(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135931
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】投資装置、投資方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/04 20120101AFI20240927BHJP
G06Q 50/06 20240101ALI20240927BHJP
【FI】
G06Q40/04
G06Q50/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023046847
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】302064762
【氏名又は名称】株式会社日本総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100115749
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 英和
(72)【発明者】
【氏名】杉本 涼輔
【テーマコード(参考)】
5L040
5L049
5L050
5L055
【Fターム(参考)】
5L040BB55
5L049CC06
5L050CC06
5L055BB55
(57)【要約】
【課題】従来、顧客の継続的な投資を容易に支援できなかった。
【解決手段】ユーザ識別子に対応付けて、ユーザ識別子で識別されるユーザの公共料金を取得する料金取得部131と、1以上の各ユーザ識別子に対応付き、閾値金額を含むユーザ情報が格納されるユーザ管理部111に格納されている閾値金額であり、公共料金に対応するユーザ識別子に対応付く閾値金額を取得する閾値金額取得部132と、投資額を取得する投資額取得部133と、料金取得部131が取得した公共料金が、閾値金額取得部132が取得した閾値金額に対して投資条件を満たす場合、投資額取得部133が取得した投資額が示す金額を投資するための処理である投資処理を行う投資部134とを具備する投資装置1により、顧客の継続的な投資を容易に支援できる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ識別子に対応付けて、当該ユーザ識別子で識別されるユーザの公共料金を取得する料金取得部と、
1以上の各ユーザ識別子に対応付き、閾値金額を含むユーザ情報が格納されるユーザ管理部に格納されている閾値金額であり、前記公共料金に対応する前記ユーザ識別子に対応付く閾値金額を取得する閾値金額取得部と、
投資額を取得する投資額取得部と、
前記料金取得部が取得した前記公共料金が、前記閾値金額取得部が取得した前記閾値金額に対して投資条件を満たす場合、前記投資額取得部が取得した前記投資額が示す金額を投資するための処理である投資処理を行う投資部とを具備する投資装置。
【請求項2】
前記投資額取得部は、
前記公共料金または前記閾値金額のうちの1以上の情報に基づいて、前記投資額を取得する請求項1記載の投資装置。
【請求項3】
前記ユーザ管理部の前記閾値金額は、公共料金識別子に対応付いており、
前記料金取得部は、
公共料金識別子に対応付く公共料金を取得し、
前記閾値金額取得部は、
前記公共料金識別子に対応付く前記閾値金額を取得する請求項1記載の投資装置。
【請求項4】
前記閾値金額は2以上の公共料金の合計金額であり、
前記料金取得部は、
前記ユーザ識別子に対応付けて、2以上の公共料金を取得し、
前記投資額取得部と、
前記料金取得部が取得した前記2以上の公共料金の合計金額が、前記閾値金額取得部が取得した前記閾値金額を下回る場合、当該2以上の公共料金の合計金額または当該閾値金額のうちの1以上の情報に基づく投資額を取得する請求項1記載の投資装置。
【請求項5】
前記ユーザ情報は、当該ユーザの過去の1以上の公共料金を有し、
前記閾値金額取得部は、
前記過去の1以上の公共料金を用いて、前記閾値金額を取得する請求項1記載の投資装置。
【請求項6】
前記投資額取得部が取得した前記投資額に応じた省エネへの貢献に関する情報である貢献情報を取得し、当該貢献情報を出力する貢献出力部とをさらに具備する請求項1記載の投資装置。
【請求項7】
料金取得部と、閾値金額取得部と、投資額取得部と、投資部とにより実現される投資方法であって、
前記料金取得部が、ユーザ識別子に対応付けて、当該ユーザ識別子で識別されるユーザの公共料金を取得する料金取得ステップと、
前記閾値金額取得部が、1以上の各ユーザ識別子に対応付き、閾値金額を含むユーザ情報が格納されるユーザ管理部に格納されている閾値金額であり、前記公共料金に対応する前記ユーザ識別子に対応付く閾値金額を取得する閾値金額取得ステップと、
前記投資額取得部が、投資額を取得する投資額取得ステップと、
前記投資部が、前記料金取得ステップで取得された前記公共料金が、前記閾値金額取得ステップで取得された前記閾値金額に対して投資条件を満たす場合、前記投資額取得ステップで取得された前記投資額が示す金額を投資するための処理である投資処理を行う投資ステップとを具備する投資方法。
【請求項8】
コンピュータを、
ユーザ識別子に対応付けて、当該ユーザ識別子で識別されるユーザの公共料金を取得する料金取得部と、
1以上の各ユーザ識別子に対応付き、閾値金額を含むユーザ情報が格納されるユーザ管理部に格納されている閾値金額であり、前記公共料金に対応する前記ユーザ識別子に対応付く閾値金額を取得する閾値金額取得部と、
投資額を取得する投資額取得部と、
前記料金取得部が取得した前記公共料金が、前記閾値金額取得部が取得した前記閾値金額に対して投資条件を満たす場合、前記投資額取得部が取得した前記投資額が示す金額を投資するための処理である投資処理を行う投資部として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの投資を支援する投資装置等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、クレジット・カードや電子マネー等の日々のお買い物データから算出されるお買い物のおつり相当分や各種ポイントを、 毎日、投資できるアプリサービスがあった(非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】“おつりで投資「トラノコ」、「OYO LIFE」と連携を開始”、[online]、[令和5年2月7日検索]、インターネット[URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000054.000023255.html]
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術においては、顧客の継続的な投資を容易に支援できなかった。また、従来技術においては、SDGsの観点からの寄与ができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本第一の発明の投資装置は、ユーザ識別子に対応付けて、ユーザ識別子で識別されるユーザの公共料金を取得する料金取得部と、1以上の各ユーザ識別子に対応付き、閾値金額を含むユーザ情報が格納されるユーザ管理部に格納されている閾値金額であり、公共料金に対応するユーザ識別子に対応付く閾値金額を取得する閾値金額取得部と、投資額を取得する投資額取得部と、料金取得部が取得した公共料金が、閾値金額取得部が取得した閾値金額に対して投資条件を満たす場合、投資額取得部が取得した投資額が示す金額を投資するための処理である投資処理を行う投資部とを具備する投資装置である。
【0006】
かかる構成により、顧客の継続的な投資を容易に支援できる。また、かかる構成により、ユーザの電気代等の公共料金の節約を促進する結果、SDGsの観点からの寄与ができる。
【0007】
また、本第二の発明の投資装置は、第一の発明に対して、投資条件は、料金取得部が取得した公共料金が、閾値金額取得部が取得した閾値金額を下回ることである投資装置である。
【0008】
かかる構成により、顧客の継続的な投資を容易に支援できる。
【0009】
また、本第三の発明の投資装置は、第一または第二の発明に対して、投資額取得部は、公共料金または閾値金額のうちの1以上の情報に基づいて、投資額を取得する投資装置である。
【0010】
かかる構成により、顧客の継続的で適切な投資を容易に支援できる。
【0011】
また、本第四の発明の投資装置は、第一から第三いずれか1つの発明に対して、ユーザ管理部の閾値金額は、公共料金識別子に対応付いており、料金取得部は、公共料金識別子に対応付く公共料金を取得し、閾値金額取得部は、公共料金識別子に対応付く閾値金額を取得する投資装置である。
【0012】
かかる構成により、顧客の継続的な投資を容易に支援できる。
【0013】
また、本第五の発明の投資装置は、第一から第四いずれか1つの発明に対して、閾値金額は2以上の公共料金の合計金額であり、料金取得部は、ユーザ識別子に対応付けて、2以上の公共料金を取得し、投資額取得部と、料金取得部が取得した2以上の公共料金の合計金額が、閾値金額取得部が取得した閾値金額を下回る場合、2以上の公共料金の合計金額または閾値金額のうちの1以上の情報に基づく投資額を取得する投資装置である。
【0014】
かかる構成により、顧客の継続的な投資を容易に支援できる。
【0015】
また、本第六の発明の投資装置は、第一から第五いずれか1つの発明に対して、ユーザ識別子に対応付く閾値金額を自動的に取得する閾値金額取得部をさらに具備し、ユーザ管理部のユーザ識別子に対応付く閾値金額は、閾値金額取得部が取得した閾値金額である投資装置である。
【0016】
かかる構成により、顧客の継続的な投資をより容易に支援できる。
【0017】
また、本第七の発明の投資装置は、第六の発明に対して、ユーザ情報は、1以上のユーザ属性値を有し、閾値金額取得部は、1以上のユーザ属性値を用いて、閾値金額を取得する投資装置である。
【0018】
かかる構成により、顧客の継続的な投資をより容易に支援できる。
【0019】
また、本第八の発明の投資装置は、第六の発明に対して、ユーザ情報は、ユーザの過去の1以上の公共料金を有し、閾値金額取得部は、過去の1以上の公共料金を用いて、閾値金額を取得する投資装置である。
【0020】
かかる構成により、顧客の継続的な投資をより容易に支援できる。
【0021】
また、本第九の発明の投資装置は、第一から第八いずれか1つの発明に対して、投資部が行った投資処理の結果に関する投資状況情報を取得する状況取得部と、投資状況情報に応じたレコメンド情報を取得し、レコメンド情報を出力するレコメンド部とをさらに具備する投資装置である。
【0022】
かかる構成により、顧客の継続的な投資を容易に支援できる。
【0023】
また、本第十の発明の投資装置は、第一から第九いずれか1つの発明に対して、投資額取得部が取得した投資額に応じた省エネへの貢献に関する情報である貢献情報を取得し、貢献情報を出力する貢献出力部とをさらに具備する投資装置である。
【0024】
かかる構成により、顧客の継続的な投資を容易に支援でき、かつ省エネにも貢献できる。
【発明の効果】
【0025】
本発明による投資装置によれば、顧客の継続的な投資を容易に支援できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】実施の形態1における投資システムAの概念図
【
図3】同投資装置1の動作例について説明するフローチャート
【
図4】同投資判断処理の例について説明するフローチャート
【
図5】同投資額決定処理の例について説明するフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、投資装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0028】
(実施の形態1)
本実施の形態において、ユーザ識別子に対応付けて、投資を行うか否かの判断に利用する閾値金額が設定されており、ユーザが使った公共料金を取得し、当該公共料金が閾値金額に対して投資条件を満たすに、投資額を取得し、当該投資額の分の金額を投資するための投資処理を行う投資装置について説明する。なお、投資条件は、例えば、公共料金が閾値金額を下回ることである。また、閾値金額は2以上の公共料金の合計でも良く、かかる場合、2以上の公共料金を取得し、当該2以上の公共料金の合計金額と閾値金額とを用いて投資額を決定する。
【0029】
また、本実施の形態において、閾値金額は、公共料金識別子に対応付いており、公共料金識別子と対に公共料金を取得し、当該公共料金識別子と対になる閾値金額と使用した公共料金とを用いて投資額を決定し、当該投資額を投資するための投資処理を行う投資装置について説明する。
【0030】
また、本実施の形態において、閾値金額を自動取得する投資装置について説明する。かかる場合、投資装置は、例えば、ユーザ属性値(例えば、家族構成、住居の属性値)、当該ユーザの過去の公共料金を用いて、閾値金額を自動取得する
【0031】
また、本実施の形態において、ユーザの投資の状況に応じたレコメンド機能を有する投資装置について説明する。
【0032】
さらに、本実施の形態において、ユーザの投資額から、省エネへの貢献に関する情報を取得し、出力する投資装置について説明する。なお、省エネへの貢献は、SDGsの観点での貢献である。
【0033】
本実施の形態において、情報Xが情報Yに対応付いていることは、情報Xから情報Yを取得できること、または情報Yから情報Xを取得できることであり、その対応付けの方法は問わない。情報Xと情報Yとがリンク付いていても良いし、同じバッファに存在していても良いし、情報Xが情報Yに含まれていても良いし、情報Yが情報Xに含まれている等でも良い。
【0034】
図1は、本実施の形態における投資システムAの概念図である。投資システムAは、投資装置1、および1または2以上の端末装置2を備える。
【0035】
投資装置1とは、ユーザの投資を支援する装置である。投資装置1は、ここではサーバである。投資装置1は、例えば、クラウドサーバ、ASPサーバ等である。なお、投資装置1は、ユーザが使用する端末でも良い。
【0036】
端末装置2は、ユーザが使用する端末である。端末装置2は、例えば、いわゆるパーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等であり、その種類は問わない。
【0037】
投資装置1と1以上の各端末装置2とは、通常、インターネット等のネットワークにより、相互に通信可能である。
【0038】
図2は、本実施の形態における投資システムAのブロック図である。投資装置1は、格納部11、受付部12、処理部13、および出力部14を備える。格納部11は、ユーザ管理部111を備える。処理部13は、料金取得部131、閾値金額取得部132、投資額取得部133、投資部134、および状況取得部135を備える。出力部14は、レコメンド部141、および貢献出力部142を備える。
【0039】
端末装置2は、端末格納部21、端末受付部22、端末処理部23、端末送信部24、端末受信部25、および端末出力部26を備える。
【0040】
投資装置1を構成する格納部11には、各種の情報が格納される。各種の情報は、例えば、後述するユーザ情報、1または2以上のレコメンド情報、1または2以上の貢献情報である。
【0041】
格納部11の1または2以上の各レコメンド情報は、通常、累積投資額、または投資額に対応付く。格納部11の1または2以上の各レコメンド情報は、例えば、累積投資額の幅または投資額の幅に対応付いている。
【0042】
格納部11の1または2以上の各貢献情報は、通常、投資額、または公共料金に対応付く。格納部11の1または2以上の各貢献情報は、例えば、投資額の幅、または公共料金と閾値金額との差の幅に対応付いている。
【0043】
ユーザ管理部111には、1または2以上のユーザ情報が格納される。ユーザ情報とは、ユーザに関する情報である。ユーザ情報は、ユーザ識別子に対応付く。ユーザ情報は、1または2以上の閾値金額を含む。ユーザ情報は、例えば、1以上のユーザ属性値を含む。ユーザ情報は、例えば、当該ユーザが支払う1以上の公共料金を含む。ユーザ情報が2以上の公共料金を含む場合、例えば、各公共料金は公共料金識別子に対応付いている。ユーザ情報は、例えば、毎月の1以上の公共料金を含む。ユーザ情報は、例えば、投資額、累積投資額、運用実績を含む。
【0044】
閾値金額とは、投資を行うか否かの判断のために使用される金額の情報であり、公共料金の情報である。ユーザ情報が2以上の閾値金額を含む場合、各閾値金額は公共料金識別子に対応付いている。
【0045】
公共料金識別子とは、公共料金を識別する情報である。公共料金識別子は、例えば、「電気」「ガス」「水道」である。
【0046】
ユーザ識別子とは、ユーザを識別する情報である。ユーザ識別子は、例えば、ユーザID、氏名、電話番号、メールアドレスであるが、問わない。
【0047】
ユーザ属性値とは、ユーザの属性値である。ユーザ属性値は、例えば、同居の家族の人数、家族構成を示す情報、性別、年齢、職業、在宅勤務の頻度に関する情報、電気自動者の所有台数、住居の種類、住所、オール電化か否かを示す情報である。
【0048】
投資額とは、ユーザが投資する金額または投資した金額である。累積投資額とは、今までまたは所定期間に投資した金額である。運用実績とは、投資に対する運用の実績に関する情報である。運用実績は、例えば、投資により儲けた金額、投資により出た損失の金額、騰落率、現在ユーザが所有する金額である。
【0049】
受付部12は、各種の指示や情報を受け付ける。各種の指示や情報は、例えば、ユーザ情報、出力指示である。受付部12は、例えば、各種の指示や情報を端末装置2から受信する。
【0050】
出力指示とは、情報の出力の指示である。ここでの情報は、例えば、後述するレコメンド情報、後述する貢献情報、投資額、運用実績である。
【0051】
処理部13は、各種の処理を行う。各種の処理とは、例えば、料金取得部131、閾値金額取得部132、投資額取得部133、投資部134、状況取得部135が行う処理である。
【0052】
料金取得部131は、ユーザの公共料金を取得する。料金取得部131は、通常、ユーザ識別子に対応付けて、当該ユーザ識別子で識別されるユーザの公共料金を取得する。
【0053】
料金取得部131は、例えば、公共料金識別子に対応付く公共料金を取得する。料金取得部131は、例えば、ユーザ識別子に対応付けて、2以上の公共料金を取得する。
【0054】
料金取得部131は、例えば、ユーザ識別子をキーとして、図示しない公共料金サーバから公共料金を検索し、当該公共料金を公共料金サーバから受信する。料金取得部131は、例えば、ユーザ識別子をキーとして、ユーザ管理部111を検索し、ユーザ識別子と対になる公共料金を取得する。料金取得部131は、例えば、端末装置2から送信された公共料金を受信する。つまり、公共料金の元々の存在場所は問わない。
【0055】
料金取得部131が、一のユーザ識別子に対応付く2以上の公共料金を取得する場合、各々異なる公共料金サーバから取得することは好適である。料金取得部131は、例えば、一のユーザの2以上の各公共料金を、公共料金識別子に対応付けて、取得する。
【0056】
閾値金額取得部132は、ユーザ管理部111に格納されている閾値金額を取得する。閾値金額取得部132は、例えば、1以上の各ユーザ識別子と対になる閾値金額をユーザ管理部111から取得する。
【0057】
閾値金額取得部132は、例えば、料金取得部131が取得した公共料金に対応付く公共料金識別子に対応付く閾値金額を取得する。
【0058】
閾値金額取得部132は、ユーザ識別子に対応付く閾値金額を自動的に決定することは好適である。つまり、閾値金額取得部132は、ユーザごとに、閾値金額を自動的に決定することは好適である。
【0059】
閾値金額取得部132は、1以上のユーザ属性値を用いて、閾値金額を取得する。閾値金額取得部132は、例えば、1以上のユーザ属性値に対応する閾値金額を格納部11から取得する。閾値金額取得部132は、例えば、ユーザ属性値である「家族の人数」に対応する閾値金額を格納部11から取得する。閾値金額取得部132は、例えば、ユーザ属性値である「家族の人数」と同一の人数のユーザの公共料金の代表値を取得し、当該代表値を閾値金額として決定する。なお、代表値は、例えば、平均値、中央値である。格納部11に、ユーザ属性値ごと、またはユーザ属性値の範囲ごとに、閾値金額が格納されていても良い。例えば、格納部11に、家族の人数ごとの閾値金額が格納されていても良い。例えば、格納部11に、年収の範囲ごとの閾値金額が格納されていても良い。例えば、格納部11に、居住地域ごとの閾値金額が格納されていても良い。
【0060】
閾値金額取得部132は、例えば、一のユーザの過去の1または2以上の公共料金を用いて、閾値金額を取得する。閾値金額取得部132は、例えば、一のユーザの過去の2以上の公共料金の代表値を閾値金額として決定する。代表値は、例えば、平均値、中央値、最低値、最高値である。なお、一のユーザの過去の1または2以上の公共料金は、例えば、ユーザ管理部111に格納されている。
【0061】
投資額取得部133は、投資額を取得する。投資額取得部133は、投資条件を満たす場合に投資額を取得することは好適である。なお、投資額取得部133が投資条件を満たすか否かを判断しても良いし、他の構成要素(例えば、投資部134、図示しない判断手段)が投資条件を満たすか否かを判断しても良い。
【0062】
投資額は、固定の金額(例えば、100円)でも良いし、公共料金または閾値金額のうちの1以上の情報に基づく投資額でも良い。公共料金または閾値金額のうちの1以上の情報に基づく投資額は、例えば、「閾値金額―公共料金」の金額である。公共料金または閾値金額のうちの1以上の情報に基づく投資額は、例えば、「(閾値金額―公共料金)×0.8」の金額である。公共料金または閾値金額のうちの1以上の情報に基づく投資額は、例えば、「公共料金×0.1」の金額である公共料金または閾値金額のうちの1以上の情報に基づく投資額は、例えば、「閾値×0.05」の金額である
【0063】
投資条件とは、投資を行うための条件である。投資条件は、公共料金と閾値金額とに基づく条件であることは好適である。投資条件は、例えば、公共料金が閾値金額を下回ることである。つまり、投資額取得部133は、料金取得部131が取得した公共料金が、閾値金額取得部132が取得した閾値金額を下回る場合、投資額を取得することは好適である。投資条件は、例えば、「閾値金額-公共料金>=閾値金額」「公共料金/閾値金額>=閾値割合」である。なお、投資条件は、公共料金が閾値金額を上回らないことは好適である。
【0064】
投資部134は、投資処理を行う。投資部134は、通常、投資条件を満たす場合、投資処理を行う。投資部134が投資処理を行うタイミングは問わない。投資部134は、例えば、月に1回等、定期的に投資処理を行う。投資部134は、例えば、ユーザからの指示が受け付けられた場合に投資処理を行う。
【0065】
投資処理とは、投資額取得部133が取得した投資額が示す金額を投資するための処理である。投資処理は、ユーザの投資を支援する処理であれば良い。投資処理は、例えば、ユーザ識別子と投資額とを有する投資情報を、図示しない投資サーバに送信する処理である。投資処理は、例えば、投資額を有する投資情報を、当該ユーザの端末装置2に送信する処理である。投資処理は、例えば、ユーザ識別子と投資額とを有する投資情報を、格納部11に蓄積する処理である。蓄積された投資情報は、例えば、ユーザが閲覧したり、図示しない投資サーバに送信されたりする。
【0066】
状況取得部135は、投資状況情報を取得する。状況取得部135は、例えば、図示しない投資サーバから投資状況情報を取得する。状況取得部135は、例えば、格納部11から投資状況情報を取得する。
【0067】
投資状況情報とは、投資の結果に関する情報である。投資状況情報は、通常、投資部134が行った投資処理の結果に関する情報である。投資状況情報は、例えば、時情報と投資額の組の集合、時情報とその時の累積投資額の組の集合、時情報とその時の運用実績の情報の組の集合である。投資状況情報は、ユーザ識別子に対応付けて、図示しない投資サーバまたは格納部11に格納されている。時情報とは、時期を示す情報であり、例えば、年月、年月日である。
【0068】
出力部14は、各種の情報を出力する。各種の情報は、例えば、レコメンド情報、貢献情報、投資額、累積投資額、運用実績である。
【0069】
ここで出力とは、通常、端末装置2への送信であるが、ディスプレイへの表示、プロジェクターを用いた投影、プリンタでの印字、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念であっても良い。
【0070】
レコメンド部141は、状況取得部135が取得した投資状況情報に応じたレコメンド情報を取得し、当該レコメンド情報を出力する。ここでの出力は、通常、端末装置2への送信である。レコメンド部141は、例えば、投資状況情報に対応するレコメンド情報を格納部11から取得する。
【0071】
貢献出力部142は、投資額取得部133が取得した投資額に応じた貢献情報を取得し、貢献情報を出力する。貢献出力部142は、例えば、投資額に対応する貢献情報を格納部11から取得する。
【0072】
貢献情報とは、省エネへの貢献に関する情報である。貢献情報とは、SDGsに対する貢献に関する情報である。
【0073】
端末装置2を構成する端末格納部21には、各種の情報が格納される。各種の情報とは、例えば、ユーザ識別子である。
【0074】
端末受付部22は、各種の情報や指示等を受け付ける。各種の情報や指示等とは、例えば、閾値金額、出力指示である。出力指示とは、レコメンド情報または/および貢献情報の出力の指示である。
【0075】
ここで、受け付けとは、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力デバイスから入力された情報の受け付け、有線もしくは無線の通信回線を介して送信された情報の受信、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなどの記録媒体から読み出された情報の受け付けなどを含む概念である。
【0076】
各種の情報や指示等の入力手段は、タッチパネルやキーボードやマウスやメニュー画面によるもの等、何でも良い。
【0077】
端末処理部23は、各種の処理を行う。各種の処理は、例えば、受け付けられた情報や指示等を、送信する構造の情報や指示等にする処理である。各種の処理は、例えば、受信された情報を出力する構造の情報にする処理である。
【0078】
端末送信部24は、各種の情報や指示等を投資装置1に送信する。各種の情報や指示等は、例えば、閾値金額、出力指示である。
【0079】
端末受信部25は、各種の情報を投資装置1から受信する。各種の情報は、例えば、投資状況情報、レコメンド情報、貢献情報である。
【0080】
端末出力部26は、各種の情報を出力する。各種の情報は、例えば、投資状況情報、レコメンド情報、貢献情報である。
【0081】
格納部11、ユーザ管理部111、および端末格納部21は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0082】
格納部11等に情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して情報が格納部11等で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された情報が格納部11等で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された情報が格納部11等で記憶されるようになってもよい。
【0083】
受付部12は、無線または有線の通信手段で実現されることが好適であるが、放送を受信する手段、タッチパネルやキーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現されても良い。
【0084】
処理部13、料金取得部131、閾値金額取得部132、投資額取得部133、投資部134、状況取得部135、および端末処理部23は、通常、プロセッサやメモリ等から実現され得る。処理部13等の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。なお、プロセッサは、CPU、MPU、GPU等であり、その種類は問わない。
【0085】
出力部14、レコメンド部141、および貢献出力部142、端末送信部24は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送手段で実現されても良い。
【0086】
出力部14、レコメンド部141、および貢献出力部142は、ディスプレイやスピーカー等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。出力部14は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
【0087】
端末受付部22は、タッチパネルやキーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る。
【0088】
端末受信部25は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送を受信する手段で実現されても良い。
【0089】
端末出力部26は、ディスプレイやスピーカー等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。端末出力部26は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
【0090】
次に、投資システムAの動作例について説明する。まず、投資装置1の動作例について、
図3のフローチャートを用いて説明する。
【0091】
(ステップS301)処理部13は、投資開始のタイミングであるか否かを判断する。投資開始のタイミングであればステップS302に行き、投資開始のタイミングでなければステップS314に行く。
【0092】
なお、投資開始のタイミングは、例えば、予め決まっており、例えば、毎月月末である。投資開始のタイミングは、例えば、公共料金の更新が行われたことが、図示しない公共料金を管理するサーバから受信された時である。投資開始のタイミングは、例えば、投資装置1の管理者からの投資開始の指示が受け付けられた時である。
【0093】
(ステップS302)処理部13は、カウンタiに1を代入する。
【0094】
(ステップS303)処理部13は、投資を行う対象のユーザのi番目のユーザ識別子が存在するか否かを判断する。i番目のユーザ識別子が存在する場合はステップS304に行き、存在しない場合はステップS301に戻る。
【0095】
なお、例えば、投資を行う対象のユーザのユーザ情報は、ユーザ管理部111に格納されている。また、投資を行う対象のユーザの中には、投資条件に合致せずに、投資を行わないユーザが居ても良い。
【0096】
(ステップS304)処理部13は、i番目のユーザ識別子で識別されるユーザが投資をするか否かを判断する。なお、かかる投資判断処理の例について、
図4のフローチャートを用いて説明する。
【0097】
(ステップS305)ステップS304における判断結果が「投資をする」との判断結果である場合はステップS306に行き、「投資をしない」との判断結果である場合はステップS313に行く。
【0098】
(ステップS306)投資額取得部133は、投資額を決定する。かかる投資額決定処理の例について、
図5のフローチャートを用いて説明する。
【0099】
(ステップS307)投資部134は、ステップS306で決定された投資額を取得する。また、投資部134は、i番目のユーザ識別子を取得する。次に、投資部134は、当該投資額と当該ユーザ識別子とを有する投資情報を構成する。
【0100】
なお、投資部134は、当該ユーザ識別子と対になる投資に使用する情報(例えば、投資先を示す情報)をユーザ管理部111から取得し、当該情報をも含む投資情報を構成しても良い。
【0101】
(ステップS308)投資部134は、例えば、図示しない投資サーバに投資情報を送信する。
【0102】
(ステップS309)投資部134は、例えば、ステップS306で決定された投資額を、図示しない時計から取得した本日の日、およびユーザ識別子に対応付けて、ユーザ管理部111に蓄積する。
【0103】
(ステップS310)貢献出力部142は、ステップS306で決定された投資額に対応する貢献情報を格納部11から取得する。
【0104】
(ステップS311)出力部14は、貢献情報を有する通知情報を構成する。なお、通知情報は、投資額、本日の日付を有することは好適である。
【0105】
(ステップS312)出力部14は、ステップS311で構成した通知情報を、i番目のユーザ識別子と対になる電子メールアドレス宛に送信する。なお、ユーザ識別子と対になる電子メールアドレスは、例えば、ユーザ管理部111に格納されている。
【0106】
(ステップS313)処理部13は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS303に戻る。
【0107】
(ステップS314)受付部12は、端末装置2から出力指示を受信したか否かを判断する。出力指示を受信した場合はステップS315に行き、出力指示を受信しなかった場合はステップS322に行く。なお、出力指示は、ユーザ識別子と対応付く。
【0108】
(ステップS315)処理部13は、出力指示と対になるユーザ識別子を取得する。
【0109】
(ステップS316)処理部13は、ステップS315で取得したユーザ識別子と対になる運用実績を図示しない投資サーバから取得する。
【0110】
(ステップS317)処理部13は、ステップS316で取得した運用実績を、ステップS315で取得したユーザ識別子と対にして、ユーザ管理部111に蓄積する。
【0111】
(ステップS318)状況取得部135は、ステップS315で取得したユーザ識別子と対になる投資状況情報を取得する。
【0112】
なお、処理部13は、定期的または適切なタイミングで、図示しない投資サーバから各ユーザの運用実績を取得し、ユーザ識別子に対応付けてユーザ管理部111に蓄積していても良い。そして、状況取得部135は、例えば、ステップS315で取得したユーザ識別子と対になる運用実績をユーザ管理部111から取得し、当該運用実績を有する投資状況情報を取得する。
【0113】
(ステップS319)レコメンド部141は、ステップS318で取得された投資状況情報に対応するレコメンド情報を格納部11から取得する。
【0114】
(ステップS320)出力部14は、投資状況情報とレコメンド情報とを有する出力情報を構成する。
【0115】
(ステップS321)出力部14は、ステップS320で構成された出力情報を端末装置2に送信する。ステップS301に戻る。
【0116】
(ステップS322)受付部12は、端末装置2から1以上のユーザ属性値を受信したか否かを判断する。ユーザ属性値を受信した場合はステップS323に行き、ユーザ属性値を受信しなかった場合はステップS301に戻る。
【0117】
(ステップS323)処理部13は、ユーザ識別子に対応付けて、ステップS322で受信された1以上のユーザ属性値をユーザ管理部111に蓄積する。ステップS301に戻る。
【0118】
なお、
図3のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0119】
次に、ステップS304の投資判断処理の例について、
図4のフローチャートを用いて説明する。
【0120】
(ステップS401)料金取得部131は、カウンタiに1を代入する。
【0121】
(ステップS402)料金取得部131は、対象となるユーザ識別子に対応するi番目の公共料金識別子が存在するか否かを判断する。i番目の公共料金識別子が存在する場合はステップS403に行き、存在しない場合はステップS405に行く。
【0122】
(ステップS403)料金取得部131は、対象となるユーザ識別子とi番目の公共料金識別子とに対応する公共料金を、図示しない公共料金サーバまたはユーザ管理部111から取得し、図示しないバッファに一時蓄積する。
【0123】
(ステップS404)料金取得部131は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS402に戻る。
【0124】
(ステップS405)投資額取得部133は、対象となるユーザ識別子に対応する1以上の公共料金を図示しないバッファから取得し、当該1以上の公共料金に基づく公共料金を取得する。かかる公共料金は、閾値金額と比較対象の公共料金である。
【0125】
(ステップS406)閾値金額取得部132は、対象となるユーザ識別子に対応する閾値金額をユーザ管理部111から取得する。
【0126】
(ステップS407)投資部134は、比較対象の公共料金と閾値金額とを用いて、投資条件を満たすか否かを判断する。投資条件を満たす場合はステップS408に行き、投資条件を満たさない場合はステップS409に行く。
【0127】
(ステップS408)投資部134は、変数「判断結果」に「投資する」を代入する。上位処理にリターンする。
【0128】
(ステップS409)投資部134は、変数「判断結果」に「投資しない」を代入する。上位処理にリターンする。
【0129】
次に、ステップS306の投資額決定処理の例について、
図5のフローチャートを用いて説明する。
【0130】
(ステップS501)投資額取得部133は、比較対象の公共料金を取得する。
【0131】
(ステップS502)投資額取得部133は、閾値金額を取得する。
【0132】
(ステップS503)投資額取得部133は、閾値金額と公共料金とを用いて、投資額を取得する。上位処理にリターンする。
【0133】
以下、本実施の形態における投資システムAの具体的な動作例について説明する。
【0134】
今、投資装置1のユーザ管理部111に、
図6に示す構造を有するユーザ管理表が格納されている、とする。ユーザ管理表(
図6)は、ユーザ情報を管理する表である。ユーザ管理表は、「ID」「ユーザ識別子」「閾値金額情報」「ユーザ属性値」「投資額」「運用実績」「投資先識別子」を有する。「閾値金額情報」は「公共料金識別子」「閾値金額」を有する。「閾値金額情報」は、「ID=1」の閾値金額情報のように、一つの閾値金額でも良いし、「ID=2」の閾値金額情報のように、2以上の各公共料金の合計に対する閾値金額でも良いし、「ID=3」の閾値金額情報のように、2以上の各公共料金識別子ごとの閾値金額でも良い。「ID=1」の閾値金額情報のように、「公共料金識別子」が「-」(NULL)である場合は、公共料金識別子がデフォルトの公共料金識別子「電気」である、とする。「ユーザ属性値」は「家族の人数」「住居識別子」を有する。「住居識別子」は、例えば、「戸建て」「マンション」「アパート」である。「投資額」は、各月の投資額であり、ここでは「2022年10月」「2022年11月」「2022年12月」の3ヶ月の投資額であるが、すべての期間の投資額を含むことは好適である。「運用実績」は、各月の運用実績(ここでは、例えば、得た利益(円)または被った損失)であり、ここでは「2022年10月」「2022年11月」「2022年12月」の3ヶ月の運用実績であるが、すべての期間の運用実績を含むことは好適である。「投資先識別子」とは、投資先を識別する情報である。「投資先識別子」は、投資のコース(例えば、「日本株オープン」)を識別する情報でも良い。
【0135】
投資装置1の格納部11には、
図7に示すレコメンド情報管理表が格納されている、とする。レコメンド情報管理表は、「ID」「投資状況情報」「レコメンド情報」を有する1以上のレコードを有する。「投資状況情報」は、投資状況情報を用いた条件である。「ID=1」の「投資状況情報」は、投資額がX円以上であり、かつ運用実績がY円以下であることを示す。「ID=2」の「投資状況情報」は、「運用実績/投資額累積」がZ%以上(利回りがZ%以上)であり、かつ投資先が一つであることを示す。
【0136】
投資装置1の格納部11には、
図8に示す貢献情報管理表が格納されている、とする。貢献情報管理表は「ID」「住居識別子」「貢献情報」を有する1以上のレコードを有する。貢献情報に含まれる関数「f(投資額)」は、戸建てにおいて、投資額に対応するエネルギー量を算出する演算式である。貢献情報に含まれる関数「g(投資額)」は、マンションにおいて、投資額に対応するエネルギー量を算出する演算式である。また、関数「f(投資額)」「g(投資額)」は、投資額をパラメータとする増加関数である。
【0137】
かかる状況において、以下の4つの具体例について説明する。具体例1は、投資装置1が、ユーザ識別子「U001」で識別されるユーザAの投資を支援する場合である。具体例2は、投資装置1が、ユーザ識別子「U002」で識別されるユーザBの投資を支援する場合である。具体例3は、投資装置1が、ユーザ識別子「U003」で識別されるユーザCの投資を支援する場合である。具体例4は、出力指示に応じて、投資状況情報、レコメンド情報を出力する場合である。
【0138】
なお、投資装置1の格納部11には、投資のタイミングを特定する情報「毎月月末24時00分」が格納されている、とする。
【0139】
(具体例1)
2022年12月31日24時になり、投資装置1の処理部13は、投資開始のタイミングである、と判断する。
【0140】
次に、料金取得部131は、ユーザ管理表の1番目のユーザ識別子「U001」に対応する公共料金識別子が「-」であるので、デフォルトの公共料金識別子「電気」を取得する。
【0141】
次に、料金取得部131は、図示しない公共料金サーバから、ユーザ識別子「U001」と公共料金識別子「電気」とを用いて、当該ユーザの2022年12月の公共料金「7,600円」を取得した、とする。
【0142】
次に、投資額取得部133は、ユーザ識別子「U001」と対になる閾値金額「8,000円」をユーザ管理表(
図6)から取得する。次に、投資部134は、比較対象の公共料金と閾値金額とを用いて、投資条件「(閾値金額-公共料金)>=100円」を満たす、と判断する。
【0143】
次に、投資額取得部133は、投資額「閾値金額-公共料金=600円」を取得する。なお、ここで、投資額を算出する演算式は「閾値金額-公共料金」である、とする。ただし、演算式は、例えば、「(閾値金額-公共料金)×0.8」等でも良く、「閾値金額-公共料金」を超えない金額を算出する演算式であれば良い。
【0144】
次に、投資部134は、決定された投資額「600円」を取得する。また、投資部134は、ユーザ識別子「U001」を取得する。さらに、投資部134は、当該ユーザ識別子と対になる投資先識別子「投資先1」をユーザ管理表(
図6)から取得する。次に、投資部134は、当該投資額と当該ユーザ識別子と投資先識別子「投資先1」とを有する投資情報「<ユーザ識別子>U001 <投資先識別子>投資先1 <投資額>600円」を構成する。次に、投資部134は、図示しない投資サーバに投資情報を送信する。
【0145】
なお、図示しない投資サーバは、当該投資情報を受信し、投資のための情報処理を行う。かかる情報処理は公知技術であるので、詳細な説明は省略する。
【0146】
次に、貢献出力部142は、当該ユーザの住所識別子「戸建て」をユーザ管理表から取得する。また、貢献出力部142は、住所識別子「戸建て」と対になる貢献情報を、貢献情報管理表(
図8)から取得する。また、貢献出力部142は、決定された投資額「600円」を関数「f(投資額)」に入力し、エネルギー量「E(kw)」を算出した、とする。貢献出力部142は、貢献情報「E(kw)分の省エネが実現できました。」を取得する。
【0147】
次に、出力部14は、当該貢献情報と、投資額「600円」を有する通知情報を構成する。次に、出力部14は、構成した通知情報を、ユーザ識別子「U001」と対になる電子メールアドレス宛に送信する。なお、各ユーザの電子メールアドレスは、ユーザ管理表で管理されている、とする。
【0148】
次に、ユーザ識別子「U001」で識別されるユーザAの端末装置2は、当該通知情報を受信し、出力する。
【0149】
(具体例2)
次に、料金取得部131は、ユーザ管理表の2番目のユーザ識別子「U002」に対応する公共料金識別子「電気」「ガス」「水道」をユーザ管理表(
図6)から取得する。
【0150】
次に、料金取得部131は、図示しない公共料金サーバから、ユーザ識別子「U001」と公共料金識別子「電気」「ガス」「水道」とを用いて、当該ユーザの2022年12月の電気料金、ガス料金、および水道料金を、図示しない公共料金サーバから取得する。次に、料金取得部131は、取得した3つの料金の合計「24,150円」を取得した、とする。
【0151】
次に、投資額取得部133は、ユーザ識別子「U002」と対になる閾値金額「25,000円」をユーザ管理表(
図6)から取得する。次に、投資部134は、比較対象の公共料金と閾値金額とを用いて、投資条件「(閾値金額-公共料金)>=100円」を満たす、と判断する。
【0152】
次に、投資額取得部133は、投資額「閾値金額-公共料金の合計=850円」を取得する。なお、ここで、投資額を算出する演算式は「閾値金額-公共料金の合計」である、とする。
【0153】
次に、投資部134は、決定された投資額「850円」を取得する。また、投資部134は、ユーザ識別子「U002」を取得する。さらに、投資部134は、当該ユーザ識別子と対になる投資先識別子「投資先2」をユーザ管理表(
図6)から取得する。次に、投資部134は、当該投資額と当該ユーザ識別子と投資先識別子「投資先2」とを有する投資情報「<ユーザ識別子>U002 <投資先識別子>投資先2 <投資額>850円」を構成する。次に、投資部134は、図示しない投資サーバに投資情報を送信する。
【0154】
なお、投資サーバは、当該投資情報を受信し、投資のための情報処理を行う。
【0155】
次に、貢献出力部142は、当該ユーザBの住所識別子「マンション」をユーザ管理表から取得する。また、貢献出力部142は、住所識別子「マンション」と対になる貢献情報を、貢献情報管理表(
図8)から取得する。また、貢献出力部142は、決定された投資額「850円」を関数「g(投資額)」に入力し、エネルギー量「F(kw)」」を算出した、とする。貢献出力部142は、貢献情報「F(kw)分の省エネが実現できました。」を取得する。
【0156】
次に、出力部14は、当該貢献情報と、投資額「850円」を有する通知情報を構成する。次に、出力部14は、構成した通知情報を、ユーザ識別子「U002」と対になる電子メールアドレス宛に送信する。
【0157】
次に、ユーザ識別子「U002」で識別されるユーザBの端末装置2は、当該通知情報を受信し、出力する。
【0158】
(具体例3)
次に、料金取得部131は、ユーザ管理表の3番目のユーザ識別子「U003」に対応する公共料金識別子「電気」「ガス」をユーザ管理表(
図6)から取得する。
【0159】
次に、料金取得部131は、図示しない公共料金サーバから、ユーザ識別子「U003」と公共料金識別子「電気」「ガス」とを用いて、当該ユーザの2022年12月の電気料金「12,000円」、ガス料金「6,800円」を、図示しない公共料金サーバから取得する。
【0160】
次に、投資額取得部133は、ユーザ識別子「U003」および公共料金識別子「電気」と対になる閾値金額「10,000円」をユーザ管理表(
図6)から取得する。次に、投資部134は、比較対象の公共料金と閾値金額とを用いて、投資条件「(閾値金額-公共料金)>=100円」を満たさない、と判断する。
【0161】
また、投資額取得部133は、ユーザ識別子「U003」および公共料金識別子「ガス」と対になる閾値金額「6,000円」をユーザ管理表(
図6)から取得する。次に、投資部134は、比較対象の公共料金と閾値金額とを用いて、投資条件「(閾値金額-公共料金)>=100円」を満たさない、と判断する。
【0162】
よって、投資額取得部133は、ユーザCについて、2022年12月は、投資しない、と判断する。
【0163】
以上、本具体例によれば、投資条件を満たさない場合、その月は、投資が行われない。
【0164】
(具体例4)
ユーザAは、出力指示を端末装置2に入力した、とする。次に、端末装置2は、出力指示を受け付ける。そして、端末装置2は、端末格納部21のユーザ識別子「U001」を取得し、当該ユーザ識別子を有する出力指示を構成し、投資装置1に送信する。
【0165】
投資装置1の受付部12は、ユーザ識別子「U001」を有する出力指示を受信する。次に、処理部13は、出力指示に含まれるユーザ識別子「U001」を取得する。次に、処理部13は、ユーザ識別子「U001」と対になる運用実績をユーザ管理表(
図6)から取得する。次に、状況取得部135は、取得したユーザ識別子と対になる投資状況情報を取得する。ここで、投資状況情報は、各月の投資額、投資額の累積、運用実績を含む、とする。
【0166】
次に、レコメンド部141は、取得された投資状況情報に対応するレコメンド情報をレコメンド情報管理表(
図7)から取得する。ここで、レコメンド部141は、レコメンド情報管理表(
図7)の「ID=1」のレコメンド情報「投資先を変更することを考慮すべきでは? ・・・」を取得した、とする。
【0167】
次に、出力部14は、投資状況情報とレコメンド情報とを有する出力情報を構成する。次に、出力部14は、構成された出力情報をユーザAの端末装置2に送信する。
【0168】
次に、ユーザAの端末装置2は、当該出力情報を受信し、出力する。かかる出力のイメージ図は、
図9である。
【0169】
以上、本実施の形態によれば、顧客の継続的な投資を容易に支援できる。
【0170】
また、本実施の形態によれば、顧客の継続的な投資を容易に支援でき、かつ省エネにも貢献できる。
また、上述したように、貢献情報には、閾値金額との差が生じるように公共料金の金額を削減することで、ユーザ自身の投資への貢献だけでなく、SDGsとしての省エネへの貢献という2つの意味がある。省エネへの貢献に関する貢献情報を出力することにより、これまで投資しか関心がなかったユーザにSDGsへの動機付けがされる。
本実施の形態において、閾値金額の値を変えることで、投資への貢献や省エネへの貢献を持続させるようにしてもよい。具体的には、ユーザ自身が閾値金額を更新してもよいし、システムが閾値金額を推薦してもよい。例えば、ユーザ自身の前月または1年間の移動平均を閾値金額として設定してもよい。
本実施の形態において、省エネに貢献するように、システムが省エネの方法(エネルギーの使い方)を提案してもよい。あるいは、投資金額を仮に設定し、その額の投資を確保できるように、省エネの方法(エネルギーの使い方)を提案してもよい。
また、このサービスを提供する金融機関が、全国または特定の地域での省エネの効果を集計し、その集計に対してユーザ自身がどの程度貢献しているかを出力することで省エネを促進するようにしてもよい。
【0171】
なお、本実施の形態において、投資装置1は、スタンドアロンの装置でも良い。かかる場合、受付部12は、例えば、ユーザから、情報または指示を受け付ける。また、出力部14は、通常、ディスプレイに情報を表示する。
【0172】
なお、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現しても良い。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布しても良い。また、このソフトウェアをCD-ROMなどの記録媒体に記録して流布しても良い。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。なお、本実施の形態における投資システムAを実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、ユーザ識別子に対応付けて、当該ユーザ識別子で識別されるユーザの公共料金を取得する料金取得部と、1以上の各ユーザ識別子に対応付き、閾値金額を含むユーザ情報が格納されるユーザ管理部に格納されている閾値金額であり、前記公共料金に対応する前記ユーザ識別子に対応付く閾値金額を取得する閾値金額取得部と、投資額を取得する投資額取得部と、前記料金取得部が取得した前記公共料金が、前記閾値金額取得部が取得した前記閾値金額に対して投資条件を満たす場合、前記投資額取得部が取得した前記投資額が示す金額を投資するための処理である投資処理を行う投資部として機能させるためのプログラムである。
【0173】
また、
図10は、本明細書で述べたプログラムを実行して、上述した種々の実施の形態の投資装置1等を実現するコンピュータの外観を示す。上述の実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムで実現され得る。
図10は、このコンピュータシステム300の概観図であり、
図11は、システム300のブロック図である。
【0174】
図10において、コンピュータシステム300は、CD-ROMドライブを含むコンピュータ301と、キーボード302と、マウス303と、モニタ304とを含む。
【0175】
図11において、コンピュータ301は、CD-ROMドライブ3012に加えて、MPU3013と、CD-ROMドライブ3012等に接続されたバス3014と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM3015と、MPU3013に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶するとともに一時記憶空間を提供するためのRAM3016と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するためのハードディスク3017とを含む。ここでは、図示しないが、コンピュータ301は、さらに、LANへの接続を提供するネットワークカードを含んでも良い。
【0176】
コンピュータシステム300に、上述した実施の形態の投資装置1等の機能を実行させるプログラムは、CD-ROM3101に記憶されて、CD-ROMドライブ3012に挿入され、さらにハードディスク3017に転送されても良い。これに代えて、プログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ301に送信され、ハードディスク3017に記憶されても良い。プログラムは実行の際にRAM3016にロードされる。プログラムは、CD-ROM3101またはネットワークから直接、ロードされても良い。
【0177】
プログラムは、コンピュータ301に、上述した実施の形態の投資装置1等の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティープログラム等は、必ずしも含まなくても良い。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいれば良い。コンピュータシステム300がどのように動作するかは周知であり、詳細な説明は省略する。
【0178】
なお、上記プログラムにおいて、情報を送信するステップや、情報を受信するステップなどでは、ハードウェアによって行われる処理、例えば、送信ステップにおけるモデムやインターフェースカードなどで行われる処理(ハードウェアでしか行われない処理)は含まれない。
【0179】
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0180】
また、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段は、物理的に一の媒体で実現されても良いことは言うまでもない。
【0181】
また、上記各実施の形態において、各処理は、単一の装置によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0182】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0183】
以上のように、本発明にかかる投資装置1は、顧客の継続的な投資を容易に支援できるという効果を有し、投資を支援するサーバ置等として有用である。
【符号の説明】
【0184】
A 投資システム
1 投資装置
2 端末装置
11 格納部
12 受付部
13 処理部
14 出力部
21 端末格納部
22 端末受付部
23 端末処理部
24 端末送信部
25 端末受信部
26 端末出力部
111 ユーザ管理部
131 料金取得部
132 閾値金額取得部
133 投資額取得部
134 投資部
135 状況取得部
141 レコメンド部
142 貢献出力部