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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135830
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】情報処理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/13 20190101AFI20240927BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240927BHJP
   G06F 8/60 20180101ALI20240927BHJP
【FI】
G06F16/13
H04N1/00 127A
H04N1/00 C
G06F8/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023046710
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安部 雅規
【テーマコード(参考)】
5B376
5C062
【Fターム(参考)】
5B376AA31
5B376GA01
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA29
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB42
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC34
5C062AE07
5C062AF00
5C062AF15
(57)【要約】
【課題】設定ファイルの作成及び検証を対象装置の各々について個別に行う場合に比較して、当該設定ファイルの作成及び検証の手間を削減することができる情報処理システム及びプログラムを得る。
【解決手段】情報処理システム1は、第1対象装置(何れかの画像形成装置50)の第1設定ファイルにおける設定項目に、第2対象装置(他の画像形成装置50)の第2設定ファイルにおける、対応する設定項目と同一の設定情報が設定されている場合、当該設定情報を参照する参照情報を、第2設定ファイルにおける当該設定項目の設定情報として当該第2設定ファイルを登録する登録部31Aを備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数のプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
第1対象装置の第1設定ファイルにおける設定項目に、第2対象装置の第2設定ファイルにおける、対応する設定項目と同一の設定情報が設定されている場合、当該設定情報を参照する参照情報を、前記第2設定ファイルにおける当該設定項目の設定情報として当該第2設定ファイルを登録する、
情報処理システム。
【請求項2】
前記第1設定ファイル及び前記第2設定ファイルは、クラウドサーバによって記憶されるファイルである、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記第2対象装置が任意の位置に設置された場合、当該第2対象装置に対して前記第2設定ファイルを前記クラウドサーバからダウンロードすることで、当該第2対象装置の設定ファイルの設定を行う、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記第2対象装置の設定ファイルにおける前記参照情報に対応する前記設定情報を、前記第1設定ファイル又は前記第1対象装置の設定ファイルから読み出し、当該設定情報に当該参照情報を置き換えることで設定する、
請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記参照情報の置き換えを行った後も、当該参照情報を保持する、
請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記第2対象装置が前記設定ファイルの設定情報を適用する場合で、かつ、当該設定情報が前記参照情報を伴う場合、当該参照情報が参照する前記設定情報を適用する、
請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記参照情報が参照する前記設定情報を適用することができない場合、当該設定情報を用いる処理の中止、及び、ユーザに対する通知の少なくとも一方を行う、
請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記参照情報に対応する前記設定情報のデフォルトの情報であるデフォルト情報を当該参照情報に関連付けて登録し、
前記置き換えができない場合に、対応する前記参照情報に関連付けられたデフォルト情報に当該参照情報を置き換える、
請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記デフォルト情報を前記第2設定ファイルに登録する、
請求項8に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記プロセッサは、
前記参照情報による参照先の設定情報が他の前記参照情報であることを禁止する、
請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記プロセッサは、
前記置き換えを行う場合で、かつ、前記参照情報による参照先の設定情報が他の前記参照情報となっている場合、当該参照情報が不正である旨を通知する、
請求項10に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記プロセッサは、
前記参照情報に対応する前記設定情報が読み出せない場合、予め定められたタイミングで当該設定情報の読み出しを試みる旨の指示を示す指示情報を、当該参照情報に関連付けて登録し、
前記予め定められたタイミングで、前記設定情報の読み出しを試みる、
請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記設定情報が読み出せない場合は、前記第1対象装置が稼働していない場合である、
請求項12に記載の情報処理システム。
【請求項14】
コンピュータが、請求項1から請求項13の何れか1項に記載の情報処理システムの処理を実行するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、デバイスの設定を管理するシステムにおいて、デバイスの入れ替えが発生した場合にも設定値を引き継ぐことができるようにすることを目的とした情報処理装置が開示されている。
【0003】
この情報処理装置は、デバイスの識別情報と、前記デバイスの構成を示す構成情報と、前記デバイスの設定を示す設定情報とを含むデバイス情報を格納する格納手段と、前記デバイス情報に含まれていない識別情報を持つ新デバイスが通信で接続されている場合に、前記新デバイスの構成情報と前記デバイス情報に含まれた構成情報とを比較し、構成情報が一致するデバイスに設定された設定情報を前記デバイス情報から取得する処理を行う取得手段と、取得した前記設定情報を、前記新デバイスの設定情報として記憶する手段と、を有することを特徴とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-60934号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、複合機やパーソナルコンピュータ等の各種対象装置の初期設置に先立ち、事前に設置先の環境を再現した仮想環境上で予め設定及び検証を行い、その設定ファイルをクラウドサーバにアップロードしておく方法が実施されつつある。この方法では、実際の設置時には、ネットワーク設定を完了させた後、上記クラウドサーバに接続して設定ファイルをダウンロードすることで、検証された設定を一括で設定する。
【0006】
しかしながら、この方法では、設定ファイルの作成及び検証を対象装置の各々について個別に行う必要があり、対象装置が多くなるほど、設定ファイルの作成及び検証にかかる手間が多くなる、という問題点があった。
【0007】
本開示の目的は、設定ファイルの作成及び検証を対象装置の各々について個別に行う場合に比較して、当該設定ファイルの作成及び検証の手間を削減することができる情報処理システム及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、第1態様に係る情報処理システムは、1又は複数のプロセッサを備え、前記プロセッサは、第1対象装置の第1設定ファイルにおける設定項目に、第2対象装置の第2設定ファイルにおける、対応する設定項目と同一の設定情報が設定されている場合、当該設定情報を参照する参照情報を、前記第2設定ファイルにおける当該設定項目の設定情報として当該第2設定ファイルを登録する。
【0009】
また、第2態様に係る情報処理システムは、第1態様に係る情報処理システムにおいて、前記第1設定ファイル及び前記第2設定ファイルが、クラウドサーバによって記憶されるファイルであるものである。
【0010】
また、第3態様に係る情報処理システムは、第2態様に係る情報処理システムにおいて、前記プロセッサが、前記第2対象装置が任意の位置に設置された場合、当該第2対象装置に対して前記第2設定ファイルを前記クラウドサーバからダウンロードすることで、当該第2対象装置の設定ファイルの設定を行うものである。
【0011】
また、第4態様に係る情報処理システムは、第3態様に係る情報処理システムにおいて、前記プロセッサが、前記第2対象装置の設定ファイルにおける前記参照情報に対応する前記設定情報を、前記第1設定ファイル又は前記第1対象装置の設定ファイルから読み出し、当該設定情報に当該参照情報を置き換えることで設定するものである。
【0012】
また、第5態様に係る情報処理システムは、第4態様に係る情報処理システムにおいて、前記プロセッサが、前記参照情報の置き換えを行った後も、当該参照情報を保持するものである。
【0013】
また、第6態様に係る情報処理システムは、第4態様に係る情報処理システムにおいて、前記プロセッサが、前記第2対象装置が前記設定ファイルの設定情報を適用する場合で、かつ、当該設定情報が前記参照情報を伴う場合、当該参照情報が参照する前記設定情報を適用するものである。
【0014】
また、第7態様に係る情報処理システムは、第6態様に係る情報処理システムにおいて、前記プロセッサが、前記参照情報が参照する前記設定情報を適用することができない場合、当該設定情報を用いる処理の中止、及び、ユーザに対する通知の少なくとも一方を行うものである。
【0015】
また、第8態様に係る情報処理システムは、第4態様に係る情報処理システムにおいて、前記プロセッサが、前記参照情報に対応する前記設定情報のデフォルトの情報であるデフォルト情報を当該参照情報に関連付けて登録し、前記置き換えができない場合に、対応する前記参照情報に関連付けられたデフォルト情報に当該参照情報を置き換えるものである。
【0016】
また、第9態様に係る情報処理システムは、第8態様に係る情報処理システムにおいて、前記プロセッサが、前記デフォルト情報を前記第2設定ファイルに登録するものである。
【0017】
また、第10態様に係る情報処理システムは、第4態様に係る情報処理システムにおいて、前記プロセッサが、前記参照情報による参照先の設定情報が他の前記参照情報であることを禁止するものである。
【0018】
また、第11態様に係る情報処理システムは、第10態様に係る情報処理システムにおいて、前記プロセッサが、前記置き換えを行う場合で、かつ、前記参照情報による参照先の設定情報が他の前記参照情報となっている場合、当該参照情報が不正である旨を通知するものである。
【0019】
また、第12態様に係る情報処理システムは、第4態様に係る情報処理システムにおいて、前記プロセッサが、前記参照情報に対応する前記設定情報が読み出せない場合、予め定められたタイミングで当該設定情報の読み出しを試みる旨の指示を示す指示情報を、当該参照情報に関連付けて登録し、前記予め定められたタイミングで、前記設定情報の読み出しを試みるものである。
【0020】
また、第13態様に係る情報処理システムは、第12態様に係る情報処理システムにおいて、前記設定情報が読み出せない場合が、前記第1対象装置が稼働していない場合であるものである。
【0021】
また、上記目的を達成するために、第14態様に係るプログラムは、コンピュータが、請求項1から請求項13の何れか1項に記載の情報処理システムの処理を実行するものである。
【発明の効果】
【0022】
第1態様及び第14態様によれば、第2対象装置の第2設定ファイルにおいて参照情報を設定した設定項目については、第1対象装置について当該設定項目の検証が終了していれば、作成及び検証を行う必要がない。このため、設定ファイルの作成及び検証を対象装置の各々について個別に行う場合に比較して、当該設定ファイルの作成及び検証の手間を削減することができる。
【0023】
第2態様によれば、対象装置を任意の場所に設置して設定ファイルの設定を行う場合に、本開示の技術を適用することができる。
【0024】
第3態様によれば、対象装置を任意の場所に設置した後に行う設定ファイルの設定を、自動的に行うことができる。
【0025】
第4態様によれば、動的に参照情報が示す参照先の設定情報を適用する場合に比較して、より短時間に当該設定情報に関する処理を実行することができる。
【0026】
第5態様によれば、設定ファイルの動的な変化にも対応することができる。
【0027】
第6態様によれば、第2対象装置の動作を動的に変更することができる。
【0028】
第7態様によれば、設定情報が適用不可である場合に対処することができる。
【0029】
第8態様によれば、参照情報による置き換えができない場合に対処することができる。
【0030】
第9態様によれば、デフォルト情報を登録するためのファイルを不要とすることができる。
【0031】
第10態様によれば、参照情報による誤った設定を未然に回避することができる。
【0032】
第11態様によれば、不正である旨の通知を行わない場合に比較して、より確実に、参照情報による誤った設定を未然に回避することができる。
【0033】
第12態様によれば、設定情報の読み出しを試みる旨の指示を示す指示情報を登録しない場合に比較して、より確実に参照情報による設定情報の設定を行うことができる。
【0034】
第13態様によれば、第1対象装置が稼働していないことによる設定情報の未設定を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本開示の実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
図2】本開示の第1、第2実施形態に係る第1サーバの電気系の構成の一例を示すブロック図である。
図3】本開示の実施形態に係る第2サーバの電気系の構成の一例を示すブロック図である。
図4】本開示の実施形態に係る画像形成装置の電気系の構成の一例を示すブロック図である。
図5】本開示の第1実施形態に係る情報処理システムの機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図6】本開示の実施形態に係る設定ファイルデータベースの構成の一例を示す模式図である。
図7】本開示の第1実施形態に係る設定ファイル作成処理の一例を示すフローチャートである。
図8】本開示の第1、第2実施形態に係る設定情報入力画面の一例を示す正面図である。
図9】本開示の第1、第2実施形態に係る2件目以降の設定情報を入力した場合の設定情報入力画面の一例を示す正面図である。
図10】本開示の第1実施形態に係る設定ファイル反映処理の一例を示すフローチャートである。
図11】本開示の第1実施形態に係る情報処理システムにおける設定ファイルの登録状況及び設定状況の説明に供する模式図である。
図12】本開示の第1実施形態に係る情報処理システムにおける設定ファイルの設定状況の説明に供する模式図である。
図13】本開示の第2実施形態に係る情報処理システムの機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図14】本開示の第2実施形態に係る設定ファイル作成処理の一例を示すフローチャートである。
図15】本開示の第2実施形態に係る情報処理システムにおける設定ファイルの登録状況の説明に供する模式図である。
図16】本開示の第2実施形態に係る設定ファイル反映処理の一例を示すフローチャートである。
図17】本開示の第2実施形態に係る情報処理システムにおける設定ファイルの設定状況の説明に供する模式図である。
図18】本開示の第3、第4実施形態に係る第1サーバの電気系の構成の一例を示すブロック図である。
図19】本開示の第3、第4実施形態に係る情報処理システムの機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図20】本開示の第3、第4実施形態に係る設定ファイルデータベースの構成の一例を示す模式図である。
図21】本開示の第3、第4実施形態に係る設定ファイル作成処理の一例を示すフローチャートである。
図22】本開示の第3、第4実施形態に係る設定情報入力画面の一例を示す正面図である。
図23】本開示の第3実施形態に係る設定ファイル反映処理の一例を示すフローチャートである。
図24】本開示の第3実施形態に係る情報処理システムにおける設定ファイルの設定状況の説明に供する模式図である。
図25】本開示の第4実施形態に係る設定ファイル反映処理の一例を示すフローチャートである。
図26】本開示の第4実施形態に係る情報処理システムにおける設定ファイルの設定状況の説明に供する模式図である。
図27】本開示の実施形態に係る設定ファイルの具体的な一例を示す図である。
図28】本開示の他の実施形態に係る設定ファイル作成処理及び設定ファイル反映処理の説明に供する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、図面を参照して、本開示の実施の形態について詳細に説明する。
【0037】
なお、本実施形態では、本開示の技術の第1対象装置及び第2対象装置として画像形成装置を適用した場合について説明する。但し、この形態に限定されるものではなく、例えば、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置や、各種家庭用電化製品等、実際に使用する場所に設置した場合等に設定情報の設定を要する装置であれば如何なる装置も、本開示の技術の第1対象装置及び第2対象装置になり得る。
【0038】
また、本実施形態では、本開示の技術を、画像形成装置の初期設置に先立ち、事前に設置先の環境を再現した仮想環境(以下、「検証環境」という。)上で予め設定及び検証を行い、その設定ファイルをクラウドサーバにアップロードしておく技術に適用した場合について説明する。この技術では、画像形成装置の実際の設置時には、当該画像形成装置のネットワーク設定を完了させた後、上記クラウドサーバに接続して上述した設定ファイルをダウンロードすることで、検証された設定を一括で設定する。
【0039】
[第1実施形態]
まず、図1を参照して、本実施形態に係る情報処理システム1の構成を説明する。図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の構成の一例を示すブロック図である。
【0040】
図1に示すように、本実施形態に係る情報処理システム1は、クラウドサーバとして各々構成された第1サーバ10及び第2サーバ30と、複数の画像形成装置50a、50b、・・・と、を含む。なお、以下では、画像形成装置50a、50b、・・・を区別することなく説明する場合は単に「画像形成装置50」と総称する。
【0041】
本実施形態に係る第1サーバ10は、上述した設定ファイルがアップロードされるクラウドサーバに相当するものであり、第2サーバ30は、上述した検証環境が構築されるものである。
【0042】
第1サーバ10及び第2サーバ30の例としては、パーソナルコンピュータ及びサーバコンピュータ等の情報処理装置が挙げられる。また、本実施形態では、画像形成装置50として、画像印刷機能、画像読取機能、及び画像送信機能等を有するデジタル複合機を適用している。但し、この形態に限るものではなく、画像印刷機能のみを有する画像形成装置や、画像印刷機能及び画像読取機能のみを有する画像形成装置等の他の画像形成装置を画像形成装置50として適用する形態としてもよい。
【0043】
第1サーバ10と、第2サーバ30と、画像形成装置50と、は、ネットワークNを介して接続されており、第1サーバ10、第2サーバ30、及び画像形成装置50は、ネットワークNを介して相互に通信可能とされている。
【0044】
なお、本実施形態では、ネットワークNとして、インターネット、電話回線網等の公共の通信回線と、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の企業内の通信回線とを組み合わせたものを適用しているが、この形態に限定されるものではない。例えば、ネットワークNとして、上記公共の通信回線、及び企業内の通信回線の何れか一方のみを適用する形態としてもよい。また、本実施形態では、ネットワークNとして有線及び無線の通信回線を適用しているが、この形態に限定されるものではなく、無線の通信回線及び有線の通信回線の何れか一方のみを適用する形態としてもよい。
【0045】
次に、図2を参照して、本実施形態に係る第1サーバ10の構成を説明する。図2は、本実施形態に係る第1サーバ10の電気系の構成の一例を示すブロック図である。
【0046】
図2に示すように、本実施形態に係る第1サーバ10は、プロセッサとしてのCPU(Central Processing Unit)11、一時記憶領域としてのメモリ12、不揮発性の記憶部13、キーボード及びマウス等の入力部14、液晶ディスプレイ等の表示部15、媒体読み書き装置(R/W)16、及び通信インタフェース(I/F)部18を備えている。CPU11、メモリ12、記憶部13、入力部14、表示部15、媒体読み書き装置16、及び通信I/F部18はバスB1を介して互いに接続されている。媒体読み書き装置16は、記録媒体17に書き込まれている情報の読み出し及び記録媒体17への情報の書き込みを行う。
【0047】
本実施形態に係る記憶部13はHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部13には、設定ファイルデータベース13Aが記憶されている。なお、設定ファイルデータベース13Aについては、詳細を後述する。
【0048】
次に、図3を参照して、本実施形態に係る第2サーバ30の構成を説明する。図3は、本実施形態に係る第2サーバ30の電気系の構成の一例を示すブロック図である。
【0049】
図3に示すように、本実施形態に係る第2サーバ30は、プロセッサとしてのCPU31、一時記憶領域としてのメモリ32、不揮発性の記憶部33、キーボード及びマウス等の入力部34、液晶ディスプレイ等の表示部35、媒体読み書き装置(R/W)36、及び通信I/F部38を備えている。CPU31、メモリ32、記憶部33、入力部34、表示部35、媒体読み書き装置36、及び通信I/F部38はバスB2を介して互いに接続されている。媒体読み書き装置36は、記録媒体37に書き込まれている情報の読み出し及び記録媒体37への情報の書き込みを行う。
【0050】
本実施形態に係る記憶部33はHDD、SSD、フラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部33には、設定ファイル作成処理プログラム33Aが記憶されている。設定ファイル作成処理プログラム33Aは、当該プログラムが書き込まれた記録媒体37が媒体読み書き装置36に接続され、媒体読み書き装置36が記録媒体37からの上記プログラムの読み出しを行うことで、記憶部33へ記憶(インストール)される。CPU31は、設定ファイル作成処理プログラム33Aを記憶部33から適宜読み出してメモリ32に展開し、当該プログラムが有するプロセスを順次実行する。
【0051】
次に、図4を参照して、本実施形態に係る画像形成装置50の構成を説明する。図4は、本実施形態に係る画像形成装置50の電気系の構成の一例を示すブロック図である。
【0052】
図4に示すように、本実施形態に係る画像形成装置50は、プロセッサとしてのCPU51、一時記憶領域としてのメモリ52、不揮発性の記憶部53、各種スイッチ等の入力部54、液晶ディスプレイ等の表示部55、媒体読み書き装置(R/W)56、及び通信I/F部58を備えている。CPU51、メモリ52、記憶部53、入力部54、表示部55、媒体読み書き装置56、及び通信I/F部58はバスB3を介して互いに接続されている。媒体読み書き装置56は、記録媒体57に書き込まれている情報の読み出し及び記録媒体57への情報の書き込みを行う。
【0053】
本実施形態に係る記憶部53はHDD、SSD、フラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部53には、設定ファイル反映処理プログラム53Aが記憶されている。設定ファイル反映処理プログラム53Aは、当該プログラムが書き込まれた記録媒体57が媒体読み書き装置56に接続され、媒体読み書き装置56が記録媒体57からの上記プログラムの読み出しを行うことで、記憶部53へ記憶(インストール)される。CPU51は、設定ファイル反映処理プログラム53Aを記憶部53から適宜読み出してメモリ52に展開し、当該プログラムが有するプロセスを順次実行する。
【0054】
次に、図5を参照して、本実施形態に係る情報処理システム1の機能的な構成について説明する。図5は、本実施形態に係る情報処理システム1の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【0055】
図5に示すように、本実施形態に係る第2サーバ30は登録部31Aを含み、画像形成装置50は設定部51Aを含む。第2サーバ30のCPU31が設定ファイル作成処理プログラム33Aを実行することで、登録部31Aとして機能する。また、画像形成装置50のCPU51が設定ファイル反映処理プログラム53Aを実行することで、設定部51Aとして機能する。
【0056】
本実施形態に係る登録部31Aは、第1対象装置(本実施形態では、何れかの画像形成装置50)の第1設定ファイルにおける設定項目に、第2対象装置(本実施形態では、他の画像形成装置50)の第2設定ファイルにおける、対応する設定項目と同一の設定情報が設定されている場合、当該設定情報を参照する参照情報を、第2設定ファイルにおける当該設定項目の設定情報として当該第2設定ファイルを登録する。
【0057】
本実施形態に係る情報処理システム1では、第1設定ファイル及び第2設定ファイルが、クラウドサーバである第1サーバ10によって記憶(登録)される。
【0058】
そして、本実施形態に係る設定部51Aは、第2対象装置が任意の位置に設置された場合、当該第2対象装置に対して第2設定ファイルを上記クラウドサーバからダウンロードすることで、当該第2対象装置の設定ファイルの設定を行う。
【0059】
ここで、本実施形態に係る設定部51Aは、第2対象装置の設定ファイルにおける参照情報に対応する設定情報を、第1対象装置の設定ファイルから読み出し、当該設定情報に当該参照情報を置き換えることで設定する。このように、本実施形態では、参照情報に対応する設定情報を、第1対象装置の設定ファイルから読み出すことで取得しているが、これに限るものではない。例えば、上記クラウドサーバに登録された第1設定ファイルから読み出すことで、参照情報に対応する設定情報を取得する形態としてもよい。
【0060】
次に、図6を参照して、本実施形態に係る設定ファイルデータベース13Aについて説明する。図6は、本実施形態に係る設定ファイルデータベース13Aの構成の一例を示す模式図である。
【0061】
本実施形態に係る設定ファイルデータベース13Aは、上述した設定ファイルが登録されるデータベースであり、一例として図6に示すように、装置特定情報、及び設定ファイルの各情報が関連付けられて記憶される。
【0062】
上記装置特定情報は、情報処理システム1が対象としている画像形成装置50の各々を個別に識別するために、当該各々別に異なるものとして予め定められた情報である。なお、本実施形態では、装置特定情報として、対応する画像形成装置50のシリアル番号を適用しているが、これに限るものではない。例えば、対応する画像形成装置50のIP(Internet Protocol)アドレスを、上記装置特定情報として適用する形態としてもよい。以下では、便宜上、画像形成装置50の各々の装置特定情報として、一例として図6に示すように、「a」、「b」、「c]、・・・と、対応する画像形成装置50a、50b、・・・の参照符号の末尾のアルファベットのみを表記する。
【0063】
また、上記設定ファイルは、対応する画像形成装置50に対して設定する設定ファイルを示す情報であり、設定項目毎の設定情報を含んで構成されている。
【0064】
図6に示すように、本実施形態では、設定ファイルにおける設定情報の上述した参照情報として、「Ref-(参照先の装置特定情報)」を適用している。例えば、参照情報による参照先が画像形成装置50aである場合の当該参照情報は、「Ref-a」となる。
【0065】
図6に示す例では、装置特定情報が「a」である画像形成装置50aに対する設定ファイルの設定情報として、例えば、設定項目Aについては「12345」との設定情報が登録されている。また、例えば、装置特定情報が「b」である画像形成装置50bに対する設定ファイルの設定情報として、例えば、設定項目Bについては「Ref-a」との参照情報が登録されている。従って、この場合、例えば、画像形成装置50bに設定する設定ファイルにおける設定項目Bについては、画像形成装置50aの設定ファイルにおける設定項目Bの情報(図6に示す例では、「3456」との情報)が設定される。
【0066】
次に、図7図12を参照して、本実施形態に係る情報処理システム1の作用を説明する。なお、錯綜を回避するために、ここでは、第2サーバ30に対して、画像形成装置50の設置先の環境を再現した検証環境がソフトウェアにより既に構築されている場合について説明する。
【0067】
まず、図7図9を参照して、設定ファイル作成処理を実行する場合の第2サーバ30の作用を説明する。図7は、本実施形態に係る設定ファイル作成処理の一例を示すフローチャートである。
【0068】
本実施形態に係る情報処理システム1では、設定ファイルの作成者により、第2サーバ30の入力部34を介して実行指示が入力された場合に、第2サーバ30のCPU31が設定ファイル作成処理プログラム33Aを実行することで、一例として図7に示す設定ファイル作成処理が実行される。なお、上記作成者には、画像形成装置50のメーカの担当者や、画像形成装置50を販売するディーラの担当者、画像形成装置50を実際に設置する設置者等が含まれる。
【0069】
図7のステップ100で、CPU31は、予め定められた構成とされた設定情報入力画面を表示するように表示部35を制御する。ステップ102で、CPU31は、予め定められた情報が入力されるまで待機する。図8には、本実施形態に係る設定情報入力画面の一例が示されている。
【0070】
図8に示すように、本実施形態に係る設定情報入力画面では、対象とする装置、及び当該装置に対応する設定情報の入力を促すメッセージが表示される。また、本実施形態に係る設定情報入力画面では、上記装置を示す情報を入力するための装置入力領域35A、及び上記設定情報を入力するための設定情報入力領域35Bが表示される。
【0071】
図8に示す設定情報入力画面が表示されると、作成者は、対象とする装置を示す情報(本実施形態では、上述した装置特定情報)を装置入力領域35Aに入力すると共に、当該装置に設定する設定情報を示す情報を設定情報入力領域35Bに入力する。そして、作成者は、引き続き他の装置について設定情報を入力したい場合は次設定ボタン35Xを、設定情報の入力を終了したい場合は終了ボタン35Zを、各々入力部34を介して指定する。作成者によって次設定ボタン35X又は終了ボタン35Zが指定されると、ステップ102が肯定判定となってステップ104に移行する。
【0072】
ステップ104で、CPU31は、予め定められた検証処理を実行する。本実施形態では、上記検証処理として、検証環境において、作成者によって入力された設定情報を対応する画像形成装置50の仮想装置(本実施形態では、シミュレータ)に適用し、問題なく動作するか否かを確認する処理を行っている。
【0073】
ステップ106で、CPU31は、上記検証処理において問題が生じなかったか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ110に移行する一方、否定判定となった場合はステップ108に移行する。
【0074】
ステップ108で、CPU31は、予め定められた再設定処理を実行し、その後にステップ100に戻る。本実施形態では、上記再設定処理として、作成者に対して、入力した設定情報に問題があった旨を示す情報を表示し、当該作成者に対して当該設定項目の再入力を促す処理を適用している。
【0075】
ステップ110で、CPU31は、以上の処理を経た問題がない設定情報を設定ファイルとして、入力された装置特定情報と共に設定ファイルデータベース13Aに記憶(登録)し、その後にステップ112に移行する。
【0076】
ステップ112で、CPU31は、設定情報入力画面において作成者により終了ボタン35Zが指定されたか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ100に戻る一方、肯定判定となった場合は本設定ファイル作成処理を終了する。図9には、本実施形態に係る2件目以降の設定情報を入力した場合の設定情報入力画面の一例が示されている。
【0077】
図9に示すように、この設定情報入力画面において、作成者は、それ以前に入力した設定情報における、検証処理を経て問題がないものとされた設定項目を参照する設定項目については、設定情報として上述した参照情報を入力する。図9に示す例では、例えば、設定項目B~Dについて、画像形成装置50aの同一の設定項目の設定情報を参照することを示す参照情報が入力された状態が示されている。
【0078】
従って、ステップ100~ステップ108の処理を繰り返し実行する場合に、ステップ104の検証処理において、CPU31は、設定情報に参照情報がある場合は、当該参照情報が示す参照先の設定情報が正しく参照することができるかも検証する。
【0079】
以上の設定ファイル作成処理により、一例として図6に示す設定ファイルデータベース13Aが構築されることになる。
【0080】
次に、図10を参照して、設定ファイル反映処理を実行する場合の画像形成装置50の作用を説明する。図10は、本実施形態に係る設定ファイル反映処理の一例を示すフローチャートである。
【0081】
本実施形態に係る情報処理システム1では、設置者により、画像形成装置50(以下、「対象装置」という。)が対象とする設置場所に設置されてネットワーク設定が終了し、かつ、当該対象装置における表示部55に表示された設定情報反映ボタン(図示省略。)が入力部54を介して指定された場合に、対象装置のCPU51が設定ファイル反映処理プログラム53Aを実行することで、一例として図10に示す設定ファイル反映処理が実行される。但し、設定ファイル反映処理の実行を開始させる形態は、この形態に限るものではなく、例えば、上記ネットワーク設定が終了したら、自動的に設定ファイル反映処理の実行を開始させる形態や、設置者以外の画像形成装置50の管理担当者等が設定ファイル反映処理の実行を開始させる指示を行う形態等としてもよいことは言うまでもない。
【0082】
図10のステップ200で、CPU51は、対象装置に対応する設定ファイルを第1サーバ10の設定ファイルデータベース13Aからダウンロードし、ステップ202で、CPU51は、ダウンロードした設定ファイルの設定情報を記憶部53の予め定められた記憶領域に記憶する。
【0083】
ステップ204で、CPU51は、記憶した設定ファイルの設定情報に参照情報が含まれているか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ212に移行する一方、肯定判定となった場合はステップ206に移行する。
【0084】
ステップ206で、CPU51は、ステップ204の処理において含まれていると判定された参照情報(以下、「対象参照情報」という。)のうちの1つについて、当該参照情報が示す参照先から、対応する設定項目の設定情報を取得する。
【0085】
この際、CPU51は、参照先の画像形成装置50に対して、参照対象とする設定情報の取得を要求する。この要求に応じて、参照先の画像形成装置50は、要求された設定情報を要求元の画像形成装置50に送信する。そこで、CPU51は、当該送信された設定情報を受信することで、当該設定情報を取得する。
【0086】
ここで、CPU51は、受信した設定情報が自機に対して設定可能か否かを判定し、設定可能ではないと判定した場合には、本設定ファイル反映処理を中止し、その旨を設置者に通知する形態としてもよい。なお、上記設定可能か否かの判定は、例えば、受信した設定情報が、スキャン機能、複写機能、ファクシミリ送信機能といった、対象装置に搭載されている機能に対応する設定情報であるか否かを判定すること等によって行う。
【0087】
なお、参照先の画像形成装置50が稼働していない場合や参照先の画像形成装置50に対する設定ファイルの設定が終了していない場合等の理由で、参照対象とする設定情報が取得できない場合もある。この場合に対処する形態については第3実施形態において説明する。
【0088】
ステップ208で、CPU51は、全ての対象参照情報について参照先の設定情報の取得が終了したか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ206に戻る一方、肯定判定となった場合はステップ210に移行する。
【0089】
ステップ210で、CPU51は、ステップ206~ステップ208の処理によって取得した全ての参照先の設定情報に、ステップ202の処理によって記憶した、対応する参照情報を置き換える。
【0090】
ステップ212で、CPU51は、以上の処理を経た設定情報を記憶部53から読み出して、対象装置に設定ファイルとして設定し、その後に本設定ファイル反映処理を終了する。
【0091】
以上の設定ファイル反映処理により、対象装置に対する設定ファイルの設定が完了する。このように、本実施形態に係る設定ファイル反映処理では、画像形成装置50に対して、当該画像形成装置50を使用する際に参照する設定情報をファイル形式として保存する場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、設定ファイル反映処理のステップ210までの処理を経て記憶部53に記憶されている設定情報そのものを、当該画像形成装置50を使用する際に参照する設定情報として適用する形態としてもよい。この形態においては、参照情報が示す参照先も設定ファイルではなく、対応する画像形成装置50において記憶部53に記憶された設定情報となる。本開示の技術における第1対象装置及び第2対象装置に設定される設定ファイルには、ここでいう「設定情報」そのものも広義として含むものとする。
【0092】
次に、図11及び図12を参照して、本実施形態に係る情報処理システム1における設定ファイルの登録状況及び設定状況について説明する。図11は、本実施形態に係る情報処理システム1における設定ファイルの登録状況及び設定状況の説明に供する模式図である。また、図12は、本実施形態に係る情報処理システム1における設定ファイルの設定状況の説明に供する模式図である。
【0093】
一例として図11に示すように、実際に複数の画像形成装置50を設置する環境(以下、「設置環境」という。)では、MPS(Managed Print Service)80を適用している場合がある。なお、MPSは、デジタル複合機等のOA(Office Automation)機器の機能の重複や必要台数の超過等、企業のコストの削減と生産性の向上を目的としてメーカが提唱しているサービスである。この場合、図11に示すように、検証環境においても、画像形成装置50の各々に対応する仮想装置60a、60b、・・・に加えて、仮想的なMPS90を設置する形態としてもよい。以下、仮想装置60a、60b、・・・を区別することなく説明する場合は単に「仮想装置60」と総称する。
【0094】
図11に示すように、本実施形態に係る設定ファイル作成処理では、上記作成者により、画像形成装置50の各々に対応する設定ファイル70a、70b、・・・が入力され、入力された設定ファイル70a、70b、・・・の検証が行われた後に、クラウドサーバとして構成された第1サーバ10に登録される。以下、設定ファイル70a、70b、・・・を区別することなく説明する場合は単に「設定ファイル70」と総称する。
【0095】
その後、実際に画像形成装置50が設置者によって設置環境に設置された場合、当該設置者による指示に応じて設定ファイル反映処理が実行され、画像形成装置50の各々に対して、対応する設定ファイルが設定される。
【0096】
この場合、本実施形態に係る設定ファイル反映処理では、一例として図12に示すように、参照情報が設定されている設定項目については、当該参照情報が示す参照先の設定情報が適用される。図12に示す例では、例えば、画像形成装置50bに対応する設定ファイル70bにおける設定項目B、設定項目C、及び設定項目Dについては、画像形成装置50aにおける、対応する設定項目の設定情報が適用される。同様に、図12に示す例では、例えば、画像形成装置50cに対応する設定ファイル70cにおける設定項目Bについては設定ファイル70aにおける設定項目Bの設定情報が適用され、設定項目Dについては設定ファイル70dにおける設定項目Dの設定情報が適用される。
【0097】
従って、本実施形態に係る情報処理システム1によれば、第2対象装置(図12に示す例では、画像形成装置50b及び画像形成装置50c)の第2設定ファイルにおいて参照情報を設定した設定項目については、第1対象装置(図12に示す例では、画像形成装置50a及び画像形成装置50d)について当該設定項目の検証が終了していれば、作成及び検証を行う必要がない。このため、設定ファイルの作成及び検証を対象装置の各々について個別に行う場合に比較して、当該設定ファイルの作成及び検証の手間を抑制することができる。
【0098】
[第2実施形態]
ところで、作成者により設定情報に設定された参照情報による参照先の設定情報が他の参照情報である場合、最終的に実際の設定情報に辿りつけない循環参照となってしまう可能性がある。この場合に対応するため、本実施形態では、この参照情報による参照情報の参照を禁止する場合の形態例について説明する。なお、本実施形態に係る情報処理システム1の全体的な構成や、情報処理システム1に含まれる各装置の電気系の構成は、上記第1実施形態に係る情報処理システム1と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0099】
まず、図13を参照して、本実施形態に係る情報処理システム1の機能的な構成について説明する。図13は、本実施形態に係る情報処理システム1の機能的な構成の一例を示すブロック図である。なお、図13における図5と同一の構成要素については図5と同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
【0100】
図13に示すように、本実施形態に係る情報処理システム1では、第2サーバ30が登録部31Aに加えて第1禁止部31Bを含み、画像形成装置50が設定部51Aに加えて第2禁止部51Bを含む。第2サーバ30のCPU31が、後述する本実施形態に係る設定ファイル作成処理プログラム33Aを実行することで、登録部31A及び第1禁止部31Bとして機能する。また、画像形成装置50のCPU51が、後述する本実施形態に係る設定ファイル反映処理プログラム53Aを実行することで、設定部51A及び第2禁止部51Bとして機能する。
【0101】
本実施形態に係る第1禁止部31B及び第2禁止部51Bは、参照情報による参照先の設定情報が他の参照情報であることを禁止する。特に、本実施形態に係る第2禁止部51Bは、上記置き換えを行う場合で、かつ、参照情報による参照先の設定情報が他の参照情報となっている場合、当該参照情報が不正である旨を通知する。
【0102】
次に、図14図17を参照して、本実施形態に係る情報処理システム1の作用を説明する。なお、錯綜を回避するために、ここでも、第2サーバ30に対して、画像形成装置50の設置先の環境を再現した検証環境がソフトウェアにより既に構築されている場合について説明する。
【0103】
まず、図14図15を参照して、設定ファイル作成処理を実行する場合の第2サーバ30の作用を説明する。図14は、本実施形態に係る設定ファイル作成処理の一例を示すフローチャートである。また、図15は、本実施形態に係る情報処理システム1における設定ファイルの登録状況の説明に供する模式図である。なお、図14における図7と同様の処理を行うステップには図7と同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。
【0104】
本実施形態に係る情報処理システム1でも、設定ファイルの作成者により、第2サーバ30の入力部34を介して実行指示が入力された場合に、第2サーバ30のCPU31が設定ファイル作成処理プログラム33Aを実行することで、一例として図14に示す設定ファイル作成処理が実行される。
【0105】
図14のステップ103Aで、CPU31は、設定情報入力画面において入力された設定情報に参照情報が含まれているか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ104に移行する一方、肯定判定となった場合はステップ103Bに移行する。
【0106】
ステップ103Bで、CPU31は、ステップ103Aの処理において含まれていると判定した参照情報について、当該参照情報が示す参照先の設定情報を設定ファイルデータベース13Aから読み出すことで取得する。そして、CPU31は、取得した参照先の設定情報に参照情報となっているものが含まれているか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ104に移行する一方、肯定判定となった場合はステップ103Cに移行する。
【0107】
ステップ103Cで、CPU31は、予め定められた第1参照禁止処理を実行し、その後にステップ104に移行する。
【0108】
本実施形態では、第1参照禁止処理として、作成者に対し、入力した設定情報における参照情報が示す参照先が参照情報となっているものがあり、循環参照となる可能性があるため、処理を中断する旨を示す情報(以下、「処理中断情報」という。)を表示部35により表示する処理を適用している。そして、本実施形態に係る第1参照禁止処理では、作成者により、この処理中断情報の表示に応じて設定情報が修正された時点で処理を再開する。
【0109】
この第1参照禁止処理により、一例として図15に示すように、基本的には、検証環境において設定情報の循環参照が生じる可能性を回避することができる。なお、図15に示す例では、画像形成装置50dの設定ファイルにおける設定項目Cとして入力された参照情報の参照先である画像形成装置50bの設定ファイルにおける設定項目Cの設定情報が、更に画像形成装置50aの設定情報を参照する参照情報とされている場合が例示されている。
【0110】
しかしながら、検証環境においては循環参照の可能性をなくすることができても、設置環境の変化や、既設置の画像形成装置50に対する管理者等による設定情報の変更等により、設置環境においても循環参照が生じてしまう可能性もある。このため、本実施形態に係る情報処理システム1では、設定ファイル反映処理においても、再び循環参照を禁止する処理を実行する。
【0111】
次に、図16図17を参照して、本実施形態に係る設定ファイル反映処理を実行する場合の画像形成装置50の作用を説明する。図16は、本実施形態に係る設定ファイル反映処理の一例を示すフローチャートである。また、図17は、本実施形態に係る情報処理システム1における設定情報の設定状況の説明に供する模式図である。なお、図16における図10と同様の処理を行うステップには図10と同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。
【0112】
本実施形態に係る情報処理システム1でも、設置者により、画像形成装置50(対象装置)が対象とする設置場所に設置されてネットワーク設定が終了し、かつ、当該対象装置における表示部55に表示された設定情報反映ボタンが入力部54を介して指定された場合に、対象装置のCPU51が設定ファイル反映処理プログラム53Aを実行することで、一例として図16に示す設定ファイル反映処理が実行される。
【0113】
図16のステップ207Aで、CPU51は、ステップ206の処理において取得した設定情報が参照情報となっているか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ208に移行する一方、肯定判定となった場合はステップ207Bに移行する。
【0114】
ステップ207Bで、CPU51は、予め定められた第2参照禁止処理を実行し、その後にステップ208に移行する。
【0115】
本実施形態では、第2参照禁止処理として、設置者に対し、設置した画像形成装置50の設定情報に、参照先が参照情報となっている参照情報が含まれており、循環参照となる可能性があるため、処理を中断する旨を示す処理中断情報を表示部55により表示する処理を適用している。そして、本実施形態に係る第2参照禁止処理では、設置者により、この処理中断情報の表示に応じて設定情報が修正された時点で処理を再開する。
【0116】
この第2参照禁止処理により、一例として図17に示すように、設置環境においても設定情報の循環参照が生じる可能性を回避することができる。なお、図17に示す例では、画像形成装置50cの設定ファイルにおける設定項目Dとして入力された参照情報の参照先である画像形成装置50bの設定ファイルにおける設定項目Dの設定情報が、更に画像形成装置50aの設定情報を参照する参照情報とされている場合が例示されている。
【0117】
[第3実施形態]
ところで、設定ファイルにおける参照情報が示す参照先に何らかの原因でアクセスできない場合がある。例えば、参照先の画像形成装置50が稼働していない場合や、参照先の画像形成装置50に対する設定ファイルの設定が終了していない場合等である。本実施形態では、この場合に対応することができる形態例について説明する。
【0118】
なお、本実施形態に係る情報処理システム1の全体的な構成や、情報処理システム1に含まれる各装置の電気系の構成は、第1サーバ10の電気系の構成を除いて上記第1実施形態に係る情報処理システム1と同様である。そこで、ここでは、まず、本実施形態に係る第1サーバ10の構成を、図18を参照しつつ説明する。図18は、本実施形態に係る第1サーバ10の電気系の構成の一例を示すブロック図であり、図2に示す第1実施形態に係る第1サーバ10と同一の構成要素については、図2と同一の参照符号を付して、説明を省略する。
【0119】
図18に示すように、本実施形態に係る第1サーバ10は、記憶部13に記憶された設定ファイルデータベースが、設定ファイルデータベース13Aとは異なる設定ファイルデータベース13Bとされている点が第1実施形態に係る第1サーバ10と異なっている。
【0120】
次に、図19を参照して、本実施形態に係る情報処理システム1の機能的な構成について説明する。図19は、本実施形態に係る情報処理システム1の機能的な構成の一例を示すブロック図である。なお、図19における図5と同一の構成要素については図5と同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
【0121】
図19に示すように、本実施形態に係る情報処理システム1では、第2サーバ30に含まれる登録部31Aに代えて、登録部31Aとは処理内容が異なる登録部31Cが適用されていることが第1実施形態に係る第2サーバ30と異なっている。また、本実施形態に係る情報処理システム1では、画像形成装置50に含まれる設定部51Aに代えて、設定部51Aとは処理内容が異なる設定部51Cが適用されており、かつ新たに対処部51Dを含むことが第1実施形態に係る画像形成装置50と異なっている。第2サーバ30のCPU31が、後述する本実施形態に係る設定ファイル作成処理プログラム33Aを実行することで、登録部31Cとして機能する。また、画像形成装置50のCPU51が、後述する本実施形態に係る設定ファイル反映処理プログラム53Aを実行することで、設定部51C及び対処部51Dとして機能する。
【0122】
本実施形態に係る設定部51Cは、参照情報の置き換えを行った後も、当該参照情報を保持する。
【0123】
また、本実施形態に係る対処部51Dは、参照情報が参照する設定情報を適用することができない場合、当該設定情報を用いる処理の中止、及び、ユーザに対する通知を行う。このように、本実施形態では、対処部51Dによる対処として、参照情報が参照する設定情報を適用することができない場合、当該設定情報を用いる処理の中止、及び、ユーザに対する通知の双方を適用しているが、これに限るものではない。例えば、上記設定情報を用いる処理の中止、及び、ユーザに対する通知の何れか一方のみを、対処部51Dによる対処として適用する形態としてもよい。
【0124】
一方、本実施形態に係る登録部31Cは、参照情報に対応する設定情報のデフォルトの情報であるデフォルト情報を当該参照情報に関連付けて登録し、本実施形態に係る設定部51Cは、上記置き換えができない場合に、対応する参照情報に関連付けられたデフォルト情報に当該参照情報を置き換える。
【0125】
また、本実施形態に係る登録部31Cは、参照情報に対応する設定情報が読み出せない場合に、予め定められたタイミングで当該設定情報の読み出しを試みる旨の指示を示す指示情報を、当該参照情報に関連付けて登録する。そして、本実施形態に係る設定部51Cは、上記予め定められたタイミングで、設定情報の読み出しを試みる。
【0126】
次に、図20を参照して、本実施形態に係る設定ファイルデータベース13Bについて説明する。図20は、本実施形態に係る設定ファイルデータベース13Bの構成の一例を示す模式図である。
【0127】
図20に示すように、本実施形態に係る設定ファイルデータベース13Bは、設定ファイルに設定された参照情報の各々毎にデフォルト情報が登録されるものとされている点のみが第1実施形態に係る設定ファイルデータベース13Aと異なっている。
【0128】
次に、図21図24を参照して、本実施形態に係る情報処理システム1の作用を説明する。
【0129】
まず、図21図22を参照して、設定ファイル作成処理を実行する場合の第2サーバ30の作用を説明する。図21は、本実施形態に係る設定ファイル作成処理の一例を示すフローチャートである。また、図22は、本実施形態に係る設定情報入力画面の一例を示す正面図である。なお、図21における図7と同様の処理を行うステップには図7と同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。
【0130】
本実施形態に係る情報処理システム1でも、設定ファイルの作成者により、第2サーバ30の入力部34を介して実行指示が入力された場合に、第2サーバ30のCPU31が設定ファイル作成処理プログラム33Aを実行することで、一例として図21に示す設定ファイル作成処理が実行される。
【0131】
図21のステップ100Aで、CPU31は、予め定められた構成とされた設定情報入力画面を表示するように表示部35を制御する。ステップ102Aで、CPU31は、予め定められた情報が入力されるまで待機する。
【0132】
図22に示すように、本実施形態に係る設定情報入力画面では、対象とする装置、当該装置に対応する設定情報、及びデフォルト情報の入力を促すメッセージが表示される。また、本実施時形態に係る設定情報入力画面では、上記装置を示す情報を入力するための装置入力領域35A、上記設定情報を入力するための設定情報入力領域35B、及び上記デフォルト情報を入力するためのデフォルト情報入力領域35Cが表示される。
【0133】
図22に示す設定情報入力画面が表示されると、作成者は、対象とする装置を示す情報(本実施形態では、上述した装置特定情報)を装置入力領域35Aに入力すると共に、当該装置に設定する設定情報を示す情報を設定情報入力領域35Bに入力する。更に、作成者は、設定情報として参照情報を入力した場合は、対応する設定項目に対するデフォルト情報をデフォルト情報入力領域35Cに入力する。そして、作成者は、引き続き他の装置について設定情報を入力したい場合は次設定ボタン35Xを、設定情報の入力を終了したい場合は終了ボタン35Zを、各々入力部34を介して指定する。作成者によって次設定ボタン35X又は終了ボタン35Zが指定されると、ステップ102Aが肯定判定となってステップ104に移行する。
【0134】
その後、ステップ110Aで、CPU31は、以上の処理を経た問題がない設定情報を設定ファイルとして、入力された装置特定情報と共に設定ファイルデータベース13Bに記憶(登録)し、その後にステップ112に移行する。この際、CPU31は、デフォルト情報が入力されている場合は、当該デフォルト情報も、対応する参照情報に関連付けて設定ファイルデータベース13Bに記憶(登録)する。
【0135】
次に、図23図24を参照して、本実施形態に係る設定ファイル反映処理を実行する場合の画像形成装置50の作用を説明する。図23は、本実施形態に係る設定ファイル反映処理の一例を示すフローチャートである。また、図24は、本実施形態に係る情報処理システム1における設定ファイルの設定状況の説明に供する模式図である。なお、図23における図10と同様の処理を行うステップには図10と同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。
【0136】
本実施形態に係る情報処理システム1でも、設置者により、画像形成装置50(対象装置)が対象とする設置場所に設置されてネットワーク設定が終了し、かつ、当該対象装置における表示部55に表示された設定情報反映ボタンが入力部54を介して指定された場合に、対象装置のCPU51が設定ファイル反映処理プログラム53Aを実行することで、一例として図23に示す設定ファイル反映処理が実行される。
【0137】
図23のステップ206Aで、CPU51は、ステップ204の処理において含まれていると判定された参照情報である対象参照情報のうちの1つについて、当該参照情報が示す参照先から、対応する設定項目の設定情報の取得を試みる。
【0138】
ステップ207Cで、CPU51は、ステップ206Aの処理において設定情報が取得できたか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ209に移行する一方、肯定判定となった場合はステップ207Dに移行する。なお、以下では、設定情報が取得できなかった参照先を示す参照情報を、「アクセス不可参照情報」という。
【0139】
ステップ207Dで、CPU51は、予め定められた静的適用処理を実行する。以下、本実施形態に係る静的適用処理について説明する。
【0140】
まず、CPU51は、取得できなかった設定情報に対応する設定項目のデフォルト情報を設定ファイルデータベース13Bから読み出し、アクセス不可参照情報を、読み出したデフォルト情報に置き換える。この際、CPU51は、アクセス不可参照情報を消去することなく、保持する。
【0141】
また、CPU51は、アクセス不可参照情報に対応する設定情報を用いる処理の中止、及び、その旨を示す情報の設置者に対する通知を行う。なお、この通知により、設置者に対して、そのまま継続して画像形成装置50を使用するか否かを決定させる形態としてもよい。例えば、印刷を行う際の色の設定が反映されていない場合でも、白黒の印刷であれば問題ないので、そのまま継続して使用することを可能としたり、ユーザ認証や課金の設定が反映できない場合には、対象装置自体の使用を禁止したりする形態等である。
【0142】
更に、CPU51は、予め定められたタイミングで、アクセス不可参照情報が示す参照先の設定情報の読み出しを試みる旨の指示を示す上述した指示情報を、当該アクセス不可参照情報に関連付けて登録する。
【0143】
この指示情報の登録により、一例として図24に示すように、本実施形態に係る設定部51Cは、上記予め定められたタイミングで、アクセス不可参照情報が示す参照先の設定情報の読み出しを試みる。そして、CPU51は、当該読み出しに成功した場合、読み出した設定情報にアクセス不可参照情報に対応するデフォルト情報を置き換える。この動作により、アクセス不可参照情報が示す参照先がアクセス可能となった時点で、当該アクセス不可参照情報に対応する設定情報を設定することが可能となる。
【0144】
ステップ209で、CPU51は、全ての対象参照情報について、ステップ206A~ステップ207Dの処理が終了したか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ206Aに戻る一方、肯定判定となった場合はステップ211に移行する。
【0145】
ステップ211で、CPU51は、ステップ206A~ステップ209の処理によって取得することのできた全ての設定項目の参照先の設定情報を、ステップ202の処理によって記憶した設定情報に置き換える。
【0146】
[第4実施形態]
本実施形態では、対処部51Dが、第2対象装置が設定ファイルの設定情報を適用する場合で、かつ、当該設定情報が参照情報を伴う場合、当該参照情報が参照する設定情報を適用する場合の形態例について説明する。
【0147】
なお、本実施形態に係る情報処理システム1の全体的な構成や、情報処理システム1に含まれる各装置の電気系の構成は、第3実施形態に係る情報処理システム1と同様であるので、ここでの説明は省略する。また、本実施形態に係る情報処理システム1の作用も、設定ファイル反映処理を除いて第3実施形態に係る情報処理システム1と同様である。
【0148】
以下、図25及び図26を参照して、本実施形態に係る情報処理システム1の作用として、本実施形態に係る設定ファイル反映処理を実行する場合の画像形成装置50の作用を説明する。図25は、本実施形態に係る設定ファイル反映処理の一例を示すフローチャートである。また、図26は、本実施形態に係る情報処理システム1における設定ファイルの設定状況の説明に供する模式図である。なお、図25における図23と同様の処理を行うステップには図23と同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。
【0149】
本実施形態に係る情報処理システム1でも、設置者により、画像形成装置50(対象装置)が対象とする設置場所に設置されてネットワーク設定が終了し、かつ、当該対象装置における表示部55に表示された設定情報反映ボタンが入力部54を介して指定された場合に、対象装置のCPU51が設定ファイル反映処理プログラム53Aを実行することで、一例として図25に示す設定ファイル反映処理が実行される。
【0150】
図25のステップ207Eで、CPU51は、予め定められた動的適用処理を実行する。以下、本実施形態に係る動的適用処理について説明する。
【0151】
まず、CPU51は、取得できなかった設定情報に対応する設定項目のデフォルト情報を設定ファイルデータベース13Bから読み出し、上述したアクセス不可参照情報を、読み出したデフォルト情報に置き換える。この際、CPU51は、一例として図26に示すように、アクセス不可参照情報を消去することなく、保持する。
【0152】
その後、画像形成装置50のCPU51は、ユーザによる自身の操作中にアクセス不可参照情報を有する設定情報を適用する場合、当該アクセス不可参照情報が示す参照先の設定情報を取得し、当該設定情報と自身に設定されている設定情報とを比較する。そして、CPU51は、この比較の結果、同一であれば、そのまま処理を継続し、異なれば、取得した設定情報で処理可能か否かを判定し、処理可能である場合は当該処理を実行する一方、処理できない場合は当該処理を終了する。
【0153】
この動的適用処理では、認証/課金方式や、機能の有効/禁止等、同じ運用方法で用いる画像形成装置50同士で設定すれば、同一の設定を何台も実施する必要がなくなる。図26に示す例の場合、画像形成装置50aのみに設定すれば、他の画像形成装置50は自動的に追従し、管理者等の手を煩わせることなく、設定情報を正しく保つことができる。
【0154】
図27には、本実施形態に係る設定ファイルの具体的な一例を示す図が示されている。なお、図27に示す例は、設定ファイルをXML(Extensible Markup Language)形式で記述した場合の例である。
【0155】
図27に示す例において、<login>はログイン方法を表し、設定情報の参照先はIP(Internet Protocol)アドレスで、「123.456.789.000」である。また、この場合の参照先に参照できなかった場合のデフォルト値の指定はない。
【0156】
また、図27に示す例において、<copy-color>はコピー(複写)するときの出力色を表し、設定情報の参照先はIPアドレスで「123.456.789.000」である。また、この場合の参照先に参照できなかった場合のデフォルト値は「カラー」である。
【0157】
また、図27に示す例において、<fax-support>はファクシミリ機能が利用できるか否かを表し、設定情報の参照先はシリアル番号で「987.654.321」である。また、この場合の参照先に参照できなかった場合のデフォルト値は「サポートしない」である。
【0158】
更に、図27に示す例において、<billing-method>は画像形成装置50を利用するときの課金方法を表し、設定情報の参照先は指定なしで、設定情報は「コインキット」である。
【0159】
図27に示す設定ファイル70で画像形成装置50の設定を更新する場合、複数の他の画像形成装置50へアクセスして設定を実施する必要がある。
【0160】
そのため、IPアドレス「123.456.789.000」とシリアル番号「987.654.321」に順次アクセスして、必要な設定情報を取得し、設定情報が揃った段階で画像形成装置50に反映する。この際に、もし、設定情報が取得できなかった場合は、指定されている場合はデフォルト値を、指定されていない場合は画像形成装置50に元々設定されている設定情報を採用する。
【0161】
また、設定情報を動的に参照する場合は、設定情報の更新と同時に参照先の情報も含めて画像形成装置50に設定しておき、設定情報へのアクセス要求があったときに、参照先の画像形成装置50にアクセスして設定情報を取得し、その時点での設定情報で画像形成装置50の機能を動作させるようにする。
【0162】
なお、図27に示した例は、設定ファイルをXML形式で記述した例であるが、この他にも、CSV(Comma Separated Values)形式、テキスト形式等、設定ファイルの記述形式は如何なる形式でも構わない。
【0163】
ところで、上記第3、第4実施形態では、設定ファイル反映処理の実行時において参照情報が示す参照先にアクセスできなかった場合に対処するため、参照情報毎にデフォルト情報を予め登録しておき、上記アクセスができなかった場合に適用する形態について説明した。
【0164】
この形態に対し、一例として図28に示すように、デフォルト情報、及び対応する参照情報の代替となる参照情報(以下、「代替参照情報」という。)を第1サーバ10等のサーバに予め登録しておき、上記アクセスができなかった場合に適用する形態としてもよい。
【0165】
図28に示す例では、例えば、設定項目Aの共通のデフォルト情報として「9876」が登録され、代替参照情報として「Ref-a」が登録されている。また、図28に示す例では、例えば、設定項目Bの共通のデフォルト情報として「1111」が登録され、代替参照情報として「Ref-c」が登録されている。なお、図28に示すデフォルト情報における「なし」は、そもそも設定情報そのものがないことを示す情報である。また、図28に示す例では、設定項目Cに対応する情報が未登録とされている。
【0166】
この形態では、例えば、設定ファイル作成処理の実行時において、作成者により、上記各実施形態と同様に各設定項目の設定情報として所望の情報を入力するか、又は参照情報を入力し、更に、デフォルト情報及び代替参照情報を入力して、第1サーバ10の設定ファイルデータベース13Bに当該代替参照情報も含めて登録する。
【0167】
図28に示す例では、例えば、設定項目Bの設定情報として「Ref-a」との参照情報が登録され、デフォルト情報として「9999」が登録されている。なお、この際、予め第1サーバ10等に登録しておいた情報に置き換えを行いたくない場合に対応するため、一例として図28に示すように、置き換え禁止であることを示す情報(図28に示す例では、「置き換え禁止」との情報)を設定情報に記載しておく。また、この際、デフォルト情報及び代替参照情報の設定を行わない場合は、設定しない旨を示す情報(図28に示す例では、「指定なし」との情報)を入力する。
【0168】
また、この形態では、設定ファイル反映処理の実行時において、設定ファイルに含まれる参照情報が示す参照先にアクセスできなかった場合で、かつ、デフォルト情報や代替参照情報が設定されていない場合(図28に示す例では、「指定なし」とされている場合)、予め第1サーバ10等に登録しておいた、対応する設定項目に関するデフォルト情報や代替参照情報を読み出して、対応する設定情報に置き換える。
【0169】
図28に示す例では、設定項目Aについては「置き換え禁止」とされているため、上記置き換えを行わない。また、設定項目Bについては、代替参照情報の指定がないため、登録しておいた代替参照情報(図28に示す例では、「Ref-c」)に置き換えている。
【0170】
そして、この形態においても、全ての設定情報が揃った段階で画像形成装置50に反映する。
【0171】
また、上記各実施形態では、検証環境をソフトウェアにより実現する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、実際の画像形成装置を用いて検証環境を実現する形態としてもよい。
【0172】
また、上記各実施形態では、設定ファイルを作成者が入力する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、画像形成装置50を設置する設置環境において既に設置されている画像形成装置から設定ファイルを取得し、当該設定ファイルを作成者によって修正させて適用する形態としてもよい。
【0173】
また、上記各実施形態では、各種データベースをサーバ10に登録した場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第2サーバ30又は何れかの画像形成装置50や、第2サーバ30や画像形成装置50からアクセス可能な他の装置に各種データベースを登録する形態としてもよい。
【0174】
以上、実施形態を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0175】
また、上記各実施形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の組み合わせにより種々の発明が抽出される。実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0176】
また、上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えば、CPU等)や、専用のプロセッサ(例えば、GPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0177】
更に、上記各実施形態では、各種処理を、プログラムを実行することにより、コンピュータを利用してソフトウェア構成により実現する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、各種処理を、ハードウェア構成や、ハードウェア構成とソフトウェア構成の組み合わせによって実現する形態としてもよい。
【0178】
その他、上記各実施形態で説明した第1サーバ10、第2サーバ30、及び画像形成装置50の構成は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要な部分を削除したり、新たな部分を追加したりしてもよいことは言うまでもない。
【0179】
また、上記各実施形態で説明した各種処理の流れも一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。
【0180】
(付記)
(((1)))
1又は複数のプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
第1対象装置の第1設定ファイルにおける設定項目に、第2対象装置の第2設定ファイルにおける、対応する設定項目と同一の設定情報が設定されている場合、当該設定情報を参照する参照情報を、前記第2設定ファイルにおける当該設定項目の設定情報として当該第2設定ファイルを登録する、
情報処理システム。
(((2)))
前記第1設定ファイル及び前記第2設定ファイルは、クラウドサーバによって記憶されるファイルである、
(((1)))に記載の情報処理システム。
(((3)))
前記プロセッサは、
前記第2対象装置が任意の位置に設置された場合、当該第2対象装置に対して前記第2設定ファイルを前記クラウドサーバからダウンロードすることで、当該第2対象装置の設定ファイルの設定を行う、
(((2)))に記載の情報処理システム。
(((4)))
前記プロセッサは、
前記第2対象装置の設定ファイルにおける前記参照情報に対応する前記設定情報を、前記第1設定ファイル又は前記第1対象装置の設定ファイルから読み出し、当該設定情報に当該参照情報を置き換えることで設定する、
(((3)))に記載の情報処理システム。
(((5)))
前記プロセッサは、
前記参照情報の置き換えを行った後も、当該参照情報を保持する、
(((4)))に記載の情報処理システム。
(((6)))
前記プロセッサは、
前記第2対象装置が前記設定ファイルの設定情報を適用する場合で、かつ、当該設定情報が前記参照情報を伴う場合、当該参照情報が参照する前記設定情報を適用する、
(((4)))に記載の情報処理システム。
(((7)))
前記プロセッサは、
前記参照情報が参照する前記設定情報を適用することができない場合、当該設定情報を用いる処理の中止、及び、ユーザに対する通知の少なくとも一方を行う、
(((6)))に記載の情報処理システム。
(((8)))
前記プロセッサは、
前記参照情報に対応する前記設定情報のデフォルトの情報であるデフォルト情報を当該参照情報に関連付けて登録し、
前記置き換えができない場合に、対応する前記参照情報に関連付けられたデフォルト情報に当該参照情報を置き換える、
(((4)))から(((7)))の何れか1項に記載の情報処理システム。
(((9)))
前記プロセッサは、
前記デフォルト情報を前記第2設定ファイルに登録する、
(((8)))に記載の情報処理システム。
(((10)))
前記プロセッサは、
前記参照情報による参照先の設定情報が他の前記参照情報であることを禁止する、
(((4)))から(((9)))の何れか1項に記載の情報処理システム。
(((11)))
前記プロセッサは、
前記置き換えを行う場合で、かつ、前記参照情報による参照先の設定情報が他の前記参照情報となっている場合、当該参照情報が不正である旨を通知する、
(((10)))に記載の情報処理システム。
(((12)))
前記プロセッサは、
前記参照情報に対応する前記設定情報が読み出せない場合、予め定められたタイミングで当該設定情報の読み出しを試みる旨の指示を示す指示情報を、当該参照情報に関連付けて登録し、
前記予め定められたタイミングで、前記設定情報の読み出しを試みる、
(((4)))から(((11)))の何れか1項に記載の情報処理システム。
(((13)))
前記設定情報が読み出せない場合は、前記第1対象装置が稼働していない場合である、
(((11)))に記載の情報処理システム。
【0181】
(((1)))に係る情報処理システムによれば、第2対象装置の第2設定ファイルにおいて参照情報を設定した設定項目については、第1対象装置について当該設定項目の検証が終了していれば、作成及び検証を行う必要がない。このため、設定ファイルの作成及び検証を対象装置の各々について個別に行う場合に比較して、当該設定ファイルの作成及び検証の手間を削減することができる。
(((2)))に係る情報処理システムによれば、対象装置を任意の場所に設置して設定ファイルの設定を行う場合に、本開示の技術を適用することができる。
(((3)))に係る情報処理システムによれば、対象装置を任意の場所に設置した後に行う設定ファイルの設定を、自動的に行うことができる。
(((4)))に係る情報処理システムによれば、動的に参照情報が示す参照先の設定情報を適用する場合に比較して、より短時間に当該設定情報に関する処理を実行することができる。
(((5)))に係る情報処理システムによれば、設定ファイルの動的な変化にも対応することができる。
(((6)))に係る情報処理システムによれば、第2対象装置の動作を動的に変更することができる。
(((7)))に係る情報処理システムによれば、設定情報が適用不可である場合に対処することができる。
(((8)))に係る情報処理システムによれば、参照情報による置き換えができない場合に対処することができる。
(((9)))に係る情報処理システムによれば、デフォルト情報を登録するためのファイルを不要とすることができる。
(((10)))に係る情報処理システムによれば、参照情報による誤った設定を未然に回避することができる。
(((11)))に係る情報処理システムによれば、不正である旨の通知を行わない場合に比較して、より確実に、参照情報による誤った設定を未然に回避することができる。
(((12)))に係る情報処理システムによれば、設定情報の読み出しを試みる旨の指示を示す指示情報を登録しない場合に比較して、より確実に参照情報による設定情報の設定を行うことができる。
(((13)))に係る情報処理システムによれば、第1対象装置が稼働していないことによる設定情報の未設定を解消することができる。
【符号の説明】
【0182】
1 情報処理システム
10 第1サーバ
11 CPU
12 メモリ
13 記憶部
13A 設定ファイルデータベース
13B 設定ファイルデータベース
14 入力部
15 表示部
16 媒体読み書き装置
17 記録媒体
18 通信I/F部
30 第2サーバ
31 CPU
31A 登録部
31B 第1禁止部
31C 登録部
32 メモリ
33 記憶部
33A 設定ファイル作成処理プログラム
34 入力部
35 表示部
35A 装置入力領域
35B 設定情報入力領域
35C デフォルト情報入力領域
35X 次設定ボタン
35Z 終了ボタン
36 媒体読み書き装置
37 記録媒体
38 通信I/F部
50 画像形成装置
51 CPU
51A 設定部
51B 第2禁止部
51C 設定部
51D 対処部
52 メモリ
53 記憶部
53A 設定ファイル反映処理プログラム
54 入力部
55 表示部
56 媒体読み書き装置
57 記録媒体
58 通信I/F部
60 仮想装置
70 設定ファイル
N ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28