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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135883
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】電子装置および電子装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20240927BHJP
   H01L 21/56 20060101ALI20240927BHJP
   H05K 1/18 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
H01L21/60 311S
H01L21/56 E
H05K1/18 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023046779
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】大塚 恭子
【テーマコード(参考)】
5E336
5F044
5F061
【Fターム(参考)】
5E336AA04
5E336BB01
5E336CC34
5E336CC58
5E336DD16
5E336DD26
5E336DD28
5E336EE01
5E336EE07
5E336GG16
5F044KK03
5F044LL05
5F044QQ01
5F044RR16
5F061AA01
5F061BA05
5F061CA26
(57)【要約】
【課題】チップ電極とフレキシブル回路基板の電極とが、より確実に接合される電子装置を提供する。
【解決手段】電子装置は、チップ部品とフレキシブル回路基板とを有し、フェイスダウン方式で、チップ部品の回路形成面に形成されたチップ電極と、フレキシブル回路基板の第1の主面に設けられた基板電極とが導電性のバンプを介して接続された電子装置であって、チップ部品の回路形成面とは反対の面に取り付けられ補強板と、第1の主面と補強板との間隔が予め定めた第1の距離になるように、フレキシブル回路基板と補強板とを支持する支持部と、回路形成面と第1の主面との間の空間を充填し、かつ、チップ部品の側面と支持部とにつながる樹脂と、を備え、回路形成面と第1の主面との間の空間を充填される樹脂と、チップ部品の側面と支持部とにつながる樹脂が同じものである。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チップ部品とフレキシブル回路基板とを有し、フェイスダウン方式で、前記チップ部品の回路形成面に形成されたチップ電極と、前記フレキシブル回路基板の第1の主面に設けられた基板電極とが導電性のバンプを介して接続された電子装置であって、
前記チップ部品の前記回路形成面とは反対の面に取り付けられた補強板と、
前記第1の主面と前記補強板との間隔が予め定めた第1の距離になるように、前記フレキシブル回路基板と前記補強板とを支持する支持部と、
前記回路形成面と前記第1の主面との間の空間に充填され、かつ、前記チップ部品の側面と前記支持部とにつながる樹脂と、
を備え、
前記回路形成面と前記第1の主面との間の空間に充填された前記樹脂と、前記チップ部品の側面と前記支持部とにつながる前記樹脂が同じものである、
ことを特徴とする電子装置。
【請求項2】
前記支持部が前記チップ部品の側面を囲う枠状に形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記支持部が前記チップ部品の側面の外側に設けられた柱状の部材である、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項4】
前記補強板と前記支持部とが一体に形成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電子装置。
【請求項5】
前記補強板および前記支持部の曲げ弾性率が、前記フレキシブル回路基板の基材の曲げ弾性率よりも大きい、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電子装置。
【請求項6】
チップ部品とフレキシブル回路基板とを有し、フェイスダウン方式で、前記チップ部品の回路形成面に形成されたチップ電極と、前記フレキシブル回路基板の第1の主面に設けられた基板電極とが導電性のバンプを介して接続された電子装置であって、
前記チップ部品の前記回路形成面とは反対の面に取り付けられ補強板と、
前記第1の主面と前記補強板との間隔が予め定めた第1の距離になるように、前記フレキシブル回路基板と前記補強板とを支持する支持部と、
前記フレキシブル回路基板の前記支持部に対応する場所に設けられ、前記フレキシブル回路基板を補強する補強部材と、
前記回路形成面と前記第1の主面との間の空間を充填し、かつ、前記チップ部品の側面と前記支持部とにつながる樹脂と、
を備えることを特徴とする電子装置。
【請求項7】
チップ部品とフレキシブル回路基板とを有し、フェイスダウン方式で、前記チップ部品の回路形成面に形成されたチップ電極と、前記フレキシブル回路基板の第1の主面に設けられた基板電極とがバンプを介して接続された電子装置の製造方法であって、
前記チップ部品の前記回路形成面の反対側の面に補強板を取り付け、
前記チップ電極の上に導電性のバンプを形成し、
前記バンプと他の前記バンプとの間の空間に充填されるように前記回路形成面に対して樹脂を付着させ、
前記第1の主面と前記補強板との間隔が予め定めた第1の距離になるように、前記フレキシブル回路基板と前記補強板とを支持する支持部を設け、
前記チップ電極と前記基板電極とを前記バンプを介して接合させる、
ことを特徴とする電子装置の製造方法。
【請求項8】
前記チップ電極と前記基板電極とを前記バンプによって接続する前に、前記樹脂を半硬化させる、
ことを特徴とする請求項6に記載の電子装置の製造方法。
【請求項9】
前記支持部が前記補強板と一体に形成されている、
ことを特徴とする請求項6または7に記載の電子装置の製造方法。
【請求項10】
チップ部品とフレキシブル回路基板とを有し、フェイスダウン方式で、前記チップ部品の回路形成面に形成されたチップ電極と、前記フレキシブル回路基板の第1の主面に設けられた基板電極とがバンプを介して接続された電子装置の製造方法であって、
前記チップ部品の前記回路形成面の反対側の面に補強板を取り付け、
前記基板電極の上に導電性のバンプを形成し、
前記バンプと他の前記バンプとの間の空間に充填されるように前記第1の主面に対して樹脂を付着させ、
前記第1の主面と前記補強板との間隔が予め定めた第1の距離になるように、前記フレキシブル回路基板と前記補強板とを支持する支持部を設け、
前記チップ電極と前記基板電極とを前記バンプを介して接合させる、
ことを特徴とする電子装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の小型化が進んでいる。これに伴い、回路基板へのチップ部品実装における省スペース化が進んでいる。チップ部品は、例えば、半導体集積回路や光電素子をチップ化した部品である。この省スペース化を図るために、フリップチップ実装の利用が盛んになっている。フリップチップ実装では、チップ部品の回路形成面が回路基板に対向される。そして、チップ部品の電極と回路基板の電極とが、直接または接合材を介して接続される。フリップチップ実装では、電極間を接続するワイヤが不要になる。このため、実装の省スペース化が可能になる。また、電極間がワイヤよりも短い距離で接続される。このため、伝送損失が低減される。これにより、電子機器の高速化や高周波数化が可能になる。
【0003】
ところで、チップ部品が回路基板にフリップチップ実装された電子機器では、環境温度の上昇と下降があった際に、回路基板に反り等の変形が発生することがある。これはチップ部品と回路基板との熱膨張率が異なることが原因である。このような変形があると、チップ部品の電極と回路基板の電極との接合部に応力が加わって破損する恐れがある。そこで、接合部の破損のリスクを低減する方法が検討されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、チップ部品(特許文献1では半導体チップ部品と記載)上に搭載された蓋部と、チップ部品を囲む枠型の補強材と、樹脂とを用いて、接合部の破壊の防止を図る半導体装置及びその製造方法が提案されている。この技術では、フリップチップ実装で、回路基板(特許文献1では搭載用基板と記載)にチップ部品が接合される。そして、チップ部品と回路基板との間に第1の樹脂が充填される。また、チップ部品を囲む枠型の補強材と蓋部とが設けられる。蓋部が、チップ部品の接合部と反対の面(特許文献1では裏面と記載)に搭載される。また、補強材の第1の端面が回路基板に接続され、第1の端面と対向する第2の端面が蓋部に接続される。そして、チップ部品の側面と回路基板と補強材と蓋部とに囲まれた空間の少なくとも一部に第2の樹脂が充填される。ここで、第2の樹脂の熱膨張率が、第1の樹脂の熱膨張率よりも小さい。また、第1および第2の樹脂は同じエポキシ系樹脂からなり、無機質フィラーの含有量が異なる。特許文献1では、補強材によって、温度変化の際の回路基板の反りが低減されるとされている。また、第2の樹脂が存在することによって、接合部の第1の樹脂に加わる応力が緩和され、接合部の破壊が防止されるとされている。
【0005】
そして、上記の半導体装置は、以下のような製造方法によって製造される。まず、補強材の第1の端面が回路基板に接着される。次に、チップ部品が回路基板にフリップチップ実装される。ここで、チップ電極にはバンプ電極が接着され、各バンプ電極が対応する内部ランド電極(回路基板の電極)に位置決めされて、チップ部品が回路基板に載置される。そして、例えば、加熱や超音波によって、チップ電極と内部ランド電極が接続される。次に、チップ部品と回路基板との間に、第1の樹脂が充填される。次に、完全には固化しない状態まで、第1の樹脂が熱硬化される。次に、補強材の内壁と、チップ部品の側壁と、回路基板の第1の面及びフィレット部(第1の樹脂の外面)で囲まれた空間に第2の樹脂が充填される。次に、完全に硬化しない状態まで第2の樹脂が熱硬化される。次に、チップ部品の接合部と反対の面および補強材の第2の端面に接着材が塗布され、蓋部が接着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004-260138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
フリップチップ実装では、超音波振動を用いた超音波接合によりバンプと電極とが接合されることが多い。ここで、回路基板として、可撓性のフレキシブル回路基板が用いられることがある。フレキシブル回路基板は、一般的に薄く柔軟性に優れる。このため、フレキシブル回路基板は、三次元配線や可動配線にも適用可能である。また、可撓性でないリジッド基板と同様に、フレキシブル回路基板に部品を搭載することが可能である。このような特徴のため、フレキシブル回路基板の使用は、機器の小型化や軽量化に有効である。フレキシブル回路基板の基材には、例えば、ポリイミド、変性ポリイミド、液晶ポリマー、フッ素樹脂などが用いられている。
【0008】
ところで、フレキシブル回路基板では、接合時に超音波振動によってフレキシブル回路基板が動き、接合が不十分なることがある。上記したように、特許文献1の半導体装置(電子モジュール)の製造では、補強材と蓋部とが接着される前に、回路基板にチップ部品がフリップチップ接続される。つまり、チップ電極と回路基板の電極とが接合される際には、補強材による補強がなされていない。一般的に、接合時には、荷重の印加と、加熱や超音波の印加が行われる。変形しやすいフレキシブル回路基板が用いられた際には、フレキシブル回路基板が変形したり振動したりして、接合が不十分になる恐れがあった。
【0009】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、チップ部品のチップ電極とフレキシブル回路基板の電極とが、より確実に接合される電子装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するため、本発明の電子装置は、チップ部品とフレキシブル回路基板とを有し、フェイスダウン方式で、前記チップ部品の回路形成面に形成されたチップ電極と、前記フレキシブル回路基板の第1の主面に設けられた基板電極とが導電性のバンプを介して接続された電子装置であって、前記チップ部品の前記回路形成面とは反対の面に取り付けられ補強板と、前記第1の主面と前記補強板との間隔を予め定めた第1の距離に保持する支持部と、前記回路形成面と前記第1の主面との間の空間を充填し、かつ、前記チップ部品の側面を覆う一種類の樹脂と、を備える。
【0011】
また、別の形態では、本発明の電子装置は、チップ部品とフレキシブル回路基板とを有し、フェイスダウン方式で、前記チップ部品の回路形成面に形成されたチップ電極と、前記フレキシブル回路基板の第1の主面に設けられた基板電極とが導電性のバンプを介して接続された電子装置であって、前記チップ部品の前記回路形成面とは反対の面に取り付けられ補強板と、前記第1の主面と前記補強板との間隔を予め定めた第1の距離に保持する支持部と、前記フレキシブル回路基板の前記支持部に対応する場所に設けられ、前記フレキシブル回路基板を補強する補強部材と、前記回路形成面と前記第1の主面との間の空間を充填し、かつ、前記チップ部品の側面を覆う樹脂と、を備える。
【0012】
また、本発明の電子装置の製造方法は、チップ部品とフレキシブル回路基板とを有し、フェイスダウン方式で、前記チップ部品の回路形成面に形成されたチップ電極と、前記フレキシブル回路基板の第1の主面に設けられた基板電極とがバンプを介して接続された電子装置の製造方法であって、前記チップ部品の前記回路形成面の反対側の面に補強板を取り付け、前記チップ電極の上に導電性のバンプを形成し、前記バンプと他の前記バンプとの間の空間に充填されるように前記回路形成面に対して樹脂を付着させ、前記第1の主面と前記補強板との間隔を予め定めた第1の距離に保持する支持部を設け、前記チップ電極と前記基板電極とを前記バンプを介して接合させる。
【0013】
また、別の形態では、本発明の電子装置の製造方法は、チップ部品とフレキシブル回路基板とを有し、フェイスダウン方式で、前記チップ部品の回路形成面に形成されたチップ電極と、前記フレキシブル回路基板の第1の主面に設けられた基板電極とがバンプを介して接続された電子装置の製造方法であって、前記チップ部品の前記回路形成面の反対側の面に補強板を取り付け、前記基板電極の上に導電性のバンプを形成し、前記バンプと他の前記バンプとの間の空間に充填されるように前記第1の主面に対して樹脂を付着させ、前記第1の主面と前記補強板との間隔を予め定めた第1の距離に保持する支持部を設け、前記チップ電極と前記基板電極とを前記バンプを介して接合させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の効果は、チップ部品のチップ電極とフレキシブル回路基板の電極とが、より確実に接合される電子装置を提供できることである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1の実施形態の電子装置を示す断面模式図である。
図2】第1の実施形態の電子装置の製造方法を説明するための断面模式図である。
図3】第1の実施形態の電子装置の製造方法を示すフローチャートである。
図4】第1の実施形態の電子装置の製造方法の変形例1を示すフローチャートである。
図5】第1の実施形態の電子装置の補強板と支持部の具体例1を示す斜視図である。
図6】第1の実施形態の電子装置の具体例1の製造方法の第1の状態を示す斜視図である。
図7】第1の実施形態の電子装置の具体例1の製造方法の第1の状態を示す断面図である。
図8】第1の実施形態の電子装置の具体例1の製造方法の第2の状態を示す断面図である。
図9】第1の実施形態の電子装置の具体例1の製造方法の第3の状態を示す断面図である。
図10】第1の実施形態の電子装置の具体例1の製造方法の第4の状態を示す断面図である。
図11】第1の実施形態の電子装置の具体例1の製造方法の第5の状態を示す断面図である。
図12】第1の実施形態の電子装置の具体例1の製造方法の変形例を示す断面図である。
図13】第1の実施形態の電子装置の補強板と支持部の具体例2を示す斜視図である。
図14】第1の実施形態の電子装置の具体例2の製造方法の第1の状態を示す断面図である。
図15】第1の実施形態の電子装置の補強板と支持部の具体例3を示す斜視図である。
図16】第1の実施形態の電子装置の補強板と支持部の具体例4を示す斜視図である。
図17】第1の実施形態の電子装置の補強板と支持部の具体例5を示す斜視図である。
図18】第1の実施形態の電子装置の補強板と支持部の具体例6を示す斜視図である。
図19】第1の実施形態の電子装置の補強板と支持部の具体例7を示す斜視図である。
図20】第1の実施形態の電子装置の補強板と支持部の具体例8を示す斜視図である。
図21】第1の実施形態の電子装置の補強板と支持部の具体例9を示す斜視図である。
図22】第2の実施形態の電子装置を示す断面模式図である。
図23】第2の実施形態の電子装置の変形例を示す断面模式図である。
図24】第3の実施形態の電子装置の製造方法の第1の状態を示す断面模式図である。
図25】第3の実施形態の電子装置の製造方法の第2の状態を示す断面模式図である。
図26】第4の実施形態の電子装置の製造方法の第1の状態を示す断面模式図である。
図27】第4の実施形態の電子装置の製造方法の第2の状態を示す断面模式図である。
図28】第5の実施形態の電子装置の製造方法の第1の状態を示す断面模式図である。
図29】第5の実施形態の電子装置の製造方法の第2の状態を示す断面模式図である。
図30】第5の実施形態の電子装置の製造方法の第3の状態を示す断面模式図である。
図31】第5の実施形態の電子装置の製造方法の第4の状態を示す断面模式図である。
図32】第5の実施形態の電子装置の製造方法の第5の状態を示す断面模式図である。
図33】第6の実施形態の電子装置の製造方法の具体例10を示す断面模式図である。
図34】第6の実施形態の電子装置の製造方法の具体例11を示す断面模式図である。
図35】第6の実施形態の電子装置の製造方法の具体例12を示す断面模式図である。
図36】第7の実施形態の電子装置を示す断面模式図である。
図37】第7の実施形態の電子装置の変形例を示す断面模式図である。
図38】第8の実施形態の電子装置の製造方法の第1の状態を示す平面図である。
図39】第8の実施形態の電子装置の製造方法の第2の状態を示す側面図である。
図40】第8の実施形態の電子装置の製造方法の第3の状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい限定がされているが、発明の範囲を以下に限定するものではない。なお各図面の同様の構成要素には同じ番号を付し、説明を省略する場合がある。
【0017】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の電子装置100を示す断面模式図である。電子装置100が、チップ部品10とフレキシブル回路基板20とを有する。チップ部品10は、例えば、半導体集積回路や光電素子などをチップ化した部品である。また、フレキシブル回路基板20は、可撓性を備えた基材と配線を備えた回路基板である。チップ部品10の回路形成面11には、チップ電極12が形成されている。フレキシブル回路基板20の第1の主面21には、基板電極22設けられている。そして、チップ電極12と基板電極とが、導電性のバンプ30によって接合されている。つまり、チップ部品10の回路形成面11が、フレキシブル回路基板20の第1の主面21に対向するフェイスダウン方式で、チップ部品10がフレキシブル回路基板20に実装されている。
【0018】
チップ部品10の回路形成面11と反対の面には、補強板40が取り付けられている。
【0019】
補強板40と第1の主面21との間には支持部41が設けられている。第1の主面21と補強板40との間隔が予め定めた第1の距離となるように、支持部41が補強板40を支持する。
【0020】
回路形成面11と第1の主面21との間の空間には、樹脂50が充填されている。さらに、チップ部品10の側面と支持部41につながるように樹脂50が設けられている。なお、樹脂50は、熱や紫外線で硬化する樹脂を用いている。これらは、熱硬化性樹脂および紫外線硬化性樹脂とも呼ばれている。
【0021】
次に、電子装置100の製造方法について説明する。図2は、第1の実施形態の電子装置100の製造方法を説明するための断面模式図である。なお、図2にて、紙面の上方は鉛直上方方向であり、紙面の下方は鉛直下方方向である。まず、図2の上の図のように、チップ部品10の回路形成面11と反対の面に補強板40が取り付けられている。また、第1の主面21が鉛直上方を向くように、フレキシブル回路基板20がステージ200に載置される。また、それぞれのチップ電極12上には、バンプ30が形成されている。そして、バンプ30と他のバンプ30の間の空間に充填されるように、回路形成面11に対して樹脂が付着される。ここで、バンプ30と他のバンプ30の間の空間とは、あるバンプ30と隣にあるバンプ30との間の空間を含む。つまり、それぞれのバンプ30と隣にあるバンプ30との間の空間が樹脂50で充填されることで、あるバンプ30と他の全てのバンプ30との間の空間に樹脂50が充填される。なお、この段階で、支持部41が補強板40に取り付けられても良い。
【0022】
次に、回路形成面11をフレキシブル回路基板20の第1の主面21に対向させて、チップ部品10がフレキシブル回路基板20に対してフェイスダウンで載置される。この際、バンプ30が基板電極22に位置合わせされる。そして、例えば、熱または超音波あるいはその両方を印加しながら、補強板40をフレキシブル回路基板20側に押圧することにより、バンプ30と基板電極22とが接合される。この際、支持部41が存在することによって、補強板40と第1の主面21との間隔が、予め定めた第1の距離になる。つまり、フレキシブル回路基板20の変形が抑制される。また、間隔が第1の距離に保たれることで、熱や超音波が、複数のバンプ30に対して、より均等に加えられる。その結果、チップ電極12と基板電極22とが、より確実に接合される。なお、チップ電極12と基板電極22とがバンプ30によって接合された状態が保たれるように、第1の距離が設定される。そして、熱や紫外線等によって、樹脂50が硬化される。
【0023】
図3は、第1の実施形態の電子装置100の製造方法を示すフローチャートである。まず、チップ部品10の回路形成面11と反対側の面に補強板40が接着される(S101)。次に、チップ電極12の上にバンプ30が形成される(S102)。次に、バンプ30と他のバンプ30の間の空間に充填されるように、回路形成面11に樹脂50が付着される(S103)。次に、回路形成面11をフレキシブル回路基板20の第1の主面21に対向させ、チップ部品10がフレキシブル回路基板20に対してフェイスダウンで載置される(S104)。この際、バンプ30が基板電極22に位置合わせされる。また、支持部41が存在することによって、補強板40と第1の主面21との間隔が、予め定めた第1の距離に近い距離に保たれる。ここで、近い距離というのは、接合によってバンプ30の高さが減少するためである。接合前は、その減少分だけ第1の距離よりも補強板40と第1の主面21との距離が大きくなる。次に、バンプ30を介して、チップ電極12と基板電極22とが接合される(S105)。接合には、熱または超音波あるいはその両方が用いられる。この際、支持部41によって、フレキシブル回路基板20が押さえつけられることで、熱または超音波が、複数のバンプ30に対して、より均等に加えられる。その結果、チップ電極12と基板電極22とが、より確実に接合される。次に、樹脂50が本硬化される(S106)。硬化には、例えば、熱や紫外線が用いられる。
【0024】
以上のような製造方法とすることで、接合部である回路形成面11とフレキシブル回路基板20の間の空間に充填する部分と、チップ部品10の側面を覆う部分の樹脂50を1つにすることができる。
【0025】
ここで、一般的な、フェイスダウン実装では、チップ電極12と基板電極22とがバンプ30接合によって接合された後に樹脂が充填される。これは、一般的にアンダーフィルと呼ばれる。アンダーフィルでは、回路形成面11と第1の主面21との間隔がバンプ30の大きさとなる。すなわち、両者の間隔が狭い。このため、上記の部分に充填には、粘度の低い樹脂が用いられる。具体的には、例えば、粘度が100Pa・s未満の樹脂が用いられる。
【0026】
一方で、チップ部品10の側面を覆う部分は、外側に流れないように、ある程度粘度が高い樹脂であることが望ましい。具体的には、例えば、粘度が100~10000Pa・s程度の樹脂が用いられる。このような違いがあるため、一般的に、アンダーフィルとチップ部品10の側面を覆う樹脂は別のものである。つまり、2種類の樹脂が必要である。
【0027】
これに対し、本実施形態の電子装置100では、アンダーフィルになる部分の樹脂が、チップ電極12と基板電極22の接合前にバンプ30と他のバンプ30の間に充填される。つまり、上部が開放された状態で、樹脂50が回路形成面11に付着される。このため、アンダーフィルの部分にも高粘度の樹脂を用いることが可能である。このため、アンダーフィルの部分とチップ部品10の側面につながる部分とを同じ樹脂50によって形成することが可能である。つまり、用いる部材と工程とを、一般的な製造方法より簡略化することが可能である。
【0028】
(変形例1)
樹脂50が回路形成面11に付着された状態で、樹脂50に流動性があると取り扱いが難しくなる。このため、樹脂50が回路形成面11に付着された後に、樹脂を半硬化させても良い。ここで、半硬化は、樹脂50の流動性が低下された状態である。かつ、バンプ30が基板電極22に押し付けられた際に、樹脂50が移動して、バンプ30と基板電極22とが接触できる状態が半硬化である。半硬化の条件は、用いる樹脂50に応じて設定される。
【0029】
図4は、第1の実施形態の電子装置の製造方法の変形例1を示すフローチャートである。まず、チップ部品10の回路形成面11と反対側の面に補強板40が接着される(S201)。次に、チップ電極12の上にバンプ30が形成される(S202)。次に、バンプ30と他のバンプ30の間の空間に充填されるように、回路形成面11に樹脂50が付着される(S203)。次に、樹脂50が半硬化される(S204)。半硬化には、例えば、熱や紫外線が用いられる。次に、回路形成面11をフレキシブル回路基板20の第1の主面21に対向させ、チップ部品10がフレキシブル回路基板20に対してフェイスダウンで載置される(S205)。この際、バンプ30が基板電極22に位置合わせされる。また、支持部41が存在することによって、補強板40と第1の主面21との間隔が、予め定めた第1の距離に近い距離に保たれる。次に、バンプ30を介して、チップ電極12と基板電極22とが接合される(S206)。接合には、熱または超音波あるいはその両方が用いられる。この際、支持部41によって、フレキシブル回路基板20が押さえつけられることで、熱または超音波が、複数のバンプ30に対して、より均等に加えられる。その結果、チップ電極12と基板電極22とが、より確実に接合される。次に、樹脂50が本硬化される(S207)。硬化には、例えば、熱や紫外線が用いられる。
【0030】
以上のように、チップ電極12と基板電極22の接合前に樹脂50が半硬化されることで、補強板40と樹脂50を含むチップ部品10の取り扱いが容易になる。
【0031】
次に、補強板40と支持部41の具体例について説明する。
【0032】
(具体例1)
図5は、第1の実施形態の電子装置100の補強板40と支持部41の具体例1を示す斜視図である。補強板40は矩形の平板状である。支持部41は、補強板40の外周を囲む枠状に形成されている。補強板40と支持部41が、一体に形成されていても良い。また、支持部41が、補強板40に接着されても良い。
【0033】
補強板40および支持部41には、チップ電極12と基板電極22の接合時の荷重で変形しない剛性が求められる。例えば、補強板40および支持部41が、フレキシブル回路基板20よりも曲げ弾性率の高い材料で形成される。一般的なフレキシブル回路基板20の曲げ弾性率は、3~5GPa程度である。このため、補強板40および支持部41には、曲げ弾性率10GPa以上の材料が用いられる。また、上記の接合時および樹脂50の硬化時に熱が発生する。樹脂50には、この熱に耐える耐熱性が求められる。このため、補強板40および支持部41は、例えば、金属、セラミックス、硬質プラスチックなどの材料によって形成される。
【0034】
ここで、支持部41の高さが、第1の距離と等しくなるように設定される。接合完了時における第1の主面21と補強板40との間隔の目標値が、第1の距離である。支持部41の高さが、チップ部品10の厚さと、接合完了時の目標とするバンプの高さと、チップ電極12の厚さと、基板電極22の厚さの和に応じて、第1の距離が定められる。また、チップ部品10と補強板40とが接着層で接着される時には、この接着層の厚さが上記の和に加えられる。
【0035】
補強板40および支持部41が金属で形成される場合は、例えば、切削、折り曲げ、プレス成形、溶接、接着などを用いて、補強板40および支持部41が形成される。また、補強板40および支持部41が硬質プラスチックで形成される場合は、切削、射出成形、3D(3Dimension)プリント、接着などを用いて、補強板40および支持部41が形成される。また、補強板40および支持部41がセラミックで形成される場合は、成形と焼結、積層と焼結などを用いて、補強板40および支持部41が形成される。
【0036】
次に、具体例1の補強板40および支持部41を用いた電子装置の製造方法について説明する。以下の説明では、第1の状態、第2の状態、第3の状態、第4の状態、第5の状態の順で、工程が進行する。
【0037】
図6は、第1の実施形態の電子装置100の具体例1の製造方法の第1の状態を示す斜視図である。また、図7は、第1の実施形態の電子装置100の具体例1の製造方法の第1の状態を示す断面図である。第1の状態では、チップ部品10の回路形成面11の反対の面に、補強板40が接着される。この際、支持部41がチップ部品10を囲む向きに、補強板40が接着される。接着には、例えば、エポキシ等の接着剤や、接着シートが用いられる。接着剤が金属フィラーを含有するものであれば、チップ部品10で発生した熱の補強板40への放熱が促進される。また、チップ部品10の回路形成面11と反対の面に金や銅などの被膜が形成されていれば、接着にはんだが利用できる。
【0038】
図8は、第1の実施形態の電子装置100の具体例1の製造方法の第2の状態を示す断面図である。第2の状態では、導電性のバンプ30が、チップ電極12の上に設けられる。この際、バンプ30の上の部分が、支持部41の先端よりも補強板40から遠くになる。これは、接合時にバンプ30が圧縮されるためである。チップ電極12は、例えば、金(Au)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)のうちの1種あるいは2種以上を含有する合金によって形成される。また、バンプ30は、例えば、金(Au)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、はんだなどによって形成される。
【0039】
図9は、第1の実施形態の電子装置100の具体例1の製造方法の第3の状態を示す断面図である。第3の状態では、枠状の支持部41の内側に樹脂50が充填される。この際、バンプ30と他のバンプ30の間の空間に、樹脂50が充填される。図9の例では、バンプ30の先端が樹脂50の外に出ているが、樹脂50に埋まっていても良い。また、樹脂50が半硬化されても良い。半硬化の樹脂50は、バンプ30よりも体積弾性率が低い。このため、接合時の加圧でバンプ30が樹脂50を突き破る。つまり、バンプ30の上に樹脂50があっても、バンプ30と基板電極22の接合が阻害されない。
【0040】
図10は、第1の実施形態の電子装置100の具体例1の製造方法の第4の状態を示す断面図である。第4の状態では、フレキシブル回路基板20の第1の主面21が上を向くように、フレキシブル回路基板20が、ステージ200に載置される。そして、チップ部品10の回路形成面11が第1の主面21に対向するように、補強板40が保持される。基板電極22は、例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)などによって形成される。
【0041】
図11は、第1の実施形態の電子装置100の具体例1の製造方法の第5の状態を示す断面図である。第5の状態では、バンプ30が基板電極22に位置合わせされる。そして、補強板40に対してフレキシブル回路基板20に近づく方向の荷重が印加される。さらに、チップ電極12とバンプ30と基板電極22からなる接合部に、熱あるいは超音波が印加される。これにより、バンプ30が圧縮され接合部が接合される。この際、支持部41によって、フレキシブル回路基板20がステージ200に押し付けられる。このため、接合時にフレキシブル回路基板20が変形したり、動いたりしない。その結果、複数のチップ電極12と基板電極22が、より均等に接合される。また、支持部41によって、補強板40と第1の主面21との間隔が、第1の距離に定められる。
【0042】
(変形例2)
図12は、第1の実施形態の電子装置100の具体例1の製造方法の変形例2を示す断面図である。変形例2では、バンプ30が、上部に突起部31を有するスタッドバンプである。突起部31があることで、樹脂50がバンプ30に被っている場合に、バンプ30が樹脂50を突き破りやすい。
【0043】
(具体例2)
図13は、第1の実施形態の電子装置100の補強板40と支持部41の具体例2を示す斜視図である。具体例2では、支持部41が、矩形の補強板40の対向する二辺に設けられ、他の二辺には、支持部41が設けられない。支持部41が、このような構成であっても良い。
【0044】
図14は、第1の実施形態の電子装置100の具体例2の製造方法の第1の状態を示す断面図である。この状態では、チップ部品10の回路形成面11の反対の面に、補強板40が接着される。この際、支持部41がチップ部品10を囲む向きに、補強板40が接着されている。また、チップ電極12の上にバンプ30が形成されている。また、バンプ30と他のバンプ30の間の空間に、樹脂50が充填されている。上記したように、具体例2の構成では、補強板40の二辺に支持部41が設けられていない。このため、粘度の低い樹脂50を用いると、支持部41がない部分から樹脂50が流れ落ちてしまう。このため、具体例2では、例えば、粘度が10万~100万Pa・sの高粘度の樹脂50が用いられる。また、樹脂50を回路形成面11に付着させた後、速やかに樹脂50を半硬化させることで、樹脂50の流出が防止される。
【0045】
(具体例3)
図15は、第1の実施形態の電子装置100の補強板40と支持部41の具体例3を示す斜視図である。具体例3では、支持部41が、矩形の補強板40の対向する二辺に設けられている。他の二辺には、支持部41が設けられない。さらに、接合時にフレキシブル回路基板20に当接する支持部41の先端部に、折り曲げ部42が設けられている。接合時には、支持部41からフレキシブル回路基板20に圧力が加わる。この際、折り曲げ部42によって、圧力が分散される。このため、接合時に、フレキシブル回路基板20に加わる応力が低減される。これにより、フレキシブル回路基板20の変形が防止される。なお、具体例3でも、具体例2と同様に、高粘度の樹脂50が用いられる。
【0046】
(具体例4)
図16は、第1の実施形態の電子装置100の補強板40と支持部41の具体例4を示す斜視図である。具体例4では、矩形の補強板40の対向する二辺に、それぞれ二つの支持部41が設けられている。フレキシブル回路基板20に接する支持部41の数が増えることで、接合時にフレキシブル回路基板20に加わる圧力が分散される。このため、接合時に、フレキシブル回路基板20に加わる応力が低減される。これにより、フレキシブル回路基板20の変形が防止される。なお、具体例4でも、具体例2と同様に、高粘度の樹脂50が用いられる。
【0047】
(具体例5)
図17は、第1の実施形態の電子装置100の補強板40と支持部41の具体例5を示す斜視図である。支持部41が枠状であることは、具体例1と同様であるが、具体例5では、2つの支持部41に切り欠き部43が設けられている。フェイスダウン実装で、バンプ30が基板電極22に接する時に、樹脂50に気泡が混入することがある。また樹脂50が硬化される際に、ガスが発生することがある。切り欠き部43があることによって、上記の気泡やガスが樹脂50から抜けやすい。このため、硬化後の樹脂50にボイドが生じにくい。その結果、電子装置100の信頼性が、より向上する。また余剰な樹脂50が切り欠き部43の外側に押し出される。そして、押し出された樹脂50が支持部41の外側に付着する。この付着があると、樹脂50が硬化された後に、支持部41が外側からもサポートされる。なお、具体例5でも、具体例2と同様に、高粘度の樹脂50が用いられる。
【0048】
(具体例6)
図18は、第1の実施形態の電子装置100の補強板40と支持部41の具体例6を示す斜視図である。具体例6では、矩形の補強板40の四隅にL字型の支持部41が設けられている。支持部41が、このような構成であっても良い。なお、具体例2と同様に高粘度の樹脂50が用いられる。粘度が高いことによって、支持部41がない部分からの樹脂50の流出が防止される。
【0049】
(具体例7)
図19は、第1の実施形態の電子装置100の補強板40と支持部41の具体例7を示す斜視図である。具体例7では、支持部41が柱状である。そして、4つの支持部41が、補強板40の四隅の近傍に設けられている。具体例7でも、具体例6と同様に、高粘度の樹脂50が用いられる。なお、図19では、支持部41が四角柱の例が示されているが、円柱や多角柱など他の柱状の形状であっても良い。なお、具体例7でも、具体例2と同様に、高粘度の樹脂50が用いられる。
【0050】
(具体例8)
図20は、第1の実施形態の電子装置100の補強板40と支持部41の具体例8を示す斜視図である。具体例8では、具体例7と同様に支持部41が柱状であるが、その数が3つである。柱状の支持部41が3つあれば、平板状の補強板40の支持が可能である。なお、具体例8でも、具体例2と同様に、高粘度の樹脂50が用いられる。
【0051】
(具体例9)
図21は、第1の実施形態の電子装置100の補強板40と支持部41の具体例9を示す斜視図である。具体例9では、矩形状の補強板40の四隅のうちの対角の2個所にL字型の支持部41が設けられ、他の2個所に柱状の支持部41が設けられている。このように、支持部41が形状の異なる要素を含んでいても良い。なお、具体例9でも、具体例2と同様に、高粘度の樹脂50が用いられる。
【0052】
以上、本実施形態の電子装置100等について説明した。
【0053】
本実施形態の電子装置100は、チップ部品10とフレキシブル回路基板20とを備える。電子装置100では、フェイスダウン方式で、チップ部品10の回路形成面11に形成されたチップ電極12と、フレキシブル回路基板20回路基板の第1の主面に設けられた基板電極22とが導電性のバンプ30を介して接続される。チップ部品10の回路形成面11とは反対の面に、補強板40が取り付けられる。第1の主面21と補強板40との間隔が予め定めた第1の距離となるように、支持部41が補強板40を支持する。樹脂50によって、接合部である回路形成面11と第1の主面21との間の空間が充填される。また、チップ部品10の側面と支持部41とにつながるように樹脂50が設けられる。そして、接合部に充填される樹脂50と、チップ部品10の側面につながる樹脂50とが、同じものである。
【0054】
この構成によれば、支持部41によって、補強板40とフレキシブル回路基板20の第1の主面21との距離が第1の距離に保たれた状態で、接合が行われる。また、支持部41が、フレキシブル回路基板20をステージ200に押し付けた状態で接合行われる。このため、複数のチップ電極12と基板電極22との接合が、より均等に行われる。その結果、チップ電極とフレキシブル回路基板の電極とが、より確実に接合される。また、同じ樹脂によって、接合部が充填され、チップ部品10の側面と支持部41がつながれる。このため、用意する部材と工程が簡略化される。
【0055】
また一態様によれば、電子装置100において、支持部41がチップ部品10の側面を囲うように形成されている。つまり、支持部41が枠状である。
【0056】
この構成では、支持部41によるフレキシブル回路基板20のステージ200への押し付けが均等に行われる。また、樹脂50をこぼすことなく、回路形成面11およびチップ部品10の周囲に、樹脂50が付着される。
【0057】
また一態様によれば、電子装置100において、支持部41が柱状の部材である。そしてチップ部品10の側面の外側に、支持部41が設けられる。
【0058】
この構成でも、第1の主面21と補強板40との間隔が、予め定めた第1の距離に保持される。
【0059】
また、一態様によれば、電子装置100において、補強板40と支持部41とが一体に形成される。
【0060】
この構成とすることで、支持部41を補強板40に固定する工程が不要になる。
【0061】
また、一態様によれば、電子装置100において、補強板40および支持部41の曲げ弾性率が、フレキシブル回路基板20の基材の曲げ弾性率よりも大きい。
【0062】
このような組み合わせとすることで、接合時のフレキシブル回路基板20の変形が抑制され、接合がより確実になる。
【0063】
また、本実施形態の電子装置の製造方法は、チップ部品10とフレキシブル回路基板20とを有する電子装置100の製造方法である。この製造方法では、フェイスダウン方式で、チップ部品10の回路形成面11に形成されたチップ電極12と、フレキシブル回路基板20の第1の主面21に設けられた基板電極22とが、バンプ30を介して接続される。そして、チップ部品10の回路形成面11の反対側の面に補強板40が取り付けられる。また、チップ電極12の上に導電性のバンプ30が形成される。また、バンプ30と他のバンプ30との間の空間に充填されるように、回路形成面11に対して樹脂が付着される。また、支持部41が設けられる。第1の主面21と補強板40との間隔を予め定めた第1の距離となるように、支持部41が補強板40を支持する。また、チップ電極12と基板電極22とが、バンプ30を介して接合される。
【0064】
この構成によれば、支持部41によって、補強板40とフレキシブル回路基板20の第1の主面21との距離が第1の距離に保たれた状態で、接合が行われる。また、支持部41が、フレキシブル回路基板20をステージ200に押し付けた状態で接合行われる。このため、複数のチップ電極12と基板電極22との接合が、より均等に行われる。その結果、チップ電極とフレキシブル回路基板の電極とが、より確実に接合される。
【0065】
また、一態様によれば、本実施形態の電子装置の製造方法において、チップ電極12と基板電極22とがバンプ30によって接続される前に、樹脂50が半硬化される。
【0066】
接合前に樹脂50が半硬化されることで、補強板40とチップ部品10の取り扱いが容易になる。
【0067】
また、一態様によれば、電子装置の製造方法において、支持部41が補強板40と一体に形成される。
【0068】
この構成とすることで、支持部41を補強板40に固定する工程が不要になる。
【0069】
(第2の実施形態)
図22は、第2の実施形態の電子装置101を示す断面模式図である。第2の実施形態の電子装置101は、第1の実施形態の電子装置100と、ほぼ同じ構成であるが、フレキシブル回路基板20の支持部41が当接する部分に補強部材23が設けられている。なお、第1の実施形態と同じ他の要素については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0070】
補強部材23によって、接合時にフレキシブル回路基板20加わる圧力に対する耐性が向上する。ここで、耐性とは、圧力が加わったときに、フレキシブル回路基板20が変形しない性質のことである。補強部材23には、例えば、フレキシブル回路基板20より曲げ弾性率が大きな材料の板が用いられる。あるいは、フレキシブル回路基板20の作製時に、配線と同じ材料のパッドやランドとして、補強部材23が形成されても良い。なお、この構成では、補強部材23の厚みの分だけ、支持部41が当接する部分の表面がかさ上げされる。このため、第1の距離から補強部材23の厚みを差し引いて、支持部41の高さが設定される。
【0071】
(変形例3)
図23は、第2の実施形態の電子装置101の変形例を示す断面模式図である。変形例3では、補強部材23が、フレキシブル回路基板20に設けられたCuビアである。ここで、Cuビアとは、スルーホールにCuが充填されたものである。この構成でも、フレキシブル回路基板20の支持部41が当接する部分が補強される。なお、この構成では、補強部材23が、第1の主面21と面一に形成される。このため、支持部41の高さは、補強部材23が無い構成と同じで良い。
【0072】
以上、本実施形態の電子装置101等について説明した。
【0073】
本実施形態の電子装置101は、チップ部品10とフレキシブル回路基板20とを備える。電子装置100では、フェイスダウン方式で、チップ部品10の回路形成面11に形成されたチップ電極12と、フレキシブル回路基板20回路基板の第1の主面に設けられた基板電極22とが導電性のバンプ30を介して接続される。チップ部品10の回路形成面11とは反対の面に、補強板40が取り付けられる。第1の主面21と補強板40との間隔が予め定めた第1の距離となるように、支持部41が補強板40を支持する。また、フレキシブル回路基板20の支持部41に対応する場所に、フレキシブル回路基板20を補強する補強部材23が設けられる。また、樹脂50によって、回路形成面11と第1の主面21との間の空間が充填される。また、チップ部品10の側面と支持部41がつながるように樹脂50が設けられる。
【0074】
この構成によれば、支持部41によって、補強板40とフレキシブル回路基板20の第1の主面21との距離が第1の距離に保たれた状態で、接合が行われる。また、支持部41が、フレキシブル回路基板20をステージ200に押し付けた状態で接合行われる。また、補強部材23によって、フレキシブル回路基板20の変形が、さらに抑制される。このため、複数のチップ電極12と基板電極22との接合が、より均等に行われる。このため、チップ電極とフレキシブル回路基板の電極とが、より確実に接合される。
【0075】
(第3の実施形態)
第1および第2の実施形態では、樹脂50の付着を一回で行う例を示したが、二回以上であっても良い。図24は、第3の実施形態の電子装置の製造方法の第1の状態を示す断面模式図である。また、図25は、第3の実施形態の電子装置102の製造方法の第2の状態を示す断面模式図である。工程の順番は、第1の状態、第2の状態の順である。本実施形態では、樹脂50を二段階で形成する。ここで、先に形成する樹脂50を樹脂a_50a、後に形成する樹脂50を樹脂b_50bとする。樹脂a_50aと樹脂b_50bは、同じであっても良く、異なっていても良い。なお、図24、25では、バンプ30がスタッドバンプの例が示されているが、バンプ30がスタッドバンプでなくても良い。
【0076】
図24に示されているように、第1の状態では、チップ部品10の回路形成面11の反対の面に、補強板40が接着される。この際、支持部41がチップ部品10を囲む向きに、補強板40が接着されている。また、チップ電極12の上にバンプ30が形成されている。補強板40と支持部41には、例えば、具体例1の補強板40と支持部41の構成が適用される。そして、まず、支持部41の先端より低い第2の高さまで樹脂a_50aが充填される。第2の高さとしては、幅を持った選択が可能であるが、例えば、バンプ30とチップ電極12との接続部がカバーされ、バンプ30の半分程度が樹脂a_50aに埋まる高さとすることができる。このようにすれば、接合時にバンプ30の変形が妨げられない。そして、樹脂a_50aが本硬化(完全硬化)される。
【0077】
次に、図25に示されているように、支持部41の高さまで、樹脂b_50bが充填される。そして、樹脂b_50bが半硬化される。これにより、具体例1と同様な、フレキシブル回路基板20との接合が可能になる。また、チップ部品10の補強板40に対する固定が、完全硬化した樹脂a_50aで補強される。このため、より安定な接合が可能になる。
【0078】
(第4の実施形態)
第1から第3の実施形態では、接合前に、補強板40に支持部41が固定される例が示されたが、接合前に、支持部41が、フレキシブル回路基板20に固定されても良い。
【0079】
図26は、第4の実施形態の電子装置の製造方法の第1の状態を示す断面模式図である。また、図27は、第4の実施形態の電子装置103の製造方法の第2の状態を示す断面模式図である。工程は、第1の状態、第2の状態の順で進められる。
【0080】
まず、図26に示されているように、フレキシブル回路基板20の第1の主面21に支持部41が固定される。支持部41は、例えば、具体例1の支持部と同様の、枠状のものが用いられる。支持部41の先端がチップ部品10の外側の補強板40と当接する位置に、支持部41が設けられる。チップ部品10の側では、チップ部品10の回路形成面11の反対の面に、平板状の補強板40が固定されている。また、チップ電極12上には、バンプ30が形成されている。さらに、複数のバンプ30の間が埋められるように、樹脂50が回路形成面11に付着されている。また、樹脂50がチップ部品10の側面を覆っている。先に述べたように、この構成では、樹脂50の流出を止めるものないため、高粘度の樹脂50が用いられる。樹脂50が、接合前に半硬化されても良い。そして、第1の状態では、フェイスダウンとなるように、チップ部品10とフレキシブル回路基板20とが対向されている。
【0081】
次に、図27に示されているように、補強板40にフレキシブル回路基板20に近づく方向の荷重が印加され、熱や超音波が印加され、チップ電極12と基板電極22とが、バンプ30を介して接合される。この際、支持部41の先端に補強板40が当接され、補強板40と第1の主面21との間隔が第1の距離に保持される。そして、樹脂50が完全硬化される。なお、図27に例示されているように、接合の際に、支持部41と補強板40との当接部分から外側に、樹脂50がはみ出しても良い。
【0082】
なお、第1の実施形態と第4の実施形態を複合されても良い。つまり、支持部41の一部が補強板40に形成され、支持部41の他の一部がフレキシブル回路基板20に形成されても良い。そして、補強板40と第1の主面21との間隔が第1の距離となるように、間隔が制御される。
【0083】
(第5の実施形態)
第1から第4の実施形態では、チップ部品10の回路形成面11に樹脂50が付着される例が示された。しかし、樹脂50がフレキシブル回路基板20の第1の主面21に付着される構成であっても良い。以下の説明では、第5の実施形態の製造方法が説明される。第1の状態、第2の状態、第3の状態、第4の状態、第5の状態の順で工程が進行する。
【0084】
図28は、第5の実施形態の電子装置の製造方法の第1の状態を示す断面模式図である。まず、ステージ200にフレキシブル回路基板20が固定される。この際、フレキシブル回路基板20の第1の主面21が上を向くように、フレキシブル回路基板20が固定される。
【0085】
図29は、第5の実施形態の電子装置の製造方法の第2の状態を示す断面模式図である。基板電極22の上に、バンプ30が形成される。
【0086】
図30は、第5の実施形態の電子装置の製造方法の第3の状態を示す断面模式図である。第3の状態では、フレキシブル回路基板20の第1の主面21に支持部41が固定される。支持部41は、例えば、具体例1の支持部と同様の、枠状のものが用いられる。支持部41の先端がチップ部品10の外側の補強板40と当接する位置に、支持部41が設けられる。
【0087】
図31は、第5の実施形態の電子装置の製造方法の第4の状態を示す断面模式図である。第4の状態では、複数のバンプ30の間の空間が埋められるように、樹脂50が付着される。図31の例では、バンプ30の先端が樹脂50の外側に出るように樹脂50が第1の主面21に付着されている。支持部41が枠状であれば、樹脂50が充填される。そして、樹脂50が半硬化される。なお、図31の例では、支持部41の先端よりも低い位置まで樹脂50が充填されているが、これは、接合時にチップ部品10を受け入れる分の体積が考慮されたものである。樹脂50が支持部41の外側に溢れることが許容される場合は、樹脂50が支持部41の先端まで充填されても良い。
【0088】
図32は、第5の実施形態の電子装置の製造方法の第5の状態を示す断面模式図である。まず、チップ電極12がバンプ30と位置合わせされ、補強板40が取り付けられたチップ部品10の回路形成面11が第1の主面21に対向される。そして、補強板40にフレキシブル回路基板20に近づく方向の荷重が印加される。さらに、熱や超音波が印加され、チップ電極12と基板電極22とがバンプ30を介して接合される。さらに、熱や紫外線によって、樹脂50が完全硬化される。
【0089】
以上、本実施形態の電子装置の製造方法等について説明した。
【0090】
本実施形態の電子装置の製造方法は、チップ部品10とフレキシブル回路基板20とを有する電子装置の製造方法である。この製造方法では、フェイスダウン方式で、チップ部品10の回路形成面11に形成されたチップ電極12と、フレキシブル回路基板20の第1の主面に設けられた基板電極22とがバンプを介して接続される。また、チップ部品10の回路形成面11の反対側の面に補強板40が取り付けられる。また、基板電極22の上に導電性のバンプ30が形成される。また、バンプ30と他のバンプ30との間の空間に充填されるように第1の主面21に対して樹脂50が付着される。また、支持部41が設けられる。支持部41によって、第1の主面21と補強板40との間隔が予め定めた第1の距離に保たれる。そして、チップ電極12と基板電極22とが、バンプ30を介して接合される。
【0091】
この構成によれば、支持部41によって、補強板40とフレキシブル回路基板20の第1の主面21との距離が第1の距離に保たれた状態で、接合が行われる。また、支持部41が、フレキシブル回路基板20をステージ200に押し付けた状態で接合行われる。このため、複数のチップ電極12と基板電極22との接合が、より均等に行われる。このため、チップ電極とフレキシブル回路基板の電極とが、より確実に接合される。
【0092】
(第6の実施形態)
本実施形態では、支持部41の具体例について説明する。
【0093】
(具体例10)
図33は、第6の実施形態の電子装置の製造方法の具体例10を示す断面模式図である。図33の例では、支持部41が、支持部a_41aと支持部b_41bに分割されている。そして、支持部a_41aが補強板40に固定され、支持部b_41bがフレキシブル回路基板20の第1の主面21に固定されている。支持部a_41aの高さと、支持部b_41bの高さを合わせたものが第1の距離となるように、支持部a_41aの高さと支持部b_41bが設定される。
【0094】
図34は、第6の実施形態の電子装置の製造方法の具体例11を示す断面模式図である。この例では、支持部41が、大きなスタッドバンプによって、形成されている。ワイヤボンダ等を用いることで、比較的容易に、この構成が実現できる。材料には、例えば、はんだ、Ni、Cuなどが用いられる。
【0095】
(具体例11)
図35は、第6の実施形態の電子装置の製造方法の具体例12を示す断面模式図である。この例では、支持部形成用のバンプが積み重なって、支持部41が形成されている。
【0096】
(第7の実施形態)
第1から第6の実施形態では、1つの補強板40に1つのチップ部品10が固定される例について説明したが、1つの補強板40に複数のチップ部品10が固定されても良い。
【0097】
図36は、第7の実施形態の電子装置104を示す断面模式図である。この例では、1つの補強板40に2つのチップ部品10が固定されている。そして支持部41によって、補強板40が支持されている。これにより、フレキシブル回路基板20の第1の主面21と補強板40との間隔が、第1の距離に保たれる。また、補強板40と支持部41とフレキシブル回路基板20の第1の主面21に囲まれた領域に樹脂50が充填されている。
【0098】
(変形例4)
図37は、第7の実施形態の電子装置104の変形例を示す断面模式図である。フレキシブル回路基板20に複数のチップ部品10を搭載する場合、厚さが異なるチップ部品10が含まれている場合がある。変形例4は、このようなケースに適用される。補強板40には、チップa_10aと、チップb_10bの2つのチップ部品10が固定されている、ここで、チップb_10bは、チップa_10aより薄い。そこで、チップb_10bと補強板40との間にスペーサ44が設けられている。これにより、チップa_10aとチップb_10bのチップ電極12の高さが揃えられる。このため、チップ部品10が1つの場合と同様に、チップ部品10とフレキシブル回路基板20とが接合される。
【0099】
(第8の実施形態)
複数のチップ部品10が1つの補強板40に固定されても良い。そして、後の分割によって、個片が形成されても良い。本実施形態では、その具体例について説明する。
【0100】
図38は、第8の実施形態の電子装置の製造方法の第1の状態を示す平面図である。また、図39は、第8の実施形態の電子装置の製造方法の第2の状態を示す側面図である。そして、図40は、第8の実施形態の電子装置の製造方法の第3の状態を示す側面図である。
【0101】
まず図38に示されているように、補強板40に複数のチップ部品10が固定される。他の実施形態と同様に、チップ部品10の回路形成面11と反対の面が補強板40に固定される。この例では、12個のチップ部品10が補強板40に固定されている。また、チップ部品10とチップ部品10の間には支持部41が設けられる。この例では、各チップ部品10の四隅の外側に支持部41が形成されている。
【0102】
次に、図39に示されているように、各チップ電極12の上にバンプ30が形成される。
【0103】
次に、図40に示されているように、バンプ30と他のバンプ30の間の空間に充填されるように、補強板および回路形成面11に樹脂50が付着される。樹脂50の付着には、例えば、スピンコートや、ディスペンスが用いられる。次に、樹脂50が半硬化される。そして、ダイシング等によって、個片に分割される。この方法によれば、同じ時間内に、より多くの電子装置100を製造することが可能になる。
【0104】
以上、第1乃至8の実施形態を模範的な例として本発明を説明した。しかしながら、本発明は、上記実施形態には限定されない。即ち、本発明は、本発明のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。
【0105】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0106】
(付記1)
チップ部品とフレキシブル回路基板とを有し、フェイスダウン方式で、前記チップ部品の回路形成面に形成されたチップ電極と、前記フレキシブル回路基板の第1の主面に設けられた基板電極とが導電性のバンプを介して接続された電子装置であって、
前記チップ部品の前記回路形成面とは反対の面に取り付けられた補強板と、
前記第1の主面と前記補強板との間隔が予め定めた第1の距離になるように、前記フレキシブル回路基板と前記補強板とを支持する支持部と、
前記回路形成面と前記第1の主面との間の空間に充填され、かつ、前記チップ部品の側面と前記支持部とにつながる樹脂と、
を備え、
前記回路形成面と前記第1の主面との間の空間に充填された前記樹脂と、前記チップ部品の側面と前記支持部とにつながる前記樹脂が同じものである、
ことを特徴とする電子装置。
【0107】
(付記2)
前記支持部が前記チップ部品の側面を囲う枠状に形成されている、
ことを特徴とする付記1に記載の電子装置。
【0108】
(付記3)
前記支持部が前記チップ部品の側面の外側に設けられた柱状の部材である、
ことを特徴とする付記1に記載の電子装置。
【0109】
(付記4)
前記補強板と前記支持部とが一体に形成されている、
ことを特徴とする付記1乃至3のいずれか一付記に記載の電子装置。
【0110】
(付記5)
前記補強板および前記支持部の曲げ弾性率が、前記フレキシブル回路基板の基材の曲げ弾性率よりも大きい、
ことを特徴とする付記1乃至4のいずれか一付記に記載の電子装置。
【0111】
(付記6)
前記補強板および前記支持部の曲げ弾性率が、10GPa以上である、
ことを特徴とする付記5に記載の電子装置。
【0112】
(付記7)
チップ部品とフレキシブル回路基板とを有し、フェイスダウン方式で、前記チップ部品の回路形成面に形成されたチップ電極と、前記フレキシブル回路基板の第1の主面に設けられた基板電極とが導電性のバンプを介して接続された電子装置であって、
前記チップ部品の前記回路形成面とは反対の面に取り付けられ補強板と、
前記第1の主面と前記補強板との間隔が予め定めた第1の距離となるように、前記フレキシブル回路基板と前記補強板とを支持する支持部と、
前記フレキシブル回路基板の前記支持部に対応する場所に設けられ、前記フレキシブル回路基板を補強する補強部材と、
前記回路形成面と前記第1の主面との間の空間を充填し、かつ、前記チップ部品の側面と前記支持部とにつながる樹脂と、
を備えることを特徴とする電子装置。
【0113】
(付記8)
チップ部品とフレキシブル回路基板とを有し、フェイスダウン方式で、前記チップ部品の回路形成面に形成されたチップ電極と、前記フレキシブル回路基板の第1の主面に設けられた基板電極とがバンプを介して接続された電子装置の製造方法であって、
前記チップ部品の前記回路形成面の反対側の面に補強板を取り付け、
前記チップ電極の上に導電性のバンプを形成し、
前記バンプと他の前記バンプとの間の空間に充填されるように前記回路形成面に対して樹脂を付着させ、
前記第1の主面と前記補強板との間隔が予め定めた第1の距離となるように、前記フレキシブル回路基板と前記補強板とを支持する支持部を設け、
前記チップ電極と前記基板電極とを前記バンプを介して接合させる、
ことを特徴とする電子装置の製造方法。
【0114】
(付記9)
前記チップ電極と前記基板電極とを前記バンプを介して接合させる前に、前記樹脂を半硬化させる、
ことを特徴とする付記8に記載の電子装置の製造方法。
【0115】
(付記10)
前記バンプが突起部を有するスタッドバンプである、
ことを特徴とする付記8または9に記載の電子装置の製造方法。
【0116】
(付記11)
前記支持部が前記補強板と一体に形成されている、
ことを特徴とする付記8乃至10のいずれか一付記に記載の電子装置の製造方法。
【0117】
(付記12)
前記補強板および前記支持部の曲げ弾性率が、前記フレキシブル回路基板の基材の曲げ弾性率よりも大きい、
ことを特徴とする付記8乃至11のいずれか一付記に記載の電子装置の製造方法。
【0118】
(付記13)
前記補強板および前記支持部の曲げ弾性率が、10GPa以上である、
ことを特徴とする付記12に記載の電子装置の製造方法。
【0119】
(付記14)
前記チップ電極と前記基板電極との前記バンプを介した接合を超音波の印加によって行う、
ことを特徴とする8乃至13のいずれか一付記に記載の電子装置の製造方法。
【0120】
(付記15)
1つの前記補強板に複数の前記チップ部品を取り付け、
複数の前記チップ部品の側面と前記支持部とがつながるように前記樹脂を付着させ、
前記樹脂を半硬化させ、
前記補強板と半硬化した前記樹脂とを切断して、各々の前記チップ部品に分割する、
ことを特徴とする付記8乃至14のいずれか一付記に記載の電子装置の製造方法。
【0121】
(付記16)
チップ部品とフレキシブル回路基板とを有し、フェイスダウン方式で、前記チップ部品の回路形成面に形成されたチップ電極と、前記フレキシブル回路基板の第1の主面に設けられた基板電極とがバンプを介して接続された電子装置の製造方法であって、
前記チップ部品の前記回路形成面の反対側の面に補強板を取り付け、
基板電極の上に導電性のバンプを形成し、
前記バンプと他の前記バンプとの間の空間に充填されるように前記第1の主面に対して樹脂を付着させ、
前記第1の主面と前記補強板との間隔が予め定めた第1の距離となるように、前記フレキシブル回路基板と前記補強板とを支持する支持部を設け、
前記チップ電極と前記基板電極とを前記バンプを介して接合させる、
ことを特徴とする電子装置の製造方法。
【0122】
(付記17)
チップ部品とフレキシブル回路基板とを有し、フェイスダウン方式で、前記チップ部品の回路形成面に形成されたチップ電極と、前記フレキシブル回路基板の第1の主面に設けられた基板電極とがバンプを介して接続された電子装置の製造方法であって、
前記チップ部品の前記回路形成面の反対側の面に補強板を取り付け、
前記基板電極の上に導電性のバンプを形成し、
前記バンプと他の前記バンプとの間の空間に充填されるように前記第1の主面に対して樹脂を付着させ、
前記第1の主面と前記補強板との間隔が予め定めた第1の距離となるように、前記フレキシブル回路基板と前記補強板とを支持する支持部を設け、
前記チップ電極と前記基板電極とを前記バンプを介して接合させる、
ことを特徴とする電子装置の製造方法。
【符号の説明】
【0123】
10 チップ部品
11 回路形成面
12 チップ電極
20 フレキシブル回路基板
21 第1の主面
22 基板電極
23 補強部材
30 バンプ
31 突起部
40 補強板
41 支持部
42 折り曲げ部
43 切り欠き部
50 樹脂
100、101、102、103、104 電子装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
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図39
図40