(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135767
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】メカナムホイールの組立方法及びメカナムホイール
(51)【国際特許分類】
B60B 19/00 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
B60B19/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023046624
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000167222
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクトマシンシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 寛之
(57)【要約】
【課題】メカナムホイールの組立性を向上させる。
【解決手段】メカナムホイール1の組立方法は、ホイール本体2に、第1及び第2プレート部材31,32を双方とも取り付ける工程と、第1挿通孔31bに軸状部材4の一端部4aを挿通させる工程と、軸状部材4を傾けた状態で、軸状部材4の他端部4b側から樽型ローラ5を挿入する工程と、第2挿通孔32bに他端部4bを挿通させることで、第1及び第2フランジ部31a,32aの間に樽型ローラ5を配置する工程と、第1挿通孔31bと軸状部材4との間に第1筒状部材61を挿入することで、第1挿通孔31bの内周面と一端部4aの外周面との隙間gを詰める工程と、軸方向の内側に向かって第1及び第2フランジ部31a,32aを撓ませつつ、該第1及び第2フランジ部31a,32aに軸状部材4を締結する工程と、を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の回転軸まわりに回転するホイール本体と、
前記ホイール本体の両端部に取り付けられる第1及び第2プレート部材と、
前記第1プレート部材の外周縁から突出する複数の第1フランジ部と、
前記第2プレート部材の外周縁から突出する複数の第2フランジ部と、
複数の前記第1フランジ部の各々に設けられる第1挿通孔と、
複数の前記第2フランジ部の各々に設けられる第2挿通孔と、
前記第1及び第2挿通孔に挿通される軸状部材により、前記回転軸に対して傾斜した傾斜軸まわりに回転するようにそれぞれ支持される複数の樽型ローラと、を備えるメカナムホイールの組立方法であって、
前記第1及び第2フランジ部は、前記傾斜軸の軸方向の内側に向かって撓むように構成され、
前記第1挿通孔の内周面と、前記軸状部材の一端部の外周面との間には、該一端部を前記第1挿通孔に挿通させた状態における、前記軸状部材の傾動を許容する隙間が設けられ、
前記組立方法は、
前記ホイール本体に、前記第1及び第2プレート部材を双方とも取り付ける工程と、
前記第1挿通孔に前記一端部を挿通させる工程と、
前記軸状部材を傾けた状態で、前記軸状部材の他端部側から前記樽型ローラを挿入する工程と、
前記第2挿通孔に前記他端部を挿通させることで、前記第1及び第2フランジ部の間に前記樽型ローラを配置する工程と、
前記第1挿通孔と前記軸状部材との間に筒状部材を挿入することで、前記第1挿通孔の内周面と前記一端部の外周面との隙間を詰める工程と、
前記傾斜軸の軸方向の内側に向かって前記第1及び第2フランジ部を撓ませつつ、該第1及び第2フランジ部に前記軸状部材を締結する工程と、を備える
ことを特徴とするメカナムホイールの組立方法。
【請求項2】
請求項1に記載されたメカナムホイールの組立方法において、
前記第2挿通孔の内周面と、前記他端部の外周面との間には、該他端部を前記第2挿通孔に挿入した状態における、前記軸状部材の傾動を許容する隙間が設けられ、
前記組立方法は、
前記他端部側からの前記樽型ローラの挿入に際し、該他端部に、前記樽型ローラの軸方向において所定の厚みを有するワッシャを挿通させる工程と、
前記他端部に前記ワッシャを挿通させた後に、前記第2挿通孔と前記軸状部材との間に第2の筒状部材を挿入することで、前記第2挿通孔の内周面と前記他端部の外周面との隙間を詰める工程と、を備え、
前記第2の筒状部材は、前記ワッシャを介して前記樽型ローラに接触するように配置される
ことを特徴とするメカナムホイールの組立方法。
【請求項3】
請求項2に記載されたメカナムホイールの組立方法において、
前記第2の筒状部材は、前記筒状部材に比して、前記樽型ローラの軸方向における厚みが小さい
ことを特徴とするメカナムホイールの組立方法。
【請求項4】
所定の回転軸まわりに回転するホイール本体と、
前記ホイール本体の両端部に取り付けられる第1及び第2プレート部材と、
前記第1プレート部材の外周縁から突出する複数の第1フランジ部と、
前記第2プレート部材の外周縁から突出する複数の第2フランジ部と、
複数の前記第1フランジ部の各々に設けられる第1挿通孔と、
複数の前記第2フランジ部の各々に設けられる第2挿通孔と、
前記第1及び第2挿通孔の各々に挿通される軸状部材により、前記回転軸に対して傾斜した傾斜軸まわりに回転するようにそれぞれ支持される複数の樽型ローラと、を備えるメカナムホイールであって、
前記第1及び第2フランジ部は、前記傾斜軸の軸方向の内側に向かって撓むように構成され、
前記第1挿通孔の内周面と、前記軸状部材の一端部の外周面との間には、該一端部を前記第1挿通孔に挿通させた状態における、前記軸状部材の傾動を許容する隙間が設けられ、
前記第1挿通孔と前記軸状部材との間に挿入され、前記第1挿通孔の内周面と前記一端部との隙間を詰める筒状部材を備える
ことを特徴とするメカナムホイール。
【請求項5】
所定の回転軸まわりに回転するホイール本体と、
前記ホイール本体の両端部に取り付けられる第1及び第2プレート部材と、
前記第1及び第2プレート部材それぞれの外周縁から突出する複数のフランジ部と、
複数の前記フランジ部の各々に設けられる挿通孔と、
前記挿通孔に挿通される軸状部材により、前記回転軸に対して傾斜した傾斜軸まわりに回転するようにそれぞれ支持される複数の樽型ローラと、を備えるメカナムホイールの組立方法であって、
前記フランジ部は、前記傾斜軸の軸方向の内側に向かって撓むように構成され、
前記組立方法は、
前記ホイール本体に、前記第1及び第2プレート部材を双方とも取り付ける工程と、前記樽型ローラの両端部、又は、該両端部に向かい合う前記フランジ部の表面に、前記樽型ローラの軸方向において所定の厚みを有するワッシャを付着させる工程と、
前記第1及び第2プレート部材それぞれの前記フランジ部の間に、前記ワッシャを介して前記樽型ローラを配置する工程と、
前記樽型ローラ及び前記挿通孔に、前記軸状部材を挿通させる工程と、
前記傾斜軸の軸方向の内側に向かって前記フランジ部を撓ませつつ、該フランジ部に前記軸状部材を締結する工程と、を備える
ことを特徴とするメカナムホイールの組立方法。
【請求項6】
請求項5に記載されたメカナムホイールの組立方法において、
前記ワッシャは、粘着性を有するシール面を有し、
前記ワッシャは、前記樽型ローラの少なくとも一端部、又は、該一端部に向かい合う前記フランジ部の表面に対し、前記シール面を介して付着される
ことを特徴とするメカナムホイールの組立方法。
【請求項7】
所定の回転軸まわりに回転するホイール本体と、
前記ホイール本体の両端部に取り付けられる第1及び第2プレート部材と、
前記第1及び第2プレート部材それぞれの外周縁から突出する複数のフランジ部と、
複数の前記フランジ部の各々に設けられる挿通孔と、
前記挿通孔の各々に挿通される軸状部材により、前記回転軸に対して傾斜した傾斜軸まわりに回転するようにそれぞれ支持される複数の樽型ローラと、を備えるメカナムホイールであって、
前記フランジ部は、前記傾斜軸の軸方向の内側に向かって撓むように構成され、
前記樽型ローラの両端部、又は、該両端部に向かい合う前記フランジ部の表面に付着され、前記樽型ローラの軸方向において所定の厚みを有するワッシャを備え、
前記樽型ローラは、前記第1及び第2プレート部材それぞれの前記フランジ部の間に、前記ワッシャを介して配置される
ことを特徴とするメカナムホイール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、メカナムホイールの組立方法及びメカナムホイールに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、いわゆるメカナムホイールが開示されている。このメカナムホイールは、一対の支持部材を有するホイール本体(ホイール体)と、一対の支持部材の間に配置される複数の樽型ローラ(バレル)と、を備えている。ここで、各樽型ローラは、軸状部材(バレルシャフト)によって回転可能に支持されている。各樽型ローラの回転軸は、ホイール本体の回転軸に対して傾斜している。この特許文献1において、各樽型ローラの位置決めは、止め輪によって行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1に記載されているように止め輪によって位置決めした場合、各樽型ローラのガタつき(特に、軸方向のガタつき)が懸念される。これを抑制するためには、前述の如き支持部材に、軸状部材が挿通されるフランジ部を設けるとともに、そのフランジ部によって各樽型ローラを軸方向の両側から挟み込んで予圧することが考えられる。
【0005】
しかしながら、一般的なメカナムホイールにおいては、各樽型ローラの回転軸に対し、ホイール本体の回転軸が傾斜するようになっている。そのため、前述の手法を採用した場合、樽型ローラの回転軸に沿わせた姿勢(ホイール本体の回転軸に対して斜めにした姿勢)で各フランジ部の間に樽型ローラを保持するとともに、その樽型ローラに軸状部材を挿通させる必要がある。その際、各軸状部材と支持部材との間のガタつき、各軸状部材に取り付けられるワッシャ等の脱落が懸念される。メカナムホイールの組立性を向上させるためには、そうした懸念事項を払拭することが望まれる。
【0006】
ここに開示する技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、樽型ローラのガタつきを抑制しつつ、メカナムホイールの組立性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の態様は、所定の回転軸まわりに回転するホイール本体と、前記ホイール本体の両端部に取り付けられる第1及び第2プレート部材と、前記第1プレート部材の外周縁から突出する複数の第1フランジ部と、前記第2プレート部材の外周縁から突出する複数の第2フランジ部と、複数の前記第1フランジ部の各々に設けられる第1挿通孔と、複数の前記第2フランジ部の各々に設けられる第2挿通孔と、前記第1及び第2挿通孔に挿通される軸状部材により、前記回転軸に対して傾斜した傾斜軸まわりに回転するようにそれぞれ支持される複数の樽型ローラと、を備えるメカナムホイールの組立方法に係る。
【0008】
前記第1の態様によれば、前記第1及び第2フランジ部は、前記傾斜軸の軸方向の内側に向かって撓むように構成され、前記第1挿通孔の内周面と、前記軸状部材の一端部の外周面との間には、該一端部を前記第1挿通孔に挿通させた状態における、前記軸状部材の傾動を許容する隙間が設けられ、前記組立方法は、前記ホイール本体に、前記第1及び第2プレート部材を双方とも取り付ける工程と、前記第1挿通孔に前記一端部を挿通させる工程と、前記軸状部材を傾けた状態で、前記軸状部材の他端部側から前記樽型ローラを挿入する工程と、前記第2挿通孔に前記他端部を挿通させることで、前記第1及び第2フランジ部の間に前記樽型ローラを配置する工程と、前記第1挿通孔と前記軸状部材との間に筒状部材を挿入することで、前記第1挿通孔の内周面と前記一端部の外周面との隙間を詰める工程と、前記傾斜軸の軸方向の内側に向かって前記第1及び第2フランジ部を撓ませつつ、該第1及び第2フランジ部に前記軸状部材を締結する工程と、を備える。
【0009】
前記第1の態様によると、各軸状部材と各第1挿通孔との間には、筒状部材によって詰められる程度の隙間が存在する。このような隙間を設けることで、第1挿通孔に軸状部材の一端部を挿通した状態で、その軸状部材を斜めに傾けることが許容される。そして、軸状部材の他端部側から樽型ローラ、ワッシャ等を挿入して軸状部材に支持させた後、その他端部を第2挿通孔に挿通する。このように、第1及び第2フランジ部の間に樽型ローラを挟んだ後に軸状部材を挿通させるのではなく、軸状部材の一端部を挿通させた後に他端側から樽型ローラ等を挿入するように構成したことで、ワッシャ等の脱落が抑制されて、メカナムホイールの組立性が確保される。
【0010】
また、締結に際し、第1及び第2フランジ部を軸方向の内側に撓み変形させることになるため、軸方向におけるガタつきの発生を抑制することができる。
【0011】
また、各軸状部材と各第1挿通孔との間の隙間は、第1フランジ部への締結に先だって、筒状部材によって詰められる。筒状部材によって隙間を詰めることで、締結後の各軸状部材と、各第1フランジ部との間のガタつきが抑制される。各軸状部材と各第1フランジ部との間のガタつきを抑制することは、メカナムホイールの静粛性を高める上でも有効である。
【0012】
このように、前記第1の態様によれば、各第1及び第2フランジ部の間に樽型ローラを挟み込んだ後に軸状部材を挿通せずとも、樽型ローラのガタつきを抑制しつつ、メカナムホイールの組立性を向上させることができる。
【0013】
また、本開示の第2の態様によれば、前記第2挿通孔の内周面と、前記他端部の外周面との間には、該他端部を前記第2挿通孔に挿通させた状態における、前記軸状部材の傾動を許容する隙間が設けられ、前記組立方法は、前記他端部側からの前記樽型ローラの挿入に際し、該他端部に、前記樽型ローラの軸方向において所定の厚みを有するワッシャを挿通させる工程と、前記他端部に前記ワッシャを挿通させた後に、前記第2挿通孔と前記軸状部材との間に第2の筒状部材を挿入することで、前記第2挿通孔の内周面と前記他端部の外周面との隙間を詰める工程と、を備え、前記第2の筒状部材は、前記ワッシャを介して前記樽型ローラ一端部に接触するように配置される、としてもよい。
【0014】
前記第2の態様によると、軸状部材の一端側ばかりでなく、他端側にも隙間が設けられることになる。これにより、第1プレート部材と第2プレート部材とで部品共通化を図ることができ、製造コストを抑制する上で有利になる。
【0015】
さらに、前記第2の態様によると、第2の筒状部材は、ワッシャを介して樽型ローラの他端部に接触する。軸方向(前記傾斜軸に沿った方向)に沿ってワッシャを接触させることで、当該方向における部材間のガタつきを抑制することができる。
【0016】
また、仮に軸状部材の一端側にワッシャを配置するように構成した場合、軸状部材を傾けようとしたときに、そのワッシャが傾動の妨げとなる可能性がある。それに対し、軸状部材の他端側にワッシャを配置するように構成することで、ワッシャによる妨げが生じないように構成することができる。
【0017】
また、軸状部材の他端部から樽型ローラが挿入されることになるため、その挿入に併せてワッシャを挿通させることができるようになる。このことは、メカナムホイールの組立性の向上に資する。
【0018】
また、本開示の第3の態様によれば、前記第2の筒状部材は、前記筒状部材に比して、前記樽型ローラの軸方向における厚みが小さい、としてもよい。
【0019】
仮に、ワッシャを樽型ローラの他端部に取り付けるとともに、その一端部にはワッシャを取り付けないように構成した場合、ワッシャの厚みの分、軸方向における樽型ローラのズレが懸念される。
【0020】
これに対し、前記第3の態様のように、ワッシャの厚みに応じて、樽型ローラの一端側と他端側とで筒状部材の寸法を相違させることで、前述の如きズレを抑制することができる。このことは、メカナムホイールの組立性の向上に資する。
【0021】
本開示の第4の態様は、所定の回転軸まわりに回転するホイール本体と、前記ホイール本体の両端部に取り付けられる第1及び第2プレート部材と、前記第1プレート部材の外周縁から突出する複数の第1フランジ部と、前記第2プレート部材の外周縁から突出する複数の第2フランジ部と、複数の前記第1フランジ部の各々に設けられる第1挿通孔と、複数の前記第2フランジ部の各々に設けられる第2挿通孔と、前記第1及び第2挿通孔の各々に挿通される軸状部材により、前記回転軸に対して傾斜した傾斜軸まわりに回転するようにそれぞれ支持される複数の樽型ローラと、を備えるメカナムホイールに係る。
【0022】
前記第4の態様によれば、前記第1及び第2フランジ部は、前記傾斜軸の軸方向の内側に向かって撓むように構成され、前記第1挿通孔の内周面と、前記軸状部材の一端部の外周面との間には、該一端部を前記第1挿通孔に挿通させた状態における、前記軸状部材の傾動を許容する隙間が設けられる。そして、前記メカナムホイールは、前記第1挿通孔と前記軸状部材との間に挿入され、前記第1挿通孔の内周面と前記一端部との隙間を詰める筒状部材を備える。
【0023】
前記第4の態様によると、各軸状部材と各第1挿通孔との間には、筒状部材によって詰められる程度の隙間が存在する。このような隙間を設けることで、第1挿通孔に軸状部材の一端部を挿通した状態で、その軸状部材を斜めに傾けることが許容される。そして、軸状部材の他端部側から樽型ローラ、ワッシャ等を挿入して軸状部材に支持させた後、その他端部を第2挿通孔に挿通する。このように、第1及び第2フランジ部の間に樽型ローラを挟んだ後に軸状部材を挿通させるのではなく、軸状部材の一端部を挿通させた後に他端側から樽型ローラ等を挿入するように構成したことで、ワッシャ等の脱落が抑制されて、メカナムホイールの組立性が確保される。
【0024】
また、締結に際し、第1及び第2フランジ部を軸方向の内側に撓み変形させることができるため、軸方向におけるガタつきの発生を抑制することができる。
【0025】
また、各軸状部材と各第1挿通孔との間の隙間を筒状部材によって詰めることで、締結後の各軸状部材と、各第1フランジ部との間のガタつきが抑制される。各軸状部材と各第1フランジ部との間のガタつきを抑制することは、メカナムホイールの静粛性を高める上でも有効である。
【0026】
このように、前記第4の態様によれば、各第1及び第2フランジ部の間に樽型ローラを挟み込んだ後に軸状部材を挿通せずとも、樽型ローラのガタつきを抑制しつつ、メカナムホイールの組立性を向上させることができる。
【0027】
本開示の第5の態様は、所定の回転軸まわりに回転するホイール本体と、前記ホイール本体の両端部に取り付けられる第1及び第2プレート部材と、前記第1及び第2プレート部材それぞれの外周縁から突出する複数のフランジ部と、複数の前記フランジ部の各々に設けられる挿通孔と、前記挿通孔に挿通される軸状部材により、前記回転軸に対して傾斜した傾斜軸まわりに回転するようにそれぞれ支持される複数の樽型ローラと、を備えるメカナムホイールの組立方法に係る。
【0028】
前記第5の態様によれば、前記フランジ部は、前記傾斜軸の軸方向の内側に向かって撓むように構成される。そして、前記組立方法は、前記ホイール本体に、前記第1及び第2プレート部材を双方とも取り付ける工程と、前記樽型ローラの両端部、又は、該両端部に向かい合う前記フランジ部の表面に、前記樽型ローラの軸方向において所定の厚みを有するワッシャを付着させる工程と、前記第1及び第2プレート部材それぞれの前記フランジ部の間に、前記ワッシャを介して前記樽型ローラを配置する工程と、前記樽型ローラ及び前記挿通孔に、前記軸状部材を挿通させる工程と、前記傾斜軸の軸方向の内側に向かって前記フランジ部を撓ませつつ、該フランジ部に前記軸状部材を締結する工程と、を備える。
【0029】
各フランジ部の間に樽型ローラを挟んだ後に軸状部材を挿通させる場合、各樽型ローラのガタつきを抑制するためには、各フランジ部と樽型ローラとの間にワッシャを介在させることが考えられる。しかしながら、ワッシャと樽型ローラとを同時に支えることは容易ではないため、ワッシャ等の脱落による組立性の悪化が懸念される。
【0030】
これに対し、前記第5の態様によると、ガタつきを抑制するためのワッシャを、事前に付着させる。これにより、ワッシャの脱落が抑制されて、メカナムホイールの組立性が確保される。
【0031】
また、締結に際し、各フランジ部を軸方向の内側に撓み変形させることになるため、軸方向におけるガタつきの発生を抑制することができる。
【0032】
このように、前記第5の態様によれば、各フランジ部の間に樽型ローラを挟んだ後に軸状部材を挿通させるような構成であっても、樽型ローラのガタつきを抑制しつつ、メカナムホイールの組立性を向上させることができる。
【0033】
また、本開示の第6の態様によれば、前記ワッシャは、粘着性を有するシール面を有し、前記ワッシャは、前記樽型ローラの少なくとも一端部、又は、該一端部に向かい合う前記フランジ部の表面に対し、前記シール面を介して付着される、としてもよい。
【0034】
前記第6の態様によると、ワッシャは、粘着性を有するシール面を介して、樽型ローラ又はフランジ部に付着される。ワッシャにシール面を設けておくことで、ネジ、接着剤等を用いずとも、ワッシャを付着させることが可能になる。このことは、メカナムホイールの組立性の向上に資する。
【0035】
本開示の第7の態様は、所定の回転軸まわりに回転するホイール本体と、前記ホイール本体の両端部に取り付けられる第1及び第2プレート部材と、前記第1及び第2プレート部材それぞれの外周縁から突出する複数のフランジ部と、前記複数のフランジ部の各々に設けられる挿通孔と、前記挿通孔の各々に挿通される軸状部材により、前記回転軸に対して傾斜した傾斜軸まわりに回転するようにそれぞれ支持される複数の樽型ローラと、を備えるメカナムホイールに係る。
【0036】
前記第7の態様によれば、前記フランジ部は、前記傾斜軸の軸方向の内側に向かって撓むように構成される。そして、前記メカナムホイールは、前記樽型ローラの両端部、又は、該両端部に向かい合う前記フランジ部の表面に付着され、前記樽型ローラの軸方向において所定の厚みを有するワッシャを備え、前記樽型ローラは、前記第1及び第2プレート部材それぞれの前記フランジ部の間に、前記ワッシャを介して配置される。
【0037】
各フランジ部の間に樽型ローラを挟んだ後に軸状部材を挿通させる場合、各樽型ローラのガタつきを抑制するためには、各フランジ部と樽型ローラとの間にワッシャを介在させることが考えられる。しかしながら、ワッシャと樽型ローラとを同時に支えることは容易ではないため、ワッシャ等の脱落による組立性の悪化が懸念される。
【0038】
これに対し、前記第7の態様によると、ガタつきを抑制するためのワッシャを、事前に付着させておくことが可能になる。これにより、組立時におけるワッシャの脱落が抑制されて、メカナムホイールの組立性が確保される。
【0039】
また、締結に際し、各フランジ部を軸方向の内側に撓み変形させることになるため、軸方向におけるガタつきの発生を抑制することができる。
【0040】
このように、前記第7の態様によれば、各フランジ部の間に樽型ローラを挟んだ後に軸状部材を挿通させるような構成であっても、樽型ローラのガタつきを抑制しつつ、メカナムホイールの組立性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0041】
以上説明したように、本開示によれば、メカナムホイールの組立性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図2】ホイール本体並びに第1及び第2プレート部材の構成を例示する分解図である。
【
図3】ホイール本体並びに第1及び第2プレート部材の構成を例示する側面図である。
【
図4】第1の組立方法に係るメカナムホイールの組立工程を例示する分解図である。
【
図5】第1の組立方法に係るメカナムホイールの組立工程を例示する分解図である。
【
図6A】第1の組立方法に係るメカナムホイールの組立工程を、軸状部材の一端側について例示する拡大断面図である。
【
図6B】第1の組立方法に係るメカナムホイールの組立工程を、軸状部材の他端側について例示する拡大断面図である。
【
図7A】第1の組立方法に係るメカナムホイールの組立工程を、軸状部材の一端側について例示する側面図である。
【
図7B】第1の組立方法に係るメカナムホイールの組立工程を、軸状部材の他端側について例示する側面図である。
【
図8】第1筒状部材と第2筒状部材の寸法を比較した側面図である。
【
図9】第1の組立方法の手順を例示したフローチャートである。
【
図10A】第2の組立方法に係る樽型ローラの組立工程を例示する断面図である。
【
図10B】第2の組立方法に係る樽型ローラの組立工程を例示する断面図である。
【
図10C】第2の組立方法に係る樽型ローラの組立工程を例示する断面図である。
【
図10D】第2の組立方法に係る樽型ローラの組立工程を例示する断面図である。
【
図10E】第2の組立方法に係る樽型ローラの組立工程を例示する断面図である。
【
図11】第2の組立方法に係るメカナムホイールの組立工程を例示する部分断面図である。
【
図12】第2の組立方法に係るメカナムホイールの組立工程を例示する部分断面図である。
【
図13A】第2の組立方法に係る第1ワッシャを例示する図である。
【
図13B】第2の組立方法に係る第2ワッシャを例示する図である。
【
図14】第2の組立方法の手順を例示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本開示の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0044】
図1は、メカナムホイール1,101の構成例を示す図である。また、
図2は、ホイール本体2並びに第1及び第2プレート部材31,32の構成を例示する分解図であり、
図3は、その側面図である。
【0045】
以下、第1の組立方法と第2の組立方法とを順番に説明するが、第1の組立方法によって得られるメカナムホイール1と、第2の組立方法によって得られるメカナムホイール101とは、
図1に示すように、側方から見た外観については同一になる。
【0046】
また、第1の組立方法で用いられるホイール本体2並びに第1及び第2プレート部材31,32と、第2の組立方法で用いられるホイール本体2並びに第1及び第2プレート部材31,32とは、外観ばかりでなく、その内部構造も同一となる。
【0047】
また、第1の組立方法によって得られるメカナムホイール1と、第2の組立方法によって得られるメカナムホイール101とは、それぞれの樽型ローラ5,105の構成(特に内部構造)が相違するようになっている。
【0048】
以下、第1の組立方法、及び、該組立方法によって得られるメカナムホイール1の構成と、第2の組立方法、及び、該組立方法によって得られるメカナムホイール101の構成と、について順番に説明する。
【0049】
<第1の組立方法>
図4及び
図5は、第1の組立方法に係るメカナムホイール1の組立工程を例示する分解図であり、
図6A及び
図6Bは、その組立工程を軸状部材4の一端側及び他端側について例示する拡大断面図である。また、
図7A及び
図7Bは、第1の組立方法に係るメカナムホイール1の組立工程を、軸状部材4の一端側及び他端側について例示する側面図である。また、
図8は、第1筒状部材61と第2筒状部材62の寸法を比較した側面図である。
【0050】
第1の組立方法に係るメカナムホイール1は、ホイール本体2と、第1及び第2プレート部材31,32と、複数のフランジ部31a,32aと、複数の挿通孔31b,32bと、複数の軸状部材4と、複数の樽型ローラ5と、を備えている。
【0051】
ホイール本体2は、所定の回転軸O1まわりに回転するようになっている。ホイール本体2は、例えば、車軸(不図示)を挿通可能な円筒状に形成されている。
【0052】
第1及び第2プレート部材31,32は、ホイール本体2の両端部(円筒の両頂面)に取り付けられる。第1及び第2プレート部材31,32は、それぞれ、ホイール本体2よりも大径の円板状に形成されている。第1及び第2プレート部材31,32は、互いに略同じ厚みを有する。
【0053】
複数のフランジ部31a,32aは、第1及び第2プレート部材31,32それぞれの外周縁から突出する。以下、第1プレート部材31から突出するフランジ部31aを第1フランジ部31aと呼称し、第2プレート部材32から突出するフランジ部32aを第2フランジ部32aと呼称する。第1フランジ部31aの個数と、第2フランジ部32aの個数は同じである。
【0054】
複数の第1フランジ部31aは、それぞれ、第1プレート部材31を円板とみなしたときの中心軸(
図2及び
図3では、前記回転軸O1に一致)に対して傾斜している。各第1フランジ部31aは、第1プレート部材31と略同じ厚みを有する板状に形成されている。
【0055】
同様に、複数の第2フランジ部32aは、それぞれ、第2プレート部材32を円板とみなしたときの中心軸(
図2及び
図3では、前記回転軸O1に一致)に対して傾斜している。各第2フランジ部32aは、第2プレート部材32と略同じ厚みを有する板状に形成されている。
【0056】
複数の挿通孔31b,32bは、それぞれ、複数のフランジ部31a,32aの各々に設けられている。以下、各第1フランジ部31aに設けられる挿通孔31bを第1挿通孔31bと呼称し、各第2フランジ部32aに設けられる挿通孔32bを第2挿通孔32bと呼称する。
【0057】
複数の第1挿通孔31bは、それぞれ、第1フランジ部31aを厚み方向に貫く貫通孔として設けられている。同様に、複数の第2挿通孔32bは、それぞれ、第2フランジ部32aを厚み方向に貫く貫通孔として設けられている。
【0058】
メカナムホイール1の組み立てに際しては、まず、ホイール本体2に、第1及び第2プレート部材31,32が双方とも取り付けられる(第1の組立方法と第2の組立方法とで共通する工程)。その際、第1プレート部材31は、ホイール本体2の一端部に締結される。第2プレート部材32は、ホイール本体2の他端部に締結される。なお、ここでいう「ホイール本体2の一端部」とは、回転軸O1に沿った軸方向の一端部をいう。同様に、ここでいう「ホイール本体2の他端部」とは、回転軸O1に沿った軸方向における、前記一端部の反対側に位置する端部をいう。
【0059】
詳細には、第1及び第2プレート部材31,32の締結に際しては、
図3に示すように、第1フランジ部31aと、第2フランジ部32aとが向かい合わせになるように位置調整される。
【0060】
さらに詳細には、第1及び第2プレート部材31,32の締結に際しては、第1挿通孔31bを貫く中心軸と、第2挿通孔32bを貫く中心軸とが同心になるように位置調整される。この中心軸が、
図3等に示す傾斜軸O2に相当する。傾斜軸O2は、前述の回転軸O1に対して傾斜している。
【0061】
また、前述の第1及び第2フランジ部31a,32aは、それぞれ、傾斜軸O2の軸方向の内側に向かって撓むように構成されている。第1及び第2フランジ部31a,32aの撓み変形を許容することで、後述のように、軸方向における樽型ローラ5のガタつきを抑制することが可能となる。
【0062】
また、第1挿通孔31bと、該第1挿通孔31bに向かい合う第2挿通孔32bとには、
図1及び後述の
図4に示すような軸状部材4が挿通される(挿通の詳細は後述)。軸状部材4は、円形の断面を有する棒状の部材として構成されている。
【0063】
また、複数の樽型ローラ5は、それぞれ、軸状部材4により支持される。複数の樽型ローラ5は、傾斜軸O2まわりに回転するようにそれぞれ支持される。
【0064】
以下、第1の組立方法について詳細に説明する。なお、以下の説明において、「軸状部材4の一端部4a」とは、
図4の紙面上で見た下端部及び
図5の紙面上で見た左端部をいう。また、「軸状部材4の他端部4b」とは、
図4の紙面上で見た軸状部材4の上端部及び
図5の紙面上で見た右端部をいう。これらの定義については、
図4及び
図5中の両矢印も参照されたい。また、以下の記載における「軸方向」とは、特段の断りが無い限り、軸状部材4の軸方向をいう。
【0065】
同様に、「樽型ローラ5の一端部5a」及び「ゴムローラ51の一端部」なる語についても、第1の組立方法においては、
図4の紙面上で見た下端部及び
図5の紙面上で見た左端部をいう。また、「樽型ローラ5の他端部5b」及び「ゴムローラ51の他端部」なる語についても、
図4の紙面上で見た上端部及び
図5の紙面上で見た右端部をいう。
【0066】
図9は、第1の組立方法の手順を例示したフローチャートである。第1の組立方法は、以下に説明するステップS1~ステップS6によって構成されている。
【0067】
(ステップS1)
前述のように、まず、ホイール本体2に、第1及び第2プレート部材31,32を双方とも取り付ける。その際、第1フランジ部31aと、第2フランジ部32aとが向かい合わせになるように位置調整される。
【0068】
(ステップS2)
続いて、
図4に示すように、第1挿通孔31bに、軸状部材4の一端部4aを挿通させる。
【0069】
ここで、第1の組立方法に係るメカナムホイール1では、軸状部材4の一端部4aの外周面は、第1挿通孔31bの内周面と比べて小径とされている。同様に、軸状部材4の他端部4bの外周面は、第2挿通孔32bの内周面と比べて小径とされている。言い換えると、軸状部材4の両端部4a,4bの外径は、第1及び第2挿通孔31b,32bの穴径よりも小径とされている。
【0070】
軸状部材4の両端部4a,4bを相対的に小径にしたことで、第1挿通孔31bの内周面と、その第1挿通孔31bに挿通させた軸状部材4の一端部4aの外周面との間には、
図7Aに示すような隙間gが設けられることになる。この隙間gは、前記一端部4aを第1挿通孔31bに挿入した状態における、軸状部材4の傾動(軸状部材4を傾けようとする動作)を許容するものである。
【0071】
そのような隙間gが存在することで、軸状部材4を、
図4に示すように傾斜軸O2に対して傾けた姿勢とすることが許容される。そうした姿勢とすることで、軸状部材4の他端部4b側から、樽型ローラ5を構成する種々の部材51~57を挿通することが許容される。
【0072】
なお、本実施形態では、
図7Bに示すように、第2挿通孔32bの内周面と、軸状部材4の他端部4bの外周面との間にも、該他端部4bを第2挿通孔32bに挿入した状態における、軸状部材4の傾動を許容する隙間gが設けられるようになっている。このように構成することで、第1プレート部材31と第2プレート部材32との部品共通化を図ることができる。
【0073】
(ステップS3)
そこで、続くステップS3では、軸状部材4を傾けた状態で、その軸状部材4の他端部4b側から少なくとも樽型ローラ5を挿入する。詳しくは、このステップS3では、傾斜軸O2に対して傾けた姿勢とされた軸状部材4に対し、その他端部4bから第1及び第2ベアリング54,55と、ゴムローラ51、芯金52及びパイプ53と、ワッシャ56と、ゴムワッシャ57とを挿通させる(パイプ53は、
図6A及び
図6Bにのみ図示)。これらの部材51~57は、樽型ローラ5を構成している。ゆえに、軸状部材4にこれらの部材51~57を挿通させて固定することで、その軸状部材4に樽型ローラ5を支持させたことになる。
【0074】
詳細には、芯金52及びパイプ53は、ゴムローラ51に取り付けられた状態で軸状部材4に挿通される。樽型ローラ5の一端部5aに取り付けられる第1ベアリング54は、芯金52、パイプ53及びゴムローラ51への取付が完了した状態で軸状部材4に挿通してもよい。同様に、樽型ローラ5の他端部5bに取り付けられる第2ベアリング55、ワッシャ56及びゴムワッシャ57は、芯金52、パイプ53及びゴムローラ51への取付が完了した状態で軸状部材4に挿通してもよい。
【0075】
なお、ゴムローラ51は、ゴム製かつ中空のローラである。芯金52は、ゴムローラ51の中空部にライニング接着される金属製の円筒部材である。パイプ53は、芯金52の内周に挿入される部材である。
【0076】
ゴムローラ51の他端部付近では、パイプ53、第2ベアリング55、ワッシャ56及びゴムワッシャ57の順番で、紙面下方から配置されている。ゴムローラ51の一端部付近では、パイプ53及び第1ベアリング54の順番で、紙面上方から配置されている。
【0077】
ここで、第1ベアリング54は、芯金52及びパイプ53を介してゴムローラ51の一端部に圧入される軸受である。第2ベアリング55は、芯金52及びパイプ53を介してゴムローラ51の他端部に圧入される軸受である。ワッシャ56は、パイプ53とともに第2ベアリング55を挟持する座金である。ゴムワッシャ57は、第2ベアリング55とともにパイプ53を挟持するとともに、軸方向の隙間を吸収する弾性体である。
【0078】
ワッシャ56及びゴムワッシャ57は、双方とも、軸状部材4及び樽型ローラ5の軸方向において所定の厚みを有する。このステップS3において、ワッシャ56及びゴムワッシャ57は、少なくとも、樽型ローラ5の前記他端部5bに取り付ければよい。本実施形態では、ワッシャ56及びゴムワッシャ57が、軸状部材4の他端部41bに挿通されている。
【0079】
(ステップS4)
続いて、ステップS4では、第2挿通孔32bに、軸状部材4の他端部4bを挿通させる。詳しくは、このステップS4では、第1及び第2挿通孔31b,32bのうちの他方(図例では第2挿通孔32b)に、軸状部材4(特に、軸状部材4の他端部4b)を挿通させる。これにより、傾斜軸O2に対する軸状部材4の傾きが解消される。その結果、
図5に示すように、第1及び第2挿通孔31b,32bの内周面と軸状部材4の外周面(特に、両端部4a,4bの外周面)との間に隙間gが存する状態で、第1及び第2プレート部材31,32それぞれのフランジ部31a,32aの間に樽型ローラ5が配置されることになる。
【0080】
(ステップS5)
続いて、同じく
図5に示すように、第1及び第2挿通孔31b,32bと軸状部材4との間に筒状部材61,62を挿入することで、第1及び第2挿通孔31b,32bの内周面と、軸状部材4の外周面(特に、両端部4a,4bの外周面)との隙間を詰める。
【0081】
ここで、筒状部材61,62は、軸状部材4の一端部4aに挿入される第1筒状部材(筒状部材)61と、軸状部材4の他端部4bに挿入される第2筒状部材(第2の筒状部材)62と、によって構成されている。
【0082】
ここで、第1筒状部材61は、
図6Aに示すように、第1ベアリング54を介して、樽型ローラ5の一端部5aに接触するように配置されている。
【0083】
一方、第2筒状部材62は、
図6Bに示すように、第2ベアリング55、ワッシャ56及びゴムワッシャ57を介して樽型ローラ5の他端部5bに接触するように配置されている。ゴムワッシャ57に第2筒状部材62が接触することで、
図6Bに示すように、ゴムワッシャ57の少なくとも一部が軸方向に圧縮される。この圧縮により、軸方向におけるガタつきを抑制することができる。
【0084】
また、ワッシャ56及びゴムワッシャ57の厚みの分、第2筒状部材62は、第1筒状部材61に比して、軸方向における厚みが小さい。これにより、樽型ローラ5の一端側と他端側とで、軸方向の位置ズレを抑制することが可能になる。例えば
図8に示すように、軸方向における第2筒状部材62の厚みをw2とし、同方向における第1筒状部材61の厚みをw1とすると、w2<w1の関係が成立するように構成されている。厚みの差分|w1-w2|は、ワッシャ56及びゴムワッシャ57が軸方向に厚くなる程大きくなるように設定されている。このように設定することで、軸方向の位置ズレをより適切に抑制することが可能になる。
【0085】
(ステップS6)
続いて、
図6A及び
図6Bに示すように、傾斜軸O2に沿った軸方向の内側に向かって第1及び第2フランジ部31a,32aを撓ませつつ、該第1及び第2フランジ部31a,32aに軸状部材4を締結する。この締結は、例えば、ナット状の締結部材7によって実現することができる。この締結により、第1及び第2フランジ部31a,32aがそれぞれ撓み変形する。この変形により、第1及び第2フランジ部31a,32aと、パイプ53と、第1及び第2ベアリング54,55と、ワッシャ56及びゴムワッシャ57と、第1及び第2筒状部材61,62とが密着し、隙間のない強固な組み付けが実現される。
【0086】
なお、前述のような撓み変形を許容すべく、樽型ローラ5と第1及び第2筒状部材61,62とを合わせた長さ(傾斜軸O2又は樽型ローラ5の軸方向における長さ)は、第1フランジ部31aから、その第1フランジ部31aに向かい合う第2フランジ部32aに至るまでの長さ(特に、非締結状態における長さ)以下となるように設定されている。
【0087】
以上の工程を複数の樽型ローラ5の各々について行うことで、第1の組立方法に係るメカナムホイール1が組み立てられることになる。
【0088】
<第2の組立方法>
続いて第2の組立方法について詳細に説明する。
図10A~
図10Eは、それぞれ、第2の組立方法に係る樽型ローラ105の組立工程を例示する断面図である。また、
図11及び
図12は、第2の組立方法に係るメカナムホイール101の組立工程を例示する部分断面図であり、
図13Aは、第2の組立方法に係る第1ワッシャ161を例示する図であり、
図13Bは、第2の組立方法に係る第2ワッシャ162を例示する図である。
【0089】
第2の組立方法に係るメカナムホイール101は、第1の組立方法と同様に、ホイール本体2、第1及び第2プレート部材31,32、複数のフランジ部31a,32a、及び複数の挿通孔31b,32bと、第1の組立方法とは異なる構成とされた複数の樽型ローラ105と、を備えている。
【0090】
すなわち、
図1~
図3を用いて説明したように、ホイール本体2は、所定の回転軸O1まわりに回転する。第1及び第2プレート部材31,32は、ホイール本体2の両端部に取り付けられる。複数のフランジ部31a,32aは、第1及び第2プレート部材31,32それぞれの外周縁から突出する。挿通孔31b,32bは、複数のフランジ部31a,32aの各々に設けられる。複数の樽型ローラ105は、挿通孔31b,32bに挿通される軸状部材4によって、回転軸O1に対して傾斜した傾斜軸O2まわりに回転するようにそれぞれ支持される。第2の組立方法では、樽型ローラ105の詳細が、第1の組立方法に係る樽型ローラ5とは相違している。
【0091】
図14は、第2の組立方法の手順を例示したフローチャートである。第2の組立方法は、以下に説明するステップS101~ステップS106によって構成されている。
【0092】
(ステップS101)
第1の組立方法と同様に、まず、ホイール本体2に、第1及び第2プレート部材31,32を双方とも取り付ける。その際、第1フランジ部31aと、第2フランジ部32aとが向かい合わせになるように位置調整される。
【0093】
(ステップS102)
続いて、第2の組立方法に係る樽型ローラ105を組み立てる。
【0094】
具体的に、
図10Aに例示するように、ゴムローラ151の中空部に、芯金152をライニング接着する。それに続き、
図10Bに例示するように、芯金152の一端部152aに、第1ベアリング154を圧入する。それに続き、
図10Cに例示するように、芯金152の中央部に、パイプ153を挿入する。それに続き、
図10Dに例示するように、芯金152の他端部152bに、第2ベアリング155を圧入する。
【0095】
なお、第2の組立方法に係るゴムローラ151、芯金152、パイプ153、第1ベアリング154及び第2ベアリング155の構成及び組立手順は、第1の組立方法に係るゴムローラ51、芯金52、パイプ53、第1ベアリング54及び第2ベアリング55の構成及び組立手順と同一である。
【0096】
(ステップS103)
続いて、樽型ローラ105の両端部105a,105b、又は、該両端部に向かい合うフランジ部31a,32aの表面に、樽型ローラ105の軸方向において所定の厚みを有するワッシャ161,162を付着させる。
図10Eに示す例では、樽型ローラ105の両端部105a,105bにワッシャ161,162が付着されるようになっている。
【0097】
ここで、ワッシャ161,162は、樽型ローラ105の一端部105aに付着される第1ワッシャ161と、樽型ローラ105の他端部105bに付着される第2ワッシャ162と、によって構成されている(
図10D及び
図10Eを参照)。
【0098】
図13Aに示すように、第1ワッシャ161は、粘着性を有する第1シール面161aを有している。第1ワッシャ161は、樽型ローラ105の一端部105a、又は、該一端部105aに向かい合う第1フランジ部31aの表面に対し、その第1シール面161aを介して付着される。
【0099】
同様に、
図13Bに示すように、第2ワッシャ162は、粘着性を有する第2シール面162aを有している。第2ワッシャ162は、樽型ローラ105の他端部105b、又は、該他端部105bに向かい合う第2フランジ部32aの表面に対し、その第2シール面162aを介して付着される。
【0100】
(ステップS104)
続いて、
図11に例示するように、第1及び第2プレート部材31,32それぞれのフランジ部31a,32aの間に、第1及び第2ワッシャ161,162を介して樽型ローラ105を配置する。第1及び第2フランジ部31a,32aと樽型ローラ105との隙間は、第1及び第2ワッシャ161,162によって埋められることになる。
【0101】
(ステップS105)
続いて、
図12に例示するように、樽型ローラ105、特にパイプ153の中空部と、第1及び第2挿通孔31b,32bとに、軸状部材4を挿通させる。
【0102】
(ステップS106)
続いて、同じく
図12に示すように、傾斜軸O2に沿った軸方向の内側に向かって第1及び第2フランジ部31a,32aを撓ませつつ、該第1及び第2フランジ部31a,32aに軸状部材4を締結する。この締結は、例えば、ナット状の締結部材7によって実現することができる。この締結により、第1及び第2プレート部材31,32がそれぞれ変形する。この変形により、第1及び第2プレート部材31,32と、パイプ153と、第1及び第2ベアリング154,155と、第1及び第2ワッシャ161,162と、が密着し、隙間のない強固な組み付けが実現される。
【0103】
以上の工程を複数の樽型ローラ105の各々について行うことで、第1の組立方法に係るメカナムホイール101が組み立てられることになる。
【0104】
<第1及び第2組立方法の意義>
図15は、従来の組立方法の一例を示す図であり、
図16は、従来の組立方法の別例を示す図である。
【0105】
図15の上図に示すように、従来の組立方法の場合、まず、ホイール本体2に、第1及び第2プレート部材31,32の一方(図例では第1プレート部材31)を取り付ける。そして、樽型ローラ205に挿通させた軸状部材204を、第1プレート部材31の挿通孔に挿通させる。
【0106】
その後、
図15の下図に示すように、ホイール本体2に、他方のプレート部材(第2プレート部材32)を取り付けて、樽型ローラ205に挿通させた軸状部材204を、第2プレート部材32の挿通孔に挿通させる。そして、軸状部材204の両端を締結することで、軸状部材204及び樽型ローラ205を、ホイール本体2、並びに第1及び第2プレート部材31,32に組み付ける。
【0107】
ところが、このような組立方法を用いた場合、第2プレート部材32の締結方向(回転軸O1に沿った方向)と、軸状部材204及び樽型ローラ205の締結方向(傾斜軸O2に沿った方向)とが相違するため、組立性が悪く、後者の締結方向におけるガタつきをはじめ、樽型ローラ205と各プレート部材31,32との間のガタつきが懸念されていた。
【0108】
これに対し、
図16に示す別例の場合、まず、同図の上図に示すように、ホイール本体2に、第1及び第2プレート部材31,32の両方を取り付ける。そして、第1及び第2プレート部材31,32の間に樽型ローラ305を配置する。そして、第1及び第2プレート部材31,32それぞれのフランジ部によって、各樽型ローラ305を軸方向の両側から挟み込んで予圧する。
【0109】
その後、
図16の下図に示すように、第1及び第2プレート部材31,32の間に配置された樽型ローラ305に、軸状部材304を挿通する。その際、軸状部材304及び樽型ローラ305の締結方向(傾斜軸O2に沿った方向)における隙間を埋めるために、2つのワッシャ361,362を配置しておく。そして、軸状部材304の両端を締結することで、軸状部材304及び樽型ローラ305を、ホイール本体2、並びに第1及び第2プレート部材31,32に組み付ける。
【0110】
この場合、軸状部材304と各プレート部材31,32との間のガタつきこそワッシャ361,362により抑制されるものの、組み立てに際し、各2つのワッシャ361,362それぞれの脱落が懸念される。メカナムホイールの組立性を向上させるためには、そうした懸念事項を払拭することが望まれる。
【0111】
これに対し、前述した第1の組立方法によれば、
図5、
図6A及び
図6B、並びに
図7A及び
図7Bを用いて説明したように、各軸状部材4と各第1挿通孔31bとの間には、第1筒状部材61によって詰められる程度の隙間gが存在する。このような隙間gを設けることで、第1挿通孔31bに軸状部材4の一端部4aを挿通した状態で、その軸状部材4を斜めに傾けることが許容される。そして、軸状部材4の他端部4b側から樽型ローラ5、ワッシャ56及びゴムワッシャ57等を挿入して軸状部材4に支持させた後、その他端部4bを第2挿通孔32bに挿通する。このように、第1及び第2フランジ部31a,32aの間に樽型ローラ5を挟んだ後に軸状部材4を挿通させるのではなく、軸状部材4の一端部4aを挿通させた後に他端部4b側から樽型ローラ5等を挿入するように構成したことで、ワッシャ56及びゴムワッシャ57等の脱落が抑制されて、メカナムホイール1の組立性が確保される。
【0112】
また、締結に際し、第1及び第2フランジ部31a,32aを軸方向の内側に撓み変形させることになるため、軸方向におけるガタつきの発生を抑制することができる。
【0113】
また、各軸状部材4と各第1挿通孔31bとの間の隙間は、第1フランジ部31aへの締結に先だって、第1筒状部材61によって詰められる。第1筒状部材61によって隙間を詰めることで、締結後の各軸状部材4と、各第1フランジ部31aとの間のガタつきが抑制される。各軸状部材4と各第1フランジ部31aとの間のガタつきを抑制することは、メカナムホイール1の静粛性を高める上でも有効である。
【0114】
このように、第1の組立方法によれば、各第1及び第2フランジ部31a,32aの間に樽型ローラ5を挟み込んだ後に軸状部材4を挿通せずとも、樽型ローラ5のガタつきを抑制しつつ、メカナムホイール1の組立性を向上させることができる。
【0115】
また、
図6B及び
図7Bに例示したように、軸状部材4の一端側ばかりでなく、他端側にも隙間gが設けられることになる。これにより、第1プレート部材31と第2プレート部材32とで部品共通化を図ることができ、製造コストを抑制する上で有利になる。
【0116】
さらに、第2筒状部材62は、ワッシャ56及びゴムワッシャ57を介して樽型ローラ5の他端部5bに接触する。軸方向(傾斜軸O2に沿った方向)に沿ってワッシャ56及びゴムワッシャ57を接触させることで、当該方向における部材間のガタつきを抑制することができる。
【0117】
また、仮に軸状部材4の一端側にもワッシャ56等を配置するように構成した場合、軸状部材4を傾けようとしたときに、そのワッシャ56が傾動の妨げとなる可能性がある。それに対し、軸状部材4の他端側にワッシャ56を配置するように構成することで、ワッシャ56による妨げが生じないように構成することができる。
【0118】
また、軸状部材4の他端部4bから樽型ローラ5が挿入されることになるため、その挿入に併せてワッシャ56及びゴムワッシャ57を挿通させることができるようになる。このことは、メカナムホイール1の組立性の向上に資する。
【0119】
また、
図4~
図5及び
図6A~
図6Bに例示したように、ワッシャ56及びゴムワッシャ57を樽型ローラ5の他端部5bに取り付けるとともに、その一端部5aにはワッシャを取り付けないように構成した場合、ワッシャの厚みの分、軸方向における樽型ローラ5のズレが懸念される。
【0120】
これに対し、
図8に例示したように、ワッシャの厚みに応じて、樽型ローラ5の一端側に位置する第1筒状部材61と、その他端側に位置する第2筒状部材62とで寸法を相違させることで、前述の如きズレを抑制することができる。このことは、メカナムホイール1の組立性の向上に資する。
【0121】
また、各フランジ部31a,32aの間に樽型ローラ5を挟んだ後に軸状部材4を挿通させる場合、各樽型ローラ5のガタつきを抑制するためには、
図16を用いて説明したように、各フランジ部31a,32aと樽型ローラ5との間にワッシャを介在させることが考えられる。しかしながら、ワッシャと樽型ローラ5とを同時に支えることは容易ではないため、ワッシャ等の脱落による組立性の悪化が懸念される。
【0122】
これに対し、前述した第2の組立方法によれば、
図11~
図12等を用いて説明したように、ガタつきを抑制するための第1及び第2ワッシャ161,162を、事前に付着させる。これにより、第1及び第2ワッシャ161,162の脱落が抑制されて、メカナムホイール101の組立性が確保される。
【0123】
また、締結に際し、各フランジ部31a,32aを軸方向の内側に撓み変形させることになるため、軸方向におけるガタつきの発生を抑制することができる。
【0124】
このように、第2の組立方法によれば、各フランジ部31a,32aの間に樽型ローラ5を挟んだ後に軸状部材4を挿通させるような構成であっても、樽型ローラ5のガタつきを抑制しつつ、メカナムホイール101の組立性を向上させることができる。
【0125】
また、
図13A及び
図13Bを用いて説明したように、第1及び第2ワッシャ161,162は、双方とも、粘着性を有する第1及び第2シール面161a,162aを介して、樽型ローラ5又は第1若しくは第2フランジ部31a,32aに付着される。第1及び第2ワッシャ161,162に第1及び第2シール面161a,162aを設けておくことで、ネジ、接着剤等を用いずとも、第1及び第2ワッシャ161,162を付着させることが可能になる。このことは、メカナムホイール101の組立性の向上に資する。
【0126】
本開示はまた、第1の組立方法に係るメカナムホイール1にも関する。このメカナムホイール1は、前述のホイール本体2、第1及び第2プレート部材31,32、複数のフランジ部31a,32a、挿通孔31b,32b、軸状部材4、並びに複数の樽型ローラ5を備える。そして、このメカナムホイール1において、
図4及び
図5、
図6A及び
図6B、並びに
図7A及び
図7Bに示したように、第1及び第2フランジ部31a,32aは、傾斜軸O2の軸方向の内側に向かって撓むように構成され、第1挿通孔31bの内周面と、軸状部材4の一端部4aの外周面との間には、該一端部4aを第1挿通孔31bに挿通させた状態における、軸状部材4の傾動を許容する隙間gが設けられる。そして、メカナムホイール1は、挿通孔31b,32bと軸状部材4との間に挿入され、挿通孔31b,32bの内周面と軸状部材4の外周面との隙間gを詰める筒状部材61,62を備える。
【0127】
本開示はまた、第2の組立方法に係るメカナムホイール101にも関する。このメカナムホイール101は、前述のホイール本体2、第1及び第2プレート部材31,32、複数のフランジ部31a,32a、挿通孔31b,32b、軸状部材4、並びに複数の樽型ローラ105を備える。そして、このメカナムホイール101は、
図11~
図12に示したように、樽型ローラ105の両端部、又は、該両端部に向かい合うフランジ部31a,32aの表面に付着され、樽型ローラ105の軸方向において所定の厚みを有するワッシャ161,162を備える。第1及び第2フランジ部31a,32aは、傾斜軸O2の軸方向の内側に向かって撓むように構成される。そして、樽型ローラ105は、第1及び第2プレート部材31,32それぞれのフランジ部31a,32aの間に、ワッシャ161,162を介して配置される。
【符号の説明】
【0128】
1,101 メカナムホイール
2 ホイール本体
31 第1プレート部材
31a 第1挿通孔
31b 第1フランジ部
32 第2プレート部材
32a 第2挿通孔
32b 第2フランジ部
4 軸状部材
4a 軸状部材の一端部
4b 軸状部材の他端部
5,105 樽型ローラ
5a,105a 樽型ローラの一端部
56 ワッシャ(ワッシャ)
57 ゴムワッシャ(ワッシャ)
61 第1筒状部材(筒状部材)
62 第2筒状部材(第2の筒状部材)
161 第1ワッシャ(ワッシャ)
161a 第1シール面(シール面)
162 第2ワッシャ(ワッシャ)
162a 第2シール面(シール面)
g 隙間
O1 回転軸
O2 傾斜軸