(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135815
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】監視制御装置、監視制御方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0484 20220101AFI20240927BHJP
H02J 13/00 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
G06F3/0484
H02J13/00 301J
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023046693
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】岸下 健太
【テーマコード(参考)】
5E555
5G064
【Fターム(参考)】
5E555AA22
5E555AA25
5E555AA26
5E555BA01
5E555BA37
5E555BB01
5E555BB37
5E555BC15
5E555CA02
5E555CA18
5E555CB05
5E555DC13
5E555DC23
5E555DC31
5E555DC35
5E555DD01
5E555EA02
5E555FA00
5G064AA04
5G064AC08
5G064BA02
5G064BA03
5G064CB06
5G064DA07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】操作方法を容易に確認可能な制御監視装置、制御監視方法及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】監視制御装置1と、複数のコントローラとが、それぞれ有線LANなどのネットワークを介して接続され、相互にデータ等の送受信が可能である監視制御システムにおいて、監視制御装置1は、操作を説明する操作説明と、操作において選択される操作画面の操作箇所と、を関連付けた操作支援情報を複数記憶する記憶部8と、支援要求信号を取得したときに、要求された操作支援情報を選択する判断部5と、操作画面において、判断部5により選択された操作支援情報に基づく操作箇所を強調表示させるとともに、強調表示された操作箇所に重ならない位置に当該操作箇所に関連付けられた操作説明を表示させる表示制御部6と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作を説明する操作説明と、前記操作において選択される操作画面の操作箇所と、を関連付けた操作支援情報を複数記憶する記憶部と、
支援要求信号を取得したときに、要求された前記操作支援情報を選択する判断部と、
前記操作画面において、前記判断部により選択された前記操作支援情報に基づく前記操作箇所を強調表示させるとともに、強調表示された前記操作箇所に重ならない位置に当該操作箇所に関連付けられた前記操作説明を表示させる表示制御部と、
を備える監視制御装置。
【請求項2】
前記記憶部には、複数の前記操作支援情報の手順情報が更に記憶され、
前記判断部は、前記操作画面において強調表示された前記操作箇所が押下されたことを検知したときに、前記手順情報に基づいて次の前記操作支援情報を選択する、請求項1記載の監視制御装置。
【請求項3】
第2機能に切り替える機能切換部を更に備え、
前記機能切換部により前記第2機能に切り替えられたときに、前記表示制御部は、前記判断部により選択された前記操作支援情報に基づく前記操作箇所を強調表示するとともに、強調表示された前記操作箇所に重ならない位置に当該操作箇所に関連付けられた前記操作説明を表示する訓練画面を、前記第2機能における操作画面の一部に表示させる、請求項1記載の監視制御装置。
【請求項4】
前記記憶部には、前記第2機能で使用される複数のシナリオが記憶され、
前記判断部は、前記第2機能において要求された前記シナリオに従って、前記操作支援情報を選択する、請求項3記載の監視制御装置。
【請求項5】
支援要求信号を取得したときに、操作を説明する操作説明と、前記操作において選択される操作画面の操作箇所と、を関連付けた複数の操作支援情報が記憶された記憶部から要求された前記操作支援情報を選択する判断処理と、
前記操作画面において、選択された前記操作支援情報に基づく前記操作箇所を強調表示させるとともに、強調表示された前記操作箇所に重ならない位置に当該操作箇所に関連付けられた前記操作説明を表示させる表示制御処理と、
を備える監視制御方法。
【請求項6】
前記記憶部には、複数の前記操作支援情報の手順情報が更に記憶され、
前記判断処理は、前記操作画面において強調表示された前記操作箇所が押下されたことを検知したときに、前記手順情報に基づいて次の前記操作支援情報を選択する、請求項5記載の監視制御方法。
【請求項7】
第2機能に切り替える機能切換処理を更に備え、
前記機能切換処理により前記第2機能に切り替えられたときに、前記表示制御処理は、前記判断処理により選択された前記操作支援情報に基づく前記操作箇所を強調表示するとともに、強調表示された前記操作箇所に重ならない位置に当該操作箇所に関連付けられた前記操作説明を表示する訓練画面を、前記第2機能における操作画面の一部に表示させる、請求項5記載の監視制御方法。
【請求項8】
前記記憶部には、前記第2機能で使用される複数のシナリオが記憶され、
前記判断処理は、前記第2機能において要求された前記シナリオに従って、前記操作支援情報を選択する、請求項7記載の監視制御方法。
【請求項9】
コンピュータに、請求項5乃至請求項8のいずれか1項記載の監視制御方法を実行させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、監視制御装置、監視制御方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ビル・施設には電力設備や空調設備などの設備があり、それら設備の管理を請け負うビル管理者は監視制御システムを用いて管理業務を行っている。監視制御システムには、ビル・施設の設備の稼働状態を操作して消費電力の省エネ化を図る機能や、火災などの災害発生時に機器の稼働を抑制する機能など多様な機能が搭載されている。そのため、ビル管理者はそれら機能の操作方法を覚え、対応が必要となったときに適切な操作をする必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-133266号公報
【特許文献2】特開2012-133709号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
操作内容を確認するには操作マニュアルと操作画面を1つ1つ見比べて確認する必要があり、時間と集中力を要する。また、操作画面には様々な情報が表示されるため、操作すべき箇所を直感的に判断することは困難であった。
【0005】
また、停電時など非日常的な状況での操作手順は、その状況にならなければ実際の操作画面での操作を体験することはできず、日常的な操作により非日常的な状況における適切な操作を理解し覚えることは困難であった。
【0006】
本発明の実施形態は、上記事情を鑑みて成されたものであって、操作方法を容易に確認可能な監視制御装置、監視制御方法及びコンピュータプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態に係る監視制御装置は、操作を説明する操作説明と、前記操作において選択される操作画面の操作箇所と、を関連付けた操作支援情報を複数記憶する記憶部と、支援要求信号を取得したときに、要求された前記操作支援情報を選択する判断部と、前記操作画面において、前記判断部により選択された前記操作支援情報に基づく前記操作箇所を強調表示させるとともに、強調表示された前記操作箇所に重ならない位置に当該操作箇所に関連付けられた前記操作説明を表示させる表示制御部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1及び第2実施形態に係る監視制御装置を含む監視制御システムの一構成例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る監視制御装置の一構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、第1及び第2実施形態に係る監視制御装置のチュートリアル機能における出力画面の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る監視制御装置1のチュートリアル機能の動作の一例について説明するためのフローチャートである。
【
図5】
図5は、第2実施形態に係る監視制御装置の一構成例を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、第2実施形態に係る監視制御装置のシナリオ訓練機能における出力画面の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、第2実施形態に係る監視制御装置のシナリオ訓練機能における出力画面の他の例を示す図である。
【
図8】
図8は、第2実施形態に係る監視制御装置のシナリオ訓練機能の動作の一例について説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、一実施形態に係る監視制御装置、監視制御方法及びコンピュータプログラムについて説明する。なお、以下の実施形態では、同一の番号を付した部分については同様の動作を行うものとして、重ねての説明を省略する。
【0010】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る監視制御装置を含む監視制御システムの一構成例を示すブロック図である。
【0011】
監視制御システムは、監視制御装置1と、複数のコントローラ2と、を備える。監視制御装置1と、複数のコントローラ2とは、それぞれ有線LANなどのネットワークを介して接続され、相互にデータ等の送受信が可能である。なお、監視制御装置1と、コントローラ2は、無線ネットワークを介して接続され、相互にデータ等の送受信が可能なよう構成されていてもよい。また、監視制御装置1は、遠隔よりコントローラ2の監視制御が可能となるように、ネットワークを介して相互にデータ等の送受信を行うように構成されてもよい。
【0012】
複数のコントローラ2は、それぞれ異なるデバイスに接続され、監視制御装置1からの制御出力を配下のデバイスに伝達する。また、各デバイスは、相互に他のデバイスの状態を監視することが可能である。
【0013】
監視制御装置1は、入力部3と、制御部4と、記憶部8と、出力部9と、通信部10と、バス通信線BUSと、を備える。入力部3と、制御部4と、記憶部8と、出力部9と、通信部10とは、それぞれバス通信線BUSを介して接続され、データ等の送受信が可能である。
【0014】
入力部3は、例えば、監視制御装置1の各種設定の数値等の変更を入力するためのマウスやキーボード等のユーザインタフェース、マイク、タッチパネル、カメラ、各種センサ等を含み得る。更に、入力部3は、複数のコントローラ2から出力されるデータ信号を受信(取得)する。例えば、入力部3は、コントローラ2と接続されたデバイスからの異常検知を知らせるデータ信号を受信する。
【0015】
制御部4は、CPU(Central Process Unit)、MPU(micro processing unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(field-programmable gate array)などを少なくとも1つ含み、記憶部8に記憶されたシステムソフトウェア、アプリケーションソフトウェア又はファームウェアなどのコンピュータプログラムを用いて、監視制御装置1の種々の機能を実現できる。
【0016】
制御部4は、更に、判断部5と、表示制御部6と、を備える。制御部4は、監視制御装置1のチュートリアル機能(第1機能)をトリガーに基づいて起動する。例えば、制御部4は、監視制御装置1の操作画面上に表示された特定の領域を押下することをトリガーとしてチュートリアル機能を起動し、支援要求信号を生成する。
【0017】
判断部5は、支援要求信号を取得し、当該支援要求信号により要求された手順情報を選択する。判断部5は、手順情報に基づいて要求された操作支援情報を選択(取得)する。
【0018】
具体的に説明すると、制御部4は、特定の操作画面に対応する識別子を支援要求信号と関連付け、判断部5は、取得した支援要求信号に含まれる識別子を基に複数の手順情報から識別子に対応する手順情報を選択する。
【0019】
手順情報は、後述する記憶部8に記憶され、識別子を基に順番に並べられた複数の操作支援情報の集合である。操作支援情報は、後述する記憶部8に記憶され、操作を説明する操作説明と、当該操作において選択される操作画面の操作箇所と、を関連付けた情報である。すなわち、複数の操作画面、複数の手順情報、複数の操作支援情報には、各々対応する識別子が割り当てられている。
【0020】
表示制御部6は、操作画面において、判断部5により選択された操作支援情報に基づく操作箇所を強調表示させるとともに、強調表示された操作箇所に重ならない位置に当該操作箇所に関連付けられた操作説明を表示させる。
【0021】
記憶部8は、例えば、主記憶部と、補助記憶部とを備えている。主記憶部は、例えば、ROM(read-only memory)、RAM(random-access memory)を含み得る。ROMは、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリであり、制御部4が各種の処理を行う上で使用するデータ及び各種の設定値などを記憶することができる。また、RAMは、制御部4が各種の処理を行う上で一時的にデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアとして利用され得る。本実施形態の主記憶部は、例えばRAMであって、メモリとして用いられる。
【0022】
補助記憶部は、制御部4を中枢とするコンピュータの非一時的なコンピュータ可読記憶媒体である。補助記憶部は、例えば、EEPROM(登録商標)(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disk drive)又はSSD(solid state drive)などである。
【0023】
補助記憶部は、制御部4が各種の処理を行う上で使用するデータ、制御部4での処理によって生成されたデータ又は各種の設定値などを保存することができる。補助記憶部は、各種情報を記憶するメモリであり、例えば、監視制御装置1の特定の機能における操作を説明する操作説明と、当該操作において選択される操作画面の操作箇所と、を関連付けた操作支援情報と、手順情報と、を記憶する。
【0024】
出力部9は、例えば、監視制御装置1を操作するのに必要な操作画面等を視覚的に認識可能なモニタなどの表示手段や、スピーカ等により聴覚的に認識可能な音声出力手段を含み得る。出力部9は、外部に接続される表示手段や音声出力手段へ画像情報や音声情報を出力する構成であってもよい。
通信部10は、監視制御装置1と外部(例えば、サーバやクラウド等)との間で様々なデータの送受信を行う。
【0025】
次に監視制御装置1の操作画面においてチュートリアル機能を起動した場合の出力画面の構成とチュートリアル機能の処理について説明する。
図3は、第1実施形態に係る監視制御装置1のチュートリアル機能における出力画面の一例を示す図である。
図4は、第1実施形態に係る監視制御装置1のチュートリアル機能の動作の一例について説明するためのフローチャートである。
【0026】
図3に示す例は、チュートリアル機能を用いた制御グループ登録の操作画面ウィンドウ11が表示されており、制御グループ登録の操作画面ウィンドウ11の領域に含まれるヘルプ:操作チュートリアルボタン12を押すことにより、当該画面状態になる。
【0027】
より詳細に説明すると、監視制御装置1の、例えば出力部9に表示される操作画面ウィンドウ11の領域内部の任意の位置に配置されたヘルプ:操作チュートリアルボタン12を監視制御装置1の操作者が押下することにより、チュートリアル機能が起動し、チュートリアル機能の処理が開始される。
【0028】
チュートリアル機能が起動すると、判断部5は、ヘルプ:操作チュートリアルボタン12が表示された操作画面ウィンドウ11に対応する識別子と関連付けられた支援要求信号を取得する(ステップS1)。
【0029】
判断部5は、取得した支援要求信号に含まれる上記識別子に基づいて複数の手順情報から識別子に対応する手順情報を選択する(ステップS2)。判断部5は、選択済み手順情報に基づいて要求された操作支援情報を取得する(ステップS3)。
【0030】
表示制御部6は、当該操作支援情報を基に、操作画面ウィンドウ11の領域内部にある操作に必要な操作箇所13を強調表示させる(ステップS4)。また、表示制御部6は、操作箇所13と重ならない位置に当該操作箇所13に関連付けられた操作説明14を表示させる(ステップS5)。
【0031】
具体的には、操作箇所13(グループ情報登録ボタン)がハイライトされ、操作説明14(チュートリアル表示ウィンドウ)に制御グループの登録の操作に関する情報が表示される。例えば、操作説明14には、「グループ情報登録に関するチュートリアル」、「本チュートリアルではXX制御グループの情報登録を実施します。」、「グループ情報を登録することで、対象とした設備に対して指定時刻で自動で操作出力が可能となります。」、「まずは、[グループ情報登録]ボタンを左クリックします。」等の情報が表示される。
【0032】
更に、表示制御部6は、操作画面ウィンドウ11の領域内において、操作箇所13と、操作説明14を除くすべての部分を暗灰表示させる。また、チュートリアル機能起動中、判断部5は、暗灰表示された部分が押下されたことを検知すると、チュートリアル機能を中断するよう構成されていてもよく、判断部5は、操作説明14の領域内右上若しくは左上に表示された特定のボタンが押下されたことを検知すると、チュートリアル機能を中断するよう構成されていてもよい。
【0033】
判断部5は、操作画面ウィンドウ11の強調表示された操作箇所13が押下されたことを検知すると(ステップS6、YES)、選択済み手順情報からチュートリアル機能が終了したか判定する(ステップS7)。なお、判断部5は、操作画面ウィンドウ11の強調表示された操作箇所13が押下されるまでの間、S6の画面状態を維持し、待機する(ステップS6、NO)。
【0034】
判断部5は、選択済み手順情報からチュートリアル機能が終了したと判定すると(ステップS7、YES)、処理を終了する。一方、判断部5は、選択済み手順情報から一連の操作が終了しておらず、チュートリアル機能を継続すると判定すると(ステップS7、NO)、ステップS3の処理に戻り、手順情報に基づいて次の操作支援情報を取得する。
【0035】
表示制御部6は、選択された操作支援情報に基づいて操作画面ウィンドウ11の画面遷移を実行し、次の操作に必要な操作箇所13を強調表示させ、操作箇所13と重ならない位置に当該操作箇所13に関連付けられた操作説明14を表示させる。すなわち、制御部4は、チュートリアル機能が終了するまで、ステップS3からステップS7までの処理を繰り返し実行する。
【0036】
このように順次移動する強調表示された操作箇所13を追ってボタン等の押下を監視制御装置1の操作者が行うことで、
図3に示すグループ情報登録の一連の操作が完了する。
【0037】
本実施形態に係る監視制御装置1によれば、当該監視制御装置1に含まれる様々な機能を、チュートリアル機能を用いることで、画面上で必要な操作箇所をハイライトし、当該操作箇所に関連付けられた操作説明を表示することで、マニュアルと画面を都度見比べることなく、操作を誘導し、操作の手順の確認を可能とする。
上記のように、本実施形態の監視制御装置、監視制御方法及びコンピュータプログラムによれば、操作方法を容易に確認することができる。
【0038】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の監視制御装置1、監視制御方法及びコンピュータプログラムについて図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態の監視制御装置1の構成の一部は、第1実施形態の監視制御装置1の構成の一部と同様であるため、同様の構成を備える部分に関しては説明を省略する。
図5は、第2実施形態に係る監視制御装置1の一構成例を示すブロック図である。
【0039】
本実施形態の監視制御装置1において、制御部4は、更に機能切換部7を備える点において上述の第1実施形態の監視制御装置1と相違している。本実施形態の監視制御装置1は、上記機能切換部7を備えることにより、通常運転機能と、シナリオ訓練機能(第2機能)と、を切り換えることが可能になる。
【0040】
機能切換部7は、例えば、監視制御装置1の操作画面上の任意の位置に配置され、操作者により当該機能切換部7が選択(押下)されると、機能を切り換える機能切換信号を生成する。なお、本実施形態における機能は、通常運転機能と、チュートリアル機能(第1機能)と、シナリオ訓練機能(第2機能)の3つであるがこれに限らず、監視制御装置1は、1つ又は2つの機能のみを備えていてもいいし、3つ以上の機能を備えていてもよく、機能切換部7は、3つ以上の機能を切り換えることが可能に構成されてもよい。
【0041】
制御部4は、機能切換部7が生成した機能切換信号を取得し、当該機能切換信号に基づいて通常運転機能、チュートリアル機能若しくはシナリオ訓練機能を起動する。制御部4は、機能に応じて支援要求信号を生成する。
【0042】
表示制御部6は、シナリオ訓練機能に切り換えられたとき、判断部5が取得した支援要求信号から選択した操作支援情報に基づいて操作箇所を強調表示するとともに、強調表示された操作箇所に重ならない位置に当該操作箇所に関連付けられた操作説明を表示する訓練画面を、シナリオ訓練機能における操作画面の一部に表示させる。
【0043】
記憶部8(補助記憶部)は、例えば、シナリオ訓練機能で使用される複数のシナリオを記憶する。なお、シナリオ訓練機能で使用される複数のシナリオは、予め設定されていてもいいし、監視制御装置1の操作者により後からシナリオを追加してもよい。判断部5は、上記記憶部8に記憶された複数のシナリオのうち、シナリオ訓練機能において要求されたシナリオに従って、操作支援情報を選択する。
【0044】
次に監視制御装置1の操作画面においてシナリオ訓練機能を起動した場合の出力画面の構成について説明する。
図6は、第2実施形態に係る監視制御装置1のシナリオ訓練機能における出力画面の一例を示す図である。
図7は、第2実施形態に係る監視制御装置1のシナリオ訓練機能における出力画面の他の例を示す図である。
【0045】
図6に示す例は、シナリオ訓練機能において複数のシナリオを選択する際の訓練画面ウィンドウ15が表示されており、例えば、操作画面ウィンドウ11の領域に含まれる機能切換ボタンを押下することにより、シナリオ訓練機能が起動する。
【0046】
訓練画面ウィンドウ15には、現在の機能がシナリオ訓練機能であることを示すシナリオ訓練画面16が表示される。更に、訓練画面ウィンドウ15には、複数のシナリオが提示され、監視制御装置1の操作者が、必要なシナリオを選択することが可能になる。
【0047】
例えば、監視制御装置1の操作者により、シナリオ1:系統1停電時復旧対応17のシナリオが選択された場合、判断部5は、制御部4からの支援要求信号と、選択された当該シナリオとに基づいて記憶部8に記憶されている適切な操作支援情報を選択する。
【0048】
図7に示す例は、シナリオ1:系統1停電時復旧対応17のシナリオが選択された場合の訓練画面ウィンドウ15に表示される操作画面であり、訓練画面ウィンドウ15の領域内部に更にシナリオ訓練画面ウィンドウ18が表示される
表示制御部6は、選択された操作支援情報を基に、シナリオ訓練画面ウィンドウ18の領域内部にある操作に必要な操作箇所19を強調表示させる。また、表示制御部6は、操作箇所19と重ならない位置に当該操作箇所19に関連付けられた操作説明20を表示させる。
【0049】
具体的には、操作箇所19(履歴画面)がハイライトされ、操作説明20(シナリオチュートリアル表示ウィンドウ)にシナリオ1の操作に関する情報が表示される。例えば、操作説明20には、「シナリオ1系統1停電時復旧対応のチュートリアル」、「系統1の停電が発生したため、履歴にはxxx。」等の情報が表示される。
【0050】
更に、表示制御部6は、シナリオ訓練画面ウィンドウ18の領域内において、操作箇所19と、操作説明20を除くすべての部分を暗灰表示させる。また、シナリオ訓練機能起動中、判断部5は、暗灰表示された部分若しくは訓練画面ウィンドウ15のシナリオ訓練画面ウィンドウ18を除く部分が押下されたことを検知すると、シナリオ訓練機能を中断するよう構成されていてもよく、判断部5は、操作説明20の領域内右上若しくは左上に表示された特定のボタンが押下されたことを検知すると、シナリオ訓練機能を中断するよう構成されていてもよい。
【0051】
判断部5は、シナリオ訓練画面ウィンドウ18の強調表示された操作箇所19が押下されたことを検知すると、記憶部8が記憶する選択されたシナリオを取得し、当該シナリオに従って、次の操作支援情報を選択する。
【0052】
表示制御部6は、選択された操作支援情報に基づいてシナリオ訓練画面ウィンドウ18の画面遷移を実行し、次の操作に必要な操作箇所19を強調表示させる。更に、表示制御部6は、操作箇所19と重ならない位置に当該操作箇所19に関連付けられた操作説明20を表示させる。
【0053】
このように順次移動する強調表示された操作箇所19を追ってボタン等の押下を監視制御装置1の操作者が行うことで、
図6及び
図7に示すシナリオ1:系統1停電時復旧対応17の一連の操作が完了する。
【0054】
具体的な監視制御装置1のシナリオ訓練機能を用いたシナリオ1:系統1停電時復旧対応17の操作の流れを、
図8を用いて説明する。
図8は、第2実施形態に係る監視制御装置1のシナリオ訓練機能の動作の一例について説明するためのフローチャートである。
【0055】
監視制御装置1の操作者により機能切換部7を用いて通常運転機能からシナリオ訓練機能に切り換えられると、シナリオ訓練機能が開始される(ステップS1)。シナリオ訓練機能が開始されると、例えば
図6に示す訓練画面ウィンドウ15が表示される。
【0056】
監視制御装置1の操作者は、複数のシナリオから一つシナリオを選択する(ステップS3)。判断部5は、選択されたシナリオの番号を判断し、記憶部8から選択されたシナリオと、当該シナリオに従って操作支援情報を選択する(ステップS3)。
【0057】
シナリオ1:系統1停電時復旧対応17が選択された場合、表示制御部6は、判断部
6により選択された操作支援情報に基づいて履歴画面を表示/ハイライトする(ステップS4)。
【0058】
判断部5は、ハイライトされた履歴画面がクリックされたかどうか判定する(ステップS4-1)。判断部5は、ハイライトされた履歴部分がクリックされるまでステップS4とステップS4-1の処理を繰り返す。
【0059】
判断部5は、ハイライトされた履歴部分がクリックされたことを検知すると(ステップS4-1、YES)、シナリオに従って、次の操作支援情報を選択する。表示制御部6は、判断部5により選択された操作支援情報に基づいて機能一覧ボタンをハイライトする(ステップS4-2)。
【0060】
判断部5は、ハイライトされた機能一覧ボタンがクリックされたかどうか判定する(ステップS4-3)。判断部5は、ハイライトされた機能一覧ボタンがクリックされるまでステップS4-2とステップS4-3の処理を繰り返す。
【0061】
判断部5は、ハイライトされた機能一覧ボタンがクリックされたことを検知すると(ステップS4-3、YES)、シナリオに従って、次の操作支援情報を選択する。表示制御部6は、判断部5により選択された操作支援情報に基づいて復電機能ボタンをハイライトする(ステップS4-4)。
【0062】
判断部5は、ハイライトされた復電機能ボタンがクリックされたかどうか判定する(ステップS4-5)。判断部5は、ハイライトされた復電機能ボタンがクリックされるまでステップS4-4とステップS4-5の処理を繰り返す。
【0063】
判断部5は、ハイライトされた復電機能ボタンがクリックされたことを検知すると(ステップS4-5、YES)、シナリオに従って、次の操作支援情報を選択する。表示制御部6は、判断部5により選択された操作支援情報に基づいて復電機能画面を表示する(ステップS4-6)。表示制御部6は、判断部5により選択された操作支援情報に基づいて系統1の復旧操作ボタンをハイライトする(ステップS4-7)。
【0064】
判断部5は、ハイライトされた系統1の復旧操作ボタンがクリックされたかどうか判定する(ステップS4-8)。判断部5は、ハイライトされた系統1の復旧操作ボタンがクリックされるまでステップS4-7とステップS4-8の処理を繰り返す。
【0065】
判断部5は、ハイライトされた系統1の復旧操作ボタンがクリックされたことを検知すると(ステップS4-8、YES)、判断部5は、検知結果を表示制御部6に出力し、表示制御部6は、検知結果に基づいてシナリオ1が完了した旨のメッセージを表示する(ステップS4-9)。
【0066】
監視制御装置1の操作者によって、複数のシナリオ選択に戻るか、若しくはもう一度シナリオ1を実施するか選択され(ステップS4-10)、判断部5は、シナリオ選択に戻ることを検知した場合(ステップS4-11)、ステップS2の処理に遷移し、もう一度シナリオ1を実施することを検知した場合(ステップS4-11)、ステップS4の処理に遷移する。
【0067】
なお、複数のシナリオは、操作者等によりハイライトするタイミングやハイライトする操作箇所等を変更可能であり、任意のシナリオを新規で作成することも可能である。また、シナリオ訓練機能起動時に表示されるシナリオ訓練画面ウィンドウ18における複数の操作箇所を押下することにより、コントローラ2に制御信号が送信されることはない。
【0068】
本実施形態に係る監視制御装置1によれば、シナリオ訓練機能を通して、日常的なシナリオのみならず停電のような非日常的なシナリオにおける操作が可能となる。
上記のように、本実施形態の監視制御装置、監視制御方法及びコンピュータプログラムによれば、操作方法を容易に確認することができる。
【0069】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0070】
1…監視制御装置
2…コントローラ
3…入力部
4…制御部
5…判断部
6…表示制御部
7…機能切換部
8…記憶部
9…出力部
10…通信部
11…操作画面ウィンドウ
12…操作チュートリアルボタン
13…操作箇所
14…操作説明
15…訓練画面ウィンドウ
16…シナリオ訓練画面
17…停電時復旧対応
18…シナリオ訓練画面ウィンドウ
19…操作箇所
20…操作説明