(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135880
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】MECサーバ装置、セカンダリMECサーバ装置、通信システム、及び、方法
(51)【国際特許分類】
H04L 65/611 20220101AFI20240927BHJP
H04L 12/18 20060101ALI20240927BHJP
H04N 21/234 20110101ALI20240927BHJP
H04N 21/266 20110101ALI20240927BHJP
【FI】
H04L65/611
H04L12/18
H04N21/234
H04N21/266
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023046776
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】本間 康文
(72)【発明者】
【氏名】磯谷 将徳
【テーマコード(参考)】
5C164
5K030
【Fターム(参考)】
5C164SA11S
5C164SB01P
5C164SC01P
5K030LD05
5K030LD13
5K030LE03
(57)【要約】
【課題】番組制作機能を有するMECサーバ装置、セカンダリMECサーバ装置、通信システム、及び、方法を提供する。
【解決手段】MECサーバ装置50にて制作部52は、配信番組データを作成する。調整部53は、取得された放送配信ストリームの少なくとも一部を、制作部52にて作成された配信番組データを用いて調整する調整処理を実行する。送信部54は、調整された放送配信ストリームを送信対象のユーザ端末に向けて送信する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
MEC(Multi-access Edge Computing)サーバ装置であって、
放送配信ストリームを取得する取得手段と、
配信番組データを作成する番組制作手段と、
前記取得された放送配信ストリームの少なくとも一部を、前記配信番組データを用いて調整する調整処理を実行する調整手段と、
前記調整された放送配信ストリームを送信する送信手段と、
を具備するMECサーバ装置。
【請求項2】
前記調整手段に実行させる調整パタンを切り替える制御手段をさらに具備する、
請求項1記載のMECサーバ装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記配信番組データの重要度に基づいて、前記調整手段に実行させる調整パタンを切り替える、
請求項2記載のMECサーバ装置。
【請求項4】
放送スケジュール情報に基づいて、前記放送配信ストリームにおける、第1映像種別についての少なくとも1つの第1映像部分及び第2映像種別についての少なくとも1つの第2映像部分を特定し、前記第1映像部分の開始位置又は前記第2映像部分の開始位置を、前記放送配信ストリームの調整対象部分の開始位置として特定する特定手段をさらに具備し、
前記制御手段は、さらに、前記特定された調整対象部分の開始位置において、前記調整手段に前記調整処理を開始させる、
請求項2記載のサーバ装置。
【請求項5】
MEC(Multi-access Edge Computing)サーバ装置によって実行される方法であって、
放送配信ストリームを取得することと、
配信番組データを作成することと、
前記取得された放送配信ストリームの少なくとも一部を、前記配信番組データを用いて調整する調整処理を実行することと、
前記調整された放送配信ストリームを送信することと、
を含む方法。
【請求項6】
プライマリMEC(Multi-access Edge Computing)サーバ装置とセカンダリMECサーバ装置とを含む通信システムであって、
前記プライマリMECサーバ装置は、第1番組制作送出機能手段を有し、
前記セカンダリMECサーバ装置は、前記第1番組制作送出機能手段を複製することによって、前記セカンダリMECサーバ装置に、第2番組制作送出機能手段を構築する複製手段を具備する、
通信システム。
【請求項7】
前記セカンダリMECサーバ装置は、
前記第1番組制作送出機能手段の更新情報を取得し、
前記取得された更新情報に基づいて、前記第2番組制作送出機能手段を更新する更新手段と、
を具備する、
請求項6記載の通信システム。
【請求項8】
プライマリMEC(Multi-access Edge Computing)サーバ装置とセカンダリMECサーバ装置とを含む通信システムにおける前記セカンダリMECサーバ装置であって、
前記プライマリMECサーバ装置は、第1番組制作送出機能手段を有し、
前記セカンダリMECサーバ装置は、前記第1番組制作送出機能手段を複製することによって、前記セカンダリMECサーバ装置に、第2番組制作送出機能手段を構築する複製手段を具備する、
セカンダリMECサーバ装置。
【請求項9】
前記第1番組制作送出機能手段の更新情報を取得し、
前記取得された更新情報に基づいて、前記第2番組制作送出機能手段を更新する更新手段と、
をさらに具備する請求項8記載のセカンダリMECサーバ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、MECサーバ装置、セカンダリMECサーバ装置、通信システム、及び、方法に関する。
【背景技術】
【0002】
配信コンテンツ(放送配信ストリーム)を調整する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1に開示されている中継装置は、受信パケットの属するパートを判定し、パートが差し替え対象であれば該受信パケットを破棄し、該受信パケットの代わりに差し替えパケットを送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者は、特許文献1の技術では、配信コンテンツの調整方法が画一的であるため、配信コンテンツ(放送配信ストリーム)の自由度の高い調整ができない可能性があることを見出した。また、本発明者は、番組制作機能をMEC(Multi-access Edge Computing)サーバ装置に持たせるニーズがあることを見出した。
【0005】
本開示の目的の1つは、番組制作機能を有するMECサーバ装置、セカンダリMECサーバ装置、通信システム、及び、方法を提供することにある。なお、この目的は、本明細書に開示される複数の実施形態が達成しようとする複数の目的の1つに過ぎないことに留意されるべきである。その他の目的又は課題と新規な特徴は、本明細書の記述又は添付図面から明らかにされる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの態様では、MEC(Multi-access Edge Computing)サーバ装置は、
放送配信ストリームを取得する取得手段と、
配信番組データを作成する番組制作手段と、
前記取得された放送配信ストリームの少なくとも一部を、前記配信番組データを用いて調整する調整処理を実行する調整手段と、
前記調整された放送配信ストリームを送信する送信手段と、
を具備する。
【0007】
他の態様では、MEC(Multi-access Edge Computing)サーバ装置によって実行される方法は、
放送配信ストリームを取得することと、
配信番組データを作成することと、
前記取得された放送配信ストリームの少なくとも一部を、前記配信番組データを用いて調整する調整処理を実行することと、
前記調整された放送配信ストリームを送信することと、
を含む。
【0008】
他の態様では、プライマリMEC(Multi-access Edge Computing)サーバ装置とセカンダリMECサーバ装置とを含む通信システムは、
前記プライマリMECサーバ装置は、第1番組制作送出機能手段を有し、
前記セカンダリMECサーバ装置は、前記第1番組制作送出機能手段を複製することによって、前記セカンダリMECサーバ装置に、第2番組制作送出機能手段を構築する複製手段を具備する。
【0009】
他の態様では、プライマリMEC(Multi-access Edge Computing)サーバ装置とセカンダリMECサーバ装置とを含む通信システムにおける前記セカンダリMECサーバ装置は、
前記プライマリMECサーバ装置は、第1番組制作送出機能手段を有し、
前記セカンダリMECサーバ装置は、前記第1番組制作送出機能手段を複製することによって、前記セカンダリMECサーバ装置に、第2番組制作送出機能手段を構築する複製手段を具備する。
【発明の効果】
【0010】
本開示により、番組制作機能を有するMECサーバ装置、セカンダリMECサーバ装置、通信システム、及び、方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態におけるサーバ装置の一例を示す図である。
【
図2】第2実施形態におけるサーバ装置の一例を示す図である。
【
図4】調整パタンの切り替えの具体例を示す図である。
【
図5】第3実施形態におけるサーバ装置の一例を示す図である。
【
図6】緊急度に基づく調整パタンの切り替え制御の一例の説明に供する図である。
【
図7】第4実施形態におけるMECサーバ装置の一例を示すブロック図である。
【
図8】第5実施形態における通信システムの一例を示す図である。
【
図9】第5実施形態におけるプライマリMECサーバの一例を示すブロック図である。
【
図10】第5実施形態におけるセカンダリMECサーバの一例を示すブロック図である。
【
図11】第6実施形態におけるプライマリMECサーバの一例を示す図である。
【
図12】第6実施形態におけるセカンダリMECサーバの一例を示す図である。
【
図13】サーバ装置のハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ、実施形態について説明する。なお、実施形態において、同一又は同等の要素には、同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0013】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態におけるサーバ装置の一例を示す図である。
図1においてサーバ装置10は、取得部11と、調整部12と、制御部13とを有している。サーバ装置10は、例えば、MEC(Multi-access Edge Computing)サーバである。
【0014】
取得部11は、放送配信ストリームを取得する。放送配信ストリームは、例えば放送配信プラットフォーム(不図示)から配信される。また、放送配信ストリームは、全国放送に対応するストリーム、関東広域等のブロックの放送(ローカル放送)に対応するストリーム、山形県等の県単位の放送(ローカル放送)に対応するストリーム、又は、市町村単位の放送(ローカル放送)に対応するストリームであり得る。
【0015】
調整部12は、取得部11にて取得された放送配信ストリームの少なくとも一部を、「配信データ」を用いて調整する「調整処理」を実行する。「配信データ」は、例えば、サーバ装置10が配置される地域の地域社会に関わりの深い情報についてのデータであってもよい。「調整処理」の具体例については後に説明する。なお、調整処理後の放送配信ストリームは、送信部(不図示)によって送信対象のユーザ端末に向けて送信されてもよい。送信対象のユーザ端末は、例えば、例えばユーザの自宅に配設されているテレビ受像器(つまり、ネットに繋がるコネクテッド(connected)テレビ)である。
【0016】
制御部13は、調整部12に実行させる調整処理の「調整パタン」を切り替える。これにより、調整部12は、制御部13によって設定された調整パタンに基づいて、上記の「調整処理」を実行することになる。「調整パタン」の具体例については後に説明する。
【0017】
以上のように第1実施形態によれば、サーバ装置10にて調整部12は、取得部11にて取得された放送配信ストリームの少なくとも一部を、「配信データ」を用いて調整する「調整処理」を実行する。制御部13は、調整部12に実行させる「調整パタン」を切り替える。
【0018】
このサーバ装置10の構成により、調整部12の調整処理における調整パタンを切り替えることができるので、放送配信ストリームの調整の自由度を高めることができる。
【0019】
<第2実施形態>
第2実施形態は、主に、調整パタン及び調整パタンの切り替えの一例に関する。
【0020】
図2は、第2実施形態におけるサーバ装置の一例を示す図である。
図2においてサーバ装置20は、取得部21と、特定部22と、制御部23と、調整部24と、送信部25とを有している。
【0021】
取得部21は、第1実施形態の取得部11と同様に、放送配信ストリームを取得する。また、取得部21は、「放送スケジュール情報」を取得する。取得部21は、「放送スケジュール情報」を放送情報システム(不図示)から取得してもよい。「放送スケジュール情報」は、放送配信ストリームにおける、複数の映像種別のそれぞれに対応する映像部分の位置を特定するための情報である。例えば、放送スケジュール情報は、放送配信ストリームに含まれる各番組の開始位置及び終了位置を含んでいてもよい。さらに、放送スケジュール情報は、放送配信ストリームに含まれる第1映像種別(例えば本編)に対応する各映像部分(第1映像部分)の開始位置及び終了位置、及び、第2映像種別(例えばコマーシャル)に対応する各映像部分(第2映像部分)を含んでいてもよい。
【0022】
特定部22は、取得部21に取得された放送スケジュール情報に基づいて、取得部21にて取得された放送配信ストリームにおける、第1映像種別についての少なくとも1つの第1映像部分及び第2映像種別についての少なくとも1つの第2映像部分を特定する。さらに、特定部22は、特定されたいずれかの第1映像部分の開始位置又は特定されたいずれかの第2映像部分の開始位置を、放送配信ストリームの「調整対象部分」の開始位置として特定する。また、特定部22は、特定されたいずれかの第1映像部分の終了位置又は特定されたいずれかの第2映像部分の終了位置を、放送配信ストリームの「調整対象部分」の終了位置として特定してよい。
【0023】
制御部23は、特定部22にて特定された調整対象部分の開始位置において、調整部24に調整処理を開始させる。また、制御部23は、第1実施形態の制御部13と同様に、調整部24に実行させる調整処理の調整パタンを切り替える。例えば、制御部23は、第1調整パタンと第2調整パタンとの間で、調整部24に実行させる調整処理の調整パタンを切り替える。例えば、第1調整パタンは、「配信データ」がユーザ端末にて「全画面表示」されるように、放送配信ストリームを調整するパタンである。また、例えば、第2調整パタンは、「配信データ」がユーザ端末にて「部分画面表示」されるように、放送配信ストリームを調整するパタンである。すなわち、第1調整パタンは、調整対象部分を、配信データによって置き換える、調整パタンであってもよい。また、第2調整パタンは、調整対象部分に含まれる複数の画像フレームデータユニットのそれぞれにおける一部を、配信データによって置き換える、調整パタンであってもよい。
【0024】
図3は、調整パタンの具体例を示す図である。
図3には、「配信データ」が災害情報に関連するデータであるケースが示されている。
図3の左図には、第1調整パタンが適用されることによって、番組映像の代わりに災害映像が全画面で表示されている例が示されている。また、
図3の右図には、第2調整パタンが適用されることによって、番組映像と共に災害情報(例えば文字情報)が部分画面表示されている例が示されている。
【0025】
より具体的には、制御部23は、調整対象部分における第1映像部分については、第1調整パタンに基づいて、調整部23に調整処理を実行させ、調整対象部分における第2映像部分については、第2調整パタンに基づいて、調整部23に調整処理を実行させてもよい。
【0026】
図4は、調整パタンの切り替えの具体例を示す図である。
図4に示す例では、放送配信ストリームにおける番組Aに対応する部分が「調整対象部分」にされている。そして、「調整対象部分」における本編に対応する各部分には、第1調整パタンが適用され、「調整対象部分」におけるコマーシャルに対応する各部分には、第2調整パタンが適用されている。
【0027】
図2の説明に戻り、調整部24は、第1実施形態の調整部12と同様に、制御部23による制御に従って、調整処理を実行する。
【0028】
送信部25は、調整部24の調整処理後の放送配信ストリームを送信対象のユーザ端末に向けて送信する。
【0029】
以上のように第2実施形態によれば、サーバ装置20にて特定部22は、取得部21に取得された放送スケジュール情報に基づいて、取得部21にて取得された放送配信ストリームにおける、第1映像種別についての少なくとも1つの第1映像部分及び第2映像種別についての少なくとも1つの第2映像部分を特定する。さらに、特定部22は、特定されたいずれかの第1映像部分の開始位置又は特定されたいずれかの第2映像部分の開始位置を、放送配信ストリームの「調整対象部分」の開始位置として特定する。制御部23は、特定部22にて特定された調整対象部分の開始位置において、調整部24に調整処理を開始させる。
【0030】
このサーバ装置20の構成により、放送配信ストリームにおいて切りが良い箇所から調整処理を開始できるので、調整処理後の放送配信ストリームがユーザ端末にて表示されたときにユーザが感じる違和感を低減することができる。
【0031】
また、サーバ装置20にて制御部23は、調整対象部分における第1映像部分については、第1調整パタンに基づいて、調整部23に調整処理を実行させ、調整対象部分における第2映像部分については、第2調整パタンに基づいて、調整部23に調整処理を実行させる。
【0032】
このサーバ装置20の構成により、例えば第1映像部分と第2映像部分との間の相対的な重要度に応じて、調整パタンを切り替えることができる。例えば、民放にとって番組本編よりもコマーシャルの優先度が高い場合、番組本編に対応する第1映像部分には第1調整パタン(上記の全画面表示に対応する調整パタン)を適用し、コマーシャルに対応する第2映像部分には第2調整パタン(上記の部分表示に対応する調整パタン)を適用することができる。
【0033】
<第3実施形態>
第3実施形態は、「配信データ」の優先度に基づいて調整パタンを切り替える実施形態に関する。
【0034】
図5は、第3実施形態におけるサーバ装置の一例を示す図である。
図5においてサーバ装置30は、取得部21と、特定部22と、調整部24と、送信部25と、制御部31とを有している。
【0035】
制御部31は、第2実施形態の制御部23と同様に、特定部22にて特定された調整対象部分の開始位置において、調整部24に調整処理を開始させる。
【0036】
また、制御部31は、配信データの「重要度」に基づいて、調整部24に実行させるに調整処理の調整パタンを切り替える。
【0037】
例えば、制御部31は、配信データの「重要度」が第1レベル(例えば最も高いレベル)である場合、調整対象部分の全範囲において、上記の第1調整パタンに基づいて調整部24に実行させるに調整処理を実行させてもよい。上記の通り、第1調整パタンは、例えば、「配信データ」がユーザ端末にて「全画面表示」されるように、放送配信ストリームを調整するパタンである。
【0038】
また、制御部31は、配信データの重要度が上記の第1レベルよりも低い第2レベル(例えば最も低いレベル)である場合、調整対象部分の全範囲において、上記の第2調整パタンに基づいて調整部24に実行させるに調整処理を実行させてもよい。上記の通り、第2調整パタンは、例えば、「配信データ」がユーザ端末にて「部分画面表示」されるように、放送配信ストリームを調整するパタンである。
【0039】
また、制御部31は、配信データの重要度が第1レベルよりも低く且つ第2レベルよりも高い第3レベル(例えば中レベル)である場合、第2実施形態の制御部23と同様の制御を行ってもよい。すなわち、制御部31は、調整対象部分における第1映像部分については、第1調整パタンに基づいて、調整部23に調整処理を実行させ、調整対象部分における第2映像部分については、第2調整パタンに基づいて、調整部23に調整処理を実行させてもよい。
【0040】
ここで、上記の配信データの「重要度」は、例えば「緊急度」であってもよい。
図6は、緊急度に基づく調整パタンの切り替え制御の一例の説明に供する図である。
【0041】
図6には、配信データが災害情報に関わるデータであるときの例が示されている。緊急度Aランクの災害情報の場合、上記の第1ランクの場合と同様に、制御部31は、調整対象部分の全範囲において、上記の第1調整パタンに基づいて調整部24に実行させるに調整処理を実行させる。例えば、緊急度Aランクの災害情報は、人の生命や財産に影響のある状況における災害情報である。
【0042】
緊急度Bランクの災害情報の場合、上記の第3ランクの場合と同様に、制御部31は、調整対象部分における第1映像部分については、第1調整パタンに基づいて、調整部23に調整処理を実行させ、調整対象部分における第2映像部分については、第2調整パタンに基づいて、調整部23に調整処理を実行させる。例えば、緊急度Bランクの災害情報は、人の生命や財産に影響する可能性のある状況における災害情報である。
【0043】
緊急度Cランクの災害情報の場合、上記の第2ランクの場合と同様に、制御部31は、調整対象部分の全範囲において、上記の第2調整パタンに基づいて調整部24に実行させるに調整処理を実行させる。例えば、緊急度Cランクの災害情報は、災害情報の共有が必要な状況における災害情報、又は、災害避難場所の情報などである。
【0044】
以上のように第3実施形態によれば、サーバ装置30にて制御部31は、配信データの「重要度」に基づいて、調整部24に実行させるに調整処理の調整パタンを切り替える。
【0045】
このサーバ装置30の構成により、例えば配信データの「重要度」に応じた表示態様にマッチする調整処理を行うことができる。
【0046】
<第4実施形態>
第4実施形態以降は、番組制作機能を有するMEC(Multi-access Edge Computing)サーバ装置に関する。
【0047】
図7は、第4実施形態におけるMECサーバ装置の一例を示すブロック図である。
図7においてMECサーバ装置50は、取得部51と、制作部52と、調整部53と、送信部54と、記憶部55とを有している。MECサーバ装置50は、キー局用に対応していてもよいし、ローカル局用に対応していてもよい。
【0048】
取得部51は、放送配信ストリームを取得する。放送配信ストリームは、例えば放送配信プラットフォーム(不図示)から配信される。また、放送配信ストリームは、全国放送に対応するストリーム、関東広域等のブロックの放送(ローカル放送)に対応するストリーム、山形県等の県単位の放送(ローカル放送)に対応するストリーム、又は、市町村単位の放送(ローカル放送)に対応するストリームであり得る。
【0049】
制作部52は、配信番組データを作成する。この配信番組データは、MECサーバ装置50の配信エリアに対応する配信番組データであってもよい。例えば、制作部52は、記憶部55に記憶されている「番組制作に関連するデータ」を用いて、配信番組データを作成する。例えば、記憶部55は、「番組制作に関連するデータ」として、VR(バーチャル・リアリティ)スタジオのデータ、及び、AI(Artificial Intelligence)アナウンサーのデータ等を記憶していてもよい。制作部52は、この番組制作に関連するデータを用いて、VRスタジオにおいてAIアナウンサーがニュース原稿を読むニュース番組の映像データを、配信番組データとして作成してもよい。
【0050】
調整部53は、取得された放送配信ストリームの少なくとも一部を、制作部52にて作成された配信番組データを用いて調整する調整処理を実行する。この調整処理は、例えば、放送配信ストリームの少なくとも一部を配信番組データによって置き換える処理であってもよい。
【0051】
送信部54は、調整された放送配信ストリームを送信対象のユーザ端末に向けて送信する。
【0052】
以上のように第4実施形態によれば、MECサーバ装置50にて制作部52は、配信番組データを作成する。調整部53は、取得された放送配信ストリームの少なくとも一部を、制作部52にて作成された配信番組データを用いて調整する調整処理を実行する。送信部54は、調整された放送配信ストリームを送信対象のユーザ端末に向けて送信する。
【0053】
このMECサーバ装置50の構成により、MECサーバ装置50にて作成した配信番組データを用いて調整した放送配信ストリームを送信対象のユーザ端末に向けて送信できる。
【0054】
なお、MECサーバ装置50は、第1実施形態から第3実施形態のサーバ装置10,20,30と同様に、制御部を有していてもよい。そして、この制御部が、調整パタンを切り替えてもよい。この調整パタンの切り替えは、制作部52にて作成される配信番組データの重要度に基づいて行われてもよい。また、MECサーバ装置50は、第1実施形態から第3実施形態のサーバ装置10,20,30と同様に、特定部を有していてもよい。そして、この特定部が、特定部22と同様の処理を行ってもよい。このとき、取得部51は、「放送スケジュール情報」を放送情報システム(不図示)から取得してもよい。すなわち、第1実施形態から第3実施形態のサーバ装置10,20,30の機能は、MECサーバ装置50に適用されてもよい。
【0055】
<第5実施形態>
第5実施形態は、プライマリMECサーバ装置とセカンダリMECサーバ装置とのデジタルツイン化に関する。
【0056】
図8は、第5実施形態における通信システムの一例を示す図である。
図8において通信システム1は、MECサーバ(プライマリMECサーバ)60と、MECサーバ(セカンダリMECサーバ)70と、放送配信プラットフォーム(放送配信システム)80と、ユーザ端末90-1,90-2とを有している。例えば、MECサーバ60は、キー局用に対応し、MECサーバ70は、そのキー局のローカル局用に対応する。
【0057】
放送配信プラットフォーム80は、放送配信ストリームをMECサーバ60,70に送信する。MECサーバ60に送信される放送配信ストリームは、例えば、全国放送向け又はキー局に対応する配信エリア(例えば関東広域)向けの放送配信ストリームであってもよい。また、MECサーバ70に送信される放送配信ストリームは、例えば、ローカル局に対応する配信エリア(例えば、県、市町村等)向けの放送配信ストリームであってもよい。MECサーバ60,70は、第4実施形態にて説明したMECサーバ装置50と同様の機能を有していてもよい。
【0058】
図9は、第5実施形態におけるプライマリMECサーバの一例を示すブロック図である。
図9においてMECサーバ60は、番組制作送出機能部61と、複製制御部62とを有する。
【0059】
番組制作送出機能部61は、配信番組データを作成する機能部である。すなわち、番組制作送出機能部61は、例えば、第4実施形態の制作部52及び記憶部55(番組制作送出に関連するデータ)に相当する。
【0060】
複製制御部62は、番組制作送出機能部61に関わるデータ(例えば、番組制作送出機能部61を実現するためのプログラム、番組制作送出に関連するデータ等)を、MECサーバ70に送信する。この番組制作送出機能部61に関わるデータは、MECサーバ60とMECサーバ70との間の制御プレーンを用いて送信されてもよい。複製制御部62は、例えば、MECサーバ70が通信システム1に新規に配設されたときに、番組制作送出機能部61に関わるデータをMECサーバ70に送信してもよい。複製制御部62は、例えば、MECサーバ70からの要求信号に応じて、番組制作送出機能部61に関わるデータをMECサーバ70に送信してもよい。
【0061】
図10は、第5実施形態におけるセカンダリMECサーバの一例を示すブロック図である。
図10においてMECサーバ70は、複製部71を有している。
【0062】
複製部71は、番組制作送出機能部61を複製することによって、MECサーバ70に、番組制作送出機能部72を構築する。例えば、複製部71は、MECサーバ60に上記の要求信号を送信する。そして、複製部71は、複製制御部62から送信された番組制作送出機能部61に関わるデータを受信する。複製部71は、受信した番組制作送出機能部61に関わるデータを用いて、番組制作送出機能部61を複製することによって、MECサーバ70に、番組制作送出機能部72を構築する。受信された番組制作送出機能部61に関わるデータは、番組制作送出機能部72の記憶部(不図示)に記憶されてもよい。番組制作送出機能部72は、第4実施形態の制作部52及び記憶部55(番組制作送出に関連するデータ)に相当する。
【0063】
以上のように第5実施形態によれば、MECサーバ70にて複製部71は、番組制作送出機能部61を複製することによって、MECサーバ70に、番組制作送出機能部72を構築する。
【0064】
このMECサーバ70の構成により、MECサーバ70を通信システム1に新規に配設するときにMECサーバ70に容易に番組制作送出機能部を構築することができる。
【0065】
<第6実施形態>
第6実施形態は、プライマリMECサーバ装置における更新をセカンダリMECサーバ装置に反映させる実施形態に関する。なお、第6実施形態における通信システムの基本構成は、第5実施形態の通信システム1と同じなので、
図8を参照する。すなわち、
図8のMECサーバ60,70を、後述するMECサーバ100,110によって置き換えればよい。
【0066】
図11は、第6実施形態におけるプライマリMECサーバの一例を示す図である。
図11においてMECサーバ100は、更新制御部101を有している。
【0067】
更新制御部101は、番組制作送出機能部61に関わるデータに更新があったときに、更新データをMECサーバ110に送信する。この更新データは、MECサーバ100とMECサーバ110との間の制御プレーンを用いて送信されてもよい。
【0068】
図12は、第6実施形態におけるセカンダリMECサーバの一例を示す図である。
図12においてMECサーバ110は、更新部111を有している。
【0069】
更新部111は、MECサーバ100から更新データをから取得し、取得した更新データを用いて、番組制作送出機能部72を更新する。例えば、更新部111は、番組制作送出機能部72の記憶部(不図示)に記憶されているデータ(つまり、複製に用いられたデータ)を、更新データによって更新する。
【0070】
以上のように第6実施形態によれば、MECサーバ110にて更新部111は、MECサーバ100から番組制作送出機能部61に関わる更新データを取得し、取得した更新データを用いて、番組制作送出機能部72を更新する。
【0071】
このMECサーバ110の構成により、プライマリMECサーバ装置における更新をセカンダリMECサーバに確実に反映させることができる。
【0072】
<他の実施形態>
図13は、サーバ装置のハードウェア構成例を示す図である。
図13においてサーバ装置200は、プロセッサ201と、メモリ202とを有している。プロセッサ201は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU(Micro Processing Unit)、又はCPU(Central Processing Unit)であってもよい。プロセッサ201は、複数のプロセッサを含んでもよい。メモリ202は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリ202は、プロセッサ201から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ201は、図示されていないI/Oインタフェースを介してメモリ202にアクセスしてもよい。
【0073】
第1実施形態から第3実施形態のサーバ装置10,20,30及び第4実施形態から第6実施形態のMECサーバ50,60,70,100,110は、それぞれ、
図13に示したハードウェア構成を有することができる。第1実施形態から第3実施形態のサーバ装置10,20,30の取得部11,21と、調整部12,24と、制御部13,23,31と、特定部22と、送信部25とは、プロセッサ201がメモリ202に記憶されたプログラムを読み込んで実行することにより実現されてもよい。第4実施形態から第6実施形態のMECサーバ50,60,70,100,110の取得部51と、制作部52と、調整部53と、送信部54と、番組制作送出機能部61と、複製制御部62と、複製部71と、番組制作送出機能部72と、更新制御部101と、更新部111とは、プロセッサ201がメモリ202に記憶されたプログラムを読み込んで実行することにより実現されてもよい。記憶部55及び上記の記憶部(不図示)は、メモリ202によって実現されてもよい。プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、サーバ装置10,20,30及びMECサーバ50,60,70,100,110に供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)を含む。さらに、非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/Wを含む。さらに、非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、半導体メモリを含む。半導体メモリは、例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory)を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってサーバ装置10,20,30及びMECサーバ50,60,70,100,110に供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをサーバ装置10,20,30及びMECサーバ50,60,70,100,110に供給できる。
【0074】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0075】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記A1)
放送配信ストリームを取得する取得手段と、
取得した放送配信ストリームの少なくとも一部を、配信データを用いて調整する調整処理を実行する調整手段と、
前記調整手段に実行させる調整パタンを切り替える制御手段と、
を具備するサーバ装置。
(付記A2)
前記制御手段は、前記配信データの重要度に基づいて、前記調整手段に実行させる調整パタンを切り替える、
付記A1記載のサーバ装置。
(付記A3)
前記制御手段は、
前記配信データの重要度が第1レベルである場合、前記放送配信ストリームの調整対象部分を前記配信データによって置き換える、第1調整パタンに基づいて、前記調整手段に前記調整処理を実行させ、
前記配信データの重要度が前記第1レベルよりも低い第2レベルである場合、前記放送配信ストリームの調整対象部分に含まれる複数の画像フレームデータユニットのそれぞれにおける一部を前記配信データによって置き換える、第2調整パタンに基づいて、前記調整手段に前記調整処理を実行させる、
付記A2記載のサーバ装置。
(付記A4)
放送スケジュール情報に基づいて、前記放送配信ストリームにおける、第1映像種別についての少なくとも1つの第1映像部分及び第2映像種別についての少なくとも1つの第2映像部分を特定し、前記第1映像部分の開始位置又は前記第2映像部分の開始位置を、前記放送配信ストリームの調整対象部分の開始位置として特定する特定手段をさらに具備し、
前記制御手段は、前記配信データの重要度が前記第1レベルよりも低く且つ前記第2レベルよりも高い場合、前記第1映像部分を前記配信データによって置き換え、且つ、前記第2映像部分に含まれる複数の画像フレームデータユニットのそれぞれにおける一部を前記配信データによって置き換える、第3調整パタンに基づいて、前記調整手段に前記調整処理を実行させる、
付記A3記載のサーバ装置。
(付記A5)
前記第1映像種別は、番組の本編に対応し、
前記第2映像種別は、コマーシャルに対応する、
付記A4記載のサーバ装置。
(付記A6)
放送スケジュール情報に基づいて、前記放送配信ストリームにおける、第1映像種別についての少なくとも1つの第1映像部分及び第2映像種別についての少なくとも1つの第2映像部分を特定し、前記第1映像部分の開始位置又は前記第2映像部分の開始位置を、前記放送配信ストリームの調整対象部分の開始位置として特定する特定手段をさらに具備し、
前記制御手段は、さらに、前記特定された調整対象部分の開始位置において、前記調整手段に前記調整処理を開始させる、
付記A1記載のサーバ装置。
(付記A7)
前記制御手段は、
前記調整対象部分における前記第1映像部分については、前記第1映像部分を前記配信データによって置き換える第1調整パタンに基づいて、前記調整手段に前記調整処理を実行させ、
前記調整対象部分における前記第2映像部分については、前記第2映像部分に含まれる複数の画像フレームデータユニットのそれぞれにおける一部を前記配信データによって置き換える、第2調整パタンに基づいて、前記調整手段に前記調整処理を実行させる、
付記A6記載のサーバ装置。
(付記A8)
サーバ装置によって実行される方法であって、
放送配信ストリームを取得することと、
取得した放送配信ストリームの少なくとも一部を、配信データを用いて調整する調整処理を実行することと、
前記調整処理における調整パタンを切り替えることと、
を含む方法。
(付記A9)
前記調整処理における調整パタンを切り替えることは、前記配信データの重要度に基づいて、前記調整処理における調整パタンを切り替えることを含む、
付記A8記載の方法。
(付記A10)
前記放送配信ストリームの調整対象部分において、第1映像種別及び第2映像種別にそれぞれについての第1映像部分及び第2映像部分を特定することをさらに含み、
前前記調整処理における調整パタンを切り替えることは、
前記第1映像部分については、前記第1映像部分を前記配信データによって置き換える第1調整パタンに基づいて、前記調整手段に前記調整処理を実行させることと、
前記第2映像部分については、前記第2映像部分に含まれる複数の画像フレームデータユニットのそれぞれにおける一部を前記配信データによって置き換える、第2調整パタンに基づいて、前記調整手段に前記調整処理を実行させることと、
を含む、
付記A8記載の方法。
(付記A11)
放送配信ストリームを取得することと、
取得した放送配信ストリームの少なくとも一部を、配信データを用いて調整する調整処理を実行することと、
前記調整処理における調整パタンを切り替えることと、
を含む処理を、サーバ装置に実行させるプログラム。
(付記A12)
前記調整処理における調整パタンを切り替えることは、前記配信データの重要度に基づいて、前記調整処理における調整パタンを切り替えることを含む、
付記A11記載のプログラム。
(付記A13)
前記処理は、前記放送配信ストリームの調整対象部分において、第1映像種別及び第2映像種別にそれぞれについての第1映像部分及び第2映像部分を特定することをさらに含み、
前前記調整処理における調整パタンを切り替えることは、
前記第1映像部分については、前記第1映像部分を前記配信データによって置き換える第1調整パタンに基づいて、前記調整手段に前記調整処理を実行させることと、
前記第2映像部分については、前記第2映像部分に含まれる複数の画像フレームデータユニットのそれぞれにおける一部を前記配信データによって置き換える、第2調整パタンに基づいて、前記調整手段に前記調整処理を実行させることと、
を含む、
付記A11記載のプログラム。
【0076】
(付記B1)
MEC(Multi-access Edge Computing)サーバ装置であって、
放送配信ストリームを取得する取得手段と、
配信番組データを作成する番組制作手段と、
前記取得された放送配信ストリームの少なくとも一部を、前記配信番組データを用いて調整する調整処理を実行する調整手段と、
前記調整された放送配信ストリームを送信する送信手段と、
を具備するMECサーバ装置。
(付記B2)
前記調整手段に実行させる調整パタンを切り替える制御手段をさらに具備する、
付記B1記載のMECサーバ装置。
(付記B3)
前記制御手段は、前記配信番組データの重要度に基づいて、前記調整手段に実行させる調整パタンを切り替える、
付記B2記載のMECサーバ装置。
(付記B4)
前記制御手段は、
前記配信番組データの重要度が第1レベルである場合、前記放送配信ストリームの調整対象部分を前記配信番組データによって置き換える、第1調整パタンに基づいて、前記調整手段に前記調整処理を実行させ、
前記配信番組データの重要度が前記第1レベルよりも低い第2レベルである場合、前記放送配信ストリームの調整対象部分に含まれる複数の画像フレームデータユニットのそれぞれにおける一部を前記配信番組データによって置き換える、第2調整パタンに基づいて、前記調整手段に前記調整処理を実行させる、
付記B3記載のMECサーバ装置。
(付記B5)
放送スケジュール情報に基づいて、前記放送配信ストリームにおける、第1映像種別についての少なくとも1つの第1映像部分及び第2映像種別についての少なくとも1つの第2映像部分を特定し、前記第1映像部分の開始位置又は前記第2映像部分の開始位置を、前記放送配信ストリームの調整対象部分の開始位置として特定する特定手段をさらに具備し、
前記制御手段は、前記配信番組データの重要度が前記第1レベルよりも低く且つ前記第2レベルよりも高い場合、前記第1映像部分を前記配信番組データによって置き換え、且つ、前記第2映像部分に含まれる複数の画像フレームデータユニットのそれぞれにおける一部を前記配信番組データによって置き換える、第3調整パタンに基づいて、前記調整手段に前記調整処理を実行させる、
付記B4記載のMECサーバ装置。
(付記B6)
前記第1映像種別は、番組の本編に対応し、
前記第2映像種別は、コマーシャルに対応する、
付記B5記載のMECサーバ装置。
(付記B7)
放送スケジュール情報に基づいて、前記放送配信ストリームにおける、第1映像種別についての少なくとも1つの第1映像部分及び第2映像種別についての少なくとも1つの第2映像部分を特定し、前記第1映像部分の開始位置又は前記第2映像部分の開始位置を、前記放送配信ストリームの調整対象部分の開始位置として特定する特定手段をさらに具備し、
前記制御手段は、さらに、前記特定された調整対象部分の開始位置において、前記調整手段に前記調整処理を開始させる、
付記B2記載のサーバ装置。
(付記B8)
MEC(Multi-access Edge Computing)サーバ装置によって実行される方法であって、
放送配信ストリームを取得することと、
配信番組データを作成することと、
前記取得された放送配信ストリームの少なくとも一部を、前記配信番組データを用いて調整する調整処理を実行することと、
前記調整された放送配信ストリームを送信することと、
を含む方法。
(付記B9)
前記調整処理における調整パタンを切り替えることをさらに含む、
付記B8記載の方法。
(付記B10)
前記調整処理における調整パタンを切り替えることは、前記配信番組データの重要度に基づいて、前記調整処理における調整パタンを切り替えることを含む、
付記B8記載の方法。
(付記B11)
放送配信ストリームを取得することと、
配信番組データを作成することと、
前記取得された放送配信ストリームの少なくとも一部を、前記配信番組データを用いて調整する調整処理を実行することと、
前記調整された放送配信ストリームを送信することと、
を含む処理を、MEC(Multi-access Edge Computing)サーバ装置に実行させるプログラム。
(付記B12)
前記処理は、前記調整処理における調整パタンを切り替えることをさらに含む、
付記B11記載のプログラム。
(付記B13)
前記調整処理における調整パタンを切り替えることは、前記配信番組データの重要度に基づいて、前記調整処理における調整パタンを切り替えることを含む、
付記B11記載のプログラム。
(付記B14)
プライマリMEC(Multi-access Edge Computing)サーバ装置とセカンダリMECサーバ装置とを含む通信システムであって、
前記プライマリMECサーバ装置は、第1番組制作送出機能手段を有し、
前記セカンダリMECサーバ装置は、前記第1番組制作送出機能手段を複製することによって、前記セカンダリMECサーバ装置に、第2番組制作送出機能手段を構築する複製手段を具備する、
通信システム。
(付記B15)
前記セカンダリMECサーバ装置は、
前記第1番組制作送出機能手段の更新情報を取得し、
前記取得された更新情報に基づいて、前記第2番組制作送出機能手段を更新する更新手段と、
を具備する、
付記B14記載の通信システム。
(付記B16)
前記通信システムは、放送情報システムを含み、
前記プライマリMECサーバ装置及び前記セカンダリMECサーバ装置は、それぞれ、前記放送情報システムから放送スケジュール情報を取得する、
付記B14記載の通信システム。
(付記B17)
プライマリMEC(Multi-access Edge Computing)サーバ装置とセカンダリMECサーバ装置とを含む通信システムにおける前記セカンダリMECサーバ装置であって、
前記プライマリMECサーバ装置は、第1番組制作送出機能手段を有し、
前記セカンダリMECサーバ装置は、前記第1番組制作送出機能手段を複製することによって、前記セカンダリMECサーバ装置に、第2番組制作送出機能手段を構築する複製手段を具備する、
セカンダリMECサーバ装置。
(付記B18)
前記第1番組制作送出機能手段の更新情報を取得し、
前記取得された更新情報に基づいて、前記第2番組制作送出機能手段を更新する更新手段と、
をさらに具備する付記B17記載のセカンダリMECサーバ装置。
(付記B19)
前記通信システムは、放送情報システムを含み、
前記取得部は、前記放送情報システムから放送スケジュール情報を取得する、
付記B18記載のセカンダリMECサーバ装置。
(付記B20)
プライマリMEC(Multi-access Edge Computing)サーバ装置とセカンダリMECサーバ装置とを含む通信システムにおける前記セカンダリMECサーバ装置に実行される方法であって、
前記プライマリMECサーバ装置は、第1番組制作送出機能手段を有し、
前記方法は、前記第1番組制作送出機能手段を複製することによって、前記セカンダリMECサーバ装置に、第2番組制作送出機能手段を構築することを含む、
方法。
(付記B21)
前記第1番組制作送出機能手段の更新情報を取得することと、
前記取得された更新情報に基づいて、前記第2番組制作送出機能手段を更新することと、
をさらに含む付記B20記載の方法。
(付記B22)
プライマリMEC(Multi-access Edge Computing)サーバ装置とセカンダリMECサーバ装置とを含む通信システムにおける前記セカンダリMECサーバ装置に処理を実行させるプログラムであって、
前記プライマリMECサーバ装置は、第1番組制作送出機能手段を有し、
前記処理は、前記第1番組制作送出機能手段を複製することによって、前記セカンダリMECサーバ装置に、第2番組制作送出機能手段を構築することを含む、
プログラム。
(付記B23)
前記処理は、
前記第1番組制作送出機能手段の更新情報を取得することと、
前記取得された更新情報に基づいて、前記第2番組制作送出機能手段を更新することと、
をさらに含む、
付記B22記載のプログラム。
【符号の説明】
【0077】
1 通信システム
10 サーバ装置
11 取得部
12 調整部
13 制御部
20 サーバ装置
21 取得部
22 特定部
23 制御部
24 調整部
25 送信部
30 サーバ装置
31 制御部
50 MECサーバ
51 取得部
52 制作部
53 調整部
54 送信部
55 記憶部
60 MECサーバ(プライマリMECサーバ)
61 番組制作送出機能部
62 複製制御部
70 MECサーバ(セカンダリMECサーバ)
71 複製部
72 番組制作送出機能部
80 放送配信プラットフォーム(放送配信システム)
90 ユーザ端末
100 MECサーバ(プライマリMECサーバ)
101 更新制御部
110 MECサーバ(セカンダリMECサーバ)
111 更新部