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特開2024-135960映像設定制御装置、映像設定制御方法、および、映像設定制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135960
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】映像設定制御装置、映像設定制御方法、および、映像設定制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/6373 20110101AFI20240927BHJP
   H04N 21/442 20110101ALI20240927BHJP
   H04N 23/60 20230101ALI20240927BHJP
   H04N 23/661 20230101ALI20240927BHJP
   H04L 47/25 20220101ALI20240927BHJP
   H04L 65/60 20220101ALI20240927BHJP
【FI】
H04N21/6373
H04N21/442
H04N23/60 300
H04N23/661
H04L47/25
H04L65/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023046890
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】501158538
【氏名又は名称】三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002491
【氏名又は名称】弁理士法人クロスボーダー特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】尾上 幸多
【テーマコード(参考)】
5C122
5C164
5K030
【Fターム(参考)】
5C122DA03
5C122EA59
5C122EA63
5C122GC37
5C122GC41
5C122GC52
5C122GC75
5C122HA13
5C122HA35
5C122HA46
5C122HA86
5C122HA88
5C122HB01
5C122HB09
5C164FA07
5C164GA03
5C164SA25S
5C164TB33P
5C164UB26S
5C164UB41P
5C164YA21
5C164YA24
5K030GA14
5K030HB02
5K030LC09
5K030LC11
5K030MA04
5K030MB09
5K030MC07
(57)【要約】
【課題】配信側のカメラに制御機能が無い場合でも複数のカメラ全体としてバランスのとれた帯域管理を行うことを目的とする。
【解決手段】受信部110は、複数のカメラの各々から配信されるストリームを複数の受信ストリームとしてネットワークを介して受信する。監視部120は、複数の受信ストリームの各々のビットレートに基づき算出される配信ビットレート値が、ビットレートの上限の閾値に達しているか否かを監視し、閾値に達している場合、配信ビットレート値を下げるように指示する下方修正指示21を出力する。計算部130は、下方修正指示21を取得すると、配信ビットレート値を下げるように制御対象カメラから配信されるストリームの画質およびフレームレートの設定を含む設定値を計算する。制御部140は、制御対象カメラに、計算により得られた設定値でストリームを配信するように要求する配信開始リクエスト41を送信する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のカメラの各々から配信されるストリームを複数の受信ストリームとしてネットワークを介して受信する受信部と、
前記複数の受信ストリームの各々のビットレートに基づき算出される配信ビットレート値が、前記ネットワークの帯域に基づき予め定められたビットレートの上限の閾値に達しているか否かを監視し、前記配信ビットレート値が前記閾値に達している場合、前記配信ビットレート値を下げるように指示する下方修正指示を出力する監視部と、
前記下方修正指示を取得すると、前記複数のカメラのいずれかのカメラを制御対象カメラとして、前記配信ビットレート値を下げるように前記制御対象カメラから配信されるストリームの画質およびフレームレートの設定を含む設定値を計算し、計算により得られた新たな設定値を出力する計算部と、
前記制御対象カメラに、前記新たな設定値でストリームを配信するように要求する配信開始リクエストを送信する制御部と
を備える映像設定制御装置。
【請求項2】
前記複数のカメラの各々は、マルチストリームで配信しており、
前記制御部は、
前記制御対象カメラに、現在の受信ストリーム以外のストリームを前記新たな設定値で配信するように要求する前記配信開始リクエストを送信し、前記現在の受信ストリームを前記新たな設定値で配信されるストリームに切り替えるストリーム切替指示を出力し、
前記受信部は、
前記ストリーム切替指示を取得すると、前記現在の受信ストリームを前記新たな設定値で配信されるストリームに切り替え、
前記制御部は、
前記新たな設定値で配信されるストリームに切り替わると、前記制御対象カメラに、切替前のストリームの配信の停止を要求する配信停止リクエストを送信する請求項1に記載の映像設定制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記配信停止リクエストを送信するとともに、前記制御対象カメラを制御済みカメラとして前記制御済みカメラの設定値を制御済みカメラリストに記憶する請求項2に記載の映像設定制御装置。
【請求項4】
前記監視部は、
前記配信ビットレート値が前記閾値に達していない場合、前記制御済みカメラリストに前記制御済みカメラの設定値が設定されているか否かを判定し、前記制御済みカメラの設定値が設定されている場合、前記制御済みカメラのビットレートを上げるように指示する上方修正指示を出力し、
前記計算部は、
前記上方修正指示を取得すると、前記配信ビットレート値が前記閾値より小さい範囲で前記制御済みカメラのビットレートを上げるように前記制御済みカメラの設定値を計算し、計算により得られた設定値を出力する請求項3に記載の映像設定制御装置。
【請求項5】
前記監視部は、
前記複数の受信ストリームの各々のビットレートの総和と前記複数の受信ストリームの各々のビットレートの平均との和を前記配信ビットレート値として算出する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の映像設定制御装置。
【請求項6】
前記計算部は、
前記下方修正指示を取得すると、前記複数のカメラのカメラごとに優先度と優先する設定を示す優先設定と設定値の下限値とを対応付けた優先度テーブルに基づいて、設定値を下方修正する制御対象カメラを決定する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の映像設定制御装置。
【請求項7】
前記計算部は、
前記制御対象カメラについて計算により得られた新たな設定値を制御対象カメラリストに設定し、
前記制御部は、
前記制御対象カメラリストから制御対象カメラの前記新たな設定値を読み出し、前記制御対象カメラに対して前記配信開始リクエストを送信する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の映像設定制御装置。
【請求項8】
コンピュータが、複数のカメラの各々から配信されるストリームを複数の受信ストリームとしてネットワークを介して受信し、
コンピュータが、前記複数の受信ストリームの各々のビットレートに基づき算出される配信ビットレート値が、前記ネットワークの帯域に基づき予め定められたビットレートの上限の閾値に達しているか否かを監視し、前記配信ビットレート値が前記閾値に達している場合、前記配信ビットレート値を下げるように指示する下方修正指示を出力し、
コンピュータが、前記下方修正指示を取得すると、前記複数のカメラのいずれかのカメラを制御対象カメラとして、前記配信ビットレート値を下げるように前記制御対象カメラから配信されるストリームの画質およびフレームレートの設定を含む設定値を計算し、計算により得られた新たな設定値を出力し、
コンピュータが、前記制御対象カメラに、前記新たな設定値でストリームを配信するように要求する配信開始リクエストを送信する映像設定制御方法。
【請求項9】
複数のカメラの各々から配信されるストリームを複数の受信ストリームとしてネットワークを介して受信する受信処理と、
前記複数の受信ストリームの各々のビットレートに基づき算出される配信ビットレート値が、前記ネットワークの帯域に基づき予め定められたビットレートの上限の閾値に達しているか否かを監視し、前記配信ビットレート値が前記閾値に達している場合、前記配信ビットレート値を下げるように指示する下方修正指示を出力する監視処理と、
前記下方修正指示を取得すると、前記複数のカメラのいずれかのカメラを制御対象カメラとして、前記配信ビットレート値を下げるように前記制御対象カメラから配信されるストリームの画質およびフレームレートの設定を含む設定値を計算し、計算により得られた新たな設定値を出力する計算処理と、
前記制御対象カメラに、前記新たな設定値でストリームを配信するように要求する配信開始リクエストを送信する制御処理と
をコンピュータである映像設定制御装置に実行させる映像設定制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、映像設定制御装置、映像設定制御方法、および、映像設定制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来では、ネットワークカメラおよび録画機は、それぞれの設定に基づき、静的に映像の配信および受信を実施している。例えば、配信方式はMJPEG、画質はFHD、およびフレームレートは10fpsで設定されたネットワークカメラがあれば、そのカメラは常時、MJPEG、FHD、および10fpsの映像データを配信する。そして、録画機はその映像データを受信する。MJPEGは、Motion Joint Photographic Experts Groupの略語である。FHDは、Full High Definitionの略語である。fpsは、frames per secondの略語である。
また、従来では、配信するビットレートについての制御は、ネットワークカメラといった配信側において実施される。具体的には、映像を送る時のビットレートを指定した値に保つ制御方法としてCBRがある。CBRは、Constant Bit Rateの略語である。全カメラにCBRといった制御機能があれば、全カメラの固定ビットレート値を、ネットワーク帯域に収まる値で割り振ることで帯域管理が可能となる。
【0003】
しかし、一部のカメラあるいは全カメラにCBRといった制御機能が無い場合、確実な帯域管理は不可能である。このような場合、従来では、システム全体で使いうるビットレート上限を見積り、それに合わせたネットワーク帯域を準備する、または事前に設定を絞る(犠牲にする)ことで帯域超過を予防している。
【0004】
近年、録画機1台に接続可能なネットワークカメラ数の増加、4Kカメラ等のより高解像度なカメラの登場、およびH.264/H.265といった映像の変化量によってデータサイズが大きく変動する配信形式の普及により、以下のような環境となりつつある。
・映像のデータ量が増加する。
・映像の変化量も考慮する必要があるため、データサイズの確かな予測が困難となる。
その結果、一部のカメラあるいは全カメラに制御機能が無い場合において、従来に比べ、ネットワークが一時的な帯域不足に陥りやすく、帯域超過が発生しやすい環境となっている。
【0005】
特許文献1には、有効帯域内で、できるだけ最適な映像を配信するための技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4768250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の技術は、受信機からのパケットロス率、遅延時間、出力手段に基づいて映像配信側にてビットレート制御を行うものである。特許文献1の技術では、配信側に制御機能が必要となるという課題がある。また、配信側の映像送信装置において個別に帯域管理を行うことはできるが、システム全体としての帯域管理は行えないという課題がある。
【0008】
本開示では、映像データの受信側で複数のカメラの帯域管理を実施する仕組みを提供することで、配信側のカメラに制御機能が無い場合でも複数のカメラ全体としてバランスのとれた帯域管理を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示に係る映像設定制御装置は、
複数のカメラの各々から配信されるストリームを複数の受信ストリームとしてネットワークを介して受信する受信部と、
前記複数の受信ストリームの各々のビットレートに基づき算出される配信ビットレート値が、前記ネットワークの帯域に基づき予め定められたビットレートの上限の閾値に達しているか否かを監視し、前記配信ビットレート値が前記閾値に達している場合、前記配信ビットレート値を下げるように指示する下方修正指示を出力する監視部と、
前記下方修正指示を取得すると、前記複数のカメラのいずれかのカメラを制御対象カメラとして、前記配信ビットレート値を下げるように前記制御対象カメラから配信されるストリームの画質およびフレームレートの設定を含む設定値を計算し、計算により得られた新たな設定値を出力する計算部と、
前記制御対象カメラに、前記新たな設定値でストリームを配信するように要求する配信開始リクエストを送信する制御部と
を備える。
【発明の効果】
【0010】
本開示に係る映像設定制御装置では、映像データであるストリームの受信側で複数のカメラの帯域管理を実施する。よって、本開示に係る映像設定制御装置によれば、配信側のカメラに制御機能が無い場合でも複数のカメラ全体としてバランスのとれた帯域管理を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態1に係る映像設定制御装置の構成例を示す図。
図2】実施の形態1に係る映像設定制御処理の具体例1と記憶部に記憶される各情報の構成例とを示す図。
図3】実施の形態1に係る記憶部に記憶される各情報の詳細を示す図。
図4】実施の形態1に係る映像設定制御装置の受信部の動作を示すフロー図。
図5】実施の形態1に係る映像設定制御装置の監視部の動作を示すフロー図。
図6】実施の形態1に係る映像設定制御装置の計算部の動作例および優先順位決定方式を示す図。
図7】実施の形態1に係る下方修正モードの計算処理において優先順位決定方式1を採用する場合の動作例を示すフロー図。
図8】実施の形態1に係る下方修正モードの計算処理において優先順位決定方式2を採用する場合の動作例を示すフロー図。
図9】実施の形態1に係る上方修正モードの計算処理において優先順位決定方式1を採用する場合の動作例を示すフロー図。
図10】実施の形態1に係る上方修正モードの計算処理において優先順位決定方式2を採用する場合の動作例を示すフロー図。
図11】実施の形態1に係る映像設定制御装置の制御部の動作例を示すフロー図。
図12】実施の形態1に係る映像設定制御処理の具体例2を示す図。
図13】実施の形態1に係る映像設定制御処理の具体例3を示す図。
図14】実施の形態1の変形例に係る映像設定制御装置の構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本実施の形態について、図を用いて説明する。各図中、同一または相当する部分には、同一符号を付している。実施の形態の説明において、同一または相当する部分については、説明を適宜省略または簡略化する。図中の矢印はデータの流れまたは処理の流れを主に示している。
【0013】
実施の形態1.
***構成の説明***
図1は、本実施の形態に係る映像設定制御装置100の構成例を示す図である。
映像設定制御装置100は、ネットワーク300を介して、複数のカメラ200から映像データであるストリームを受信する。
カメラ200は、例えばネットワークカメラであり、映像データをマルチストリームで配信する映像配信装置である。
映像設定制御装置100は、カメラ200から配信されたストリームを録画領域に記憶する録画装置そのものであってもよいし、録画装置に搭載される装置であってもよい。
【0014】
映像設定制御装置100は、コンピュータである。映像設定制御装置100は、プロセッサ910を備えるとともに、メモリ921、補助記憶装置922、および通信装置950といった他のハードウェアを備える。また、図示はないが、入力インタフェースおよび出力インタフェースを備えていてもよい。プロセッサ910は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
【0015】
映像設定制御装置100は、機能要素として、受信部110と監視部120と計算部130と制御部140と記憶部150とを備える。記憶部150には、録画領域151、受信状態テーブル152、実績値テーブル153、初期設定値リスト154、帯域情報155、優先度テーブル156、制御対象カメラリスト157、および制御済みカメラリスト158が記憶される。
【0016】
受信部110と監視部120と計算部130と制御部140の機能は、ソフトウェアにより実現される。記憶部150は、メモリ921と補助記憶装置922に分散して備えられる。
【0017】
プロセッサ910は、映像設定制御プログラムを実行する装置である。映像設定制御プログラムは、受信部110と監視部120と計算部130と制御部140の機能を実現するプログラムである。
プロセッサ910は、演算処理を行うICである。プロセッサ910の具体例は、CPU、DSP、GPUである。ICは、Integrated Circuitの略語である。CPUは、Central Processing Unitの略語である。DSPは、Digital Signal Processorの略語である。GPUは、Graphics Processing Unitの略語である。
【0018】
メモリ921は、データを一時的に記憶する記憶装置である。メモリ921の具体例は、SRAM、あるいはDRAMである。SRAMは、Static Random Access Memoryの略語である。DRAMは、Dynamic Random Access Memoryの略語である。
メモリ921には、受信状態テーブル152、実績値テーブル153、初期設定値リスト154、帯域情報155、優先度テーブル156、制御対象カメラリスト157、および制御済みカメラリスト158が記憶される。
【0019】
補助記憶装置922は、データを保管する記憶装置である。補助記憶装置922の具体例は、HDDである。また、補助記憶装置922は、SD(登録商標)メモリカード、CF、NANDフラッシュ、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ブルーレイ(登録商標)ディスク、DVDといった可搬の記憶媒体であってもよい。なお、HDDは、Hard Disk Driveの略語である。SD(登録商標)は、Secure Digitalの略語である。CFは、CompactFlash(登録商標)の略語である。DVDは、Digital Versatile Diskの略語である。
補助記憶装置922には、録画領域151が設けられる。
【0020】
入力インタフェースは、マウス、キーボード、あるいはタッチパネルといった入力装置と接続されるポートである。入力インタフェースは、具体的には、USB端子である。なお、入力インタフェースは、LANと接続されるポートであってもよい。USBは、Universal Serial Busの略語である。LANは、Local Area Networkの略語である。
出力インタフェースは、ディスプレイといった出力機器のケーブルが接続されるポートである。出力インタフェースは、具体的には、USB端子またはHDMI(登録商標)端子である。ディスプレイは、具体的には、LCDである。出力インタフェースは、表示器インタフェースともいう。HDMI(登録商標)は、High Definition Multimedia Interfaceの略語である。LCDは、Liquid Crystal Displayの略語である。
【0021】
通信装置950は、レシーバとトランスミッタを有する。通信装置950は、LAN、インターネット、電話回線、あるいはWi-Fi(登録商標)といった通信網に接続している。通信装置950は、具体的には、通信チップまたはNICである。NICは、Network Interface Cardの略語である。
【0022】
映像設定制御プログラムは、映像設定制御装置100において実行される。映像設定制御プログラムは、プロセッサ910に読み込まれ、プロセッサ910によって実行される。メモリ921には、映像設定制御プログラムだけでなく、OSも記憶されている。OSは、Operating Systemの略語である。プロセッサ910は、OSを実行しながら、映像設定制御プログラムを実行する。映像設定制御プログラムおよびOSは、補助記憶装置922に記憶されていてもよい。補助記憶装置922に記憶されている映像設定制御プログラムおよびOSは、メモリ921にロードされ、プロセッサ910によって実行される。なお、映像設定制御プログラムの一部または全部がOSに組み込まれていてもよい。
【0023】
映像設定制御装置100は、プロセッサ910を代替する複数のプロセッサを備えていてもよい。これら複数のプロセッサは、映像設定制御プログラムの実行を分担する。それぞれのプロセッサは、プロセッサ910と同じように、映像設定制御プログラムを実行する装置である。
【0024】
映像設定制御プログラムにより利用、処理または出力されるデータ、情報、信号値および変数値は、メモリ921、補助記憶装置922、または、プロセッサ910内のレジスタあるいはキャッシュメモリに記憶される。
【0025】
受信部110と監視部120と計算部130と制御部140の各部の「部」を「回路」、「工程」、「手順」、「処理」、あるいは「サーキットリー」に読み替えてもよい。映像設定制御プログラムは、受信処理と監視処理と計算処理と制御処理を、コンピュータに実行させる。受信処理と監視処理と計算処理と制御処理の「処理」を「プログラム」、「プログラムプロダクト」、「プログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記憶媒体」、または「プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体」に読み替えてもよい。また、映像設定制御方法は、映像設定制御装置100が映像設定制御プログラムを実行することにより行われる方法である。
映像設定制御プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に格納されて提供されてもよい。また、映像設定制御プログラムは、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
【0026】
***各機能要素の説明***
<受信部110>
受信部110は、複数のカメラの各々から配信されるストリームを複数の受信ストリーム31としてネットワーク300を介して受信する。ここで、受信ストリーム31は、カメラ200が配信するマルチストリームのうち受信部110が受信するストリームのことである。すなわち、受信部110は、複数のカメラのカメラごとに受信ストリーム31を受信する。
受信部110は、各カメラから受信した受信ストリーム31を録画領域151に格納する。
受信部110は、各カメラの受信サイズから、bps(1秒毎のビットレート値)を算出し、実績値テーブル153に設定することで実績値テーブル153を更新する。bpsは、bits per secondの略語である。
また、受信部110は、現在の受信ストリーム31について初回受信時の場合は、受信状態テーブル152に受信ストリーム31を示すストリーム番号を設定することで受信状態テーブル152を更新する。
【0027】
図2は、本実施の形態に係る映像設定制御処理の具体例1と記憶部150に記憶される各情報の構成例とを示す図である。
図3は、本実施の形態に係る記憶部150に記憶される各情報の詳細を示す図である。
録画領域151は、カメラから受信した映像データの格納先である。
受信状態テーブル152には、カメラごとに現在受信中のストリームを示すストリーム番号が設定される。受信状態テーブル152は、受信中のストリームが変更されることにより、設定内容が変動するデータである。
実績値テーブル153には、カメラごとのビットレート値が設定される。ビットレート値はbps(1秒ごとのビットレート数)で表される。実績値テーブル153は、受信部110により算出されるビットレート値により、設定内容が変動するデータである。
【0028】
<監視部120>
監視部120は、複数の受信ストリーム31の各々のビットレートに基づき算出される配信ビットレート値20が、ネットワークの帯域に基づき予め見積もられたビットレートの上限の閾値に達しているか否かを監視する。
配信ビットレート値20が閾値に達している場合、監視部120は、配信ビットレート値20を下げるように指示する下方修正指示21を出力する。
また、配信ビットレート値20が閾値に達していない場合、監視部120は、制御済みカメラリスト158に制御済みカメラの設定値が設定されているか否かを判定する。制御済みカメラリスト158に制御済みカメラの設定値が設定されている場合、監視部120は、制御済みカメラのビットレートを上げるように指示する上方修正指示22を出力する。一方、制御済みカメラリスト158に制御済みカメラの設定値が設定されていなければ、監視部120は、配信ビットレート値20が閾値に達しているか否かの判定処理に戻る。
【0029】
具体的には、監視部120は、各カメラの実績値テーブル153から、配信ビットレート値20を算出し、帯域情報155に設定されている閾値に達しているかチェックする。
配信ビットレート値20が閾値に達している場合、監視部120は、下方修正指示21を出力する。下方修正指示21は、計算部130を下方修正モードで呼び出す指示である。
配信ビットレート値20が閾値に達していない、かつ、設定変更がされている制御済みカメラがある場合、監視部120は、上方修正指示22を出力する。上方修正指示22は、計算部130を上方修正モードで呼び出す指示である。
監視部120は、制御済みカメラがあるか否かについて、制御済みカメラリスト158を参照し、制御済みカメラの設定値が設定されている場合には制御済みカメラがあるとし、制御済みカメラの設定値が設定されていない場合には制御済みカメラがないと判定する。
【0030】
図2および図3に示すように、初期設定値リスト154には、カメラごとの初期設定値が設定されている。例えば、Aカメラは、配信方式はMJPEG、画質はVGA、およびフレームレートは10fpsといった初期設定値が設定されている。VGAは、Video Graphics Arrayの略語である。
帯域情報155には、ネットワーク帯域の上限と、配信ビットレート値の閾値とが設定されている。例えば、閾値は、上限の0.8倍を設定する。
初期設定値リスト154と帯域情報155は、予め設定される固定データである。
【0031】
<計算部130>
計算部130は、下方修正指示21を取得すると、複数のカメラのいずれかのカメラを制御対象カメラとして、配信ビットレート値20を下げるように制御対象カメラから配信されるストリームの設定値を計算する。そして、計算部130は、計算により得られた新たな設定値を出力する。
また、計算部130は、上方修正指示22を取得すると、配信ビットレート値20が閾値より小さい範囲で制御済みカメラのビットレートを上げるように制御済みカメラの設定値を計算する。そして、計算部130は、計算により得られた新たな設定値を出力する。
【0032】
下方修正モードの場合、配信ビットレート値が閾値を下回るまで、優先度テーブル156の最初から順に、設定値を下げていく。上述したように、計算部130では、実際にカメラの設定値を変更するのではなく、設定値の計算までを行う。
上方修正モードの場合、制御済みカメラリスト158の最初から順に、設定値を戻していく。上述したように、計算部130では、実際にカメラの設定値を変更するのではなく、設定値の計算までを行う。
計算部130は、新たな設定値が確定すると、制御対象カメラリスト157へ制御対象カメラの新たな設定値を格納する。
【0033】
図2および図3に示すように、優先度テーブル156には、各カメラの優先度、優先設定、および設定値の下限値が格納される。優先度テーブル156は、優先度昇順に設定されている。例えば、Aカメラは、優先度:1、優先設定:画質、下限値:FHD/5fpsと設定されている。優先度テーブル156は、予め設定される固定データである。
制御対象カメラリスト157は、設定値の変更が必要なカメラにおける新たな設定値の格納先である。制御対象カメラリスト157は、ビットレート昇順で格納される。
制御済みカメラリスト158は、設定値の変更実施済みのカメラである制御済みカメラにおける設定値の格納先である。制御済みカメラリスト158には、カメラの優先度と、優先設定と、変更実施済みの設定値が格納される。制御済みカメラリスト158は、優先度降順に格納されている。制御対象カメラリスト157と制御済みカメラリスト158は、変動データである。
【0034】
<制御部140>
制御部140は、制御対象カメラに、新たな設定値でストリームを配信するように要求する配信開始リクエスト41を送信する。配信開始リクエスト41は、現在の受信ストリーム以外のストリームを新たな設定値で配信するように制御対象カメラに要求するリクエストである。
また、制御部140は、配信開始リクエスト41を制御対象カメラに送信すると、現在の受信ストリームを新たな設定値で配信されるストリームに切り替えるストリーム切替指示42を出力する。制御部140は、受信部110にストリーム切替指示42を出力する。
受信部110は、ストリーム切替指示42を取得すると、現在の受信ストリームを新たな設定値で配信されるストリームに切り替える。
制御部140は、制御対象カメラの受信ストリームが新たな設定値で配信されるストリームに切り替わると、制御対象カメラに、切替前のストリームの配信の停止を要求する配信停止リクエスト43を送信する。制御部140は、配信停止リクエスト43を送信するとともに、制御対象カメラを制御済みカメラとして制御済みカメラの設定値を制御済みカメラリスト158に記憶する。
【0035】
具体的には、以下の通りである。
制御部140は、制御対象カメラリスト157を参照し、制御対象カメラに対し新たな設定値における配信開始リクエスト41を発行する。
配信開始リクエスト41の発行完了後、制御部140は、受信部110へストリーム切替指示42を発行する。
制御部140は、受信状態テーブル152を確認し、制御対象カメラの受信ストリームが制御部140にて配信開始したストリームに切り替わった場合、制御対象カメラに対し、前設定値におけるストリームの配信の停止を要求する配信停止リクエスト43を発行する。
制御部140は、配信停止リクエスト43の発行完了後、制御済みカメラリスト158を更新し、最初の処理に戻る。制御部140は、上述の処理を制御対象カメラリスト157のカメラ分繰り返す。
【0036】
***動作の説明***
次に、本実施の形態に係る映像設定制御装置100の各部の動作について説明する。映像設定制御装置100の各部の動作手順は、映像設定制御方法に相当する。また、映像設定制御装置100の各部の動作を実現するプログラムは、映像設定制御プログラムに相当する。
【0037】
<受信処理>
図4は、本実施の形態に係る映像設定制御装置100の受信部110の動作例を示すフロー図である。
ステップS111において、受信部110は、処理対象のカメラからの受信ストリーム31の受信が初回であるかを判定する。
初回であれば、ステップS112に進み、受信部110は、処理対象のカメラを識別するカメラ識別子に対応付けて、受信ストリーム31を示すストリーム番号を受信状態テーブル152に設定し、受信状態テーブル152を更新する。受信状態テーブル152を更新後、ステップS113に進む。
初回でなければステップ113に進む。
ステップS113において、受信部110は、受信ストリーム31を録画領域151に格納する。
ステップS114において、受信部110は、受信ストリーム31のビットレートを算出し、処理対象のカメラのカメラ識別子に対応付けて算出したビットレートを実績値テーブル153に設定し、実績値テーブル153を更新する。
ステップS115において、受信部110は、処理対象のカメラについて、制御部140からストリーム切替指示42があるか否かを判定する。
ストリーム切替指示42があれば、ステップS116において、受信部110は、ストリーム切替指示42に応じて処理対象のカメラの受信ストリーム31を切り替え、ステップS111に戻る。
ストリーム切替指示42がなければ、受信部110は、ステップS111に戻る。
【0038】
<監視処理>
図5は、本実施の形態に係る映像設定制御装置100の監視部120の動作例を示すフロー図である。
ステップS121において、監視部120は、実績値テーブル153を参照し、複数のカメラから受信する受信ストリーム31の各々のビットレートに基づき配信ビットレート値20を算出する。具体的には、監視部120は、複数の受信ストリーム31の各々のビットレートの総和と複数の受信ストリーム31の各々のビットレートの平均との和を、配信ビットレート値20として算出する。
なお、ここでは、総ビットレートと平均ビットレートの和を配信ビットレート値20として算出したが、総ビットレートを配信ビットレート値20としてもよい。その他、配信ビットレート値20として有効な算出方法であれば、どのような方法で配信ビットレート値20を算出してもよい。
【0039】
ステップS122において、監視部120は、配信ビットレート値20が閾値に達しているか否かを判定する。
配信ビットレート値20が閾値に達していれば、ステップS123に進む。
配信ビットレート値20が閾値に達していなければ、ステップS124に進む。
【0040】
ステップS123において、監視部120は、下方修正指示21を出力する。具体的には、監視部120は、下方修正モードで計算部130を呼び出し、計算部130の終了を待った後、処理はステップS121に戻る。
ステップS124において、監視部120は、制御済みカメラリスト158を読み込む。
ステップS125において、監視部120は、制御済みカメラリスト158に基づいて、現在、設定値が下方修正されている制御済みカメラがあるか否かを判定する。
設定値が下方修正されている制御済みカメラがあれば、ステップS126に進む。
設定値が下方修正されている制御済みカメラがなければ、ステップS121に戻る。
【0041】
ステップS126において、監視部120は、上方修正指示22を出力する。具体的には、監視部120は、上方修正モードで計算部130を呼び出し、計算部130の終了を待った後、処理はステップS121に戻る。
【0042】
ここで、図2に記載されている映像設定制御処理の具体例1を用いて説明する。
図2では、3台のカメラA,B,Cがネットワーク300を介して映像設定制御装置100と接続されている例を示している。具体例1では、カメラの設定値の変更が必要ない場合を示している。
図2の例では、実績値テーブル153に、カメラA:5.0Mbps、カメラB:10.0Mbps、カメラC:12.0Mbpsと設定されている。よって、監視部120は、ビットレートの総和である総ビットレート値を27Mbpsと算出し、ビットレートの平均である平均ビットレートを9Mbpsと算出する。そして、監視部120は、総ビットレート値27Mbpsと平均ビットレート9Mbpsとの和36Mbpsを配信ビットレート値20として算出する。
監視部120は、帯域情報155を参照し、帯域情報155に設定されている閾値40Mbpsと配信ビットレート値36Mbpsとを比較する。配信ビットレート値が閾値に達していないため、監視部120は、制御済みカメラリスト158を参照し、設定値を上方修正できる制御済みカメラがあるかを確認する。
図2の例では、制御済みカメラリスト158に制御済みカメラの情報が設定されていないため、設定値を上方修正できる制御済みカメラは無いと判断され、処理はステップS121に戻る。
【0043】
<計算処理>
図6は、本実施の形態に係る映像設定制御装置100の計算部130の動作例および優先順位決定方式を示すフロー図である。
ステップS131において、計算部130は、下方修正モードの処理に進むか上方修正モードの処理に進むかを決定する。
計算部130は、下方修正指示21を取得した場合、下方修正モードの処理に進む。
また、計算部130は、上方修正指示22を取得した場合、上方修正モードの処理に進む。
【0044】
計算部130では、複数のカメラについて、上方修正あるいは下方修正を行うカメラの優先順位を決定する。カメラの優先順位を決定については、以下の2つの方式を採用する。
優先順位決定方式1は、優先設定を優先する決定方式である。優先順位決定方式1は、できるだけ各カメラにおいて優先設定されているものは落とさないようにする決定方式である。例えば、システム全体において画質はできるだけ固定したい場合などに採用される決定方式である。
また、優先順位決定方式2は、優先度を優先する決定方式である。優先順位決定方式2は、できるだけ優先度が高いカメラの設定変更をしないようにする決定方式である。例えば、ATMあるいはキャッシュレジスター付近のカメラの品質を維持したい場合などに採用される決定方式である。ATMは、Automatic Teller Machineの略語である。
なお、いずれの優先順位決定方式を採用するかの選択は、例えば、システム管理者等が設定ツール等を用いて適宜行う。
【0045】
<<優先順位決定方式1を採用する下方修正モードの計算処理>>
図7は、本実施の形態に係る下方修正モードの計算処理において優先順位決定方式1を採用する場合の動作例を示すフロー図である。
計算処理の説明において、モード1を優先設定されていない設定値を下げていく処理とし、モード2を優先設定されている設定値を下げていく処理とする。
図7の計算処理において、初期モードはモード1とする。
【0046】
ステップS311において、計算部130は、優先度テーブル156の読み出し位置が最後尾かを判定する。
優先度テーブル156の読み出し位置が最後尾の場合、ステップS312に進む。
優先度テーブル156の読み出し位置が最後尾でない場合、ステップS314に進む。
【0047】
ステップS312において、計算部130は、現在のモードがモード1かを判定する。
現在のモードがモード1であれば、ステップS313に進む。
現在のモードがモード1でなければ、ステップS318に進む。
【0048】
ステップS313において、計算部130は、計算処理のモードをモード2に変更し、優先度テーブル156の読み出し位置を最初に戻す。
ステップS314において、計算部130は、優先度テーブル156の読み出し位置から要素を読み込む。上述したように、優先度テーブル156の要素には、カメラの優先度、優先設定、および設定値の下限値が格納されている。計算部130は、読み出した要素に対応するカメラを制御対象カメラとする。
【0049】
ステップS315において、計算部130は、現在のモードにおける変更対象の設定値が下限値に達しているかを判定する。
変更対象の設定値が下限値に達していれば、ステップS311に戻る。
変更対象の設定値が下限値に達していなければ、ステップS316に進む。
【0050】
ステップS316において、計算部130は、現在のモードにおける変更対象の設定値を1つ下げた場合の配信ビットレート値を算出する。
ステップS317において、計算部130は、配信ビットレート値が閾値を下回ったかを判定する。
配信ビットレート値が閾値を下回ってなければ、ステップS315に戻る。
配信ビットレート値が閾値を下回ったら、ステップS318に進む。
ステップS318において、計算部130は、制御対象カメラにおいて設定を下方修正した新たな設定値を制御対象カメラリスト157(ビットレート値昇順)に設定する。計算部130は、制御対象カメラリスト157(ビットレート値昇順)に上書きした後、制御部140を呼び出し、制御部140の終了を待った後に終了する。
【0051】
図7に示す優先順位決定方式1を採用する下方修正モードの計算処理についてまとめる。
例えば、優先度1(A),1(B),2(C),3(D)の4台のカメラがあった場合、初期モード=1として下記の手順が実施される。
(1)Aの設定値を下限値まで下げる。
(2)Bの設定値を下限値まで下げる。
(3)Cの設定値を下限値まで下げる。
(4)Dの設定値を下限値まで下げる。
(5)モードを2へ変更する。
(6)Aの設定値を下限値まで下げる。
(7)Bの設定値を下限値まで下げる。
(8)Cの設定値を下限値まで下げる。
(9)Dの設定値を下限値まで下げる。
上記手順(1)から(9)において、配信ビットレート値が閾値を下回った場合の設定値を制御対象カメラリスト157に格納する。
【0052】
<<優先順位決定方式2を採用する下方修正モードの計算処理>>
図8は、本実施の形態に係る下方修正モードの計算処理において優先順位決定方式2を採用する場合の動作例を示すフロー図である。
図8の計算処理において、初期モードはモード1とする。
【0053】
ステップS321において、計算部130は、優先度テーブル156の読み出し位置が最後尾かを判定する。
優先度テーブル156の読み出し位置が最後尾の場合、ステップS322に進む。
優先度テーブル156の読み出し位置が最後尾でない場合、ステップS326に進む。
【0054】
ステップS322において、計算部130は、現在のモードがモード1かを判定する。
現在のモードがモード1であれば、ステップS323に進む。
現在のモードがモード1でなければ、ステップS3211に進む。
ステップS323において、計算部130は、計算処理のモードをモード2に変更し、優先度テーブル156の読み出し位置を現在処理中優先度の最初に戻し、ステップS327に進む。
【0055】
ステップS326において、計算部130は、現カメラの優先度が次カメラの優先度と同じかを判定する。
現カメラの優先度が次カメラの優先度と同じであれば、ステップS327に進む。
現カメラの優先度が次カメラの優先度と同じでなければ、ステップS324に進む。
ステップS324において、計算部130は、現在のモードがモード2かを判定する。
現在のモードがモード2であれば、ステップS325に進み、現在の計算処理のモードをモード1に変更し、ステップS327に進む。
現在のモードがモード2でなければ、ステップS323に進む。
【0056】
ステップS327からステップS3211までの処理は、図7で説明したステップS314からステップS318までの処理と同様である。
【0057】
図8に示す優先順位決定方式2を採用する下方修正モードの計算処理についてまとめる。
例えば、優先度1(A),1(B),2(C),3(D)の4台のカメラがあった場合、初期モード=1として下記の手順が実施される。
(1)Aの設定値を下限値まで下げる。
(2)Bの設定値を下限値まで下げる。
(3)モードを2へ変更する。
(4)Aの設定値を下限値まで下げる。
(5)Bの設定値を下限値まで下げる。
(6)モードを1へ変更する。
(7)Cの設定値を下限値まで下げる。
(8)モードを2へ変更する。
(9)Cの設定値を下限値まで下げる。
(10)モードを1へ変更する。
(11)Dの設定値を下限値まで下げる。
(12)モードを2へ変更する。
(13)Dの設定値を下限値まで下げる。
上記手順(1)から(13)において、配信ビットレート値が閾値を下回った場合の設定値を制御対象カメラリスト157に格納する。
【0058】
<<優先順位決定方式1を採用する上方修正モードの計算処理>>
図9は、本実施の形態に係る上方修正モードの計算処理において優先順位決定方式1を採用する場合の動作例を示すフロー図である。
図9の計算処理において、初期モードはモード1とする。
【0059】
ステップS331において、計算部130は、制御済みカメラリスト158の読み出し位置が最後尾かを判定する。なお、制御済みカメラリスト158は優先度降順で制御部140により書き込まれるものとする。
制御済みカメラリスト158の読み出し位置が最後尾の場合、ステップS332に進む。
制御済みカメラリスト158の読み出し位置が最後尾でない場合、ステップS334に進む。
【0060】
ステップS332において、計算部130は、現在のモードがモード1かを判定する。
現在のモードがモード1であれば、ステップS333に進む。
現在のモードがモード1でなければ、ステップS339に進む。
【0061】
ステップS333において、計算部130は、計算処理のモードをモード2に変更し、制御済みカメラリスト158の読み出し位置を最初に戻す。
ステップS334において、計算部130は、制御済みカメラリスト158の読み出し位置から要素を読み込む。上述したように、制御済みカメラリスト158の要素には、制御済みカメラの設定値が格納されている。
【0062】
ステップS335において、計算部130は、初期設定値リスト154から、処理対象の制御済みカメラの初期設定値を読み込む。
ステップS336において、計算部130は、現在のモードにおける変更対象の設定値が初期設定値かを判定する。
変更対象の設定値が初期設定値であれば、ステップS331に戻る。
変更対象の設定値が初期設定値でなければ、ステップS337に進む。
【0063】
ステップS337において、計算部130は、現在のモードにおける変更対象の設定値を1つ上げた場合の配信ビットレート値を算出する。
ステップS338において、計算部130は、配信ビットレート値が閾値に達したかを判定する。
配信ビットレート値が閾値に達していなければ、ステップS336に戻る。
配信ビットレート値が閾値に達していれば、ステップS339に進む。
ステップS339において、計算部130は、制御済みカメラにおいて設定を上方修正した設定値の一つ前の設定値を制御対象カメラリスト157(ビットレート値昇順)に設定する。計算部130は、制御対象カメラリスト157(ビットレート値昇順)に上書きした後、制御部140を呼び出し、制御部140の終了を待った後に終了する。
【0064】
図9に示す優先順位決定方式1を採用する上方修正モードの計算処理についてまとめる。
例えば、優先度3(A),3(B),2(C),1(D)の4台のカメラがあった場合、初期モード=1として下記の手順が実施される。ここで上限値とは初期設定値のことである。制御済みカメラリスト158は優先度降順で制御部140により書き込まれる。
(1)Aの設定値を上限値まで上げる。
(2)Bの設定値を上限値まで上げる。
(3)Cの設定値を上限値まで上げる。
(4)Dの設定値を上限値まで上げる。
(5)モードを2へ変更する。
(6)Aの設定値を上限値まで上げる。
(7)Bの設定値を上限値まで上げる。
(8)Cの設定値を上限値まで上げる。
(9)Dの設定値を上限値まで上げる。
上記手順(1)から(9)により、配信ビットレート値が閾値を上回らない範囲において制御済みカメラの設定値を上げていき、新たな設定値を制御対象カメラリスト157に格納する。
【0065】
<<優先順位決定方式2を採用する上方修正モードの計算処理>>
図10は、本実施の形態に係る上方修正モードの計算処理において優先順位決定方式2を採用する場合の動作例を示すフロー図である。
図10の計算処理において、初期モードはモード1とする。
【0066】
ステップS341において、計算部130は、制御済みカメラリスト158の読み出し位置が最後尾かを判定する。制御済みカメラリスト158は優先度降順で制御部140により書き込まれているものとする。
制御済みカメラリスト158の読み出し位置が最後尾の場合、ステップS342に進む。
制御済みカメラリスト158の読み出し位置が最後尾でない場合、ステップS346に進む。
【0067】
ステップS342において、計算部130は、現在のモードがモード1かを判定する。
現在のモードがモード1であれば、ステップS343に進む。
現在のモードがモード1でなければ、ステップS3412に進む。
ステップS343において、計算部130は、計算処理のモードをモード2に変更し、制御済みカメラリスト158の読み出し位置を現在処理中優先度の最初に戻し、ステップS347に進む。
【0068】
ステップS346において、計算部130は、現カメラの優先度が次カメラの優先度と同じかを判定する。
現カメラの優先度が次カメラの優先度と同じであれば、ステップS347に進む。
現カメラの優先度が次カメラの優先度と同じでなければ、ステップS344に進む。
ステップS344において、計算部130は、現在のモードがモード2かを判定する。
現在のモードがモード2であれば、ステップS345に進み、現在の計算処理のモードをモード1に変更し、ステップS347に進む。
現在のモードがモード2でなければ、ステップS343に進む。
【0069】
ステップS347からステップS3412までの処理は、図9で説明したステップS334からステップS339までの処理と同様である。
【0070】
図10に示す優先順位決定方式2を採用する上方修正モードの計算処理についてまとめる。
例えば、優先度3(A),3(B),2(C),1(D)の4台のカメラがあった場合、初期モード=1として下記の手順が実施される。ここで上限値とは初期設定値のことである。制御済みカメラリスト158は優先度降順で制御部140により書き込まれる。
(1)Aの設定値を上限値まで上げる。
(2)Bの設定値を上限値まで上げる。
(3)モードを2へ変更する。
(4)Aの設定値を上限値まで上げる。
(5)Bの設定値を上限値まで上げる。
(6)モードを1へ変更する。
(7)Cの設定値を上限値まで上げる。
(8)モードを2へ変更する。
(9)Cの設定値を上限値まで上げる。
(10)モードを1へ変更する。
(11)Dの設定値を上限値まで上げる。
(12)モードを2へ変更する。
(13)Dの設定値を上限値まで上げる。
上記手順(1)から(13)において、配信ビットレート値が閾値を上回らない範囲において制御済みカメラの設定値を上げていき、新たな設定値を制御対象カメラリスト157に格納する。
【0071】
なお、図9および図10の説明では、制御済みカメラリスト158が優先度降順で書き込まれている例を説明したが、その他の方法で制御済みカメラリスト158から要素を読み込んでもよい。例えば、制御済みカメラリスト158に優先度が含まれていない場合、優先度テーブル156を参照することで、要素を優先度降順に読み込んでもよい。
【0072】
<制御処理>
図11は、本実施の形態に係る映像設定制御装置100の制御部140の動作例を示すフロー図である。
ステップS141において、制御部140は、制御対象カメラリスト157の読み出し位置が最後尾かを判定する。
制御対象カメラリスト157の読み出し位置が最後尾の場合、処理を終了する。
制御対象カメラリスト157の読み出し位置が最後尾でない場合、ステップS142に進む。
【0073】
ステップS142において、制御部140は、制御対象カメラリスト157の読み出し位置の要素を読み込む。制御対象カメラリスト157の要素には、制御対象カメラの新たな設定値が設定されている。
ステップS143において、制御部140は、該当の制御対象カメラの現在受信していないストリームに対し、新たな設定値での配信開始をリクエストする配信開始リクエスト41を制御対象カメラに送信する。
ステップS144において、制御部140は、受信部110に対してストリーム切替指示42を出力する。
【0074】
ステップS145において、制御部140は、受信状態テーブル152を読み込む。
ステップS146において、制御部140は、受信状態テーブル152を参照し、ストリーム切替指示42に応じて新たなストリームの受信を開始したかを判定する。
新たなストリームの受信を開始していない場合は、制御部140は、ステップS145に戻る。
【0075】
新たなストリームの受信を開始した場合は、ステップS147において、制御部140は、前に受信していたストリームの配信停止をリクエストする配信停止リクエスト43を制御対象カメラに送信する。
ステップS148において、制御部140は、制御済みカメラリスト158を更新する。制御部140は、設定値を初期設定まで戻した場合、そのカメラの情報を制御済みカメラリスト158から削除する。また、制御部140は、設定値を初期設定まで戻す以外の場合、そのカメラの情報を制御済みカメラリスト158に追加あるいは上書きする。制御済みカメラリスト158は、制御部140により優先度降順で設定されるものとする。
【0076】
図12は、本実施の形態に係る映像設定制御処理の具体例2を示す図である。
図12の具体例2では、図2の具体例1の後に、ネットワーク帯域が高負荷となり、カメラAの設定値を下方修正する場合を示している。
監視部120は、配信ビットレート値を40Mbpsと算出し、配信ビットレート値40Mbpsが閾値40Mbpsに達しているため、下方修正モードで計算部130を呼び出す。
計算部130は、計算の結果、カメラAのフレームレートを5fpsまで下げる新たな設定値を制御対象カメラリスト157に設定する。
制御部140は、カメラAに配信開始リクエスト41(設定値:VGA/5fps)を送信し、受信部110にストリーム切替指示42(ストリーム1からストリーム2に切り替える指示)を出力する。
受信部110では、ストリーム切替指示42にしたがって受信ストリームをストリーム1からストリーム2に切り替え、受信状態テーブル152を更新する。
制御部140は、受信状態テーブル152を参照し、カメラAの受信ストリームがストリーム2に切り替わっていることを確認すると、カメラAに前のストリーム1の配信停止リクエスト43を送信し、制御済みカメラリスト158にカメラAの新たな設定値(VGA/5fps)を設定する。
【0077】
図13は、本実施の形態に係る映像設定制御処理の具体例3を示す図である。
図13の具体例3では、図12の具体例2の後に、ネットワーク帯域の高負荷が解消され、カメラAの設定値を元に戻すように上方修正する場合を示している。
監視部120は、配信ビットレート値を32Mbpsと算出し、配信ビットレート値が閾値40Mbpsに達していないと判定する。監視部120は、制御済みカメラリスト158を参照し、上方修正できる制御済みカメラAがあることを確認し、上方修正モードで計算部130を呼び出す。
計算部130は、計算の結果、カメラAのフレームレートを10fpsまで戻した設定値を制御対象カメラリスト157に設定する。
制御部140は、カメラAに配信開始リクエスト41(設定値:VGA/10fps)を送信し、受信部110にストリーム切替指示42(ストリーム2からストリーム1に切り替える指示)を出力する。
受信部110では、ストリーム切替指示42にしたがって受信ストリームをストリーム2からストリーム1に切り替え、受信状態テーブル152を更新する。
制御部140は、受信状態テーブル152を参照し、カメラAの受信ストリームがストリーム1に切り替わっていることを確認すると、カメラAに前のストリーム2の配信停止リクエスト43を送信する。そして、制御部140は、制御済みカメラリスト158から設定値が元に戻ったカメラAの情報を削除する。
なお、具体例3では、カメラAの設定値が初期設定まで戻ったため、制御済みカメラリスト158からカメラAの情報を削除した。例えば、カメラAの設定値をVGA/8fpsまでしか戻せなかった場合は、制御済みカメラリスト158においてカメラAの設定値をVGA/8fpsに更新する。
【0078】
***他の構成***
本実施の形態では、受信部110と監視部120と計算部130と制御部140の機能がソフトウェアで実現される。変形例として受信部110と監視部120と計算部130と制御部140の機能がハードウェアで実現されてもよい。
具体的には、映像設定制御装置100は、プロセッサ910に替えて電子回路909を備える。
【0079】
図14は、本実施の形態の変形例に係る映像設定制御装置100の構成例を示す図である。
電子回路909は、受信部110と監視部120と計算部130と制御部140の機能を実現する専用の電子回路である。電子回路909は、具体的には、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC、GA、ASIC、または、FPGAである。GAは、Gate Arrayの略語である。ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略語である。FPGAは、Field-Programmable Gate
Arrayの略語である。
【0080】
受信部110と監視部120と計算部130と制御部140の機能は、1つの電子回路で実現されてもよいし、複数の電子回路に分散して実現されてもよい。
【0081】
別の変形例として、受信部110と監視部120と計算部130と制御部140の一部の機能が電子回路で実現され、残りの機能がソフトウェアで実現されてもよい。また、受信部110と監視部120と計算部130と制御部140の一部またはすべての機能がファームウェアで実現されてもよい。
【0082】
プロセッサと電子回路の各々は、プロセッシングサーキットリとも呼ばれる。つまり、受信部110と監視部120と計算部130と制御部140の機能は、プロセッシングサーキットリにより実現される。
【0083】
***本実施の形態の効果の説明***
本実施の形態に係る映像設定制御装置によれば、受信側の録画装置にて、帯域の状況および各カメラのビットレートを監視し、カメラから取得するビットレートを動的に制御することで、帯域確保を可能とする。よって、カメラ側に制御機能が無い環境においても、カメラ側にビットレート制御を求めずに受信側にて帯域管理を可能にする。
【0084】
本実施の形態に係る映像設定制御装置によれば、受信側にてシステム全体の帯域管理を実現することができるので、システム全体の映像品質を一定の水準に保つことができる。
また、本実施の形態に係る映像設定制御装置によれば、帯域超過を予防するとともに、システム全体の品質バランスをとることができる。
【0085】
本実施の形態に係る映像設定制御装置では、証拠能力が要求されるカメラ、すなわち画像品質が求められているカメラのビットレートはできるだけ落としたくないという要望に対し、カメラごとに優先度を設けることで対処することができる。
また、本実施の形態に係る映像設定制御装置によれば、カメラごとにビットレート下限値を設けているので、優先度の高いカメラに対して優先度の低いカメラの映像品質が著しく欠けることがないように制御することができる。
よって、本実施の形態に係る映像設定制御装置では、システム全体として適切な品質バランスをとることができるとともに、監視システムに求められる証拠能力も維持することができる。
【0086】
また、本実施の形態に係る映像設定制御装置では、ビットレート制御時の映像切り替えにおいて、カメラの別ストリームを使用することで、録画停止期間を作らない制御を実現している。これにより、録画停止期間の発生のないビットレート制御を実現することができる。
【0087】
また、本実施の形態に係る映像設定制御装置では、各カメラの現ビットレート値から平均を取り、帯域監視時の条件に平均ビットレートを加えている。これにより、ビットレート制御時において、すでに制御操作に必要な帯域余裕が無い場合、取得ビットレート切り替えを行えない、または、帯域超過が発生するといった現象を防止することができる。
【0088】
また、本実施の形態に係る映像設定制御装置では、ビットレート昇順に制御対象カメラリストが設定されており、必要なビットレートの低いカメラからビットレート制御を実施することができる。これにより、制御時の帯域余裕をある程度確保することができる。具体的には、先にビットレートの高いカメラを処理してしまうと、帯域余裕があまり無い(帯域閾値を超えた状態)上に+1ストリーム、ビットレートが高めの映像が一時的にネットワークに流れることとなり、その結果、帯域超過の可能性が増える。一方、本実施の形態に係る映像設定制御装置では、先にビットレートの低いカメラから処理することで、上記現象を防ぎつつ、ビットレートの高いカメラを処理する際にはビットレートの低いカメラの変更分、帯域余裕がある程度確保されている状態となる。
【0089】
以上の実施の形態1では、映像設定制御装置の各部を独立した機能ブロックとして説明した。しかし、映像設定制御装置の構成は、上述した実施の形態のような構成でなくてもよい。映像設定制御装置の機能ブロックは、上述した実施の形態で説明した機能を実現することができれば、どのような構成でもよい。また、映像設定制御装置は、1つの装置でなく、複数の装置から構成されたシステムでもよい。
また、実施の形態1のうち、複数の部分を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、この実施の形態のうち、1つの部分を実施しても構わない。その他、この実施の形態を、全体としてあるいは部分的に、どのように組み合わせて実施しても構わない。
すなわち、実施の形態1では、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【0090】
なお、上述した実施の形態は、本質的に好ましい例示であって、本開示の範囲、本開示の適用物の範囲、および本開示の用途の範囲を制限することを意図するものではない。上述した実施の形態は、必要に応じて種々の変更が可能である。例えば、フロー図あるいはシーケンス図を用いて説明した手順は、適宜に変更してもよい。
【0091】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0092】
(付記1)
複数のカメラの各々から配信されるストリームを複数の受信ストリームとしてネットワークを介して受信する受信部と、
前記複数の受信ストリームの各々のビットレートに基づき算出される配信ビットレート値が、前記ネットワークの帯域に基づき予め定められたビットレートの上限の閾値に達しているか否かを監視し、前記配信ビットレート値が前記閾値に達している場合、前記配信ビットレート値を下げるように指示する下方修正指示を出力する監視部と、
前記下方修正指示を取得すると、前記複数のカメラのいずれかのカメラを制御対象カメラとして、前記配信ビットレート値を下げるように前記制御対象カメラから配信されるストリームの画質およびフレームレートの設定を含む設定値を計算し、計算により得られた新たな設定値を出力する計算部と、
前記制御対象カメラに、前記新たな設定値でストリームを配信するように要求する配信開始リクエストを送信する制御部と
を備える映像設定制御装置。
(付記2)
前記複数のカメラの各々は、マルチストリームで配信しており、
前記制御部は、
前記制御対象カメラに、現在の受信ストリーム以外のストリームを前記新たな設定値で配信するように要求する前記配信開始リクエストを送信し、前記現在の受信ストリームを前記新たな設定値で配信されるストリームに切り替えるストリーム切替指示を出力し、
前記受信部は、
前記ストリーム切替指示を取得すると、前記現在の受信ストリームを前記新たな設定値で配信されるストリームに切り替え、
前記制御部は、
前記新たな設定値で配信されるストリームに切り替わると、前記制御対象カメラに、切替前のストリームの配信の停止を要求する配信停止リクエストを送信する付記1に記載の映像設定制御装置。
(付記3)
前記制御部は、
前記配信停止リクエストを送信するとともに、前記制御対象カメラを制御済みカメラとして前記制御済みカメラの設定値を制御済みカメラリストに記憶する付記2に記載の映像設定制御装置。
(付記4)
前記監視部は、
前記配信ビットレート値が前記閾値に達していない場合、前記制御済みカメラリストに前記制御済みカメラの設定値が設定されているか否かを判定し、前記制御済みカメラの設定値が設定されている場合、前記制御済みカメラのビットレートを上げるように指示する上方修正指示を出力し、
前記計算部は、
前記上方修正指示を取得すると、前記配信ビットレート値が前記閾値より小さい範囲で前記制御済みカメラのビットレートを上げるように前記制御済みカメラの設定値を計算し、計算により得られた設定値を出力する付記3に記載の映像設定制御装置。
(付記5)
前記監視部は、
前記複数の受信ストリームの各々のビットレートの総和と前記複数の受信ストリームの各々のビットレートの平均との和を前記配信ビットレート値として算出する付記1から付記4のいずれか1項に記載の映像設定制御装置。
(付記6)
前記計算部は、
前記下方修正指示を取得すると、前記複数のカメラのカメラごとに優先度と優先する設定を示す優先設定と設定値の下限値とを対応付けた優先度テーブルに基づいて、設定値を下方修正する制御対象カメラを決定する付記1から付記5のいずれか1項に記載の映像設定制御装置。
(付記7)
前記計算部は、
前記制御対象カメラについて計算により得られた新たな設定値を制御対象カメラリストに設定し、
前記制御部は、
前記制御対象カメラリストから制御対象カメラの前記新たな設定値を読み出し、前記制御対象カメラに対して前記配信開始リクエストを送信する付記1から付記6のいずれか1項に記載の映像設定制御装置。
(付記8)
コンピュータが、複数のカメラの各々から配信されるストリームを複数の受信ストリームとしてネットワークを介して受信し、
コンピュータが、前記複数の受信ストリームの各々のビットレートに基づき算出される配信ビットレート値が、前記ネットワークの帯域に基づき予め定められたビットレートの上限の閾値に達しているか否かを監視し、前記配信ビットレート値が前記閾値に達している場合、前記配信ビットレート値を下げるように指示する下方修正指示を出力し、
コンピュータが、前記下方修正指示を取得すると、前記複数のカメラのいずれかのカメラを制御対象カメラとして、前記配信ビットレート値を下げるように前記制御対象カメラから配信されるストリームの画質およびフレームレートの設定を含む設定値を計算し、計算により得られた新たな設定値を出力し、
コンピュータが、前記制御対象カメラに、前記新たな設定値でストリームを配信するように要求する配信開始リクエストを送信する映像設定制御方法。
(付記9)
複数のカメラの各々から配信されるストリームを複数の受信ストリームとしてネットワークを介して受信する受信処理と、
前記複数の受信ストリームの各々のビットレートに基づき算出される配信ビットレート値が、前記ネットワークの帯域に基づき予め定められたビットレートの上限の閾値に達しているか否かを監視し、前記配信ビットレート値が前記閾値に達している場合、前記配信ビットレート値を下げるように指示する下方修正指示を出力する監視処理と、
前記下方修正指示を取得すると、前記複数のカメラのいずれかのカメラを制御対象カメラとして、前記配信ビットレート値を下げるように前記制御対象カメラから配信されるストリームの画質およびフレームレートの設定を含む設定値を計算し、計算により得られた新たな設定値を出力する計算処理と、
前記制御対象カメラに、前記新たな設定値でストリームを配信するように要求する配信開始リクエストを送信する制御処理と
をコンピュータである映像設定制御装置に実行させる映像設定制御プログラム。
【符号の説明】
【0093】
20 配信ビットレート値、21 下方修正指示、22 上方修正指示、31 受信ストリーム、41 配信開始リクエスト、42 ストリーム切替指示、43 配信停止リクエスト、100 映像設定制御装置、110 受信部、120 監視部、130 計算部、140 制御部、150 記憶部、151 録画領域、152 受信状態テーブル、153 実績値テーブル、154 初期設定値リスト、155 帯域情報、156 優先度テーブル、157 制御対象カメラリスト、158 制御済みカメラリスト、200 カメラ、300 ネットワーク、909 電子回路、910 プロセッサ、921 メモリ、922 補助記憶装置、950 通信装置。
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