与される荷重を調整する調整部と、を備えるものである。

【0008】

請求項２記載の風向調整装置は、請求項１記載の風向調整装置において、調整部は、ルーバの回動軸線上でルーバの端部に対し保持体を押圧し、その押圧量を調整可能な調整部材を有するものである。

【0009】

請求項３記載の風向調整装置は、請求項２記載の風向調整装置において、ルーバが配置される通気路を内部に区画するケース体を備え、前記ケース体は、前記通気路と連通する貫通穴を有し、調整部材は、前記通気路の外部に設定され、前記貫通穴を介して前記通気路内の前記ルーバの端部に対して保持体を押圧するものである。

【0010】

請求項４記載の風向調整装置は、請求項１ないし３いずれか一記載の風向調整装置において、ルーバは、調整部により荷重が調整される一のルーバと、この一のルーバに連動して回動する他のルーバと、を有するものである。

【発明の効果】

【0011】

請求項１記載の風向調整装置によれば、簡素な構成で部品個体差などによるルーバの操作荷重のばらつきを抑制でき、ルーバの操作感を安定化できる。

【0012】

請求項２記載の風向調整装置によれば、請求項１記載の風向調整装置の効果に加えて、調整部材から押圧力がルーバに対して略均一に加わるので、ルーバの回動操作時に付与する操作荷重にばらつきが生じにくく、ルーバの操作感が安定する。

【0013】

請求項３記載の風向調整装置によれば、請求項２記載の風向調整装置の効果に加えて、風向調整装置を組み立てた後であってもケース体の外部から調整部材によってルーバの操作荷重を容易に調整可能になるとともに、調整部材により通気路内の通気を妨げることがない。

【0014】

請求項４記載の風向調整装置によれば、請求項１ないし３いずれか一記載の風向調整装置の効果に加えて、調整部を必要最小限とすることができ、構成を簡素化できる。

【図面の簡単な説明】

【0015】

【図1】本発明の一実施の形態の風向調整装置の一部を拡大して示す断面図である。

【図2】同上風向調整装置の分解斜視図である。

【図3】同上風向調整装置の斜視図である。

【発明を実施するための形態】

【0016】

以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。

【0017】

図２及び図３において、１は風向調整装置である。風向調整装置１は、エアアウトレット、ベンチレータ、レジスタなどとも呼ばれ、空調装置などからの風の吹き出し方向を調整するものである。以下、説明をより明確にするために、風向調整装置１は、風が吹き出す側である風下側を前側、正面側または手前側とし、その反対側、つまり風を受け入れる側である風上側を後側、背後側または奥側として、前側から見て左右方向である両側方向または幅方向、及び、上下方向を規定する。本実施の形態において、風向調整装置１は、自動車などの車両用の空調装置に適用される。風向調整装置１は、任意の位置に配置されていてよいが、図面においては、矢印ＦＲ側を前側、矢印ＲＲ側を後側、矢印Ｌ側を左側、矢印Ｒ側を右側、矢印Ｕ側を上側、矢印Ｄ側を下側とするように配置されているものとする。これらの方向は、あくまで一例として図示されるものであって、風向調整装置１の設置位置や設置向きによって適宜変更されるものとする。

【0018】

風向調整装置１は、ケース体３を備える。ケース体３は、ダクトとも呼ばれる。ケース体３は、例えば合成樹脂などにより筒状に形成されている。本実施の形態において、ケース体３は、前後方向に筒状に形成されている。図示される例では、ケース体３は、角筒状に形成されている。また、本実施の形態において、ケース体３は、例えば横長に形成されている。ケース体３により、内部に通気路５が囲まれている。ケース体３の中心軸に平行な方向が通気路５の通気方向である。本実施の形態において、通気路５の通気方向は、前後方向であり、後方から前方に向かって通気される。すなわち、通気路５において、後側は通気方向の上流側、前側は通気方向の下流側である。

【0019】

ケース体３の後端部に、通気路５に空気すなわち空調風を受け入れる受入口６が形成され、ケース体３の前端部に、通気路５から空調風を排出する吹出口７が形成されている。受入口６と吹出口７との間にこれらを連通する通気路５が形成されている。受入口６から吹出口７へと空調風が通過する。受入口６及び吹出口７は、それぞれ横長となっている。なお、ケース体３は、一体的に形成されていてもよいし、複数の部材を組み合わせて形成されていてもよい。例えば、ケース体３は、受入口６を有してケース体３の過半を構成する本体部と、吹出口７を有して本体部の前端部に取り付けられて意匠面を構成するフィニッシャと、などを備えていてもよい。

【0020】

ケース体３の内部、すなわち通気路５には、ルーバ１０が配置されている。ルーバ１０は、フィンなどとも呼ばれ、ケース体３に対して回動することで、その回動に応じて吹出口７から吹き出される空調風の風向を調整する。ルーバ１０は、一主面及び他主面が整流面となる板状に形成されている。

【0021】

本実施の形態において、ルーバ１０は、上流側ルーバ１２と、下流側ルーバ１３と、が設定されている。上流側ルーバ１２は、通気路５において、下流側ルーバ１３の後方に離れて位置する。下流側ルーバ１３は、吹出口７に臨んで位置する。上流側ルーバ１２及び下流側ルーバ１３は、それぞれ単数でも複数でもよい。例えば、上流側ルーバ１２及び下流側ルーバ１３は、それぞれ３つずつ設定されている。

【0022】

図示される例では、上流側ルーバ１２は、ケース体３または通気路５の長手方向、本実施の形態では左右方向に並んで配置され、ケース体３または通気路５の長手方向である左右方向に回動することで、風向をケース体３または通気路５の長手方向である左右方向に調整する。これら上流側ルーバ１２は、リンクを介して互いに連結されて、互いに同方向に連動して回動する。

【0023】

また、下流側ルーバ１３は、ケース体３または通気路５の短手方向、本実施の形態では上下方向に並んで配置され、ケース体３または通気路５の短手方向である上下方向に回動することで、風向をケース体３または通気路５の短手方向である上下方向に調整する。これら下流側ルーバ１３は、リンクを介して互いに連結されて、互いに同方向に連動して回動する。

【0024】

そして、ルーバ１０は、両端部に回動部１５を有し、両端部の回動部１５が回動受け部１６に回動可能に支持されていることで、通気路５において、回動可能となっている。回動部１５と回動受け部１６とは、一方が軸部、他方が穴部または凹部である。本実施の形態においては、各回動部１５が軸部、各回動受け部１６が丸穴状の穴部または凹部である。なお、ルーバ１０の両端部の回動部１５がともに軸部あるいは穴部または凹部である必要はなく、例えば一方の回動部１５が軸部、他方の回動部１５が穴部または凹部、などであってもよい。また、ルーバ１０が複数である場合、すべてのルーバ１０の回動部１５とそれに対応する回動受け部１６との形態がそれぞれ同一である必要もない。

【0025】

回動受け部１６は、ケース体３に形成されていてもよいし、ケース体３とは別体の保持体１８に形成されていてもよい。本実施の形態では、少なくともいずれかの上流側ルーバ１２の少なくとも一方の回動部１５、及び、少なくともいずれかの下流側ルーバ１３の少なくとも一方の回動部１５が、保持体１８に形成された回動受け部１６に回動可能に支持されている。すなわち、ルーバ１０は、少なくとも一方の回動部１５が保持体１８に回動可能に支持されている。

【0026】

図示される例では、上流側ルーバ１２は、いずれか一つ、例えば左右方向の中央部に位置する上流側ルーバ１２ａの一方の回動部１５が、保持体１８に形成された回動受け部１６に回動可能に支持され、他方の回動部１５がケース体３に形成された回動受け部１６に回動可能に支持されており、残りの他の上流側ルーバ１２ｂの回動部１５，１５が、ケース体３の上面部及び下面部に形成された回動受け部１６，１６に回動可能に支持されている。

【0027】

また、下流側ルーバ１３については、すべての下流側ルーバ１３の回動部１５，１５が、保持体１８，１８に形成された回動受け部１６，１６に回動可能に支持されている。

【0028】

保持体１８は、スペーサなどとも呼ばれる板状の部材である。保持体１８は、それぞれ取付部２０に取り付けられている。取付部２０は、通気路５と連通した空間部を区画するようにケース体３に形成されている。取付部２０内の空間部に保持体１８が嵌合されることで、保持体１８がケース体３の内面と略面一に位置し、通気路５を通過する空調風の流れを妨げないようになっている。

【0029】

本実施の形態では、上流側ルーバ１２用の保持体１８が取り付けられる取付部２０は、ケース体３の上面部に形成されているが、これに限らず、ケース体３の下面部に形成されていてもよい。また、下流側ルーバ１３用の保持体１８が取り付けられる取付部２０は、ケース体３の両側面部にそれぞれ形成されている。

【0030】

保持体１８には、ルーバ１０に対し軸方向、つまり回動軸線Ａと平行または略平行な方向に付与される荷重（圧縮荷重）を調整する調整部２２が設定されている。本実施の形態では、調整部２２が上流側ルーバ１２用の保持体１８と、下流側ルーバ１３用のいずれか一方の保持体１８と、に設定されている。調整部２２は、ルーバ１０のいずれか一つに対し荷重を調整する。つまり、ルーバ１０においては、調整部２２により荷重が調整される一のルーバと、この一のルーバに連動して回動する他のルーバと、が設定されている。

【0031】

図示される例では、保持体１８の回動受け部１６により回動部１５の一方が回動可能に保持されている一つの上流側ルーバ１２ａが一のルーバであり、残りの他の上流側ルーバ１２ｂが他のルーバである。また、一つの下流側ルーバ１３、本実施の形態では例えば上下方向の中央部に位置する下流側ルーバ１３ａが一のルーバであり、残りの他の下流側ルーバ１３ｂが他のルーバである。

【0032】

調整部２２は、調整部材２３を備え、調整部材２３によって、ルーバ１０の端部に対し保持体１８を押圧することで荷重をルーバ１０に対して軸方向に付与するとともに、その押圧量を調整可能となっている。

【0033】

本実施の形態において、調整部材２３は、金属製であって、例えばタッピングねじなどの締結部材である。図示される例では、調整部材２３は、雄ねじ部を構成する円柱状の軸部２３ａと、軸部２３ａの端部に拡大された頭部２３ｂと、を有している。そして、調整部材２３は、取付部２０にてケース体３に形成された貫通穴２４に対し、ケース体３の外部、すなわち通気路５の外部から軸部２３ａが挿入されている。

【0034】

貫通穴２４は、通気路５と連通するようにケース体３を貫通している。本実施の形態では、貫通穴２４は、ケース体３に突設された筒状部２５の中央部に形成されている。調整部材２３がタッピングねじであることで、調整部材２３の軸部２３ａの締め込みによって、筒状部２５内の貫通穴２４が雌ねじ状に形成される。本実施の形態では、貫通穴２４に挿入された調整部材２３の軸部２３ａが、ルーバ１０の回動軸線Ａ上に位置して、回動部１５または回動受け部１６と同軸に配置されている。また、調整部材２３の軸部２３ａの先端部が、ケース体３内にて貫通穴２４に対向する保持体１８の受圧部２６に当接可能となっている。受圧部２６において調整部材２３の軸部２３ａとは反対側に、回動受け部１６（回動部１５）が位置する。

【0035】

筒状部２５の先端部には、調整部材２３との間に、調整部材２３の緩みを防止するための緩み防止部材２８が配置されている。緩み防止部材２８は、Ｏリング、あるいは円弧状または環状の軟質材が好適に用いられる。緩み防止部材２８の中央部に調整部材２３の軸部２３ａが挿通され、調整部材２３の頭部２３ｂと筒状部２５の先端部との間に緩み防止部材２８が挟み込まれて保持されている。

【0036】

下流側ルーバ１３には、乗員などの使用者がルーバ１０の回動を直接操作するための操作部が配置されていることが好まし。この操作部により、ルーバ１０の回動を乗員などの使用者が直接操作可能となっている。操作部は、操作摘み、あるいは操作ノブなどとも呼ばれる。操作部は、例えば下流側ルーバ１３とともに上下方向に移動可能であり、この上下方向への移動により下流側ルーバ１３を上下方向に回動させるようになっている。例えば、操作部は、下流側ルーバ１３の長手方向に沿ってスライド可能であり、このスライドに応じて上流側ルーバ１２を左右方向に操作可能となっていてもよい。

【0037】

さらに、ケース体３の内部、すなわち通気路５には、ケース体３に対して回動することでその回動に応じて通気路５を開閉するシャットバルブが設けられていてもよい。

【0038】

そして、風向調整装置１を組み立てる際には、上流側ルーバ１２ａの一方の回動部１５を保持体１８の回動受け部１６で受け、上流側ルーバ１２ａとこの上流側ルーバ１２ａにリンクで連結された上流側ルーバ１２ｂとを一体的に、保持体１８を取付部２０に嵌合させつつケース体３の内部に前方から組み付け、上流側ルーバ１２ａの他方の回動部１５と、上流側ルーバ１２ｂの各回動部１５と、をケース体３に形成された回動受け部１６で受ける。

【0039】

また、リンクで連結された下流側ルーバ１３ａ，１３ｂの各回動部１５，１５を保持体１８，１８の回動受け部１６，１６で受け、下流側ルーバ１３ａと下流側ルーバ１３ｂとを一体的に、保持体１８，１８を取付部２０，２０に嵌合させつつケース体３の内部に前方から組み付ける。

【0040】

そして、上流側ルーバ１２用の保持体１８、及び、下流側ルーバ１３用の一方の保持体１８に対し、ケース体３の外部から調整部材２３の軸部２３ａを緩み防止部材２８に挿通しつつ、取付部２０に形成された筒状部２５中央の貫通穴２４に締め込み、軸部２３ａの先端部を保持体１８の回動受け部１６の背面側に当接させる。

【0041】

この状態で、操作部を用いてルーバ１０を回動させて操作荷重（回動トルク）を確認しつつ、必要に応じて調整部２２の調整部材２３の締め込み量を調整することによって、調整部材２３の軸部２３ａにより受圧部２６が押圧されることで、保持体１８がルーバ１０に対してルーバ１０の回動軸線Ａ上で軸方向に押圧されて圧接される量（スラスト荷重）、すなわち荷重を調整し、ルーバ１０の操作荷重を所望の値に設定する。つまり、調整部材２３を緩めると、ルーバ１０に対する保持体１８の押し付けが弱くなることでルーバ１０の操作荷重が軽くなり、調整部材２３を締め込むと、ルーバ１０に対する保持体１８の押し付けが強くなることでルーバ１０の操作荷重が重くなる。

【0042】

このように、一実施の形態によれば、ルーバ１０の端部を回動可能に支持する保持体１８に、ルーバ１０の端部に対し保持体１８を押圧することでルーバ１０に対し軸方向に付与される荷重を調整する調整部２２を設けることで、簡素な構成で部品個体差などによるルーバ１０の操作荷重のばらつきを抑制でき、ルーバ１０の操作感を安定化できる。つまり、風向調整装置１毎に狙った操作荷重に個々に調整できるため、操作荷重の公差を低減できる。したがって、所望のルーバ１０の操作荷重に応じた、操作荷重のばらつきが少ない風向調整装置１を提供でき、不良率も大幅に低減できることで、生産効率が向上する。

【0043】

また、調整部２２の調整部材２３が、ルーバ１０の回動軸線Ａ上でルーバ１０の端部に対し保持体１８を押圧することで、調整部材２３から押圧力がルーバ１０に対して略均一に加わるので、ルーバ１０の回動操作時に付与するルーバ１０の操作荷重にばらつきが生じにくく、操作感が安定する。

【0044】

しかも、調整部材２３として、タッピングねじを用いることで、調整部材２３の締め付けが気温などの影響を受けにくく、ルーバ１０の操作荷重が安定する。

【0045】

また、調整部材２３は、ケース体３の通気路５と連通する貫通穴２４を介して、通気路５の外部から通気路５内のルーバ１０の端部に対して保持体１８を押圧するので、風向調整装置１を組み立てた後であってもケース体３の外部から調整部材２３によってルーバ１０の操作荷重を容易に調整可能になるとともに、調整部材２３により通気路５内の通気を妨げることがない。

【0046】

さらに、調整部２２により上流側ルーバ１２ａ及び下流側ルーバ１３ａの荷重が調整し、その他の上流側ルーバ１２ｂ及び下流側ルーバ１３ｂについては上流側ルーバ１２ａ及び下流側ルーバ１３ａに連動して回動させることで、調整部２２を必要最小限とすることができ、構成を簡素化できる。

【0047】

なお、一実施の形態において、調整部２２は、上流側ルーバ１２と下流側ルーバ１３との少なくともいずれか一方のみに設定されている構成も含むものとする。

【0048】

また、ルーバ１０は、上流側ルーバ１２と下流側ルーバ１３とを設定する構成としたが、これに限らず、吹出口７に臨むルーバ１０のみで構成されていてもよい。

【0049】

さらに、調整部２２の調整部材２３は、保持体１８をルーバ１０の端部に押圧できれば、必ずしも回動軸線Ａと同軸上になくてもよい。

【0050】

そして、風向調整装置１は、自動車用のものに限らず、その他の任意の用途に用いてよい。

【産業上の利用可能性】

【0051】

本発明は、例えば自動車の空調用の風向調整装置として好適に用いることができる。

【符号の説明】

【0052】

１ 風向調整装置
３ ケース体
５ 通気路
１０ ルーバ
１２ａ 一のルーバである上流側ルーバ
１２ｂ 他のルーバである上流側ルーバ
１３ａ 一のルーバである下流側ルーバ
１３ｂ 他のルーバである下流側ルーバ
１８ 保持体
２２ 調整部
２３ 調整部材
２４ 貫通穴
Ａ 回動軸線

【図1】

【図2】

【図3】