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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135988
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】バッテリ装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20240927BHJP
   H01M 50/211 20210101ALI20240927BHJP
   H01M 50/271 20210101ALI20240927BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20240927BHJP
   H01M 10/6563 20140101ALI20240927BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20240927BHJP
   H01M 50/291 20210101ALI20240927BHJP
   H01M 10/6566 20140101ALI20240927BHJP
【FI】
H02J7/00 301A
H01M50/211
H01M50/271 S
H01M50/204 401H
H01M10/6563
H01M10/613
H01M50/291
H01M10/6566
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023046929
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000241496
【氏名又は名称】豊田鉄工株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】521213255
【氏名又は名称】株式会社ナチュラニクス
(74)【代理人】
【識別番号】100106781
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 稔也
(72)【発明者】
【氏名】竹腰 幸亮
(72)【発明者】
【氏名】金澤 康樹
【テーマコード(参考)】
5G503
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503FA01
5H031AA09
5H031KK08
5H040AA33
5H040AT06
5H040AY04
5H040AY05
5H040AY08
5H040CC05
(57)【要約】
【課題】冷却風の流入孔から異物が入り込むことを抑制できるバッテリ装置を提供する。
【解決手段】バッテリ装置は、バッテリ及びバッテリを収容するハウジングを有するバッテリモジュールと、充電器及び充電器を収容するケーシングを有する充電モジュールと、を備え、ハウジングは、バッテリが載置されるベースを備え、ベースは、冷却風を流入させる流入孔34と、冷却風を流出させる流出孔35と、流入孔34を開閉する第1弁体36と、流入孔34が閉ざされる側に第1弁体36を付勢する第1付勢部材37と、を備え、ケーシングは、ケーシングの内外を連通するとともに流入孔34に挿通可能な第1突出部16を有し、バッテリモジュールが充電モジュールに装着された装着状態においては、流入孔34に挿通された第1突出部16により第1付勢部材37の付勢力に抗して第1弁体36が押圧されることで流入孔34が開放される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリ及び前記バッテリを収容するハウジングを有するバッテリモジュールと、充電器及び前記充電器を収容するケーシングを有する充電モジュールと、を備え、前記バッテリモジュールが前記充電モジュールに装着された装着状態において前記充電器により前記バッテリが充電されるように構成されたバッテリ装置であって、
前記ハウジングは、前記バッテリが載置されるベースと、前記ベースが取り付けられる開口部を有し、前記バッテリを覆うカバーと、を備え、
前記ベースは、前記ハウジングの内部に冷却風を流入させる流入孔と、前記冷却風を前記ハウジングの外部に流出させる流出孔と、前記流入孔を開閉する弁体と、前記流入孔が閉ざされる側に前記弁体を付勢する付勢部材と、を備え、
前記ケーシングの内部には、前記冷却風を供給する冷却装置が設けられ、
前記ケーシングは、前記ケーシングの内外を連通するとともに前記流入孔に挿通可能な突出部を有し、
前記装着状態においては、前記流入孔に挿通された前記突出部により前記付勢部材の付勢力に抗して前記弁体が押圧されることで前記流入孔が開放される、
バッテリ装置。
【請求項2】
前記弁体、前記付勢部材、及び前記突出部を、第1弁体、第1付勢部材、及び第1突出部とするとき、
前記ベースは、前記流出孔を開閉する第2弁体と、前記流出孔が閉ざされる側に前記第2弁体を付勢する第2付勢部材と、を備え、
前記ケーシングは、前記ケーシングの内外を連通するとともに前記流出孔に挿通可能な第2突出部を有し、
前記装着状態においては、前記流出孔に挿通された前記第2突出部により前記第2付勢部材の付勢力に抗して前記弁体が押圧されることで前記流出孔が開放される、
請求項1に記載のバッテリ装置。
【請求項3】
複数の板状の前記バッテリを備え、
前記ベースは、複数の前記バッテリの基端部を収容する複数の収容溝を有し、
複数の前記収容溝は、当該収容溝の幅方向に並んでおり、
前記バッテリ同士の間には、隙間が設けられている、
請求項2に記載のバッテリ装置。
【請求項4】
前記ベースは、前記開口部に対向するベース本体と、前記流入孔を有するベース流路部と、を備え、
前記カバーは、前記開口部を形成する周壁を有するカバー本体と、前記周壁の外面に突設され、前記ベース流路部を覆うカバー流路部と、を備え、
前記ベース流路部及び前記カバー流路部によって前記冷却風が流通する上流側流路が形成されており、
前記周壁には、前記周壁の内外を貫通する貫通孔が設けられており、
前記上流側流路は、前記貫通孔に接続される、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のバッテリ装置。
【請求項5】
前記カバー本体は、前記周壁と、前記周壁の外面のうち前記貫通孔が設けられている部分を覆う外壁とを有し、
前記周壁と前記外壁との間には、前記上流側流路の一部を構成する空間が形成されている、
請求項4に記載のバッテリ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、蓄電池及び蓄電池を充電する充電器を備える蓄電池装置が開示されている。蓄電池を内蔵した蓄電池部が充電器本体に装着された状態において蓄電池が充電される。
【0003】
蓄電池部は、冷却風が流入する複数の開口孔と、冷却風が排出される冷却用開口部と、冷却用開口部を開閉する連動扉とを備える。連動扉は、スプリングによって冷却用開口部を閉じる側に付勢されている。
【0004】
充電器本体は、蓄電池部に冷却風を送る冷却用ファンと、空気を取り込む吸気用開口と、ガイドボスとを備える。
蓄電池部が充電器本体に装着されていない状態では、冷却用開口部は連動扉によって閉ざされている。蓄電池部が充電器本体に装着されると、スプリングの付勢力に抗してガイドボスにより連動扉が開き側に押されることで、冷却用開口部が開放される。そして、冷却用ファンから送られる冷却風が開口孔から充電器本体の内部に流入するとともに冷却用開口部から排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭63-120534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の蓄電池装置においては、冷却用開口部が連動扉によって開閉される一方で、冷却風が流入する開口孔は、常に開放されている。そのため、蓄電池部が充電器本体に装着されていない状態では、開口孔から充電器本体の内部に水などの異物が入り込むおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためのバッテリ装置は、バッテリ及び前記バッテリを収容するハウジングを有するバッテリモジュールと、充電器及び前記充電器を収容するケーシングを有する充電モジュールと、を備え、前記バッテリモジュールが前記充電モジュールに装着された装着状態において前記充電器により前記バッテリが充電されるように構成されたバッテリ装置であって、前記ハウジングは、前記バッテリが載置されるベースと、前記ベースが取り付けられる開口部を有し、前記バッテリを覆うカバーと、を備え、前記ベースは、前記ハウジングの内部に冷却風を流入させる流入孔と、前記冷却風を前記ハウジングの外部に流出させる流出孔と、前記流入孔を開閉する弁体と、前記流入孔が閉ざされる側に前記弁体を付勢する付勢部材と、を備え、前記ケーシングの内部には、前記冷却風を供給する冷却装置が設けられ、前記ケーシングは、前記ケーシングの内外を連通するとともに前記流入孔に挿通可能な突出部を有し、前記装着状態においては、前記流入孔に挿通された前記突出部により前記付勢部材の付勢力に抗して前記弁体が押圧されることで前記流入孔が開放される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1(a)、図1(b)は、一実施形態に係るバッテリ装置の流入孔及び流出孔を中心とした断面図である。
図2図2(a)、図2(b)は、同実施形態に係るバッテリ装置の斜視図である。
図3図3(a)は、図2の3-3線に沿った充電モジュールの断面図であり、図3(b)は、同実施形態に係る充電モジュールの平面図である。
図4図4は、同実施形態に係るバッテリモジュールの分解斜視図である。
図5図5(a)は、同実施形態に係るベースの斜視図であり、図5(b)は、同実施形態に係るベースに載置された状態のバッテリの斜視図である。
図6図6(a)は、同実施形態に係るカバーの斜視図であり、図6(b)は、図6(a)の6-6線に沿った断面図である。
図7図7は、同実施形態に係る上流側流路周辺の斜視図である。
図8図8は、同実施形態に係る下流側流路周辺の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図1図8を参照して、一実施形態について説明する。
図2図4に示すように、バッテリ装置100は、バッテリ21及びバッテリ21を収容するハウジング23を有するバッテリモジュール20と、充電器19及び充電器19を収容するケーシング11を有する充電モジュール10とを備える。バッテリ装置100は、バッテリモジュール20が充電モジュール10に装着された装着状態において充電器19によりバッテリ21が充電されるように構成されている。
【0010】
まず、充電モジュール10について詳細に説明する。
<充電モジュール10>
図2(a)、図3(a)及び図3(b)に示すように、充電モジュール10は、ケーシング11と、冷却装置18と、充電器19とを備える。
【0011】
ケーシング11は、底壁12と、底壁12の外周縁から上側に延びる周壁13と、上下方向Zにおいて周壁13の上端と底壁12との間に位置し、底壁12に対向する上壁15とを備える。
【0012】
上壁15は、上下方向Zにおいて周壁13の上端よりも底壁12に近い位置に、底壁12と平行に設けられている。
底壁12及び上壁15は、いずれも長方形板状である。なお、以降において、底壁12の長辺方向及び短辺方向をそれぞれ長さ方向X及び幅方向Yとする。
【0013】
周壁13の上端の縁によって開口部14が形成されている。
上壁15は、上方に突出するとともに、上壁15の上方の空間と下方の空間とを連通する第1突出部16及び第2突出部17を有する。第1突出部16及び第2突出部17は、いずれも円筒状である。
【0014】
図3(b)に示すように、第1突出部16及び第2突出部17は、長さ方向Xにおいて互いに間隔をあけて並んでいる。第1突出部16及び第2突出部17は、幅方向Yにおける一側(図3(b)の下側)に位置している。
【0015】
図3(a)及び図3(b)に示すように、冷却装置18及び充電器19は、底壁12と上壁15との間に設けられている。本実施形態では、冷却装置18は、冷却風を発生させるファン及びファンを回転駆動するモータなどを備えている。冷却装置18のファンは、第1突出部16の直下に配置されている。充電器19は、幅方向Yにおける他側(図3(b)の上側)に配置されている。充電器19は、周知の構成であり、図示しない電源の交流電圧を高電圧の直流電圧に変換するAC/DCコンバータ、上記高電圧の直流電圧を充電電圧に変換するDC/DCコンバータ、及びバッテリ21の充電制御を行う充電コントローラを備える。
【0016】
次に、バッテリモジュール20について詳細に説明する。
<バッテリモジュール20>
図4に示すように、バッテリモジュール20は、バッテリ21と、バッテリ21を収容するハウジング23とを有する。ハウジング23は、バッテリ21が載置されるベース30と、ベース30が取り付けられるとともにバッテリ21を覆うカバー40と、ベース30が取り付けられるとともにカバー40を覆うバッテリケース50とを備える。
【0017】
(バッテリ21)
図4に示すように、バッテリモジュール20は、複数の板状のバッテリ21を備える。複数のバッテリ21は、同一の形状及び大きさを有するラミネートセルであり、互いに直列に接続されている。
【0018】
(ベース30)
図5(a)に示すように、ベース30は、平面視長方形状の板状部材である。ベース30は、ベース本体31と、ベース本体31の外周部に位置する第1ベース流路部32a及び第2ベース流路部32bとを備える。ベース30の外周部には、複数のベース側取付孔30a,30bが設けられている。ベース側取付孔30a,30bは、ベース30を上下方向Zに貫通している。ベース側取付孔30aは、ベース30の4つの角部に設けられている。ベース側取付孔30bは、ベース30の外周部のうち角部同士の中間部に設けられている。
【0019】
ベース本体31の上面には、上方に開口する複数の収容溝33が形成されている。収容溝33は、長さ方向Xに延びるとともに幅方向Yに間隔をあけて並んでいる。本実施形態では、幅方向Yが、収容溝33の幅方向と一致している。
【0020】
図5(b)に示すように、複数のバッテリ21の基端部22は、収容溝33に収容される。バッテリ21同士の間には、隙間Sが設けられている。
図5(a)に示すように、第1ベース流路部32a及び第2ベース流路部32bは、上方に開口するとともにベース30の外周縁に沿って延在している。
【0021】
第1ベース流路部32a及び第2ベース流路部32bは、ベース30の外周部のうち幅方向Yの一側(図5(a)の右下側)に設けられている。
第1ベース流路部32aは、長さ方向Xに沿って延在する部分321と、幅方向Yに沿って延在する部分322とを有し、平面視L字状をなしている。
【0022】
第2ベース流路部32bは、長さ方向Xに沿って延在する部分323と、幅方向Yに沿って延在する部分324とを有し、平面視L字状をなしている。
第1ベース流路部32aと第2ベース流路部32bとの間には、仕切り部32cが設けられている。仕切り部32cによって、第1ベース流路部32aと第2ベース流路部32bとが仕切られている。
【0023】
第1ベース流路部32aは、ハウジング23の内部に冷却風を流入させる流入孔34と、流入孔34を開閉する第1弁体36と、流入孔34が閉ざされる側に第1弁体36を付勢する第1付勢部材37とを備える。
【0024】
図1(a)及び図5(a)に示すように、流入孔34は、第1ベース流路部32aのうち長さ方向Xに沿って延在する部分321に設けられている。流入孔34は、ベース30を上下方向Zに貫通している。
【0025】
第1弁体36は、第1ベース流路部32aの上方に位置している。第1弁体36は、長さ方向Xにおいて流入孔34よりも仕切り部32c側に位置するとともに、幅方向Yに延在する軸線C1を中心に回動可能に設けられている。
【0026】
第1付勢部材37は、例えば、ねじりばねである。
図5(a)に示すように、第2ベース流路部32bは、冷却風をハウジング23の外部に流出させる流出孔35と、流出孔35を開閉する第2弁体38と、流出孔35が閉ざされる側に第2弁体38を付勢する第2付勢部材39とを備える。
【0027】
図1(a)及び図5(a)に示すように、流出孔35は、第2ベース流路部32bのうち長さ方向Xに沿って延在する部分323に設けられている。流出孔35は、ベース30を上下方向Zに貫通している。
【0028】
第2弁体38は、第2ベース流路部32bの上方に位置している。第2弁体38は、長さ方向Xにおいて流出孔35よりも仕切り部32cから離れて位置するとともに、幅方向Yに延在する軸線C2を中心に回動可能に設けられている。
【0029】
第2付勢部材39は、例えば、ねじりばねである。
(カバー40)
図6(a)に示すように、カバー40は、カバー本体41と、カバー流路部47とを備える。
【0030】
カバー本体41は、長方形状の頂壁41aと、頂壁41aの外周縁から下側へ延びる周壁41bとを備える。周壁41bの下端の縁によって開口部46が形成されている。
周壁41bは、長さ方向Xにおいて対向する第1側壁42及び第2側壁43と、幅方向Yにおいて対向する第3側壁44及び第4側壁45とを備える。第1側壁42は、長さ方向Xにおいて第1ベース流路部32aが設けられている側(図6(a)の左側)に位置する。第2側壁43は、長さ方向Xにおいて第2ベース流路部32bが設けられている側(図6(a)の右側)に位置する。第3側壁44は、幅方向Yの一側(図6(a)の右下側)に位置する。第4側壁45は、幅方向Yの他側(図6(a)の左上側)に位置する。
【0031】
第1側壁42の下部には、第1側壁42の内外を貫通する複数の第1貫通孔42aが設けられている。複数の第1貫通孔42aは、上下方向Zに延びるとともに幅方向Yに互いに間隔をあけて並んでいる。また、第1側壁42には、第1側壁42の外面から突出するとともに第1側壁42の外面のうち第1貫通孔42aが設けられている部分を覆う第1外壁42bが設けられている。第1外壁42bは、上下方向Zにおいて、第1貫通孔42aよりも上側の位置から第1側壁42の下端と同じ位置まで延びている。
【0032】
図6(b)に示すように、第1側壁42と第1外壁42bとの間には、空間S1が形成されている。
図6(a)に示すように、第2側壁43の上部には、第2側壁43の内外を貫通する複数の第2貫通孔43aが設けられている。複数の第2貫通孔43aは、上下方向Zに延びるとともに幅方向Yに互いに間隔をあけて並んでいる。また、第2側壁43には、第2側壁43の外面から突出するとともに第2側壁43の外面のうち第2貫通孔43aが設けられている部分を覆う第2外壁43bが設けられている。第2外壁43bは、上下方向Zにおいて、第2貫通孔43aよりも上側の位置から第2側壁43の下端と同じ位置まで延びている。
【0033】
図6(b)に示すように、第2側壁43と第2外壁43bとの間には、空間S2が形成されている。
図6(a)に示すように、カバー流路部47は、周壁41bの外面に突設されている。カバー流路部47は、平板状であり、周壁41bの下端に設けられている。カバー流路部47は、第3側壁44の外面から突出し、長さ方向Xに沿って延在する部分47aと、第1側壁42の外面から突出し、幅方向Yに沿って延在する部分47bと、第2側壁43の外面から突出し、幅方向Yに沿って延在する部分47cとを有する。カバー流路部47は、平面視コ字状である。カバー流路部47における前述したベース側取付孔30a,30bに対応する位置には、カバー側取付孔40a,40bが設けられている。カバー側取付孔40a,40bは、カバー流路部47を上下方向Zに貫通している。
【0034】
図5(a)、図6(a)、図7、及び図8に示すように、ベース側取付孔30b及びカバー側取付孔40bに、上側から、ねじ70が螺入されることで、カバー40の開口部46にベース30が取り付けられる。
【0035】
ベース本体31は、カバー40の開口部46に対向している。カバー流路部47は、第1ベース流路部32a及び第2ベース流路部32bを上側から覆っている。
図6(b)及び図7に示すように、第1ベース流路部32a及びカバー流路部47によって冷却風が流通する上流側流路60が形成される。また、第1側壁42と第1外壁42bとの間の空間S1も上流側流路60の一部を構成している。上流側流路60は、第1貫通孔42aに接続される。
【0036】
図6(b)及び図8に示すように、第2ベース流路部32b及びカバー流路部47によって冷却風が流通する下流側流路61が形成される。また、第2側壁43と第2外壁43bとの間の空間S2も下流側流路61の一部を構成している。下流側流路61は、第2貫通孔43aに接続される。
【0037】
(バッテリケース50)
図4に示すように、バッテリケース50は、カバー40の頂壁41a及び周壁41bを外側から覆うものである。バッテリケース50は、頂壁41aを覆う頂壁51と、頂壁51の外周縁から下側に延びるとともに周壁41bを覆う周壁52とを備える。頂壁51の上面には、アーチ状の把持部53が設けられている。
【0038】
バッテリケース50の下部開口を通じてバッテリケース50にカバー40が収容されている。この状態において、ベース側取付孔30a及びカバー側取付孔40aに、下方から、図示しないねじを挿通するとともにバッテリケース50の図示しない雌ねじに螺入することにより、バッテリケース50に対してカバー40及びベース30が取り付けられる。
【0039】
なお、本実施形態における第1ベース流路部32aが、「課題を解決するための手段」に記載のベース流路部に相当する。本実施形態における開口部46が、「課題を解決するための手段」に記載の開口部に相当する。また、本実施形態における第1貫通孔42aが、「課題を解決するための手段」に記載の貫通孔に相当する。
【0040】
次に、本実施形態の作用について説明する。
まず、図4に示すように、ベース30の収容溝33にバッテリ21の基端部22を収容することでベース30にバッテリ21を載置して、ベース30にカバー40及びバッテリケース50を取り付けることでバッテリモジュール20とする。
【0041】
図1(a)に示すように、バッテリモジュール20が充電モジュール10に装着されていない非装着状態においては、第1弁体36及び第2弁体38が、第1付勢部材37及び第2付勢部材39により付勢されることで流入孔34及び流出孔35が閉ざされる。
【0042】
次に、図2(a)及び図2(b)に示すように、バッテリモジュール20をケーシング11の開口部14に挿入してバッテリモジュール20を充電モジュール10に装着することで、装着状態となる。これによって、バッテリ21の端子と充電器19の端子(いずれも図示略)とが電気的に接続されることでバッテリ21が充電される。
【0043】
このとき、図1(b)に示すように、第1突出部16及び第2突出部17は、それぞれ流入孔34及び流出孔35に挿通される。流入孔34に挿通された第1突出部16により第1付勢部材37の付勢力に抗して第1弁体36が押圧されることで流入孔34が開放される。また、流出孔35に挿通された第2突出部17により第2付勢部材39の付勢力に抗して第2弁体38が押圧されることで流出孔35が開放される。
【0044】
そして、図1(b)及び図7に矢印Aにて示すように、冷却装置18から供給される冷却風が、流入孔34に挿通された第1突出部16を通って上流側流路60に流入する。
図7の矢印Bにて示すように、上流側流路60に流入した冷却風は、第1側壁42の第1貫通孔42aを通ってカバー40の内部に流入する。冷却風は、カバー40の内部において第2側壁43の第2貫通孔43aに向かって流れる。この際、冷却風によってバッテリ21が冷却される。
【0045】
図8の矢印Cにて示すように、冷却風は、第2側壁43の第2貫通孔43aを通って下流側流路61に流入する。
図1(b)及び図8の矢印Dに示すように、下流側流路61に流入した冷却風は、流出孔35に挿通された第2突出部17を通ってケーシング11の内部に流出する。
【0046】
次に、本実施形態の効果について説明する。
(1)装着状態において、流入孔34は開放され、非装着状態において、流入孔34は第1弁体36によって閉ざされる。
【0047】
同構成によれば、上記作用を奏するため、非装着状態において、流入孔34から上流側流路60に異物が入り込むことを抑制できる。
(2)装着状態において、流出孔35は開放され、非装着状態において、流出孔35は第2弁体38によって閉ざされる。
【0048】
同構成によれば、上記作用を奏するため、非装着状態において、流出孔35から下流側流路61に異物が入り込むことを抑制できる。
(3)バッテリ21は、複数の板状のラミネートセルであり、ベース30の収容溝33によって、隙間Sを空けて配置される。
【0049】
同構成によれば、バッテリ21同士の間の隙間Sに冷却風が入り込むことで、バッテリ21を効率よく冷却できる。
(4)第1ベース流路部32a及びカバー流路部47によって、上流側流路60が形成され、第2ベース流路部32b及びカバー流路部47によって、下流側流路61が形成される。そして、第1側壁42には、第1側壁42の内外を貫通する第1貫通孔42aが設けられており、第2側壁43には、第2側壁43の内外を貫通する第2貫通孔43aが設けられている。
【0050】
同構成によれば、ベース30に設けられた流入孔34を通じて上流側流路60に流入した冷却風が、第1貫通孔42aを通じてカバー40の内部に流入するようになる。このため、流入孔34から上流側流路60に水などの異物が入り込んだ場合であっても、第1貫通孔42aを通じてカバー40の内部に異物が入り込むことを抑制できる。同様に、流出孔35から下流側流路61に水などの異物が入り込んだ場合であっても、第2貫通孔43aを通じてカバー40の内部に異物が入り込むことを抑制できる。
【0051】
また、上記構成によれば、ベース30に設けられた第1ベース流路部32aとカバー40に設けられたカバー流路部47とにより上流側流路60が形成される。ベース30に設けられた第2ベース流路部32bとカバー40に設けられたカバー流路部47とにより下流側流路61が形成される。このため、上流側流路60及び下流側流路61を形成するために別体の配管を設ける必要がない。したがって、部品点数を減らすことができる。
【0052】
(5)第1外壁42bは、第1側壁42の外面のうち第1貫通孔42aが設けられている部分を覆い、第2外壁43bは、第2側壁43の外面のうち第2貫通孔43aが設けられている部分を覆う。そして、第1側壁42と第1外壁42bとの間には、上流側流路60の一部を構成する空間S1が形成され、第2側壁43と第2外壁43bとの間には、下流側流路61の一部を構成する空間S2が形成される。
【0053】
同構成によれば、ベース30の構成を簡単にすることができる。
<変更例>
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0054】
・カバー40は、第1外壁42bを有していなくてもよい。例えば、第1側壁42の外面のうち第1貫通孔42aよりも上側の部分から長さ方向Xに突出する庇部を設ける。そして、ベース30に、庇部の位置まで上方に延在することで第1側壁42の外面のうち第1貫通孔42aが設けられている部分を覆う外壁を設けるようにしてもよい。また、カバー40は、第2外壁43bを有していなくてもよい。この場合、上記と同様にして、庇部及び外壁を設けるようにすればよい。
【0055】
・第1外壁42bを省略することもできる。この場合、カバー流路部47のうち上流側流路60を構成する部分に連通部を設けるとともに、連通部と第1貫通孔42aとを接続する別体の配管を設けてもよい。第2外壁43bを省略することもできる。この場合、上記と同様にして、カバー流路部47のうち下流側流路61を構成する部分に連通部を設けるとともに、連通部と第2貫通孔43aとを接続する別体の配管を設けてもよい。
【0056】
・上流側流路60、下流側流路61、第1貫通孔42a、及び第2貫通孔43aを省略して、流入孔34及び流出孔35をベース本体31に設けてもよい。
・バッテリ21は、板状のラミネートセルに限定されない。例えば、バッテリ21は、円柱形状でもよく、バッテリ21の形状に合わせて、バッテリ21を収容する部分の形状を適宜変更すればよい。
【0057】
・第2弁体38、第2付勢部材39、及び第2突出部17を省略してもよい。
・第1貫通孔42a及び第2貫通孔43aの数を適宜変更することができる。また、第1貫通孔42a及び第2貫通孔43aは、上下方向Zに延びる形状に限定されず、幅方向Yに延びる形状でもよい。
【0058】
<付記>
上記各実施形態は、以下の付記に記載する構成を含む。
[付記1]バッテリ及び前記バッテリを収容するハウジングを有するバッテリモジュールと、充電器及び前記充電器を収容するケーシングを有する充電モジュールと、を備え、前記バッテリモジュールが前記充電モジュールに装着された装着状態において前記充電器により前記バッテリが充電されるように構成されたバッテリ装置であって、前記ハウジングは、前記バッテリが載置されるベースと、前記ベースが取り付けられる開口部を有し、前記バッテリを覆うカバーと、を備え、前記ベースは、前記ハウジングの内部に冷却風を流入させる流入孔と、前記冷却風を前記ハウジングの外部に流出させる流出孔と、前記流入孔を開閉する弁体と、前記流入孔が閉ざされる側に前記弁体を付勢する付勢部材と、を備え、前記ケーシングの内部には、前記冷却風を供給する冷却装置が設けられ、前記ケーシングは、前記ケーシングの内外を連通するとともに前記流入孔に挿通可能な突出部を有し、前記装着状態においては、前記流入孔に挿通された前記突出部により前記付勢部材の付勢力に抗して前記弁体が押圧されることで前記流入孔が開放される、バッテリ装置。
【0059】
[付記2]前記弁体、前記付勢部材、及び前記突出部を、第1弁体、第1付勢部材、及び第1突出部とするとき、前記ベースは、前記流出孔を開閉する第2弁体と、前記流出孔が閉ざされる側に前記第2弁体を付勢する第2付勢部材と、を備え、前記ケーシングは、前記ケーシングの内外を連通するとともに前記流出孔に挿通可能な第2突出部を有し、前記装着状態においては、前記流出孔に挿通された前記第2突出部により前記第2付勢部材の付勢力に抗して前記弁体が押圧されることで前記流出孔が開放される、[付記1]に記載のバッテリ装置。
【0060】
[付記3]複数の板状の前記バッテリを備え、前記ベースは、複数の前記バッテリの基端部を収容する複数の収容溝を有し、複数の前記収容溝は、当該収容溝の幅方向に並んでおり、前記バッテリ同士の間には、隙間が設けられている、[付記1]または[付記2]に記載のバッテリ装置。
【0061】
[付記4]前記ベースは、前記開口部に対向するベース本体と、前記流入孔を有するベース流路部と、を備え、前記カバーは、前記開口部を形成する周壁を有するカバー本体と、前記周壁の外面に突設され、前記ベース流路部を覆うカバー流路部と、を備え、前記ベース流路部及び前記カバー流路部によって前記冷却風が流通する上流側流路が形成されており、前記周壁には、前記周壁の内外を貫通する貫通孔が設けられており、前記上流側流路は、前記貫通孔に接続される、[付記1]から[付記3]のいずれか一項に記載のバッテリ装置。
【0062】
[付記5]前記カバー本体は、前記周壁と、前記周壁の外面のうち前記貫通孔が設けられている部分を覆う外壁とを有し、前記周壁と前記外壁との間には、前記上流側流路の一部を構成する空間が形成されている、[付記4]に記載のバッテリ装置。
【符号の説明】
【0063】
10…充電モジュール
11…ケーシング
12…底壁
13…周壁
14…開口部
15…上壁
16…第1突出部
17…第2突出部
18…冷却装置
19…充電器
20…バッテリモジュール
21…バッテリ
22…基端部
23…ハウジング
30…ベース
30a,30b…ベース側取付孔
31…ベース本体
32a…第1ベース流路部
32b…第2ベース流路部
32c…仕切り部
33…収容溝
34…流入孔
35…流出孔
36…第1弁体
37…第1付勢部材
38…第2弁体
39…第2付勢部材
40…カバー
40a,40b…カバー側取付孔
41…カバー本体
41a…頂壁
41b…周壁
42…第1側壁
42a…第1貫通孔
42b…第1外壁
43…第2側壁
43a…第2貫通孔
43b…第2外壁
44…第3側壁
45…第4側壁
46…開口部
47…カバー流路部
50…バッテリケース
51…頂壁
52…周壁
53…把持部
60…上流側流路
61…下流側流路
70…ねじ
100…バッテリ装置
C1,C2…軸線
S…隙間
S1,S2…空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8