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特開2024-135877放送配信システム、切替システム、及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135877
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】放送配信システム、切替システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/262 20110101AFI20240927BHJP
   H04H 20/10 20080101ALI20240927BHJP
   H04H 60/82 20080101ALI20240927BHJP
   H04N 21/238 20110101ALI20240927BHJP
【FI】
H04N21/262
H04H20/10
H04H60/82
H04N21/238
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023046773
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】397036309
【氏名又は名称】株式会社インターネットイニシアティブ
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】本間 康文
(72)【発明者】
【氏名】磯谷 将徳
(72)【発明者】
【氏名】福田 一則
(72)【発明者】
【氏名】岡 淳一
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 文崇
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164FA04
5C164MA05S
5C164SB21P
5C164SC23P
(57)【要約】
【課題】配信対象ストリームに対応するエリアに応じて配信対象広告素材を切り替えることができる、放送配信システム、切替システム、及び方法を提供する。
【解決手段】放送配信システム10にて切替部11は、第1エリアに対応する第1放送配信ストリームと第2エリアに対応する第2放送配信ストリームとの間で配信対象ストリームを切り替える。また、切替部11は、配信対象ストリームの切り替えに応じて、配信対象広告素材を切り替える。配信部12は、配信対象ストリームに配信対象広告素材を挿入する「挿入処理」を実行する。配信部12は、挿入処理後の配信対象ストリームを配信する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1エリアに対応する第1放送配信ストリームと第2エリアに対応する第2放送配信ストリームとの間で配信対象ストリームを切り替えると共に、前記第1放送配信ストリームが前記配信対象ストリームであるときに第1広告素材データを配信対象広告素材とし前記第2放送配信ストリームが前記配信対象ストリームであるときに第2広告素材データを前記配信対象広告素材とすることによって、前記配信対象ストリームの切り替えに応じて前記配信対象広告素材を切り替える、切替手段と、
前記配信対象ストリームに前記配信対象広告素材を挿入する挿入処理を実行して、前記挿入処理後の配信対象ストリームを配信する配信手段と、
を具備する放送配信システム。
【請求項2】
前記配信対象ストリームは、前記配信対象ストリームにおいて前記配信対象広告素材を挿入する位置を示す挿入位置情報を含み、
前記配信手段は、前記配信対象ストリームに含まれる前記挿入位置情報が示す位置に、前記配信対象広告素材を挿入する、
請求項1記載の放送配信システム。
【請求項3】
前記第1広告素材データは、複数の属性候補にそれぞれ対応する複数の第1広告素材データユニットを含み、
前記第2広告素材データは、前記複数の属性候補にそれぞれ対応する複数の第2広告素材データユニットを含み、
前記放送配信システムは、ユーザの属性を取得する取得手段をさらに具備し、
前記配信手段は、前記ユーザの属性に応じた、前記第1広告素材データユニット又は前記第2広告素材データユニットを用いて、前記挿入処理を実行する、
請求項1又は2に記載の放送配信システム。
【請求項4】
前記切替手段は、
前記第1放送配信ストリームと前記第2放送配信ストリームとの間で前記配信対象ストリームを切り替える第1切替処理手段と、
前記第1切替処理手段の配信対象ストリームの切り替えに同期して、前記第1広告素材データと前記第2広告素材データとの間で前記配信対象広告素材を切り替える第2切替処理手段と、
を具備する、
請求項1又は2に記載の放送配信システム。
【請求項5】
前記第2切替処理手段は、
同期モードでは、前記第1切替処理手段の配信対象ストリームの切り替えに同期して、前記第1広告素材データと前記第2広告素材データとの間で前記配信対象広告素材を切り替え、
非同期モードでは、前記第1放送配信ストリームが前記配信対象ストリームであるときであっても前記第2広告素材データを配信対象広告素材とする、
請求項4記載の放送配信システム。
【請求項6】
前記第1放送配信ストリーム及び前記第2放送配信ストリームを記憶する記憶手段をさらに具備し、
前記切替手段は、前記配信対象ストリームとして前記第1放送配信ストリーム又は前記第2放送配信ストリームを前記記憶手段から読み出すことによって、前記配信対象ストリームを切り替える、
請求項1又は2に記載の放送配信システム。
【請求項7】
放送配信システムによって実行される放送配信方法であって、
第1エリアに対応する第1放送配信ストリームと第2エリアに対応する第2放送配信ストリームとの間で配信対象ストリームを切り替えると共に、前記第1放送配信ストリームが前記配信対象ストリームであるときに第1広告素材データを配信対象広告素材とし前記第2放送配信ストリームが前記配信対象ストリームであるときに第2広告素材データを前記配信対象広告素材とすることによって、前記配信対象ストリームの切り替えに応じて前記配信対象広告素材を切り替えることと、
前記配信対象ストリームに前記配信対象広告素材を挿入する挿入処理を実行して、前記挿入処理後の配信対象ストリームを配信することと、
を含む放送配信方法。
【請求項8】
配信対象ストリームに配信対象広告素材を挿入する挿入処理を実行して、前記挿入処理後の配信対象ストリームを配信する配信手段への入力を切り替える切替システムであって、
第1エリアに対応する第1放送配信ストリームと第2エリアに対応する第2放送配信ストリームとの間で、前記配信手段に入力する前記配信対象ストリームを切り替える、第1切替処理手段を具備する、
切替システム。
【請求項9】
前記第1切替処理手段の配信対象ストリームの切り替えに同期して、前記第1放送配信ストリームが前記配信対象ストリームであるときに第1広告素材データを前記配信対象広告素材として前記配信手段に入力し、前記第2放送配信ストリームが前記配信対象ストリームであるときに第2広告素材データを前記配信対象広告素材として前記配信手段に入力する、第2切替処理手段を具備する、
請求項8記載の切替システム。
【請求項10】
配信対象ストリームに配信対象広告素材を挿入する挿入処理を実行して、前記挿入処理後の配信対象ストリームを配信する配信手段への入力を切り替える切替システムによって実行される切替方法であって、
第1エリアに対応する第1放送配信ストリームと第2エリアに対応する第2放送配信ストリームとの間で、前記配信手段に入力する前記配信対象ストリームを切り替えることを含む、
切替方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、放送配信システム、切替システム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば関東広域をサービスエリアとするキー局が全国放送を行う場合、キー局は、放送コンテンツを、放送ネットワークを介して系列ローカル局に送出し、該系列ローカル局は、受け取った放送コンテンツを該系列ローカル局のサービスエリアを対象として放送する。また、各テレビ局は、各テレビ局のサービスエリアを対象として、各テレビ局によって作成された放送コンテンツを放送できる。
【0003】
また、テレビで放送されるコンテンツを、通信ネットワークを介して配信する技術(以下、単に「放送配信技術」と呼ぶことがある)が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-50631号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者は、配信対象ストリームに対応するエリアに応じて配信対象広告素材を切り替える放送配信技術に対するニーズがあることを見出した。
【0006】
本開示の目的の1つは、配信対象ストリームに対応するエリアに応じて配信対象広告素材を切り替えることができる、放送配信システム、切替システム、及び方法を提供することにある。なお、この目的は、本明細書に開示される複数の実施形態が達成しようとする複数の目的の1つに過ぎないことに留意されるべきである。その他の目的又は課題と新規な特徴は、本明細書の記述又は添付図面から明らかにされる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの態様では、放送配信システムは、
第1エリアに対応する第1放送配信ストリームと第2エリアに対応する第2放送配信ストリームとの間で配信対象ストリームを切り替えると共に、前記第1放送配信ストリームが前記配信対象ストリームであるときに第1広告素材データを配信対象広告素材とし前記第2放送配信ストリームが前記配信対象ストリームであるときに第2広告素材データを前記配信対象広告素材とすることによって、前記配信対象ストリームの切り替えに応じて前記配信対象広告素材を切り替える、切替手段と、
前記配信対象ストリームに前記配信対象広告素材を挿入する挿入処理を実行して、前記挿入処理後の配信対象ストリームを配信する配信手段と、
を具備する。
【0008】
他の態様では、放送配信システムによって実行される放送配信方法は、
第1エリアに対応する第1放送配信ストリームと第2エリアに対応する第2放送配信ストリームとの間で配信対象ストリームを切り替えると共に、前記第1放送配信ストリームが前記配信対象ストリームであるときに第1広告素材データを配信対象広告素材とし前記第2放送配信ストリームが前記配信対象ストリームであるときに第2広告素材データを前記配信対象広告素材とすることによって、前記配信対象ストリームの切り替えに応じて前記配信対象広告素材を切り替えることと、
前記配信対象ストリームに前記配信対象広告素材を挿入する挿入処理を実行して、前記挿入処理後の配信対象ストリームを配信することと、
を含む。
【0009】
他の態様では、配信対象ストリームに配信対象広告素材を挿入する挿入処理を実行して、前記挿入処理後の配信対象ストリームを配信する配信手段への入力を切り替える切替システムは、
第1エリアに対応する第1放送配信ストリームと第2エリアに対応する第2放送配信ストリームとの間で、前記配信手段に入力する前記配信対象ストリームを切り替える、第1切替処理手段を具備する。
【0010】
他の態様では、配信対象ストリームに配信対象広告素材を挿入する挿入処理を実行して、前記挿入処理後の配信対象ストリームを配信する配信手段への入力を切り替える切替システムによって実行される切替方法は、
第1エリアに対応する第1放送配信ストリームと第2エリアに対応する第2放送配信ストリームとの間で、前記配信手段に入力する前記配信対象ストリームを切り替えることを含む。
【発明の効果】
【0011】
本開示により、配信対象ストリームに対応するエリアに応じて配信対象広告素材を切り替えることができる、放送配信システム、切替システム、及び方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1実施形態における放送配信システムの一例を示す図である。
図2】第2実施形態における放送配信システムの一例を示す図である。
図3】第3実施形態における放送配信システムの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ、実施形態について説明する。なお、実施形態において、同一又は同等の要素には、同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0014】
以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。また、様々な処理を行う機能ブロックとして図面に記載される各要素は、ハードウェア的には、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、その他の回路で構成することができ、ソフトウェア的には、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは当業者には理解されるところであり、いずれかに限定されるものではない。なお、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0015】
また、上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD(Compact Disc)-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0016】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態における放送配信システムの一例を示す図である。図1において放送配信システム10は、切替部11と、配信部12とを有している。
【0017】
配信部12は、配信対象ストリームに配信対象広告素材を挿入する「挿入処理」を実行する。「配信対象ストリーム」は、ユーザの端末に配信する対象の放送データストリームである。「配信対象広告素材」は、ユーザの端末に配信する対象の広告素材データである。例えば、配信対象ストリームは、配信対象ストリームにおいて配信対象広告素材を挿入する位置を示す情報(以下では、「挿入位置情報」と呼ばれることがある)を含んでいてもよい。又は、配信部12は、挿入位置情報を、配信対象ストリームの一部としてではなく、配信対象ストリームとは別に受け取ってもよい。そして、配信部12は、挿入処理において、挿入位置情報が示す配信対象ストリームにおける位置に、配信対象広告素材を挿入する。
【0018】
配信部12は、挿入処理後の配信対象ストリームを配信(ストリーミング配信)する。この挿入処理後の配信対象ストリームは、ユーザの端末に配信される。ユーザの端末は、例えばユーザの自宅に配設されているテレビ受像器(つまり、ネットに繋がるコネクテッド(connected)テレビ)である。ここで、ストリーミング配信とは、端末にコンテンツをダウンロードすることなく、放送のようにリアルタイムに配信することをいう。
【0019】
切替部11は、第1エリアに対応する第1放送配信ストリームと第2エリアに対応する第2放送配信ストリームとの間で配信対象ストリームを切り替える。すなわち、第1放送配信ストリーム及び第2放送配信ストリームのうちの各タイミングで実際に配信される1つが、各タイミングにおける配信対象ストリームである。例えば、第1エリアは、第2エリアよりも広い。例えば、第1エリアは、日本全国に対応するエリアであり、第2エリアは、複数の県を含むブロックに対応するエリア、又は、県に対応するエリアであってもよい。
【0020】
また、切替部11は、配信対象ストリームの切り替えに応じて、配信対象広告素材を切り替える。すなわち、配信対象ストリームの切り替えと配信対象広告素材の切り替えとは、同期する。例えば、切替部11は、第1放送配信ストリームが配信対象ストリームであるときに第1広告素材データを配信対象広告素材とし、第2放送配信ストリームが配信対象ストリームであるときに第2広告素材データを配信対象広告素材とする。すなわち、第1広告素材データ及び第2広告素材データのうちの各タイミングで実際に配信される1つが、各タイミングにおける配信対象広告素材である。例えば、第1広告素材データは、第1エリアに対応する広告素材データであり、第2広告素材データは、第2エリアに対応する広告素材データである。
【0021】
以上のように第1実施形態によれば、放送配信システム10にて切替部11は、第1エリアに対応する第1放送配信ストリームと第2エリアに対応する第2放送配信ストリームとの間で配信対象ストリームを切り替える。また、切替部11は、配信対象ストリームの切り替えに応じて、配信対象広告素材を切り替える。配信部12は、配信対象ストリームに配信対象広告素材を挿入する「挿入処理」を実行する。配信部12は、挿入処理後の配信対象ストリームを配信する。
【0022】
この放送配信システム10の構成により、配信対象ストリームに対応するエリアに応じて配信対象広告素材を切り替えることができる。
【0023】
なお、放送配信システム10は、1つ又は複数の装置によって構成されていてもよい。すなわち、放送配信システム10の切替部11と配信部12との任意の組み合わせは、1つ又は複数の装置に配置されていてもよい。例えば、切替部11は切替システム(不図示)に配置され、配信部12は配信サーバ(不図示)に配置されてもよい。又は、例えば、切替部11と配信部12とは、配信サーバ(不図示)に配置されてもよい。配信サーバ(不図示)は、これに限定されるものではないが、例えばCDN(Content Delivery Network)サーバ(不図示)であってもよい。以下では、配信サーバの一例としてCDNサーバを挙げて説明することがある。
【0024】
<第2実施形態>
第2実施形態は、より具体的な実施形態に関する。図2は、第2実施形態における放送配信システムの一例を示す図である。図2に示す放送システムは、放送配信システム20と、マスタ装置31,41と、エンコーダ(ENC)32,42と、アドサーバ33,43とを有している。アドサーバ33,43は、放送配信システム20の外に配設されてもよいし、放送配信システム20に含まれていてもよい。
【0025】
マスタ装置31は、放送コンテンツをオリジンサーバ24に向けて送出し、マスタ装置41は、放送コンテンツをオリジンサーバ25に向けて送出する。例えば、マスタ装置41は、キー局に対応し、マスタ装置31は、そのキー局の系列局に対応する。すなわち、例えば、マスタ装置41から送出される放送コンテンツは、全国放送向けの放送コンテンツ(つまり、上記の第1エリアに対応する放送コンテンツ)である。また、マスタ31から送出される放送コンテンツは、県に対応するエリアに向けた放送コンテンツ(つまり、上記の第2エリアに対応する放送コンテンツ)だけでなく、複数の県から成るブロックに対応するエリアに向けた放送コンテンツであってもよい。
【0026】
エンコーダ32は、マスタ装置31から送出された放送コンテンツを受け取る。そして、エンコーダ32は、受け取った放送コンテンツに対して、符号化処理を実行する。そして、エンコーダ32は、符号化処理後の放送コンテンツをオリジンサーバ24に向けて送出する。
【0027】
エンコーダ42は、マスタ装置41から送出された放送コンテンツを受け取る。そして、エンコーダ42は、受け取った放送コンテンツに対して、符号化処理を実行する。そして、エンコーダ42は、符号化処理後の放送コンテンツをオリジンサーバ25に向けて送出する。
【0028】
放送配信システム20は、切替システム21と、CDNサーバ22,23と、オリジンサーバ24,25とを有している。切替システム21は、切替処理部(第1切替処理部)21Aと、切替処理部(第2切替処理部)21Bとを有している。切替システム21は、第1実施形態の切替部11に相当し、CDNサーバ22は、第1実施形態の配信部12に相当する。
【0029】
オリジンサーバ24は、エンコーダ32から送出された放送コンテンツを受け取り、受け取った放送コンテンツを保持する。そして、オリジンサーバ24は、例えば、切替処理部21Aからの送出要求(読み出し要求)に応じて、保持している放送コンテンツ(第2放送配信ストリーム)を切替処理部21Aに向けて送出してもよい。オリジンサーバ24は、例えば、系列局に対応する。
【0030】
オリジンサーバ25は、エンコーダ42から送出された放送コンテンツを受け取り、受け取った放送コンテンツを保持する。そして、オリジンサーバ25は、例えば、切替処理部21Aからの送出要求(読み出し要求)に応じて、保持している放送コンテンツ(第1放送配信ストリーム)を切替処理部21Aに向けて送出してもよい。また、オリジンサーバ25は、例えば、CDNサーバ23からの送出要求(読み出し要求)に応じて、保持している放送コンテンツをCDNサーバ23に向けて送出してもよい。オリジンサーバ25は、例えば、キー局に対応する。なお、ここでは、便宜上、オリジンサーバ24及びオリジンサーバ25の2つのサーバを設けているが、本開示は、これに限定されるものではない。オリジンサーバ24及びオリジンサーバ25は1つの装置であってもよい。
【0031】
切替処理部(第1切替処理部)21Aは、CDNサーバ22に入力する放送配信ストリーム(つまり、配信対象ストリーム)を、オリジンサーバ25からの第1放送配信ストリームとオリジンサーバ24からの第2放送配信ストリームとの間で切り替える。例えば、切替処理部21Aは、第1放送配信ストリームを配信対象ストリームとするタイミングではオリジンサーバ25に送出要求を送信し、第2放送配信ストリームを配信対象ストリームとするタイミングではオリジンサーバ24に送出要求を送信してもよい。
【0032】
切替処理部(第2切替処理部)21Bは、CDNサーバ22に入力する広告素材(つまり、配信対象広告素材)を、アドサーバ43からの広告素材データ(第1広告素材データ)とアドサーバ33からの広告素材データ(第2広告素材データ)との間で切り替える。切替処理部21Bは、配信対象ストリームの切り替えと配信対象広告素材の切り替えとを同期させる。例えば、切替処理部21Bは、第1広告素材データを配信対象広告素材とするタイミング(つまり、第1放送配信ストリームを配信対象ストリームとするタイミング)ではアドサーバ43に送出要求を送信してもよい。また、切替処理部21Bは、第2広告素材データを配信対象広告素材とするタイミング(つまり、第2放送配信ストリームを配信対象ストリームとするタイミング)ではアドサーバ33に送出要求を送信してもよい。
【0033】
ここでは、切替システム21がCDNサーバ22の外側に設けられているものとして説明したが、本開示はこれに限定されるものではない。切替システム21は、CDNサーバ22に含まれていてもよい。
【0034】
CDNサーバ22は、第1実施形態の配信部12と同様に、配信対象ストリームに配信対象広告素材を挿入する「挿入処理」を実行する。
【0035】
CDNサーバ23は、オリジンサーバ25からの放送配信ストリームにアドサーバ43からの広告素材データを挿入し、広告素材データが挿入された放送配信ストリームを配信する。
【0036】
以上のように第2実施形態によれば、切替システム21にて切替処理部21Aは、CDNサーバ22に入力する配信対象ストリームを、第1放送配信ストリームと第2放送配信ストリームとの間で切り替える。
【0037】
この切替システム21の構成により、配信対象ストリームの内容をエリアに応じた放送配信ストリームに切り替えることができる。
【0038】
また、切替システム21にて切替処理部21Bは、配信対象ストリームの切り替えに同期して、CDNサーバ22に入力する配信対象広告素材を、第1広告素材データと第2広告素材データとの間で切り替える。
【0039】
この切替システム21の構成により、配信対象ストリームに対応するエリアに応じて配信対象広告素材を切り替えることができる。
【0040】
<変形例>
以上の説明では、配信対象ストリームの切り替えと配信対象広告素材の切り替えとを同期させるものとして説明を行ったが、本実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、切替システム21は、配信対象ストリームの切り替えと配信対象広告素材の切り替えとを同期させるモード(同期モード)に加えて、配信対象ストリームの切り替えと配信対象広告素材の切り替えとを同期させないモード(非同期モード)でも動作可能に構成されてもよい。
【0041】
例えば、切替処理部(第1切替処理部)21Aが、CDNサーバ22に入力する放送配信ストリーム(つまり、配信対象ストリーム)を、オリジンサーバ25からの第1放送配信ストリームとしているときに、切替処理部(第2切替処理部)21Bは、CDNサーバ22に入力する広告素材(つまり、配信対象広告素材)を、アドサーバ33からの広告素材データ(第2広告素材データ)としてもよい。これにより、第1放送配信ストリームが全国放送に対応し、第2広告素材データがローカル放送に対応している場合、全国放送向けの配信対象ストリームに、ローカル放送向けの広告素材データを挿入することができる。このため、例えば全国展開しているA社の全国放送向けのコマーシャル及びローカル放送向けのコマーシャルが用意されている場合、全国放送向けの配信対象ストリームにおいてA社のコマーシャルのための部分に、A社のローカル放送向けのコマーシャルを挿入することができる。
【0042】
<第3実施形態>
第3実施形態は、配信対象ユーザの属性に応じた広告素材データユニットを配信対象ストリームに挿入する実施形態に関する。
【0043】
図3は、第3実施形態における放送配信システムの一例を示す図である。図3に示す放送配信システム20には、CDNサーバ22及びアドサーバ33(43)が示され、他の構成要素の図示は省略されている。
【0044】
アドサーバ33に保持されている広告素材データ(第2広告素材データ)は、複数の属性候補にそれぞれ対応する複数の広告素材データユニット(複数の第2広告素材データユニット)を含んでいる。複数の属性候補は、例えば、年齢(年齢層)、性別、職業等であってもよい。複数の第2広告素材データユニットは、例えば、上記の第2エリアに対応する広告素材である。
【0045】
また、アドサーバ43に保持されている広告素材データ(第1広告素材データ)は、複数の属性候補にそれぞれ対応する複数の広告素材データユニット(複数の第1広告素材データユニット)を含んでいる。複数の第1広告素材データユニットは、例えば、上記の第1エリアに対応する広告素材である。
【0046】
第3実施形態においてCDNサーバ(配信部)22は、ユーザ端末50-1~50-nのそれぞれから、各ユーザ端末50のユーザの属性に関する情報を取得する機能を有している。そして、CDNサーバ22は、例えば端末50-1に向けた配信対象ストームに端末50-1のユーザの属性に応じた広告素材データユニットを挿入する。すなわち、CDNサーバ22は、第1放送配信ストリームを配信対象ストリームとしているタイミングでは端末50-1のユーザの属性に応じた第1広告素材データユニットを配信対象ストリームに挿入する。また、CDNサーバ22は、第2放送配信ストリームを配信対象ストリームとしているタイミングでは端末50-1のユーザの属性に応じた第2広告素材データユニットを配信対象ストリームに挿入する。
【0047】
以上のように第3実施形態によれば、アドサーバ33に保持されている第2広告素材データは、複数の属性候補にそれぞれ対応する複数の第2広告素材データユニットを含んでいる。アドサーバ43に保持されている第1広告素材データは、複数の属性候補にそれぞれ対応する複数の第1広告素材データユニットを含んでいる。放送配信システム20にてCDNサーバ(配信部)22は、ユーザの属性に応じた、第1広告素材データユニット又は第2広告素材データユニットを用いて、配信対象ストリームに対する配信対象広告素材の挿入処理を実行する。
【0048】
この放送配信システム20の構成により、配信対象ストリームに対応するエリア及びユーザの属性に応じて、配信対象広告素材を切り替えることができる。
【0049】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0050】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
第1エリアに対応する第1放送配信ストリームと第2エリアに対応する第2放送配信ストリームとの間で配信対象ストリームを切り替えると共に、前記第1放送配信ストリームが前記配信対象ストリームであるときに第1広告素材データを配信対象広告素材とし前記第2放送配信ストリームが前記配信対象ストリームであるときに第2広告素材データを前記配信対象広告素材とすることによって、前記配信対象ストリームの切り替えに応じて前記配信対象広告素材を切り替える、切替手段と、
前記配信対象ストリームに前記配信対象広告素材を挿入する挿入処理を実行して、前記挿入処理後の配信対象ストリームを配信する配信手段と、
を具備する放送配信システム。
(付記2)
前記配信対象ストリームは、前記配信対象ストリームにおいて前記配信対象広告素材を挿入する位置を示す挿入位置情報を含み、
前記配信手段は、前記配信対象ストリームに含まれる前記挿入位置情報が示す位置に、前記配信対象広告素材を挿入する、
付記1記載の放送配信システム。
(付記3)
前記第1広告素材データは、複数の属性候補にそれぞれ対応する複数の第1広告素材データユニットを含み、
前記第2広告素材データは、前記複数の属性候補にそれぞれ対応する複数の第2広告素材データユニットを含み、
前記放送配信システムは、ユーザの属性を取得する取得手段をさらに具備し、
前記配信手段は、前記ユーザの属性に応じた、前記第1広告素材データユニット又は前記第2広告素材データユニットを用いて、前記挿入処理を実行する、
付記1又は2に記載の放送配信システム。
(付記4)
前記切替手段は、
前記第1放送配信ストリームと前記第2放送配信ストリームとの間で前記配信対象ストリームを切り替える第1切替処理手段と、
前記第1切替処理手段の配信対象ストリームの切り替えに同期して、前記第1広告素材データと前記第2広告素材データとの間で前記配信対象広告素材を切り替える第2切替処理手段と、
を具備する、
付記1又は2に記載の放送配信システム。
(付記5)
前記第2切替処理手段は、
同期モードでは、前記第1切替処理手段の配信対象ストリームの切り替えに同期して、前記第1広告素材データと前記第2広告素材データとの間で前記配信対象広告素材を切り替え、
非同期モードでは、前記第1放送配信ストリームが前記配信対象ストリームであるときであっても前記第2広告素材データを配信対象広告素材とする、
付記4記載の放送配信システム。
(付記6)
前記第1放送配信ストリーム及び前記第2放送配信ストリームを記憶する記憶手段をさらに具備し、
前記切替手段は、前記配信対象ストリームとして前記第1放送配信ストリーム又は前記第2放送配信ストリームを前記記憶手段から読み出すことによって、前記配信対象ストリームを切り替える、
付記1又は2に記載の放送配信システム。
(付記7)
前記第1エリアは、前記第2エリアよりも広い、
付記1又は2に記載の放送配信システム。
(付記8)
前記第1エリアは、日本全国に対応するエリアであり、
前記第2エリアは、複数の県を含むブロックに対応するエリア、又は、県に対応するエリアである、
付記7記載の放送配信システム。
(付記9)
放送配信システムによって実行される放送配信方法であって、
第1エリアに対応する第1放送配信ストリームと第2エリアに対応する第2放送配信ストリームとの間で配信対象ストリームを切り替えると共に、前記第1放送配信ストリームが前記配信対象ストリームであるときに第1広告素材データを配信対象広告素材とし前記第2放送配信ストリームが前記配信対象ストリームであるときに第2広告素材データを前記配信対象広告素材とすることによって、前記配信対象ストリームの切り替えに応じて前記配信対象広告素材を切り替えることと、
前記配信対象ストリームに前記配信対象広告素材を挿入する挿入処理を実行して、前記挿入処理後の配信対象ストリームを配信することと、
を含む放送配信方法。
(付記10)
第1エリアに対応する第1放送配信ストリームと第2エリアに対応する第2放送配信ストリームとの間で配信対象ストリームを切り替えると共に、前記第1放送配信ストリームが前記配信対象ストリームであるときに第1広告素材データを配信対象広告素材とし前記第2放送配信ストリームが前記配信対象ストリームであるときに第2広告素材データを前記配信対象広告素材とすることによって、前記配信対象ストリームの切り替えに応じて前記配信対象広告素材を切り替えることと、
前記配信対象ストリームに前記配信対象広告素材を挿入する挿入処理を実行して、前記挿入処理後の配信対象ストリームを配信することと、
を含む処理を、放送配信システムに実行させるプログラム。
(付記11)
配信対象ストリームに配信対象広告素材を挿入する挿入処理を実行して、前記挿入処理後の配信対象ストリームを配信する配信手段への入力を切り替える切替システムであって、
第1エリアに対応する第1放送配信ストリームと第2エリアに対応する第2放送配信ストリームとの間で、前記配信手段に入力する前記配信対象ストリームを切り替える、第1切替処理手段を具備する、
切替システム。
(付記12)
前記第1切替処理手段の配信対象ストリームの切り替えに同期して、前記第1放送配信ストリームが前記配信対象ストリームであるときに第1広告素材データを前記配信対象広告素材として前記配信手段に入力し、前記第2放送配信ストリームが前記配信対象ストリームであるときに第2広告素材データを前記配信対象広告素材として前記配信手段に入力する、第2切替処理手段を具備する、
付記11記載の切替システム。
(付記13)
配信対象ストリームに配信対象広告素材を挿入する挿入処理を実行して、前記挿入処理後の配信対象ストリームを配信する配信手段への入力を切り替える切替システムによって実行される切替方法であって、
第1エリアに対応する第1放送配信ストリームと第2エリアに対応する第2放送配信ストリームとの間で、前記配信手段に入力する前記配信対象ストリームを切り替えることを含む、
切替方法。
(付記14)
配信対象ストリームに配信対象広告素材を挿入する挿入処理を実行して、前記挿入処理後の配信対象ストリームを配信する配信手段への入力を切り替える切替システムに、
第1エリアに対応する第1放送配信ストリームと第2エリアに対応する第2放送配信ストリームとの間で、前記配信手段に入力する前記配信対象ストリームを切り替える処理を実行させる、プログラム。
(付記15)
第1エリアに対応する第1放送配信ストリームと第2エリアに対応する第2放送配信ストリームとの間で配信対象ストリームを切り替えると共に、前記第1放送配信ストリームが前記配信対象ストリームであるときに第1広告素材データを配信対象広告素材とし前記第2放送配信ストリームが前記配信対象ストリームであるときに第2広告素材データを前記配信対象広告素材とすることによって、前記配信対象ストリームの切り替えに応じて前記配信対象広告素材を切り替える、切替手段と、
前記配信対象ストリームに前記配信対象広告素材を挿入する挿入処理を実行して、前記挿入処理後の配信対象ストリームを配信する配信手段と、
を具備するサーバ装置。
【符号の説明】
【0051】
10 放送配信システム
11 切替部
12 配信部
20 放送配信システム
21 切替システム
21A 切替処理部(第1切替処理部)
21B 切替処理部(第2切替処理部)
22 CDNサーバ(配信部)
23 CDNサーバ
24 オリジンサーバ
25 オリジンサーバ
31 マスタ装置
32 エンコーダ(ENC)
33 アドサーバ
41 マスタ装置
42 エンコーダ(ENC)
43 アドサーバ
50 ユーザ端末
図1
図2
図3