IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士ゼロックス株式会社の特許一覧

特開2024-135802情報処理装置、及び情報処理プログラム
<>
  • 特開-情報処理装置、及び情報処理プログラム 図1
  • 特開-情報処理装置、及び情報処理プログラム 図2
  • 特開-情報処理装置、及び情報処理プログラム 図3
  • 特開-情報処理装置、及び情報処理プログラム 図4
  • 特開-情報処理装置、及び情報処理プログラム 図5
  • 特開-情報処理装置、及び情報処理プログラム 図6
  • 特開-情報処理装置、及び情報処理プログラム 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135802
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】情報処理装置、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 1/20 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
G06T1/20 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023046673
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野田 尚志
(72)【発明者】
【氏名】林 和夫
(72)【発明者】
【氏名】加藤 征史郎
【テーマコード(参考)】
5B057
【Fターム(参考)】
5B057BA02
5B057CA12
5B057CA16
5B057CB12
5B057CB16
5B057CH18
5B057CH20
5B057DC32
(57)【要約】
【課題】複数のハードウェア処理部のうち、どのハードウェア処理部で異常が発生したかを明らかにすることができる情報処理装置等を提供する。
【解決手段】情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、画像情報をハードウェアによって処理するハードウェア処理部による第一処理結果と、画像情報をソフトウェアによって処理するソフトウェア処理部による第二処理結果と、を比較し、複数の前記ハードウェア処理部のうちから、異常が発生した異常発生処理部を特定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
画像情報をハードウェアによって処理するハードウェア処理部による第一処理結果と、画像情報をソフトウェアによって処理するソフトウェア処理部による第二処理結果と、を比較し、複数の前記ハードウェア処理部のうちから、異常が発生した異常発生処理部を特定する
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記異常発生処理部を特定した場合において、画像情報を順次処理する場合に、
前記異常発生処理部を前記ソフトウェア処理部に置換して、前記画像情報を順次処理する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
置換された前記ソフトウェア処理部と、異常の発生が特定されていない前記ハードウェア処理部と、にて前記画像情報を順次処理する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記複数のハードウェア処理部にて画像情報を順次処理した前記第一処理結果と、
前記複数のハードウェア処理部のうち、異常の検出対象となる1つの対象処理部を前記ソフトウェア処理部に置換して前記画像情報を順次処理した前記第二処理結果と、を比較し、
前記第一処理結果と前記第二処理結果との間に予め定められた差がある場合に、前記対象処理部を前記異常発生処理部として特定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記複数のハードウェア処理部において順次処理した画像情報は、処理順が最後のハードウェア処理部から出力可能とされ、
前記第二処理結果は、
前記複数のハードウェア処理部において、処理順が前記対象処理部よりも前のハードウェア処理部にて処理を行い、前記対象処理部以降では処理を実行せずに、出力された画像情報に対して、前記ソフトウェア処理部が処理を行った後、
再度、前記複数のハードウェア処理部において、処理順が前記対象処理部よりも後のハードウェア処理部にて処理を行った結果である
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記複数のハードウェア処理部のうち、異常の検出対象となる1つの対象処理部にて画像情報を処理した前記第一処理結果と、
前記ソフトウェア処理部にて前記画像情報を処理した前記第二処理結果と、を比較し、
前記第一処理結果と前記第二処理結果との間に予め定められた差がある場合に、前記対象処理部を前記異常発生処理部として特定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記複数のハードウェア処理部の各々が、前記対象処理部として画像情報を処理した複数の前記第一処理結果の各々と、
前記ソフトウェア処理部にて前記画像情報を処理した複数の前記第二処理結果の各々と、を比較し、
前記第一処理結果の各々と前記第二処理結果の各々との間に予め定められた差がある場合に、前記対象処理部を前記異常発生処理部として特定する
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータに、
画像情報をハードウェアによって処理するハードウェア処理部による第一処理結果と、画像情報をソフトウェアによって処理するソフトウェア処理部による第二処理結果と、を比較し、複数の前記ハードウェア処理部のうちから、異常が発生した異常発生処理部を特定する処理を実行させるための
情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、シリアルに接続されている複数の機能モジュールがデータに対して順次処理を行うとともに、該機能モジュールのエラー検出を行うエラー検出手段を少なくとも1つ搭載する半導体集積回路において、前記エラー検出手段は、連続する前記機能モジュール間で交換される信号または/及びデータの転送状況を確認して、監視対象とすべき1対の連続する特定機能モジュール及び該特定機能モジュール間において転送される信号のうち監視対象とすべき特定信号を特定する転送状況確認手段と、前記特定機能モジュール間で転送される前記特定信号を取得する信号取得手段と、前記信号取得手段の取得した前記特定信号に基づいてエラー発生原因が1対の連続する前記特定機能モジュールのうちいずれの機能モジュールにあるかを判定する判定手段と、を備えていることを特徴とする半導体集積回路が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-191833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像情報をハードウェアによって処理する複数のハードウェア処理部にて、画像情報を順次処理する情報処理装置において、順次処理された画像情報に基づき出力された画像に欠陥があった場合に、複数のハードウェア処理部のうち、どのハードウェア処理部で異常が発生したが明らかではなかった。
【0005】
本開示は、複数のハードウェア処理部のうち、どのハードウェア処理部で異常が発生したかを明らかにすることができる情報処理装置、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、画像情報をハードウェアによって処理するハードウェア処理部による第一処理結果と、画像情報をソフトウェアによって処理するソフトウェア処理部による第二処理結果と、を比較し、複数の前記ハードウェア処理部のうちから、異常が発生した異常発生処理部を特定する。
【0007】
第2態様では、第1態様において、前記プロセッサは、前記異常発生処理部を特定した場合において、画像情報を順次処理する場合に、前記異常発生処理部を前記ソフトウェア処理部に置換して、前記画像情報を順次処理する。
【0008】
第3態様では、第2態様において、前記プロセッサは、置換された前記ソフトウェア処理部と、異常の発生が特定されていない前記ハードウェア処理部と、にて前記画像情報を順次処理する。
【0009】
第4態様では、第1態様において、前記プロセッサは、前記複数のハードウェア処理部にて画像情報を順次処理した前記第一処理結果と、前記複数のハードウェア処理部のうち、異常の検出対象となる1つの対象処理部を前記ソフトウェア処理部に置換して前記画像情報を順次処理した前記第二処理結果と、を比較し、前記第一処理結果と前記第二処理結果との間に予め定められた差がある場合に、前記対象処理部を前記異常発生処理部として特定する。
【0010】
第5態様では、第4態様において、前記複数のハードウェア処理部において順次処理した画像情報は、処理順が最後のハードウェア処理部から出力可能とされ、前記第二処理結果は、前記複数のハードウェア処理部において、処理順が前記対象処理部よりも前のハードウェア処理部にて処理を行い、前記対象処理部以降では処理を実行せずに、出力された画像情報に対して、前記ソフトウェア処理部が処理を行った後、再度、前記複数のハードウェア処理部において、処理順が前記対象処理部よりも後のハードウェア処理部にて処理を行った結果である。
【0011】
第6態様では、第1態様において、前記プロセッサは、前記複数のハードウェア処理部のうち、異常の検出対象となる1つの対象処理部にて画像情報を処理した前記第一処理結果と、前記ソフトウェア処理部にて前記画像情報を処理した前記第二処理結果と、を比較し、前記第一処理結果と前記第二処理結果との間に予め定められた差がある場合に、前記対象処理部を前記異常発生処理部として特定する。
【0012】
第7態様では、第6態様において、前記プロセッサは、前記複数のハードウェア処理部の各々が、前記対象処理部として画像情報を処理した複数の前記第一処理結果の各々と、前記ソフトウェア処理部にて前記画像情報を処理した複数の前記第二処理結果の各々と、を比較し、前記第一処理結果の各々と前記第二処理結果の各々との間に予め定められた差がある場合に、前記対象処理部を前記異常発生処理部として特定する。
【0013】
第8態様は、コンピュータに、画像情報をハードウェアによって処理するハードウェア処理部による第一処理結果と、画像情報をソフトウェアによって処理するソフトウェア処理部による第二処理結果と、を比較し、複数の前記ハードウェア処理部のうちから、異常が発生した異常発生処理部を特定する処理を実行させるための情報処理プログラムである。
【発明の効果】
【0014】
第1態様の構成によれば、複数のハードウェア処理部のうち、どのハードウェア処理部で異常が発生したかを明らかにすることが可能となる。
【0015】
第2態様の構成によれば、異常が発生した異常発生処理部を用いずに、画像情報を順次処理することが可能となる。
【0016】
第3態様の構成によれば、異常発生処理部を含む全てのハードウェア処理部をソフトウェア処理部に置換して、画像情報を順次処理する場合に比べ、処理時間を短くできる。
【0017】
第4態様の構成によれば、複数のハードウェア処理部のうち、異常の検出対象となる1つの対象処理部にて単独で画像情報を処理した第一処理結果と、当該1つの対象処理部に置換してソフトウェア処理部のみにて画像情報を処理した第二処理結果と、を比較する場合に比べ、複数のハードウェア処理部の構成を簡素化することが可能となる。
【0018】
第5態様の構成によれば、複数のハードウェア処理部において、順次処理した画像情報は、処理順が最後のハードウェア処理部からのみ出力可能とされた構成において、複数のハードウェア処理部のうち、どのハードウェア処理部で異常が発生したかを明らかにすることができる。
【0019】
第6態様の構成によれば、画像情報を順次処理した結果のみを第一処理結果及び第二処理結果として用いる場合に比べ、異常発生処理部を特定する処理の処理時間を短くできる。
【0020】
第7態様の構成によれば、画像情報を順次処理した結果のみを第一処理結果及び第二処理結果として用いる場合に比べ、複数のハードウェア処理部について、異常発生処理部を特定する処理の処理時間を短くできる。
【0021】
第8態様の構成によれば、複数のハードウェア処理部のうち、どのハードウェア処理部で異常が発生したかを明らかにすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】第1実施形態に係る情報処理装置の構成を示す概略図である。
図2】第1実施形態に係る情報処理装置において実行される異常検出処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図3】第1実施形態に係る情報処理装置において実行される特定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図4】第1実施形態に係る情報処理装置において実行される通常処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5】第1実施形態に係る情報処理装置において実行される置換処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6】第1実施形態に係る情報処理装置において実行されるリカバリー処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図7】第2実施形態に係る情報処理装置の構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
【0024】
《第1実施形態》
<情報処理装置10>
まず、本実施形態に係る情報処理装置10の構成を説明する。図1は、本実施形態に係る情報処理装置10の構成を示す概略図(具体的にはブロック図)である。
【0025】
図1に示される情報処理装置10は、画像データ(すなわち画像情報)を処理する装置である。この情報処理装置10は、コンピュータとしての機能を有し、図1に示されるように、画像入力部11と、記憶部12と、画像出力部13と、制御部14と、ROM16と、RAM17と、通知部6と、入力部7と、入出力制御部18と、複数の画像処理部19と、集積回路20と、を備えている。
【0026】
画像入力部11、記憶部12、画像出力部13、制御部14、ROM16、RAM17、通知部6、入力部7、及び入出力制御部18の各々は、バス9により相互に接続されている。これにより、当該構成要素の間において、相互に画像データの送受信が可能となっている。
【0027】
画像入力部11は、画像データが入力される機能部(具体的にはインタフェース)である。画像入力部11には、例えば、原稿等の画像をスキャナ等の画像読取部で読み取ることで生成された画像データ、及び、画像作成ソフト等を用いてユーザによって生成された画像データなどが入力される。なお、画像は、文字、及び文字で構成される文書を含む概念である。
【0028】
記憶部12は、各種プログラム、及び各種情報等を記憶する機能部である。記憶部12は、具体的には、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、又はフラッシュメモリ等の記憶装置(すなわちストレージ)によって実現される。
【0029】
画像出力部13は、画像データを出力する機能部(具体的にはインタフェース)である。画像出力部13は、例えば、複数の画像処理部19で処理された画像データを、画像形成装置100に出力する。画像形成装置100では、画像出力部13から出力された画像データに基づき、記録媒体に画像を形成する。
【0030】
通知部6は、ユーザに対して各種の情報を通知する機能部である。当該通知部6としては、例えば、各種の情報としてのメッセージなどを表示する表示部が用いられる。当該表示部としては、例えば、液晶ディスプレイ、及び有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどを用いることが可能である。
【0031】
入力部7は、ユーザが各種の指示を入力可能な機能部(具体的にはユーザインタフェース)である。入力部7では、ユーザが、画像処理に関する各種の設定を指示する設定指示を入力可能とされている。入力部7としては、通知部6と一体化されたタッチパネルを用いることが可能である。なお、入力部7としては、通知部6と別体であってもよく、ポインティングデバイス、及び入力キーなどを用いてもよい。
【0032】
入出力制御部18は、複数の画像処理部19及び外部(例えば記憶部12)に対する画像データの入出力を制御する機能部である。本実施形態では、制御部14から送られる制御情報141によって、入出力制御部18における画像データの画像処理部19への入出力が制御される。
【0033】
複数の画像処理部19の各々は、ハードウェア処理部の一例であり、入出力制御部18によって画像入力部11から画像処理部19へ入力された画像データを、ハードウェアによって処理する画像処理(以下、ハードウェア処理という)を実行する機能部である。
【0034】
本実施形態では、複数の画像処理部19は、説明の便宜上、図1に示されるように、画像処理部19A、19B、19C、19D、19E、19F、19G、19H、19I、19J、19K、19L、19Mで構成されているものとする。
【0035】
また、複数の画像処理部19の各々は、処理情報パス(図1における破線の矢印参照)により、入出力制御部18に接続されている。これにより、制御部14が、入出力制御部18を介して、複数の画像処理部19の各々を制御可能とされている。
【0036】
また、本実施形態では、複数の画像処理部19の一部(具体的には画像処理部19A、19F、19G、19K、19M)が、画像データパス(図1における実線の矢印参照)により、入出力制御部18に接続されている。これにより、複数の画像処理部19のうち、例えば、画像処理部19A、19G、19Kに対して、入出力制御部18から画像データを入力可能とされている。また、複数の画像処理部19のうち、例えば、画像処理部19F、19G、19Mから、入出力制御部18に対して画像データが出力可能とされている。
【0037】
したがって、本実施形態では、画像処理部19Aへ入力された画像データは、画像処理部19A、19B、19C、19D、19Eから入出力制御部18に出力できず、処理順が最後の画像処理部19Fからのみ入出力制御部18に出力可能となっている。
【0038】
また、本実施形態では、画像処理部19Gへ入力された画像データは、画像処理部19G、19H、19I、19J、19Lから入出力制御部18に出力できず、画像処理部19K、又は、処理順が最後の画像処理部19Mから入出力制御部18に出力可能となっている。
【0039】
さらに、本実施形態では、画像処理部19Kへ入力された画像データは、画像処理部19Lから入出力制御部18に出力できず、画像処理部19K、又は、処理順が最後の画像処理部19Mから入出力制御部18に出力可能となっている。
【0040】
このように、複数の画像処理部19では、入出力制御部18に対して、画像データの入出力が可能な画像処理部19が一部に限定されている。
【0041】
なお、画像処理部19A、19B、19C、19D、19E、19Fは、この順で画像データパス(図1における実線の矢印参照)により接続されており、画像処理部19Aへ入力された画像データに対してハードウェア処理を順次実行する。また、画像処理部19G、19H、19I、19J、19K、19L、19Mは、この順で画像データパス(図1における実線の矢印参照)により接続されており、画像処理部19Gへ入力された画像データに対してハードウェア処理を順次実行可能とされている。また、画像処理部19Kへ入力された画像データに対しては、画像処理部19K、19L、19Mによって、ハードウェア処理を順次実行可能とされている。
【0042】
本実施形態では、入出力制御部18、及び複数の画像処理部19は、例えば、ASIC: Application Specific Integrated Circuitなどの集積回路20により構成されている。入出力制御部18、及び複数の画像処理部19の各々は、集積回路20に備えられた、半導体素子等の電子部品にて実現される。
【0043】
制御部14は、プロセッサの一例であり、入出力制御部18を含む各部を制御する機能部である。この制御部14は、具体的には、CPU等の汎用プロセッサで構成されている。
【0044】
ROM16は、情報処理プログラムを含む各種プログラム及び各種データ等を記憶している。なお、情報処理プログラムは、記憶部12に記憶されていてもよい。
【0045】
RAM17は、各種プログラムの実行時のワークエリアとして用いられるメモリである。制御部14が、ROM16又は記憶部12に記憶されたプログラムをRAM17に展開して実行することにより、各種処理を実行する。
【0046】
さらに、制御部14は、情報処理プログラムを実行することにより、ソフトウェア処理部14A、異常判定部14B、及び異常特定部14Cとして機能する。ソフトウェア処理部14Aは、画像データをソフトウェアによって処理する画像処理(以下、ソフトウェア処理という)を実行する機能部である。ソフトウェア処理部14Aは、複数の画像処理部19の各々が実行するハードウェア処理と同等の画像処理を実行可能とされている。
【0047】
異常判定部14Bは、複数の画像処理部19のいずれかに異常があるか否かを判定する機能部である。異常判定部14Bでは、複数の画像処理部19にてハードウェア処理が実行された画像データ(すなわち、複数の画像処理部19によるハードウェア処理の結果(以下、ハードウェア処理結果という))と、ソフトウェア処理部14Aにてソフトウェア処理が実行された画像データ(すなわち、ソフトウェア処理部14Aによるソフトウェア処理の結果(以下、ソフトウェア処理結果という))と、を比較し、複数の画像処理部19のいずれかに異常があるか否かを判定する。
【0048】
具体的には、異常判定部14Bは、例えば、ハードウェア処理結果としての画像データを数値化すると共に、ソフトウェア処理結果としての画像データを数値化し、ハードウェア処理結果における数値とソフトウェア処理結果における数値との差分が、閾値以上である場合に、複数の画像処理部19のいずれかに異常があると判定する。
【0049】
異常特定部14Cは、複数の画像処理部19のうちから、異常が発生した異常発生処理部を特定する機能部である。異常特定部14Cでは、画像処理部19による通常処理の結果(以下、通常処理結果という)と、ソフトウェア処理部14Aによる置換処理の結果(以下、置換処理結果という)と、を比較し、複数の画像処理部19のうちから、異常発生処理部を特定する。
【0050】
本実施形態では、具体的には、異常特定部14Cは、例えば、通常処理結果としての画像データを数値化すると共に、置換処理結果としての画像データを数値化し、通常処理結果における数値と置換処理結果における数値との差分が、閾値以上である場合に、対象処理部を前記異常発生処理部として特定する。
【0051】
ここで、通常処理とは、画像処理の実行指示に基づき、複数の画像処理部19が画像データに対してハードウェア処理を順次実行する処理である。通常処理結果は、第一処理結果の一例である。
【0052】
また、置換処理とは、複数の画像処理部19のうち、異常があるか否かを検出する検出対象となる1つの画像処理部19を、ソフトウェア処理部14Aに置換してソフトウェア処理を実行し、他の画像処理部19が、画像データに対してハードウェア処理を実行する処理である。置換処理結果は、第二処理結果の一例である。
【0053】
なお、本実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えば、前述のCPU等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、前述のASIC、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。また、本実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。
【0054】
したがって、本実施形態では、入出力制御部18、及び複数の画像処理部19が、プロセッサの一部を構成していると把握することが可能である。すなわち、本実施形態では、制御部14、入出力制御部18、及び複数の画像処理部19を、プロセッサの一例と把握することが可能である。また、プロセッサの各動作の順序は、本実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0055】
<本実施形態に係る異常検出処理>
次に、本実施形態に係る異常検出処理の一例について説明する。図2は、情報処理装置10において実行される異常検出処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0056】
本実施形態では、制御部14がROM16又は記憶部12から情報処理プログラムを読み出して実行することによって、本処理が実行される。本実施形態では、本処理は、一例として、画像データに対する画像処理の実行指示を取得した場合に、実行が開始され、情報処理装置10における画像処理動作に伴って、実行される。
【0057】
なお、本処理は、複数の画像処理部19のいずれかに異常があるか否かを検出する処理であり、複数の画像処理部19のうちから、異常が発生した異常発生処理部を特定する処理ではない。
【0058】
制御部14が、図2に示されるように、本処理を開始すると、入出力制御部18及び複数の画像処理部19を制御することで、複数の画像処理部19が、画像データに対してハードウェア処理を順次実行する(ステップS101)。
【0059】
具体的には、ステップS101において、制御部14は、ユーザが入力部7を通じて指示した設定指示などに基づき、制御情報141を生成し、入出力制御部18を制御する。入出力制御部18は、制御情報141に基づき、画像入力部11に入力された画像データを画像処理部19(具体的には画像処理部19A、19G、19Kのいずれか)に入力し、複数の画像処理部19が、当該画像データに対してハードウェア処理を順次実行する。
【0060】
次に、入出力制御部18は、複数の画像処理部19がハードウェア処理を順次実行した画像データを記憶部12へ入力する(ステップS102)。
【0061】
次に、ソフトウェア処理部14Aは、複数の画像処理部19が順次実行したハードウェア処理と同等の画像処理としてのソフトウェア処理を、画像入力部11に入力された画像データに対して実行する(ステップS103)。
【0062】
次に、異常判定部14Bは、複数の画像処理部19にてハードウェア処理が実行された画像データ(すなわち、複数の画像処理部19によるハードウェア処理結果)と、ソフトウェア処理部14Aにてソフトウェア処理が実行された画像データ(すなわち、ソフトウェア処理部14Aによるソフトウェア処理結果)と、を比較し、複数の画像処理部19のいずれかに異常があるか否かを判定する(ステップS104)。
【0063】
異常判定部14Bは、具体的には、例えば、ハードウェア処理結果としての画像データを数値化すると共に、ソフトウェア処理結果としての画像データを数値化し、ハードウェア処理果における数値とソフトウェア処理結果における数値との差分が、閾値以上である場合に、複数の画像処理部19のいずれかに異常があると判定する。
【0064】
なお、ハードウェア処理結果としての画像データは、複数の画像処理部19がハードウェア処理を順次実行した画像データの一部領域を抽出した抽出データであってもよい。この場合では、ソフトウェア処理部14Aが、抽出データに対応したソフトウェア処理を実行して、抽出データに対応したソフトウェア処理結果を得る。なお、当該抽出データに係る抽出処理は、例えば、入出力制御部18が記憶部12に画像データを入力する際に実行することが可能である。
【0065】
また、ハードウェア処理結果としての画像データは、複数の画像処理部19がハードウェア処理を順次実行した画像データを縮小した縮小データであってもよい。この場合では、ソフトウェア処理部14Aが、縮小データに対応したソフトウェア処理を実行して、縮小データに対応したソフトウェア処理結果を得る。なお、当該縮小データに係る縮小処理は、例えば、入出力制御部18が記憶部12に画像データを入力する際に実行することが可能である。
【0066】
制御部14は、複数の画像処理部19のいずれかに異常があると判定した場合に(ステップS104:YES)、異常発生処理部を特定する特定処理を実行し(ステップS200)、その後、リカバリー処理(ステップS300)を実行し、本処理を終了する。なお、特定処理、及びリカバリー処理については、後述する。
【0067】
一方、制御部14は、複数の画像処理部19に異常がないと判定した場合に(ステップS104:NO)、画像処理部19がハードウェア処理を実行した画像データを、画像出力部13を通じて画像形成装置100に出力させ(ステップS105)、本処理を終了する。
【0068】
なお、異常検出処理は、画像処理を実行する毎に実行する必要はなく、例えば、予め定められた期間が経過した毎に、画像処理の実行指示を取得した場合において、実行してもよい。
【0069】
また、異常検出処理は、情報処理装置10における画像処理動作に伴って、実行されるものでなくてもよい。例えば、異常検出処理は、検出モードなどの専用の検出処理として、画像処理動作とは別に実行されるものであってもよい。
【0070】
<本実施形態に係る特定処理>
次に、本実施形態に係る特定処理の一例について説明する。図3は、情報処理装置10において実行される特定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0071】
なお、以下では、特定処理の一例として、異常があるか否かを検出する検出対象となる1つの画像処理部19(以下、対象処理部という)が、画像処理部19Eである場合の処理について説明する。
【0072】
図3に示されるように、本処理を開始すると、画像処理部19Eを含む複数の画像処理部19にて画像データを順次処理する通常処理を実行する(ステップS201)。通常処理(図4参照)は、具体的には、例えば、以下のように実行される。
【0073】
通常処理では、図4に示されるように、入出力制御部18が、画像入力部11へ入力された画像データを読み出して、画像処理部19Aへ入力する(ステップS211)。
【0074】
次に、画像処理部19A、19B、19C、19D、19E、19Fは、画像処理部19Aへ入力された画像データに対してハードウェア処理を順次実行し、画像処理部19Fから入出力制御部18へ画像データを出力する(ステップS212)。
【0075】
次に、入出力制御部18は、画像処理部19Fから出力された画像データを記憶部12へ入力する(ステップS213)。
【0076】
図3に示されるように、ステップS201の次に、対象処理部である画像処理部19Eを、ソフトウェア処理部14Aに置換して画像データを順次処理した置換処理を実行する(ステップS202)。置換処理(図5参照)は、具体的には、例えば、以下のように実行される。
【0077】
置換処理では、図5に示されるように、入出力制御部18が、画像入力部11へ入力された画像データを読み出して、画像処理部19Aへ入力する(ステップS221)。
【0078】
次に、画像処理部19A、19B、19C、19Dは、画像処理部19Aへ入力された画像データに対して、ハードウェア処理を順次実行する(ステップS222)。このように、ステップS222では、複数の画像処理部19において、処理順が画像処理部19Eよりも前の画像処理部19A、19B、19C、19Dにてハードウェア処理を実行する。
【0079】
次に、画像処理部19E、19Fは、画像処理部19A、19B、19C、19Dがハードウェア処理を実行した画像データに対してハードウェア処理を実行せずに、画像データの送信のみを行う処理(以下、スルー処理という)を実行し、画像処理部19Fから入出力制御部18へ画像データを出力する(ステップS223)。このように、対象処理部である画像処理部19E以降では処理を実行せずに、画像データを入出力制御部18へ出力する。
【0080】
次に、入出力制御部18は、画像処理部19Fから出力された画像データを記憶部12へ入力する(ステップS224)。
【0081】
次に、制御部14(ソフトウェア処理部14A)は、記憶部12に入力された画像データに対して、画像処理部19Eと同等のソフトウェア処理を実行し、記憶部12へ入力する(ステップS225)。
【0082】
次に、入出力制御部18は、画像入力部11へ入力された画像データを読み出して、画像データを画像処理部19Aへ入力する(ステップS226)。
【0083】
次に、画像処理部19A、19B、19C、19Dは、画像処理部19Aへ入力された画像データに対して、スルー処理を実行する(ステップS227)。次に、画像処理部19Fは、ハードウェア処理を実行し、入出力制御部18へ画像データが出力する(ステップS228)。このように、画像処理部19E以降において処理が実行されていない画像データに対して、ソフトウェア処理部14Aが処理を行った後、再度、処理順が画像処理部19Eよりも後の画像処理部19Fにて処理を行う。
【0084】
次に、入出力制御部18は、画像処理部19Fから出力された画像データを記憶部12へ入力する(ステップS229)。
【0085】
そして、図3に示されるように、ステップS202の次に、異常特定部14Cは、通常処理に係る画像データ(すなわち、通常処理結果)と、置換処理に係る画像データ(すなわち、置換処理結果)と、を比較し、通常処理結果と置換処理結果との間に予め定められた差があるか否かを判定する(ステップS203)。
【0086】
異常特定部14Cは、具体的には、例えば、通常処理結果を数値化すると共に、ソフトウェア処理部14Aによる置換処理結果を数値化し、通常処理結果における数値と置換処理結果における数値との差分が、閾値以上であるか否かを判定する。
【0087】
異常特定部14Cは、当該差分が閾値以上であると判定した場合に(ステップS203:YES)、対象処理部である画像処理部19Eを、異常発生処理部として特定し(ステップS204)、当該差分が閾値未満であると判定した場合に(ステップS203:NO)対象処理部である画像処理部19Eを、正常である正常処理部として特定する(ステップS205)。
【0088】
なお、通常処理結果としての画像データは、複数の画像処理部19がハードウェア処理を順次実行した画像データの一部領域を抽出した抽出データであってもよい。この場合では、ソフトウェア処理部14Aが、抽出データに対応したソフトウェア処理を実行して、抽出データに対応した置換処理結果を得る。なお、当該抽出データに係る抽出処理は、例えば、入出力制御部18が記憶部12に画像データを入力する際に実行することが可能である。
【0089】
また、通常処理結果としての画像データは、複数の画像処理部19がハードウェア処理を順次実行した画像データを縮小した縮小データであってもよい。この場合では、ソフトウェア処理部14Aが、縮小データに対応したソフトウェア処理を実行して、縮小データに対応した置換処理結果を得る。なお、当該縮小データに係る縮小処理は、例えば、入出力制御部18が記憶部12に画像データを入力する際に実行することが可能である。
【0090】
次に、制御部14は、特定対象となる画像処理部19の全てにおいて、特定処理を行ったか否かを判定し(ステップS206)、画像処理部19の全てにおいて、特定処理を行ったと判定した場合には(ステップS206:YES)、本処理を終了する。
【0091】
一方、制御部14は、画像処理部19の全てにおいて、特定処理を行っていないと判定した場合には(ステップS206:NO)、判定対象を変更して(ステップS207)、ステップS201へ移行する。
【0092】
なお、全ての画像処理部19を、特定対象とする必要はなく、一部の画像処理部19を、特定対象として、特定処理を実行してもよい。
【0093】
また、特定対象となる画像処理部19が、複数ある場合には、予め定められた画像処理部19を優先して、特定処理を実行してもよい。
【0094】
また、本実施形態では、異常検出処理によって、複数の画像処理部19のいずれかに異常があると判定した場合に、異常発生処理部を特定する特定処理を実行したが、これに限られない。例えば、ユーザが目視により、画像形成装置100で形成された画像に異常を確認した場合などにおいて、ユーザの実行指示により、特定処理を実行するようにしてもよい。この場合では、ユーザに印刷物の確認を促す通知を行ってもよい。したがって、前述の異常検出処理は、必須の処理ではない。
【0095】
<本実施形態に係るリカバリー処理>
次に、本実施形態に係るリカバリー処理(すなわち回復処理)の一例について説明する。図6は、情報処理装置10において実行されるリカバリー処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0096】
まず、制御部14は、異常発生処理部を特定できたか否かを判定する(ステップS301)。制御部14は、異常発生処理部を特定できたと判定した場合に(ステップS301:YES)、ステップS302に移行し、異常発生処理部を特定できなかったと判定した場合に(ステップS301:NO)、ステップS303に移行する。
【0097】
制御部14は、ステップS303において、全部置換処理を実行する。全部置換処理は、画像処理を実行する際に、使用対象となる画像処理部19で実行される全てのハードウェア処理を、ソフトウェア処理で置換する処理である。
【0098】
具体的には、制御部14は、画像処理を実行する際に、使用対象となる画像処理部19で実行される全てのハードウェア処理と同等のソフトウェア処理を、制御部14において実行する。
【0099】
制御部14は、ステップS302において、異常発生処理部が、使用対象となる画像処理部19に含まれるか否かを判定する。制御部14は、異常発生処理部が、使用対象となる画像処理部19に含まれると判定した場合に、一部置換処理を実行する(ステップS304)。
【0100】
制御部14は、異常発生処理部が、使用対象となる画像処理部19に含まれないと判定した場合に、通常処理を実行する(ステップS305)。
【0101】
通常処理では、使用対象となる画像処理部19の全てにおいて、ハードウェア処理を実行し、処理された画像データを画像出力部13から出力する。
【0102】
一部置換処理では、異常発生処理部をソフトウェア処理部14Aに置換して、画像情報を順次処理する。すなわち、異常発生処理部で実行されるハードウェア処理を、ソフトウェア処理で置換する処理し、異常発生処理部以外の画像処理部19では、通常処理を実行する。
【0103】
このように、異常発生処理部を特定した場合において、画像情報を順次処理する場合に、異常発生処理部をソフトウェア処理部14Aに置換し、置換されたソフトウェア処理部14Aと、異常の発生が特定されていないハードウェア処理部と、にて画像情報を順次処理する。
【0104】
画像処理部19が画像処理(具体的には全部置換処理、一部置換処理及び通常処理のいずれか)を実行した画像データを、画像出力部13を通じて画像形成装置100に出力させ(ステップS306)、本処理を終了する。
【0105】
なお、一部置換処理及び全部置換処理の一方を実行する場合には、ユーザに通知するようにしてもよい。また、一部置換処理及び全部置換処理の一方を実行する場合には、当該処理を実行する否かをユーザに問い合わせてもよい。
【0106】
<本実施形態に係る作用>
本実施形態によれば、異常特定部14Cは、通常処理結果と置換処理結果とを比較し、複数の画像処理部19のうちから、異常発生処理部を特定する(前述の特定処理参照)。
【0107】
このため、複数の画像処理部19のうち、どの画像処理部19で異常が発生したかを明らかにすることが可能となる。
【0108】
また、本実施形態では、異常特定部14Cが異常発生処理部を特定した場合において、画像情報を順次処理する場合に、制御部14が、異常発生処理部をソフトウェア処理部14Aに置換して、画像情報を順次処理する。
【0109】
このため、本実施形態では、異常発生処理部を用いずに、画像情報を順次処理することが可能となる。
【0110】
また、本実施形態では、異常発生処理部を特定した場合において、画像情報を順次処理する場合に、異常発生処理部をソフトウェア処理部14Aに置換し、置換されたソフトウェア処理部14Aと、異常の発生が特定されていない画像処理部19と、にて画像情報を順次処理する。
【0111】
このため、異常発生処理部を含む全ての画像処理部19をソフトウェア処理部14Aに置換して、画像情報を順次処理する場合に比べ、処理時間を短くすることが可能となる。
【0112】
また、本実施形態では、異常特定部14Cは、通常処理結果と置換処理結果とを比較し、通常処理結果と置換処理結果との間に予め定められた差がある場合に、対象処理部を異常発生処理部として特定する。
【0113】
本実施形態では、複数の画像処理部19の各々から画像情報を取り出せる構成が不要となり、複数の画像処理部19のうち、1つの対象処理部にて単独で画像情報を処理した通常処理結果と、当該1つの対象処理部に置換してソフトウェア処理部14Aのみにて画像情報を処理した置換処理結果と、を比較する場合に比べ、複数の画像処理部19の構成を簡素化することが可能となる。
【0114】
また、本実施形態では、複数の画像処理部19において順次処理した画像情報は、処理順が最後の画像処理部19から出力可能とされている。
【0115】
さらに、本実施形態では、複数の画像処理部19において、処理順が画像処理部19Eよりも前の画像処理部19A、19B、19C、19Dにてハードウェア処理を実行し、対象処理部である画像処理部19E以降では処理を実行せずに、画像データを入出力制御部18へ出力する。
【0116】
そして、画像処理部19E以降において処理が実行されていない画像データに対して、ソフトウェア処理部14Aが処理を行った後、再度、処理順が画像処理部19Eよりも後の画像処理部19Fにて処理を行う。
【0117】
本実施形態では、複数の画像処理部19において、順次処理した画像情報は、処理順が最後のハードウェア処理部からのみ出力可能とされた構成において、複数の画像処理部19のうち、どの画像処理部19で異常が発生したかを明らかにすることが可能となる。
【0118】
《第2実施形態》
次に、第2実施形態に係る情報処理装置200の構成を説明する。図7は、本実施形態に係る情報処理装置200の構成を示す概略図(具体的にはブロック図)である。なお、第1実施形態と同一に構成された部分については、同一符号を付して、適宜、説明を省略する。
【0119】
第1実施形態では、複数の画像処理部19のうち、例えば、画像処理部19A、19G、19Kに対して、入出力制御部18から画像データを入力可能とされていた。また、複数の画像処理部19のうち、例えば、画像処理部19F、19G、19Mから、入出力制御部18に対して画像データが出力可能とされていた。すなわち、前述の実施形態では、複数の画像処理部19では、入出力制御部18に対して、画像データの入出力が可能な画像処理部19が一部に限定されていた。
【0120】
これに対して、第2実施形態では、全ての画像処理部19が、画像データパス(図7における実線の矢印参照)により、入出力制御部18に接続されている。これにより、全ての画像処理部19の各々において、入出力制御部18に対する画像データの入出力が可能とされている。
【0121】
第1実施形態では、画像データの入出力が可能な画像処理部19が一部に限定されていたため、特定処理において、スルー処理を実行していたが、第2実施形態では、複数の画像処理部19の全てにおいて、画像データの入出力が可能となるため、スルー処理の実行が不要となる。
【0122】
さらに、本実施形態では、画像処理部19は、任意の順序及び組み合わせにて、動作可能とされている。画像処理部19の順序及び組み合わせは、制御部14からの制御情報141に基づき、入出力制御部18が切り替える。
【0123】
本実施形態では、画像処理部19は、任意の順序及び組み合わせにて、動作可能とされているため、特定処理(図3参照)において、比較対象となる通常処理結果の多様化が実現可能となる。すなわち、本実施形態では、通常処理結果として、1つの対象処理部にて単独でハードウェア処理を実行した処理結果、全ての画像処理部19における処理結果、任意の複数の画像処理部19における処理結果、及び、機能オン(使用可能な状態)になっている画像処理部19における処理結果を用いることが可能となる。
【0124】
したがって、本実施形態では、特定処理において、例えば、複数の画像処理部19のうち、1つの対象処理部にて単独で画像情報を処理した通常処理結果と、当該1つの対象処理部に置換してソフトウェア処理部14Aのみにて画像情報を処理した置換処理結果と、を比較し、通常処理結果と置換処理結果との間に予め定められた差がある場合に、当該対象処理部を異常発生処理部として特定することが可能となる。
【0125】
また、本実施形態では、特定処理において、複数の画像処理部19の各々が、対象処理部として画像情報を処理した複数の通常処理結果の各々と、ソフトウェア処理部14Aにて画像情報を処理した複数の置換処理結果の各々と、を比較し、通常処理結果と置換処理結果との間に予め定められた差がある場合に、当該対象処理部を異常発生処理部として特定してもよい。
【0126】
なお、本実施形態においても、画像情報を順次処理した結果を通常処理結果と置換処理結果として用いることを妨げるものではない。
【0127】
<変形例>
第1実施形態では、異常発生処理部を特定できた場合には、異常発生処理部をソフトウェア処理部14Aに置換して、画像情報を順次処理する一部置換処理を実行していたが、これに限られない。
【0128】
例えば、異常発生処理部を特定できた場合において、画像処理を実行する際に、使用対象となる画像処理部19で実行される全てのハードウェア処理を、ソフトウェア処理で置換する全部置換処理を実行してもよい。
【0129】
また、本実施形態では、画像入力部11で入力された画像データの異常を判定する処理について説明したが、この判定処理について、制御部14が制御するモードとして異常の判定を行うモードを設け、異常の判定を常に実行するモード、所定間隔や所定ジョブ事に定期的に異常の判定を実行するモード、利用者の指示により以上の判定を実行するモード等を設けるようにしてもよい。
【0130】
また、画像入力部11で入力する画像データは、画像処理を行う画像データとして説明したが、異常を判定する対象の画像データは、入力された画像データ全てでもよいし、画像データ中の所定の領域を抽出して異常の判定処理の対象としてもよい。
【0131】
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、その主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、上記に示した実施形態、及び変形例は、適宜、複数を組み合わせて構成してもよい。
【0132】
<付記>
(((1)))
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
画像情報をハードウェアによって処理するハードウェア処理部による第一処理結果と、画像情報をソフトウェアによって処理するソフトウェア処理部による第二処理結果と、を比較し、複数の前記ハードウェア処理部のうちから、異常が発生した異常発生処理部を特定する
情報処理装置。
【0133】
(((2)))
前記プロセッサは、
前記異常発生処理部を特定した場合において、画像情報を順次処理する場合に、
前記異常発生処理部を前記ソフトウェア処理部に置換して、前記画像情報を順次処理する
(((1)))に記載の情報処理装置。
【0134】
(((3)))
前記プロセッサは、
置換された前記ソフトウェア処理部と、異常の発生が特定されていない前記ハードウェア処理部と、にて前記画像情報を順次処理する
(((2)))に記載の情報処理装置。
【0135】
(((4)))
前記プロセッサは、
前記複数のハードウェア処理部にて画像情報を順次処理した前記第一処理結果と、
前記複数のハードウェア処理部のうち、異常の検出対象となる1つの対象処理部を前記ソフトウェア処理部に置換して前記画像情報を順次処理した前記第二処理結果と、を比較し、
前記第一処理結果と前記第二処理結果との間に予め定められた差がある場合に、前記対象処理部を前記異常発生処理部として特定する
(((1)))~(((3)))のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0136】
(((5)))
前記複数のハードウェア処理部において順次処理した画像情報は、処理順が最後のハードウェア処理部から出力可能とされ、
前記第二処理結果は、
前記複数のハードウェア処理部において、処理順が前記対象処理部よりも前のハードウェア処理部にて処理を行い、前記対象処理部以降では処理を実行せずに、出力された画像情報に対して、前記ソフトウェア処理部が処理を行った後、
再度、前記複数のハードウェア処理部において、処理順が前記対象処理部よりも後のハードウェア処理部にて処理を行った結果である
(((4)))に記載の情報処理装置。
【0137】
(((6)))
前記プロセッサは、
前記複数のハードウェア処理部のうち、異常の検出対象となる1つの対象処理部にて画像情報を処理した前記第一処理結果と、
前記ソフトウェア処理部にて前記画像情報を処理した前記第二処理結果と、を比較し、
前記第一処理結果と前記第二処理結果との間に予め定められた差がある場合に、前記対象処理部を前記異常発生処理部として特定する
(((1)))~(((5)))のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0138】
(((7)))
前記プロセッサは、
前記複数のハードウェア処理部の各々が、前記対象処理部として画像情報を処理した複数の前記第一処理結果の各々と、
前記ソフトウェア処理部にて前記画像情報を処理した複数の前記第二処理結果の各々と、を比較し、
前記第一処理結果の各々と前記第二処理結果の各々との間に予め定められた差がある場合に、前記対象処理部を前記異常発生処理部として特定する
(((6)))に記載の情報処理装置。
【0139】
(((8)))
コンピュータに、
画像情報をハードウェアによって処理するハードウェア処理部による第一処理結果と、画像情報をソフトウェアによって処理するソフトウェア処理部による第二処理結果と、を比較し、複数の前記ハードウェア処理部のうちから、異常が発生した異常発生処理部を特定する処理を実行させるための
情報処理プログラム。
【0140】
(((1)))の構成によれば、複数のハードウェア処理部のうち、どのハードウェア処理部で異常が発生したかを明らかにすることが可能となる。
【0141】
(((2)))の構成によれば、異常が発生した異常発生処理部を用いずに、画像情報を順次処理することが可能となる。
【0142】
(((3)))の構成によれば、異常発生処理部を含む全てのハードウェア処理部をソフトウェア処理部に置換して、画像情報を順次処理する場合に比べ、処理時間を短くできる。
【0143】
(((4)))の構成によれば、複数のハードウェア処理部のうち、異常の検出対象となる1つの対象処理部にて単独で画像情報を処理した第一処理結果と、当該1つの対象処理部に置換してソフトウェア処理部のみにて画像情報を処理した第二処理結果と、を比較する場合に比べ、複数のハードウェア処理部の構成を簡素化することが可能となる。
【0144】
(((5)))の構成によれば、複数のハードウェア処理部において、順次処理した画像情報は、処理順が最後のハードウェア処理部からのみ出力可能とされた構成において、複数のハードウェア処理部のうち、どのハードウェア処理部で異常が発生したかを明らかにすることができる。
【0145】
(((6)))の構成によれば、画像情報を順次処理した結果のみを第一処理結果及び第二処理結果として用いる場合に比べ、異常発生処理部を特定する処理の処理時間を短くできる。
【0146】
(((7)))の構成によれば、画像情報を順次処理した結果のみを第一処理結果及び第二処理結果として用いる場合に比べ、複数のハードウェア処理部について、異常発生処理部を特定する処理の処理時間を短くできる。
【0147】
(((8)))の構成によれば、複数のハードウェア処理部のうち、どのハードウェア処理部で異常が発生したかを明らかにすることが可能となる。
【符号の説明】
【0148】
6 通知部
7 入力部
9 バス
10 情報処理装置
11 画像入力部
12 記憶部
13 画像出力部
14 制御部(プロセッサの一例)
14A ソフトウェア処理部
14B 異常判定部
14C 異常特定部
16 ROM
17 RAM
18 入出力制御部
19 画像処理部
20 集積回路
100 画像形成装置
141 制御情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7