(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013587
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】発泡性エアゾール組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/69 20060101AFI20240125BHJP
A61K 8/02 20060101ALI20240125BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20240125BHJP
A61K 8/44 20060101ALI20240125BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
A61K8/69
A61K8/02
A61K8/81
A61K8/44
A61Q19/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022115782
(22)【出願日】2022-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】391021031
【氏名又は名称】株式会社ダイゾー
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福積 京子
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AC661
4C083AC662
4C083AC711
4C083AC712
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD112
4C083AD131
4C083AD132
4C083BB01
4C083BB05
4C083BB07
4C083BB33
4C083BB34
4C083BB49
4C083BB51
4C083CC02
4C083DD08
4C083EE01
4C083EE07
4C083FF01
(57)【要約】
【課題】吐出して形成される泡に裸火を近づけて着火させたときの燃焼性を抑制することができる、発泡性エアゾール組成物を提供する。
【解決手段】樹脂と界面活性剤と水とを含む原液と、液化ガスとを含み、液化ガスは、ハイドロフルオロオレフィンを含み、原液と液化ガスとに含まれる可燃性成分の合計量は、発泡性エアゾール組成物中、1~30質量%である、発泡性エアゾール組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂と界面活性剤と水とを含む原液と、液化ガスとを含み、
前記液化ガスは、ハイドロフルオロオレフィンを含み、
前記原液と液化ガスとに含まれる可燃性成分の合計量は、発泡性エアゾール組成物中、1~30質量%である、発泡性エアゾール組成物。
【請求項2】
前記樹脂の含有量は、固形分換算で、発泡性エアゾール組成物中、0.1~10質量%である、請求項1記載の発泡性エアゾール組成物。
【請求項3】
前記可燃性成分は、炭素数2~3個の1価アルコールを含む、請求項1または2記載の発泡性エアゾール組成物。
【請求項4】
前記樹脂は、カチオン性樹脂またはアニオン性樹脂のうち、少なくともいずれか一方を含む、請求項2記載の発泡性エアゾール組成物。
【請求項5】
前記界面活性剤は、アニオン性界面活性剤または両性界面活性剤のうち、少なくともいずれか一方を含む、請求項2記載の発泡性エアゾール組成物。
【請求項6】
前記ハイドロフルオロオレフィンは、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロパ-1-エンである、請求項2記載の発泡性エアゾール組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡性エアゾール組成物に関する。より詳細には、本発明は、吐出して形成される泡に裸火を近づけて着火させたときの燃焼性を抑制することができる、発泡性エアゾール組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、泡状に吐出される発泡性エアゾール組成物が開発されている(たとえば、特許文献1)。発泡性エアゾール組成物は、発泡性が優れていることから噴射剤として液化石油ガスが使用されてきた。液化石油ガスは、可燃性液化ガスである。そのため、外部に吐出されて形成された泡は、裸火を近づけると着火する。着火した泡は、燃焼時間が長い場合や、高い火柱を生じる場合、周囲に延焼しやすい。近年、保管や輸送時の安全性を高くするために、燃焼性が小さいエアゾール組成物が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の発明は、発泡物を特定の硬度に調整することにより、手のひらなどの吐出対象物上で発泡物が所定形状(バラの花)に成形することができる。しかしながら、特許文献1に記載の発泡性エアゾール製品は、泡の燃焼性を抑制する点について、改良の余地がある。
【0005】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、吐出して形成される泡に裸火を近づけて着火させたときの燃焼性を抑制することができる、発泡性エアゾール組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する本発明には、以下の構成が主に含まれる。
【0007】
(1)樹脂と界面活性剤と水とを含む原液と、液化ガスとを含み、前記液化ガスは、ハイドロフルオロオレフィンを含み、前記原液と液化ガスとに含まれる可燃性成分の合計量は、発泡性エアゾール組成物中、1~30質量%である、発泡性エアゾール組成物。
【0008】
このような構成によれば、発泡性エアゾール組成物は、吐出して形成される泡に裸火を近づけて着火させたときの燃焼性が抑制される。
【0009】
(2)前記樹脂の含有量は、固形分換算で、発泡性エアゾール組成物中、0.1~10質量%である、(1)記載の発泡性エアゾール組成物。
【0010】
このような構成によれば、発泡性エアゾール組成物は、特定量の樹脂を含んでいることにより、可燃性成分を含んでいるにもかかわらず、泡に裸火を近づけても燃焼性(炎の大きさや燃焼時間)がより抑制される。
【0011】
(3)前記可燃性成分は、炭素数2~3個の1価アルコールを含む、(1)または(2)記載の発泡性エアゾール組成物。
【0012】
このような構成によれば、発泡性エアゾール組成物は、樹脂や有効成分を溶解させやすく、使用できる原料が多くなり、用途が広くなる。
【0013】
(4)前記樹脂は、カチオン性樹脂またはアニオン性樹脂のうち、少なくともいずれか一方を含む、(2)記載の発泡性エアゾール組成物。
【0014】
このような構成によれば、発泡性エアゾール組成物は、燃焼抑制効果がより優れる。
【0015】
(5)前記界面活性剤は、アニオン性界面活性剤または両性界面活性剤のうち、少なくともいずれか一方を含む、(2)記載の発泡性エアゾール組成物。
【0016】
このような構成によれば、発泡性エアゾール組成物は、ハイドロフルオロオレフィンを含んでいるにもかかわらず、発泡性を向上させやすく、燃焼性を抑制する効果がより優れる。
【0017】
(6)前記ハイドロフルオロオレフィンは、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロパ-1-エンである、(2)記載の発泡性エアゾール組成物。
【0018】
このような構成によれば、発泡性エアゾール組成物は、燃焼抑制効果がより優れる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、吐出して形成される泡に裸火を近づけて着火させたときの燃焼性を抑制することができる、発泡性エアゾール組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<発泡性エアゾール組成物>
本発明の一実施形態の発泡性エアゾール組成物(以下、エアゾール組成物ともいう)は、樹脂と界面活性剤と水とを含む原液と、液化ガスとを含む。液化ガスは、ハイドロフルオロオレフィンを含む。原液と液化ガスとに含まれる可燃性成分の含有量は、発泡性エアゾール組成物中、1~30質量%である。以下、それぞれについて説明する。
【0021】
(原液)
原液は、樹脂と界面活性剤と水とを含む。原液は、外部に吐出されると液化ガスの気化により発泡され、泡の液膜を構成し、頭髪や皮膚などの対象物に有効成分の効果を付与する。
【0022】
樹脂は特に限定されない。一例を挙げると、樹脂は、カチオン性樹脂、アニオン性樹脂、両性樹脂、ノニオン性樹脂、エマルジョン樹脂等である。これらの中でも、樹脂はカチオン性樹脂またはアニオン性樹脂のうち、少なくともいずれか一方を含むことが好ましい。これにより、発泡性エアゾール組成物は、燃焼抑制効果がより優れる。
【0023】
より具体的には、カチオン性樹脂は、ポリビニルピロリドン・N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩(ポリクオタニウム-11)、ポリビニルピロリドン・N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジメチル硫酸塩、ポリビニルピロリドン・N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体塩酸塩、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体(ポリクオタニウム-7)、塩化-o-〔2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピル〕ヒドロキシエチルセルロース(ポリクオタニウム-10)、塩化-o-〔2-ヒドロキシ-3-(ラウリルジメチルアンモニオ)プロピル〕ヒドロキシエチルセルロース(ポリクオタニウム-24)、ヒドロキシエチルセルロースジメチルアリルアンモニウムクロライド(ポリクオタニウム-4)等である。
【0024】
アニオン性樹脂は、(アクリレーツ/ジアセトンアクリルアミド)コポリマーAMPなどのアクリル酸アルカノールアミン、アクリル酸・アクリル酸アクリルアミド・アクリル酸エチル共重合体、アクリル酸アルキル・メタクリル酸・シリコン共重合体、アクリル酸オクチルアミド・アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル・クロトン酸共重合体、クロトン酸・酢酸ビニル・ネオデカン酸ビニル共重合体、ポリウレタン等である。
【0025】
両性樹脂は、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート・(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、酢酸ビニル・クロトン酸共重合体、N-メタクリロイルオキシエチルN,N-ジメチルアンモニウム-α-N-メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体、アクリル酸オクチルアミド・アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体等である。
【0026】
ノニオン性樹脂は、ビニルピロリドン-酢酸ビニル共重合体、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリル酸メトキシエチル)コポリマー、(ジメチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリル酸メトキシエチル)コポリマーなどのアクリル酸ヒドロキシエチル-アクリル酸ブチル-アクリル酸メトキシエチル共重合体等である。
【0027】
エマルジョン樹脂は、アクリル酸アルキル共重合体エマルジョン、アクリル酸アルキル-スチレン共重合体エマルジョン等である。
【0028】
なお、水を溶媒にし得る樹脂を用いる場合、原液は、アルコールを含有していても、原液の粘度を調整しやすく、燃焼性を抑制する効果が得られやすい。
【0029】
樹脂の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、樹脂は、エアゾール組成物中、固形分換算で、0.1質量%以上であることが好ましく、0.2質量%以上であることがより好ましい。また、樹脂は、エアゾール組成物中、固形分換算で、10質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることがより好ましい。樹脂の含有量が上記範囲内であることにより、エアゾール組成物は、可燃性成分を含んでいるにもかかわらず、泡に裸火を近づけても燃焼性(炎の大きさや燃焼時間)がより抑制される。
【0030】
界面活性剤は、エアゾール組成物の起泡性、泡の硬度、保持性などを調整する等の目的で好適に配合される。
【0031】
界面活性剤は特に限定されない。一例を挙げると、界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等である。なお、これらの界面活性剤は、本実施形態における可燃性成分には含まれない。これらの中でも、界面活性剤は、アニオン性界面活性剤または両性界面活性剤のうち、少なくともいずれか一方を含むことが好ましい。これにより、発泡性エアゾール組成物は、ハイドロフルオロオレフィンを含んでいるにもかかわらず、発泡性を向上させやすく、燃焼性を抑制する効果がより優れる。
【0032】
非イオン性界面活性剤は、コカミドDEA、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル等である。
【0033】
アニオン性界面活性剤は、N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸トリエタノールアミン、N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸カリウム(ココイルグルタミン酸カリウム)、N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸ナトリウム、N-ラウロイル-L-グルタミン酸トリエタノールアミン、N-ラウロイル-L-グルタミン酸カリウム、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ナトリウム、N-ミリストイル-L-グルタミン酸カリウム、N-ミリストイル-L-グルタミン酸ナトリウムおよびN-ステアロイル-L-グルタミン酸ナトリウムなどのN-アシルグルタミン酸塩、N-ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウムおよびN-ヤシ油脂肪酸アシルグリシンナトリウムなどのN-アシルグリシン塩;N-ヤシ油脂肪酸アシル-DL-アラニントリエタノールアミンなどのN-アシルアラニン塩等のアミノ酸石鹸、脂肪酸石鹸、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等である。
【0034】
カチオン性界面活性剤は、アルキルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルアミン等である。
【0035】
両性界面活性剤は、ラウロアンホ酢酸ナトリウムなどのイミダゾリン、ココアンホ酢酸ナトリウムなどのアミドベタイン、アルキルベタイン、アミドアミンオキシド、アミドスルホベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン、カルボベタイン等である。
【0036】
界面活性剤の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、界面活性剤の含有量は、エアゾール組成物中、0.1質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上であることがより好ましい。また、界面活性剤の含有量は、エアゾール組成物中、10質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることがより好ましい。界面活性剤の含有量が上記範囲内であることにより、界面活性剤を配合することによる効果が得られやすい。
【0037】
・水
水は、樹脂や界面活性剤、有効成分などの溶媒として用いられる。水が含まれることにより、エアゾール組成物は、泡の燃焼性を低くすることができる。
【0038】
水は特に限定されない。一例を挙げると、水は、精製水、イオン交換水、生理食塩水、海洋深層水等である。
【0039】
水の含有量は、特に限定されない。一例を挙げると、水は、エアゾール組成物中、40質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。また、水は、エアゾール組成物中、90質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることがより好ましい。水の含有量が上記範囲内であることにより、エアゾール組成物は、泡の燃焼性を低くすることができる。
【0040】
・可燃性成分
可燃性成分は特に限定されない。一例を挙げると、可燃性成分は、炭素数2~3個の1価アルコール、油剤等である。これらの中でも、可燃性成分は、炭素数2~3個の1価アルコールを含むことが好ましい。これにより、エアゾール組成物は、樹脂や有効成分を溶解させやすく、使用できる原料が多くなり、用途が広くなる。
【0041】
1価アルコールは、水に溶解しない有効成分を溶解するための溶媒として好適に配合される。
【0042】
1価アルコールは特に限定されない。一例を挙げると、1価アルコールは、エタノール、イソプロパノール等である。
【0043】
1価アルコールが配合される場合、1価アルコールの含有量は特に限定されない。一例を挙げると、1価アルコールの含有量は、エアゾール組成物中、0.1質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましい。また、1価アルコールの含有量は、エアゾール組成物中、30質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがより好ましい。1価アルコールの含有量が上記範囲内であることにより、エアゾール組成物は、燃焼性抑制効果が得られつつ、有効成分を配合しやすい。
【0044】
油剤は、エアゾール組成物の発泡性や泡の硬度を調整する、油性の汚れを除去する等の目的で好適に配合される。
【0045】
油剤は特に限定されない。一例を挙げると、油剤は、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン、コハク酸ジエトキシエチル、ジネオペンタン酸メチルペンタンジオール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール等のエステル油、流動パラフィン、ケロシン、スクワレン、スクワラン、イソパラフィン等の炭化水素油、アボカド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、ホホバ油、麦芽油、ヤシ油、パーム油等の油脂、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルポリシクロシロキサン等のシリコーンオイル等である。
【0046】
油剤の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、油剤の含有量は、エアゾール組成物中、0.1質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上であることがより好ましい。また、油剤の含有量は、エアゾール組成物中、10質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることがより好ましい。油剤の含有量が上記範囲内であることにより、油剤を配合することによる効果が得られやすい。
【0047】
可燃性成分全体の説明に戻り、可燃性成分の含有量(原液と液化ガスとに含まれる可燃性成分の合計量)は、エアゾール組成物中、1質量%以上であればよく、2質量%以上であることが好ましい。また、可燃性成分の含有量は、エアゾール組成物中、30質量%以下であればよく、25質量%以下であることが好ましい。可燃性成分の含有量が1質量%未満である場合、エアゾール組成物は、樹脂を安定に配合しにくくなる。一方、可燃性成分が30質量%を超える場合、エアゾール組成物は、吐出して形成される泡に裸火を近づけて着火すると、燃え続けたり、火炎の高さが大きくなる。
【0048】
・任意成分
原液は、上記した樹脂、界面活性剤、水および可燃性成分のほか、各種有効成分、高級アルコール、水溶性高分子、多価アルコール、高揮発性溶剤、パウダー等の任意成分が含まれてもよい。
【0049】
有効成分は、エアゾール組成物の用途や目的などに応じて適宜選択することができる。一例を挙げると、有効成分は、天然香料、合成香料などの各種香料、l-メントール、カンフル、ハッカ油などの清涼剤、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、パントテン酸カルシウム、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸ナトリウム、dl-α-トコフェロール、酢酸トコフェロール、トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール、ジベンゾイルチアミン、リボフラビンおよびこれらの混合物などのビタミン類、アスコルビン酸、α-トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソールなどの酸化防止剤、グリシン、アラニン、ロイシン、セリン、トリプトファン、システイン、メチオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニンなどのアミノ酸、コラーゲン、ヒアルロン酸、カロニン酸、乳酸ナトリウム、dl-ピロリドンカルボン酸塩、ケラチン、カゼイン、レシチン、尿素などの保湿剤、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノールなどの防腐剤、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化クロルヘキシジン、パラクロルメタクレゾールなどの殺菌消毒剤、ローヤルゼリーエキス、シャクヤクエキス、ヘチマエキス、バラエキス、レモンエキス、アロエエキス、ショウブ根エキス、ユーカリエキス、セージエキス、茶エキス、海藻エキス、プラセンタエキス、シルク抽出液などの抽出液、酸化亜鉛、アラントインヒドロキシアルミニウム、タンニン酸、クエン酸、乳酸などの収斂剤、アラントイン、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸ジカリウム、アズレンなどの抗炎症剤、ラウリル酸メタクリレート、安息香酸メチル、フェニル酢酸メチル、ゲラニルクロトレート、ミリスチン酸アセトフェノン、酢酸ベンジル、プロピオン酸ベンジル、緑茶エキスなどの消臭剤、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、エチルヘキシルトリアゾン、オキシベンゾン、ヒドロキシベンゾフェノンスルホン酸、ジヒドロキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシベンゾフェノンなどの紫外線吸収剤、酸化亜鉛、酸化チタン、オクチルトリメトキシシラン被覆酸化チタンなどの紫外線散乱剤、アルブチン、コウジ酸などの美白剤、クロロヒドロキシアルミニウム、イソプロピルメチルフェノールなどの制汗剤、サリチル酸メチル、インドメタシン、フェルビナク、ケトプロフェンなどの消炎鎮痛剤等である。
【0050】
有効成分が配合される場合、有効成分の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、有効成分の含有量は、エアゾール組成物中、0.01質量%以上であることが好ましく、0.03質量%以上であることがより好ましい。また、有効成分の含有量は、エアゾール組成物中、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。有効成分の含有量が上記範囲内であることにより、有効成分を配合することによる効果が得られやすい。
【0051】
高級アルコールは特に限定されない。一例を挙げると、高級アルコールは、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、ラノリンアルコール、ヘキシルドデカノール、セトステアリルアルコール、オクチルドデカノール等である。
【0052】
高級アルコールが配合される場合、高級アルコールの含有量は特に限定されない。一例を挙げると、高級アルコールの含有量は、エアゾール組成物中、0.1質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上であることがより好ましい。また、高級アルコールの含有量は、エアゾール組成物中、10質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることがより好ましい。高級アルコールの含有量が上記範囲内であることにより、泡の硬度を調整しやすく、燃焼性抑制効果が得られやすい。
【0053】
水溶性高分子は特に限定されない。一例を挙げると、水溶性高分子は、(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー、セルロースナノファイバー、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース系高分子、キサンタンガム、カラギーナン、アラビアゴム、トラガントゴム、カチオン化グアガム、グアガム、ジェランガムなどのガム質、ポリウレタン、デキストラン、カルボキシメチルデキストランナトリウム、デキストリン、ペクチン、アルギン酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー等である。
【0054】
水溶性高分子が配合される場合、水溶性高分子の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、水溶性高分子の含有量は、エアゾール組成物中、0.01質量%以上であることが好ましく、0.05質量%以上であることがより好ましい。また、水溶性高分子の含有量は、エアゾール組成物中、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましい。水溶性高分子の含有量が上記範囲内であることにより、泡の硬度を調整しやすく、燃焼性抑制効果が得られやすい。
【0055】
多価アルコールは、エアゾール組成物の発泡性や乾燥性を調整するなどの目的で好適に配合される。
【0056】
多価アルコールは特に限定されない。一例を挙げると、多価アルコールは、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ペチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン等である。
【0057】
多価アルコールが配合される場合、多価アルコールの含有量は特に限定されない。一例を挙げると、多価アルコールの含有量は、エアゾール組成物中、0.1質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましい。また、多価アルコールの含有量は、エアゾール組成物中、10質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることがより好ましい。多価アルコールの含有量が上記範囲内であることにより、エアゾール組成物は、発泡性や乾燥性を調整しやすい。
【0058】
高揮発性溶剤は、エアゾール組成物の発泡性を調整する等の目的で好適に用いられる。
【0059】
高揮発性溶剤は特に限定されない。一例を挙げると、高揮発性溶剤は、トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HFO-1233zd(E)、沸点19℃)、シス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HFO-1233zd(Z)、沸点39℃)、シス-1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロオレフィン(HFO-1224yd(Z)、沸点15℃)等、沸点が10~40℃であるハイドロフルオロオレフィン等である。これらの高揮発性溶剤は不燃性溶剤であり、本実施形態における可燃性成分に含まれない。
【0060】
高揮発性溶剤が配合される場合、高揮発性溶剤の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、高揮発性溶剤の含有量は、エアゾール組成物中、0.1質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましい。また、高揮発性溶剤の含有量は、エアゾール組成物中、10質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることがより好ましい。高揮発性溶剤の含有量が上記範囲内であることにより、エアゾール組成物は、発泡性を調整しやすい。
【0061】
パウダーは、使用感を向上させる等の目的で好適に用いられる。
【0062】
パウダーは特に限定されない。一例を挙げると、パウダーは、タルク、シリカ、ゼオライト、カオリン、雲母、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸亜鉛、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム等である。
【0063】
パウダーが配合される場合、パウダーの含有量は特に限定されない。一例を挙げると、パウダーの含有量は、エアゾール組成物中、0.1質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上であることがより好ましい。また、パウダーの含有量は、エアゾール組成物中、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましい。パウダーの含有量が上記範囲内であることにより、パウダーを配合することによる効果が得られやすい。
【0064】
原液の調製方法は特に限定されない。原液は、従来公知の方法により調製することができる。たとえば、原液は、樹脂と、界面活性剤、有効成分、アルコールなどの任意成分とを、水や温水に添加することにより調製し得る。
【0065】
本実施形態の原液は、20℃における粘度が7mPa・s以上であることが好ましく、8mPa・s以上であることがより好ましい。原液の粘度を前述の範囲に調整することにより、原液は、得られる泡の膜の強度を強くして、燃焼性を抑制する効果が得られやすい。なお、原液の粘度は、20℃にて、B型回転粘度計により測定し得る。
【0066】
原液の含有量は、エアゾール組成物中70質量%以上であることが好ましく、75質量%以上であることがより好ましい。また、原液の含有量は、エアゾール組成物中、97質量%以下であることが好ましく、95質量%以下であることがより好ましい。原液の含有量が上記範囲内であることにより、エアゾール組成物は、泡質が優れ、所定の硬度の泡を形成しやすく、燃焼性抑制効果が得られやすい。
【0067】
(液化ガス)
液化ガスは、エアゾール容器内では液化しており、外部に吐出されると気化して容積が増大し、原液を発泡させて泡を形成する。液化ガスは、ハイドロフルオロオレフィンを含む。
【0068】
ハイドロフルオロオレフィンは特に限定されない。一例を挙げると、泡に裸火を近づけても燃焼性(炎の大きさや燃焼時間)がより抑制される点から、ハイドロフルオロオレフィンは、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロパ-1-エン(HFO-1234ze、沸点-19℃)、トランス-2,3,3,3-テトラフルオロプロパ-1-エン(HFO-1234yf、沸点-29℃)などの沸点が5℃未満のハイドロフルオロオレフィン等であることが好ましく、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロパ-1-エンであることがより好ましい。ハイドロフルオロオレフィンとしてトランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロパ-1-エンが含まれることにより、エアゾール組成物は、燃焼抑制効果がより優れる。
【0069】
液化ガスの含有量は、エアゾール組成物中3質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましい。また、液化ガスの含有量は、エアゾール組成物中30質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがより好ましい。液化ガスの含有量が上記範囲内であることにより、エアゾール組成物は、泡質が優れ、所定の硬度の泡を形成しやすく、燃焼性抑制効果が得られやすい。
【0070】
なお、液化ガスは、泡質や泡の硬度を低下させない範囲で、可燃性液化ガスが含まれてもよい。可燃性液化ガスは特に限定されない。一例を挙げると、可燃性液化ガスは、液化石油ガス、ジメチルエーテルおよびこれらの混合物等である。
【0071】
また、発泡性エアゾール組成物は、圧縮ガスで加圧してもよい。圧縮ガスは特に限定されない。一例を挙げると、圧縮ガスは、窒素、空気、酸素、水素、二酸化炭素、亜酸化窒素等である。
【0072】
圧縮ガスが使用される場合、圧縮ガスは、25℃におけるエアゾール容器内の圧力が0.4MPa以上となるよう充填されることが好ましく、0.45MPa以上となるよう充填されることがより好ましい。また、圧縮ガスは、25℃におけるエアゾール容器内の圧力が0.7MPa以下となるよう充填されることが好ましく、0.65MPa以下となるよう充填されることがより好ましい。圧力が上記範囲内になるよう圧縮ガスが充填されることにより、低温時でも安定に吐出することができる。
【0073】
<発泡性エアゾール製品および燃焼性抑制方法>
本発明の一実施形態の発泡性エアゾール製品(以下、エアゾール製品ともいう)は、上記した発泡性エアゾール組成物を含む。本実施形態のエアゾール製品は、エアゾール組成物を充填することにより、調製することができる。具体的には、容器本体に原液を充填してバルブを固着し、バルブから液化ガスを充填し、原液と液化ガスを混合することによってエアゾール組成物を調製するとともに、エアゾール組成物が充填されたエアゾール製品を調製することができる。
【0074】
容器本体は、エアゾール組成物が充填される容器であり、有底筒状である。容器本体の開口部には、バルブが取り付けられる。
【0075】
容器本体の材質は特に限定されない。一例を挙げると、容器本体の材質は、アルミニウム、ブリキ等の金属、各種合成樹脂、耐圧ガラス等である。
【0076】
バルブは、容器本体の開口部を閉止して密封するための部材である。また、バルブは、容器本体の開口部に装着されるマウンティングカップに保持されるハウジングと、容器本体の内外を連通するステム孔が形成されたステムと、ステム孔の周囲に取り付けられ、ステム孔を閉止するためのステムラバーとを主に備える。ハウジングは、ステムと、ステムラバーと、ステムを上方に付勢するスプリングとを収容する。ステムの上端には、エアゾール組成物を噴霧するための噴射部材が取り付けられる。
【0077】
噴射部材は、バルブの開閉を操作してエアゾール組成物を噴射するための部材であり、ステムの上端に取り付けられる。噴射部材は、噴射孔が形成されたノズル部と、使用者が指等により操作する操作部とを主に備える。噴射孔からは、エアゾール組成物が噴射される。噴射孔の数および形状は特に限定されない。噴射孔は、複数であってもよい。また、噴射孔の形状は、略円形状、略角形状等であってもよい。
【0078】
本実施形態のエアゾール製品は、噴射部材が押し下げられると、バルブのステムが下方に押し下げられる。これにより、ステムラバーが下方に撓み、ステム孔が開放される。その結果、容器本体内と外部とが連通する。容器本体内と外部とが連通すると、容器本体内の圧力と外部との圧力差によって、エアゾール組成物がハウジング内に取り込まれ、次いで、ステム孔、ステム内通路を通過し、噴射部材に送られ、その後、噴射孔から噴射される。吐出されたエアゾール組成物は、対象面(たとえば腕など)において発泡し、フォームを形成する。
【0079】
また、本実施形態のエアゾール製品を用いることにより、吐出物の燃焼性が抑制される。すなわち、本発明の一実施形態の燃焼性抑制方法は、吐出物の燃焼性を抑制するための、燃焼性抑制方法である。燃焼性抑制方法は、エアゾール組成物を外部に吐出して吐出物を形成する。エアゾール組成物は、樹脂と界面活性剤と水と可燃性成分とを含む原液と、液化ガスとからなる。可燃性成分の含有量は、エアゾール組成物中、1~30質量%である。このような燃焼性抑制方法によれば、上記実施形態のエアゾール組成物以外の従来のエアゾール組成物を用いた場合と比較して、泡は、裸火を近づけて着火しても、泡内部から可燃性成分の気化ガスの拡散が抑制され、燃焼性(燃焼時間や火柱の高さ)が抑制される。
【実施例0080】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。本発明は、これら実施例に何ら限定されない。
【0081】
(実施例1)
以下の表1に示される処方に従って原液Aを調製し、アルミニウム製容器本体に80g(80質量%)充填した。容器本体の開口部にバルブを固着し、バルブからトランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロパ-1-エンを20g(20質量%)充填し、エアゾール容器内で原液Aとトランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロパ-1-エンを混合し、発泡性エアゾール組成物を調製した。
【0082】
【0083】
(実施例2~7、比較例1~3)
原液の処方を表1に記載の処方に変更し、原液B~Jを調製した。得られたそれぞれの原液B~Jを用いて、実施例1と同様の方法により、実施例2~7、比較例1~3のエアゾール組成物をそれぞれ調製した。
【0084】
(実施例8)
原液Aを調製し、アルミニウム製容器本体に85g(85質量%)充填した。容器本体の開口部にバルブを固着し、バルブからトランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロパ-1-エンを15g(15質量%)充填し、エアゾール容器内で原液Aとトランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロパ-1-エンを混合し、発泡性エアゾール組成物を調製した。
【0085】
実施例1~8、比較例1~3で得られたエアゾール組成物について、以下の評価方法により、原液粘度、発泡性、泡の燃焼性(火炎の高さおよび燃焼時間)を評価した。結果を表2に示す。
【0086】
<原液粘度>
原液を20℃に調整して、B型粘度計(回転数60rpm)を用いて測定した。
【0087】
<泡の発泡性>
エアゾール製品を20℃の恒温水槽に1時間浸漬してエアゾール組成物を20℃に調整し、時計皿に5g吐出して泡を形成し、以下の評価基準に従って評価した。
(評価基準)
○:泡は、充分に発泡し、10分経過しても泡を形成していた。
△:泡は、充分に発泡したが、5分程で消泡した。
×:泡は、吐出直後から消泡し始め、1分程で消泡した。
【0088】
<泡の燃焼試験>
エアゾール製品を20℃の恒温水槽に1時間浸漬してエアゾール組成物を20℃に調整し、時計皿に5g吐出して泡を形成した。泡に裸火を近づけ、泡に引火したときの炎の高さと燃焼時間を測定し、以下の評価基準に従って評価した。
(評価基準)
◎:泡は、着火しなかった。
○:泡は、着火したが、2秒以内に消えた。
△:泡は、着火し、火炎の高さが4cm未満であり、燃焼時間が3~6秒であった。
×:泡は、着火し、火炎の高さが4cm以上で、燃焼時間が7秒以上であった。
【0089】
【0090】
表2に示されるように、可燃成分の含有量が16質量%であり、カチオン性樹脂を含んだ実施例1と、アニオン性樹脂を含んだ実施例4と、ノニオン性樹脂を含んだ実施例7と、樹脂を含んでいない比較例1を比較すると、実施例1と実施例4は火炎の高さが2cmで2秒以内に炎が消え、実施例7は火炎の高さが2cmで3秒後に炎が消えたのに対し、比較例1は火炎の高さが10cmで11秒後に炎が消えた。原液Aで実施例1よりハイドロフルオロオレフィンを減らし、可燃成分の含有量が多い実施例8も実施例1と同様に火炎の高さが2cmで2秒以内に炎が消えた。可燃成分の含有量が12質量%であり、アニオン性樹脂を含んだ実施例5と、実施例5の樹脂量を半分にした実施例6と、樹脂を含んでいない比較例2を比較すると、実施例5は火炎の高さが2cmで2秒以内に炎が消え、実施例6は火炎の高さが5cmで2秒以内に炎が消えたのに対し、比較例2は火炎の高さが5cmで7秒後に炎が消えた。可燃成分の含有量が8質量%であり、カチオン性樹脂を含んだ実施例2と、アニオン性樹脂を含んだ実施例3と、樹脂を含まずノニオン性界面活性剤を使用した比較例3を比較すると、実施例2は火炎が生じず、実施例3は火炎の高さが2cmで2秒以内に炎が消えたのに対し、比較例3は火炎の高さが10cmで10秒後に炎が消えた。