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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135950
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】磁気ディスク装置
(51)【国際特許分類】
   G11B 5/596 20060101AFI20240927BHJP
   G11B 21/10 20060101ALI20240927BHJP
   G11B 21/08 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
G11B5/596
G11B21/10 R
G11B21/08 B
G11B21/08 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023046871
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松澤 卓治
(57)【要約】
【課題】サーボ情報のサンプリング周期に適応して制御器のフィルタ特性を変える磁気ディスク装置を提供する。
【解決手段】本実施形態に係る磁気ディスク装置は、制御器と並列に設けられ、特定の周波数でピークを持ち、係数が感度関数と制御対象によって決まるデジタルフィルタによるループ整形フィルタを備え、サーボ情報のサンプリング周期の変化に基づいて、前記デジタルフィルタのフィルタ係数を更新する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御器と並列に設けられ、特定の周波数でピークを持ち、係数が感度関数と制御対象によって決まるデジタルフィルタによるループ整形フィルタを備え、
サーボ情報のサンプリング周期の変化に基づいて、前記デジタルフィルタのフィルタ係数を決定する磁気ディスク装置。
【請求項2】
少なくとも第1サンプリング周期と、前記第1サンプリング周期に対して求めた前記デジタルフィルタの第1フィルタ係数を適用した第1デジタルフィルタのゲイン特性がピークとなる周波数である第1角周波数と、前記第1角周波数と異なる第2角周波数と、前記第1フィルタ係数を求めるときに用いた第1感度パラメータとに基づいて、
前記第1サンプリング周期と異なる第2サンプリング周期に対する前記デジタルフィルタの第2フィルタ係数を求めるフィルタ係数更新部を備える請求項1に記載の磁気ディスク装置。
【請求項3】
少なくとも前記サンプリング周期、前記第1感度パラメータ、前記第1角周波数、前記第2角周波数を用いて、前記第2フィルタ係数を算出するフィルタ係数計算部を備え、
前記フィルタ係数計算部は、前記サンプリング周期が前記第1サンプリング周期から前記第2サンプリング周期に切り替わったときに、前記第2フィルタ係数を算出して、算出した前記第2フィルタ係数を前記デジタルフィルタに適用する請求項2に記載の磁気ディスク装置。
【請求項4】
前記フィルタ係数更新部は、前記第1角周波数における第1ゲインと前記第2角周波数における第2ゲインの差であるゲイン剥離量を求め、予め設定されたゲイン剥離の許容量に基づいて前記第2フィルタ係数を求める請求項2に記載の磁気ディスク装置。
【請求項5】
前記フィルタ係数更新部は、前記第1角周波数における第1位相と前記第2角周波数における第2位相の差である位相剥離量を求め、予め設定された位相剥離の許容量に基づいて前記第2フィルタ係数を求める請求項4に記載の磁気ディスク装置。
【請求項6】
前記ゲイン剥離の許容量を0とする請求項5に記載の磁気ディスク装置。
【請求項7】
前記ゲイン剥離の許容量、位相剥離の許容量の少なくともいずれか調整をする請求項6に記載の磁気ディスク装置。
【請求項8】
前記第2サンプリング周期の候補である複数の第3サンプリング周期それぞれに対して第3フィルタ係数を求め、保存するパラメータ保存部を備え、
前記フィルタ係数更新部は、前記サンプリング周期が前記第1サンプリング周期から前記第2サンプリング周期に切り替わったときに、前記パラメータ保存部から前記第2サンプリング周期に対する前記第3フィルタ係数を取得して、取得した前記第3フィルタ係数を前記デジタルフィルタに適用する請求項2に記載の磁気ディスク装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、磁気ディスク装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ハードディスクドライブ(HDD)などの磁気ディスク装置では、回転するディスクの目標トラックにヘッドの位置を合わせるためにトラッキング制御を行う。トラッキング制御においては、ディスク上に書き込まれているサーボ情報を用いてヘッドとディスクとの位置関係を検知するが、トラッキング精度を劣化させる回転非同期外乱(NRRO:Non Repetitive Run-Out)などの外乱要因を抑えるために、ループ整形フィルタを用いることがある。
しかしながら、ディスクの回転数が変わる等してサーボ情報のサンプリング周期が変わると、回転非同期外乱(NRRO)などを抑圧するフィルタの特性が変化する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5072318号明細書
【特許文献2】米国特許第7054094号明細書
【特許文献3】米国特許第8503124号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、サーボ情報のサンプリング周期に適応して制御器のフィルタ特性を変える磁気ディスク装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態に係る磁気ディスク装置は、制御器と並列に設けられ、特定の周波数でピークを持ち、係数が感度関数と制御対象によって決まるデジタルフィルタによるループ整形フィルタを備え、サーボ情報のサンプリング周期の変化に基づいて、前記デジタルフィルタのループ整形フィルタ係数を更新する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、第1の実施形態に係る磁気ディスク装置の構成図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る磁気ディスク装置におけるサーボ制御部及び関連部位のブロック線図の例である。
図3図3は、第1の実施形態に係る磁気ディスク装置におけるフィルタA[z]の周波数特性の例である。
図4図4は、第1の実施形態に係る磁気ディスク装置の準備時の処理動作を示すフローチャートである。
図5図5は、第1の実施形態に係る磁気ディスク装置の利用時の処理動作を示すフローチャートである。
図6図6は、第1の実施形態に係る磁気ディスク装置が第2の設計パラメータを決定する際の処理動作を示すフローチャートである。
図7図7は、第1の実施形態に係る磁気ディスク装置における第1と第2の設計パラメータの関係を説明する図である。
図8図8は、第2の実施形態に係る磁気ディスク装置が第2の設計パラメータを決定する際の処理動作を示すフローチャートである。
図9図9は、第2の実施形態に係る磁気ディスク装置のフィルタA[z]の周波数特性の例である。
図10図10は、第3の実施形態に係る磁気ディスク装置の準備時の処理動作を示すフローチャートである。
図11図11は、第3の実施形態に係る磁気ディスク装置が備える第1と第2の設計パラメータの関係を示すテーブルの例である。
図12図12は、第3の実施形態に係る磁気ディスク装置の利用時の処理動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図面は、一例であって、発明の範囲を限定するものではない。
【0008】
(第1の実施形態)
本実施形態の磁気ディスク装置は、サーボ情報のサンプリング周期の変化を検知するとフィルタ係数を再計算し、回転非同期外乱(NRRO)を抑圧するフィルタを変更する。
【0009】
図1は、実施形態に係る磁気ディスク装置の構成図である。
【0010】
磁気ディスク装置1は、データが読み書きされる磁気ディスク11(以降、単にディスクと称することもある)を備える記憶装置であり、演算処理などのコンピュータ機能を備えた、例えば、マイクロプロセッサなどの処理装置を備える。磁気ディスク装置1は、接続されるホストシステム2から受信するコマンドなどに基づいて、ホストシステム2へデータを出力したり、ホストシステム2から入力されるデータをディスク11に書き込んだりする。
【0011】
ホストシステム2は、例えば、パソコン本体などであり、磁気ディスク装置1に対してディスク11のデータの読み込み命令であるリードコマンドや、ディスクに書き込むデータとともにデータの書き込み命令であるライトコマンドなどを出力する。またホストシステム2は、磁気ディスク装置1のディスク11に含まれるサーボ情報のサンプリング周期の情報を出力して磁気ディスク装置1に指定してもよい。
【0012】
HDA10は、ヘッドディスクアッセンブリと称され、磁気ディスク11、スピンドルモータ(以下、SPMと称する場合もある)12、ヘッド19を搭載しているアーム15、ボイスコイルモータ(以下、VCMと称する場合もある)13などが筐体に格納される。本実施形態のHDA10には、ディスク11、ヘッド19が1つずつ設置される例を示すが、それぞれが1以上設けられてもよい。
【0013】
ディスク11は、円盤型の磁気による回転ディスク記憶媒体であり、データを書き込み(ライトと称する場合もある)可能なデータ領域に、ユーザから利用可能なユーザデータ領域と、システム管理に必要な情報をライトするシステムエリアとが割り当てられている。以下、ディスク11の半径方向に直交する方向を円周方向と称する。ディスク11は、スピンドルモータ12に取り付けられ、スピンドルモータ12の駆動により回転する。
【0014】
ディスク11は、複数のトラックが設定されている。図1においては例として3つのトラックTR1、TR2、TR3(特に区別しない場合は、トラックTRと称する)を示したが、データ領域にスピンドル12を中心として同心円状に複数のトラックが設定される。ディスク11のデータのリードライト(読み書き)を実行する際には、シーク制御、トラッキング制御などによりヘッド19を読み書き対象のデータ(目標データと称することもある)のあるトラックTRに移動させ、ヘッド19がデータをリードライトする。目標データのあるトラックTRを目標トラックと称する場合もある。
【0015】
また、ディスク11にはサーボ情報が書き込まれており、ヘッド19の位置検出などに利用される。サーボ情報は、ディスク11の円周方向に予め決められた位置(サーボ領域と称する)に設置される。サーボ情報については一般的な内容であり、詳細の説明は省略する。図1の例では、サーボ領域の例として3つのサーボ領域SVA1、SVA2、SVA3(特に区別しない場合は、サーボ領域SVAと称する)を示したが、一般的には、ディスク11の円周方向全体に等間隔でサーボ領域SVAが設置され、各トラックTRのサーボ領域SVAにサーボ情報が書き込まれる。磁気ディスク装置1は、ヘッド19が読み取ったサーボ情報により、ヘッド19の現在位置を検出することができる。
【0016】
スピンドル12は、ディスク11の支柱であり、磁気ディスクの筐体などに設置される。スピンドル12が回転することによりディスク11が回転する。
【0017】
VCM13は、ボイスコイルモータ型のアクチュエータであり、アーム15などを動かすために利用される。VCM13は、入力される電流または電圧に基づいて、アーム15などの動作を制御する。
【0018】
ピボット14は、アーム15などを支持し、回転動作などさせるための軸受けである。
【0019】
アーム15は、スライダ18やヘッド19を支持するアームであり、VCM13からの動力をヘッド19に伝え、ヘッド19を目標トラックTRに移動させる。
【0020】
サスペンション16には、マイクロアクチュエータ17が接続される。
【0021】
マイクロアクチュエータ17(MA17と称する場合もある)は、入力された電流または電圧に基づいて、ヘッド19のトラッキング制御など高精度な位置調整を行う。マイクロアクチュエータ17は、一般的な機能であり詳細の説明は省略するが、ヘッド19に対して、シーク制御後のセトリング時の位置の微調整や、シーク制御後の目標トラックに対するトラッキング制御を実施する。セトリングとは、シーク制御によるヘッド19の移動後に、目標トラックに対する位置決め誤差が、シーク制御によるヘッド19の振動の影響も含めて、例えばある閾値以下に収まるまでの状態のことである。セトリングによりヘッド19の振動が十分に小さく収まった後に、データのリードライト制御やトラッキング制御が実行される。
【0022】
スライダ18に、ヘッド19が搭載されている。
【0023】
ヘッド19は、ディスク11にデータをライトしたり、ディスク11のデータトラックに記録されているデータをリードしたりする部位である。特に区別する場合は、ディスク11にデータをライトするヘッドをライトヘッド19W、ディスク11のデータトラックに記録されているデータをリードするヘッドをリードヘッド19Rと称する。
【0024】
ドライバIC20は、HDC50、サーボ制御部62などからの制御に従って、SPM12、VCM13、マイクロアクチュエータ17などを駆動、制御するための電流または電圧を出力する。
【0025】
ヘッドアンプIC30は、リードアンプやライトドライバを備えている。リードアンプは、ディスク11からリードされたリード信号を増幅して、R/Wチャネル40に出力する。ライトドライバは、R/Wチャネル40から出力される信号に応じたライト電流をヘッド19に出力する。
【0026】
R/Wチャネル40は、HDC50、メインコントローラ60などからの指示に応じて、ヘッドアンプIC30に対してディスク11からのデータの読み出しや、ディスク11へのデータの書き込みなどの制御をする。R/Wチャネル40は、ヘッドアンプIC30から受信したリードデータ信号を受信してリードデータを抽出したり、書き込み命令されたライトデータなどに基づいてライトデータ信号を生成し、ヘッドアンプIC30に出力したりする。またR/Wチャネル40は、ヘッドアンプIC30から受信したリードデータの信号品質を測定する機能を有している。R/Wチャネル40は、ヘッドアンプIC30から受信したサーボ情報信号に基づいて、ヘッド19の位置情報を抽出することでもよい。
【0027】
HDC50は、磁気ディスク装置1とホストシステム2とのインターフェースであり、磁気ディスク装置1の各部位を制御するハードディスクコントローラである。HDC50は、CPUなどのコンピュータ機能を備えた処理装置、その他処理装置機能を備えたICチップなどにより構成されてもよい。HDC50は、例えばホストシステム2からディスク11へのデータの書き込み命令やディスク11のデータの読み込み命令などのコマンドを受信する。HDC50は、受信したコマンドに基づいて、磁気ディスク装置1の各部を制御したり、ホストシステム2とR/Wチャネル40との間でデータ転送をしたりする。HDC50は、揮発性メモリ70、パラメータ保存部90、及び不揮発性メモリ80などへのデータの読み書きを制御することでもよい。
【0028】
メインコントローラ60は、磁気ディスク装置1の各部を制御するメインコントローラであり、演算処理などのコンピュータ機能を備え、例えばマイクロプロセッサなどの処理装置、その他処理装置機能を備えたICチップなどにより構成されてもよい。メインコントローラ60の各種処理は、ソフトウェア(ファームウェアなどを含む)のプログラムにより実行してもよいし、ハードウェアもしくはソフトウェアやハードウェアの組み合わせとして備えていてもよい。
【0029】
リード/ライト制御部61は、ホストシステム2から受信するコマンドなどに基づいて、ライトデータの保存先(例えばディスク11のデータセクタ、トラックなどの情報)を選択し、ディスク11へのデータのライト動作を制御する。リード/ライト制御部61は、ホストシステム2から受信するコマンドなどに基づいて、リードデータの保存先(例えばディスク11のデータセクタ、トラックなどの情報)をサーボ制御部61などに通知してヘッド19を操作して、ディスク11のデータのリード動作を制御する。
【0030】
サーボ制御部62は、例えばホストシステム2から受信するコマンドなどに基づいて、ヘッド19を制御する。例えばサーボ制御部62は、ヘッド19を目標位置(目標トラック)に移動させるため、ドライバIC20を介してVCM13を制御するシーク制御、トラッキング制御を実行する。またサーボ制御部62は、ドライバIC20を介してマイクロアクチュエータ17を制御して、ヘッド19のトラッキング制御を実行する。
【0031】
より具体的にサーボ制御部62は、ホストシステム2から受信するコマンドなどに基づいて決定したヘッド19の目標位置やR/Wチャネル40から受信したヘッド19の現在位置に基づいて、ヘッド19のシーク制御やトラッキング制御のための制御値として、入力電流値または入力電圧値を決定し、VCM13、マイクロアクチュエータ17へ出力する。
【0032】
フィルタ係数更新部63は、サンプリング周期決定部631、設計パラメータ変換部632、フィルタ係数計算部633を備え、サーボ制御部62によるヘッド19の制御系を示す制御器に含まれるデジタルフィルタのフィルタ係数を求めたり、更新したりする。
【0033】
サンプリング周期決定部631は、ホスト2などから受信するサーボ情報のサンプリング周期に関わるコマンドや、ディスク11の回転速度などに基づいて、サーボ情報のサンプリング周期を決定する。詳細は後述する。
【0034】
設計パラメータ変換部632は、サンプリング周期に応じて、フィルタ係数計算に必要なパラメータ(特に設計パラメータと称する)を変換し、出力する。詳細は後述する。
【0035】
フィルタ係数計算部633は、設計パラメータ変換部632が求めた設計パラメータや、その他のパラメータから、フィルタ係数を計算し、ループ整形フィルタに適用する。詳細は後述する。
【0036】
揮発性メモリ70は、電力供給が断たれると保存しているデータが失われる半導体メモリである。揮発性メモリ70は、磁気ディスク装置1における処理に必要なデータなどを格納する。揮発性メモリ70は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、又はSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)である。
【0037】
不揮発性メモリ80は、電力供給が断たれても保存しているデータを記録する半導体メモリである。不揮発性メモリ80は、例えば、NOR型またはNAND型のフラッシュROM(Flash Read Only Memory :FROM)である。
【0038】
パラメータ保存部90は、フィルタ係数更新部63で用いられるパラメータ、フィルタ係数などを格納する半導体メモリである。パラメータ保存部90は、例えば、DRAM、SRAM(Static Random Access Memory)、SDRAM、FeRAM(Ferroelectric Random Access memory)、又はMRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)などである。なお、パラメータ保存部90は、揮発性メモリ70などと一体に構成されていてもよい。
【0039】
図2は、第1の実施形態に係る磁気ディスク装置のサーボ制御部及び関連部位のブロック線図の例である。
【0040】
制御系620は、サーボ制御部62によるヘッド19までのブロック図を示し、ヘッド19の目標位置r[k]を入力として、現在のヘッド19のヘッド位置y[k]を出力とする伝達関数を持つ。r[k]、y[k]は離散時間信号を示し、kはサンプル時点を示す。以降、[k]が付与されている変数は離散時間信号であることを示す。
【0041】
制御器621は、VCM13やマイクロアクチュエータ17を制御する制御器であり、Z変換によって示されるデジタルフィルタの伝達関数C[z]を持つ。制御器621は、ヘッド19の目標位置r[k]と現在位置y[k]との差(ヘッド位置誤差と称する)e[k]などの入力に基づいて制御値uc[k]を生成し、VCM13やマイクロアクチュエータ17へ出力する。
【0042】
ループ整形フィルタ622は、Z変換によって示されるデジタルフィルタの伝達関数A[z]を持つ。ループ整形フィルタ622は、出力値ud[k]を出力し、制御器621の出力値uc[k]とud[k]の和uc[k]+ud[k]が制御入力としてVCM13やマイクロアクチュエータ17へ入力される。ループ整形フィルタ622は、フィルタ係数更新部63によってフィルタ係数が更新される。
【0043】
制御対象623は、VCM13、マイクロアクチュエータ17で、伝達関数をP[z]とする。
【0044】
ヘッド19の位置y[k]は、制御対象623の出力であるyp[k]に外乱d[k]が加わり、y[k]=yp[k]+d[k]と示される。ヘッド19のトラッキング制御時には、さまざま振動が発生し、外乱d[k]の要因となり、ヘッド19の位置y[k]に影響する。例えば、外乱d[k]の要因として回転非同期外乱(NRRO)が考えられる。
【0045】
以下に、本実施形態の動作を説明する。
【0046】
図2に示すように、ループ整形フィルタ622(フィルタA[z]と称することもある)は、制御器621と並列に入れられる構成を取り、フィルタA[z]は式1で示される。
【0047】
【数1】

ただし、Tはサーボ情報のサンプリング周期(取得間隔)、η、μは設計パラメータを示し、αとΦについてはそれぞれ式2-1で表される。
【0048】
【数2】

ただし、
【0049】
【数3】
【0050】
αとΦは、図2のループ整形フィルタ622の出力ud[k]からyp[k]までの伝達関数Mud[z]の抑圧対象周波数ω0(以下、第1の角周波数と称する)でのゲインと位相でマッチングを取っている(以下、αとΦを感度パラメータと称する)。また式2-2の分子を1とした関数を特に感度関数と称する。感度関数は、外乱d[k]からyp[k]までの伝達関数を示す。すなわち式2-2により、ループ整形フィルタ622の係数を感度関数と制御対象(P[z]に相当)を考慮して決めることができる。
【0051】
これは、ループ整形フィルタ622のフィルタA[z]で位置誤差信号e[k]から推定した外乱d[k]の推定値が外乱d[k]を打ち消すように、フィルタA[z]の出力ud[k]に入れた信号が外乱d[k]の入っている場所に到達するまでのゲインと位相の変化を考慮してフィルタを設計していることを意味する。
【0052】
上記のようにフィルタ設計した後に、サーボ情報の取得間隔であるサンプリング周期Tが変わる場合がある。
【0053】
本実施形態においては、サンプリング周期Tが変わった場合でも、安定性やロバスト性の観点から、サンプリング周期が変わる前(設計時のサンプリング周期)と周波数特性が同じになるように制御器やノッチフィルタを調整することを前提とする。従って、サンプリング周期Tが変わった場合でも、αとΦは変わらない。
【0054】
図3は、第1の実施形態に係る磁気ディスク装置のフィルタA[z]の周波数特性の例である。
【0055】
GC101、PC101は、事前の設計段階などに於いて第1のサンプリング周期T1で第1の角周波数ω0に対してαとΦを求めて、第1の設計パラメータη1、μ1を決定し、式1から係数を計算したフィルタA[z]の周波数特性(ゲイン特性及び位相特性)のそれぞれゲイン特性と位相特性を示している。周波数特性をFCという記号で示し、ゲイン特性GC101、位相特性PC101を含む周波数特性をFC101のように示す。
【0056】
GC102、PC102は、サンプリング周期T1が第2のサンプリング周期T2に変わった時、係数を再計算せずに、すなわち式1において変数(T1、ω0、α、Φ、η1、μ1)をそのまま用いた場合のゲイン特性及び位相特性を示す。FC102においては、フィルタA[z]のピーク周波数(抑圧される周波数)が変わってしまう。
【0057】
GC103、PC103は、第2のサンプリング周期T2と第1の設計パラメータη1、μ1を使って、すなわち式1において変数(T2、ω0、α、Φ、η1、μ1)としてフィルタ係数を再計算した場合の例であり、フィルタA[z]のゲイン特性GC103のピーク周波数はゲイン特性GC101と一致するが、フィルタの周波数特性は変化してしまい、望みの特性が得られない(FC101と比較すると、ゲイン特性及び位相特性それぞれに差異が生じる)。
【0058】
本実施形態では、サンプリング周期Tが変化しても、第1の角周波数ω0の近傍に於いてフィルタA[z]の周波数特性がほぼ変わらないように、設計パラメータη、μをサンプリング周期Tによって変える。具体的には、フィルタ係数更新部63(サンプリング周期決定部、設計パラメータ変換部、フィルタ係数計算部)において、設計パラメータη、μを算出する。
【0059】
以下に、磁気ディスク装置1におけるフィルタ係数更新動作の処理を示す。
【0060】
図4は、第1の実施形態に係る磁気ディスク装置の準備時の処理動作を示すフローチャートである。
【0061】
本実施形態の磁気ディスク装置1においては、予め事前の設計段階などに於いて上記のように第1のサンプリング周期T1に対する感度パラメータα1とΦ1、第1の設計パラメータη1、μ1を求め、第1の角周波数ω0や第1の角周波数ω0の近傍の値である第2の角周波数ω1を例えばメーカーが出荷前など事前に決定し、求められたパラメータや決定された値がパラメータ保存部90に保存される(ステップS11)。第2の角周波数ω1は、例えばフィルタの半値幅の半分から決定してもよいし、複数のフィルタを用いるときに隣接するフィルタの抑圧対象周波数などとして決定してもよい。
【0062】
さらに、磁気ディスク装置1のフィルタ係数計算部633は、ステップS11でパラメータ保存部90に保存したパラメータから式3-1のA11[z]の各係数を計算し、その係数を初期値としてループ整形フィルタ622に設定する。(ステップS12)。
【0063】
【数4】
【0064】
フィルタ係数計算部633は、ステップS12で求めたA11[z]のフィルタの絶対値と位相を角周波数ω0、ω1それぞれに対して求め、パラメータ保存部90に保存する(ステップS13)。またメーカーなどにおいて、ゲインと位相の乖離許容量Δg、Δθを事前試験などから求めた適当な値に決定し、パラメータ保存部90に保存する(ステップS14)。
【0065】
以上の手順により、磁気ディスク装置1を利用するための事前準備がなされる。
【0066】
図5は、第1の実施形態に係る磁気ディスク装置の利用時の処理動作を示すフローチャートである。
【0067】
磁気ディスク装置1は、電源が投入されるなどして利用が開始されると(ステップS101)、フィルタ係数更新部63は、サンプリング周期T3にパラメータ保存部90に保存されたサンプリング周期の初期設定値であるT1を設定する(ステップS102)。サンプリング周期T3はループ整形フィルタ622に設定されている係数を計算したときのサンプリング周期を示し、例えば、揮発性メモリ70などのワークメモリに格納されていてもよい。
【0068】
サンプリング周期決定部631は、例えばホスト2からサンプリング周期を指定される等して、サンプリング周期T2とすることを決定した場合(ステップS104のYes)、各サンプリング周期の値T1、T2、T3を比較する(ステップS105)。
【0069】
ステップS105において、T1≠T2かつT2≠T3である場合(ステップS105のYes)、設計パラメータ変換部632において、第1のサンプリング周期T1用に計算された第1の設計パラメータη1、μ1を第2のサンプリング周期T2用の第2の設計パラメータη2、μ2に変換する(ステップS106)。以下に、ステップS106における変換について数式を用いて詳細の説明をする。
【0070】
第1のサンプリング周期T1、第1の設計パラメータη1、μ1でのフィルタA[z]は、式3-1に示したA11[z]とすると、第2のサンプリング周期T2、第2の設計パラメータη2、μ2でのフィルタA[z](A22[z]とする)は、式3-2のように記述できる。
【0071】
【数5】

以降、式3-1、式3-2を同時に示す場合は、「-」以降を省略して式3のように称する。以降の式も同様に、まとめて示す場合は「-」以降を省略する。
【0072】
ステップS106においては、例えば、式4(式4-1及び式4-2)及び式5(式5-1及び式5-2)を満たすように第2の設計パラメータη2、μ2を決定する。
【0073】
【数6】
【0074】
【数7】
【0075】
【数8】
【0076】
【数9】
【0077】
式4及び式5において、式6(式6-1、式6-2及び式6-3)のようにおくと、式7(式7-1及び式7-2)が得られる。
【0078】
【数10】
【0079】
【数11】
【0080】
【数12】
【0081】
【数13】
【0082】
【数14】
【0083】
本実施形態においては、ゲイン剥離量、位相剥離量に基づいて第2の設計パラメータη2、μ2を選択する例を示す。より具体的に設計パラメータ変換部632は、第1のサンプリング周期T1が第2のサンプリング周期T2に変更された場合に、第1のサンプリング周期T1に対して求めたフィルタ係数を用いた周波数特性と、第2のサンプリング周期T2に対して求めたフィルタ係数を用いたときの周波数特性のゲイン乖離量、位相乖離量を算出し、第1の角周波数ω0と第2の角周波数ω1とにおけるゲイン乖離量がゲイン乖離許容量Δg以下となる条件式7(式7-1及び式7-2)と第1の角周波数ω0と第2の角周波数ω1とにおける位相乖離量が位相乖離許容量Δθ以下となる条件式9(式9-1及び式9-2)とを満たす第2の設計パラメータη2、μ2を選択する。または、式7と式9の代わりに、式7の近似式である式8(式8-1、式8-2及び式8-3)と式10(式10-1、式10-2、式10-3及び式10-4)とを満たす第2の設計パラメータη2、μ2を選択することでもよい。
【0084】
【数15】
【0085】
【数16】

ただし、
【0086】
【数17】
【0087】
【数18】
【0088】
【数19】
【0089】
【数20】
【0090】
【数21】
【0091】
【数22】
【0092】
【数23】
【0093】
図6は、第1の実施形態に係る磁気ディスク装置が第2の設計パラメータを決定する際の処理動作を示すフローチャートであり、図5のステップS106の詳細に相当する。
【0094】
設計パラメータ変換部632は、図4のステップS11で保存した第1のサンプリング周期T1に対して予め求めた感度パラメータα1とΦ1、第1の設計パラメータη1、μ1、第1の角周波数ω0、第1の角周波数ω0の近傍の値である第2の角周波数ω1、さらに、ステップS12で角周波数ω0,ω1それぞれに対して求めたA11[z]のフィルタの絶対値と位相をパラメータ保存部90から取得する(ステップS151)。設計パラメータ変換部632は、式7と式9を満足する第2の設計パラメータη2、μ2を探す(ステップS152)。なおステップS152において、設計パラメータ変換部632は、式8と式10を満足する第2の設計パラメータη2、μ2を探すことでもよい。
【0095】
ステップS152において、所望の第2の設計パラメータη2、μ2が見つかった場合は、見つかった第2の設計パラメータη2、μ2をフィルタ係数計算部633へ出力する(ステップS152のYes、ステップS153)。
【0096】
一方、ステップS152において所望の第2の設計パラメータη、μが見つからなかった場合は、これらを満たす第2の設計パラメータが見つかるまでゲイン乖離許容量Δ、位相乖離許容量Δθの少なくともいずれかの値を大きくするなど調整してステップS152の処理を繰り返す(ステップS152のNo、ステップS154)。
【0097】
以上の手順により、第2の設計パラメータη、μが得られる。
【0098】
図5に戻り、フィルタ係数計算部633は、第2のサンプリング周期T、感度パラメータαとΦ、ステップS105で求められた第2の設計パラメータη、μ、第1の周波数ωとから式3-2によりフィルタA22[z]の係数を計算し、ファームウェア(FWと称する場合もある)に係数を設定する(ステップS107)。
【0099】
ステップS105において、T≠TかつT≠Tでない場合(ステップS105のNo)、かつT=TかつT≠Tである場合(ステップS109のYes)、フィルタ係数計算部633は、パラメータ保存部90の第1のサンプリング周期Tに対する感度パラメータαとΦ、第1の設計パラメータη、μ、第1の角周波数ωTをA11[z]に代入して求めたフィルタ係数初期値をFWに設定する(ステップS110)。
【0100】
フィルタ係数計算部633は、ステップS107及びステップS110にてフィルタ係数をFWに設定すると、実際に動作するサンプリング周期であるサンプリング周期Tをサンプリング周期決定部631が決定したサンプリング周期Tとする(ステップS108)。
【0101】
以上の手順により、第2のサンプリング周期Tに適応させたフィルタA[Z]の係数を求めて、ループ整形フィルタ622に反映することができる。
【0102】
図7は、第1の実施形態に係る磁気ディスク装置における第1と第2の設計パラメータの関係を説明する図である。
【0103】
SA401は、図3の周波数特性FC101に対応する第1の設計パラメータ等を用いたときの式8及び式10を満たす領域の例を示す。図6のステップS152において、SA401の領域から第2の設計パラメータη、μが選択されることを示す。なお、図6のステップS152において第2の設計パラメータη、μを探す手法は、サンプリング周期Tの変更がそれほど頻繁でなく時間に余裕がある場合は、例えば、パラメータの総当たり計算などでもよい。
【0104】
以上の手順により、本実施形態の磁気ディスク装置は、サーボ情報のサンプリング周期の変化を検知するとフィルタ係数を再計算し、回転非同期外乱(NRRO)を抑圧するフィルタの特性を変更する。
【0105】
(第2の実施形態)
本実施形態においては、設計パラメータ変換部632が、第1のサンプリング周期Tと第2のサンプリング周期Tとで第1の角周波数ω、第2の角周波数ωに於けるゲインが等しくなるように第2の設計パラメータη、μを求める例を示す。
【0106】
図8は、第2の実施形態に係る磁気ディスク装置が第2の設計パラメータを決定する際の処理動作を示すフローチャートである。
【0107】
設計パラメータ変換部632は、第1のサンプリング周期Tと第2のサンプリング周期Tとで第1の角周波数ω、第2の角周波数ωに於けるゲインが等しくなる条件(式4でΔ=0)である式11を満たす第2の設計パラメータηを求める(ステップS201)。
【0108】
【数24】

ステップS201において求めた第2の設計パラメータηを使って式12から第2の設計パラメータμを求める(ステップS202)。
【0109】
【数25】
【0110】
または、前記ゲインが等しくなる条件の近似式である式13(式13-1及び式13-2)を用いて第2の設計パラメータη、μを求めることでもよい。
【0111】
【数26】
【0112】
【数27】
【0113】
図9は、第2の実施形態に係る磁気ディスク装置のフィルタA[z]の周波数特性の例である。
【0114】
周波数特性FC201(GC201及びPC201)は、サンプリング周期Tで得た図3のGC101(FC101)に対応する第1の設計パラメータを、式13でサンプリング周期Tの第2の設計パラメータに変換したときのフィルタA[z]の周波数特性を示す。サンプリング周期が変わっているが、周波数特性FC201は、変換前の周波数特性FC101(GC101及びPC101))とほぼ同じ周波数特性が得られていることがわかる。
【0115】
(第3の実施形態)
本実施形態においては、図5のステップS106における変換で得られる第2の設計パラメータなどを予め計算しておき、テーブルデータなどとしてパラメータ保存部に保存する場合の例を示す。具体的には、取りうる第2のサンプリング周期Tの候補に対するパラメータ変換値を予め計算しておき、パラメータ変換値をパラメータ保存部90などに保持しておく。
【0116】
図10は、第3の実施形態に係る磁気ディスク装置の準備時の処理動作を示すフローチャートである。
【0117】
第1のサンプリング周期Tに対して決定した第1の設計パラメータη、μをパラメータ保存部90に保存する(ステップS31)。パラメータ変換部632は、ステップS11でパラメータ保存部90に保存したパラメータを式3-1のA11[z]に初期値として設定しA11[z]を求める(ステップS32)。
【0118】
サンプリング周期決定部631が決定しうる範囲の第2のサンプリング周期Tの複数候補に対して予め式11と式12又は式13を計算しておき、例えばη、μの変換テーブルの形でパラメータ保存部90に保存する。
【0119】
図11は、第3の実施形態に係る磁気ディスク装置が備える第1と第2の設計パラメータの関係を示すテーブルの例であり、パラメータ保存部90に格納した式13により得た(η-η、μ/μ)のテーブル例を示す。図11(a)は、サンプリングごとのη-η図11(b)は、サンプリングごとのμ/μを示す。
【0120】
図12は、第3の実施形態に係る磁気ディスク装置の利用時の処理動作を示すフローチャートである。
【0121】
サンプリング周期決定部631は、サンプリング周期の変更を決定すると、設計パラメータ変換部632は、パラメータ保存部90の変換値テーブル(図11に相当)を参照し(ステップS301)、現在使用中の第1の設計パラメータη1、μから第2の設計パラメータη、μへ変換する(ステップS302)。
【0122】
以上の手順により、磁気ディスク装置1は、制御器をサンプリング周期の変更に適応させることができる。
【0123】
以上に述べた少なくとも1つの実施形態によれば、サーボ情報のサンプリング周期に適応して制御器のフィルタ特性を変える磁気ディスク装置を提供することができる。
【0124】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、フローチャート、シーケンスチャートなどに示す処理は、CPU、ICチップ、デジタル信号処理プロセッサ(Digital Signal ProcessorまたはDSP)などのハードウェアもしくはマイクロコンピュータを含むコンピュータなどで動作させるソフトウェア(プログラムなど)またはハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって実現してもよい。また請求項を制御ロジックとして表現した場合、コンピュータを実行させるインストラクションを含むプログラムとして表現した場合、及び前記インストラクションを記載したコンピュータ読み取り可能な記録媒体として表現した場合でも本発明の装置を適用したものである。また、使用している名称や用語についても限定されるものではなく、他の表現であっても実質的に同一内容、同趣旨であれば、本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0125】
1…磁気ディスク装置、2…ホストシステム、10…HDA、11…ディスク、12…SPM、13…VCM、14…ピボット、15…アーム、16…サスペンション、17…マイクロアクチュエータ、18…スライダ、19…ヘッド、20…ドライバIC、30…ヘッドアンプIC、40…R/Wチャネル、50…HDC、60…メインコントローラ、61…リード/ライト制御部、62…サーボ制御部、63…フィルタ係数更新部、70…揮発性メモリ、80…不揮発性メモリ、90…パラメータ保存部、631…サンプリング周期決定部、632…設計パラメータ変換部、633…フィルタ係数計算部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12