(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135801
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】キャッピングヘッド
(51)【国際特許分類】
B67B 3/20 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
B67B3/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023046672
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000253019
【氏名又は名称】澁谷工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100156199
【弁理士】
【氏名又は名称】神崎 真
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】青塚 久和
(72)【発明者】
【氏名】浅井 純
【テーマコード(参考)】
3E080
【Fターム(参考)】
3E080AA07
3E080CD01
3E080DD22
3E080FF20
(57)【要約】
【課題】簡便な構造により、複数のキャップ把持部をキャップ保持部に対して相対的に昇降可能とする。
【解決手段】キャッピングヘッド32は、本体と一体的に構成され、キャップCの頭部を保持するキャップ保持部38と、キャップ保持部38に対して昇降可能に構成され、キャップCの下側外周部を把持するキャップ把持部40とを備える。キャップ把持部40はキャップCを把持するアーム52を備え、アーム52はキャッピングヘッド32本体内の収容空間を昇降する把持部材開閉用カム部材44との係合によりキャップ保持部38に対して昇降されるとともに開閉される。キャッピングはキャップCの頭部がキャップ保持部38により保持され、キャップCの下側外周部がキャップ把持部40により把持された状態でキャッピングヘッド32を回転することで行われる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャップの上部を保持するキャップ保持部と、
上記キャップ保持部に対して相対的に昇降可能に設けられ、上記キャップ保持部が保持する部分よりも下方で上記キャップを把持する複数のキャップ把持部と、を備え、
上記キャップ把持部によってキャップを回転させてキャップを容器の口部に巻き締めるキャッピングヘッドにおいて、
上記キャップ把持部は、揺動軸に軸支されるアームと、当該アームの上部に設けられたローラと、当該アームの下部に設けられてキャップと当接する当接部と、を有しており、
内部に収容空間が設けられるとともに、下端に上記キャップ保持部が設けられ、モータによって回転される本体部と、
上記本体部の収容空間に、昇降可能、かつ、上方に付勢されて当該収容空間上部の待機位置に位置した状態で収容され、下方に向かって窄まるテーパ形状を有するとともに、下端部に支持部が設けられたカム部と、
気体供給源と上記収容空間とを連通して当該収容空間に気体を供給することにより、上記カム部を上記待機位置から下方へと移動させるカム部移動手段と、
上記カム部移動手段を制御する制御手段と、
上記揺動軸と、上記アームを付勢して上記ローラを上記カム部に当接させる付勢部材とが設けられるとともに、上記カム部の支持部と係合する係合部を介して上記カム部に対して上昇可能な状態で懸下されたベース部材と、を備えることを特徴とするキャッピングヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器にキャップを螺装するキャッピングヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
容器口部の雄ネジにキャップの雌ネジを螺装するキャッパでは、雌ネジ高さに対応するキャップの外周をキャッピングヘッドで保持して螺装される。キャップを受け取る前のキャッピングヘッドは、供給されるキャップと干渉しない高さに待機されており、キャップを受け取る際にはキャップを保持する高さまで下降される。キャップの雌ネジはキャップ開口部(下端部)近傍に設けられるため、キャップの高さが大きいとキャップ受け取りの際のキャッピングヘッドの上下ストロークが増大し、キャッピングヘッド昇降のためのカム曲線を増大する必要が生じる。結果、キャッピングホイールの外径を大きくする必要が生じ、キャッパが大型化する。
【0003】
このような問題に対し、吸着・保持する保持部材と、キャップ外周を把持して螺子締めを行う把持部材とをキャッピングヘッドに設けた構成が提案されている(特許文献1)。特許文献1のキャッピングヘッドでは、螺子締め装置(キャッピングヘッド)の中央に設けられたキャップパッド(キャップ保持部)でキャップ供給コンベヤ上のキャップの天面を吸引・保持し、キャップパッドの周囲を取り囲むように配置された開閉可能な複数の把持ローラ(キャップ把持部)でキャップの外周を把持してキャップを容器口部に螺装している。同構成ではキャップパッドをキャップ天面に接触させることでキャップを保持できるので、高さが高いキャップを取り扱う場合においても、キャップ受け取りの際のキャッピングヘッドの上下方向へのストロークを小さくすることができる。また、螺子締めの際には、キャップパッドに対して把持ローラを下降させることでキャップの外周を把持できるのでキャッピングヘッド全体の上下方向のストロークに影響を与えない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の構成では、把持ローラの昇降にステッピングモータ等の昇降装置を設ける必要があるため構造が複雑になり重量も増加し製造コストも増大する。
【0006】
本発明は、簡便な構造により、複数のキャップ把持部をキャップ保持部に対して相対的に昇降可能とすることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のキャッピングヘッドは、キャップの上部を保持するキャップ保持部と、上記キャップ保持部に対して相対的に昇降可能に設けられ、上記キャップ保持部が保持する部分よりも下方で上記キャップを把持する複数のキャップ把持部と、を備え、上記キャップ把持部によってキャップを回転させてキャップを容器の口部に巻き締めるキャッピングヘッドにおいて、上記キャップ把持部は、揺動軸に軸支されるアームと、当該アームの上部に設けられたローラと、当該アームの下部に設けられてキャップと当接する当接部と、を有しており、内部に収容空間が設けられるとともに、下端に上記キャップ保持部が設けられ、モータによって回転される本体部と、上記本体部の収容空間に、昇降可能、かつ、上方に付勢されて当該収容空間上部の待機位置に位置した状態で収容され、下方に向かって窄まるテーパ形状を有するとともに、下端部に支持部が設けられたカム部と、気体供給源と上記収容空間とを連通して当該収容空間に気体を供給することにより、上記カム部を上記待機位置から下方へと移動させるカム部移動手段と、上記カム部移動手段を制御する制御手段と、上記揺動軸と、上記アームを付勢して上記ローラを上記カム部に当接させる付勢部材とが設けられるとともに、上記カム部の支持部と係合する係合部を介して上記カム部に対して上昇可能な状態で懸下されたベース部材と、を備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、簡便な構造により、複数のキャップ把持部をキャップ保持部に対して相対的に昇降可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態であるキャッピングヘッドを搭載したキャッパの配置を示す平面図である。
【
図2】容器/キャップ受取区間におけるキャッパの模式的な半断面図である。
【
図3】キャッピング区間におけるキャッパの模式的な半断面図である。
【
図4】キャップ上部がキャップ保持部により保持された状態でのキャッピングヘッドの断面図である。
【
図5】キャップ把持部が圧縮空気によりキャップ保持部に対して下降された状態のキャッピングヘッドの断面図である。
【
図6】キャップ把持部が圧縮空気により閉じられた状態のキャッピングヘッドの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態であるキャッピングヘッドを搭載したキャッパの配置を示す平面図である。
【0011】
本実施形態のキャッパ10は、例えば容器Vの口部に設けられた雄ネジに雌ネジが設けられたキャップCを螺装する装置である。容器Vは容器供給コンベヤ12から供給され、容器供給スターホイール14を介してキャッパ10に受け渡される。また、キャップCは、容器供給スターホイール14の上方に配置されたキャップ供給装置16から供給される。容器VおよびキャップCは、容器供給スターホイール14およびキャップ供給装置16に隣接する容器/キャップ受取区間S1においてそれぞれ容器供給スターホイール14およびキャップ供給装置16から受け取られ、キャッピング区間S2において各容器VにキャップCが装着さる。キャッピングが終了した容器Vは、容器排出スターホイール18へと受け渡され、その後、容器排出コンベヤ20を介して下流側へと排出される。
【0012】
図2および
図3は、それぞれ容器/キャップ受取区間S1、キャッピング区間S2におけるキャッパ10の模式的な半断面図である。キャッパ10には、回転軸Lの周りに一体的に回転する下側回転体10A、中間回転体10B、上側回転体10Cが下から順に設けられる。
【0013】
下側回転体10Aには、容器Vの胴部を把持するためのグリッパ22が上端部に取り付けられた一対の回転軸22Aが軸支され、回転軸22Aの一方の下端部には、その先端にカムフォロワ22Cが設けられたレバー22Bが取り付けられる。レバー22Bは図示しない付勢部材によりキャッパ10の径方向内側に向けて付勢され、カムフォロワ22Cはキャッパ10の全周に沿って設けられる開閉カム22Dに押し当てられ、キャッパ10の回転に従って、そのカム面上を走行する。一対の回転軸22Aは図示しないギアにより係合され、一方の回転軸22Aの回転により他方の回転軸22Aが同じ角度だけ反対向きに回転される。すなわち、カムフォロワ22Cと開閉カム22Dの係合によりレバー22Bが揺動されるとグリッパ22が開閉される。
【0014】
キャップ供給装置16のキャップディスク16A上には外周部に沿って所定間隔でピッカー16Bが設けられ、各ピッカー16Bには不図示のシュートからキャップCが伏せた状態で供給される保持される。中間回転体10Bの外周には所定間隔で、スピンドル24が昇降自在に軸支される。スピンドル24の上端部には昇降部材26が設けられ、昇降部材26にはカムフォロワ26Aが設けられる。カムフォロワ26Aは、キャッパ10の全周に沿って設けられる昇降カム26Bのカム溝に係合し、キャッパ10の回転に従ってカム溝に沿って昇降部材26を昇降する。
【0015】
スピンドル24および昇降部材26は、スプライン軸28を介して上側回転体10C上に搭載されたサーボモータ30に連結される。これによりスピンドル24および昇降部材26はスプライン軸28に沿って昇降自在とされるとともに、スプライン軸28と一体的に回転される。スピンドル24の下端部には、キャッピングヘッド32を装着するキャッピングヘッド連結部24Aが設けられ、取り扱われるキャップCに合わせたキャッピングヘッド32が取り付けられる。なお、サーボモータ30の回転は、上側回転体10C上に設けられた制御装置34によって制御される。
【0016】
キャッパ10およびキャップ供給装置16は、同期して回転され、キャッピングヘッド32は、容器/キャップ受取区間S1においてキャッピングヘッド32とピッカー16Bが最接近する位置において、ピッカー16Bに保持されるキャップCの真上に位置する。このときスピンドル24は、カムフォロワ26Aと昇降カム26Bの係合により下降され、ピッカー16Bに保持されるキャップCの上部が、キャッピングヘッド32に設けられたキャップ保持部38(
図4参照)により保持される(後述)。その後スピンドル24は上昇され、キャップCはキャッピングヘッド32のキャップ保持部38により持ち上げられる。
【0017】
また、容器/キャップ受取区間S1では、ハカマRに載せられた容器Vが容器供給スターホイール14から下側回転体10Aに順次移載される。各容器Vは、口部がキャッピングヘッド32の真下に位置する状態でその胴部がグリッパ22によって把持され、キャッピング区間S2へと搬送される。なお、キャップCを保持したキャッピングヘッド32は、上昇された待機位置を維持したまま容器Vとともにキャッピング区間S2へと搬送される。
【0018】
キャッピング区間S2では、キャッピングヘッド32が容器Vの口部に向けて下降されるとともに、後述するようにキャッピングヘッド32のキャップ把持部40(
図4参照)がキャップ保持部38に対して下降されキャップCの外周部を把持する。そして、スピンドル24の回転によりキャッピングヘッド32が回転され、キャップ把持部40把持されるキャップCが容器Vの口部に螺装される。なお、このとき、容器Vはグリッパ22により把持されているためキャッピングヘッド32との供回りが防止される。
【0019】
キャップ把持部40のキャップ保持部38に対する昇降、およびキャップ把持部の開閉は、後述するようにキャッピングヘッド32に供給される圧縮空気により駆動される。圧縮空気は、上側回転体10C上に設置される圧縮空気供給源(気体供給源)36から昇降部材26、スピンドル24を介してキャッピングヘッド32へと供給される。圧縮空気供給源36には、例えば不図示の電磁弁が設けられ、制御装置(制御手段)34によってその開閉が制御される。これによりキャッピングヘッド32への圧縮空気の供給は制御され、キャップ把持部40の昇降、開閉が制御される。
【0020】
図4、
図5、
図6は、キャッピングヘッド32の断面図である。
図4には、カムフォロワ26Aと昇降カム26Bの係合によりキャッピングヘッド32が下降され、キャップ供給装置16のピッカー16Bに保持されるキャップCの上部が、キャップ保持部38により保持された状態が示される。また、
図5には、キャップ把持部40が圧縮空気によりキャップ保持部38に対して下降される状態が示され、
図6にはキャップ把持部40が圧縮空気により閉じられる状態が示される。
【0021】
本実施形態のキャッピングヘッド32の本体部は、スピンドル24の下端部に設けられたキャッピングヘッド連結部24Aに装着される接続部32Aと、接続部32Aから下方に円筒状に延出し、内部に収容空間を備えるシリンダ部32Bと、前述したキャップ保持部38とを備える。シリンダ部32Bは、下向きに開放されており、その中心には、センターガイド42が円筒軸に沿って配置される。センターガイド42の上端は接続部32Aに連結され、その下端部にはキャップ保持部38の本体、すなわちキャップ保持部本体38Aの天面中央部が連結される。また、シリンダ部32Bの下端部からは、複数のブラケット48が下方へと延出し、その下端はキャップ保持部本体38Aの外周部に接続される。
【0022】
また、シリンダ部32B内には、スライドブッシュ41を介してセンターガイド42に嵌合する把持部材開閉用カム部材(カム部)44が嵌装され、センターガイド42に沿って昇降可能である。把持部材開閉用カム部材44の上端部は、シリンダ部32Bの内周面と気密的に摺接するピストン部44Aとして構成され、その下方部は後述するキャップ把持部40のローラ40Aと係合するカム部44Bとして構成される。また、シリンダ部32Bの下端近傍の内周縁とピストン部44Aとの間には、カム部44Bを巻回するようにコイルスプリング(付勢部材)46が圧縮された状態で配置され、シリンダ部32B内において把持部材開閉用カム部材44を上向きに付勢して待機位置にまで押し上げる。
【0023】
接続部32Aには、圧縮空気供給源36へと連通するキャッピングヘッド連結部24A内に形成された通路に接続される圧縮空気供給通路45が設けられ、圧縮空気供給通路45は、センターガイド42に設けられた孔42Aを介して、ピストン部44A上方のシリンダ部32B内の空間Sに連通される。これにより圧縮空気供給源36からの圧縮空気は空間Sに供給可能であり、ピストン部44Aの天面を押圧して把持部材開閉用カム部材44をコイルスプリング46の付勢力に抗してシリンダ部32Bに対して下降させることができる。
【0024】
一方、ブラケット48の内側には、キャップ把持部40を構成する複数のアーム52を軸支するベース部材50が配置される。ベース部材50の本体は、スライドブッシュ51を介してセンターガイド42周りに摺接し、センターガイド42に沿ってキャップ保持部38の上面と当接するまで下降可能である(後述)。
【0025】
ベース部材50の外周からは、各アーム52を軸支する支持部材50Aがブラケット48同士の間を通して外側へと延出し、各アーム52は、水平なアーム揺動軸50Bによって軸支される。本実施形態のキャップ把持部40は例えば3本のアーム52を備え、各アーム52は周方向に120度間隔で配置される。
図4では便宜的に2本のアーム52に沿った断面が示される。
【0026】
したがって、ベース部材50からは、各アーム52に対応して3本の支持部材50Aが外側に延出し、その先端に各々アーム揺動軸50Bが設けられる。また、ブラケット48はアーム52の数に合わせて3つ設けられ、各アーム52と干渉しないように周方向に沿って略120度間隔で支持部材50A同士の略中間に配置される。
【0027】
アーム52は、アーム揺動軸50Bから下方に延出する把持アーム部52Aと上方に延出する駆動アーム部52Bとを備える。把持アーム部52Aの下端部はキャッピングヘッド32の中心に向けて突出し、その先端にはキャップCの下側外側面に押し当てられる当接部54が設けられる。一方、駆動アーム部52Bの上端には前述したローラ40Aが各々設けられる。各支持部材50Aの下方に位置するベース部材50と把持アーム部52Aの間にはスプリング(付勢部材)56が介装され、把持アーム部52Aを外側に向けて付勢する。これによりアーム揺動軸50Bよりも上側に位置する駆動アーム部52Bは、カム部44Bに向けて内側に付勢され、カム部44Bに押し当てられる。
【0028】
把持部材開閉用カム部材44のカム部44Bは下方に向かって窄まるテーパ形状を有し、センターガイド42に沿ってカム部44Aが下降されるとローラ40Aは外側に押し出され、把持アーム部52Aは閉じる方向に移動される。
【0029】
また、カム部44Aの下端部はセンターガイド42に沿って円筒状に下方に延出する円筒部58Aと円筒部58Aの下端部においてフランジ状に外側に延出するフランジ部58Bを備える支持部58として構成される。支持部58には、ベース部材50の上部に設けられた係合部60が係合される。
【0030】
係合部60はカップを伏せた形状を呈し、天面中央には支持部58の円筒部58Aに嵌合する開口部が設けられ、支持部58のフランジ部58Bは係合部60内に配置される。フランジ部58Bは係合部60内を昇降可能であり、最上昇位置では係合部60の天面に係止され、最下降位置ではベース部材50の頂面に当接する。すなわち最上昇位置において、ベース部材50は係合部60を介してカム部44Bに対して相対的に上昇可能な状態で懸下され、ベース部材50がキャップ保持部38の上面から離隔した状態では、カム部44Bが下降されると一体的に下降される。ベース部材50がキャップ保持部38の上面に当接すると、ベース部材50の下降が停止されるので、カム部44Bのみが下降され、係合部60内のフランジ部58Bがベース部材50に当接するとカム部44Bの下降も停止される。
【0031】
本実施形態のキャップ保持部38は、周方向に沿って略等間隔で4つの保持爪62を備える。キャップ保持部本体38Aの中央部には、キャップCの頭部を収容する下方に開放された円筒状のキャップ収容部64が設けられ、その周囲には保持爪62を収容するための環状の溝66が設けられる。
【0032】
保持爪62は溝66内に略垂直に装着される垂直部材62Aと、垂直部材62Aの下端において内側に向けて突出し、キャップCの頭部外周に係合して把持する先端部62Bと、垂直部材62Aの上端において外側に向けて突出する基端部62Cとから構成される。各保持爪62の基端部62Cは回り止めピン64によって周方向に固定され、基端部62Cの少し下側の垂直部材62Aの内側は、溝66の内側の側壁から突出する揺動支点66Aに当接する。
【0033】
また、先端部62Bの外側にはOリング68が巻き付けられており、これにより保持爪62は揺動支点66Aを支点に先端部62Bを内側に付勢する。なお、先端部62Bの少し上側の垂直部材62Aの外側にはOリング70が掛け回され、垂直部材62Aの内側を溝66の内側の側壁に設けられた突起に押し当てて、キャップCを保持していないときに保持爪62の溝66からの脱落を防止する。
【0034】
次に、
図2~
図6を参照して本実施形態のキャッピングヘッド32によるキャップCのキャップ供給装置16からの受け取り動作および容器Vの口部への巻締動作について説明する。
【0035】
容器/キャップ受取区間S1の手前において、キャッピングヘッド32の空間Sに圧縮空気は供給されておらず、把持部材開閉用カム部材44はコイルスプリング46の付勢力により待機位置に保持される。キャッピングヘッド32が容器/キャップ受取区間S1に差し掛かると、キャッピングヘッド32は昇降カム26Bによってピッカー16Bに保持されるキャップCに向けて下降される。これによりキャップCの頭部がキャップ保持部38のキャップ収容部64に収容され、4つの保持爪62がキャップCの頭部の外周部を保持する。キャップCの天面がキャップ収容部64に当接するタイミング(
図4参照)で、キャッピングヘッド32は昇降カム26Bにより再び元の位置まで上昇される。また、このとき並行してハカマRに載せられた容器Vが容器供給スターホイール14から下側回転体10Aに受け渡され、容器Vの胴部がグリッパ22により把持される。
【0036】
キャッピングヘッド32の上昇が開始されると、制御装置34により圧縮空気供給源36の電磁弁が開かれ圧縮空気が空間Sに供給される。これによりに把持部材開閉用カム部材44とともに支持部58に懸下されるベース部材50が下降される。その結果としてキャップ把持部40のアーム52が、ベース部材50がキャップ保持部本体38Aの上面に当接するまで下降される(
図5参照)。なお、ベース部材50がキャップ保持部本体38Aの上面に当接するまでの間、アーム52は下降のみで、
図4と略同様に開いた状態に維持される。
【0037】
更に圧縮空気供給源36から空間Sに圧縮空気が供給されると、ベース部材50は固定された状態で支持部58が係合部60内を下降され、把持部材開閉用カム部材44は更に下降される。把持部材開閉用カム部材44は、圧縮空気により支持部58のフランジ部58Bがベース部材50の上面に当接するまで下降され、カム部44Bによりローラ40Aが設けられた駆動アーム部52Bがスプリング56の付勢力に抗して押し広げられ、アーム揺動軸50Bを中心に把持アーム52Aが内側に閉じられ、キャップCの下端部近傍の外側面が各把持アーム52Aの当接部54により把持される。なお、キャップCを把持アーム部52Aで把持するタイミング(空気を供給するタイミング)は、キャッピングのための回転を開始するまでの期間であれば任意である。
【0038】
その後、キャッピングヘッド32がキャッピング区間S2に到達すると、昇降カム26Bによるキャッピングヘッド32の下降が開始されるとともに、サーボモータ30によってキャッピングヘッド32が回転され、キャップCが容器Vの口部に巻き締められる。キャッピング区間S2における巻き締め動作が完了すると、昇降カム26Bによりキャッピングヘッド32が元の高さまで上昇されるとともに圧縮空気供給源36の電磁弁が閉じられる。これにより、コイルスプリング46の付勢力により、把持部材開閉用カム部材44が上昇され、更にベース部材50が上昇される。すなわち、
図4、
図5、
図6に示される動作の逆の動作が実現される。
【0039】
以上のように、本実施形態のキャッピングヘッドによれば、簡便な構造により、複数のキャップ把持部をキャップ保持部に対して相対的に昇降可能とすることができる。例えば、本実施形態では圧縮空気によりアームの開閉と、キャップ把持部のキャップ保持部に対する相対的な昇降を可能にしている。また、本実施形態の構成によれば、キャッパを大型化することなく、かつ、簡素な構造によって、高さが相対的に大きいキャップにも対応可能となる。
【0040】
なお、本実施形態のキャップ保持部はキャップ頭部を複数の保持爪で把持する構成であったが、キャップの天面を吸引する構成であってもよい。また、本実施形態のキャップ把持部において、アームの数は3本であったが、アームの数は2本でも4本以上でもよい。
【0041】
また、本実施形態のベース部材は、キャップ保持部の上面に当接することでその下降が規制されたが、これに代えて、センターガイド42に設けたストッパや、中間回転体10Bから垂下させるストッパによりその下降を規制してもよい。
【符号の説明】
【0042】
30 サーボモータ
32 キャッピンヘッド
32B シリンダ部
34 制御装置
36 圧縮空気供給源(気体供給源)
38 キャップ保持部
40 キャップ把持部
40A ローラ
44 把持部材開閉用カム部材(カム部)
50 ベース部材
50B アーム揺動軸
52 アーム
54 当接部
56 スプリング(付勢部材)
58 支持部
60 係合部
C キャップ
S 空間
V 容器