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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135890
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】装置、方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/042 20060101AFI20240927BHJP
   G05B 23/02 20060101ALI20240927BHJP
   G06F 12/06 20060101ALI20240927BHJP
   G06F 21/53 20130101ALI20240927BHJP
   G06F 9/54 20060101ALN20240927BHJP
【FI】
G05B19/042
G05B23/02 Z
G06F12/06 515H
G06F21/53
G06F9/54 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023046789
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西田 駿介
(72)【発明者】
【氏名】北野 哲也
【テーマコード(参考)】
3C223
5B160
5H220
【Fターム(参考)】
3C223AA02
3C223AA11
3C223CC01
3C223DD01
3C223EB01
3C223EB02
3C223FF04
3C223FF15
3C223GG01
3C223GG03
3C223HH29
5B160AA14
5B160MM01
5B160MM15
5H220AA01
5H220BB09
5H220CC07
5H220DD09
5H220EE01
5H220FF02
5H220FF03
5H220JJ12
5H220JJ21
5H220JJ31
5H220MM07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】定期処理の実行が妨げられてしまうことを確実に防止することができる装置を提供する。
【解決手段】周期期間内それぞれで定期処理を行なう第1処理部と、前記第1処理部によって行われるべき非定期処理の実行要求を受信したことに応じて、当該実行要求に応じた内容を記憶装置に書き込んで前記第1処理部に実行させる要求受付部と、前記要求受付部が前記実行要求に応じた内容を前記記憶装置に書き込んだことに応じて、後続の前記実行要求に応じた非定期処理の前記第1処理部による実行を基準長さの禁止期間に亘り禁止する禁止部と、を備える装置が提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周期期間内それぞれで定期処理を行なう第1処理部と、
前記第1処理部によって行われるべき非定期処理の実行要求を受信したことに応じて、当該実行要求に応じた内容を記憶装置に書き込んで前記第1処理部に実行させる要求受付部と、
を備える装置。
【請求項2】
前記要求受付部が前記実行要求に応じた内容を前記記憶装置に書き込んだことに応じて、後続の前記実行要求に応じた非定期処理の前記第1処理部による実行を基準長さの禁止期間に亘り禁止する禁止部をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記禁止部は、前記後続の実行要求の、前記要求受付部による受信を前記禁止期間だけ禁止する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記禁止部は、前記後続の実行要求に応じた内容の、前記要求受付部による書き込みを前記禁止期間だけ禁止する、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記要求受付部は、前記実行要求に応じた内容を前記記憶装置に書き込んだ後に、前記第1処理部に通知を行うことで、当該実行要求に応じた前記非定期処理を前記第1処理部に実行させ、
前記禁止部は、前記実行要求に応じた内容を前記記憶装置に書き込んだ後に、前記後続の実行要求に応じた前記要求受付部による前記通知を前記禁止期間だけ禁止する、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記禁止期間は、前記周期期間の周期よりも長い、請求項2に記載の装置。
【請求項7】
前記第1処理部は、前記実行要求に応じた内容が前記記憶装置に書き込まれ、かつ、前記定期処理を実行したことに応じて、前記非定期処理を実行する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
一の定期処理が継続する定期処理期間と、前記非定期処理が継続する非定期処理期間との和は、前記周期期間の周期よりも短い、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記第1処理部は、前記記憶装置のセキュア領域に対して前記定期処理および前記非定期処理を行い、
当該装置は、前記記憶装置の非セキュア領域に対する処理を行うと共に、前記要求受付部に前記実行要求を送信する第2処理部を更に備える、請求項1から8の何れか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記記憶装置を更に備え、
前記記憶装置は、前記セキュア領域を有する第1記憶装置と、前記非セキュア領域を有する第2記憶装置とを有する、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
測定データを取得する取得部をさらに備え、
前記定期処理は、前記取得部により取得された測定データ、または、当該測定データから導出されるプロセス値の少なくとも一方を前記記憶装置に書き込む処理を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
周期期間内それぞれで定期処理を行なう第1処理装置によって行われるべき非定期処理の実行要求を受信したことに応じて、当該実行要求に応じた内容を記憶装置に書き込んで前記第1処理装置に実行させる要求受付段階と、
を備える方法。
【請求項13】
コンピュータを、
周期期間内それぞれで定期処理を行なう第1処理部と、
前記第1処理部によって行われるべき非定期処理の実行要求を受信したことに応じて、当該実行要求に応じた内容を記憶装置に書き込んで前記第1処理部に実行させる要求受付部
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には「安全プロセス41が行う安全性に重要な処理とは、例えばセンサ部10の測定結果を取得する処理、センサ部10の測定結果をプロセス値に変換する処理、及びプロセス値を伝送させる処理等の処理が挙げられる。」(段落0024)等と記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特許第5862614号
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様においては、周期期間内それぞれで定期処理を行なう第1処理部と、前記第1処理部によって行われるべき非定期処理の実行要求を受信したことに応じて、当該実行要求に応じた内容を記憶装置に書き込んで前記第1処理部に実行させる要求受付部と、を備える装置が提供される。
【0004】
上記の装置においては、前記要求受付部が前記実行要求に応じた内容を前記記憶装置に書き込んだことに応じて、後続の前記実行要求に応じた非定期処理の前記第1処理部による実行を基準長さの禁止期間に亘り禁止する禁止部と、をさらに備えてよい。
【0005】
禁止部を有する上記の装置においては、前記禁止部は、前記後続の実行要求の、前記要求受付部による受信を前記禁止期間だけ禁止してよい。
【0006】
禁止部を有する上記の装置においては、前記禁止部は、前記後続の実行要求に応じた内容の、前記要求受付部による書き込みを前記禁止期間だけ禁止してよい。
【0007】
禁止部を有する上記の装置においては、前記要求受付部は、前記実行要求に応じた内容を前記記憶装置に書き込んだ後に、前記第1処理部に通知を行うことで、当該実行要求に応じた前記非定期処理を前記第1処理部に実行させ、前記禁止部は、前記実行要求に応じた内容を前記記憶装置に書き込んだ後に、前記後続の実行要求に応じた前記要求受付部による前記通知を前記禁止期間だけ禁止してよい。
【0008】
禁止部を有する上記何れかの装置においては、前記禁止期間は、前記周期期間の周期よりも長くてよい。
【0009】
上記第1の態様の装置においては、前記第1処理部は、前記実行要求に応じた内容が前記記憶装置に書き込まれ、かつ、前記定期処理を実行したことに応じて、前記非定期処理を実行してよい。
【0010】
上記何れかの装置においては、一の定期処理が継続する定期処理期間と、前記非定期処理が継続する非定期処理期間との和は、前記周期期間の周期よりも短くてよい。
【0011】
上記何れかの装置においては、前記第1処理部は、前記記憶装置のセキュア領域に対して前記定期処理および前記非定期処理を行い、当該装置は、前記記憶装置の非セキュア領域に対する処理を行うと共に、前記要求受付部に前記実行要求を送信する第2処理部を更に備えてよい。
【0012】
上記の装置においては、前記記憶装置を更に備え、前記記憶装置は、前記セキュア領域を有する第1記憶装置と、前記非セキュア領域を有する第2記憶装置とを有してよい。
【0013】
上記何れかの装置においては、測定データを取得する取得部をさらに備え、前記定期処理は、前記取得部により取得された測定データ、または、当該測定データから導出されるプロセス値の少なくとも一方を前記記憶装置に書き込む処理を含んでよい。
【0014】
本発明の第2の態様においては、周期期間内それぞれで定期処理を行なう第1処理装置によって行われるべき非定期処理の実行要求を受信したことに応じて、当該実行要求に応じた内容を前記記憶装置に書き込んで前記第1処理装置に実行させる要求受付段階と、を備える方法が提供される。
【0015】
本発明の第3の態様においては、コンピュータを、周期期間内それぞれで定期処理を行なう第1処理部と、前記第1処理部によって行われるべき非定期処理の実行要求を受信したことに応じて、当該実行要求に応じた内容を前記記憶装置に書き込んで前記第1処理部に実行させる要求受付部として機能させるプログラムが提供される。
【0016】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1実施形態に係るフィールド機器1を示す。
図2】定期処理および非定期処理の関係を示すタイミングチャートである。
図3】処理装置4の動作を示す。
図4】第2実施形態に係るフィールド機器1Aを示す。
図5】定期処理および非定期処理の関係を示すタイミングチャートである。
図6】処理装置4Aの動作を示す。
図7】本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0019】
(1.第1実施形態)
(1.1.フィールド機器1)
図1は、第1実施形態に係るフィールド機器1を示す。フィールド機器1は、プロセスが実行される現場に配置される機器であってよく、プロセスを制御するコントローラ(図示せず)との間で通信可能であってよい。本実施形態においては一例として、フィールド機器1は、測定結果を示すプロセス値をアナログ信号としてコントローラに伝送するとともに、各種のデジタル信号をプロセス値に重畳させてコントローラとの間で通信する。フィールド機器1は、センサ装置2と、通信装置3と、処理装置4とを備えてよい。
【0020】
(1.1-1.センサ装置2)
センサ装置2は、プラントのプロセスにおける圧力、温度、湿度、液面高さ(レベル)、pH、速度、または、流量などの物理量を示す値を測定する。例えば、センサ装置2は、配管内を流れる流体の流量を測定する流量計や、流体の圧力を測定する圧力計であってよい。一例として、センサ装置2は、例えば流体の流れに沿う向きに超音波信号を送信したときの透過信号(流体を透過した超音波信号)と、流体の流れに逆らう向きに超音波信号を送信したときの透過信号とを検出し、これら透過信号の検出結果に基づいて流体の流量を測定してよい。なお、プラントは、例えば、工場施設、機械施設、生産施設、発電施設、貯蔵施設、および石油や天然ガス等を採掘する井戸元における施設等を含んでよい。
【0021】
センサ装置2は、処理装置4による制御下で測定を行ってよい。センサ装置2は、測定結果を示す測定データを処理装置4に供給してよい。本実施形態においては一例として、センサ装置2は、測定データを逐次、処理装置4に供給してよい。
【0022】
(1.1-2.通信装置3)
通信装置3は、プロセスを制御するコントローラ(図示せず)との間で通信を行う。通信装置3は、例えばプラントの現場に敷設される伝送線(例えば、「4~20mA」信号の伝送に使用される伝送線)に接続されており、処理装置4による制御下で、上述したプロセス値のアナログ信号をコントローラに伝送するとともに、コントローラとの間で各種のデジタル信号を通信する。通信装置3は、例えばHART(登録商標)、BRAIN等のプロセス工業用の通信プロトコルを用いて通信を行ってよい。なお、通信装置3は、有線通信を行っても、無線通信を行ってもよい。
【0023】
(1.1-3.処理装置4)
処理装置4は、装置の一例であり、取得部40と、記憶部41と、第1処理部42と、第2処理部43と、要求受付部44と、禁止部45とを有する。
【0024】
(1.1-3.1.取得部40)
取得部40は、測定データを取得する。取得部40は、センサ装置2から測定データを取得してよく、取得した測定データを第1処理部42に供給してよい。取得部40は、センサ装置2から測定データを取得する毎に第1処理部42に供給してよい。これに代えて、取得部40は、センサ装置2から取得した測定データを、予め設定された周期(一例として100ms)ごとに第1処理部42に供給してよい。この場合には、取得部40は、周期ごとにセンサ装置2から取得した測定データを第1処理部42に供給してもよいし、周期内にセンサ装置2から取得した測定データを一括して第1処理部42に供給してもよいし、周期内にセンサ装置2から取得した測定データを平均化して第1処理部42に供給してもよい。
【0025】
(1.1-3.2.記憶部41)
記憶部41は、記憶装置の一例であり、種々のデータを記憶する。記憶部41は、第1記憶装置411と、第2記憶装置412とを有してよい。第1記憶装置411および第2記憶装置412は、別々の記憶装置であってよく、それぞれRAM(Random Access Memory)等の揮発性のメモリであってもよいし、フラッシュROM(Read Only Memory)やEEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等の不揮発性のメモリであってもよい。
【0026】
(1.1-3.2(1).第1記憶装置411)
第1記憶装置411は、セキュア領域413を有してよい。セキュア領域413は、情報、システムおよび通信路などが保護されて安全な領域であってよく、第2処理部43から直接的にアクセスできない領域であってよい。セキュア領域413は、フィールド機器1で用いられるデータのうち、安全性に重要(safety-critical)なデータを記憶してよく、セキュアデータ領域4130と、バッファ領域4131とを有してよい。
【0027】
セキュアデータ領域4130は、第1処理部42のみからアクセス可能な領域であってよい。セキュア領域413に格納されるデータとしては、例えば、センサ装置2により取得された測定データ(ローデータ(Raw Data)、生データとも称する)、測定データから導出されるプロセス値、センサ装置2の測定レンジを設定する「レンジ設定」データ、センサ装置2の調整や校正を行うための「キャリブレーション」データ、および、センサ装置2に設けられるセンサ素子固有の特性を示す「センサ定数」データ等が挙げられる。セキュアデータ領域4130には、書き込みを防止するライトプロテクトが施されてよく、予め設定された解除処理が行われることによって書き込みが可能となってよい。
【0028】
バッファ領域4131は、第1処理部42および要求受付部44からアクセス可能な領域であってよく、要求受付部44と、第1処理部42との間でやり取りされるべき情報を記憶してよい。本実施形態においては一例としてバッファ領域4131には、セキュアデータ領域4130内のデータに対して第1処理部42がアクセスするよう要求するアクセス要求が要求受付部44から書き込まれてよい。アクセス要求は、第1処理部42に対して後述の非定期処理の実行を要求してよく、非定期処理の実行要求とも称される。アクセス要求は、データの書込要求であってもよいし、読出要求であってもよい。書込要求には、書込対象のデータと、書き込みデータの識別情報とが含まれてよい。読出要求には読出対象のデータの識別情報が含まれてよい。データの識別情報は、データの種別を示してよく、これに加えて、セキュアデータ領域4130内での当該データのアドレスを示してもよい。バッファ領域4131には、読出要求に応じて第1処理部42により読み出されたデータが記憶されてもよい。
【0029】
(1.1-3.2(2).第2記憶装置412)
第2記憶装置412は、非セキュア領域414を有してよい。非セキュア領域414は、セキュア領域413と異なり情報、システムおよび通信路などが保護されていない領域であってよく、フィールド機器1で用いられるデータのうち、安全性に影響の少ない(safety-uncritical)データを記憶してよい。安全性に影響の少ないデータは、プロセス値の導出等に関係しないデータであってよく、例えばコントローラとの間で行われる通信の設定を示す「通信設定」データ、フィールド機器1に設けられる表示装置(図示せず)の表示設定を示す「表示設定」データ等であってよい。
【0030】
(1.1-3.3.第1処理部42)
第1処理部42は、第1処理装置の一例であり、定期処理および非定期処理を行う。第1処理部42は、記憶部41のセキュア領域413に対して定期処理および非定期処理を行ってよい。第1処理部42は、周期期間(周期期間T30とも称する。後述の図2参照)内それぞれで定期処理を行なってよく、非定期に非定期処理を行ってよい。
【0031】
周期期間T30は、周期的に繰り返される期間であってよく、本動作例においては一例として連続して、つまり、間を空けずに繰り返される期間であってよい。周期期間T30は、取得部40がセンサ装置2から測定データを取得する周期と等しくてよく、本実施形態においては一例として100msであってよい。
【0032】
定期処理は、取得部40により取得された測定データ、または、当該測定データから導出されるプロセス値の少なくとも一方を記憶部41に書き込む処理を含んでよい。本実施形態においては一例として、定期処理は、取得部40により取得された測定データからプロセス値を導出する処理を含んでよく、測定データおよびプロセス値の両方を記憶部41に書き込む処理を含んでよい。測定データからプロセス値を導出する処理では、セキュアデータ領域の「センサ定数」データを用いて測定データの値からプロセス値を算出してよく、一例として測定データの値にセンサ定数を乗算する等してプロセス値を算出してよい。
【0033】
定期処理は、プロセス値を通信装置3に供給し、アナログ信号としてコントローラに伝送させる処理をさらに含んでもよい。定期処理は、プロセス値を第2処理部43における後述の通信処理部430に供給し、デジタル信号として通信装置3からコントローラに伝送させる処理をさらに含んでもよい。
【0034】
非定期処理は、外部のコントローラ(図示せず)からの要求に応じて実行される処理であってよい。非定期処理は、セキュアデータ領域4130内のデータを読み出す処理であってよい。非定期処理は、セキュアデータ領域4130にデータを書き込む処理であってもよく、一例としてセキュアデータ領域4130に対し、測定データおよびプロセス値以外のデータ(本実施形態においては一例として「レンジ設定」データ、「キャリブレーション」データまたは「センサ定数」データ)を書き込んで、元のデータを変更する処理であってもよい。コントローラからの要求は、本実施形態においては一例として通信装置3、第2処理部43、要求受付部44、および、記憶部41のバッファ領域4131を介して第1処理部42に供給されてよい。
【0035】
第1処理部42は、信号処理部420、アクセス受付部421、書込処理部422、および、読出処理部423を有する。なお、第1処理部42は一例としてCPU(Central Processing Unit)であってよく、第1処理部42の各部は、例えば記憶部41に記憶されたプログラムがCPUに読み出されて実行されることにより実現されてよい。
【0036】
(1.1-3.3(1).信号処理部420)
信号処理部420は、主として定期処理に関する処理を行ってよい。本実施形態においては一例として、信号処理部420は、取得部40から測定データを取得する処理、当該測定データをプロセス値に変換する処理、測定データおよびプロセス値の書込指示を書込処理部422に供給して書き込ませる処理、プロセス値を第2処理部43における後述の通信処理部430に供給してデジタル信号として通信装置3からコントローラに伝送させる処理、および、プロセス値を通信装置3に供給してアナログ信号としてコントローラに伝送させる処理を行ってよい。書込処理部422に供給される書込指示には、書込対象のデータ(本実施形態においては一例として安全性に重要なデータ)と、当該データの識別情報とが含まれてよい。信号処理部420は、読出処理部423に読出指示を供給してデータを読み出させる処理をさらに行ってもよい。読出処理部423に供給される読出指示には、読出対象のデータの識別情報が含まれてよい。
【0037】
(1.1-3.3(2).アクセス受付部421)
アクセス受付部421は、上述の非定期処理の実行要求をバッファ領域4131から読み出して、当該実行要求に応じた指示を書込処理部422または読出処理部423に供給する。
【0038】
アクセス受付部421は、バッファ領域4131から読み出した実行要求が読出要求であることに応じて、セキュアデータ領域4130内のデータを読み出させる読出指示を読出処理部423に供給してよい。バッファ領域4131から読み出される読出要求には読出対象のデータの識別情報が含まれるため、アクセス受付部421は、当該識別情報に対応するアドレスを、読出処理部423への読出指示に含めてよい。アクセス受付部421は、データの識別情報毎にセキュアデータ領域4130内のアドレスを対応付けたテーブル(アドレステーブルとも称する)を有してよく、当該アドレステーブルを参照してアドレスを特定してよい。アクセス受付部421は、読出処理部423に読出指示を供給したことに応じて読出処理部423から供給されるデータを、通信処理部430に供給してよい。
【0039】
アクセス受付部421は、バッファ領域4131から読み出した実行要求が書込要求であることに応じて、セキュアデータ領域4130内にデータを書き込ませる書込指示を書込処理部422に供給してよい。バッファ領域4131から読み出される書込要求には書込対象のデータと、当該データの識別情報とが含まれるため、アクセス受付部421は、書込処理部422に供給する書込指示に、当該データと、識別情報に対応するアドレスとを含めてよい。アクセス受付部421は、上述のアドレステーブルを参照して、書き込み位置のアドレスを特定してよい。なお、アクセス受付部421による処理は、非定期処理であってよい。
【0040】
(1.1-3.3(3).書込処理部422)
書込処理部422は、信号処理部420またはアクセス受付部421から供給される書込指示に応じて、書込指示に含まれるデータをセキュアデータ領域4130に書き込む。書込処理部422は、アクセス受付部421から書込指示が供給されることに応じて当該書込指示に含まれるデータをセキュアデータ領域4130に書き込んで、既存のデータを更新してよい。書込処理部422は、アクセス受付部421から供給される書込指示に応じたデータの書き込みを、信号処理部420で処理が行われていない空き時間に行ってよい。書込処理部422により行われる処理のうち、信号処理部420からの書込指示に応じた処理は定期処理であってよく、アクセス受付部421から供給される書込指示に応じた処理は非定期処理であってよい。
【0041】
(1.1-3.3(4).読出処理部423)
読出処理部423は、信号処理部420またはアクセス受付部421から供給される読出指示に応じてセキュアデータ領域4130からデータを読み出す。読出処理部423は、信号処理部420からの読出指示に応じて読み出したデータを信号処理部420に供給してよく、アクセス受付部421からの読出指示に応じて読み出したデータをアクセス受付部421に供給してよい。読出処理部423により行われる処理のうち、信号処理部420からの読出指示に応じた処理は定期処理であってよく、アクセス受付部421からの読出指示に応じた処理は非定期処理であってよい。
【0042】
(1.1-3.4.第2処理部43)
第2処理部43は、記憶部41の非セキュア領域414に対する処理を行うと共に、要求受付部44に非定期処理の実行要求を送信する。第2処理部43は、通信処理部430と、書込処理部431と、読出処理部432と、アクセス要求部433とを有する。なお、第2処理部43は一例としてCPU(Central Processing Unit)であってよく、第2処理部43の各部は、例えば記憶部41に記憶されたプログラムがCPUに読み出されて実行されることにより実現されてよい。
【0043】
(1.1-3.4(1).通信処理部430)
通信処理部430は、通信装置3とコントローラ(図示せず)との間で行われるデジタル通信に関する処理を行う。通信処理部430は、第1処理部42の信号処理部420からプロセス値が供給されることに応じて、当該プロセス値をデジタル信号として通信装置3からコントローラに送信させてよい。
【0044】
これに加えて、または、これに代えて、通信処理部430は、通信装置3を介してコントローラから処理装置4に対する各種の要求に応じた処理を行ってよい。本実施形態では一例として通信処理部430は、記憶部41からのデータの読み出しに関する処理と、記憶部41へのデータの書き込みに関する処理との何れかを行ってよい。
【0045】
通信処理部430は、データの書込要求を通信装置3から受信したことに応じて、書込対象のデータの種別を特定してよい。本実施形態においては一例として、書込要求には、書込対象のデータと、その種別を示す識別情報とが含まれてよい。書込対象のデータの種別は、「レンジ設定」データ、「キャリブレーション」データ、「センサ定数」データ、「通信設定」データ、および、「表示設定」データの何れかであってよい。
【0046】
通信処理部430は、書込対象のデータが安全性に重要なデータと、安全性に影響の少ないデータとの何れであるかを特定してよい。一例として、通信処理部430は、データの種別ごとに、当該種別のデータが安全性に重要なデータであるか、安全性に影響の少ないデータであるかを対応付けたテーブル(種別テーブルとも称する)を有してよく、この種別テーブルを参照して、書込対象のデータが安全性に重要なデータと、安全性に影響の少ないデータとの何れであるかを特定してよい。
【0047】
通信処理部430は、書込対象のデータが安全性に重要なデータ(本実施形態においては一例として「レンジ設定」データ、「キャリブレーション」データ、および、「センサ定数」データの何れか)であると特定したことに応じて、当該データの書込要求をアクセス要求部433に供給してよい。アクセス要求部433への書込要求には、書込対象のデータと、当該データの識別情報とが含まれてよい。
【0048】
通信処理部430は、書込対象のデータが安全性に影響の少ないデータ(本実施形態においては一例として「通信設定」データおよび「表示設定」データの何れか)であると特定したことに応じて、当該データの書込指示を書込処理部431に供給してよい。書込処理部431への書込指示には、書込対象のデータと、当該データの識別情報に応じた書き込み位置のアドレスとが含まれてよい。通信処理部430は、データの識別情報毎に非セキュア領域414のアドレスを対応付けたテーブル(アドレステーブルとも称する)を有してよく、当該アドレステーブルを参照して書き込み位置のアドレスを特定してよい。
【0049】
通信処理部430は、読出要求を通信装置3から受信したことに応じて、読出対象のデータの種別を特定してよい。本実施形態においては一例として、読出要求には、読出対象のデータの種別が含まれてよい。
【0050】
通信処理部430は、読出対象のデータが安全性に重要なデータと、安全性に影響の少ないデータとの何れであるかを特定してよい。通信処理部430は、上述の種別テーブルを参照して、読出対象のデータが安全性に重要なデータと、安全性に影響の少ないデータとの何れであるかを特定してよい。
【0051】
通信処理部430は、読出対象のデータが安全性に重要なデータであると特定したことに応じて、そのデータの読出要求をアクセス要求部433に供給してよい。アクセス要求部433への読出要求には、読出対象のデータの識別情報が含まれてよい。
【0052】
通信処理部430は、読出対象のデータが安全性に影響の少ないデータであると特定したことに応じて、そのデータの読出指示を読出処理部432に供給してよい。読出処理部432への読出指示には、読出対象のデータの識別情報に応じたアドレスが含まれてよい。通信処理部430は、上述のアドレステーブルを参照して、読出対象のデータのアドレスを特定してよい。
【0053】
通信処理部430は、読出対象のデータが第1処理部42のアクセス受付部321または読出処理部432から供給されることに応じて、当該データを通信装置3に供給してデジタル信号としてコントローラに送信させてよい。
【0054】
通信処理部430は、通信装置3を介して受信した内容が正当であるか否かを検査してよい。例えば、通信処理部430は、受信した要求の送信元がコントローラであるか否かを検査してよい。これに加えて、通信処理部430は、書込対象のデータが正当なデータであるか否かを検査してよく、例えば、書込対象のデータの種別と、書込対象のデータの内容とに基づいて、正当なデータであるか否かを検査してよい。一例として、通信処理部430は、書込対象のデータが「レンジ設定」データであることに応じて、そのデータの値がセンサ装置2の設定可能な範囲に収まっているか否かを検査してよい。
【0055】
(1.1-3.4(2).書込処理部431)
書込処理部431は、通信処理部430から供給される書込指示に応じて、当該書込指示に含まれるデータを非セキュア領域414に書き込む。書込処理部431により書き込まれるデータは、一例として、「通信設定」データ、または、「表示設定」データであってよい。
【0056】
(1.1-3.4(3).読出処理部432)
読出処理部432は、通信処理部430から供給される読出指示に応じて非セキュア領域414からデータを読み出す。読出処理部432は、読み出したデータを通信処理部430に供給してよい。
【0057】
(1.1-3.4(4).アクセス要求部433)
アクセス要求部433は、第1処理部42によって行われるべき非定期処理の実行要求を行う。アクセス要求部433は、通信処理部430から供給される書込要求および読出要求をそれぞれ非定期処理の実行要求として要求受付部44に供給してよい。アクセス要求部433と要求受付部44との間の通信は、一例としてシリアル通信であってよいが、他の通信方式であってもよい。
【0058】
(1.1-3.5.要求受付部44)
要求受付部44は、非定期処理の実行要求を受信したことに応じて、当該実行要求に応じた内容を記憶部41に書き込んで第1処理部42に実行させる。本実施形態においては一例として要求受付部44は、第2処理部43のアクセス要求部433から実行要求を受信したことに応じて、当該実行要求に応じた内容を記憶部41のバッファ領域4131に書き込んでよい。要求受付部44は、書込要求を受信したことに応じて、当該書込要求の内容(本実施形態においては一例として書込対象のデータおよび当該データの識別情報)をバッファ領域4131に書き込んでよい。要求受付部44は、読出要求を受信したことに応じて、当該読出要求の内容(本実施形態においては一例として読出対象のデータの識別情報)をバッファ領域4131に書き込んでよい。
【0059】
要求受付部44は、非定期処理についての1または複数の実行要求(本実施形態においては一例として一の実行要求)の内容をバッファ領域4131に書き込んだことに応じて、その旨の通知(書込完了通知とも称する)を禁止部45に供給してよい。これに加えて、要求受付部44は、書込完了通知を第1処理部42のアクセス受付部421に供給してもよい。要求受付部44は、一例としてDMA(Direct Memory Access)コントローラにより実現されてよい。
【0060】
(1.1-3.6.禁止部45)
禁止部45は、要求受付部44が実行要求に応じた内容を記憶部41に書き込んだことに応じて、後続の実行要求に応じた非定期処理の第1処理部42による実行を基準長さの禁止期間(禁止期間T33とも称する。後述の図2参照)に亘り禁止する。禁止部45は、要求受付部44による後続の実行要求の受信を禁止期間T33だけ禁止してよい。禁止部45は、一例として要求受付部44と同様にDMAコントローラにより実現されてよい。
【0061】
以上の処理装置4によれば、第1処理部42によって周期期間T30内それぞれで定期処理が行われ、非定期処理の実行要求が要求受付部44により受信されると、当該実行要求に応じた内容が記憶部41に書き込まれて第1処理部42により実行される。従って、第1処理部42によって定期処理および非定期処理を実行することができるため、第2処理部43によって非定期処理を実行する場合と異なり、非定期処理の対象のデータのセキュリティを高めることができる。
【0062】
また、要求受付部44が非定期処理の実行要求に応じた内容を記憶部41に書き込んだことに応じて、後続の実行要求に応じた第1処理部42による非定期処理の実行が禁止期間T33だけ禁止される。従って、実行要求に応じた非定期処理を第1処理部42に確実に行わせつつ、後続の実行要求に応じた非定期処理によって各周期期間T30内の定期処理の実行が妨げられてしまうことを防止することができる。
【0063】
また、要求受付部44による後続の実行要求の受信が禁止されるので、後続の実行要求に応じた非定期処理によって定期処理の実行が妨げられてしまうことを確実に防止することができる。
【0064】
また、定期処理には、取得部40により取得された測定データ、または、当該測定データから導出されるプロセス値の少なくとも一方を記憶部41に書き込む処理が含まれる。従って、非定期処理によって測定データの書き込みなどの定期処理が妨げられてしまうことを防止することができる。
【0065】
また、第1処理部42により記憶部41のセキュア領域413に対して定期処理および非定期処理が行われ、第2処理部43により記憶部41の非セキュア領域414に対する処理が行われると共に要求受付部44に非定期処理の実行要求が送信される。従って、第2処理部43からの実行要求により第1処理部42からセキュア領域413に対する非定期処理を行わせることで、セキュア領域413をセキュアに維持することができる。また、セキュア領域413に対する処理と異なり、非セキュア領域414に対する処理を第2処理部43で迅速に行うことができる。
【0066】
また、第1記憶装置411にセキュア領域413が具備され、第2記憶装置412非セキュア領域414が具備されるのでセキュア領域413と非セキュア領域414とを物理的に分離し、セキュア領域413のセキュリティを高めることができる。
【0067】
(1.2.タイミングチャート)
図2は、定期処理および非定期処理の関係を示すタイミングチャートである。図中、横軸は時間を示す。
【0068】
時点t4から周期期間T30が開始すると、第1処理部42は当該周期期間T30内の定期処理期間T31に定期処理を実行する。第1処理部42は、定期処理を定期処理期間T31に亘り実行してよい。定期処理期間T31それぞれの長さは、周期期間T30よりも短い限りにおいて、任意の長さであってよく、各周期期間T30において同じであってよい。定期処理は、周期期間T30内に収まる限りにおいて、何れの時点で開始してもよく、本動作例では一例として、時点t4に開始してよい。
【0069】
同様にして、時点t5から次の周期期間T30が開始すると、第1処理部42は当該周期期間T30内の定期処理期間T31(本動作例では一例として時点t5から時点t6までの期間)に定期処理を実行する。一方、安全性に重要なデータについての書き込みまたは読み出しをコントローラが要求したことにより、要求受付部44が第2処理部43のアクセス要求部433から非定期処理の実行要求を受信すると、要求受付部44は、当該実行要求に応じた内容を記憶部41のバッファ領域4131に書き込む。一例として、要求受付部44は、実行要求をそのままバッファ領域4131に転送してよい。なお、転送の開始タイミングは、定期処理期間T31が終了する時点t6より前であってもよいし、後であってもよい。
【0070】
時点t7において非定期処理の実行要求の転送が完了すると、禁止部33は、後続の実行要求に応じた第1処理部による非定期処理の実行を、基準長さの禁止期間T33に亘り禁止する。本動作例においては一例として禁止部45は、要求受付部44による後続の実行要求の受信を禁止期間T33だけ禁止してよい。禁止期間T33は、周期期間T30よりも長くてよい。本動作例においては一例として、禁止期間T33は時点t7から時点t9までの期間となっており、禁止期間T33の終期は次の周期期間T30が開始する時点t9となっているが、時点t9より前であってもよいし、後であってもよい。
【0071】
一方、時点t7において非定期処理の実行要求の転送が完了すると、第1処理部42のアクセス受付部421が非定期処理の実行要求をバッファ領域から読み出して非定期処理を実行する。アクセス受付部421は、実行要求の内容に応じて書込処理部422に書き込みを行わせてもよいし、読出処理部423に読み出しを行わせてもよい。
【0072】
なお、アクセス受付部421は、非定期処理の実行要求の書き込みが完了した旨の書込完了通知を要求受付部44から受信することで、非定期処理の実行要求の書き込みが完了したことを検出してよい。これに代えて、アクセス受付部421は、バッファ領域4131を監視することで、非定期処理の実行要求の書き込みが完了したことを検出してもよい。アクセス受付部421は、非定期処理の実行要求の書き込みが完了したことを検出したことに応じて、非定期処理を実行してよい。
【0073】
第1処理部42は、定期処理の実行後、次に定期処理を実行するまでの間に非定期処理の実行を終えてよい。非定期処理が継続する非定期処理期間T32は、本動作例においては一例として、時点t7から、次の周期期間T30が開始する時点t8までの期間であってよいが、非定期処理期間T32の終期は時点t8より前であってもよいし、時点t8より後であってもよい。
【0074】
非定期処理期間T32の長さは、非定期処理の内容に応じて変化してよい。但し、非定期処理が継続する非定期処理期間T32の長さは、周期期間T30から定期処理期間T31を引いた長さよりも短くてよい。別言すれば、一の定期処理が継続する定期処理期間T31と、非定期処理が継続する非定期処理期間T32との和は、周期期間T30よりも短くてよい。非定期処理期間T32の長さを制限するためには、一の非定期処理期間T32内で実行される非定期処理の数を基準数より少なくしてもよいし、アクセス要求部433から要求受付部44に対して送信される非定期処理の実行要求のデータ量を基準数(一例として255byte)より少なくしてもよい。
【0075】
時点t8から次の周期期間T30が開始すると、第1処理部42は当該周期期間T30内の定期処理期間T31に定期処理を実行する。本動作例では一例として時点t8において非定期処理が終了しているため、定期処理は時点t8に開始しているが、非定期処理が時点t8よりも後に終了する場合には、非定期処理の終了後に定期処理が開始してもよい。
【0076】
そして、時点t9から次の周期期間T30(本動作例では一例として時点t9から時点t10までの期間)が開始すると、第1処理部42は当該周期期間T30内の定期処理期間T31に定期処理を実行する。一方、時点t9で禁止期間T33が終了し、要求受付部44による後続の実行要求の受信禁止が解除される。これにより、要求受付部44が第2処理部43のアクセス要求部433から非定期処理の実行要求を受信可能な状態となる。
【0077】
なお、本動作例において第1処理部42は、定期処理および非定期処理の何れも行っていないときには待機状態であってよいが、第1記憶装置413内のデータのうち、予め設定された内容に維持されるべきデータが変化していないかを診断する診断処理を行ってもよい。
【0078】
以上の動作によれば、非定期処理の実行が禁止される禁止期間T33は周期期間T30よりも長いので、第1処理部42により実行された一の非定期処理と、禁止期間T33の後に第1処理部42により実行される後続の非定期処理とが同一の周期期間T30内に行われてしまうのを防止することができる。従って、非定期処理の実行要求が頻繁に行われる場合であっても、非定期処理によって定期処理の実行が妨げられてしまうことを確実に防止することができる。
【0079】
また、定期処理が継続する定期処理期間T31と、非定期処理が継続する非定期処理期間T32との和は周期期間T30よりも短いので、定期処理の実行開始から完了までと、非定期処理の実行開始から完了までとが周期期間T30に収まる。従って、定期処理および非定期処理を時間的に分離し、別々の時間に行わせることができる。よって非定期処理によって定期処理の実行が妨げられてしまうのを防止することができる。
【0080】
(1.3.動作)
図3は、処理装置4の動作を示す。処理装置4は、ステップS11からステップS67の処理により、コントローラからの要求に応じた処理を行ってよい。なお、第1処理部42は、図3に示した動作に加えて、各周期期間T30内で定期処理を行ってよい。
【0081】
ステップS11において第2処理部43の通信処理部430は、通信装置3を介してコントローラからの要求を受信する。本実施形態では一例としてコントローラからの要求は、記憶部41への書込要求と、記憶部41からの読出要求との何れかであってよい。
【0082】
ステップS13において通信処理部430は、受信した内容が正当であるか否かを検査する。例えば、通信処理部430は、受信した要求の送信元がコントローラであるか否かを検査してよい。
【0083】
ステップS15において通信処理部430は、受信した内容が正当であるか否かを判定する。受信した内容が正当でないと判定した場合(ステップS15;No)には動作が終了してよい。受信した内容が正当であったと判定した場合(ステップS15;Yes)にはステップS17に処理が移行してよい。
【0084】
ステップS17において通信処理部430は、要求の内容が安全性に重要なデータと、安全性に影響の少ないデータとの何れの種別に関するかを判定する。要求の内容が安全性に重要なデータに関すると判定した場合(ステップS17;セキュア)には、ステップS19に処理が移行してよい。要求の内容が安全性に影響の少ないデータに関すると判定した場合(ステップS17;非セキュア)には、ステップS61に処理が移行してよい。
【0085】
ステップS19において、第2処理部43のアクセス要求部433は、非定期処理の実行要求を行う。アクセス要求部433は、通信処理部430から供給される書込要求および読出要求をそれぞれ非定期処理の実行要求として要求受付部44に供給してよい。アクセス要求部433は、実行要求の各通信フレームにシーケンス番号を付けて要求受付部44に供給してよい。
【0086】
ステップS21において要求受付部44は、現時点が禁止期間T33内であるか否かを判定する。現時点が禁止期間T33であると判定された場合(ステップS21;Yes)には動作が終了してよい。現時点が禁止期間T33ではないと判定された場合(ステップS21;No)にはステップS23に処理が移行してよい。
【0087】
ステップS23において、要求受付部44は、実行要求に応じた内容を記憶部41のバッファ領域4131に書き込む。これにより、後述のステップS41~S49の処理などにおいて第1処理部42により非定期処理が実行されることとなる。なお、要求受付部44は、第2処理部43のアクセス要求部433から受信した実行要求の各通信フレームに付けられたシーケンス番号を用いて、第2処理部43の異常診断を行ってよい。例えば、要求受付部44は、シーケンス番号に重複や欠落、反復などが生じていることに応じて、第2処理部43に異常が生じたと判定してよい。要求受付部44は、第2処理部43に異常が生じていると判定したことに応じてアクセス要求部433との通信を遮断して、第1処理部42を保護してよい。
【0088】
実行要求に応じた内容の書き込みが完了すると、ステップS25において、要求受付部44は、書込完了通知を禁止部45および第1処理部42に送信する。
【0089】
要求受付部44から書込完了通知が送信されると、ステップS31において禁止部45は禁止期間T33を開始する。禁止部45は、禁止期間T33において、要求受付部44による後続の実行要求の受信を禁止してよい。
【0090】
ステップS33において禁止部45は、ステップS31での禁止期間T33の開始から基準長さの時間が経過したか否かを判定する。基準長さの時間が経過していないと判定された場合(ステップS33;No)にはステップS33に処理が移行してよい。基準長さの時間が経過したと判定された場合(ステップS33;Yes)にはステップS35に処理が移行してよい。
【0091】
ステップS35において禁止部45は、禁止期間T33を終了する。禁止部45は、要求受付部44による後続の実行要求の受信禁止を解除してよい。なお、ステップS35の処理は、後述のステップS49より後に行われてよい。ステップS35の処理が終了したら禁止部45は、要求受付部44から書込完了通知を受信するまで待機状態となってよい。
【0092】
一方、ステップS25の処理によって要求受付部44から書込完了通知が送信されると、ステップS41において第1処理部42のアクセス受付部421は、バッファ領域4131に書き込まれた非定期処理の実行要求を読み出す。
【0093】
ステップS43においてアクセス受付部421は、バッファ領域4131から読み出した実行要求が読出要求と、書込要求との何れであるかを判定する。実行要求が書込要求であると判定された場合(ステップS43;W)には、ステップS45に処理が移行してよい。実行要求が読出要求であると判定された場合(ステップS43;R)には、ステップS47に処理が移行してよい。
【0094】
ステップS45において第1処理部42の書込処理部422は、書込要求に含まれるデータを、書込要求に含まれるセキュアデータ領域4130のアドレスに書き込む。書込処理部422は、セキュアデータ領域4130に対してライトプロテクトの解除処理を行ってから書き込みを行ってよい。ステップS45の処理が終了したら処理装置4は、コントローラからの要求に応じた動作を終了してよい。
【0095】
ステップS47において第1処理部42の読出処理部423は、読出要求に含まれるセキュアデータ領域4130のアドレスのデータを読み出す。
【0096】
ステップS49においてアクセス受付部421は、ステップS47で読出処理部423が読み出したデータを第2処理部43の通信処理部430に送信する。
【0097】
ステップS55において第2処理部43の通信処理部430は、読出要求に応じて読み出されたデータを通信装置3に供給してデジタル信号としてコントローラに送信させる。これにより、読出要求に応じて読み出されたデータがコントローラに返信される。ステップS55の処理が終了したら処理装置4は、コントローラからの要求に応じた動作を終了してよい。
【0098】
一方、ステップS61において第2処理部43の通信処理部430は、コントローラからの要求が読出要求と、書込要求との何れであるかを判定する。コントローラからの要求が書込要求であると判定された場合(ステップS61;W)には、ステップS63に処理が移行してよい。コントローラからの要求が読出要求であると判定された場合(ステップS61;R)には、ステップS65に処理が移行してよい。
【0099】
ステップS63において第2処理部43の書込処理部431は、書込要求に含まれるデータを、書込要求に含まれる非セキュア領域414のアドレスに書き込む。ステップS63の処理が終了したら処理装置4は、コントローラからの要求に応じた動作を終了してよい。
【0100】
ステップS65において第2処理部43の読出処理部432は、読出要求に含まれる非セキュア領域414のアドレスのデータを読み出す。
【0101】
ステップS67において第2処理部43の通信処理部430は、読出要求に応じて読み出されたデータを通信装置3に供給してデジタル信号としてコントローラに送信させる。これにより、読出要求に応じて読み出されたデータがコントローラに返信される。ステップS67の処理が終了したら処理装置4は、コントローラからの要求に応じた動作を終了してよい。
【0102】
(1.4.第1実施形態の変形例)
なお、上記の第1実施形態においては、処理装置4は禁止部45を有することとして説明したが、禁止部45を有しないこととしてもよい。この場合には、非定期処理の実行要求が要求受付部44により受信されると、当該実行要求に応じた内容が記憶部41に書き込まれて第1処理部42により実行されてよい。
【0103】
また、禁止部45は要求受付部44による後続の実行要求の受信を禁止期間T33だけ禁止することで、後続の実行要求に応じた非定期処理の第1処理部42による実行を禁止することとして説明したが、他の手法で非定期処理の実行を禁止してもよい。例えば、禁止部45は、後続の実行要求に応じた内容の、要求受付部44によるバッファ領域4131への書き込みを禁止期間T33だけ禁止してよい。要求受付部44が第1処理部42に書込完了通知を行うことで非定期処理を第1処理部42に実行させる場合には、禁止部45は、非定期処理の実行要求に応じた内容をバッファ領域4131に書き込んだ後に、後続の実行要求に応じた要求受付部44による書込完了通知を禁止期間T33だけ禁止してもよい。禁止部45は、第1処理部42による新たな非定期処理の実行そのものを禁止してもよい。この場合には、禁止部45は、記憶部41に記憶されたプログラムが第1処理部42のCPUに読み出されて実行されることにより実現されてよい。
【0104】
(2.第2実施形態)
(2.1.フィールド機器1A)
図4は、第2実施形態に係るフィールド機器1Aを示す。フィールド機器1Aは処理装置4Aを備え、処理装置4Aは第1処理部42Aを有する。なお、本実施形態に係るフィールド機器1Aにおいて、図1に示された構成と略同一のものには同一の符号を付け、説明を省略する。
【0105】
第1処理部42Aは、非定期処理の実行要求に応じた内容が記憶部41に書き込まれ、かつ、定期処理を実行したことに応じて、非定期処理を実行する点で上記実施形態における第1処理部42と異なっている。第1処理部42Aは、アクセス受付部421Aを有してよい。
【0106】
アクセス受付部421Aは、要求受付部44によりバッファ領域4131に書き込まれた非定期処理の実行要求を、定期処理の実行後に読み出してよい。これにより、定期処理の実行後に非定期処理が実行される。アクセス受付部421Aは、読み出した実行要求に応じた指示を、上述の実施形態におけるアクセス受付部421と同様にして、書込処理部422または読出処理部423に供給してよい。
【0107】
以上の処理装置4Aによれば、実行要求に応じた内容が記憶部41に書き込まれ、かつ、定期処理が実行されたことに応じて非定期処理が実行されるので、非定期処理の実行により各周期期間T30内での定期処理の実行が妨げられてしまうことを防止することができる。
【0108】
(2.2.タイミングチャート)
図5は、定期処理および非定期処理の関係を示すタイミングチャートである。図中、横軸は時間を示す。
【0109】
時点t5から周期期間T30が開始すると、第1処理部42Aは当該周期期間T30内の定期処理期間T31(本動作例では一例として時点t5から時点t6までの期間)に定期処理を実行する。一方、安全性に重要なデータについての書き込みまたは読み出しをコントローラが要求したことにより、要求受付部44が第2処理部43のアクセス要求部433から非定期処理の実行要求を受信すると、要求受付部44は、当該実行要求に応じた内容を記憶部41のバッファ領域4131に書き込む。一例として、要求受付部44は、実行要求をそのままバッファ領域4131に転送してよい。なお、転送の開始タイミングは、定期処理期間T31が終了する時点t6より前であってもよいし、後であってもよい。
【0110】
時点t7において非定期処理の実行要求の転送が完了し、時点t8から次の周期期間T30が開始すると、第1処理部42Aは当該周期期間T30内の定期処理期間T31(本動作例では一例として時点t8から時点t81までの期間)に定期処理を実行する。
【0111】
時点t81において定期処理が終了すると、第1処理部42Aのアクセス受付部421Aが非定期処理の実行要求をバッファ領域から読み出して非定期処理を実行する。アクセス受付部421Aは、実行要求の内容に応じて書込処理部422に書き込みを行わせてもよいし、読出処理部423に読み出しを行わせてもよい。
【0112】
なお、アクセス受付部421Aは、非定期処理の実行要求の書き込みが完了した旨の書込完了通知を要求受付部44から受信することで、非定期処理の実行要求の書き込みが完了したことを検出してよい。これに代えて、アクセス受付部421Aは、バッファ領域4131を監視することで、非定期処理の実行要求の書き込みが完了したことを検出してもよい。アクセス受付部421Aは、非定期処理の実行要求の書き込みが完了したこと、および、定期処理が完了したことを検出したことに応じて、非定期処理を実行してよい。
【0113】
非定期処理が継続する非定期処理期間T32は、本動作例においては一例として、時点t81から時点t82までの期間であってよい。時点t82は、次の周期期間T30が開始する時点t9より前であってもよいし、後であってもよい。非定期処理期間T32の長さは、非定期処理の内容に応じて変化してよい。但し、非定期処理が継続する非定期処理期間T32の長さは、周期期間T30から定期処理期間T31を引いた長さよりも短くてよい。別言すれば、一の定期処理が継続する定期処理期間T31と、非定期処理が継続する非定期処理期間T32との和は、周期期間T30よりも短くてよい。
【0114】
そして、時点t9から次の周期期間T30(本動作例では一例として時点t9から時点t10までの期間)が開始すると、第1処理部42Aは当該周期期間T30内の定期処理期間T31に定期処理を実行する。
【0115】
(2.3.動作)
図6は、処理装置4Aの動作を示す。処理装置4Aは、ステップS11からステップS77の処理により、コントローラからの要求に応じた処理を行ってよい。
【0116】
本実施形態においてはステップS19において第2処理部43のアクセス要求部433から要求受付部44に対して非定期処理の実行要求が行われることに応じて、ステップS71において要求受付部44は、実行要求に応じた内容を記憶部41のバッファ領域4131に書き込む。
【0117】
実行要求に応じた内容の書き込みが完了すると、ステップS73において、要求受付部44は、書込完了通知を第1処理部42Aに送信する。
【0118】
一方、ステップS75において、第1処理部42Aの信号処理部420、書込処理部422および読出処理部423は、周期期間T30内で定期処理を行う。ステップS75の処理はステップS73の処理前に行われてよい。
【0119】
ステップS77において第1処理部42Aのアクセス受付部421Aは、書込完了通知を要求受付部44から受信したか否か、つまり、非定期処理の実行要求の内容がバッファ領域4131に書き込まれたか否かを判定する。書込完了通知を受信しないと判定された場合(ステップS77;No)にはステップS75に処理が移行してよい。書込完了通知を受信したと判定された場合(ステップS77;Yes)には上述のステップS41に処理が移行してよい。これにより、非定期処理の実行要求に応じた内容がバッファ領域4131に書き込まれ、かつ、定期処理が実行されたことに応じて、第1処理部42Aにより非定期処理が実行される。非定期処理は定期処理の直後に実行されてよく、定期処理の終了後に、間を空けずに実行されてよい。
【0120】
(3.変形例)
なお、上記の第1実施形態および第2実施形態においては、処理装置4,4Aは取得部40、記憶部41および第2処理部43を有することとして説明したが、これらの何れかを有しないこととしてもよい。例えば、処理装置4,4Aが取得部40を有しない場合には、予めセンサ装置2による測定データなどが記憶部41に記憶されてよい。処理装置4,4Aが記憶部41を有しない場合には、第1処理部42,42Aは処理装置4,4Aに外部接続された記憶装置に対して定期処理および非定期処理を行ってよい。
【0121】
また、処理装置4,4Aは、センサ装置2から測定データを取得する取得部40を有することとして説明したが、センサ装置2そのものを取得部40として有してもよい。
【0122】
また、本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0123】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0124】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0125】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0126】
図7は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、および/またはコンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
【0127】
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、およびディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インタフェース2222、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226、およびICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータはまた、ROM2230およびキーボード2242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ2240を介して入/出力コントローラ2220に接続されている。
【0128】
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
【0129】
通信インタフェース2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD-ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD-ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0130】
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、および/またはコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ2240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ2220に接続してよい。
【0131】
プログラムが、DVD-ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
【0132】
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROM2201、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0133】
また、CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226(DVD-ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
【0134】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0135】
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
【0136】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0137】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0138】
1 フィールド機器
2 センサ装置
3 通信装置
4 処理装置
40 取得部
41 記憶部
42 第1処理部
43 第2処理部
44 要求受付部
45 禁止部
411 第1記憶装置
412 第2記憶装置
413 セキュア領域
414 非セキュア領域
420 信号処理部
421 アクセス受付部
422 書込処理部
423 読出処理部
430 通信処理部
431 書込処理部
432 読出処理部
433 アクセス要求部
2200 コンピュータ
2201 DVD-ROM
2210 ホストコントローラ
2212 CPU
2214 RAM
2216 グラフィックコントローラ
2218 ディスプレイデバイス
2220 入/出力コントローラ
2222 通信インタフェース
2224 ハードディスクドライブ
2226 DVD-ROMドライブ
2230 ROM
2240 入/出力チップ
2242 キーボード
4130 セキュアデータ領域
4131 バッファ領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7