(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135734
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】プログラム、オブジェクト生成方法、及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/63 20140101AFI20240927BHJP
G06F 3/0484 20220101ALI20240927BHJP
【FI】
A63F13/63
G06F3/0484
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023046573
(22)【出願日】2023-03-23
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年10月19日、令和4年10月21日、WEBサイトで公開
(71)【出願人】
【識別番号】595000427
【氏名又は名称】株式会社コーエーテクモゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】湯本 直樹
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA04
5E555BA02
5E555BA05
5E555BA06
5E555BA20
5E555BA78
5E555BB02
5E555BB05
5E555BB06
5E555BB20
5E555BC04
5E555BC17
5E555BC18
5E555BD01
5E555CA02
5E555CA06
5E555CA12
5E555CA18
5E555CA42
5E555CA47
5E555CB02
5E555CB12
5E555CB20
5E555CC01
5E555CC19
5E555DB32
5E555DB41
5E555DB53
5E555DC13
5E555EA07
5E555EA14
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】オブジェクトを生成する簡易な方法をプレイヤに対して提供すること。
【解決手段】情報処理装置に、プレイヤが入力した少なくとも一つの入力値に基づいた第1の値を生成する値生成手順、第1の値に応じたオブジェクトの種類を決定する種類決定手順、第1の値に応じた前記オブジェクトの能力を決定する能力決定手順、決定したオブジェクトの種類及びオブジェクトの能力に基づいてオブジェクトを生成するオブジェクト生成手順、を実行させるためのプログラムが提供される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置に、
プレイヤが入力した少なくとも一つの入力値に基づいた第1の値を生成する値生成手順、
前記第1の値に応じたオブジェクトの種類を決定する種類決定手順、
前記第1の値に応じた前記オブジェクトの能力を決定する能力決定手順、
決定した前記オブジェクトの種類及び前記オブジェクトの能力に基づいて前記オブジェクトを生成するオブジェクト生成手順、
を実行させるためのプログラム。
【請求項2】
前記種類決定手順は、第1の識別値と前記オブジェクトの種類とを対応付けて記憶するオブジェクト種類テーブルを用いて、前記第1の値に応じた第2の値により特定される前記第1の識別値と対応付いた前記オブジェクトの種類を決定する
請求項1記載のプログラム。
【請求項3】
前記種類決定手順は、参照する前記オブジェクト種類テーブルを、前記第1の値に応じて複数の前記オブジェクト種類テーブルから選択する
請求項2記載のプログラム。
【請求項4】
前記能力決定手順は、第2の識別値と前記オブジェクトに追加する能力とを対応付けて記憶する追加能力テーブルを用いて、前記第1の値に応じた第2の値により特定される前記第2の識別値と対応付いた前記オブジェクトに追加する能力を決定する
請求項1乃至3の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記能力決定手順は、第3の識別値と前記オブジェクトの能力の変化量とを対応付けて記憶する能力変化量テーブルを用いて、前記第1の値に応じた前記第2の値により特定される前記第3の識別値と対応付いた前記オブジェクトの能力の変化量を決定する
請求項4記載のプログラム。
【請求項6】
前記能力決定手順は、前記第3の識別値と前記オブジェクトの能力の変化量と第1の情報と第2の情報とを対応付けて記憶する能力変化量テーブルを用いて、前記第1の値に応じた前記第2の値により特定される前記第3の識別値と対応付いた前記第1の情報がキャンセルを示す場合に、決定した前記オブジェクトの能力の追加及び前記オブジェクトの能力の変化量をキャンセルし、前記第1の値に応じた前記第2の値により特定される前記第3の識別値と対応付いた前記第2の情報が終了を示す場合に、決定した前記オブジェクトの能力の追加及び前記オブジェクトの能力の変化量を確定する
請求項5記載のプログラム。
【請求項7】
情報処理装置が、
プレイヤが入力した少なくとも一つの入力値に基づいた第1の値を生成する値生成ステップと、
前記第1の値に応じたオブジェクトの種類を決定する種類決定ステップと、
前記第1の値に応じた前記オブジェクトの能力を決定する能力決定ステップと、
決定した前記オブジェクトの種類及び前記オブジェクトの能力に基づいて前記オブジェクトを生成するオブジェクト生成ステップと、
を行うオブジェクト生成方法。
【請求項8】
プレイヤが入力した少なくとも一つの入力値に基づいた第1の値を生成する値生成部と、
前記第1の値に応じたオブジェクトの種類を決定する種類決定部と、
前記第1の値に応じた前記オブジェクトの能力を決定する能力決定部と、
決定した前記オブジェクトの種類及び前記オブジェクトの能力に基づいて前記オブジェクトを生成するオブジェクト生成部と、
を有する情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、オブジェクト生成方法、及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばデータを記録するICカードなどの媒体から情報を読み取り、読み取った情報を基にキャラクタを作成する技術は、従来から知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
データを記録するICカードなどの媒体から読み取った情報を基にキャラクタを作成する技術では、情報を読み取らせたい媒体をプレイヤが準備していた。したがって、ゲームで使用するキャラクタなどのオブジェクトを生成する場合は、データを記録する媒体から読み取った情報を基にオブジェクトを生成する以外の簡易な方法を準備しておくことが望ましい。
【0005】
本開示は、オブジェクトを生成する簡易な方法をプレイヤに対して提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示によれば、情報処理装置に、プレイヤが入力した少なくとも一つの入力値に基づいた第1の値を生成する値生成手順、前記第1の値に応じたオブジェクトの種類を決定する種類決定手順、前記第1の値に応じた前記オブジェクトの能力を決定する能力決定手順、決定した前記オブジェクトの種類及び前記オブジェクトの能力に基づいて前記オブジェクトを生成するオブジェクト生成手順、を実行させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、オブジェクトを生成する簡易な方法をプレイヤに対して提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システムの一例の構成図である。
【
図2】本実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】情報処理装置の機能構成の一例を示す図である。
【
図4】本実施形態に係るキャラクタ生成処理の一例のフローチャートである。
【
図5】キャラクタ種類テーブルの一例の構成図である。
【
図6】キャラクタ種類テーブルの一例の構成図である。
【
図9】キャラクタの能力の変化量を決定する処理の一例のフローチャートである。
【
図10】ハッシュ値から所定個数の能力変化処理用の数値の生成について説明する一例の図である。
【
図11】能力変化量テーブルの一例の構成図である。
【
図12】キャラクタの能力の変化量を決定する処理の一例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示を実施するための形態について図面を参照して説明する。
【0010】
[システム構成]
まず、本実施形態に係るシステム構成について
図1を参照して説明する。
図1は本実施形態に係る情報処理システムの一例の構成図である。一実施形態に係る情報処理システムは例えば
図1(A)又は
図1(B)に示すように構成される。
図1(A)は、情報処理装置10により構成される情報処理システムの一例である。
図1(B)は、情報処理装置10とサーバ装置14とがネットワーク18を介して通信可能に接続された構成の情報処理システムの一例である。
【0011】
図1(A)の情報処理装置10はコンピュータである。
図1(A)の情報処理装置10はプレイヤからの操作をタッチパネル、コントローラ、キーボード、又はマウス等で受け付けて、操作に応じた情報処理を実行し、実行結果を画像及び音などにより出力する。
【0012】
また、
図1(B)の情報処理装置10及びサーバ装置14は、
図1(A)と同様なコンピュータである。サーバ装置14は情報処理装置10との間でデータを送受信し、情報処理装置10がプレイヤから受け付けた操作に応じた情報処理を実行し、実行結果を情報処理装置10に提供する。情報処理装置10はサーバ装置14から提供された実行結果を画像及び音などにより出力する。
【0013】
サーバ装置14はクラウドコンピュータにより実現してもよい。なお、
図1(B)に示したサーバ装置14の個数は、1つに限定されるものではなく、2つ以上で分散処理してもよい。サーバ装置14は情報処理装置10へのプログラム(アプリケーション)などのダウンロード処理、プレイヤのログイン処理、又は各種データベースを管理する処理などに利用してもよい。なお、
図1のシステム構成は一例である。
【0014】
図1に示した情報処理システムは、例えばゲームシステム、ソーシャルネットワーキングサービスシステム、又はメタバースシステム等である。本実施形態に係る情報処理システムは、プレイヤが入力した少なくとも一つのキーワードを後述のように用いて、プレイヤがゲーム又はSNS(Social Networking Service)等で使用するキャラクタ又はアイテムなどのオブジェクトを生成する。キーワードは、プレイヤが入力した入力値の一例であって、数字、文字列又は記号などであってもよい。
【0015】
[ハードウェア構成]
本実施形態に係る情報処理装置10は、例えば
図2に示すように構成される。サーバ装置14の構成は情報処理装置10と同様であるため、説明を省略する。
図2は本実施形態に係る情報処理装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0016】
図2の情報処理装置10は、例えばCPU(Central Processing Unit)100、記憶装置102、通信装置104、入力装置106、及び出力装置108を有する。CPU100はプログラムに従って情報処理装置10を制御する。記憶装置102は、例えばROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などのメモリ、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などのストレージである。記憶装置102はCPU100で実行するプログラム及びデータを記憶する。記憶装置102は情報処理装置10が読取可能なCD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disc)、又はブルーレイディスク、USBメモリなどであってもよい。
【0017】
通信装置104は、通信を制御するネットワーク回路などの通信デバイスである。入力装置106は、タッチパッド、コントローラ、マウス、キーボード、カメラ、マイクなどの入力デバイスである。また、出力装置108はディスプレイ、スピーカなどの出力デバイスである。タッチパネルは入力装置106の一例であるタッチパッドと出力装置108の一例であるディスプレイとを組み合わせることで実現される。
図2のハードウェア構成は一例である。例えば情報処理装置10は、スマートフォン、携帯ゲーム機、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、タブレット端末、家庭用ゲーム装置、業務用ゲーム装置等であってもよい。また、情報処理装置10はグラフィックプロセッサユニット(GPU)及びデジタルサウンドプロセッサ(DSP)を有していてもよい。
【0018】
[機能構成]
以下では、
図1(A)に示した情報処理装置10がオブジェクトの一例であるゲームのキャラクタを生成する例を説明するが、
図1(B)に示した情報処理装置10とサーバ装置14とが連携してゲームのキャラクタを生成してもよい。
【0019】
図3は、情報処理装置10の機能構成の一例を示す図である。
図3に示す情報処理装置10は、制御部20、操作受付部22、出力制御部24、通信部26、及び記憶部28を有する構成である。
【0020】
図3の記憶部28は、プログラム40、キャラクタ種類テーブル42、追加能力テーブル44、及び能力変化量テーブル46を記憶する。プログラム40はプレイヤがキャラクタを生成するゲームの処理を情報処理装置10に実行させる。キャラクタ種類テーブル42はプレイヤがキーワードの入力により生成できるキャラクタに関する情報である。追加能力テーブル44は生成するキャラクタへの能力追加に利用する情報である。能力変化量テーブル46は生成するキャラクタの能力変化に利用する情報である。
【0021】
なお、キャラクタ種類テーブル42、追加能力テーブル44、及び能力変化量テーブルの詳細は後述する。記憶部28は、記憶装置102により実現されてもよいし、通信部26により通信可能に接続された記憶装置により実現されてもよい。
【0022】
制御部20は情報処理装置10の全体の制御を行う。制御部20はCPU100がプログラム40に記載された処理を実行することにより実現される。制御部20は、ゲーム制御部50、画面生成部52、及びキャラクタ生成制御部54を有する構成である。
【0023】
ゲーム制御部50は、プレイヤが生成したキャラクタを利用するゲームに関する全体の制御を行う。画面生成部52はゲーム画面を生成する。画面生成部52が生成するゲーム画面には、プレイヤが少なくとも一つのキーワードを入力する画面、プレイヤが入力した少なくとも一つのキーワードから生成したキャラクタを表示する画面、及びキャラクタを利用してゲームを行う画面などが含まれる。
【0024】
キャラクタ生成制御部54は、プレイヤが入力した少なくとも一つのキーワードから後述のようにキャラクタを生成する処理を実行する。また、
図3のキャラクタ生成制御部54は、キーワード入力受付部60、ハッシュ値生成部62、種類決定部64、能力決定部66、及びキャラクタ生成部68を有する構成である。
【0025】
キーワード入力受付部60は、プレイヤから少なくとも一つのキーワードの入力を受け付ける。ハッシュ値生成部62は、プレイヤが入力した少なくとも一つのキーワードから後述のようにハッシュ値を生成する。ハッシュ値は、少なくとも一つのキーワードに基づいた値であって、第1の値の一例である。第1の値は、例えば、キーワードを変換した値であってもよいし、キーワードを暗号化した値であってもよいし、キーワードを第1の値としてもよい。また、ハッシュ値は、一定の計算手順により生成される不可逆な固定長の値である。なお、第1の値は、少なくとも一つのキーワードを再現性があるように変換した値であってもよい。ハッシュ値生成部62は、値生成部の一例である。種類決定部64は、ハッシュ値に応じたキャラクタの種類を後述のように決定する。能力決定部66は、ハッシュ値に応じたキャラクタの能力を後述のように決定する。キャラクタ生成部68は、種類決定部64が決定したキャラクタの種類及び能力決定部66が決定したキャラクタの能力に基づいて、キャラクタを後述のように生成する。
【0026】
操作受付部22は入力装置106に対するプレイヤの各種操作を受け付ける。出力制御部24は制御部20の制御に従って各種のゲーム画面及びゲーム音を出力装置108に出力する。
【0027】
操作受付部22はCPU100がプログラム40に従って入力装置106を制御することにより実現される。また、出力制御部24は、CPU100がプログラム40に従って出力装置108を制御することにより実現される。入力装置106に対するプレイヤの各種操作とは、CPU100に処理を実行させるため、プレイヤが操作受付部22を操る操作をいう。出力制御部24は、制御部20の制御に従い、各種ゲーム画面及びゲーム音の出力を行う。通信部26は、ネットワーク18等を介して通信する。通信部26はCPU100がプログラム40を実行し、通信装置104を制御することにより実現される。
【0028】
[処理]
以下、本実施形態に係る情報処理システムの処理について説明する。
図4は本実施形態に係るキャラクタ生成処理の一例のフローチャートである。情報処理装置10はキャラクタを作成して使用するゲーム又はSNSなどのアプリケーションの起動操作をプレイヤから受け付ける。情報処理装置10は起動操作を受け付けたゲーム又はSNSなどのアプリケーションを起動する。情報処理装置10のキャラクタ生成制御部54はキャラクタの生成操作をプレイヤから受け付けることで、
図4のフローチャートの処理を開始する
ステップS100において、キーワード入力受付部60はプレイヤが少なくとも一つのキーワードを入力する画面の表示を出力制御部24に要求する。以下では、プレイヤが最大二つのキーワードを入力する例を説明する。出力制御部24はプレイヤにキーワードを入力させる画面を出力装置108に表示させる。プレイヤは入力装置106を操作して最大二つのキーワードを入力する。
【0029】
ステップS102において、ハッシュ値生成部62はプレイヤによって入力された最大二つのキーワードからハッシュ値を生成する。例えばハッシュ値生成部62は入力された二つのキーワードから16進数のハッシュ値を生成し、合算した後で10進数に変換するようにしてもよい。ハッシュ値生成部62は10進数に変換したハッシュ値の一部の桁を使用するようにしてもよい。
【0030】
また、ハッシュ値生成部62は入力された一つのキーワードから16進数のハッシュ値を生成し、10進数に変換するようにしてもよい。また、ハッシュ値生成部62は10進数に変換したハッシュ値の一部の桁を使用するようにしてもよい。ハッシュ値生成部62は入力された一つ又は二つのキーワードから16進数のハッシュ値を生成する前に、所定のルールに従ってキーワードに文字を追加したり、文字を入れ替えたりしてもよい。
【0031】
ステップS104において、種類決定部64は例えば
図5のキャラクタ種類テーブル42を用いて、ハッシュ値に応じた値により特定されるキャラクタの種類を決定する。
図5はキャラクタ種類テーブル42の一例の構成図である。
図5のキャラクタ種類テーブル42は、IDとキャラクタ種類とを対応付けて記憶する。ハッシュ値に応じた値は、第1の値に応じた第2の値の一例である。
【0032】
IDはキャラクタの種類と対応付いた識別情報の一例であって、第1の識別値の一例である。キャラクタ種類はプレイヤがキーワードの入力により生成できるキャラクタの一例である。
【0033】
種類決定部64は、ステップS104で利用するハッシュ値に応じた値を、ステップS102で生成したハッシュ値から以下のように求めてもよい。種類決定部64はステップS102で生成したハッシュ値を所定値(例えば
図5のキャラクタ種類テーブル42に設定されたIDの個数)で割り、余りをハッシュ値に応じた値として求めてもよい。
【0034】
例えばハッシュ値に応じた値が「3」であれば、種類決定部64は
図5のキャラクタ種類テーブル42を参照し、ハッシュ値に応じた値「3」と合致するID「3」のキャラクタ種類「とり」を特定し、生成するキャラクタの種類を決定する。
【0035】
種類決定部64は例えば
図6のキャラクタ種類テーブル42を用いて、ハッシュ値に応じた値により特定されるキャラクタの種類を決定するようにしてもよい。
図6はキャラクタ種類テーブル42の一例の構成図である。
図6のキャラクタ種類テーブル42は、IDとキャラクタ種類Aとキャラクタ種類Bとを対応付けて記憶する。
【0036】
図6のキャラクタ種類テーブル42の場合、種類決定部64はキャラクタ種類A及びBの何れを参照するかを、ステップS102で生成したハッシュ値から以下のように求めてもよい。例えば種類決定部64はステップS102で生成したハッシュ値の各桁の値を合算し、合計値が偶数か奇数かにより、キャラクタ種類A及びBの何れを参照するかを選択するようにしてもよい。
【0037】
ステップS106において、能力決定部66は例えば
図7の追加能力テーブル44を用いて、ハッシュ値に応じた値により追加されるキャラクタの能力を決定する。
図7は追加能力テーブル44の一例の構成図である。
図7の追加能力テーブル44は、値と追加能力とを対応付けて記憶する。値は、キャラクタに追加される能力と対応付けられた識別情報の一例であって、第2の識別値の一例である。追加能力は生成するキャラクタに追加される能力の一例である。
【0038】
能力決定部66は、ステップS106で利用するハッシュ値に応じた値を、ステップS102で生成したハッシュ値から以下のように求めてもよい。能力決定部66はステップS102で生成したハッシュ値を所定値(例えば
図7の追加能力テーブル44に設定された値の個数)で割り、余りをハッシュ値に応じた値として求めてもよい。
【0039】
例えばハッシュ値に応じた値が「10」であれば、能力決定部66は
図7に示した追加能力テーブル44を参照し、ハッシュ値に応じた値「10」と合致する値「10」の追加能力「能力b」を特定し、生成するキャラクタに追加する能力を決定する。
【0040】
また、例えばハッシュ値に応じた値が「5」であれば、能力決定部66は
図7に示した追加能力テーブル44を参照し、ハッシュ値に応じた値「5」と合致する値「5」の追加能力「なし」を特定し、生成するキャラクタに追加する能力が無いことを決定する。
【0041】
能力決定部66は例えば
図8の能力変化量テーブル46を用いて、ハッシュ値に応じた値により特定されるキャラクタの能力の変化量を決定する。
図8は能力変化量テーブル46の一例の構成図である。
【0042】
図8の能力変化量テーブル46は、ID、キャンセルフラグ、終了フラグ、及び複数の能力の変化量を対応付けて記憶する。IDは、キャンセルフラグ、終了フラグ、及び複数の能力の変化量と対応付いた識別情報の一例であって、第3の識別値の一例である。
【0043】
キャンセルフラグは、第1の情報の一例であって、値「TRUE」が後述のキャンセルを示している。また、終了フラグは第2の情報の一例であって、値「TRUE」が後述の終了を示している。複数の能力の変化量は、生成するキャラクタの能力の変化量の一例である。例えば
図8の複数の能力の変化量は、ステップS104で種類が決定されたキャラクタの能力値に対するパーセント(%)で記載されている。
【0044】
例えば能力決定部66は、
図8の能力変化量テーブル46を用いて、
図9に示すような処理手順により、キャラクタの能力の変化量を決定する。
図9はキャラクタの能力の変化量を決定する処理の一例のフローチャートである。
【0045】
ステップS120において、能力決定部66はステップS102で生成したハッシュ値から所定個数の能力変化処理用の数値を、例えば以下のように生成する。なお、能力変化処理用の数値はハッシュ値に応じた値の一例である。能力決定部66はステップS102で生成したハッシュ値の少なくとも一部の桁(例えば8桁)のうち、所定数の桁(例えば2つの桁)の数値を所定のルールにより組み合わせて、所定個数の能力変化処理用の数値を生成する。
【0046】
図10はハッシュ値から所定個数の能力変化処理用の数値の生成について説明する一例の図である。
図10はハッシュ値の8桁のうち、項目「参照する桁」に設定された二つの桁の数値を組み合わせて、8個の2桁の数値を所定個数の能力変化処理用の数値として生成する例を示している。例えばハッシュ値が「77990862」の場合、能力決定部66は項目「参照する桁」に設定された「5&1桁目」のルールに従い、5桁目の「0」と1桁目の「7」とを組み合わせて2桁の数値「07」を生成する。同様に、能力決定部66は「No2」~「No8」の数値「87」「69」「29」「72」「76」「98」「90」を生成する。
【0047】
ステップS122において、能力決定部66はステップS120で生成した所定個数の能力変化処理用の数値のうち、未選択の能力変化処理用の数値を選択する。ステップS124において、能力決定部66はステップS122で選択した能力変化処理用の数値と
図8の能力変化量テーブル46の項目「ID」の数値とを照合し、数値が合致した
図8の能力変化量テーブル46の行を特定する。なお、
図8の能力変化量テーブル46はステップS120で生成される能力変化処理用の数値の範囲「00」~「99」の行が準備されているものとする。
【0048】
ステップS126において、能力決定部66はステップS124で特定した
図8の能力変化量テーブルの行に設定されている項目「能力の変化量」に従って、能力の変化量の決定を行う。例えば項目「能力Aの変化量」に「2%」が設定されていれば、能力決定部66は能力Aの能力値を2%増加させる。また、能力決定部66は、これまでの処理により能力の変化が決定していれば、変化後の能力Aの能力値を2%増加させる。項目「能力の変化量」は能力を減少させるものであってもよい。
【0049】
ステップS128において、能力決定部66はステップS124で特定した
図8の能力変化量テーブル46の項目「キャンセルフラグ」が「TRUE」であるか判定する。能力決定部66は項目「キャンセルフラグ」が「TRUE」であれば、ステップS130の処理を行う。ステップS130において、能力決定部66は、これまでの処理により決定していたキャラクタへの能力の追加及び能力の変化をキャンセルする。
【0050】
能力決定部66はステップS124で
図8の能力変化量テーブル46の項目「キャンセルフラグ」が「TRUE」である行を特定した場合、生成するキャラクタに追加する能力がなく、キャラクタの能力が変化の無い基本値であることを決定する。
【0051】
能力決定部66は項目「キャンセルフラグ」が「TRUE」でなければ、ステップS132の処理を行う。ステップS132において、能力決定部66はステップS124で特定した
図8の能力変化量テーブル46の項目「終了フラグ」が「TRUE」であるか判定する。能力決定部66は項目「終了フラグ」が「TRUE」であれば、ステップS136の処理を行う。ステップS136において、能力決定部66は、これまでの処理により決定していたキャラクタへの能力の追加及び能力の変化を確定する。
【0052】
能力決定部66は項目「終了フラグ」が「TRUE」でなければ、ステップS134の処理を行う。ステップS134において、能力決定部66はステップS120で生成した所定個数の能力変化処理用の数値に、未選択の能力変化処理用の数値があるか否かを判定する。
【0053】
能力決定部66は、ステップS120で生成した所定個数の能力変化処理用の数値に未選択の能力変化処理用の数値があれば、ステップS122に戻り処理を続ける。能力決定部66は、未選択の能力変化処理用の数値がなければ、ステップS136において、これまでの処理により決定していたキャラクタへの能力の追加及び能力の変化を確定する。
【0054】
図9のフローチャートの処理によれば、能力決定部66はステップS120で生成した所定個数の能力変化処理用の数値と
図8の能力変化量テーブル46の項目「ID」の数値とを順に照合していく。能力決定部66は項目「キャンセルフラグ」が「TRUE」の行を特定すると、それまでの処理により決定していたキャラクタへの能力の追加及び能力の変化をキャンセルする。したがって、生成されるキャラクタは能力の追加が無く、能力が基本値から変更の無いキャラクタとなる。能力決定部66は項目「終了フラグ」が「TRUE」の行を特定すると、それまでの処理により決定していたキャラクタへの能力の追加及び能力の変化を確定する。したがって、生成されるキャラクタは、それまでの処理により決定していたキャラクタへの能力の追加及び基本値からの能力の変化のあるキャラクタとなる。
【0055】
なお、能力決定部66はステップS120で生成した所定個数の能力変化処理用の数値に未選択の能力変化処理用の数値がなくなるまで、項目「キャンセルフラグ」が「TRUE」又は項目「終了フラグ」が「TRUE」の行を特定しなかった場合も、それまでの処理により決定していたキャラクタへの能力の追加及び能力の変化を確定する。例えば
図10の能力変化処理用の数値の場合は、最大8回の能力の変化が行われる可能性がある。
【0056】
したがって、本実施形態に係る情報処理装置10は、
図8の能力変化量テーブル46の項目「キャンセルフラグ」及び項目「終了フラグ」の「TRUE」の設定数により、能力の変化の大小の割合を制御できる。
【0057】
また、能力変化量テーブル46は項目「キャンセルフラグ」及び項目「終了フラグ」を有さない構成も可能である。
図11は能力変化量テーブル46の一例の構成図である。
図11の能力変化量テーブル46は
図8の能力変化量テーブル46から項目「キャンセルフラグ」及び項目「終了フラグ」を除いた構成である。
【0058】
例えば能力決定部66は、
図11の能力変化量テーブル46を用いて、
図12に示すような処理手順により、キャラクタの能力の変化量を決定する。
図12はキャラクタの能力の変化量を決定する処理の一例のフローチャートである。
【0059】
ステップS150において、能力決定部66はステップS102で生成したハッシュ値から所定個数の能力変化処理用の数値を生成する。ステップS152において、能力決定部66はステップS150で生成した所定個数の能力変化処理用の数値のうち、未選択の能力変化処理用の数値を選択する。
【0060】
ステップS154において、能力決定部66はステップS152で選択した能力変化処理用の数値と
図11の能力変化量テーブル46の項目「ID」の数値とを照合し、数値が合致した
図11の能力変化量テーブル46の行を特定する。
【0061】
ステップS156において、能力決定部66はステップS154で特定した
図11の能力変化量テーブルの行に設定されている項目「能力の変化量」に従って、能力の変化量の決定を行う。ステップS158において、能力決定部66はステップS150で生成した所定個数の能力変化処理用の数値に、未選択の能力変化処理用の数値があるか否かを判定する。
【0062】
能力決定部66は、ステップS150で生成した所定個数の能力変化処理用の数値に未選択の能力変化処理用の数値があれば、ステップS152に戻り処理を続ける。能力決定部66は、未選択の能力変化処理用の数値がなければ、ステップS160において、これまでの処理により決定していたキャラクタへの能力の追加及び能力の変化を確定する。
【0063】
図12のフローチャートの処理によれば、能力決定部66はステップS150で生成した所定個数の能力変化処理用の数値と
図11の能力変化量テーブル46の項目「ID」の数値とを順に照合していく。例えば
図10の能力変化処理用の数値の場合は、8回の能力の変化が行われる。
【0064】
図4のステップS108に戻り、キャラクタ生成部68はステップS104で決定したキャラクタの種類及びステップS106で決定したキャラクタの能力に基づいてキャラクタの生成を行う。例えばキャラクタ生成部68は、ステップS104で決定された種類のキャラクタであって、ステップS106で決定した能力が追加されており、ステップS106で決定した変化量に従って能力値が変更されたキャラクタを生成する。
【0065】
本実施形態によれば、ゲーム又はSNS等で使用するキャラクタ又はアイテムなどのオブジェクトを、キーワードなどの入力値を入力して生成するという簡易な方法をプレイヤに提供することができる。
【0066】
開示した一実施形態の情報処理装置は例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で変形及び改良が可能である。また、上記した複数の実施形態に記載された事項は矛盾しない範囲で他の構成も取り得ることができ、また、矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0067】
10 情報処理装置
14 サーバ装置
18 ネットワーク
20 制御部
22 操作受付部
24 出力制御部
26 通信部
28 記憶部
40 プログラム
42 キャラクタ種類テーブル
44 追加能力テーブル
46 能力変化量テーブル
50 ゲーム制御部
52 画面生成部
54 キャラクタ生成制御部
60 キーワード入力受付部
62 ハッシュ値生成部
64 種類決定部
66 能力決定部
68 キャラクタ生成部