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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013578
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】塗装装置
(51)【国際特許分類】
   B05B 5/04 20060101AFI20240125BHJP
   B05B 3/10 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
B05B5/04 A
B05B3/10 B
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022115766
(22)【出願日】2022-07-20
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-02-13
(71)【出願人】
【識別番号】505056845
【氏名又は名称】アーベーベー・シュバイツ・アーゲー
【氏名又は名称原語表記】ABB Schweiz AG
【住所又は居所原語表記】Bruggerstrasse 66, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】110002457
【氏名又は名称】弁理士法人広和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山内 邦治
【テーマコード(参考)】
4F033
4F034
【Fターム(参考)】
4F033PA11
4F033PB02
4F033PB16
4F033PC02
4F033PD01
4F034AA03
4F034BA22
4F034BB02
4F034BB04
4F034BB07
4F034BB13
4F034BB25
(57)【要約】
【課題】 塗料の粘度を低く抑えることにより、安定的に塗料を微粒化できるようにして塗装品質を向上する。
【解決手段】 塗料供給源となるカートリッジ11の塗料室14から回転霧化頭6におよぶ塗料供給路16Aには、回転霧化頭6から噴霧される塗料の微粒化を促進するための塗料微粒化手段として第1剪断部材21または第2剪断部材22が設けられている。この第1剪断部材21、第2剪断部材22は、塗料の流通を許す部分の総面積が1.53mm以下の複数の微細孔21B,22Bを備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアモータによって回転される中空な回転軸の先端に塗料を噴霧する回転霧化頭を有し、前記回転軸に挿通されたフィードチューブから前記回転霧化頭に向けて塗料を供給する回転霧化頭型塗装機と、
前記回転霧化頭型塗装機に向けて塗料を供給する塗料供給源と、
前記塗料供給源から前記回転霧化頭におよぶ塗料供給路と、
を備えてなる塗装装置において、
前記塗料供給路には、前記回転霧化頭から噴霧される塗料の微粒化を促進するための塗料微粒化手段が設けられていることを特徴とする塗装装置。
【請求項2】
請求項1に記載の塗装装置において、
前記塗料微粒化手段は、前記フィードチューブ内の前記塗料供給路を遮る位置に設けられ、塗料の流通を許す部分の総面積が1.53mm以下の複数の微細孔を備えた剪断部材であることを特徴とする塗装装置。
【請求項3】
請求項1に記載の塗装装置において、
前記回転霧化頭は、前記回転軸の先端部に取付けられ、前面が前方に向けて拡開した塗料延面となったカップ部と、前記カップ部の内側に設けられ、前記塗料延面との間に全周に亘って隙間部を形成する対向面を備えたハブ部と、からなり、
前記塗料微粒化手段は、前記塗料延面と前記対向面との間の隙間寸法が0.2mm未満に設定された前記隙間部であることを特徴とする塗装装置。
【請求項4】
請求項1に記載の塗装装置において、
前記塗料微粒化手段は、前記塗料供給路に設けられた孔径が20μm以下の網目状の微粒化部材であることを特徴とする塗装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転霧化頭型塗装機を備えた塗装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車のボディ等の被塗物を塗装する塗装装置は、塗装用ロボット等のアーム部の先端に取付けられている。塗装装置は、回転霧化頭から被塗物に向けて塗料を噴霧する回転霧化頭型塗装機と、回転霧化頭型塗装機に向けて塗料を供給する塗料供給源と、塗料供給源から回転霧化頭におよぶ塗料供給路と、を備えている。
【0003】
回転霧化頭型塗装機は、エアモータによって回転される中空な回転軸の先端に塗料を噴霧する回転霧化頭を有し、回転軸に挿通されたフィードチューブから回転霧化頭に向けて塗料を供給する構成となっている。
【0004】
ここで、品質の高い塗装を安定的に行うには、回転霧化頭から噴霧される塗料(塗料粒子)を微粒化する必要がある。塗料を微粒化する手段の1つとしては、回転霧化頭の回転数を高めることがある。しかし、回転霧化頭の回転数を高めた場合、回転霧化頭から放出される塗料粒子に作用する遠心力が大きくなる。このために、周囲に向けて放出された塗料粒子が被塗物に向かうように、塗料粒子に向けて多くのシェーピングエアを噴き付ける必要があり、噴霧パターンの制御が難しくなる上に、エアの消費量が増えてランニングコストが嵩んでしまう。
【0005】
一方で、水性塗料は、状態によって粘度が変化するチキソトロピー性を有しているから、溶剤系塗料と比較して粘度が安定せず、塗料を安定的に微粒化させることが難しい。そこで、塗装装置には、塗装環境や塗装方法を制御(管理)することにより、塗料を安定的に微粒化できるようにしたものが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4781975号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の塗装装置は、塗料の粘度を制御するために、塗装ブース内の温度や塗装作業に費やす時間を細かく管理している。このため、塗料を微粒化して塗装品質を維持するためには、設備の変更に費用を要する上に、制御に手間を要してしまうという問題がある。
【0008】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、塗料の粘度を低く抑えることにより、安定的に塗料を微粒化できるようにして塗装品質を向上できるようにした塗装装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、エアモータによって回転される中空な回転軸の先端に塗料を噴霧する回転霧化頭を有し、前記回転軸に挿通されたフィードチューブから前記回転霧化頭に向けて塗料を供給する回転霧化頭型塗装機と、前記回転霧化頭型塗装機に向けて塗料を供給する塗料供給源と、前記塗料供給源から前記回転霧化頭におよぶ塗料供給路と、を備えてなる塗装装置において、前記塗料供給路には、前記回転霧化頭から噴霧される塗料の微粒化を促進するための塗料微粒化手段が設けられている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、塗料の粘度を低く抑えることによって安定的に塗料を微粒化でき、塗装品質を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1の実施形態に係る塗装装置を示す断面図である。
図2図1中のa部(剪断部材)を拡大して示す断面図である。
図3】第1剪断部材を示す斜視図である。
図4】第2剪断部材を示す斜視図である。
図5】微細孔と塗料粒子の粒子径との関係を示す説明図(線グラフ)である。
図6】本発明の第2の実施形態に係る塗装装置を示す全体構成図である。
図7図6中の回転霧化頭型塗装機の断面図である。
図8図7中のb部(隙間部)を拡大して示す断面図である。
図9】隙間部の隙間寸法と塗料粒子の粒子径との関係を示す説明図(棒グラフ)である。
図10】本発明の第3の実施形態に係る塗装装置を示す全体構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係る塗装装置について、添付図面に従って詳細に説明する。
【0013】
まず、図1ないし図5は本発明の第1の実施形態を示している。図1において、塗装装置1は、回転霧化頭型塗装機3に対して塗料供給源となるカートリッジ11が交換可能に取付けられたカートリッジ式の静電塗装装置を構成している。塗装装置1は、例えば、塗装用ロボットの動作アーム(図示せず)に取付けられている。塗装装置1は、ハウジング2、回転霧化頭型塗装機3、カートリッジ11、フィードチューブ16、第1剪断部材21(または第2剪断部材22)を含んで構成されている。
【0014】
塗装装置1のハウジング2は、塗装用ロボットの動作アームの先端に取付けられている。ハウジング2の前側には、塗装機取付部2Aが有底の円筒状に形成され、ハウジング2の後側には、カートリッジ取付部2Bが有底の円筒状に形成されている。さらに、カートリッジ取付部2Bの底部には、後述するカートリッジ11の塗料室開閉弁18が嵌合する嵌合穴2Cと、押出し液体封止弁19が接続する弁接続部2Dとが形成されている。
【0015】
ハウジング2の中心部には、軸方向に延びて挿通孔2Eが設けられている。挿通孔2Eには、後述するカートリッジ11のフィードチューブ16が挿通される。また、挿通孔2Eの先端側は、後述のエアモータ4に設けられた回転軸5内に達している。
【0016】
回転霧化頭型塗装機3は、ハウジング2の塗装機取付部2Aに取付けられている(以下、塗装機3という)。塗装機3は、モータケース4A、エアタービン4Bおよびエア軸受4Cからなるエアモータ4と、後部にエアタービン4Bが取付けられた状態でエア軸受4Cに回転自在に支持された回転軸5と、回転軸5の前端に取付けられ、エアモータ4によって回転されることにより、フィードチューブ16から供給された塗料を遠心霧化して微粒化し、被塗物に向け噴霧する回転霧化頭6と、を含んで構成されている。エアモータ4は、例えば、光ファイバー(図示せず)を介してエアタービン4Bの回転数を検出することにより、回転数が制御される。
【0017】
シェーピングエアリング7は、回転霧化頭6を取囲んだ状態でハウジング2の前側に設けられている。シェーピングエアリング7は、複数個のシェーピングエア噴出孔7Aから前方に向けてシェーピングエアを噴出する。シェーピングエアは、回転霧化頭6から噴霧される塗料を微粒化しつつ、塗料の塗装パターンを所望の大きさ、形状に整える。
【0018】
高電圧発生器8は、ハウジング2に設けられている。高電圧発生器8は、例えば、コッククロフト回路により構成され、電源装置(図示せず)から供給される電圧を-60~-120kVに昇圧する。そして、高電圧発生器8の出力側は、例えば、エアモータ4に電気的に接続され、これにより、高電圧発生器8は、回転軸5を介して回転霧化頭6に高電圧を印加し、回転霧化頭6に供給される塗料に高電圧を直接帯電させる。
【0019】
複数本の流路9A,9B,9C,9Dは、ハウジング2に設けられ、制御エア供給装置や押出し液体供給装置(いずれも図示せず)に接続されている。複数本の流路9A~9Dのうち、代表例として示す流路9A,9B,9Cは、エアモータ4を制御するためのタービンエア、軸受エア、ブレーキエア、塗料の噴霧パターンを成形するためのシェーピングエア、押出し液体弁10およびトリガ弁20を開閉動作させる加圧エア(パイロットエア)が流通するもので、制御エア源(図示せず)に接続されている。
【0020】
また、複数本の流路9A~9Dのうち、流路9Dは、カートリッジ11内の塗料を押出すための押出し液体を流通させる。流路9Dは、一端が押出し液体供給装置(図示せず)に接続され、他端がハウジング2のカートリッジ取付部2Bに形成された弁接続部2Dの底部に開口している。
【0021】
押出し液体弁10は、ハウジング2に設けられている。押出し液体弁10は、常時は流路9Dを遮断し、カートリッジ11の押出し液体室15に対する押出し液体の流通を遮断している。また、押出し液体弁10が開弁したときには、押出し液体弁10は、押出し液体室15に対する押出し液体の流通を許し、押出し液体の供給と排出を行う。
【0022】
カートリッジ11は、ハウジング2のカートリッジ取付部2Bに着脱可能に取付けられる。一方で、カートリッジ11は、塗料の充填や洗浄を行うカートリッジ用塗料充填装置(図示せず)に着脱可能に取付けられる。カートリッジ11は、後述のタンク12、ピストン13、フィードチューブ16を含んで構成されている。
【0023】
タンク12は、軸方向の両端が閉塞された円筒状の容器として形成されている。また、タンク12内には、隔壁をなす円形状のピストン13が軸方向に変位可能に挿嵌されている。ピストン13は、タンク12内を、塗料が充填される前側の塗料室14と押出し液体が供給、排出される後側の押出し液体室15とに隔てている。
【0024】
ここで、タンク12は、押出し液体室15に供給された押出し液体でピストン13が押動されることで塗料室14を縮小し、塗料室14の塗料を回転霧化頭型塗装機3に向けて供給する塗料供給源を構成している。
【0025】
タンク12には、押出し液体室15の後部位置に開口して押出し液体流路12Aが形成されている。また、タンク12の後端部には、カートリッジ11を把持して搬送するための把持突起12Bが設けられている。一方、タンク12の前側には、塗料室14に連通して塗料流路12Cが設けられている。
【0026】
さらに、タンク12の前側には、後述の塗料室開閉弁18を取付けるための弁取付穴12Dと、押出し液体封止弁19を取付けるための弁取付穴12Eと、が設けられている。ここで、カートリッジ11がカートリッジ用塗料充填装置に取付けられたときに、塗料流路12Cは、カートリッジ用塗料充填装置側の塗料補給源、洗浄流体供給源(いずれも図示せず)と塗料室14とを連通することができる。
【0027】
フィードチューブ16は、タンク12の前部中央位置から軸方向に延びて設けられている。フィードチューブ16の前側は、挿通孔2E内を延び、その先端部が回転霧化頭6に向け開口している。また、フィードチューブ16内には、タンク12の塗料室14に連通した状態で塗料供給路16Aが形成されている。塗料供給路16Aは、塗料供給源としてのタンク12から回転霧化頭6におよぶ通路である。さらに、フィードチューブ16には、塗料供給路16Aの途中位置に後述の弁座部材17が設けられている。
【0028】
弁座部材17は、後述するトリガ弁20の前側に位置してフィードチューブ16に設けられている。図2図3に示すように、弁座部材17は、トリガ弁20側となる後側が大径となる段付きの円筒体として形成されている。これにより、弁座部材17の内周側は、後側が大径通路17Aとなり、前側が小径通路17Bとなっている。この大径通路17Aと小径通路17Bとは、塗料供給路16Aの一部を構成している。そして、大径通路17Aと小径通路17Bとの間の段部は、トリガ弁20の弁体20Aが離着座する弁座17Cとなっている。さらに、弁座部材17には、小径通路17Bの前端部に後述する第1剪断部材21または第2剪断部材22が設けられている。
【0029】
塗料室開閉弁18は、タンク12の塗料流路12Cの開口端に位置して弁取付穴12Dに設けられている。塗料室開閉弁18は、カートリッジ11が分離された状態、カートリッジ11がハウジング2に取付けられた状態、カートリッジ11がカートリッジ用塗料充填装置に取付けられただけの状態では、閉弁して塗料流路12Cを遮断している。一方、塗料室開閉弁18は、カートリッジ11がカートリッジ用塗料充填装置に取付けられた状態で開弁されることにより、塗料流路12Cを連通させて塗料室14に塗料や洗浄流体が供給されるのを許す。
【0030】
押出し液体封止弁19は、タンク12の押出し液体流路12Aの開口端に位置して弁取付穴12Eに設けられている。押出し液体封止弁19は、カートリッジ11が分離された状態では、押出し液体流路12Aを遮断する逆止め弁として機能している。一方、押出し液体封止弁19は、タンク12がハウジング2に取付けられた状態、カートリッジ用塗料充填装置に取付けられた状態では、開弁して押出し液体が流通するのを許す。
【0031】
トリガ弁20は、タンク12の前側部位に設けられている。トリガ弁20は、フィードチューブ16内の塗料供給路16Aを開閉する。トリガ弁20は、軸方向に変位可能な弁体20Aを弁座部材17の弁座17Cに離着座させることにより、塗料供給路16Aを開閉(連通、遮断)する。
【0032】
次に、第1の実施形態の特徴部分となる第1剪断部材21、第2剪断部材22の構成および効果について詳細に説明する。なお、第1剪断部材21、第2剪断部材22は、各種の塗装条件、例えば、塗料の種類(性質)、流量、塗装環境(温度、湿度等)、回転霧化頭6の形状等によって適宜に選択して用いられる。
【0033】
剪断部材としての第1剪断部材21は、フィードチューブ16内の塗料供給路16Aを遮る位置、具体的には、塗料供給路16Aの一部を構成する弁座部材17の小径通路17Bに設けられている。第1剪断部材21は、回転霧化頭6から噴霧される塗料の微粒化を促進するための塗料微粒化手段を構成している。
【0034】
第1剪断部材21は、フィードチューブ16の塗料供給路16Aを遮る円形の閉塞板21Aと、閉塞板21Aを板厚方向(塗料の流通方向)に貫通した微細孔21Bと、により形成されている。微細孔21Bは、円形をなすように複数個、例えば、11個配置されている。また、微細孔21Bは、内径寸法が3mm(φ3mm)程度の塗料供給路16Aと比較して小径な寸法、例えば、内径寸法が0.15mm(φ0.15mm)に設定されている。これにより、第1剪断部材21は、11個の微細孔21Bによって、塗料の流通を許す部分(流通路)の総面積が1.53mm以下、具体的には、0.19mmとなっている。
【0035】
ここで、水性塗料は、チキソトロピー性を有しているから、塗装環境等によって粘度が安定しない場合がある。しかし、内径寸法が0.15mmの微細孔21Bは、水性塗料を通過させることで、この塗料に連続的に剪断応力を作用させて粘度を低い値で安定させることができる。また、第1剪断部材21は、微細孔21Bを11個設けたことにより、0.19mmの流路面積を有しており、十分な量の塗料を回転霧化頭6に向けて流通させることができる。
【0036】
図4に示すように、剪断部材としての第2剪断部材22は、塗装環境、被塗物、塗料の変化に応じ、第1剪断部材21に換えて用いられる。第2剪断部材22は、第1剪断部材21と同様に、回転霧化頭6から噴霧される塗料の微粒化を促進するための塗料微粒化手段を構成している。第2剪断部材22は、閉塞板22Aと微細孔22Bとにより形成されている。微細孔22Bは、円形をなすように、例えば、7個配置されている。また、微細孔22Bは、例えば、内径寸法が0.2mm(φ0.2mm)に設定されている。これにより、第2剪断部材22は、0.22mmの流路面積を有しており、十分な量の塗料を回転霧化頭6に向けて流通させることができる。
【0037】
次に、図5を用いて第1剪断部材21、第2剪断部材22による塗料粒子の微粒化の機能について説明する。
【0038】
まず、自動車等の被塗物を塗装する場合、塗装する部位に応じて必要とされる塗装膜の厚みが設定されている。一例として、現在の一般的な自動車の外板塗装のベース工程(色彩目的の塗装工程)では、設定された厚みの塗装膜を得るために、200cc/min程度の塗料流量が必要になる。塗料流量は、200cc/minに限定されるものではない。
【0039】
また、回転霧化頭6(エアモータ4)の回転数は、現行の通路(内径寸法が3mm)を用いて塗装を行う場合でも塗料を所定の粒子径まで微粒化できるように、高い回転数、例えば、25000rpm以上に設定されている。このように、回転霧化頭6の回転数を高く設定した場合には、遠心力の増大、乱流の発生等によって噴霧塗料の制御が難しくなり、塗着効率が低下してしまう。
【0040】
そこで、第1の実施形態による塗装装置1を用いた塗装テストでは、塗装条件のうち、塗料流量を200cc/minとし、回転霧化頭6(エアモータ4)の回転数を20000rpmとしている。また、塗料粒子の計測方法の一例としては、塗装装置1と被塗物との間にレーザ式の計測器(図示せず)を配置し、被塗物に向けて飛行する塗料粒子の粒子径を計測する。この場合、計測器で計測することができた塗料粒子の割合を頻度として表示している。換言すると、頻度は、粒子径毎の分布割合と表現することができる。
【0041】
タンク12から塗料供給路16Aを通って回転霧化頭6に供給される塗料には、弁座部材17を通過するときに、第1剪断部材21(微細孔21B)または第2剪断部材22(微細孔22B)によって連続的に剪断応力が作用する。これにより、チキソトロピー性を有している水性塗料は、粘度が低下し、この低い粘度で安定した状態で回転霧化頭6に供給される。粘度が低い塗料は、低い回転数でも微粒化し易く、塗料粒子の粒子径を小さくすることができる。
【0042】
具体的には、図5の線グラフを見ると、頻度5~10%における塗装テスト時の粒子径の測定値は、粒子径の小さい方から「第1剪断部材21-第2剪断部材22-現行の通路」となる。粒子径の具体的な測定値の平均は、第1剪断部材21が21μm、第2剪断部材22が22μm、現行の通路が23μmとなり、第1剪断部材21は、現行の通路よりも2μmも粒子径を小さくすることができる。この場合、塗装条件にもよるが、粒子径を2μm小さくしたことにより、回転霧化頭6(エアモータ4)の回転数を5000rpm程度下げることが可能になる。即ち、第1剪断部材21、第2剪断部材22を用いることで、遠心力や乱流を抑えることができるから、噴霧塗料の制御を容易に行うことができる。
【0043】
なお、第1剪断部材21の微細孔21Bは、内径寸法が0.15mmの貫通孔を11個設けることで、全体として0.19mmの流路面積を有している。また、第2剪断部材22の微細孔22Bは、内径寸法が0.2mmの貫通孔を7個設けることで、全体として0.22mmの流路面積を有している。本実施形態では、微細孔の内径寸法、個数は、各種の条件で設定されるものであり、塗料の流通を許す部分の総面積が1.53mm以下の範囲であれば、上述した組み合わせに限るものではない。この上で、微細孔は、総面積が同じ場合には、内径寸法が小さく、個数が多い方が塗料に剪断応力を効率よく付与することができる。
【0044】
第1の実施形態に係る塗装装置1は、上述の如き構成を有している。次に、塗装装置1によって被塗物に水性塗料を塗装する場合の動作について説明する。
【0045】
塗装を行う場合には、塗料室14に水性塗料が充填されたカートリッジ11をハウジング2に取付ける。このときに、フィードチューブ16を挿通孔2E、回転軸5内に挿入し、タンク12をカートリッジ取付部2Bに取付ける。ハウジング2にカートリッジ11を取付けた状態で、エアモータ4のエアタービン4Bに圧縮エアを供給し、エアタービン4Bと一緒に回転軸5と回転霧化頭6を高速で回転させる。また、高電圧発生器8からエアモータ4、回転軸5を介してフィードチューブ16に高電圧を印加する。
【0046】
次に、トリガ弁20を開弁させると共に、押出し液体弁10を開弁させ、流路9D、押出し液体流路12Aを通じてカートリッジ11の押出し液体室15に押出し液体を供給する。これにより、塗料室14の塗料は、ピストン13に押し出され、塗料供給路16Aを通じて回転霧化頭6に供給される。回転霧化頭6は、フィードチューブ16から供給された塗料を微粒化しつつ噴霧する。また、シェーピングエアリング7は、回転霧化頭6から噴霧された塗料粒子に向けてシェーピングエアを噴き付けることにより、塗料粒子を所望の噴霧パターンに整形しつつ、被塗物に向けて飛行させる。
【0047】
ここで、塗料を微粒化、即ち、塗料粒子の粒子径を小さくするためには、塗料の粘度を的確に制御する必要がある。しかし、粘度が安定しない水性塗料の場合には、塗装ブース内の温度や、塗装作業に費やす時間を細かく管理しなくてはならないから、設備の変更に費用を要する上に、制御に手間を要してしまう。
【0048】
然るに、本実施形態によれば、塗料供給源となるカートリッジ11の塗料室14から回転霧化頭6におよぶ塗料供給路16Aには、回転霧化頭6から噴霧される塗料の微粒化を促進するための塗料微粒化手段として第1剪断部材21または第2剪断部材22が設けられている。
【0049】
第1剪断部材21、第2剪断部材22は、フィードチューブ16内の塗料供給路16Aを遮る位置に設けられ、塗料の流通を許す部分の総面積が1.53mm以下の複数の微細孔21B,22Bを備えている。これにより、塗料供給路16Aを流通する塗料は、微細孔21B,22Bによって剪断応力が付与されることで、粘度を下げることができる。
【0050】
従って、回転霧化頭6に供給される塗料の粘度を第1剪断部材21または第2剪断部材22によって下げることで、塗料の薄膜化、微粒化を促進させることができ、回転霧化頭6から噴霧される塗料粒子の粒子径を安定的に小さくすることができる。この結果、塗装装置1が被塗物を塗装したときの塗装品質を向上することができる。
【0051】
また、回転霧化頭6の回転数を上げることなく、塗料を微粒化できるから、回転霧化頭6から放出される塗料粒子に作用する遠心力を小さく抑えて塗着効率を向上することができる。さらに、シェーピングエアの噴出量を少なくすることができるから、噴霧パターンを容易に制御できる上に、圧縮エアの消費量を抑えてランニングコストを削減することができる。
【0052】
次に、図6ないし図9は本発明の第2の実施形態を示している。第2の実施形態の特徴は、回転霧化頭は、回転軸の先端部に取付けられ、前面が前方に向けて拡開した塗料延面となったカップ部と、カップ部の内側に設けられ、塗料延面との間に全周に亘って隙間部を形成する対向面を備えたハブ部と、からなり、塗料微粒化手段は、塗料延面と対向面との間の隙間寸法が0.2mm未満に設定された隙間部である。
【0053】
図6において、第2の実施形態による塗装装置31は、回転霧化頭型塗装機32に対して塗料供給源となる色換弁装置41から塗料を供給する。塗装装置31は、後述の回転霧化頭型塗装機32、色換弁装置41、塗料供給路42を含んで構成されている。
【0054】
第2の実施形態による回転霧化頭型塗装機32(以下、塗装機32という)は、例えば塗装用ロボットのアーム(図示せず)の先端に取付けられている。図7に示すように、塗装機32は、後述のハウジング33、エアモータ34、回転軸35、回転霧化頭36を含んで構成されている。
【0055】
ハウジング33は、後側が図示しない塗装用ロボットのアームの先端に取付けられている。ハウジング33の内周側は、前側に開口するモータ収容部33Aとなっている。ハウジング33の前側には、モータ収容部33Aの前側を覆うように後述のシェーピングエアリング40が取付けられている。
【0056】
エアモータ34は、ハウジング33のモータ収容部33A内に設けられている。エアモータ34は、圧縮エアを動力源として後述の回転軸35および回転霧化頭36を高速で回転させる。エアモータ34は、モータケース34A、エアタービン34Bおよびエア軸受34Cを含んで構成されている。
【0057】
回転軸35は、エアモータ34のモータケース34Aに回転自在に支持された中空な筒体として形成されている。回転軸35は、後側がエアタービン34Bの中央に一体的に取付けられ、前端がモータケース34Aから前側に突出している。
【0058】
回転霧化頭36は、回転軸35の前端部に取付けられ、エアモータ34によって回転軸35と一緒に高速回転される。これにより、回転霧化頭36は、フィードチューブ42Bから供給される塗料等を噴霧する。回転霧化頭36は、後述の霧化頭本体37、ハブ部38、隙間部39を含んで構成されている。
【0059】
霧化頭本体37は、全体形状が前側に向けて拡開するカップ状に形成されている。霧化頭本体37は、後側に位置して回転軸35の先端に取付けられる筒状の取付部37Aと、取付部37Aの前部から前側に向けて拡開したカップ部37Bと、を備えている。また、カップ部37Bの中央には、有底状のハブ取付凹部37Cが形成されている。さらに、カップ部37Bの前面は、前方に向けて拡開したテーパ状の塗料延面37Dとなり、塗料延面37Dの先端(前端)は、塗料延面37Dで薄膜化した塗料を塗料粒子として放出する放出端縁37Eとなっている。
【0060】
ハブ部38は、霧化頭本体37のカップ部37Bの内側に設けられている。ハブ部38は、後側に位置してハブ取付凹部37C内に嵌合された嵌合筒部38Aと、嵌合筒部38Aの前側に設けられた円板部38Bと、嵌合筒部38Aと円板部38Bに囲まれた塗料溜り38Cと、嵌合筒部38Aと円板部38Bとの間に位置して塗料溜り38Cから径方向に延びて貫通した放出孔38Dと、を備えている。また、円板部38Bの外周面は、霧化頭本体37の塗料延面37Dと対面した対向面38Eとなっている。対向面38Eは、塗料延面37Dとの間に均一な小さな隙間をもったテーパ面からなり、この塗料延面37Dと対向面38Eの間の隙間が後述の隙間部39となる。
【0061】
図8に示すように、隙間部39は、霧化頭本体37の塗料延面37Dとハブ部38の対向面38Eとの間に全周に亘って設けられている。隙間部39は、回転霧化頭36から噴霧される塗料の微粒化を促進するための塗料微粒化手段を構成している。隙間部39は、塗料延面37Dと対向面38Eとの間の隙間寸法Gが0.2mm未満に設定されている。隙間部39の隙間寸法Gの下限は、0.03mm以上に設定されている。
【0062】
後述の色換弁装置41から塗料供給路42を通って回転霧化頭36に供給される塗料には、霧化頭本体37とハブ部38との間を通過するときに、隙間部39によって連続的に剪断応力が作用する。これにより、チキソトロピー性を有している水性塗料は、粘度が低下し、この低い粘度で安定した状態で回転霧化頭36に供給される。粘度が低い塗料は、低い回転数でも微粒化し易く、塗料粒子の粒子径を小さくすることができる。
【0063】
シェーピングエアリング40は、回転霧化頭36を取囲んだ状態でハウジング33の前側に設けられている。シェーピングエアリング40は、複数個のシェーピングエア噴出孔40Aから前方に向けてシェーピングエアを噴出する。シェーピングエアは、回転霧化頭36の放出端縁37Eから噴霧される塗料を微粒化しつつ、塗料の塗装パターンを所望の大きさ、形状に整える。
【0064】
図6に示すように、色換弁装置41は、塗装機32に向けて塗料を供給する塗料供給源を構成している。色換弁装置41は、複数種類の塗料、洗浄流体としてのエア、シンナの中から選択した流体を、塗料供給路42を介して回転霧化頭36に供給する。
【0065】
塗料供給路42は、色換弁装置41から回転霧化頭36におよぶ通路(管路)である。塗料供給路42は、塗料配管42Aとフィードチューブ42Bとを含んで構成されている。塗料配管42Aは、色換弁装置41と塗装機32との間に設けられている。図7に示すように、フィードチューブ42Bは、一端が塗料配管42Aに接続され、他端が回転軸35内を前側に延び、回転霧化頭36内に突出している。
【0066】
塗料ポンプ43は、塗料供給路42の塗料配管42Aに設けられている。塗料ポンプ43は、例えば、ギヤポンプ、ロータリポンプ等の容積式ポンプからなり、色換弁装置41で選択された塗料または洗浄流体を塗装機32(回転霧化頭36)に定量供給する。
【0067】
次に、図9を用いて隙間部39による塗料粒子の微粒化の機能について説明する。
【0068】
図9に示す塗装テストでは、例えば、第1の実施形態の塗装テストと同様に、塗装装置31と被塗物との間にレーザ式の計測器(図示せず)を配置し、被塗物に向けて飛行する塗料粒子の粒子径を計測している。
【0069】
塗装テストにおける塗装条件は、塗料流量を200cc/minとし、回転霧化頭36(エアモータ34)の回転数を20000rpmとしている。この上で、隙間部39の隙間寸法Gは、現行の隙間寸法となる0.2mmと、塗料粒子を微粒化するための隙間寸法となる0.1mm、0.05mm、0.03mmとを例示し、粒子径を比較している。
【0070】
色換弁装置41で選択した塗料は、塗料供給路42を通じて塗装機32の回転霧化頭36に供給され、隙間部39を通って噴霧される。このときに、隙間部39の隙間寸法Gが現行の0.2mmの場合には、塗料に十分な剪断応力が作用しないために、塗料粒子の粒子径は、28μmに留まることになる。
【0071】
一方で、隙間部39の隙間寸法Gが0.1mm、0.05mm、0.03mmの場合には、塗料に十分な剪断応力を連続的に作用させることができる。これにより、チキソトロピー性を有している水性塗料は、粘度が低下し、この低い粘度で安定した状態で霧化頭本体37の放出端縁37Eから噴霧される。粘度が低い塗料は、低い回転数でも微粒化し易く、塗料粒子の粒子径を26μmまで小さくすることができる。そして、塗料粒子の粒子径を2μm小さくしたことにより、回転霧化頭36(エアモータ34)の回転数を5000rpm程度下げることが可能になる。即ち、隙間部39の隙間寸法Gを0.03mm以上、0.2mm未満に設定することで、遠心力や乱流を抑えることができ、噴霧塗料の制御を容易に行うことができる。
【0072】
かくして、このように構成された第2の実施形態によれば、回転霧化頭36は、回転軸35の先端部に取付けられ、前面が前方に向けて拡開した塗料延面37Dとなったカップ部37Bと、カップ部37Bの内側に設けられ、塗料延面37Dとの間に全周に亘って隙間部39を形成する対向面38Eを備えたハブ部38と、からなる。この上で、塗料微粒化手段は、塗料延面37Dと対向面38Eとの間の隙間寸法Gが0.2mm未満に設定された隙間部39となっている。これにより、回転霧化頭36を構成する霧化頭本体37の放出端縁37Eに供給される塗料の粘度を隙間部39(0.03mm以上、0.2mm未満)によって下げることで、回転霧化頭36から噴霧される塗料粒子の粒子径を安定的に小さくすることができる。この結果、塗装装置31が被塗物を塗装したときの塗装品質を向上することができる。
【0073】
次に、図10は本発明の第3の実施形態を示している。第3の実施形態の特徴は、塗料微粒化手段は、塗料供給路に設けられた孔径が20μm以下の網目状の微粒化部材である。なお、第3の実施形態では、前述した第2の実施形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0074】
図10において、塗装装置51の微粒化部材52は、塗料微粒化手段を構成している。微粒化部材52は、塗料供給路42の塗料配管42Aの途中に設けられている。詳しくは、粘度が下げられた状態の塗料が回転霧化頭36まで達することができるように、微粒化部材52は、塗料配管42Aの塗装機32寄りに配置されている。微粒化部材52は、孔径が20μm以下の網目状のエレメント(図示せず)を備えている。具体的には、孔径が10~20μmのエレメントが用いられている。
【0075】
これにより、色換弁装置41から塗料供給路42を通って回転霧化頭36に供給される塗料には、微粒化部材52を通過するときに、網目状のエレメントによって連続的に剪断応力が作用する。これにより、チキソトロピー性を有している水性塗料は、粘度が低下し、この低い粘度で安定した状態で回転霧化頭36に供給される。粘度が低い塗料は、低い回転数でも微粒化し易く、塗料粒子の粒子径を小さくすることができる。
【0076】
かくして、このように構成された第3の実施形態によれば、塗料微粒化手段は、塗料供給路42の塗料配管42Aに設けられた孔径が20μm以下の網目状の微粒化部材52である。これにより、回転霧化頭36に供給される塗料の粘度を微粒化部材52によって下げることで、回転霧化頭36から噴霧される塗料粒子の粒子径を安定的に小さくすることができる。この結果、塗装装置51が被塗物を塗装したときの塗装品質を向上することができる。
【0077】
第1の実施形態では、回転霧化頭型塗装機3を備えた塗装装置1に、塗料の微粒化を促進するための第1剪断部材21、第2剪断部材22を設けた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、インクジェット塗装機、エア霧化型塗装機等を備えた他の塗装装置に、剪断部材を設ける構成としてもよい。この構成は、第2、第3の実施形態にも同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0078】
1,31,51 塗装装置
3,32 回転霧化頭型塗装機
4,34 エアモータ
5,35 回転軸
6,36 回転霧化頭
11 カートリッジ
12 タンク(塗料供給源)
16,42B フィードチューブ
16A,42 塗料供給路
21 第1剪断部材(塗料微粒化手段)
21B,22B 微細孔
22 第2剪断部材(塗料微粒化手段)
37B カップ部
37D 塗料延面
38 ハブ部
38E 対向面
39 隙間部(塗料微粒化手段)
41 色換弁装置(塗料供給源)
42A 塗料配管
52 微粒化部材(塗料微粒化手段)
G 隙間部の隙間寸法
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2022-12-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアモータによって回転される中空な回転軸の先端に塗料を噴霧する回転霧化頭を有し、前記回転軸に挿通されたフィードチューブから前記回転霧化頭に向けて塗料を供給する回転霧化頭型塗装機と、
前記回転霧化頭型塗装機に向けて塗料を供給する塗料供給源と、
前記塗料供給源から前記回転霧化頭におよぶ塗料供給路と、
を備えてなる塗装装置において、
前記塗料供給路には、前記回転霧化頭から噴霧される塗料の微粒化を促進するための塗料微粒化手段が設けられ
前記塗料微粒化手段は、前記フィードチューブ内の前記塗料供給路を遮る位置に設けられ、塗料の流通を許す部分の総面積が1.53mm 以下の複数の微細孔を備えた剪断部材であることを特徴とする塗装装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明は、エアモータによって回転される中空な回転軸の先端に塗料を噴霧する回転霧化頭を有し、前記回転軸に挿通されたフィードチューブから前記回転霧化頭に向けて塗料を供給する回転霧化頭型塗装機と、前記回転霧化頭型塗装機に向けて塗料を供給する塗料供給源と、前記塗料供給源から前記回転霧化頭におよぶ塗料供給路と、を備えてなる塗装装置において、前記塗料供給路には、前記回転霧化頭から噴霧される塗料の微粒化を促進するための塗料微粒化手段が設けられ、前記塗料微粒化手段は、前記フィードチューブ内の前記塗料供給路を遮る位置に設けられ、塗料の流通を許す部分の総面積が1.53mm 以下の複数の微細孔を備えた剪断部材であることを特徴とする。