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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024135989
(43)【公開日】2024-10-04
(54)【発明の名称】ゴム組成物及びタイヤ
(51)【国際特許分類】
   C08L 9/06 20060101AFI20240927BHJP
   C08L 25/02 20060101ALI20240927BHJP
   C08K 3/36 20060101ALI20240927BHJP
   B60C 1/00 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
C08L9/06
C08L25/02
C08K3/36
B60C1/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023046930
(22)【出願日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000157603
【氏名又は名称】丸善石油化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000590
【氏名又は名称】弁理士法人 小野国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】樋口 元樹
【テーマコード(参考)】
3D131
4J002
【Fターム(参考)】
3D131AA01
3D131AA02
3D131BA05
3D131BC02
3D131BC12
3D131BC19
4J002AC08W
4J002BC01X
4J002DJ016
4J002FD010
4J002FD016
4J002GN01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】低燃費性及びウェットグリップ性能を両立したゴム組成物を提供すること。
【解決手段】スチレン-ブタジエンゴムを含むゴム成分(A)、C5C9樹脂(B)並びにシリカを含む充填剤(C)を含有し、ゴム成分(A)中のスチレン-ブタジエンゴムの含有量が20~90質量%、充填剤(C)中のシリカの含有量が50質量%~100質量%であり、ゴム成分(A)100質量部に対し、C5C9樹脂(B)1~30質量部及び充填剤(C)20~130質量部含有することを特徴とするゴム組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スチレン-ブタジエンゴムを含むゴム成分(A)、C5C9樹脂(B)並びにシリカを含む充填剤(C)を含有し、ゴム成分(A)中のスチレン-ブタジエンゴムの含有量が20~90質量%、充填剤(C)中のシリカの含有量が50質量%~100質量%であり、ゴム成分(A)100質量部に対し、C5C9樹脂(B)1~30質量部及び充填剤(C)20~130質量部含有することを特徴とするゴム組成物。
【請求項2】
C5C9樹脂(B)のプロトン核磁気共鳴スペクトルの総ピーク面積のうち芳香族領域の水素ピーク比率が2~35%である請求項1記載のゴム組成物。
【請求項3】
C5C9樹脂(B)のプロトン核磁気共鳴スペクトルの総ピーク面積のうち芳香族領域の水素ピーク比率が5~20%である請求項2記載のゴム組成物。
【請求項4】
C5C9樹脂(B)の軟化点が60℃~95℃である請求項1記載のゴム組成物。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかの項記載のゴム組成物を用いたタイヤ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴム組成物及びこれを用いたタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境問題への関心が高まっており、自動車の低燃費化が強く求められている。低燃費化の手法の一つとして転がり抵抗の低いタイヤ用ゴムを用いる方法がある。しかし、転がり抵抗の低いゴムを用いるとウェットグリップ性能が低下することが知られており、低燃費化とウェットグリップ性能の両立は一般に困難であるとされている。
【0003】
従来より、タイヤの低燃費性とウェットグリップ性能を両立させるための技術が種々検討されており、例えば、特定の平均分子量及び平均ビニル量のスチレンブタジエンゴムとブタジエンゴムを用いたゴム組成物(特許文献1)、石油類のC5留分とジシクロペンタジエンとの共重合樹脂を添加したゴム組成物(特許文献2)、スチレンブタジエンゴムのスチレン量に対し一定量のスチレン系樹脂を添加したゴム組成物(特許文献3)、特定の芳香族系樹脂と液状ポリマーとを用いたゴム組成物(特許文献4)等が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-145271号公報
【特許文献2】特開2022-55449号公報
【特許文献3】特開2019-183009号公報
【特許文献4】特開2019-112598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、低燃費性及びウェットグリップ性能を両立したゴム組成物の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、ゴム組成物中に、シリカを含む充填剤を用いるとともに、C5C9樹脂を配合することにより、低燃費性を低下させることなく、ウェットグリップ性能を向上できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち本発明は、以下のとおりのものである。
(1)スチレン-ブタジエンゴムを含むゴム成分(A)、C5C9樹脂(B)並びにシリカを含む充填剤(C)を含有し、ゴム成分(A)中のスチレン-ブタジエンゴムの含有量が20~90質量%、充填剤(C)中のシリカの含有量が50質量%~100質量%であり、ゴム成分(A)100質量部に対し、C5C9樹脂(B)1~30質量部及び充填剤(C)20~130質量部含有することを特徴とするゴム組成物。
【0008】
(2)C5C9樹脂(B)のプロトン核磁気共鳴スペクトルの総ピーク面積のうち芳香族領域の水素ピーク比率が2~35%のものである(1)記載のゴム組成物。
【0009】
(3)C5C9樹脂(B)のプロトン核磁気共鳴スペクトルの総ピーク面積のうち芳香族領域の水素ピーク比率が5~20%である(2)記載のゴム組成物。
【0010】
(4)C5C9樹脂(B)の軟化点が60℃~95℃である請求項(1)~(3)のいずれかに記載のゴム組成物。
【0011】
(5)(1)~(4)のいずれかに記載のゴム組成物を用いたタイヤ。
【発明の効果】
【0012】
本発明のゴム組成物を用いることにより、低燃費性及びウェットグリップ性能をバランスよく両立したタイヤを得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のゴム組成物は、ゴム成分(A)として、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)を含有する。スチレン-ブタジエンゴムとしては特に限定されず、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム、溶液重合スチレンブタジエンゴム等を使用できる。
【0014】
ゴム成分(A)中のスチレン-ブタジエンゴムの含有量は、低燃費性及びウェットグリップ性能の点から20~90質量%であり、好ましくは35~85質量%である。なお本明細書において、「~」を用いて数値範囲を表す場合、その範囲には両端の数値が含まれるものとする。
【0015】
ゴム成分(A)には、スチレン-ブタジエンゴム以外にブタジエンゴム(BR)、イソブレンゴム、天然ゴム等の他のゴムを用いることができ、これらの中でもブタジエンゴムを用いることが好ましい。ブタジエンゴムを配合する場合、ゴム成分(A)中のブタジエンゴムの含有量は、低燃費性及びウェットグリップ性能の観点から0~40質量%が好ましく、5~35質量%がより好ましい。
【0016】
本発明のゴム組成物はC5C9樹脂を含有する。C5C9樹脂は、石油由来のC5留分とC9留分とを原料とした共重合樹脂である。C5C9樹脂としては特に限定されるものではないが、C5留分として、trans-1,3-ペンタジエン、cis-1,3-ペンタジエン、イソプレン、2-メチル-2-ブテン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、trans-2-ペンテン及びcis-2-ペンテンから選ばれる少なくとも1種を含むものが好ましく、これらの中でもtrans-1,3-ペンタジエン、cis-1,3-ペンタジエン、2-メチル-2-ブテン及びシクロペンテンから選ばれる少なくとも1種を含むものがより好ましい。C5樹脂の好ましい一態様としては、trans-1,3-ペンタジエン15~40質量%、cis-1,3-ペンタジエン5~30質量%、2-メチル-2-ブテン2~25質量%及びシクロペンテン5~30質量%を含有するものが例示される。またC9留分として、スチレン、ビニルトルエン、α-メチルスチレン及びβ-メチルスチレンから選ばれる少なくとも1種類を含むものが好ましく、これらの中でもスチレンを含むものがより好ましい。C5留分またはC9留分には、上記成分のうち1種または2種以上の成分に分離したものも含まれる。
【0017】
C5C9樹脂は、低燃費性及びウェットグリップ性能の観点から、プロトン核磁気共鳴スペクトルの総ピーク面積のうち、芳香族領域の水素ピーク比率が2~35%であることが好ましく、5~20%であることがより好ましい。本明細書において、C5C9樹脂のプロトン核磁気共鳴スペクトルの総ピーク面積のうちの芳香族領域の水素ピーク比率は、実施例に記載の方法によって求められる値を意味する。
【0018】
C5C9樹脂は、低燃費性及びウェットグリップ性能の観点から、軟化点が60~95℃であることが好ましく、65~91℃であることがより好ましい。本明細書においてC5C9樹脂の軟化点は、実施例に記載の方法によって測定される値を意味する。
【0019】
さらに、(1)C5C9樹脂のプロトン核磁気共鳴スペクトルの総ピーク面積のうちの芳香族領域の水素ピーク比率が6~10%であり、かつ、軟化点が65~95℃、より好ましくは65~80℃の範囲、(2)プロトン核磁気共鳴スペクトルの総ピーク面積のうちの芳香族領域の水素ピーク比率が10~15%、より好ましくは11~14%であり、かつ、軟化点が65~95℃、より好ましくは75~95℃の範囲、または(3)プロトン核磁気共鳴スペクトルの総ピーク面積のうちの芳香族領域の水素ピーク比率が15~25%、より好ましくは18~20%であり、かつ、軟化点が60~95℃、より好ましくは65~80℃の範囲とすることにより、特に低燃費性及びウェットグリップ性能に優れたものが得られる。
【0020】
C5C9樹脂の分子量は特に限定されるものではないが、低燃費性及びウェットグリップ性能の観点から、数平均分子量(Mn)が300~3500であることが好ましく、500~2000であることがより好ましい。また分子量分布(Mw/Mn)は1.0~3.5であることが好ましく、1.0~2.5であることがより好ましい。C5C9樹脂の数平均分子量及び分子量分布は実施例に記載の方法によって測定される値である。
【0021】
C5C9樹脂の製造方法としては、特に制限されるものではなく、例えば、ヘキサン、トルエン等を溶媒として用い、これらの溶媒とC5留分及びC9留分とを混合し、重合触媒を用いて重合反応を行うことにより製造することができる。C5留分とC9留分の仕込み比率は特に限定されないが、例えば、C5留分30~95質量%、C9留分5~70質量%が好ましく、C5留分40~90質量%、C9留分10~60質量%がより好ましい。重合触媒としては、塩化アルミニウム、エチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、臭化アルミニウム、塩化ガリウム、トリフェニルメチリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート等を用いることができる。重合温度は特に制限されないが、50~110℃が好ましく、65~90℃がより好ましい。
【0022】
ゴム組成物中のC5C9樹脂の含有量は、低燃費性及びウェットグリップ性能の観点から、ゴム成分(A)100質量部に対して1~30質量部であることが好ましく、3~25質量部であることがより好ましい。
【0023】
本発明のゴム組成物は、充填剤(C)として、シリカを含有する。シリカとしては、特に制限されるものではなく、例えば、乾式法ホワイトカーボン、湿式法ホワイトカーボン、コロイダルシリカ、沈降シリカ等が挙げられるが、これらの中でも沈降シリカ等が好適に用いられる。比表面積等の物性も特に制限されるものではない。シリカは、シランカップリング剤と併用することが好ましい。シランカップリング剤としては、特に限定されず、例えば、スルフィド系、メルカプト系、ビニル系、アミノ系、グリシドキシ系、ニトロ系、クロロ系等が挙げられ、これらの中でもスルフィド系等が好適に用いられる。
【0024】
充填剤(C)にはカーボンブラックを含んでもよい。カーボンブラックの製法等は限定されるものではなく、例えば、ファーネスブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のいずれでもよい。また粒径や比表面積等の物性も特に制限されず、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAF等を使用できる。
【0025】
充填剤(C)中のシリカの含有量は、低燃費性及びウェットグリップ性能の観点から50質量%~100質量%であり、75~100質量%がより好ましい。また充填剤(C)中にカーボンブラックを含有する場合は50質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがより好ましい。
【0026】
本発明のゴム組成物中の成分(C)の含有量は、低燃費性及びウェットグリップ性能の観点からゴム成分(A)100質量部に対して20~130質量部であることが好ましく、50~80質量部であることがより好ましい。
【0027】
本発明のゴム組成物には、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、補強材、着色剤などのゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤を、本発明の目的を阻害しない範囲内で配合することができる。
【0028】
本発明のゴム組成物は、空気入りタイヤのトレッド部に好適に用いることができる。本発明のゴム組成物を用いることにより、優れた低燃費性とウェット性能とを兼ね備えたタイヤを得ることができる。
【0029】
本発明のタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法で製造することができ、例えば、本発明のゴム組成物を、未加硫の段階でトレッドの形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成し、これを加熱加圧することによりタイヤを得ることができる。
【実施例0030】
以下に、本発明を実施例等により説明するが、本発明はこれらの実施例等により何ら制限を受けるものではない。
【0031】
製造例1
オートクレーブに、ヘキサン60g、トルエン20g、塩化アルミニウム粉末1080mgを投入し、90℃に設定したヒーターで加熱し、予め表1に示す割合で混合したC5留分及びC9留分を添加して、3時間重合した。C5留分として、trans-1,3-ペンタジエン28質量%、cis-1,3-ペンタジエン17質量%、2-メチル-2-ブテン12質量%及びシクロペンテン16質量%を含有するものを用い、C9留分としてスチレンを用いた。その後停止剤(イソプロパノール/アンモニア=1/1(v/v))10mLを加えた後、触媒残渣をろ過した。更に分液で精製した後、エバポレーターで軽質分除去を行うことにより、樹脂A1を得た。得られた樹脂A1について、以下の方法により、プロトン核磁気共鳴スペクトルの総ピーク面積のうち芳香族領域の水素ピーク比率、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)、軟化点を測定した。その結果を表1に示す。
【0032】
(プロトン核磁気共鳴スペクトル(1H NMR)及び芳香族領域の水素ピーク比率の測定方法)
1H NMRはJEOL製 JNM AL-400を用いて行った。得られた樹脂を重クロロホルムに溶解させることで測定した。得られたスペクトルのうち、芳香族に由来する6.0-7.5ppmのピークの面積を全ピーク面積で除したものを芳香族領域の水素ピーク比率とした。なお、水およびクロロホルムに由来するピークはあらかじめ除いたうえで計算した。
【0033】
(数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)の測定方法)
得られた樹脂の数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)の分析は、ゲルパーミネーションクロマトグラフィー(GPC)(東ソー株式会社製、HLC-8320)を用いて行った。
<条件>
カラム:G4000HXL、G3000HXL、G2000HXL(2本使用) (東ソー株式会社製)
溶媒:テトラヒドロフラン
測定温度:40 ℃
流速:1.0 mL/min
検量線標準物質:ポリスチレン
【0034】
(軟化点の測定方法)
得られた樹脂の軟化点は、JIS K-2207(1991)に従って、環球法で測定した。
【0035】
製造例2~8、製造比較例1~3
実験条件を表1または表2に示す通り変更し、製造例1と同様にして樹脂A2~A8及び樹脂B1~B3を得た。得られた樹脂について、製造例1と同様にしてプロトン核磁気共鳴スペクトルの総ピーク面積のうち芳香族領域の水素ピーク比率、数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)、軟化点を測定した。その結果を表1または表2に併せて示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
実施例1
バンバリーミキサー(容量600ミリリットル)にて、HPR355(スチレンブタジエンゴム、ENEOSマテリアル株式会社)80質量部及びBR01(ブタジエンゴム、ENEOSマテリアル株式会社)20質量部を含有するゴム成分100質量部に対し、シリカ(ニプシルAQ、東ソー・シリカ株式会社)70質量部、シランカップリング剤(Si69、エボニック社)7質量部、ゴム老化防止剤(オゾノン6C、精工化学株式会社)2質量部、亜鉛華(正同化学工業株式会社)3質量部、ステアリン酸(つばき、日本油脂株式会社)2質量部、TDAE(アロマックス3、ENEOS株式会社)5質量部、製造例1で得られたC5C9樹脂A1 10質量部を混合した後、さらに、5%硫黄2.316質量部、加硫促進剤サンセラーCM-G1.8質量部及びサンセラーD0.5質量部を添加して、ロール機で5分間練り上げた。これを金型(100mm×200mm×2mm)に入れて、170℃で10分間加熱して、厚さ2mmのゴムシートを得た。得られたゴムシートについて、以下に示す粘弾性測定試験によりウェットグリップ性能及び低燃費性(転がり抵抗性)を評価した。結果を表1に示す。
【0039】
実施例2~8、比較例1~3
樹脂A1を製造例2~8または比較製造例1~3で得られた樹脂A2~A8またはB1~B3に代えた以外は実施例1と同様にしてゴムシートを調製し、実施例1と同様にウェットグリップ性能及び低燃費性を評価した。結果を表3及び表4に示す。
【0040】
(粘弾性測定試験機の測定条件)
スタート温度:-40℃
エンド温度:100℃
温度ステップ:1℃
周波数:10Hz
歪み(-1℃未満時):0.1%
歪み(-1℃以上):2%
【0041】
(ウェットグリップ性能)
温度0℃の損失正接(tanδ)の値をウェットグリップ性能の指標とした。この値が大きいほど制動距離が短く、ウェットグリップ性能に優れることを示す。比較例1の値を100とした相対値が98以上であればウェットグリップ性能は良好であると評価した。
【0042】
(低燃費性(転がり抵抗性))
温度60℃の損失正接(tanδ)の値を低燃費性の指標とした。この値が小さいほど、低発熱性に優れ、ゴム組成物の転がり抵抗が小さくなり、低燃費性に優れることを示す。比較例1の値を100とした相対値が100未満であれば低燃費性は良好であると評価した。
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】
C5C9樹脂を含むゴム組成物により得られた実施例1~8のゴムは、転がり抵抗性及びウェットグリップ性に優れたものであった。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明のゴム組成物は、低燃費性とウェットグリップ性能の両立が可能であり、サマータイヤ等のタイヤ用途のゴム組成物として有用なものである。