(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135850
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】情報処理システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 40/166 20200101AFI20240927BHJP
【FI】
G06F40/166
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023046736
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 深雪
【テーマコード(参考)】
5B109
【Fターム(参考)】
5B109QB18
5B109TA11
(57)【要約】
【課題】フォーマット形式が変換される前の電子文書の変更箇所ごとの具体的な変更内容を、フォーマット形式が変換された後の電子文書にて一見して把握できるようにする。
【解決手段】管理サーバ10の制御部11では、変換部103が、フォーマット形式が変換される前の電子文書の変更の履歴に関する履歴情報を、フォーマット形式が変換された後の電子文書のフォーマット形式に変換し、位置特定部104が、フォーマット形式が変換された後の電子文書における、変更が生じた箇所に対応する位置を特定する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または複数のプロセッサを備え、
前記1または複数のプロセッサは、
フォーマット形式が変換される前の電子文書の変更の履歴に関する履歴情報を、フォーマット形式が変換された後の当該電子文書のフォーマット形式に変換し、
前記フォーマット形式が変換された後の電子文書における、前記変更が生じた箇所に対応する位置に、フォーマット形式が変換された前記履歴情報を対応付けて表示させる制御を行うことを特徴とする、
情報処理システム。
【請求項2】
前記1または複数のプロセッサは、前記変更が生じた箇所に対応する位置として、前記変更が生じたページに対応するページに、前記履歴情報を表示させる制御を行うことを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記1または複数のプロセッサは、前記変更が複数のページに跨る場合、予め定められたページに前記履歴情報を表示させる制御を行うことを特徴とする、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記1または複数のプロセッサは、前記フォーマット形式が変換された後の電子文書に、前記変更が生じたページに対応するページが存在しない場合、当該変更が生じたページの直前または直後のページに対応するページに、前記履歴情報を表示させる制御を行うことを特徴とする、
請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記履歴情報には、前記変更を行ったユーザに関する情報と、当該変更の日時を示す情報とのうち少なくとも一方の情報が含まれることを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記1または複数のプロセッサは、前記変更を行ったユーザに関する情報または前記変更の日時を示す情報に基づいて、前記履歴情報を含むファイルのファイル名を生成することを特徴とする、
請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記1または複数のプロセッサは、前記変更の態様ごとに前記履歴情報を生成することを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記1または複数のプロセッサは、前記変更の態様に基づいて、前記履歴情報を含むファイルのファイル名を生成することを特徴とする、
請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記1または複数のプロセッサは、
前記履歴情報が格納された格納領域を示すアイコンを、予め定められた表示領域に表示させる制御を行い、
前記フォーマット形式が変換された後の前記電子文書における、前記変更が生じた箇所に対応する位置に、履歴情報が前記格納領域に格納されていることを示すアイコンを表示させる制御を行うことを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記1または複数のプロセッサは、前記フォーマット形式が変換された後の電子文書に、前記変更が生じたページに対応するページが存在しない場合、前記格納領域に前記履歴情報を格納することを特徴とする、
請求項9に記載の情報処理システム。
【請求項11】
コンピュータに、
フォーマット形式が変換される前の電子文書の変更の履歴に関する履歴情報を、フォーマット形式が変換された後の当該電子文書のフォーマット形式に変換する機能と、
前記フォーマット形式が変換された後の電子文書における、前記変更が生じた箇所に対応する位置に、前記履歴情報を対応付けて表示させる機能と、
を実現させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子文書のフォーマット形式が変換されると、変換前の変更履歴が失われてしまう場合がある。これに対して、フォーマット形式が変換される前の変更履歴を別途出力する技術(例えば、特許文献1)や、変更箇所に印を付す技術(例えば、特許文献2)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許6205973号公報
【特許文献2】特開平8-147273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような技術では、フォーマット形式が変換される前の電子文書の変更箇所ごとの具体的な変更内容を、フォーマット形式が変換された後の電子文書にて一見して把握することは困難である。
【0005】
本発明の目的は、フォーマット形式が変換される前の電子文書の変更箇所ごとの具体的な変更内容を、フォーマット形式が変換された後の電子文書にて一見して把握できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載された発明は、1または複数のプロセッサを備え、前記1または複数のプロセッサは、フォーマット形式が変換される前の電子文書の変更の履歴に関する履歴情報を、フォーマット形式が変換された後の当該電子文書のフォーマット形式に変換し、前記フォーマット形式が変換された後の電子文書における、前記変更が生じた箇所に対応する位置に、フォーマット形式が変換された前記履歴情報を対応付けて表示させる制御を行うことを特徴とする、情報処理システムである。
請求項2に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記変更が生じた箇所に対応する位置として、前記変更が生じたページに対応するページに、前記履歴情報を表示させる制御を行うことを特徴とする、請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項3に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記変更が複数のページに跨る場合、予め定められたページに前記履歴情報を表示させる制御を行うことを特徴とする、請求項2に記載の情報処理システムである。
請求項4に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記フォーマット形式が変換された後の電子文書に、前記変更が生じたページに対応するページが存在しない場合、当該変更が生じたページの直前または直後のページに対応するページに、前記履歴情報を表示させる制御を行うことを特徴とする、請求項3に記載の情報処理システムである。
請求項5に記載された発明は、前記履歴情報には、前記変更を行ったユーザに関する情報と、当該変更の日時を示す情報とのうち少なくとも一方の情報が含まれることを特徴とする、請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項6に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記変更を行ったユーザに関する情報または前記変更の日時を示す情報に基づいて、前記履歴情報を含むファイルのファイル名を生成することを特徴とする、請求項5に記載の情報処理システムである。
請求項7に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記変更の態様ごとに前記履歴情報を生成することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項8に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記変更の態様に基づいて、前記履歴情報を含むファイルのファイル名を生成することを特徴とする、請求項7に記載の情報処理システムである。
請求項9に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記履歴情報が格納された格納領域を示すアイコンを、予め定められた表示領域に表示させる制御を行い、前記フォーマット形式が変換された後の前記電子文書における、前記変更が生じた箇所に対応する位置に、履歴情報が前記格納領域に格納されていることを示すアイコンを表示させる制御を行うことを特徴とする、請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項10に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記フォーマット形式が変換された後の電子文書に、前記変更が生じたページに対応するページが存在しない場合、前記格納領域に前記履歴情報を格納することを特徴とする、請求項9に記載の情報処理システムである。
請求項11に記載された発明は、コンピュータに、フォーマット形式が変換される前の電子文書の変更の履歴に関する履歴情報を、フォーマット形式が変換された後の当該電子文書のフォーマット形式に変換する機能と、前記フォーマット形式が変換された後の電子文書における、前記変更が生じた箇所に対応する位置に、前記履歴情報を対応付けて表示させる機能と、を実現させるプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の本発明によれば、フォーマット形式が変換される前の電子文書の変更箇所ごとの具体的な変更内容を、フォーマット形式が変換された後の電子文書にて一見して把握できる。
請求項2の本発明によれば、フォーマット形式が変換される前の電子文書に生じた変更にかかる履歴情報が、変更が生じたページに対応するページに表示される。これにより、フォーマット形式が変換される前の電子文書の変更箇所ごとの具体的な変更内容を、フォーマット形式が変換された後の電子文書にてページごとに把握できる。
請求項3の本発明によれば、フォーマット形式が変換される前の電子文書に生じた変更が複数のページを跨る場合であっても、変更箇所ごとの具体的な変更内容を、フォーマット形式が変換された後の電子文書にてページごとに把握できる。
請求項4の本発明によれば、フォーマット形式が変換された後の電子文書に、変更が生じたページに対応するページが存在しない場合、変更が生じたページの直前または直後のページに対応するページに、履歴情報が表示される。これにより、例えば、ページを削除する変更がなされた場合であっても、変更箇所ごとの具体的な変更内容を、フォーマット形式が変換された後の電子文書にてページごとに把握できる。
請求項5の本発明によれば、履歴情報に、変更を行ったユーザに関する情報が含まれる場合、ユーザは、誰が変更を行ったのかを一見して把握できる。また、履歴情報に、変更の日時が含まれる場合、ユーザは、いつ変更が行われたのかを一見して把握できる。
請求項6の本発明によれば、履歴情報を含むファイルのファイル名が、変更を行ったユーザに関する情報に基づいて生成されたものである場合、ユーザは、履歴情報を含むファイルを開く前に、誰が変更を行ったのかを一見して把握できる。また、履歴情報を含むファイルのファイル名が、変更の日時を示す情報に基づいて生成されたものである場合、ユーザは、履歴情報を含むファイルを開く前に、いつ変更がなされたのかを一見して把握できる。
請求項7の本発明によれば、履歴情報が変更の態様ごとに生成される。これにより、ユーザは、変更の態様が同じである変更の内容を効率良く把握できる。
請求項8の本発明によれば、履歴情報を含むファイルのファイル名が変更の態様に基づき生成される。これにより、ユーザは、履歴情報を含むファイルを開く前に、変更の態様を効率良く把握できる。
請求項9の本発明によれば、履歴情報が格納された格納領域を示すアイコンが予め定められた表示領域に表示される。これにより、ユーザは、履歴情報を一覧視できる。また、フォーマット形式が変換された後の電子文書における、変更が生じた箇所に対応する位置に、履歴情報が格納領域に格納されていることを示すアイコンが表示される。これにより、ユーザは、変更箇所を一見して把握できる。
請求項10の本発明によれば、フォーマット形式が変換された後の電子文書に、変更が生じたページに対応するページが存在しない場合、履歴情報が格納領域に格納される。これにより、履歴情報の分類が容易化される。
請求項11の本発明によれば、フォーマット形式が変換される前の電子文書の変更箇所ごとの具体的な変更内容を、フォーマット形式が変換された後の電子文書にて一見して把握できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施の形態が適用される情報処理システムの全体構成の一例を示す図である。
【
図2】管理サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】管理サーバの制御部の機能構成の一例を示す図である。
【
図4】ユーザ端末の制御部の機能構成の一例を示す図である。
【
図5】管理サーバの処理のうち、変換前文書および変換前履歴情報のフォーマット形式を変換する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図6】管理サーバの処理のうち、変換後履歴情報を含むファイルを変換後文書に添付する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】ユーザ端末の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】内容に変更が加えられる前の文書の具体例を示す図である。
【
図9】
図8の文書に変更を加えた変換前文書のフォーマット形式を変換した後の変換後文書の具体例を示す図である。
【
図11】内容に変更が加えられる前の文書の他の具体例を示す図である。
【
図12】
図11の文書に変更を加えた変換前文書のフォーマット形式を変換した後の変換後文書の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<情報処理システムの全体構成>
図1は、本実施の形態が適用される情報処理システム1の全体構成の一例を示す図である。
情報処理システム1は、管理サーバ10と、ユーザ端末30-1乃至30-n(nは1以上の整数値)とがネットワーク90を介して接続されることにより構成されている。ネットワーク90は、例えば、LAN(Local Area Network)、インターネット等である。なお、ユーザ端末30-1乃至30-nの各々を個別に説明する必要がない場合、これらをまとめて「ユーザ端末30」と呼ぶ場合がある。
【0010】
(管理サーバ)
情報処理システム1を構成する管理サーバ10は、情報処理システム1の全体の管理をするサーバとしての情報処理装置である。管理サーバ10は、ユーザが利用するクラウドコンピューティングのサービス(以下、「クラウドサービス」と呼ぶ。)を提供する。管理サーバ10は、ユーザ端末30から送信されてくる各種の情報の取得する処理、取得した各種の情報に対する各種の処理、および各種の情報をユーザ端末30に向けて送信する処理をクラウドサービスとして行う。
【0011】
例えば、管理サーバ10は、フォーマット形式が変換される前の電子文書(以下、「変換前文書」と呼ぶ)をデータベースに格納して管理する。変換前文書は、ユーザの操作によりクラウドサービス上で作成されるものと、ユーザ端末30にて作成され、クラウドサービスにフォーマット形式を変換させるためにアップロードされるものとがある。
【0012】
ユーザにより作成された変換前文書には、その変換前文書の変更の履歴に関する履歴情報(以下、「変換前履歴情報」と呼ぶ。)が保持されている。変換前履歴情報には、変換前文書の変更箇所や変更内容の他に、例えば、変更を行ったユーザに関する情報、変更の日時を示す情報などが含まれる。このうち、変更を行ったユーザに関する情報としては、例えば、変更を行ったユーザを特定可能な識別情報などである。「フォーマット形式」としては、例えば、DocuWorks(登録商標)形式、Word(登録商標)形式、PDF形式などが挙げられる。
【0013】
また、管理サーバ10は、変換前文書のフォーマット形式をユーザにより指定されたフォーマット形式に変換する。以下、フォーマット形式が変換された後の電子文書のことを「変換後文書」と呼ぶ。また、管理サーバ10は、クラウドサービスとして、変換前履歴情報のフォーマット形式を変換後文書のフォーマット形式に変換する。以下、変換前履歴情報のフォーマット形式を変換後文書のフォーマット形式に変換したもののことを「変換後履歴情報」と呼ぶ。すなわち、管理サーバ10は、電子文書のフォーマット形式を変換する際、その電子文書に保持されている変更の履歴情報のフォーマット形式についても同様に変換する。管理サーバ10は、変換後文書と変換後履歴情報とを対応付けて、データベースに格納して管理する。
【0014】
また、管理サーバ10は、変換前文書、変換前履歴情報、変換後文書、および変換後履歴情報に基づいて、変換後文書における、変換前文書の変更箇所に対応する位置を特定する。管理サーバ10は、変換後文書と、変換後履歴情報と、その変換後文書における、変換前文書の変更箇所に対応する位置を示す情報(以下、「位置特定情報」と呼ぶ。)とを対応付けて、データベースに格納して管理する。
【0015】
管理サーバ10は、変換後文書を開くために入力された情報を取得すると、ユーザ端末30に変換後文書の中身を表示させる。このとき、管理サーバ10は、変換後文書における、変換前文書の変更箇所に対応する位置として特定した位置に、変換後履歴情報を添付する。具体的には、管理サーバ10は、変換後履歴情報を含むファイルを生成し、変換後文書における、変換前文書の変更箇所に対応する位置として特定した位置に、生成したファイルを対応付けて表示させる。管理サーバ10は、変換後履歴情報を含むファイルを生成する際、変更履歴に応じたファイル名を付す。このファイル名は、例えば、変更を行ったユーザに関する情報や、変更の日時を示す情報等に基づいて生成される。管理サーバ10は、変換後履歴情報を含むファイルを変換後文書に表示させる際、生成したファイル名を併せて表示させる。
【0016】
また、管理サーバ10は、変換後文書をユーザ端末30にダウンロードするために入力された情報を取得すると、変換後文書、変換後履歴情報、および位置特定情報の組み合わせを、ユーザ端末30に向けて送信する。なお、管理サーバ10の構成や処理の詳細については後述する。
【0017】
(ユーザ端末)
ユーザ端末30は、情報処理システム1を利用するユーザが操作するパーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等の情報処理装置である。ユーザ端末30は、クラウドサービスとして管理サーバ10から送信されてくる各種の情報を取得し、各種の処理を行う。また、ユーザ端末30は、管理サーバ10により提供されるクラウドサービスに向けて各種の情報を送信する。
【0018】
例えば、ユーザ端末30は、変換前文書を作成するためにユーザにより入力された入力情報を受け付けて、入力情報に基づく変換前文書を生成する。変換前文書を作成するためにユーザにより入力された情報には、変換前文書の内容を変更するために入力された情報も含まれる。このため、変換前文書には変換前履歴情報が保持されている。
【0019】
変換前文書は、上述のように、ユーザ端末30に対する操作により、クラウドサービス上で作成されるものと、ユーザ端末30にて作成されるものとがある。変換前文書がユーザ端末30にて作成されたものである場合、ユーザ端末30は、変換前文書のフォーマット形式を変換させる際、変換前文書を管理サーバ10に向けて送信することでクラウドサービスにアップロードする。
【0020】
また、ユーザ端末30は、変換前文書のフォーマット形式の変換を指示するためにユーザにより入力された情報(以下、「変換指示情報」と呼ぶ。)を受け付けて、その変換指示情報を管理サーバ10に向けて送信することでクラウドサービスにアップロードする。変換指示情報には、例えば、変換後のフォーマット形式の指定に関する情報などが含まれる。
【0021】
また、ユーザ端末30は、ユーザインターフェースを表示部に表示する。このユーザインターフェースには、変換前文書および変換後文書が表示される。ユーザ端末30は、ユーザインターフェースに変換後文書を表示する際、位置特定情報から特定される、変換前文書の変更箇所に対応する位置に、変換後履歴情報を対応付けて表示する。ここで、「対応付けて表示する」とは、変換後履歴情報を添付して表示することや、例えば、リンクボタンのように、変換後履歴情報にアクセスするための情報を表示することなどである。
【0022】
上述の情報処理システム1の構成は一例であり、情報処理システム1全体として上述の処理を実現させる機能を備えていればよい。このため、上述の処理を実現させる機能のうち、一部または全部を情報処理システム1内で分担してもよいし協働してもよい。すなわち、管理サーバ10の機能の一部または全部をユーザ端末30の機能としてもよいし、ユーザ端末30の機能の一部または全部を管理サーバ10の機能としてもよい。また、情報処理システム1を構成する管理サーバ10およびユーザ端末30の各々の機能の一部または全部を、図示せぬ他のサーバ等に移譲し、上述の処理の一部または全部を行わせてもよい。これにより、情報処理システム1全体としての処理が促進され、また、処理を補完し合うことも可能となる。
【0023】
<ハードウェア構成>
(管理サーバのハードウェア構成)
図2は、管理サーバ10のハードウェア構成の一例を示す図である。
管理サーバ10は、制御部11と、メモリ12と、記憶部13と、通信部14と、操作部15と、表示部16とを有している。これらの各部は、データバス、アドレスバス、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス等で接続されている。
【0024】
制御部11は、OS(基本ソフトウェア)やアプリケーションソフトウェア(応用ソフトウェア)等の各種ソフトウェアの実行を通じて管理サーバ10の機能の制御を行うプロセッサである。制御部11は、例えばCPU(Central Processing Unit)で構成される。メモリ12は、各種ソフトウェアやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、演算に際して作業エリアとして用いられる。メモリ12は、例えばRAM(Random Access Memory)等で構成される。
【0025】
記憶部13は、各種ソフトウェアに対する入力データや各種ソフトウェアからの出力データ等を記憶する記憶領域である。記憶部13は、例えばプログラムや各種設定データなどの記憶に用いられるHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、半導体メモリ等で構成される。記憶部13には、各種の情報を記憶するデータベースが格納されている。記憶部13に格納されているデータベースとしては、例えば、変換前文書や変換後文書が記憶された文書DB131、変換前履歴情報や変換後履歴情報が記憶された履歴DB132などが格納されている。
【0026】
通信部14は、ネットワーク90を介してユーザ端末30および外部との間でデータの送受信を行う。操作部15は、例えばキーボード、マウス、機械式のボタン、スイッチで構成され、入力操作を受け付ける。操作部15には、表示部16と一体的にタッチパネルを構成するタッチセンサが含まれていてもよい。表示部16は、例えば情報の表示に用いられる液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイで構成され、画像(動画像および静止画像)データやテキストデータなどを表示する。
【0027】
(ユーザ端末のハードウェア構成)
ユーザ端末30のハードウェア構成は、
図2に示す管理サーバ10のハードウェア構成と同様の構成を備えている。すなわち、ユーザ端末30は、
図2の制御部11、メモリ12、記憶部13、通信部14、操作部15、および表示部16の各々と同様の機能を有する、制御部、メモリ、記憶部、通信部、操作部、および表示部の各々を備えており、図示および説明を省略する。
【0028】
<機能構成>
(管理サーバ)
図3は、管理サーバ10の制御部11の機能構成の一例を示す図である。
管理サーバ10の制御部11では、管理部101と、取得部102と、変換部103と、位置特定部104と、送信制御部105とが機能する。
【0029】
管理部101は、記憶部13(
図2参照)のデータベースに各種の情報を格納して管理する。例えば、管理部101は、変換前文書および変換後文書を文書DB131に格納して管理する。また、管理部101は、変換前履歴情報、変換後履歴情報、および位置特定情報を履歴DB132に格納して管理する。文書DB131に格納されている変換前文書および変換後文書と、履歴DB132に格納されている変換前履歴情報、変換後履歴情報、および位置特定情報とは対応付けられている。
【0030】
取得部102は、各種の情報を取得する。例えば、取得部102は、ユーザ端末30および外部の各々から送信されてきた各種の情報を取得する。取得部102により取得される情報のうち、ユーザ端末30から送信されてくる情報としては、例えば、変換前文書を作成するためにユーザにより入力された情報、変換指示情報などが挙げられる。
【0031】
変換部103は、各種の情報の変換を行う。例えば、変換部103は、取得部102により取得された変換指示情報に基づいて、変換前文書のフォーマット形式を、ユーザにより指定されたフォーマット形式に変換する。また、変換部103は、変換前履歴情報のフォーマット形式を、変換後文書のフォーマット形式に変換する。
【0032】
位置特定部104は、変換前文書、変換前履歴情報、変換後文書、および変換後履歴情報に基づいて、変換後文書における、変換前文書の変更箇所に対応する位置を特定する。例えば、位置特定部104は、「対応する位置」として、変更が生じたページに対応するページを特定する。ここで、変更が生じたページが複数のページに跨る場合には、位置特定部104は、予め定められたページを、変更が生じたページに対応するページとして特定する。ここで、「予め定められたページ」とは、例えば、変更が生じた複数のページのうち最初のページに対応するページなどである。
【0033】
また、位置特定部104は、変換後文書に、変更が生じたページに対応するページが存在しない場合には、変更が生じたページ以外のページを「対応するページ」として特定する。例えば、位置特定部104は、変更が生じたページの直前または直後のページを「対応するページ」として特定する。なお、位置特定部104により特定された、変換後文書における、変換前文書の変更箇所に対応する位置の具体例については、
図9および
図12を参照して後述する。
【0034】
送信制御部105は、各種の情報を送信する制御を行う。具体的には、送信制御部105は、ユーザ端末30および外部の各々に向けて各種の情報を送信する制御を行う。送信制御部105により送信が制御される情報のうち、ユーザ端末30に向けて送信される情報としては、例えば、変換後文書をユーザ端末30にダウンロードするために入力された情報が取得部102により取得されたときに送信される、変換後文書、変換後履歴情報、および位置特定情報の組み合わせなどが挙げられる。
【0035】
(ユーザ端末)
図4は、ユーザ端末30の制御部の機能構成の一例を示す図である。
ユーザ端末30の制御部では、取得部301と、送信制御部302と、表示制御部303とが機能する。
【0036】
取得部301は、各種の情報を取得する。具体的には、取得部301は、操作部により入力が受け付けられた入力情報を取得する。また、取得部301は、管理サーバ10および外部から送信されてきた各種の情報を取得する。取得部301により取得される情報のうち、入力情報としては、例えば、変換前文書を作成するためにユーザにより入力された入力情報、変換前文書のフォーマット形式の変換を指示するためにユーザにより入力された変換指示情報などが挙げられる。
【0037】
送信制御部302は、各種の情報を送信する制御を行う。具体的には、送信制御部302は、管理サーバ10および外部に向けて各種の情報を送信する制御を行う。送信制御部302により送信が制御される情報のうち、管理サーバ10に向けて送信される情報としては、例えば、変換前文書がユーザ端末30にて作成された場合に、フォーマット形式を変換させるために管理サーバ10に向けて送信される、変換前文書および変換指示情報などが挙げられる。
【0038】
表示制御部303は、表示部に各種の情報を表示する制御を行う。具体的には、表示制御部303は、表示部にユーザインターフェースを表示する制御を行う。また、表示制御部303は、ユーザインターフェースに各種の情報を表示する制御を行う。例えば、表示制御部303は、ユーザインターフェースに変換後文書の中身を表示する制御を行う。その際、表示制御部303は、管理サーバ10により特定された、変換前文書の変更箇所に対応する位置に、変換後履歴情報を含むファイルを対応付けて表示する制御を行う。なお、ユーザ端末30に表示された変換後文書を含むファイルの具体例については、
図9および
図12を参照して後述する。
【0039】
また、表示制御部303は、変換後履歴情報が格納された格納領域を示すアイコンを、予め定められた表示領域に表示させる制御を行う。ここで、「予め定められた表示領域」とは、例えば、変換後文書を構成するページの一覧が表示された欄などである。これにより、例えば、変換後文書に直接的な関係を有しない変更の履歴(例えば、ページの削除など)にかかる変換後履歴情報をまとめて管理でき、ユーザの状況に応じて一括削除することも可能となる。また、この場合、表示制御部303は、変換後文書における、変換前文書の変更箇所に対応する位置に、変換後履歴情報が格納領域に格納されていることを示すアイコン(例えば、ピンを模したアイコンなど)を表示させてもよい。これにより、変換後履歴情報が対応する位置を一見して把握することが可能となる。
【0040】
<処理の流れ>
(管理サーバの処理の流れ)
図5は、管理サーバ10の処理のうち、変換前文書および変換前履歴情報のフォーマット形式を変換する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
管理サーバ10は、ユーザにより作成された変換前文書をデータベースに格納して管理する(ステップ501)。なお、生成された変換前文書には、変換前履歴情報が保持されている。
【0041】
管理サーバ10は、ユーザ端末30から変換指示情報が送信されてくると(ステップ502でYES)、その変換指示情報を取得する(ステップ503)。そして、管理サーバ10は、取得した変換指示情報に基づいて、変換前文書のフォーマット形式を変換する(ステップ504)。これに対して、変換指示情報が送信されてきていない場合(ステップ502でNO)、管理サーバ10は、変換指示情報が送信されてくるまでステップ502の処理を繰り返す。
【0042】
次に、管理サーバ10は、変換前文書について、変換前履歴情報が存在する場合には(ステップ505でYES)、変換前履歴情報のフォーマット形式を、変換後文書のフォーマット形式に変換し(ステップ506)、変換後履歴情報をデータベースに格納する(ステップ507)。これに対して、変換前履歴情報が存在しない場合には(ステップ505でNO)、処理を終了させる(END)。
【0043】
図6は、管理サーバ10の処理のうち、変換後履歴情報を含むファイルを変換後文書に添付する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
管理サーバ10は、データベースに格納されている変換後履歴情報のうち、変換後文書に添付されていない変換後履歴情報がある場合には(ステップ601でYES)、変換後文書に添付されていない変換後履歴情報を抽出し(ステップ602)、ステップ603に進む。これに対して、変換後文書に添付されていない変換後履歴情報がない場合(ステップ601でNO)、管理サーバ10は、処理を終了させる(END)。
【0044】
管理サーバ10は、ステップ602で抽出した変換後履歴情報がテキストデータである場合には(ステップ603でYES)、ステップ604に進む。これに対して、ステップ602で抽出した変換前履歴情報がテキストデータではない場合には(ステップ603でNO)、管理サーバ10の処理はステップ609に進む。
【0045】
管理サーバ10は、テキストデータの変更の量が1ページを超える場合には(ステップ604でYES)、ステップ605に進む。これに対して、テキストデータの変更の量が1ページを超えない場合(ステップ604でNO)、管理サーバ10は、変更が生じたページを、変換後履歴情報を添付するページとして特定し(ステップ606)、特定したページに変換後履歴情報を添付する(ステップ612)。そして、管理サーバ10の処理はステップ601に戻る。
【0046】
管理サーバ10は、変換後履歴情報の内容がテキストデータの削除である場合には(ステップ605でYES)、変更が生じたページの直前のページを、変換後履歴情報を添付するページとして特定し(ステップ607)、特定したページに変換後履歴情報を添付する(ステップ612)。そして、管理サーバ10の処理はステップ601に戻る。これに対して、変換後履歴情報の内容がテキストデータの削除の削除ではなく、テキストデータの追加である場合(ステップ605でNO)、管理サーバ10は、変換後履歴情報を添付することなく(ステップ608)、ステップ601の処理に戻る。
【0047】
管理サーバ10は、変換後履歴情報が画像のデータである場合には(ステップ609でYES)、変更後の画像の近傍を、変換後履歴情報を添付する位置として特定し(ステップ610)、特定した位置に変換後履歴情報を添付する(ステップ612)。そして、管理サーバ10の処理はステップ601に戻る。これに対して、変換後履歴情報が画像のデータではなく、表のデータである場合には(ステップ609でNO)、変更後の表の近傍を、変換後履歴情報を添付する位置として特定し(ステップ611)、特定した位置に変換後履歴情報を添付する(ステップ612)。そして、管理サーバ10の処理はステップ601に戻る。
【0048】
(ユーザ端末の処理の流れ)
図7は、ユーザ端末30の処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、
図7の例において、変換前文書はクラウドサービス上で作成されるものとする。
ユーザ端末30は、変換前文書を作成するための情報が入力されると(ステップ701でYES)、その入力情報を受け付けて(ステップ702)、管理サーバ10に向けて入力情報を送信する(ステップ703)。これにより、管理サーバ10により提供されるクラウドサービス上に変換前文書が生成される。これに対して、変換前文書を作成するための情報が入力されていない場合(ステップ701でNO)、ユーザ端末30は、変換前文書を作成するための情報が入力されるまでステップ701の処理を繰り返す。なお、生成された変換前文書には変換前履歴情報が保持されている。
【0049】
ユーザ端末30は、変換指示情報が入力されると(ステップ704でYES)、その変換指示情報を受け付けて(ステップ705)、管理サーバ10に向けて変換指示情報を送信する(ステップ706)。これに対して、変換指示情報が入力されていない場合(ステップ704でNO)、ユーザ端末30は、変換指示情報が入力されるまでステップ704の処理を繰り返す。
【0050】
ユーザ端末30は、表示部にユーザインターフェースを表示させるための情報が入力されると(ステップ707でYES)、その入力情報を受け付けて(ステップ708)、表示部にユーザインターフェースを表示する(ステップ709)。これに対して、ユーザインターフェースを表示させるための情報が入力されていない場合(ステップ707でNO)、ユーザ端末30は、表示部にユーザインターフェースを表示させるための情報が入力されるまでステップ707の処理を繰り返す。
【0051】
ユーザ端末30は、ユーザインターフェースに変換後文書を表示させるための情報が入力されると(ステップ710でYES)、その入力情報を受け付ける(ステップ711)。そして、ユーザ端末30は、ユーザインターフェースに、変換後履歴情報が添付された変換後文書を表示する(ステップ712)。ユーザ端末30は、変換後文書を表示する際、変換前文書の変更箇所に対応する位置に、変換後履歴情報を対応付けて表示する。これに対して、変換後文書を表示させるための情報が入力されていない場合(ステップ710でNO)、ユーザ端末30は、変換後文書を表示させるための情報が入力されるまでステップ710の処理を繰り返す。
【0052】
<具体例>
図8は、内容に変更が加えられる前の文書の具体例を示す図である。
図9は、
図8の文書に変更を加えた変換前文書のフォーマット形式を変換した後の変換後文書の具体例を示す図である。なお、
図8および
図9の例において、変換前文書のフォーマット形式はDocuWorks(登録商標)形式であり、変換後文書のフォーマット形式はPDF形式であるものとする。
ユーザが、
図8の文書の内容に変更を加えると、その文書に変換前履歴情報が保持される。その後、ユーザが、変換前履歴情報が保持された変換前文書のフォーマット形式を変換する操作を行うと、変換前履歴情報のフォーマット形式が変換後文書のフォーマット形式に変換され、変換後履歴情報を含むファイルが生成される。そして、変換後履歴情報を含むファイルを表示可能な変換後文書が生成される。
【0053】
図9には、変換後履歴情報を含むファイル(以下、「変更履歴ファイル」と呼ぶ。)801乃至803が表示された変換後文書の具体例が示されている。
図9に示すように、変更履歴ファイル801乃至803は、変換後文書における、変換前文書の変更箇所に対応する位置に表示されている。
【0054】
具体的には、変換後文書の1ページ目に変更履歴ファイル801が表示され、3ページ目に変更履歴ファイル802が表示され、4ページ目に変更履歴ファイル803が表示されている。変更履歴ファイル801乃至803は、いずれも「ChangeText.pdf」と表記されたPDF形式のファイルである。この表記は、変更履歴ファイル801乃至803が、いずれもテキストデータにかかる変換後履歴情報を含むファイルであることを示す表記である。
【0055】
図10は、変換後履歴情報の具体例を示す図である。
ユーザの操作により、上述の
図9の変更履歴ファイル801乃至803の各々が開かれると、
図10に示すように、変更履歴ファイル801乃至803の各々に含まれる変換後履歴情報の内容が表示される。例えば、変換後文書の1ページ目に表示された変更履歴ファイル801が開かれると、
図10に示すように、「AA」というテキストデータが「CC」というテキストデータに変更されたことを示す情報と、「100」というテキストデータが「200」というテキストデータに変更されたことを示す情報とがハイライト表示される。
【0056】
また、変換後文書の3ページ目に表示された変更履歴ファイル802が開かれると、
図10に示すように、「(約定解除)」の条文が削除されたことを示す情報がハイライト表示される。また、変換後文書の4ページ目に表示された変更履歴ファイル803が開かれると、
図10に示すように、「(合意管轄)」の条文の上に「(約定解除)」の条文が追加されたことを示す情報がハイライト表示される。
【0057】
図11は、内容に変更が加えられる前の文書の他の具体例を示す図である。
図12は、
図11の文書に変更を加えた変換前文書のフォーマット形式を変換した後の変換後文書の具体例を示す図である。なお、
図11および
図12の例において、変換前文書のフォーマット形式はDocuWorks(登録商標)形式であり、変換後文書のフォーマット形式はPDF形式であるものとする。
ユーザが、
図11の文書の内容に変更を加えると、その文書に変換前履歴情報が保持される。その後、ユーザが、変換前履歴情報が保持された変換前文書のフォーマット形式を変換する操作を行うと、上述の
図8の例と同様に、変換前履歴情報のフォーマット形式が変換後文書のフォーマット形式に変換され、変換後履歴情報を含むファイルが生成される。そして、変換後履歴情報を含むファイルを表示可能な変換後文書が生成される。
【0058】
図12には、変更履歴ファイル901乃至903が表示された変換後文書の具体例が示されている。
図12に示すように、変更履歴ファイル901乃至903は、変換後文書における、変換前文書の変更箇所に対応する位置に表示されている。
【0059】
具体的には、変換後文書の1ページ目に変更履歴ファイル901が表示され、3ページ目に変更履歴ファイル902および903が表示されている。このうち、変更履歴ファイル901は、「ChangeImage.pdf」と表記されたPDF形式のファイルである。この表記は、変更履歴ファイル901が、画像のデータにかかる変換後履歴情報を含むファイルであることを示す表記である。
【0060】
また、変更履歴ファイル902は、「ChangeText.pdf」と表記されたPDF形式のファイルである。この表記は、変更履歴ファイル902がテキストデータにかかる変換後履歴情報を含むファイルであることを示す表記である。また、変更履歴ファイル903は、「ChangeGraph.pdf」と表記されたPDF形式のファイルである。この表記は、変更履歴ファイル903が、表のデータにかかる変換後履歴情報を含むファイルであることを示す表記である。
【0061】
ここで、ユーザの操作により、上述の
図12の変更履歴ファイル901乃至903の各々が開かれると、上述の
図10の例と同様に、変更履歴ファイル901乃至903の各々に含まれる変換後履歴情報の内容が表示される。具体的には、例えば、変換後文書の1ページ目に表示された変更履歴ファイル901が開かれると、図示はしないが、「画像A」という画像のデータが「画像B」という画像のデータに変更されたことを示す情報がハイライト表示される。
【0062】
また、変換後文書の3ページ目に表示された変更履歴ファイル902が開かれると、図示はしないが、「機能4」および「機能5」の項目が削除されたことを示す情報がハイライト表示される。また、変更履歴ファイル903が開かれると、図示はしないが、「表B」という表のデータが「表C」という表のデータに変更されたことを示す情報がハイライト表示される。
【0063】
<他の実施の形態>
以上、本実施の形態について説明したが、本発明は上述した実施の形態に限るものではない。また、本発明による効果も、上述した実施の形態に記載されたものに限定されない。例えば、
図1に示す情報処理システム1の構成、および
図2に示す管理サーバ10のハードウェア構成は、いずれも本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。また、
図3に示す管理サーバ10の機能構成、および
図4に示すユーザ端末30の機能構成も例示に過ぎず、特に限定されない。上述した処理を全体として実行できる機能が
図1の情報処理システム1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能構成を用いるかは
図3および
図4の例に限定されない。
【0064】
また、
図5および
図6に示す管理サーバ10の処理のステップ、および
図7に示すユーザ端末30の処理のステップの順序も例示に過ぎず、特に限定されない。図示されたステップの順序に沿って時系列的に行われる処理だけではなく、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別的に行われてもよい。また、
図8乃至
図12に示す具体例も一例に過ぎず、特に限定されない。
【0065】
例えば、上述の実施の形態において、変換前文書や変換前履歴情報を変換する処理は、管理サーバ10により行われる構成となっているが、これに限定されない。例えば、変換前文書や変換前履歴情報を変換する処理をユーザ端末30側で行えるようにしてもよい。これにより、文書作成から文書のフォーマット形式の変換までの一連の処理をユーザ端末30側で行える。その結果、例えば、オフライン環境でも、本実施の形態にかかるこれらの処理をユーザ端末30に行わせることも可能となる。
【0066】
(付記)
(((1)))
1または複数のプロセッサを備え、
前記1または複数のプロセッサは、
フォーマット形式が変換される前の電子文書の変更の履歴に関する履歴情報を、フォーマット形式が変換された後の当該電子文書のフォーマット形式に変換し、
前記フォーマット形式が変換された後の電子文書における、前記変更が生じた箇所に対応する位置に、フォーマット形式が変換された前記履歴情報を対応付けて表示させる制御を行うことを特徴とする、
情報処理システム。
(((2)))
前記1または複数のプロセッサは、前記変更が生じた箇所に対応する位置として、前記変更が生じたページに対応するページに、前記履歴情報を表示させる制御を行うことを特徴とする、
(((1)))に記載の情報処理システム。
(((3)))
前記1または複数のプロセッサは、前記変更が複数のページに跨る場合、予め定められたページに前記履歴情報を表示させる制御を行うことを特徴とする、
(((2)))に記載の情報処理システム。
(((4)))
前記1または複数のプロセッサは、前記フォーマット形式が変換された後の電子文書に、前記変更が生じたページに対応するページが存在しない場合、当該変更が生じたページの直前または直後のページに対応するページに、前記履歴情報を表示させる制御を行うことを特徴とする、
(((3)))に記載の情報処理システム。
(((5)))
前記履歴情報には、前記変更を行ったユーザに関する情報と、当該変更の日時を示す情報とのうち少なくとも一方の情報が含まれることを特徴とする、
(((1)))乃至(((4)))のうちいずれかに記載の情報処理システム。
(((6)))
前記1または複数のプロセッサは、前記変更を行ったユーザに関する情報または前記変更の日時を示す情報に基づいて、前記履歴情報を含むファイルのファイル名を生成することを特徴とする、
(((5)))に記載の情報処理システム。
(((7)))
前記1または複数のプロセッサは、前記変更の態様ごとに前記履歴情報を生成することを特徴とする、
(((1)))乃至(((6)))のうちいずれかに記載の情報処理システム。
(((8)))
前記1または複数のプロセッサは、前記変更の態様に基づいて、前記履歴情報を含むファイルのファイル名を生成することを特徴とする、
(((7)))に記載の情報処理システム。
(((9)))
前記1または複数のプロセッサは、
前記履歴情報が格納された格納領域を示すアイコンを、予め定められた表示領域に表示させる制御を行い、
前記フォーマット形式が変換された後の前記電子文書における、前記変更が生じた箇所に対応する位置に、履歴情報が前記格納領域に格納されていることを示すアイコンを表示させる制御を行うことを特徴とする、
(((1)))乃至(((8)))のうちいずれかに記載の情報処理システム。
(((10)))
前記1または複数のプロセッサは、前記フォーマット形式が変換された後の電子文書に、前記変更が生じたページに対応するページが存在しない場合、前記格納領域に前記履歴情報を格納することを特徴とする、
(((9)))に記載の情報処理システム。
(((11)))
コンピュータに、
フォーマット形式が変換される前の電子文書の変更の履歴に関する履歴情報を、フォーマット形式が変換された後の当該電子文書のフォーマット形式に変換する機能と、
前記フォーマット形式が変換された後の電子文書における、前記変更が生じた箇所に対応する位置に、前記履歴情報を対応付けて表示させる機能と、
を実現させるプログラム。
【0067】
(((1)))の本発明によれば、フォーマット形式が変換される前の電子文書の変更箇所ごとの具体的な変更内容を、フォーマット形式が変換された後の電子文書にて一見して把握できる。
(((2)))の本発明によれば、フォーマット形式が変換される前の電子文書に生じた変更にかかる履歴情報が、変更が生じたページに対応するページに表示される。これにより、フォーマット形式が変換される前の電子文書の変更箇所ごとの具体的な変更内容を、フォーマット形式が変換された後の電子文書にてページごとに把握できる。
(((3)))の本発明によれば、フォーマット形式が変換される前の電子文書に生じた変更が複数のページを跨る場合であっても、変更箇所ごとの具体的な変更内容を、フォーマット形式が変換された後の電子文書にてページごとに把握できる。
(((4)))の本発明によれば、フォーマット形式が変換された後の電子文書に、変更が生じたページに対応するページが存在しない場合、変更が生じたページの直前または直後のページに対応するページに、履歴情報が表示される。これにより、例えば、ページを削除する変更がなされた場合であっても、変更箇所ごとの具体的な変更内容を、フォーマット形式が変換された後の電子文書にてページごとに把握できる。
(((5)))の本発明によれば、履歴情報に、変更を行ったユーザに関する情報が含まれる場合、ユーザは、誰が変更を行ったのかを一見して把握できる。また、履歴情報に、変更の日時が含まれる場合、ユーザは、いつ変更が行われたのかを一見して把握できる。
(((6)))の本発明によれば、履歴情報を含むファイルのファイル名が、変更を行ったユーザに関する情報に基づいて生成されたものである場合、ユーザは、履歴情報を含むファイルを開く前に、誰が変更を行ったのかを一見して把握できる。また、履歴情報を含むファイルのファイル名が、変更の日時を示す情報に基づいて生成されたものである場合、ユーザは、履歴情報を含むファイルを開く前に、いつ変更がなされたのかを一見して把握できる。
(((7)))の本発明によれば、履歴情報が変更の態様ごとに生成される。これにより、ユーザは、変更の態様が同じである変更の内容を効率良く把握できる。
(((8)))の本発明によれば、履歴情報を含むファイルのファイル名が変更の態様に基づき生成される。これにより、ユーザは、履歴情報を含むファイルを開く前に、変更の態様を効率良く把握できる。
(((9)))の本発明によれば、履歴情報が格納された格納領域を示すアイコンが予め定められた表示領域に表示される。これにより、ユーザは、履歴情報を一覧視できる。また、フォーマット形式が変換された後の電子文書における、変更が生じた箇所に対応する位置に、履歴情報が格納領域に格納されていることを示すアイコンが表示される。これにより、ユーザは、変更箇所を一見して把握できる。
(((10)))の本発明によれば、フォーマット形式が変換された後の電子文書に、変更が生じたページに対応するページが存在しない場合、履歴情報が格納領域に格納される。これにより、履歴情報の分類が容易化される。
(((11)))の本発明によれば、フォーマット形式が変換される前の電子文書の変更箇所ごとの具体的な変更内容を、フォーマット形式が変換された後の電子文書にて一見して把握できる。
【符号の説明】
【0068】
1…情報処理システム、10…管理サーバ、11…制御部、30…ユーザ端末、90…ネットワーク、101…管理部、102…取得部、103…変換部、104…位置特定部、105…送信制御部、301…取得部、302…送信制御部、303…表示制御部