(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135923
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】磁気ディスク装置
(51)【国際特許分類】
G11B 21/21 20060101AFI20240927BHJP
G11B 5/596 20060101ALI20240927BHJP
G11B 21/10 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
G11B21/21 F
G11B5/596
G11B21/10 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023046831
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 徹
(57)【要約】
【課題】 実施形態の課題は、記録の精度を向上できる磁気ディスク装置を提供することにある。
【解決手段】磁気ディスクと、ライトヘッドとリードヘッドとヒータとを有している磁気ヘッドと、前記ライトヘッドの浮上量を検出する第1検出部と、前記磁気ヘッドの前記磁気ディスクのトラックに対する位置決め誤差を検出する第2検出部と、第1閾値と第2閾値とを格納しているメモリと、を有しているコントローラと、を備え、前記コントローラは、前記ライトヘッドで前記磁気ディスクにデータをライトする際、所定の電力値の電力を前記ヒータに供給し、前記第1検出部で前記ライトヘッドの浮上量を検出し、前記第2検出部で前記ライトヘッドの位置決め誤差を検出し、前記ライトヘッドの浮上量が前記第1閾値を超え、且つ、前記ライトヘッドの位置決め誤差が前記第2閾値を超えている場合、前記ヒータに供給する電力の電力値を増加させる、磁気ディスク装置。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気ディスクと、
前記磁気ディスクにデータをライトするライトヘッドと、前記磁気ディスクからデータをリードするリードヘッドと、前記ライトヘッドの浮上量を調整するヒータと、を有している磁気ヘッドと、
前記ライトヘッドの浮上量を検出する第1検出部と、前記磁気ヘッドの前記磁気ディスクのトラックに対する位置決め誤差を検出する第2検出部と、第1閾値と第2閾値とを格納しているメモリと、を有しているコントローラと、を備え、
前記コントローラは、
前記ライトヘッドで前記磁気ディスクにデータをライトする際、
前記ライトヘッドの浮上量が所望の浮上量になるように、所定の電力値の電力を前記ヒータに供給し、
前記第1検出部で前記ライトヘッドの浮上量を検出し、
前記第2検出部で前記ライトヘッドの位置決め誤差を検出し、
前記ライトヘッドの浮上量が前記第1閾値を超え、且つ、前記ライトヘッドの位置決め誤差が前記第2閾値を超えている場合、
前記ヒータに供給する電力の電力値を増加させる、
磁気ディスク装置。
【請求項2】
前記コントローラは、
前記ライトヘッドの浮上量が前記第1閾値を超え、且つ、前記ライトヘッドの位置決め誤差が前記第2閾値を超えている場合、
前記ライトヘッドの浮上量が前記所望の浮上量の半分以下の浮上量になるように、前記ヒータに供給する電力の電力値を増加させる、
請求項1に記載の磁気ディスク装置。
【請求項3】
前記コントローラは、
前記ヒータに供給する電力の電力値を前記所定の電力値に戻し、
前記第1検出部で前記ライトヘッドの浮上量を検出し、
前記第2検出部で前記ライトヘッドの位置決め誤差を検出し、
前記ライトヘッドの浮上量が前記第1閾値を超えていない場合、又は前記ライトヘッドの位置決め誤差が前記第2閾値を超えていない場合、
前記ライトヘッドで前記磁気ディスクにデータをライトする、
請求項1に記載の磁気ディスク装置。
【請求項4】
前記第1検出部は、前記リードヘッドで取得した再生信号の一次成分と三次成分との比から前記ライトヘッドの浮上量を検出する、
請求項3に記載の磁気ディスク装置。
【請求項5】
磁気ディスクと、
前記磁気ディスクにデータをライトするライトヘッドと、前記磁気ディスクからデータをリードするリードヘッドと、前記ライトヘッドの浮上量を調整するヒータと、を有している磁気ヘッドと、
前記ライトヘッドの浮上量を検出する第1検出部と、前記ライトヘッドの前記磁気ディスクのトラックに対する位置決め誤差を検出する第2検出部と、第1閾値と第2閾値とを格納しているメモリと、を有しているコントローラと、を備え、
前記コントローラは、
前記ライトヘッドで前記磁気ディスクの所定のトラックにデータをライトする際、
前記ライトヘッドの浮上量が所望の浮上量になるように、所定の電力値の電力を前記ヒータに供給し、
前記第1検出部で前記ライトヘッドの浮上量を検出し、
前記第2検出部で前記ライトヘッドの位置決め誤差を検出し、
前記ライトヘッドの浮上量が前記第1閾値を超え、且つ、前記ライトヘッドの位置決め誤差が前記第2閾値を超えている場合、
前記ライトヘッドを任意のトラックに位置決めし、
前記ヒータに供給する電力の電力値を増加させる、
磁気ディスク装置。
【請求項6】
前記磁気ヘッドの移動を制限するストッパを更に備え、
前記ライトヘッドは、前記磁気ヘッドの移動が前記ストッパによって制限された場合に、前記任意のトラックに位置決めされる、
請求項5に記載の磁気ディスク装置。
【請求項7】
前記任意のトラックは、汚れ除去用トラックである、
請求項5に記載の磁気ディスク装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、磁気ディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気ディスク装置は、磁気ディスクと磁気ヘッドとを備えている。磁気ディスク装置は、記録密度、特に線記録密度を向上するために、磁気ヘッドと磁気ディスクとの間の隙間(浮上量)を小さくする必要がある。このため、磁気ヘッドがヒータを有し、ヒータによって所望の浮上量でライトやリードなどの動作を行う技術が用いられている。
磁気ディスク上には、磁気ディスク装置の製造過程や内部の発ガスなどにより生じた汚れ成分が付着している場合がある。磁気ヘッドに汚れが付着している場合、ヒータで浮上量を制御しようとしても所望の浮上量にならず、記録品質や再生品質が低下し、磁気ディスク装置の機能を損なうことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第9799358号明細書
【特許文献2】米国特許第11074936号明細書
【特許文献3】米国特許第9047902号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態の課題は、記録の精度を向上できる磁気ディスク装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係る磁気ディスク装置は、磁気ディスクと、前記磁気ディスクにデータをライトするライトヘッドと、前記磁気ディスクからデータをリードするリードヘッドと、前記ライトヘッドの浮上量を調整するヒータと、を有している磁気ヘッドと、前記ライトヘッドの浮上量を検出する第1検出部と、前記磁気ヘッドの前記磁気ディスクのトラックに対する位置決め誤差を検出する第2検出部と、第1閾値と第2閾値とを格納しているメモリと、を有しているコントローラと、を備え、前記コントローラは、前記ライトヘッドの浮上量が所望の浮上量になるように、前記ライトヘッドで前記磁気ディスクにデータをライトする際、所定の電力値の電力を前記ヒータに供給し、前記第1検出部で前記ライトヘッドの浮上量を検出し、前記第2検出部で前記ライトヘッドの位置決め誤差を検出し、前記ライトヘッドの浮上量が前記第1閾値を超え、且つ、前記ライトヘッドの位置決め誤差が前記第2閾値を超えている場合、前記ヒータに供給する電力の電力値を増加させる。
【0006】
また、一実施形態に係る磁気ディスク装置は、磁気ディスクと、前記磁気ディスクにデータをライトするライトヘッドと、前記磁気ディスクからデータをリードするリードヘッドと、前記ライトヘッドの浮上量を調整するヒータと、を有している磁気ヘッドと、前記ライトヘッドの浮上量を検出する第1検出部と、前記ライトヘッドの前記磁気ディスクのトラックに対する位置決め誤差を検出する第2検出部と、第1閾値と第2閾値とを格納しているメモリと、を有しているコントローラと、を備え、前記コントローラは、前記ライトヘッドで前記磁気ディスクの所定のトラックにデータをライトする際、前記ライトヘッドの浮上量が所望の浮上量になるように、所定の電力値の電力を前記ヒータに供給し、前記第1検出部で前記ライトヘッドの浮上量を検出し、前記第2検出部で前記ライトヘッドの位置決め誤差を検出し、前記ライトヘッドの浮上量が前記第1閾値を超え、且つ、前記ライトヘッドの位置決め誤差が前記第2閾値を超えている場合、前記ライトヘッドを任意のトラックに位置決めし、前記ヒータに供給する電力の電力値を増加させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る磁気ディスク装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、隙間変化に対する再生信号の一次成分及び三次成分の振幅の変化を示すグラフである。
【
図3】
図3は、上記実施形態に係る磁気ディスク装置の磁気ヘッド及び磁気ディスクを示す拡大断面図である。
【
図4】
図4は、上記実施形態に係る磁気ディスク装置の磁気ヘッド及び磁気ディスクを示す側面図である。
【
図5】
図5は、ライトヘッドに汚れが付着している状態における、磁気ディスク及び磁気ヘッドを示す断面図である。
【
図6】
図6は、上記実施形態に係る磁気ディスク装置の磁気ディスク及び磁気ヘッドを示す平面図である。
【
図7】
図7は、ライトヘッドに汚れが付着した場合における、ライトヘッドの所望の浮上量からの変化を示すグラフである。
【
図8】
図8は、ライトヘッドに汚れが付着した状態における、ライトヘッドの位置決め誤差の変化を示すグラフである。
【
図9】
図9は、汚れ除去動作時における磁気ディスク及び磁気ヘッドを示す断面図である。
【
図10】
図10は、汚れ除去後における磁気ディスク及び磁気ヘッドを示す断面図である。
【
図11】
図11は、上記実施形態に係る磁気ディスク装置のライト処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、
図11に続く、上記実施形態に係る磁気ディスク装置のライト処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の趣旨を保っての適宣変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面や説明をより明確にするため、実際の様態に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宣省略することがある。
以下、図面を参照しながら一実施形態に係る磁気ディスク装置について詳細に説明する。
【0009】
図1は、一実施形態に係る磁気ディスク装置10の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、磁気ディスク装置10は、矩形状の筐体11と、筐体11内に配置された記録媒体としての磁気ディスク12と、磁気ディスク12を支持及び回転するスピンドルモータ14と、磁気ディスク12に対してデータをライト(記録)及びリード(再生)を行う複数の磁気ヘッド16と、を備えている。
【0010】
磁気ディスク装置10は、磁気ヘッド16を磁気ディスク12上の任意のトラック上に移動するとともに位置決めするヘッドアクチュエータ18を備えている。ヘッドアクチュエータ18は、磁気ヘッド16を移動可能に支持するキャリッジアッセンブリ20と、キャリッジアッセンブリ20を回動させるボイスコイルモータ(VCM)22と、を含んでいる。
キャリッジアッセンブリ20は、筐体11に回動自在に支持された軸受部24と、軸受部24から延出した複数のサスペンション26と、を有している。磁気ヘッド16は、各サスペンション26の先端に支持されている。
【0011】
磁気ディスク装置10は、磁気ヘッド16の移動を制限するストッパSTを備えている。一例において、ストッパSTは、磁気ヘッド16が磁気ディスク12に対して内周側に行き過ぎることを防止する。具体的には、ストッパSTは、軸受部24を中心として回動するVCM22に接触することで磁気ヘッド16がスピンドルモータ14に接触することを防止する。
磁気ディスク12は、汚れ除去用トラック12aを有している。磁気ヘッド16は、汚れ除去用トラック12aにデータをライトしたり、汚れ除去用トラック12aからデータをリードしたりしない。なお、磁気ディスク12は、汚れ除去用トラック12aを無しに構成されてもよい。一例において、汚れ除去用トラック12aは、磁気ヘッド16の移動がストッパSTによって制限された場合に、磁気ヘッド16が汚れ除去用トラック12aに位置決めされるように、磁気ディスク12の内周側に位置している。なお、汚れ除去用トラック12aが配置される位置は、上記の位置に限定されず、例えば、外周側に位置してもよい。
【0012】
磁気ディスク装置10は、磁気ヘッド16を駆動するヘッドアンプIC(プリアンプ)30と、メインコントローラ40と、ドライバIC48と、を備えている。ヘッドアンプIC30は、磁気ヘッド16に電気的に接続されている。ヘッドアンプIC30は、磁気ヘッド16の記録コイルに記録電流を供給する記録電流供給回路32と、後述するヒータHに電力を供給するヒータ電力供給回路34と、磁気ヘッド16により読み取った信号を増幅する増幅器36と、を備えている。
【0013】
メインコントローラ40及びドライバIC48は、例えば、筐体11の背面側に設けられた図示しない制御回路基板に構成されている。メインコントローラ40は、R/Wチャネル42、ハードディスクコントローラ(HDC)44、マイクロプロセッサ(MPU)46、メモリ47などを備えている。メインコントローラ40は、ドライバIC48を介して、VCM22及びスピンドルモータ14に電気的に接続されている。HDC44は、ホストコンピュータ(ホスト)45に接続可能である。
【0014】
R/Wチャネル42は、リード/ライトデータの信号処理回路である。HDC44は、MPU46からの支持に応じて、ホスト45とR/Wチャネル42との間のデータ転送を制御する。HDC44は、例えば、R/Wチャネル42、MPU46、メモリ47などに電気的に接続されている。メモリ47は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリを含む。例えば、メモリ47は、DRAMからなるバッファメモリ及びフラッシュメモリなどを含む。メモリ47は、MPU46の処理に必要なプログラム及びパラメータを格納する。メモリ47は、更に、磁気ディスク12と磁気ヘッド16との間の隙間(浮上量)に対応する第1閾値A1と、磁気ヘッド16の位置決め誤差に対応する第2閾値A2と、を格納する。
【0015】
MPU46は、磁気ディスク装置10の主制御部であり、リード/ライト動作の制御及び磁気ヘッド16の位置決めに必要なサーボ制御を実行する。MPU46は、ライト処理を制御するライト制御部46a、リード処理を制御するリード制御部46b、後述するヒータHに供給する電力値を制御するヒータ制御部46c、磁気ヘッド16の磁気ディスク12に対する浮上量を検出する第1検出部46d、磁気ヘッド16の磁気ディスク12の半径方向における位置決め誤差を検出する第2検出部46eなどを含んでいる。
【0016】
ライト制御部46aは、ホスト45などからのコマンドに従って、データのライト処理を制御する。具体的には、ライト制御部46aは、ドライバIC48を介してVCM22を制御し、磁気ヘッド16を磁気ディスク12上の所定の位置に配置して、データをライトする。
リード制御部46bは、ホスト45などからのコマンドに従って、データのリード処理を制御する。具体的には、リード制御部46bは、ドライバIC48を介してVCM22を制御し、磁気ヘッド16を磁気ディスク12上の所定の位置に配置して、データをリードする。
【0017】
第1検出部46dは、リードヘッド16Rで取得した再生信号の一次成分(一次高調波成分)と三次成分(三次高調波成分)との振幅変化を基に、製造時に特定される基準となる浮上量(所望の浮上量FH)からの変化量を測定する方法によって、磁気ヘッド16の浮上量を検出する。より具体的には、1次高調波成分と3次高調波成分との比の変化から浮上量の変化量を測定することで、磁気ヘッド16の浮上量を検出する。なお、第1検出部46dの浮上量を検出する方法は、上記の方法に限定されず、例えば、再生信号の1次成分の振幅から浮上量を検出する方法や、磁気ディスク12と磁気ヘッド16との間の静電容量などを基に浮上量を検出する方法であってもよい。ただし、ヘッドアンプIC30の増幅率の変化を吸収できるため、一次成分と三次成分との比を基に浮上量を測定する方法を用いることが好ましい。
第2検出部46eは、磁気ディスク12上のサーボセクタを基に位置決め誤差を検出する。具体的には、第2検出部46eは、磁気ヘッド16でサーボセクタからリードしたサーボ信号の振幅などに基づいて、位置決め誤差を検出する。
【0018】
ここで、磁気ヘッド16の浮上量の測定方法について、
図2を参照して説明する。
図2は、隙間変化に対する再生信号の一次成分及び三次成分の振幅の変化を示すグラフである。
図2において、縦軸は再生信号の振幅を表し、横軸は磁気ディスク12と磁気ヘッド16と間の隙間を表している。隙間が大きくなると、実線で示される一次成分Amp1の振幅は、緩やかに減少する。一方、一点鎖線で示される三次成分Amp3の振幅は、一次成分Amp1の振幅よりも減少量が大きい。例えば、隙間が0.2nmから0.4nmに変化する場合において、三次成分Amp3の振幅の減少量は、一次成分Amp1の振幅の減少量よりも大きい。
一次成分Amp1と三次成分Amp3との間には上記のような関係があるため、一次成分Amp1の振幅と三次成分Amp3の振幅との比を基に磁気ヘッド16の浮上量を検出することで、ヘッドアンプIC30の増幅率の変化を吸収し、より正確な浮上量を検出することができる。
【0019】
図3は、上記実施形態に係る磁気ディスク装置10の磁気ヘッド16及び磁気ディスク12を示す拡大断面図である。
図3に示すように、磁気ヘッド16は、スライダ15の端部に、例えば、薄膜プロセスで形成されたライトヘッド16W及びリードヘッド16Rを有し、分離型のヘッドとして形成されている。スライダ15は、磁気ディスク12の記録面12bから浮上するために磁気ディスク12の記録面12bに対向する面であるABS(Air Bearing Surface:ヘッド面)13を有している。ライトヘッド16Wは、磁気ディスク12上にデータを書き込む。リードヘッド16Rは、磁気ディスク12上に記録されているデータを読み出す。
【0020】
磁気ディスク12は、垂直磁気記録媒体として構成されている。磁気ディスク12は、例えば、直径96mm(約3.5インチ)の円板状に形成され、非磁性体からなる基板101を有している。基板101の各表面(記録面12b)に、下地層として軟磁気特性を示す材料からなる軟磁性層102と、その上層部に、磁気ディスク12の表面に対して垂直方向に磁気異方性を有する垂直磁気記録層103と、保護層104とが順次積層されている。磁気ディスク12は、スピンドルモータ21のハブに互いに同軸的に嵌合されている。磁気ディスク12は、スピンドルモータ21により所定の速度で矢印B方向に回転される(
図1参照)。
【0021】
リードヘッド16Rは、磁気抵抗効果素子55と、垂直磁気記録層103に形成される記録トラックの長手方向Xにおいて、磁気抵抗効果素子55を挟むように配置された第1磁気シールド膜56及び第2磁気シールド膜57と、を有している。磁気抵抗効果素子55及び各磁気シールド膜56,57は、ABS13に対してほぼ垂直に延在している。磁気抵抗効果素子55及び各磁気シールド膜56,57の下端部(先端部)は、ABS13から僅かに突出している。
【0022】
ライトヘッド16Wは、主磁極60と、リターン磁極62と、非導電体52と、リーディング磁極64と、第2接続部67と、第1記録コイル70と、第2記録コイル72と、を有している。主磁極60、リターン磁極62、及びリーディング磁極64は、高透磁材料で形成されている。主磁極60及びリターン磁極62は、磁路を形成する第1磁気コアを構成し、主磁極60及びリーディング磁極64は、磁路を形成する第2磁気コアを構成している。
主磁極60は、ABS13に対してほぼ垂直に延びている。主磁極60のABS13側の先端部60aは、ABS13に向かって先細に絞り込まれ、他の部分に対して幅の狭い柱状に形成されている。主磁極60の先端部60aは、スライダ15のABS13から僅かに突出している。
【0023】
リターン磁極62は、主磁極60直下の磁気ディスク12の軟磁性層102を介して効率的に磁路を閉じるために設けられている。リターン磁極62は、ほぼL字形状に形成され、その先端部62aは、細長い矩形状に形成されている。リターン磁極62の先端部62aは、スライダ15のABS13から僅かに突出している。先端部62aは、主磁極60の先端部60aにライトギャップWGを置いて対向するリーディング側端面(磁極端面)62bを有している。リーディング側端面62bは、ABS13に対し垂直に、あるいは、僅かに傾斜して延びている。
【0024】
リターン磁極62は、主磁極60に接続された第1接続部50を有している。第1接続部50は、非導電体52を介して主磁極60の上部、すなわち、主磁極60のABS13から離れた部分に磁気的に接続されている。第1記録コイル70は、第1磁気コアにおいて、例えば、第1接続部50の回りに巻き付けられている。磁気ディスク12に信号を書き込む際、第1記録コイル70にライト電流を流すことにより、第1記録コイル70は、主磁極60を励起して主磁極60に磁束を流す。
【0025】
リーディング磁極64は、主磁極60のリーディング側に主磁極60と対向して設けられている。リーディング磁極64は、ほぼL字形状に形成され、ABS13側の先端部64aは、細長い矩形状に形成されている。先端部64aは、スライダ15のABS13から僅かに突出している。先端部64aは、主磁極60の先端部60aにギャップを置いて対向するトレーリング側端面(磁極端面)64bを有している。
また、リーディング磁極64は、ABS13から離間した位置で主磁極60に接合された第2接続部67を有している。この第2接続部67は、例えば、軟磁性体で形成され、非導電体69を介して主磁極60の上部、すなわち、主磁極60のABS13から離れた部分に磁気的に接続されている。これにより、第2接続部67は、主磁極60及びリーディング磁極64とともに磁気回路を形成している。第2記録コイル72は、例えば、第2接続部67の回りに巻き付けて配置され、この磁気回路に磁界を印加する。
【0026】
更に、磁気ヘッド16は、ヒータ(熱アクチュエータ)Hを更に有している。一例において、ヒータHは、ライトヘッド16Wの浮上量を調整する第1ヒータH1と、リードヘッド16Rの浮上量を調整する第2ヒータH2とから構成されている。第1ヒータH1及び第2ヒータH2は、それぞれ配線及び接続端子43を介してヘッドアンプIC30に接続されている。ヘッドアンプIC30のヒータ電力供給回路34から第1ヒータH1及び第2ヒータH2のそれぞれに所望の電力値の電力が供給される。なお、ヒータHは、第1ヒータH1と第2ヒータH2との2つのヒータから構成されることに限定されず、第1ヒータH1のみで構成されてもよい。
【0027】
図4は、磁気ディスク装置10の磁気ヘッド16及び磁気ディスク12を示す側面図である。
図4では、磁気ヘッド16のヘッド部100の拡大断面図が矢印の先に示されている。また、
図4は、第1ヒータH1及び第2ヒータH2に電力が供給されている状態を示している。
図4に示すように、各ヒータH1,H2に電力が供給されると、第1ヒータH1は、ライトヘッド16Wの周辺を加熱することによってライトヘッド16Wの浮上量を調整し、第2ヒータH2は、リードヘッド16Rの周辺を加熱することによってリードヘッド16Rの浮上量を調整する。第1ヒータH1及び第2ヒータH2に供給される電力の電力値は、MPU46によって制御される。第1ヒータH1は、少なくともライト時に電力が供給される。第2ヒータH2は、少なくともリード時に電力が供給される。
【0028】
図5は、ライトヘッド16Wに汚れDが付着している状態における、磁気ディスク12及び磁気ヘッド16を示す断面図である。なお、
図5は、データをライトする際の状態を示しており、第1ヒータH1に所定の電力値の電力が供給されている状態を示している。
図5に示すように、汚れDは、磁気ディスク12と磁気ヘッド16との間の隙間に位置し、ライトヘッド16Wに付着している。汚れDは、例えば、磁気ディスク装置10の製造過程や内部の発ガスなどにより磁気ディスク12上に生じるカーボンを主とする不純物(コンタミ)である。
【0029】
一例において、第1ヒータH1に電力が供給されていない状態におけるライトヘッド16Wの浮上量は、10nm程度である。また、ライト時、つまり、第1ヒータH1に所定の電力値の電力が供給されている状態におけるライトヘッド16Wの浮上量は、1nm程度である。上記のような浮上量で動作する磁気ディスク装置10において、磁気ディスク12上に1乃至20nm程度の汚れDが存在している場合、ライトヘッド16Wに汚れDが付着することになる。
【0030】
ヒータHに電力を供給していない状態、つまり、浮上量が10nmの状態で磁気ディスク12上の汚れDが磁気ヘッド16に付着した場合、磁気ヘッド16に付着している汚れDの高さは、磁気ヘッド16の浮上量とほぼ同等になることが実験的にわかっている。
この状態から、第1ヒータH1に所定の電力値の電力を供給して、ライトヘッド16Wの浮上量を所望の浮上量FH(一例では、1nm)にする場合、
図5に示すように、汚れDが磁気ディスク12に押し付けられる。この時、汚れDを磁気ディスク12の回転によって完全に除去できなかった場合、ライトヘッド16Wの浮上量は、所望の浮上量FHよりも大きくなる。汚れDが磁気ディスク12に接触し、磁気ディスク12が回転しているため、汚れDと磁気ディスク12との間で摩擦力Fが生じる。
【0031】
図6は、上記実施形態に係る磁気ディスク装置10の磁気ディスク12及び磁気ヘッド16を示す平面図である。
図6に示すように、磁気ヘッド16は、磁気ディスク12の半径方向における外周側に位置している。
図5に示すように、ライトヘッド16Wに汚れDが付着している場合、摩擦力Fは、磁気ディスク12の回転方向に作用する。摩擦力Fは、ヘッドアクチュエータ18の回動方向と同じ向きの成分F1を有している。このため、摩擦力Fによってライトヘッド16Wに、目標トラックに対する半径方向のずれ(以下、単に「位置決め誤差」とも称する)が生じる場合がある。
上記のことから、位置決め誤差が所定の値より大きいか否かを基に、ライトヘッド16Wに汚れDが付着しているか否かを判断することができる。なお、磁気ディスク装置10が外部からの振動を受けると、位置決め誤差が大きくなることがあるため、ライトヘッド16Wの浮上量と併せて判断することが好ましい。
【0032】
次に、
図7及び
図8を参照して、ライトヘッド16Wに汚れDが付着した場合における浮上量の変化量と位置決め誤差との関係について説明する。
図7は、ライトヘッド16Wに汚れが付着した場合における、ライトヘッド16Wの所望の浮上量からの変化を示すグラフである。
図8は、ライトヘッド16Wに汚れが付着した状態における、ライトヘッド16Wの位置決め誤差の変化を示すグラフである。
【0033】
図7に示すように、時間Tまでの間、ライトヘッド16Wの浮上量は、所望の浮上量FHである。時間Tにライトヘッド16Wに汚れDが付着すると、ライトヘッド16Wの浮上量の変化量は、増加し始める。一方、
図8に示すように、ライトヘッド16Wの位置決め誤差も時間Tに増加し始める。つまり、浮上量の変化量と位置決め誤差とは、ほぼ同時に増加し始める。
その後、浮上量の変化量は徐々に増加し、第1閾値A1を超える。一例において、第1閾値A1は、所望の浮上量FHからの変化(増加)量に対する閾値であり、例えば、0.5nmである。なお、第1閾値A1は、磁気ディスク12からのライトヘッド16Wの浮上量に対する閾値であってもよい。
【0034】
一方、位置決め誤差も徐々に増加し、第2閾値A2を超える。一例において、第2閾値A2は、磁気ディスク12の半径方向におけるライトヘッド16Wがデータをライト可能な範囲であり、例えば、トラック幅に対して20%振れた位置である。
上述のようにライトヘッド16Wに汚れDが付着すると、浮上量及び位置決め誤差がほぼ同時に増加するため、浮上量の変化量が第1閾値A1を超え、且つ、位置決め誤差が第2閾値A2を超えた場合に、ライトヘッド16Wに汚れDが付着したと判断することができる。本実施形態に係る磁気ディスク装置10では、ライトヘッド16Wに汚れDが付着したと判断した場合、汚れDを除去する動作を行う。
【0035】
次に、
図5、
図9、
図10を参照して、汚れの付着を検出してから、汚れDを除去し、再びライトするまでの磁気ヘッド16の動作について説明する。
図5に示すように、ライトヘッド16Wは、第1閾値A1よりも上方に位置している。この時、ライトヘッド16Wの位置決め誤差が第2閾値A2を超えている場合、ヒータ制御部46cでヒータ電力供給回路34を制御して汚れDを除去する動作を行う。具体的には、第1ヒータH1に供給する電力の電力値を増加させる。好ましくは、ライトヘッド16Wの浮上量が所望の浮上量の半分以下の浮上量になるように、第1ヒータH1に供給する電力の電力値を増加させる。一例において、所望の浮上量FHの50%の浮上量が得られる電力値の電力を第1ヒータH1に供給する。
【0036】
図9は、汚れ除去動作時における磁気ディスク12及び磁気ヘッド16を示す断面図である。
図9に示すように、第1ヒータH1には所望の浮上量FHの50%の浮上量が得られる電力値の電力が供給され、ライトヘッド16Wの浮上量は、所望の浮上量FHの半分程度である。汚れDは、回転している磁気ディスク12に押圧され、磁気ディスク12の回転によってライトヘッド16Wから除去される。その後、ヒータ制御部46cでヒータ電力供給回路34を制御して第1ヒータH1に供給されている電力の電力値を所定の電力値に戻す。
【0037】
図10は、汚れ除去後における磁気ディスク12及び磁気ヘッド16を示す断面図である。
図10に示すように、磁気ディスク12側の汚れDが除去され、ライトヘッド16Wの浮上量は、所望の浮上量FHである。また、ライトヘッド16Wの所望の浮上量FHからの変化量は、第1閾値A1未満である。この場合、ライト制御部46aで記録電流供給回路32を制御して磁気ディスク12にデータをライトする。
【0038】
以下、汚れDの付着を検出し、汚れDを除去する処理の手順について説明する。
図11は、上記実施形態に係る磁気ディスク装置10のライト処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図12は、
図11に続く、上記実施形態に係る磁気ディスク装置10のライト処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図11及び
図12に示すように、ライト処理を開始すると、メインコントローラ40は、データをライトするセクタを含む所定のトラックにライトヘッド16Wを位置決めし(S1)、第1ヒータH1に所定の電力値の電力を供給し(S2)、第1検出部46dでライトヘッド16Wの浮上量を検出する。
【0039】
次に、メインコントローラ40は、ライトヘッド16Wの浮上量が第1閾値A1を超えているか否かを判断し(S4)、浮上量が第1閾値A1を超えていない場合、ライトヘッド16Wに汚れDが付着していないと判断し、ライトヘッド16Wでデータを磁気ディスク12にライトし(S15)、ライト処理を終了する。
浮上量が第1閾値を超えている場合(S4)、メインコントローラ40は、第2検出部46eでライトヘッド16Wの位置決め誤差を検出し(S5)、ライトヘッド16Wの位置決め誤差が第2閾値A2を超えているか否かを判断する(S6)。
【0040】
位置決め誤差が第2閾値A2を超えていない場合(S6)、メインコントローラ40は、ライトヘッド16Wに汚れDが付着していないと判断し、ステップS15を実行し、ライト処理を終了する。
位置決め誤差が第2閾値A2を超えている場合(S6)、メインコントローラ40は、ライトヘッド16Wに汚れDが付着していると判断し、ライトヘッド16Wを任意のトラックに位置決めし(S7)、第1ヒータH1に供給する電力の電力値を増加させ(S8)、汚れ除去動作を行う。上記した任意のトラックは、例えば、汚れ除去用トラック12aである。
汚れ除去動作を行った後、メインコントローラ40は、ライトヘッド16Wを所定のトラックに位置決めし直し(S9)、第1ヒータH1に供給する電力の電力値を所定の電力値に戻す(10)。
【0041】
その後、メインコントローラ40は、再び、第1検出部46dでライトヘッド16Wの浮上量を検出し(S11)、ライトヘッド16Wの浮上量が第1閾値A1を超えているか否かを判断し(S12)、浮上量が第1閾値A1を超えていない場合、ライトヘッド16Wに汚れDが付着していないと判断し、ステップS15を実行し、ライト処理を終了する。
浮上量が第1閾値A1を超えている場合(S12)、メインコントローラ40は、第2検出部46eでライトヘッド16Wの位置決め誤差を検出し(S13)、ライトヘッド16Wの位置決め誤差が第2閾値A2を超えているか否かを判断する(S14)。
【0042】
位置決め誤差が第2閾値A2を超えていない場合(S14)、メインコントローラ40は、ライトヘッド16Wに汚れDが付着していないと判断し、ステップS15を実行し、ライト処理を終了する。
位置決め誤差が第2閾値A2を超えている場合(S14)、メインコントローラ40は、ライトヘッド16Wに汚れDが付着していると判断し、ステップS7からステップS14までの処理を再び実行する。
【0043】
なお、上記したライト処理の手順において、ステップS3及びステップS4を、ステップS5及びステップS6と入れ替えてもよい。
図11で例えると、ステップS2を実行した後、ステップS5及びステップS6を行い、位置決め誤差が第2閾値A2を超えている場合に、ステップS3及びステップS4を実行してもよい。
同様に、ステップS11及びステップS12を、ステップS13及びステップS14と入れ替えてもよい。
図12で例えると、ステップS10を実行した後、ステップS13及びステップS14を実行し、位置決め誤差が第2閾値A2未満を超えている場合に、ステップS11及びステップS12を実行してもよい。
【0044】
上述したように、磁気ディスク12は、汚れ除去用トラック12aを無しに構成されてもよい。この場合、ライト処理の手順において、ステップS7及びステップS9を実行しなくともよい。
図11及び
図12で例えると、ステップS6を実行し、位置決め誤差が第2閾値A2を超えている場合に、ステップS8を実行し、ステップS10を実行する処理であってもよい。
【0045】
実施形態の効果について説明する。
本実施形態に係る磁気ディスク装置10によれば、メインコントローラ40は、ライトヘッド16Wで磁気ディスク12にデータをライトする際、ライトヘッド16Wの浮上量及びライトヘッド16Wの位置決め誤差を検出し、ライトヘッド16Wの浮上量が第1閾値A1を超え、且つ、ライトヘッド16Wの位置決め誤差が第2閾値A2を超えている場合、第1ヒータH1に供給している電力の電力値を増加させる。
これにより、ライトヘッド16Wに付着した汚れDを除去することで、ライト性能の低下を抑制し、記録の精度を向上できる磁気ディスク装置10を得ることができる。
【0046】
第1検出部46dは、再生信号の一次成分と三次成分との比からライトヘッド16Wの浮上量を検出する。これにより、より正確にライトヘッド16Wの浮上量を検出できるため、汚れ除去動作時におけるライトヘッド16Wが磁気ディスク12に接触することを抑制することができる。
磁気ディスク12が汚れ除去用トラック12aを有している場合、メインコントローラ40は、ライトヘッド16Wを汚れ除去用トラック12aに位置決めしてから、汚れ除去動作を行う。これにより、データがライトされている領域における摩耗による減磁を防止することができる。
磁気ヘッド16の移動がストッパSTによって制限された場合に、ライトヘッド16Wは、汚れ除去用トラック12aに位置決めされる。これにより、磁気ヘッド16をストッパSTに押し付けるだけで、つまりサーボによる位置決め調整を行うことなく、ライトヘッド16Wを汚れ除去用トラック12aに位置決めすることができる。
【0047】
本発明の実施形態を説明したが、実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上述した新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0048】
10…磁気ディスク装置、12…磁気ディスク、12a…汚れ除去用トラック、16…磁気ヘッド、16R…リードヘッド、16W…ライトヘッド、40…メインコントローラ、46d…第1検出部、46e…第2検出部、47…メモリ、A1…第1閾値、A2…第2閾値、汚れ…D、F…摩擦力、F1…成分、H…ヒータ、H1…第1ヒータ、H2…第2ヒータ、ST…ストッパ。