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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135764
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】触覚提示システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20240927BHJP
   A63F 13/28 20140101ALI20240927BHJP
【FI】
G06F3/01 560
A63F13/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023046621
(22)【出願日】2023-03-23
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.HDMI
(71)【出願人】
【識別番号】000142595
【氏名又は名称】株式会社栗本鐵工所
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100161746
【弁理士】
【氏名又は名称】地代 信幸
(72)【発明者】
【氏名】赤岩 修一
(72)【発明者】
【氏名】木野井 慶介
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA08
5E555AA52
5E555AA71
5E555BA02
5E555BA04
5E555BA20
5E555BB02
5E555BB04
5E555BB20
5E555BD06
5E555BE17
5E555DB32
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】触覚提示システムにより触覚出力を提示可能なシステムにおいて、自身に触れたという感触を他のユーザに感じられたくはないという希望を実現する。
【解決手段】第二の利用者端末11bは、当該利用者に対して触覚を提示できる触覚提示装置24を有し、触覚提示装置24は、他のユーザについての触覚出力を当該利用者に提示可能であり、第一の利用者端末11aのユーザが、第一の利用者端末11aのユーザについての触覚出力を第二の利用者端末11bのユーザに対して拒否する拒否設定が可能であり、拒否設定が有効である場合、第一の利用者端末11aのユーザについての触覚出力を、第二の利用者端末11bの触覚提示装置が出力しないように設定させる触覚出力拒否判定部を設ける。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の利用者端末と、第二の利用者端末とを有するシステムであって、
前記第二の利用者端末は、当該利用者に対して触覚を提示できる触覚提示装置を有し、
前記触覚提示装置は、他のユーザについての触覚出力を当該利用者に提示可能であり、
第一の利用者端末のユーザが、第一の利用者端末のユーザについての触覚出力を第二の利用者端末のユーザに対して拒否する拒否設定が可能であり、
前記拒否設定が有効である場合、前記第一の利用者端末のユーザについての触覚出力を、前記第二の利用者端末の触覚提示装置が出力しないように設定させる触覚出力拒否判定部を有する、
触覚提示システム。
【請求項2】
前記拒否設定が有効である場合に、前記第一の利用者端末のユーザについての触覚出力を、前記第二の利用者端末が出力しないようにする際に、前記第一の利用者端末のユーザについての触覚出力に代わって、代替触覚を出力する、請求項1に記載の触覚提示システム。
【請求項3】
前記システムは、一の仮想空間に、前記第一の利用者端末のユーザによる第一アバターと、前記第二の利用者端末による第二アバターとを、配置可能であり、
前記システムは、前記第一アバターが前記第二アバターの位置を基準とした所定の範囲に位置しているときに、前記第二の利用者端末のユーザに、前記第一のユーザについての触覚出力を提供可能とし、
かつ、
前記拒否設定が有効である場合、前記システムは前記第一の利用者端末のユーザによるアバターを、前記所定の範囲への配置を拒否する
請求項1に記載の触覚提示システム。
【請求項4】
前記システムは、前記拒否設定として、自分以外のユーザ全員を一括して拒否する設定を受け付ける、請求項1から3のいずれかに記載の触覚提示システム。
【請求項5】
複数の利用者端末と、前記利用者端末に対して送受信するサーバとを有するシステムであって、
前記利用者端末は、利用者に対して触覚を提示できる触覚提示装置を有し、
前記サーバは、
複数の前記利用者端末によって操作されるアバターを一の仮想空間上にて管理可能であり、
個々の前記アバター又は前記アバターを管理するアカウントについて、当該アバターに触れた感触を前記触覚提示装置において提示するための触覚データを有する触覚データデータベースと、
個々の前記アバター又は前記アカウント間について、感触データの提供を拒否する拒否設定を登録する拒否設定データベースと、
前記仮想空間上において、一のアバターが他のアバターに接触すると判定された際に、
前記他のアバターが、前記一のアバターに対して、前記拒否設定がされていなければ、前記一のアバターを操作する前記利用者端末に対して前記他のアバターの触覚データの送信を許可し、
前記他のアバターが、前記一のアバターに対して、前記拒否設定がされていれば、前記一のアバターが操作する前記利用者端末に対して前記他のアバターの触覚データの送信を許可しない、
ように処理する触覚出力拒否判定部と、
を有する触覚提示システム。
【請求項6】
第一の利用者端末と、第二の利用者端末とを有し、
前記第二の利用者端末は、当該利用者に対して触覚を提示できる触覚提示装置を有するシステムにおいて、
前記触覚提示装置は、他のユーザについての触覚出力を当該利用者に提示可能であり、
前記第一の利用者端末のユーザが、第一の利用者端末のユーザについての触覚出力の提示を前記第二の利用者端末のユーザに対して拒否する拒否設定をするステップと、
前記拒否設定が無効である場合のみ、前記第一の利用者端末のユーザについての触覚出力を、前記第二の利用者端末の触覚提示装置が出力し、前記拒否設定が有効である場合、前記第一の利用者端末のユーザについての触覚出力を、前記第二の利用者端末の触覚提示装置が出力しないようにするステップと、
を実行する、触覚提示方法。
【請求項7】
第一の利用者端末と、第二の利用者端末とを有し、
前記第二の利用者端末は、当該利用者に対して触覚を提示できる触覚提示装置を有し、前記触覚提示装置は、他のユーザについての触覚出力を当該利用者に提示可能なシステムを構成するように、コンピュータを前記第二の利用者端末として実行させるためのプログラムであって、
前記第一の利用者端末のユーザが、前記第一の利用者端末のユーザについての触覚出力の提示を前記第二の利用者端末のユーザに対して許可する又は拒否する拒否設定を参照するステップと、
参照した拒否設定に基づいて、前記第一の利用者端末のユーザについての触覚出力を、前記第二の利用者端末の触覚提示装置に出力させる処理の実行をするか否かを判定し、許可する場合のみ触覚出力を行わせるステップと、を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ユーザ自身の感触を触覚提示装置によって他人に触覚出力させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
コンテンツと連動して利用者に触感による効果を味わわせる触覚提示装置が様々な形で提案されている。触感としては例えば振動や圧迫、風、湿気、熱などの、利用者が止まっていても実感できる能動的な触覚効果を映画などの映像コンテンツに合わせて提供することが既に行われている。また、人の動作を受けるインターフェースデバイスでは、固さや柔らかさといった手にして握ったときにかかる抵抗などの、利用者の動作に対して実感される受動的な触覚効果を与えることが検討されている。
【0003】
一方で、仮想空間においてユーザ同士がアバターを操作して交流するVR(Virtual Reality)システムが普及しつつある。現時点においてVRで再現する仮想空間の感覚は視覚と聴覚が中心である。さらに現実味を向上させるために、触覚提示装置と連動してオブジェクトなどと接触した感触をユーザに体験させることが検討されている。
【0004】
特許文献1には、仮想空間においてユーザのアバターが仮想物体に近接したと知覚されるときに、近接したのみで素通りしたときと、接触したと判定されたときとで、異なる感触を与えるようにする技術が提案されている。素通りしたときには送風手段による触覚提示を行い、接触したと判定されたときには振動手段などでユーザに感触を与える触覚提示を行い、その仮想物体に接触したか否かという知覚への違和感を抑えることができる。
【0005】
単なるオブジェクトだけではなく、他人の感触を疑似的に体験できる技術も提案されている。特許文献2には、音楽ライブなどの配信において、演者の心拍数や動きの状態をセンサにより読み取り、信号として観客の端末に発信し、その状態を触覚として出力する発明が提案されている。センサおよび端末としては直接腕に巻くリストバンドが挙げられ、演者のリストバンドのセンサで読み取られた心拍が送信され、観客はリストバンドを通して演者の心拍を感触として体感することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2021-157517号公報
【特許文献2】特許第6835070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、大規模多人数同時参加型オンラインRPGでは、女性プレイヤーキャラへのつきまとい、疑似的な接触行為などが問題となったことがある。VRシステムによる仮想空間でも同様の事態は懸念されており、アバター同士が接触した感触について触覚提示装置を介したシステムとして体感できるようになると、その感触による拒否感や嫌悪感もリアリティを増してしまうおそれがあった。
【0008】
そこでこの発明は、触覚提示システムにより触覚出力を提示可能なシステムにおいて、自身に触れたという感触を他のユーザに感じられたくはないという希望を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、
第一の利用者端末と、第二の利用者端末とを有するシステムであって、
前記第二の利用者端末は、当該利用者に対して触覚を提示できる触覚提示装置を有し、
前記触覚提示装置は、他のユーザについての触覚出力を当該利用者に提示可能であり、
第一の利用者端末のユーザが、第一の利用者端末のユーザについての触覚出力を第二の利用者端末のユーザに対して拒否する拒否設定が可能であり、
前記拒否設定が有効である場合、前記第一の利用者端末のユーザについての触覚出力を、前記第二の利用者端末の触覚提示装置が出力しないように設定させる触覚出力拒否判定部を有する、
触覚提示システムにより、上記の課題を解決したのである。
【0010】
ここで、ユーザについての触覚出力とは、ユーザ自身またはユーザのアバターに接触したことを疑似的に体感するための感触を利用者に体感させるものである。リアリティのある感触でもよいし、振動や衝撃などの疑似的な感触でもよい。前記拒否設定は、利用者端末に保存されるものでも、システムを管理するサーバに保存されるものでもよい。第二の利用者端末のユーザが第一の利用者端末のユーザについての触覚出力を体感しようとしたとき、前記第一の利用者端末のユーザが前記第二の利用者端末のユーザに触覚出力を体感されたくない意図を有しており、その拒否する旨を前記拒否設定にて設定してあれば、前記第二の利用者端末のユーザは、触覚提示装置で触覚出力を体感できなくなる。体感できなくなる方法としては、単に触覚出力自体を無効にしたり、前記第一の利用者端末のユーザについての触覚出力を前記第二の利用者端末に対して送信しないようにしたり、そもそも接触したという判定が生じないようにして前記第一の利用者端末のユーザについての触覚出力を体感する処理が開始されないようにしたりするなどの手法が挙げられる。
【0011】
また、前記拒否設定が有効である場合に、前記第一の利用者端末のユーザについての触覚出力を、前記第二の利用者端末が出力しないようにする際に、前記第一の利用者端末のユーザについての触覚出力に代わって、代替触覚を(前記第二の利用者端末の触覚提示装置が)出力する、
実施形態を採用できる。
【0012】
さらに、前記システムは、一の仮想空間に、前記第一の利用者端末のユーザによる第一アバターと、前記第二の利用者端末による第二アバターとを、配置可能であり、
前記システムは、前記第一アバターが前記第二アバターの位置を基準とした所定の範囲に位置しているときに、前記第二の利用者端末のユーザに、前記第一のユーザについての触覚出力を提供可能とし、
かつ、
前記拒否設定が有効である場合、前記システムは前記第一の利用者端末のユーザによるアバターを、前記所定の範囲への配置を拒否する、実施形態を採用できる。仮想空間はそれぞれの利用者端末によって構成されてもよいし、別途設けたサーバによって提供されてもよい。配置を拒否するとは、第一の利用者端末のユーザを前記所定の範囲への侵入を許可せず、それ以上の接近の指示を受け付けないようにしてもよいし、接近しようとした場合に別の位置へ転移させるようにしてもよい。
【0013】
さらに、前記システムは、前記拒否設定として、自分以外のユーザ全員を一括して拒否する設定を受け付ける実施形態を採用できる。
【0014】
さらにこの発明にかかる触覚提示システムは、複数の利用者端末と、前記利用者端末に対して送受信するサーバとを有するシステムとしての構成で、
前記利用者端末は、利用者に対して触覚を提示できる触覚提示装置を有し、
前記サーバは、
複数の前記利用者端末によって操作されるアバターを一の仮想空間上にて管理可能であり、
個々の前記アバター又は前記アバターを管理するアカウントについて、当該アバターに触れた感触を前記触覚提示装置において提示するための触覚データを有する触覚データデータベースと、
個々の前記アバター又は前記アカウント間について、感触データの提供を拒否する拒否設定を登録する拒否設定データベースと、
前記仮想空間上において、一のアバターが他のアバターに接触すると判定された際に、
前記他のアバターが、前記一のアバターに対して、前記拒否設定がされていなければ、前記一のアバターを操作する前記利用者端末に対して前記他のアバターの触覚データの送信を許可し、
前記他のアバターが、前記一のアバターに対して、前記拒否設定がされていれば、前記一のアバターが操作する前記利用者端末に対して前記他のアバターの触覚データの送信を許可しない、
ように処理する触覚出力拒否判定部と、
を有する触覚提示システムとしても上記の課題を解決できる。
【0015】
さらにまた、
第一の利用者端末と、第二の利用者端末とを有し、
前記第二の利用者端末は、当該利用者に対して触覚を提示できる触覚提示装置を有するシステムにおいて、
前記触覚提示装置は、他のユーザについての触覚出力を当該利用者に提示可能であり、
第一の利用者端末のユーザが、第一の利用者端末のユーザについての触覚出力を第二の利用者端末のユーザに対して拒否する拒否設定をするステップと、
前記拒否設定が無効である場合ののみ、前記第一の利用者端末のユーザについての触覚出力を、前記第二の利用者端末の触覚提示装置が出力し、前記拒否設定が有効である場合、前記第一の利用者端末のユーザについての触覚出力を、前記第二の利用者端末の触覚提示装置が出力しないようにするステップと、
を実行する、触覚提示方法としても上記の課題を解決できる。
【0016】
さらにまたこの発明は、
第一の利用者端末と、第二の利用者端末とを有し、
前記第二の利用者端末は、当該利用者に対して触覚を提示できる触覚提示装置を有し、前記触覚提示装置は、他のユーザについての触覚出力を当該利用者に提示可能なシステムを構成するように、コンピュータを前記第二の利用者端末として実行させるためのプログラムであって、
前記第一の利用者端末のユーザが、前記第一の利用者端末のユーザについての触覚出力の提示を前記第二の利用者端末のユーザに対して許可する又は拒否する拒否設定を参照するステップと、
参照した拒否設定に基づいて、前記第一の利用者端末のユーザについての触覚出力を、前記第二の利用者端末の触覚提示装置に出力させる処理の実行をするか否かを判定し、許可する場合のみ触覚出力を行わせるステップと、を実行させるプログラムにより、上記の課題を解決できる。
【発明の効果】
【0017】
この発明により、ユーザが互いに触覚出力を提示できるシステムにおいて、ユーザが自身の触覚出力を他のユーザに体感されたくない希望に応え、ユーザが自分で触覚出力を提示してもよいと判断した他のユーザにのみ触覚出力を提示させることができる。これにより、オンラインコミュニケーションシステムや仮想空間システムにおいてより健全かつ安全な運用が可能になり、リアリティを求めるユーザとプライバシーを求めるユーザとのバランスがとれたシステムとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】この発明にかかる触覚提示システムの第一の実施形態例の機能ブロック図
図2】この発明で利用する触覚提示装置の例であるMRFデバイスの概念図
図3】この発明で利用する触覚提示装置(タップユニット)の概念図
図4】この発明で利用する触覚データの例を示すテーブル
図5】この発明にかかる触覚提示システムの第一の実施形態の実行フロー例図
図6】(a)この発明を実行する仮想空間でのアバター同士の相対位置の例を示す図、(b)接触判定に入るか否かを尋ねるダイアログボックスの例を示す図
図7】(a)接触拒否になった場合にアバター間で表現する拒否の形態例図、(b)接触拒否になった場合にアバターの位置を移転させた後の状態例図
図8】この発明にかかる触覚提示システムの第二の実施形態例の機能ブロック図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明について詳細に説明する。この発明は、第一の利用者端末と第二の利用者端末とを有し、少なくとも第二の利用者端末が、利用者に対して触覚を提示できる触覚提示装置を有する触覚提示システムである。
【0020】
この発明において触覚とは、五感のうちの一つであり直接的又は間接的に肌や筋肉、神経などによって体感できる感覚をいい、特に断りがない場合は広義の意味で用いる。狭義の触覚とは皮膚で感じる感覚として知られる触覚、圧覚、痛覚、冷覚、温覚のうちの一つであるが、この発明においての触覚とは狭義の触覚だけでなく、圧覚などその他の感覚も含む。本発明はこれらの感覚について、体感する度合いの強弱が味わえるものを好適に調整する。押されて圧力の強弱の違いとして感じられる圧感のような利用者の動作によらずに体感する能動的な触覚効果だけでなく、抵抗や手ごたえ、足ごたえといった利用者の動作に対して体感する受動的な触覚効果も対象となる。
【0021】
この発明の第一の実施形態を図1の機能ブロック図とともに説明する。
この実施形態では、第一ユーザの利用者端末11aと、第二ユーザの利用者端末11bとが、ネットワーク10を介して接続されている。それぞれのユーザの利用者端末11は、ネットワーク10に対して送受信可能な通信部12を有するネットワーク対応端末である。具体的にはパソコン、スマートフォンなどが挙げられるが、ディスプレイ21と触覚提示装置24とを接続可能な規格に沿っていれば特にこれらに限定されるものではない。例えば、ゲームセンターに設置されるような、椅子やその他の設備を備えた触覚体感用の筐体付き端末などでもよい。
【0022】
利用者端末11は、通信部12となるネットワークインターフェースを有する。通信部12は有線規格でもよいし無線規格でもよい。また、ネットワーク10との間に別途ルータなどが介在していてもよい。
【0023】
利用者端末11は、CPUやGPUなどからなる、具体的な演算を行う制御部13を有する。制御部13によって、インストールされたアプリ15が実行される。プリインストールされたものであってもよいし、ネットワーク経由でダウンロードされてインストールするものでもよい。アプリ15としては、ビデオチャットのようなオンラインコミュニケーションツール、大規模多人数同時参加型オンラインRPGのような多数ユーザ型ゲーム、その他仮想空間でアバター同士の会話や接触を実現するアプリなどのプログラムが挙げられる。ここでは、個々の利用者端末11同士がピアツーピアで接続されるコミュニケーションツールを例に説明する。
【0024】
利用者端末11は、データ及びプログラムを格納する記憶部14を有する。記憶部14は一時的な記憶部と、データの保存に用いる記憶部との両方があるとよい。データの保存に用いる記憶部には、OSや上記のアプリ15がインストールされる他、この発明で用いる触覚出力のための触覚データ28が保存される。保存に用いる記憶部には、フラッシュメモリやユニバーサルメモリなどの不揮発性メモリや、磁気ディスクなどが挙げられるが、ランダムアクセス可能な記憶装置であれば特に限定されない。一時的な記憶部には、読みだして実行されるアプリやそれに関するデータなどが保存される。一時的な記憶部には、DRAMなどの揮発性メモリを用いることが挙げられるが、特に限定されない。
【0025】
触覚データ28は、触覚提示装置24において、利用者端末11を利用するユーザの感触として、当該ユーザに他のユーザが疑似的に接触する処理を行ったり、仮想空間内における判定などの結果として接触したという処理になったりしたときに、他のユーザの利用者端末11bが有する触覚提示装置24によって他のユーザに提示される触覚出力の特性を指定するデータである。ユーザの能動的な動作に対して柔らかかったり硬かったり滑らかであったり粗かったりとして感じられる受動的な触覚であったり、振動や衝撃などでユーザが受動的に感じる触覚であったりする。
【0026】
この発明では、上記の触覚データ28を自分自身に触れた感触として提示させることになるユーザが自分で指定できるものであるとよい。指定の仕方としては、デフォルトで示される複数のパターンから選択するものでもよいし、ユーザが入力した年齢や性別に応じて自動選択されるものでもよいし、特性を示すグラフを操作して数値を増減させたり、出力する数値自体を直接編集するものでもよい。また、別途測定装置を用いて手の平や二の腕を押し込んだときの反力を測定し、その測定値に基づいて作成してもよい。その他に脈拍や体温などを測定する装置により数値やスペクトル、データを取得してもよい。
【0027】
利用者端末11は、端末内に又は端末と入出力装置20を介して接続される装置として、ディスプレイ21を有する。入出力装置20は利用者とのインターフェースであり、入力を受け付け、必要なデータを出力する。ディスプレイ21との接続は内部配線でもよいし、HDMIやDisplayPortケーブルなどでもよい。ディスプレイ21自体としては、液晶モニタ、有機ELモニタ、ブラウン管、プロジェクター、ゴーグル型モニタなどが挙げられる。この中でも特に、接触感覚との連動性からゴーグル型モニタが特に望ましい。
【0028】
利用者端末11は、端末内に又は端末と入出力装置20を介して接続される装置として、スピーカ22などの音声入出力装置を有していてもよい。ここではスピーカのみ例として記載したが、有線又は無線接続されたヘッドホンやイヤホンなどであってもよい。また、VRゴーグルであるディスプレイ21と一体化されたものでもよい。また、図には記載していないがマイクを有していてもよい。
【0029】
利用者端末11は、端末内に又は端末と入出力装置20を介して接続される装置として操作や動作を入力する操作用デバイス23を有する。操作用デバイス23としては、マウス、トラックボール、コントローラ、キーボード、タッチパネルなどが挙げられる。また、VRゴーグル内で仮想的に表示される仮想キーボードなどの仮想操作パネルでもよい。
【0030】
利用者端末11は、端末内に又は端末と入出力装置20を介して接続される装置として、電気信号に応じて出力を変更してユーザに触覚出力を提示する触覚提示装置24を有する。モーターなどのアクチュエータや加熱によるバルーンなどの直接的に利用者に接触させて触覚を体感させるデバイス、MRFデバイスなどの利用者の動きに対する抵抗を増減させて受動的な触覚感覚を味わわせるデバイスのどちらも利用できる。前者としては、リストバンドなどの体に巻き付けるものにバイブレーション機能を取り付けたものや、スマートフォンのバイブレーション機能を利用することが挙げられる。特に直接的に接触して感触を味わえるものが望ましい。
【0031】
図2に触覚提示装置24の例として、具体的なデバイスを用いた例を挙げて説明する。以下の説明では、触覚提示装置24として、磁気粘性流体(MRF:Magneto Rheological Fluid)デバイス(以下、「MRFデバイス」と略記する。)を有するタップユニットである触覚提示装置24を例にとり説明する。ここで具体例として用いるMRFデバイスは、回転軸41、円板32、ヨーク34,35、コイル37,磁気粘性流体38、ケーシング31,36などで構成されている。図2に示すように回転軸41に取り付けられた円板32の周囲に、ヨーク34,35に挟まれた空間が設けられ、その空間に、置かれた磁場の強さによって粘性が変化する磁気粘性流体38が導入されている。また、ヨーク35に支えられて磁界(図中矢印)を発生させるコイル37が格納されている。回転軸41は軸受39に支えられ、磁気粘性流体38に囲まれた円板32と一体化されている。磁気粘性流体38は、回転軸41を回転させる際の抵抗を、磁場を発生させるコイル37に供給される電流量によって調節できる。この回転軸41を回転させようとする力を加えた利用者に対して、磁気粘性流体38の粘性を増減させることで、回転軸41と一体化している円板32に対して回転させようとする際にかかる抵抗を増減させて、回転軸41の「回動させにくさ」として利用者の動きに対する受動的な触覚効果を体感させるものである。この例では、円板32が、触覚提示装置24において磁気粘性流体38と接しており、この円板32と回転軸41との両方が回転される。センサ(図示せず)は、この円板32そのものの角度を検知するか、円板32と連動して回転する回転軸41の角度を検知するように取り付けられている。
【0032】
このようなMRFデバイスを用いた触覚提示装置24であるタップユニットを図3(a)(b)に示す。指や手のひらにより挟持される基部40と、基部40に設けられたMRFデバイスの回転軸41に連動して回動する指当てパーツ42とを有する。指当てパーツ42は人差し指、中指、薬指、小指のいずれかまたはそれらの全てに対応しており、指を曲げて握ろうとすると、支点部43を中心にして回動する。すなわち、この指当てパーツ42が、利用者が直接に接触して操作する部位にあたる。指当てパーツ42が押されると、第一リンク材44と、ピン46を介してリンクされた第二リンク材45が図3(c)のように回動する。この動きにより、第二リンク材45と連結された回転軸41が基部40に対して回動される。この回動の際の抵抗が、MRFデバイスの磁気粘性流体38によって増減される。
【0033】
このMRFデバイスに付属するセンサとしては、指当てパーツ42の回転中心に対する角度として変位を測定する角度センサや、指当てパーツ42にかかる荷重を測定するトルクセンサなどを搭載している。この角度センサにより検知される、指を曲げて押し込んだ角度に応じて、押し込む際の抵抗が変わるように、コイル37に流れる電流量を変える。この指位置に応じた、抵抗として感じさせられる触覚出力を発揮させる電流量を、触覚データ28として規定できる。この触覚データ28の例を図4に示す。電流量の数値が高い位置ほど抵抗が大きく、押し込もうとした際に硬く感じられるようになる。この触覚データ28は、上記のようにユーザごとに異なる値を規定できる。触覚データにより触覚出力する際には、指の曲げ角度に応じて変化する柔らかさや硬さといった感覚の違いによって出力される。
【0034】
この発明においては、個々のユーザは自分の触感として触覚出力するための触覚データ28を、他のユーザの利用者端末11において触覚出力させることを拒否する拒否設定が可能である。拒否設定は、特定のユーザを指定して拒否するものでもよいし、他のすべてのユーザを指定して拒否しておき、個別に許容に切り替えるものでもよい。デフォルトではすべてのユーザについて許容としておいてもよいし、拒否としておいてもよい。この拒否設定はテーブルまたはデータベースの形式で保存されるものでもよいし、個別に拒否を指定するユーザに対してTrue/Falseの形で送信されるものでもよい。個々のユーザについての拒否設定を拒否設定テーブルとして当該個々のユーザの利用者端末11の記憶部14に保持する場合、例えば次のように処理する。そのユーザに接触して触感を提示されようとする他のユーザの利用者端末11bからのリクエストがあったときに、利用者端末11aの触覚出力拒否判定部は次のような処理を行う。この拒否設定テーブルを参照し、当該他のユーザに対して触覚出力を許容していれば触覚データ28を利用者端末11bに送信し、当該他のユーザに対して触覚出力を拒否していれば触覚データ28を利用者端末11bに送信せず拒否する。なお、触覚出力拒否判定部は、制御部13によって実行されるプログラムでもよいし、専用のハードウェア回路でもよい。
【0035】
この発明を構成する利用者端末11のアプリ15は、当該利用者端末11のユーザが、上記の拒否設定や上記の触覚データ28を編集できる編集機能を有しているとより好ましい。
【0036】
この発明にかかる触覚提示システムを構成する利用者端末11は、上記の触覚データ28の送信を拒否する際に、単に触覚データ28を送らないだけでなく、本来の触覚データ28に代わって代替触覚を提示するようにしてもよい。代替触覚を提示するための方法としては、利用者端末11aが有している代替のための別の触覚データを利用者端末11bに送信してもよい。または利用者端末11aが代替触覚を提示する旨の指示を利用者端末11bに送信し、受け取った利用者端末11bがその指示に従って利用者端末11bがあらかじめ保有する代替触覚のための触覚データを用いて触覚出力を提示してもよい。代替触覚としては別のオブジェクトの感触でもよいし、拒否されていることを示すような振動や衝撃を与える感触でもよい。
【0037】
第一の実施形態においては、利用者端末11aのアプリ15が他の利用者端末11bのアプリ15と通信し、一の仮想空間を共有して形成できるようにしてもよい。この場合、アプリ15はそれぞれのユーザのアバターを、共有する仮想空間に配置する。それぞれのアバターは、操作用デバイス23の動きに応じて仮想空間内を移動したり、姿勢変更したりする。これにより、共有する仮想空間内で相対位置を変えながらコミュニケーションをとることができる。ただしこの発明では、一方のアバターの位置を基準とした所定の範囲に他方のアバターが位置しているときには、他方のアバターが一方のアバターに仮想的に接触可能となる。この所定の範囲としては、たとえばアバターが表示されている腕や指等の部位が到達する範囲としたり、アバターの基準位置から所定の距離の円筒形または球形空間としたりすることが挙げられる。この接触可能な条件において、第一の利用者端末11aのユーザの触覚データ28を第二の利用者端末11bにおいてユーザに触覚出力を提示できるようにする。なお、基本的には接触可能である場合には、相互に同じ条件で接触可能となるが、多対一のユーザ接触である場合など例外的な条件下で一方のみ可能であってもよい。その上でこの発明では、第一の利用者端末11aのユーザが上記の拒否設定において第二の利用者端末11bのユーザによる触覚出力を拒否している場合、この所定の範囲にアバターが配置されるのを拒否するように設定してもよい。前記所定の範囲にまでアバターが接近しなければ、接触するという判定にならず、触覚データ28は送信されない。所定の範囲にアバターが配置されるのを拒否する処理としては、所定の範囲以上に近づこうとすると接近しようとする操作が無効化されたり、接触が当面不可能となるような遠隔位置に瞬間的に転移(座標変更)されたりする処理が挙げられるが、特にこれらに限定されない。
【0038】
この発明にかかる第一の実施形態で、仮想空間60内にアバターを配置して表示する場合を例に処理フローの例を、図5を用いて説明する。仮想空間内で2人のユーザのアバター61a,61bが接触可能に配置されている状況を図6(a)に示す。この仮想空間は利用者端末11a,11bが相互に通信して、お互いのアバターの位置情報や接触の可否といった情報を共有できるようにしたものである。仮想空間60内において、第一の利用者端末11aのユーザ(第一ユーザ)はアバター61aを操作し、第二の利用者端末11bのユーザ(第二ユーザ)はアバター61bを操作する。スピーカやマイクなどを通じて音声コミュニケーションを取ったり、キーボードなどによる文字入力でテキストコミュニケーションを取ったりしてもよい。制御部13は操作に従って自身側のアバターの座標位置を変更し、通信を受け付けて相手側のアバターの座標位置を変更し、それらの変更に合わせた位置関係の光景をディスプレイ21に表示させる(S101)。
【0039】
第二ユーザの操作により第二ユーザのアバター61bの座標位置が移動したとき、第一ユーザのアバター61aの接触判定を行う所定の範囲に入ったか否かが判定される(S102)。所定の範囲に入っていなければ(S102→No)そのまま通常のコミュニケーションが続行され、次の座標位置移動を待つ。所定の範囲に入っていれば、第二ユーザが第一ユーザに触れようとしているものと判定して、第二の利用者端末11bのディスプレイ21に第一ユーザ(図中「ユーザA」と表示)に接触するか否かを尋ねるダイアログボックス62を表示させ、入力を促す(S103)。その状況を図6(b)に示す。接触しようとする意思がなければNoを選択し(S104→No)、判定はいったん終了して通常の位置移動が行われる。ただし、接触しないで座標位置が移動しても、お互いのアバター61a,61bの表示が重ならないように排他処理が行われることが望ましい。
【0040】
なお、ここではダイアログボックスにより第二ユーザの意思を確認した(S103→S104)が、他の手段によって意思を確認するものでもよい。たとえばアバターの腕を動かす機能がある場合には、所定の位置において相手のアバターに向かって手を伸ばすといった特定の動作をしたら接触しようとする意思があると判定するのでもよい。
【0041】
ダイアログボックスなどで接触しようとする意思があると判定されたら(S104→Yes)、第一の利用者端末11aは、自身が記憶部14に保有する拒否設定を参照する。拒否設定のテーブルにおいて第二ユーザの接触を許容しているか拒否しているかについて確認し、記載がなければデフォルト値を確認する。許容しているのであれば(S105→許容)、第一の利用者端末11aは記憶部14に保有している、自分に触れたときの感触として設定している触覚データ28を、第二の利用者端末11bへ送信する(S106)。第二の利用者端末11bは、受け取った触覚データ28を触覚提示装置24で出力させて、第二ユーザに触覚出力を提供する。第二ユーザは疑似的に第一ユーザに触れた感触を体感することができる。
【0042】
一方、拒否しているのであれば(S105→拒否)、第一の利用者端末11aは代替となる触覚データを設定しているか否かを判定する(S111)。代替触覚データを設定しているのであれば(S111→Yes)、本来の第一ユーザに触れた感触として設定されているのとは違う代替触覚データを第二の利用者端末11bへ送信する(S112)。第二の利用者端末11bはこの代替触覚データを触覚提示装置24で出力させて、第二ユーザに代替触覚出力を提供する。たとえば、触れようとした際に電撃を受けて弾かれたような感触や、壁に当たったような極端に硬い感触などである。前者の場合、例えば図7(a)に示すように、接触が拒否されたことを示す爆発や雷球のような表現をアバター間に生じさせることで、拒否されたことを明白に示すようにアプリ15が表現してもよい。なお、第二の利用者端末11bとしては、受け取った触覚データが代替触覚データであったり、拒否の信号であると判定できたら、触覚出力を提供しないように処理することもできる。
【0043】
代替触覚データが設定されていない場合(S111→No)、単純に接触を回避する。そのままではアバターが近接している状況なので、アバターの相対位置を互いに接触できないように変更させる(S115)。第一の利用者端末11aがアバター61aを自動的に離れて接触判定(S103)が生じない上記の所定の範囲外に移動させるようにしてもよい。または、第二の利用者端末11bが触覚データの代わりに、もしくは代替触覚データとともに拒否の信号を受け取ったら、自動的に所定の範囲より離れた位置に移動するようにしてもよい。いずれの場合も、所定の範囲への侵入を拒否でき、連続して接触判定はできない程度に離れることになる(図7(b))。
【0044】
この発明にかかる触覚提示システムの第二の実施形態について図8を用いて説明する。この実施形態では、個々の利用者端末11と相互に通信するサーバ71を有する。サーバ71は個々の利用者端末11を利用するユーザのアカウントを管理するとともに、ユーザがアバターの存在と表示を共有する仮想空間を管理する。個々の利用者端末11のユーザは操作用デバイス23による操作を、クライアントソフトであるアプリ15を介してサーバ71へ送信し、個々のユーザのアバターはサーバ71で許容された動作のみ仮想空間で行える。
【0045】
サーバ71は、ユーザ間の拒否設定について記録した拒否設定データベース72を有する。なおかつ、ユーザがアプリ15を介して個々の拒否設定を個別に設定できる機能を提供していると好ましい。また、特に拒否設定が変更されていない場合のデフォルト値が許容、拒否のいずれかに設定されているとよい。
【0046】
サーバ71は、個々のユーザが自分に触れた感触として設定する触覚データを保存した触覚データデータベース73を有する。この触覚データはサーバ71が用意した複数の選択肢の中からユーザが選択して指定するものでもよいし、ユーザが個別に設定できるようにしてもよい。さらにこの触覚データデータベース73には、代替触覚データも含まれているとよい。
【0047】
この実施形態において、コンピュータをサーバ71として動作させるためのプログラムとしては、個々の利用者端末11を利用するアカウントを登録するステップと、各アカウントについての拒否設定を拒否設定データベース72に登録するステップと、各アカウントについての自分に触れた感触として設定する触覚データを触覚データデータベース73に登録するか、又は触覚データと各アカウントを関連付けるステップとを事前段階として登録しておく。また、サーバ71は仮想空間を保持しその仮想空間への利用者端末11からの接続を受け付ける。その上でサーバ71は利用者端末11からの信号を受けて、自身と各利用者端末11に次のような実施形態となるようにプログラムを実行する。
【0048】
この実施形態で、仮想空間内において、第二の利用者端末11bのユーザ(第二ユーザ)がアバター61bにより、所定の範囲に入った第一の利用者端末11aのユーザ(第一ユーザ)のアバター61aに接触しようとした場合には、第二の利用者端末11bはユーザの接触しようとする意思をサーバ71に送信する。サーバ71の触覚出力拒否判定部74は、拒否設定データベース72を参照し、第一ユーザが第二ユーザに対して接触を許容しているか拒否しているかを確認する。許容されていれば、サーバ71は第一ユーザの触覚データを第二の利用者端末11bへと送信し、第二の利用者端末11bは触覚出力を第二ユーザに提供する。拒否されていれば、サーバ71は第一ユーザの触覚データの代わりに代替触覚データを送るか、又は拒否する旨の情報を第二の利用者端末11bへと送信するとともに、第二ユーザのアバターを第一ユーザのアバターの位置を基準とした所定の範囲の外へと移動させる。第二の利用者端末11bはサーバ71から受け取った代替触覚データを触覚出力するか、または拒否する旨の情報に従って自分が有する代替触覚データを触覚出力する。
【符号の説明】
【0049】
10 ネットワーク
11 利用者端末
11a 第一の利用者端末
11b 第二の利用者端末
12 通信部
13 制御部
14 記憶部
15 アプリ
20 入出力装置
21 ディスプレイ
22 スピーカ
23 操作用デバイス
24 触覚提示装置
28 触覚データ
31 ケーシング
32 円板
34 ヨーク
35 ヨーク
37 コイル
38 磁気粘性流体
39 軸受
40 基部
41 回転軸
42 パーツ
43 支点部
44 第一リンク材
45 第二リンク材
46 ピン
60 仮想空間
61a、61b アバター
62 ダイアログボックス
71 サーバ
72 拒否設定データベース
73 触覚データデータベース
74 触覚出力拒否判定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8