(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135878
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】サーバ装置、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 21/2665 20110101AFI20240927BHJP
H04H 20/10 20080101ALI20240927BHJP
H04H 60/82 20080101ALI20240927BHJP
H04N 21/222 20110101ALI20240927BHJP
【FI】
H04N21/2665
H04H20/10
H04H60/82
H04N21/222
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023046774
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】397036309
【氏名又は名称】株式会社インターネットイニシアティブ
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】本間 康文
(72)【発明者】
【氏名】磯谷 将徳
(72)【発明者】
【氏名】福田 一則
(72)【発明者】
【氏名】岡 淳一
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 文崇
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164FA11
5C164MA06S
5C164SA11P
5C164SC04P
(57)【要約】
【課題】配信エリアに配信する放送配信ストリームの一部を、配信エリアの一部の地域に固有の配信データで置き換えることができる、サーバ装置、方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】サーバ装置10にて取得部11は、サーバ装置10が配置される地域を含むエリアに配信する放送配信ストリームを取得する。置換部12は、取得部11にて取得された放送配信ストリームの少なくとも一部を、サーバ装置10が配置される地域に固有の配信データで置き換える、置き換え処理を実行する。送信部13は、置換部12による置き換え処理後の放送配信ストリームを、サーバ装置10が配置される地域に存在する第1ユーザ端末に送信する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバ装置であって、
前記サーバ装置が配置される地域を含むエリアに配信する放送配信ストリームを取得する第1取得手段と、
前記取得された放送配信ストリームの少なくとも一部を、前記地域に固有の配信データで置き換える置き換え処理を実行する置き換え手段と、
前記置き換え処理後の前記放送配信ストリームを、前記地域に存在する第1ユーザ端末に送信する送信手段と、
を具備するサーバ装置。
【請求項2】
前記送信手段は、前記置き換え処理後の前記放送配信ストリームを、有線通信ネットワークを介して前記第1ユーザ端末に送信する、
請求項1記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記送信手段は、前記地域に固有の配信データを、無線通信ネットワークを介して前記地域に存在する第2ユーザ端末に送信する、
請求項2記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記置き換え処理を実行する少なくとも1つの実行条件が満たされたかを判定する制御手段をさらに具備し、
前記置き換え手段は、前記少なくとも1つの実行条件が満たされたと判定された場合、前記置き換え処理を実行する、
請求項1記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの実行条件は、第1実行条件及び第2実行条件を含み、
前記第1実行条件及び前記第2実行条件は、それぞれが前記地域に固有の第1配信データ及び第2配信データにそれぞれ対応し、
前記制御手段は、前記第1実行条件及び前記第2実行条件の両方が満たされた場合、前記第1実行条件及び前記第2実行条件のそれぞれに前記第1実行条件及び前記第2実行条件のそれぞれの優先度を対応づけた対応関係に基づいて、前記第1実行条件及び前記第2実行条件のうちで優先度の高い実行条件をさらに特定し、
前記置き換え手段は、前記第1配信データ及び前記第2配信データのうちで、前記特定された優先度の高い実行条件に対応する配信データを用いて、前記置き換え処理を実行する、
請求項4記載のサーバ装置。
【請求項6】
前記サーバ装置は、MEC(Multi-access Edge Computing)サーバである、
請求項1記載のサーバ装置。
【請求項7】
前記地域に固有の配信データは、前記地域における緊急事態に関連する情報を含むデータである、
請求項1記載のサーバ装置。
【請求項8】
サーバ装置によって実行される方法であって、
前記サーバ装置が配置される地域を含むエリアに配信する放送配信ストリームを取得することと、
前記取得された放送配信ストリームの少なくとも一部を、前記地域に固有の配信データで置き換える置き換え処理を実行することと、
前記置き換え処理後の前記放送配信ストリームを、前記地域に存在する第1ユーザ端末に送信することと、
を含む方法。
【請求項9】
サーバ装置に、
前記サーバ装置が配置される地域を含むエリアに配信する放送配信ストリームを取得することと、
前記取得された放送配信ストリームの少なくとも一部を、前記地域に固有の配信データで置き換える置き換え処理を実行することと、
前記置き換え処理後の前記放送配信ストリームを、前記地域に存在する第1ユーザ端末に送信することと、
を含む、処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サーバ装置、方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば関東広域をサービスエリアとするキー局が全国放送を行う場合、キー局は、放送コンテンツを、放送ネットワークを介して系列ローカル局に送出し、該系列ローカル局は、受け取った放送コンテンツを該系列ローカル局のサービスエリアを対象として放送する。また、各テレビ局は、各テレビ局のサービスエリアを対象として、各テレビ局によって作成された放送コンテンツを放送できる。
【0003】
また、テレビで放送されるコンテンツを、通信ネットワークを介して配信する技術(以下、単に「放送配信技術」と呼ぶことがある)が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者は、配信エリアに配信する放送配信ストリームの一部を、配信エリアの一部の地域に固有の配信データで置き換える放送配信技術に対するニーズがあることを見出した。
【0006】
本開示の目的の1つは、配信エリアに配信する放送配信ストリームの一部を、配信エリアの一部の地域に固有の配信データで置き換えることができる、サーバ装置、方法、及びプログラムを提供することにある。なお、この目的は、本明細書に開示される複数の実施形態が達成しようとする複数の目的の1つに過ぎないことに留意されるべきである。その他の目的又は課題と新規な特徴は、本明細書の記述又は添付図面から明らかにされる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの態様では、サーバ装置は、
前記サーバ装置が配置される地域を含むエリアに配信する放送配信ストリームを取得する第1取得手段と、
前記取得された放送配信ストリームの少なくとも一部を、前記地域に固有の配信データで置き換える置き換え処理を実行する置き換え手段と、
前記置き換え処理後の前記放送配信ストリームを、前記地域に存在する第1ユーザ端末に送信する送信手段と、
を具備する。
【0008】
他の態様では、サーバ装置によって実行される方法は、
前記サーバ装置が配置される地域を含むエリアに配信する放送配信ストリームを取得することと、
前記取得された放送配信ストリームの少なくとも一部を、前記地域に固有の配信データで置き換える置き換え処理を実行することと、
前記置き換え処理後の前記放送配信ストリームを、前記地域に存在する第1ユーザ端末に送信することと、
を含む。
【0009】
他の態様では、プログラムは、
サーバ装置に、
前記サーバ装置が配置される地域を含むエリアに配信する放送配信ストリームを取得することと、
前記取得された放送配信ストリームの少なくとも一部を、前記地域に固有の配信データで置き換える置き換え処理を実行することと、
前記置き換え処理後の前記放送配信ストリームを、前記地域に存在する第1ユーザ端末に送信することと、
を含む、処理を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示により、配信エリアに配信する放送配信ストリームの一部を、配信エリアの一部の地域に固有の配信データで置き換えることができる、サーバ装置、方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態におけるサーバ装置の一例を示す図である。
【
図2】第1実施形態におけるサーバ装置の処理動作の一例を示す図である。
【
図3】第2実施形態におけるサーバ装置を含む通信システムの一例を示す図である。
【
図4】第3実施形態におけるサーバ装置の一例を示す図である。
【
図5】第4実施形態における通信システムの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ、実施形態について説明する。なお、実施形態において、同一又は同等の要素には、同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0013】
<第1実施形態>
<サーバ装置の構成例>
図1は、第1実施形態におけるサーバ装置の一例を示す図である。
図1においてサーバ装置10は、取得部11と、置換部12と、送信部13とを有している。サーバ装置10は、例えば、MEC(Multi-access Edge Computing)サーバである。
【0014】
取得部11は、サーバ装置10が配置される地域を含むエリアに配信する放送配信ストリームを取得する。放送配信ストリームは、例えば放送配信プラットフォーム(不図示)から配信される。ここでは、「地域」は、「エリア」よりも狭い、ことを前提としている。ここで言う「エリア」は、例えば、日本全国に対応するエリア、本全国に対応するエリア、複数の県を含むブロック(例えば、関東等)に対応するエリア、又は、県に対応するエリアである。すなわち、放送配信ストリームは、全国放送に対応するストリーム、関東広域等のブロックの放送(ローカル放送)に対応するストリーム、又は、山形県等の県単位の放送(ローカル放送)に対応するストリームであり得る。一方、ここで言う「地域」は、例えば、市町村のような狭い領域に対応する。すなわち、各市町村レベルにおいてサーバ装置10が配設されてもよい。
【0015】
置換部12は、取得部11にて取得された放送配信ストリームの少なくとも一部を、サーバ装置10が配置される地域に固有の配信データで置き換える、置き換え処理を実行する。「サーバ装置10が配置される地域に固有の配信データ」とは、地域社会に関わりの深い情報についてのデータであり、例えば、地域社会の防災システム、気象システム、交通システム、金融システム、又は、生活システムから得られる情報についてのデータである。すなわち、「サーバ装置10が配置される地域に固有の配信データ」は、例えば、その地域における緊急事態に関連する情報を含むデータであってもよい。なお、「サーバ装置10が配置される地域に固有の配信データ」は、取得部11によって取得されてもよい。
【0016】
送信部13は、置換部12による置き換え処理後の放送配信ストリームを、サーバ装置10が配置される地域に存在するユーザ端末(以下では、「第1ユーザ端末」と呼ぶことがある)に送信する。第1ユーザ端末は、例えばユーザの自宅に配設されているテレビ受像器(つまり、ネットに繋がるコネクテッド(connected)テレビ)である。送信部13は、例えば、置き換え処理後の放送配信ストリームを、有線通信ネットワークを介して第1ユーザ端末に送信する。有線通信ネットワークは、例えば、光通信ネットワークであってもよい。
【0017】
<サーバ装置の構成例>
以上の構成を有するサーバ装置10の処理動作の一例を説明する。
図2は、第1実施形態におけるサーバ装置の処理動作の一例を示す図である。
【0018】
取得部11は、サーバ装置10が配置される地域を含むエリアに配信する放送配信ストリームを取得する(ステップS11)。
【0019】
置換部12は、取得部11にて取得された放送配信ストリームの少なくとも一部を、サーバ装置10が配置される地域に固有の配信データで置き換える、置き換え処理を実行する(ステップS12)。
【0020】
送信部13は、置換部12による置き換え処理後の放送配信ストリームを、サーバ装置10が配置される地域に存在する第1ユーザ端末に送信する(ステップS13)。
【0021】
以上のように第1実施形態によれば、サーバ装置10にて取得部11は、サーバ装置10が配置される地域を含むエリアに配信する放送配信ストリームを取得する。置換部12は、取得部11にて取得された放送配信ストリームの少なくとも一部を、サーバ装置10が配置される地域に固有の配信データで置き換える、置き換え処理を実行する。送信部13は、置換部12による置き換え処理後の放送配信ストリームを、サーバ装置10が配置される地域に存在する第1ユーザ端末に送信する。
【0022】
このサーバ装置10の構成により、配信エリアに配信する放送配信ストリームの一部を、配信エリアの一部の地域に固有の配信データで置き換えることができる。
【0023】
<第2実施形態>
第2実施形態は、置き換え処理後の放送配信ストリームを、無線通信ネットワークを介してユーザ端末に送信する実施形態に関する。なお、第2実施形態におけるサーバ装置の基本構成は、第1実施形態のサーバ装置10と同じなので、
図1を参照する。
図3は、第2実施形態におけるサーバ装置を含む通信システムの一例を示す図である。
図3において通信システム1は、サーバ装置10と、ユーザ端末(第1ユーザ端末)20と、ユーザ端末(第2ユーザ端末)30と、基地局40と、地域社会システム50と、有線通信ネットワーク60とを有している。
【0024】
第2実施形態のサーバ装置10にて送信部13は、第1実施形態と同様に、置換部12による置き換え処理後の放送配信ストリームを、サーバ装置10が配置される地域に存在する第1ユーザ端末20に、有線通信ネットワーク60を介して送信する。第2実施形態にてサーバ装置10は、「サーバ装置10が配置される地域に固有の配信データ」を、例えば、地域社会システム50から取得する。
【0025】
さらに、第2実施形態のサーバ装置10にて送信部13は、置換部12による置き換え処理後の放送配信ストリームを、無線通信ネットワークの基地局40を介して、サーバ装置10が配置される地域に存在するユーザ端末(第2ユーザ端末)30に送信する。無線通信ネットワークの基地局40は、例えば3GPP(登録商標) 5Gに対応する基地局であてもよい。ユーザ端末30は、例えば、スマートフォンであってもよいし、ネットに繋がる車であってもよい。これにより、「サーバ装置10が配置される地域に固有の配信データ」を送信するサービスをより多くのユーザ端末に提供することができる。
【0026】
<第3実施形態>
第3実施形態は、主に、置き換え処理の実行条件に関連する。
【0027】
図4は、第3実施形態におけるサーバ装置の一例を示す図である。
図4においてサーバ装置70は、取得部11と、置換部12と、送信部13と、制御部71とを有している。サーバ装置70は、例えば、MEC(Multi-access Edge Computing)サーバである。
【0028】
制御部71は、置換部12による置き換え処理の「実行条件」が満たされたか否かを判定する。そして、制御部71は、「実行条件」が満たされたと判定した場合、置換部12に「置き換え処理」を実行させる。「実行条件」は、例えば、サーバ装置70が配置される地域に固有の配信データを、取得部11が取得したこと、であってもよい。
【0029】
ここで、サーバ装置70が配置される地域に固有の配信データに関して、種々の情報種別が存在すると考えられる。このため、取得部11が同時期に、第1情報種別に対応する地域固有の配信データ(以下、「第1配信データ」と呼ぶことがある)と第2情報種別に対応する地域固有の配信データ(以下、「第2配信データ」と呼ぶことがある)とを受け取ることが考えられる。換言すれば、取得部11が第1情報種別に対応する地域固有の配信データを取得するという「第1実行条件」と、取得部11が第2情報種別に対応する地域固有の配信データを取得するという「第2実行条件」と、の両方が同時期に満たされることが考えられる。
【0030】
このため、制御部71は、複数の実行条件のそれぞれに複数の実行条件のそれぞれの「優先度」を対応づけた対応関係(例えば、対応関係テーブル)に基づいて、「第1実行条件」と「第2実行条件」とのうちで、優先度の高い実行条件を特定してもよい。なお、対応関係(例えば、対応関係テーブル)は、例えば、サーバ装置70の記憶部(不図示)に記憶されていてもよい。そして、制御部71は、第1配信データ及び第2配信データのうちで、上記の特定された優先度の高い実行条件に対応する配信データを用いて、置換部12に、置き換え処理を実行させてもよい。
【0031】
なお、上記の対応関係(対応関係テーブル)は、複数の情報種別のそれぞれに複数の情報種別のそれぞれに対応する「優先度」を対応づけていてもよい。そして、制御部71は、同時期に取得部11が第1情報種別に対応する地域固有の第1配信データ及び第2情報種別に対応する地域固有の第2配信データを取得した場合、対応関係テーブルを参照して、第1情報種別及び第2情報種別のうちで、優先度の高い情報種別を特定してもよい。そして、制御部71は、第1配信データ及び第2配信データのうちで、上記の特定された優先度の高い情報種別に対応する配信データを用いて、置換部12に、置き換え処理を実行させてもよい。
【0032】
<第4実施形態>
第4実施形態は、通信システムの具体例に関する。
【0033】
図5は、第4実施形態における通信システムの一例を示す図である。
図5において通信システム2は、サーバ装置(系列局1MECサーバ)10と、ユーザ端末(第1ユーザ端末)20と、地域社会システム50と、有線通信ネットワーク60と、系列局マスタ装置(系列局1マスター)80とを有している。通信システム2は、さらに、放送配信システム(放送プラットフォーム)90と、キー局マスタ装置(キー局マスター)100とを有している。放送配信システム90は、キー局オリジンサーバ91と、系列局オリジンサーバ(系列局1オリジンサーバ)92と、CDN(Content Delivery Network)サーバ93と、切替部94とを有している。
図5では、3つのサーバ装置10を図示しているが、通信システム2に含まれるサーバ装置10の数はこれに限定されるものではない。また、ここでは、通信システム2がサーバ装置10を含んでいるものとして説明しているが、これに限定されるものではない。通信システム2は、サーバ装置10の代わりに又はサーバ装置10に加えて、サーバ装置70を含んでいてもよい。また、
図5には図示していないが、通信システム2は、ユーザ端末(第2ユーザ端末)30と、基地局40とを含んでいてもよい。また、
図5では、配信サーバの一例としてCDNサーバ93としているがこれに限定されるものではない。CDNサーバ93は、CDNサーバ以外の配信サーバ装置に置き換えられてもよい。
【0034】
系列局マスタ装置80は、放送コンテンツを系列局オリジンサーバ92に向けて送出する。例えば、系列局マスタ装置80は、エンコーダを有している。このエンコーダは、放送コンテンツに対して符号化処理を実行し、符号化処理後の放送コンテンツを系列局オリジンサーバ92に向けて送出する。系列局マスタ装置80から送出される放送コンテンツは、例えば、複数の県から成るブロックに対応するエリアや県に対応するエリアに向けた放送コンテンツ(ローカル放送コンテンツ)である。
【0035】
キー局マスタ装置100は、放送コンテンツをキー局オリジンサーバ91に向けて送出する。例えば、キー局マスタ装置100は、エンコーダを有している。このエンコーダは、放送コンテンツに対して符号化処理を実行し、符号化処理後の放送コンテンツをキー局オリジンサーバ91に向けて送出する。キー局マスタ装置100から送出される放送コンテンツは、例えば、日本全国の放送向けの放送コンテンツ(全国放送コンテンツ)である。
【0036】
キー局オリジンサーバ91は、キー局マスタ装置100から送出された放送コンテンツを受け取り、受け取った放送コンテンツを保持する。そして、キー局オリジンサーバ91は、例えば、切替部94からの送出要求(読み出し要求)に応じて、保持している放送コンテンツを切替部94に向けて送出してもよい。
【0037】
系列局オリジンサーバ92は、系列局マスタ装置80から送出された放送コンテンツを受け取り、受け取った放送コンテンツを保持する。そして、系列局オリジンサーバ92は、例えば、切替部94からの送出要求(読み出し要求)に応じて、保持している放送コンテンツを切替部94に向けて送出してもよい。なお、ここでは、便宜上、キー局オリジンサーバ91及び系列局オリジンサーバ92の2つのサーバを設けているが、本開示は、これに限定されるものではない。キー局オリジンサーバ91及び系列局オリジンサーバ92は1つの装置であってもよい。
【0038】
切替部94は、CDNサーバ93に入力する放送配信ストリーム(つまり、配信対象ストリーム)を、キー局オリジンサーバ91からの第1放送配信ストリームと系列局オリジンサーバ92からの第2放送配信ストリームとの間で切り替える。例えば、切替部94は、第1放送配信ストリームを配信対象ストリームとするタイミングではキー局オリジンサーバ91に送出要求を送信し、第2放送配信ストリームを配信対象ストリームとするタイミングでは系列局オリジンサーバ92に送出要求を送信してもよい。
【0039】
CDNサーバ93は、切替部94を介して入力された配信対象ストリームを、サーバ装置10に向けて送出する。なお、CDNサーバ93は、配信対象ストリームに配信対象広告素材を挿入する「挿入処理」を実行してもよい。例えば、CDNサーバ93は、配信対象ストリームの切り替えに応じて、配信対象広告素材を切り替えてもよい。例えば、CDNサーバ93は、第1放送配信ストリームが配信対象ストリームであるときに第1広告素材データを配信対象広告素材とし、第2放送配信ストリームが配信対象ストリームであるときに第2広告素材データを配信対象広告素材とする。例えば、第1広告素材データは、日本全国に対応する広告素材データであり、第2広告素材データは、複数の県から成るブロックに対応するエリアや県に対応するエリアに対応する広告素材データである。
【0040】
サーバ装置10は、通常時には、CDNサーバ93から受け取った放送配信ストリームを、第1ユーザ端末20に向けて送信する。また、サーバ装置10は、置き換え処理を実行する実行条件が満たされたときには、置き換え処理後の放送配信ストリームを第1ユーザ端末20に向けて送信する。これにより、例えば地域にて災害が発生した場合には、通常時の内容の放送配信ストリームよりも優先して、地域の災害に関する情報を送信することができる。
【0041】
置き換え処理を実行する実行条件は、「地域社会システム50から「サーバ装置10が配置される地域に固有の配信データ」を置換部12が受け取ったこと」という条件であってもよい。
【0042】
<他の実施形態>
図6は、サーバ装置の構成例を示す図である。
図6においてサーバ装置200は、プロセッサ201と、メモリ202と、通信回路203とを有している。プロセッサ201は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU(Micro Processing Unit)、又はCPU(Central Processing Unit)であってもよい。プロセッサ201は、複数のプロセッサを含んでもよい。メモリ202は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリ202は、プロセッサ201から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ201は、図示されていないI/Oインタフェースを介してメモリ202にアクセスしてもよい。
【0043】
第1実施形態から第4実施形態のサーバ装置10,70は、それぞれ、
図6に示した構成を有することができる。第1実施形態から第4実施形態のサーバ装置10,70の取得部11と、置換部12と、制御部71とは、プロセッサ201がメモリ202に記憶されたプログラムを読み込んで実行することにより実現されてもよい。送信部13は、通信回路203によって実現されてもよい。プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、サーバ装置10,70に供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)を含む。さらに、非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/Wを含む。さらに、非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、半導体メモリを含む。半導体メモリは、例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory)を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってサーバ装置10,70に供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをサーバ装置10,70に供給できる。
【0044】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0045】
1 通信システム
2 通信システム
10 サーバ装置
11 取得部
12 置換部
13 送信部
20 ユーザ端末(第1ユーザ端末)
30 ユーザ端末(第2ユーザ端末)
40 基地局
50 地域社会システム
60 有線通信ネットワーク
70 サーバ装置
71 制御部
80 系列局マスタ装置(系列局1マスター)
90 放送配信システム(放送プラットフォーム)
91 キー局オリジンサーバ
92 系列局オリジンサーバ(系列局1オリジンサーバ)
93 CDNサーバ
94 切替部
100 キー局マスタ装置(キー局マスター)