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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135941
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】メモリシステム
(51)【国際特許分類】
   G11C 7/10 20060101AFI20240927BHJP
   G11C 5/04 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
G11C7/10 500
G11C5/04 210
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023046859
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋口 友晴
(57)【要約】
【課題】好適に動作可能なメモリシステムを提供する。
【解決手段】第1半導体記憶装置及び第2半導体記憶装置を含む複数の半導体記憶装置を備える。各半導体記憶装置は、メモリセルアレイと、第1信号が入力される第1パッドと、第2信号が入力される第2パッドと、前記第2パッドに接続された第1入力回路と、を備える。第1モードにおいては、データを、前記第1パッドを介して出力し、コマンドセットを、前記第1パッドを介して入力する。第2モードにおいては、データを、前記第1パッドを介して出力すると同時に、前記コマンドセットを、前記第2パッドを介して入力する。前記第1半導体記憶装置は、前記第2モードにおいて、第1コマンドセットと、これに続く第2コマンドセットとを、前記第1入力回路を介して入力する。前記第2半導体記憶装置は、前記第2モードにおいて、前記第1コマンドセットの入力後、前記第2コマンドセットの入力の前に、前記入力回路を非アクティブ状態にする。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1半導体記憶装置及び第2半導体記憶装置を含む複数の半導体記憶装置、
を備え、
前記各半導体記憶装置は、
メモリセルアレイと、
第1信号が入力される第1パッドと、
第2信号が入力される第2パッドと、
前記第2パッドに接続された第1入力回路と、
を備え、
第1モードにおいては、データを、前記第1パッドを介して出力し、コマンドセットを、前記第1パッドを介して入力し、
第2モードにおいては、データを、前記第1パッドを介して出力すると同時に、前記コマンドセットを、前記第2パッドを介して入力し、
前記第1半導体記憶装置は、前記第2モードにおいて、第1コマンドセットと、これに続く第2コマンドセットとを、前記第1入力回路を介して入力し、
前記第2半導体記憶装置は、前記第2モードにおいて、前記第1コマンドセットの入力後、前記第2コマンドセットの入力の前に、前記入力回路を非アクティブ状態にする
メモリシステム。
【請求項2】
前記第1コマンドセットは、前記複数の半導体記憶装置のうち、前記第2コマンドセットにより動作する半導体記憶装置が、前記第1半導体記憶装置であることを示すコマンドセットである
請求項1記載のメモリシステム。
【請求項3】
第3信号が入力される第3パッドと、
第4信号が入力される第4パッドと、
前記第3パッドに接続された第2入力回路と、
前記第4パッドに接続された第3入力回路と、
を備え、
前記第2モードにおいては、データを、前記第1パッドを介して出力すると同時に、前記コマンドセットを、前記第4パッドに入力される前記第4信号に従って前記第2パッド及び前記第3パッドを介して入力し、
前記第1半導体記憶装置は、前記第2モードにおいて、前記第1コマンドセットと、これに続く前記第2コマンドセットとを、前記第1入力回路及び前記第2入力回路を介して入力し、前記第4信号を、前記第3入力回路を介して入力し、
前記第2半導体記憶装置は、前記第2モードにおいて、前記第1コマンドセットの入力後、前記第2コマンドセットの入力の前に、前記第1入力回路、前記第2入力回路及び前記第3入力回路を非アクティブ状態にする
請求項1記載のメモリシステム。
【請求項4】
第5信号が入力される第5パッド(/CE)を備え、
前記第2半導体記憶装置は、前記第5パッドから入力される第5信号に基づいて、前記非アクティブ状態の前記第1入力回路、前記第2入力回路及び前記第3入力回路を、アクティブ状態にする
請求項3記載のメモリシステム。
【請求項5】
前記第2パッドに接続された第4入力回路と、
前記第3パッドに接続された第5入力回路と、
前記第4パッドに接続された第6入力回路と、
を備え、
前記第4入力回路、前記第5入力回路及び前記第6入力回路は、前記第1モードにおいて使用され、
前記第1入力回路、前記第2入力回路及び前記第3入力回路は、前記第2モードにおいて使用される
請求項3記載のメモリシステム。
【請求項6】
前記第1半導体記憶装置は、前記第1モードにおいて、第3コマンドセットと、これに続く前記第4コマンドセットとを、前記第1パッドを介して入力し、前記第2信号、前記第3信号及び前記第4信号を、前記第4入力回路、第5入力回路及び前記第6入力回路をそれぞれ介して入力し、
前記第2半導体記憶装置は、前記第1モードにおいて、前記第4コマンドセットの入力後、前記第5コマンドセットの入力の前に、前記第4入力回路、前記第5入力回路及び前記第6入力回路を非アクティブ状態にする
請求項5記載のメモリシステム。
【請求項7】
前記第3コマンドセットは、前記複数の半導体記憶装置のうち、前記第4コマンドセットにより動作する半導体記憶装置が、前記第1半導体記憶装置であることを示すコマンドである
請求項6記載のメモリシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、メモリシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の半導体記憶装置と、制御装置と、を有するメモリシステムが知られている。半導体記憶装置は、複数のメモリセルトランジスタが直列に接続されたストリングを含むメモリセルアレイを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-154323号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
好適に動作可能なメモリシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一の実施形態に係るメモリシステムは、第1半導体記憶装置及び第2半導体記憶装置を含む複数の半導体記憶装置を備える。各半導体記憶装置は、メモリセルアレイと、第1信号が入力される第1パッドと、第2信号が入力される第2パッドと、前記第2パッドに接続された第1入力回路と、を備える。第1モードにおいては、データを、前記第1パッドを介して出力し、コマンドセットを、前記第1パッドを介して入力する。第2モードにおいては、データを、前記第1パッドを介して出力すると同時に、前記コマンドセットを、前記第2パッドを介して入力する。前記第1半導体記憶装置は、前記第2モードにおいて、第1コマンドセットと、これに続く第2コマンドセットとを、前記第1入力回路を介して入力する。前記第2半導体記憶装置は、前記第2モードにおいて、前記第1コマンドセットの入力後、前記第2コマンドセットの入力の前に、前記入力回路を非アクティブ状態にする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態に係るメモリシステムの構成を示す模式的なブロック図である。
図2】同メモリシステムの構成例を示す模式的な側面図である。
図3】同メモリシステムの構成例を示す模式的な平面図である。
図4】同メモリシステムのメモリダイの構成を示す模式的なブロック図である。
図5】同メモリダイの一部の構成を示す模式的な回路図である。
図6】同メモリダイの一部の構成を示す模式的な斜視図である。
図7】同メモリダイの一部の構成を示す模式的な回路図である。
図8】同メモリダイの一部の構成を示す模式的な回路図である。
図9】同メモリダイのへの信号入力方法について説明するための模式的な図である。
図10】同メモリダイのへの信号入力方法について説明するための模式的な図である。
図11】同メモリダイの一部の構成を示す模式的な回路図である。
図12】同メモリダイの動作について説明するための模式的な波形図である。
図13】同メモリダイの動作について説明するための模式的なタイミング図である。
図14】同メモリダイの動作について説明するための模式的な波形図である。
図15】同メモリダイの動作について説明するための模式的な表である。
図16】同メモリダイの動作について説明するための模式的な波形図である。
図17】同メモリダイの動作について説明するための模式的な波形図である。
図18】同メモリダイの動作について説明するための模式的なタイミング図である。
図19】比較例のメモリダイの動作と消費電流について説明するための模式的なタイミング図である。
図20】第1実施形態のメモリダイの動作について説明するための模式的なタイミング図である。
図21】同メモリダイの動作と消費電流について説明するための模式的なタイミング図である。
図22】第2実施形態のメモリダイの一部の構成を示す模式的な回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態に係るメモリシステムを、図面を参照して詳細に説明する。尚、以下の実施形態はあくまでも一例であり、本発明を限定する意図で示されるものではない。説明の都合上、一部の構成等が省略される場合がある。また、複数の実施形態について共通する部分には同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0008】
また、本明細書において「メモリシステム」と言った場合には、メモリカード、SSD(Solid State Drive)等の、コントローラダイを含むシステムを意味する事もある。更に、スマートホン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等の、ホストコンピュータを含む構成を意味する事もある。
【0009】
また、本明細書において、第1の構成が第2の構成に「電気的に接続されている」と言った場合、第1の構成は第2の構成に直接接続されていても良いし、第1の構成が第2の構成に配線、半導体部材又はトランジスタ等を介して接続されていても良い。例えば、3つのトランジスタを直列に接続した場合には、2つ目のトランジスタがOFF状態であったとしても、1つ目のトランジスタは3つ目のトランジスタに「電気的に接続」されている。
【0010】
また、本明細書において、第1の構成が第2の構成及び第3の構成の「間に接続されている」と言った場合、第1の構成、第2の構成及び第3の構成が直列に接続され、且つ、第2の構成が第1の構成を介して第3の構成に接続されていることを意味する場合がある。
【0011】
また、本明細書においては、基板の上面に対して平行な所定の方向をX方向、基板の上面に対して平行で、X方向と垂直な方向をY方向、基板の上面に対して垂直な方向をZ方向と呼ぶ。
【0012】
また、本明細書において、構成、部材等について、所定方向の「幅」等と言った場合には、SEM(Scanning Electron Microscopy)やTEM(Transmission Electron Microscopy)等によって観察された断面等における「幅」等を意味することがある。
【0013】
[第1実施形態]
[メモリシステム10]
図1は、第1実施形態に係るメモリシステム10の構成を示す模式的なブロック図である。
【0014】
メモリシステム10は、ホストコンピュータ20から送信された信号に応じて、ユーザデータの読み出し、書き込み、消去等を行う。メモリシステム10は、例えば、メモリカード、SSD又はその他のユーザデータを記憶可能なシステムである。メモリシステム10は、ユーザデータを記憶する複数のメモリダイMDと、これら複数のメモリダイMD及びホストコンピュータ20に接続されるコントローラダイCDと、を備える。コントローラダイCDは、例えば、プロセッサ、RAM等を備え、論理アドレスと物理アドレスの変換、ビット誤り検出/訂正、ガベージコレクション(コンパクション)、ウェアレベリング等の処理を行う。
【0015】
図2は、本実施形態に係るメモリシステム10の構成例を示す模式的な側面図である。図3は、同構成例を示す模式的な平面図である。説明の都合上、図2及び図3では一部の構成を省略する。
【0016】
図2に示す様に、本実施形態に係るメモリシステム10は、実装基板MSBと、実装基板MSBに積層された複数のメモリダイMDと、メモリダイMDに積層されたコントローラダイCDと、を備える。実装基板MSBの上面のうち、Y方向の端部の領域にはパッド電極Pが設けられ、その他の一部の領域は接着剤等を介してメモリダイMDの下面に接着されている。メモリダイMDの上面のうち、Y方向の端部の領域にはパッド電極Pが設けられ、その他の領域は接着剤等を介して他のメモリダイMD又はコントローラダイCDの下面に接着されている。コントローラダイCDの上面のうち、Y方向の端部の領域にはパッド電極Pが設けられている。
【0017】
図3に示す様に、実装基板MSB、複数のメモリダイMD、及び、コントローラダイCDは、それぞれ、X方向に並ぶ複数のパッド電極Pを備えている。実装基板MSB、複数のメモリダイMD、及び、コントローラダイCDに設けられた複数のパッド電極Pは、それぞれ、ボンディングワイヤBを介してお互いに接続されている。
【0018】
尚、図2及び図3に示した構成は例示に過ぎず、具体的な構成は適宜調整可能である。例えば、図2及び図3に示す例では、複数のメモリダイMD上にコントローラダイCDが積層され、これらの構成がボンディングワイヤBによって接続されている。この様な構成では、複数のメモリダイMD及びコントローラダイCDが一つのパッケージ内に含まれる。しかしながら、コントローラダイCDは、メモリダイMDとは別のパッケージに含まれていても良い。また、複数のメモリダイMD及びコントローラダイCDは、ボンディングワイヤBではなく、貫通電極等を介してお互いに接続されていても良い。
【0019】
[メモリダイMDの構成]
図4は、実施形態に係るメモリダイMDの構成を示す模式的なブロック図である。図5は、メモリダイMDの一部の構成を示す模式的な回路図である。図6は、メモリダイMDの一部の構成を示す模式的な斜視図である。図7及び図8は、メモリダイMDの一部の構成を示す模式的な回路図である。説明の都合上、図4図8では一部の構成を省略する。
【0020】
尚、図4には、複数の制御端子等を図示している。これら複数の制御端子は、ハイアクティブ信号(正論理信号)に対応する制御端子として表される場合と、ローアクティブ信号(負論理信号)に対応する制御端子として表される場合と、ハイアクティブ信号及びローアクティブ信号の双方に対応する制御端子として表される場合と、がある。図4において、ローアクティブ信号に対応する制御端子の符号は、オーバーライン(上線)を含んでいる。本明細書において、ローアクティブ信号に対応する制御端子の符号は、スラッシュ(“/”)を含んでいる。尚、図4の記載は例示であり、具体的な態様は適宜調整可能である。例えば、一部又は全部のハイアクティブ信号をローアクティブ信号としたり、一部又は全部のローアクティブ信号をハイアクティブ信号としたりすることも可能である。
【0021】
また、図4に示す複数の制御端子の横には、入出力方向を示す矢印を図示している。図4において、左から右への矢印が付された制御端子は、コントローラダイCDからメモリダイMDへの、データ又はその他の信号の入力に使用可能である。図4において、右から左への矢印が付された制御端子は、メモリダイMDからコントローラダイCDへの、データ又はその他の信号の出力に使用可能である。図4において、左右双方向の矢印が付された制御端子は、コントローラダイCDからメモリダイMDへの、データ又はその他の信号の入力、及び、メモリダイMDからコントローラダイCDへの、データ又はその他の信号の出力の、双方に使用可能である。
【0022】
図4に示す様に、メモリダイMDは、ユーザデータを記憶するメモリセルアレイMCA0,MCA1と、メモリセルアレイMCA0,MCA1に接続された周辺回路PCと、を備える。尚、以下の説明においては、メモリセルアレイMCA0,MCA1を、メモリセルアレイMCAと呼ぶ場合がある。また、メモリセルアレイMCA0,MCA1を、プレーンPLN0,PLN1と呼ぶ場合がある。
【0023】
[メモリセルアレイMCAの構成]
メモリセルアレイMCAは、図5に示す様に、複数のメモリブロックBLKを備える。これら複数のメモリブロックBLKは、それぞれ、複数のストリングユニットSUを備える。これら複数のストリングユニットSUは、それぞれ、複数のメモリストリングMSを備える。これら複数のメモリストリングMSの一端は、それぞれ、ビット線BLを介して周辺回路PCに接続される。また、これら複数のメモリストリングMSの他端は、それぞれ、共通のソース線SLを介して周辺回路PCに接続される。
【0024】
メモリストリングMSは、ビット線BL及びソース線SLの間に直列に接続されたドレイン側選択トランジスタSTD、複数のメモリセルMC(メモリセルトランジスタ)、ソース側選択トランジスタSTS、及び、ソース側選択トランジスタSTSbを備える。以下、ドレイン側選択トランジスタSTD、ソース側選択トランジスタSTS、及び、ソース側選択トランジスタSTSbを、単に選択トランジスタ(STD、STS、STSb)と呼ぶ事がある。
【0025】
メモリセルMCは、半導体層、ゲート絶縁膜、及びゲート電極を備える電界効果型のトランジスタである。半導体層は、チャネル領域として機能する。ゲート絶縁膜は、電荷蓄積膜を含む。メモリセルMCのしきい値電圧は、電荷蓄積膜中の電荷量に応じて変化する。メモリセルMCは、1ビット又は複数ビットのユーザデータを記憶する。尚、1のメモリストリングMSに対応する複数のメモリセルMCのゲート電極には、それぞれ、ワード線WLが接続される。これらワード線WLは、それぞれ、1のメモリブロックBLK中の全てのメモリストリングMSに共通に接続される。
【0026】
選択トランジスタ(STD、STS、STSb)は、半導体層、ゲート絶縁膜、及びゲート電極を備える電界効果型のトランジスタである。半導体層は、チャネル領域として機能する。選択トランジスタ(STD、STS、STSb)のゲート電極には、それぞれ、選択ゲート線(SGD、SGS、SGSb)が接続される。ドレイン側選択ゲート線SGDは、ストリングユニットSUに対応して設けられ、1のストリングユニットSU中の全てのメモリストリングMSに共通に接続される。ソース側選択ゲート線SGSは、メモリブロックBLK中の全てのメモリストリングMSに共通に接続される。ソース側選択ゲート線SGSbは、メモリブロックBLK中の全てのメモリストリングMSに共通に接続される。
【0027】
メモリセルアレイMCAは、例えば図6に示す様に、半導体基板100の上方に設けられている。尚、図6の例では、半導体基板100とメモリセルアレイMCAとの間に、周辺回路PCを構成する複数のトランジスタTrが設けられている。
【0028】
メモリセルアレイMCAは、Y方向に並ぶ複数のメモリブロックBLKを備える。また、Y方向において隣り合う2つのメモリブロックBLKの間には、酸化シリコン(SiO)等のブロック間絶縁層STが設けられる。
【0029】
メモリブロックBLKは、例えば図6に示す様に、Z方向に並ぶ複数の導電層110と、Z方向に延伸する複数の半導体柱120と、複数の導電層110及び複数の半導体柱120の間にそれぞれ設けられた複数のゲート絶縁膜130と、を備える。
【0030】
導電層110は、X方向に延伸する略板状の導電層である。導電層110は、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。また、導電層110は、例えば、リン(P)又はホウ素(B)等の不純物を含む多結晶シリコン等を含んでいても良い。Z方向に並ぶ複数の導電層110の間には、酸化シリコン(SiO)等の絶縁層101が設けられている。
【0031】
また、複数の導電層110のうち、最下層に位置する2以上の導電層110は、ソース側選択ゲート線SGS,SGSb(図5)及びこれに接続された複数のソース側選択トランジスタSTS,STSbのゲート電極として機能する。これら複数の導電層110は、メモリブロックBLK毎に電気的に独立している。
【0032】
また、これよりも上方に位置する複数の導電層110は、ワード線WL(図5)及びこれに接続された複数のメモリセルMC(図5)のゲート電極として機能する。これら複数の導電層110は、それぞれ、メモリブロックBLK毎に電気的に独立している。
【0033】
また、これよりも上方に位置する一又は複数の導電層110は、ドレイン側選択ゲート線SGD及びこれに接続された複数のドレイン側選択トランジスタSTD(図5)のゲート電極として機能する。これら複数の導電層110は、その他の導電層110よりもY方向の幅が小さい。
【0034】
導電層110の下方には、半導体層112が設けられている。半導体層112は、例えば、リン(P)又はホウ素(B)等の不純物を含む多結晶シリコン等を含んでいても良い。また、半導体層112及び導電層110の間には、酸化シリコン(SiO)等の絶縁層101が設けられている。
【0035】
半導体層112は、ソース線SL(図5)として機能する。ソース線SLは、例えば、メモリセルアレイMCAに含まれる全てのメモリブロックBLKについて共通に設けられている。
【0036】
半導体柱120は、例えば図6に示す様に、X方向及びY方向に所定のパターンで並ぶ。半導体柱120は、1つのメモリストリングMS(図5)に含まれる複数のメモリセルMC及び選択トランジスタ(STD、STS、STSb)のチャネル領域として機能する。半導体柱120は、例えば、多結晶シリコン(Si)等の半導体層である。半導体柱120は、例えば図6に示す様に、略有底円筒状の形状を有し、中心部分には酸化シリコン等の絶縁層125が設けられている。また、半導体柱120の外周面は、それぞれ導電層110によって囲まれており、導電層110と対向している。
【0037】
半導体柱120の上端部には、リン(P)等のN型の不純物を含む不純物領域121が設けられている。不純物領域121は、コンタクトCh及びコンタクトCbを介してビット線BLに接続される。
【0038】
ゲート絶縁膜130は、半導体柱120の外周面を覆う略有底円筒状の形状を有する。ゲート絶縁膜130は、例えば、半導体柱120及び導電層110の間に積層されたトンネル絶縁膜、電荷蓄積膜及びブロック絶縁膜を備える。トンネル絶縁膜及びブロック絶縁膜は、例えば、酸化シリコン(SiO)等の絶縁膜である。電荷蓄積膜は、例えば、窒化シリコン(Si)等の電荷を蓄積可能な膜である。トンネル絶縁膜、電荷蓄積膜、及び、ブロック絶縁膜は略円筒状の形状を有し、半導体柱120と半導体層112との接触部を除く半導体柱120の外周面に沿ってZ方向に延伸する。
【0039】
尚、ゲート絶縁膜130は、例えば、N型又はP型の不純物を含む多結晶シリコン等のフローティングゲートを備えていても良い。
【0040】
複数の導電層110のX方向における端部には、複数のコンタクトCCが設けられている。複数の導電層110は、これら複数のコンタクトCCを介して周辺回路PCに接続されている。図6に示す様に、これら複数のコンタクトCCはZ方向に延伸し、下端において導電層110と接続されている。コンタクトCCは、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。
【0041】
[周辺回路PCの構成]
周辺回路PCは、例えば図4に示す様に、メモリセルアレイMCA0,MCA1にそれぞれ接続されたロウデコーダRD0,RD1と、センスアンプSA0,SA1と、を備える。また、周辺回路PCは、電圧生成回路VGと、シーケンサSQCと、を備える。また、周辺回路PCは、入出力制御回路I/Oと、論理回路CTRと、アドレスレジスタADRと、コマンドレジスタCMRと、ステータスレジスタSTRと、データ出力タイミング調整部TCTと、を備える。尚、以下の説明においては、ロウデコーダRD0,RD1を、ロウデコーダRDと呼び、センスアンプSA0,SA1を、センスアンプSAと呼ぶ場合がある。
【0042】
[ロウデコーダRDの構成]
ロウデコーダRD(図4)は、例えば図5に示す様に、アドレスデータAdd(図4)をデコードするアドレスデコーダ22と、アドレスデコーダ22の出力信号に応じてメモリセルアレイMCAに動作電圧を転送するブロック選択回路23及び電圧選択回路24と、を備える。
【0043】
アドレスデコーダ22は、例えば図5に示す様に、複数のブロック選択線BLKSEL及び複数の電圧選択線33を備える。アドレスデコーダ22は、例えば、シーケンサSQCからの制御信号に従ってアドレスレジスタADR(図4)のロウアドレスRAを順次参照し、このロウアドレスRAをデコードして、ロウアドレスRAに対応する所定のブロック選択トランジスタ35及び電圧選択トランジスタ37をON状態とし、それ以外のブロック選択トランジスタ35及び電圧選択トランジスタ37をOFF状態とする。例えば、所定のブロック選択線BLKSEL及び電圧選択線33の電圧を“H”状態とし、それ以外の電圧を“L”状態とする。尚、Nチャネル型でなくPチャネル型のトランジスタを用いる場合には、これらの配線に逆の電圧を印加する。
【0044】
尚、図示の例において、アドレスデコーダ22には、1つのメモリブロックBLKについて1つずつブロック選択線BLKSELが設けられている。しかしながら、この構成は適宜変更可能である。例えば、2以上のメモリブロックBLKについて1つずつブロック選択線BLKSELを備えていても良い。
【0045】
ブロック選択回路23は、例えば図5に示す様に、メモリブロックBLKに対応する複数のブロック選択部34を備える。これら複数のブロック選択部34は、それぞれ、ワード線WL及び選択ゲート線(SGD、SGS、SGSb)に対応する複数のブロック選択トランジスタ35を備える。ブロック選択トランジスタ35は、例えば、電界効果型の耐圧トランジスタである。ブロック選択トランジスタ35のドレイン電極は、それぞれ、対応するワード線WL又は選択ゲート線(SGD、SGS、SGSb)に電気的に接続される。ソース電極は、それぞれ、配線CG及び電圧選択回路24を介して電圧供給線31に電気的に接続される。ゲート電極は、対応するブロック選択線BLKSELに共通に接続される。
【0046】
尚、ブロック選択回路23は、図示しない複数のトランジスタを更に備える。これら複数のトランジスタは、選択ゲート線(SGD,SGS,SGSb)及び接地電圧VSSが供給される電圧供給線の間に接続された電界効果型の耐圧トランジスタである。これら複数のトランジスタは、非選択のメモリブロックBLKに含まれる選択ゲート線(SGD、SGS、SGSb)に接地電圧VSSを供給する。尚、非選択のメモリブロックBLKに含まれる複数のワード線WLは、フローティング状態となる。
【0047】
電圧選択回路24は、例えば図5に示す様に、ワード線WL及び選択ゲート線(SGD、SGS、SGSb)に対応する複数の電圧選択部36を備える。これら複数の電圧選択部36は、それぞれ、複数の電圧選択トランジスタ37を備える。電圧選択トランジスタ37は、例えば、電界効果型の耐圧トランジスタである。電圧選択トランジスタ37のドレイン端子は、それぞれ、配線CG及びブロック選択回路23を介して、対応するワード線WL又は選択ゲート線(SGD、SGS、SGSb)に電気的に接続される。ソース端子は、それぞれ、対応する電圧供給線31に電気的に接続される。ゲート電極は、それぞれ、対応する電圧選択線33に接続される。
【0048】
[センスアンプSAの構成]
センスアンプSA0,SA1(図4)は、それぞれセンスアンプモジュールSAM0,SAM1と、キャッシュメモリCM0,CM1と、を備える。キャッシュメモリCM0,CM1は、それぞれラッチ回路XDL0,XDL1を備える。
【0049】
尚、以下の説明においては、センスアンプモジュールSAM0,SAM1を、センスアンプモジュールSAMと呼び、キャッシュメモリCM0,CM1を、キャッシュメモリCMと呼び、ラッチ回路XDL0,XDL1を、ラッチ回路XDLと呼ぶ場合がある。
【0050】
センスアンプモジュールSAMは、例えば、複数のビット線BLにそれぞれ対応するセンス回路と、センス回路に接続された複数のラッチ回路等と、を備える。
【0051】
キャッシュメモリCMは、複数のラッチ回路XDLを備える。複数のラッチ回路XDLは、それぞれセンスアンプモジュールSAM内のラッチ回路に接続される。ラッチ回路XDLには、例えば、メモリセルMCに書き込まれるユーザデータDat又はメモリセルMCから読み出されたユーザデータDatが格納される。
【0052】
キャッシュメモリCMには、例えば図7に示す様に、カラムデコーダCOLDが接続される。カラムデコーダCOLDは、アドレスレジスタADR(図4)に格納されたカラムアドレスCAをデコードし、カラムアドレスCAに対応するラッチ回路XDLを選択する。
【0053】
尚、これら複数のラッチ回路XDLに含まれるユーザデータDatは、書き込み動作の際に、センスアンプモジュールSAM内のラッチ回路に順次転送される。また、センスアンプモジュールSAM内のラッチ回路に含まれるユーザデータDatは、読み出し動作の際に、ラッチ回路XDLに順次転送される。また、ラッチ回路XDLに含まれるユーザデータDatは、データアウト動作の際に、カラムデコーダCOLD及びマルチプレクサMPXを介して、入出力制御回路I/Oに順次転送される。
【0054】
[電圧生成回路VGの構成]
電圧生成回路VG(図4)は、例えば図5に示す様に、複数の電圧供給線31に接続されている。電圧生成回路VGは、例えば、レギュレータ等の降圧回路及びチャージポンプ回路32等の昇圧回路を含む。これら降圧回路及び昇圧回路は、それぞれ、電源電圧VCC及び接地電圧VSS図4)が供給される電圧供給線に接続されている。これらの電圧供給線は、例えば、図2図3を参照して説明したパッド電極Pに接続されている。電圧生成回路VGは、例えば、シーケンサSQCからの制御信号に従って、メモリセルアレイMCAに対する読み出し動作、書き込み動作及び消去動作に際してビット線BL、ソース線SL、ワード線WL及び選択ゲート線(SGD、SGS、SGSb)に印加される複数通りの動作電圧を生成し、複数の電圧供給線31に同時に出力する。電圧供給線31から出力される動作電圧は、シーケンサSQCからの制御信号に従って適宜調整される。
【0055】
[シーケンサSQCの構成]
シーケンサSQC(図4)は、コマンドレジスタCMRに格納されたコマンドデータCmdに従い、ロウデコーダRD0,RD1、センスアンプモジュールSAM0,SAM1、及び、電圧生成回路VGに内部制御号を出力する。また、シーケンサSQCは、メモリダイMDの状態を示すステータスデータSttを、適宜ステータスレジスタSTRに出力する。
【0056】
また、シーケンサSQCは、レディ/ビジー信号を生成し、端子RY//BYに出力する。端子RY//BYは、例えば、読出動作、書込動作、消去動作等、メモリセルアレイMCAに対して電圧を供給する動作の実行中に“L”状態となり、それ以外の場合には“H”状態となる。尚、後述するデータアウト動作、ステータスリード等、メモリセルアレイMCAに対して電圧を供給しない動作を実行しても、端子RY//BYは“L”状態にはならない。端子RY//BYが“L”状態の期間(ビジー期間)では、メモリダイMDへのアクセスが基本的には禁止される。また、端子RY//BYが“H”状態の期間(レディ期間)においては、メモリダイMDへのアクセスが許可される。尚、端子RY//BYは、例えば、図2図3を参照して説明したパッド電極Pによって実現される。
【0057】
また、シーケンサSQCは、フィーチャレジスタFRを備える。フィーチャレジスタFRは、後述する動作モードMODEa及び動作モードMODEbのうち、いずれのモードで動作しているかを示す値を保持するレジスタである。
【0058】
[アドレスレジスタADRの構成]
アドレスレジスタADRは、図4に示す様に、入出力制御回路I/Oに接続され、入出力制御回路I/Oから入力されたアドレスデータAddを格納する。アドレスレジスタADRは、例えば、8ビットのレジスタ列を、複数備える。レジスタ列は、例えば、読み出し動作、書き込み動作又は消去動作等の内部動作が実行される際、実行中の内部動作に対応するアドレスデータAddを保持する。
【0059】
尚、アドレスデータAddは、例えば、カラムアドレスCA(図4)及びロウアドレスRA(図4)を含む。ロウアドレスRAは、例えば、メモリブロックBLK(図5)を特定するブロックアドレスと、ストリングユニットSU及びワード線WLを特定するページアドレスと、メモリセルアレイMCA(プレーン)を特定するプレーンアドレスと、メモリダイMDを特定するチップアドレスと、を含む。
【0060】
[コマンドレジスタCMRの構成]
コマンドレジスタCMRは、入出力制御回路I/Oに接続され、入出力制御回路I/Oから入力されたコマンドデータCmdを格納する。コマンドレジスタCMRは、例えば、8ビットのレジスタ列を、少なくとも1セット備える。コマンドレジスタCMRにコマンドデータCmdが格納されると、シーケンサSQCに制御信号が送信される。
【0061】
[ステータスレジスタSTRの構成]
ステータスレジスタSTRは、入出力制御回路I/Oに接続され、入出力制御回路I/Oへ出力するステータスデータSttを格納する。ステータスレジスタSTRは、例えば、8ビットのレジスタ列を、複数備える。レジスタ列は、例えば、読み出し動作、書き込み動作又は消去動作等の内部動作が実行される際、実行中の内部動作に関するステータスデータSttを保持する。また、レジスタ列は、例えば、メモリセルアレイMCA0,MCA1のレディビジー状態を示すレディ/ビジー情報を保持する。
【0062】
[データ出力タイミング調整部TCTの構成]
データ出力タイミング調整部TCTは、キャッシュメモリCM0,CM1と入出力制御回路I/Oとの間のバス配線DBに接続される。データ出力タイミング調整部TCTは、例えば、キャッシュメモリCM0,CM1に対してデータアウト動作を連続して実行する場合等に、キャッシュメモリCM0のデータアウト動作の完了後、時間を空けずにキャッシュメモリCM1のデータアウト動作を開始するために、キャッシュメモリCM1に対するデータアウト動作の開始タイミングを調整する。
【0063】
[入出力制御回路I/Oの構成]
入出力制御回路I/O(図4)は、データ信号入出力端子DQ0~DQ7と、データストローブ信号入出力端子DQS,/DQSと、制御端子/RE,REと、シフトレジスタと、バッファ回路と、を備える。
【0064】
データ信号入出力端子DQ0~DQ7、データストローブ信号入出力端子DQS,/DQS、及び制御端子/RE,REの各々は、例えば、図2図3を参照して説明したパッド電極Pによって実現される。データ信号入出力端子DQ0~DQ7を介して入力されたデータは、論理回路CTRからの内部制御信号に応じて、バッファ回路から、キャッシュメモリCMに入力される。また、データ信号入出力端子DQ0~DQ7を介して出力されるデータは、論理回路CTRからの内部制御信号に応じて、キャッシュメモリCM又はステータスレジスタSTRからバッファ回路に入力される。
【0065】
データストローブ信号入出力端子DQS,/DQSを介して入力された信号(例えば、データストローブ信号及びその相補信号)は、データ信号入出力端子DQ0~DQ7を介したデータの入力に際して用いられる。データ信号入出力端子DQ0~DQ7を介して入力されたデータは、データストローブ信号入出力端子DQSの電圧の立ち上がりエッジ及びデータストローブ信号入出力端子/DQSの電圧の立ち下がりエッジのタイミング、並びに、データストローブ信号入出力端子DQSの電圧の立ち下がりエッジ及びデータストローブ信号入出力端子/DQSの電圧の立ち上がりエッジのタイミングで、入出力制御回路I/O内のシフトレジスタ内に取り込まれる。
【0066】
制御端子/RE,REを介して入力された信号(例えば、リードイネーブル信号及びその相補信号)は、データ信号入出力端子DQ0~DQ7を介したデータの出力に際して用いられる。データ信号入出力端子DQ0~DQ7から出力されるデータは、制御端子/REの電圧の立ち下がりエッジ及び制御端子REの電圧の立ち上がりエッジのタイミング、並びに、制御端子/REの電圧の立ち上がりエッジ及び制御端子REの電圧の立ち下がりエッジのタイミングで切り替わる。
【0067】
データ信号入出力端子DQ0~DQ7及びデータストローブ信号入出力端子DQS,/DQSの各々は、例えば図8に示す様に、入力回路201及び出力回路202に接続される。制御端子/RE,REは、例えば図8に示す様に、入力回路201に接続される。入力回路201は、例えば、コンパレータ等のレシーバである。出力回路202は、例えば、OCD(Off Chip Driver)回路等のドライバである。
【0068】
[論理回路CTRの構成]
論理回路CTR(図4)は、複数の制御端子/CE,CLE(CA1),ALE(CA0),/WE(CA_clk),/WPと、これら複数の制御端子/CE,CLE(CA1),ALE(CA0),/WE(CA_clk),/WPに接続された論理回路と、を備える。論理回路CTRは、制御端子/CE,CLE(CA1),ALE(CA0),/WE(CA_clk),/WPを介してコントローラダイCDから制御信号を受信し、これに応じて入出力制御回路I/Oに内部制御信号を出力する。
【0069】
制御端子/CE,/WPの各々は、例えば図8に示す様に、入力回路201へ接続される。制御端子/WPは、出力回路202に接続される。制御端子CLE(CA1),ALE(CA0),/WE(CA_clk)の各々は、後述する動作モードMODEaで使用される入力回路201aに加えて、動作モードMODEbで使用される入力回路201bにも接続される。制御端子CLE(CA1),ALE(CA0)は、動作モードMODEbで使用される出力回路202bに接続されている。制御端子/CE,CLE(CA1),ALE(CA0),/WE(CA_clk),/WPの各々は、例えば、図2図3を参照して説明したパッド電極Pによって実現される。
【0070】
制御端子/CEを介して入力された信号(例えば、チップイネーブル信号)は、メモリダイMDの選択に際して用いられる。制御端子/CEに“L”が入力されたメモリダイMDは、ユーザデータDat、コマンドデータCmd、アドレスデータAdd及び、ステータスデータStt(以下、単に「データ」と呼ぶ場合がある。)の入出力が可能な状態となる。制御端子/CEに“H”が入力されたメモリダイMDは、データの入出力が不可能な状態となる。
【0071】
制御端子CLE(CA1)を介して入力された信号(例えば、コマンドラッチイネーブル信号)は、コマンドレジスタCMRの使用等に際して用いられる。制御端子CLE(CA1)の機能等については、後述する。
【0072】
制御端子ALE(CA0)を介して入力された信号(例えば、アドレスラッチイネーブル信号)は、アドレスレジスタADRの使用等に際して用いられる。制御端子ALE(CA0)の機能等については、後述する。
【0073】
制御端子/WE(CA_clk)を介して入力された信号(例えば、ライトイネーブル信号)は、コントローラダイCDからメモリダイMDへのデータの入力等に際して用いられる。制御端子/WE(CA_clk)の機能等については、後述する。
【0074】
制御端子/WPを介して入力された信号(例えば、ライトプロテクト信号)は、コントローラダイCDからメモリダイMDへのユーザデータDatの入力の制限等に用いられる。
【0075】
[動作モードMODEa及び動作モードMODEb]
本実施形態に係るメモリシステムは、動作モードMODEa及び動作モードMODEbで動作させることが可能である。以下、図9図16を参照し、動作モードMODEa及び動作モードMODEbについて説明する。
【0076】
[各モードにおける端子の役割]
図9は、動作モードMODEaにおける信号入出力端子及び制御端子の役割について説明するための模式的な図である。図10は、動作モードMODEbにおける信号入出力端子及び制御端子の役割について説明するための模式的な図である。尚、以下の説明においては、データ信号入出力端子DQ0~DQ7を、データ信号入出力端子DQ<7:0>と表記することがある。
【0077】
動作モードMODEaにおいては、例えば図9に示す様に、データ信号入出力端子DQ<7:0>を、ユーザデータDatの入出力に加えて、コマンドデータCmd及びアドレスデータAddの入力に使用する。
【0078】
一方、動作モードMODEbにおいては、例えば図10に示す様に、データ信号入出力端子DQ<7:0>を、ユーザデータDatの入出力に使用するものの、コマンドデータCmd及びアドレスデータAddの入力には使用しない。動作モードMODEbにおいては、制御端子CLE(CA1),ALE(CA0)を、コマンドデータCmd及びアドレスデータAddの入力に使用する。
【0079】
動作モードMODEaと動作モードMODEbとの信号経路の切り替えは、図4に示す経路切替回路PS1,PS2によって実行される。図11は、経路切替回路PS1を含む入出力制御回路I/Oと、経路切替回路PS2を含む論理回路CTRの一例を示す概略的な回路図である。
経路切替回路PS1は、動作モードMODEaのときに、データ信号入出力端子DQ0~DQ7をコマンドレジスタCMR、アドレスレジスタADR及びステータスレジスタSTRと接続し、動作モードMODEbのときに、データ信号入出力端子DQ0~DQ7とコマンドレジスタCMR、アドレスレジスタADR及びステータスレジスタSTRと、の接続を遮断する。制御端子CLE(CA1),ALE(CA0),/WE(CA_clk)に接続された入力回路201のうち、動作モードMODEaで使用される入力回路201aの出力と、動作モードMODEbで使用される入力回路201bの出力の、いずれか一方が経路切替回路PS2によって選択される。入力回路201aの出力は、それぞれコマンドラッチイネーブル信号、アドレスラッチイネーブル信号、ライトイネーブル信号の信号経路を介してコマンドレジスタCMR、アドレスレジスタADRにそれぞれ入力されている。一方、入力回路201bの出力は、それぞれコマンドの一部、アドレスの一部として、また、これらコマンド及びアドレスの入力用のクロック信号として、コマンドレジスタCMR、アドレスレジスタADRへの入力経路に接続されている。
【0080】
例えば、電源投入時は、動作モードMODEaに設定されている。動作モードMODEbへの切り替えのためのコマンドがデータ信号入出力端子DQ<7:0>を介して入力されたら、シーケンサSQCは、経路切替回路PSを切り替えて、動作モードMODEbに切り替える。
【0081】
[動作]
次に、メモリダイMDの動作について説明する。
【0082】
メモリダイMDは、読出動作を実行可能に構成されている。読出動作は、センスアンプモジュールSAMによってメモリセルアレイMCAからユーザデータDatを読み出し、読み出したユーザデータDatをラッチ回路XDLに転送する動作である。読出動作において、メモリセルアレイMCAから読み出されたユーザデータDatは、ビット線BL、センスアンプモジュールSAMを介してラッチ回路XDLに転送される。
【0083】
また、メモリダイMDは、データアウト動作を実行可能に構成されている。データアウト動作は、ラッチ回路XDLに含まれるユーザデータDatをコントローラダイCDに出力する動作である。データアウト動作において、ラッチ回路XDLに含まれるユーザデータDatは、図7を参照して説明したカラムデコーダCOLD、マルチプレクサMPX、バス配線DB、及び入出力制御回路I/Oを介して、コントローラダイCDに出力される。
【0084】
また、メモリダイMDは、ステータスリードを実行可能に構成されている。ステータスリードは、ステータスレジスタSTRに含まれるステータスデータSttをコントローラダイCDに出力する動作である。ステータスリードにおいて、ステータスレジスタSTRに含まれるステータスデータSttは、入出力制御回路I/O又は論理回路CTRを介して、コントローラダイCDに出力される。
【0085】
[動作モードMODEaにおける読出動作及びデータアウト動作]
図12は、動作モードMODEaにおいて読出動作及びデータアウト動作を実行する場合の様子を示す模式的なタイミングチャートである。動作モードMODEaでは、コマンドデータCmd及びアドレスデータAddが、データ信号入出力端子DQ<7:0>を介して入力され、ステータスデータsttが、データ信号入出力端子DQ<7:0>を介して出力される。
【0086】
図12の例では、まず、タイミングt101,t102,t103において、コマンドデータ“00h”、アドレスデータAdd、及びコマンドデータ“30h”が、データ信号入出力端子DQ<7:0>を介して順次入力されている。コマンドデータ“00h”は、読出動作を指示するコマンドセットの始めに入力するコマンドデータCmdである。コマンドデータ“30h”は、読出動作を指示するコマンドセットの終わりに入力するコマンドデータCmdである。
【0087】
コマンドデータ“00h”、アドレスデータAdd、及びコマンドデータ“30h”の入力に伴い、読出動作が開始され、タイミングt104において、端子RY//BYの電圧が“H”から“L”に立ち下がっている。また、ユーザデータDatがラッチ回路XDLに転送される。また、読出動作が終了したタイミングで、端子RY//BYの電圧が“L”から“H”に立ち上がっている。
【0088】
次に、タイミングt105,t106,t107において、コマンドデータ“05h”、アドレスデータAdd、及びコマンドデータ“E0h”が、データ信号入出力端子DQ<7:0>を介して順次入力されている。コマンドデータ“05h”は、データアウト動作を指示するコマンドセットの始めに入力するコマンドデータCmdである。コマンドデータ“E0h”は、データアウト動作を指示するコマンドセットの終わりに入力するコマンドデータCmdである。
【0089】
コマンドデータ“05h”、アドレスデータAdd、及びコマンドデータ“E0h”の入力に伴い、タイミングt108から所定の待機時間後、タイミングt109において、コントローラダイCDが制御端子/RE,REの入力信号を切り替える(トグルする)。これにより、データアウト動作が開始され、タイミングt110までユーザデータDatがデータ信号入出力端子DQを介して出力されている。
【0090】
図13は、動作モードMODEaにおいて読出動作及びデータアウト動作を実行する場合の他の様子を示す模式的なタイミングチャートである。図13の例では、メモリダイMDが動作モードMODEaに設定されている。
【0091】
図13の例では、まず、コマンドデータ“00h”、アドレスデータAdd、及びコマンドデータ“30h”が、データ信号入出力端子DQ<7:0>を介して順次入力されている。このコマンドセットに含まれるアドレスデータAddは、上記プレーンアドレスとして、読出動作の対象となるプレーンPLN0(図4)の情報を含む。
【0092】
コマンドデータ“00h”、アドレスデータAdd、及びコマンドデータ“30h”の入力に伴い、プレーンPLN0に対して読出動作が開始され、ユーザデータDatがラッチ回路XDL0に転送される。
【0093】
次に、コマンドデータ“00h”、アドレスデータAdd、及びコマンドデータ“30h”が、データ信号入出力端子DQ<7:0>を介して順次入力されている。このコマンドセットに含まれるアドレスデータAddは、上記プレーンアドレスとして、読出動作の対象となるプレーンPLN1(図4)の情報を含む。
【0094】
コマンドデータ“00h”、アドレスデータAdd、及びコマンドデータ“30h”の入力に伴い、プレーンPLN1に対して読出動作が開始され、ユーザデータDatがラッチ回路XDL1に転送される。
【0095】
次に、コマンドデータ“70h”が、データ信号入出力端子DQ<7:0>を介して入力されている。コマンドデータ“70h”は、ステータスリードを指示するコマンドデータである。コマンドデータ“70h”の入力に伴い、ステータスリードが行われ、ステータスデータSttがデータ信号入出力端子DQ<7:0>を介して出力される。
【0096】
次に、コマンドデータ“05h”、アドレスデータAdd、及びコマンドデータ“E0h”が、データ信号入出力端子DQ<7:0>を介して順次入力されている。このコマンドセットに含まれるアドレスデータAddは、上記プレーンアドレスとして、データアウト動作の対象となるプレーンPLN0(図4)の情報を含む。
【0097】
コマンドデータ“05h”、アドレスデータAdd、及びコマンドデータ“E0h”の入力に伴い、所定の待機時間後、コントローラダイCDが制御端子/RE,REの入力信号を切り替える(トグルする)。これにより、プレーンPLN0に対してデータアウト動作が開始され、ユーザデータ“DataOut”がデータ信号入出力端子DQ<7:0>を介して出力される。
【0098】
プレーンPLN0に対するデータアウト動作の終了後、コマンドデータ“70h”が、データ信号入出力端子DQ<7:0>を介して入力されている。コマンドデータ“70h”の入力に伴い、再度ステータスリードが行われ、ステータスデータSttがデータ信号入出力端子DQ<7:0>を介して出力される。
【0099】
次に、PLN0に対するデータアウト動作と同様に、コマンドデータ“05h”、アドレスデータAdd、及びコマンドデータ“E0h”が、データ信号入出力端子DQ<7:0>を介して順次入力されている。このコマンドセットに含まれるアドレスデータAddは、上記プレーンアドレスとして、データアウト動作の対象となるプレーンPLN1(図4)の情報を含む。
【0100】
所定の時間の経過後、コントローラダイCDが制御端子/RE,REの入力信号を切り替える(トグルする)。これにより、プレーンPLN1に対してデータアウト動作が開始され、ユーザデータ“DataOut”がデータ信号入出力端子DQ<7:0>を介して出力される。
【0101】
[動作モードMODEbにおける読出動作及びデータアウト動作]
【0102】
図14は、動作モードMODEbにおけるコマンドデータCmd及びアドレスデータAddの入力方法を説明するための模式的な波形図である。図15は、4ビットのヘッダセットの値と、その意味を示す図である。
【0103】
動作モードMODEbでは、2つの制御端子CLE(CA1)、ALE(CA0)を介してコマンド、アドレス等の情報を入力する。入力される情報の種類及びその値は、1つのフレームで構成される。フレームは、ヘッダセットとボディセットとを含む。ヘッダセットは、2つの制御端子CLE(CA1)、ALE(CA0)を介して入力される2ビットの第1ヘッダと、それに続く2ビットの第2ヘッダとを含む。ボディセットは、2つの制御端子CLE(CA1)、ALE(CA0)を介して入力される2ビットの第1ボディ~2ビットの第nボディ(nは、4,8等、任意の整数(好ましくはべき乗数))を含む。
【0104】
図14の例では、制御端子/CEに“L”状態の信号が入力された状態で、制御端子/WE(CA_clk)に、略一定のペースで“L”状態の信号及び“H”状態の信号が入力されている。つまり、制御端子/CEの入力信号が“L”状態で、制御端子/WE(CA_clk)の入力信号は、“L”から“H”に一度立ち上がって“L”から“H”に立ち下がるという入力信号の切り替え(2回のトグル)が繰り返される。
【0105】
図14の例では、タイミングt200及びタイミングt201において、制御端子/WE(CA_clk)に入力される信号の立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジに対応して4ビットのヘッダセットが入力される。より具体的には、タイミングt200及びタイミングt201において、コントローラダイCDがメモリダイMDに、図15に示す4ビットのヘッダセットを、2サイクルに分けて2ビットずつ入力している。例えば、ボディセットにおいて8ビットのコマンドデータCmdを入力することを指示する場合、1サイクル目のヘッダは、ビット“1”,“0”に応じて、制御端子CLE(CA1),ALE(CA0)の電圧が設定され、制御端子/WE(CA_clk)を“L”から“H”に立ち上げるタイミング(立ち上がりエッジ)で論理回路CTRの図示しないレジスタに取り込まれる。2サイクル目のヘッダは、ビット“0”,“0”に応じて、制御端子CLE(CA1),ALE(CA0)の電圧が設定され、制御端子/WE(CA_clk)を“H”から“L”に立ち下げるタイミング(立ち下がりエッジ)で論理回路CTRの図示しないレジスタに取り込まれる。
【0106】
また、図14の例では、タイミングt202~t205において、制御端子/WE(CA_clk)に入力される信号の立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジに対応して8ビットのボディセットが入力される。より具体的には、タイミングt102~t105において、コントローラダイCDはメモリダイMDに、4ビットのヘッダセット(エントリ条件)に応じた8ビットのボディセットを、4サイクルに分けて2ビットずつ入力している。例えば、8ビットのコマンドデータCmdを、ビット“0”~“7”とする。まず、1サイクル目のボディ(データ)は、ビット“1”,“0”に応じて、制御端子CLE(CA1),ALE(CA0)の電圧が設定され、制御端子/WE(CA_clk)を“L”から“H”に立ち上げるタイミング(立ち上がりエッジ)で取り込まれる。2サイクル目のボディ(データ)は、ビット“3”,“2”に応じて、制御端子CLE(CA1),ALE(CA0)の電圧が設定され、制御端子/WE(CA_clk)を“H”から“L”に立ち下げるタイミング(立ち下がりエッジ)で取り込まれる。3サイクル目~4サイクル目のボディも同様に、ビット“5”,“4”、及びビット“7”,“6”、に応じて、それぞれ制御端子CLE(CA1),ALE(CA0)の電圧が設定され、制御端子/WE(CA_clk)を立ち上げるタイミング(立ち上がりエッジ)、及び立ち下げるタイミング(立ち下がりエッジ)で取り込まれる。
【0107】
尚、ヘッダセットの例として、ボディセットにおいてコマンドデータCmdを入力すること(CMD)を指示する場合を説明したが、これに限らない。図15に示す様に、ボディセットにおいてアドレスデータAddを入力すること(ADD)を指示するヘッダセットであってもよい。また、ボディセットにおいてデータの出力(DOUT)、データの入力(DIN)、トリガ情報の入力、選択されたLUN(Logical Unit Number)を指示する情報等のヘッダセットであってもよい。尚、データの出力(DOUT)には、例えばステータスデータStt又はフィーチャデータFdの出力がある。データの入力(DIN)には、例えばフィーチャデータFdの入力がある。尚、図15に示すHeader Rise Edgeは、1サイクル目のヘッダ即ち制御端子/WE(CA_clk)に入力される信号の立ち上がりエッジに対応して入力される2ビットのファーストヘッダを示す。また、Header Fall Edgeは、2サイクル目のヘッダ即ち制御端子/WE(CA_clk)に入力される信号の立ち下がりエッジに対応して入力される2ビットのセカンドヘッダを示す。
【0108】
図16は、動作モードMODEbにおいてコマンドデータCmd及びアドレスデータAddを入力する際の波形を示している。図16の例では、制御端子/WE(CA_clk)に、略一定のペースで“L”及び“H”が入力されている。
【0109】
図16の例では、タイミングt211~t212の間のヘッドセット入力期間において、制御端子/WE(CA_clk)の入力信号の立ち下がりで、制御端子CLE(CA1)、ALE(CA0)に入力された“H”、“L”の2ビットの信号を入力し、制御端子/WE(CA_clk)の入力信号の立ち上りで、制御端子CLE(CA1)、ALE(CA0)に入力された“L”、“L”の2ビットの信号を入力している。これにより、コントローラダイCDがメモリダイMDに、コマンドデータCmdの入力を指定する入出力データ選択信号を入力している。
【0110】
また、タイミングt212~t213の期間において、コントローラダイCDはメモリダイMDに、ボディセットとしてコマンドデータCmdを入力している。
【0111】
ここで、図16の例では、コントローラダイCDがメモリダイMDに、8ビットのコマンドデータCmdを、4サイクルに分けて2ビットずつ入力している。例えば、8ビットのコマンドデータCmdを、ビット“7”~“0”とする。まず、1サイクル目のデータ入力では、ビット“7”,“6”に応じて、制御端子CLE(CA1),ALE(CA0)の電圧を“H”又は“L”に設定した状態で、制御端子/WEを“L”から“H”に立ち上げる。2サイクル目~4サイクル目のデータ入力でも同様に、ビット“5”,“4”、ビット“3”,“2”、及びビット“1”,“0”、に応じて、それぞれ制御端子CLE(CA1),ALE(CA0)の電圧を“H”又は“L”に設定した状態で、制御端子/WE(CA_clk)を“H”から“L”に立ち下げ、更に“L”から“H”に立ち上げ、それぞれの立ち下げ及び立ち上げタイミングでデータを入力している。
【0112】
また、タイミングt213~t214の期間において、コントローラダイCDはメモリダイMDに、アドレスデータAddの入力を指定する入出力データ選択信号を入力している。
【0113】
また、タイミングt214~t215の期間において、コントローラダイCDはメモリダイMDに、アドレスデータAddを入力している。
【0114】
ここで、図16の例では、ボディセットの入力期間において、コントローラダイCDがメモリダイMDに、アドレスデータAddを構成する8ビットのデータを、4サイクルに分けて2ビットずつ入力している。
【0115】
尚、図示を省略しているが、タイミングt215~t216においても同様に、アドレスデータAddを構成するデータを、2ビットずつ入力している。
【0116】
また、タイミングt216~t217の期間において、タイミングt211~t212と同様に、コマンドデータCmdの入力を指定する入出力データ選択信号を入力している。
【0117】
また、タイミングt217~t218の期間において、コントローラダイCDはメモリダイMDに、コマンドデータCmdを入力している。また、タイミングt218においては、読出動作等の動作が開始され、端子RY//BYの電圧が“H”から“L”に立ち下がっている。
【0118】
図17は、動作モードMODEbにおいて読出動作及びデータアウト動作を実行する場合の様子を示す模式的なタイミングチャートである。図17の例では、メモリダイMDが動作モードMODEbに設定されている。
【0119】
図17の例では、まず、コマンドデータ“00h”を含むコマンドセットが、制御端子CLE(CA1),ALE(CA0)を介して入力されている。次に、コマンドデータ“05h”を含むコマンドセットが、制御端子CLE(CA1),ALE(CA0)を介して入力されている。尚、動作モードMODEbにおいては、データ信号入出力端子DQ<7:0>を介したデータの入出力と、制御端子CLE(CA1),ALE(CA0)を介したデータの入出力とを、独立したタイミングで実行可能である。例えば、図17の例では、これらのコマンドセットの入力が、データアウト動作の実行中に(制御端子/RE,REの入力信号がトグルする期間中に)行われている。
【0120】
図18は、動作モードMODEcにおいて読出動作及びデータアウト動作を実行する場合の他の様子を示す模式的なタイミングチャートである。図18の例では、メモリダイMDが動作モードMODEcに設定されている。動作モードMODEcでは、制御端子CLE(CA1),ALE(CA0)を介してアドレスデータAdd及びコマンドデータCmdを入力するだけでなく、制御端子CLE(CA1),ALE(CA0)を介してステータスデータSttを出力することも可能としている。
【0121】
図18の例では、まず、コマンドデータ“00h”、アドレスデータAdd、及びコマンドデータ“30h”が、制御端子CLE(CA1),ALE(CA0)を介して順次入力されている。このコマンドセットに含まれるアドレスデータAddは、上記プレーンアドレスとして、読出動作の対象となるプレーンPLN0(図4)の情報を含む。
【0122】
次に、コマンドデータ“00h”、アドレスデータAdd、及びコマンドデータ“30h”が、制御端子CLE(CA1),ALE(CA0)を介して順次入力されている。このコマンドセットに含まれるアドレスデータAddは、上記プレーンアドレスとして、読出動作の対象となるプレーンPLN1(図4)の情報を含む。
【0123】
次に、“L”,“L”が、制御端子CLE(CA1),ALE(CA0)を介して入力されている。“L”.“L”の入力に伴い、ステータスリードが行われ、ステータスデータSttが、制御端子CLE(CA1),ALE(CA0)を介して出力される。
【0124】
次に、コマンドデータ“05h”、アドレスデータAdd、及びコマンドデータ“E0h”が、制御端子CLE(CA1),ALE(CA0)を介して順次入力されている。このアドレスデータAddは、上記プレーンアドレスとして、データアウト動作の対象となるプレーンPLN0(図4)の情報を含む。
【0125】
所定の待機時間後、プレーンPLN0に対してデータアウト動作が開始され、ユーザデータ“DataOut”がデータ信号入出力端子DQ<7:0>を介して出力される。
【0126】
また、図18の例では、プレーンPLN0に対するデータアウト動作が行われている間に、“L”,“L”が、制御端子CLE(CA1),ALE(CA0)を介して入力されている。“L”,“L”の入力に伴い、ステータスリードが行われる。プレーンPLN0に対するデータアウト動作の間に、ステータスデータSttが、制御端子CLE(CA1),ALE(CA0)を介して出力される。
【0127】
次に、コマンドデータ“05h”、アドレスデータAdd、及びコマンドデータ“E0h”が、制御端子CLE(CA1),ALE(CA0)を介して順次入力されている。このアドレスデータAddは、上記プレーンアドレスとして、データアウト動作の対象となるプレーンPLN1(図4)のアドレス等を含む。
【0128】
図18の例では、プレーンPLN0に対するデータアウト動作が行われている間に、ステータスリード及びステータスデータSttの出力が行われ、更に、プレーンPLN1に対するデータアウト動作を実行する旨のコマンドセットの入力が開始されている。
【0129】
[メモリダイMDの消費電流について]
次に、動作モードMODEb,MODEcにおけるメモリダイMDの消費電力について説明する。
図19は、比較例における動作モードMODEb,MODEcでの消費電流の変化を概念的に示した模式図である。尚、この例では、図2及び図3に示すように、メモリシステムが8つのメモリダイMDを有し、それらの制御端子/CE(チップイネーブル信号が供給される端子)が共通に接続されている。この場合、各メモリダイMDは、LUN0~LUN7としてそれぞれ異なるLUNアドレスを割り当てられており、LUNアドレスによって特定可能である。違う言い方をすると、メモリシステムに含まれる8つのメモリダイMDが、それぞれ、LUN0~LUN7として機能するように構成されている。ここでは、LUNアドレスを例に挙げているが、メモリダイMDを特定することが可能な情報であれば、LUNアドレス以外の他の情報を用いても良い。
【0130】
制御端子CLE(CA1),ALE(CA0)にコマンド及びアドレス等を入力する際、又は制御端子CLE(CA1),ALE(CA0)からステータスデータ等を出力する際に、8つのメモリダイMDを通じて、8セット分の入力回路201b、出力回路202cの電流を消費する。これらの消費電流はデータアウト時の電流に比べれば少ないが、データアウトとコマンド、アドレス入力又はステータスデータ出力とが重なると、消費電流が上昇する。
【0131】
そこで、本実施形態では、図20に示すように、新たに「LUN_SEL」コマンドセットを導入し、次のコマンドセットによりアクセスされるメモリダイMDを特定する。これにより、アクセスの対象とならないメモリダイMDについては、入力回路201bを非アクティブ状態にする。
【0132】
具体的には、LUN_SELコマンドが入力されたら、各メモリダイMDのシーケンサSQCは、LUN_SELコマンドによって選択されたLUNが、自己のLUNに該当するかどうかを判断する。そして、各メモリダイMDのシーケンサSQCは、LUN_SELコマンドによって選択されたLUNが、自己のLUNとは異なると判断した場合、図11に示す内部チップイネーブル信号/CE_CAをディスエーブル状態にして、入力回路201b及び出力回路202cを非アクティブ状態にする。例えば、LUN0を選択するLUN_SELコマンドが入力された場合、LUN1~LUN7のシーケンサSQCが、内部チップイネーブル信号/CE_CAをディスエーブル状態にして、入力回路201b及び出力回路202cを非アクティブ状態にする。また、例えば、LUN1を選択するLUN_SELコマンドが入力された場合、LUN0,LUN2~LUN7のシーケンサSQCが、内部チップイネーブル信号/CE_CAをディスエーブル状態にして、入力回路201b及び出力回路202cを非アクティブ状態にする。尚、ここでは、入力回路201b及び出力回路202cを非アクティブにしているが、入力回路201bのみを非アクティブにしても良い。入力回路201bは、コントローラダイCD側から信号が入力されると電流が消費されるのに対し、出力回路202cは、内部から信号出力をしなければ、電流が消費されないからである。また、ここでは、制御端子CLE(CA1),ALE(CA0)及び/WE(CA_clk)に接続された入力回路201b及び出力回路202cを、アクティブ又は非アクティブに制御しているが、制御端子CLE(CA1),ALE(CA0)及び/WE(CA_clk)のうちの少なくとも一つに接続された入力回路201bを、アクティブ又は非アクティブに制御する構成としても良い。
【0133】
図20の例では、タイミングt301において、LUN0で特定されるメモリダイMDからのデータアウトプットのコマンド入力の後、トリガコマンドTRGが入力され、その後、LUN_SELコマンドが入力される。ここで、LUN_SELコマンドが“LUN1”を選択した場合、直後のタイミングt302で、LUN1以外のLUN0,LUN2~7のメモリダイMDの内部チップイネーブル信号/CE_CAが“L”から“H”に立ち上がり、ディスエーブル状態になる。ディスエーブル状態の内部チップイネーブル信号/CE_CAは、タイミングt303で、制御端子/CEを介して入力されるチップイネーブル信号が立ち上がり、続いて立下がることにより、“L”レベル(イネーブル状態)にリセットされる。以下、同様の動作が実行される。
【0134】
[第1実施形態の効果]
本実施形態によれば、図21に示すように、LUN_SELコマンド入力後に、8つのメモリダイMDのうち、7つのメモリダイMDの入力回路201bが非アクティブ状態になるので、データ出力と次のコマンドセットの入力とが重なる期間での消費電流を抑制することができる。
【0135】
[第2実施形態]
次に、図22を参照して、第2実施形態に係るメモリシステムの構成について説明する。図22は、第2実施形態に係るメモリダイMD2の図11と対応する構成を示す模式的なブロック図である。
【0136】
図22に示す様に、本実施形態に係るメモリシステムは、基本的には、第1実施形態に係るメモリシステムと同様に構成されている。ただし、第2実施形態に係るメモリシステムは、制御端子CLE(CA1),ALE(CA0)及び/WE(CA_clk)に接続された、動作モードMODEbで使用される入力回路201bのみならず、動作モードMODEaで使用される入力回路201aについても、アクティブ、非アクティブの制御を可能にしている。
【0137】
シーケンサSQCは、動作モードMODEaにおいて、LUN_SELコマンドを入力すると、LUN_SELコマンドで選択されたメモリダイMDが、自己のメモリダイMDと異なる場合、内部チップイネーブル信号/CE_CAaをディスエーブル状態にする。また、シーケンサSQCは、動作モードMODEbにおいて、LUN_SELコマンドを入力すると、LUN_SELコマンドで選択されたメモリダイMDが、自己のメモリダイMDと異なる場合、内部チップイネーブル信号/CE_CAbをディスエーブル状態にする。
【0138】
これにより、動作モードMODEbのみならず、動作モードMODEaについても消費電流の抑制が可能である。
【0139】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0140】
CD…コントローラダイ、/CE,CLE(CA1),ALE(CA0),/WE(CA_clk),/RE,RE,/WP…制御端子、MC…メモリセル(メモリセルトランジスタ)、MCA…メモリセルアレイ、MD…メモリダイ、PC…周辺回路、ADR…アドレスレジスタ、CMR…コマンドレジスタ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22