(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135919
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】メモリデバイス
(51)【国際特許分類】
G11C 16/08 20060101AFI20240927BHJP
G11C 16/04 20060101ALI20240927BHJP
H10B 43/27 20230101ALI20240927BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
G11C16/08 110
G11C16/04 170
H10B43/27
H01L29/78 371
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023046824
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 学
【テーマコード(参考)】
5B225
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5B225CA01
5B225CA04
5B225EA05
5B225FA02
5F083EP18
5F083EP22
5F083EP33
5F083EP34
5F083EP42
5F083EP47
5F083EP48
5F083EP72
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5F083EP77
5F083ER03
5F083ER09
5F083ER14
5F083ER19
5F083GA10
5F083JA03
5F083JA04
5F083JA19
5F083JA37
5F083JA39
5F083KA01
5F083KA05
5F083KA11
5F083LA12
5F083LA16
5F083LA20
5F083MA06
5F083MA16
5F101BA45
5F101BB04
5F101BC02
5F101BD16
5F101BD22
5F101BD30
5F101BD33
5F101BD34
5F101BE07
5F101BH04
(57)【要約】
【課題】メモリデバイスの特性を向上する。
【解決手段】実施形態のメモリデバイスは、第1のセレクトゲート線SGDに接続された第1のトランジスタと、第2のセレクトゲート線SGSに接続された第2のトランジスタと、第1及び第2のトランジスタとの間に直列接続され、複数のワード線WLのうち対応する1つにそれぞれ接続された複数のメモリセルと、を含むブロックBLKを含むメモリセルアレイ110と、アドレスADDのデコード結果に基づいてブロックBLKを選択状態又は非選択状態に設定するための制御信号RDECSELを出力し、ブロックBLKがグッドブロックであるか否かを示す情報GOODを記憶し、制御信号RDECSELと情報GOODとに基づいて、第1のセレクトゲート線SGDから独立に第2のセレクトゲート線SGSの電気的な状態を制御するロウ制御回路140と、を含む。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のセレクトゲート線に接続された第1のトランジスタと、第2のセレクトゲート線に接続された第2のトランジスタと、前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタとの間に直列接続され、複数のワード線のうち対応する1つにそれぞれ接続された複数のメモリセルと、を含むブロックを含むメモリセルアレイと、
アドレスのデコード結果に基づいて前記ブロックを選択状態又は非選択状態に設定するための第1の制御信号を出力し、前記ブロックがグッドブロックであるかバッドブロックであるかを示す情報を記憶し、前記第1の制御信号と前記情報とに基づいて、前記第1のセレクトゲート線から独立に前記第2のセレクトゲート線の電気的な状態を制御するロウ制御回路と、
を具備するメモリデバイス。
【請求項2】
前記ブロックが前記第1の制御信号によって前記非選択状態に設定され、前記情報が前記ブロックが前記グッドブロックであることを示す場合、前記ロウ制御回路は、前記第2のセレクトゲート線を電気的にフローティングな状態に設定し、
前記ブロックが前記第1の制御信号によって前記非選択状態に設定され、前記情報が前記ブロックが前記バッドブロックであることを示す場合、前記ロウ制御回路は、前記第2のセレクトゲート線を電気的にバイアス状態に設定する、
請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項3】
前記ブロックが前記第1の制御信号によって前記非選択状態に設定され、前記情報が前記ブロックが前記グッドブロックであることを示す場合、前記ロウ制御回路は、前記第1のセレクトゲート線を電気的にバイアス状態に設定する、
請求項2に記載のメモリデバイス。
【請求項4】
グランド電圧が、前記バイアス状態に設定された前記第2のセレクトゲート線に印加される、
請求項2に記載のメモリデバイス。
【請求項5】
前記ロウ制御回路は、前記第2のセレクトゲート線の電位の状態を制御するための第2の制御信号を受け、
前記第2の制御信号の信号レベルが第1のレベルである時、前記ロウ制御回路は、
前記ブロックが前記第1の制御信号によって前記非選択状態に制御される場合、前記第2のセレクトゲート線を電気的にバイアス状態に設定し、
前記第2の制御信号の信号レベルが第2のレベルである時、前記ロウ制御回路は、
前記ブロックが前記第1の制御信号によって前記非選択状態に設定され、前記情報が前記ブロックが前記グッドブロックであることを示す場合、前記ロウ制御回路は、前記第2のセレクトゲート線を電気的にフローティングな状態に設定し、
前記ブロックが前記第1の制御信号によって前記非選択状態に設定され、前記情報が前記ブロックが前記バッドブロックであることを示す場合、前記ロウ制御回路は、前記第2のセレクトゲート線を電気的にバイアス状態に設定する、
請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項6】
前記ブロックが前記第1の制御信号によって前記非選択状態に設定され、前記情報が前記ブロックが前記グッドブロックであることを示す場合、前記ロウ制御回路は、前記第1のセレクトゲート線を電気的にバイアス状態に設定する、
請求項5に記載のメモリデバイス。
【請求項7】
グランド電圧が、前記バイアス状態に設定された前記第2のセレクトゲート線に印加される、
請求項5に記載のメモリデバイス。
【請求項8】
前記第1のセレクトゲート線、前記第2のセレクトゲート線及び前記複数のワード線に印加される複数の電圧を出力するドライバ回路、
をさらに具備し、
前記ロウ制御回路は、
前記第1の制御信号を生成するデコード回路と、
前記情報を記憶するラッチ回路と、
前記ブロックと前記ドライバ回路とを電気的に接続する又は分離するスイッチ回路と、
前記スイッチ回路を制御するスイッチ制御回路と、
を含み、
前記スイッチ制御回路は、前記第1の制御信号と前記情報とに基づいて、前記スイッチ回路による前記ドライバ回路と前記第2のセレクトゲート線との間の電気的な接続又は分離を制御する、
請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項9】
前記スイッチ制御回路は、
前記第1の制御信号を受ける第1の入力ノードと、前記情報を受ける第2のノードと、前記第1の制御信号と前記情報との否定論理和演算の結果を示す第1の信号を出力する第1の出力ノードと、を含むNORゲートを、含む、
請求項8に記載のメモリデバイス。
【請求項10】
前記スイッチ回路は、
前記第1のセレクトゲート線に接続された第1の端子と、前記ドライバ回路に接続された第2の端子と、前記第1の制御信号の反転信号を受ける第1のゲートと、を含む第1のスイッチと、
前記第2のセレクトゲート線に接続された第3の端子と、前記ドライバ回路に接続された第4の端子と、前記第1の信号を受ける第2のゲートと、を含む第2のスイッチと、
を含む、
請求項9に記載のメモリデバイス。
【請求項11】
前記ドライバ回路は、前記非選択状態の前記ブロックの前記第1のセレクトゲート線及び前記第2のセレクトゲート線に、電圧を出力するドライバを、含み、
前記第2及び第4の端子は、配線を介して前記ドライバに接続される、
請求項10に記載のメモリデバイス。
【請求項12】
前記スイッチ制御回路は、
第1の電源端子に接続される第1の端子と、前記スイッチ回路に信号を送るための第1のノードに接続される第2の端子と、前記第1の制御信号を受ける第1のゲートと、を含む第1のP型トランジスタと、
前記第1のノードに接続される第3の端子と、第2の電源端子に接続される第4の端子と、前記第1の制御信号を受ける第2のゲートと、を含む第1のN型トランジスタと、
前記第1の電源端子に接続される第5の端子と、前記第1の端子に接続される第6の端子と、前記情報を受ける第3のゲートと、を含む第2のP型トランジスタと、
前記第1のノードに接続される第7の端子と、前記第2の電源端子に接続される第8の端子と、前記情報を受ける第4のゲートと、を含む第2のN型トランジスタと、
を含む、
請求項8に記載のメモリデバイス。
【請求項13】
前記ロウ制御回路は、前記第2のセレクトゲート線の電位の状態を制御するための第2の制御信号を受け、
前記スイッチ制御回路は、
前記情報を受ける第1の入力ノードと、前記第2の制御信号を受ける第2の入力ノードと、前記情報と前記第2の制御信号との論理積の結果を示す第1の信号を出力する第1の出力ノードと、を含むANDゲートと、
前記第1の制御信号を受ける第3の入力ノードと、前記第1の信号を受ける第4の入力ノードと、前記第1の制御信号と前記第1の信号との否定論理和の結果を示す第2の信号を出力する第2の出力ノードと、を含むNORゲートと、
を含む、
請求項8に記載のメモリデバイス。
【請求項14】
前記スイッチ回路は、
前記第1のセレクトゲート線に接続された第1の端子と、前記ドライバ回路に接続された第2の端子と、前記第1の制御信号の反転信号を受ける第1のゲートと、を含む第1のスイッチと、
前記第2のセレクトゲート線に接続された第3の端子と、前記ドライバ回路に接続された第4の端子と、前記第2の信号を受ける第2のゲートと、を含む第2のスイッチと、
を含む、
請求項13に記載のメモリデバイス。
【請求項15】
前記ドライバ回路は、前記非選択状態の前記ブロックの前記第1のセレクトゲート線及び前記第2のセレクトゲート線に、電圧を出力するドライバを、含み、
前記第2及び第4の端子は、配線を介して前記ドライバに接続される、
請求項14に記載のメモリデバイス。
【請求項16】
前記ロウ制御回路は、前記第2のセレクトゲート線の電位の状態を制御するための第2の制御信号を受け、
前記ロウ制御回路は、
第1の電源端子に接続される第1の端子と、第1のノードに接続される第2の端子と、前記第2の制御信号を受ける第1のゲートと、を含む第1のP型トランジスタと、
前記第1のノードに接続される第3の端子と、前記スイッチ回路に信号を送るための第2のノードに接続される第4の端子と、前記第1の制御信号を受ける第2のゲートと、を含む第2のP型トランジスタと、
前記第2のノードに接続された第5の端子と、第2の電源端子に接続された第6の端子と、前記第1の制御信号を受ける第3のゲートと、を含む第1のN型トランジスタと、
前記第1の電源端子に接続される第7の端子と、前記第1のノードに接続される第8の端子と、前記情報を受ける第4のゲートと、を含む第3のP型トランジスタと、
前記第2のノードに接続される第9の端子と、第10の端子と、前記情報を受ける第5のゲートと、を含む第2のN型トランジスタと、
前記第10の端子に接続される第11の端子と、前記第2の電源端子に接続される第12の端子と、前記第2の制御信号を受ける第6のゲートと、を含む第3のN型トランジスタと、
を含む、
請求項8に記載のメモリデバイス。
【請求項17】
前記複数のメモリセルのそれぞれは、
基板の表面に対して垂直な第1の方向に延びる半導体層と、
前記基板の表面に対して平行な第2の方向において、前記半導体層に対向する第1の導電層と、
前記第1の導電層と前記半導体層との間の第1の絶縁層と、
前記第1の導電層と前記第1の絶縁層との間の第2の絶縁層と、
前記第1の絶縁層と前記第2の絶縁層との間の電荷蓄積層と、
を含む、
請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項18】
第1のセレクトゲート線に接続された第1のトランジスタと、第2のセレクトゲート線に接続された第2のトランジスタと、前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタとの間に直列接続され、複数のワード線のうち対応する1つにそれぞれ接続された複数のメモリセルと、を含むブロックを含むメモリセルアレイと、
前記ブロックを選択状態又は非選択状態に設定するための第1の制御信号に基づいて、前記第1のセレクトゲート線の電気的な状態を制御する第1の制御回路と、前記第1の制御信号及び前記ブロックがグッドブロックであるかバッドブロックであるかを示す情報に基づいて前記第2のセレクトゲート線の電気的な状態を制御する第2の制御回路と、を含む、ロウ制御回路と、
を具備するメモリデバイス。
【請求項19】
前記第1のセレクトゲート線、前記第2のセレクトゲート線及び前記複数のワード線に印加される複数の電圧を出力するドライバ回路、
をさらに具備し、
前記ロウ制御回路は、
前記第1の制御信号を生成するデコード回路と、
前記情報を記憶するラッチ回路と、
前記ブロックと前記ドライバ回路とを電気的に接続する又は分離するスイッチ回路と、
前記スイッチ回路を制御するスイッチ制御回路と、
を含み、
前記スイッチ制御回路は、前記第1の制御信号と前記情報とに基づいて、前記スイッチ回路による前記ドライバ回路と前記第2のセレクトゲート線との間の電気的な接続又は分離を制御する、
請求項18に記載のメモリデバイス。
【請求項20】
前記ロウ制御回路は、前記第2のセレクトゲート線の電位の状態を制御するための第2の制御信号を受け、
前記ロウ制御回路は、
第1の電源端子に接続される第1の端子と、第1のノードに接続される第2の端子と、前記第2の制御信号を受ける第1のゲートと、を含む第1のP型トランジスタと、
前記第1のノードに接続される第3の端子と、前記スイッチ回路に信号を送るための第2のノードに接続される第4の端子と、前記第1の制御信号を受ける第2のゲートと、を含む第2のP型トランジスタと、
前記第2のノードに接続された第5の端子と、第2の電源端子に接続された第6の端子と、前記第1の制御信号を受ける第3のゲートと、を含む第1のN型トランジスタと、
前記第1の電源端子に接続される第7の端子と、前記第1のノードに接続される第8の端子と、前記情報を受ける第4のゲートと、を含む第3のP型トランジスタと、
前記第2のノードに接続される第9の端子と、第10の端子と、前記情報を受ける第5のゲートと、を含む第2のN型トランジスタと、
前記第10の端子に接続される第11の端子と、前記第2の電源端子に接続される第12の端子と、前記第2の制御信号を受ける第6のゲートと、を含む第3のN型トランジスタと、
を含む、
請求項19に記載のメモリデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、メモリデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
データを不揮発に記憶することが可能なNANDフラッシュメモリが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2015-131378号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2017-316834号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2020-258558号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一実施形態では、メモリデバイスの歩留まり及び信頼性を確保しながら、特性の向上を図る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のメモリデバイスは、第1のセレクトゲート線に接続された第1のトランジスタと、第2のセレクトゲート線に接続された第2のトランジスタと、前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタとの間に直列接続され、複数のワード線のうち対応する1つにそれぞれ接続された複数のメモリセルと、を含むブロックを含むメモリセルアレイと、アドレスのデコード結果に基づいて前記ブロックを選択状態又は非選択状態に設定するための第1の制御信号を出力し、前記ブロックがグッドブロックであるかバッドブロックであるかを示す情報を記憶し、前記第1の制御信号と前記情報とに基づいて、前記第1のセレクトゲート線から独立に前記第2のセレクトゲート線の電気的な状態を制御するロウ制御回路と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1の実施形態のメモリデバイスを含むシステムを示すブロック図。
【
図2】第1の実施形態のメモリデバイスのメモリセルアレイの構成例を示す回路図。
【
図3】第1の実施形態のメモリデバイスのメモリセルアレイの構造例を示す断面図。
【
図4】第1の実施形態のメモリデバイスのメモリピラーの構造例を示す断面図。
【
図5】第1の実施形態のメモリデバイスのロウ制御回路の構成例を示す回路図。
【
図6】第1の実施形態のメモリデバイスのデコード回路の構成例を示す回路図。
【
図7】第1の実施形態のメモリデバイスのスイッチ制御回路の構成例を示す回路図。
【
図8】第1の実施形態のメモリデバイスのスイッチ制御回路の動作例を示す図。
【
図9】第1の実施形態のメモリデバイスのロウ制御回路の動作例を示すタイミングチャート。
【
図10】第1の実施形態のメモリデバイスのロウ制御回路の動作例を示すタイミングチャート。
【
図11】第1の実施形態のメモリデバイスのロウ制御回路の動作例を示すタイミングチャート。
【
図12】第1の実施形態のメモリデバイスの動作例を示すタイミングチャート。
【
図13】第2の実施形態のメモリデバイスの構成例を示す回路図。
【
図14】第2の実施形態のメモリデバイスのスイッチ制御回路の構成例を示す回路図。
【
図15】第2の実施形態のメモリデバイスのスイッチ制御回路の動作例を示す図。
【
図16】第2の実施形態のメモリデバイスの動作例を示すタイミングチャート。
【
図17】第3の実施形態のメモリデバイスの構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
<実施形態>
図1乃至
図17を参照しながら、本実施形態のメモリデバイスについて詳細に説明する。以下の説明において、同一の機能及び構成を有する要素については、同一符号を付す。また、以下の各実施形態において、末尾に区別化のための数字/英字を伴った参照符号を付された構成要素(例えば、回路、配線、各種の電圧及び信号など)が、相互に区別されなくとも良い場合、末尾の数字/英字が省略された記載(参照符号)が用いられる。
【0008】
(1)第1の実施形態
図1乃至
図12を参照して、第1の実施形態のメモリデバイス及びその制御方法について、説明する。
【0009】
(1a)構成例
図1は、本実施形態のメモリデバイス1を含むメモリシステムSYSの構成例を説明するためのブロック図である。
【0010】
図1に示されるように、メモリシステムSYSは、ホストバスを介して、ホストデバイス9に接続される。メモリシステムSYSは、データの書き込み、データの読み出し及びデータの消去を、ホストデバイス9から要求され得る。
【0011】
ホストデバイス9は、例えば、パーソナルコンピュータ、組み込み機器、又は、サーバー等である。組み込み機器は、例えば、携帯電話やデジタルカメラである。ホストバスは、例えばSDTMインターフェイス、SAS(Serial attached SCSI(small computer system interface))、SATA(Serial ATA(advanced technology attachment))、PCIe(Peripheral component interconnect express)、又は、NVMe(Non‐volatile memory express)などのインターフェイス規格に基づいたバスである。尚、メモリシステムSYSは、無線通信によって、ホストデバイス9に接続されてもよい。
【0012】
メモリシステムSYSは、本実施形態のメモリデバイス1と、メモリコントローラ5とを含む。
【0013】
メモリコントローラ5は、メモリデバイス1に電気的に結合される。メモリコントローラ5は、コマンドCMD、アドレスADD、データDT及び複数の制御信号を、メモリデバイス1に送る。
【0014】
メモリデバイス1は、不揮発性半導体メモリデバイスである。例えば、本実施形態のメモリデバイス1は、NANDフラッシュメモリである。
【0015】
メモリデバイス1は、コマンドCMD、アドレスADD、データDT及び複数の制御信号を受ける。データDTは、メモリデバイス1とメモリコントローラ5との間で、転送される。以下において、書き込みシーケンス時、メモリコントローラ5からメモリデバイス1に転送されるデータDTは、書き込みデータとよばれる。書き込みデータDTは、メモリデバイス1内に書き込まれる。読み出しシーケンス時、メモリデバイス1からメモリコントローラ5に転送されるデータDTは、読み出しデータとよばれる。読み出しデータDTは、メモリデバイス1から読み出される。
【0016】
メモリデバイス1は、例えば、メモリセルアレイ110、コマンドレジスタ120、アドレスレジスタ130、ロウ制御回路140、センスアンプ回路150、ドライバ回路160、電圧生成回路170、入出力回路180及びシーケンサ190を含む。
【0017】
メモリセルアレイ110は、データを記憶する。メモリセルアレイ110内に、複数のビット線及び複数のワード線が設けられる。メモリセルアレイ110は、複数のブロックBLK(BLK0,・・・,BLKk-1)を含んでいる。各ブロックBLKは、複数のメモリセルの集合体である。各メモリセルは、1つのビット線と1つのワード線とに関連付けられている。メモリセルアレイ110は、メモリセルアレイ110内の制御単位を選択するための複数のセレクトゲート線を含む。メモリセルアレイ110の内部構成は、後述される。
【0018】
コマンドレジスタ120は、メモリコントローラ5からのコマンドCMDを一時的に記憶する。コマンドCMDは、例えば、シーケンサ190に、読み出しシーケンス、書き込みシーケンス、及び消去シーケンス等を実行させる命令を含む信号である。
【0019】
アドレスレジスタ130は、メモリコントローラ5からのアドレス(選択アドレス)ADDを一時的に記憶する。アドレスADDは、例えば、ブロックアドレス、ページアドレス(ワード線アドレス)、及びカラムアドレスなどを含んでいる。ブロックアドレス、ページアドレス、及びカラムアドレスは、ブロックBLK、ワード線、ビット線(カラム)の選択にそれぞれ使用される。以下において、ブロックアドレスに基づいて選択されたブロックは、選択ブロックとよばれる。ページアドレスに基づいて選択されたワード線は、選択ワード線とよばれる。
【0020】
ロウ制御回路140は、メモリセルアレイ110のロウに関する動作を制御する。ロウ制御回路140は、ブロックアドレスに基づいて、メモリセルアレイ110内の1つのブロックBLKを選択する。ロウ制御回路140は、例えば、選択ワード線に対応する配線に印加された電圧を、選択ブロックBLK内の選択ワード線に転送する。ロウ制御回路140は、アドレスADDに基づいて、セレクトゲート線の選択(活性化)及び非選択(非活性化)を制御する。ロウ制御回路140は、複数のブロックデコーダBDなどを含む。各ブロックデコーダBDの内部構成は、後述される。
【0021】
センスアンプ回路150は、メモリセルアレイ110のカラムに関する動作を制御する。センスアンプ回路150は、書き込みシーケンスにおいて、メモリコントローラ5からの書き込みデータDTに応じて、メモリセルアレイ110内に設けられたビット線のそれぞれに、電圧を印加する。センスアンプ回路150は、読み出しシーケンスにおいて、ビット線における電流の発生の有無又はビット線の電位の変動に基づいてメモリセル内に記憶されたデータを判定する。センスアンプ回路150は、この判定結果に基づいたデータを、読み出しデータDTとしてメモリコントローラ5に転送する。センスアンプ回路150は、センスアンプユニット、データラッチ回路、及びキャッシュ回路などを含む。
【0022】
ドライバ回路160は、読み出しシーケンス、書き込みシーケンス、及び消去シーケンス等で用いられる複数の電圧を、メモリセルアレイ110に出力する。ドライバ回路160は、アドレスレジスタ130内のアドレスADDに基づいて、ワード線及びビット線などに対応する配線に所定の電圧を、印加する。例えば、ドライバ回路160は、複数の配線を含む配線群169を介してロウ制御回路140に接続される。
【0023】
電圧生成回路170は、メモリデバイス1の各種の動作のための複数の電圧を、生成する。電圧生成回路170は、生成された電圧をドライバ回路160に出力する。
【0024】
入出力回路180は、メモリデバイス1とメモリコントローラ5との間における、メモリデバイス1側のインターフェイス回路として機能する。メモリデバイス1がNANDフラッシュメモリである場合、入出力回路180は、ONFI
(Open NAND flash interface)などのNANDインターフェイス規格に基づいて、メモリコントローラ5と通信する。コマンドラッチイネーブル信号CLE、アドレスラッチイネーブル信号ALE、ライトイネーブル信号WEn、リードイネーブル信号REn、レディビジー信号RBn、及び入出力信号DQなどが、メモリデバイス1とメモリコントローラ5との間の通信に使用される。
【0025】
コマンドラッチイネーブル信号CLEは、メモリデバイス1が受けた入出力信号DQがコマンドCMDであることを示す信号である。アドレスラッチイネーブル信号ALEは、メモリデバイス1が受けた信号DQがアドレスADDであることを示す信号である。ライトイネーブル信号WEnは、入出力信号DQの入力をメモリデバイス1に命令する信号である。リードイネーブル信号REnは、入出力信号DQの出力をメモリデバイス1に命令する信号である。
【0026】
レディビジー信号RBnは、メモリデバイス1がメモリコントローラ5からの命令を受け付けるレディ状態であるか、命令を受け付けないビジー状態であるかを、メモリデバイス1からメモリコントローラ5に通知する信号である。
【0027】
入出力信号DQは、例えば、8ビット幅の信号セットである。入出力信号DQは、コマンドCMD、アドレスADD、データDT等を含み得る。
【0028】
シーケンサ190は、メモリデバイス1全体の動作を制御する。シーケンサ190は、コマンドレジスタ120内のコマンドCMDに基づいて各回路を制御する。例えば、シーケンサ190は、メモリデバイス1の動作を制御するためのパラメータPRMを、レジスタ191内に保持する。パラメータPRMは、メモリデバイス1(及びメモリシステムSYS)の電源がオンされた時に、メモリデバイス1内のROM(Read only memory)ブロックからシーケンサ190内のレジスタ191に読み出される。パラメータPRMは、メモリコントローラ5からメモリデバイス1に供給されてもよい。
【0029】
(1a-1)メモリセルアレイ
図2は、本実施形態のメモリデバイス1における、メモリセルアレイ110内の或る1つのブロックBLKの回路構成を示す回路図である。
【0030】
図2に示されるように、メモリデバイス1がNAND型フラッシュメモリである場合、1つのブロックBLKは、複数(例えば、4つ)のストリングユニットSU(SU0,・・・,SU3)を含む。各ストリングユニットSUは、複数のNANDストリングNSを含む。メモリセルアレイ110内のブロックの数、ブロックBLK内のストリングユニットの数、及びストリングユニットSU内のNANDストリングの数は任意である。
【0031】
各NANDストリングNSは、複数のメモリセルMT(MT0,MT1,MT2,・・・,MTn-3,MTn-2,MTn-1)及び複数のセレクトトランジスタST1,ST2を含んでいる。nは、2以上の自然数である。複数のメモリセルMTは、セレクトトランジスタST1のソースとセレクトトランジスタST2のドレインとの間に直列接続される。
【0032】
メモリセル(メモリセルトランジスタともよばれる)MTは、制御ゲートと電荷蓄積層とを有する電界効果トランジスタである。メモリセルMTは、1ビット以上のデータを実質的に不揮発に記憶する。以下において、メモリセルMTが2ビットのデータを記憶する例が、示される。
【0033】
ストリングユニットSU0,・・・,SU3のそれぞれにおけるセレクトトランジスタST1のゲートは、複数のドレイン側セレクトゲート線SGD(SGD0,・・・,SGD3)のうち対応するドレイン側セレクトゲート線SGDにそれぞれ接続される。
【0034】
ストリングユニットSU0,・・・,SU3のそれぞれにおけるセレクトトランジスタST2のゲートは、例えば、ソース側セレクトゲート線SGSに共通接続される。セレクトトランジスタST2のゲートは、ストリングユニットSU0,・・・,SU3毎に異なるソース側セレクトゲート線SGSに接続されてもよい。
【0035】
同一のブロックBLK内に属するメモリセルMT0,・・・,MTn-1の制御ゲートは、複数のワード線WL(WL0,WL1,WL2,・・・,WLn-3,WLn-2,WLn-1)のうち対応する1つのワード線WLにそれぞれ接続される。
【0036】
メモリセルアレイ110内において同一カラムに属するNANDストリングNSのセレクトトランジスタST1のドレインは、複数のビット線BL(BL0,BL1,・・・,BLm-1)のうち対応する1つのビット線BLに、それぞれ接続される。mは、2以上の自然数である。
【0037】
複数のセレクトトランジスタST2のソースは、ソース線SLに共通に接続される。
【0038】
ストリングユニットSUは、異なるビット線BLに接続され、かつ、同一のドレイン側セレクトゲート線SGDに接続されたNANDストリングNSの集合体である。ブロックBLKは、複数のワード線WLを共有する複数のストリングユニットSUの集合体である。メモリセルアレイ110は、複数のビット線BLを共有する複数のブロックBLKの集合体である。
【0039】
以下において、ストリングユニットSUのうち、同一のワード線WLに共通接続されたメモリセルMTの集合体(メモリセル群)は、セルユニットCU(又はメモリグループ)ともよばれる。
【0040】
図3は、本実施形態のメモリデバイス1のメモリセルアレイの構造例を示す断面図である。
【0041】
図3に示されるように、メモリセルアレイ110は、半導体基板(以下では、単に基板ともよばれる)20、導電層21,22,25、及び絶縁層32a,32,34,38をさらに含む。メモリセルアレイ110は、複数の導電層22(22a,22b,22c)がZ方向に積層された構造(積層配線)300を有する。
【0042】
半導体基板20の上面上に、絶縁層38が設けられる。絶縁層38は、例えばロウ制御回路140及び/又はセンスアンプ回路150等に対応する回路(図示せず)を、半導体基板20上において覆っている。
【0043】
絶縁層38の上面上に、導電層21が設けられる。導電層21は、例えば、X-Y平面に沿って広がった板状の層である。導電層21は、ソース線SLとして使用される。導電層21は、例えば、リンがドープされたシリコンを含む。
【0044】
導電層21の上面上に、絶縁層32aが設けられる。絶縁層32aの上面上に、導電層22aが設けられる。導電層22aは、例えば、X-Y平面に沿って広がった板状の層である。導電層22aは、ソース側セレクトゲート線SGSとして使用される。導電層22aは、例えば、タングステンを含む。
【0045】
導電層22aの上面上に、絶縁層32及び導電層22bがZ方向において交互に積層される。導電層22bは、例えばX-Y平面に沿って広がった板状の層である。積層された複数の導電層22bは、半導体基板20側から順に、それぞれワード線WL0,・・・,WLn-1として使用される。導電層22bは、例えば、タングステンを含む。
【0046】
最上層の導電層22bの上方に、絶縁層32を介して、導電層22cが設けられる。導電層22cは、例えばXY平面に沿って広がった板状の層である。導電層22cは、ドレイン側セレクトゲート線SGDとして使用される。導電層22cは、例えばタングステンを含む。
【0047】
導電層22cの上面上に、絶縁層34が設けられる。絶縁層34は、複数の絶縁層により構成されていてもよい。絶縁層34の上面上に、導電層25が設けられる。導電層25は、例えば、Y方向に延伸したライン状の層である。導電層25は、ビット線BLとして使用される。図示せぬ領域において、複数の導電層25が、X方向に沿って配列している。導電層25は、例えば、銅を含む。
【0048】
メモリピラーMPの各々は、Z方向に沿って延伸して積層配線300内に設けられている。メモリピラーMPは、絶縁層32、及び導電層22を貫通している。メモリピラーMPの底部は、導電層21に接している。メモリピラーMPと導電層22aとが交差した部分が、セレクトトランジスタST2として機能する。メモリピラーMPと1つの導電層22bとが交差した部分が、1つのメモリセルトランジスタMTとして機能する。メモリピラーMPと導電層22cとが交差した部分が、セレクトトランジスタST1として機能する。
【0049】
メモリピラーMPの各々は、例えば、コア部材40、半導体層41、積層膜42を含む。コア部材40は、Z方向に沿って延伸して設けられる。例えば、コア部材40の上端は、導電層22cよりも上層に含まれている。コア部材40の下端は、導電層21に達している。半導体層41は、コア部材40の周囲を覆っている。メモリピラーMPの下部において、半導体層41の一部が、導電層21に接触している。積層膜42は、半導体層41と導電層21とが接触した部分を除いて、半導体層41の側面及び底面を覆っている。コア部材40は、例えば、酸化シリコン等の絶縁体を含む。半導体層41は、例えば、シリコンを含む。
【0050】
メモリピラーMP内の半導体層41の上面上に、柱状のコンタクトCVが設けられる。図示された領域内に、6つのメモリピラーMPのうち、2つのメモリピラーMPにそれぞれ対応する2つのコンタクトCVが示されている。スリットSHEと重ならない且つコンタクトCVが接続されていないメモリピラーMPに、図示されない領域(例えば、紙面の奥行き方向又は手前方向の領域)においてコンタクトCVが接続される。
【0051】
コンタクトCVの上面に、1つの導電層25(1つのビット線BL)が、接触している。スリットSLT及びスリットSHEによって区切られた空間のそれぞれにおいて、1つのコンタクトCVが、1つの導電層25に接続される。導電層25の各々は、隣り合うスリットSLT,SHEの間に設けられたメモリピラーMPと隣り合う2つのスリットSHEの間に設けられたメモリピラーMPとに電気的に接続される。
【0052】
スリットSLTは、例えば、X-Z平面に沿って設けられた部分を有し、導電層22を分断している。スリットSLT内のコンタクトLIは、スリットSLTに沿って設けられている。コンタクトLIの上端の一部は、絶縁層34と接触している。コンタクトLIの下端は、導電層21と接触している。コンタクトLIは、例えば、ソース線SLの一部として使用される導電体である。スペーサSPは、コンタクトLIと導電層22との間に少なくとも設けられる。コンタクトLIと導電層22との間は、スペーサSPによって分離及び絶縁されている。スペーサSPは、絶縁層である。尚、スリットSLTは、絶縁体によって充填されてもよい。
【0053】
スリットSHEは、例えば、X-Z平面に沿って設けられた部分を有し、少なくとも導電層22cを分断している。スリットSHEの上端は、絶縁層34と接触している。スリットSHEの下端は、最上層の導電層22bと導電層22cとの間の絶縁層32に接触している。スリットSHEは、例えば、酸化シリコン等の絶縁体を含む。
【0054】
図4は、本実施形態のメモリデバイス1におけるメモリピラーMPの断面構造の一例を示す断面図である。
図4は、半導体基板20の表面に平行且つ導電層22bを含む層におけるメモリピラーMPの断面構造を表示している。
【0055】
図4に示されるように、積層膜42は、例えば、トンネル絶縁膜43、チャージトラップ膜44、及びブロック絶縁膜45を含む。
【0056】
導電層22bを含む断面において、コア部材40は、メモリピラーMPの中央部に設けられる。半導体層41は、コア部材40の側面を囲っている。トンネル絶縁膜43は、半導体層41の側面を囲っている。チャージトラップ膜44は、トンネル絶縁膜43の側面を囲っている。ブロック絶縁膜45は、チャージトラップ膜44の側面を囲っている。導電層22bは、ブロック絶縁膜45の側面を囲っている。トンネル絶縁膜43は、例えば、酸化シリコンを含む。チャージトラップ膜44は、例えば、窒化シリコンを含む。ブロック絶縁膜45は、例えば、酸化シリコン又は酸化アルミニウムを含む。
【0057】
上述の各メモリピラーMPにおいて、半導体層41が、メモリセルトランジスタMT0,・・・,MTn-1及びセレクトトランジスタST1,ST2のチャネル領域(電流経路)として使用される。チャージトラップ膜44が、メモリセルトランジスタMTの電荷蓄積層として使用される。メモリデバイス1は、メモリセルトランジスタMT0,・・・,MTn-1及びセレクトトランジスタST1,ST2をオンさせることによって、ビット線BLとコンタクトLI(ソース線SL)との間でメモリピラーMPを介した電流を流すことができる。
【0058】
(1a-2)ロウ制御回路
図5乃至
図8を参照して、本実施形態のメモリデバイス1における、ロウ制御回路の構成例について、説明する。
【0059】
図5は、ロウ制御回路140の構成例を説明するための模式的な図である。
【0060】
ロウ制御回路140は、上述のように、複数のブロックデコーダBD(BD0,・・・,BDk-1)を含む。複数のブロックデコーダBDのそれぞれは、複数のブロックBLKと1対1で対応するように、構成されている。各ブロックデコーダBDは、デコード回路141、スイッチ回路142、及びスイッチ制御回路143を、含む。
【0061】
デコード回路141は、アドレスADDをデコードする。デコード回路141は、メモリセルアレイ110の複数のブロックBLKのうち1つに関連付けられる。
【0062】
デコード回路141は、バッドブロック情報ラッチ49を含む。バッドブロック情報ラッチ49は、デコード回路141に対応するブロックBLKがバッドブロックであるか否かの情報(フラグ、信号、データ)GOODを記憶するラッチである。例えば、対応するブロックBLKがバッドブロックである場合、バッドブロック情報GOODは、“0”の値を示す。対応するブロックBLKがバッドブロックではない場合(対応するブロックBLKがグッドブロックである場合)、バッドブロック情報GOODは、“1”の値を示す。
【0063】
デコード回路141は、アドレスADD及びバッドブロック情報GOODを用いて、対応するブロックBLKを選択状態又は非選択状態に設定するための制御信号(デコード信号)RDECSELを、出力する。
【0064】
デコード回路141の内部構成の詳細については、後述する。
【0065】
スイッチ回路(転送ゲート回路)142は、配線群169を介したメモリセルアレイ110とドライバ回路160との間の接続を制御する。スイッチ回路142は、複数のブロックBLKのうち対応する1つに関連付けられる。対応するブロックBLKに関して、スイッチ回路142は、デコード回路141に関連付けられる。
【0066】
スイッチ回路142は、複数のトランジスタSWD(SWD0,・・・,SWD3),SWW(SWW0,・・・,SWWn-1),SWS,USWD(USWD0,・・・,USWD3),USWSを含む。各トランジスタSWD,SWW,SWS,USWD,USWSは、配線群169の或る配線とメモリセルアレイ110内の対応する配線との間の接続のスイッチ(転送スイッチ、転送ゲート、転送トランジスタ)として機能する。例えば、各トランジスタSWD,SWW,SWS,USWD,USWSは、高耐圧型のNチャネル型の電界効果トランジスタである。
【0067】
複数のトランジスタSWD,SWW,SWSは、対応するブロックBLKが選択状態に設定される場合、ドライバ回路160からの出力電圧を、配線群169から対応するブロックBLK内の配線に供給(転送)する。配線群169は、複数の配線SGDI(SGDI0,・・・,SGDI3),CGI(CGI0,・・・,CGIn-1),SGSI,USGD,USGSを含む。
【0068】
複数のトランジスタSWD,SWW,SWS,USWD,USWSのゲートは、後述のスイッチ制御回路143に接続される。
【0069】
各トランジスタSWD0,・・・,SWD3は、対応するブロックBLK内の複数のドレイン側セレクトゲート線SGD0,・・・,SGD3に、1対1で関連付けられている。例えば、トランジスタSWD0の電流経路の一端(ノード、端子)は、ドレイン側セレクトゲート線SGD0に接続され、トランジスタSWD0の電流経路の他端(ノード、端子)は、配線SGDI0に接続される。例えば、トランジスタSWD3の電流経路の一端は、ドレイン側セレクトゲート線SGD3に接続され、トランジスタSWD3の電流経路の他端は、配線SGDI3に接続される。
【0070】
各トランジスタSWW0,・・・,SWWn-1は、対応するブロックBLK内の複数のワード線WL0,・・・,WLn-1に、1対1で関連付けられている。例えば、トランジスタSWW0の電流経路の一端は、ワード線WL0に接続され、トランジスタSWW0の電流経路の他端は、配線CGI0に接続される。例えば、トランジスタSWWn-1の電流経路の一端は、ワード線WLn-1に接続され、トランジスタSWWn-1の電流経路の他端は、配線CGIn-1に接続される。
【0071】
トランジスタSWSは、対応するブロックBLK内のソース側セレクトゲート線SGSに関連付けられている。例えば、トランジスタSWSの電流経路の一端は、ソース側セレクトゲート線SGSに接続され、トランジスタSWSの電流経路の他端は、配線SGSIに接続される。
【0072】
複数のトランジスタUSWD(USWD0,・・・,USWD3),USWSは、対応するブロックBLKが非選択状態に設定される場合に、ドライバ回路160から出力される電圧を、配線群169から対応するブロックBLK内の配線に供給(転送)する。
【0073】
各トランジスタUSWD0,・・・,USWD3は、対応するブロックBLK内の複数のドレイン側セレクトゲート線SGD0,・・・,SGD3に、1対1で関連付けられている。例えば、トランジスタUSWD0の電流経路の一端は、ドレイン側セレクトゲート線SGD0に接続され、トランジスタUSWD0の電流経路の他端は、配線USGDに接続される。例えば、トランジスタUSWD3の電流経路の一端は、ドレイン側セレクトゲート線SGD3に接続され、トランジスタUSWD3の電流経路の他端は、配線USGDに接続される。
【0074】
トランジスタUSWSは、対応するブロックBLK内のソース側セレクトゲート線SGSに関連付けられている。例えば、トランジスタUSWSの電流経路の一端は、ソース側セレクトゲート線SGSに接続され、トランジスタUSWSの電流経路の他端は、配線USGSに接続される。
【0075】
スイッチ制御回路143は、選択スイッチ制御回路50、ドレイン側非選択スイッチ制御回路51、及びソース側非選択スイッチ制御回路52を含む。
【0076】
選択スイッチ制御回路50は、レベルシフタLSを少なくとも含む。
【0077】
レベルシフタLSの入力ノード(入力端子)は、対応するデコード回路141に接続される。レベルシフタLSの出力ノード(出力端子)は、複数のトランジスタSWD,SWW,SWSのゲートに接続される。
【0078】
レベルシフタLSは、デコード回路141から制御信号RDECSELを受ける。レベルシフタLSは、制御信号RDECSELに基づいて、或る電圧値を有する制御信号(選択信号)BLKSELを、トランジスタSWD,SWW,SWSのゲートに供給する。トランジスタSWD,SWW,SWSは、制御信号BLKSELの信号レベルに応じて、オン又はオフする。トランジスタSWD,SWW,SWSは、制御信号BLKSELの電圧値に応じて、或る大きさの電圧を、転送できる。
【0079】
ドレイン側非選択スイッチ制御回路51は、対応するブロックBLK内の複数のドレイン側セレクトゲート線SGDの非選択状態(非活性化状態)を制御する。
【0080】
ドレイン側非選択スイッチ制御回路51は、インバータ(NOTゲート)INV0を含む。インバータINV0の入力ノード(入力端子)は、対応するデコード回路141に接続される。インバータINV0の出力ノード(出力端子)は、複数のトランジスタUSWDのゲートに接続される。
【0081】
インバータINV0は、制御信号RDECSELを受ける。インバータINV0は、制御信号BLKSELn_Dを、トランジスタUSWDのゲートに供給する。制御信号BLKSELn_Dは、制御信号RDCSELの反転信号である。トランジスタUSWDは、制御信号BLKSELn_Dの信号レベルに応じて、オン又はオフする。
【0082】
ソース側非選択スイッチ制御回路52は、対応するブロックBLK内のソース側セレクトゲート線SGSの非選択状態(非活性化状態)を制御する。
【0083】
ソース側非選択スイッチ制御回路52は、ANDゲートAGと、NORゲートNGと、を含む。ANDゲートAGの一方の入力ノードは、対応するデコード回路141に接続されている。ANDゲートAGの他方の入力ノードは、信号線59に接続されている。ANDゲートAGの出力ノードは、NORゲートNGの一方の入力ノードに接続される。NORゲートNGの他方の入力ノードは、対応するデコード回路141に接続される。NORゲートNGの出力ノードは、トランジスタUSWSのゲートに接続される。
【0084】
信号線59は、複数のブロックデコーダBDにまたがって、複数のソース側非選択スイッチ制御回路52のANDゲートAGに接続される。制御信号USGS_GBFLTは、信号線59を介して、複数のソース側非選択スイッチ制御回路52のANDゲートAGにそれぞれ供給される。例えば、シーケンサ190が、制御信号USGS_GBFLTの信号レベルを制御する。制御信号USGS_GBFLTは、バッドブロック情報GOODに応じた、非選択ブロックBLKのソース側セレクトゲート線SGSのバイアス状態の制御の有無を示す信号である。
【0085】
ANDゲートAGは、バッドブロック情報GOODを、対応するデコード回路141から受ける。ANDゲートAGは、制御信号USGS_GBFLTを、シーケンサ190から受ける。ANDゲートAGは、バッドブロック情報GOODと制御信号USGS_GBFLTとの論理演算(論理積演算)を実行する。ANDゲートAGは、論理積演算(AND演算)の結果を、NORゲートNGに送る。
【0086】
NORゲートNGは、デコード回路141からの制御信号RDECSELとANDゲートAGからのAND演算の結果を受ける。NORゲートNGは、制御信号RDECSELとAND演算の結果との論理演算(否定論理和演算)を実行する。NORゲートNGは、否定論理和演算(NOR演算)の結果を示す制御信号BLKSELn_Sを、トランジスタUSWSのゲートに供給する。トランジスタUSWSは、制御信号BLKSELn_Sの信号レベルに応じて、オン又はオフする。
【0087】
本実施形態において、ブロックBLK内のソース側セレクトゲート線SGSが非選択状態に設定される場合の制御は、3つの信号RDECSEL,USGS_GBFLT,GOODを用いて、実行される。
【0088】
これによって、本実施形態のメモリデバイス1は、ソース側非選択スイッチ制御回路52を含むロウ制御回路140(ブロックデコーダBD)によって、非選択ブロックBLK内のソース側セレクトゲート線SGSの電気的な状態(例えば、フローティング状態又はバイアス状態)を、非選択ブロックBLK内のドレイン側セレクトゲート線SGDとは独立に制御する。
【0089】
尚、ソース側セレクトゲート線SGSの非選択状態は、バッドブロック情報ラッチ49内の信号を用いて、制御される。但し、ソース側セレクトゲート線SGSの非選択状態の制御は、ブロックデコーダBD内のバッドブロック情報ラッチ49以外のラッチ内の信号を用いて、実行されてもよい。
【0090】
配線群169の複数の配線SGDI,CGI,SGSI,USGD,USGSのそれぞれは、ドライバ回路160内の複数のドライバのうち対応する1つに接続されている。例えば、配線USGDは、ドライバ回路160のドライバ(以下では、USGDドライバと表記される)60に接続される。USGDドライバ60は、非選択ブロックBLKのドレイン側セレクトゲート線SGDに印加される電圧を、出力する。例えば、配線USGSは、ドライバ回路160のドライバ(以下では、USGSドライバと表記される)61に接続される。USGSドライバ61は、非選択ブロックBLKのソース側セレクトゲート線SGSに印加される電圧を、出力する。
【0091】
(1a-2-1)デコード回路
図6は、本実施形態のメモリデバイス1のロウ制御回路140における、ブロックデコーダBDのデコード回路141の内部構成を示す回路図である。
【0092】
デコード回路141は、複数のトランジスタTR0,TR1,TR2,TR3,TRA,TRE、インバータ(NOTゲート)INVa、及びバッドブロック情報ラッチ49を含む。
【0093】
インバータINVaの入力ノードは、ノードnd1に接続される。インバータINVaの出力ノードは、ノードnd0に接続される。ノードnd0は、デコード回路141の出力ノードである。インバータINVaは、制御信号RDECSELを、ノードnd0に出力する。制御信号RDECSELは、ノードnd1の電位レベルに応じた信号の反転信号である。
【0094】
トランジスタTR0は、Pチャネル型の電界効果トランジスタである。トランジスタTR0の電流経路の一端は、電圧VRDが印加された電源端子(以下では、電源端子VRDとよばれる)に接続される。トランジスタTR0の電流経路の他端は、ノードnd1に接続される。トランジスタTR0のゲートは、ノードnd0に接続される。トランジスタTR0は、ノードnd0の電位レベル(制御信号RDECSELの信号レベル)に応じて、オン又はオフする。電圧VRDは、例えば、3V程度の電圧である。
【0095】
トランジスタTR1は、Pチャネル型の電界効果トランジスタである。トランジスタTR1の電流経路の一端は、電源端子VRDに接続される。トランジスタTR1の電流経路の他端は、ノードnd1に接続される。トランジスタTR1のゲートは、制御信号RDECを受ける。デコード回路141がディセーブル状態に設定される場合、制御信号RDECの信号レベルは、“L”レベルに設定される。デコード回路141がイネーブル状態に設定される場合、制御信号RDECの信号レベルは、“H”レベルに設定される。
【0096】
複数のトランジスタTRA,・・・,TREは、Nチャネル型の電界効果トランジスタである。複数のトランジスタTRA,・・・,TREは、ノードnd1とトランジスタTR2との間に、直列に接続される。
【0097】
トランジスタTRAの電流経路の一端は、ノードnd1に接続される。トランジスタTRAの電流経路の他端は、他の複数のトランジスタの電流経路を経由して、トランジスタTREの電流経路の一端に接続される。トランジスタTREの電流経路の他端は、トランジスタTR2の電流経路の一端に接続される。
【0098】
信号AROWA,・・・,AROWEが、トランジスタTRA,・・・,TREのゲートに、それぞれ供給される。信号AROWA,・・・,AROWEは、アドレスADDに含まれるブロックアドレス信号に基づいて生成される信号である。対応するブロックBLKが選択ブロックである場合、選択ブロックBLKに対応するデコード回路141内のトランジスタTRA,・・・,TREの全ては、信号AROWA,・・・,AROWEに基づいて、オンする。
【0099】
トランジスタTR2は、Nチャネル型の電界効果トランジスタである。トランジスタTR2の電流経路の一端は、トランジスタTREの電流経路の他端に接続される。トランジスタTR2の電流経路の他端は、ノードnd2に接続される。トランジスタTR2のゲートは、制御信号RDECを受ける。制御信号RDECの信号レベルに応じて、トランジスタTR1及びトランジスタTR2のうちいずれか一方が、オン状態に設定される。
【0100】
トランジスタTR3は、Nチャネル型の電界効果トランジスタである。トランジスタTR3の電流経路の一端は、ノードnd2に接続される。トランジスタTR3の電流経路の他端は、グランド電圧VSSが印加された電源端子(以下では、グランド端子VSSとよばれる)に接続される。トランジスタTR3のゲートは、制御信号ROMBAENを受ける。制御信号ROMBAENの信号レベルに応じて、トランジスタTR3は、オン又はオフする。制御信号ROMBAENの信号レベルが、“H”レベルに設定された場合、トランジスタTR3はオンする。この場合において、バッドブロック情報GOODに応じて制御されるトランジスタTR10のオン/オフに依存せずに、ノードnd2の信号レベルは、“L”レベルに設定される。
【0101】
制御信号RDEC及び制御信号AROWA,・・・,AROWEのそれぞれが、“H”レベルである場合、ノードnd2の電位に応じた信号が、ノードnd1に転送される。例えば、ノードnd1,nd2は、アドレスADDのデコード処理の初期状態として、“H”レベルの信号を、保持している。トランジスタTR3及びトランジスタTR10の何れか一方が、オンした場合、ノードnd2は、接地される。これによって、“L”レベルの信号が、オン状態のトランジスタTRA,TREを介して、ノードnd2からノードnd1に転送される。この場合、ノードnd1の信号レベルは、“L”レベルとなる。
【0102】
制御信号RDEC及び制御信号AROWA,・・・,AROWEのうち少なくとも1つが、“L”レベルである場合、ノードnd2は、ノードnd1から電気的に分離される。ノードnd1は、トランジスタTR3及びトランジスタTR10のオン/オフに依存せずに、“H”レベルの信号レベルを維持する。
【0103】
バッドブロック情報ラッチ49は、ノードnd2に接続される。バッドブロック情報ラッチ49は、複数のトランジスタTR10,TR11,TR12,TR13、及びフリップフロップFFを含む。複数のトランジスタTR10,TR11,TR12,TR13のそれぞれは、Nチャネル型の電界効果トランジスタである。
【0104】
トランジスタTR10の電流経路の一端は、ノードnd2に接続される。トランジスタTR10の電流経路の他端は、グランド端子VSSに接続される。トランジスタTR10のゲートは、ノードnd10に接続される。
【0105】
トランジスタTR11の電流経路の一端は、ノードnd10に接続される。トランジスタTR11の電流経路の他端は、ノードnd11に接続される。トランジスタTR11のゲートは、制御信号RFSETを受ける。トランジスタTR11は、制御信号RFSETの信号レベルに応じて、オン又はオフする。制御信号RFSETは、対応するブロックがバッドブロックであることを示す情報(データ)を、バッドブロック情報ラッチ49にセットするための信号である。任意のブロックBLKを選択し、選択ブロックに対応するデコード回路141の制御信号RDECSELの信号レベルを“H”レベルとした状態で制御信号RFSETの信号レベルを“H”レベルとした場合、“L”レベルの信号が、ノードnd10に転送される。これによって、対応するブロックBLKがバッドブロックであることを示すデータ(“L(0)”レベルの信号)が、バッドブロック情報ラッチ49にセットされる。
【0106】
トランジスタTR12の電流経路の一端は、ノードnd12に接続される。トランジスタTR12の電流経路の他端は、ノードnd11に接続される。トランジスタTR12のゲートは、制御信号RFRSTを受ける。トランジスタTR12は、制御信号RFRSTの信号レベルに応じて、オン又はオフする。制御信号RFRSTは、対応するブロックがバッドブロックであることを示す情報(データ)を、バッドブロック情報ラッチ49からリセットするための信号である。制御信号RFRSTの信号レベルが“H”レベルである場合、“L”レベルの信号が、ノードnd12に転送される。これに伴って、“H”レベルの信号が、ノードnd10に保持される。これによって、対応するブロックBLKがバッドブロックであることを示すデータが、バッドブロック情報ラッチ49からリセットされる。
【0107】
トランジスタTR13の電流経路の一端は、ノードnd11に接続される。トランジスタTR13の電流経路の他端は、グランド端子VSSに接続される。トランジスタTR13のゲートは、ノードnd0に接続される。トランジスタTR13は、制御信号RDECSELの信号レベルに応じて、オン又はオフする。
【0108】
フリップフロップFFは、バッドブロック情報GOODを示す1ビットの信号を記憶する。フリップフロップFFは、ノードnd10とノードnd12との間に接続される。フリップフロップFFは、2つのインバータINVb,INVcを含む。インバータINVbの入力ノードは、ノードnd10に接続される。インバータINVbの出力ノードは、ノードnd12に接続される。インバータINVcの入力ノードは、ノードnd12に接続される。インバータINVcの出力ノードは、ノードnd10に接続される。
【0109】
フリップフロップFFに接続されたノードnd10及びノードnd11は、互いに反転した論理レベルの信号GOOD,BADを、それぞれ保持する。ノードnd10が“H”レベルの信号GOODを保持し、ノードnd12が“L”レベルの信号BADを保持する場合、対応するブロックBLKがバッドブロックでないことを示す。ノードnd10が“L”レベルの信号GOODを保持し、ノードnd12が“H”レベルの信号を保持する場合、対応するブロックBLKがバッドブロックであることを示す。
【0110】
上述の構成によって、デコード回路141は、対応するブロックBLKがアドレスADDに示される選択ブロックで、かつバッドブロックでない場合、“H”レベルの制御信号RDECSELを出力する。デコード回路141は、対応するブロックBLKがアドレスADDに示されない非選択ブロック、または、バッドブロックである場合、“L”レベルの制御信号RDECSELを出力する。
【0111】
(1a-2-2)スイッチ制御回路
スイッチ制御回路143は、以下のような構成を有する。
【0112】
図6に示されるように、スイッチ制御回路143の選択スイッチ制御回路50は、レベルシフタLS及びトランジスタTR20,TR21,TR22を含む。
【0113】
レベルシフタLSの第1の入力ノードは、ノードnd0に接続される。レベルシフタLSは、ノードnd0を介して、制御信号RDECSELを受ける。レベルシフタLSは、制御信号RDECSELが”H”レベルのときに、ノードndxの電圧を制御信号BLKSELとして出力する。レベルシフタLSは、制御信号RDECSELが、”L”レベルのときに、電圧VSSを制御信号BLKSELとして出力する。
【0114】
レベルシフタLSは、ノードndxを介して、トランジスタTR20,TR21,TR22に接続される。
【0115】
トランジスタTR20の電流経路の一端は、電源端子VRDに接続される。トランジスタTR20の電流経路の他端は、ノードndxを介して、レベルシフタLSの第2の入力ノード(電源ノード)に接続される。トランジスタTR20のゲートは、制御信号CS0を受ける。トランジスタTR20は、制御信号CS0に応じて、オン又はオフする。オン状態のトランジスタTR20は、電圧VRDをレベルシフタLSに転送する。オフ状態のトランジスタTR20は、レベルシフタLSを電源端子VRDから電気的に分離する。
【0116】
電圧VRDは、ワード線WLに電圧VRDを転送可能なように、トランジスタSWD,SWW,SWSをオン状態に設定し得る電圧である。
【0117】
トランジスタTR21の電流経路の一端は、電圧VREADHが印加される電源端子(以下では、電源端子VREADHと表記される)に接続される。トランジスタTR21の電流経路の他端は、ノードndxを介して、レベルシフタLSの第2の入力ノードに接続される。トランジスタTR21のゲートは、制御信号CS1を受ける。トランジスタTR21は、制御信号CS1に応じて、オン又はオフする。オン状態のトランジスタTR21は、電圧VREADHをレベルシフタLSに転送する。オフ状態のトランジスタTR21は、レベルシフタLSを電源端子VREADHから電気的に分離する。
【0118】
電圧VREADHは、ワード線WLに電圧VREADを転送可能なように、トランジスタSWWをオン状態に設定し得る電圧である。電圧VREADは、読み出しシーケンスにおいて、非選択のメモリセルMCに接続されたワード線WLに印加される電圧である。電圧VREADが印加されたメモリセルMCは、そのメモリセルMCに記憶されているデータに依存せずに、オンする。
【0119】
トランジスタTR22の電流経路の一端は、電圧VPGMHが印加される電源端子(以下では、電源端子VPGMHと表記される)に接続される。トランジスタTR22の電流経路の他端は、ノードndxを介して、レベルシフタLSに接続される。トランジスタTR22のゲートは、制御信号CS2を受ける。トランジスタTR22は、制御信号CS2に応じて、オン又はオフする。オン状態のトランジスタは、電圧VPGMHをレベルシフタLSに転送する。オフ状態のトランジスタTR22は、レベルシフタLSを電源端子VPGMHから電気的に分離する。
【0120】
電圧VPGMHは、ワード線WLにプログラム電圧VPGMを転送可能な程度に、トランジスタSWWをオン状態に設定し得る電圧である。プログラム電圧VPGMは、データの書き込み対象のメモリセルMCの電荷蓄積層に電荷を注入することが可能な電圧である。
【0121】
レベルシフタLSは、“H”レベルの制御信号RDECSELに基づいて、或る電圧値を有する制御信号BLKSELを、出力する。レベルシフタLSは、実行すべき動作シーケンスに応じたトランジスタTR20,TR21,TR22のオン/オフの制御に基づいて、3種類の電圧VRD,VREADH,VPGMHのうちいずれか1つに応じた電圧値を有する制御信号BLKSELを、対応するスイッチ回路142内のトランジスタSWD,SWW,SWSのゲートに供給できる。これによって、選択スイッチであるトランジスタSWD,SWE,SWSは、動作シーケンスに応じて、ドライバ回路160からの電圧を、対応する選択ブロックBLKへ転送できる。
【0122】
レベルシフタLSは、“L”レベルの制御信号RDECSELに基づいて、“L”レベル(グランド電圧VSS)の制御信号BLKSELを、トランジスタSWD,SWW,SWSのゲートに供給する。“L”レベルの制御信号BLKSELによって、トランジスタSWD,SWW,SWSは、オフする。オフ状態のトランジスタSWD,SWW,SWSは、ドレイン側セレクトゲート線SGD、ワード線WL、及びソース側セレクトゲート線SGSを、配線SGDI、配線CGI、及び配線SGSIから、それぞれ電気的に分離する。
【0123】
スイッチ制御回路143において、ドレイン側非選択スイッチ制御回路51は、インバータINV0を含む。インバータINV0の入力ノードは、ノードnd0に接続される。インバータINV0は、ノードnd0の制御信号RDECSELの反転信号である制御信号BLKSELn_Dを、出力する。制御信号BLKSELn_Dは、対応するスイッチ回路142内のトランジスタUSWDのゲートに供給される。
【0124】
“L”レベルの制御信号BLKSELn_Dは、トランジスタUSWDをオフ状態に設定する。これによって、対応するブロックBLKが選択ブロックである場合、ドレイン側セレクトゲート線SGDは、オフ状態のトランジスタUSWDによって、配線USGDから電気的に分離される。“H”レベルの制御信号BLKSELn_Dは、トランジスタUSWDをオン状態に設定する。これによって、対応するブロックBLKが非選択ブロックである場合、ドレイン側セレクトゲート線SGDは、オン状態のトランジスタUSWDを介して、配線USGDに電気的に接続される。
【0125】
ソース側非選択スイッチ制御回路52は、以下のような構成を有する。
【0126】
(ソース側非選択スイッチ制御回路)
図6に加えて、
図7及び
図8を参照して、ソース側非選択スイッチ制御回路52の構成例について説明する。
【0127】
図6のように、スイッチ制御回路143において、ソース側非選択スイッチ制御回路52は、ANDゲートAG及びNORゲートNGを含む。
【0128】
ANDゲートAGの一方の入力ノードは、バッドブロック情報ラッチ49からのバッドブロック情報GOODを受ける。ANDゲートAGの他方の入力ノードは、制御信号USGS_GBFLTを受ける。ANDゲートAGの出力ノードは、NORゲートNGの入力ノードに接続される。ANDゲートAGは、バッドブロック情報GOOD及び制御信号USGS_GBFLTのAND演算の結果を、NORゲートNGに送る。
【0129】
NORゲートNGの一方の入力ノードは、ノードnd0に接続される。これによって、NORゲートNGは、デコード回路141からの制御信号RDECSELを受ける。NORゲートNGの他方の入力ノードは、ANDゲートAGの出力ノードに接続される。これによって、NORゲートNGは、ANDゲートAGの演算結果を受ける。NORゲートNGは、AND演算の結果と制御信号RDECSELとのNOR演算を実行する。NORゲートNGは、このNOR結果を示す制御信号BLKSELn_Sを、出力する。
【0130】
“L”レベルの制御信号BLKSELn_Sは、トランジスタUSWSをオフ状態に設定する。これによって、ソース側セレクトゲート線SGSは、オフ状態のトランジスタUSWDによって、配線USGSから電気的に分離される。“H”レベルの制御信号BLKSELn_Sは、トランジスタUSWSをオン状態に設定する。これによって、ソース側セレクトゲート線SGSは、オン状態のトランジスタUSWSを介して、配線USGSに電気的に接続される。
【0131】
本実施形態のメモリデバイス1において、ソース側非選択スイッチ制御回路52は、バッドブロック情報GOODを用いて、ソース側セレクトゲート線SGSの電気的な状態を制御する。
【0132】
対応するブロックBLKが非選択ブロックである時において対応するブロックBLKがバッドブロックではない場合、ソース側非選択スイッチ制御回路52は、ソース側セレクトゲート線SGSを電気的にフローティングな状態に、制御する。
【0133】
対応するブロックBLKが非選択ブロックである時において対応するブロックBLKがバッドブロックである場合、ソース側非選択スイッチ制御回路52は、ソース側セレクトゲート線SGSの電位を或る電圧値に、制御する。
【0134】
このように、本実施形態において、命令された動作シーケンス(例えば、書き込みシーケンス)の実行時において、制御信号USGS_GBFLTに応じて、非選択ブロック内のソース側セレクトゲート線SGSは、非選択ブロック内のドレイン側セレクトゲート線SGDから独立に制御され得る。
【0135】
図7は、本実施形態のメモリデバイス1のロウ制御回路140における、ソース側非選択スイッチ制御回路52の内部構成の一例を示す等価回路図である。
【0136】
ソース側非選択スイッチ制御回路52は、6つのトランジスタTR30,TR31,TR32,TR33,TR34,TR35を含む。
【0137】
トランジスタTR30,TR31,TR33は、Pチャネル型の電界効果トランジスタである。トランジスタTR32,TR34,TR35は、Nチャネル型の電界効果トランジスタである。
【0138】
トランジスタTR30の電流経路の一端は、電圧VRDが印加された端子(以下では、電源端子VRDと表記される)に接続される。トランジスタTR30の電流経路の他端は、ノードnd30に接続される。制御信号USGS_GBFLTが、トランジスタTR30のゲートに供給される。
【0139】
トランジスタTR31の電流経路の一端は、ノードnd30に接続される。トランジスタTR31の電流経路の他端は、ノードnd31に接続される。制御信号RDECSELが、トランジスタTR31のゲートに供給される。
【0140】
トランジスタTR32の電流経路の一端は、ノードnd31に接続される。トランジスタTR32の電流経路の他端は、グランド端子VSSに接続される。トランジスタTR32のゲートは、トランジスタTR31のゲートに接続される。制御信号RDECSELが、トランジスタTR32のゲートに供給される。
【0141】
トランジスタTR33の電流経路の一端は、電源端子VRDに接続される。トランジスタTR33の電流経路の他端は、ノードnd30に接続される。制御信号(バッドブロック情報)GOODが、トランジスタTR33のゲートに供給される。
【0142】
トランジスタTR34の電流経路の一端は、ノードnd31に接続される。トランジスタTR34の電流経路の他端は、トランジスタTR35の電流経路の一端に接続される。トランジスタTR35の電流経路の他端は、グランド端子VSSに接続される。バッドブロック情報GOODが、トランジスタTR34のゲートに供給される。制御信号USGS_GBFLTが、トランジスタTR35のゲートに供給される。
【0143】
このように、ソース側非選択スイッチ制御回路52は、6つのトランジスタTR30,・・・,TR35から構成される。
【0144】
トランジスタTR30,TR35は、制御信号USGS_GBFLTに応じて、オン又はオフする。トランジスタTR31,TR32は、制御信号RDECSELに応じて、オン又はオフする。トランジスタTR33,TR34は、バッドブロック情報GOODに応じて、オン又はオフする。
【0145】
各トランジスタTR30,TR31,TR32,TR33,TR34,TR35のオン又はオフに応じた信号レベルを有する制御信号BLKSELn_Sが、ノードnd31から出力される。
【0146】
例えば、バッドブロック情報GOODが“H(1)”レベルであり、制御信号USGS_GBFLTが“H”レベルであり、制御信号RDECSELが“L(0)”レベルである場合、“L”レベルの制御信号BLKSELn_Sが、ノードnd31から出力される。
【0147】
例えば、バッドブロック情報GOODが“L”レベルであり、制御信号USGS_GBFLTが“H”レベルであり、制御信号RDECSELが“L”レベルである場合、“H”レベルの制御信号BLKSELn_Sが、ノードnd31から出力される。
【0148】
図8は、本実施形態のメモリデバイス1における、ソース側非選択スイッチ制御回路52の動作状態を示す図である。なお、
図8は、本実施形態のメモリデバイス1がバッドブロック情報GOODに応じて制御される場合を示す。すなわち、制御信号ROMBAENの信号レベルが、“L”レベルに設定された場合である。
【0149】
本実施形態において、制御信号USGS_GBFLTの信号レベルが、“0”レベル(“L”レベル)に設定される時において、対応するブロックBLKが選択ブロック且つグッドブロックである場合、ソース側セレクトゲート線SGSは、USGSドライバ61とは切り離される。また、対応するブロックBLKが選択ブロック且つバッドブロックである場合、ソース側セレクトゲート線SGSが、USGSドライバ61によってバイアス状態に設定される。また、対応するブロックBLKが非選択ブロックである場合、ソース側セレクトゲート線SGSが、バッドブロック情報GOODが“1”レベル又は“0”レベルであってもUSGSドライバ61によってバイアス状態に設定される。
【0150】
本実施形態において、制御信号USGS_GBFLTの信号レベルが、“1”レベル(“H”レベル)に設定される時において、対応するブロックBLKが選択ブロック且つグッドブロックである場合、ソース側セレクトゲート線SGSは、USGSドライバ61とは切り離される。また、対応するブロックBLKが選択ブロック且つバッドブロックである場合、ソース側セレクトゲート線SGSが、USGSドライバ61によってバイアス状態に設定される。また、対応するブロックBLKが非選択ブロックである場合、ソース側セレクトゲート線SGSが、対応するバッドブロック情報GOODが”1”レベル即ちグッドブロックであれば電気的にフローティング状態に設定され、対応するバッドブロック情報GOODが”0”レベル即ちバッドブロックであればバイアス状態に設定される。
【0151】
すなわち、ソース側セレクトゲート線SGSをバッドブロック情報GOODに依存してバイアス状態又はフローティング状態に設定する場合、制御信号USGS_GBFLTの信号レベルは、“1”レベルに設定される。
【0152】
なお、制御信号USGS_GBFLTの信号レベルは、例えば、シーケンサ190内に記憶されるパラメータPRMに基づいて固定されてもよいし、メモリデバイス1の動作に応じてシーケンサ190によって可変に制御されてもよい。
【0153】
対応するブロックBLKが選択ブロック且つグッドブロックである場合、制御信号RDECSELの信号レベルは、“1”レベルである。対応するブロックBLKが非選択ブロック又はバッドブロックである場合、制御信号RDECSELの信号レベルは、“0”レベルである。上述のように、“1”レベルのバッドブロック情報GOODは、グッドブロックを示し、“0”レベルのバッドブロック情報GOODは、バッドブロックを示す。
【0154】
図8に示されるように、制御信号USGS_GBFLTの信号レベルが“0”レベルであり、制御信号RDECSELの信号レベルが“0”レベルである場合、制御信号BLKSELn_Sの信号レベルは、バッドブロック情報GOODが“0”レベル又は“1”レベルであっても、“1”レベルに設定される。それゆえ、トランジスタUSWSは、オンする。
【0155】
制御信号USGS_GBFLTの信号レベルが“0”レベルであり、制御信号RDECSELの信号レベルが“1”レベルである場合、制御信号BLKSELn_Sの信号レベルは、バッドブロック情報GOODが“0”レベル又は“1”レベルであっても、“0”レベルに設定される。それゆえ、トランジスタUSWSは、オフする。
【0156】
制御信号USGS_GBFLTの信号レベルが“1”レベルであり、制御信号RDECSELの信号レベルが“0”レベルである場合、制御信号BLKSELn_Sの信号レベルは、“1”レベルのバッドブロック情報GOODに応じて、“0”レベルに設定される。それゆえ、トランジスタUSWSは、オフする。
【0157】
制御信号USGS_GBFLTの信号レベルが“1”レベルであり、制御信号RDECSELの信号レベルが“0”レベルである場合、制御信号BLKSELn_Sの信号レベルは、“0”レベルのバッドブロック情報GOODに応じて、“1”レベルに設定される。それゆえ、トランジスタUSWSは、オンする。
【0158】
制御信号USGS_GBFLTの信号レベルが“1”レベルであり、制御信号RDECSELの信号レベルが“1”レベルである場合、制御信号BLKSELn_Sの信号レベルは、バッドブロック情報GOODが“0”レベル又は“1”レベルであっても、“0”レベルに設定される。それゆえ、トランジスタUSWSは、オフする。
【0159】
このように、本実施形態のメモリデバイス1は、対応するブロックBLKが非選択ブロックである場合、対応するブロックBLKがグッドブロックであるかバッドブロックであるかに応じて、対応するブロックBLK内のソース側セレクトゲート線SGSの電位状態を制御することができる。
【0160】
(1b)動作例
図9乃至
図12を参照して、本実施形態のメモリデバイス1の動作例について、説明する。
【0161】
(ロウ制御回路140の動作)
図9乃至
図11に示されるように、本実施形態のメモリデバイス1において、ロウ制御回路140のブロックデコーダBDは、動作する。
【0162】
図9は、コマンドに応じた通常の動作シーケンス時、制御信号USGS_GBFLTの信号レベルが、“L(0)”レベルである場合におけるブロックデコーダBDの各種の信号の遷移に関するタイミングチャートを示している。
【0163】
図9に示されるように、メモリデバイス1の通常の動作シーケンス時、制御信号ROMBAEN、制御信号RFSET及び制御信号RFRSTは、“L”レベルに設定される。通常の動作シーケンス時において、トランジスタTR3,TR11,TR12は、オフする。
【0164】
動作シーケンスの開始前において、制御信号RDECが、“L”レベルである期間において、トランジスタTR1は、オンし、トランジスタTR2は、オフする。ノードnd1は、オン状態のトランジスタTR1によって、“H”レベルに対応する電圧VRDに充電される。“H”レベルのノードnd1に応じて、ノードnd0の電位(信号レベル)は、“L”レベルに設定される。
【0165】
動作シーケンスの開始に応じて、アドレスADDが、ロウ制御回路140に供給される。供給されたアドレスADDに基づいた制御信号AROWA,・・・,AROWEが、各ブロックデコーダBDに供給される。制御信号AROWA,・・・,AROWEに応じて、トランジスタTRA,・・・,TREは、オン又はオフする。対応するブロックBLKがアドレスADDに示されるブロックである場合、すなわち選択されたブロックデコーダBDにおいて、トランジスタTRA,・・・,TREは、オンする。対応するブロックBLKがアドレスADDに示されないブロックである場合、すなわち非選択のブロックデコーダBDにおいて、トランジスタTRA,・・・,TREの1つ以上は、オフする。
【0166】
バッドブロック情報ラッチ49のバッドブロック情報GOODに応じて、トランジスタTR10は、オン又はオフする。対応するブロックBLKがグッドブロックである場合、トランジスタTR10は、オンする。
【0167】
時刻t91において、制御信号RDECの信号レベルは、“L”レベルから“H”レベルに変わる。これによって、トランジスタTR1はオフし、トランジスタTR2はオンする。
【0168】
対応するブロックが選択ブロックで且つグッドブロックである場合(対応するブロックが動作の対象となる場合)、ノードnd1は、オン状態のトランジスタTRA,・・・,TRE,TR2,TR10を介して、グランド端子に電気的に接続される。この結果として、ノードnd1の電位は、“L”レベルに設定される。
【0169】
インバータINVaは、ノードnd1から供給された“L”レベルの信号に応じて、“H”レベルの制御信号RDECSELを、ノードnd0に出力する。
【0170】
“H”レベルの制御信号RDECSELに応じて、レベルシフタLSは、動作する。コマンドCMDに基づいて実行される動作シーケンスに応じて、レベルシフタLSは、電圧VRD、電圧VREADH及び電圧VPGMHのうちいずれか1つの電圧値を有する“H”レベルの信号を、出力する。これによって、トランジスタSWD,SWW,SWSは、オンする。
【0171】
ドレイン側非選択スイッチ制御回路51において、インバータINV0が“H”レベルの制御信号RDECSELを受けた場合、インバータINV0は、“L”レベルの制御信号BLKSELn_Dを出力する。これによって、トランジスタUSWDは、オフする。
【0172】
ソース側非選択スイッチ制御回路52において、ANDゲートAGは、“L”レベルの制御信号USGS_GBFLTと“H”レベルの信号GOODを受ける。これによって、ANDゲートAGは、“L”レベルの信号を出力する。NORゲートNGは、ANDゲートAGからの“L”レベルの信号と“H”レベルの制御信号RDECSELとを受ける。この場合において、NORゲートNGは、“L”レベルの制御信号BLKSELn_Sを出力する。これによって、トランジスタUSWSは、オフする。
【0173】
時刻t92において、制御信号RDECの信号レベルは、“H”レベルから“L”レベルに遷移される。“L”レベルの制御信号RDECに応じて、制御信号RDECSELは、“H”レベルから“L”レベルに遷移する。
【0174】
これによって、制御信号BLKSELの信号レベルは、“H”レベルから“L”レベルへ遷移し、トランジスタSWD,SWW,SWSはオフする。
【0175】
制御信号BLKSELn_Dの信号レベル及び制御信号BLKSELn_Sの信号レベルは、“L”レベルから“H”レベルへ遷移する。“H”レベルの制御信号BLKSELn_D,BLKSELn_Sによって、トランジスタUSWD,USWSは、オンする。
【0176】
対応するブロックBLKがアドレスADDに示されるブロックと異なる場合(対応するブロックが非選択ブロックである場合)、複数の制御信号AROWA,・・・,AROWEのうち少なくとも1つは、“L”レベルの信号レベルを有する。この場合において、“L”レベルの制御信号AROWA,・・・,AROWEを受けたトランジスタTRA,・・・,TREは、オフする。またはアドレスADDに示されるブロックBLKがバッドブロックである場合、“L”レベルの信号GOODによって、トランジスタTR10は、オフする。これらの場合において、ノードnd1の電位は、“H”レベルに維持され、対応するブロックが非選択ブロックである場合又はバッドブロックである場合、制御信号RDECSELの信号レベルは、“L”レベルに設定される。“L”レベルの制御信号RDECSELによって、トランジスタTR0は、オンする。これによって、ノードnd1は、オン状態のトランジスタTR0を介して、電源端子VRDに電気的に接続され、そのレベルを維持する。
【0177】
レベルシフタLSは、“L”レベルの制御信号RDECSELに応じて、電圧VSSを出力する。これによって、トランジスタSWD,SWW,SWSは、オフする。
【0178】
インバータINV0は、“L”レベルの制御信号RDECSELに応じて、“H”レベルの制御信号BLKSELn_Dを出力する。これによって、トランジスタUSWDは、オンする。
【0179】
図9の例において、制御信号USGS_GBFLTの信号レベルが“L”レベルである場合、ソース側非選択スイッチ制御回路52のANDゲートAGは、バッドブロック情報GOODの値に依存せずに、“L”レベルの信号をNORゲートNGに出力する。NORゲートNGは、“L”レベルの信号と“L”レベルの制御信号RDECSELとに応じて、“H”レベルの制御信号BLKSELn_Sを出力する。これによって、トランジスタUSWSは、オンする。
【0180】
図10は、コマンドに応じた通常の動作シーケンス時、制御信号USGS_GBFLTの信号レベルが、“H(1)”レベルである場合におけるブロックデコーダBDの各種の信号の遷移に関するタイミングチャートを示している。
【0181】
上述のように、時刻t91において、制御信号RDECの信号レベルが、“L”レベルから“H”レベルに遷移される。選択ブロックがグッドブロックである場合、ノードnd1の電位は、“H”レベルから“L”レベルに変わる。インバータINVaは、“H”レベルの信号RDECSELを、ノードnd0に出力する。
【0182】
レベルシフタLSは、“H”レベルの信号RDECSELに応じて、電圧VRD、電圧VREADH及び電圧VPGMHのうちいずれか1つを有する“H”レベルの制御信号BLKSELを、出力する。これによって、トランジスタSWD,SWW,SWSは、オンする。
【0183】
インバータINV0は、“H”レベルの信号RDECSELに応じて、“L”レベルの制御信号BLKSELn_Dを出力する。これによって、トランジスタUSWDは、オフする。
【0184】
ANDゲートAGは、“H”レベルの信号GOODと“H”レベルの制御信号USGS_GBFLTとを受け、“H”レベルの信号を、NORゲートNGに出力する。NORゲートNGは、“H”レベルの制御信号RDECSELと“H”レベルの信号とを受け、“L”レベルの信号BLKSELn_Sを出力する。これによって、トランジスタUSWSは、オフする。
【0185】
時刻t92において、“L”レベル制御信号BLKSELによって、トランジスタSWD,SWW,SWSはオフする。“H”レベルの制御信号BLKSELn_Dによって、トランジスタUSWDは、オンする。
ANDゲートAGは、“H”レベルの信号GOODと“H”レベルの制御信号USGS_GBFLTとを受け、“H”レベルの信号を、NORゲートNGに出力する。NORゲートNGは、“L”レベルの制御信号RDECSELと“H”レベルの信号とを受け“L”レベルの信号BLKSELn_Sを出力する。これによって、トランジスタUSWSは、オフを維持する。
【0186】
対応するブロックBLKがアドレスADDに示されるブロックと異なる場合(対応するブロックが非選択ブロックである場合)、“L”レベルの制御信号AROWA,・・・,AROWEを受けたトランジスタTRA,・・・,TREは、オフする。
【0187】
選択ブロックがバッドブロックである場合、トランジスタTR10は、“L”レベルの信号GOODに応じてオフする。
【0188】
オフ状態のトランジスタTRA,・・・,TRE又はオフ状態のトランジスタTR10によって、ノードnd1の電位は、“H”レベルに維持される。インバータINVaは、“L”レベルの制御信号RDECSELを出力する。“L”レベルの制御信号RDECSELによって、オン状態のトランジスタTR0は、ノードnd1を電源端子VRDに電気的に接続し、そのレベルを維持する。
【0189】
レベルシフタLSは、“L”レベルの制御信号RDECSELに応じて、電圧VSSを有する“L”レベルの制御信号BLKSELを出力する。これによって、トランジスタSWD,SWW,SWSは、オフする。
【0190】
インバータINV0は、“L”レベルの制御信号RDECSELに応じて、“H”レベルの制御信号BLKSELn_Dを出力する。これによって、トランジスタUSWDは、オンする。
【0191】
図10の例において、制御信号USGS_GBFLTの信号レベルが“H”レベルである場合、ソース側非選択スイッチ制御回路52のANDゲートAGは、バッドブロック情報GOODの値に応じた信号レベルを有する信号を、NORゲートNGに出力する。
【0192】
バッドブロック情報GOODが、グッドブロックを示す“H”レベルの信号である場合、ANDゲートAGは、“H”レベルの信号を出力する。NORゲートNGは、“L”レベルの制御信号RDECSEL及びANDゲートAGからの“H”レベルの信号に応じて、“L”レベルの制御信号BLKSELn_Sを出力する。これによって、グッドブロックの非選択ブロックに対応するトランジスタUSWSは、オフする。
【0193】
バッドブロック情報GOODが、バッドブロックを示す“L”レベルの信号である場合、ANDゲートAGは、“L”レベルの信号を出力する。NORゲートNGは、“L”レベルの制御信号RDECSEL及びANDゲートAGからの“L”レベルの信号に応じて、“H”レベルの制御信号BLKSELn_Sを出力する。これによって、バッドブロックに対応するトランジスタUSWSは、オンする。
【0194】
図11は、対応するブロックがバッドブロックであることを示す情報GOODを、バッドブロック情報ラッチ49に格納する、バッドブロックセットシーケンスの動作時におけるブロックデコーダの各種の信号の遷移に関するタイミングチャートを示している。
【0195】
図11に示されるように、対応するブロックがバッドブロックであることを示す情報をバッドブロック情報ラッチ49に格納する場合、制御信号RDECの信号レベルが“H”レベルに設定される前の時刻t90において、制御信号ROMBAENの信号レベルが、“L”レベルから“H”レベルに遷移される。“H”レベルの制御信号ROMBAENによって、トランジスタTR3は、オンする。ノードnd2は、オン状態のトランジスタTR3を介して、グランド端子VSSに電気的に接続される。
【0196】
時刻t91において、制御信号RDECが、“H”レベルに設定される。制御信号RDECと共に、制御信号RFSETの信号レベルが、“H”レベルに設定される。“H”レベルの制御信号RFSETによって、トランジスタTR11は、オンする。
【0197】
制御信号RDECの信号レベル、信号AROWA,・・・,AROWEの信号レベル、及び制御信号ROMBAENの信号レベルが、“H”レベルである場合、ノードnd1は、バッドブロック情報GOODに依存せずに、オン状態のトランジスタTRA,・・・,TRE,TR2,TR3を介して、グランド端子VSSに電気的に接続される。それゆえ、ノードnd1の電位は、“L”レベルに設定される。ノードnd1の“L”レベルの信号に応じて、インバータINVaから出力される制御信号RDECSELの信号レベルは、“L”レベルから“H”レベルへ変わる。
【0198】
“H”レベルの信号RDECSELが、トランジスタTR13のゲートに供給される。“H”レベルの信号RDECSELによって、トランジスタTR13は、オンする。
【0199】
図11の例において、“H”レベルの制御信号RFSETによって、トランジスタTR11は、オンしている。
【0200】
バッドブロック情報ラッチ49において、ノードnd10は、オン状態のトランジスタTR11,TR13を介して、グランド端子VSSに電気的に接続される。この結果として、ノードnd10の電位(信号レベル)は、“L”レベルに設定される。
【0201】
このように、選択されたブロックのバッドブロック情報ラッチ49において、バッドブロックを示す“L”レベルの情報GOODが、ノードnd10に転送される。
【0202】
このバッドブロックセットシーケンスにおける、選択ブロック又は非選択ブロックに関して、前述以外の各種の制御信号の信号レベルは、以下のように、遷移する。
【0203】
選択ブロックにおいて、制御信号RDECSELの信号レベルは、グランド電圧VSSに設定されたノードnd1の電位に応じて、“L”レベルから“H”レベルに変わる。
【0204】
レベルシフタLSは、“H”レベルの制御信号RDECSELに応じて、電圧VRDの制御信号BLKSELを出力する。これによって、トランジスタSWD,SWW,SWSは、オンするが、このシーケンス中においてはメモリセルアレイをアクセスする必要はないため、ドライバ回路160の出力であるSGDI(SGDI0,・・・,SGDI3),CGI(CGI0,・・・,CGIn-1),SGSI,USGD,USGSの電位は、全てグランド電圧VSS一定としている。
【0205】
ドレイン側非選択スイッチ制御回路51において、インバータINV0は、“H”レベルの制御信号RDECSELに応じて、“L”レベルの制御信号BLKSELn_Dを出力する。これによって、トランジスタUSWDは、オフする。
【0206】
ソース側非選択スイッチ制御回路52において、ANDゲートAGは、制御信号USGS_GBFLTの信号レベルに依存せずに、“L”レベルの制御信号GOODに応じて、“L”レベルの信号を出力する。NORゲートNGは、ANDゲートAGからの“L”レベルの信号及び“H”レベルの制御信号RDECSELに応じて、“L”レベルの制御信号BLKSELn_Sを出力する。これによって、トランジスタUSWSは、オフする。
【0207】
非選択ブロックにおいて、制御信号RDECSELは、“L”レベルに維持される。
【0208】
レベルシフタLSは、“L”レベルの制御信号RDECSELに応じて、グランド電圧VSSの制御信号BLKSELを出力する。これによって、トランジスタSWD,SWW,SWSは、オフする。
【0209】
インバータINV0は、“L”レベルの制御信号RDECSELに応じて、“H”レベルの制御信号BLKSELn_Dを、出力する。これによって、トランジスタUSWDは、オンする。
【0210】
ANDゲートAGは、信号GOODの信号レベル及び制御信号USGS_GBFLTの信号レベルのAND演算に応じた信号を出力する。
【0211】
ANDゲートAGが“H”レベルの信号GOOD及び“H”レベルの制御信号USGS_GBFLTを受けた場合、ANDゲートAGは、“H”レベルの信号をNORゲートNGに出力する。この場合において、NORゲートNGは、“H”レベルの信号及び“L”レベルの信号RDECSELに応じて、“L”レベルの制御信号BLKSELn_Sを出力する。これによって、トランジスタUSWDは、オフする。
【0212】
ANDゲートAGが“H”レベルの信号GOOD及び“L”レベルの制御信号USGS_GBFLTを受けた場合、ANDゲートAGは、“L”レベルの信号をNORゲートNGに出力する。この場合において、NORゲートNGは、“L”レベルの信号及び“L”レベルの信号RDECSELに応じて、“H”レベルの制御信号BLKSELn_Sを出力する。これによって、トランジスタUSWDは、オンする。
【0213】
ANDゲートAGが“L”レベルの信号GOODを受けた場合、ANDゲートAGは、制御信号USGS_GBFLTの信号レベルに依存せずに、“L”レベルの信号をNORゲートNGに出力する。この場合において、NORゲートNGは、“L”レベルの信号及び“L”レベルの信号RDECSELに応じて、“H”レベルの制御信号BLKSELn_Sを出力する。これによって、トランジスタUSWDは、オンする。
【0214】
以上のように、ブロックデコーダBDは、バッドブロック情報GOOD及び制御信号USGS_GBFLTに応じて、動作する。
【0215】
尚、図示しないが、
図11に対し制御信号RFSET及び制御信号RFRSTの入力を入れ替えることで、グッドブロックを示す”H”レベルの情報GOODを設定することができる。これをバッドブロックリセットシーケンスと言い、前述のバッドブロックセットシーケンスと合わせてメモリデバイス1内の全てのブロックに対し、グッドブロックかバッドブロックかを設定することができる。その設定データは、メモリデバイス1の出荷テスト工程において、各チップ内の各ブロックBLKの各動作テストのフェイル情報の論理和演算の結果を、メモリセルアレイ110内の専用のパワーオン初期化データ記録用ブロックに書き込んだ後、メモリデバイス1のパワーオンシーケンス中において、前述のバッドブロックリセット/セットシーケンスによりバッドブロック情報ラッチ49に設定され得る。又は、グッドブロック/バッドブロックに関する設定データは、メモリシステムSYSまたはホストデバイス9を介した出荷テストあるいはその動作中のフェイル結果に基づいて、メモリデバイス1に対する専用のバッドブロックリセット/セットシーケンスを示すコマンドをメモリデバイス1(又はメモリシステムSYS)に送信し、そのコマンドを受けたメモリデバイス1(又はメモリシステムSYS)におけるバッドブロックリセット/セットシーケンスによって、設定されてもよい。その情報は、メモリデバイス1内の任意のブロック内に記憶しておくことが可能である。
【0216】
(メモリセルアレイの動作)
図12を参照して、本実施形態のメモリデバイスの動作例について、説明する。
【0217】
図12は、本実施形態のメモリデバイス1の動作例を示すタイミングチャートである。
図12は、本実施形態のメモリデバイスの書き込みシーケンスを説明するための図である。
【0218】
図12に示されるように、時刻t0において、本実施形態のメモリデバイスの書き込みシーケンスが開始される。ロウ制御回路140及びセンスアンプ回路150は、シーケンサ190の制御によって、ワード線WL、セレクトゲート線SGD,SGS、及びビット線BLの電位を制御する。
【0219】
ロウ制御回路140において、ブロックデコーダBDのそれぞれは、アドレスADDをデコードする。ブロックデコーダBDのそれぞれは、バッドブロック情報ラッチ49内のデータ(バッドブロック情報)GOODを用いて、対応するブロックBLKがグッドブロックであるかバッドブロックであるか、認識する。
【0220】
或る1つのブロックデコーダBDのデコード回路141は、アドレスADDのデコード結果及びバッドブロック情報GOODに基づいて、或るブロックBLKが動作シーケンスの対象の選択ブロック(以下では、ターゲットブロックともよばれる)BLK-sであると判定する。動作シーケンスの対象の選択ブロックBLK-s以外のブロック(以下では、非ターゲットブロックともよばれる)BLK-uは、非選択状態に設定される。ターゲットブロックは、アドレスADDに示されたグッドブロックである。非ターゲットブロックは、アドレスADDに示されないグッドブロック、アドレスADDに示されないバッドブロック、及びアドレスADDに示されたバッドブロックと、を含む。
【0221】
動作シーケンスの対象のターゲットブロックBLK-sに対応するスイッチ制御回路143は、デコード回路141からの制御信号RDECSELに基づいて、選択ブロックBLK-sに対応するスイッチ回路142を制御する。選択ブロックBLK-sに対応するスイッチ回路142において、複数のトランジスタSWD,SWW,SWSは、“H”レベルの制御信号BLKSELによって、オンする。選択ブロックBLK-sに対応するスイッチ回路142において、複数のトランジスタUSWD,USWSは、“L”レベルの制御信号BLKSELn_D,BLKSELn_Sによって、オフする。
【0222】
動作シーケンスの非対象の非選択ブロックBLK-u又はバッドブロックBLK-uに対応するスイッチ制御回路143は、制御信号USGS_GBFLT、デコード回路141からの制御信号RDECSEL、及びバッドブロック情報GOODに基づいて、非選択/バッドブロックBLK-uに対応するスイッチ回路142の動作を制御する。以下では、非選択ブロックBLK-u又はバッドブロックBLK-uの集合体は、非選択/バッドブロックBLK-uと表記される。
【0223】
非選択/バッドブロックBLK-uに対応する選択スイッチ制御回路50は、“L”レベルの制御信号BLKSELを、トランジスタSWD,SWW,SWSに供給する。“L”レベルの制御信号BLKSELによって、トランジスタSWD,SWW,SWSは、オフする。
【0224】
非選択/バッドブロックBLK-uに対応するドレイン側非選択スイッチ制御回路51は、“H”レベルの制御信号BLKSELn_Dを、トランジスタUSWDに供給する。“H”レベルの制御信号BLKSELn_Dによって、トランジスタUSWDは、オンする。
【0225】
非選択/バッドブロックBLK-uに対応するソース側非選択スイッチ制御回路52は、“L”レベルの制御信号RDECSEL、バッドブロック情報GOOD及び制御信号USGS_GBFLTの論理演算の結果に応じた信号レベルを有する制御信号BLKSELn_Sを、トランジスタUSWSに供給する。制御信号BLKSELn_Sの信号レベルに応じて、トランジスタUSWSは、オン又はオフする。
【0226】
シーケンサ190は、書き込みシーケンスの或る書き込みループにおけるプログラム動作を実行する。書き込みループは、プログラム動作とベリファイ動作(プログラムベリファイ)とを含む。
【0227】
(時刻t10)
時刻t10において、ドライバ回路160は、選択ブロックBLK-sのドレイン側セレクトゲート線SGD-s,SGD-uの電位を上げる。電圧V1が、選択ブロックBLK-sのドレイン側セレクトゲート線SGD-s,SGD-uに印加される。電圧V1は、ドレイン側セレクトトランジスタST1(及びソース側セレクトトランジスタST2)がオンする電圧である。これによって、ドレイン側セレクトトランジスタST1のチャネルが、プリチャージされる。
【0228】
ドライバ回路160は、選択ブロックBLK-sのソース側セレクトゲート線SGS-sに、グランド電圧VSS(0Vの電圧)を印加する。
【0229】
ドライバ回路160は、ソース線CELSRC(SL)の電位を上げる。電圧V2が、ソース線CELSRCに印加される。
【0230】
センスアンプ回路150は、プログラム禁止のメモリセルに対応するビット線BL-iの電位を上げる。電圧V3が、プログラム禁止のメモリセルMCに対応するビット線BL-iに印加される。例えば、電圧V3は、電圧V2に等しい。センスアンプ回路150は、グランド電圧VSSを、プログラム対象のメモリセルに対応するビット線BL-pに印加する。
【0231】
非選択/バッドブロックBLK-uに関して、ドレイン側非選択スイッチ制御回路51及びソース側非選択スイッチ制御回路52は、ドレイン側セレクトゲート線SGD-x及びソース側セレクトゲート線SGS-xの電気的な状態を、制御する。
【0232】
ドレイン側非選択スイッチ制御回路51は、デコード回路141からの制御信号BLKSELn_Dに応じて、“H”レベルの信号を、非選択スイッチであるトランジスタUSWDのゲートに供給する。“H”レベルの信号によって、トランジスタUSWDは、オンする。これによって、非選択/バッドブロックBLK-u内のドレイン側セレクトゲート線SGD-xは、オン状態のトランジスタUSWDを介して、配線USGDに電気的に接続される。グランド電圧VSSが、ドレイン側セレクトゲート線SGD-xに印加される。
【0233】
本実施形態において、シーケンサ190は、時刻t10において、制御信号USGS_GBFLTの信号レベルを、“L”レベル(“0”レベル)から“H”レベル(“1”レベル)に変える。
【0234】
“H”レベルの制御信号USGS_GBFLTが、ソース側非選択スイッチ制御回路52に供給される。バッドブロック情報GOODが、ソース側非選択スイッチ制御回路52に供給される。制御信号USGS_GBFLTの信号レベルが“H”レベルである場合、ソース側非選択スイッチ制御回路52は、バッドブロック情報GOODに応じて、非選択スイッチであるトランジスタUSWSのオン及びオフを、制御する。
【0235】
図8に示されるように、バッドブロック情報GOODが、対応するブロックBLKがバッドブロックであることを示す値(“L(0)”)を有している場合、ソース側非選択スイッチ制御回路52は、“H”レベルの制御信号BLKSELn_Sを、トランジスタUSWSに供給する。“H”レベルの信号によって、トランジスタUSWSは、オンする。これによって、非選択/バッドブロックBLK-uのソース側セレクトゲート線SGS-xは、オン状態のトランジスタUSWS及び配線USGSを介して、ドライバ回路160に電気的に接続される。この結果として、バッドブロックのブロックBLK-uにおいて、ドライバ回路160のUSGSドライバ61が、固定の電圧VSSを、ソース側セレクトゲート線SGS-xに印加する。このように、ブロックBLK-uがバッドブロックである場合、非選択のソース側セレクトゲート線SGS-xは、或る電圧(例えば、グランド電圧)が印加されたバイアス状態に設定される。
【0236】
図8に示されるように、バッドブロック情報GOODが、対応するブロックBLKがグッドブロックであることを示す値(“H(1)”)を有している場合、ソース側非選択スイッチ制御回路52は、“L”レベルの信号BLKSELn_Sを、トランジスタUSWSに供給する。“L”レベルの信号によって、トランジスタUSWSは、オフする。これによって、ブロックBLK-uのソース側セレクトゲート線SGS-xは、オフ状態のトランジスタUSWSによって、配線USGSから電気的に分離される。この結果として、ブロック(非選択ブロック)BLK-uがグッドブロックである場合、ブロックBLK-uのソース側セレクトゲート線SGS-xは、電気的にフローティングな状態に設定される。
【0237】
ソース側セレクトゲート線SGS-xの電位は、容量性カップリングによって、ソース線CELSRCの電位程度に上昇する。容量性カップリングは、例えば、セレクトゲート線SGS-xとコンタクトLIとの間の容量成分及び/又はセレクトゲート線SGS-xと導電層(ソース線SL)との間の容量成分のような負荷容量(容量成分)に起因する。
【0238】
このように、本実施形態において、非選択/バッドブロックBLK-uのソース側セレクトゲート線SGS-xの電気的な状態は、そのブロックBLK-uがグッドブロックであるかバッドブロックであるかに応じて、フローティング状態及びバイアス状態のうちいずれか一方に選択的に設定され得る。
【0239】
(時刻t11)
時刻t11において、ドライバ回路160は、選択ブロックBLK-s内の選択されたドレイン側セレクトゲート線SGD-sの電位を、電圧V1から電圧V4へ下げる。電圧V4は、ドレイン側セレクトトランジスタST1(及びソース側セレクトトランジスタST2)がオンする電圧である。ドライバ回路160は、選択ブロックBLK-s内の非選択のドレイン側セレクトゲート線SGD-uの電位を、電圧V1から電圧VSSに下げる。
【0240】
(時刻t12)
時刻t12において、ドライバ回路160は、選択ブロックBLK-sの選択ワード線WL-s及び非選択ワード線WL-uの電位を上げる。これによって、選択ワード線WL-sの電位及び非選択ワード線WL-uの電位は、電圧Vpassへ上がる。電圧Vpassは、メモリセルMCのチャネル領域(半導体層41)にチャネルが形成される電圧である。
【0241】
(時刻t13)
時刻t13において、ドライバ回路160は、選択ワード線WL-sの電位を、上げる。ドライバ回路160は、非選択ワード線WL-uの電位を電圧Vpassに維持する。
【0242】
選択ワード線WL-sの電位は、電圧V5に達する。これによって、プログラム電圧VPGM1が、選択ワード線WL-sに印加される。この結果として、選択ワード線WL-sに接続されたプログラム対象のメモリセルMCの閾値電圧は、上昇する。
【0243】
(時刻t14)
時刻t14において、ドライバ回路160は、選択ワード線WL-sの電位を、電圧V5から下げる。
【0244】
(時刻t15)
時刻t15において、ドライバ回路160は、非選択ワード線WL-uの電位を電圧Vpassから下げる。ドライバ回路160は、選択されたドレイン側セレクトゲート線SGD-sの電位を、電圧V4から下げる。ドライバ回路160は、ソース線CELSRCの電位を、電圧V2から下げる。
【0245】
これによって、選択ブロックBLK-sにおいて、グランド電圧VSSが、選択ワード線WL-s、非選択ワード線WL-u、選択されたドレイン側セレクトゲート線SGD-s及びソース線CELSRCに印加される。
【0246】
センスアンプ回路150は、プログラム禁止状態のビット線BLの電位を、電圧V3からグランド電圧VSSに下げる。
【0247】
非選択ブロックBLKにおいて、フローティング状態のソース側セレクトゲート線SGS-xの電位は、ソース線CELSRCの電位の低下に応じて、下がる。
【0248】
プログラム電圧VPGM1の印加の停止によって、書き込みシーケンスの或る書き込みループにおけるプログラム動作が、終了する。
【0249】
シーケンサ190は、書き込みシーケンスの或る書き込みループにおいて、プログラム動作の後、プログラムベリファイを実行する。
【0250】
(時刻t20)
時刻t20において、シーケンサ190は、制御信号USGS_GBFLTの信号レベルを、“H”レベルから“L”レベルに変える。プログラムベリファイの期間中において、制御信号USGS_GBFLTの信号レベルは、“L”レベルに維持される。
【0251】
これによって、
図8に示されるように、非選択/バッドブロックBLK-uに対応するソース側非選択スイッチ制御回路52において、制御信号BLKSELn_Sの信号レベルは、バッドブロック情報GOODが“0”レベル又は“1”レベルであっても、“H”レベルになる。これによって、非選択/バッドブロックBLK-uに対応するスイッチ回路142において、トランジスタUSWSは、オンする。非選択/バッドブロックBLK-uにおいて、ドレイン側セレクトゲート線SGD-x及びソース側セレクトゲート線SGS-xは、オン状態のトランジスタUSWD,USWSを介して、ドライバ回路160に電気的に接続される。
【0252】
ドライバ回路160は、選択ブロックBLK-sにおいて、選択ワード線WL-sの電位及び非選択ワード線WL-uの電位を、上げる。電圧VREADが、ワード線WL-s,WL-uに印加される。電圧VREADは、メモリセルMCがメモリセルMCに書き込まれたデータに依存せずにオンする電圧である。
【0253】
ドライバ回路160は、選択ブロックBLK-sにおいて、選択されたドレイン側セレクトゲート線SGD-s及び非選択のドレイン側セレクトゲート線SGD-uの電位を上げる。例えば、電圧V1が、ドレイン側セレクトゲート線SGD-s,SGD-uに印加される。
【0254】
ドライバ回路160は、選択ブロックBLK-sにおいて、ソース側セレクトゲート線SGS-sの電位を、上げる。例えば、電圧V1が、ソース側セレクトゲート線SGS-sに印加される。
【0255】
(時刻t21)
ドライバ回路160は、選択ワード線WL-sの電位を、電圧VREADからグランド電圧VSSに下げる。ドライバ回路160は、非選択のドレイン側セレクトゲート線SGD-uの電位を、電圧V1からグランド電圧VSSに下げる。
【0256】
(時刻t22)
時刻t22において、センスアンプ回路150は、ビット線BLの電位を上げる。電圧V6が、ビット線BLに印加される。電圧V6は、例えば、電圧V3より低い。
【0257】
ドライバ回路160は、ソース線CELSRCの電位を上げる。電圧V7が、ソース線CELSRCに印加される。電圧V7は、電圧V2より低い。例えば、電圧V7は、電圧V6より低い。
【0258】
非選択/バッドブロックBLK-uに関して、ドライバ回路160は、非選択のドレイン側セレクトゲート線SGD-xの電位を、グランド電圧VSSから電圧V8に上げる。例えば、電圧V8は、電圧V7に等しい。
【0259】
ドライバ回路160は、非選択/バッドブロックBLK-uがグッドブロックであってもバッドブロックであっても、非選択/バッドブロックBLK-u内のソース側セレクトゲート線SGS-xの電位を、グランド電圧VSSから電圧V9に上げる。例えば、電圧V9は、電圧V7に等しい。
【0260】
選択ブロックBLK-sに関して、ドライバ回路160は、選択ワード線WL-sにベリファイ電圧Vvfyを印加する。ドライバ回路160は、非選択ワード線WL-uの電位を、電圧VREADに維持する。
【0261】
ベリファイ電圧Vvfyは、メモリセルMCが記憶するデータのビット数に応じて、1つ以上のベリファイレベル(電圧値)を含む。メモリセルMCが2ビットのデータを記憶する場合、ベリファイ電圧Vvfyは、3つのベリファイレベルVAV,VBV,VCVを含む。
【0262】
ドライバ回路160は、ベリファイ電圧Vvfyの印加期間中において、選択ワード線WL-sの電位を、グランド電圧VSSからベリファイレベルVAVに上げる。これによって、ベリファイレベルVAVに関して、メモリセルMCのオン又はオフに応じたベリファイ結果が取得される。ベリファイレベルVAVの印加の後、ドライバ回路160は、選択ワード線WL-sの電位を、ベリファイレベルVAVからベリファイレベルVBVに上げる。これによって、ベリファイレベルVBVに関して、メモリセルMCのオン又はオフに応じたベリファイ結果が取得される。ベリファイレベルVBVの印加の後、ドライバ回路160は、選択ワード線WL-sの電位を、ベリファイレベルVBVからベリファイレベルVCVに上げる。これによって、ベリファイレベルVBVに関して、メモリセルMCのオン又はオフに応じたベリファイ結果が取得される。
【0263】
(時刻t23)
時刻t23において、ドライバ回路160は、選択ブロックBLK-s内の各ワード線WL-s,WL-u、各セレクトゲート線SGD-s,SGS-s及びソース線CELSRCの電位を、下げる。これによって、電圧VSSが、各ワード線WL-s,WL-u、各セレクトゲート線SGD-s,SGD-u,SGS-s及びソース線SLの電位に印加される。
【0264】
ドライバ回路160は、非選択ブロックBLK-u内の各セレクトゲート線SGD-x、SGS-xの電位を、電圧V8,V9からグランド電圧VSSに下げる。
【0265】
センスアンプ回路150は、ビット線BLの電位を、電圧V6からグランド電圧VSSに下げる。
【0266】
ベリファイ電圧Vvfyの印加の停止によって、書き込みシーケンスの或る書き込みループにおけるプログラムベリファイが、終了する。
【0267】
プログラムベリファイにおける各ベリファイレベルVAV,VBV,VCVのベリファイ結果に基づいて、書き込みシーケンスがパスであるかフェイルであるか判定される。プログラムベリファイの結果が、パスである場合、書き込みシーケンスは、終了する。プログラムベリファイの結果がフェイルである場合、書き込みシーケンスは、継続される。書き込みシーケンスが継続される場合、或る書き込みループのプログラムベリファイの後、次の書き込みループにおけるプログラム動作が実行される。
【0268】
次の書き込みループにおけるプログラム動作が実行される場合、時刻t10aのように、シーケンサ190は、制御信号USGS_GBFLTの信号レベルを、“L”レベルから“H”レベルへ変える。
【0269】
次の書き込みループのプログラム動作は、前の書き込みループのプログラム動作の時刻t10から時刻t15までの処理と実質的に同じ処理によって、実行される。但し、次の書き込みループのプログラム動作に用いられるプログラム電圧VPGM2の電圧V10は、前の書き込みループのプログラム動作に用いられたプログラム電圧VPGM1の電圧V5より高い。
【0270】
プログラム電圧VPGM2によるプログラム動作の後、次の書き込みループのプログラムベリファイが実行される。次の書き込みループのプログラムベリファイは、前の書き込みループのプログラムベリファイの時刻t20から時刻t23まで処理と実質的に同じ処理によって、実行される。
【0271】
以上のように、1つ以上の書き込みループの実行によるプログラムベリファイの結果に基づいて、書き込みシーケンスがパスであると判定された場合、本実施形態のメモリデバイス1は、書き込みシーケンスを、終了する。
【0272】
尚、制御信号USGS_GBFLTの信号レベルが、書き込みシーケンスのプログラム動作及びプログラムベリファイのどちらにおいても、“L”レベルに設定される場合、非選択/バッドブロックBLK-uにおける制御信号BLKSELn_S(及び制御信号BLKSELn_D)の信号レベルは、バッドブロック情報GOODが“H”レベル又は“L”レベルであっても、“H”レベルに設定される。この場合において、非選択ブロックBLK-uのソース側セレクトゲート線SGS-xの電位及びドレイン側セレクトゲート線SGD-xの電位は、“H”レベルの制御信号BLKSELn_S,BLKSELn_Dによって、ドライバ回路160から供給された電圧によって、制御される。
【0273】
本実施形態のメモリデバイス1の読み出しシーケンスは、周知の技術によって、実行される。本実施形態のメモリデバイス1の読み出しシーケンスにおいて、制御信号USGS_GBFLTの信号レベルは、“L”レベルに設定される。
【0274】
以上のように、本実施形態において、例えば書き込みシーケンスのプログラム動作時に、非選択/バッドブロックBLK-uのソース側セレクトゲート線SGS-xの電気的な状態は、非選択/バッドブロックBLK-uがグッドブロックであるかバッドブロックであるかに応じて、ドレイン側セレクトゲート線SGD-xから独立に、設定される。
【0275】
(1c)まとめ
NANDフラッシュメモリは、メモリセルが3次元に積層されたメモリセルアレイを含む。
【0276】
NANDフラッシュメモリの製造工程において、ダスト又は高層化されたパターンの倒壊に起因して、積層構造のブロックが崩壊する場合がある。
【0277】
NANDフラッシュメモリの製造歩留まりの向上のために、崩壊されたブロックが生じたとしても不良品のチップとせずに、崩壊されたブロックをバッドブロックに設定し、良品のチップとして、NANDフラッシュメモリを出荷することが望ましい。
【0278】
また、NANDフラッシュメモリが、崩壊されたブロックを含んでいたとしても、NANDフラッシュメモリの信頼性は、確保されることが望ましい。
【0279】
例えば、非選択ブロック内においてビット線からソース線へ流れる電流が、発生する可能性がある。崩壊されたブロックにおいて、ビット線からソース線へ流れる電流は、増大する傾向にある。
【0280】
崩壊されたブロックにおけるビット線とソース線との間の電流の発生が、防止された場合、崩壊されたブロックを含むNANDフラッシュメモリは、不良品とせずともよくなる。
【0281】
このビット線-ソース線間の電流の発生を抑制するための一手段として、非選択ブロックのソース側セレクトゲート線に、或る大きさの電圧を印加することによって、ソース側のセレクトトランジスタが、オフ状態に設定される。
【0282】
全ての非選択ブロック(及びバッドブロック)において、ソース側セレクトゲート線に電圧が印加された場合、書き込みシーケンスにおけるプログラム電圧の印加時に大きな負荷容量が、各非選択ブロックのソース側セレクトゲート線の近傍において発生する。このようなバイアス状態のソース側セレクトゲート線の近傍における負荷容量の増大に起因して、NANDフラッシュメモリの消費電流の増大、又は、書き込みシーケンスの時間の増大が、生じ得る。
【0283】
上述のように、本実施形態のメモリデバイス1は、バッドブロック情報GOODを用いて、非選択ブロックBLK-u内のソース側セレクトゲート線SGSの電気的な状態(バイアス状態)を制御する。
【0284】
これによって、本実施形態のメモリデバイス1は、複数の非選択ブロックBLK-uのソース側セレクトゲート線SGS-xに対するバイアスの有無を、その非選択ブロックがバッドブロックであるかグッドブロックであるかに応じて、選択的に設定できる。
【0285】
それゆえ、本実施形態のメモリデバイス1は、バッドブロック情報GOODに基づくバッドブロック内のソース側セレクトゲート線SGS-xのみに、或る大きさの電圧を印加できる。
【0286】
したがって、本実施形態のメモリデバイス1は、非選択ブロックBLK-u内のバイアス状態のソース側セレクトゲート線SGS-xに起因する負荷容量の増大を抑制できる。この結果として、本実施形態のメモリデバイス1は、消費電流の増大及び書き込みシーケンスの時間の増大を、防止できる。
【0287】
以上のように、本実施形態のメモリデバイス1は、メモリデバイスの特性を向上できる。また、本実施形態のメモリデバイス1は、メモリデバイスの製造歩留まりを向上できる。
【0288】
(2)第2の実施形態
図13乃至
図16を参照して、第2の実施形態のメモリデバイス1及びその制御方法について、説明する。
【0289】
(2a)構成例
図13は、本実施形態のメモリデバイス1における、ロウ制御回路140の回路構成を示す図である。
【0290】
図13に示されるように、本実施形態において、ソース側非選択スイッチ制御回路52Aは、1つのNORゲートNGを含む。
【0291】
NORゲートNGの一方の入力端子は、デコード回路141の出力ノードに接続される。NORゲートNGの他方の入力端子は、バッドブロック情報ラッチ49に接続される。NORゲートNGの出力ノードは、トランジスタUSWSのゲートに接続される。
【0292】
NORゲートNGは、制御信号(バッドブロック情報)GOODと制御信号RDECSELとを受ける。NORゲートNGは、バッドブロック情報GOOD及び制御信号RDECSELに対するNOR演算の結果に応じた制御信号BLKSELn_Sxを、トランジスタUSWSのゲートに供給する。
【0293】
トランジスタUSWSは、信号BLKSELn_Sxの信号レベルに応じて、オン又はオフする。信号BLKSELn_Sxの信号レベルが“H”レベルである場合、トランジスタUSWSは、オンする。これによって、ソース側セレクトゲート線SGSは、オン状態のトランジスタUSWSを介して、USGSドライバ61からの電圧を受ける。信号BLKSELn_Sxの信号レベルが“L”レベルである場合、トランジスタUSWSは、オフする。これによって、ソース側セレクトゲート線SGSは、オフ状態のトランジスタUSWSによって、USGSドライバ61から電気的に分離される。
【0294】
本実施形態において、上述の制御信号USGS_GBFLTは、ソース側セレクトゲート線SGSの電気的な状態の制御に、用いられない。制御信号USGS_GBFLTを複数のソース側非選択スイッチ制御回路52Aに供給するための信号線は、設けられない。
【0295】
図14は、本実施形態のメモリデバイス1における、ソース側非選択スイッチ制御回路52Aの構成例を示す回路図である。
【0296】
図14に示されるように、本実施形態において、ソース側非選択スイッチ制御回路52Aは、4つのトランジスタTR31A,TR32,TR33,TR34を含む。
【0297】
トランジスタTR31Aの電流経路の一端は、ノードnd30を介して、電源端子VRDに接続される。トランジスタTR31の電流経路の他端は、ノードnd31を介して、トランジスタTR32の電流経路の一端に接続される。トランジスタTR31Aのゲートは、トランジスタTR32のゲートに接続される。制御信号RDECSELが、トランジスタTR31Aのゲートに供給される。
【0298】
トランジスタTR34Aの電流経路の一端は、ノードnd31に接続される。トランジスタTR34Aの電流経路の他端は、グランド端子VSSに接続される。バッドブロック情報GOODが、トランジスタTR34Aのゲートに供給される。
【0299】
例えば、バッドブロック情報GOODが“H”レベルであり、制御信号RDECSELが“L”レベルである場合、“L”レベルの制御信号BLKSELn_Sxが、ノードnd31から出力される。例えば、バッドブロック情報GOODが“L”レベルであり、制御信号RDECSELが“L”レベルである場合、“H”レベルの制御信号BLKSELn_Sxが、ノードnd31から出力される。
【0300】
図15は、本実施形態のメモリデバイス1における、ソース側非選択スイッチ制御回路52Aの動作状態を示す図である。なお、
図15は、本実施形態のメモリデバイス1がバッドブロック情報GOODに応じて制御される場合を示す。すなわち、制御信号ROMBAENの信号レベルが、“L”レベルに設定された場合である。
【0301】
図15に示されるように、対応するブロックBLKにおいて、バッドブロック情報GOODの信号レベルが“0”レベルであり、制御信号RDECSELの信号レベルが“0”レベルである場合、制御信号BLKSELn_Sxの信号レベルは、“1”レベルである。このように、対応するブロックBLKが、バッドブロック及び/又は非選択ブロックBLK-uである場合、ソース側非選択スイッチ制御回路52Aは、“1”レベルの信号によって、トランジスタUSWSを、オン状態に設定する。これによって、USGSドライバ61からの電圧が、非選択のソース側セレクトゲート線SGS-xに印加される。
【0302】
対応するブロックBLKにおいて、バッドブロック情報GOODの信号レベルが“1”レベルであり、制御信号RDECSELの信号レベルが“0”レベルである場合、制御信号BLKSELn_Sxの信号レベルは、“0”レベルである。このように、対応するブロックBLKが、グッドブロック及び/又は非選択ブロックである場合、ソース側非選択スイッチ制御回路52Aは、“0”レベルの信号によって、トランジスタUSWSを、オフ状態に設定する。これによって、非選択のソース側セレクトゲート線SGS-xは、電気的にフローティングな状態に設定される。
【0303】
対応するブロックBLKにおいて、御信号RDECSELの信号レベルが“1”レベルである場合、制御信号BLKSELn_Sxの信号レベルは、バッドブロック情報GOODが“0”レベル又は“1”レベルであっても、“0”レベルである。このように、対応するブロックが、選択ブロックBLK-sである場合、ソース側非選択スイッチ制御回路52Aは、“0”レベルの制御信号BLKSELn_Sxによって、トランジスタUSWSをオフ状態に設定する。USGSドライバ61は、選択ブロックBLKのソース側セレクトゲート線SGS-sから電気的に分離される。
【0304】
このように、バッドブロック情報GOOD及び制御信号RDECSELに基づいて、ブロックBLKのソース側セレクトゲート線SGSの電気的な状態が、制御され得る。
【0305】
制御信号USGS_GBFLTのような信号によってソース側セレクトゲート線SGSの制御のための動作モードを切り替えない場合、本実施形態のように、ソース側非選択スイッチ制御回路52Aは、1つのNORゲートNGのみで構成され得る。
【0306】
(2b)動作例
図16を参照して、本実施形態のメモリデバイス1の動作例(制御方法)について、説明する。
【0307】
図16は、本実施形態のメモリデバイス1の動作例を示すタイミングチャートである。
図16において、本実施形態のメモリデバイス1の書き込みシーケンスが、示されている。
【0308】
上述のように、本実施形態において、対応するブロックBLKが、グッドブロック及び非選択ブロックBLK-uである場合、ソース側非選択スイッチ制御回路52Aは、“L”レベルの制御信号BLKSELn_Sxによって、トランジスタUSWSをオフ状態に設定する。
【0309】
これによって、
図16に示されるように、非選択のグッドブロックBLK-uの非選択のソース側セレクトゲート線SGS-xは、書き込みシーケンス中において、電気的にフローティングな状態に設定される。
【0310】
それゆえ、ソース側セレクトゲート線SGS-xの電位は、ソース側セレクトゲート線SGS-xとソース線CELSRC(SL)とのカップリングによって、ソース線CELSRCの電位に応じて、変動する。
【0311】
対応するブロックBLKが、バッドブロック及び非選択ブロックBLK-uである場合、ソース側非選択スイッチ制御回路52Aは、“H”レベルの制御信号BLKSELn_Sxによって、トランジスタUSWSをオン状態に設定する。
【0312】
これによって、
図16に示されるように、非選択のバッドブロックBLK-uの非選択のソース側セレクトゲート線SGS-xは、書き込みシーケンス中において、グランド電圧VSSによってバイアスされる。
【0313】
(2c)まとめ
本実施形態において、ロウ制御回路140のソース側非選択スイッチ制御回路52Aは、NORゲートNGのみによって、構成される。それゆえ、ソース側非選択スイッチ制御回路52Aは、構成要素の数を削減でき、回路面積を縮小できる。このように、本実施形態のメモリデバイス1は、回路の実装を容易にできる。
【0314】
本実施形態において、対応するブロックBLKがグッドブロックである場合、非選択ブロックBLK-uに対応するソース側非選択スイッチ制御回路52Aは、非選択ソース側セレクトゲート線SGS-xの電位を制御すること無しに、非選択ソース側セレクトゲート線SGS-xを電気的にフローティングな状態に設定する。対応するブロックBLKがバッドブロックである場合、非選択ブロックBLK-uに対応するソース側非選択スイッチ制御回路52Aは、非選択ソース側セレクトゲート線SGS-xの電位を、制御する。
【0315】
これによって、本実施形態のメモリデバイス1は、ソース線CELSRCの充電を高速化できる。
【0316】
本実施形態において、非選択ブロックBLK-uのソース側セレクトゲート線SGS-xの電気的な状態は、バッドブロック情報GOODのみに基づいて、制御される。それゆえ、本実施形態において、非選択ブロックBLK-uのソース側セレクトゲート線SGS-xの充電及び放電のタイミングは、制御せずともよくなる。それゆえ、本実施形態のメモリデバイス1は、ソース側セレクトゲート線SGSを制御するための負荷が、軽減される。
【0317】
以上のように、本実施形態のメモリデバイスは、上述の実施形態と実質的に同じ効果を得ることができる。
【0318】
(3)第3の実施形態
図17を参照して、第3の実施形態のメモリデバイス1及びその制御方法について、説明する。
【0319】
本実施形態において、非選択のドレイン側セレクトゲート線SGDに対するドライバが、非選択のソース側セレクトゲート線SGSに対するドライバと統合されている。
【0320】
図17に示されるように、ドライバ回路160は、ドライバ69を含む。ドライバ69は、配線群169の配線USGに接続される。
【0321】
トランジスタUSWDの電流経路の一端は、ドレイン側セレクトゲート線SGDに接続され、トランジスタUSWDの電流経路の他端は、配線USGに接続される。
【0322】
トランジスタUSWSの電流経路の一端は、ソース側セレクトゲート線SGSに接続され、トランジスタUSWSの電流経路の他端は、配線USGに接続される。
【0323】
本実施形態において、セレクトゲート線SGD,SGSの非選択スイッチである複数のトランジスタUSWD,USWSは、共通の配線USGを介して、1つのドライバ69に接続される。このように、ドレイン側セレクトゲート線SGDのためのドライバ及びソース側セレクトゲート線SGSのためのドライバが、1つのドライバに統合される。
【0324】
これによって、非選択ブロックBLK-uにおいて、共通の電圧が、ドレイン側セレクトゲート線SGD-x及びソース側セレクトゲート線SGS-xに、印加される。
【0325】
この結果として、本実施形態のメモリデバイス1は、非選択ブロックBLKのドレイン側及びソース側セレクトゲート線SGD,SGSに電圧を印加するドライバの数を、削減できる。
【0326】
したがって、本実施形態のメモリデバイス1は、メモリデバイス1の回路規模を縮小できる。これによって、本実施形態のメモリデバイス1は、例えば、メモリデバイス1のチップサイズを、小さくできる。
【0327】
また、本実施形態のメモリデバイス1は、上述の他の実施形態の効果を得ることができる。
【0328】
(4) その他
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0329】
1:メモリデバイス、110:メモリセルアレイ、BLK:ブロック、SGD:ドレイン側セレクトゲート線、SGS:ソース側セレクトゲート線、WL:ワード線、MC:メモリセル、ST1:ドレイン側セレクトトランジスタ、ST2:ソース側セレクトトランジスタ、140:ロウ制御回路、141:デコード回路、142:スイッチ回路、143:スイッチ制御回路、49:バッドブロック情報ラッチ、50:選択スイッチ制御回路、51:ドレイン側非選択スイッチ制御回路、52:ソース側非選択スイッチ制御回路。