(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013583
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】媒体搬送装置、制御方法及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
B65H 7/06 20060101AFI20240125BHJP
B65H 1/00 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
B65H7/06
B65H1/00 501Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022115773
(22)【出願日】2022-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社PFU
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100207778
【弁理士】
【氏名又は名称】阿形 直起
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 拓実
【テーマコード(参考)】
3F048
3F343
【Fターム(参考)】
3F048AA08
3F048AB02
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3F343MC28
(57)【要約】
【課題】異常制御を実行すべき媒体をより高精度に検出する媒体搬送装置を提供する。
【解決手段】媒体搬送装置は、媒体を給送するピックローラと、ピックローラよりも搬送方向の下流側に配置された分離ローラと、分離ローラよりも搬送方向の下流側に配置された搬送ローラと、分離ローラよりも搬送方向の下流側に配置され、媒体を検出する媒体センサと、搬送ローラよりも搬送方向の上流側における媒体の浮き上がりを検出する浮き上がりセンサと、分離ローラよりも搬送方向の上流側に配置され、媒体が通過していることを検出する通過センサと、媒体センサによって媒体が検出されてからの所定期間に、浮き上がりセンサによって媒体の浮き上がりが検出され、かつ通過センサによって媒体が通過していることが検出された場合に、媒体が所定の媒体であると判定する判定部と、媒体が所定の媒体であると判定された場合に、異常制御を実行する制御部と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体を給送するピックローラと、
前記ピックローラよりも前記媒体の搬送方向の下流側に配置された分離ローラと、
前記分離ローラよりも前記搬送方向の下流側に配置された搬送ローラと、
前記分離ローラよりも前記搬送方向の下流側に配置され、媒体を検出する媒体センサと、
前記搬送ローラよりも前記搬送方向の上流側における前記媒体の浮き上がりを検出する浮き上がりセンサと、
前記分離ローラよりも前記搬送方向の上流側に配置され、媒体が通過していることを検出する通過センサと、
前記媒体センサによって媒体が検出されてからの所定期間に、前記浮き上がりセンサによって媒体の浮き上がりが検出され、かつ前記通過センサによって媒体が通過していることが検出された場合に、媒体が所定の媒体であると判定する判定部と、
媒体が前記所定の媒体であると判定された場合に、異常制御を実行する制御部と、
を有することを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項2】
前記制御部は、媒体が前記所定の媒体であると判定された場合に、利用者による、媒体の搬送を継続するか否かの選択を受け付ける、
請求項1に記載の媒体搬送装置。
【請求項3】
前記搬送ローラよりも前記搬送方向の下流側に配置され、搬送された媒体を撮像する撮像部をさらに有し、
前記制御部は、媒体が前記所定の媒体であると判定された時点で媒体の撮像が開始されていなければ、利用者による、媒体の搬送を継続するか否かの選択を受け付け、媒体の撮像が開始されていれば、媒体の搬送を停止する、
請求項1に記載の媒体搬送装置。
【請求項4】
前記浮き上がりセンサは、前記通過センサと前記搬送ローラとの間における媒体の浮き上がりを検出する、
請求項1に記載の媒体搬送装置。
【請求項5】
前記浮き上がりセンサは、前記通過センサと前記搬送ローラとの間に配置され、媒体の浮き上がりに応じて上昇するアームと、前記アームの上昇を検出する検出器と、を有する、
請求項4に記載の媒体搬送装置。
【請求項6】
前記浮き上がりセンサは、前記通過センサと前記搬送ローラとの間に、かつ媒体の搬送路の上方に配置され、下方に光を照射する発光器と、前記発光器によって照射されて媒体で反射された光を受光する受光器と、を有する、
請求項4に記載の媒体搬送装置。
【請求項7】
前記浮き上がりセンサは、前記通過センサと前記搬送ローラとの間に、かつ媒体の搬送路の上方に配置され、前記搬送方向に沿って超音波を出力する超音波発信器と、前記超音波発信器に対向して配置され、前記超音波発信器によって出力された超音波を受信する超音波受信器と、を有する、
請求項4に記載の媒体搬送装置。
【請求項8】
媒体の搬送路の上方に配置されたガイドをさらに有し、
前記ガイドには、前記分離ローラと前記搬送ローラとの間に、上方に窪んだ凹部が形成される、
請求項1に記載の媒体搬送装置。
【請求項9】
前記通過センサは、媒体の前記搬送方向における移動速度が閾値以上である場合に、媒体が通過していることを検出する、
請求項1に記載の媒体搬送装置。
【請求項10】
前記通過センサは、媒体の前記搬送方向の移動に従って回転する従動ローラと、前記従動ローラの回転速度に応じた電圧を生じさせる変換回路と、を有する、
請求項9に記載の媒体搬送装置。
【請求項11】
媒体を給送するピックローラと、前記ピックローラよりも前記媒体の搬送方向の下流側に配置された分離ローラと、前記分離ローラよりも前記搬送方向の下流側に配置された搬送ローラと、前記分離ローラよりも前記搬送方向の下流側に配置され、媒体を検出する媒体センサと、前記搬送ローラよりも前記搬送方向の上流側における前記媒体の浮き上がりを検出する浮き上がりセンサと、前記分離ローラよりも前記搬送方向の上流側に配置され、媒体が通過していることを検出する通過センサと、を有する媒体搬送装置の制御方法であって、
前記媒体センサによって媒体が検出されてからの所定期間に、前記浮き上がりセンサによって媒体の浮き上がりが検出され、かつ前記通過センサによって媒体が通過していることが検出された場合に、媒体が所定の媒体であると判定し、
媒体が前記所定の媒体であると判定された場合に、異常制御を実行する
ことを含むことを特徴とする制御方法。
【請求項12】
媒体を給送するピックローラと、前記ピックローラよりも前記媒体の搬送方向の下流側に配置された分離ローラと、前記分離ローラよりも前記搬送方向の下流側に配置された搬送ローラと、前記分離ローラよりも前記搬送方向の下流側に配置され、媒体を検出する媒体センサと、前記搬送ローラよりも前記搬送方向の上流側における前記媒体の浮き上がりを検出する浮き上がりセンサと、前記分離ローラよりも前記搬送方向の上流側に配置され、媒体が通過していることを検出する通過センサと、を有する媒体搬送装置の制御プログラムであって、
前記媒体センサによって媒体が検出されてからの所定期間に、前記浮き上がりセンサによって媒体の浮き上がりが検出され、かつ前記通過センサによって媒体が通過していることが検出された場合に、媒体が所定の媒体であると判定し、
媒体が前記所定の媒体であると判定された場合に、異常制御を実行する
ことを前記媒体搬送装置に実行させることを特徴とする制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体搬送装置、制御方法及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、媒体を搬送して撮像するスキャナ等の媒体搬送装置は、載置台に重ねて載置された複数の媒体を順次分離しながら搬送する。しかしながら、複数の媒体がステープル等で綴じられている場合、これらの媒体を分離する際に媒体が破損する可能性がある。そこで、媒体搬送装置において、このような綴じ媒体を適切に検出して搬送を停止させる等の異常制御を実行することが求められている。
【0003】
特許文献1には、原稿面の高さを検知する高さ検知センサと、高さ検知センサより上流に配置され、高さ検知センサとは異なる方向を向く原稿面検知センサとを備える画像読取装置が開示されている。特許文献1の画像読取装置は、高さ検知センサによって検知される原稿面の高さが閾値を超えた場合、又は原稿に浮きが発生して、原稿面検知センサによって原稿が検知された場合に、綴じ原稿が給送されていると判断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
媒体搬送装置では、綴じ媒体のように、分離に支障がある等の理由で異常制御を実行すべき媒体をより高精度に検出することが求められている。
【0006】
本発明は、異常制御を実行すべき媒体をより高精度に検出することを可能とする媒体搬送装置、制御方法及び制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態に係る媒体搬送装置は、媒体を給送するピックローラと、ピックローラよりも媒体の搬送方向の下流側に配置された分離ローラと、分離ローラよりも搬送方向の下流側に配置された搬送ローラと、分離ローラよりも搬送方向の下流側に配置され、媒体を検出する媒体センサと、搬送ローラよりも搬送方向の上流側における媒体の浮き上がりを検出する浮き上がりセンサと、分離ローラよりも搬送方向の上流側に配置され、媒体が通過していることを検出する通過センサと、媒体センサによって媒体が検出されてからの所定期間に、浮き上がりセンサによって媒体の浮き上がりが検出され、かつ通過センサによって媒体が通過していることが検出された場合に、媒体が所定の媒体であると判定する判定部と、媒体が所定の媒体であると判定された場合に、異常制御を実行する制御部と、を有する。
【0008】
本発明の実施形態に係る制御方法は、媒体を給送するピックローラと、ピックローラよりも媒体の搬送方向の下流側に配置された分離ローラと、分離ローラよりも搬送方向の下流側に配置された搬送ローラと、分離ローラよりも搬送方向の下流側に配置され、媒体を検出する媒体センサと、搬送ローラよりも搬送方向の上流側における媒体の浮き上がりを検出する浮き上がりセンサと、分離ローラよりも搬送方向の上流側に配置され、媒体が通過していることを検出する通過センサと、を有する媒体搬送装置の制御方法であって、媒体センサによって媒体が検出されてからの所定期間に、浮き上がりセンサによって媒体の浮き上がりが検出され、かつ通過センサによって媒体が通過していることが検出された場合に、媒体が所定の媒体であると判定し、媒体が所定の媒体であると判定された場合に、異常制御を実行することを含む。
【0009】
本発明の実施形態に係る制御プログラムは、媒体を給送するピックローラと、ピックローラよりも媒体の搬送方向の下流側に配置された分離ローラと、分離ローラよりも搬送方向の下流側に配置された搬送ローラと、分離ローラよりも搬送方向の下流側に配置され、媒体を検出する媒体センサと、搬送ローラよりも搬送方向の上流側における媒体の浮き上がりを検出する浮き上がりセンサと、分離ローラよりも搬送方向の上流側に配置され、媒体が通過していることを検出する通過センサと、を有する媒体搬送装置の制御プログラムであって、媒体センサによって媒体が検出されてからの所定期間に、浮き上がりセンサによって媒体の浮き上がりが検出され、かつ通過センサによって媒体が通過していることが検出された場合に、媒体が所定の媒体であると判定し、媒体が所定の媒体であると判定された場合に、異常制御を実行することを媒体搬送装置に実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る媒体搬送装置、制御方法及び制御プログラムは、異常制御を実行すべき媒体をより高精度に検出することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】媒体搬送装置100の内部の搬送経路を示す図である。
【
図4】浮き上がりセンサ113及び第2媒体センサ116の配置を模式的に示す図である。
【
図5】媒体搬送装置100の機能ブロック図である。
【
図6】記憶装置140及び処理回路150の機能ブロック図である。
【
図9】(A)は綴じ媒体を側面視した模式図であり、(B)は綴じ媒体を平面視した模式図である。
【
図10】(A)は通常媒体を側面視した模式図であり、(B)は綴じ媒体を側面視した模式図である。
【
図11】(A)は小型の後端カール媒体を側面視した模式図であり、(B)は通常の大きさの後端カール媒体を側面視した模式図である。
【
図12】媒体搬送装置200の内部の搬送経路を示す図である。
【
図13】浮き上がりセンサ213の構成を示す模式図である。
【
図14】媒体搬送装置300の内部の搬送経路を示す図である。
【
図15】浮き上がりセンサ313の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。本発明の技術的範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明及びその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0013】
図1は、実施形態に係る媒体搬送装置100を示す斜視図である。媒体搬送装置100は、イメージスキャナである。媒体搬送装置100は、原稿である媒体を搬送し、撮像する。媒体は、用紙、厚紙又はカード等である。媒体搬送装置100は、ファクシミリ、複写機、プリンタ複合機(MFP、Multifunction Peripheral)等でもよい。なお、媒体搬送装置100は、印刷対象物である媒体を搬送するプリンタ等でもよい。
【0014】
図1において矢印A1は略鉛直方向(高さ方向)を示し、矢印A2は媒体の搬送方向を示し、矢印A3は媒体の排出方向を示し、矢印A4は搬送方向A2又は排出方向A3と直交する幅方向を示す。以下では、上流とは搬送方向A2又は排出方向A3の上流のことをいい、下流とは搬送方向A2又は排出方向A3の下流のことをいう。
【0015】
媒体搬送装置100は、第1筐体101、第2筐体102、載置台103、排出台104、操作装置105及び表示装置106等を備える。
【0016】
第1筐体101及び第2筐体102は、筐体の一例である。第2筐体102は、第1筐体101の内側に配置され、ジャムが発生した時や媒体搬送装置100内部の清掃時等に開閉可能となるように、ヒンジにより第1筐体101に回転可能に係合している。
【0017】
載置台103は、搬送される媒体を載置可能に第1筐体101に係合する。載置台103は、第1筐体101の側面に設けられる。載置台103は高さ方向A1に移動可能であり、媒体を搬送していないときは、媒体が容易に載置可能となるように第1筐体の下端に位置し、媒体を搬送するときは、最も上側に載置された媒体が後述するピックローラと接触する位置まで上昇する。
【0018】
排出台104は、第2筐体102の上面に形成される。排出台104は、媒体を載置するための載置面を有し、第1筐体101及び第2筐体102の排出口から排出された媒体を載置する。
【0019】
操作装置105は、ボタン等の入力デバイス及び入力デバイスから信号を取得するインタフェース回路を有する。操作装備105は、利用者による入力操作を受け付け、利用者の入力操作に応じた操作信号を出力する。表示装置106は、液晶、有機EL(Electro-Luminescence)等を含むディスプレイ及びディスプレイに画像データを出力するインタフェース回路を有する。表示装置106は、画像データをディスプレイに表示する。なお、表示装置106は、タッチパネル機能付きの液晶ディスプレイでもよい。この場合、操作装置105は、タッチパネルから入力信号を取得するインタフェース回路を有する。
【0020】
図2は、媒体搬送装置100の内部の搬送経路を示す図である。
【0021】
媒体搬送装置100は、内部の搬送経路に、第1媒体センサ110、通過センサ111、ピックローラ112、浮き上がりセンサ113、給送ローラ114、分離ローラ115、第2媒体センサ116、第1~第5搬送ローラ117a~e、第1~第5従動ローラ118a~e及び撮像装置119等を有する。
【0022】
なお、ピックローラ112、給送ローラ114、分離ローラ115、第1~第5搬送ローラ117a~e及び/又は第1~第5従動ローラ118a~eのそれぞれの数は一つに限定されず、複数でもよい。その場合、複数のピックローラ112、給送ローラ114、分離ローラ115、第1~第5搬送ローラ117a~e及び/又は第1~第5従動ローラ118a~eは、それぞれ幅方向A4に間隔を空けて並べて配置される。
【0023】
第1筐体101の、第2筐体102と対向する面は媒体の搬送路の第1ガイド101aを形成し、第2筐体102の、第1筐体101と対向する面は搬送路の第2ガイド102aを形成する。
【0024】
第1媒体センサ110は、給送ローラ114及び分離ローラ115より上流側である載置台103に配置され、載置台103に媒体が載置されているか否かを検出する。第1媒体センサ110は、媒体が接触している場合又は媒体が接触していない場合に所定の電流を流す接触検知センサにより、載置台103に媒体が載置されているか否かを検出する。第1媒体センサ110は、載置台103に媒体が載置されているか否かによって異なる信号値を有する第1媒体信号を生成して出力する。なお、第1媒体センサ110は、光検知センサ等の、媒体が載置台103に載置されているか否かを検出可能な他の任意のセンサでもよい。
【0025】
通過センサ111は、第2筐体102の分離ローラ115よりも搬送方向A2の上流側に配置され、媒体が通過していることを検出する。
図2に示す例では、通過センサ111は、ピックローラ112よりも上流側に配置される。通過センサ111は、例えばスリット式エンコーダである。この場合、通過センサ111は、スリットが設けられ、媒体の通過に伴って回転する回転部材、LED(Light Emitting Diode)及びフォトダイオードを備える。LEDから出射された光が回転するスリットを通過することにより、光パルスが生成される。通過センサ111は、フォトダイオードが検出した光パルスの幅又は間隔に応じた信号、すなわち、媒体の移動速度に応じた信号を通過信号として生成して出力する。例えば、通過センサ111は、通過信号が示す媒体の移動速度が閾値以上である場合に、媒体が通過していることを検出する。なお、通過センサ111は、磁石を備える回転部材が回転することによる磁気の変化を検出する磁気式エンコーダでもよい。
【0026】
ピックローラ112は、第2筐体102に配置される。ピックローラ112は、媒体の搬送路と略同一の高さまで上昇した載置台103に載置された媒体と接触して、その媒体を下流側に向けて給送する。
【0027】
浮き上がりセンサ113は、第2筐体102の内部に、かつピックローラ112より下流側に配置される。浮き上がりセンサ113は、ピックローラ112によって給送された媒体の浮き上がりを検出する。媒体の浮き上がりとは、給送された媒体が搬送経路に対して第2筐体102側に湾曲することをいう。浮き上がりセンサ113は、媒体が浮き上がっているか否かによって異なる信号値を有する浮き上がり信号を生成して出力することにより、媒体の浮き上がりを検出する。浮き上がりセンサ113の構成については
図3を用いて後述する。
【0028】
給送ローラ114は、第2筐体102の内部に、かつピックローラ112より下流側に配置される。給送ローラ114は、ピックローラ112により給送された媒体をさらに下流側に向けて給送する。分離ローラ115は、第1筐体101の内部に、給送ローラ114と対向するように配置される。分離ローラ115は、いわゆるブレーキローラ又はリタードローラであり、媒体を給送する方向の反対方向に回転可能であり、又は停止可能である。給送ローラ114及び分離ローラ115は、媒体を分離して一枚ずつ給送する。給送ローラ114は分離ローラ115の上側に配置され、媒体搬送装置100は、いわゆる上取り方式により媒体を給送する。なお、給送ローラ114が分離ローラ115の下側に配置され、媒体搬送装置100は、いわゆる下取り方式により媒体を給送してもよい。
【0029】
第2媒体センサ116は、給送ローラ114及び分離ローラ115より下流側に配置される。第2媒体センサ116は、媒体を検出する。第2媒体センサ116は、回帰型プリズムセンサであり、第1筐体101の内部に配置されたLED(Light Emitting Diode)及びフォトダイオード並びに第2筐体102の内部に配置されたプリズムを備える。プリズムは、LED及びフォトダイオードと媒体の搬送路を挟んで対向し、LEDから照射された光をフォトダイオードに導くように配置される。第2媒体センサ116は、フォトダイオードによって検出された光の強度に応じた信号値を有する信号、すなわち、LEDから照射された光が媒体で遮られたか否かによって異なる信号値を有する信号を第2媒体信号として生成して出力する。例えば、第2媒体センサ116は、第2媒体信号が、LEDから照射された光が媒体で遮られたことを示す場合に、媒体を検出する。なお、第2媒体センサ116は、光検知センサ等の、媒体を検出可能な他の任意のセンサでもよい。
【0030】
第1~第5搬送ローラ117a~e及び第1~第5従動ローラ118a~eは、給送ローラ114及び分離ローラ115より下流側に、それぞれ相互に対向して設けられる。第1~第4搬送ローラ117a~d及び第1~第4従動ローラ118a~dは、給送ローラ114及び分離ローラ115により給送された媒体を下流側に向けて搬送する。第5搬送ローラ117e及び第5従動ローラ118eは、第1~第4搬送ローラ117a~d及び第1~第4従動ローラ118a~dにより搬送された媒体を排出台104に排出する。
【0031】
撮像装置119は、搬送方向A2において、第1搬送ローラ117aより下流側に配置され、第1搬送ローラ117a及び第1従動ローラ118aにより搬送された媒体を撮像する。撮像装置119は、媒体の搬送路を挟んで相互に対向して配置される第1撮像装置119a及び第2撮像装置119bを有する。なお、第1撮像装置119a及び第2撮像装置119bは、撮像部の一例である。
【0032】
第1撮像装置119aは、主走査方向に直線状に配列されたCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)による撮像素子を有する等倍光学系タイプのCIS(Contact Image Sensor)によるラインセンサを有する。また、第1撮像装置119aは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル(A/D)変換するA/D変換器とを有する。第1撮像装置119aは、搬送される媒体の表面を撮像して入力画像を生成して出力する。
【0033】
同様に、第2撮像装置119bは、主走査方向に直線状に配列されたCMOSによる撮像素子を有する等倍光学系タイプのCISによるラインセンサを有する。また、第2撮像装置119bは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル(A/D)変換するA/D変換器とを有する。第2撮像装置119bは、搬送される媒体の裏面を撮像して入力画像を生成して出力する。
【0034】
なお、撮像装置119は、第1撮像装置119a及び第2撮像装置119bの一方だけを備え、媒体の片面だけを読み取ってもよい。また、第1撮像装置119a及び第2撮像装置119bは、CMOSによる撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサに代えて、CCD(Charge Coupled Device)による撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサを有してもよい。また、第1撮像装置119a及び第2撮像装置119bは、CMOS又はCCDによる撮像素子を備える縮小光学系タイプのラインセンサを有してもよい。
【0035】
載置台103に載置された媒体は、ピックローラ112、給送ローラ114がそれぞれ媒体を給送する方向に回転することによって、搬送方向A2に沿って、第1ガイド101aと第2ガイド102aの間を搬送される。利用者は、媒体搬送装置100の給送モードとして、媒体を分離しながら給送する分離モードと、媒体を分離せずに給送する非分離モードとのうちの何れかを設定可能である。給送モードは、利用者が操作装置105又は媒体搬送装置100と通信接続する情報処理装置を操作することにより設定される。給送モードが分離モードに設定されている場合、分離ローラ115は、媒体の給送方向の反対方向に回転し、又は停止する。これにより、分離された媒体以外の媒体の給送が制限され、重送が防止される。一方、給送モードが非分離モードに設定されている場合、分離ローラ115は、媒体の給送方向に回転する。
【0036】
媒体は、第1搬送ローラ117aが媒体を給送する方向に回転することによって第1ガイド101aと第2ガイド102aの間を搬送され、撮像装置119の撮像位置に送り込まれ、撮像装置119によって撮像される。さらに、媒体は、第2~第5搬送ローラ117b~eがそれぞれ媒体を給送する方向に回転することによって排出台104上に排出される。
【0037】
図3は、浮き上がりセンサ113の斜視図である。浮き上がりセンサ113は、アーム113aと、馬蹄型センサ113bとを有する。
【0038】
アーム113aは、媒体の搬送経路の上側に、媒体搬送方向A2に延伸するように設けられ、下面が第1ガイド101aと所定距離だけ離間して対向するように配置される。複数の浮き上がりセンサ113が幅方向A4に間隔を空けて配置されてもよい。この場合、各アーム113aは、第1ガイド101aに対する高さが同一となるように配置される。アーム113aの下流側の端部113cは、上流側の端部113dが揺動するように、第2筐体102に回転可能に係合する。これにより、媒体が浮き上がった場合、媒体とアーム113aとが接触して、媒体がアーム113aを回転させることにより上昇させる。媒体が浮き上がっていない場合のアーム113aの下面と第1ガイド101aとの間の距離は、浮き上がりセンサ113による検出を要する媒体の撓みの大きさに応じて適宜設定される。
【0039】
馬蹄型センサ113bは、発光素子113e、受光素子113f及び発光素子113eと受光素子113fとを接続する接続部113gを有する。発光素子113e及び受光素子113fは、相互に対向するように配置される。発光素子113eは、LED等であり、受光素子113fに向けて光を照射する。受光素子113fは、フォトダイオード等である。発光素子113e及び受光素子113fは、それぞれ発光部及び受光部の一例である。受光素子113fは、アーム113aを挟んで発光素子113eと対向して設けられ、発光素子113eからの光を検出する。受光素子113fは、検出された光の強度に応じた電気信号である浮き上がり検出信号を生成して出力する。なお、馬蹄型センサ113bは検出器の一例である。
【0040】
アーム113aは、初期状態において、発光素子113eと受光素子113fとの間に配置され、且つ、上昇した状態において、発光素子113e及び受光素子113fと対向しない位置に配置されるように設けられる。すなわち、アーム113aは、上昇していない状態で発光素子113eから受光素子113fへの光を遮断し、上昇した状態で発光素子113eからの光を受光素子113fまで通過させるように形成される。馬蹄センサ113bは、受光素子113fによって検出された光の強度に応じた信号値を有する信号、すなわち、給送される媒体が浮き上がった場合と浮き上がっていない場合とで異なる信号値を有する信号を浮き上がり信号として生成する。例えば、浮き上がりセンサ113は、浮き上がり信号が示す、受光素子113fによって検出された光の強度が閾値以上である場合に、媒体の浮き上がりを検出する。
【0041】
図4は、浮き上がりセンサ113及び第2媒体センサ116の配置を模式的に示す図である。
図4は、搬送経路を上から見た場合の浮き上がりセンサ113及び第2媒体センサ116の位置関係を示す模式図である。
【0042】
図4に示す例では、2つの浮き上がりセンサ113が、ピックローラ112及び給送ローラ114に対して、幅方向A4における外側にそれぞれ配置されている。2つの浮き上がりセンサ113の構成は、幅方向A4に関して対称である点を除き、同じである。浮き上がりセンサ113の数は、2つに限定されず、1つ又は3つ以上でもよい。
【0043】
浮き上がりセンサ113は、幅方向A4において、ピックローラ112及び給送ローラ114から所定距離だけ離間して配置される。所定距離は、一般にステープル又はクリップ等で綴じられる可能性が高い媒体のうち幅方向A4の長さが最も小さい媒体(例えばA5サイズ)が幅方向A4の中央を搬送されたときに、その媒体の幅方向A4における端部がアーム113aの下側を通過するように設定される。これにより、浮き上がりセンサ113は、ステープル又はクリップ等で綴じられた綴じ媒体が搬送された場合に、媒体の浮き上がりを確実に検出することができる。
【0044】
浮き上がりセンサ113のアーム113aの上流端113dは、ピックローラ112のローラニップ112aの上流端よりも上流側に位置する。また、浮き上がりセンサ113のアーム113aの下流端113cは、給送ローラ114及び分離ローラ115のローラニップ114aの下流端よりも下流側に位置する。これにより、浮き上がりセンサ113は、ピックローラ112のローラニップ112aの上流端と、給送ローラ114及び分離ローラ115のローラニップ114aの下流端との間における媒体の浮き上がりを検出する。
【0045】
第2媒体センサ116は、分離ローラ115の下流側に配置される。第2媒体センサ116は、二つの分離ローラ115の間に配置され、例えば、幅方向A4における中央に配置される。なお、複数の第2媒体センサ116が幅方向A4に沿って間隔を空けて並べて配置されてもよい。
【0046】
図5は、媒体搬送装置100の概略構成の例を示すブロック図である。媒体搬送装置100は、上述した構成に加えて、モータ131、インタフェース装置132、記憶装置140及び処理回路150等をさらに有する。
【0047】
モータ131は、一又は複数のモータを含む。モータ131は、処理回路150からの制御パルスによって、ピックローラ112、給送ローラ114、分離ローラ115及び第1~第5搬送ローラ117a~eを回転させて媒体を給送及び搬送させる。なお、第1~第5従動ローラ118a~eは、各搬送ローラの回転にしたがって従動するのではなく、モータ131によって回転されてもよい。
【0048】
インタフェース装置132は、例えばUSB等のシリアルバスに準じるインタフェース回路を有する。インタフェース装置132は、不図示の情報処理装置(例えば、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末等)と電気的に接続されて、入力画像及び各種の情報を送受信する。媒体搬送装置100は、インタフェース装置132に代えて、無線信号を送受信するアンテナと、無線通信回線を通じて信号の送受信を行うための通信インタフェース回路とを有する通信部を備えてもよい。通信インタフェース回路が用いる通信プロトコルは、例えば無線LAN(Local Area Network)である。
【0049】
記憶装置140は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、又はフレキシブルディスク、光ディスク等の可搬用の記憶装置等を有する。また、記憶装置140には、媒体搬送装置100の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル等が格納される。コンピュータプログラムは、コンピュータ読取り可能且つ非一時的な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて記憶装置140にインストールされてもよい。可搬型記録媒体は、例えばCD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)等である。
【0050】
処理回路150は、予め記憶装置140に記憶されているプログラムに基づいて動作する。処理回路150は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。処理回路150は、DSP(Digital Signal Processor)、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等でもよい。
【0051】
処理回路150は、操作装置105、表示装置106、第1媒体センサ110、通過センサ111、浮き上がりセンサ113、第2媒体センサ116、撮像装置119、モータ131、インタフェース装置132及び記憶装置140等と接続され、これらの各部を制御する。処理回路150は、モータ131を制御して媒体を搬送し、撮像装置119を制御して入力画像を取得し、取得した入力画像を、インタフェース装置132を介して情報処理装置に送信する。また、処理回路150は、通過センサ111から受信した通過信号、浮き上がりセンサ113から受信した浮き上がり検出信号及び第2媒体センサ116から受信した第2媒体信号に基づいて、搬送される媒体が綴じ媒体であるか否かを判定する。
【0052】
図6は、記憶装置140及び処理回路150の概略構成を示す図である。
【0053】
記憶装置140には、制御プログラム141及び判定プログラム142等の各プログラムが記憶される。これらの各プログラムは、プロセッサ上で動作するソフトウェアにより実装される機能モジュールである。処理回路150は、記憶装置140に記憶された各プログラムを読み取り、読み取った各プログラムに従って動作することにより、制御部151及び判定部152として機能する。
【0054】
図7は、媒体搬送装置100によって実行される媒体搬送処理の動作の流れを示すフロー図である。媒体搬送処理は、記憶装置140に記憶されているプログラムに基づいて、処理回路150が媒体搬送装置100の各要素と協働することにより実現される。
【0055】
最初に、制御部151は、媒体の読取を指示する操作信号を受信するまで待機する(S101)。操作信号は、利用者によって媒体の読取指示が操作装置105に入力されたことに応じて、操作装置105から制御部151に供給される。操作信号は、利用者によって読取指示が情報処理装置に入力されたことに応じて、情報処理装置からインタフェース装置132を介して供給されてもよい。
【0056】
続いて、制御部151は、第1媒体センサ110から出力された第1媒体信号に基づいて、載置台103に媒体が載置されているか否かを判定する(S102)。媒体が載置されていない場合(S102-No)、媒体撮像処理は終了する。
【0057】
媒体が載置されている場合(S102-Yes)、制御部151は、載置台103を移動させるためのモータを駆動して、媒体を給送可能な位置まで載置台103を上昇させる。制御部151は、モータ131を駆動してピックローラ112、給送ローラ114、分離ローラ115及び第1~第5搬送ローラ117a~eを回転させ、載置台103に載置された媒体を給送及び搬送させる(S103)。
【0058】
次に、制御部151は、第2媒体センサ116から出力された第2媒体信号に基づいて、第2媒体センサ116によって媒体が検出されたか否かを判定する(S104)。制御部151は、第2媒体信号が、LEDから照射された光が媒体で遮られたことを示す場合に、媒体の先端が第2媒体センサ116の位置に到達し、媒体が第2媒体センサ116によって検出されたと判定する。媒体が第2媒体センサ116によって検出されていない場合(S104-No)、S104に戻り、制御部151は媒体が第2媒体センサ116によって検出されるまで待機する。
【0059】
媒体が第2媒体センサ116によって検出された場合(S104-Yes)、判定部152は、媒体が綴じ媒体であるか否かを判定しながら媒体を撮像する判定処理を実行する(S105)。判定処理の詳細は後述する。
【0060】
次に、制御部151は、判定処理が終了した時点で媒体の搬送が停止しているか否かを判定する(S106)。媒体の搬送が停止している場合(S106-Yes)、媒体搬送処理は終了する。
【0061】
媒体の搬送が継続している場合(S106-No)、制御部151は、第1媒体センサ110から出力された第1媒体信号に基づいて、載置台103に媒体が載置されている場合(S107-Yes)、媒体搬送処理はS104に戻り、制御部151は次の媒体が第2媒体センサ116によって検出されるまで待機する。媒体が載置されていない場合(S107-No)、制御部151は、モータ131を停止させて、媒体搬送処理を終了する。
【0062】
図8は、媒体搬送処理のS105において媒体搬送装置100によって実行される判定処理の流れを示すフロー図である。判定処理においては、媒体が綴じ媒体であるか、小型の後端カール媒体であるか、またはそれ以外の媒体であるかが判定される。そして、媒体が綴じ媒体であると判定された場合には、ユーザの操作に応じて搬送が停止され、綴じ媒体以外の媒体であると判定された場合には、搬送が継続される。なお、小型の媒体とは、標準的な大きさの媒体(例えば、A4サイズ)よりも、媒体の搬送方向A2における幅が小さい媒体(例えば、A5サイズ)をいう。また、後端カール媒体とは、媒体の上流側の端部が第2筐体102の側に曲がっている媒体をいう。後端カール媒体には、媒体の上流側の端部が第2筐体102の側に湾曲している媒体のほか、第2筐体102の側に折れ曲がっている媒体も含まれる。
【0063】
判定処理においては、媒体の先端が第2媒体センサ116に到達してから媒体が所定距離だけ搬送されるまでの判定期間において、媒体が綴じ媒体であるか否かが継続的に判定される。また、判定期間が終了する前に媒体の先端が撮像開始位置に到達した場合には、判定に並行して媒体が撮像される。所定距離は、第2媒体センサ116から撮像開始位置までの距離よりも長く設定される。すなわち、所定距離は、判定期間が開始された後、終了する前に媒体の撮像が開始されるように設定される。
【0064】
最初に、判定部152は、判定期間の計時を開始する(S201)。判定期間は、媒体が第2媒体センサ116に到達してから媒体が所定距離だけ搬送されるまでの期間である。この場合、判定部152は、第1~第5搬送ローラ117a~eを駆動するモータ131に供給された制御パルスの計数を開始する。判定期間は、媒体が第2媒体センサ116に到達してから所定時間が経過するまでの期間でもよい。この場合、判定部152は、媒体が第2媒体センサ116に到達した時刻からの経過時間の計測を開始する。
【0065】
次に、判定部152は、浮き上がりセンサ113が出力する浮き上がり信号に基づいて、浮き上がりセンサ113によって媒体の浮き上がりが検出されたか否かを判定する(S202)。判定部152は、浮き上がり信号が示す、受光素子113fによって検出された光の強度が閾値以上である場合に、媒体の浮き上がりが検出されたと判定する。
【0066】
浮き上がりセンサ113によって媒体の浮き上がりが検出された場合(S202-Yes)、判定部152は、通過センサ111が出力する通過信号に基づいて、通過センサ111によって媒体が通過していることが検出されたか否かを判定する(S203)。判定部152は、通過信号が示す媒体の移動速度が閾値以上である場合に、通過センサ111によって媒体が通過していることが検出されたと判定する。
【0067】
通過センサ111によって媒体が通過していることが検出された場合(S203-Yes)、判定部152は媒体が綴じ媒体であると判定し、制御部151はモータ131を停止させることによって媒体の搬送を一時的に休止させる(S204)。すなわち、判定部152は、判定期間の間に浮き上がりセンサ113によって媒体の浮き上がりが検出され、かつ通過センサ111によって媒体が通過していることが検出された場合に、媒体が綴じ媒体であると判定する。制御部151は、表示装置106に警告を表示してもよい。なお、媒体の搬送を停止させること、及び警告を表示することは、異常制御を実行することの一例である。
【0068】
通過センサ111によって媒体が通過していることが検出されなかった場合(S203-No)、判定部152は媒体が小型の後端カール媒体であると判定し、制御部151は撮像装置119を制御して媒体を撮像する(S205)。小型とは媒体搬送方向A2における媒体の幅が小さいことをいい、後端カール媒体とは上流側の端部が上方に折れ曲がっている媒体をいう。すなわち、判定部152は、判定期間の間に浮き上がりセンサ113によって媒体の浮き上がりが検出され、かつ通過センサ111によって媒体が通過していることが検出されなかった場合に、媒体が小型の後端カール媒体であると判定する。
【0069】
判定部152によって媒体が小型の後端カール媒体であると判定された場合、制御部151は、媒体が撮像開始位置に到達するまで待機する。撮像開始位置は、例えば、第2媒体センサ116の位置と撮像装置119の位置との中間である。この場合、制御部151は、第2媒体センサ116によって媒体が検出されてから、第2媒体センサ116と撮像開始位置との間の距離だけ媒体が搬送された場合に、媒体が撮像開始位置に到達したと判定する。媒体が撮像開始位置に到達した場合に、制御部151は、撮像装置119を制御して、媒体の搬送に伴って媒体の下流側から順に媒体を撮像して入力画像を取得する。制御部151は、取得した入力画像を、インタフェース装置132を介して、情報処理装置に送信する。以上で、判定処理は終了する。すなわち、媒体が小型の後端カール媒体であると判定された場合には、媒体の搬送が継続した状態で判定処理が終了する。
【0070】
なお、S205において媒体が小型の後端カール媒体であると判定される前に、後述するS212において媒体の撮像が開始されている場合、制御部151は、媒体の撮像を継続して入力画像を取得する。
【0071】
以下では、媒体が綴じ媒体と小型の後端カール媒体とのいずれであるかを判定する原理について説明する。
【0072】
図9(A)は給送ローラ114及び分離ローラ115の位置に到達した綴じ媒体を側面視した模式図であり、
図9(B)は綴じ媒体を平面視した模式図である。
図9(A)に示す例では、綴じ媒体は、下側媒体M1と上側媒体M2とが綴じ部Sによって綴じられたものである。綴じ媒体が給送ローラ114及び分離ローラ115の位置に到達すると、下側媒体M1は分離ローラ115の回転によって停止し、上側媒体M2のみが給送ローラ114の回転によって媒体搬送方向A2に進行しようとする。このとき、上側媒体M2の先端部が綴じ部Sによって下側媒体M1に固定されているため、上側媒体M2の、給送ローラ114が接触する領域Tと綴じ部Sとの間に浮き上がりが発生する。
【0073】
図10(A)は、判定期間において通常媒体(綴じ媒体及び後端カール媒体以外の媒体をいう。)を側面視した模式図である。通常媒体が搬送されている場合には、判定期間において浮き上がりセンサ113は浮き上がりを検出せず、通過センサ111は媒体が通過していることを検出する。
【0074】
図10(B)は、判定期間において綴じ媒体を側面視した模式図である。上述したように、綴じ媒体は給送ローラ114及び分離ローラ115の位置において浮き上がりを生じる。したがって、綴じ媒体が搬送されている場合には、判定期間において浮き上がりセンサ113は浮き上がりを検出し、かつ浮き上がりが検出された時点で通過センサ111は媒体が通過していることを検出する。
【0075】
図11(A)は、判定期間において小型の後端カール媒体を側面視した模式図である。小型の媒体が搬送されている場合には、判定期間において媒体の後端が通過センサ111及びピックローラ112を通過し終えて浮き上がりセンサ113の位置に到達する。また、後端カール媒体の後端部は、ピックローラ112を通過した後に上昇して浮き上がりセンサ113を押し上げる。したがって、小型の後端カール媒体が搬送されている場合には、判定期間において浮き上がりセンサ113は浮き上がりを検出し、かつ浮き上がりが検出された時点で通過センサ111は媒体が通過していることを検出しない。
【0076】
図11(B)は、判定期間において通常の大きさの後端カール媒体を側面視した模式図である。通常の大きさの後端カール媒体が搬送されている場合には、判定期間において媒体の後端が浮き上がりセンサ113の位置に到達しないため、浮き上がりセンサ113は浮き上がりを検出しない。
【0077】
すなわち、通常の大きさの媒体の後端部が浮き上がりセンサ113の位置に到達する前に判定期間が終了するように判定期間の長さを設定することにより、浮き上がりセンサ113の検出結果に基づいて綴じ媒体と通常の大きさの後端カール媒体とを判別可能である。しかしながら、浮き上がりセンサ113の検出結果のみでは、綴じ媒体と小型のカール媒体とを判別することはできない。通過センサ111の検出結果をさらに用いることにより、綴じ媒体と小型の後端カール媒体との判別が可能となる。
【0078】
図8に戻り、S204において媒体が綴じ媒体であると判定された後、制御部151は、撮像装置119によって媒体の撮像が開始されているか否かを判定する(S206)。撮像開始位置は第2媒体センサ116よりも下流側の位置であるため、媒体が第2媒体センサ116に到達した直後は、撮像装置119による撮像は開始されていないと判定される。しかし、後述するように、判定部152は媒体の撮像が開始される前から開始された後にわたって継続的に媒体が綴じ媒体であるか否かを判定する。したがって、媒体に浮き上がりが生じるタイミングによっては、撮像装置119による撮像が開始されていると判定される場合がある。
【0079】
媒体の撮像が開始されている場合(S206-Yes)、制御部151は、媒体搬送装置100の内部から媒体を取り除くように利用者に指示する画面を表示装置106に表示する(S207)。以上で、判定処理は終了する。すなわち、媒体が綴じ媒体であると判定され、かつ媒体の撮像が開始されている場合には、媒体の搬送が停止した状態で判定撮像処理が終了する。
【0080】
媒体の撮像が開始されていない場合(S206-No)、制御部151は、利用者による、媒体の搬送を継続するか否かの選択を受け付ける画面を表示装置106に表示する(S208)。
【0081】
次に、制御部151は、利用者の操作装置105に対する操作が媒体の搬送の継続を指示するものであるか否かを判定する(S209)。操作が媒体の搬送の継続を指示するものでない場合(S209-No)、制御部151は、媒体搬送装置100の内部から媒体を取り除くように利用者に指示する画面を表示装置106に表示する(S207)。以上で、判定処理は終了する。
【0082】
操作が媒体の搬送の継続を指示するものである場合(S209-Yes)、制御部151は、モータ131を駆動して、媒体を搬送させる(S210)。
【0083】
S210の次に、またはS202において媒体の浮き上がりが検出されなかった場合(S202-No)、制御部151は、媒体が初めて撮像開始位置に到達したか否かを判定する(S211)。制御部151は、媒体の撮像が開始されておらず、かつ媒体が撮像開始位置に到達した場合に、媒体が初めて撮像開始位置に到達したと判定する。媒体の撮像がすでに開始されている場合、または媒体が撮像開始位置に到達していない場合(S211-No)、判定処理はS202に進む。
【0084】
媒体が初めて撮像開始位置に到達した場合(S211-Yes)、制御部151は、撮像装置119を制御して媒体の撮像を開始する(S212)。以後、制御部151は、媒体の搬送に伴って媒体の下流側から順に媒体を撮像する。
【0085】
次に、判定部152は、判定期間が終了したか否かを判定する(S213)。例えば、判定部152は、第2媒体センサ116によって媒体が検出されてからモータ131に供給された制御パルスの数に基づいて、判定期間が終了したか否かを判定する。
【0086】
判定期間が終了していない場合(S213-No)、判定処理はS202に進む。この場合、以後の判定期間において、媒体の撮像と並行して媒体の浮き上がり及び媒体が通過していることが検出されたかが判定される。
【0087】
判定期間が終了した場合(S213-Yes)、判定部152は、媒体が小型後端カール媒体又は綴じ媒体ではないと判定し、媒体の撮像を継続する(S214)。媒体の撮像を終了して入力画像を取得した判定部152は、取得した入力画像を、インタフェース装置132を介して、情報処理装置に送信する。以上で、判定処理は終了する。
【0088】
以上説明したように、媒体搬送装置100は、判定期間に、分離ローラ115よりも下流側に配置された浮き上がりセンサ113によって媒体の浮き上がりが検出され、かつ分離ローラ115よりも上流側に配置された通過センサ111によって媒体の通過が検出された場合に、媒体が綴じ媒体であると判定する。これにより、綴じ媒体と小型の後端カール媒体とが区別されるため、媒体搬送装置100は、異常制御を実行すべき媒体をより高精度に検出することを可能とする。
【0089】
また、媒体搬送装置100は、媒体が綴じ媒体であると判定された時点で媒体の撮像が開始されていなければ、利用者による、媒体の搬送を継続するか否かの選択を受け付け、媒体の撮像が開始されていれば、媒体の搬送を停止する。すなわち、媒体が綴じ媒体であると判定された時点で利用者の選択が受け付けられることにより、綴じ媒体でない媒体を綴じ媒体であると誤判定した場合に、利用者が媒体を載置台103に載置し直す手間を省くことができる。もっとも、搬送が一次的に休止した時点で媒体の撮像が開始されていた場合には、正常な入力画像が取得されなくなるため、誤判定であるか否かにかかわらず利用者は媒体を載置台103に載置し直さなければならない。媒体搬送装置100は、上述の構成を有することにより、利用者が媒体を載置し直す手間と、媒体の搬送を継続するか否かを選択する手間とを省き、利用者にとっての利便性を向上させることを可能とする。
【0090】
上述した説明では、判定処理のS209において操作が媒体の搬送の継続を指示するものである場合に、判定処理はS210に進むものとしたが、このような例に限られない。
例えば、利用者の操作が媒体の搬送の継続を指示するものである場合に、判定処理はS205またはS214に進み、媒体を撮像して判定処理を終了してもよい。すなわち、利用者の操作が媒体の搬送の継続を指示するものである場合には、媒体搬送装置100は、以後、その媒体について綴じ媒体であるか否かを判定しなくてもよい。
【0091】
例えば、利用者の操作が媒体の搬送の継続を指示するものである場合に、判定処理はS205またはS214に進み、媒体を撮像して判定処理を終了してもよい。例えば、S204において綴じ媒体であると判定された場合には、判定部152は、媒体の撮像が開始されているか否かにかかわらず、媒体の搬送を継続するか否かの選択を受け付ける画面を表示装置106に表示してもよい。このようにしても、利用者が媒体を載置し直す手間が省かれ、利用者にとっての利便性を向上させることが可能となる。
【0092】
上述した説明では、通過センサ111はスリット式エンコーダ又は磁気エンコーダであるものとしたが、このような例に限られない。例えば、通過センサ111は、媒体の搬送方向A2に沿った移動に従って回動する従動ローラによって生じる起電力に基づいて媒体が通過していることを検出してもよい。この場合、通過センサ111は、従動ローラと、従動ローラの回転速度に応じた電圧を生じさせる変換回路とを有する。変換回路は、従動ローラの回動に伴って回転し、回転速度に応じた電圧を生じさせるモータ及びその周辺回路を備え、生じた電圧に応じて異なる値を有する信号を通過信号として出力する。例えば、通過センサ111は、通過信号が示す電圧が閾値以上である場合に、媒体が通過していることを検出する。
【0093】
図12は他の実施形態に係る媒体搬送装置200の内部の搬送経路を説明するための図である。媒体搬送装置200は、第2筐体102、通過センサ111及び浮き上がりセンサ113に代えて第2筐体202、通過センサ211及び浮き上がりセンサ213を有する点で媒体搬送装置100と相違する。
【0094】
第2筐体202は、媒体の搬送路の上方に配置された第2ガイド202aを有する。第2ガイド202aは、第1ガイド101aと略平行となるように形成される。また、第2ガイド202aの、分離ローラ115と第1搬送ローラ117aとの間に、上方に窪んだ凹部202bが形成される。
【0095】
通過センサ211は、分離ローラ115よりも上流側、かつピックローラ112よりも下流側に配置され、媒体が通過していることを検出する。通過センサ211の構成は、通過センサ111の構成と同様である。
【0096】
図13は、浮き上がりセンサ213の構成を説明するための模式図である。浮き上がりセンサ213は、媒体の搬送路の上方に、かつ分離ローラ115と第1搬送ローラ117aとの間に形成された凹部202bに配置される。浮き上がりセンサ213は、超音波発信器213a及び超音波受信器213bを有する。
【0097】
超音波発信器213aは、凹部202bの側面に配置され、媒体の搬送方向A2に沿って超音波を出力する。超音波受信器213bは、超音波発信器213aに対向して配置され、超音波発信器213aによって出力された超音波を受信する。超音波受信器213bは、受信した超音波の強度に応じた信号を浮き上がり信号として出力する。
【0098】
媒体の浮き上がりが生じていない場合には、超音波受信器213bは、超音波発信器213aによって出力された超音波を直接受信する。媒体の浮き上がりが生じた場合には、超音波受信器213bは、超音波発信器213aによって出力され、浮き上がった媒体を透過した超音波を受信する。媒体を透過する際に超音波が減衰するため、超音波受信器213bが受信した超音波の強度に基づいて、媒体の浮き上がりが検出可能となる。
【0099】
超音波発信器213a及び超音波受信器213bは浮き上がった媒体と接触することはないため、摩耗等の機械的な劣化が生じにくく、保守の工数やコストが抑えられる。したがって、媒体搬送装置200は、浮き上がりセンサ213を有することにより、保守性を向上させることを可能とする。
【0100】
また、第2ガイド202aに凹部202bが形成されることにより、媒体の浮き上がりが第2ガイド202aによって妨げられることがなくなる。したがって、媒体搬送装置200は、媒体の浮き上がりをより高精度に検出することを可能とする。
【0101】
図14は、他の実施形態に係る媒体搬送装置300の内部の搬送経路を説明するための図である。媒体搬送装置300は、第2筐体102、通過センサ111及び浮き上がりセンサ113に代えて第2筐体302、通過センサ311及び浮き上がりセンサ313を有する点で媒体搬送装置100と相違する。
【0102】
第2筐体302は、媒体の搬送路の上方に配置された第2ガイド302aを有する。第2ガイド302aは、第1ガイド101aと略平行となるように形成される。また、第2ガイド302aの、分離ローラ115の上流側に、上方に窪んだ凹部302bが形成される。
【0103】
通過センサ311は、分離ローラ115よりも上流側、かつピックローラ112よりも下流側に、分離ローラ115とともに凹部302bを挟むように配置され、媒体が通過していることを検出する。通過センサ311の構成は、通過センサ111の構成と同様である。
【0104】
図15は、浮き上がりセンサ313の構成を説明するための模式図である。浮き上がりセンサ313は、媒体の搬送路の上方に、かつ通過センサ311と分離ローラ115との間に形成された凹部302bに配置される。浮き上がりセンサ313は、LEDである発光器313a及びフォトダイオードである受光器313bを有する。
【0105】
発光器313aは、凹部302bの底面に配置され、下方に光を照射する。受光器313bは、凹部302bの底面に配置され、発光器313aから照射されて媒体で反射された光を受光する。受光器313bは、発光器313aが光を照射してから受光器313bが光を受光するまでの時間に応じて異なる値を示す信号を浮き上がり信号として出力する。例えば、浮き上がりセンサ313は、浮き上がり信号が示す、発光器313aが光を照射してから受光器313bが光を受光するまでの時間が閾値以下である場合に、媒体の浮き上がりを検出する。
【0106】
媒体の浮き上がりが生じた場合は、媒体の浮き上がりが生じていない場合と比較して、発光器313a及び受光器313bと媒体との距離が短くなるため、発光器313aが光を照射してから受光器313bが光を受光するまでの時間が短くなる。したがって、発光器313aが光を照射してから受光器313bが光を受光するまでの時間に基づいて、媒体の浮き上がりが検出可能となる。
【0107】
発光器313a及び受光器313bは浮き上がった媒体と接触することはないため、摩耗等の機械的な劣化が生じにくく、保守の工数やコストが抑えられる。したがって、媒体搬送装置300は、浮き上がりセンサ313を有することにより、保守性を向上させることを可能とする。
【0108】
また、浮き上がりセンサ313は、分離ローラ115よりも上流側に配置される。これにより、媒体搬送装置300は、綴じ媒体が分離ローラ115に到達して媒体の分離が始まった後、早期に媒体の浮き上がりを検出することができる。したがって、媒体搬送装置300は、綴じ媒体を分離しようとする際に生じる媒体の破損を可及的に防止することを可能とする。
【0109】
上述した各種の実施形態は、適宜に組み合わされて実施されてもよい。例えば、浮き上がりセンサ213が凹部302bに配置されてもよい。
【0110】
図16は、他の実施形態に係る媒体搬送装置における処理回路450の概略構成を示す図である。処理回路450は、媒体搬送装置100の処理回路150の代わりに用いられ、媒体読取処理を実行する。処理回路450は、制御回路451及び判定回路452等を有する。なお、これらの各部は、それぞれ独立した集積回路、マイクロプロセッサ、ファームウェア等で構成されてもよい。
【0111】
制御回路451は、制御部の一例であり、制御部151と同様の機能を有する。制御回路451は、操作装置105から操作信号を、第1媒体センサ110から第1媒体信号を、判定回路452から判定処理における判定結果を受信し、受信した各信号及び判定結果に基づいてモータ131を制御する。また、制御回路451は、撮像装置119から入力画像を受信し、インタフェース装置132を介して情報処理装置へ送信する。
【0112】
判定回路452は、判定部の一例であり、判定部152と同様の機能を有する。判定回路452は、通過センサ111、浮き上がりセンサ113及び第2媒体センサ116からそれぞれ通過信号、浮き上がり検出信号及び第2媒体信号を受信する。判定回路452は、受信した各信号に基づいて、媒体が綴じ媒体であるか否か等を判定し、判定結果を制御回路451に出力する。
【0113】
以上説明したように、媒体搬送装置は、処理回路450を用いる場合においても、綴じ媒体を適切に検出することを可能とする。
【0114】
当業者は、本発明の精神及び範囲から外れることなく、様々な変更、置換及び修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。例えば、上述した実施形態及び変形例は、本発明の範囲において、適宜に組み合わせて実施されてもよい。
【符号の説明】
【0115】
100 媒体搬送装置
112 ピックローラ
113 浮き上がりセンサ
114 給送ローラ
115 分離ローラ
116 第2媒体センサ
151 制御部
152 判定部